JP2013064513A - 冷蔵庫の扉構造 - Google Patents

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英介 中村
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真寿雄 川端
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Abstract

【課題】透光性を有する材料で扉前面板を形成するとともに、扉前面板の耐力を増すバックアップ構造の存在を利用して表示ユニットを容易に設置できるようにする。
【解決手段】冷蔵庫1の扉10は、透光性を有する材料からなる扉前面板20と、扉前面板20を保持し、且つ扉10の四周を構成する縁取り部材21と、扉前面板20の裏面に重ねられる金属製のバックアップ板30と、扉前面板20の裏側に配置され、扉前面板20及び縁取り部材21との間に断熱層形成空間23を形成する内面板22を備える。バックアップ板30には扉前面板20との間に表示ユニット配置空間32を形成する保持部31が形成され、縁取り部材21には表示ユニット配置空間32に通じる入口部33が形成される。入口部33から表示ユニット配置空間32に、扉前面板20の外側より視認可能な表示部を有する表示ユニット40が挿入される。
【選択図】図5

Description

本発明は冷蔵庫の扉構造に関する。
冷蔵庫には庫内温度等の設定状態を表示する表示部が設けられている。以前の冷蔵庫では、庫内に設けられた温度設定ダイヤルがそのまま表示部を兼ねるといった例が多かったが、そのような構成だと設定状態を知るのに一々扉を開けねばならず不便であり、また設定状態を確認する度に冷気が逃げ、冷蔵効率が低下するといった問題があった。そこで最近の冷蔵庫では、表示部(操作部を兼ねることが多い)を筐体の外面に設けた冷蔵庫が多くなっている。その例を特許文献1に見ることができる。
特許文献1に記載された冷蔵庫では、貯蔵室扉の扉前面板が透光性を有する材料により形成され、この扉前面板の前面に操作部が設けられている。操作部の後方且つ扉前面板の後面に操作部の操作結果を表示する表示部が設けられ、扉前面板を透かして表示部を視認する構成になっている。
特開2011−38712号公報
当然のことながら、冷蔵庫の貯蔵室扉には断熱性が求められる。断熱性は扉前面板とその裏側に配置された内面板との間の空間に断熱層を形成することによって与えられる。断熱層の形成は空間内で合成樹脂を発泡させることにより行われる。
合成樹脂を発泡させた断熱層を囲む部材は、発泡時には正の圧力を受け、発泡完了後は断熱層が収縮することによる負の圧力を受ける。このような正負の圧力は断熱層を囲む部材に応力をもたらす。扉前面板が透光性を有する材料で形成されている場合、応力に耐えられるまで強度を高めるためには相当な設計的配慮が必要であり、往々にして扉前面板の肉厚増大→貯蔵室扉の重量増大といった結果につながりやすい。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、透光性を有する材料で扉前面板を形成するとともに、バックアップ構造で扉前面板の耐力を増し、さらに、バックアップ構造の存在を利用して表示ユニットを容易に設置できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る冷蔵庫の扉構造は、透光性を有する材料からなる扉前面板と、前記扉前面板を保持し、且つ当該扉の四周を構成する縁取り部材と、前記扉前面板の裏面に重ねられる金属製のバックアップ板と、前記扉前面板の裏側に配置され、前記扉前面板及び前記縁取り部材との間に断熱層形成空間を形成する内面板を備え、前記バックアップ板には前記扉前面板との間に表示ユニット配置空間を形成する保持部が形成され、前記縁取り部材には前記表示ユニット配置空間に通じる入口部が形成され、前記入口部から前記表示ユニット配置空間に、前記扉前面板の外側より視認可能な表示部を有する表示ユニットが挿入されることを特徴としている。
上記構成の冷蔵庫の扉構造において、前記表示ユニット配置空間の内部には前記表示ユニットを挿入する際当該表示ユニットを支持するガイドレールが配置され、前記ガイドレールは、前記表示ユニットの挿入の最終局面までは前記表示ユニットを前記扉前面板から引き離し、前記表示ユニット挿入の最終局面で前記表示ユニットを前記扉前面板に密接させるガイド面を有することが好ましい。
上記構成の冷蔵庫の扉構造において、前記ガイドレールは前記表示ユニットの上下面から突出するピンを受け入れるものであり、前記ガイドレールは前記表示ユニット配置空間に配置されたユニットベースの上下内面に形成されていることが好ましい。
上記構成の冷蔵庫の扉構造において、前記扉前面板には、前記表示ユニットの前記表示部を視認させる箇所を除き不透明化処理が施されることが好ましい。
本発明によると、透光性を有する材料で形成された扉前面板の裏面に金属製のバックアップ板を重ねたから、合成樹脂の発泡で断熱層を形成することに対する扉前面板の耐力が増す。バックアップ板には扉前面板との間に表示ユニット配置空間を形成する保持部が形成されているから、表示ユニットの設置箇所を容易に確保できる。また、バックアップ板が存在することにより庫内の冷熱が扉の広い面に分散されるから、局所的な低温箇所が扉表面に生じて結露を招くといった事態を回避することができる。
冷蔵庫の正面図である。 本発明の一実施形態を示す扉の正面図である。 図2の扉の構成要素の一部を背面方向から見た斜視図である。 図2の扉の垂直断面図である。 図4の丸囲み箇所の拡大図である。 図2の扉の水平断面図である。 図6の左側の丸囲み箇所の拡大図である。 図6の右側の丸囲み箇所の拡大図である。 表示ユニットの取り付けについて説明する第1の水平断面図である。 表示ユニットの取り付けについて説明する第2の水平断面図である。 表示ユニットの取り付けについて説明する第3の水平断面図である。 表示ユニットの取り付けについて説明する第4の水平断面図である。
図1に冷蔵庫の構成例を示す。図1における左側と右側が以下の説明でも「左」と「右」になる。
冷蔵庫1の正面には計6個の扉が存在する。左上の扉10と右上の扉11は回動して貯蔵室を開閉するタイプの扉であり、扉10は左側に開閉支点を有し、扉11は右側に開閉支点を有する。扉10の下に位置する小型の扉12と、扉11の下に位置する小型の扉13は、いずれも引出式の貯蔵室の扉である。扉12、13の下に位置する扉14と、扉14の下に位置する扉15も、引出式の貯蔵室の扉である。これらの扉の中で、扉10が本発明に係る扉構造を備える。
図2から図8に扉10の構造を示す。扉10は透光性を有する材料からなる扉前面板20(図5参照)を有する。透光性を有する材料として、ガラスや合成樹脂を採用することができる。ガラスの場合には厚さ3mmから4mmの強化ガラスを用いるのがよい。
扉前面板20は扉10の正面のほぼ全体を占める面積を有し、扉10の四周を構成する合成樹脂製の縁取り部材21により保持される。扉前面板20の裏側には合成樹脂板を真空成型して所定の形状とした内面板22(図5参照)が配置される。内面板22は扉前面板20及び縁取り部材21との間に断熱層形成空間23(図4参照)を形成する。断熱層形成空間23の内部で合成樹脂の発泡が行われ、断熱層24(図5参照)が形成される。
扉前面板20の裏面には金属製のバックアップ板30が重ねられる。バックアップ板30は扉前面板20の正面幅の7割から8割といった程度の横幅と、扉前面板20の高さの7割から8割といった程度の高さを有する。強度とコストの観点から、厚さ0.4mmから0.5mmの鋼板を用いてバックアップ板30を構成するのがよい。
バックアップ板30の下端は扉前面板20の裏面に対面する凹所を形成するように折り曲げられる。この箇所は扉前面板20との間に表示ユニット配置空間32(図5参照)を形成する保持部31となる。図4に示す通り、表示ユニット配置空間32は扉10の中でも下寄りの位置に形成される。縁取り部材22には表示ユニット配置空間32に通じる入口部33(図8参照)が形成される。入口部33は合成樹脂製の蓋34によって閉ざされる。
保持部31は合成樹脂の射出成型品であるユニットベース35を抱きかかえる。ユニットベース35も扉前面板20の裏面に対面する凹所を形成するものであり、図5に示す通り、保持部31にほぼぴったりと収まる高さを有する。ユニットベース35の横幅は、図7及び図8に示す通り、保持部31の横幅よりも大きく、扉前面板20の横幅とほぼ同大となっている。
ユニットベース35の前縁は図5に示す通り扉前面板20に密着する。ユニットベース35の左側の縁は図7に示す通り縁取り部材22に密着する。ユニットベース35の右側の縁は、図8に示す通り、ユニットベース35の内部に入口部33を取り込む形で縁取り部材21に密着する。
表示ユニット配置空間32の内部に、より具体的にはユニットベース35の内部に、表示ユニット40が配置される。表示ユニット40の前面には冷蔵庫1の庫内温度や各種設定状態を表示する表示部が設けられている。表示ユニット40は操作部としての役割も担うものであり、静電容量方式のタッチスイッチが所定箇所に配置されている。
ユニットベース35の上下内面には、ユニットベース35の内部に表示ユニット40が挿入されるのをガイドし、また挿入後の表示ユニット40を支えるガイドレール36U、36Dが形成されている。ガイドレール36Uは下に開いた溝の形をしており、ガイドレール36Dは上に開いた溝の形をしている。
ガイドレール36U、36Dは表示ユニット40が左右方向に動くのをガイドするだけでなく、表示ユニット40に前後方向の動きを与えるものでもあって、そのための構造としてガイド面37L、37R(図9参照)を備える。
ガイド面37Lはガイドレール36U、36Dの左端に形成されており、ガイド面37Rはガイドレール36U、36Dの右端に形成されている。図9から図11にはガイドレール36Dに形成されたガイド面37L、37Rのみが描かれている。
ガイド面37L、37Rは扉前面板20に次第に接近する斜面を有する。ガイド面37Lは扉前面板20に次第に接近する斜面のみからなるが、ガイド面37Rにはそれに続けて扉前面板20から次第に離れる斜面を備え、平面形状が山形になっている。
表示ユニット40の上下面からはガイドレール36U、36Dの溝にはまり込むピン41L、41Rが突出する。ピン41Lは表示ユニット40の左端に上下一対の形で設けられ、ピン41Rは表示ユニット40の右端に上下一対の形で設けられる。
扉10は以下の手順で組み立てられる。
縁取り部材21で保持された扉前面板20の裏面にバックアップ板30を重ねる。表示ユニット配置空間32にはユニットベース35を入れ、ユニットベース35の縁を扉前面板20と縁取り部材21に密着させる。内面板22の縁を縁取り部材21にあてがい、図示しない治具で全体を外側から保持した上で、扉前面板20、縁取り部材21、及び内面板22で囲まれた空間内で合成樹脂を発泡させる。これにより断熱層24が形成される。扉前面板20、縁取り部材21、内面板22、バックアップ板30、及びユニットベース35は断熱層24で強固に結合される。
その後、図9から図10に示す通り入口部33から表示ユニット40を挿入する。表示ユニット40に対する配線は、挿入前に済まされていてもよく、挿入後に配線を完了する手順であってもよい。
表示ユニット40から上向きに突出したピン41L、41Rをガイドレール36Uの溝に入れ、表示ユニット40から下向きに突出したピン41L、41Rをガイドレール36Dの溝に入れる。ガイドレール36U、36Dはそれぞれピン41L、41Rを1本ずつ受け入れて表示ユニット40を支持し、所定の軌道に沿って表示ユニット40を誘導する。
表示ユニット40の挿入の最終局面までは、ガイドレール36U、36Dは表示ユニット40を扉前面板20から引き離しておく。これにより、扉前面板20の裏面と表示ユニット40の前面がこすれ合い、一方または両方に傷が付くという事態を回避することができる。
表示ユニット40の挿入の最終局面で、ピン41Lはガイド面37Lに当たり、ピン41Rはガイド面37Rに当たる。ピン41L、41Rがガイド面37L、37Rに当たった後、なおも表示ユニット40を押し込むと、今まで扉前面板20から引き離されていた表示ユニット40が扉前面板20に接近し、最終的には図11、12に示す通り扉前面板20の裏面に密接する。表示ユニット40が扉前面板20に隙間無く接触する「密着」まで進むことが好ましいが、表示ユニット40と扉前面板20が僅かな隙間を隔てて対峙する段階に留まっても特に問題はない。
表示ユニット40を最後まで挿入した後、図12に示す通り入口部33に蓋34をはめ込む。蓋34は自身の弾性で表示ユニット40を押さえつけて表示ユニット40をがたつきなく保持し、また表示ユニット40と扉前面板20の密接状態を保たせる。
表示ユニット40が扉前面板20に密接することにより、表示面の表示が扉前面板20を通して鮮明に認識できるようになる。また静電容量方式のタッチスイッチが感度良く動作するようになる。
表示ユニット40の挿入の初期段階で、ピン41Lはガイド面37Rを乗り越えねばならない。この時表示ユニット40の左端は一旦扉前面板20に接近するが、表示ユニット40の大部分は入口部33の外にあるので、表示ユニット40が扉前面板20に接触するといった事態には至らない。
ガイドレール36U、36Dは共にユニットベース35に形成され、単一の部品となっている。このため、ガイドレール36U、36Dの位置合わせの手間が不要であり、そのままの形で表示ユニット40のスムーズ且つ正確な誘導が可能である。またユニットベース35は断熱層24の形成に伴い発泡の圧力で扉前面板20に押し付けられるので、ユニットベース35と扉前面板20は自ずと正しい相対位置に維持されることになり、表示ユニット40の挿入の最終局面で表示ユニット40を扉前面板20に密接させるという精密な誘導を容易に実現できる。
扉前面板20には、表示ユニット40の表示部を視認させる箇所を除き、不透明化処理を施す。これにより表示部以外の部分が目に入らなくなり、デザイン性が向上する。不透明化処理には、扉前面板20の裏面に印刷を施し、印刷層を保護フィルムで保護するといった手法を用いることができる。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は冷蔵庫の扉構造に広く利用可能である。
1 冷蔵庫
10 扉
20 扉前面板
21 縁取り部材
22 内面板
23 断熱層形成空間
24 断熱層
30 バックアップ板
31 保持部
32 表示ユニット配置空間
35 ユニットベース
36U、36D ガイドレール
37L、37R ガイド面
40 表示ユニット
41L、41R ピン

Claims (4)

  1. 冷蔵庫の貯蔵室を閉ざす扉であって、
    透光性を有する材料からなる扉前面板と、
    前記扉前面板を保持し、且つ当該扉の四周を構成する縁取り部材と、
    前記扉前面板の裏面に重ねられる金属製のバックアップ板と、
    前記扉前面板の裏側に配置され、前記扉前面板及び前記縁取り部材との間に断熱層形成空間を形成する内面板を備え、
    前記バックアップ板には前記扉前面板との間に表示ユニット配置空間を形成する保持部が形成され、
    前記縁取り部材には前記表示ユニット配置空間に通じる入口部が形成され、
    前記入口部から前記表示ユニット配置空間に、前記扉前面板の外側より視認可能な表示部を有する表示ユニットが挿入されることを特徴とする冷蔵庫の扉構造。
  2. 前記表示ユニット配置空間の内部には前記表示ユニットを挿入する際当該表示ユニットを支持するガイドレールが配置され、
    前記ガイドレールは、前記表示ユニットの挿入の最終局面までは前記表示ユニットを前記扉前面板から引き離し、前記表示ユニット挿入の最終局面で前記表示ユニットを前記扉前面板に密接させるガイド面を有することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫の扉構造。
  3. 前記ガイドレールは前記表示ユニットの上下面から突出するピンを受け入れるものであり、
    前記ガイドレールは前記表示ユニット配置空間に配置されたユニットベースの上下内面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫の扉構造。
  4. 前記扉前面板には、前記表示ユニットの前記表示部を視認させる箇所を除き不透明化処理が施されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の冷蔵庫の扉構造。
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