JP2013060143A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部環境に応じて、車両起動時にエンジンが起動することを抑制することができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】乗員などの操作者の操作によって車両が駐車状態から走行状態に起動したとき、吹出モードがデフモードであり、かつ外気温が所定温度以上の場合には、圧縮機41を駆動させるとともに、エンジン50の要求信号の出力を禁止する(エンジン禁止フラグ=1に設定)ように制御される。外気温が所定温度以上の場合、エンジン50の冷却水温および窓ガラス49aの温度は、ほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、デフモード時にエンジン50の起動要求を許可しなくとも、既存の冷却水の熱源によって窓曇りを除去することができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、車載用蓄電装置を搭載した車両の車室内を空調する車両用空調装置に関する。
従来、ハイブリット自動車の空調装置における暖房制御では、まず、内気センサおよび外気センサからのセンサ信号等に基づいて、水温センサにて検出したエンジンの冷却水温が低くても、車室内を暖房する必要があるか否かを判定している。そして、車室内を暖房する必要があると判定した場合には、ハイブリッド自動車の運転状態が発進時または低速走行時であっても、エンジンを作動させることにより、エンジンのウォータジャケット内で暖められた冷却水をヒータコア内に供給して、車室内を暖房するようにしている(たとえば特許文献1参照)。
特開2008−174042号公報
前述の従来技術では、温風が必要な場合、車載用蓄電装置の蓄電量にかかわらず車両起動時にエンジンを起動する。したがって、満充電であっても外部環境などにかかわらずエンジンを起動するので、乗員に与える違和感が大きく、さらに充電電力が空調に用いられるので走行に用いる量が減ってしまい燃費が悪化するという問題がある。
そこで、本発明は前述の問題点を鑑みてなされたものであり、外部環境に応じて、車両起動時にエンジンが起動することを抑制することができる車両用空調装置を提供することを目的とする。
本発明は前述の目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明では、車載用蓄電装置が搭載される車両において、サイクル(1)の冷媒流れおよび車両に搭載されるエンジン(50)の起動を制御することによって車室内を空調する車両用空調装置(100)であって、
一方側に空気取入口(11,12)が形成され、他方側に車室内に向かう空気が通過する複数の吹出口(18a〜20a)が形成される空調ケース(10)であって、空気取入口と吹出口との間に送風空気が通過する通風路を内部に有する空調ケースと、
空調ケースの通風路に対して空気を送風する空調用送風機(14)と、
車載用蓄電装置の電力を動力源の1つとし、サイクルを循環する冷媒を吸入し吐出する圧縮機(41)と、
空調ケース内に設けられ、サイクルを循環する冷媒が蒸発して車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、
空調ケース内に設けられ、エンジンの冷却水を熱源として、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器(34)と、
車室外の外気温を検出する外気温検出手段(72)と、
圧縮機の冷媒吐出量、およびエンジンの起動および停止を要求する制御手段(61)と、を含み、
制御手段は、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態に起動したとき、送風空気の吹出モードが車両の窓曇りを除去する防曇モードであり、かつ外気温が所定温度以上の場合には、圧縮機を駆動させるとともに、エンジンの起動を要求する要求信号の出力を禁止することを特徴とする車両用空調装置である。
請求項1に記載の発明に従えば、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行状態に起動したとき、吹出モードが防曇モードであり、かつ外気温が所定温度以上の場合には、圧縮機を駆動させるとともに、エンジンの要求信号の出力を禁止するように制御される。従来、防曇モードの場合には、車両を走行状態にすると、外部環境にかかわらずエンジンの起動を要求する起動信号を出力して、熱源を確保して窓曇りを除去している。熱源を確保するのは、防曇モードの場合、吹出温が高いほうが窓の温度を上昇させるができ有利であるからである。しかし、外気温が所定温度以上の場合、エンジンの冷却水温および窓の温度は、ほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、防曇モード時にエンジンの起動要求を許可しなくとも、既存の冷却水の熱源によって窓曇りを除去することができる。したがって圧縮機を車載用蓄電装置の電力を用いて作動させて除湿することで、窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、および電力の有効利用ができる。
また請求項2に記載の発明では、車載用蓄電装置が搭載される車両において、サイクル(1)の冷媒流れおよび車両に搭載されるエンジン(50)の起動を制御することによって車室内を空調する車両用空調装置(100)であって、
一方側に空気取入口(11,12)が形成され、他方側に車室内に向かう空気が通過する複数の吹出口(18a〜20a)が形成される空調ケース(10)であって、空気取入口と吹出口との間に送風空気が通過する通風路を内部に有する空調ケースと、
空調ケースの通風路に対して空気を送風する空調用送風機(14)と、
車載用蓄電装置の電力を動力源の1つとし、サイクルを循環する冷媒を吸入し吐出する圧縮機(41)と、
空調ケース内に設けられ、サイクルを循環する冷媒が蒸発して車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、
空調ケース内に設けられ、エンジンの冷却水を熱源として、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器(34)と、
車室内の内気温を検出する内気温検出手段(71)と、
日射量を検出する日射量検出手段(73)と、
圧縮機の冷媒吐出量、およびエンジンの起動および停止を要求する制御手段(61)と、を含み、
制御手段は、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態に起動したとき、送風空気の吹出モードが車両の窓曇りを除去する防曇モードであり、かつ内気温が所定温度以上であり、かつ日射量が所定量以上の場合には、圧縮機を駆動させるとともに、エンジンの起動を要求する要求信号の出力を禁止することを特徴とする車両用空調装置である。
請求項2に記載の発明に従えば、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行状態に起動したとき、吹出モードが防曇モードであり、かつ内気温が所定温度以上であり、かつ日射量が所定量以上の場合には、圧縮機を駆動させるとともに、エンジンの起動を要求する要求信号の出力を禁止するように制御される。従来、防曇モードの場合には、車両を走行状態にすると、外部環境にかかわらずエンジンの起動を要求する起動信号を出力して、熱源を確保して窓曇りを除去している。熱源を確保するので、防曇モードの場合、吹出温が高いほうが窓の温度を上昇させるができ有利であるからである。しかし、内気温が所定温度以上であり、かつ日射量が所定量以上の場合、エンジンの冷却水温および窓の温度は、ほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、防曇モード時にエンジンの起動要求を許可しなくとも、既存の冷却水の熱源によって窓曇りを除去することができる。したがって車載用蓄電装置を用いて圧縮機を作動させて除湿することで、窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、および電力の有効利用ができる。
さらに請求項3に記載の発明では、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作によって吹出モードを防曇モードから内気を循環する内気導入モードへの切り替えを禁止することを特徴とする。
請求項3に記載の発明に従えば、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作によって吹出モードを防曇モードから内気を循環する内気導入モードへの切り替えを禁止する。内気導入モードは、外気を導入する外気導入モードに比べて防曇用の吹出風の湿度が上昇し、窓曇りが発生しやすくなる。したがって内気導入モードを禁止することによって、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
さらに請求項4に記載の発明では、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による圧縮機の作動停止を禁止することを特徴とする。
請求項4に記載の発明に従えば、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による圧縮機の作動停止を禁止する。圧縮機を停止すると、防曇のための吹出風の湿度が上昇し、窓曇りが発生しやすくなる。したがって圧縮機が作動している状態を保持することにより、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
さらに請求項5に記載の発明では、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、送風量が所定量以上となるように空調用送風機を制御することを特徴とする。
請求項5に記載の発明に従えば、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、送風量が所定量以上となるように空調用送風機を制御する。送風量を所定量以上に維持することによって、吹出モードにおける換気量が増加すると共に、窓への結露も起きにくくなる。したがって窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
さらに請求項6に記載の発明では、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による空調用送風機の送風量低下を禁止することを特徴とする。
請求項6に記載の発明に従えば、制御手段は、要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による空調用送風機の送風量低下を禁止する。送風量が低下すると、換気量が低下すると共に、窓への結露も起きやすくなる。そこで操作者の操作よる送風量低下を禁止することで、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
なお、前述の各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す模式図である。 車両用空調装置の電気的構成を示すブロック図である。 エアコンECU61の処理の一例を示したフローチャートである。 ブロワ電圧決定処理の詳細を示すフローチャートである。 吸込口モード決定処理の詳細を示すフローチャートである。 圧縮機回転数決定処理の詳細を示すフローチャートである。 要求水温決定処理の詳細を示すフローチャートである。 電動ウォータポンプ作動決定処理の詳細を示すフローチャートである。 第2実施形態の要求水温決定処理の詳細を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。各実施形態で先行する実施形態で説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付すか、または先行の参照符号に一文字追加し、重複する説明を略する場合がある。また各実施形態にて構成の一部を説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している実施形態と同様とする。各実施形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に関して、図1〜図8を用いて説明する。図1は、第1実施形態の車両用空調装置100の全体構成を示す模式図である。図2は、車両用空調装置100の電気的構成を示すブロック図である。本実施形態の車両用空調装置100は、ハイブリッド自動車に適用される。
ハイブリッド自動車は、ガソリン等の液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関をなすエンジン50、走行補助用電動機機能および発電機機能を備える走行補助用の電動発電機51、エンジン50への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン用電子制御装置(以下、エンジンECUともいう)60、電動発電機51やエンジンECU60等に電力を供給する電池(図示せず)、電動発電機51の制御及び無断変速機や電磁クラッチの制御を行うと共にエンジンECU60に制御信号を出力するハイブリッド電子制御装置(以下、ハイブリッドECUともいう)を備えている。ハイブリッドECU(図示せず)は、電動発電機51およびエンジン50のいずれの駆動力を駆動輪に伝達するかの駆動切替を制御する機能、および電池の充放電を制御する機能を備えている。
また車載用蓄電装置である電池は、車室内空調および走行等によって消費した電力を充電するための充電装置(図示せず)を備えており、充電装置には例えばニッケル水素蓄電池、およびリチウムイオン電池等が用いられる。この充電装置は、電力供給源としての電気スタンドや商業用電源(家庭用電源)に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することにより、電池の充電を行うこともできる。
エンジンECU60およびハイブリッドECUは、具体的には、以下のような制御を行う。
(1)車両が停止しているときは、基本的にエンジン50を停止させる。
(2)走行中は、減速時を除き、エンジン50で発生した駆動力を駆動輪に伝達する。なお、減速時は、エンジン50を停止させて電動発電機51にて発電して電池に充電する(電気走行モード)。
(3)発進時、加速時、登坂時及び高速走行時等の走行負荷が大きいときには、電動発電機51を電動モータとして機能させてエンジン50で発生した駆動力に加えて、電動発電機51に発生した駆動力を駆動輪に伝達する(ハイブリッド走行モード)。
(4)電池の充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジン50の動力を電動発電機51に伝達して電動発電機51を発電機として作動させて電池の充電を行う。
(5)車両が停止しているときに電池の充電残量が充電開始目標値以下になったときには、エンジンECU60に対してエンジン50を始動する指令を発するとともに、エンジン50の動力を電動発電機51に伝達する。
次に、車両用空調装置100に関して説明する。車両用空調装置100は、走行用に水冷エンジン50を搭載する自動車などの車両において、車室内を空調する空調ユニットをエアコンECU61によって制御するように構成された、いわゆるオートエアコンシステムである。車両用空調装置100は、冷凍サイクル1の冷媒流れ、およびエンジン50の起動を制御して、車室内を空調する。
空調ユニットは、車両の車室内前方に配置され、内部を送風空気が通過する空調ケース10を備えている。空調ケース10は、一方側に空気取入口が形成され、他方側に車室内に向かう空気が通過する複数の吹出口が形成される。空調ケース10は、空気取入口と吹出口との間に送風空気が通過する通風路10aを有する。空調ケース10の上流側(一方側)には、送風機ユニット14が設けられる。送風機ユニット14(空調用送風機)は、内外気切替ドア13およびブロワ16を含む。内外気切替ドア13は、サーボモータなどのアクチュエータによって駆動され、空気取入口である内気吸込口11と外気吸込口12との開度を変更する吸込口切替手段である。
空調ユニットは、具体的には図示しないが、完全センター置きといわれるタイプのものであり、車室内前方の計器盤下方部であって、車両左右方向の中央位置に搭載されている。送風機ユニット14は、空調ユニットの車両前方側に配設される。送風機ユニット14の内気吸込口11は、の下方に開口しており、から車室内空気を吸い込む。
ブロワ16は、ブロワ駆動回路(図示せず)によって制御されるブロワモータ15により回転駆動されて、空調ケース10内において車室内に向かう空気流を発生させる遠心式送風機である。ブロワ16は、各吹出口から車室内に向けてそれぞれ吹き出される空調風の吹出風量を変更する機能も有する。
空調ケース10には、送風機ユニット14から送風された空気を加熱または冷却して空調風とし、複数の吹出口に送る空調部としてエバポレータ7およびヒータコア34が設けられる。エバポレータ7は、空調ケース10を通過する空気を冷却する冷却用熱交換器として機能する。
また、エバポレータ7の空気下流側には、通風路10aを通過する空気を、エンジン50の冷却水と熱交換して加熱する、加熱用熱交換器としてのヒータコア34が設けられている。エンジン50の冷却水が循環する冷却水回路31は、ウォータポンプ32によって、エンジン50のウォータジャケットで暖められた冷却水を循環させる回路で、ラジエータ(図示せず)、サーモスタット(図示せず)およびヒータコア34を有している。ヒータコア34は、内部にエンジン50を冷却した冷却水が流れ、この冷却水を暖房用熱源として冷風を再加熱する。ヒータコア34は、通風路10aを部分的に塞ぐように空調ケース10内においてエバポレータ7よりも下流側に配設されている。
ヒータコア34の空気上流側には、車室内の温度調節を行うためのエアミックスドア17が設けられている。エアミックスドア17は、サーボモータなどのアクチュエータにより駆動されており、各吹出口から車室内に向けて、それぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する。換言すると、エアミックスドア17は、エバポレータ7を通過する空気とヒータコア34を通過する空気との風量比率を調整するエアミックス手段として機能する。
エバポレータ7は、冷凍サイクル1の一構成部品を成すものである。冷凍サイクル1は、車両のエンジンルーム内に搭載されたエンジン50の出力軸によるベルト駆動されて、冷媒を吸入して、圧縮して吐出する圧縮機41と、この圧縮機41より吐出された冷媒を凝縮液化させるコンデンサ3と、このコンデンサ3より流入した液冷媒を気液分離するレシーバ5と、このレシーバ5より流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁6と、この膨張弁6より流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させるエバポレータ7とを含む。
冷凍サイクル1のうち圧縮機41は、エンジン50から圧縮機41への回転動力の伝達を断続するクラッチ手段としての電磁クラッチ52が連結されている。この電磁クラッチ52は、クラッチ駆動回路(図示せず)により制御される。圧縮機41は、冷媒吐出量がエアコンECU61によって制御される。エアコンECU61は、圧縮機41の回転数を制御することによって、冷媒吐出量を制御する。
電磁クラッチ52が通電(ON)された時に、エンジン50の回転動力が圧縮機41に伝達されて、エバポレータ7による空気冷却作用が行われ、電磁クラッチ52の通電が停止(OFF)した時に、エンジン50と圧縮機41とが遮断され、エバポレータ7による空気冷却作用が停止される。電磁クラッチ52のオンオフは、エバ後温度センサが検出するエバ後温度(TE)と、目標エバ後温度(TEO)との比較結果に応じて制御される。したがって圧縮機41は、電動発電機51の電力を動力源の1つとしている。
またコンデンサ3は、ハイブリッド自動車が走行する際に生じる走行風を受け易い場所に配設され、内部を流れる冷媒と室外ファン4により送風される外気および走行風とを熱交換する室外熱交換器である。
空調ケース10の最も下流側には、吹出口切替箱を構成する部分であり、デフロスタ開口部18、フェイス開口部19およびフット開口部20が形成されている。そして、デフロスタ開口部18には、デフロスタダクト23が接続されて、このデフロスタダクト23の最下流端には、車両のフロント窓ガラス49aの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口18aが開口されている。フェイス開口部19には、フェイスダクト24が接続されて、このフェイスダクト24の最下流端には、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス吹出口19aが開口されている。さらに、フット開口部20には、フットダクト25が接続されて、このフットダクト25の最下流端には、乗員の足元部に向かって主に温風を吹き出すフット吹出口20aが開口されている。
各吹出口の内側には、2個の吹出口切替ドア21,22が回動自在に取り付けられている。2個の吹出口切替ドア21,22は、サーボモータ等のアクチュエータによりそれぞれ駆動されて、吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモードまたはデフロスタモードのいずれに切り替えることが可能である。
デフロスタ吹出口18aが、本実施形態において車両窓ガラス49aの内表面に向かって空気を吹き出す吹出口に相当し、吹出口切替ドア21,22が、吹出口から窓ガラス49a内表面への吹出風量を調節する吹出風量調節手段に相当する。
次に、車両用空調装置100の電気的構成に関して説明する。エアコンECU61は、制御手段であって、エンジン50の始動および停止を司るイグニッションスイッチが入れられた時に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示せず)から直流電源が供給され、演算処理や制御処理を開始するように構成されている。エアコンECU61には、エンジンECU60から出力される通信信号、車室内前面に設けられた操作パネル70上の各スイッチからのスイッチ信号、および各センサからのセンサ信号が入力される。エンジンECU60は、EFI(Electronic Fuel Injection)ECUともいう。
ここで、操作パネル70に関して説明する。操作パネル70は、インストルメントパネルに一体的に設置される。操作パネル70には、図示は省略するが、たとえば液晶ディスプレイ、内外気切替スイッチ、デフロスタスイッチ、吹出モード切替スイッチ、ブロワ風量切替スイッチ、エアコンスイッチ、オートスイッチ、オフスイッチ、温度設定スイッチなどが設置されている。
液晶ディスプレイには、設定温度、吹出モードおよびブロワ風量などを視覚表示する表示領域が設けられている。また液晶ディスプレイには、たとえば外気温、吸込モードおよび時刻などを視覚表示する表示領域が設けられていても良い。
操作パネル70を各種のスイッチに関して説明する。フロントデフロスタスイッチは、前面窓ガラス49aの防曇能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当するもので、吹出モードをデフロスタモードに設定するように要求するデフロスタモード要求手段である。モード切替スイッチは、乗員のマニュアル操作に応じて、吹出モードを、フェイスモード、バイレベル(B/L)モード、フットモード、フット/デフロスタモードのいずれかに設定するように要求するモード要求手段である。エアコンスイッチは、冷凍サイクル1の圧縮機41の稼働、または停止を指令する空調操作スイッチである。エアコンスイッチは、圧縮機41を非稼働にして、エンジン50の回転負荷を減らすことで燃費効率を高めるために設けられている。温度設定スイッチは、温度を所望の温度に設定(Tset)するための温度設定手段である。
エアコンECU61の内部には、図示は省略するが、演算処理や制御処理を行うCPU(中央演算装置)、ROMやRAMなどのメモリ、およびI/Oポート(入力/出力回路)などの機能を含んで構成される周知のマイクロコンピュータが設けられている。各種センサからのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力される。エアコンECU61には、運転席の周囲の空気温度(内気温)Trを検出する内気温検出手段としての内気センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検出手段としての外気センサ72、および車室外の日射量を検出する日射量検出手段としての日射センサ73が接続されている。またエアコンECU61には、エバポレータ7を通過した直後の空気温度(エバ後温度TE)を検出するエバ後温度検出手段としてのエバ後温度センサ、車室内の相対湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサが接続されている。また他のセンサとして、たとえば冷媒圧力センサ74が設けられる。冷媒圧力センサ74は、冷凍サイクル1の高圧側の流路に設けられ、エバポレータ7よりも上流の冷媒の高圧圧力、すなわち圧縮機41の吐出圧力Preを検出する。
エンジンECU60は、車両のエンジン冷却水温を検出して送風空気の加熱温度とする水温検出手段としての冷却水温センサが接続されている。エアコンECU61は、エンジンECU60を介して冷却水温を取得する。
内気センサ71、外気センサ72、エバ後温度センサ、および冷却水温センサは、たとえばサーミスタなどの感温素子が使用されている。内気センサ71は、運転席付近(たとえばステアリング付近のインストルメントパネル内部)の運転席以外の吹出口を閉じても、ほとんど影響しない部位に設定される。また、日射センサ73は、空調空間内に照射される日射量(日射強度)を検出する日射強度検出手段を有しており、たとえばフォトダイオードなどが使用されている。湿度センサは、たとえば内気センサ71とともに、運転席近傍のインストルメントパネルの前面に形成された凹所内に収容されており、前面窓ガラス49aの防曇のためにデフロスタ吹き出しの要否の判定に利用される。
次に、エアコンECU61による制御を、図3を用いて説明する。図3は、エアコンECU61の通常モードにおける処理の一例を示したフローチャートである。まず、イグニッションスイッチがオンされてエアコンECU61に直流電源が供給されると、予めメモリに記憶されている図3に示す制御プログラムが実行される。イグニッションスイッチがオンされたときは、換言すると、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態に起動したときである。
ステップS1では、エアコンECU61内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理用メモリの記憶内容などを初期化(イニシャライズ)し、ステップS12に移る。
ステップS12では、操作パネル70上の各種操作スイッチからのスイッチ信号を読込み、ステップS3に移る。ステップS13では、各種センサからのセンサ信号を読込み、ステップS4に移る。したがってステップS2,S3では、各種データをデータ処理用メモリに読み込みこまれる。センサ信号としては、たとえば内気センサ71が検知する車室内温度Tr、外気センサ72が検知する外気温Tam、日射センサ73が検知する日射量Ts、エバ後温度センサが検知するエバ後温度Te、および冷却水温センサが検知する冷却水温Twである。
ステップS4では、記憶している演算式(1)に入力データを代入して目標吹出温度TAOを演算し、ステップS14に移る。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C …(1)
ここで、Tsetは、温度設定スイッチにて設定された設定温度、Trは内気センサ71にて検出された内気温度、Tamは外気センサ72にて検出された外気温度、Tsは日射センサ73にて検出された日射量である。また、Kset,Kr,Kam及びKsは各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。そして、このTAO及び上記各種センサからの信号により、エアミックスドア17のアクチュエータの制御値及びウォータポンプ32の回転数の制御値等を算出する。
ステップS5では、ブロワ電圧を決定する処理を実施し、ステップS6に移る。ブロワ電圧は、ブロワモータ15に印可される電圧であり、ブロワ電圧に応じて吹出風量が変更される。ブロワ電圧決定処理の詳細については、後述する。
ステップS6では、吸込口モード決定処理を実施し、目標吹出温度TAOに基づき、車室内に取り込む吸込口を決定し、ステップS7に移る。吸込口モード決定処理の詳細については、後述する。
ステップS7では、吹出口モード決定処理を実施し、目標吹出温度TAOに基づき、車室内に吹き出す吹出口を決定し、ステップS8に移る。吹出口モードは、たとえばROMに記憶されたマップから目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを決定する。たとえばマップには、目標吹出温度TAOが低い温度から高い温度にかけて、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フット/デフロスタモードとなるように決定される。
ステップS8では、圧縮機回転数決定処理を実施し、ステップS9に移る。ステップS9では、たとえば演算されたおよびの目標吹出温度TAOとエバ後温度センサが検知する実際のエバポレータ後温度Teとが一致するように制御する。圧縮機回転数決定処理の詳細については、後述する。
ステップS9では、要求水温決定処理を実施し、ステップS10に移る。要求水温決定処理は、エンジン冷却水を暖房および防曇などの熱源にするため、目標吹出温度TAOなどに基づき決定する。要求水温決定処理の詳細については、後述する。
ステップS10では、で電動ウォータポンプ作動決定処理を実施し、ステップS11に移る。電動ウォータポンプ作動決定処理は、冷却水温などに基づいて、ウォータポンプ32のオンオフを決定する処理である。電動ウォータポンプ作動決定処理の詳細については、後述する。
ステップS11では、目標エバポレータ温度を算出し、ステップS12に移る。具体的には、たとえば予めROMに記憶された特性図(マップ)から、車室内の空調を行う際の温度調節制御、快適湿度制御および防曇制御という各制御を実行する際に必要となるエバポレータ7の外表面温度である目標エバ温度TEOを算出する。
ステップS12では、上記各ステップS2〜S11で算出または決定された各制御状態が得られるように、各種アクチュエータ等に対して制御信号を出力し、ステップS13に移る。そしてステップS13において所定時間の経過を待って、ステップS2に戻り、継続して各ステップが実行される。
次に、各ステップの詳細に関して説明する。まずブロワ電圧決定処理(ステップS6)に関して説明する。ステップS6は、具体的には、図4にしたがって実行し、ブロワ電圧を決定するステップである。図4は、図3のステップS5におけるブロワ電圧決定処理の詳細を示すフローチャートである。このブロワ電圧は、電池の電力により駆動される室内用ブロワ16に印加される電圧である。
図4に示すように、本制御がスタートすると、ステップS390にて風量設定がオート(自動)であるか否かを判断し、オートの場合は、ステップS394に移し、オートでない場合には、ステップS391に移る。
ステップS391では、オートでないのでエンジン禁止フラグが1であるか否かを判断し、1である場合には、ステップS392に移り、1でない場合にはステップS393に移る。ステップS392では、禁止フラグが1であるので、送風量が所定量以上となるように決定し、本制御を終了する。たとえばHi、M3、M2、M1、Loまで5段階で風量設定できる場合には、Hiの場合は12Vにし、M3、M2、M1、Loの場合には10Vにする。これによって最低10Vに相当する風量が確保される。
またステップS393では、禁止フラグが1でないので、送風量が操作者の操作によって決定(マニュアル決定)される、本制御を終了する。たとえばHi、M3、M2、M1、Loまで5段階で風量設定できる場合には、Hiの場合は12V、M3の場合10Vなどにする。これによって操作者の所望に風量のブロワ電圧に決定される。
ステップS394では、オート(自動制御)であるので、ステップS394に示すように、予めROMに記憶されている、目標吹出温度TAOとブロワ電圧との関係を表したマップによって、仮のブロワレベルをf(TAO)として決定され、ステップS395に移る。
ステップS395では、ステップS395に示すように、予めROMに記憶されている、日射量とブロワ電圧との関係を表したマップによって、日射量に応じた風量UP補正量としてf(日射量)が決定され、ステップS396に移る。
ステップS396では、エンジン禁止フラグが1であるか否かを判断し、1である場合には、ステップS397に移り、1でない場合にはステップS398に移る。ステップS397では、禁止フラグが1であるので、送風量が所定量以上となるように仮のブロワレベルとしてf(DEF)を「25」に決定し、ステップS399に移る。ステップS398では、禁止フラグが1でないので、送風量はTAOと日射量とが優先されるように、決定因子のf(DEF)を0に決定し、ステップS399に移る。
ステップS399では、f(TAO)をf(日射量)で補正した値と、f(DEF)との最大値をブロワレベルとして決定し、ステップS400に移る。ステップS400では、ステップS400に示すように、予めROMに記憶されている、ブロワレベルとブロワ電圧との関係を表したマップによって、ブロワ電圧が決定され、本制御を終了する。
このようにブロワ電圧決定処理によって、オートであっても禁止フラグ1の場合には、ブロワレベルが最低25となるように決定されるので、送風量を所定量以上に維持することができる。これによって換気量が増加すると共に、窓ガラス49aへの結露も起きにくくなる。
またマニュアルの場合には、禁止フラグが1の場合には、操作による風量低下を禁止(最低10V)しているので、窓晴らし性確保と燃費向上・車外音低減・充電電力の有効利用が確実にできる。
次に、吸込口モード決定処理(ステップS6)に関して説明する。ステップS7は、具体的には、図5にしたがって実行し、外気導入率を決定するステップである。図5は、図3のステップS6における吸込口モード決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図5に示すように、本制御がスタートすると、ステップS70にてエンジン禁止フラグが1であるか否かを判断し、1である場合には、ステップS71に移り、1でない場合にはステップS72に移る。ステップS71では、禁止フラグが1であるので、外気導入率を100%(内気導入率0%)に決定し、本制御を終了する。
ステップS72では、禁止フラグが1でないので、吸込口の設定がオート(自動)であるか否かを判断し、オートの場合は、ステップS74に移し、オートでない場合には、ステップS73に移る。ステップS73では、オートでなくマニュアルであるので、マニュアル設定に応じた内外気制御となるように外気導入率に決定し、本制御を終了する。
ステップS74では、オートであるので、ステップS74に示すように、予めROMに記憶されている、TAOと吸込口モードとの関係を表したマップによって、TAOに応じた内外気制御となるように、外気導入率を決定し、本制御を終了する。
このように吸込口モード決定処理によって、オートであるかマニュアルであるかにかかわらず、禁止フラグが1の場合には、自動的に外気導入率が100%になる。エバポレータ7には除湿ムラがあるため、内気導入にすると、外気導入に比べてDEF吹出風の湿度が上昇し、窓曇りがおきやすくなるため、吸込口は外気を保持することにより、窓晴らし性確保と燃費向上・車外音低減・充電電力の有効利用が確実にできる。
次に、圧縮機回転数決定処理(ステップS8)に関して説明する。ステップS8は、具体的には、図6にしたがって実行し、圧縮機回転数を決定するステップである。図6は、図3のステップS8における圧縮機回転数決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図6に示すように、本制御がスタートすると、ステップS60にて、各種センサの検出信号を用いて算出した目標エバ後温度TEOと、実際のエバ後温度TEとの温度偏差Eを以下の数式2を用いて演算する。
=TEO−TE …(2)
さらに、以下の数式3を用いて偏差変化率EDOTを演算する。
EDOT=E−En−1 …(3)
ここで、Eは1秒に1回更新されるため、En−1はEに対して1秒前の値となる。
さらに、算出したEおよびEDOTと、ステップS60に示すマップとを用いて、1秒前の圧縮機41の「回転数変化量ΔfC」を算出する。ステップS60に示すマップは、偏差Eと偏差変化率EDOTとの関係を示すマップであり、予めROMに記憶されている。
次に、ステップS61では、エアコンスイッチ(A/C SW)がOFFであるか否かを判断し、OFFの場合は、ステップS62に移り、ONの場合は、ステップS64に移る。
ステップS62では、エアコンスイッチがOFFであるので、エンジン禁止フラグが1であるか否かを判断し、1である場合には、ステップS64に移り、1でない場合にはステップS63に移る。
ステップS64では、エアコンスイッチがOFFでないか、禁止フラグが1であるので、「前回の圧縮機回転数」とステップS60で算出した「回転数変化量ΔfC」との合計と上限値10000とを比較し、小さい値の方を、今回の圧縮機41の回転数に決定し、本制御を終了する。
ステップS63では、エアコンスイッチがOFFであり、禁止フラグが1でないので、今回の圧縮機41の回転数を0、すなわち圧縮機41を停止するように回転数を決定し、本制御を終了する。
このように圧縮機回転数決定処理では、エンジン禁止フラグが1の時は、ステップS64へ遷移するため、圧縮機41は作動可能になる。これにより、操作者(ユーザ)が圧縮機41をOFFできなくなる。圧縮機41がOFFすると、デフロスタ吹出口18aからの吹出風の湿度が上昇し、窓曇りがおきやすくなる。そこで圧縮機41のON状態を保持することによって窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、充電電力の有効利用が確実にできる。
次に、要求水温決定処理(ステップS9)に関して説明する。ステップS9は、具体的には、図7にしたがって実行し、要求水温を決定するステップである。図7は、図3のステップS9における要求水温決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図7に示すように、本制御がスタートすると、ステップS90にて、エンジン冷却水温度に基づくエンジンON要求の要否判定に用いる判定しきい値であるエンジンOFF水温と、エンジンON水温を算出する。エンジンOFF水温は、エンジン50を停止させるときの判定基準となるエンジン冷却水温度であり、エンジンON水温は、エンジン50を作動させるときの判定基準となるエンジン冷却水温度である。
エンジンOFF水温は、次の数式4で算出された基準冷却水温度TWOと、70℃とのうちの小さい方に決定される(数式5参照)。なお、基準冷却水温度TWOは、エアミックス前の温風温度が目標吹出温度TAOになるものと仮定したときに、必要とされる冷却水温度である。TEは、エバ後温度である。
TWO={TAO−(TE×0.2)}/0.8 …(4)
エンジンOFF水温=MIN(TWO,70) …(5)
一方、エンジンON水温は、頻繁にエンジン50がON/OFFするのを防止するため、エンジンOFF水温よりも所定温度(本例では5℃)低く設定される。
次に、ステップS91では、エンジン冷却水温度に基づくエンジンON要求の要否決定を行う。具体的には、実際の冷却水温度を、ステップS90で求めたエンジンOFF水温およびエンジンON水温と比較する。そして、冷却水温度がエンジンON水温より低ければ、f(TW)=ONとしてエンジン50の作動を仮決定し、冷却水温度がエンジンOFF水温より高ければ、f(TW)=OFFとしてエンジン50の停止を決定する。
次に、ステップS92では、ステップS92に示すマップを用いて、エンジンON要求を決定し、本制御を終了する。出力のエンジンON要求に関して、ステップS91にて決定したf(TW)に原則従うが、太枠で示した場合、すなわち吹出口=DEFモード(防曇モード)、車両モード=EV走行モード、TAO=20℃以上、f(TW)=ONの時、通常はエンジンONを許可するが、外気温=15℃以上の場合には、エンジンONを許可しない。また、この時、エンジン禁止フラグ=1とする。
このような要求水温決定処理によって、DEFモードの場合、通常は吹出温が高いほうがウインドウ温度を上昇させるができ有利だが、PHVにおいては、温風が必要だと満充電であっても車両起動時にエンジンONしてしまうため、ユーザーの違和感が大きいと共に、充電電力を走行に活用しにくい。そこで外気温が所定温度以上(たとえば摂氏15度以上)の場合、水温やガラス温度もほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、外気温が所定温度以上でのDEFモード時にエンジンON要求を許可せずに、圧縮機41を作動させて(図6参照)除湿することで、窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、充電電力の有効利用ができる。
次に、電動ウォータポンプ作動決定処理(ステップS10)に関して説明する。ステップS10は、具体的には、図8にしたがって実行し、電動ウォータポンプ32の作動を決定するステップである。図8は、図3のステップS10における電動ウォータポンプ作動決定処理の詳細を示すフローチャートである。
図8に示すように、本制御がスタートすると、ステップS100にて、冷却水温センサによって検出される冷却水の水温TWがエバ後温度TEより高いか否かを判定する。冷却水温TWがエバ後温度TE以下であると判定すると、ステップS101でウォータポンプ32をOFFする要求を決定し、本制御を終了する。
ステップS100で冷却水温TWがエバ後温度TEよりも高いと判定すると、次にステップS102で室内用ブロワ16をON(運転)する状態であるか否かを判定する。室内用ブロワ16をONしない状態であれば、ステップS103に進み、ウォータポンプ32をOFFする要求を決定し、本制御を終了する。室内用ブロワ16をONする状態であれば、ステップS102に進み、ウォータポンプ32をONする要求を決定し、本制御を終了する。このように、エアコンECU61は、冷却水温と室内用ブロワ16の運転および停止に応じて、電動ウォータポンプ32の作動を決定する。
以上説明したように本実施形態の車両用空調装置100は、乗員などの操作者の操作によって車両が駐車状態から走行状態に起動したとき、吹出モードがデフモード(防曇モード)であり、かつ外気温が所定温度(たとえば摂氏15度)以上の場合には、圧縮機41を駆動させるとともに、エンジン50の要求信号の出力を禁止する(エンジン禁止フラグ=1に設定)ように制御される。従来、デフモードの場合には、車両を走行状態にすると、外部環境にかかわらずエンジン50の起動を要求する起動信号を出力して、熱源を確保して窓曇りを除去している。熱源を確保するのは、デフモードの場合、吹出温が高いほうが窓の温度を上昇させるができ有利であるからである。しかし、外気温が所定温度以上の場合、エンジン50の冷却水温および窓ガラス49aの温度は、ほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、デフモード時にエンジン50の起動要求を許可しなくとも、既存の冷却水の熱源によって窓曇りを除去することができる。したがって圧縮機41を電動発電機51の電力を用いて作動させて除湿することで、窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、および電力の有効利用ができる。
また本実施形態では、エアコンECU61は、要求信号の出力を禁止している間(エンジン禁止フラグが1の間)は、操作者の操作によって内気を循環する内気導入モードへの切り替えを禁止する(図5参照)。内気導入モードは、外気を導入する外気導入モードに比べて防曇用の吹出風の湿度が上昇し、窓曇りが発生しやすくなる。したがって内気導入モードを禁止することによって、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
さらに本実施形態では、エアコンECU61は、要求信号の出力を禁止している間(エンジン禁止フラグが1の間)は、操作者の操作による圧縮機41の作動停止を禁止する(図6参照)。圧縮機41が停止すると、防曇のための吹出風の湿度が上昇し、窓曇りが発生しやすくなる。したがって圧縮機41が作動している状態を保持することにより、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
また本実施形態では、エアコンECU61は、要求信号の出力を禁止している間(エンジン禁止フラグが1の間)は、送風量が所定量以上となるように空調用送風機であるブロワ16を制御する(図4参照)。送風量を所定量以上に維持することによって、吹出モードにおける換気量が増加すると共に、窓ガラス49aへの結露も起きにくくなる。したがって窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
さらに本実施形態では、エアコンECU61は、要求信号の出力を禁止している間(エンジン禁止フラグが1の間)は、操作者の操作によるブロワ16の送風量低下を禁止する(図4参照)。送風量が低下すると、換気量が低下すると共に、窓ガラス49aへの結露も起きやすくなる。そこで操作者の操作よる送風量低下を禁止することで、窓晴らし性確保、燃費向上、車外音低減および充電電力の有効利用をより効果的に実現することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に関して、図9を用いて説明する。図9は、第2実施形態の要求水温決定処理の詳細を示すフローチャートである。本実施形態では、前述の第1実施形態と要求水温決定処理の一部が異なる点に特徴を有する。
要求水温決定処理(図3のステップS9)は、具体的には、図9にしたがって実行し、要求水温を決定するステップである。図9に示すように、本制御がスタートすると、図7と同一のステップS90およびステップS91が行われ、ステップS92Aに移る。
ステップS92Aでは、ステップS92Aに示すマップを用いて、エンジンON要求を決定し、本制御を終了する。出力のエンジンON要求に関して、ステップS91にて決定したf(TW)に原則従うが、太枠で示した場合、すなわち吹出口=DEFモード、車両モード=EV走行モード、TAO=20℃以上、f(TW)=ONの時、通常はエンジンONを許可するが、室温=摂氏15度以上、かつ日射量=500W/m以上の場合には、エンジンONを許可しない。また、この時、エンジン禁止フラグ=1とする。
このような要求水温決定処理によって、DEFモードの場合、通常は吹出温が高いほうがウインドウ温度を上昇させるができ有利だが、PHVにおいては、温風が必要だと満充電であっても車両起動時にエンジンONしてしまうため、ユーザーの違和感が大きいと共に、充電電力を走行に活用しにくい。そこで室温が所定温度以上(たとえば摂氏15度以上)であり、かつ日射量が所定量以上(たとえば500W/m以上)の場合、水温やガラス温度もほぼ外気温に近い温度はあると考えられるので、外気温が所定温度以上でのDEFモード時にエンジンON要求を許可せずに、圧縮機41を作動させて(図6参照)除湿することで、窓晴らし性確保と燃費向上、車外音低減、充電電力の有効利用ができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
前述の第1実施形態では、圧縮機41の回転数は、インバータにより周波数が調整された交流電圧が印加されてその電動モータの回転速度が制御するように構成してもよい。
また、第1実施形態のヒータコア34の後方にさらに空気を加熱できる電気式補助熱源としてPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを設けるようにしてもよい。このPTCヒータは、通電発熱素子部を備え、通電発熱素子部に通電されることによって発熱し、周囲の空気を暖めることができる。この通電発熱素子部は、耐熱性を有する樹脂材料(例えば、66ナイロンやポリブタジエンテレフタレートなど)で成形された樹脂枠の中に複数個のPTC素子を嵌め込むことにより構成したものである。
1…冷凍サイクル(サイクル)
7…エバポレータ(冷却用熱交換器)
10…空調ケース
10a…通風路
11…内気吸込口(空気取入口)
12…外気吸込口(空気取入口)
13…内外気切替ドア
14…送風機ユニット(空調用送風機)
18a…デフロスタ吹出口(複数の吹出口)
19…フェイス開口部
19a…フェイス吹出口(複数の吹出口)
20…フット開口部
20a…フット吹出口(複数の吹出口)
34…ヒータコア(加熱用熱交換器)
41…圧縮機
49a…窓ガラス
50…エンジン
61…エアコンECU(制御手段)
71…内気センサ(内気温検出手段)
72…外気センサ(外気温検出手段)
73…日射センサ(日射量検出手段)
100…車両用空調装置

Claims (6)

  1. 車載用蓄電装置が搭載される車両において、サイクル(1)の冷媒流れおよび車両に搭載されるエンジン(50)の起動を制御することによって車室内を空調する車両用空調装置(100)であって、
    一方側に空気取入口(11,12)が形成され、他方側に車室内に向かう空気が通過する複数の吹出口(18a〜20a)が形成される空調ケース(10)であって、前記空気取入口と前記吹出口との間に送風空気が通過する通風路を内部に有する空調ケースと、
    前記空調ケースの通風路に対して空気を送風する空調用送風機(14)と、
    前記車載用蓄電装置の電力を動力源の1つとし、前記サイクルを循環する冷媒を吸入し吐出する圧縮機(41)と、
    前記空調ケース内に設けられ、前記サイクルを循環する冷媒が蒸発して車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、
    前記空調ケース内に設けられ、前記エンジンの冷却水を熱源として、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器(34)と、
    車室外の外気温を検出する外気温検出手段(72)と、
    前記圧縮機の冷媒吐出量、および前記エンジンの起動および停止を要求する制御手段(61)と、を含み、
    前記制御手段は、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態に起動したとき、送風空気の吹出モードが車両の窓曇りを除去する防曇モードであり、かつ外気温が所定温度以上の場合には、前記圧縮機を駆動させるとともに、前記エンジンの起動を要求する要求信号の出力を禁止することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車載用蓄電装置が搭載される車両において、サイクル(1)の冷媒流れおよび車両に搭載されるエンジン(50)の起動を制御することによって車室内を空調する車両用空調装置(100)であって、
    一方側に空気取入口(11,12)が形成され、他方側に車室内に向かう空気が通過する複数の吹出口(18a〜20a)が形成される空調ケース(10)であって、前記空気取入口と前記吹出口との間に送風空気が通過する通風路を内部に有する空調ケースと、
    前記空調ケースの通風路に対して空気を送風する空調用送風機(14)と、
    前記車載用蓄電装置の電力を動力源の1つとし、前記サイクルを循環する冷媒を吸入し吐出する圧縮機(41)と、
    前記空調ケース内に設けられ、前記サイクルを循環する冷媒が蒸発して車室内への送風空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、
    前記空調ケース内に設けられ、前記エンジンの冷却水を熱源として、車室内への送風空気を加熱する加熱用熱交換器(34)と、
    車室内の内気温を検出する内気温検出手段(71)と、
    日射量を検出する日射量検出手段(73)と、
    前記圧縮機の冷媒吐出量、および前記エンジンの起動および停止を要求する制御手段(61)と、を含み、
    前記制御手段は、操作者の操作によって車両が駐車状態から走行可能な走行状態に起動したとき、送風空気の吹出モードが車両の窓曇りを除去する防曇モードであり、かつ前記内気温が所定温度以上であり、かつ日射量が所定量以上の場合には、前記圧縮機を駆動させるとともに、前記エンジンの起動を要求する要求信号の出力を禁止することを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記制御手段は、前記要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作によって吹出モードを防曇モードから内気を循環する内気導入モードへの切り替えを禁止することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御手段は、前記要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による前記圧縮機の作動停止を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御手段は、前記要求信号の出力を禁止している間は、送風量が所定量以上となるように前記空調用送風機を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御手段は、前記要求信号の出力を禁止している間は、操作者の操作による前記空調用送風機の送風量低下を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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