JP2013085822A - 薬液セット及び薬液投与方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】薬液バッグの薬液排出部に穿刺される瓶針と、接続部に一端が接続される給液チューブと、を備えてなる複数の薬液供給部と、前記給液チューブの他端の全てに接続され、且つ、排液口を有する薬液統合部と、一端が前記排液口に接続され、他端が留置器具に接続された排液チューブと、を備え、薬液供給部が、給液チューブの途中に設けられて薬液の流通を開閉する流路開閉部を備え、薬液統合部が、複数の薬液供給部のそれぞれの給液チューブの他端が接続される複数の給液口と、一つの排液口を備え、エアベントフィルター及び薬液フィルターを備えたフィルターユニットが、前記薬液統合部と一体に、もしくは前記排液チューブの途中に設けられている薬液セットとする。
【選択図】図1
Description
(1)薬液排出部を有する薬液バッグの該薬液排出部に穿刺される接続部と、該接続部に一端が接続される給液チューブと、を備えてなる複数の薬液供給部と、前記給液チューブの他端の全てに接続され、且つ、排液口を有する薬液統合部と、一端が前記排液口に接続され、他端が留置器具に接続された排液チューブと、を備えた薬液セットであって、前記薬液供給部が、前記給液チューブの途中に設けられて前記薬液バッグに収容された薬液の流通を開閉する流路開閉部を備え、前記薬液統合部が、前記複数の薬液供給部のそれぞれの給液チューブの他端が接続される複数の給液口と、一つの排液口を備え、エアベントフィルター及び薬液フィルターを備えたフィルターユニットが、前記薬液統合部と一体に、もしくは前記排液チューブの途中に設けられていることを特徴とする薬液セット。
(2)前記薬液供給部が、前記薬液排出部に係止することにより前記薬液排出部と前記接続部とを離脱防止する固定具を有することを特徴とする前記(1)に記載の薬液セット。
(3)前記固定具は、前記接続部に装着された固定基部と、該固定基部に一端を固定された連結帯部と、該連結帯部の他端に連結された本体部と、から構成され、該本体部が前記薬液排出部に固定されることにより、前記固定具が前記薬液排出部に係止することを特徴とする前記(2)に記載の薬液セット。
(4)前記本体部が、長尺帯状であることを特徴とする前記(3)に記載の薬液セット。
(5)前記本体部が、クリップであることを特徴とする前記(3)に記載の薬液セット。
(6)前記薬液が、皮膚に対して接触禁忌とされる薬剤であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の薬液セット。
(7)前記薬液が、抗がん剤であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の薬液セット。
(8)前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の薬液セットを用い、前記複数の薬液バッグの前記薬液排出部それぞれに、前記給液チューブの一端に設けられた前記接続部を接続するステップと、前記各接続部と前記各薬液排出部とを固定具で固定するステップと、前記各給液チューブの他端が接続された薬液統合部の合流空間及び該合流空間に排液チューブを介して接続される留置器具までの流路をプライミングするステップと、前記給液チューブに設けられる前記流路開閉部を選択的に操作して前記薬液の流通を開閉することにより該薬液を投与するステップとを含むことを特徴とする薬液投与方法。
上記(2)の薬液セットによれば、接続部が固定具によって薬液バッグの薬液排出部に固定されるので、使用後においても接続部が薬液バッグから抜けず、より高い閉鎖性が確保される。
上記(3)の薬液セットによれば、固定具の本体部を薬液排出部に固定するので、接続部が薬液排出部から脱落するのを確実に防止することができる。
上記(4)の薬液セットによれば、本体部を薬液排出部に巻回固定することにより、より確実に連結固定することができ、緊急時においても容易、かつ確実に薬液排出部と接続部との抜けが防止され、閉鎖性が確保される。
上記(5)の薬液セットによれば、クリップを薬液排出部に挟持させることでより簡単に薬液排出部と接続部とを連結固定することができる。
上記(6)の薬液セットによれば、皮膚に対して接触禁忌とされる薬剤を用いるので、薬剤の毒性の危険から操作者を守ることができる。
上記(7)の薬液セットによれば、特に、薬液製剤が抗がん剤を用いる場合、細胞傷害性、変異原性や染色体異常などの遺伝毒性、発がん性、胎児奇形性など種々の毒性からの危険を回避できる。
上記(8)の薬液投与方法によれば、異なる複数の薬液を収容した薬液バッグのそれぞれに、それぞれの給液チューブに設けられた接続部が接続されると、複数の薬液バッグが同時に薬液統合部の合流空間に接続可能となる。それぞれの薬液バッグと合流空間とは流路開閉部の調節により容易に行うことができる。これにより、従来のように、接続部をそれぞれの薬液バッグに接続替えすることなく、流路開閉部を解除するのみで所望の薬液の投与が迅速、かつ容易に可能となる。また、これらの薬液の供給が閉鎖空間で行われ、かつ完了するので、いずれの薬液も暴露することがない。
薬液セット11は、生体(患者)に薬液13を注入(投与)する装置(セット)である。薬液13としては、接続可能な輸液であれば特に限定することなく用いることができ、例えば、生理食塩水等の電解質液、栄養輸液製剤、抗がん剤、制吐剤、鎮静薬、静脈麻酔薬、麻酔系鎮痛薬、局所麻酔薬、非脱分極性筋弛緩薬、昇圧薬、降圧薬、冠血管拡張薬、利尿薬、抗不整脈薬、気管支拡張薬、止血剤、ビタミン剤、抗生剤、脂肪乳剤等が挙げられる。
薬液バッグ25の薬液排出部37に接続部41を穿刺したときは、図2(a)に示したように、固定具29は連結帯部47の固定基部47aが接続部41に装着され、連結帯部47及び本体部43はぶら下げられた状態になっている。その状態から、図2(b)に示したように、連結帯部47を薬液バッグ25の薬液排出部37に沿うように曲げ(矢印A)、本体部43を薬液排出部37の外周に当てる。そして、図2(c)に示したように、本体部43を薬液排出部37の外周に沿って巻き付け、本体部43の先端を抜止め部45に挿入して固定する。これにより、本体部43が薬液排出部37に締結され、接続部41が固定具29により薬液排出部37に固定され、薬液排出部37から離脱しなくなる。
図3に示すように、フィルターユニット61を薬液統合部33の下流側の排液チューブ31の途中に設ける。フィルターユニット61は、エアベントフィルター63と薬液フィルター65を備え、図4に示すように、薬液統合部33を通過した薬液13は薬液フィルター65を通過して排液チューブ31へ流れる際に、薬液供給部67や薬液統合部33に残った空気(エア)はエアベントフィルター63を通過してフィルターユニット61外へ排出される。尚、エアベントフィルター63はフィルターの開口孔径が0.45μm以下であることが好ましく、0.22μm以下であることがより好ましい。薬液フィルター65はフィルターの開口孔径が0.45μm以下であることが好ましく、0.22μm以下であることがより好ましい。
クリップ49は、図5(a)に示したように、一端の側部を開放した略円筒状の弾性部材であり、固定具51の連結帯部47の先端に一体的に設けられている。図5(b)に示したように、直接薬液排出部37に挟持させることで接続部41と薬液排出部37とを迅速、かつ簡単に固定できる。従って、容易かつ確実に薬液排出部37と接続部41との抜けが防止され、閉鎖性が確保される。尚、クリップ49の形状は、薬液排出部37を挟持できるものであれば特に限定されない。
薬液セット11では、複数の給液チューブ27が接続部41を介してそれぞれの薬液バッグ25に接続されると、複数の薬液バッグ25が薬液統合部33の合流空間53に接続可能となる。合流空間53には排液チューブ31を介して留置器具59が接続されている。それぞれの給液チューブ27に設けられている流路開閉部35がロック解除される(開状態)ことで、所望の薬液バッグ25に収容される薬液13が薬液統合部33を介して留置器具59へ流れる。つまり、薬液供給部67を接続替えせずに、患者への複数の薬液13の投与が選択的になされる。また、薬液バッグ25の薬液排出部37に接続した接続部41が固定具29によって薬液排出部37に固定されて離脱不可とされているので、使用後においても接続部41が薬液バッグ25から抜けず、より高い閉鎖性が確保され続ける。
図6は本発明に係る薬液セットを用いた薬液投与方法の説明図であり、(a)〜(d)は、各ステップを説明する図である。
まず、異なる薬液13を収容した薬液バッグ25に、流路開閉部35により流路が閉塞された複数の給液チューブ27の接続部41をそれぞれに接続する。薬液バッグ25には、例えば、所定の薬液13(生理食塩水17、制吐剤21、抗がん剤19,23)が収容されており、接続部41がこの薬液バッグ25の薬液排出部37に設けられたゴム栓39に穿刺されると、接続部41を介し、薬液バッグ25と給液チューブ27とが接続され、薬液バッグ25から給液チューブ27へ薬液13が供給され得る状態となる。
13 薬液
17 生理食塩水
19,23 抗がん剤
21 制吐剤
25 薬液バッグ
27 給液チューブ
29 固定具
31 排液チューブ
33 薬液統合部
35 流路開閉部
37 薬液排出部
39 ゴム栓
41 接続部
41a 鍔部
43 本体部
45 抜止め部
47 連結帯部
47a 固定基部
49 クリップ(本体部)
51 固定具
53 合流空間
55 給液口
57 排液口
59 留置器具
60 留置針
61 フィルターユニット
63 エアベントフィルター
65 薬液フィルター
67 薬液供給部
69 ローラークレンメ
Claims (8)
- 薬液排出部を有する薬液バッグの該薬液排出部に穿刺される接続部と、該接続部に一端が接続される給液チューブと、を備えてなる複数の薬液供給部と、
前記給液チューブの他端の全てに接続され、且つ、排液口を有する薬液統合部と、
一端が前記排液口に接続され、他端が留置器具に接続された排液チューブと、
を備えた薬液セットであって、
前記薬液供給部が、前記給液チューブの途中に設けられて前記薬液バッグに収容された薬液の流通を開閉する流路開閉部を備え、
前記薬液統合部が、前記複数の薬液供給部のそれぞれの給液チューブの他端が接続される複数の給液口と、一つの排液口を備え、
エアベントフィルター及び薬液フィルターを備えたフィルターユニットが、前記薬液統合部と一体に、もしくは前記排液チューブの途中に設けられている
ことを特徴とする薬液セット。 - 前記薬液供給部が、前記薬液排出部に係止することにより前記薬液排出部と前記接続部とを離脱防止する固定具を有することを特徴とする請求項1に記載の薬液セット。
- 前記固定具は、前記接続部に装着された固定基部と、該固定基部に一端を固定された連結帯部と、該連結帯部の他端に連結された本体部と、から構成され、
該本体部が前記薬液排出部に固定されることにより、前記固定具が前記薬液排出部に係止することを特徴とする請求項2に記載の薬液セット。 - 前記本体部が、長尺帯状であることを特徴とする請求項3に記載の薬液セット。
- 前記本体部が、クリップであることを特徴とする請求項3に記載の薬液セット。
- 前記薬液が、皮膚に対して接触禁忌とされる薬剤であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の薬液セット。
- 前記薬液が、抗がん剤であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の薬液セット。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の薬液セットを用い、
前記複数の薬液バッグの前記薬液排出部それぞれに、前記給液チューブの一端に設けられた前記接続部を接続するステップと、
前記各接続部と前記各薬液排出部とを固定具で固定するステップと、
前記各給液チューブの他端が接続された薬液統合部の合流空間及び該合流空間に排液チューブを介して接続される留置器具までの流路をプライミングするステップと、
前記給液チューブに設けられる前記流路開閉部を選択的に操作して前記薬液の流通を開閉することにより該薬液を投与するステップと
を含むことを特徴とする薬液投与方法。
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