JP2013063350A - 基板ケース、基板ケースの封止方法及び基板ケースを備えた遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板ケース1は、蓋ケース3と本体ケース4とを開封不能に封止するかしめ構造を有する。かしめ構造は、ケース閉状態でかしめピン5が挿通可能に連通する開口部311,411,412と、各開口部311,411,412に挿通したかしめピン5が脱抜不能に係止される係止部31bと、を有し、各ケースの開口部311,411,412を、本体ケース4側開口部411,412が蓋ケース3側開口部311を挟むように配置した構成としてある。
【選択図】 図5
Description
これらの基板には、遊技の結果を左右するとともに、遊技機全体を制御する主要な基板である主基板が含まれている。
主基板は、プリント基板上にCPU,ROM,RAM等の種々の電子部品が配置されたコンピュータとして構成されている。
このような遊技の結果を左右する主基板は、不正改造の対象となり易く、そのために、当該主基板を透明な二つのケースの間に挟んで収容するとともに、さらに、このケースを開封不能に封止している。
このようなケースのかしめ構造は、例えば、特開2005−192792号の「遊技機用制御基板ケースの封印装置」(特許文献1)等、従来から多数提案されている。
特許文献1に記載のかしめ構造では、かしめピンは、複数の開口部に亘って挿通させて係止されているものの、基板ケースを開放させる外力に対しては、片持ち梁と同様な状態となり、自由端側に継続的な外力が加わることで、かしめピンが曲がり、脱落するおそれがあった。
基板ケースは、主基板に対する不正改造を確認するなど合法的な目的で開封する場合もあるため、特許文献1に記載された発明のように、再封止するための予備のかしめピンを複数備えている。
しかしながら、この予備のかしめピンは、基板ケースに予めセットされているため、これを取り外して偽造される場合があった。偽造品が出回ると、再封止が容易にできてしまうことから、不正行為を誘発させるおそれがあった。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明の遊技機用基板ケースを適用した場合について説明する。
図1に示すように、スロットマシン100は、複数のリール110a,110b,100cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。
スロットマシン100は、必要な機械、装置等を収納する正面側が開口した筐体100bと、筐体100bの正面側を開閉可能に覆う前扉100aとで構成されている。
前扉100aは、筐体100bにヒンジ等を介して開閉可能に取り付けられる扉体で、この前扉100aに各リール110の回転を始動させるスタートレバーや、回転している各リール110を停止させる3つの停止ボタンなどの複数の操作手段が設けられて、スロットマシン100の正面部を構成している。
また、筐体100bの下部には、メダルの貯留・払出しを行うメダル払出装置120が設けられる。
筐体100bの上部には、所定のプリント基板が収容された基板ケース1が設けられている。
まず、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、主基板2は、各リール110を回転させる制御を行うとともに、ボーナスや小役等を抽せんする内部抽せんを行い、各停止ボタンが押下操作されたタイミングに基づき、抽せん結果に応じた図柄の組合せで停止するよう、回転している各リール110の停止制御を行う。
主基板2は、例えば、ROMに記憶されているプログラムの内容を書替えたり、実装されている電子部品を異なる電子部品に取り替えたりすることで、スロットマシン100における遊技特性(例えば、出玉率)を容易に変更できるため、不正改造がなされる可能性の高い基板とされている。
そして、この基板ケース1は、かしめピン5を切断・破壊することなく封止解除でき、かしめピン5を再利用して再封止できるようにしてある。
以下、本実施形態の基板ケース1の構成について、図2〜図10を参照しつつ説明する。
基板ケース1は、各図に示すように、矩形状のケース構造を有し、主基板2の部品実装面2a側を覆う蓋ケース3と、半田面2b側を覆う本体ケース4を備えている。
本実施形態では、主基板2は蓋ケース3に所定のネジにより螺着されて収容されるようになっている(図2参照)。
蓋ケース3と本体ケース4は、部品実装面2aと半田面2bを外部から視認可能、かつ、容易に破壊できないように、無色透明な工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成されている。
また、基板ケース1は、蓋ケース3と本体ケース4とを開閉可能に支持するヒンジ1aを備えている。このヒンジ1aは、ケース閉状態において、蓋ケース3と本体ケース4とを軸止し、ヒンジ1a側からケースを開放することができないように構成してある。
なお、基板ケース1は、本体ケース4側が筐体100b奥に面するとともに、蓋ケース3側が筐体100bの正面側開口を向くように、すなわち、部品実装面2aが正面から見えるよう、筐体100bに配置されている。
具体的には、かしめ構造は、図2〜図5に示すように、蓋ケース3と本体ケース4とに係合するかしめピン5と、蓋ケース3と本体ケース4の外縁から突出する蓋かしめ部30と本体かしめ部40とにそれぞれ設けられ、主基板2の基板面(部品実装面2a及び半田面2b)とほぼ平行に開口されるとともに、ケース閉状態でかしめピン5が挿通可能に連通する開口部311,411,412と、蓋かしめ部30に設けられ、各開口部311,411,412に挿通したかしめピン5が脱抜不能に係止される係止部31bと、を備え、蓋ケース3と本体ケース4とを閉状態にして、かしめピン5を開口部412から挿入すると(図5(a)参照)、かしめピン5が各開口部311,411,412に亘って挿通されるとともに、脱抜不能に係止部31bに係止され、蓋ケース3と本体ケース4とが開封不能に封止される(図5(b)参照)。
以下、各部の構成を詳細に説明する。
凸部31は、図2及び図3(a)に示すように、本体ケース4に向かって垂下する部分で、この凸部31には、主基板2の基板面とほぼ平行、かつ、かしめピン5が挿通可能に開口された開口部311と、かしめピン5が係止される係止部31bとを形成してある。
第一開口部411と第二開口部412は、それぞれ挿通されたかしめピン5の先端側と後端側に位置し、ケース閉状態において、凸部31(開口部311)は、これらの間に位置するようになっている。
そして、図3(b)に示すように、ケース閉状態にすると、第一開口部411と第二開口部412とこれらに挟まれるように配置された開口部311とがそれぞれ連通し、かしめピン5を挿通することができるようになる。
また、このとき、凹部41は、蓋かしめ部30が蓋となって、外部から遮蔽される。
かしめピン5は、容易に破壊できない工業用樹脂(例えば、ポリカーボネート)で形成され、図4に示すように、第一開口部411と係合する頭部51と、弾性をもって撓む爪部52と、係止部31bに係止される首部53と、開口部311と第二開口部412に係合する胴部54とで構成されている。
このように構成されたかしめピン5は、各開口部311,411,412に挿通されることで、以下のように、蓋ケース3と本体ケース4とを開封不能に封止する。
そして、第二開口部412に頭部51を挿入し、さらに、図5(b)に示すように、頭部51が第一開口部411と係合するまで、かしめピン5を押し込む。これにより、かしめピン5は、各開口部311,411,412に亘って挿通される。
かしめピン5は、基板ケース1を開放しようとする外力に対して、第一開口部411と第二開口部412に両端支持された状態で、これらの間に位置する開口部311(例えば、底面31a)から力を受けることになる。その結果、片端支持の場合のように、片端のみに外力が加わることがなく、かしめピン5全体に均等な力が加わるため、外力に対する耐性が格段に向上する。これにより、かしめピン5による封止力を増大させることができる。
具体的には、係止部31bは各開口部311,411,412と比べて狭く形成されており、爪部52は、押し込みに際して、この係止部31bを弾性変形しながら通過し、係止部31bを越えると、復元するようになっている。その結果、係止部31bは爪部52の端部と頭部51との間に挟まれることになる。言い換えると、首部53が係止部31bに係止されてかしめピン5が脱抜不能となる。
この状態において、凹部41は蓋かしめ部30によって外部と遮蔽されているため、爪部52を外部から操作できないようになっている。
そして、本実施形態の基板ケース1は、上述したような構成からなるかしめ構造を四つ備え、図6に示すように、内側に配置されたかしめ構造を再封止用の予備とし、両端に配置されたかしめ構造にかしめピン5を挿入し、蓋ケース3と本体ケース4とを開封不能に封止した状態で、筐体100bに取り付けられて、メーカーから出荷される。
図7に示すように、蓋かしめ部30は、蓋ケース3に接合部32a,32bを介して、蓋ケース3と一体に形成されている。
接合部32a,32bは、ニッパーなどの切断工具で切断可能な梁状に形成され、この接合部32a,32bを切断すると、蓋かしめ部30が第二開口部412側にスライド可能となり、第一開口部411とかしめピン5(頭部51)との係合が解除され、蓋ケース3と本体ケース4とを開封できるようになる(後述)。
そこで、この接合部32a,32bを覆うカバー6を設け、接合部32a,32bを容易に切断できないようにしてある。以下、カバー6の構成について、図6〜図8を参照して説明する。
具体的には、カバー6は、図8に示すように、略コの字状に形成され、接合部32a,32bを覆う上面6aと、蓋かしめ部30側面を覆う側面6bとから構成され、二つの蓋かしめ部30を一体的に覆うように構成されている(図6参照)。
上面6aには、蓋かしめ部30に形成されたネジ穴33と連通するネジ穴61と、窓部63と、脆弱部64が形成されている。
このように、ネジ7の螺入方向を本体ケース4側からとすることで、図6に示すように、蓋ケース3と本体ケース4とを封止した状態では、ネジ7の操作が本体かしめ部40によって妨げられ、カバー6が蓋ケース3から脱離できないようになっている。
この各窓部63天面側には、把手63bが設けられ、これをつまんで上方に持ち上げることで、肉薄部63aを破断させ、各窓部63をそれぞれ独立して開口させることができる(図9(a),(b)参照)。これにより、接合部32a,32bを切断可能に外部に露出させるとともに、破断の痕跡を明確に残すことができる。
脆弱部64は、細い格子状に形成された、蓋ケース3の切欠部3aに嵌合して脱離不能に接着される部分であり、カバー6を蓋ケース3から取り外そうとすると、この格子状の部分が破壊され、一部が蓋ケース3側に残存するようになっている。これにより、基板ケース1を開封しようとして、カバー6を外した痕跡を残すことができる。
また、側面6bには、蓋かしめ部30側面に形成された爪部34と係合する係合穴65と、本体かしめ部40に形成される挿入口42(図2参照)に挿入される突出部62が形成されている。
このように、カバー6を備えることで、接合部32a,32bを露出させるには、窓部63の破壊を伴うため、その痕跡を明確に残すことができ、主基板2に対する不正改造を抑止することができる。
また、窓部63を、二つの蓋かしめ部30の接合部32a,32bに対応した位置に各々独立に設けることで、二つの蓋かしめ部30にかしめピン5を挿入して封止しない限り、いずれか一方の窓部63を再封止のために残しておくことができる。
まず、図9(a)に示すように、かしめピン5が挿入されて封止された側の蓋かしめ部30(図中右側)に対応する把手63bをa方向に操作し、肉薄部63aを破断させ、窓部63を開口させる。その結果、図9(b)に示すように、接合部32a,32bが外部に露出されるとともに、窓部63が修復不能となり、開封の痕跡を残すことができる。この場合において、かしめピン5が挿入されていない側の蓋かしめ部30に対応する窓部63(図9中左側)は、破断操作が不要であるため、再封止後の開封まで、その形態をそのまま残しておくことができる。
そして、図9(c)に示すように、ニッパー等の切断工具を用いて、接合部32a,32b及び、上面6aと側面6bとのつなぎ目66a,66b,66cを切断する。
また、接合部32a,32bの切断により、蓋かしめ部30は、蓋ケース3から分断されるため、これに伴い、蓋ケース3は、蓋かしめ部30のみならず、本体ケース4との係わりもなくなる。
これにより、図10(b)に示すように、蓋ケース3を開放させることができる。
凹部41には、第一開口部411に挿入された頭部51を脱抜可能なスペース41aが設けられ、同図に示すように、蓋かしめ部30を第二開口部412側にスライドさせることで、第一開口部411とかしめピン5(頭部51)との係合が解除されるようになっている。
具体的には、取り出した蓋かしめ部30において、ニッパー等の切断工具を用いて、底面31aなどを切断して、首部53に係止した係止部31bを切除するか、又は爪部52に外力を加えて弾性変形させ、係止部31bから脱抜することで、かしめピン5を切断・破壊することなく、蓋かしめ部30から簡単に取り外すことができる。
このかしめピン5は、内側に位置する予備のかしめ構造に再利用でき、基板ケース1を再封止することができる。
また、凹部41内面をコの字状の金属板(例えば、ステンレス板)で覆うこともできる。これにより、ドリル等の穿孔工具を用いて、凹部41底面を開口するとともに、爪部52を操作して、かしめピン5を脱抜する行為を排除できる。
また、本実施形態では、本体ケース4側の開口部411,412が、蓋ケース3側の開口部311を挟むように配置したが、逆に、蓋ケース3側に複数の開口部を設け、これらが本体ケース4側の開口部を挟むように配置することもできる。
また、挟む側と挟まれる側の開口部の数は限定されず、幾つでもよく、一方のケース側の開口部が他方のケース側の開口部を挟むように配置されれば足りる。
2 主基板
3 蓋ケース
30 蓋かしめ部
31 凸部
31a 底面
31b 係止部
311 開口部
4 本体ケース
40 本体かしめ部
41 凹部
411 第一開口部
412 第二開口部
5 かしめピン
6 カバー
7 ネジ
100 スロットマシン
Claims (4)
- 蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収納し、前記蓋ケースと本体ケースとがヒンジを介して回転開閉するとともに、当該蓋ケースと本体ケースを開封不能に封止するかしめ構造を備える基板ケースであって、
前記ヒンジ部が、前記基板ケースの一側に設けられるとともに、前記かしめ構造が、前記ヒンジ部と対向する前記基板ケースの他側に設けられ、
前記かしめ構造は、同一構造のかしめピンにより封止が可能な封止用及び再封止用の複数のかしめ構造を備え、
前記封止用のかしめ構造にかしめピンが係止されることにより、前記蓋ケースと本体ケースとが回転開閉不能に封止されるとともに、前記かしめピン以外の所定の箇所が切断又は破壊されることにより、前記封止が解除されて当該蓋ケースと本体ケースとが回転開閉可能となり、
前記蓋ケースと本体ケースが開封されることにより、前記かしめピンが、係止された前記かしめ構造から前記かしめピンの所定の箇所を弾性変形させることによって当該かしめピンが破壊されることなく取外し可能となり、
当該かしめピンが前記再封止用のかしめ構造に係止されることで、前記蓋ケースと本体ケースが再度開封不能に封止されるとともに、当該再封止が行われるまでは、前記再封止用のかしめ構造には他のかしめピンが挿入されない
ことを特徴とする基板ケース。 - 前記かしめピンは、弾性をもって撓む爪部を備え、前記爪部を弾性変形させることによって前記かしめ構造から破壊されることなく取り外し可能となることを特徴とする請求項1記載の基板ケース。
- かしめ構造により開封不能に封止された、所定のプリント基板を収納した蓋ケースと本体ケースから構成される基板ケースを、開封して再封止する封止方法であって、
かしめピン以外の前記蓋ケース又は前記本体ケースの少なくとも何れか一つ以上の所定箇所を切断又は破壊する工程と、
前記蓋ケースと前記本体ケースを前記プリント基板にアクセス可能に開封する工程と、
前記かしめ構造から前記かしめピンの所定箇所を弾性変形させて破壊することなく取り外す工程と、
前記プリント基板にアクセス不能に前記蓋ケースと前記本体ケースを閉じる工程と、
前記かしめ構造とは異なる前記かしめ構造に前記破壊することなく取り外した前記かしめピンで再封止する工程と、
を有することを特徴とする基板ケースの封止方法。 - 遊技機を構成する筐体と、筐体内に収容される、遊技機制御用のプリント基板を収納した基板ケースを備える遊技機であって、
前記基板ケースが、
蓋ケースと本体ケースとの間に所定のプリント基板を挟んで収納し、前記蓋ケースと本体ケースとがヒンジを介して回転開閉するとともに、当該蓋ケースと本体ケースを開封不能に封止するかしめ構造を備え、
前記ヒンジ部が、前記基板ケースの一側に設けられるとともに、前記かしめ構造が、前記ヒンジ部と対向する前記基板ケースの他側に設けられ、
前記かしめ構造は、同一構造のかしめピンにより封止が可能な封止用及び再封止用の複数のかしめ構造を備え、
前記封止用のかしめ構造に対して前記かしめピンが前記蓋ケース上面と平行方向に係止されることにより、前記蓋ケースと本体ケースとが回転開閉不能に封止されるとともに、前記本体ケースが切断又は破壊されることなく前記蓋ケースの前記かしめ構造の所定の箇所が切断又は破壊されることにより、前記蓋ケースから前記かしめピンが係止されている前記蓋ケース側の一部が離間して、前記封止が解除されて当該蓋ケースと本体ケースとが回転開閉可能となり、
前記蓋ケースと本体ケースが開封されることにより、前記かしめピンが、係止された前記かしめ構造から破壊されることなく取外し可能となり、
当該かしめピンが前記再封止用のかしめ構造に係止されることで、前記蓋ケースと本体ケースが再度開封不能に封止されるとともに、当該再封止が行われるまでは、前記再封止用のかしめ構造には他のかしめピンが挿入されない
ことを特徴とする基板ケースを備えた遊技機。
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