JP2013085900A - 気管切開チューブ - Google Patents

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泰晴 野一色
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Abstract

【課題】患者に対して、過度な負担が無く、投与した酸素により、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる気管切開チューブを提供することを目的とする。
【解決手段】遠位端1dと近位端1pとを有し、気管切開部に留置する気管切開チューブ1であって、遠位端側開口部Odと近位端側開口部Opとを有し、遠位端1dから近位端1pへと延びる壁部11と、壁部11の内側に設けられ、近位端側開口部Opから遠位端側開口部Odへ貫通する主管路12と、遠位端1d側に酸素を導入するための酸素投与管路3とを備え、酸素投与管路3が主管路12と一体的に設けられ、酸素投与管路3の遠位端3dが、壁部11の遠位端11d、若しくは主管路12の遠位端12d、またはこれらの遠位端よりも遠位位置に設けられたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、患者に対して過度な負担が無く、投与した酸素により、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる気管切開チューブに関する。
気道確保が困難となった患者では一般的に気管切開が行われ、気管切開カニューレが患者の頚部に留置される。患者の呼吸状況が悪化し自発呼吸が困難で低酸素状態に陥れば該気管切開カニューレに人工呼吸器を連結し高濃度の酸素を送り込む治療が行われる。しかし自発呼吸があるものの呼吸機能低下の酸素が不足した患者では該気管切開カニューレに連結された人工鼻部分に酸素を送り込む処置をすることが一般的である。
このような気管切開チューブとして、特許文献1には、図7に示すように、中央管腔500によって呼吸用空気の供給と排出を行ない、チューブ510の外部に開口する吸引導管520、およびカフ530の上流でチューブ510の外部にまた開口する供給導管540を備えた気管切開チューブが開示されている。吸引導管520により、気管内に蓄積した流体や粘液を吸引する。また、カフ530の上流で供給導管540を経由してリンスまたはフラッシュ流体を、気管内にスプレーし、バクテリアやその他の細菌を除去する。患者の呼吸は、カフ530の下流に開口した中央管腔500により行われ、吸引導管520や供給導管540は、カフ530の上流側において、チューブ510の外周側に開口している。チューブ510の気管の外側に位置することになる端部には、標準アダプタ550が設けられ、人工呼吸器や麻酔装置に接続可能となっている。
特表2001−513372号公報
このような人工呼吸器に接続される気管切開カニューレでは、通常、気管切開カニューレの基端部側に人工鼻(図示せず)を設け、その人工鼻に酸素を送り込むが、人工鼻部分は外気に解放されているので、呼気時には投与された酸素は気管内に入らず、送られた酸素の一部のみが、吸気時に気管内に吸い込まれる、というのが実情であり、酸素投与効率が悪いという問題があった。
酸素投与効率が悪くなると、患者の動脈血酸素飽和度が下がり、低酸素血症状態となってしまう。また、酸素投与用のチューブ等を、別途気管内に挿入すると、患者が咳き込んだりする危険性が高まり、患者への負担が大きくなってしまう。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みて、患者に対して、過度な負担が無く、投与した酸素により、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる気管切開チューブを提供することを目的とする。
本発明の気管切開チューブは、遠位端と近位端とを有し、気管切開部に留置する気管切開チューブであって、遠位端側開口部と近位端側開口部とを有し、前記遠位端から前記近位端へと延びる壁部と、前記壁部の内側に設けられ、前記近位端側開口部から前記遠位端側開口部へ貫通する主管路と、前記遠位端側に酸素を導入するための酸素投与管路とを備え、前記酸素投与管路が前記主管路と一体的に設けられ、前記酸素投与管路の遠位端が、前記壁部の遠位端、若しくは前記主管路の遠位端、またはこれらの遠位端よりも遠位位置に設けられたことを特徴とする。
また、前記酸素投与管路の遠位端が、前記気管切開チューブを前記気管切開部に留置した際に、前記遠位端側開口部の上側となるように設けられることが好ましい。
また、前記酸素投与管路の近位位置側は、前記壁部の近位端側から分岐して細管を構成し、前記細管の先端に酸素導入用接続部が形成されて、前記細管はカンチレバー測定法で30mm〜200mmの範囲の柔軟性を持つことが好ましい。
本発明によれば、酸素投与管路が前記主管路と一体的に設けられているので、患者に対して過度な負担が無く、酸素投与管路の遠位端が、前記管壁の遠位端、または前記管路の遠位端よりも遠位位置に設けられているので、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる。
また、酸素投与管路の遠位端が、前記気管切開チューブを前記気管切開部に留置した際に、前記遠位端開口部の上側となるように設けられているので、酸素投与管路の遠位端が痰で詰まることがない。
また、患者が無意識下で頭を大きく動かした時であっても、患者は咳き込むことが抑制される。
本発明の気管切開チューブの一実施形態を示す斜視図である。 (a)は本発明の気管切開チューブの遠位端側の拡大図であり、(b)は図2(a)における気管切開チューブの遠位端側の縦断面図であり、(c)は気管切開チューブの遠位端の構造の変形例を示す気管切開チューブの遠位端側の縦断面図である。 本発明の気管切開チューブの酸素投与管路の延出部を示す図である。 本発明の気管切開チューブの酸素投与管路により生み出された酸素の流れを説明するための図である。 本発明の気管切開チューブの他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の気管切開チューブのさらに他の実施形態を示す斜視図である。 従来の気管切開チューブを示す断面図である。
以下、添付図面を参照し、本発明の気管切開チューブを詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の気管切開チューブ1は、患者の頚部における気管切開部に留置され(図4参照)、遠位端1dと近位端1pとを有し、遠位端側開口部Odと近位端側開口部Opとを有している。なお、「遠位端」とは、施術において患者の気管に気管切開チューブ1を挿入する際の施術者から遠い側の端部、すなわち気管内に挿入される側の端部をいい、「近位端」とは、施術において患者の気管に気管切開チューブ1を挿入する際の施術者に近い側の端部、すなわち患者の体外に突出する側の端部をいう。
また、気管切開チューブ1は、遠位端1dから近位端1pへと延びる壁部11と、壁部11の内側に設けられ、近位端側開口部Opから遠位端側開口部Odへ貫通する主管路12とを備えている。壁部11は、図1に示すように、近位端1pから遠位端1dにかけて湾曲して形成され、近位端1pから一定距離だけ遠位端1d側に離れた位置に、患者の体表側から気管切開チューブ1を頚部に固定するための気管切開チューブ固定翼2が設けられている。気管切開チューブ固定翼2により、患者の頚部に気管切開チューブ1が固定され、主管路12を通じて、人体の外部から肺へ空気を取り入れることができるとともに、肺から吐き出された空気を人体外部に吐出することができる。なお、気管切開チューブ1は、気管に挿入しても形状の維持が可能な硬質の材料であれば特に限定されるものではない。
本発明の気管切開チューブ1には、図1に示すように、遠位端側である肺側に酸素を送り込むための酸素投与管路3を備えている。酸素投与管路3は、主管路12とは別々の管路を形成し、酸素や酸素を含む気体が供給される通路であり、遠位端1d側に形成された酸素投与開口部31から供給された酸素や酸素を含む気体を患者の肺に送り込むことができる。酸素投与管路3は、主管路12と一体的に設けられ、たとえば、図1に示すように、壁部11の内部に酸素投与管路3を形成して主管路12と一体的に設けることができる。また、壁部11の外側や内側に、酸素投与管路3を壁部11と一体成形により設けたり、別体の酸素投与管路3を壁部11に融着するなど、公知の固着方法により主管路12と一体的に設けることもできる。
酸素投与管路3の遠位端3d(図2(b)および(c)参照)は、壁部11の遠位端11d(図2(b)および(c)参照)、若しくは主管路12の遠位端12d(図2(b)および(c)参照)、またはこれらの遠位端よりも遠位位置に設けられる。図1、図2(a)および(b)に示す実施形態では、壁部11の遠位端11dと主管路12の遠位端12dとが一致しており、酸素投与管路3は、壁部11の遠位端11dに設けられているが、図2(c)に示すように、壁部11の遠位端11dがテーパ状となっている場合等、壁部11の遠位端11dが、主管路12の遠位端12dよりも、気管支から後退した位置(近位端側)にある場合も本発明に含まれる。また、壁部11とは別体として、主管路12の内側に酸素投与管路3を一体的に設けた場合に、酸素投与管路3の遠位端3dは主管路12の遠位端12dに位置し、このような態様も本発明に含まれる。また、図3に示す実施形態では、酸素投与管路3が、壁部11の遠位端11dおよび主管路12の遠位端12dからさらに遠位位置側に延出する延出部32を備えてもよい。なお、延出部32については後述する。
酸素投与管路3が、患者の肺からの呼気、吸気の通路となる主管路12とは別に設けられることにより、酸素投与管路3を通って送りだされる酸素、または酸素を含む気体は、図4に矢印で示すように気管支方向に向かう流れを生み出す。酸素投与管路3から酸素を送り出している間は、患者の呼気時、吸気時を問わず、この酸素の流れが継続するため、酸素流によって気管内深くまで酸素が送り込まれ、酸素投与効率が改善される。したがって、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる。また、酸素投与管路3と主管路12とが一体的に設けられているので、別途酸素を供給するためのチューブを気管内に挿入することが不要であり、複数のチューブにより患者の気管内で気管内壁を傷つけたり、チューブによって患者が咳き込んだりする危険性が低くなる。
酸素投与管路3の酸素投与開口部31の開口径は、気管切開チューブ1の大きさや形状に応じて適宜変更が可能であり、特に限定されるものではないが、気管の奥深くまで酸素を効率よく送りこむ観点から、0.2〜4mmの範囲であることが好ましい。また、酸素投与管路3の数は、1つでも複数設けても構わない。
また、図3に示すように、酸素投与管路3に延出部32を設け、気管内のより奥深い位置に酸素が送り出される酸素投与開口部31を位置させることにより、送付された酸素が呼気として気管外に送り出される可能性をより低くすることができる。延出部32の長さは特に限定されるものではないが、延出部32が撓んで気管壁に当たることにより患者が咳き込む可能性を低くするために、30mm以下とすることが好ましい。また、図3に示すように、延出部32の先端の酸素投与開口部31以外に、延出部32の側面に酸素投与孔33を形成してもよい。酸素投与孔33を形成することにより、酸素投与開口部31が粘調な咳痰により閉塞した場合であっても、酸素を供給し続けることができる。
また、図1および図2(a)に示すように、酸素投与管路3の遠位端3dは、気管切開チューブ1を気管切開部に留置した際に、遠位端側開口部Odの上側となるように設けることが好ましい。酸素投与管路3の遠位端3d、すなわち、酸素投与開口部31を気管切開チューブ1の遠位端側開口部Odの上側に設けることにより、患者の気管内で発生した痰などの粘着性分泌物が酸素投与開口部31に付着しにくくなり、酸素投与管路3の遠位端3dの酸素投与開口部31が粘着性分泌物により詰まることがない。なお、遠位端側開口部Odの上側とは、気管切開チューブ1の遠位端側開口部Odの上半分、すなわち、患者の胸部側の半分のことをいい、上半分であれば、どの位置に酸素投与開口部31が設けられていてもよい。
また、図1に示すように、酸素投与管路3の近位位置側は、壁部11の近位端側から分岐して細管34を構成し、細管34の先端に酸素導入用接続部35を形成することができる。細管34は、酸素導入用接続部35を介して、酸素チューブ(図示せず)と接続され、酸素を供給する装置(図示せず)から送り込まれた酸素が、酸素チューブ、酸素導入用接続部35、細管34を介して、酸素投与管路3に送り込まれる。
細管34は、柔軟性の高い管とし、細管34が酸素投与管路3に連結された状態で、患者が頚部を動かしたときに患者の動きが気管切開チューブ1に力学的な影響を与えない程度の柔軟性を有することが好ましく、たとえば、細管34が、JIS L 1096に規定する45°カンチレバー測定法で測定して、30〜200mmの範囲の剛軟度(柔軟性)を持つようにすることが好ましい。剛軟度が30mmより小さいと、管が圧迫されたときに管がつぶれる可能性があり、200mmより大きいと、細管34の動きが気管切開チューブ1全体に動きが伝わってしまう。この剛軟度(柔軟性)は、公知の剛軟度試験機(カンチレバー)を用いて、JIS L 1096 8.19.1 A法(45°カンチレバー法)に準拠して、45°の傾斜面に向かって所定の試験片を押し出し、試験片自由端の中央が傾斜面に接したときの他端の押し出し距離を測定することにより得られた値である。このような柔軟性を有する細管34を用いることにより、患者が動いて細管34が動いた場合であっても、細管34の動きが気管切開チューブ1の壁部11に直接伝わらない。したがって、長時間の使用によって、患者が無意識下で頭を大きく動かした時であっても、細管34のみが動き、患者の気管切開部において気管切開チューブ1全体が気管切開部に対して動くことを防止することができ、患者は咳き込むことが抑制される。
細管34の材料は、医療用に用いられる毒性のないものであれば特に限定されないが、たとえば、塩化ビニル系樹脂、シリコン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂等をの医療機器用の柔軟なチューブに用いるができる樹脂を用いることができる。また、細管34の長さは、酸素が供給でき、細管34が接続された状態で、余裕のある長さであれば特に限定されない。また、細管34の外径は、上述したような柔軟性があれば特に限定されない。
図5に本発明の他の実施形態の気管切開チューブ10を示す。図1に示す実施形態と同様の構成については同じ参照符号を付し、同様の構成については説明を省略する。
図5に示す実施形態の気管切開チューブ10は、図1に示す実施形態の構成に加えて、壁部11の遠位端11d近傍において、壁部11の外周に設けられる膨張、収縮可能なカフ4と、カフ4に連通し、主管路12と一体的に設けられた、カフ4内に送気するためのカフ用送気管路5と、カフ用送気管路5から壁部11の近位端側から分岐するカフ用細管51と、カフ用細管51に接続され、カフ4の圧力を測定するための圧力測定バッグ52と、カフ4に送気するための装置(図示せず)に取り付けるための、逆流防止弁が設けられたコネクタ53とを備えている。
図5に示す実施の形態では、カフ4が設けられているため、気管切開チューブ10を気管内に安定して固定することができる。また、酸素投与管路3が、主管路12と一体的に設けられているので、カフ4を設けた場合であっても、気管切開チューブ10の遠位端側に、酸素を送り込むことができ、酸素流を生み出すことができる。したがって、健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の動脈血酸素飽和度を容易に得ることができる。また、カフ用細管51は、JIS L 1096に規定する45°カンチレバー測定法で測定して、30〜200mmの範囲の剛軟度(柔軟性)を持つようにすることが好ましい。このような柔軟性を有するカフ用細管51を用いることにより、患者が動いてカフ用細管51が動いた場合であっても、カフ用細管51の動きが気管切開チューブ10の壁部11に直接伝わらない。したがって、患者が無意識下で頭を大きく動かした時であっても、カフ用細管51のみが動き、患者の気管切開部において気管切開チューブ10全体が気管切開部に対して動くことを防止することができ、患者は咳き込むことが抑制される。
図6に本発明のさらに他の実施形態の気管切開チューブ100を示す。図1および図5に示す実施形態と同様の構成については同じ参照符号を付し、同様の構成については説明を省略する。
図6に示す実施形態の気管切開チューブ100は、図5の実施形態に加えて、さらに気管内の痰などの粘着性分泌物を吸引する吸引用管路6と、吸引用管路6から壁部11の近位端側から分岐する吸引用細管61と、吸引装置(図示せず)に接続するための吸引用細管接続コネクタ62とを備えている。吸引用管路6は、主管路12と一体的に設けられ、カフ4を設けた場合であっても、気管切開チューブ100の遠位端側から痰などの粘着性分泌物を吸引することができる。吸引用管路6を設ける位置は、特に限定されないが、粘着性分泌物を効率よく吸引するために、気管切開チューブ100を気管切開部に留置した際に、気管切開チューブ100の遠位端側開口部Odの下半分に設けることが好ましい。なお、気管切開チューブ100の遠位端側開口部Odの下半分とは、気管切開チューブ100における患者の背中側の半分をいうものである。
吸引用細管61は、JIS L 1096に規定する45°カンチレバー測定法で測定して、30〜200mmの範囲の剛軟度(柔軟性)を持つようにすることが好ましい。このような柔軟性を有する吸引用細管61を用いることにより、患者が動いて吸引用細管61が動いた場合であっても、吸引用細管61の動きが気管切開チューブ100の壁部11に直接伝わらない。したがって、長時間の使用において、患者が無意識下で頭を大きく動かした時であっても、吸引用細管61のみが動き、患者の気管切開部において気管切開チューブ100全体が気管切開部に対して動くことを防止することができ、患者は咳き込むことが抑制される。
つぎに、実施例および比較例を参照し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例および比較例は、同一の患者(80歳台の女性)により行った。この患者は、気管切開処置を6ヶ月前に受け、療養中であり、肺機能が低下しているため、動脈血酸素飽和度が低く、酸素投与が中止された状態で、室内空気で呼吸を維持した時の酸素飽和度は80%であった。
実施例
市販の気管切開チューブの壁部内に、内径2.2mmの酸素投与管路を形成し、気管切開チューブの遠位端から15mmの延出部を設け、延出部の先端に酸素投与開口部を形成した。酸素投与管路は、気管切開部に留置されたときに最上部に位置するように形成した。酸素投与管路に連通する細管は、内径2.00mm、外径3.33mmのカンチレバー測定法で55mmの剛軟度を有する軟質塩化ビニル製のものを用いた。それ以外は、図1に示す構造と同様に形成した。この気管切開チューブを用いて、酸素投与管路から延びる細管を酸素チューブに連結し、毎分0.5リットルの酸素を供給した。このときの患者の動脈血酸素飽和度をパルスオキシメーター(コニカミノルタ社製、製品名:酸素飽和モニターPULSOX−300)により測定した。同時に主管路の詰まり具合を目視により観察した。また、頭を動かしたときの気管切開部における気管切開チューブ全体の動きを観察した。
本実施例では、毎分0.5リットルの酸素を供給することにより、動脈血酸素飽和度が、80%から98%に上昇した。また、患者の気管切開部に5日間気管切開チューブを留置した後、気管切開チューブを交換し、使用後の気管切開チューブの主管路は、粘調な痰により半分近く狭窄していた。また、患者が頭を動かした場合に、気管切開チューブは、気管切開部に対して動くことがなく、安定して留置されていた。
比較例1
市販されている酸素投与管路が設けられていない気管切開チューブ(Portex社製、製品名:カフなし気管切開チューブ100/506/080)を用い、この気管切開チューブの近位端側開口部に人工鼻を取り付け、人工鼻に内径3.00mm、外径4.00mmのカンチレバー測定法で250mmの剛軟度を有する軟質塩化ビニル製の酸素チューブを接続し、毎分3リットルの酸素を供給し、実施例と同様の方法で動脈血酸素飽和度を測定した。その後、毎分5リットルに酸素の供給量を増やし、再び動脈血酸素飽和度を測定した。同時に主管路の詰まり具合を目視により観察した。また、頭を動かしたときの気管切開部における気管切開チューブ全体の動きを観察した。
比較例1では、毎分3リットルの酸素を供給することにより、動脈血酸素飽和度が、80%から90%に上昇した。毎分5リットルの酸素を供給すると、動脈血酸素飽和度は90%のままであった。また、気管切開チューブの詰まり具合は、2〜3日に一度の頻度で、主管路の内腔径が痰により8mmから4.5mm程度にまで狭窄し、酸素を供給しても動脈血酸素飽和度が80%まで下がった。また、患者が頭を動かしたときに、気管切開部に対して気管切開チューブ全体が動き、患者が咳き込む反射を示した。
比較例2
比較例1と同様の気管切開チューブに、人工鼻を取り付けずに、気管切開チューブの近位端側開口部に、硬質樹脂から形成したジョイントを取り付け、主管路とジョイントを気密に連結した。主管路に取り付けられたジョイントにさらに内径3.00mm、外径4.00mmのカンチレバー測定法で250mmの剛軟度を有する軟質塩化ビニル製の酸素チューブを気密に連結し、主管路内に直接酸素を送り込むようにした。この気管切開チューブに、毎分3リットルの酸素を供給し、実施例、比較例1と同様の方法で、動脈血酸素飽和度を測定した。その後、毎分5リットルに酸素の供給量を増やし、動脈血酸素飽和度を測定し、その後に毎分8リットルに酸素の供給量を増やして、動脈血酸素飽和度を測定した。同時に主管路の詰まり具合を目視により観察した。また、頭を動かしたときの気管切開部における気管切開チューブ全体の動きを観察した。
比較例2では、毎分3リットルの酸素を供給することにより、動脈血酸素飽和度が、80%から93%に上昇した。毎分5リットルの酸素を供給すると、動脈血酸素飽和度は93%から94%に上昇した。毎分8リットルの酸素を供給すると、動脈血酸素飽和度は94%のままであった。また、気管切開チューブの詰まり具合は、比較例1と同様に2〜3日に一度の頻度で、主管路の内腔径が痰により8mmから4.5mm程度にまで狭窄し、酸素を供給しても動脈血酸素飽和度が80%まで下がった。また、患者が頭を動かしたときに、気管切開部に対して気管切開チューブ全体が動き、患者が咳き込む反射を示した。
上記の実施例、比較例1および2から、酸素投与管路が設けられた実施例では毎分0.5リットルという少量の酸素で動脈血酸素飽和度を98%という高い値まで上げることができ、酸素投与の効率がよいのに対し、比較例の主管路から酸素を供給する気管切開チューブでは、実施例よりも遥かに多い量の酸素が必要であり、酸素投与の効率が悪く、酸素の量を増やしていっても、98%という高い動脈血酸素飽和度が得られないことがわかった。
また、実施例では、主管路が詰まった場合でも、酸素投与管路により、動脈血酸素飽和度を健常人の動脈血酸素飽和度と同程度の数値を維持できるのに対し、比較例では主管路が詰まることにより、動脈血酸素飽和度が低下し、咳き込んでしまうことがわかった。
また、実施例では、細管が柔軟であることにより、患者が無意識下で頭を大きく動かしても、細管が気管切開チューブの動きに柔軟に追従し、頭の動きが気管切開チューブに影響しないのに対し、比較例1および2では、酸素チューブが気管切開チューブの動きに影響され、頭の動きにより気管切開チューブが動き、患者が咳き込む原因となることがわかった。
1、10、100 気管切開チューブ
1d 遠位端
1p 近位端
11 壁部
11d 遠位端
12 主管路
12d 遠位端
2 気管切開チューブ固定翼
3 酸素投与管路
3d 遠位端
31 酸素投与開口部
32 延出部
33 酸素投与孔
34 細管
35 酸素導入用接続部
4 カフ
5 カフ用送気管路
51 カフ用細管
52 圧力測定バッグ
53 コネクタ
6 吸引用管路
61 吸引用細管
62 吸引用細管接続コネクタ
Od 遠位端側開口部
Op 近位端側開口部

Claims (3)

  1. 遠位端と近位端とを有し、気管切開部に留置する気管切開チューブであって、
    遠位端側開口部と近位端側開口部とを有し、
    前記遠位端から前記近位端へと延びる壁部と、
    前記壁部の内側に設けられ、前記近位端側開口部から前記遠位端側開口部へ貫通する主管路と、
    前記遠位端側に酸素を導入するための酸素投与管路とを備え、
    前記酸素投与管路が前記主管路と一体的に設けられ、
    前記酸素投与管路の遠位端が、前記壁部の遠位端、若しくは前記主管路の遠位端、またはこれらの遠位端よりも遠位位置に設けられた気管切開チューブ。
  2. 前記酸素投与管路の遠位端が、前記気管切開チューブを前記気管切開部に留置した際に、前記遠位端側開口部の上側となるように設けられた請求項1記載の気管切開チューブ。
  3. 前記酸素投与管路の近位位置側は、前記壁部の近位端側から分岐して細管を構成し、前記細管の先端に酸素導入用接続部が形成されて、前記細管はカンチレバー測定法で30mm〜200mmの範囲の柔軟性を持つことを特徴とする請求項1または2記載の気管切開チューブ。
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