以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態における遊技機は、遊技に際して所定数の遊技媒体(遊技価値)としての遊技球(例えばパチンコ機と同様の遊技球:パチンコ球)の取込を必要とし、所定条件が成立した場合には複数の遊技球、場合によっては大量の遊技球が払い出されるよう構成されている。本遊技機には、遊技ホール等においてパチンコ機と共通の遊技球供給システムから遊技球の供給がなされるようになっており、パチンコ機が設置される既存の島設備(パチンコ島)に本遊技機を設置することが可能となっている。
まず、遊技機1の外観構成の概略を図1、図2を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態における遊技機1の全体を示す斜視図であり、図2は遊技機1の正面図、である。なお以下の説明においては、特に注記しない限りは、遊技機1の正面から見た状態を基準として左右上下などの方向を記載することとする。
遊技機1は、本体枠としての外枠2と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3(図4参照)とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって、全体として矩形状をなしている。本遊技機1を遊技ホールに設置する際には、外枠2が島設備に取り付け固定される。外枠2を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。外枠2を構成する四辺の板材のうち右辺の板材には、その内側上下2カ所に、後述するドアブロック4に設けた施錠部材(詳しくは鉤金具125,126、図4参照)を係止するための鉤受け部が設けられている。
遊技機主部3は、扉体ユニットであるドアブロック4と、絵柄表示ユニットである面替えブロック5と、遊技球の払出ユニットである払出ブロック6とから構成されている(図4参照)。このドアブロック4には上下2カ所にヒンジ金具8(図4参照)が設けられており、このヒンジ金具8と外枠2側の上下2カ所の支持金具9とにより、ドアブロック4(遊技機主部3)が外枠2に対して回動可能に支持されている。この場合、遊技機1を正面から見て左側に回動軸線が設けられる構成となっており、遊技機主部3は正面から見て右側を回動先端部として開放される。外枠2に対して遊技機主部3が閉じた状態では、ドアブロック4の外周縁部の背面が外枠2の前面に当接するようになっている。
ドアブロック4は、前扉体11と内枠12(図4参照)とを備えている。ドアブロック4において、前扉体11は、前記外枠2とほぼ同等の大きさ(縦寸法及び横寸法)を有し、その背面側に重なるようにして内枠12が取り付けられている。前扉体11と内枠12とは、いずれも合成樹脂材料により成形されており、背後より複数箇所でネジ締めすることにより結合されている。但し、ドアブロック4の剛性を高めるべく、内枠12を金属材料(例えばアルミダイキャスト)にて成形することも可能である。内枠12は、前扉体11を補強する役目を有する他、後に詳述する面替えブロック5や払出ブロック6支持する役目を有するものである。
前扉体11は、後述するリール図柄や液晶図柄等を視認可能とする図柄視認部、遊技に際し遊技者により手動操作される操作部、上皿部で余剰となった遊技球などを貯留するための下皿部を備える。
すなわち、前扉体11の上半部には、図柄視認部として略台形状をなす視認窓21が形成されている。この視認窓21には、平坦な透明板よりなる透明パネル13がはめ込まれており、この透明パネル13を介してその内方が視認可能となっている。故に、この視認窓21の奥方に配設された面替えブロック5の液晶表示装置504やリール装置503を、透明パネル13を通して視認することができる。
視認窓21は、前扉体11においてその前面部のほぼ上半分の領域で設けられており、こうした比較的大型に構成される視認窓21によれば、大型の液晶表示装置を用いた画像の演出表示によって遊技者に多大なインパクトを与えることが可能になることに加え、本遊技機1の主表示装置たるリール装置503の図柄の視認性が良好なものとなっている。
ここで、透明パネル13は、前扉体11に対して、背面側から取り付けられ、パネル支持部材により固定されるようになっている。このパネル支持部材は、視認窓21や透明パネル13と同形状の開口部を有する枠体として構成されており、その左右上下の各枠部分には、それぞれネジ孔等が形成されている。前扉体11に対して内枠12を組み付けた状態で、その背面側から透明パネル13とパネル支持部材とを装着し、形成されたネジ孔にてネジ締め等を行うことによりパネル支持部材を固定する。これにより、前扉体11の視認窓21を囲む周囲部分とパネル支持部材とにより透明パネル13の周縁部が挟持され、前扉体11に対する透明パネル13の装着が完了する。
前扉体11の前面側において、視認窓21の左右側方部及び上方部には囲い部23が設けられている。この囲い部23には、中央ランプ部24と左右一対の側方ランプ部25とが設けられるとともに、前扉体11の右上隅部及び左上隅部にスピーカ部26が設けられている。遊技に際しては、これらランプ部24,25やスピーカ部26により、その都度の遊技状況に応じたランプ演出や音声演出等が行われる。すなわち、ランプ部24,25による発光色や発光パターンを適宜変更したり、スピーカ部26による音声パターンを適宜変更したりすることで、役の成立等が遊技者に告知される。また、このランプ部24,25やスピーカ部26を用いて、エラー告知等を行うことも可能である。
ちなみに、視認窓21は、前扉体11の左右幅に対して囲い部23(左右の側方ランプ部25)を除く範囲で設けられており、故に視認窓21は左右に幅広いものとなっている。また言い加えると、視認窓21は、後述するリール装置503や液晶表示装置504の横幅よりも幅広となっている。
また、前扉体11の前面部は、中央ランプ部24とスピーカ部26を含む範囲で分割されて構成されており、前扉体11(ドアブロック4)に対して分離可能な部位が上部カバー体94となっている。この上部カバー体94を固定する固定手段としては、前扉体11と前面枠11とに複数のネジ付け部109が設けられており、内枠12の後方よりネジ締結が行われるようになっている。
上部カバー体94において、中央ランプ部24には有色の透明又は半透明のパネルが組み込まれており、当該パネルを通じてランプの発光が遊技機前方にて確認できるようになっている。
前扉体11をかかる構成とすることにより、上部カバー体94を取り外すことで、前扉体11の背面に設けられたランプ基板や、各種装置(例えばスピーカなど)を露出させることができる。このため、ドアブロック4を開放状態としなくとも、前扉体11の後方に隠れているこれら基板や装置のメンテナンスを容易としている。
視認窓21の下方には、遊技者により操作される各種操作部材等を配備した操作部30が設けられている。この操作部30は、全体として横長状をなしかつ僅かに弧状をなす前面板部31を有し、その前面板部31には、スタートレバー33が設けられるとともに、3連ボタンからなるストップスイッチ35,36,37が設けられている。また、前面板部31の上端部において、向かって左寄りの位置(概ねスタートレバー33と左側のストップスイッチ35との間)には、前面板部31から後方に出っ張るようにしてベットスイッチ取付板部32が形成されており、その取付板部32にボタン状のベットスイッチ38が取り付けられている。
ベットスイッチ38は、遊技者によるベット(賭数)の設定を行わせるものであり、その押し操作により上皿151に貯留された遊技球が所定個数分取り込まれる。本実施の形態では、ベットスイッチ38として、いわゆるMAXベットスイッチを設けており、有効な1回の押し操作により3ベット相当(15個分)の遊技球が取り込まれる。ベットスイッチ38は、投資価値としての遊技球の投入を指令する投入指令手段を構成する。なお、MAXベットスイッチとしてのベットスイッチ38の他に、1ベットスイッチや2ベットスイッチを設ける構成であっても良い。ちなみに、1ベットスイッチは、1回の押し操作により1ベット相当(5個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチであり、2ベットスイッチは、1回の押し操作により2ベット相当(10個分)の遊技球を取り込ませるためのベットスイッチである。
スタートレバー33は、後述するリール装置503(図3参照)の各リール(回転体)541〜543を回転開始させるための操作部材であり、各リール541〜543を回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される始動操作手段を構成する。
ストップスイッチ35〜37は、停止対象となるリール(左、中、右の三列のリール541〜543のいずれか)に対応するよう設けられており、回転中の各リール541〜543を個別に停止させるために操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ35〜37は、各リール541〜543が定速回転となると停止させることが可能な状態となり、その状態で押下操作される。また、停止操作可能な状態には、図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、各リール541〜543の回転が停止すると消灯されるようになっている。
操作部30の後方には、前記前面板部31とほぼ同じ長さを有し上方に開口した横長状の開口部41が形成されている。この開口部41は、前扉体11に上皿151を配するための開口領域であり、開口部41の左右方向の幅寸法は上皿151の左右方向の幅寸法に概ね合致し、同開口部41の前後方向の幅寸法は上皿151の前後方向の幅寸法よりも若干短いものとなっている。
上皿151は、島設備の球貸し装置から貸し出された遊技球や、払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留するための皿部材を構成するものである。この上皿151は横長の樋状に成形されており、底板部とその周縁部を囲む周壁部とよりなる。これら底板部と周壁部とにより囲まれて遊技球貯留領域が形成されている。
この上皿151の底板部には、開口部が設けられており、周壁部のうち奥側の壁部には、排出口が設けられている。底板部は、概して排出口から開口部に向けて低くなる構成となっている。したがって、排出口から排出された遊技球は下流側に流れる。また、周壁部のうち手前側の壁部には凹部が形成されており、その凹部により、上皿151をドアブロック4に組み付けた際におけるベットスイッチ取付板部32と上皿151との干渉が回避されるようになっている。
更に、上皿151の上面側には、球出口部付近を覆うカバー部材152が取り付けられている。カバー部材152は、上皿151から下流側への遊技球の流出通路である案内通路の一部を覆うように配設されており、各案内通路の高さ方向の寸法を概ね遊技球1個分に規制する通路高さ規制部材としても機能する。即ち、このカバー部材152を上皿151の上面に取り付けることにより、各案内通路において遊技球が1個ずつ取り込まれるようになる。このカバー部材152は、透明体にて構成されており、その下方の遊技球が視認可能となっている。また、上皿151の底部には、取込ユニットの排出ゲート部材を操作して上皿151内の貯留球を下皿71に排出するための排出操作伝達装置が取り付けられている。
操作部30の前面板部31には、正面から見て右下部に切欠部42が形成されている。この切欠部42は、排出操作伝達装置の操作レバー198を設置するための設置スペースとなっている。
前記視認窓21(透明パネル13)と操作部30との間には、左右方向に延びる長板状の横長窓部50が設けられている。横長窓部50は、視認窓21(透明パネル13)よりも奥側に位置し、その左右方向の長さは視認窓21の左右方向の長さとほぼ同じ長さとなっている。横長窓部50の右方には、操作スイッチ518,519を露出させて押下操作可能とするための上下2つの小穴51,52が設けられている。
操作スイッチ518,519は、例えば情報メニューの操作に用いられる押しボタン式のスイッチ部材であり、当該操作スイッチ518,519の押下操作によって大当たり回数、総ゲーム数、大当たり発生確率、出球数などの各種情報が液晶表示装置504等に適宜表示される。
前扉体11において、横長窓部50の左右の側方部には、その上方の囲い部23に比して奥側に後退するようにして弧状の凹み部61が設けられており、その凹み部61には、外枠2に対する遊技機主部3(ドアブロック4)の施錠及び解錠を行うための施錠部材(詳細には、内枠12に設けたキーシリンダ137)を露出させるためのキーシリンダ設置穴62が形成されている。
図1等で確認できるとおり左右の凹み部61は上皿151の直ぐ上方に位置する。そのため、仮に遊技ホールにおいて球貸しユニットから延びる球貸しノズル(いわゆる象の鼻)を介して上皿151に遊技球が貸し出されるような場合にも、その球貸しノズルと前扉体11との干渉を回避することができる。故に、遊技ホールでの設置状況を考えても有益な構成となっている。
更に、前扉体11において、操作部30の下方には、前記囲い部23及び凹み部61に連続するようにして膨出部70が形成されており、その膨出部70に囲まれるようにして下皿71と灰皿72とが形成されている。膨出部70に囲まれた奥壁部73には下皿排出口74とスピーカ穴75とが形成されている。上皿151やその上流通路に遊技球が満タンに貯留されている状態であって更に払出装置から遊技球が払い出される場合、或いは、上皿151内に貯留されている遊技球に対して球抜き操作が行われる場合には、下皿排出口74を介して下皿71に遊技球が排出される。
下皿71の底部には開口が形成されており、その開口には開閉板76が設けられている。また、膨出部70の略中央部には下皿用の球抜き操作片77が設けられている。球抜き操作片77は、下皿71に貯留している遊技球を下皿71の下方に置かれた球収容箱(いわゆるドル箱)に排出するための操作片であり、図示する通常位置から左方に操作されることで前記開閉板76が開位置にスライド移動し、下皿71内の遊技球の排出が行われる。その他、膨出部70において下皿71の左右両側方には下皿ランプ部78が設けられている。
更に、このドアブロック4の背面側には、面替えブロック5が取り付けられ、更に面替えブロック5を背面側から覆うように払出ブロック6が取り付けられている。これら面替えブロック5と払出ブロック6はドアブロック4の一部にそれぞれ回動可能に支持されており、これら各ブロック5,6は、外枠2に対してドアブロック4と一体で回動可能となるとともに、ドアブロック4に対して各々個別に回動可能となる構造を有する。
図3は、面替えブロック5を斜め前方より見た斜視図である。面替えブロック5は主要な構成として、合成樹脂製の前面枠501と、図柄表示装置(主表示装置)としてのリール装置503と、補助演出装置としての液晶表示装置504と、遊技に関わる主たる各種制御を実施する主制御装置505と、主制御装置505からの指令に基づく従たる表示制御等を実施する表示制御装置506(図5参照)とを備えている。尚、主制御装置505は、主制御装置ボックス500と主制御装置ボックス500に内包される主制御基板とを主に備えている。
本遊技機1では、面替えブロック5は、本遊技機1の遊技内容を決定する主要部品を全て備える構成となっており、仮に遊技ホール等において機種入替を行う場合には、この面替えブロック5を現機種のものから新たな機種のものに入れ替えることで機種入替を行うことができるようになっている。すなわち、面替えブロック5は機種入替時などにおける交換ユニットとなっている。
前面枠501は、正面から見てほぼ正方形状をなしており、その前面部において略台形上に縁取られた部位が、前扉体11の視認窓21にほぼ一致する形状及び大きさになっている。この場合、面替えブロック5をドアブロック4に取り付けた状態では、前面枠501のほぼ全面が前扉体11の視認窓21から視認可能となっている。
また、前面枠501の前面部には、横長の矩形状をなす表示窓511が設けられると共に、その表示窓511の上方に同じく横長の矩形状をなす表示窓512が設けられている。なお、以下の記載では、下側の表示窓511を「下側表示窓511」、上側表示窓512を「上側表示窓512」と表記する。下側表示窓511は、リール装置503の外周に付されたリール図柄を表示するためのリール図柄表示部に相当し、上側表示窓512は、液晶表示装置504による表示画像を表示するための液晶画像表示部に相当する。
各表示窓511,512は、前面枠501の前面部において左右方向のほぼ中央部にそれぞれ設けられており、ほぼ同じ横寸法を有する(高さ寸法は上側表示窓512の方が若干大きい)。ただし、各表示窓511,512の大きさ(絶対的な大きさ)や各表示窓511,512を比較した時の相対的な大きさ、各表示窓511,512の形状は任意に変更可能であり、例えば、上側表示窓512をより横長状としたり、上側表示窓512を下側表示窓よりも小さくしたりしても良い。前面枠501の前面部において、各表示窓511,512の周囲部分は概ね平坦面にて構成されている。そして、下側表示窓511の奥方には、リール装置503が装着されており、また、上側表示窓512の奥方には、液晶表示装置504が装着されている。
リール装置503は、金属製のケース部材に収容される左・中・右の3つのリール541,542,543とを具備している。リール541〜543はケース部材540に回転可能に収容されており、かつ該リール541〜543の一部は、前面側において現出されている。
本遊技機1では、ドアブロック4の視認窓21(透明パネル13)を通じて前面枠501を見た場合、各表示窓511,512を含む広範囲領域が視認可能となる。故に、前面枠501の前面領域に本遊技機1に関わる各種情報(機種情報や配当表など)や装飾等を付与すれば、その各種情報や装飾等を視認窓21(透明パネル13)を通じて遊技機前方から視認することができる。この場合、前述のとおり前面枠501の前面部において各表示窓511,512以外の部分は概ね平坦であるため、この前面領域に各種情報などを付与してシール等を貼付することも可能である。
また、当該面替えブロック5の背面側においては、リール装置503の上方に表示制御装置506(図5参照)が取り付けられていると共に、リール装置503側方には、ベース部材600が取着されており、そのベース部材600上には、主制御装置505が装着されている。
ベース部材600は、主制御装置505を一方向にスライド可能に装着する台座部材であり、その前面枠501側の下方を軸として、後方に回動可能となっている。主制御装置505は、ベース部材600に対してスライド可能に装着されており、かかるスライド動作によってベース部材600から着脱することができるように構成されている。
ここで、このスライドはベース部材600を後方に回動させた場合にのみ実行できるように規制されている。つまり、主制御装置505を脱着する場合は、主制御装置505を取り外し方向(上方向)へスライドする必要があるが、ベース部材600が非回動状態(初期位置)にあると、主制御装置505の取り外し方向側の端部が前面枠501を構成する部材(係合フック部材533)に当接してしまい、スライドが規制されてしまう。一方で、ベース部材600が後方へ回動された場合、前面枠501の係合フック部材533によって主制御装置505のスライドは制限されないので、主制御装置505をベース部材600から脱着することができる。
上記のように構成された面替えブロック5をドアブロック4に装着した状態では、前面枠501の周縁部分がドアブロック4の内側面に当接する。かかる装着状態において、前面枠501の中央部分と前扉体11の透明パネル13との間には間隙が生じるようになっている。
また、面替えブロック5の前面枠501の背面側において、左上隅部と左下隅部とには、面替えブロック5の背面側に取り付けられる払出ブロック6との結合を行うための係合フック部材533,534(図5参照)が設けられている。この係合フック部材533,534によって、面替えブロック5は払出ブロック6と係合され、一体で回動可能となる。
図4及び図5は、遊技機1の内部開放状態を示した斜視図であり、図6は、遊技機1の背面図である。図4には、面替えブロック5と払出ブロック6とが外枠2に対してドアブロック4と一体で回動された状態が示されており、払出ブロック6が露出している。また、図5には、ドアブロック4に対して面替えブロック5と払出ブロック6とを各々個別に回動して遊技機1の内部を開放した状態が示されている。
内枠12は、前扉体11と相似形をなす矩形状をなしており、内枠12の正面視右側には、ドアブロック4を開放不能な施錠状態で保持するための施錠装置120が設けられている。すなわち、施錠装置120は、金属板を折り曲げて成形された長尺状の基枠121を有しており、この基枠121を内枠12の背面側に固定することで施錠装置120が内枠12に固定されるようになっている。基枠121の一面側(内枠12の外方となる側)には、第一連動杆122が重ねるように設けられるとともに、他面側(内枠12の内方となる側)には第2連動杆が同じく重ねるように設けられている。
第一連動杆122には、上下2カ所にスリット部が設けられており、このスリット部の長さ分だけ上下方向に移動可能となっている。第二連動杆には、上下3カ所にスリット部が設けられており、このスリット部の長さ分だけ上下方向に移動可能となっている。また、非図示のコイルバネの付勢力によって初期状態において上方に引き上げられて保持されている。
基枠121において第一連動杆122側には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具125,126が設けられている。鉤金具125,126は、その中間部分が基枠121に軸支されており、第一連動杆122が上方に移動することでその先端鉤部が下方に移動する構成となっている。鉤金具125,126の基端部(先端鉤部と反対側の部位)には、一端が基枠121に結合されたコイルバネ127,128が取り付けられており、コイルバネ127,128の付勢力にて、鉤金具125,126の基端部が下方に引き下げられると共にそれと同時に第一連動杆122が下方に引き下げられ、初期状態で保持されるようになっている。
基枠121には、解錠操作部たるキーシリンダ137が設けられている。このキーシリンダ137は前後方向に延びる向きで設けられており、前扉体11に内枠12を組み付けた際にはシリンダ前面(キー挿入孔の設置側)が前扉体11に設けたキーシリンダ設置穴62から露出することとなる。なお、キーシリンダ125として、不正解錠防止機能の高いオムロック(登録商標)を用いる構成としても良い。
キーシリンダ137に操作キー(図示を省略)を差し込んだ状態で、当該操作キーを時計回り方向に回動操作すると、コイルバネ127,128の付勢力に抗して連動杆122が上方に移動する。これにより、第一連動杆122の鉤金具125,126の先端鉤部が下方に移動し、外枠2に対してドアブロック4が閉じている場合に、鉤金具125,126と外枠2側の鉤受け部との係止状態(すなわち施錠状態)が解除される。そして、外枠2に対してドアブロック4が開放可能となる。その後、操作キーの回動操作を解除すると、コイルバネ127,128の付勢力により第一連動杆122や鉤金具125,126が初期状態に復帰する。
また、キーシリンダ137に操作キーを差し込んだ状態で、当該操作キーを反時計回り方向に回動操作すると、第一連動杆122、第2連動杆や、鉤金具125,126等が下方に移動する。かかる場合、本遊技機1では、ドアブロック4に対して払出ブロック6が閉じている状態で、第2連動杆に設けられた鉤金具と払出ブロック6との係合状態が解除され、ドアブロック4に対して払出ブロック6が開放可能となる。その後、操作キーの回動操作を解除すると、非図示のコイルバネの付勢力により第二連動杆が初期状態に復帰する。
但し、本遊技機1では、かかる払出ブロック6の解除操作は外枠2に対してドアブロック4が閉じた状態では行うことはできないように、施錠装置120は構成されている。
払出ブロック6は、合成樹脂材料にて一体成形された裏カバー部材601と、遊技球を払い出すための払出機構602と、払出制御装置603と、外部電源から生成した電源電圧を各種制御装置やアクチュエータ類などに供給する電源装置604とを有しており、これらを一体化することにより形成されている。
裏カバー部材601は、略平坦状のベース部に、略直方体形状をなす保護カバー部612が後方(遊技機1の後方)に突出して形成されている。保護カバー部612は左右及び上下の各面と背面とが閉鎖された形状をなし、面替えブロック5のリール装置503を収容するのに十分な大きさを有する。主制御装置505は、保護カバー部612の内面とリール装置503との間に位置しているので、払出ブロック6を面替えブロック5に対して閉じた(結合した)場合において、保護カバー部材612内の閉塞された空間に内包される。
払出ブロック6が面替えブロック5に結合された状態では、主制御装置505と保護カバー部材612の背面部との間の距離が狭くなっており、その範囲内ではベース部材600を殆ど回動させることができない。払出ブロック6に対して面替えブロック5が結合されていることにより、保護カバー部612の開口部分が面替えブロック5の前面枠501により覆われている。なお、ベース部と保護カバー部612とは、一体で形成されても良く、各々別体で成形されたネジ等により一体化されるものであっても良い。
上記したように、面替えブロックに設けられた係合フック部材533,534によって面替えブロック5と払出ブロック6とが係合されていると、両者は一体で回動し、また、係合フック部材533,534による係合がなされていない状態では、両者は個別に回動可能となる。また、係合フック部材533,534の係合解除のための操作部位は、払出ブロック6によっては被覆されないが、払出ブロック6をドアブロック4に結合した状態では、ドアブロック4に覆われてしまい外部に露出しない。
このため、払出ブロック6をドアブロック4に結合した状態では、面替えブロック5と払出ブロック6との係合は解除不能となっており、ドアブロック4に対して面替えブロック5及び払出ブロック6を後方に回動させた場合にのみ、係合フック部材533,534の係合を解除することができ、払出ブロック6から分離するように面替えブロック5が回動可能となる。
ここで、ドアブロック4に対して面替えブロック5や払出ブロック6を開放動作させるための軸線は遊技機1の正面視左側に設けられている。この軸線は、面替えブロック5を支持するための軸線と払出ブロック6を支持するための軸線とを兼ねるものとなっている。つまり、面替えブロック5用の支持手段は同軸で上下一対に設けられている。また、払出ブロック6用の支持手段は、面替えブロック5用の支持手段を挟むようにしてやはり同軸で上下一対に設けられている。言い換えれば、払出ブロック6(裏カバー部材601)には、背面側から見て右端部に上下一対の支軸が設けられており、この支軸によって、払出ブロック6は、ドアブロック4に対し回動可能に支持されている。このように、払出ブロック6を、ドアブロック4(前扉体11)及び面替えブロック5に対して後方に回動可能とする支軸を、背面側から見て右端部に設けられていることにより、払出ブロック6の回動基端は、ドアブロック4の回動基端の位置と同じ側となっている。
本遊技機1においては、主制御装置505をリール装置503と保護カバーとの間であって、回動先端側に配設しているので、面替えブロック5と払出ブロック6との連結体を、ドアブロック4に対して開放した後、係合フック部材533,534の係合解除操作を行って更に面替えブロック5を払出ブロック6に対して開放すると、主制御装置505が露出する。
払出機構602は、保護カバー部612を迂回するようにして裏カバー部材601のベース部に取り付けられている。すなわち、払出機構602として、裏カバー部材601の最上部には上方に開口したタンク615が設けられており、タンク615には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク615の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール616が連結され、タンクレール616の下流側には上下方向に延びるケースレール617が連結されている。
ケースレール617の最下流部には、遊技球の払出しを行うための払出装置618が設けられている。払出装置618は、払出制御装置603からの制御信号によって、払出モータが駆動されると共に、該払出モータの駆動によって払出ゲート部材が作動され、必要個数の遊技球の払出を適宜行うものである。払出装置618は、遊技時の入賞等により払い出される遊技機払出機能の他に、メンテナンス時などにおいてケースレール617等に滞留している遊技球を外部に排出するための遊技球排出機能を有している。遊技球排出時には、内部のレバーが払出実行位置から排出実行位置へと切り換えられると共に払出モータが駆動され遊技球の外部排出が実行される。
また、保護カバー部612には、遮蔽カバー675,676が設けられている。遮蔽カバーは、非図示の係止片(第2連動杆の鉤部材が係止する裏カバー部材601に設けられた係止片)を囲むように設けられており、前方のみを開放したボックス状に形成されている。このため、その後方からは指や道具類を差し入れることができないようになっている。従って、ドアブロック4に対して払出ブロック6が閉じられた状態では、施錠装置120の施錠状態(第2連動杆と裏カバー部材(即ち払出ブロック6)との係止状態)が不正に解除されることはなく、不正の抑止効果が得られる。
その他に、裏カバー部材601には、払出ブロック6をドアブロック4に装着した状態で固定するためのロック部材678が設けられている。このロック部材678は、内枠12に設けられた所定の鉤金具に係止される係止片となっており、施錠装置120による施錠を解除した後に、このロック部材の係止状態を解除すれば、ドアブロック4から払出ブロック6を取り外すことができる。
次いで、図7から図22を参照して、主制御基板ケース500、ベース部材600及び封印手段700について説明する。図7は、主制御基板ケース500及びベース部材600の斜視図であり、ベース部材600から主制御基板ケース500が離脱された状態(装着前の状態)が図示されている。
主制御基板ケース500は、CPUやメモリ等の電子部品が実装された主制御基板(図示せず)を収容するための略中空状の箱状体であり、図7に示すように、光透過性材料(本実施の形態では、無色透明な合成樹脂材料)から略直方体形状の箱状体に形成され、その内部に収容した主制御基板を外部から視認可能に構成されている。
ベース部材600は、主制御基板ケース500が装着される台座部材であり、主制御基板ケース500が電子部品の実装面を外方へ向け前面枠80に対して起立した状態で装着される(図3参照)。なお、ベース部材600は、主制御基板ケース500と同様に、光透過性材料(本実施の形態では、無色透明な合成樹脂材料)から構成されている。
ベース部材600には、主制御基板ケース500が一方向(図7上下方向)へスライド可能に装着され、主制御基板ケース500の下方(図7下方)へのスライドにより、主制御基板ケース500がベース部材600から離脱するように構成されている。
主制御基板ケース500及びベース部材600には、これら各部材500,600を取り外し不可能に封印する封印手段(いわゆるかしめ手段)700としてのケース側封印部710及びベース側封印部720が設けられており、これら各部710,720が封印ピン730により連結されることで、封印される。
封印手段700は、破壊等を伴うことで、その開封(主制御基板ケース500をベース部材600から取り外し)が可能となるように構成されている。そのため、開封後には破壊等がなされた形跡が開封履歴として残るため、その開封履歴によって開封事実の確認が可能となっている。なお、封印手段700の詳細構成については、後述する。
次いで、図8から図12を参照して、主制御基板ケース500について説明する。図8(a)は、主制御基板ケース500の正面図であり、図8(b)は、主制御基板ケース500の背面図である。
図9は、主制御基板ケース500の部分拡大正面図であり、基板側封印部710の正面図が図示されている。図10は、主制御基板ケース500の部分拡大背面図であり、基板側封印部710の背面図が図示されている。
また、図11は、主制御基板ケース500の側面図であり、図8(a)の矢印S1方向視に対応する。図12は、図8(a)のS2−S2線における主制御基板ケース500の断面図である。
主制御基板ケース500は、上述したように、主制御基板(図示せず)を収納するための略中空状の箱状体であり、その主制御基板ケース500の上方側(図8(a)上側)には、図8(a)及び図9に示すように、一対の対向壁501a,501bが所定間隔を隔てつつ対向して形成されている。
これら一対の対向壁501a,501b間には、図8(a)及び図9に示すように、複数(本実施の形態では4個)の基板側封印部710が主制御基板ケース500の幅方向(図8左右方向)に沿って略等間隔に配設されている。各基板側封印部710は、薄板状の連結板711a,711bを介して、対向壁501a,501bに連結されている(図23参照)。
基板側封印部710は、後述する封印ピン730(第1ピン750)が貫通される部材であり、図8から図10に示すように、両端が開口する筒状体として構成されると共に、その筒状体の外周面に連結板711a,711bが連結されている。基板側封印部710は、連結板711a,711bを切断することで、主制御基板ケース500から分離される。
基板側封印部710の内周形状は、後述する第1ピン750の外形形状に対応して形成されている。即ち、基板側封印部710の内周形状は、図9及び図10に示すように、断面略円形に形成されると共に、その基板側封印部710の内周面には、一対の案内溝712,712が互いに対向する位置に凹設されている。
これら一対の案内溝712,712は、後述する第1ピン750の第1係止爪754を案内するための部位であり、基板側封印部710の軸方向(図9及び図10紙面垂直方向)に沿って延設されると共に、基板側封印部710の正面側及び背面側(図9紙面手前側及び紙面奥側)の開口にそれぞれ連通されている。
これにより、基板側封印部710に後述する第1ピン750を挿入する場合には、その第1ピン750の第1係止爪754を基板側封印部710の正面側開口から背面側開口まで案内溝712によって案内することができ、かかる第1ピン750の挿入作業を円滑に行うことができる。
また、基板側封印部710の内周面には、図8(a)及び図9に示すように、位置決め凹部713が凹設されている。この位置決め凹部713は、後述する第1ピン750の膨出部758bを受け入れるための部位であり、基板側封印部710の正面側(図9紙面手前側)開口部から基板側封印部710の軸方向(図9紙面垂直方向)に沿って所定距離だけ延設されている。
ここで、基板側封印部710に後述する第1ピン750を挿入する場合には、位置決め凹部713に第1ピン750の膨出部758bが受け入れられることで、基板側封印部710に対して第1ピン750が位置決めされ、封印が適正に行われる。即ち、作業者は、位置決め凹部713に膨出部758bが嵌っているか否かに基づいて、適正な封印が行われたか判断することができる。
基板側封印部710の背面側(図10紙面手前側)は、後述するベース側封印部720との合わせ面となる部位であり、ベース側封印部720の正面側と共に印籠構造を構成する(図23及び図24参照)。即ち、基板側封印部710の背面側(図10紙面手前側)には、図10に示すように、印籠基準面714と、その印籠基準面714の外周側に立設される印籠立設部715と、印籠基準面714の外周側に凹設される印籠凹設部716とが設けられている。
これら印籠基準面714、印籠立設部715及び印籠凹設部716は、ベース部材600に主制御基板ケース500が装着された状態では、後述するベース側封印部720の印籠基準面724、印籠凹設部726及び印籠立設部725にそれぞれ嵌め合わされる。
なお、印籠基準面714は、図10に示すように、円環状に形成されると共に、案内溝712に対応する部位には、径方向外方へ張り出して形成される張出面714aが形成されており、この張出面714aには、第1ピン750の第1係止爪754が係止される(図25参照)。また、印籠基準面714の外周側は、印籠立設部715が張出面714aに対応する範囲まで形成されると共に、その残部に印籠凹設部716が形成されている。
主制御基板ケース500の側方(図8(a)左側)には、複数(本実施の形態では5個)の第1スライダー511が配設されると共に、主制御基板ケース500の背面側(図8(a)紙面奥側、図8(b)下側)には、複数(本実施の形態では3個)の第2スライダー521が配設されている。
これら第1及び第2スライダー511,521は、ベース部材600に配設される第1及び第2スライド案内部611,621(図13参照)にそれぞれ係合する部位であり、部材511,611の係合および部材521,621の係合によって、主制御基板ケース500がベース部材600に対して一方向(図8(a)上下方向)のみに案内される(図27参照)。
また、主制御基板ケース500の側方(図8(a)左側)には、複数(本実施の形態では3個)の第1対向部材531と、複数(本実施の形態では3個)の第2対向部材532とが配設されている。
これら第1及び第2対向部材531,532は、主制御基板ケース500がベース部材600に封印手段700によって封印された場合に、ベース部材600の挿通部612a,613aに対応して位置することで、この挿通部612a,613aに挿通された締結部材800の取り外しを規制するための部材であり(図27参照)、図8、図11及び図12に示すように、主制御基板ケース500に一体に構成されている。
第1及び第2対向部材531,532は、図8、図11及び図12に示すように、主制御基板ケース50の側壁に平行に立設する板状体としてそれぞれ構成されている。第1対向部材531は、第1スライダー511に連設されている。
また、第2対向部材532には、図8、図11及び図12に示すように、所定間隔を隔てつつ対向する一対の遮蔽板532a,532aが立設されている。これら一対の遮蔽板532a,532aは、図11に示すように、主制御基板ケース500のスライド方向(図11左右方向)に沿って延設されている。
ここで、第2対向部材532は、主制御基板ケース500をベース部材600に対して所定位置(第1位置)に配置する場合に、後述するベース部材600の案内保持部材641(図13又は図16参照)に案内及び保持される部位である。即ち、主制御基板ケース500をベース部材600に対して所定位置(第1位置)に配置する場合には、第2対向部材532の側面(図11右側面)が案内保持部材641の側面(図16右側面)に当接されつつスライドされることで、主制御基板ケース500が第1位置へ案内されると共に、当接状態が維持される(案内保持部材641上に第2対向部材532が載置される)ことで、主制御基板ケース500が第1位置に保持される。
次いで、図13から図17を参照して、ベース部材600について説明する。図13(a)は、ベース部材600の正面図であり、図13(b)は、ベース部材600の背面図である。図14は、ベース部材600の部分拡大正面図であり、ベース側封印部720の正面図が図示されている。
図15(a)は、ベース部材600の部分拡大正面図であり、治具部631の正面図が図示されている。図15(b)は、図15(a)のJ1−J1線における治具部631の断面図であり、図15(c)は、図15(b)のJ2−J2線における治具部631の断面図である。
また、図16は、図13(a)のS3−S3線におけるベース部材600の断面図であり、図17は、図13(a)のS4−S4線におけるベース部材600の断面図である。
ベース部材600は、上述したように、主制御基板ケース500が装着される台座部材であり、そのベース部材600の上方側(図13(a)上側)には、図13(a)及び図14に示すように、複数(本実施の形態では4個)のベース側封印部720がベース部材600の幅方向(図13左右方向)に沿って略等間隔に配設されている。
ベース側封印部720は、後述する封印ピン730(第1ピン750の係合部752)が係合される部材であり、図13及び図14に示すように、正面側(図14紙面手前側)が開口すると共に背面側(図14紙面奥側)が閉封された有底の筒状体として構成されている(図23及び図24参照)。
ベース側封印部720の内周形状は、後述する第1ピン750(係合部752)の外形形状に対応して形成されている。即ち、ベース側封印部720の内周形状は、図13及び図14に示すように、断面略円形に形成されると共に、そのベース側封印部720の内周面には、一対の案内溝722,722が互いに対向する位置に凹設されている。
これら一対の案内溝722,722は、後述する第1ピン750の第1係止爪754を案内するための部位であり、基板側封印部710の正面側(図14紙面手前側)開口部からベース側封印部720の軸方向(図14紙面垂直方向)に沿って所定距離だけ延設されている。
また、これら一対の案内溝722,722は、ベース部材600に主制御基板ケース500が装着された状態では、上述した基板側封印部710の一対の案内溝712,712と連通する位置に配置されている。これにより、上述した基板側封印部710に第1ピン750が挿入された場合には、その第1ピン750の第1係止爪754をベース側封印部720の案内溝722によって受け入れると共に案内することができ、かかる第1ピン750の挿入作業を円滑に行うことができる。
更に、これら一対の案内溝722,722は、上述した基板側封印部710の一対の案内溝712,712よりも凹設寸法が深く形成されている。これにより、第1ピン750の第1係止爪754がベース側封印部720の案内溝722内まで挿入された場合には、基板側封印部710の案内溝712により押圧され挿入孔753内へ向けて弾性変形していた第1係止爪754がその弾性復元力により径方向外方へ向けて変位すると共に、この変位によって、第1係止爪754の係止面754aが基板側封印部710の張出面714aに係止される(図25参照)。
ベース側封印部720の正面側(図14紙面手前側)は、上述したように、ケース側封印部710との合わせ面となる部位であり、ケース側封印部710の背面側と共に印籠構造を構成する(図23及び図24参照)。
即ち、ベース側封印部720の正面側(図14紙面手前側)には、図14に示すように、印籠基準面724と、その印籠基準面724の外周側に立設される印籠立設部725と、印籠基準面724の外周側に凹設される印籠凹設部726とが設けられている。これら印籠基準面724、印籠立設部725及び印籠凹設部726は、上述したケース側封印部710の印籠基準面714、印籠凹設部716及び印籠立設部715にそれぞれ嵌め合わされる。
なお、印籠基準面724は、図14に示すように、円環状に形成されると共に、案内溝722に対応する部位には、径方向外方へ張り出して形成される張出面724aが形成されている。この張出面724aは、上述したケース側封印部710の張出面714aとの合わせ面となる部位であり、この張出面724aに対応する範囲には印籠立設部725及び印籠凹設部716が形成されていない。即ち、張出面724aの外周側には、上述したケース側封印部710の印籠立設部715が位置する。
治具部631は、主制御基板ケース500から基板側封印部710が分離された場合に、その基板側封印部710から封印ピン730(第2ピン770)を取り外すための部位であり、ベース部材600から主制御基板ケース500を取り外した場合に露出されるように、ベース部材600の底面601aに形成されている。
治具部631は、図15に示すように、ベース部材600の底面601aからその背面側(図15(b)及び図15(c)下側)に膨出して形成されており、凹設空間632と、立設円筒部634と、架設壁636とを主に備えて構成される。
凹設空間632は、図15に示すように、ベース部材600における底面601aの背面側へ治具部631が膨出することで形成される断面円形の空間であり、主制御基板ケース500に対向する側(図15(b)及び図15(c)上側)が開放されると共に、後述する立設円筒部633によって、内周側空間632aと外周側空間632bとに区画されている。
内周側空間632aは、後述するように、封印ピン730(第1ピン750の係合部752及び第2ピン770の第2係止爪771)が挿入される部位である(図28から図30参照)。立設円筒部634は、図15に示すよう、治具部631の底部633から立設される断面円環状の立設壁であり、立設方向先端側となる先端面634aには、一対の先端凹部635が凹設されている。
先端凹部635は、封印ピン730が内周側空間632aに挿入される場合に、第1ピン750の第1係止爪754を逃がすための空間であり(図28から図30参照)、図15に示すように、互いに対向する位置(即ち、周方向に180度ずれた位置)において、第1係止爪754よりも若干幅広に形成されている。
架設板636は、封印ピン730が内周側空間632aに挿入される場合に、爪係止部755aによる第2係止爪771の係止を解除すると共に、第2ピン770を上方へ押し戻すための部位であり(図28から図30参照)、図15に示すように、立設円筒部634の内周面側に架設され、解除面636aと、押圧面636bとを備える。
解除面636aは、第2係止爪771の傾斜面771bに当接することで、かかる第2係止爪771を両側から押し縮めるための部位であり、図15に示すように、所定間隔を隔てた位置に一対が配設されている。押圧面636bは、第2係止爪771の先端が当接されることで、第2ピン770を上方へ押し戻すための部位であり、解除面636aから底部633側へ後退する位置に配設されている。
このように、露出部631は、主制御基板ケース500をベース部材600に封印した状態では主制御基板ケース500により遮蔽され、ベース部材600から主制御基板ケース500を取り外した場合に露出される構成であるので(図13、図23及び図24等参照)、治具部631が不正に使用されて、封印ピン730が基板側封印部710等から取り外されることを抑制することができると共に、基板側封印部710等から封印ピン730を取り外す際には、その取り外し作業を容易とし、利便性の向上を図ることができる。
即ち、通常の状態では、主制御基板ケース500がベース部材600に装着されることで、治具部631の開放面側が主制御基板ケース500の裏面側によって遮蔽される。更に、通常の状態では、主制御基板ケース500がベース部材600に封印手段700によって封印されているので、主制御基板ケース500を取り外すこともできない。これにより、通常の状態では、治具部631に安易に触れることができないので、治具部631が不正に使用されて、封印ピン730が取り外されることを抑制することができる。
一方、封印ピン730を基板側封印部710等から取り外すのは、基板側封印部710を主制御基板ケース500及びベース部材600から切り離して、封印手段700を解除した場合である。この場合には、主制御基板ケース500がベース部材600から取り外され、図13に示すように、治具部631が露出されるので、この治具部631を簡単に使用することができる。これにより、基板側封印部710から封印ピン730を取り外す作業を容易として、利便性の向上を図ることができる。
ここで、ベース部材600は、底面601aの背面側に立設されるリブ板(図示せず)を備え、底面601aの背面側(図15(b)及び図15(c)下側)に膨出して形成された治具部631がリブ板によって取り囲まれるように構成されている。これにより、治具部631をリブ板によって遮蔽して、外部から安易に触れられることを困難とすることができるので、治具部631が不正に使用されて、封印ピン730が基板側封印部710等から取り外されることを抑制することができる。
また、図15(b)及び図15(c)に示すように、治具部631を底面601の背面側(図15(b)及び図15(c)下側)に膨出させる構成とすることで、底面601の前面側に突起物が形成されることを回避して、主制御基板ケース500との対向間隔を狭くすることができる。これにより、治具部631を安易に触れられないようにすることができると共に、ベース部材600と主制御基板ケース500との取付け構造(特に、これら両部材500,600の対向面側の構造)を簡素化して、製造コストの削減と小型化とを図ることができる。
なお、治具部631を使用した封印ピン730の取り外し方法については、図28から図30を参照して後述する。
ベース部材600の上方及び両側(図13(a)上側及び左右)には、底面601aから側壁601b,601c,601dがそれぞれ立設されると共に、互いに対向する側壁601c,601dの一方には、複数(本実施の形態では5個)の第1スライド案内部611が配設されると共に、他方には複数(本実施の形態では3個)の第2スライド案内部621が配設されている。
これら第1及び第2スライド案内部611,621は、上述したように、主制御基板ケース500に配設される第1及び第2スライダー511,521(図8参照)にそれぞれ係合する部位であり、部材511,611の係合および部材521,621の係合によって、主制御基板ケース500がベース部材600に対して一方向(図13(a)上下方向)のみに案内される(図27参照)。
ここで、第1案内部611の一部(本実施の形態では図13(a)の上方から2番目、3番目及び5番目)に対応する位置には、図16及び図17に示すように、取付け部612,613が形成されている。これら取付け部612,613は、ベース部材600を前面枠501へ取り付ける際にその前面枠501に当接される部位であり(図27参照)、円筒状に形成されると共に、側壁601cの外方へ突出して形成されている。
取付け部612,613の内周側には、図16及び図17に示すように、挿通部612a,613aが連通されている。この挿通部612a,613aは、ベース部材600を前面枠501に締結固定するための締結部材800が挿通される部位であり(図27参照)、側壁601cを貫通して形成されている。
このように、ベース部材600の前面枠501への取付けは、締結部材800による締結固定で行う構成であるので、ベース部材600を前面枠501に強固に装着することができると共に、その取付けコストの抑制を図ることができる。なお、本実施の形態では、前面枠501に形成されためねじ部に螺合されるおねじ部を有するねじ部材により締結部材800を構成したが、例えば、いわゆるタッピングねじ、破断トルクねじ、ワンウェイねじ等により構成しても良い。
ここで、挿通部612a,613aに対応する位置には、ベース部材600に主制御基板ケース500が封印手段700により封印された場合に、上述した主制御基板ケース500の第1及び第2対向部材531,532が配置され、これにより、挿通部612a,612bに挿通された締結部材800の取り外しが規制される(図27参照)。
また、挿通部612a,613aの側方には、図13及び図16に示すように、案内保持部材641が立設されている。この案内保持部材641は、ベース部材600に対して主制御基板ケース500を所定位置(第1位置)に配置する場合に、主制御基板ケース500の第2対向部材532を案内及び保持するための部材であり、ベース部材600の底面601aと側壁601cとを連結する板状体として構成されている。
次いで、図18から図22を参照して、封印ピン730について説明する。図18(a)及び図18(b)は、封印ピン730の斜視図である。なお、図18(a)では第1ピン750に第2ピン770が挿入される前の状態が、図18(b)では第1ピン750に第2ピン770が挿入された後の状態が、それぞれ図示されている。
図19(a)は、後端面756視における第1ピン750の正面図であり、図19(b)は、第1ピン750の側面図である。また、図20(a)は、第1ピン750の側面図であり、図20(b)は、先端面755視における第1ピン750の背面図である。
なお、図19(a)及び図19(b)は、それぞれ図18(b)の矢印A方向視及び矢印B方向視に対応し、図20(a)及び図20(b)は、それぞれ図18(b)の矢印C方向視及び図20(a)の矢印D方向視に対応する。
図21(a)は、後端面775視における第2ピン770の正面図であり、図21(b)は、第2ピン770の側面図である。また、図22(a)は、第2ピン770の側面図であり、図22(b)は、先端面視における第2ピン770の背面図である。
なお、図21(a)及び図21(b)は、それぞれ図18(b)の矢印A方向視及び矢印B方向視に対応し、図22(a)及び図22(b)は、それぞれ図18(b)の矢印C方向視及び図22(a)の矢印E方向視に対応する。
封印ピン730は、上述した基板側封印部710及びベース側封印部720と共に封印手段700を構成すると共に、これら両封印部710,720を連結するための部材であり、図18に示すように、第1ピン750と、その第1ピン750に挿入される第2ピン770とを備える。
第1ピン750は、基板側封印部710を貫通した状態でベース側封印部720に係合される部材であり(図24及び図25参照)、光透過性材料(本実施の形態では、有色透明な合成樹脂材料)から略筒状の棒状体として形成され、その内部(挿入孔753)に挿入された第2ピン770を外部から視認可能に構成されている。
第1ピン750は、図18から図20に示すように、貫通部751と、係合部752と、挿入孔753と、第1係止爪754とを主に備える。貫通部751は基板側封印部710に貫通される部位であると共に、係合部752はベース側封印部720に係合される部位であり、これら貫通部751と係合部752とは、同軸状に接続されている。
挿入孔752は、第2ピン770が挿入される部位であり、図18から図20に示すように、貫通部751から係合部752にかけて貫通形成される断面略円形の貫通孔である。即ち、挿入孔752は、第1ピン750の後端面756及び先端面755にそれぞれ開口されている。
第1係止爪754は、基板側封印部710の張出面714a(図10参照)に係止される部位であり、図18から図20に示すように、第1ピン750の側面に開口形成された一対の開口部757内にそれぞれ1個ずつ計2個が配設され、この開口部757内において変位可能に構成されている。
即ち、図18から図20に示すように、開口部757は、挿入孔753に連通され、第1係止爪754は、一端側(図19(b)及び図20(a)左側)のみが開口部757の周縁に片持ち支持されると共に、他端側(図19(b)及び図20(a)右側)が自由端となる片持ち梁構造として構成されている。
これにより、第1係止爪754は、その一端側を支点としつつ、他端側を挿入孔753内へ入り込む方向又は挿入孔751から離れる方向(図19(b)紙面垂直方向、図20(a)上下方向)へ揺動可能となる。なお、後述するように、挿入孔753内に第2ピン770が挿入された場合には、この第2ピン770によって、第1係止爪754の挿入孔753内へ入り込む方向(即ち、第1係止爪754の係止が解除される方向)への変位(揺動)が規制(拘束)される。
第1係止爪754の他端側(図19(b)及び図20(a)右側)には、図18から図20に示すように、外方へ張り出して形成される係止面754aと、その係止面754aの張り出し側から他端側へ向けてテーパー状に傾斜する傾斜面754bとが形成されている。
第1ピン750が基板側封印部710に挿入されると、第1係止爪754の傾斜面754bが基板側封印部710の案内溝712によって押圧されることで、第1係止爪754が挿入孔753内へ入り込む方向へ変位される。そして、第1ピン750が更に挿入されて、傾斜面754bがベース側封印部720の案内溝722に到達する(係止面754aを通過する)と、第1係止爪754が弾性復元力により挿入孔753から離れる方向へ変位し、係止面754aが張出面714aに係止される(図25参照)。
第1ピン750の貫通部751には、図18から図20に示すように、挿通孔753の内周面に凹部758aが凹設され、この凹部758の凹設により、第1品750(貫通部751)の外周面側には、膨出部758bが径方向外方へ膨出して形成されている。
凹部758aは、図18に示すように、後述する第2ピン770の凸部773を受け入れるための部位であり、第1ピン750の後端面756から軸方向(図19(a)紙面垂直方向、図20(b)左右方向)に沿って所定距離だけ延設されている。
また、膨出部758bは、上述した基板側封印部710の位置決め凹部713(図9参照)に嵌め込まれる部位であり(図25参照)、図20(b)に示すように、第1ピン750の軸方向視において、第1係止爪754と重なる位置に配設されると共に、第1係止爪754よりも若干幅寸法(図20(b)左右方向寸法)が大きな寸法に形成されている。
また、第1ピン750の貫通部751には、一対のスリット759,759が形成されている。このスリット759は、図18に示すように、後述する第2ピン770の嵌合部774を受け入れるための部位であり、凹部758aから略90度だけ周方向へずれた位置において、第1ピン750の後端面756から軸方向(図19(a)紙面垂直方向、図20(b)左右方向)に沿って所定距離だけ延設されている。
第1ピン750の係合部752には、図18から図20に示すように、一対の爪係止部755a,755aが形成されている。この爪係止部755aは、図18に示すように、後述する第2ピン770の第2係止爪771を係止するための部位であり、第1ピン750の先端面755に形成されている。
なお、第1ピン750の先端面755は、図18から図20に示すように、爪係止部755aがその爪係止部755aを除く部位(残部755b)に対して後端面756側(図20(a)左側、図20(b)紙面奥側)へ後退して形成されている。
また、第1ピン750の係合部752には、一対のスリット760,760が形成されている。このスリット760は、係合部752を拡径させることで、挿入孔753に挿入された第2ピン770を抜き取る際の作業性の向上を図るための部位であり(図31参照)、図18から図20に示すように、爪係止部755aと一致する位置において、その爪係止部755aから軸方向(図20(a)左右方向、図19(b)紙面垂直方向、)に沿って所定距離(本実施の形態では、開口部757と側面視において重なる位置まで)だけ延設されている。
第2ピン770は、図18に示すように、第1ピン750の挿入孔753に挿入される部材であり(図26参照)、光非透過性材料(本実施の形態では、有色非透明な合成樹脂材料)から有底円筒状の棒状体として形成されると共に、図18から図20に示すように、第2係止部771と、変位規制部772と、凸部773と、嵌合部774とを主に備える。
第2係止爪771は、第1ピン750の爪係止部755aに係止される部位であり、図18、図21及び図22に示すように、第2ピン770の先端側(図21(b)及び図22(a)右側)に計2個が所定間隔を隔てつつ互いに対向して配設されている。
この第2係止爪771は、一端側(図21(b)及び図22(a)左側)のみが片持ち支持されると共に、他端側(図21(b)及び図22(a)右側)が自由端となる片持ち梁構造として構成されている。これにより、一対の第2係止爪771,771は、その一端側を支点としつつ、他端側を互いに近づく方向又は離れる方向(図21(b)上下方向、図22(a)紙面垂直方向)へ揺動可能となる。
第2係止爪771の他端側(図21(b)及び図22(a)右側)には、図18、図21及び図22に示すように、外方へ張り出して形成される係止面771aと、その係止面771aの張り出し側から他端側へ向けてテーパー状に傾斜する傾斜面771bとが形成されている。
第2ピン770が第1ピン750の挿入孔753に挿入されると、第2係止爪771の傾斜面771bが挿入孔753の内周面によって押圧されることで、第2係止爪771が倒れ込みむと共に、第2ピン770が更に挿入されて、傾斜面754bが第1ピン750の爪係止部755aを通過すると、第2係止爪771の倒れ込みが弾性復元力により回復して、係止面771aが爪係止部755aに係止される(図25参照)。
変位規制部772は、第2ピン770が第1ピン750の挿入孔753に挿入された場合に、その第1ピン750の第1係止爪754の変位を規制(拘束)するための部位であり、挿入孔753の内径に対応する外径を有する棒状体として構成され、第2係止爪771の基部側(一端側)に接続されている。
第2ピン770が第1ピン750の挿入孔753に挿入されると共に、第2係止爪771が第1ピン750の爪係止部755aに係止されると、変位規制部772は、第1ピン750の開口部757を臨む位置、即ち、第1係止爪754の裏面側に配置される。これにより、第1係止爪754を挿入孔753内へ入り込む方向へ変位(揺動)させようとした場合には、第1係止爪754の裏面側が変位規制部772に当接されることで、その変位(揺動)を規制(拘束)することができる。
凸部773は、第1ピン750の凹部758aに嵌り込むことで、第1ピン750に対する第2ピン770の位置決めを行うための部位であり、図18、図21及び図22に示すように、第2ピン770の外周面側から径方向外方へ張り出して形成されると共に、第2ピン770の後端面775から軸方向(図21(a)紙面垂直方向、図22(a)左右方向)に沿って所定距離(凹部758aに対応する長さ)だけ延設されている。
嵌合部774は、第1ピン750のスリット759に嵌り込むことで、基板側封印部710の内周面との間に隙間が形成されることを抑制するための部位であり、図18、図21及び図22に示すように、第2ピン770の外周面側から一対が径方向外方へ張り出して形成されている。
この嵌合部774は、図18、図21及び図22に示すように、第2ピン770の後端面775から軸方向(図21(a)紙面垂直方向、図22(a)左右方向)に沿って所定距離(スリット759に対応する長さ)だけ延設されると共に、第2ピン770の軸方向視において、第2係止爪771と重なる位置に配設されている。
第2ピン770の後端面775側には、図18、図21及び図22に示すように、径方向外方へフランジ状に張り出す閉封部776が形成されている。この閉封部776は、第1ピン750の挿入孔753内に嵌り込むことで、挿入孔753の内周面との間に隙間が形成されることを抑制するための部位であり、正面視円形に形成されている。
なお、閉封部756の厚み寸法(図21(b)及び図22(a)左右方向寸法)は、凸部773及び嵌合部774の延設寸法(図21(b)及び図22(a)左右方向寸法)よりも短くされている。これにより、第2ピン770が第1ピン750の挿入孔753に挿入された場合に、挿通孔753へ閉封部774を無理なく嵌め込むことができる。
次いで、以上のように構成された封印手段700(基板側封印部710、ベース側封印部720及び封印ピン730)を用いて、主制御基板ケース500をベース部材600に対して取り外し不可能に封印する構成について説明する。
図23及び図24は、主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図であり、図23では主制御基板ケース500がベース部材600に対してスライド移動される前の(即ち、第1位置に配置された)状態が、図24では主制御基板ケース500がベース部材600に対してスライド移動されこれらが封印可能位置(第2位置)に配置された状態が、それぞれ図示されている。なお、図23及び図24は、図9及び図14のL−L線における主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図に対応する。
同様に、図25及び図26は、主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図であり、図25では主制御基板ケース500がベース部材600に対してスライド移動されこれらが第1ピン750のみに連結された状態が、図26では封印位置に配置された主制御基板ケース500及びベース部材600が封印ピン730により連結された状態が、それぞれ図示されている。なお、図25及び図26は、図9及び図14のW−W線における主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図に対応する。
また、図27は、主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図であり、主制御基板ケース500がベース部材600に封印手段700により封印された状態が図示されている。なお、図27は、図12及び図17と同様に、図8及び図13のS2−S2線及びS4−S4線における主制御基板ケース500及びベース部材600の断面図に対応する。
ベース部材600に主制御基板ケース500を封印するに際しては、まず、図23に示すように、主制御基板ケース500をベース部材600に対して第1位置へ配置する。これにより、ベース部材600の底面601aに主制御基板ケース500が当接されると共に、ベース部材600の第1及び第2スライド案内部611,621(図13参照)へ主制御基板ケース500の第1及び第2スライダー511,521(図8参照)が係合可能となる。
そこで、主制御基板ケース500をベース部材600に対してスライドさせることで、これら各部材511,611等が係合され、主制御基板ケース500をベース部材600に対して一方向のみに案内させることができるので、その案内方向に沿って主制御基板ケース500を更にスライドさせることで、図24に示すように、主制御基板ケース500及びベース部材600を封印可能位置(第2位置)へ配置することができる。
なお、このように、図24に示す封印可能位置(第2位置)では、第1及び第2スライダー511,521が第1及び第2スライド案内部611,621に係合されていることで、主制御基板ケース500がベース部材600から離間する方向(図24上下方向)へ移動することを規制(拘束)することができる。同様に、上記部材511,611等の係合によって、主制御基板ケース500の他の方向(図24右方向及び紙面垂直方向)への移動も規制(拘束)することができる。
即ち、主制御基板ケース500は、図24に示す封印可能位置では、ベース部材600に対して、上記した一方向における復路側(図24左側)への移動のみが可能であるということなので、この復路側への移動を規制(拘束)することができれば、主制御基板ケース500をベース部材600に取り外し不可能に封印することができる。
そこで、本実施の形態では、基板側封印部710とベース側封印部720とを封印ピン700(第1及び第2ピン710,720)によって連結することで、主制御基板ケース500をベース部材600に対して取り外し不可能に封印する。
具体的には、主制御基板ケース500及びベース部材600を封印可能位置へ配置した後は、まず、第1ピン750の第1係止爪754を基板側封印部710の案内溝712に案内させつつ、第1ピン750を基板側封印部710へ挿入することで、第1ピン750の膨出部758bを基板側封印部710の位置決め凹部713に嵌め込む。
これにより、図25に示すように、基板側封印部710に対する第1ピン750の位置決めを行うことができ、第1ピン750の第1係止爪754(係止面754a)を基板側封印部710の張出面714aに適正に係止させることができる。
その結果、第1ピン750は、図25に示すように、貫通部751(図18参照)を基板側封印部710に貫通させると共に係合部752をベース側封印部720(図18)に係合させることで、これら両封印部710,720を連結して、主制御基板ケース500をベース部材600に対して取り外し不可能に封印する。
図25に示すように、第1ピン750の挿入が完了した後は、次いで、第1ピン750の挿入孔753へ第2ピン770を挿入し、第2ピン770の嵌合部774を第1ピン750のスリット759に嵌め込むと共に、第2ピン770の凸部773を第1ピン750の凹部758aに嵌め込む。
これにより、図26に示すように、第1ピン750に対する第2ピン770の位置決めを行うことができ、その第2ピン770の第2係止爪771(係止面771a)を第1ピン750の爪係止部755aに適正に係止させることができる。
その結果、図26に示すように、第2ピン770の変位規制部772を第1係止爪754の裏面側に配置させることができる。よって、第1係止爪754を操作して、張出面714aによる係止面754aの係止を解除しようとしても、第1係止爪754の裏面側を変位規制部772に当接させ、第1係止爪754の変位(揺動)を規制(拘束)することができるので、第1ピン750の抜き取りを不可能とすることができるので、ベース部材600に対する主制御基板ケース500の封印を確実に行うことができる。
ここで、上述したように、基板側封印部710及びベース側封印部720は、無色透明な合成樹脂材料から構成されているので、図26に示すように、第1ピン750が基板側封印部710及びベース側封印部720によって遮蔽されている場合であっても、かかる基板側封印部710及びベース側封印部720を介して、第1ピン750の第1係止爪754の状態を視認することができる。
また、第1ピン750は、有色透明(即ち、無色透明よりも光透過性が低い特性)の合成樹脂材料から構成されているので、基板側封印部710及びベース側封印部720を介してであっても、第1ピン750の状態を視認し易くすることができる。
更に、第2ピン770は、有色非透明(即ち、有色透明よりも更に光透過性が低い特性)の合成樹脂材料から構成されているので、図26に示すように、第2ピン770が基板側封印部710及びベース側封印部720と第1ピン750とに遮蔽されている場合であっても、これら基板側封印部710及びベース側封印部720と第1ピン750とを介して、第2ピン770の状態を視認し易くすることができる。
これにより、不正な操作等が第1又は第2ピン750,770に対して外部から施されていないかの確認を行う際には、かかる確認作業をベース部材600に主制御基板ケース500を封印した状態のままで行うことができる。
以上のように、主制御基板ケース500がベース部材600に封印手段700(基板側封印部710、ベース側封印部720及び封印ピン730)により取り外し不可能に封印されると、図27に示すように、主制御基板ケース500の第1及び第2対向部材531,532がベース部材600の挿通部612a,613aと対向する位置に配置させることができる。
これにより、挿通部612a,613aに挿通された締結部材800の取り外しを第1及び第2対向部材531,532によって阻止して、ベース部材600を前面枠501から取り外せないようにすることができる。その結果、ベース部材600に設けられた治具部631の利用を困難とすることができるので、かかる治具部631が不正に使用されて、封印ピン730が取り外されることを抑制することができる。
次いで、封印手段700(基板側封印部710、ベース側封印部720及び封印ピン730)による封印を解除して、主制御基板ケース500をベース部材600から取り外すと共に、封入ピン730を取り外す(回収する)ための構成について説明する。
図28から図30は、治具部631の使用方法を説明する部分断面模式図であり、図28では封印ピン730を治具部631に当接させる前の状態が、図29では爪係止部755aによる第2係止爪771の係止が解除された状態が、図30では第2ピン770が取り外された状態が、それぞれ図示されている。
主制御基板ケース500をベース部材600から取り外すに際しては、まず、連結板711a,711bを切断することで、基板側封印部710と主制御基板ケース500の対向壁501a,501b(図9参照)との連結を解除する。これにより、図28に示すように、基板側封印部710を封印ピン730(第1及び第2ピン770,770)と共に主制御基板ケース500及びベース部材600から切り離して分離させることができる。
次いで、切り離した基板側封印部710及び封印ピン730(以下、「切り離し部品」と称す。)の先端面755側を、図28に示すように、治具部631の内周側空間632a(図15参照)内へ向けて押し込む。この場合、切り離し部品の回転方向位置は、治具部631に対して、第2係止爪771の係止面771aが架設板636の解除面636aに当接する位置に設定される。
第2係止爪771の係止面771aが架設板636の解除面636aに当接可能となった図28に示す状態から、切り離し部品を治具部631へ向けて押し込むと、この押し込み操作に伴って、第2係止爪771の傾斜面771bが解除面636aに当接され、その解除面636aによって第2係止爪771が両側から押し縮められることで、図29に示すように、爪係止部755aによる第2係止爪771(係止面771a)の係止が解除される。
同時に、第2係止爪771の先端(図29下側端)が、図29に示すように、治具部631の押圧面636bに当接されることで、第2ピン770の変位が規制される。これにより、図29に示す状態から切り離し部品を治具部631へ向けて更に押し込むと、押圧面636bへの当接によって第2ピン770の変位が規制されつつ、第1ピン750は内周側空間632a(図15参照)内へ押し込まれる。
その結果、第2係止爪771が押し縮められた状態のまま挿入孔753内を押し込み方向とは反対方向(図30上方向)へ向けて押し戻され、図30に示すように、第2ピン770が後端面775側が切り離し部品(基板側封印部710)の上端面から突出される。このように、治具部631を使用することで、第1ピン750の爪係止部755aによる第2係止爪771の係止を解除して、第1ピン750の挿入孔753から第2ピン770を容易に抜き取ることができる。
なお、第2ピン750の抜き取りに伴って、かかる第2ピン770の変位規制部772によって変位が規制されていた第1ピン750の第1係止爪754を変位可能な状態とすることができるので、基板側封印部710の張出面714aによる第1係止爪754の係止面754aの係止を解除して、第1ピン750を基板側封印部710から容易に抜き取ることができる。
以上のように、本発明によれば、封印手段700(基板側封印部710、ベース側封印部720及び封印ピン730)による封印がなされた場合には、封印ピン730(第1ピン及び第2ピン750,770)の抜き取りを困難として、ベース部材600に対する主制御基板ケース500の封印を確実に行うことができる。その一方で、連結板711a,711bが切断された場合には、基板側封印部710からの封印ピン730(第1ピン及び第2ピン750,770)の抜き取りを容易として、封印ピン730を再利用する際の作業性の向上を図ることができる。
なお、封入ピン730の取り外しは、必ずしも治具部631を使用する必要はなく、これを使用せずに行うことも当然可能である。治具部631を使用しない場合について、図31を参照して説明する。図31は、連結板711a,711bが切断されることで主制御基板ケース500から分離された基板側封印部710の断面図であり、第2ピン770の第2係止爪771の係止を解除した状態が図示されている。なお、図31は、図9のW−W線における主制御基板ケース500(基板側封印部710)の断面図に対応する。
上述したように、連結板711a,711bを切断することで、図31に示すように、基板側封印部710を第1及び第2ピン770,770と共に主制御基板ケース500及びベース部材600から分離させることができる。これにより、ベース側封印部600によって遮蔽されていた第2ピン770の第2係止爪771が外部に露出されるので、爪係止部755aによる第2係止爪771の係止を解除することで、第1ピン750の挿入孔753から第2ピン770を抜き取る。
ここで、第1ピン750から第2ピン770を抜き取る際には、第1ピン750の爪係止面755aによる第2係止爪771の係止を解除すると共に、この第2係止爪771を第1ピン750の挿入孔753内へ押し入れる必要がある。
この場合、第1ピン750には、一対のスリット760,760が先端面755(爪係止部755a)から軸方向に延設されており(図21参照)、かかるスリット760の効果によって、図31に示すように、第1ピン750の先端面755側を拡径させることができるので、第2係止爪771を第1ピン750の挿入孔753内への押し入れを容易として、第2ピン770の抜き取り作業性の向上を図ることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態で挙げた数値(例えば、各構成の数量や寸法・角度など)は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
上記実施の形態では、主制御基板を収容する主制御基板ケース500とベース部材600とを封印手段700により封印する場合を説明したが、封印手段700による封印の適用対象は必ずしもこれに限られるものではなく、他の対象に適用することは当然可能である。
他の対象としては、例えば、他の制御基板(例えば、表示制御基板や払出制御基板など)を収納する基板ケースとベース部材とを封印対象としても良く、或いは、基板ケース自体を封印対象としても良い。
以下に、本発明の遊技機および変形例を示す。請求項1から10のいずれかに記載の遊技機において、取付対象に対して回動可能に設けられ、遊技機前面部を構成する遊技機前面体と、その遊技機前面体の前面に設けられ遊技球を貯留する球受け皿と、その球受け皿に貯留された遊技球を取り込む取込手段と、前記球受け皿に遊技球を払い出す払出手段と、周方向に周回すると共に、その周方向に複数種の絵柄が配設された周回体を複数有してなる周回体ユニットと、前記遊技機前面体の前面に設けられ前記各周回体の回転に伴う絵柄の変動表示を視認可能とする窓部と、前記各周回体の回転を開始させるべく操作される始動操作手段と、前記各周回体の回転を停止させるべく操作される停止操作手段と、前記取込手段により予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ前記始動操作手段が操作された場合に前記各周回体の回転が開始され、前記停止操作手段が操作された場合に前記各周回体の回転が停止されるように制御し、さらに停止後の停止絵柄に応じて前記払出手段による遊技球の払い出しが実行されるように制御する制御基板装置とを備えた遊技機であって、前記遊技機前面体及び前記周回体ユニットのそれぞれに対して後方に回動可能であると共に、回動基端の位置が前記遊技機前面体の回動基端の位置と同じ側となるように設けられた払出用ベース体を有し、その払出用ベース体の背面に前記払出手段を搭載して構成された払出ユニットを備え、更に、前記周回体ユニットを前記各周回体が前記遊技機前面体の背面に対して後方に突出するように取り付け、前記払出用ベース体には、後方へ膨出し、前記払出用ベース体を前記周回体ユニットに対して閉鎖した場合には周回体ユニットを収容する周回体収容部を設け、前記制御基板装置を、前記周回体ユニットと前記周回体収容部の内面との間であって、前記遊技機前面体及び前記払出用ベース体の回動先端側となる前記周回体ユニットの側方位置に配置し、前記払出用ベース体を前記周回体ユニットに対して開放した場合には、周回体ユニットの側方位置にある前記制御基板装置を露出させるようにしたことを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、取込手段に予め定められた数の遊技球が取り込まれ、且つ始動操作手段が操作された場合に各周回体の回転が開始される。この各周回体の回転は停止操作手段が操作された場合に停止され、その停止後の停止絵柄に応じて払出手段により球受け皿に対して遊技球が払い出される。そして、これら各周回体の回転や遊技球の払い出しは、制御基板装置による制御に基づいて実行される。
また、遊技機前面体の背面には払出ユニットが取り付けられており、当該払出ユニットの払出用ベース体の背面に払出手段が搭載されている。すなわち、払出手段が遊技機の最背面側にある。よって、遊技機が設置される島設備からの払出手段に対する遊技球の供給が円滑に行われる。更に、かかる構成において、払出用ベース体には後方へ膨出する周回体収容部が設けられており、当該周回体収容部内に周回体ユニットが収容されている。よって、島設備から供給される遊技球が払出手段に補充されずに散乱したとしてもその遊技球の周回体ユニットへの衝突が阻止される。
この場合に、制御基板装置は周回体ユニットと周回体収容部との内面との間、即ち、制御基板装置は遊技機前面体の背面側にて払出ユニットの払出用ベース体に収容された状態で配置されている。そして、払出ユニットは施錠装置により遊技機前面体に施錠されている。したがって、制御基板装置を取り出して不正を行おうとしても施錠装置を解錠する必要が生じ、かかる不正行為を行いづらくなる。
また、上記の通り、制御基板装置は周回体ユニットと周回体収容部の内面との間に配置されている。従って、不正用治具を遊技機前面体の背面側に挿入し制御基板装置に対して不正を行おうとしても周回体ユニットと周回体収容部の内面との間のスペースは比較的狭いため、不正用治具の挿入作業が行いづらくなる。以上より、制御基板装置に対する不正行為の抑制を図ることができる。