JP2013065611A - 硝子封止型サーミスタ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した機械的強度を確保することのできる硝子封止型サーミスタを提供する。
【解決手段】硝子封止型サーミスタ10は、筒状硝子12内に、サーミスタ素子16と、第1リード部24を介して電源と接続される第1電極部14と、第2リード部28を介して電源と接続される第2電極部18と、が封止されたものである。ここで、第1電極部14は、サーミスタ素子16が筒状硝子12と接触しないように移動を制限するための凹部14aを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、硝子封止型サーミスタに関する。
従来、この種の硝子封止型サーミスタとしては、図4〜6に示すような、筒状硝子112の一端側に設けられた第1電極部114と、筒状硝子112の他端側に設けられた第2電極部118と、第1電極部114と第2電極部118との間に介在し第1電極部114及び第2電極部118と接触するサーミスタ素子116とを備えた硝子封止型サーミスタ110が知られている(例えば特許文献1〜4参照)。
特開2000−097782号公報 特開昭62−160701号公報 特開昭62−160703号公報 特開平07−220904号公報
このような硝子封止型サーミスタ110は、筒状硝子112内に、第1電極部114、サーミスタ素子116及び第2電極部118を挿入して挿入体を作製し、この挿入体を加熱して、第1電極部114、サーミスタ素子116及び第2電極部118を筒状硝子112内に熱封入することで得られる。しかし、従来のものでは、サーミスタ素子116が図6の破線に示すような位置、すなわち、筒状硝子112と接触するような位置に配置されてしまうことがあった。熱封入時にサーミスタ素子116が筒状硝子112と接触していると、サーミスタ素子116が硝子に溶け込んで溶け込み部が形成され、これが硝子の応力集中起点となる。これにより、硝子封止型サーミスタ110の機械的強度が低下することがあった。
本発明は、安定した機械的強度を確保することのできる硝子封止型サーミスタを提供することを主目的とする。
本発明の硝子封止型サーミスタは、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の硝子封止型サーミスタは、
筒状硝子の一端側に設けられた第1電極部と、前記筒状硝子の他端側に設けられた第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に介在し前記第1電極部及び前記第2電極部と接触するサーミスタ素子と、を備えた硝子封止型サーミスタにおいて、
前記第1電極部は、前記サーミスタ素子側の面に、前記サーミスタ素子が前記筒状硝子と接触しないように移動を制限するための凹部を有している、
ことを特徴とする。
この本発明の硝子封止型サーミスタでは、サーミスタ素子が、筒状硝子と接触しないよう、第1電極部に設けられた凹部により移動を制限されている。サーミスタ素子が筒状硝子と接触しているものでは、熱封入時にサーミスタ素子の接触部が硝子に溶け込み、これにより形成された溶け込み部が硝子の応力集中起点となることがある。しかし、本願発明では、サーミスタ素子が筒状硝子と接触しておらず、熱封入時にサーミスタ素子と筒状硝子とが接触していないため、応力集中基点となる溶け込み部がない。このため、硝子封止型サーミスタにおいて、安定した機械的強度を確保することができる。
本発明の一実施例である硝子封止型サーミスタ10の構成の概略を示す模式図である。 図1の縦断面図である。 図2のA−A断面図である。 従来例の硝子封止型サーミスタ110の構成の概略を示す模式図である。 図4の縦断面図である。 図5のB−B断面図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である硝子封止型サーミスタ10の構成の概略を示す模式図であり、図2は、図1の縦断面図である。また、図3は、図2のA−A断面図である。
硝子封止型サーミスタ10は、図1〜3に示すように、筒状硝子12内に、サーミスタ素子16と、第1リード部24を介して電源と接続される第1電極部14と、第2リード部28を介して電源と接続される第2電極部18と、が封止されたものである。具体的には、筒状硝子12が、第1電極部14及び第2電極部18と接触した状態で溶融したのち固化することによって固着し、第1電極部14、サーミスタ素子16及び第2電極部18が筒状硝子12の内側に封止されている。
筒状硝子12は、主にサーミスタ素子16を保護する。この筒状硝子12は、端部が閉じた形状でもよいが、ここでは、端部が開放した形状とした。また、筒状硝子12の長さは、サーミスタ素子16を保護できれば限定されないが、ここでは、第1電極部14、サーミスタ素子16及び第2電極部18を接続したときの全長と一致するようにした。
第1電極部14は、サーミスタ素子16が筒状硝子12と接触しないように移動を制限するための凹部14aを備えており、凹部14aの周囲の壁面14bがサーミスタ素子16と筒状硝子12との接触を阻止している。凹部14aは、第1電極部14と第2電極部18とが接触しないように、サーミスタ素子16の厚さよりも浅く形成されている。また、凹部14aの底面は、サーミスタ16との接触面積を大きくするため、平滑な平面となるように形成されている。凹部14aの開口形状は、例えば、三角形、四角形、六角形などの多角形のほか、円形、楕円形などとすることができるが、ここでは円形とした。また、凹部14aの凹形状は、開口側の面積が大きく底面側の面積が小さくなるようにしてもよいが、ここでは、開口側から底面側まで面積が一定となるようにした。この凹部14aは切削などの機械加工により形成されたものでもよいし、第1電極部14の成型に際して凹部14aが形成されるような型を用いることにより形成されたものでもよい。
サーミスタ素子16は、凹部14aの底面で第1電極部14と接触している。このサーミスタ素子16の形状は特に限定されないが、ここでは直方体とした。このサーミスタ素子16は、温度変化とともにその電気抵抗が変わる特性を有するものであればよい。例えば、負の温度係数を有するNTC(Negative Temperature Thermistor)でもよいし、正の温度係数を有するPTC(Positive Temperature Thermistor)でもよいし、ある温度で内部抵抗が急変する特性を利用したCTR(Critical Temperature Resistor)でもよい。このサーミスタ素子は、第1電極部14と接触する図示しない第1導体と、第2電極部18と接触する図示しない第2導体と、を備えている。このような導体を備えていることで、第1電極部14や第2電極部18との導通を良好にすることができる。このような導体は、例えば、印刷や蒸着、溶着などにより形成することができる。
第2電極部18は、サーミスタ素子16との接触面積が大きくなるよう、サーミスタ素子16との接触面が平滑な平面に形成されている。
硝子封止型サーミスタ10は、例えば、ハイブリッド車や燃料電池車、電気自動車等の駆動用モータや、一般用モータなどの温度センサとして用いることができる。例えば、モータの構成部品であるステータにおいて、コイルエンド部と、コイルエンド部のレーシングに用いるレーシング糸との間に温度センサを挟持する態様のものでは、硝子の機械的強度が弱いとレーシング時に温度センサが破損してしまうことがある。このため、このような態様のものでは、温度センサの機械的強度が高いことが望まれており、本発明の適用の意義が高い。
次に、硝子封止型サーミスタ10の製造方法について説明する。まず、筒状硝子12に、第1電極部14を挿入する。この第1電極部14は、上述したように、サーミスタ素子16の移動を制限するための凹部14aを備えている。続いて、サーミスタ素子16を第1電極部14の凹部14a側から挿入し、その後、第2電極部18を挿入して挿入体を得る。得られた挿入体を加熱して筒状硝子12を熱溶融させた後凝固させることで、第1電極部14、サーミスタ素子16及び第2電極部18を、筒状硝子12内に熱封入する。このようにして、硝子封止型サーミスタ10が得られる。こうすれば、凹部14aを備えた第1電極部14を挿入したあとにサーミスタ素子16を挿入するため、サーミスタ素子16が凹部14a内に収まりやすい。このため、第1電極部14や第2電極部18と予め接合しておく等の処理をすることなく、サーミスタ素子16の移動を制限を容易に行うことができ、サーミスタ素子16と筒状硝子12との接触を抑制できる。なお、上述した製造方法において、サーミスタ素子16を挿入した後、熱封入前までに、全体を揺動してもよい。こうすれば、サーミスタ素子16を凹部14a内により確実に収めてから、熱封入することができる。図3に示すように、凹部14aには壁面14bがあるため、サーミスタ素子16が一旦凹部14a内に収まった後は、揺動によりサーミスタ素子16が移動しても、筒状硝子12と接触することはない。
以上説明した硝子封止型サーミスタ10によれば、サーミスタ素子16は、第1電極部14の凹部14aによって移動が制限されるため、筒状硝子12と接触しない。このことは、製造時に、サーミスタ素子16が筒状硝子12と接触しないことを意味する。このため、製造時(熱封入時)に、サーミスタ素子16(特にサーミスタ素子16のエッジ)との接触による筒状硝子12への溶け込みが生じず、溶け込みによる筒状硝子12の応力集中起点の発生を抑制できる。結果として、外部応力に対して極端に弱いものができてしまうことを防止でき、安定した機械的強度を確保することができる。すなわち、この硝子封止型サーミスタ10では、安定した機械的強度が得られ、個体間における機械的強度のばらつきが小さい。また、この硝子封止型サーミスタ10では、筒状硝子12の形状変更や材質変更をすることなく安定した機械的強度が得られるため、筒状硝子12の形状変更や材質変更に伴うコスト増加を抑制できる。特に、筒状硝子12は標準品を用いることが多いため、標準品を用いずに形状変更や材質変更をする場合にはコスト増加の割合が大きくなりやすいが、硝子封止型サーミスタ10では筒状硝子12の変更を要しないため、好ましい。なお、図1〜3では、サーミスタ素子16は、第1電極部14の凹部14aの開口のほぼ中央に配置されているが、実際には凹部14a内の種々の位置に配置される。例えば図3の破線部にサーミスタ素子16が配置されてもよい。この場合でも、サーミスタ素子16は、筒状硝子12と接触しない。
実施例の硝子封止型サーミスタ10では、凹部14aの開口形状を、サーミスタ素子16が移動可能な程度の大きさを有する円形としたが、サーミスタ素子16の底面とほぼ同形状のものとして、サーミスタ素子16の位置決めをするものとしてもよい。この凹部14aを第1電極部16の中央に形成すれば、熱封入時に、溶融した筒状硝子が変形して内側に侵入しても、サーミスタ素子16と筒状硝子とが接触する確率を低下させることができる。
実施例の硝子封止型サーミスタ10では、サーミスタ素子16は上下に導体を備えたものとしたが、特開昭62−160703号公報に記載されたもののように、導体を備えないものでもよい。
実施例の硝子封止型サーミスタ10では、サーミスタ素子16は、直方体としたが、例えば、板状のものとしてもよい。また、全体形状は、直方体でもよいし、円柱でもよいし、その他の形状でもよい。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10,110 硝子封止型サーミスタ、12,112 筒状硝子、14,114 第1電極部、14a 凹部、14b 壁面、16,116 サーミスタ素子、18,118 第2電極部、24 第1リード部、28 第2リード部。

Claims (1)

  1. 筒状硝子の一端側に設けられた第1電極部と、前記筒状硝子の他端側に設けられた第2電極部と、前記第1電極部と前記第2電極部との間に介在し前記第1電極部及び前記第2電極部と接触するサーミスタ素子と、を備えた硝子封止型サーミスタにおいて、
    前記第1電極部は、前記サーミスタ素子側の面に、前記サーミスタ素子が前記筒状硝子と接触しないように移動を制限するための凹部を有している、
    硝子封止型サーミスタ。
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