JP2013078820A - 回転工具 - Google Patents

回転工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2013078820A
JP2013078820A JP2011219804A JP2011219804A JP2013078820A JP 2013078820 A JP2013078820 A JP 2013078820A JP 2011219804 A JP2011219804 A JP 2011219804A JP 2011219804 A JP2011219804 A JP 2011219804A JP 2013078820 A JP2013078820 A JP 2013078820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
rotary tool
transmission mechanism
shaft
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011219804A
Other languages
English (en)
Inventor
Yonosuke Aoki
陽之介 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Makita Corp
Original Assignee
Makita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Makita Corp filed Critical Makita Corp
Priority to JP2011219804A priority Critical patent/JP2013078820A/ja
Priority to RU2012140965/02A priority patent/RU2012140965A/ru
Priority to EP12186341.9A priority patent/EP2578362B1/en
Priority to CN201210376028.6A priority patent/CN103029105B/zh
Priority to US13/644,669 priority patent/US9533406B2/en
Publication of JP2013078820A publication Critical patent/JP2013078820A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Percussive Tools And Related Accessories (AREA)
  • Portable Power Tools In General (AREA)

Abstract

【課題】 潤滑剤を入れた室に電磁クラッチが配置可能な回転工具を提供する。
【解決手段】 回転工具であって、モータ110と、モータ110から動力を受けて先端工具119を駆動するための動力伝達機構150と、動力伝達機構150を収容するとともに、当該動力伝達機構150を潤滑するための潤滑剤が入れられた動力伝達機構室105aと、回転工具の所定の駆動状態に応じて動力伝達を遮断する電磁クラッチ170と、を有する。電磁クラッチ170は、駆動側回転部材171と被動側回転部材173とを有し、駆動側回転部材171と被動側回転部材173が互いに係合することで動力を伝達し、当該係合が解除されることで動力伝達を遮断するように設定されている。動力伝達機構室105a内において、駆動側回転部材171と被動側回転部材173の摩擦面を、潤滑剤から隔離するためのシール部材181,183を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、先端工具が回転動作することで被加工材に所定の加工作業を行なう回転工具に関する。
特開2011−93071号公報(特許文献1)は、ハンマドリルにおいて、モータの動力をドリルビットに伝達する動力伝達機構に摩擦式の電磁クラッチを配置し、ハンマドリル作業中にドリルビットが被加工材に捕捉される等して不意にロックした場合に、動力伝達を遮断してハンマドリル本体がドリルビットの長軸回りに振り回されるのを防止する構成を開示している。
動力伝達機構が複数のギアで構成される場合、当該ギアを潤滑するために動力伝達機構は、潤滑剤を入れた室に収容されるが、摩擦式の電磁クラッチの場合、摩擦面に油分が付着すると、伝達トルクが大幅に低下するため、潤滑剤を入れた室に電磁クラッチを配置することが難しく、この点でなお改良の余地がある。
特開2011−93071号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、潤滑剤を入れた室に電磁クラッチが配置できるように改良された回転工具を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の回転工具に係る好ましい形態によれば、モータと、モータから動力を受けて先端工具を回転動作させるための動力伝達機構と、動力伝達機構を収容するとともに、当該動力伝達機構を潤滑するための潤滑剤が入れられた動力伝達機構室と、動力伝達機構室において、動力伝達機構の一部を構成するとともに、回転工具の所定の駆動状態に応じて動力伝達機構における動力伝達を遮断する電磁クラッチと、を有する。なお、本発明における「回転工具の所定の駆動状態」とは、回転工具が、例えばハンマドリルの場合であれば、ビットが被加工材に捕捉されること等に起因してハンマドリルがビットの長軸回りに振り回される現象の予兆がこれに該当し、回転工具が、例えば丸鋸の場合であれば、鋸刃が被加工材に捕捉されること等に起因して丸鋸が切断進行方向と逆方向に跳ね返される現象(キックバック)の予兆がこれに該当する。
本発明の好ましい形態によれば、電磁クラッチは、駆動側回転部材と被動側回転部材とを有し、駆動側回転部材と被動側回転部材が互いに係合することで動力を伝達し、当該係合が解除されることで動力伝達を遮断するように設定されている。そして、回転工具は、動力伝達機構室内において、駆動側回転部材と被動側回転部材の係合領域を、潤滑剤から隔離するためのシール部材を備えている。なお、本発明における「係合領域」は、典型的には、駆動側回転部材と被動側回転部材との摩擦面の摩擦を利用して動力を伝達する領域がこれに該当し、摩擦面としては、平面を利用する態様、円錐面を利用する態様等を好適に包含する。
本発明によれば、駆動側回転部材と被動側回転部材の係合領域を、潤滑剤から隔離するためのシール部材を備えることで、係合領域への油分の付着を防止できる。このため、潤滑剤が入れられた動力伝達機構室への電磁クラッチの配置が可能となる。
本発明に係る回転工具の更なる形態によれば、電磁クラッチは、モータ側から動力が入力される入力軸と、先端工具側に動力を出力する出力軸とを有する。そして入力軸と出力軸は、同軸配置されるとともに、入力軸に動力を入力する動力入力部と出力軸から動力を出力する動力出力部の双方が、係合領域を基準にして入力軸ないし出力軸の軸方向の一方側に設定されている。この場合、入力軸が径方向外側に配置され、出力軸が径方向内側に配置される態様、あるいは入力軸が径方向内側に配置され、出力軸が径方向外側に配置される態様のいずれも構成可能である。
この形態によれば、電磁クラッチの軸方向に関する寸法短縮が可能となり、省スペースの合理的配置が可能となる。
また、本発明に係る回転工具の更なる形態によれば、シール部材は、入力軸と出力軸との間、及び入力軸と出力軸のうちの径方向外側に配置された軸と動力伝達機構室の内壁との間に配置されている。なお、本発明における「動力伝達機構室の内壁」は、駆動側回転部材と被動側回転部材の係合領域の軸方向周りを取り囲むように、動力伝達機構室の壁面から突出する筒状の壁として形成することが好ましい。そしてシール部材は、当該筒状の壁の突出端部と径方向外側に配置された軸の外周との間に配置される。
この形態によれば、シール部材により駆動側回転部材と被動側回転部材の係合領域を、動力伝達機構室内の潤滑剤から隔離された状態とすることができる。
また、本発明に係る回転工具の更なる形態によれば、電磁クラッチは、電磁コイルを内蔵したフィールドを有する。そして入力軸と出力軸のうちの径方向外側に配置された軸と動力伝達機構室の内壁との間に配置されたシール部材が、電磁クラッチの動力伝達時においてフィールドの連れ回りを抑止する構成とした。
この形態によれば、シール部材がフィールドの回り止めを兼務するので、フィールドの連れ回りを抑えるための別部材が不要となり、部品点数の削減に有効となる。
また、本発明に係る回転工具の更なる形態によれば、先端工具は、長軸回りに回転する長尺状のビットであり、電磁クラッチは、動力伝達を遮断することで、ビットが加工材に捕捉されて回転工具が当該ビットの長軸回りに振り回されるのを防止する。この場合、ビットに作用するトルク、及び/または回転工具本体に作用する速度又は加速度が予め設定された設定値を超えたことを検知したときに、電磁クラッチの動力伝達を遮断するように構成することが好ましい。
本発明によれば、潤滑剤を入れた室に電磁クラッチが配置できるように改良された回転工具が提供されることとなった。
本発明の実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す側断面図である。 ハンマドリルの要部の構成を拡大して示す断面図である。 電磁クラッチのトルク伝達状態を拡大して示す断面図である。 電磁クラッチのトルク遮断状態を拡大して示す断面図である。 オイルシールを示す拡大図である。 電磁クラッチに関する変形例を示す断面図である。 変形例の電磁クラッチの拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図5を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態は、回転工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るハンマドリル100は、概括的に見て、ハンマドリル100の外郭を形成する工具本体としての本体部101を主体として構成される。本体部101の先端領域には、ハンマビット119が筒状のツールホルダ159を介して着脱自在に取付けられる。ハンマビット119は、ツールホルダ159に対し軸方向には相対移動可能とされ、周方向には一体回転するように装着される。本体部101の先端領域の反対側には、作業者が握るハンドグリップ107が連接されている。ハンマビット119は、本発明における「先端工具」及び「ビット」に対応する。なお、説明の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンドグリップ107側を後という。
本体部101は、駆動モータ110を収容したモータハウジング103と、運動変換機構120、打撃要素140及び動力伝達機構150を収容したギアハウジング105とによって構成されている。駆動モータ110は、その回転軸線(モータ軸111の回転軸線)が本体部101の長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)と概ね直交する縦方向(図1において上下方向)となるように配置される。駆動モータ110のトルクは、運動変換機構120によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素140に伝達され、当該打撃要素140を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。駆動モータ110は、本発明における「モータ」に対応し、動力伝達機構150が本発明における「動力伝達機構」に対応する。
また、駆動モータ110のトルクは、動力伝達機構150によって回転速度が適宜減速された上でツールホルダ159を介してハンマビット119に伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。駆動モータ110は、ハンドグリップ107に配置されたトリガ107aの引き操作によって通電駆動される。
図2に示すように、運動変換機構120は、駆動モータ110のモータ軸111に形成された第1駆動ギア121及び当該第1駆動ギア121に噛み合い係合された被動ギア123を介して駆動されるクランク機構によって構成される。クランク機構は、被動ギア123と一体回転するクランク軸125、当該クランク軸125に軸線からずれた位置に設けられた偏心軸127、ピストン131、当該ピストン131と偏心軸127とを連接する連接ロッド129等で構成される。クランク軸125は、軸方向の両端部において上下の軸受124a,124bを介してギアハウジング105に回転自在に支持されている。ピストン131は、打撃要素140を駆動する駆動子として備えられ、シリンダ141内をハンマビット119の長軸方向と同方向に摺動可能とされる。駆動モータ110のモータ軸111とクランク軸125は、互いに平行にかつ横並びに配置される。また、駆動モータ110とシリンダ141は、長軸線が互いに直交するように配置される。シリンダ141は、ギアハウジング105に固定状に支持されている。
打撃要素140は、シリンダ141内に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ159内に摺動自在に配置されるとともに、ストライカ143の運動エネルギをハンマビット119に伝達する中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。シリンダ141は、ツールホルダ159の後方に配置されるとともに、ピストン131及びストライカ143によって仕切られる空気室141aを有する。ストライカ143は、ピストン131の摺動動作に伴う空気室141aの圧力変動(空気バネ)を介して駆動され、インパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
動力伝達機構150は、第2駆動ギア151、第1中間ギア161、第1中間軸163、電磁クラッチ170、第2中間ギア165、機械式トルクリミッター167、第2中間軸153、小ベベルギア155、大ベベルギア157及びツールホルダ159を主体として構成され、駆動モータ110のトルクをハンマビット119に伝達する。ツールホルダ159は、略円筒状の筒状部材であり、ギアハウジング105によってハンマビット119の長軸周りに回転自在に保持される。第2駆動ギア151は、駆動モータ110のモータ軸111に固定され、第1駆動ギア121と共に水平面内にて回転駆動される。トルク伝達において、モータ軸111の下流側に位置する第1中間軸163及び第2中間軸153は、モータ軸111に対して平行かつ横並びに配置される。第1中間軸163は、上下の軸受164a,164bを介して軸方向(上下方向)の端部がギアハウジング105に回転自在に支持されている。また第2中間軸153は、上下の軸受154a,154bを介して軸方向(上下方向)の端部側においてギアハウジング105に回転自在に支持されている。第1中間軸163は、電磁クラッチ搭載用の軸として備えられ、モータ軸111と第2中間軸153との間に配置されるとともに、第2駆動ギア151と常時に噛み合い係合する第1中間ギア161により電磁クラッチ170を経て回転駆動される。なお、第1中間ギア161は、第2駆動ギア151に対して減速されるよう第2駆動ギア151に対する減速比が設定されている。
電磁クラッチ170は、駆動モータ110とハンマビット119との間、詳しくはモータ軸111と第2中間軸153との間において、トルクの伝達と遮断を行うものであり、ハンマドリル作業中において、ハンマビット119が被加工材に捕捉されてロックしたような場合に、本体部101側に作用する反動トルク(ハンマビット119の回転方向と逆方向に作用するトルク)が異常に増大して本体部101が振り回されることを防止する手段として備えられ、第1中間軸163上に設定されている。電磁クラッチ170は、第1中間軸163の長軸方向(上下方向)において第1中間ギア161の上方に配置されており、ストライカ143の動作軸線(打撃軸線)に対して第1中間ギア161よりも近接されている。電磁クラッチ170は、本発明における「電磁クラッチ」に対応する。
電磁クラッチ170は、摩擦を利用した摩擦式であり、図3及び図4に示すように、円盤状の駆動側クラッチ部材171、円盤状の被動側クラッチ部材173、クラッチバネ175、電磁コイル177、及び当該電磁コイル177を内蔵したコイル内蔵部材179を主体として構成される。駆動側クラッチ部材171と被動側クラッチ部材173は、第1中間軸163の長軸方向(電磁クラッチ170の長軸方向)において、駆動側クラッチ部材171が下側、被動側クラッチ部材173が上側となるように、対向状に相対移動可能に配置されている。そして、電磁コイル177が通電された場合には、当該通電により発生する電磁力によって互いに接近する方向へと相対移動されて摩擦接触(以下、係合という)され、これによりトルクを伝達する。電磁コイル177の通電が遮断された場合には、駆動側クラッチ部材171と被動側クラッチ部材173との係合を解除する方向へと常時に付勢力を作用する付勢部材として備えられたクラッチバネ175によって互いに離間する方向へと相対移動されて係合が解除され、これによりトルク伝達を遮断する。駆動側クラッチ部材171は、本発明における「駆動側回転部材」に対応し、被動側クラッチ部材173は、本発明における「被動側回転部材」に対応し、コイル内蔵部材179は、本発明における「フィールド」に対応する。
駆動側クラッチ部材171は、下方に向けて突出する筒状のボス部171aを有し、当該ボス部171aが内周側において第1中間軸163に対し軸受172を介して長軸方向周りに相対回転可能に取り付けられるとともに、当該ボス部171aの外周面には第1中間ギア161のボス部161aが圧入固定されている。これにより駆動側クラッチ部材171は、第1中間ギア161と一体回転する構成とされる。すなわち、駆動モータ110のトルクは、第1中間ギア161を経て電磁クラッチ170に入力される。駆動側クラッチ部材171のボス部171a及び第1中間ギア161のボス部161aが、本発明における「入力軸」に対応し、第1中間ギア161と第2駆動ギア151の噛み合い係合部が、本発明における「動力入力部」に対応する。
一方、被動側クラッチ部材173は、上方に向けて突出する筒状のボス部173aを有し、当該ボス部173aが第1中間軸163の長軸方向の一端(上端)側に長軸方向には相対移動可能に、かつ周方向には一体回転するように嵌合されている。これにより、被動側クラッチ部材173は、駆動側クラッチ部材171に対して相対回転が可能で、かつ軸方向に相対移動可能とされている。そして、被動側クラッチ部材173のボス部173aと一体回転する第1中間軸163をボス部173aの一部として見ると、当該ボス部173aと駆動側クラッチ部材171のボス部171aとは同軸配置とされるとともに、径方向の内外に配置された構成とされる。すなわち、被動側クラッチ部材173のボス部173aが径方向内側に配置され、駆動側クラッチ部材171のボス部171aが径方向外側に配置されている。第1中間軸163の長軸方向の他端(下端)には、第2中間ギア165が設けられている。そして、被動側クラッチ部材173のトルクが、第2中間ギア165から当該第2中間ギア165に噛み合い係合する第3中間ギア168aを経て機械式トルクリミッター167に出力される構成とされる。すなわち、この実施の形態では、第1中間軸163が電磁クラッチ170の出力軸として設定されている。被動側クラッチ部材173のボス部173a及び第1中間軸163が、本発明における「出力軸」に対応し、
第2中間ギア165と第3中間ギア168aの噛み合い係合部が本発明における「動力出力部」に対応する。
上記のように、本実施の形態では、駆動側クラッチ部材171と被動側クラッチ部材173とは、同軸配置されるとともに、駆動側クラッチ部材171にトルクを入力するための第2駆動ギア151と第1中間ギア161との噛み合い係合部、及び被動側クラッチ部材173からトルクを出力するための第2中間ギア165と第3中間ギア168aとの噛み合い係合部が、両円板部171b,173bを基準にして(挟んで)電磁クラッチ170の長軸方向の一方側(同じ側)に配置された構成とされる。
駆動側クラッチ部材171は、ボス部171aの外周から径方向に一体状に張り出す円板部171bを有する。同様に、被動側クラッチ部材173は、ボス部173aの外周から径方向に一体状に張り出す円板部173bを有する。すなわち、両円板部171b,173bは、電磁クラッチ170の長軸方向(駆動側クラッチ部材171及び被動側クラッチ部材173の長軸方向)において互いに対向状に配置され、被動側クラッチ部材173の円板部173bが駆動側クラッチ部材171の円板部171bから離間する方向にクラッチバネ175の付勢力を常時に受けている。上記のように構成される電磁クラッチ170は、コントローラ113からの指令に基づく電磁コイル177の電流の断続によって被動側クラッチ部材173が長軸方向に移動される。そして両円板部171b,173bが係合(摩擦接触)することでトルクを伝達(図3参照)し、係合を解除(離間)することでトルクの伝達を遮断(図4参照)する。駆動側クラッチ部材171の円板部171bと被動側クラッチ部材173の円板部173bとの摩擦面が、本発明における「係合領域」に対応する。
クラッチバネ175は、第1中間軸163の軸方向中程の外側において、当該第1中間軸163の外側に圧入固定されたスリーブ166の軸方向一端(上端)と、被動側クラッチ部材173のボス部173aの軸方向一端(下端)との間に介在状に配置されている。電磁コイル177を内蔵するコイル内蔵部材179は、被動側クラッチ部材173の円板部173bの上方に配置されている。コイル内蔵部材179は、電磁コイル177を内蔵する概ねリング状のコイル内蔵部179aと、当該コイル内蔵部179aの外縁部から下方へと一体に延在する筒状部179bとを有する。そして、コイル内蔵部179aの中央リング孔内に被動側クラッチ部材173のボス部173aが所定の隙間を置いて遊嵌状に配置され、筒状部179bの内側に駆動側クラッチ部材171の円板部171bと被動側クラッチ部材173の円板部173bが所定の隙間を置いて遊嵌状に配置されている。
電磁クラッチ170から出力されるトルクは、機械式トルクリミッター167を介して第2中間軸153に伝達されるよう構成されている。機械式トルクリミッター167は、ハンマビット119にかかる過負荷に対する安全装置として備えられ、ハンマビット119に設計値(以下、最大伝達トルク値ともいう)を超える過大なトルクが作用したとき、ハンマビット119へのトルク伝達を遮断するものであり、第2中間軸153上に同軸で取り付けられている。
機械式トルクリミッター167は、第2中間ギア165と噛み合い係合する第3中間ギア168aを有する駆動側部材168と、第2中間軸153と一体回転する被動側部材169を有する。詳細については便宜上図示を省略するが、第2中間軸153に作用するトルク値(ハンマビット119に作用するトルク値に相当する)が、スプリング167aによって予め定めた最大伝達トルク値以下であれば、駆動側部材168と被動側部材169間でトルク伝達するが、第2中間軸153に作用するトルク値が最大伝達トルク値を超えたときには、駆動側部材168と被動側部材169間でのトルク伝達を遮断するように構成されている。なお、駆動側部材168の第3中間ギア168aは、第2中間ギア165に対して減速されるよう速度比が設定されている。
第2中間軸153へと伝達されたトルクは、当該第2中間軸153に一体に形成された小べベルギア155から当該小べベルギア155に噛み合い係合する大べベルギア157、そして当該大べベルギア157と結合された最終出力軸としてのツールホルダ159を介してハンマビット119へと伝達されるように構成されている。
運動変換機構120及び動力伝達機構150は、ギアハウジング105によって囲まれる内部空間としての密閉状のギア収容空間105aに収容されている。ギア収容空間105a内には、運動変換機構120及び動力伝達機構150を潤滑する潤滑剤が封入されている。ギア収容空間105aは、本発明における「動力伝達機構室」に対応する。本実施の形態では、電磁クラッチ170として、駆動側クラッチ部材171と被動側クラッチ部材173の円板部171b,173bの摩擦接触によってトルク伝達を行なう方式を採用しているため、係合面(摩擦面)に潤滑剤が付着した場合、係合面がスリップを引き起こしトルク伝達能力が低下する可能性がある。
そこで、本実施の形態では、ギアハウジング105に、ギア収容空間105aから区画された態様でクラッチ収容空間105bを設け、当該クラッチ収容空間105bに電磁クラッチ170を収容し、ギア収容空間105aの潤滑剤から隔離する構成としている。クラッチ収容空間105bは、図3及び図4に示すように、シリンダ141の下方領域において、ギアハウジング105の内部に形成されたインナハウジング部106を主体として形成されている。インナハウジング部106は、シリンダ141の下方領域において、ギアハウジング105の内壁面から下向きに一体に突出されるとともに、下方が開放された略円筒状部として設定されている。
クラッチ収容空間105b内には、上側(インナハウジング部106の開放側から見て奥側)から下側にかけて、電磁コイル177を内蔵したコイル内蔵部材179、被動側クラッチ部材173、及び駆動側クラッチ部材171が上記の順序で配置されている。コイル内蔵部材179は、外径がインナハウジング部106の内径よりも僅かに小径に形成されており、インナハウジング部106の内側に遊嵌状に嵌め込まれるとともに、筒状部179bの端面がインナハウジング部106の筒状部端面と概ね面一に設定されている。また、コイル内蔵部材179のコイル内蔵部179aの下方で筒状部179bの内側に被動側クラッチ部材173と駆動側クラッチ部材171が配置されている。そして、被動側クラッチ部材173と一体回転する出力軸としての第1中間軸163の一部(下部側)と、入力軸としての駆動側クラッチ部材171のボス部171aの一部(下部側)がクラッチ収容空間105b(インナハウジング部106の端面)よりも下方へと突出されている。
上記のように、電磁クラッチ170をクラッチ収容空間105b内に配置した場合、相対回転する第1中間軸163と駆動側クラッチ部材171との間、及び相対回転する駆動側クラッチ部材171とインナハウジング部106との間の隙間を通じて潤滑剤がクラッチ収容空間105b内に侵入する可能性がある。そこで、本実施の形態では、上記の隙間に第1のオイルシール181及び第2のオイルシール183を介在状に設けることにより、ギア収容空間105a内の潤滑剤のクラッチ収容空間105bへの侵入を抑制する構成としている。第1及び第2のオイルシール181,183は、本発明における「シール部材」に対応する。
図5に第1及び第2のオイルシール181,183が拡大して示される。第1中間軸163と駆動側クラッチ部材171のボス部171aとの間には、第1のオイルシール181が設置される。第1のオイルシール181は、金属リングと合成ゴムを組み合わせた環状に形成されている。そして第1のオイルシール181は、第1中間軸163と駆動側クラッチ部材171のボス部171aとの間に配置された軸受172よりも上方(クラッチ収容空間105b側)に配置されており、外周側部材としての金属リングが駆動側クラッチ部材171のボス部171aの内周面に圧入固定され、内周側部材としての合成ゴムのリップ部181aが第1中間軸163の外面、実際には第1中間軸163に圧入されたスリーブ166の外面に弾性的に密着されている。
また、駆動側クラッチ部材171のボス部171aとインナハウジング部106との間には、第2のオイルシール183が設置される。インナハウジング部106は、本発明における「動力伝達機構室の内壁」に対応する。第2のオイルシール183は、円板部中央に円筒部を有する略円盤状のシール部材として形成されている。第2のオイルシール183の円筒部183aは、合成ゴムと金属リングからなり、合成ゴムの内周が、駆動側クラッチ部材171のボス部171aに圧入固定された第1中間ギア161のボス部161aの外面に弾性的に密着されている。第2のオイルシール183の円板部183bは、合成ゴムと金属円板との組み合わせで形成され、合成ゴムの外周側平面領域にはOリング183cが一体的に形成され、当該Oリング183cがインナハウジング部106の端部に弾性的に密着されている。第2のオイルシール183は、本発明における「径方向外側に配置された軸と動力伝達機構室の内壁との間に配置されたシール部材」に対応する。
なお、第2のオイルシール183は、周方向の複数箇所において、取付ネジ184によりインナハウジング部106に締着固定され、これにより当該インナハウジング部106に対するOリング183cの密着状態が確保されている。また、第2のオイルシール183は、Oリング183cの内周側において、円板部183bの合成ゴムによりコイル内蔵部材179の筒状部179bの端面を軸方向に弾性的に加圧している。これにより、コイル内蔵部材179は、クラッチ収容空間105bの内壁に軸方向に押付けられている。このため、コイル内蔵部材179は、インナハウジング部106側に固定されて駆動側クラッチ部材171又は被動側クラッチ部材173に対する連れ回りが防止される。
また、図2に示すように、動力伝達機構150には、加工作業時にハンマビット119に作用するトルクを検知する手段としてのロードセル115が設置されている。駆動モータ110のトルクをハンマビット119に伝達する際、小べベルギア155には、その構造上大べベルギア157との噛合い係合によって軸方向及び径方向の力(駆動反力)が生じ、この力は小べベルギア155と一体の第2中間軸153にそれぞれスラスト荷重及びラジアル荷重として作用する。本実施の形態では、この荷重のうちのスラスト荷重を、歪ゲージ式荷重センサとしてのロードセル115によって検知し、当該検知されたスラスト荷重によってハンマビット119に作用するトルク状態を判別する構成とされる。
小べベルギア155は、大べベルギア157に対し当該大ベベルギア157の鉛直面内下部領域において噛合い係合しており、このため、第2中間軸153にはスラスト荷重が下向きに作用する。ギアハウジング105の下部領域には、ロードセル115が第2中間軸153の下部の軸受154bを収容する軸受カバー154の軸方向端面と対向するように固定状に取付けられており、当該ロードセル115のゲージ部分が軸受カバー154の軸方向端面、すなわち第2中間軸153の長軸方向と交差する方向の平面に対して接触した状態に配置される。そして、第2中間軸153、下部の軸受154b及び軸受カバー154を経て入力されるスラスト荷重を測定する構成とされる。
また、図1及び図2に示すように、コントローラ113には、ハンマビット119の長軸線周りの本体部101の運動状態を検知するための速度センサ(又は加速度センサ)114が取付けられている。なお、本実施の形態では、速度センサ114をコントローラ113に取付けているため、速度センサ114とコントローラ113との距離が短くなり、電気的接続の容易化を図ることができる。また、速度センサ114の取付位置については、コントローラ113に限られるものではなく、本体部101又はハンドグリップ107の運動状態を検知可能な箇所(本体部101と一体的に運動する部材)であればよいが、速度センサ114の検知感度を高めるという意味においては、ハンマビット119の回転軸線と交差する径方向において当該回転軸線から極力離れていることが好ましい。
ロードセル115によって測定されたトルク値は、コントローラ113へ出力される。また、速度センサ114によって測定された速度値は、コントローラ113へ出力される。コントローラ113は、ロードセル115から入力されたトルク値が予め定めた指定トルク値に達し、かつ速度センサ114から入力された速度値が予め定めた指定速度値に達した場合に限り、電磁クラッチ170の電磁コイル177に対する通電遮断指令を出力し、当該電磁クラッチ170の結合を解除する構成とされる。上記の指定トルク値及び指定速度値が、本発明における「予め設定された設定値」に対応する。なお、便宜上図示を省略するが、指定トルク値については、トルク調整手段(例えばダイヤル)の外部操作によって作業者が手動操作で任意に変更可能(調整可能)とすることが好ましい。また、トルク調整手段により調整される指定トルクは、機械式トルクリミッター167のスプリング167aによって設定される最大伝達トルク値よりも低い範囲内に制限されている。
上記のように構成されたハンマドリル100において、ハンドグリップ107を把持した作業者がトリガ107aを引き操作して駆動モータ110を通電駆動すると、運動変換機構120のピストン131がシリンダ141に沿って直線状に摺動動作されることに伴う当該シリンダ141の空気室141a内の空気の圧力変化、すなわち空気バネの作用により、ストライカ143がシリンダ141内を直線運動する。ストライカ143は、インパクトボルト145に衝突することで、その運動エネルギをハンマビット119に伝達する。
一方、駆動モータ110のトルクは、動力伝達機構150のツールホルダ159に伝達される。これにより、当該ツールホルダ159が鉛直面内にて回転駆動されるとともに、当該ツールホルダ159と共にハンマビット119が一体に回転される。このようにして、ハンマビット119が軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行い、被加工材(コンクリート)にハンマドリル作業(穴開け作業)を遂行する。
なお、本実施の形態に係るハンマドリル100は、上述したハンマビット119にハンマ動作と周方向のドリル動作とを行わせる、ハンマドリルモードでの作業態様のほか、ハンマビット119にドリル動作のみを行わせる、ドリルモードでの作業態様、あるいはハンマビット119にハンマ動作のみを行わせる、ハンマモードでの作業態様に切替えることが可能とされている。しかしながら、モードの切替機構については、本発明に直接関係しないため、その説明については省略する。
本実施の形態によれば、上記のハンマドリル作業中において、小べベルギア155及び第2中間軸153に生ずるスラスト荷重値をロードセル115が測定してコントローラ113に出力する。一方、速度センサ114が本体部101(と一体に動くコントローラ113)の速度値を測定し、コントローラ113に出力する。そして、何らかの原因によってハンマビット119が被加工材に捕捉されて不意にロックし、ロードセル115からコントローラ113に入力される測定値が指定した指定トルク値に達し、かつ速度センサ114からコントローラ113に入力される測定値が指定速度値に達したときに、コントローラ113が電磁クラッチ170の係合を解除するべく電磁コイル177の通電遮断指令を出力する。このため、電磁コイル177の通電が遮断し、それに伴い電磁力が消えることで被動側クラッチ部材173の円板部173bがクラッチバネ175の付勢力によって駆動側クラッチ部材171の円板部171bから引き離される。すなわち、電磁クラッチ170がトルク伝達状態からトルク遮断状態に切り替わり、駆動モータ110からハンマビット119へのトルク伝達が遮断される。これによりハンマビット119がロックしたことに起因して本体部101に作用する過大な反動トルクによって当該本体部101が振り回されることを防止できる。
本実施の形態においては、ギアハウジング105内に、ギア収容空間105aから区画されたクラッチ収容空間105bを設定し、当該クラッチ収容空間105bに電磁クラッチ170を配置するとともに、第1及び第2のオイルシール181,183によって潤滑油から隔離する構成とした。このため、駆動側クラッチ部材171の円板部171bと、被動側クラッチ部材173の円板部173bとの摩擦面に潤滑剤が付着することによる当該摩擦面のスリップを回避し、電磁クラッチ170のトルク伝達性能を維持することができる。
また、本実施の形態によれば、駆動側クラッチ部材171のボス部171aと、被動側クラッチ部材173と一体回転する第1中間軸163との間に第1のオイルシール181を配置する一方、駆動側クラッチ部材171と一体回転する第1中間ギア161のボス部161aとインナハウジング部106との間に第2のオイルシール183を配置している。このように構成することで、クラッチ収容空間105bとギア収容空間105aとの間の隙間を完全にシールすることが可能となり、クラッチ収容空間105bをギア収容空間105aの潤滑剤から隔離された密閉空間として設定することが可能となる。特にハンマドリル100の場合、その駆動時において、運動変換機構120、打撃要素140及び動力伝達機構150等の駆動機構の駆動に伴う発熱でギア収容空間105a内が高圧化するが、第1及び第2のオイルシール181,183に耐圧性のものを用いることで、たとえギア収容空間105a内が高圧化しても潤滑剤のクラッチ収容空間105bへの侵入を確実に防止できる。
また、本実施の形態によれば、第2のオイルシール183にOリング183cを一体成形し、当該Oリング183cによってインナハウジング部106の筒端面を弾性的に押圧してシールする構成としたので、当該筒端面のシール効果が向上する。
また、本実施の形態では、第2のオイルシール183の合成ゴムによりコイル内蔵部材179の筒状部179bの端面を軸方向に弾性的に加圧し、当該コイル内蔵部材179をクラッチ収容空間105bの内壁に軸方向に押付ける構成としている。このため、コイル内蔵部材179は、インナハウジング部106側にしっかりと固定されることになり、駆動側クラッチ部材171又は被動側クラッチ部材173に対する連れ回りが防止される。すなわち、第2のオイルシール183がコイル内蔵部材179の回り止めを兼務するので、コイル内蔵部材179の連れ回りを防止するための別部材が不要となり、部品点数の削減に有効となる。
また、本実施の形態によれば、駆動側クラッチ部材171のボス部171aと、被動側クラッチ部材173のボス部173aに一体化された第1中間軸163が同軸配置とされ、それらが径方向の内側と外側に配置される構成としている。これにより、電磁クラッチ170の摩擦面から見て、同じ軸端側(下端側)での入力と出力が可能となる。すなわち、第2駆動ギア151と第1中間ギア161との噛み合い係合部、及び第2中間ギア165と第3中間ギア168aとの噛み合い係合部につき、両円板部171b,173bを基準にして電磁クラッチ170の長軸方向の一方側に配置することが可能となる。このため、電磁クラッチ170の長軸方向の寸法を短縮できるとともに、電磁クラッチ170をストライカ143の動作線(打撃軸線)側に寄せて配置することが可能となり、加工作業時にハンマドリル100に生ずる当該ハンマドリル100の重心位置を支点とする打撃方向モーメント(振動)を低減することができる。
なお、本実施の形態は、ロードセル115によるトルク検知と速度センサ114による速度検知との両方に基づいて電磁クラッチ170のトルク伝達を遮断する場合で説明したが、いずれか一方の検知に基づいて電磁クラッチ170のトルク伝達を遮断するように構成しても構わない。
次に本発明の実施形態に係る電磁クラッチ170の変形例につき、図6及び図7を参照しつつ説明する。この変形例においては、第2駆動ギア151と噛み合い係合する第1中間ギア161が第1中間軸163に一体回転するように取付けられている。すなわち、この変形例では、第1中間軸163が入力軸として設定されている。第1中間軸163が、本発明における「入力軸」に対応し、第1中間ギア161と第2駆動ギア151の噛み合い係合部が本発明における「動力入力部」に対応する。
このため、変形例では、第1中間軸163と一体回転する回転部材が駆動側クラッチ部材171として設定され、第1中間軸163に対して軸受172を介して相対回転可能に取付けられる回転部材が被動側クラッチ部材173として設定される。そして、被動側クラッチ部材173のボス部173aに、機械式トルクリミッター167の第3中間ギア168aと噛み合い係合する第2中間ギア165のボス部165aが圧入固定されている。被動側クラッチ部材173のボス部173a及び第2中間ギア165のボス部165aが、本発明における「出力軸」に対応し、第2中間ギア165と第3中間ギア168aの噛み合い係合部が本発明における「動力出力部」に対応する。すなわち、この変形例では、第1中間軸163と被動側クラッチ部材173のボス部173aとは、同軸配置されるとともに、入力側(第1中間軸163)が径方向内側に配置され、出力側(被動側クラッチ部材173)が径方向外側に配置された構成であり、前述した実施の形態とは逆転配置となっている。
また、駆動側クラッチ部材171のボス部171aが第1中間軸163に長軸方向に相対移動可能に取付けられている。すなわち、駆動側クラッチ部材171が電磁コイル177の電流の断続によって長軸方向に移動される構成であり、駆動側クラッチ部材171の円板部171bが被動側クラッチ部材173の円板部173bに係合(摩擦接触)することでトルクを伝達し、係合を解除(離間)することでトルクの伝達を遮断する。駆動側クラッチ部材171の円板部171bと被動側クラッチ部材173の円板部173bが、本発明における「係合領域」に対応する。
しかして、環状に形成される第1のオイルシール181は、第1中間軸163と被動側クラッチ部材173のボス部173aとの間に配置され、略円盤状に形成される第2のオイルシール183は、第2中間ギア165のボス部165aとインナハウジング部106との間に配置されている。なお、第1及び第2のオイルシール181,183の詳細な構成については、前述した実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記のように構成された変形例によれば、前述した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では回転工具の一例として電動式のハンマドリル100の場合で説明したが、ハンマドリル以外の回転工具、例えば被加工材の切断作業を行う丸鋸等の回転式切断機、研削や研磨作業に用いられる電動ディスクグラインダ、あるいはネジ締め作業を行うネジ締め機等にも適用することが可能である。
特に丸鋸に適用した場合には、回転刃物が被加工材に捕捉されてロックした場合に発生する、切断進行方向と逆方向に跳ね返される現象、すなわちキックバック対策として電磁クラッチ170が有効に作用する。
また、本実施形態では、電磁クラッチ170として、摩擦面が平坦な円板部171b、173bを有する円板クラッチの場合で説明したが、摩擦面が円錐形の円錐クラッチを用いても構わない。また、電磁クラッチ170として、トルク伝達を歯の噛み合い係合によって行う形式のものを用いても構わない。
100 ハンマドリル(回転工具)
101 本体部
103 モータハウジング
105 ギアハウジング
105a ギア収容空間(動力伝達機構室)
105b クラッチ収容空間
106 インナハウジング部(動力伝達機構室の内壁)
107 ハンドグリップ
107a トリガ
110 駆動モータ(モータ)
111 モータ軸
113 コントローラ
114 速度センサ
115 ロードセル
119 ハンマビット(先端工具)
120 運動変換機構
121 第1駆動ギア
123 被動ギア
124a,124b 軸受
125 クランク軸
127 偏心軸
129 連接ロッド
131 ピストン
140 打撃要素
141 シリンダ
141a 空気室
143 ストライカ
145 インパクトボルト
150 動力伝達機構
151 第2駆動ギア
153 第2中間軸
154 軸受カバー
154a,154b 軸受
155 小べベルギア
157 大べベルギア
159 ツールホルダ
161 第1中間ギア
161a ボス部(入力軸)
163 第1中間軸(出力軸、入力軸)
164a,164b 軸受
165 第2中間ギア
165a ボス部(出力軸)
166 スリーブ
167 機械式トルクリミッター
167a スプリング
168 駆動側部材
168a 第3中間ギア
169 被動側部材
170 電磁クラッチ
171 駆動側クラッチ部材(駆動側回転部材)
171a ボス部(入力軸)
171b 円板部(係合領域)
172 軸受
173 被動側クラッチ部材(被動側回転部材)
173a ボス部(出力軸)
173b 円板部(係合領域)
175 クラッチバネ
177 電磁コイル
179 コイル内蔵部材(フィールド)
179a コイル内蔵部
179b 筒状部
181 第1のオイルシール(シール部材)
181a リップ部
183 第2のオイルシール(シール部材)
183a 円筒部
183b 円板部
184 取付ネジ

Claims (8)

  1. 少なくとも先端工具の回転動作によって被加工材に所定の加工作業を行う回転工具であって、
    モータと、
    前記モータから動力を受けて前記先端工具を駆動するための動力伝達機構と、
    前記動力伝達機構を収容するとともに、当該動力伝達機構を潤滑するための潤滑剤が入れられた動力伝達機構室と、
    前記動力伝達機構の一部を構成するとともに、前記回転工具の所定の駆動状態に応じて動力伝達を遮断する電磁クラッチと、
    を有し、
    前記電磁クラッチは、駆動側回転部材と被動側回転部材とを有し、前記駆動側回転部材と前記被動側回転部材が互いに係合することで動力を伝達し、当該係合が解除されることで動力伝達を遮断するように設定されており、
    前記動力伝達機構室内において、前記駆動側回転部材と被動側回転部材の係合領域を、前記潤滑剤から隔離するためのシール部材を備えていることを特徴とする回転工具。
  2. 請求項1に記載の回転工具であって、
    前記電磁駆クラッチは、前記モータ側から動力が入力される入力軸と、前記先端工具側に動力を出力する出力軸とを有し、
    前記入力軸と前記出力軸は、同軸配置されるとともに、前記入力軸に動力を入力する動力入力部と前記出力軸から動力を出力する動力出力部の双方が、前記係合領域を基準にして前記入力軸ないし前記出力軸の軸方向の一方側に設定されていることを特徴とする回転工具。
  3. 請求項2に記載の回転工具であって、
    前記入力軸が径方向外側に配置され、前記出力軸が径方向内側に配置されていることを特徴とする回転工具。
  4. 請求項2に記載の回転工具であって、
    前記入力軸が径方向内側に配置され、前記出力軸が径方向外側に配置されていることを特徴とする回転工具。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載の回転工具であって、
    前記シール部材は、前記入力軸と前記出力軸との間、及び前記入力軸と前記出力軸のうちの径方向外側に配置された軸と前記動力伝達機構室の内壁との間に配置されていることを特徴とする回転工具。
  6. 請求項5に記載の回転工具であって、
    前記電磁クラッチは、電磁コイルを内蔵したフィールドを有し、
    前記入力軸と前記出力軸のうちの径方向外側に配置された軸と前記動力伝達機構室の内壁との間に配置された前記シール部材が、前記電磁クラッチの動力伝達時における前記フィールドの連れ回りを抑止することを特徴とする回転工具。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の回転工具であって、
    前記先端工具は、長軸回りに回転する長尺状のビットであり、
    前記電磁クラッチは、動力伝達を遮断することで、前記ビットが加工材に捕捉されて前記回転工具が当該ビットの長軸回りに振り回されるのを防止することを特徴とする回転工具。
  8. 請求項7に記載の回転工具であって、
    前記ビットに作用するトルク、及び/または工具本体に作用する速度又は加速度が予め設定された設定値を超えたときに、前記電磁クラッチの動力伝達を遮断することを特徴とする回転工具。
JP2011219804A 2011-10-04 2011-10-04 回転工具 Pending JP2013078820A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011219804A JP2013078820A (ja) 2011-10-04 2011-10-04 回転工具
RU2012140965/02A RU2012140965A (ru) 2011-10-04 2012-09-25 Электроинструмент (варианты)
EP12186341.9A EP2578362B1 (en) 2011-10-04 2012-09-27 Power tool
CN201210376028.6A CN103029105B (zh) 2011-10-04 2012-09-29 作业工具
US13/644,669 US9533406B2 (en) 2011-10-04 2012-10-04 Power tool

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011219804A JP2013078820A (ja) 2011-10-04 2011-10-04 回転工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013078820A true JP2013078820A (ja) 2013-05-02

Family

ID=48525632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011219804A Pending JP2013078820A (ja) 2011-10-04 2011-10-04 回転工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013078820A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019005847A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 工機ホールディングス株式会社 動力作業機
WO2019020307A1 (de) * 2017-07-24 2019-01-31 Festool Gmbh Elektrowerkzeug und verfahren

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019005847A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 工機ホールディングス株式会社 動力作業機
WO2019020307A1 (de) * 2017-07-24 2019-01-31 Festool Gmbh Elektrowerkzeug und verfahren
KR20200035000A (ko) * 2017-07-24 2020-04-01 페스툴 게엠베하 전동 공구 및 방법
KR102443014B1 (ko) 2017-07-24 2022-09-14 페스툴 게엠베하 전동 공구 및 방법
US11697200B2 (en) 2017-07-24 2023-07-11 Festool Gmbh Power tool and method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5395620B2 (ja) 打撃工具
JP5852509B2 (ja) 電動工具
US9364944B2 (en) Power tool
JP5496605B2 (ja) 打撃工具
JP5534783B2 (ja) 電動工具
US9038743B2 (en) Electric tool
EP2578362B1 (en) Power tool
EP2439021A1 (en) Impact wrench
US9636814B2 (en) Hammer mechanism
JP2013078820A (ja) 回転工具
JP5738146B2 (ja) 作業工具
JP4619862B2 (ja) 電動工具
US20130299206A1 (en) Hammer mechanism