JP2013092137A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水素添加燃焼の内燃機関において、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関に供給できる技術を提供すること。
【解決手段】通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の第1気筒11に対してリッチ燃焼となるように燃料を供給する燃料供給部と、第1気筒11の排気を各気筒に循環する循環手段と、循環手段により循環される排気中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト触媒51による水性ガスシフト反応によって水素と二酸化炭素に変換する変換手段と、を備え、燃料供給部は、第1気筒11の排気中の一酸化炭素量が増加するように、第1の状態に設定されて第1気筒11に燃料を噴射する第1インジェクタ21と、第1の状態とは異なる第2の状態に設定されて第2気筒12〜第4気筒14に燃料を噴射する第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と、を備える内燃機関10の制御装置である。
【選択図】図1
【解決手段】通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の第1気筒11に対してリッチ燃焼となるように燃料を供給する燃料供給部と、第1気筒11の排気を各気筒に循環する循環手段と、循環手段により循環される排気中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト触媒51による水性ガスシフト反応によって水素と二酸化炭素に変換する変換手段と、を備え、燃料供給部は、第1気筒11の排気中の一酸化炭素量が増加するように、第1の状態に設定されて第1気筒11に燃料を噴射する第1インジェクタ21と、第1の状態とは異なる第2の状態に設定されて第2気筒12〜第4気筒14に燃料を噴射する第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と、を備える内燃機関10の制御装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。より詳しくは、水素が添加された吸気を気筒内に導入し、当該気筒内に燃料を噴射して燃焼させる内燃機関の制御装置に関する。
近年、内燃機関の熱効率やエミッションの改善等を目的として、内燃機関の混合気や吸気中に水素を添加する水素添加燃焼技術の開発が進められている。またこれに伴い、内燃機関への効率的な水素の供給を目的として、オンボードでの燃料改質による水素製造技術の開発が進められている。
ところで、オンボードで燃料改質を行う場合には、装置の小型化、瞬時の起動及び優れた負荷応答性が求められる。しかしながら、通常、オンボードで燃料改質を行うためには燃料改質器を別途車載する必要があるため、装置構成及びその制御が複雑化する。また、燃料改質器内の改質触媒は高温を要するため、その昇温に時間がかかり瞬時の起動が不可能であるうえ、必要とされる水素量の変動に応答できない。
そこで、オンボードで燃料改質を行うにあたり、既に車載されている内燃機関を利用した技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術では、リッチ燃焼を行って燃料を改質するとともに、リッチ燃焼により生じた排気中に含まれる一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト触媒による水性ガスシフト反応によって水素と二酸化炭素に変換した後、内燃機関に循環させる。この技術によれば、既に車載されている内燃機関を利用するため、装置構成及びその制御が複雑化するのを回避できる。また、内燃機関を利用した燃料改質であるため、負荷変動に容易に対応できる。さらには、水性ガスシフト触媒は排気温度下で水性ガスシフト反応が十分進行するため、瞬時の起動が可能である。
しかしながら近年では、さらに効率良く水素を製造して内燃機関に供給することで、内燃機関の熱効率やエミッションのさらなる改善が求められているのが現状である。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、水素添加燃焼の内燃機関において、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関に供給できる技術を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明は、通常燃焼用の気筒(例えば、後述の第2気筒12,第3気筒13,第4気筒14)に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の気筒(例えば、後述の第1気筒11)に対して前記通常燃焼用の気筒よりもリッチ燃焼となるように燃料を供給する燃料供給手段(例えば、後述のECU60)と、前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気を前記リッチ燃焼用の気筒及び前記通常燃焼用の気筒に循環する循環手段(例えば、後述の流量制御弁52,53、配管51a,52a,52b、ECU60)と、前記循環手段により循環される排気中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト触媒による水性ガスシフト反応によって水素と二酸化炭素に変換する変換手段(例えば、後述の水性ガスシフト触媒51,ECU60)と、を備える内燃機関(例えば、後述の内燃機関10)の制御装置を提供する。本発明に係る内燃機関の制御装置では、前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量が増加するように、第1の状態に設定されて前記リッチ燃焼用の気筒に燃料を噴射する第1燃料噴射装置(例えば、後述の第1インジェクタ21)と、前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定されて前記通常燃焼用の気筒に燃料を噴射する第2燃料噴射装置(例えば、後述の第2インジェクタ22、第3インジェクタ23、第4インジェクタ24)と、を備えることを特徴とする。
本発明では、通常燃焼用の気筒の他にリッチ燃焼用の気筒を設け、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト反応により水素と二酸化炭素に変換して各気筒に循環させる。また、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量が増加するように燃料噴射装置を設定して、リッチ燃焼用の気筒に燃料を噴射して供給する。これにより、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量が増加するため、水性ガスシフト反応が促進され、変換される水素の量が増加して水素を効率良く製造できる。従って、本発明によれば、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関に供給できる。
また本発明によれば、効率良く水素を製造できるため、水素製造時の燃費の低下を抑制できるうえ、燃料噴射装置の状態を設定するのみで水素の製造量を精度良く制御できる。
また本発明によれば、効率良く水素を製造できるため、水素製造時の燃費の低下を抑制できるうえ、燃料噴射装置の状態を設定するのみで水素の製造量を精度良く制御できる。
この場合、前記第1の状態は、前記第2の状態と比べて、噴霧角が大きいこと、噴射率が大きいこと及び燃料噴射ノズルの燃焼室側への突き出し量であるノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当することが好ましい。
この発明では、リッチ燃焼用の気筒に燃料を噴射する第1燃料噴射装置を、通常燃焼用の気筒に燃料を噴射する第2燃料噴射装置と比べて、噴霧角が大きいこと、噴射率が大きいこと及び燃料噴射ノズルの燃焼室側への突き出し量であるノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当するように設定する。
噴霧角を大きくした場合には、燃焼室を形成するキャビティの上端部から、噴霧された燃料がはみ出し、キャビティの内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。またこの場合には、各噴孔から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、噴射率(ペネトレーション)を大きくした場合には、噴霧された燃料が燃焼室壁面に衝突した後にキャビティの外側に流出し、上記と同様にキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、ノズル突き出し量を小さくした場合には、噴霧された燃料がキャビティからはみ出し、上記と同様にキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
従ってこの発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
噴霧角を大きくした場合には、燃焼室を形成するキャビティの上端部から、噴霧された燃料がはみ出し、キャビティの内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。またこの場合には、各噴孔から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、噴射率(ペネトレーション)を大きくした場合には、噴霧された燃料が燃焼室壁面に衝突した後にキャビティの外側に流出し、上記と同様にキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、ノズル突き出し量を小さくした場合には、噴霧された燃料がキャビティからはみ出し、上記と同様にキャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
従ってこの発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
この場合、前記燃料供給手段は、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により各気筒に対して燃料を供給するとともに、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、パイロット噴射量を低減して燃料を供給することが好ましい。
この発明では、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により各気筒に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の気筒に対してはパイロット噴射量を低減する。
この発明によれば、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加する。すると、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加する結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
この発明によれば、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加する。すると、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加する結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
この場合、前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、前記低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給することが好ましい。
この発明では、リッチ燃焼用の気筒に対して、パイロット噴射量を低減するとともに、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給する。
噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量をより増加させることができるため、上記発明の効果がより高められる。
噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量をより増加させることができるため、上記発明の効果がより高められる。
この場合、前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、前記通常燃焼用の気筒よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給することが好ましい。
この発明では、リッチ燃焼用の気筒に対して、通常燃焼用の気筒よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給する。
燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させると、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させると、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って、この発明によれば、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記発明の効果が確実に発揮される。
この場合、前記リッチ燃焼用の気筒における空燃比、前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気の温度及び前記水性ガスシフト触媒の温度のうち少なくともいずれか一つを制御することで、前記変換手段により変換される水素の量を制御する水素量制御手段(例えば、後述の第1インジェクタ21、スロットルバルブ32、温度センサ54a,54b、ECU60)をさらに備えることが好ましい。
この発明では、リッチ燃焼用の気筒における空燃比、リッチ燃焼用の気筒から排出される排気の温度及び水性ガスシフト触媒の温度のうち少なくともいずれか一つを制御することで、変換手段により変換される水素の量を制御する。これにより、さらに効率良く水素を製造して内燃機関に供給できる。
この場合、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、改質剤として、空気、酸素富化空気、窒素富化空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素及びEGRガスのうち少なくともいずれか一つを供給する改質剤供給手段(例えば、後述の改質剤供給装置、ECU60)をさらに備えることが好ましい。
この発明では、リッチ燃焼用の気筒に対して、改質剤として、空気、酸素富化空気、窒素富化空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素及びEGRガスのうち少なくともいずれか一つを供給する。これにより、リッチ燃焼用の気筒内でより効率良く燃料が改質され、排気中の一酸化炭素量をより増加させることができるため、上記発明の効果がより高められる。
本発明によれば、水素添加燃焼の内燃機関において、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関に供給できる技術を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成を示す図である。
本実施形態に係る内燃機関10は、水素が添加された吸気を気筒内に導入し、当該気筒内に燃料を噴射して燃焼させるものであり、図示しない車両に搭載されている。具体的には、内燃機関10は、後述する第1気筒でリッチ燃焼を行って燃料を改質することで、水素、一酸化炭素及び水蒸気を含む改質ガスを生成し、後述する水性ガスシフト触媒による水性ガスシフト反応によって、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を水素及び二酸化炭素に変換した後、各気筒内に循環するものである。
図1に示すように、内燃機関10には、各気筒に燃料を供給する燃料供給系20と、車外の空気を内燃機関10に導く吸気系30と、内燃機関10で生成した排気を車外に排出する排気系40と、内燃機関10で生成した改質ガスを水性ガスシフト反応させて水素を生成するシフト反応系50と、これらを制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)60と、が設けられている。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成を示す図である。
本実施形態に係る内燃機関10は、水素が添加された吸気を気筒内に導入し、当該気筒内に燃料を噴射して燃焼させるものであり、図示しない車両に搭載されている。具体的には、内燃機関10は、後述する第1気筒でリッチ燃焼を行って燃料を改質することで、水素、一酸化炭素及び水蒸気を含む改質ガスを生成し、後述する水性ガスシフト触媒による水性ガスシフト反応によって、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を水素及び二酸化炭素に変換した後、各気筒内に循環するものである。
図1に示すように、内燃機関10には、各気筒に燃料を供給する燃料供給系20と、車外の空気を内燃機関10に導く吸気系30と、内燃機関10で生成した排気を車外に排出する排気系40と、内燃機関10で生成した改質ガスを水性ガスシフト反応させて水素を生成するシフト反応系50と、これらを制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)60と、が設けられている。
本実施形態で用いられる燃料は、車両用の燃料であり、具体的には、ガソリン、軽油、アルコール、天然ガス、プロパンガス、バイオディ−ゼル等の炭化水素類(アルカン類、アルケン類、アルキン類、芳香族化合物等)及びこれらの混合燃料等が用いられる。中でも、軽油や、軽油とその他の燃料との混合燃料が好ましく用いられる。
本実施形態では、図示しない改質剤供給装置及びこれを制御するECU60により、後述するリッチ燃焼用の気筒としての第1気筒に対して、改質剤が供給される。供給される改質剤としては、空気、酸素富化空気、窒素富化空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素及びEGRガスのうち少なくとも一種が挙げられる。
本実施形態に係る内燃機関10は、直列4気筒のディーゼル内燃機関であり、燃料が気筒内に噴射され、圧縮されることで自己着火する。内燃機関10の運転条件(回転速度)は負荷変動に良好に追従するため、後述する第1気筒による改質ガスの生成も、負荷変動に良好に追従する。
ただし、気筒数やその配列は特に限定されない。また、内燃機関10の種類は、ディーゼル内燃機関に限定されず、公知の内燃機関から適宜選択して利用できる。さらに、内燃機関10における着火方式は、圧縮による自己着火式に限定されず、例えば点火プラグによる火花点火式でもよい。
ただし、気筒数やその配列は特に限定されない。また、内燃機関10の種類は、ディーゼル内燃機関に限定されず、公知の内燃機関から適宜選択して利用できる。さらに、内燃機関10における着火方式は、圧縮による自己着火式に限定されず、例えば点火プラグによる火花点火式でもよい。
内燃機関10は、リッチ燃焼又は通常燃焼を行う第1気筒11と、通常燃焼を行う第2気筒12、第3気筒13及び第4気筒14を備える。これにより、内燃機関10は、第1気筒11におけるリッチ燃焼と、第2気筒12、第3気筒13及び第4気筒14における通常燃焼とを、同時に並行して行うことができる。ただし、リッチ燃焼用又は通常燃焼用の気筒数、通常燃焼用の気筒数は、これに限定されない。
なお本実施形態では、第1気筒11におけるリッチ燃焼による改質反応は、200℃〜3000℃程度までの温度領域で実施される。
なお本実施形態では、第1気筒11におけるリッチ燃焼による改質反応は、200℃〜3000℃程度までの温度領域で実施される。
燃料供給系20は、上記の各気筒内に燃料を噴射する第1インジェクタ21、第2インジェクタ22、第3インジェクタ23及び第4インジェクタ24を備える。これらの各インジェクタは、それぞれ、各気筒内に所望量の燃料を噴射する。
図2は、本実施形態に係る燃料供給系20の構成を示す図である。
図2に示すように、燃料供給系20は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24と、コモンレール25と、高圧ポンプ26と、燃料タンク27と、を備える。第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24、コモンレール25及び高圧ポンプ26には、これらを制御するECU60が電気的に接続されている。
図2は、本実施形態に係る燃料供給系20の構成を示す図である。
図2に示すように、燃料供給系20は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24と、コモンレール25と、高圧ポンプ26と、燃料タンク27と、を備える。第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24、コモンレール25及び高圧ポンプ26には、これらを制御するECU60が電気的に接続されている。
燃料タンク27は、車両用の燃料タンクであり、給油口から給油された軽油等の液体燃料を貯留する。燃料タンク27は、後述する高圧ポンプ26と第1供給管271で連結されており、この第1供給管271の先端部及び中間部に、フィルタ272,273が設けられている。燃料は、これらフィルタ272,273で濾過されて異物等の不純物が除去された後、後述の高圧ポンプ26に供給される。
高圧ポンプ26は、内燃機関10により駆動される機械駆動式のポンプである。より詳しくは、高圧ポンプ26は、内燃機関10のカムシャフトに連動して往復動する図示しないプランジャと、燃料の吐出量を調整するための図示しない流量制御弁を備える。
高圧ポンプ26は、燃料タンク27内の燃料を吸引し、フィルタ272,273により濾過された燃料を高圧に昇圧して、第2供給管261内に吐出する。高圧ポンプ26により高圧に昇圧された燃料は、第2供給管261を介して、後述するコモンレール25に供給される。
高圧ポンプ26は、燃料タンク27内の燃料を吸引し、フィルタ272,273により濾過された燃料を高圧に昇圧して、第2供給管261内に吐出する。高圧ポンプ26により高圧に昇圧された燃料は、第2供給管261を介して、後述するコモンレール25に供給される。
高圧ポンプ26には、高圧ポンプ26に供給された燃料の過剰分やリーク分等を燃料タンク27に還流するための第2還流管202が接続されている。第2還流管202は、後述する第1還流管201と合流しており、高圧ポンプ26から還流された燃料と、コモンレール25及び第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24から還流された燃料は、混合されて燃料タンク27に還流される。
コモンレール25は、高圧ポンプ26と第2供給管261で連結されており、高圧ポンプ26により昇圧されて供給された燃料を蓄圧する。コモンレール25は、内燃機関10の各気筒に対応して設けられた第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24と4つの第3供給管251で連結されている。コモンレール25で蓄圧された燃料は、第3供給管251を介して、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24に圧送される。
コモンレール25には、燃料の過剰分等を還流するための第1還流管201が接続されている。第1還流管201は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24に接続されており、これら各インジェクタからの燃料の過剰分やリーク分も還流する。また第1還流管201は、第2還流管202と合流した後、燃料タンク27内に燃料を還流する。
コモンレール25の第1還流管201との接続部分には、コモンレール25内の燃料圧力を調整するための圧力リミットバルブ253が設けられている。
また、コモンレール25には、その内部の燃料圧力を検出する圧力センサ252が設けられている。圧力センサ252は、ECU60に電気的に接続されており、その検出信号はECU60に出力される。
また、コモンレール25には、その内部の燃料圧力を検出する圧力センサ252が設けられている。圧力センサ252は、ECU60に電気的に接続されており、その検出信号はECU60に出力される。
第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24は、内燃機関10の各気筒に対応して設けられており、各気筒の燃焼室内に燃料を直接噴射する。コモンレール25で蓄圧された燃料は、第3供給管251を介して各インジェクタから各気筒の燃焼室内に噴射される。
ただし、空気等のバックグラウンドガスに気化させた後に、各気筒の燃焼室内に導入してもよい。例えば、後述する混合器と吸気マニホールドとの間に吸気チャンバを設け、この吸気チャンバ内で新気を含むバックグラウンドガスに燃料を噴射し気化する構成としてもよい。つまり、燃料の噴射方式は、筒内噴射、吸気ポート噴射のいずれでもよい。
ただし、空気等のバックグラウンドガスに気化させた後に、各気筒の燃焼室内に導入してもよい。例えば、後述する混合器と吸気マニホールドとの間に吸気チャンバを設け、この吸気チャンバ内で新気を含むバックグラウンドガスに燃料を噴射し気化する構成としてもよい。つまり、燃料の噴射方式は、筒内噴射、吸気ポート噴射のいずれでもよい。
ここで、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24について詳しく説明する。
図3は、本実施形態に係る第1インジェクタ21の概略構成を示す縦断面図である。図3では、各部材の位置関係や寸法等は、理解の容易のため、誇張及び簡素化して示している。
第1インジェクタ21は、先端に周方向に均等に配置された8つの噴孔211を有するノズルボディ210と、ノズルボディ210の中心軸に沿って形成された挿通穴210Aと、挿通穴210A内に進退可能に挿通されて保持されるニードル弁212と、ニードル弁212の上方に設けられてニードル弁212を進退させる図示しない駆動機構と、を備える。
図3に示すように、挿通穴210Aの内周面とニードル弁212の外周面との間には、その周方向の少なくとも一部に隙間が設けられており、この隙間により燃料流路が形成されている。またこの燃料流路には、上述の第3供給管251が接続されている。
以上の構成を備える第1インジェクタ21では、駆動装置によりニードル弁212が前進してその先端部が挿通穴210Aの座面に着座すると、噴孔211からの燃料の噴射が停止する。また、駆動装置によりニードル弁212が後退してその先端部が挿通穴210Aの座面から離座すると、噴孔211から燃料が噴射される。なお図3では、ニードル弁212の先端部が挿通穴210Aの座面に着座している状態を示している。
図3は、本実施形態に係る第1インジェクタ21の概略構成を示す縦断面図である。図3では、各部材の位置関係や寸法等は、理解の容易のため、誇張及び簡素化して示している。
第1インジェクタ21は、先端に周方向に均等に配置された8つの噴孔211を有するノズルボディ210と、ノズルボディ210の中心軸に沿って形成された挿通穴210Aと、挿通穴210A内に進退可能に挿通されて保持されるニードル弁212と、ニードル弁212の上方に設けられてニードル弁212を進退させる図示しない駆動機構と、を備える。
図3に示すように、挿通穴210Aの内周面とニードル弁212の外周面との間には、その周方向の少なくとも一部に隙間が設けられており、この隙間により燃料流路が形成されている。またこの燃料流路には、上述の第3供給管251が接続されている。
以上の構成を備える第1インジェクタ21では、駆動装置によりニードル弁212が前進してその先端部が挿通穴210Aの座面に着座すると、噴孔211からの燃料の噴射が停止する。また、駆動装置によりニードル弁212が後退してその先端部が挿通穴210Aの座面から離座すると、噴孔211から燃料が噴射される。なお図3では、ニードル弁212の先端部が挿通穴210Aの座面に着座している状態を示している。
第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24は、基本的な構成は同一であるが、第1インジェクタ21は、第1気筒11から排出される排気(以下、「改質ガス」という)中の一酸化炭素量が増加するような第1の状態に設定されており、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24は、第1の状態とは異なる第2の状態に設定されている。
これら第1の状態及び第2の状態は、各インジェクタのハード構成(寸法等)を変更することで設定可能であるとともに、後述するECU60による各インジェクタの燃料噴射を制御することで設定可能となっている。また、これらハード構成の変更や燃料噴射の制御を複数組み合わせることで、改質ガス中の一酸化炭素量をより増加でき、より効率の良い水素の製造が可能となっている。
これら第1の状態及び第2の状態は、各インジェクタのハード構成(寸法等)を変更することで設定可能であるとともに、後述するECU60による各インジェクタの燃料噴射を制御することで設定可能となっている。また、これらハード構成の変更や燃料噴射の制御を複数組み合わせることで、改質ガス中の一酸化炭素量をより増加でき、より効率の良い水素の製造が可能となっている。
以下、各インジェクタのハード構成(寸法等)の変更による各状態の設定について説明する。なお、各インジェクタの燃料噴射制御による各状態の設定については後段で詳述する。
本実施形態では、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、第1インジェクタ21の噴霧角が大きいこと、噴射率(ペネトレーション)が大きいこと、ノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当するようにハード構成(寸法等)を変更する。これにより、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するような第1の状態に第1インジェクタ21が設定される。
本実施形態では、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、第1インジェクタ21の噴霧角が大きいこと、噴射率(ペネトレーション)が大きいこと、ノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当するようにハード構成(寸法等)を変更する。これにより、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するような第1の状態に第1インジェクタ21が設定される。
ここで、図4は、本実施形態に係る第1インジェクタ21の先端部分の拡大断面図である。なお図4では、ニードル弁212の先端部212Aが挿通穴210Aの座面から離座している状態を示している。
従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくするためには、図4に示す噴孔211の径(噴孔径)を小さくすること、シート角を大きくすること、噴孔211の長さ(噴孔長)を短くすること、の少なくとも一つにより実現される。
ここで、噴霧角とは、平面視での噴霧角度(例えば、噴孔211から噴射方向に10mmの位置における噴霧角度)であり、後述の図7に示すθで表される。また、シート角とは、図4に示す挿通穴210Aの略円錐状の先端部210Dの開先角度である。
従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくするためには、図4に示す噴孔211の径(噴孔径)を小さくすること、シート角を大きくすること、噴孔211の長さ(噴孔長)を短くすること、の少なくとも一つにより実現される。
ここで、噴霧角とは、平面視での噴霧角度(例えば、噴孔211から噴射方向に10mmの位置における噴霧角度)であり、後述の図7に示すθで表される。また、シート角とは、図4に示す挿通穴210Aの略円錐状の先端部210Dの開先角度である。
本実施形態に係る従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24では、例えば、噴孔径は123μm、シート角は60°、噴孔長は1.05mmに設定される。これに対して、第1インジェクタ21では、例えば、噴孔径は121μm、シート角は90°、噴孔長は0.90mmに設定され、これにより、噴霧角が大きくなる。
なお、噴霧角を大きくする他の方法としては、燃料圧力を上げること、噴孔211の出口のRを小さくすること、噴孔211のテーパー角を小さくすること、噴孔211の内表面の粗さを粗くすること、が挙げられる。
なお、噴霧角を大きくする他の方法としては、燃料圧力を上げること、噴孔211の出口のRを小さくすること、噴孔211のテーパー角を小さくすること、噴孔211の内表面の粗さを粗くすること、が挙げられる。
また、従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、第1インジェクタ21の噴射率を大きくするためには、例えば燃料圧力を大きくすることで、実現される。
図5(A)は、第1インジェクタのノズル突き出し量を示す図であり、図5(B)は、第1気筒11に対する噴孔211の位置を模式的に示す平面図であり、図5(C)は、第1インジェクタに対する噴孔211の位置を模式的に示す平面図である。
ここで、ノズル突き出し量とは、燃料噴射ノズルの燃焼室側への突き出し量であり、具体的には、図5(A)に示すように第1インジェクタ21を取り付けるシリンダヘッド115の内側面から、ノズル(噴孔211)までの距離である。
本実施形態に係る従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24では、例えばノズル突き出し量は0.36mmに設定され、第1インジェクタ21ではこれよりもノズル突き出し量が小さく設定される。
なお本実施形態では、図5(B)に示すように、例えば、内燃機関10に対する噴孔211の位置(A°)は、グロープラグの位置に応じて22.5°に設定され、図5(C)に示すように、第1インジェクタ21の二面巾に対する噴孔211の位置(B°)も同様に22.5°に設定される。
ここで、ノズル突き出し量とは、燃料噴射ノズルの燃焼室側への突き出し量であり、具体的には、図5(A)に示すように第1インジェクタ21を取り付けるシリンダヘッド115の内側面から、ノズル(噴孔211)までの距離である。
本実施形態に係る従来一般的な第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24では、例えばノズル突き出し量は0.36mmに設定され、第1インジェクタ21ではこれよりもノズル突き出し量が小さく設定される。
なお本実施形態では、図5(B)に示すように、例えば、内燃機関10に対する噴孔211の位置(A°)は、グロープラグの位置に応じて22.5°に設定され、図5(C)に示すように、第1インジェクタ21の二面巾に対する噴孔211の位置(B°)も同様に22.5°に設定される。
ここで、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくすることにより、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加する理由について、図6及び図7を参照して説明する。
図6は、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくしたときの燃料の噴霧状態を示す断面図である。なお図6では、便宜上、シリンダヘッドを省略して示している。この図6に示すように、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくした場合には、第1気筒11のピストン110の頂面に凹設されて浅皿形の燃焼室を形成するキャビティ111の上端部から、噴霧された燃料がはみ出す。すると、キャビティ111の外側はキャビティ111の内部と比べて温度が低いうえ、残存酸素量が多く燃料が過度に希薄化されるため、燃焼温度が一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する温度まで到達せずに燃料は不完全燃焼する。その結果、改質ガス中の一酸化炭素量が増加する。
図6は、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくしたときの燃料の噴霧状態を示す断面図である。なお図6では、便宜上、シリンダヘッドを省略して示している。この図6に示すように、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくした場合には、第1気筒11のピストン110の頂面に凹設されて浅皿形の燃焼室を形成するキャビティ111の上端部から、噴霧された燃料がはみ出す。すると、キャビティ111の外側はキャビティ111の内部と比べて温度が低いうえ、残存酸素量が多く燃料が過度に希薄化されるため、燃焼温度が一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する温度まで到達せずに燃料は不完全燃焼する。その結果、改質ガス中の一酸化炭素量が増加する。
図7は、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくしたときの燃料の噴霧状態を示す平面図である。この図7に示すように、第1インジェクタ21の噴霧角を大きくした場合には、破線で囲まれた部分Pのように各噴孔から噴射されて形成された各噴霧同士が空間的に干渉する。すると、噴霧間干渉が起こった噴霧は、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼する。その結果、改質ガス中の一酸化炭素量が増加する。
また、噴射率を大きくした場合も同様に、噴霧された燃料が燃焼室壁面に衝突した後にキャビティの外側に流出し、キャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
ノズル突き出し量を小さくした場合も同様に、噴霧された燃料がキャビティからはみ出し、キャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
ノズル突き出し量を小さくした場合も同様に、噴霧された燃料がキャビティからはみ出し、キャビティの外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
以上のように設定される第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24による燃料の噴射量(噴射時間)及び噴射タイミングは、後述するECU60により個別に制御される。即ち、後述するスロットルバルブの開度に対応した新気の流量等に応じて、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24を制御することで、各気筒における空燃比(空気重量/燃料重量、以下「A/F」という)が、個別に制御される。
本実施形態では、第1インジェクタ21は、第1気筒11においてリッチ燃焼又は通常燃焼が行われるように制御される。また、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24は、第2気筒12、第3気筒13及び第4気筒14において通常燃焼が行われるように制御される。
即ち、第1気筒11におけるリッチ燃焼のA/Fは、第1インジェクタ21と、スロットルバルブ32と、ECU60により制御され、これにより改質ガス(水素、一酸化炭素及び水蒸気)の生成量が制御される結果、後述する水性ガスシフト触媒における水素の生成量が制御される。従って、第1インジェクタ21、スロットルバルブ32及びECU60は、本発明の水素量制御手段の一部を構成する。
本実施形態では、第1インジェクタ21は、第1気筒11においてリッチ燃焼又は通常燃焼が行われるように制御される。また、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24は、第2気筒12、第3気筒13及び第4気筒14において通常燃焼が行われるように制御される。
即ち、第1気筒11におけるリッチ燃焼のA/Fは、第1インジェクタ21と、スロットルバルブ32と、ECU60により制御され、これにより改質ガス(水素、一酸化炭素及び水蒸気)の生成量が制御される結果、後述する水性ガスシフト触媒における水素の生成量が制御される。従って、第1インジェクタ21、スロットルバルブ32及びECU60は、本発明の水素量制御手段の一部を構成する。
なお、第1気筒11におけるリッチ燃焼のA/Fは、5〜20の範囲内に設定するのが好ましい。改質ガス中の酸素濃度が高くなると、改質反応で生成した水素が酸化されて水になり、水素の回収率が低下するためである。ただし、バックグラウンドガスに燃料を噴射する場合には、上記A/Fは、5〜14の範囲内に設定するのが好ましい。
図1に戻って、本実施形態の吸気系30は、塵等を除去するエアクリーナ31と、スロットルバルブ32と、混合器(ガスミキサ)33と、下流側が四股に分岐した吸気マニホールド34と、を備える。エアクリーナ31から下流に向かって、配管31a、スロットルバルブ32、配管32a、混合器33、配管33a、吸気マニホールド34の順に接続されており、吸気マニホールド34の4つの下流端は、第1気筒11〜第4気筒14にそれぞれ接続されている。
スロットルバルブ32は、バタフライ弁等から構成され、ECU60によりその開度が制御されることで、車外からの新気量が制御される。
混合器33は、車外から吸入された新気と、後述する水性ガスシフト触媒により変換された水素及び二酸化炭素とを混合して均一とした後、吸気マニホールド34を介して第1気筒11〜第4気筒14に供給する。これにより、各気筒の燃焼が安定し、ノッキング等が抑制される。
混合器33は、車外から吸入された新気と、後述する水性ガスシフト触媒により変換された水素及び二酸化炭素とを混合して均一とした後、吸気マニホールド34を介して第1気筒11〜第4気筒14に供給する。これにより、各気筒の燃焼が安定し、ノッキング等が抑制される。
本実施形態の排気系40は、上流側が三股に分岐した排気マニホールド41と、三元触媒42と、を備える。第2気筒12、第3気筒13及び第4気筒14は、排気マニホールド41及び配管42aを介して三元触媒42に連結されており、第2気筒12〜第4気筒14で生成した排気は、排気マニホールド41で集合した後、配管42aを通って三元触媒42に供給される。
三元触媒42は、排気中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)及び窒素酸化物(NOx)を浄化する。三元触媒42は、例えばコージェライト製のハニカム体の内壁面に、ウォッシュコート法等によって担持される。三元触媒42は、例えば、(Pt−Pd−Rh+希土類元素)系で形成され、その反応温度は250℃〜700℃に設計される。ここで、三元触媒42の反応温度とは、三元触媒42がその触媒機能を良好に発揮する温度である。三元触媒42により浄化された排気は、その後、車外に排出される。
本実施形態のシフト反応系50は、水性ガスシフト触媒51と、流量制御弁52,53と、温度センサ54a,54bと、ヒータ55と、を備える。第1気筒11は、配管52a、流量制御弁52及び配管52bを介して、水性ガスシフト触媒51に連結されており、第1気筒11におけるリッチ燃焼によって生成した改質ガス(水素、一酸化炭素及び水蒸気)は、配管52a等を通って、水性ガスシフト触媒51に供給される。
水性ガスシフト触媒51は、下記式(1)に示す反応式に従って、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を水性ガスシフト反応させることで、水素及び二酸化炭素を生成する。水性ガスシフト触媒51は、三元触媒42と同様に、例えばコージェライト製のハニカム体の内壁面に、ウォッシュコート法等によって担持される。水性ガスシフト触媒51は、例えば、(Fe−Cr系+Cu−Zn系)で形成され、その反応温度は150℃〜500℃に設計される。即ち、水性ガスシフト触媒51の反応温度は、三元触媒42の反応温度よりも低く設計される。
CO+H2O → H2+CO2 ・・・式(1)
CO+H2O → H2+CO2 ・・・式(1)
配管52aは、配管53a、流量制御弁53、配管53bを介して、配管42aに接続されている。
流量制御弁52,53は、ECU60により制御され、0〜所望の流量まで制御可能な弁であって、例えばニードル弁で構成される。流量制御弁52,53の開度を制御することにより、第1気筒11から三元触媒42又は水性ガスシフト触媒51に向かう改質ガスの流量が制御される。例えば、第1気筒11においてリッチ燃焼を行う場合に、流量制御弁53を全閉し、流量制御弁52を全開にする。これにより、高温の改質ガスの全てを水性ガスシフト触媒51に導入でき、水性ガスシフト触媒51を速やかに昇温できる。
流量制御弁52,53は、ECU60により制御され、0〜所望の流量まで制御可能な弁であって、例えばニードル弁で構成される。流量制御弁52,53の開度を制御することにより、第1気筒11から三元触媒42又は水性ガスシフト触媒51に向かう改質ガスの流量が制御される。例えば、第1気筒11においてリッチ燃焼を行う場合に、流量制御弁53を全閉し、流量制御弁52を全開にする。これにより、高温の改質ガスの全てを水性ガスシフト触媒51に導入でき、水性ガスシフト触媒51を速やかに昇温できる。
温度センサ54aは、第1気筒11から排出される改質ガスの温度を検出する。温度センサ54aは、ECU60に電気的に接続されており、その検出信号はECU60に出力される。温度センサ54aの検出信号に基づいて、第1気筒11のリッチ燃焼のA/F等を制御することで、改質ガスの温度が制御される結果、後述する水性ガスシフト触媒における水素の生成量が制御される。従って、温度センサ54aは、本発明の水素量制御手段の一部を構成する。
温度センサ54bは、水性ガスシフト触媒51の温度を検出する。温度センサ54bは、ECU60に電気的に接続されており、その検出信号はECU60に出力される。
ヒータ55は、水性ガスシフト触媒51の温度を制御する電熱ヒータである。ヒータ55は、ECU60により制御されるインバータ56を介して電源57に接続されている。ECU60によりインバータ56が制御されることで、ヒータ55の出力(熱量)が制御される。
従って、温度センサ54bの検出信号に基づいて、ヒータ55を制御することで、後述する水性ガスシフト触媒51の温度が制御される結果、水素の生成量が制御される。このため、温度センサ54bは、本発明の水素量制御手段の一部を構成する。
ヒータ55は、水性ガスシフト触媒51の温度を制御する電熱ヒータである。ヒータ55は、ECU60により制御されるインバータ56を介して電源57に接続されている。ECU60によりインバータ56が制御されることで、ヒータ55の出力(熱量)が制御される。
従って、温度センサ54bの検出信号に基づいて、ヒータ55を制御することで、後述する水性ガスシフト触媒51の温度が制御される結果、水素の生成量が制御される。このため、温度センサ54bは、本発明の水素量制御手段の一部を構成する。
本実施形態のECU60は、各センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU60は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路と、制御信号を出力する出力回路を備える。
以上のようなハードウェア構成により、ECU60には、各気筒に燃料を供給する燃料供給手段としての燃料供給部が構成されている。
燃料供給部は、上述したように、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24の燃料噴射を制御することで、第1インジェクタ21を、改質ガス中の一酸化炭素量が増加するような第1の状態に設定するとともに、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24を、第1の状態とは異なる第2の状態に設定する。
具体的には、燃料供給部は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24を制御して、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により、各気筒に対して燃料を供給する。このとき、先ず、要求トルクに応じて通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14のパイロット噴射量及びメイン噴射量の割合を算出する。リッチ燃焼用の第1気筒11については、上記で算出されたパイロット噴射量及びメイン噴射量に対してリッチ燃焼に相当する分を付加したものから、パイロット噴射量を低減する。
また燃料供給部は、第1インジェクタ21を制御して、第1気筒11に対して、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給する。
また燃料供給部は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24を制御して、第1気筒11に対して、第2気筒12〜第4気筒14よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給する。
燃料供給部は、上述したように、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24の燃料噴射を制御することで、第1インジェクタ21を、改質ガス中の一酸化炭素量が増加するような第1の状態に設定するとともに、第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24を、第1の状態とは異なる第2の状態に設定する。
具体的には、燃料供給部は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24を制御して、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により、各気筒に対して燃料を供給する。このとき、先ず、要求トルクに応じて通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14のパイロット噴射量及びメイン噴射量の割合を算出する。リッチ燃焼用の第1気筒11については、上記で算出されたパイロット噴射量及びメイン噴射量に対してリッチ燃焼に相当する分を付加したものから、パイロット噴射量を低減する。
また燃料供給部は、第1インジェクタ21を制御して、第1気筒11に対して、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給する。
また燃料供給部は、第1インジェクタ21〜第4インジェクタ24を制御して、第1気筒11に対して、第2気筒12〜第4気筒14よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給する。
なおECU60には、第1気筒11の改質ガスを各気筒に循環する循環部と、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を水性ガスシフト触媒51による水性ガスシフト反応により水素を二酸化炭素に変換する変換部と、水性ガスシフト触媒51により変換される水素の量を制御する水素量制御手段としての水素量制御部と、第1気筒11に対して改質剤を供給する改質剤供給手段としての改質剤供給部が構成されている。
以上で説明した内燃機関10による燃料の改質反応と水性ガスシフト反応は、バッチ式及び連続式のいずれでも可能である。本実施形態では、改質反応を安定して行うことができ、また、水性ガスシフト反応における水素の収率もあまり低下しないため、好ましくは連続式が採用される。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14の他に、リッチ燃焼用の第1気筒11を設け、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト反応により水素と二酸化炭素に変換して各気筒に循環させる。また、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するように第1インジェクタ21を設定して、第1気筒11に燃料を噴射して供給する。これにより、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するため、水性ガスシフト反応が促進され、変換される水素の量が増加して水素を効率良く製造できる。従って、本実施形態によれば、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関10に供給できる。
また本実施形態によれば、効率良く水素を製造できるため、水素製造時の燃費の低下を抑制できるうえ、第1インジェクタ21の状態を設定するのみで水素の製造量を精度良く制御できる。
本実施形態では、通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14の他に、リッチ燃焼用の第1気筒11を設け、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト反応により水素と二酸化炭素に変換して各気筒に循環させる。また、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するように第1インジェクタ21を設定して、第1気筒11に燃料を噴射して供給する。これにより、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量が増加するため、水性ガスシフト反応が促進され、変換される水素の量が増加して水素を効率良く製造できる。従って、本実施形態によれば、オンボードで従来よりも効率良く水素を製造して内燃機関10に供給できる。
また本実施形態によれば、効率良く水素を製造できるため、水素製造時の燃費の低下を抑制できるうえ、第1インジェクタ21の状態を設定するのみで水素の製造量を精度良く制御できる。
また本実施形態では、第1気筒11に燃料を噴射する第1インジェクタ21を、第2気筒12〜第4気筒14に燃料を噴射する第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24と比べて、噴霧角が大きいこと、噴射率が大きいこと及びノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当するように設定する。
噴霧角を大きくした場合には、燃焼室を形成するキャビティ111の上端部から、噴霧された燃料がはみ出し、キャビティ111の内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。またこの場合には、各噴孔211から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、噴射率(ペネトレーション)を大きくした場合には、噴霧された燃料が燃焼室壁面に衝突した後にキャビティ111の外側に流出し、上記と同様にキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、ノズル突き出し量を小さくした場合には、噴霧された燃料がキャビティ111からはみ出し、上記と同様にキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
従って本実施形態によれば、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記の効果が確実に発揮される。
噴霧角を大きくした場合には、燃焼室を形成するキャビティ111の上端部から、噴霧された燃料がはみ出し、キャビティ111の内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。またこの場合には、各噴孔211から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、噴射率(ペネトレーション)を大きくした場合には、噴霧された燃料が燃焼室壁面に衝突した後にキャビティ111の外側に流出し、上記と同様にキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
また、ノズル突き出し量を小さくした場合には、噴霧された燃料がキャビティ111からはみ出し、上記と同様にキャビティ111の外側で低温希薄燃焼、つまり不完全燃焼する結果、一酸化炭素量が増加する。
従って本実施形態によれば、第1気筒11から排出される改質ガス中の一酸化炭素量を増加させることができるため、上記の効果が確実に発揮される。
また本実施形態では、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により各気筒に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の第1気筒11に対してはパイロット噴射量を低減する。
本実施形態によれば、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加する。すると、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加する結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果が確実に発揮される。
本実施形態によれば、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加する。すると、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加する結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果が確実に発揮される。
また本実施形態では、リッチ燃焼用の第1気筒11に対して、パイロット噴射量を低減するとともに、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給する。
噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果がより高められる。
噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果がより高められる。
また本実施形態では、リッチ燃焼用の第1気筒11に対して、通常燃焼用の第2気筒12〜第4気筒14よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給する。
燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させると、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果が確実に発揮される。
燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させると、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結、つまり一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなる結果、一酸化炭素量が増加する。従って本実施形態によれば、上記の効果が確実に発揮される。
また本実施形態では、リッチ燃焼用の第1気筒11における空燃比、第1気筒11から排出される排気の温度及び水性ガスシフト触媒51の温度のうち少なくともいずれか一つを制御することで、変換される水素の量を制御する。これにより、さらに効率良く水素を製造して内燃機関10に供給できる。
また本実施形態では、リッチ燃焼用の第1気筒11に対して、改質剤として、空気、酸素富化空気、窒素富化空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素及びEGRガスのうち少なくともいずれか一つを供給する。これにより、リッチ燃焼用の第1気筒11内でより効率良く燃料が改質され、改質ガス中の一酸化炭素量をより増加させることができるため、上記の効果がより高められる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[噴孔径と噴霧角の関係]
先ず、第1インジェクタ21の噴孔径と噴霧角の関係について検証を行った。図8は、噴孔径を123μmから121μmに小さくした場合において、サック部の開口面積と噴霧角(°)との関係を示す図である。ここでサック部の開口面積とは、図4に示したようにはさみ角と相関があり、離座した状態におけるニードル弁212の略円錐状の先端部212Aと、挿通穴210Aの先端に凹設されたサック部の上端210Bとの間に形成される開口210Cの面積である。また噴霧角とは、噴孔211から噴射方向に10mmの位置における平面視での噴霧角度である(以下、同様)。
図8に示すように、噴孔径を小さくすることにより、サック部の開口面積を変化させた場合であっても、その全範囲において噴霧角は大きくなることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、噴孔径を小さくするのが有効であり、121μmが好ましいことが分かった。
先ず、第1インジェクタ21の噴孔径と噴霧角の関係について検証を行った。図8は、噴孔径を123μmから121μmに小さくした場合において、サック部の開口面積と噴霧角(°)との関係を示す図である。ここでサック部の開口面積とは、図4に示したようにはさみ角と相関があり、離座した状態におけるニードル弁212の略円錐状の先端部212Aと、挿通穴210Aの先端に凹設されたサック部の上端210Bとの間に形成される開口210Cの面積である。また噴霧角とは、噴孔211から噴射方向に10mmの位置における平面視での噴霧角度である(以下、同様)。
図8に示すように、噴孔径を小さくすることにより、サック部の開口面積を変化させた場合であっても、その全範囲において噴霧角は大きくなることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、噴孔径を小さくするのが有効であり、121μmが好ましいことが分かった。
[シート角と噴霧角の関係]
第1インジェクタ21のシート角と噴霧角の関係について検証を行った。図9は、噴孔径を121μmとした場合において、シート角(°)と噴霧角(°)との関係を示す図である。
図9に示すように、シート角を大きくすることにより、それに伴って噴霧角も大きくなり、シート角90°程度で噴霧角が最大となることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、シート角をある程度大きくするのが有効であり、90°が好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21のシート角と噴霧角の関係について検証を行った。図9は、噴孔径を121μmとした場合において、シート角(°)と噴霧角(°)との関係を示す図である。
図9に示すように、シート角を大きくすることにより、それに伴って噴霧角も大きくなり、シート角90°程度で噴霧角が最大となることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、シート角をある程度大きくするのが有効であり、90°が好ましいことが分かった。
[噴孔長と噴霧角の関係]
第1インジェクタ21の噴孔長と噴霧角の関係について検証を行った。図10は、噴孔径を121μm、シート角を90°とし、噴孔長を従来一般的な1.05mmから0.90mmに短くした場合において、経時での噴霧角(°)を示す図である。
図10に示すように、噴孔長を短くすることにより、噴霧角が大きくなることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、噴孔長を短くするのが有効であり、0.90mmが好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21の噴孔長と噴霧角の関係について検証を行った。図10は、噴孔径を121μm、シート角を90°とし、噴孔長を従来一般的な1.05mmから0.90mmに短くした場合において、経時での噴霧角(°)を示す図である。
図10に示すように、噴孔長を短くすることにより、噴霧角が大きくなることが分かった。この結果から、噴霧角を大きくするためには、噴孔長を短くするのが有効であり、0.90mmが好ましいことが分かった。
[噴霧角とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21の噴霧角と一酸化炭素(CO)生成量の関係について検証を行った。図11は、噴霧角(°)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図11に示すように、噴霧角を大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的な噴霧角約17.5°ではCO生成量が約6mg/秒であったのに対して、噴霧角を約19°とすることでその約2倍に相当する約12mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、上述した通り、噴霧角を大きくすることにより、キャビティから噴霧された燃料がはみ出し、キャビティの内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティの外側で希薄化されて不完全燃焼するためである。また、各噴孔から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、噴霧角を大きくするのが有効であり、19°〜25°の範囲が好ましいことが分かった。また最も好ましい噴霧角は、21°であることが分かった。
第1インジェクタ21の噴霧角と一酸化炭素(CO)生成量の関係について検証を行った。図11は、噴霧角(°)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図11に示すように、噴霧角を大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的な噴霧角約17.5°ではCO生成量が約6mg/秒であったのに対して、噴霧角を約19°とすることでその約2倍に相当する約12mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、上述した通り、噴霧角を大きくすることにより、キャビティから噴霧された燃料がはみ出し、キャビティの内部と比べて低温で残存酸素量が多いキャビティの外側で希薄化されて不完全燃焼するためである。また、各噴孔から噴射されて形成された噴霧同士が空間的に干渉し、局所的に過濃な混合気となって不完全燃焼するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、噴霧角を大きくするのが有効であり、19°〜25°の範囲が好ましいことが分かった。また最も好ましい噴霧角は、21°であることが分かった。
[噴射率とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21の噴射率(ペネトレーション)とCO生成量の関係について検証を行った。図12は、ペネトレーションの増加量(mm)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここで、ペネトレーション増加量とは、従来一般的な噴射後0.5ミリ秒のペネトレーションをベースとした、噴射後0.5ミリ秒のペネトレーション、つまり噴霧到達距離の増加量である。
図12に示すように、ペネトレーションを大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なペネトレーションではCO生成量が約3.1mg/秒であったのに対して、ペネトレーション増加量を10mm以上とすることでその約1.7倍に相当する約5.3mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、ペネトレーションを大きくすることが有効であり、ペネトレーション増加量は10mm〜20mmの範囲が好ましく、10mm〜15mmの範囲がより好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21の噴射率(ペネトレーション)とCO生成量の関係について検証を行った。図12は、ペネトレーションの増加量(mm)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここで、ペネトレーション増加量とは、従来一般的な噴射後0.5ミリ秒のペネトレーションをベースとした、噴射後0.5ミリ秒のペネトレーション、つまり噴霧到達距離の増加量である。
図12に示すように、ペネトレーションを大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なペネトレーションではCO生成量が約3.1mg/秒であったのに対して、ペネトレーション増加量を10mm以上とすることでその約1.7倍に相当する約5.3mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、ペネトレーションを大きくすることが有効であり、ペネトレーション増加量は10mm〜20mmの範囲が好ましく、10mm〜15mmの範囲がより好ましいことが分かった。
[ノズル突き出し量とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21のノズル突き出し量とCO生成量の関係について検証を行った。図13は、ノズル突き出し量の低減量(mm)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここでノズル突き出し量の低減量とは、従来一般的なノズル突き出し量(0.36mm)をベースとした、ノズル突き出し量の低減量である。
図13に示すように、ノズル突き出し量を小さくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なノズル突き出し量(0.36mm)ではCO生成量が約1.2mg/秒であったのに対して、ノズル突き出し量の低減量を1.0mm以上とすることでその約2.5倍に相当する約3.1mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、ノズル突き出し量を小さくすることにより、噴霧された燃料がピストンのキャビティからはみ出し、キャビティ内部に比べて低温で残存酸素が多いキャビティの外側で低温希薄燃焼される結果、燃焼温度が一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する温度まで到達せずに不完全燃焼となるためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、ノズル突き出し量を小さくするのが有効であり、ノズル突き出し量の低減量は1.0mm〜2.5mmの範囲が好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21のノズル突き出し量とCO生成量の関係について検証を行った。図13は、ノズル突き出し量の低減量(mm)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここでノズル突き出し量の低減量とは、従来一般的なノズル突き出し量(0.36mm)をベースとした、ノズル突き出し量の低減量である。
図13に示すように、ノズル突き出し量を小さくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なノズル突き出し量(0.36mm)ではCO生成量が約1.2mg/秒であったのに対して、ノズル突き出し量の低減量を1.0mm以上とすることでその約2.5倍に相当する約3.1mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、ノズル突き出し量を小さくすることにより、噴霧された燃料がピストンのキャビティからはみ出し、キャビティ内部に比べて低温で残存酸素が多いキャビティの外側で低温希薄燃焼される結果、燃焼温度が一酸化炭素を二酸化炭素に酸化する温度まで到達せずに不完全燃焼となるためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、ノズル突き出し量を小さくするのが有効であり、ノズル突き出し量の低減量は1.0mm〜2.5mmの範囲が好ましいことが分かった。
[パイロット噴射とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21のパイロット噴射量とCO生成量の関係について検証を行った。図14は、パイロット噴射量(mm3/ストローク)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図14に示すように、パイロット噴射量を低減することにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なパイロット噴射量(4.5mm3/ストローク)ではCO生成量が約14mg/秒であったのに対して、パイロット噴射量を約2.0(mm3/ストローク)とすることでその約1.4倍に相当する約20mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加し、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、パイロット噴射量を低減するのが有効であり、パイロット噴射量は1.0〜2.0(mm3/ストローク)の範囲が好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21のパイロット噴射量とCO生成量の関係について検証を行った。図14は、パイロット噴射量(mm3/ストローク)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図14に示すように、パイロット噴射量を低減することにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なパイロット噴射量(4.5mm3/ストローク)ではCO生成量が約14mg/秒であったのに対して、パイロット噴射量を約2.0(mm3/ストローク)とすることでその約1.4倍に相当する約20mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、パイロット噴射量を低減することで要求トルクを確保するためにメイン噴射量が増加し、メイン噴射で噴射された燃料がリッチな混合気となり、不完全燃焼する割合が増加するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、パイロット噴射量を低減するのが有効であり、パイロット噴射量は1.0〜2.0(mm3/ストローク)の範囲が好ましいことが分かった。
[アフター噴射量とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21のアフター噴射量とCO生成量の関係について検証を行った。図15は、アフター噴射量(mm3/ストローク)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図15に示すように、アフター噴射量を増加することにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なアフター噴射量(1.0mm3/ストローク)ではCO生成量が約12mg/秒であったのに対して、アフター噴射量を約4.0(mm3/ストローク)とすることでその約1.6倍に相当する約19mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結が起こり易いため、アフター噴射量を増加させることで、噴射終了時期がさらに遅延し、一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなるためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射する、つまりアフター噴射量を増加するのが有効であることが分かった。また、アフター噴射量は、6.0(mm3/ストローク)を超えると燃費が悪化してしまうことから、4.0〜6.0(mm3/ストローク)の範囲が好ましく、6.0(mm3/ストローク)が最も好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21のアフター噴射量とCO生成量の関係について検証を行った。図15は、アフター噴射量(mm3/ストローク)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。
図15に示すように、アフター噴射量を増加することにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的なアフター噴射量(1.0mm3/ストローク)ではCO生成量が約12mg/秒であったのに対して、アフター噴射量を約4.0(mm3/ストローク)とすることでその約1.6倍に相当する約19mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、噴射時期が遅いアフター噴射では、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって、燃焼反応の凍結が起こり易いため、アフター噴射量を増加させることで、噴射終了時期がさらに遅延し、一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなるためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射する、つまりアフター噴射量を増加するのが有効であることが分かった。また、アフター噴射量は、6.0(mm3/ストローク)を超えると燃費が悪化してしまうことから、4.0〜6.0(mm3/ストローク)の範囲が好ましく、6.0(mm3/ストローク)が最も好ましいことが分かった。
[燃料噴射タイミングのリタード量とCO生成量の関係]
第1インジェクタ21の燃料噴射タイミングのリタード量とCO生成量の関係について検証を行った。図16は、燃料噴射タイミングのリタード量(°)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここで、燃料噴射タイミングのリタード量とは、従来一般的な燃料噴射タイミング(上記実施形態に係る第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24の燃料噴射タイミング)をベースとした、燃料噴射タイミングのリタード量である。
図16に示すように、燃料噴射タイミングのリタード量を大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的な燃料噴射タイミングではCO生成量が約12mg/秒であったのに対して、燃料噴射タイミングのリタード量を14°とすることでその約3.6倍に相当する約43mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させることで、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結が起こり易いことから、リタード量を増加することで噴射終了時期がさらに遅延し、一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなるためである。また、噴射時期を遅角させることでキャビティの外側に噴射される燃料噴霧が増加し、低温希薄燃焼となる混合気が増加して不完全燃焼するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、燃料噴射タイミングをリタードするのが有効であることが分かった。また、そのリタード量は、30°を超えると燃料を部分酸化できなくなることから、14°〜30°の範囲が好ましく、30°が最も好ましいことが分かった。
第1インジェクタ21の燃料噴射タイミングのリタード量とCO生成量の関係について検証を行った。図16は、燃料噴射タイミングのリタード量(°)とCO生成量(mg/秒)との関係を示す図である。ここで、燃料噴射タイミングのリタード量とは、従来一般的な燃料噴射タイミング(上記実施形態に係る第2インジェクタ22〜第4インジェクタ24の燃料噴射タイミング)をベースとした、燃料噴射タイミングのリタード量である。
図16に示すように、燃料噴射タイミングのリタード量を大きくすることにより、それに伴ってCO生成量が増加することが分かった。具体的には、従来一般的な燃料噴射タイミングではCO生成量が約12mg/秒であったのに対して、燃料噴射タイミングのリタード量を14°とすることでその約3.6倍に相当する約43mg/秒までCO生成量を増加できることが分かった。これは、燃料噴射タイミングをリタードして噴射時期を遅角させることで、ピストンの下降による雰囲気温度の低下によって燃焼反応の凍結が起こり易いことから、リタード量を増加することで噴射終了時期がさらに遅延し、一酸化炭素から二酸化炭素への酸化反応が凍結し易くなるためである。また、噴射時期を遅角させることでキャビティの外側に噴射される燃料噴霧が増加し、低温希薄燃焼となる混合気が増加して不完全燃焼するためである。
この結果から、CO生成量を増加させるためには、燃料噴射タイミングをリタードするのが有効であることが分かった。また、そのリタード量は、30°を超えると燃料を部分酸化できなくなることから、14°〜30°の範囲が好ましく、30°が最も好ましいことが分かった。
10…内燃機関
11…第1気筒(リッチ燃焼用の気筒)
12…第2気筒(通常燃焼用の気筒)
13…第3気筒(通常燃焼用の気筒)
14…第4気筒(通常燃焼用の気筒)
21…第1インジェクタ(第1燃料噴射装置、水素量制御手段)
22…第2インジェクタ(第2燃料噴射装置)
23…第3インジェクタ(第2燃料噴射装置)
24…第4インジェクタ(第2燃料噴射装置)
32…スロットルバルブ(水素量制御手段)
51…水性ガスシフト触媒(変換手段)
51a,52a,52b…配管(循環手段)
52,53…流量制御弁(循環手段)
54a,54b…温度センサ(水素量制御手段)
60…ECU(燃料供給手段、循環手段、変換手段、水素量制御手段、改質剤供給手段)
11…第1気筒(リッチ燃焼用の気筒)
12…第2気筒(通常燃焼用の気筒)
13…第3気筒(通常燃焼用の気筒)
14…第4気筒(通常燃焼用の気筒)
21…第1インジェクタ(第1燃料噴射装置、水素量制御手段)
22…第2インジェクタ(第2燃料噴射装置)
23…第3インジェクタ(第2燃料噴射装置)
24…第4インジェクタ(第2燃料噴射装置)
32…スロットルバルブ(水素量制御手段)
51…水性ガスシフト触媒(変換手段)
51a,52a,52b…配管(循環手段)
52,53…流量制御弁(循環手段)
54a,54b…温度センサ(水素量制御手段)
60…ECU(燃料供給手段、循環手段、変換手段、水素量制御手段、改質剤供給手段)
Claims (7)
- 通常燃焼用の気筒に対して燃料を供給するとともに、リッチ燃焼用の気筒に対して前記通常燃焼用の気筒よりもリッチ燃焼となるように燃料を供給する燃料供給手段と、
前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気を前記リッチ燃焼用の気筒及び前記通常燃焼用の気筒に循環する循環手段と、
前記循環手段により循環される排気中の一酸化炭素と水蒸気を、水性ガスシフト触媒による水性ガスシフト反応によって水素と二酸化炭素に変換する変換手段と、を備える内燃機関の制御装置であって、
前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気中の一酸化炭素量が増加するように、第1の状態に設定されて前記リッチ燃焼用の気筒に燃料を噴射する第1燃料噴射装置と、前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定されて前記通常燃焼用の気筒に燃料を噴射する第2燃料噴射装置と、を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記第1の状態は、前記第2の状態と比べて、噴霧角が大きいこと、噴射率が大きいこと及び燃料噴射ノズルの燃焼室側への突き出し量であるノズル突き出し量が小さいこと、の少なくともいずれかに該当することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料供給手段は、要求トルクに応じたパイロット噴射及びメイン噴射により各気筒に対して燃料を供給するとともに、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、パイロット噴射量を低減して燃料を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、前記低減されたパイロット噴射量に相当する燃料分をアフター噴射により供給することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料供給手段は、前記リッチ燃焼用の気筒に対して、前記通常燃焼用の気筒よりも燃料噴射タイミングをリタードして燃料を供給することを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記リッチ燃焼用の気筒における空燃比、前記リッチ燃焼用の気筒から排出される排気の温度及び前記水性ガスシフト触媒の温度のうち少なくともいずれか一つを制御することで、前記変換手段により変換される水素の量を制御する水素量制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記リッチ燃焼用の気筒に対して、改質剤として、空気、酸素富化空気、窒素富化空気、酸素、水蒸気、二酸化炭素及びEGRガスのうち少なくともいずれか一つを供給する改質剤供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の内燃機関の制御装置。
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