JP2013068617A - マシンビジョン検査システムおよびその位置測定結果の決定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マシンビジョン検査システムは、第1動作状態においてスケールベースの測定により第1対象FE1の位置を測定する。第2動作状態では、第1対象から第2対象に至る途中で重複画像CIA〜CICを撮影し、画像相関を利用して重複画像CIA〜CICの相互の画像変位を測定し、第1対象の位置と画像変位のセットとを合わせて第2対象FE2の位置を測定する。
【選択図】図4
Description
マシンビジョン検査システムは、一般に、検査対象(ワーク)を載置して複数の方向に移動可能な精密ステージと、ワークを撮影するカメラと、ワークを照明しかつワーク画像をカメラへ導く光学システムと、これらの各部を制御しかつカメラで撮影した画像を処理するコンピュータとを有する。
この種のシステムは、顕微鏡型光学システムを使用可能であり、かつそのステージを移動できるため、サイズが小さなワークから大きなワークまで、様々な倍率で検査画像を得ることができる。
特許文献1に開示されるように、自動映像検査計測機器は、自動検査のイベントシーケンスを、各特定のワーク構造ごとに、ユーザが定義可能とするプログラム機能をもつ。
ユーザ定義されるプログラムは、例えば、検査イベントを予め記述しておくテキストベースのプログラムとして作成できるほか、「学習モード」または「訓練モード」と呼ばれる記録モードにより作成される。
記録モードでは、マシンビジョン検査システムにおいて、ユーザがグラフィカルユーザインターフェイスを使って検査作業のシーケンスを実行すると、マシンビジョン検査システムが実行されたシーケンスに対応するマシン制御指示シーケンスを記録し、これにより特定の検査に関する一連の検査イベントシーケンスを累積的に「学習」する。このように、特定の検査イベントシーケンスが、「学習モード」によりプログラムとして定義されると、このシーケンスは実際の測定動作を行う「動作モード」時において、ワーク画像を自動取得あるいは自動分析または検査の際に適宜呼び出して利用できる。
さらに、これらのパートプログラムは、例えば「エッジ/境界検出映像ツール」等の1つ以上の映像ツール(以下単に「ツール」と略称することがある)を使った取得された画像の分析/検査方法を定義するのに用いられる。映像ツールとしては、例えば「エッジ/境界検出ツール」、「自動フォーカスツール」、「形状またはパターン照合ツール」、「寸法測定ツール」等がある。
手動モードで用いる映像ツールの設定および操作パラメータは、予め学習モードによって「自動検査プログラム」又は「パートプログラム」として生成しておくこともできる。
しかし、複数の視野に分割された対象間の距離測定を行う場合、具体的にはワークが比較的大きく複数の視野にわたって分割して撮影され、これらの視野のうち異なる視野に分かれて存在する2点間の距離測定を行う場合など、その精度は、対象である2点が一つの視野内にある場合の精度より低くなる傾向がある。
複数の視野に分割された対象を高精度に測定するため、マシンビジョン検査システムがより高精度に動作することが望まれている。
あるいは、第1位置測定は、第2動作状態で行われる第2状態位置測定を利用してもよい。
このような本発明では、ユーザは、例えば学習モード操作中の1回目は、マシンビジョン検査システムを第1動作状態で動作させておき、学習モード操作中の2回目には、第2状態位置測定を含む第2動作状態でマシンビジョン検査システムを動作するように制御することができる。
本発明において、前記制御システムは、前記第2状態起動部によって前記第2動作状態が起動された際に、現在の画像の画像位置を第1画像位置として自動的に定義することが望ましい。
このような本発明では、第1画像位置から第2状態画像位置へとステージを移動させる際に、ユーザが動作制御部を使用することで、移動先となる第2状態画像位置を定義することができる。
具体的には、第2動作状態の第2状態位置測定では、例えば寸法測定映像ツールを使用することで移動先となる第2状態画像位置を指定することができ、これによりユーザは第2状態画像中の第2対象を選択し、第2状態画像中の選択された第2対象と第1画像中の第1対象の間で距離測定を行うことができる。
このような本発明では、画像相関品質測定基準により、低い画像品質および低い相関品質の何れかが示される場合に、警告として低画像相関インジケータが表示される。
このような本発明では、画像相関を用いる第2動作状態がオン状態の時、画像相関が示す距離と測定部が示す距離とが誤差確認機能により比較される。そして、画像相関により示される距離と測定部が示す距離の差が、所定の安全マージンを見込んだ測定部の予測誤差範囲よりも大きい場合、警告がユーザに発せられ、および/またはその状況が記録され、あるいは測定部により提供される測定結果が現在の測定結果として示されるようにすることができる。
このような本発明では、画像相関を用いる第2動作状態のオン状態時、スケールベースの測定部は、(a)重複画像および(b)第2状態画像の少なくとも一方のスケールベースの近似画像位置を示す目的にも使用される。これにより、第2状態で用いられる相関アルゴリズムの画素オフセット探索範囲が、近似スケールベース画像位置に基づき定義されることになる。
例えば、測定部により提供される近似画像位置により、画像相関アルゴリズムの画素オフセット探索範囲が、測定部を利用しない場合に要する画素数よりも少ない画素数に安全に制限され、これにより画像相関の計算が高速化される。
図1は、本発明の一実施形態であるマシンビジョン検査システム10を示す。
マシンビジョン検査システム10は、制御コンピュータシステム14と画像測定機12とを有し、これらは相互に接続されてデータ交換および信号制御を行う。
画像測定機12は、可動ワークステージ32と光学撮像システム34とを有する。
光学撮像システム34はズームレンズまたは交換可能なレンズを有してもよく、これらのズームレンズまたは交換可能なレンズを用いることで、光学撮像システム34は取得する画像を様々な倍率にすることができる。
制御システム120は、詳細は後述するが、映像システムコンポーネント200を制御するものである。
映像システムコンポーネント200は、光学アセンブリ205と、光源(ステージ照明220、同軸照明230および表面照明240)と、中央透明部212を有するワークステージ210とを有する。
ワークステージ210は、ワーク20を配置可能なステージの表面に概ね平行な平面上にあるX軸およびY軸上で移動可能である。
光学アセンブリ205は、モータ294でZ軸に沿って駆動されることで、X軸およびY軸に直交するZ軸に沿って移動可能とされ、これによりワーク20の画像のフォーカスを変更することができる。モータ294は、信号線296を介して入出力インターフェイス130に接続されて制御される。
ワークステージ210は、光学アセンブリ205に対して相対移動するよう制御され、対物レンズ250を一つのワーク20上の任意の位置へ移動させるとともに、複数のワーク20の間を移動させることができる。
同軸照明230は、ミラー290を含む経路に沿って光源光232を発してもよい。この光源光はワーク照明255として反射または透過され、この撮像に使われるワーク照明は、対物レンズ250およびターレットレンズアセンブリ280を通過し、カメラシステム260によって集光される。
光源であるステージ照明220、同軸照明230および表面照明240は、信号線またはバス221,231,241をそれぞれ通して制御システム120に接続されてもよい。画像倍率を変更するため、制御システム120は軸284に沿ってターレットレンズアセンブリ280を回動し、信号線またはバス281を通してターレットレンズを選択してもよい。
これら各構成要素、および以下に説明する追加構成要素は、一つ以上のデータ/制御バスおよび/またはアプリケーションプログラミングインターフェイスにより、または各構成要素間を直接に接続することにより、相互接続可能である。
動作制御インターフェイス132は、一体化可能および/または識別不能であってもよいものの、位置制御部132aおよび速度/加速度制御部132bを含んでもよい。
照明制御インターフェイス133は、マシンビジョン検査システム100の対応する各光源の選択、電源、オン/オフのスイッチ、および適用される場合、ストロボパルスのタイミングを制御する照明制御部133a〜133nおよび照明制御部133flを含む。
映像ツール143は、対応する各映像ツールのGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)、画像処理操作等を決定する映像ツール143aおよび他の映像ツール143nと、映像ツール143に含まれる各種映像ツールで操作可能な様々なROI(関心領域)を定義する自動、半自動および/または手動操作に対応するROI生成部143roiとを含む。
例えば、多くのマシンビジョン映像ツールでは、ユーザは、映像ツールの特定の例の画像処理操作の分析対象となる画像の部分集合の位置パラメータを定義するために、マウスを使用するシンプルな「ハンドルドラッギング」操作によりグラフィカルな関心領域(ROI)インジケータを構成することができる。基礎となる操作が目に見えない形で含まれる視覚的ユーザインターフェイス機能は、映像ツールと呼称されることがある。
これら構成要素に関連する機能および操作については、以下に詳説する。すなわち、この高精度限界範囲位置操作/モード制御143enomcは、操作(例えば画像分析操作、メモリ管理等)を実行し、下記に詳説するように高精度限界範囲位置モード143enの操作を構成し支援する。本実施形態では、この高精度限界範囲位置モード143enは、ある公知の位置測定操作またはツールに関連付けられてもよいし他の方法で同時に動作してもよい。
この高精度限界範囲位置モード143enについては、別の構成も可能である。一般に、本発明の高精度限界範囲位置技術は、測定操作に関して本実施形態のマシンビジョン検査システム100と合わせて動作する任意の現在公知または今後開発される形態で実装可能である。
記憶部140は、入出力インターフェイス130により操作可能なグラフィカルユーザインターフェイスを定義するデータを含んでもよい。記憶部140は、検査結果データを保存してもよく、マシンビジョン検査システム100を操作して、手動または自動で取得された画像に様々な検査および測定操作を実行(例:部分的に映像ツールとして実行)し、入出力インターフェイス130から結果を出力するのに有用なデータを保存してもよい。
表示装置136にユーザインターフェイスが表示された状態で、入力装置138を使用することができる。
表示装置136に表示されて入力装置138からの操作を受け付けるユーザインターフェイスは、マシンビジョン検査システム100(図1ではマシンビジョン検査システム10)における検査操作の実行、パートプログラムの生成や変形、カメラシステム260によって撮像された画像の閲覧、映像システムコンポーネント200に対する直接制御など、様々な動作を制御するためのグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)機能を含んでもよい。このようなユーザインターフェイスは、後述する高精度限界範囲位置ユーザインターフェイス143enuiに関連する特徴を備えてもよい。
例えば、訓練シーケンスは、視野(FOV)内での代表的なワークの特定やワーク対象の位置決め、照明レベル、フォーカスまたは自動フォーカスの設定、画像取得、画像に適用される検査訓練シーケンスの提供(例:ワーク対象上での映像ツールの一例の使用)等の操作を含んでもよい。
パートプログラムとされるこれらの分析および検査方法は、ワーク画像中の対象の検査時に使用される。通常、記憶部140の映像ツール143に含まれる様々な映像ツール(例:映像ツール143a,143n)として実装される。多くの公知の映像ツール(略して「ツール」)は、上述のビジョンシステムであるQUICK VISION(登録商標)シリーズや関連ソフトウェアであるQVPAK(登録商標)等、市場で入手可能なマシンビジョン検査システムに含まれている。
通常のマシンビジョン検査システムでは、異なる視野にある二つの対象間の距離測定は、伝統的に位置エンコーダ(多くはスケールベースのエンコーダ)により決定される各ステージ位置(各ステージで撮影された画像の位置)の差と、各ステージ位置で撮影された各画像中での対象の位置の差との和により決定される。
対照的に、本発明に基づく高精度限界範囲位置モード143enでは、各画像中の対象位置は同様に決定されるが、ステージ位置(画像の位置)の差については、画像相関技術により別の形で決定される。
本実施形態では、ステージ位置の差を決定するために、マシンビジョン検査システムは、下記で詳述するように従来型の相関エンコーダとの一定の相違はあるものの、実質的に疑似相関エンコーダとして作動する。
このような装置としては、例えば米国特許6873422(’422特許)、米国特許6990254(’254特許)、米国特許6996291(’291特許)、および米国特許7065258(’258特許)に開示されている。
一般に、第1および第2の画像がオフセットされ、または、各比較の間でオフセット量を1画素分インクリメントするなど、それぞれ異なる量で相対的に空間的に変換された状態で、それぞれ複数回比較される。その結果得られる相関関数値等の数量比較は、それに対応するオフセット量または空間的変換位置に対してプロット表示され、相関関数値点が決定される。第2および第1の画像間で最も強い相関性を有するオフセットにより、相関関数値点のグラフ中に(画素単位の比較方法に応じて)ピークまたは谷が生成される。このピークまたは谷に対応するオフセット量が、第1および第2画像間の変位または変形の量を表す。
この差分相関関数は、米国特許7295324に詳説されている。実際のワーク画像は、具体的な画像内容によって低い極値あるいは追加的なサブ極値(例:より小さな追加的ピークまたは谷)を示しうる。しかし本発明を理解する上で、図3に図示される比較的理想的な相関グラフを参照しつつ、以下に記載される基本的な開示事項は、様々な実際のワーク画像の相関グラフ一般に適用可能である。
実質的なピークオフセットまたは真のピークオフセット、あるいは変位ピークのX座標値(またはY座標値)は、R軸に平行に伸び、真の連続相関関数305の極値である点に一致する線303により示される。真の連続相関関数305がピーク領域302において対称であると仮定すると、線303は対称軸であり、線303上の任意の点は、例えば前述した’422特許で開示される方法によれば、サブ画素精度で導き出せる真の連続相関関数305のピークオフセットまたは変位ピークのX座標値(またはY座標値)を示す。
すなわち、スケールベースの部分は、ステージの移動距離および方向を比較的高い精度で示すことができるため、相関アルゴリズムによる画素オフセットの探索範囲は、ほぼスケールベースの画像位置に基づいて定義可能であり、以前の画像と現在の相関画像の共通画素間における対応する相関ピークまたは谷を決定するためには、この相関アルゴリズムの探索範囲(XY)を比較的少ない画素とするだけでよい。
図4に示すように、第1画像F1は第1対象FE1を含み、第2状態画像F2は第2対象FE2を含む。各画像内の対象の位置に関して、第1対象FE1の位置は第1画像F1内の内部座標X(I1)および内部座標Y(I1)により指定され、第2対象FE2の位置は第2状態画像F2内の内部座標X(I2)およびY(I2)により指定される。下記に詳説するように、本実施形態では、第1対象FE1と第2対象FE2の間の全距離DFEは、第1画像F1と第2状態画像F2の位置、すなわちこのステージ位置の差と各画像内の対象の位置の差との和により決定される。
各重複画像CIA,CIB,CICは、相関アルゴリズムの探索範囲処理を行うのに十分な重複部分を含む形で示される。より具体的には、第1画像F1および重複画像CIAは、共通の重複部分OV1Aを含む形で示され、重複画像CIA,CIBは共通の重複部分OVABを有し、重複画像CIB,CICは共通の重複部分OVBCを有し、重複画像CICおよび第2状態画像F2は共通の重複部分OVC2を有する。
例えば、第1対象FE1は測定対象物の第1エッジに対応しうる。この測定対象物は、例えば、被覆物の下で明確に見えないなどの理由で、容易にアクセスできない不図示の第2エッジにより、およその幅(例:5ミクロン)を有してもよい。しかしこの不明瞭な第2エッジは、第2対象FE2等の離れた基準から正確な公知の距離DKとなるように作製可能である(この基準は様々な理由から上記対象物から複数の視野分離れた位置にあってもよい)。上記対象物は比較的小さい寸法(例:5ミクロン径)であるため、第1エッジおよび第2エッジ間の距離測定は比較的正確であることが望ましいかもしれない(推奨精度は0.1〜0.3ミクロン)。これに対し、第1対象FE1によって表される第1エッジの位置を測定し、画像相関技術を利用して離れた基準(例:第2対象FE2)の相対位置を測定することにより、この対象物の幅を、距離DFEおよび距離DKの差として高い精度で決定可能である。
誤差線510は、従来のスケールベースの測定技術を利用する第1システムの予測誤差範囲を示す。この誤差線510は、名目的な軸に沿った純変位(例:絶対純変位)にあてはまる。誤差線510は、式SREs+Ks*(L/1000)のE1xy特定スケール誤差に対応する。
このE1xy特定スケール誤差は、第1および第2の対象が一つ以上離れた別の視野に位置する場合に適用可能である(すなわち第1および第2対象が同一の視野内にある場合、上記視野内で距離測定を行うためにステージを移動させる必要がないため、このE1xy特定スケール誤差は適用する必要がない)。
図5に示されるように、誤差線520は、本発明の画像相関技術を利用する第2システムの予測誤差範囲を示す。
この誤差線520は軸に沿った累積変位(例:あらゆる変位動作をその方向に関係なく絶対変位として合算した変位)に名目的に適用があることが理解される。この実施形態では、この誤差線520により示される推定相関誤差は、SREc+Kc*(L)^0.5という式で表される。
統計的原理から、ランダムな相関誤差は、誤差の近似値に現れる距離係数Lの平方根となる変位推定値に含まれる相関回数の平方根にほぼ比例して蓄積される可能性がある。精度を近似する際、一般的なVGA(640x480ドット)のCCD(固体撮像素子)上に10ミクロン画素があり、10倍倍率と仮定し、実験結果および/または分析に基づいて、相関画像経路に沿って合理的な性状を有する対象物を仮定すると、画像相関に基づく予測誤差は画像相関の一例につきSREc=100nmの誤差オーダーでありうる(例:前の画像と比較した画像ごとに)。これにより、この実施形態でのこの短距離の相関誤差SREcの数値が説明される。
図5に示されるように、本発明の画像相関技術は、例えば線520,520’に示される画像相関技術の推定位置誤差が線510で示されるスケールベースの技術の推定位置誤差より少ない一定の範囲内で、測定時に前述のスケールベースの測定技術より高い精度を提供できることが理解される。この範囲を高精度位置測定限界または範囲540(推定誤差線520について)または範囲540’(推定誤差線520’について)と呼称してもよい。
前述したように、この誤差線510およびこれに基づく高精度位置測定限界または範囲は、名目上、軸に沿った第1相関画像の位置を参照する蓄積された変位(例:あらゆる変位動作をその方向に関わらず絶対変位として合算する変位)に適用がある。しかし、蓄積された変位が反対方向または直線からの大きな逸脱を含むことは珍しいため、高精度位置測定限界または範囲は、このような実施形態で第1相関限界に対する単純な距離限界として実装されてもよい。
高精度位置測定限界パラメータは、第2動作状態を使って高精度第2状態位置測定を提供するための、第1画像を基準とする最大推奨変位限界を示す。画像相関技術は相関する画像の蓄積回数に部分的に依存する誤差を有するため、高精度位置測定限界パラメータは、マシンビジョン検査システムの視野の寸法の特定倍数(例:FOVの寸法の40倍)となる最大推奨変位限界に対応する。しかし任意の特定の光学システムの精度向上の範囲は、絶対変位により、または必要に応じて他の便宜な形式で表されてもよい。
マシンビジョン検査システムは、マシンビジョン検査システムの複数の各光学構造に対応する複数の高精度位置測定限界パラメータを含むことができることは当然である。所望の高精度位置測定限界または範囲、および/または、この変位または位置との関係を、高精度相対位置測定について本明細書で開示された画像相関高精度測定技術をいつ使用するかを選択する際に表示または他の方法で使って、ユーザを案内することができる。
ブロック610において、マシンビジョン検査システムが設けられる。このマシンビジョン検査システムは、ワークを受取るステージと、ワークを撮像する撮像システムと、撮像システムに対するステージの位置を示す位置測定結果を提供するスケールベースの測定部と、制御システムと、表示部と、ユーザインターフェイスとを有する。マシンビジョン検査システムは、位置測定結果を得るために使用される第1および第2動作状態を提供するよう構成される。
少なくともマシンビジョン検査システムの学習モード操作中に、ユーザインターフェイスが表示部に表示され、ユーザインターフェイスは第2動作状態がオン状態であることを示す第2状態インジケータを有する。ユーザインターフェイスは、このシステム操作の自動動作モード時には表示されない。
このシステムは、学習モード操作時に、ユーザインターフェイスに含まれる第2状態起動部をユーザが操作することによって、第2動作状態とされてもよい。この第2動作状態は、特定のツール状態および/または測定状況に対し自動実行されてもよい(例:密集した対象物間の距離を測定するのに小さな公差が設定される場合)。ユーザは、第2状態起動部または第2状態停止部を使って(例:起動部による第1および第2状態間のトグル動作)上記自動実行を終了させ上記マシンを第1動作状態にしてもよい。
このマシンビジョン検査システムは、第2状態位置測定を提供する第2動作状態を使用する目的で、第1画像を基準とする最大推奨変位限界を示す高精度位置測定限界パラメータを有してもよい。第1画像の位置が定義される場合、いくつかの実施形態において、このシステムはこの最大推奨変位限界外の画像位置について、第1動作状態に自動的に戻ることができる。
図7に示されるように、ブロック710において、第1画像(例えば、図4の画像F1)が参照され、第1画像位置が第1位置測定結果として決定される。第1動作状態で決定される第1位置測定結果は、スケールベースの測定部による位置測定結果であってもよく、第2動作状態の動作中に決定される第2状態位置測定の結果であってもよい。このユーザインターフェイスは、ユーザにより操作され第2動作状態を始動および/または再始動する第2状態起動部(図8に例示)を有し、第2動作状態は、第2動作状態の起動または再起動時に現在の画像の画像位置を第1画像位置として自動的に定義する制御システムを含む。
このシステムの動作制御部は学習モード操作中にユーザに操作され、第1画像位置から第2状態画像位置に移動し、例えば第2状態画像位置で停止することにより名目的な第2状態画像位置を規定する。
低相関画像または高さの相違(例:大きな穴)に対しては、その位置を避けて周囲を案内するために、ユーザは、例えば「指定位置に移動」コマンド等を使って、第1画像位置から第2状態画像位置までの移動経路を規定する中間位置を定義してもよい。
前述したように、重複相関画像および第2状態画像に関連する測定位置を決定する際に画像相関を使用しつつ、この第2状態画像位置への移動は、移動制御用のスケールベースの測定部の使用に基づいてもよい。この制御システムは、第1画像位置および第2状態画像位置間の移動経路に沿った重複画像の間の距離(例:一つの視野の寸法の4分の1または半分等)を自動的に決定できる。
ブロック740において、第2状態位置測定は、第1画像、重複画像および第2状態画像に画像相関を適用して決定される画像変位のセットと、先にブロック710で記録しておいた第1位置測定結果と、に基づいて決定される。
図8において、ユーザインターフェイス表示部800は、ワーク画像810を表示する視野ウインドウ803を含む。またユーザインターフェイス表示部800は、選択バー820,840、リアルタイムX−Y−Z(位置)座標ウインドウ830、照明制御ウインドウ850およびツール/モード選択バー860等の様々な測定または操作選択バーを含む。
この表示861Cは、高精度位置測定起動部のボタンとして兼用されてもよい。つまり、このステータスバーをクリックすることで高精度位置測定状態を起動または終了させられるようにしてもよい。
高精度位置測定状態のオン状態時、ユーザインターフェイスは、選択された高精度位置モードの様々なパラメータを表示および構成するための高精度位置測定モードパラメータダイアログボックス870を自動表示可能である。
このユーザインターフェイスは、学習モード操作中にユーザによって操作されて高精度位置測定動作状態時に取得される第1画像中の第1対象と第2画像中の第2対象の間の距離測定を定義する要素(例:距離ツールボタン822により起動される距離測定ツール)を含んでもよい。
前述した実施形態で説明したすべてのユーザインターフェイス部が、本発明に基づくシステムとして使用される必要はない。これらの要素の様々な特徴は、実施にあたって組み合わされまたは省かれてよい。また、当業者であれば、別のユーザインターフェイスの実施形態も、本開示の開示事項に基づき構成することができるであろう。
ユーザは、高精度位置モードに関するボタン861A,861Bあるいは表示861Cを選択して高精度位置測定作業状態を起動してもよく、この時点でシステムは高精度位置測定モードパラメータダイアログボックス870に表示される第1画像のXYZ1座標(ステージ位置)を記録する。
ユーザは第2画像位置に向かう方向にこのステージを手動で移動し、この移動中に、重複画像が上述の原理に従って撮像される。所望の第2画像位置に達すると、ユーザはこのステージの移動を停止し、第2画像を撮像する。このシステムは第2画像のXYZ2位置を、第1画像のXYZ1座標と、第1画像、重複画像および第2画像間の画像相関により決定されるオフセットとの和として記録する。
このシステムが学習モードにある場合、上記システムは、第1画像の撮像、高精度位置測定動作状態の起動、相対座標の記録、第2画像位置への移動中の重複画像の撮像、第2画像の撮像、および第2画像の(例えば第1画像の座標に対する)高精度位置測定座標の記録の各シーケンス、および必要とされる他のパラメータ等の関連する指示を記録する。
12…画像測定機
14…制御コンピュータシステム
16…表示部
20…ワーク
32…可動ワークステージ
34…光学撮像システム
120…制御システム
130…入出力インターフェイス
131…撮像制御インターフェイス
132…動作制御インターフェイス
133…照明制御インターフェイス
134…レンズ制御インターフェイス
140en…高精度限界範囲位置記憶部
141…画像ファイル記憶部
142…ワークプログラム記憶部
143…映像ツール
143en…高精度限界範囲位置モード
143enui…高精度限界範囲位置ユーザインターフェイス
143n…映像ツール
143roi…生成部
200…映像システムコンポーネント
205…光学アセンブリ
210…ワークステージ
260…カメラシステム
301…相関関数値点
302…ピーク領域
303,307…線
304…極値相関関数値点
305…連続相関関数
306…平均値
400…ワーク
510,520…誤差線
530…高精度位置測定限界線
540…範囲
800…ユーザインターフェイス表示部
803…視野ウインドウ
810…ワーク画像
820…選択バー
822…距離ツールボタン
830…座標ウインドウ
850…照明制御ウインドウ
860…モード選択バー
861A,861B…ボタン
861C…表示
870…高精度位置測定モードパラメータダイアログボックス
871…第1画像位置ボックス
872…高精度位置測定限界パラメータボックス
CIA,CIB,CIC…重複画像
DFE,DIMG,DK…距離
F1…第1画像
F2…第2状態画像
FE1…第1対象
FE2…第2対象
L…距離係数
OV1A,OVAB,OVBC,OVC2…重複部分
SREc…相関誤差
Claims (18)
- 検査対象であるワークが載置されるステージと、前記ワークを撮像する撮像システムと、前記撮像システムに対する前記ステージの位置を測定するスケールベースの測定部と、表示部と、前記表示部に表示されるユーザインターフェイスと、前記ユーザインターフェイスへの操作に基づいて前記マシンビジョン検査システムの各部を制御する制御システムとを有し、前記検査対象の正確な寸法や位置の測定結果を取得するマシンビジョン検査システムであって、
位置測定結果を得るために使用される第1動作状態および第2動作状態を有し、
前記第1動作状態は、前記測定部で測定されたスケールベースの位置に基づいて画像の位置を決定する機能を有し、
前記第2動作状態は、画像相関を用いた第2状態位置測定に基づいて少なくとも一つの第2状態画像の位置を測定する機能を有し、
前記第2状態位置測定は、第1位置測定により測定される第1画像位置で撮像される第1画像を参照する機能と、
前記第1画像位置から前記第2状態画像を撮像するための第2状態画像位置に向けて前記ステージを移動させて前記第1画像位置と前記第2状態画像位置との間の重複画像を撮像する機能と、
前記第2状態画像位置で前記第2状態画像を撮像する機能と、
前記第1画像、前記重複画像および前記第2状態画像に前記画像相関を適用して決定される画像変位のセットと前記第1位置測定とに基づいて前記第2状態画像の位置を測定する機能と、を含み、
前記ユーザインターフェイスは、少なくとも前記マシンビジョン検査システムの学習モード操作中に前記表示部に表示されるとともに、
前記ユーザインターフェイスは、前記第2状態位置測定を実行可能な前記第2動作状態がオン状態であることを示す第2状態インジケータを有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記ユーザインターフェイスは、ユーザによって操作されて前記第2状態位置測定を含む前記第2動作状態の起動および終了の少なくとも一方を行う第2状態起動部を含み、
前記学習モード操作中のユーザによる前記第2状態起動部の操作に応じて、前記第1動作状態と前記第2動作状態とを切り替えることを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項2に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記第2状態起動部および前記第2状態インジケータが、単一のユーザインターフェイス要素により設けられることを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項2または請求項3に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記制御システムは、前記第2状態起動部によって前記第2動作状態が起動された際に、現在の画像の画像位置を前記第1画像位置として自動的に定義することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項4の何れかに記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記マシンビジョン検査システムは、学習モード操作中にユーザによって操作されて、前記撮像システムに対する前記ステージの位置を定義する動作制御部を有し、
前記制御システムは、前記第1画像位置と前記第2状態画像位置との間の移動経路に沿った前記重複画像間の間隔を自動的に決定する機能を有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項5に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記第1画像位置から前記第2状態画像位置へと前記ステージを移動させる機能は、前記ユーザが前記動作制御部を使って前記第1画像位置と第2状態画像位置との間の前記移動経路を定義する中間位置を定義する機能をさらに含むことを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項6の何れかに記載のシンビジョン検査システムにおいて、
前記マシンビジョン検査システムは、前記第2動作状態で前記第2状態位置測定を実行するための、前記第1画像を基準とする最大推奨変位限界を示す高精度位置測定限界パラメータを有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項7に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記ユーザインターフェイスは、(a)前記第1画像を基準とする現在の変位と前記最大推奨変位限界との関係、および(b)第1画像を基準とする現在の変位が前記最大推奨変位限界を超える場合の警告、のうち少なくとも一方を示す高精度位置測定変位限界状況インジケータを有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項8に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記高精度位置測定変位限界状況インジケータおよび前記第2状態インジケータが、単一のユーザインターフェイス要素により設けられることを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項9の何れかに記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記ユーザインターフェイスは、前記学習モード操作中にユーザによって操作されて前記第1画像中の第1対象と前記第2状態画像中の第2対象との間の距離測定を定義する要素を含み、
前記距離測定は、第1位置測定と第2状態位置測定との差と各画像に対する各対象の位置の差との和を決定する機能を含むことを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項10の何れかに記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記学習モード操作中に、前記第2動作状態は、前記画像変位のセットの決定に利用される前記画像相関についての画像相関品質測定基準を評価する機能を有し、
前記ユーザインターフェイスは、前記画像相関品質測定基準に基づいて表示される低画像相関インジケータを有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項11の何れかに記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記第2動作状態は、前記画像相関によって示される位置測定結果と前記測定部によって示される位置測定結果とを比較する誤差確認機能をさらに含むことを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項12に記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記画像相関によって示される距離と前記測定部によって示される距離との差が、前記スケールベースの測定部の予測誤差マージンと所定の安全マージンとの和を超える場合に、前記画像相関により決定される位置測定が不正確な可能性があることを示す警告を前記ユーザインターフェイス中に示す機能と、状況を記録する機能と、前記測定部により示される位置測定結果を現在の位置測定結果として示す機能と、の少なくとも一つを実行する機能を有することを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 請求項1から請求項13の何れかに記載のマシンビジョン検査システムにおいて、
前記第2動作状態が、(a)前記重複画像と(b)前記第2状態画像との少なくとも一方のスケールベースでの近似画像位置を示すために前記測定部を利用する機能をさらに含み、
前記スケールベースでの近似画像位置に基づいて、前記第2動作状態で用いる画像相関アルゴリズムの画素オフセットの探索範囲を定めることを特徴とするマシンビジョン検査システム。 - 検査対象であるワークを載置するステージと、前記ワークを撮像する撮像システムと、前記撮像システムに対する前記ステージの位置を測定するスケールベースの測定部と、表示部と、前記表示部に表示されるユーザインターフェイスと、前記ユーザインターフェイスへの操作に基づいて前記マシンビジョン検査システムの各部を制御する制御システムとを有するマシンビジョン検査システムにおいて、前記検査対象の正確な位置測定結果を取得するための位置測定結果の決定方法であって、
前記マシンビジョン検査システムに前記位置測定結果を得るために使用する第1動作状態および第2動作状態を設けておき、
前記第1動作状態では、前記測定部で測定されたスケールベースの位置に基づいて画像の位置を決定し、
前記第2動作状態では、画像相関を用いた第2状態位置測定に基づいて少なくとも一つの第2状態画像の位置を測定し、
前記第2状態位置測定では、
第1位置測定により測定される第1画像位置で撮像される第1画像を参照し、
前記第2状態画像を撮像するための第2状態画像位置に向けて前記ステージを移動させ、
前記第1画像位置と前記第2状態画像位置との間の重複画像を撮像し、
前記第2状態画像位置で前記第2状態画像を撮像し、
前記第1画像、前記重複画像および前記第2状態画像に前記画像相関を適用して決定される画像変位のセットと前記第1位置測定とに基づいて前記第2状態画像の位置を測定する処理を行い、
少なくとも前記マシンビジョン検査システムの学習モード操作中には、前記ユーザインターフェイスを前記表示部上に表示し、
前記第2状態位置測定を実行可能な前記第2動作状態がオン状態であるときに、前記ユーザインターフェイスに第2状態インジケータを表示することを特徴とする位置測定結果の決定方法。 - 請求項15に記載の位置測定結果の決定方法において、
前記ユーザインターフェイスは、ユーザによって操作されて、前記第2状態位置測定を提供する、前記第2動作状態の(a)起動および(b)停止のうち少なくとも一方を行う第2状態起動部を含み、
前記学習モード操作中のユーザによる前記第2状態起動部の操作に応じて、前記第1動作状態と前記第2動作状態とを切り替えることを特徴とする位置測定結果の決定方法。 - 請求項15または請求項16に記載の位置測定結果の決定方法において、
前記マシンビジョン検査システムは、前記第2動作状態で前記第2状態位置測定を実行するための、前記第1画像を基準とする最大推奨変位限界を示す高精度位置測定限界パラメータを有し、
前記ユーザインターフェイスは、(a)前記第1画像を基準とする現在の変位と前記最大推奨変位限界との関係、および(b)前記第1画像を基準とする現在の変位が前記最大推奨変位限界を超える場合の警告、の少なくとも一方を示す高精度位置測定変位限界状況インジケータを有し、
前記第2動作状態の前記第2状態位置測定が前記学習モード操作中にオン状態の時に、前記高精度位置測定変位限界状況インジケータを表示することを特徴とする位置測定結果の決定方法。 - 請求項15から請求項17の何れかに記載の位置測定結果の決定方法において、
前記第2動作状態は、(a)前記重複画像および(b)前記第2状態画像の少なくとも一方のスケールベースの近似画像位置を示すために前記測定部を利用する工程をさらに含み、
前記画像変位のセットを決定するために前記第2動作状態で使用される画像相関アルゴリズムの画素オフセットの探索範囲が前記近似画像位置に基づいて定義されることを特徴とする位置測定結果の決定方法。
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