JP2013076535A - 加湿器 - Google Patents
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Abstract
【課題】同等出力の超音波振動装置を使用し、同等の消費電力で、霧化室と連通する霧流出筒からの加湿量を増大させた加湿器を提供する。
【解決手段】液体を貯留する霧化室3と、霧化室3の液体を霧化する超音波振動装置11と、霧化室11内の霧を霧化室3の外部に流出する霧流出筒7を備えた加湿器1において、霧流出筒7から流出する加湿量が、超音波振動装置11を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となるような霧流出筒7とする。すなわち、霧流出筒7の内径Rを、その加湿量となる内径とする。霧流出筒7は、超音波振動装置11の有効加湿量よりも増大した加湿量を流出する。
【選択図】図1
【解決手段】液体を貯留する霧化室3と、霧化室3の液体を霧化する超音波振動装置11と、霧化室11内の霧を霧化室3の外部に流出する霧流出筒7を備えた加湿器1において、霧流出筒7から流出する加湿量が、超音波振動装置11を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となるような霧流出筒7とする。すなわち、霧流出筒7の内径Rを、その加湿量となる内径とする。霧流出筒7は、超音波振動装置11の有効加湿量よりも増大した加湿量を流出する。
【選択図】図1
Description
本発明は加湿器に関するものであり、霧化室と連通する霧流出筒を最適な径とすることにより、同じ消費電力で加湿量の増大を図ったものである。
加湿器として、例えば特許文献1、2に示すように、貯水槽の水を貯水槽の底部に設けた超音波振動子で霧化し、ファンを用いてその霧を霧流出筒から外部に放出するようにした超音波式加湿器が広く知られている。
このような超音波式加湿器の加湿量を増大させる手段として、性能(周波数、電圧等)の高い超音波振動子を使用すると、消費電力が増大するという問題や、製品コストが高くなるという問題がある。また霧流出筒の内径を大きくしたり、送風ファンの送気量を大きくしても、加湿器が大型化し、消費電力が大きくなるだけでなく、期待するほどの加湿量は望めない。
このような現状に鑑み、本発明者は超音波振動装置の有効加湿量(メーカー公称加湿量)よりもさらに加湿量を増大させる方法を思考した結果、霧流出筒の内径を最適範囲とすることにより、同じ超音波振動装置を使用した条件下で、加湿量が増大することを知得し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は同等出力の超音波振動装置を使用し、同等の消費電力で、霧化室と連通する霧流出筒からの加湿量を増大させるようにした加湿器を提供することを主たる目的とするものである。
前述の課題を解決するため、請求項1の発明の加湿器にあっては、液体を貯留する霧化室と、前記霧化室の液体を霧化する超音波振動装置と、前記霧化室内の霧を霧化室外に流出する霧流出筒を備えた加湿器において、
前記霧流出筒から流出する加湿量が、前記超音波振動装置を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となるような霧流出筒とすることを特徴とする。
前記霧流出筒から流出する加湿量が、前記超音波振動装置を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となるような霧流出筒とすることを特徴とする。
これにより、同出力の超音波振動装置を使用して霧流出筒から流出する加湿量を増大させることができ、消費電力を上げる必要もないので省電力化を図ることができる。また、高性能な超音波振動装置を必要とせず、霧化室等の容積も大きくする必要がないため、低コストでコンパクトな加湿器の製品化が実現できる。
前述の「加湿量」とは、霧流出筒から流出する霧の流出量であり、実施例では液体タンクの減った水量を計測している。「超音波振動装置を定出力とした状態で」とは、超音波振動装置が発する振動周波数を変えずに一定にした状態にすることを意味する。例えば、周波数が可変な超音波振動装置であれば、その周波数を一定(例えば最大周波数)に設定することであり、周波数が固定の超音波振動装置であれば、別の周波数を有する超音波装置に変えないことを意味する。なお、「霧化」にはミスト化又は水滴も含まれる。
霧化室、霧流出筒の構造は特に限定されるものではなく、要求される機能、コスト、デザイン等を考慮して実用的な構造が設計される。例えばイオン交換樹脂やその再生装置を設けても良い。霧化室は密閉構造であり、霧流出筒が霧化室の室内外と連通するように設けられる。霧流出筒は先端部を屈曲形状や扁平形状にしても良く、霧流出筒の断面形状は円形のほかに、矩形、多角形等にすることができる。
また、請求項2の発明の加湿器にあっては、前記霧流出筒の内径を、前記超音波振動装置を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となる内径としたことを特徴とする。
このようにすれば、霧流出筒を円筒形にし、その内径を最適径とするだけで加湿量が増大し、設計も容易である。
また、請求項3の発明の加湿器にあっては、前記霧流出筒は、前記超音波振動装置の有効加湿量よりも増大した加湿量を流出するものであることを特徴とする。
ここで「有効加湿量」とは、超音波振動装置の固有周波数、電圧、振動子有効面積等から推算される加湿量の目安であり、超音波振動装置のメーカーが公称加湿量として表示していることもある。
このようにすれば、超音波振動装置に過度の負担をかけることなく霧流出筒からの加湿量を超音波振動装置の有効加湿量よりも増大させることができる。
また、請求項4の発明の加湿器にあっては、前記霧化室に、霧化室内の霧を前記霧流出筒を通して霧化室外に排出する送風装置を設けたことを特徴とする。
このようにすれば、送風装置を適正排気量とすることで霧流出筒からの加湿量をさらに増大させることができる。送風装置はファンが代表的な装置である。
また、請求項5の発明の加湿器にあっては、前記霧化室を複数設け、各霧化室に前記超音波装置と前記霧流出筒と前記送風装置を設けたことを特徴とする。
霧化室は仕切板で区切って所定容積を有する複数の霧化室を構成してもよく、別個の霧化室を設けても良い。この場合、各霧化室を連通路で連結し液体を各霧化室に貯留するようにしても良い。
このようにすれば、霧化室での霧生成量が増え、霧流出筒からの加湿量が単一霧化室の場合よりもさらに増大する。
また、請求項6の発明の加湿器にあっては、前記霧流出筒の上方に霧吸引装置を設けたことを特徴とする。
霧吸引装置は単独でも良いが、前述の送風装置と併用することにより、さらに加湿量を増大させることができる。霧吸引装置はサーキュレータ(大型ファン)が代表的な装置であり、霧流出筒の内部又は外部に設けることができる。
また、請求項7の発明の加湿器にあっては、前記霧流出筒の出口風量が0.04m3/min〜0.14m3/minであることを特徴とする。
霧流出筒の出口風量をこの範囲の風量とすることにより、加湿量の増加率を高くすることができる。
本発明によれば、同等出力の超音波振動装置を使用して霧流出筒から流出する加湿量を増大させることができ、消費電力を上げる必要もないので省電力化を図ることができる。また、高性能な超音波振動装置を必要とせず、霧化室等の容積も大きくする必要がないため、低コストでコンパクトな加湿器の製品化が実現できる、等の効果が得られる。
図1は、本発明の加湿器を説明するために便宜的に示した概略図である。製品化にあったっては、このような構成に限定されることなく、必要に応じて実用的な設計がなされることは言うまでもない。
加湿器1は、器本体2の内部に霧化室3とタンク収納室4を有しており、霧化室3の側面部にダクト5を介して送風装置となる送風ファン6が設けられている。霧化室3の内部には中空円筒の霧流出筒7が挿通されており、その霧流出筒7の上端開口部は霧化室3の外部と通じており、下端開口部は後述する液体8の液面と所定の距離Lをあけた状態で霧化室3内部と通じている。
タンク収納室4には水等の液体タンク9が収納され、口部9aから流出した液体8は、連通路10を通って霧化室3の底部に貯留されている。また、霧化室3の底部には超音波振動装置が設けられている。即ち、霧化室3の底部における霧流出筒7の下端開口部と対向する位置には、台錐形状の凹部15が設けられており、その凹部15の底部に超音波振動子11が設けられている。超音波振動子11は、駆動回路部12の出力信号に基づいて所定周波数の超音波振動を発生させており、この超音波の振動エネルギーにより液面の一部が霧流出筒7の内部方向に隆起し、液体が微粒状の霧となる。
霧化室3の内部で生成された霧は、送風ファン6の送気により霧流出筒7の下端開口部から該霧流出筒7を通って霧化室3の外部に放出される。
このような原理機構を有する加湿器において、同等の出力性能の超音波振動子11であれば、霧流出筒7の内径Rを適正な内径とすることにより、加湿量を、その超音波振動子11の有効加湿量よりも増大することができる。ここでは、霧化室3の容積、送風ファン6の風量、霧流出筒7の下端開口部と液体8の液面の距離Lを同じ条件としている。
本発明では、周波数1MHz〜3MHzの超音波振動子を使用したとき、霧流出筒7の適正内径は40mm〜60mmであり、実施例では霧流出筒7の内径を50mmとしたとき加湿量が最大となった。霧流出筒7の内径Rが40mm以下又は60mm以上では、十分な加湿量が得られないか又は加湿量の増加率が小さいため実用的ではない。特に限定されるものではないが、このときの霧流出筒7の下端開口部と液面の距離Lは30mm、水位Dは20mm、送風ファン6の風量は0.10m3/min、超音波振動子11の周波数は1.6MHzである。超音波振動子11が装着される凹部15は、上部径:30mm、下部径:20mm、深さ:6mmである。
その他の条件として、霧化室3を円筒プール形状、超音波振動子11を円盤形状とした場合、霧流出筒7と霧化室3の比(霧流出筒/霧化室)が0.4〜0.7、霧流出筒7と超音波振動子11の比(霧流出筒/超音波振動子)が2.0〜3.0、霧化室3と超音波振動子11の比(霧化室/超音波振動子)が5.0〜6.0、霧流出筒7出口とダクト5入口の風量が同じときに、加湿量が増大する。
また、図1では霧化室3内に一本の霧流出筒7が設けられているが、例えば霧化室3を複数室に区画して各室に霧流出筒7、超音波振動子11、送風ファン6を設けることもできる。この場合、送風ファン6等は、許容性能を有していれば各室共用とすることもできる。
また、送風ファン6に代えて又はこれと併用して霧流出筒7の上方に霧吸引装置となるサーキュレータ等を設け、霧化室3内の霧を吸引するようにしても良い。また、霧化室3にヒータ(図示せず)を設けて液体8を所定温度に加熱しても良い。さらに、図1の送風ファン6を水平方向(天地方向)に向けて設置し、それに合わせたダクト5で霧化室3と連結しても良い。
この実施例では図2に示すような試験機を作成した。試験機は、霧化室3として上下面を閉塞した円筒プール、霧流出筒7として中空円筒を使用した。そして、霧化室3の上面部に霧流出筒7を貫通固定し、霧化室3の側面部に送風ファン6と連通するダクトを連結し、霧化室3の底部に超音波振動子11を設けている。
超音波振動子11の有効径20mm、周波数1.6MHzであり、送風ファン6の風量は0.10m3/min、霧流出筒7の下端開口部と液面の距離Lは30mmに設定した。なお、送風ファン6のダクトの高さh3は55mmである。
実施例では、以下の3種類の霧化室3と霧流出筒7を組み合わせた試験機を使用した。また、霧化室の水位Dを以下のとおり調節した。
霧化室3内径(いずれも高さh1は100mm):
70mm、100mm、120mm
霧流出筒7内径(いずれも高さh2は200mm):
30mm、50mm、70mm
霧化室3の液体水位D:
10mm、15mm、20mm、25mm
70mm、100mm、120mm
霧流出筒7内径(いずれも高さh2は200mm):
30mm、50mm、70mm
霧化室3の液体水位D:
10mm、15mm、20mm、25mm
その結果を図3に示す。図3(a)は霧化室3内径が70mm、図3(b)は霧化室3内径が100mm,図3(c)は霧化室3内径が120mmであり、各霧化室3の霧流出筒7を上記内径としたときの加湿量の変化を示している。
同図から明らかなように、同じ超音波振動子11を使用した場合、いずれの霧化室3内径でも霧流出筒7内径が50mmのときに同じ水位Dで他の霧流出筒7内径よりも加湿量が増大していることがわかる。また、水位Dが20mmのとき加湿量が最大となっている。特に、霧化室3内径120mm、霧流出筒7内径50mm、水位D20mmのときに最大加湿量となる。
次に上記実験機における霧化室3内径、霧流出筒7内径、超音波振動子11の有効径の相関を調べてみた。その結果を図4に示す。図4(a)は霧流出筒7内径と霧化室3内径の比、図4(b)は霧流出筒7内径と超音波振動子11有効径の比、図4(c)は霧化室3内径と超音波振動子11有効径の比を示している。
図4から明らかなように、霧流出筒内径/霧化室内径=0.4〜0.7、霧流出筒内径/超音波振動子有効径=2.00〜3.00、霧化室径/超音波振動子有効径=5.00〜6.00のときに加湿量が大きく増大した。また、霧流出筒7の風量解析結果を表1に示す。同表に示すように、霧流出筒の入口、出口の風量が同じとき加湿量が増大した。
図2に示す試験機で、送風ファン6の風量と加湿量の変化を調べた。試験機の霧化室3内径:120mm、霧流出筒7内径:50mm、霧化室3水位D:20mm、霧流出筒7の下端開口部と液面の距離L:30mmである。実施例1と同じ超音波振動子11、送風ファン6を使用して、送風ファン6の電圧を変えて風速-風量を調節した。その結果が図5である。
同図に示すように風量0.04m3/min付近から加湿量が増大し、0.1m3/minで最大加湿量となり、送風ファンの能力限である0.14m3/minでも高い加湿量を維持している。最大加湿量での送風ファン電圧は12(DC−V)、風速は0.1(m/s)であった。なお、風量は霧流出筒7の出口で計測した。
図6に示すように、2台の試験機を連通路13により連結した試験機を作成した。各試験機は、霧化室3内径:100mm、霧流出筒7内径:50mm、霧化室3水位D:20mmである。各霧化室3の超音波振動子11の出力性能、霧流出筒7の下端開口部と液面の距離Lは実施例1と同じである。この実施例では各霧化室に送風ファン6(0.10m3/min)を2個設けて霧化室3内の霧を霧流出筒7から送気した場合の加湿量、霧流出筒7の上方にサーキュレータ14を設けて霧流出筒7から霧を吸引した場合の加湿量、送風ファン6とサーキュレータ14を併用した場合の加湿量を調べた。実験は2回行い、その平均値を求めた。その結果が図7である。なお、サーキュレータ14を使用するときは、各霧化室3の一方の送風ファン6を取り外し、ダクト5(図1参照)を外気の取り入れ口とした。
同図に示すように、2台の試験機を連結した場合、送風ファン、サーキュレータを単独で使用した場合でも900ml/h以上の加湿量を得られるが、両方を併用した場合は加湿量を送風ファン単独使用のときよりも約10%増大させることができた。なお、ヒーターにより霧化室内の液体(水)を40℃〜55℃に加熱することで、加湿量がさらに増大した。このことから、霧化室3内の液体を加熱することが加湿量を増大させるために有効であることが確認された。
前述した試験機により、加湿量の増加率を超音波振動子の有効加湿量との比較で調べてみた。その結果を図8に示す。同図で(イ)は図2に示す試験機、(ロ)(ハ)は図6に示す試験機である。試験機で使用した超音波振動子の出力性能は次のとおりである。
公称加湿量:350ml/h、周波数:1.6MHz、電源:DC38V、消費電流:600mA(実測値)
公称加湿量:350ml/h、周波数:1.6MHz、電源:DC38V、消費電流:600mA(実測値)
図8は実験を2回行った平均値であるが、いずれの試験機でも、有効加湿量よりも2倍以上の加湿量となっており、本発明の有効性が確認された。
本発明は、家庭用加湿器、業務用加湿器、自動車内加湿器など広範囲の加湿器への利用が期待できる。
1 加湿器
2 器本体
3 霧化室
4 タンク収納室
5 送風ダクト
6 送風ファン
7 霧流出筒
8 液体
9 タンク
10 連通路
11 超音波振動子
12 駆動回路部
13 連通路
14 サーキュレータ
15 凹部
2 器本体
3 霧化室
4 タンク収納室
5 送風ダクト
6 送風ファン
7 霧流出筒
8 液体
9 タンク
10 連通路
11 超音波振動子
12 駆動回路部
13 連通路
14 サーキュレータ
15 凹部
Claims (7)
- 液体を貯留する霧化室と、前記霧化室の液体を霧化する超音波振動装置と、前記霧化室内の霧を霧化室外に流出する霧流出筒を備えた加湿器において、
前記霧流出筒から流出する加湿量が、前記超音波振動装置を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となるような霧流出筒とすることを特徴とする加湿器。 - 前記霧流出筒の内径を、前記超音波振動装置を定出力とした状態で最大加湿量を含む加湿量となる内径としたことを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
- 前記霧流出筒は、前記超音波振動装置の有効加湿量よりも増大した加湿量を流出するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加湿器。
- 前記霧化室に、霧化室内の霧を前記霧流出筒を通して霧化室外に送出する送風装置を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の加湿器。
- 前記霧化室を複数設け、各霧化室に前記超音波装置と前記霧流出筒と前記排気装置を設けたことを特徴とする請求項4に記載の加湿器。
- 前記霧流出筒の上方に霧吸引装置を設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の加湿器。
- 前記霧流出筒の出口風量が0.04m3/min〜0.14m3/minであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の加湿器。
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