JP2013081933A - プロピレン酸化反応器における温度制御システム - Google Patents

プロピレン酸化反応器における温度制御システム Download PDF

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Tomonori Kawabata
智則 川端
Shinichi Furukawa
信一 古川
Carlos Knapp
カルロス クナップ
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Abstract

【課題】最も経済的で安全な温度範囲でプロピレンを所望のプロピレンオキサイドに最大に転化し、かつ副産物を最小にすることに関して、プロピレンオキサイド反応器の動作目的を達成する制御システムおよび技術を提供すること。
【解決手段】プロピレンと酸素からなる反応物質から、プロピレンオキサイド、二酸化炭素および水からなる生成物質への反応を含み、かつ該反応物質に対する供給ラインおよび該生成物質に対する流出ラインを有する反応器の温度を制御するための制御装置において、前記回路手段が、下式を使用して前記冷却液流量Qの信号を発生するように動作することを特徴とする、制御装置。
Figure 2013081933

【選択図】図1

Description

本発明は、所望の温度範囲内にプロピレン酸化反応器の温度を保持するために、冷却液の流量を調整するプロピレン酸化反応器に対する新規で有益な温度制御システムに関する。
化学反応器を制御するための種々の技術およびシステムが知られている。US3080219には重合反応器に対する制御システムが開示されている。このシステムは温度が混合のために反応器全体に一様である撹拌タンク反応器に適用できる。
US4132530には発熱反応または吸熱反応に対する温度制御システムが開示されている。この特許では、反応器軸線に沿って分配された複数の温度センサがあり、制御計画で使用される最大反応器温度を測定している。
本発明に関係のある他の文献として、US3373218、US4132529、US4187542およびUS4257105があり、これらはすべて化学反応器に対する種々の制御技術を開示するものである。
プロピレンオキサイドの製造プロセスにおいては、プロピレンおよび酸素または空気が混合され、恒温の多管反応器に送られる。プロピレンは触媒の存在下で酸化されてプロピレンオキサイドとなり、二酸化炭素および水が副産物として産出される。反応器温度制御の目的は、最も経済的な温度での動作、安全帯域内での動作、副産物を最小にしてプロピレンオキサイドに最大限に変換すること、冷却液の消費を抑えること、危険な動作の回避または排除、および作業者の負担を軽減することにある。
反応器温度制御は、次の要因のために非常に重要である。
1.酸化に対する最も経済的な温度は、副産物ではなくプロピレンオキサイドへの最高の転化が起る温度である。
2.触媒の選択率は、反応温度が低くなるに従って増大するが、他方プロピレンの転化率は反応器の温度が上昇するに従って増大する。従って、高い選択率に対する温度要件と高い転化率に対する温度要件は相反することになる。その結果、反応器の動作のための温度範囲は狭くなる。
3.反応温度の上昇によって次の2つの効果が生じる。(1)プロピレン酸化の全体の速度が増大する。(2)プロピレンオキサイドに対する触媒の選択率が減少し、プロピレンが相対的に多くの二酸化炭素および水に転化される。さらに、より多くのプロピレンが酸化され、全体の反応の選択率が減少するために熱の発生が増大する。その結果、温度が上昇し、反応器の無制御状態、触媒の活性低下、冷却液の消費量の増大、危険な動作状態、および/あるいは作業者の負担の増大をまねく恐れがある。
それ故、温度の上昇も、温度の降下も望ましくない。
反応器温度制御システムは冷却液の流量を操作することに基づいている。その設定点は、平均反応器温度に直接基づいている。
特許文献1には、所望の温度範囲内にエチレン酸化反応器の温度を保持するために、冷却液の流量を調整するエチレン酸化反応器に対する新規で有益な温度制御システムが記載されている。
特開昭59−62342
本発明の課題は、最も経済的で安全な温度範囲でプロピレンを所望のプロピレンオキサイドに最大に転化し、かつ副産物を最小にすることに関して、プロピレンオキサイド反応器の動作目的を達成する制御システムおよび技術を提供することである。
本発明の他の課題は、プロピレンオキサイド反応器を制御するための、設計が容易で、強固な構造で、製造するのに経済的な温度制御システムおよび方法を提供することである。
上記課題を解決するため検討した結果、以下に示す本発明を完成した。
[1] プロピレンと酸素からなる反応物質から、プロピレンオキサイド、二酸化炭素および水からなる生成物質への反応を含み、かつ該反応物質に対する供給ラインおよび該生成物質に対する流出ラインを有する反応器の温度を制御するための制御装置において、
前記供給ラインに接続されており、かつ前記反応器に対する反応物質の流量を測定するための供給物質流量伝送器と、
前記流出ラインに接続されており、かつ前記反応器からの生成物質の流量を測定するための流出物質流量伝送器と、
前記供給ラインに接続されており、かつ前記反応物質の温度を感知するための供給物質温度センサと、
前記流出ラインに接続されており、かつ前記生成物質の温度を測定するための流出物質温度センサと、
前記反応器に接続されおり、かつ反応器の温度を測定するための反応器温度感知手段と、
前記流出ラインに接続されており、かつ前記流出ラインにおける少なくとも1つの生成物質の濃度を測定するための濃度感知手段と、
冷却液をある冷却液流量で前記反応器に供給するための、前記反応器に対する冷却液流路と、
該冷却液流路中の冷却液流量制御装置と、
前記供給物質流量伝送器および前記流出物質流量伝送器に接続された回路手段とを具備し、
前記供給物質温度センサ、前記流出物質温度センサ、前記反応器温度および前記濃度感知手段は冷却液流量信号を発生するためのものであり、前記回路手段は前記冷却液流量制御装置に接続され、前記冷却液流量信号に従って前記反応器に対する冷却液の流量を制御し、かつ前記反応器における少なくとも1つの反応に対する反応熱、前記反応物質および前記生成物質の比熱、ならびに前記冷却液の蒸発熱に比例する量を示す信号を受信するものであり、そして前記回路手段が、次式:
Figure 2013081933
〔式中、
Q:冷却液流量
λ:冷却液の蒸発熱
:流出物質流量
:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)の濃度
ΔH:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
:第2の生成物質(二酸化炭素)の濃度
ΔH:第2の生成物質(二酸化炭素)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
p1:流出物質の比熱
:反応器温度
:流出物質温度
:供給物質流量
Pi:供給物質の比熱
:供給物質温度〕
を使用して前記冷却液流量Qの信号を発生するように動作することを特徴とする、制御装置。
[2] 前記反応器温度感知手段が前記反応器の長さ方向に沿って分配された複数の温度センサを含み、前記反応器の該温度センサの中から最低温度および最高温度を得るための最低温度回路および最高温度回路が該温度センサに接続されている、[1]記載の制御装置。
[3] プロピレンオキサイド、二酸化炭素および水からなる生成物質への、プロピレンと酸素からなる反応物質の発熱反応を含む反応器の温度を、該反応器に対する冷却液の流量を制御することによって制御する方法において、
前記反応器へのおよび反応器からの反応物質および生成物質の供給流量および流出流量をそれぞれ測定する段階と、
供給物質および流出物質の温度を測定する段階と、
反応器の温度を測定する段階と、
前記流出物質中の前記少なくとも1つの生成物質の濃度を測定する段階と、
次式:
Figure 2013081933
〔式中、
Q:冷却液流量
λ:冷却液の蒸発熱
:流出物質流量
:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)の濃度
ΔH:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
:第2の生成物質(二酸化炭素)の濃度
ΔH:第2の生成物質(二酸化炭素)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
p1:流出物質の比熱
:反応器温度
:流出物質温度
:供給物質流量
Pi:供給物質の比熱
:供給物質温度〕
を使用して冷却液の流量を計算する段階とからなることを特徴とする、反応器の温度を制御する方法。
本発明の方法によれば、アルゴリズムに従って化学反応器における冷却液の流量を制御するシステムが提供される。このアルゴリズムは反応器の供給流量および流出流量、反応物質および生成物質の比熱、反応器および流出物質温度、冷却液蒸発熱、反応物質および生成物質の濃度ならびに反応器で生じる種々の反応に対する反応熱を含む種々のパラメータを組み入れている。
また、反応器の長さに沿う種々の場所の温度が取られ、反応器内の温度に対する最大値および最小値を得て所認の反応器温度範囲を確立する。
管状反応器と組合わされて使用された本発明の制御システムを示す概略構成図である。
本発明が適用できるプロピレンオキサイドの接触気相酸化方法としては、例えば、金属酸化物等を含有するような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法等が挙げられる。このような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法については、例えば、WO2011/075458、WO2011/075459、WO2012/005822、WO2012/005823、WO2012/005824、WO2012/005825、WO2012/005831、WO2012/005832、WO2012/005835、WO2012/005837、WO2012/009054、WO2012/009059、WO2012/009058、WO2012/009053、WO2012/009057、WO2012/009055、WO2012/009052、WO2012/009055等に記載されている。その製法において用いる触媒としては、下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)及び(q)からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む触媒が挙げられる。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)ビスマス酸化物
(k)アンチモン酸化物
(l)レニウム酸化物
(m)コバルト酸化物
(n)オスミウム酸化物
(o)ランタノイド酸化物
(p)タングステン酸化物
(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(q)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
本発明をさらに詳しく述べるために、以下、図1を参照して具体的な実施態様を説明する。しかし、本発明はこの実施態様のみに限定されるものではない。
図1を参照すると、ここで実施された発明は、プロピレンと酸素の混合物を通すための管体12を有する管状反応器10へ流れる冷却液の流量を制御するための制御システムからなる。この反応器は、特にプロピレンをプロピレンオキサイドに酸化し、かつ副産物として二酸化炭素および水を得ることに適合している。
次に、本発明による反応器に流れる冷却液を制御するために使用されるアルゴリズムを説明する。使用される記号は理解を容易にするために図面に使用された記号と対応している。
「冷却液によって除去される合計の熱」は、冷却液の加熱がないと仮定すると「冷却液流量(Q)」×「その蒸発熱(λ)」であり、Qλである。
「供給物質の合計のエンタルピー」は、
pi(T−TRef
〔式中、
:供給物質流量
pi:供給物質の比熱(下式で計算される)
Figure 2013081933
:供給物質の温度
Ref:基準温度
pik:成分kの比熱
:供給物質の成分iの濃度
(i=1:プロピレン
i=2:二酸化炭素
i=3:プロパン
i=4:酸素)〕
となる。
「反応器で発生される熱」は、「プロピレンからプロピレンオキサイドへの酸化に対する反応熱」+「プロピレンから二酸化炭素と水への酸化に対する反応熱」であるため、
ΔH+FΔH
〔式中、
:流出物質流量
ΔH:プロピレンからプロピレンオキサイドへの酸化に対する反応熱
ΔH:プロピレンから二酸化炭素と水への酸化に対する反応熱
:流出物質の成分jの濃度
(j=1:プロピレンオキサイド
j=2:二酸化炭素
j=3:プロピレン
j=4:水)〕
となる。
ここで、反応化学論に従って、y=yである。
他の不純物が少量であると仮定すると、y=1.0−y−y−yであり、プロピレンオキサイドの濃度yは、この式から直接、値を求めることができる。
「供給物質を反応温度まで上昇させるのに消費される熱」は、
pi(T−T
〔式中、T:反応器温度〕
となる。
「反応生成物質を流出物質温度に冷却する際に奪われる熱」は、
p1(T−T
〔式中、
Figure 2013081933
:流出物質温度〕
となる。
合計の熱のバランスとしては、「冷却液によって奪われる熱(Qλ)」は、「反応によって発生される熱」+「反応生成物質を流出物質温度に冷却する際に奪われる熱」−「供給物質を反応温度に加熱する際に使用される熱」であるため、
Figure 2013081933
となる。
従って、Qは、
Figure 2013081933
となり、かくして、上記の式から所望の冷却液流量が求められる。
本発明は、図示するように、上記解析に基づいた反応器制御計画を与えるものである。本発明の具現化は、通常の電子機器および制御システムを通じてなされるが、本発明は制御コンビュータシステムによって容易に具現化できる。図示していないが、始動および運転停止の制御も、この制御計画に簡単に加えることができる。
本発明によれば、プロピレンはライン14を介して提供され、再循環プロピレンはライン16を介して提供される。酸素または空気はライン18から提供される。ライン14を通じてのプロピレンの流れは弁20によって制御される。この弁20は、22の所望の設定値を受け入れる。設定点値は制御装置24において流量伝送器26を含む総括的に30で指示されたフィードバックループによって変更できる。再循環するプロピレンに対するライン16も流量伝送器28を含む。酸素または空気の流れは、34において設定された酸素対プロピレンの比に従って弁32により制御される。プロピレンを合わせた供給流量Fは、合算素子40において加算され、乗算素子42に与えられる。流出物質流量Fは、流出ライン46に接続された流量伝送器44において決定される。流出ライン46は所望の生成物質であるプロピレンオキサイドと二酸化炭素、水および転化されないプロピレンを含む。プロピレンオキサイドおよび二酸化炭素の濃度yおよびyは、クロマトグラフィ伝送器50でそれぞれ得られる。クロマトグラフィの結果、すなわちプロピレンオキサイドおよび二酸化炭素の濃度yおよびyは、触媒の状態を決定するために使用される。プロピレンオキサイド濃度信号は素子102において二酸化炭素濃度信号によって割算され、ストリップチャートレコーダ104に表示される。このレコーダ104は反応器内の触媒の状態を測定して、触媒が再生される必要があるか、あるいは取替える必要があるかを決定するのに有用である。このレコーダはある素子の信号を基に警報を鳴らすための緊急制御等においても使用できる。
二酸化炭素およびプロピレンオキサイドの量を、それぞれプロピレン−二酸化炭素に対する反応熱ΔHおよびプロピレン−プロピレンオキサイドに対する反応熱ΔHと乗算する。これら演算は乗算素子54および56で行なわれる。これら2つの演算の結果は加算素子58で加算される。
反応器内の最大温度および最小温度は、総括的に60で指示された温度感知手段を使用して決定される。温度感知手段60は、反応器10の長さ方向に沿って分配された複数の個々のまたは列をなす温度センサ62を含む。素子64はこれら温度センサ62中の最高温度を決定するために使用され、また素子66はこれらセンサ中の最低温度を決定するために使用される。最低温度および最高温度の値は素子68および70によって供給される。最高温度および最低温度は、また素子72において値T、すなわち反応器温度を得るように処理される。供給物質温度Tを感知するために、温度センサ74が反応物質入力ライン76に設けられている。この温度は減算素子78において反応器温度から減算され、減算結果は乗数素子80において供給物質の比熱CPiと乗算され、その結果が除算素子82においてλで割算される。除算素子82の値は乗数素子42において供給物質流量Fと乗算される。
供給物質温度Tは減算素子84にも供給され、温度伝送器86によって感知された流出物質温度Tがこの供給物質温度Tから減算される。減算の結果は乗算素子88において比熱CP1と乗算される。この結果は加算素子58において反応熱の成分に加算され、この演算結果が乗算素子90においてライン92を介して供給される流量Fと乗算される。この演算の結果は除算素子94においてλで割算される。上記したように、プロセスの時間遅延係数は素子52において考慮されている。減算素子96は出力係数から入力係数を減算して冷却液流量信号を発生するために設けられており、この冷却液流量信号は冷却液流量弁100を制御するために冷却液流量制御装置98において使用される。かくして、本発明の装置は、管状反応器10のプロピレン酸化の温度を反応器管の外部冷却によって制御する。
最低反応器温度および最高反応器温度は、温度センサ62、素子64および66で終了する付属の論理によって決定される。最高温度または最低温度は、どちらが素子68および70において選択された関連する動作限界を越えていても、反応器に対する所望の冷却液流量の計算のために素子72において選択される。
本発明によれば、冷却液流量は熱入力と熱出力のバランスから計算される。反応器における実際のプロピレンからプロピレンオキサイドへの転化は、クロマトグラフィ伝送器50を介しての反応器流におけるプロピレンオキサイドの濃度を測定することによって測定される。副次的反応としてのプロピレンから二酸化炭素への実際の転化も、同じく伝送器50によって測定される。クロマトグラフィ信号を計算した結果は、制御装置98に供給される冷却液流量設定点を決定する前に素子52によってプロセスの時間遅延を補償される。この制御システムは二酸化炭素およびプロピレンオキサイドの濃度に基づいた信号を発生する。
本発明によれば、反応器温度は最低動作温度および最高動作温度によって特定された狭い動作限界間に保持される。このようにして、プロピレンのプロピレンオキサイドへの転化は、選択度および転化の観点から、温度限界の仕様が与えられた触媒に対して少なくとも擬似最適であるような経済的レベルに維持される。二酸化炭素へのプロピレンの転化は、二酸化炭素に対する触媒の選択度が最小である温度限界内で反応器が作動されるとき、減ぜられる。また、反応器の特作はすべての動作状態のもとで、すなわち始動、運転停止および調整制御中、安全な限界内にある。また、反応器の動作は反応器に対する供給物質流量の激しい変化に対しでも安全な状態にある。
制御装置98における冷却液流量設定点の計算は、さらにプロピレンの二酸化炭素への転化に基づいており、従ってこれは所望の反応によって発生された熱に加えるに副反応によって発生される熱を除去することになる。触媒の状態を表示するために他の指示信号がチャートレコーダ104に用意されている。本発明による制御装置の構成は所望の冷却液流量の予測に対してはフィードフォワード配置であり、また冷却液流量制御に対してはフィードバック配置である。
本発明の原理の適用例を例示するために本発明の特定の実施例を図示し、詳細に記載したが、本発明の原理から逸脱することなしに本発明が種々に変形、変更できることは容易に理解される。
本発明の方法によって、アルゴリズムに従って化学反応器における冷却液の流量を制御するシステムが提供される。
10 管状反応器
12 管
20 弁
22 所望の設定点値
24 制御装置
26、28 流量伝送器
30 フィードバックループ
32 弁
44 流量伝送器
50 クロマトグラフィ伝送器
60 温度感知手段
62,74 温度センサ
86 温度伝送器
98 冷却液流量制御装置
100 冷却液流量弁
104 ストリップチャートレコーダ

Claims (3)

  1. プロピレンと酸素からなる反応物質から、プロピレンオキサイド、二酸化炭素および水からなる生成物質への反応を含み、かつ該反応物質に対する供給ラインおよび該生成物質に対する流出ラインを有する反応器の温度を制御するための制御装置において、
    前記供給ラインに接続されており、かつ前記反応器に対する反応物質の流量を測定するための供給物質流量伝送器と、
    前記流出ラインに接続されており、かつ前記反応器からの生成物質の流量を測定するための流出物質流量伝送器と、
    前記供給ラインに接続されており、かつ前記反応物質の温度を感知するための供給物質温度センサと、
    前記流出ラインに接続されており、かつ前記生成物質の温度を測定するための流出物質温度センサと、
    前記反応器に接続されおり、かつ反応器の温度を測定するための反応器温度感知手段と、
    前記流出ラインに接続されており、かつ前記流出ラインにおける少なくとも1つの生成物質の濃度を測定するための濃度感知手段と、
    冷却液をある冷却液流量で前記反応器に供給するための、前記反応器に対する冷却液流路と、
    該冷却液流路中の冷却液流量制御装置と、
    前記供給物質流量伝送器および前記流出物質流量伝送器に接続された回路手段とを具備し、
    前記供給物質温度センサ、前記流出物質温度センサ、前記反応器温度および前記濃度感知手段は冷却液流量信号を発生するためのものであり、前記回路手段は前記冷却液流量制御装置に接続され、前記冷却液流量信号に従って前記反応器に対する冷却液の流量を制御し、かつ前記反応器における少なくとも1つの反応に対する反応熱、前記反応物質および前記生成物質の比熱、ならびに前記冷却液の蒸発熱に比例する量を示す信号を受信するものであり、そして前記回路手段が、次式:
    Figure 2013081933
    〔式中、
    Q:冷却液流量
    λ:冷却液の蒸発熱
    :流出物質流量
    :第1の生成物質(プロピレンオキサイド)の濃度
    ΔH:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
    :第2の生成物質(二酸化炭素)の濃度
    ΔH:第2の生成物質(二酸化炭素)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
    p1:流出物質の比熱
    :反応器温度
    :流出物質温度
    :供給物質流量
    Pi:供給物質の比熱
    :供給物質温度〕
    を使用して前記冷却液流量Qの信号を発生するように動作することを特徴とする、制御装置。
  2. 前記反応器温度感知手段が前記反応器の長さ方向に沿って分配された複数の温度センサを含み、前記反応器の該温度センサの中から最低温度および最高温度を得るための最低温度回路および最高温度回路が該温度センサに接続されている、請求項1記載の制御装置。
  3. プロピレンオキサイド、二酸化炭素および水からなる生成物質への、プロピレンと酸素からなる反応物質の発熱反応を含む反応器の温度を、該反応器に対する冷却液の流量を制御することによって制御する方法において、
    前記反応器へのおよび反応器からの反応物質および生成物質の供給流量および流出流量をそれぞれ測定する段階と、
    供給物質および流出物質の温度を測定する段階と、
    反応器の温度を測定する段階と、
    前記流出物質中の前記少なくとも1つの生成物質の濃度を測定する段階と、
    次式:
    Figure 2013081933
    〔式中、
    Q:冷却液流量
    λ:冷却液の蒸発熱
    :流出物質流量
    :第1の生成物質(プロピレンオキサイド)の濃度
    ΔH:第1の生成物質(プロピレンオキサイド)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
    :第2の生成物質(二酸化炭素)の濃度
    ΔH:第2の生成物質(二酸化炭素)に対する反応物質(プロピレンと酸素)の反応熱
    p1:流出物質の比熱
    :反応器温度
    :流出物質温度
    :供給物質流量
    Pi:供給物質の比熱
    :供給物質温度〕
    を使用して冷却液の流量を計算する段階とからなることを特徴とする、反応器の温度を制御する方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106471042A (zh) * 2014-07-03 2017-03-01 科思创德国股份有限公司 用于制备聚醚碳酸酯多元醇的方法及其设备
CN112624946A (zh) * 2020-12-30 2021-04-09 山东尚舜化工有限公司 一种连续法合成促进剂tmtd的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106471042A (zh) * 2014-07-03 2017-03-01 科思创德国股份有限公司 用于制备聚醚碳酸酯多元醇的方法及其设备
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