JP2013088126A - 四極電磁石の調整方法および四極電磁石の自動調整システム - Google Patents

四極電磁石の調整方法および四極電磁石の自動調整システム Download PDF

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Abstract

【課題】四極電磁石の調整時間短縮を図ることのできる調整方法を提供する。
【解決手段】ビームライン上にビーム整形板2およびビームモニタ4を設置する。イオンビームを照射し、ビーム整形孔に通過させ、格子状に整形する。四極電磁石が励磁されていない場合、ビームモニタ4により、格子状配列形状のビーム形状が計測される。X方向においてイオンビームが集束するように、磁石3Aを励磁する。励磁電流が増すごとに、格子状配列のX方向間隔は狭くなり、X方向配列の5つの格子点は一つの略長円となり、Y方向に1つの点列(1×5)が形成される。点列形成を確認すると、X方向長さを計測する。励磁電流が増すごとに、X方向長さは短くなる。励磁電流を漸増し、各点(5点)の平均が基準サイズ以下になると、適切にビーム集束されたと判断し、端末7を介して、X方向集束調整完了指令を行ない、そのときの励磁電流値を記憶する。
【選択図】図4

Description

本発明は、粒子線治療システムのビーム輸送装置に備えられる四極電磁石の調整方法および四極電磁石の自動調整システムに関する。
がん治療法の一つとして、陽子あるいは炭素イオン等のイオンビーム(荷電粒子ビーム)を患者の患部に照射する粒子線治療が知られている。陽子や炭素イオン等のイオンを高エネルギーで物質に入射すると、飛程の終端で多くの線量を周辺の物質に付与する。この性質を利用し、粒子線治療ではがん細胞で多くのエネルギーを失うように、イオンビームを患者に照射する。これにより、周囲の健康な組織に損傷を与えることなく、がん細胞を破壊できる。
粒子線治療に用いる粒子線治療システムは、主に、イオン源、イオン源で発生したイオンを加速する加速器、加速器から出射したイオンビームを輸送するビーム輸送装置、所望の形状で患部にビームを照射する照射装置を備える(例えば、特許文献1)。
加速器から出射されたイオンビームはビーム輸送装置によって照射装置まで輸送される。ビーム輸送装置にはイオンビームの進行方向を変える偏向電磁石とステアリング電磁石、イオンビームに収束、発散の作用を与える四極電磁石などが備えられており、これらの電磁石の励磁量を適切に調整することで、適切なサイズ、位置のビームが照射装置まで輸送される。照射装置は、患部形状に合わせたイオンビームの照射野を形成する。照射野形成方法の例として、ウォブラー法とスキャニング照射法がある。
ビーム輸送装置において、イオンビームは、真空に引かれたダクト内の限られた空間(アパーチャ)を通過する。このとき、四極電磁石は、イオンビームがアパーチャにビームが当たらないように、イオンビームを集束させて絞っている。
粒子線治療システムの建設中や、実際に患者にイオンビームを照射するのに先立って、各機器を調整する必要がある。従来、四極電磁石の調整は以下のように行なわれていた。
まず、四極電磁石下流のビーム集束予定位置にビームモニタを設置する。このビームモニタによりイオンビームの形状を確認する。四極電磁石が励磁されていない場合、一般に、ビーム形状は円形(略真円)である。
この状態で、イオンビームが集束するように、四極電磁石を励磁する。なお、一般に、X方向集束とY方向集束を別々に行なう。四極電磁石励磁により円形形状は楕円形状となり、励磁電流が増すごとに、楕円の短径は短くなり、ビーム形状は1本の線に近づく。
この状態においてビーム集束は適切であると判断し、ビーム集束時の四極電磁石の設定パラメータ(例えば励磁電流)を記憶する。一方向(X方向集束)の調整が終了すると、別方向(Y方向集束)の調整を行なう。なお、実際にイオンビームを照射する時には、記憶された設定パラメータが用いられる。
ビーム輸送装置において、四極電磁石は多数設けられている。各四極電磁石毎に上記調整を繰返す。
ビームモニタには、ワイヤ型電極モニタや石英(コルツ)、ZnS(硫化亜鉛)、アルミナなどの蛍光体モニタが用いられる。
特開2009−279045号公報
従来の調整においては、操作者が励磁電流を漸増させながら、ビーム形状を確認し、適切にビーム集束できたか否かを判断していた。しかし、励磁電流が所望量より増えると、イオンビームは発散(いわゆるオーバーフォーカス)し、一本線の幅が太くなる。今度は操作者が励磁電流を漸減させながら、一本線の幅が狭くなるように調整する。このように、励磁電流の漸増・漸減を繰返して、一本線の幅が最も狭くなるときを、適切にビーム集束できたと判断する。したがって、判断の際の客観的な基準がなく、調整には時間を要していた。ビーム輸送装置において四極電磁石は多数あり、更に時間を要するため、調整時間の短縮が求められている。
なお、上記操作者の判断を制御装置が行なうことにより自動化を図り調整時間を短縮できる。例えば、一本線の基準幅を設定し、集束により一本線が基準幅以下になるときを、適切にビーム集束できたと判断する。
ところで、理論上最適な一本線は幅を持たない。したがって、一本線基準幅設定の根拠が不明である。操作者の主観による判断で基準幅を設定しなければならない。
以上のように、手動調整においては操作者の判断が要求され、調整時間を要するという課題があり、自動調整においては、調整時間は短縮されるものの操作者の判断が要求される課題は改善されていない。
本発明の目的は、調整時間短縮を図る四極電磁石の調整方法を提供することである。その際、適切なビーム集束に関する客観的な判断基準を明確にすることにより、自動調整システムを提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、ビーム輸送系に設けられた四極電磁石の調整方法であって、同じビーム整形孔が格子状に配列されたビーム整形板を前記四極電磁石上流に設置する整形板設置ステップと、前記ビーム整形孔にビームを通過させビームを格子状に整形するビーム整形ステップと、前記四極電磁石下流の所定位置に設置されたビーム検出手段により、整形されたビームを検出するビーム検出ステップと、前記四極電磁石に励磁電流を漸増するように付与し、ビームを集束させるビーム集束ステップと、前記検出された格子点が、集束により1つの点列になり、その点列の各点が基準サイズ以下になると、ビーム集束は適切であると判断するビーム集束確認ステップと、前記ビーム集束時の前記四極電磁石の設定パラメータを記憶する記憶ステップとを備える。
従来は、適切にビーム集束されたか否かの判断は、操作者の主観に委ねられ、調整には時間を要していた。
本願においては、測定点が基準サイズ以下になると適切にビーム集束されたと判断するという、客観的で明確な判断基準に基づくため、操作者は判断に迷うことなく、調整時間短縮を図ることができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記基準サイズは、前記ビーム整形孔のサイズ、前記ビーム整形板上の格子状配列形状、および、四極電磁石−ビーム検出手段間距離に基づき幾何学的に定まる。
これにより、客観的で明確な判断基準に基づき判断できる。
(3)上記(1)において、好ましくは、更に、ビーム集束時のビーム検出手段における点列のズレ量であるビーム軸偏向量を計測するビーム軸偏向量計測ステップと、ビーム軸偏向量に基づいて、四極電磁石上流におけるビーム軸ズレ量を演算するビーム軸ズレ量演算ステップと、ビーム軸ズレ量に基づいて、ビーム軸が四極電磁石の中心に位置するように調整するビーム軸位置調整スッテプとを備える。
これにより、四極電磁石によるビーム集束調整と同時に、ビーム軸位置調整もできる。
(4)上記目的を達成するために、本発明は、ビーム輸送系に設けられた四極電磁石に付与する励磁電流量を調整することにより、ビームを集束・拡散させる四極電磁石の自動調整システムにおいて、前記四極電磁石上流に設置され、同じビーム整形孔が格子状に配列され、このビーム整形孔にビームを通過させることによりビームを格子状に整形するビーム整形板と、前記四極電磁石下流の所定位置に設置され、前記ビーム整形板により整形され、前記四極電磁石により集束されたビームを検出するビーム検出手段と、前記ビーム検出手段による検出されるビームの格子点が、集束により1つの点列になり、その点列の各点が基準サイズ以下になると、ビーム集束は適切であると判断する判断手段と、前記判断手段がビーム集束は適切であると判断するときの前記四極電磁石の設定パラメータを記憶する記憶手段とを備える。
上記構成により、調整方法の自動化を図ることができる。自動化により、更なる調整時間短縮を図ることができる。
(5)上記目的を達成するために、本発明は、ビーム輸送系に設けられた四極電磁石に付与する励磁電流量を調整することにより、ビームを集束・拡散させる四極電磁石の調整に用いられるビーム整形板であって、このビーム整形板は、ビーム整形孔が格子状に配列され、前記ビーム整形孔は同一形状であり、前記四極電磁石上流に設置され、前記ビーム整形孔にビームを通過させることによりビームを格子状に整形する。
本発明によれば、四極電磁石の調整時間短縮を図ることができる。その際、適切なビーム集束に関する客観的な判断基準を明確にすることにより、自動化することができる。自動化により更なる調整時間短縮を図ることができる。
粒子線治療システムの概略構成図である。 調整システムの概略構成図である(第1実施形態)。 ビーム整形板の平面図である。 調整方法を説明する概念図である(X方向集束)。 調整方法を説明する概念図である(Y方向集束)。 基準サイズを説明する概念図である。 制御装置の自動調整に係る制御フロー図である(第2実施形態)。 調整方法を説明する概念図である(X・Y方向集束)(第1変形例)。 四極電磁石により発生する磁束線を示す図である。 四極電磁石上流においてビーム軸ズレが生じていない場合の、ビーム重心軌道である。 四極電磁石上流においてビーム軸ズレが生じている場合の、ビーム重心軌道である。 四極電磁石上流においてビーム軸ズレが生じていない場合の、ビーム集束に係る概念図である。 四極電磁石上流においてビーム軸ズレが生じている場合の、ビーム集束に係る概念図である。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
<第1実施形態(手動調整)>
〜構成〜
図1は本実施形態が適用される粒子線治療システム100の概略構成図である。粒子線治療システム100は、イオン源200、入射用加速器300、主加速器400、ビーム輸送装置500、照射装置600から構成される。粒子線治療システム100は陽子線を用いた治療装置であり、イオン源200で水素イオン、すなわち陽子を発生させ、入射用加速器300で予備加速されたイオンは主加速器400に入射される。主加速器400では患者ごとの治療計画によって計画されたビームの飛程に合わせたエネルギーまでビームが加速され、ビーム輸送装置500に出射される。出射されたビームはビーム輸送装置500によって適切なサイズに調整され、照射装置600まで輸送される。ビーム輸送装置500は、回転ガントリー510を有し、回転軸520を軸としてビーム輸送装置500と、それに接続された照射装置600が回転する。これにより、患者ごとの治療計画によって定められた照射方向から、照射点700にビームが照射される。
ビーム輸送装置500には、多数の偏向電磁石、ステアリング電磁石、四極電磁石などが備えられている。イオンビームは、ビーム輸送装置500において、真空に引かれたダクト12(図2参照)内の限られた空間(アパーチャ)を通過する。このとき、四極電磁石は、イオンビームがアパーチャにビームが当たらないように、イオンビームを集束させて絞っている。
四極電磁石が適切にビームを集束できるように、本実施形態に係る調整システム1を適用して調整する。
図2は本実施形態に係る調整システム1の概略構成図である。
調整システム1は、ビーム整形板2と四極電磁石3とビームモニタ4と制御装置5と電源6とを備えている。
四極電磁石3は、イオンビームの通過経路であるビームライン上に設けられている。四極電磁石3は、ビーム進行方向に直交する平面における1の方向(X方向)にビームを集束・発散させる磁石3Aと、X方向と直交する方向(Y方向)にビームを集束・発散させる磁石3Bから構成されている。四極電磁石3は電源6から供給される電力により励磁する。
ビームモニタ4は、ビームライン上であって、四極電磁石3の下流のビーム集束予定位置に、設けられている。ビームモニタ4は駆動機構(図示省略)により、実際の照射時には撤去され、調整時に設置される。ビームモニタ4は、イオンビームのビーム形状を計測する。
制御装置5は、四極電磁石3に供給する励磁電流量を制御するともに、ビームモニタ4からビーム形状信号を入力する。制御装置5は、粒子線治療システム100の制御装置の一機能である。制御装置5には、端末7が接続されている。端末7はモニタ画面を有し、各種情報を表示するとともに、インターフェイスとしても用いられる。
本実施形態の調整システム1の特徴的構成として、四極電磁石3上流にビーム整形板2が設置されている。ビーム整形板2は格子状に配列されたビーム整形孔13を有している。ビーム整形孔13は全て同じ形状である。このビーム整形孔13にビームを通過させることによりイオンビームを格子状に整形する。
図3は、ビーム整形板2の平面図である。一例として5×5格子状配列とする。
〜動作〜
調整システム1による調整方法について説明する。図4および図5は、調整方法を説明する概念図である。
操作者は、ビームライン上にビーム整形板2を設置するとともに、ビームモニタ4を設置する。イオンビームを照射し、ビーム整形孔に通過させ、格子状に整形する。
四極電磁石3が励磁されていない場合、ビームモニタ4により、格子状配列形状のビーム形状が計測される。操作者は、端末7によりビーム形状を確認する。
この状態で、X方向においてイオンビームが集束するように、磁石3Aを励磁する。具体的には、端末7を介して電源6の励磁電流値を指示する。
励磁電流が増すごとに、格子状配列のX方向間隔は狭くなり、X方向に配列されていた5つの格子点は一つの略長円となり、Y方向に1つの点列(1×5)が形成される。
操作者は、点列形成を確認すると、端末7を介して、各点のX方向長さを計測する。励磁電流が増すごとに、各点のX方向長さは短くなる。励磁電流を漸増し、各点(5点)の平均が基準サイズ以下になると、適切にビーム集束されたと判断し、端末7を介して、X方向集束調整完了指令を行なう(図4参照)。
制御装置5は、調整完了指令を入力すると、そのときの励磁電流値を記憶する。
ついで、Y方向においてイオンビームが集束するように、端末7を介して電源6の励磁電流値を指示し、磁石3Bを励磁する。
励磁電流が増すごとに、格子状配列のY方向間隔は狭くなり、Y方向に配列されていた5つの格子点は一つの略長円となり、X方向に1つの点列(5×1)が形成される。
操作者は、点列形成を確認すると、端末7を介して、各点のY方向長さを計測する。励磁電流が増すごとに、各点のY方向長さは短くなる。励磁電流を漸増し、各点(5点)の平均が基準サイズ以下になると、適切にビーム集束されたと判断し、端末7を介して、Y方向集束調整完了指令を行なう(図5参照)。
制御装置5は、調整完了指令を入力すると、そのときの励磁電流値を記憶する。
調整完了後は、イオンビーム照射を停止し、ビーム整形板2およびビームモニタ4を撤去する。
一の四極電磁石の調整が完了すると、操作者は、次の四極電磁石の調整をおこなう。この動作を繰り返して、全ての四極電磁石を調整する。
実際にイオンビームを照射する時には、記憶された設定パラメータ(励磁電流値)が用いられる。
次に、基準サイズについて説明する。図6は、基準サイズを説明する概念図である。説明の便宜の為、四極電磁石3により偏向されたイオンビームが平行に進行するとみなしている。図6においては、基準サイズは、ビーム整形孔13のサイズと同じになる。実際は、ビームは集束しているため、基準サイズは、ビーム整形孔13のサイズ、ビーム整形板2上の格子状配列形状(配列数・配列間隔)、および、四極電磁石3−ビームモニタ4間距離に基づき幾何学的に定まる。
〜効果〜
第1実施形態の効果について説明する。
従来は、適切にビーム集束されたか否かの判断は、操作者の主観に委ねられ、調整には時間を要していた。
本実施形態においては、測定点が基準サイズ以下になると適切にビーム集束されたと判断するという、客観的で明確な判断基準に基づくため、操作者は判断に迷うことなく、調整時間短縮を図ることができる。
<第2実施形態(自動調整)>
〜構成・制御・動作〜
第1実施形態において、客観的で明確な判断基準が提示されており、この判断基準に基づき、制御装置5は自動調整をおこなうことができる。第2実施形態の構成は、制御装置5が自動調整をおこなう以外、第1実施形態の構成(図2参照)と同じである。
図7は、制御装置5の自動調整に係る制御フロー図である。このフロー図とともに、自動調整システム1による自動調整方法について説明する(適宜、図4、図5参照)。
操作者は、対象となる四極電磁石を特定し、端末7を介して、自動調整開始指令を行なう。
制御装置5は、自動調整開始指令を入力すると、駆動機構(図示省略)にビーム整形板2およびビームモニタ4の設置指令を出力する(S1)。ビーム整形板2およびビームモニタ4が設置された状態で、ビーム照射開始指令を出力する(S2)。イオンビームは、ビーム整形孔を通過することにより、格子状に整形される。
四極電磁石が励磁されていない場合、ビームモニタ4により、格子状配列形状のビーム形状が計測される。制御装置5は、計測信号を入力し、ビーム形状を確認する。
この状態で、X方向において磁石3Aを励磁してイオンビームが集束するように、電源6に励磁指令を出力する。
励磁電流が増すごとに、格子状配列のX方向間隔は狭くなり、X方向に配列されていた5つの格子点は一つの略長円となり、Y方向に1つの点列(1×5)が形成される。
制御装置5は、点列が形成されたか否かを判断し、点列が形成されていないと判断すると、電源6に漸増指令を繰り返し出力する(S3→S4→S5→S3→S4)。点列が形成されたと判断すると、各点のX方向長さを計測する(S3→S4→S5→S6)。
励磁電流が増すごとに、各点のX方向長さは短くなる。
制御装置5は、各点(5点)の平均が基準サイズ以下になったか否かを判断し、基準サイズ以下でないと判断すると、電源6に漸増指令を繰り返し出力する(S6→S7→S3→S4→S5→S6)。基準サイズ以下になったと判断すると、適切にビーム集束されたと判断し、そのときの励磁電流値を記憶する(S6→S7→S8)。
ついで、Y方向においても、適切にビーム集束されたと判断したときの、励磁電流値を記憶する(S3→S4→S5→S6→S7→S8)。
X方向集束・Y方向集束に関する励磁電流値を記憶すると、ビーム照射停止指令を出力し(S9)、駆動機構(図示省略)にビーム整形板2およびビームモニタ4の撤去指令を出力する(S10)。
自動調整が完了すると、制御装置5は端末7に自動調整完了の旨の表示を出力する(S11)。操作者は、端末7の表示を見て、調整完了を確認する。
一の四極電磁石の自動調整が完了すると、操作者は、次の四極電磁石の特定し、自動調整開始指令を行なう。この動作を繰り返して、全ての四極電磁石を自動調整する。
実際にイオンビームを照射する時には、制御装置5は、記憶された設定パラメータ(励磁電流値)を用いて、四極電磁石3を励磁制御する。
〜効果〜
第2実施形態の効果について説明する。
従来方法は、判断基準が主観的で不明確なため、自動化に適していなかった。
本実施形態においては、客観的で明確な判断基準に基づくため、自動調整できる。これにより、第1実施形態よりも更に調整時間短縮を図ることができる。
また、自動調整システムは、操作者の判断を必要としないため(対象四極電磁石の特定のみ)、複数の四極電磁石の自動調整を同時に行うことができる。これにより、飛躍的に調整時間短縮を図ることができる。
<変形例>
本発明は、上記実施形態に限定されず、発明の範囲内で、さらに多くの変形が可能である。変形例の一例を以下に示す。
〜第1変形例〜
第1実施形態および第2実施形態において、X方向集束とY方向集束を別々に調整した(図4、図5参照)が、同時に調整しても良い。図8は、調整方法を説明する概念図である。
操作者は、ビームライン上にビーム整形板2を設置するとともに、ビームモニタ4を設置する。イオンビームを照射し、ビーム整形孔に通過させ、格子状に整形する。
四極電磁石が励磁されていない場合、ビームモニタ4により、格子状配列形状のビーム形状が計測される。操作者は、端末7によりビーム形状を確認する。
この状態で、X方向においてイオンビームが集束するように、磁石3Aを励磁するとともに、Y方向においてイオンビームが集束するように、磁石3Bを励磁する。具体的には、端末7を介して電源6の励磁電流値を指示する。
励磁電流が増すごとに、格子状配列のX方向間隔は狭くなりとともに、Y方向間隔も狭くなる。5×5配列されていた格子点は重なりあい、1つの領域が形成される。
操作者は、領域形成を確認すると、端末7を介して、領域のX方向長さ・Y方向長さを計測する。励磁電流が増すごとに、X方向長さ・Y方向長さは短くなる。励磁電流を漸増し、領域サイズが基準サイズ以下になると、適切にビーム集束されたと判断し、端末7を介して、X方向集束調整完了指令を行なう。
制御装置5は、調整完了指令を入力すると、そのときの励磁電流値を記憶する。
調整完了後は、イオンビーム照射を停止し、ビーム整形板2およびビームモニタ4を撤去する。
実際にイオンビームを照射する時には、記憶された設定パラメータ(励磁電流値)が用いられる。
X方向集束とY方向集束を別々に調整する調整方法に比べ、同時に調整することにより、更に調整時間短縮を図ることができる。
以上の調整方法を、第2実施形態に示す自動調整システムを用いて行なってもよい。
〜第2変形例〜
第1実施形態および第2実施形態において、ビーム検出手段はビームモニタ4であったが、CCDカメラ8を併用してもよい。CCDカメラ8を図2に追記する。CCDカメラ8は蛍光体の光を撮影し、制御装置5はCCD画像信号を入力し、ビーム形状を確認する。
これにより、より正確にビーム形状を確認することができ、調整の精度が向上する。
なお、ビーム検出手段はビームモニタ4に代えてCCDカメラ8のみでも良い。
<ビーム軸ズレ検出への適用>
第1実施形態に係る調整システムは、ビーム軸ズレ検出へ適用できる。
〜基本原理〜
図9は、四極電磁石3により発生する磁束線を示す図である。各NS磁極間に磁束線が発生する。四極電磁石3の中心に近づくほど、磁束線同士の間隔は離れ、四極電磁石3の中心から遠ざかるほど、磁束線同士の間隔は混む。従って、理論上、四極電磁石3の中心では二極磁場は発生せず、中心からの距離に比例して二極磁場は大きくなる。
図10Aは、四極電磁石3上流においてビーム軸ズレが生じていない場合の、ビーム重心軌道である。四極電磁石3の中心では二極磁場は発生せず、二極磁場の影響を受けない。四極電磁石3の励磁の有無に関わらず、ビーム重心位置は変わらない。
図10Bは、四極電磁石3上流においてビーム軸ズレが生じている場合の、ビーム重心軌道である。四極電磁石3が励磁されなければ、二極磁場は発生せず、ビーム軸は直進する(図示実線)。四極電磁石3が励磁されると、二極磁場の影響を受け、ビーム軸は偏向される(図示破線)。すなわち、励磁によりビーム軸がずれる。
〜動作〜
図11Aは、四極電磁石3上流においてビーム軸ズレが生じていない場合の、ビーム集束に係る概念図であり、図4と同じ図である。四極電磁石3が励磁されても、ビーム軸の位置は変わらない。
図11Bは、四極電磁石3上流においてビーム軸ズレが生じている場合の、ビーム集束に係る概念図である。四極電磁石3が励磁されていない場合、ビームは直進するため、ビームモニタ4により計測される格子状配列形状は、ビーム軸ズレが生じていない場合と同じである。励磁電流が増すごとに、格子状配列のX方向間隔は狭くなり、X方向に配列されていた5つの格子点は一つの略長円となり、Y方向に1つの点列(1×5)が形成されるが、このビーム集束動作に伴い、二極磁場の影響を受け、ビーム軸は偏向される。操作者は、端末7を介してビーム集束時の軸偏向量を計測する。制御装置5は、この軸偏向量に基づいて、四極電磁石3上流におけるビーム軸ズレ量を演算し、端末7に表示する。操作者は、演算結果に基づき、ビーム軸が四極電磁石3の中心に位置するように、四極電磁石3上流におけるビーム軸ズレを調整する。
〜変形例〜
第2実施形態に係る自動調整システムも、ビーム軸ズレ検出へ適用できる。制御装置5は、ビーム集束時の軸偏向量を計測し、この軸偏向量に基づいて、四極電磁石3上流におけるビーム軸ズレ量を演算する。制御装置5は、粒子線治療システム100の制御装置の一機能である。粒子線治療システム100は、演算結果に基づき、ビーム軸が四極電磁石3の中心に位置するように、四極電磁石3上流の機器(たとえばステアリング電磁石や加速器)を制御し、四極電磁石3上流におけるビーム軸ズレを自動調整する。
1 調整システム
2 ビーム整形板
3,3A,3B 四極電磁石
4 ビームモニタ
5 制御装置
6 電源
7 端末
8 CCDカメラ
12 真空ダクト
13 ビーム整形孔
100 粒子線治療システム
200 イオン源
300 入射用加速器
400 主加速器
500 ビーム輸送装置
510 回転ガントリー
520 回転ガントリーの回転軸
600 照射装置

Claims (5)

  1. ビーム輸送系に設けられた四極電磁石の調整方法であって、
    同じビーム整形孔が格子状に配列されたビーム整形板を前記四極電磁石上流に設置する整形板設置ステップと、
    前記ビーム整形孔にビームを通過させビームを格子状に整形するビーム整形ステップと、
    前記四極電磁石下流の所定位置に設置されたビーム検出手段により、整形されたビームを検出するビーム検出ステップと、
    前記四極電磁石に励磁電流を漸増するように付与し、ビームを集束させるビーム集束ステップと、
    前記検出された格子点が、集束により1つの点列になり、その点列の各点が基準サイズ以下になると、ビーム集束は適切であると判断するビーム集束確認ステップと、
    前記ビーム集束時の前記四極電磁石の設定パラメータを記憶する記憶ステップ
    とを備えることを特徴とする四極電磁石の調整方法。
  2. 請求項1記載の四極電磁石の調整方法において、
    前記基準サイズは、前記ビーム整形孔のサイズ、前記ビーム整形板上の格子状配列形状、および、四極電磁石−ビーム検出手段間距離に基づき幾何学的に定まる
    ことを特徴とする四極電磁石の調整方法。
  3. 請求項1記載の四極電磁石の調整方法において、更に、
    ビーム集束時のビーム検出手段における点列のズレ量であるビーム軸偏向量を計測するビーム軸偏向量計測ステップと、
    前記ビーム軸偏向量に基づいて、四極電磁石上流におけるビーム軸ズレ量を演算するビーム軸ズレ量演算ステップと、
    前記ビーム軸ズレ量に基づいて、ビーム軸が四極電磁石の中心に位置するように調整するビーム軸位置調整スッテプ
    とを備えることを特徴とする四極電磁石の調整方法。
  4. ビーム輸送系に設けられた四極電磁石に付与する励磁電流量を調整することにより、ビームを集束・拡散させる四極電磁石の自動調整システムにおいて、
    前記四極電磁石上流に設置され、同じビーム整形孔が格子状に配列され、このビーム整形孔にビームを通過させることによりビームを格子状に整形するビーム整形板と、
    前記四極電磁石下流の所定位置に設置され、前記ビーム整形板により整形され、前記四極電磁石により集束されたビームを検出するビーム検出手段と、
    前記ビーム検出手段による検出されるビームの格子点が、集束により1つの点列になり、その点列の各点が基準サイズ以下になると、ビーム集束は適切であると判断する判断手段と、
    前記判断手段がビーム集束は適切であると判断するときの前記四極電磁石の設定パラメータを記憶する記憶手段
    とを備える四極電磁石の自動調整システム。
  5. ビーム輸送系に設けられた四極電磁石に付与する励磁電流量を調整することにより、ビームを集束・拡散させる四極電磁石の調整に用いられるビーム整形板であって、
    ビーム整形孔が格子状に配列され、
    前記ビーム整形孔は同一形状であり、
    前記四極電磁石上流に設置され、
    前記ビーム整形孔にビームを通過させることによりビームを格子状に整形する
    ことを特徴とするビーム整形板。
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CN109814148A (zh) * 2019-03-14 2019-05-28 中国科学院近代物理研究所 一种探测器的高能准单能电子束地面标定系统

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