以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図37を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠(ガラス扉枠)14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、通常大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。第3図柄表示装置81の具体的な表示内容については、図4を参照して後述する。
センターフレーム86には、第3図柄表示装置81の上方部において保留ランプ85が配設されている。第1図柄表示装置37にて停止図柄(15R確変大当たり図柄、15R通常大当たり図柄、2R確変大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85により点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、センターフレーム86の第3図柄表示装置81の下方部に、左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の第1大開放口(第1特定入賞口)65aが設けられている。第1可変入賞装置65は、具体的には、第1大開放口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第1大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第1大開放口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態(閉鎖状態)になっている。「15R確変大当たり」の際には、第1大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第1大開放口65aに入賞しやすい開状態(開放状態)を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
また、第1入球口64の側方(図2紙面左側)には第2可変入賞装置650が配設されており、横長矩形状の第2大開放口(第2特定入賞口)650aが設けられている。第2可変入賞装置65は、具体的には、第2大開放口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第2大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2大開放口650aは、第1大開放口65aと同様、通常時は球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態(閉鎖状態)になっている。「15R確変大当たり」以外の大当たりが発生した際には、第2大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が第2大開放口650aに入賞しやすい開状態(開放状態)を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大開放口65a,650aの一方が、所定時間交互に開放・閉鎖を繰り返す。
第1大開放口65aの開閉動作は、最高で15回(15ラウンド)繰り返し可能にされており、また、第2開放口650aの開閉動作は、最高で15回(15ラウンド)または2回(2ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。例えば、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、第1大開放口65aが所定時間開放され、その第1大開放口65aの開放中に、球が第1大開放口65a内へ入賞することを契機として第2大開放口650aが所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、遊技盤13に配設する特定入賞口を、第1大開放口65a1つだけにして、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、この第1大開放口65aが一定時間毎に開放と閉鎖とを所定回数繰り返す遊技状態を、特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に図4を参照して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の変動演出画面を説明するための図であり、変動演出が横スクロールする場合における実際の画面及び有効ライン設定を示した模式図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列を構成している。
パチンコ機10では、第1入球口64への入球を検出すると、大当たり抽選を行い、第1図柄表示装置37(LED37a)における変動表示とあわせて、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動表示(変動演出)を実行する。変動演出は、各図柄列毎に主図柄及び副図柄が周期性をもって右から左(矢印X方向)へスクロール(横スクロール)するように行われる。なお、図4に示すように、かかる横スクロール時には、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。この場合、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
図4に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面には、それぞれ、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。
ここで、第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図4に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。そして、毎回の遊技に際して、横にスクロールする変動演出の停止時に、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(例えば、同一の主図柄の組み合わせ)が揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。なお、横スクロールの場合には、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動演出が停止する。
そして、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、同一の奇数図柄(奇数が対応づけられた主図柄)の組み合わせ、即ち、「1」「1」「1」、「3」「3」「3」、「5」「5」「5」、「7」「7」「7」、又は、「9」「9」「9」のいずれかである場合は、「15R確変大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、第1大開放口65aが最大で15回(15ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「高確率状態」へ遷移する。
また、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、同一の偶数図柄(偶数が対応づけられた主図柄)の組み合わせ、即ち、「0」「0」「0」、「2」「2」「2」、「4」「4」「4」、「6」「6」「6」、又は、「8」「8」「8」のいずれかである場合は、「15R通常大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、第2大開放口650aが最大で15回(15ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「低確率状態」となるものの「時短状態」へと遷移する。
更に、一の有効ライン上に揃った大当たり図柄の組み合わせが、「3」「4」「1」のチャンス目であった場合は、「2R確変大当たり」として大当たり動画が第3図柄表示装置81に表示されている間、第2大開放口650aが最大で2回(2ラウンド)開閉動作され、その後、遊技状態が「高確率状態」へ遷移する。
このように、第1入球口64への入賞を契機として第3図柄表示装置81では第3図柄の変動表示が実行され、その変動演出の結果と有効ライン上に停止表示された第3図柄の組み合わせによって、大当たり抽選の結果と、その結果が大当たりの場合は大当たり種別判定の結果とが遊技者に通知される。よって、遊技者は、この第3図柄表示装置81にて実行される変動演出によって、大当たりとなる期待感や遊技状態が高確率状態となる期待感を持つことができ、遊技に対する興趣を高めることができるのである。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路などの各種回路が内蔵されている。
主制御装置110が、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドが送信される。本実施形態では、各種のコマンドは、2バイトで構成されており、8ビットのパラレルデータとして、主制御装置110とサブ制御装置の入出力ポート205,215,225を介して、1バイト目、2バイト目の順に、主制御装置110からサブ制御装置への一方向にのみ送信される。
本実施形態では、主制御装置110がサブ制御装置に対して動作を指示する場合、そのための各種コマンドは、一旦、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶される。そして、設定された各種コマンドは、その後、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)が実行された場合に、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり抽選に用いられる大当たり乱数テーブル、大当たり種別の決定に用いられる大当たり種別テーブル、変動パターンの決定に用いられる変動パターンテーブル等が少なくとも格納されている。
また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタについて説明する。図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図17参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図23参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、そのメイン処理の中で不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。カウンタ用バッファは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。
このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。
これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリアに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図17参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図23参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう。)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。
大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブルによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定し、保留格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数値と一致しない場合は、外れと判定する。
ここで、大当たり乱数テーブルは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブルに格納されている。
MPU201は、大当たり抽選を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブルから読み出す。そして、MPU201は、大当たり抽選に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブルから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブルから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリアに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜9の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル(図示せず)とに基づいて、大当たり種別が決定される。本パチンコ機10では、上述した通り、大当たり種別として、15R確変大当たり、15R通常大当たり、及び、2R確変大当たりの4種類が用意されている。
大当たり種別テーブルでは、これらの各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。本実施形態では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜3」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「4〜7」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「8,9」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブルから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「2」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「6」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「9」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブルにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリアに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンを決定するために用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述する対回り込み処理(図17参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図23参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、カウンタ用バッファの変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
尚、ここで決定される変動時間は、パチンコ機10の機種によって適宜設定される。そして、ROM202には、機種毎に異なる変動パターンテーブルが格納されて、その変動パターンテーブルによって、機種毎に異なる変動時間が決定される。
変動パターンテーブルとしては、15R確変大当たり及び15R通常大当たり時に用いられる第1変動パターンテーブルと、2R確変大当たり時に用いられる第2変動パターンテーブルと、停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる外れ時に用いられる第3変動パターンテーブルと、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる第4変動パターンテーブルとが用意されている。また、第4変動パターンテーブルには、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)であるか否かに応じて、時短用第4変動パターンテーブルと、非時短用第4変動パターンテーブルとが用意されている。
MPU201は、変動パターンを決定する場合に、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて行われた大当たり抽選、大当たり種別の判定や外れ時の停止種別と、その時の遊技状態(時短状態か否か)に基づいて、使用する変動パターンテーブルを第1〜第4変動パターンテーブルの中から抽出する。そして、抽出した変動パターンテーブルに従って、その時のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを特定することで、変動パターンを決定する。
15R確変大当たり及び15R通常大当たり時に用いられる第1変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、ノーマルリーチ変動(変動時間20秒)と、スーパーリーチA変動(変動時間30秒)と、スーパーリーチB変動(変動時間60秒)と、スーパーリーチC変動(変動時間90秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ変動に対して「0〜10」が対応付けられ、スーパーリーチA変動に対して「11〜99」が対応付けられ、スーパーリーチB変動に対して「100〜189」、スーパーリーチC変動に対して「190〜198」が対応付けられている。
2R確変大当たり時に用いられる第2変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、2R専用A変動(変動時間25秒)と、2R専用B変動(変動時間35秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、2R専用A変動に対して「0〜49」が対応付けられ、2R専用B変動に対して「50〜198」が対応付けられている。
停止種別が前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチとなる外れ時に用いられる第3変動パターンテーブルでは、選択される変動パターンとして、上述したノーマルリーチ変動(変動時間20秒)と、スーパーリーチA変動(変動時間30秒)およびスーパーリーチB変動(変動時間60秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、ノーマルリーチ変動に対して「0〜99」が対応付けられ、スーパーリーチA変動に対して「100〜159」が対応付けられ、スーパーリーチB変動に対して「160〜198」が対応付けられている。
時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)において、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる時短用第4変動パターンテーブルは、選択される変動パターンとして、短外れ変動(変動時間7秒)と、長外れ変動(変動時間10秒)とが用意されており、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応付けられている。本実施形態における変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れ変動に対して「0〜190」が対応付けられ、長外れ変動に対して「191〜198」が対応付けられている。
また、時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)以外の状態において、停止種別が完全外れとなる外れ時に用いられる非時短用第4変動パターンテーブルは、選択される変動パターンとして、時短用第4変動パターンテーブルと同様に、短外れ変動(変動時間7秒)と、長外れ変動(変動時間10秒)とが用意されている。但し、各変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値の対応付けが、時短用第4変動パターンテーブルと異なっている。本実施形態の非時短用第4変動パターンテーブルにおける変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、短外れ変動に対して「0〜99」が対応付けられ、スーパーリーチ変動に対して「100〜198」が対応付けられている。
ここで、時短用第4変動パターンテーブルは、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態にあるときに、完全外れであるにも関わらず変動時間の比較的長い長外れ変動が多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。
そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にあるときは、遊技状態が時短状態を除く通常状態(非時短状態)にあるときよりも、長外れ変動より変動時間の短い短外れ変動が選択され易いように、時短用第4変動パターンテーブル及び非時短用第4変動パターンテーブルを構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(例えば、別の変動種別カウンタにて予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、完全外れとなる場合の変動パターンの選択を、時短用第4変動パターンテーブルと非時短用第4変動パターンテーブルとに分けるように構成したが、遊技状態が時短状態ではない通常の状態(非時短状態)であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、時短用外れ用(確変)変動パターンテーブルを参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した時短用または非時短用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
また、各変動パターンテーブルにおける変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、パチンコ機10の機種によって対応付けが異なっていてもよい。機種毎に、各変動パターンテーブルにおける変動パターンと変動種別カウンタCS1の値との対応付けが異ならせることにより、それぞれの機種において、各変動パターンが選択される確率を変えることができる。
また、上記説明では、第1〜第4変動パターンテーブルを用意する場合について説明したが、パチンコ機10の機種の仕様にあわせて、変動パターンテーブルを用意してもよい。
第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割り込み処理(図17参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は非時短状態で2であり、その範囲は「240〜241」となる。また、当選することとなる乱数の値の数は時短状態で225あり、その範囲は「5〜229」となっている。
即ち、パチンコ機10の遊技状態が時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜229」の範囲にある場合に当選と判定される。一方、パチンコ機10が非時短状態であるときは、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「241〜242」の範囲にある場合に当選と判定される。そして、当たりの場合は、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割り込み処理(図17参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図23参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。ROM202には、上述した大当たり乱数テーブル、大当たり種別テーブル、変動パターンテーブルといった各種テーブルの他に、各サブ制御装置(払出制御装置111、音声ランプ制御装置113等)に対して送信される各種のコマンドデータを格納する領域が設けられており、その領域には、変動パターンコマンド領域202bが含まれている。
ここで、変動パターンコマンド202bは、音声ランプ制御装置113に対して送信する変動パターンコマンドのデータを格納する領域である。ここで、図8を参照して、変動パターンコマンド202bに格納される変動パターンコマンドについて説明する。
図8は、変動パターンコマンド領域202bに格納される変動パターンコマンドを説明する図である。変動パターンコマンドは、主制御装置110において決定した変動パターン(変動時間)を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドである。
ここで、主制御装置110が各サブ制御装置に対して出力するコマンドは2バイトで構成されており、この変動パターンコマンドは、上位バイト(上位8ビット)が変動パターンコマンドであることを示す固定値「F1h」で構成され、そして、変動パターンコマンドの下位バイト(下位8ビット)によって、主制御装置110で決定された変動時間を示す。
具体的には、変動パターンコマンドの下位バイト「10h」によって変動時間が7秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「12h」によって変動時間が10秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「14h」によって変動時間が20秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「16h」によって変動時間が30秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「18h」によって変動時間が60秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「20h」によって変動時間が90秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「22h」によって変動時間が25秒であることを示し、変動パターンコマンドの下位バイト「24h」によって変動時間が35秒であることを示す。
音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンド「F110h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は7秒であると判断し、その具体的な変動態様として7秒の短外れ変動を選定して、選定した短外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F112h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は10秒であると判断し、その具体的な変動態様として10秒の長外れ変動を選定して、選定した長外れ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F114h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は20秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある20秒のノーマルリーチ変動の中から1つ選定して、選定したノーマルリーチ変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F116h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は30秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある30秒のスーパーリーチA変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチA変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F118h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は60秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある60秒のスーパーリーチB変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチB変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F120h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は90秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある90秒のスーパーリーチC変動の中から1つ選定して、選定したスーパーリーチC変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
変動パターンコマンド「F122h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は25秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある25秒の2R専用A変動の中から1つ選定して、選定した2R専用A変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。変動パターンコマンド「F124h」を受信すると、主制御装置110が決定した変動時間は35秒であると判断し、その具体的な変動態様として複数ある35秒の2R専用B変動の中から1つ選定して、選定した2R専用B変動で第3図柄表示装置81にて変動演出が行われるように表示制御装置114へ通知する。
図5に戻り、主制御装置110の説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ及び保留球格納エリアのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図23参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図22参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、保留球数カウンタ203aを有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値(電源投入後に実行されるRAM初期設定(S714)にて設定される値)がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図20のS403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図16のS205参照)。
第1入球口64への入球(始動入賞)があった場合、保留球数カウンタ203aが4未満であれば、そのときの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3の各値をカウンタ用バッファより取得して、保留球格納エリアに格納する。一方、保留球カウンタ203aが4であれば、すでに4つの保留球が保留されていることを意味するので、その始動入賞は無視される。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図20のS405参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、その保留球数分の保留ランプ85を点灯する。ここで、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
RAM203は、更に、第1エラー判定用バッファメモリ203b、および、第2エラー判定用バッファメモリ203cを有している。ここで、図8および図9を参照して、第1エラー判定用バッファメモリ203bおよび第2エラー判定用バッファメモリ203cの構成について説明する。図8は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの構成を模式的に表した説明図であり、図9は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの構成を模式的に表した説明図である。第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cは、エラー判定処理(S102)によって、エラーが発生しているか否かについての判定(即ち、パチンコ機10において正常に遊技を行うことができる状態であるか否かについての判定)がなされた場合に、その判定結果が格納され、その結果が反映されたエラーコマンドを生成するためのメモリである。
詳細は後述するが、エラー判定処理(S102)は、2ms毎に繰り返し実行されるタイマ割込処理の中で実行される処理であり、パチンコ機10において発生するおそれがある複数種類のエラーのうち、一部のエラーについての発生の有無を、各種フラグおよびカウンタの値や、入出力ポート205を介してMPU201と接続される各種スイッチ・センサ208からの入力信号等に基づいて、エラーの種別毎に判定する処理である。かかる処理により、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各領域(各ビット)には、それぞれの領域と対応する種類のエラーの発生状況を示す情報(エラーの発生の有無を示す情報、エラーの発生情報)がそれぞれ格納され、また、それとは別の種類のエラーの発生を示す情報が、第2エラー判定用バッファメモリ203cの一部の領域(一部のビット)に格納される。
図8に示すように、第1エラー判定用バッファメモリ203bは、1バイト(8ビット)で構成されたメモリであり、該メモリ203b各ビットには、エラー判定処理(S102)によって、次のエラーの発生状況を示す情報が格納される。即ち、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットには「電波検知エラー」の発生状況を示す情報が格納され、第1ビットには「前面枠開放時入賞エラー」の発生状況を示す情報が格納され、第2ビットには「入賞スイッチ異常エラー」の発生状況を示す情報を格納される。また、第3ビットには、前面枠(ガラス扉枠)14が開放されたか否かを示す情報が格納されると共に、第4ビットには前面枠14が閉鎖されたか否かを示す情報が格納され、これにより、第3ビット及び第4ビットには「前面枠開放エラー」の発生状況を示す情報が格納される。また、第5ビットには、内枠12が開放されたか否かを示す情報が格納され、第6ビットには、内枠12が閉鎖されたか否かを示す情報が格納され、これにより、第5ビット及び第6ビットには「内枠開放エラー」の発生状況を示す情報が格納される。更に、第7ビットには「第1不正入賞エラー」の発生状況を示す情報が格納される。なお、各種エラーの詳細については後述する。
そして、第1エラー判定用バッファメモリ203bに格納された複数のエラーの発生状況を示す情報(値)と、それらの情報を含むエラーコマンドであることを示す情報(固定値)とを組み合わせて(付加して)、1のエラーコマンドが生成される。
本実施形態において、エラーコマンドは、2バイトで構成される。第1エラー判定用バッファメモリ203bの値に基づいて生成されたエラーコマンドの下位バイトは、該メモリ203bの値がそのまま使用され、また、そのエラーコマンドの上位バイトは、該メモリ203bに基づいて生成されるエラーコマンドに固有の固定値「DDh」によって構成される。
また、図9に示すように、第2エラー判定用バッファメモリ203cは、第1エラー判定用バッファメモリ203bと同様に、1バイト(8ビット)で構成されたメモリであり、エラー判定処理(S102)によってエラーコマンドを生成する場合、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットには「第2不正入賞エラー」の発生状況を示す情報が格納され、該メモリ203bの第1ビットには、後述する振動センサ208gによって、所定値レベル(強度)の振動が検知されたか否かを示す情報が格納され、第2ビットには、振動センサ208gによって検知された振動(強度)が所定値レベル未満となったか否かを示す情報が格納され、これにより、第1ビット及び第2ビットには「振動検知エラー」の発生状況を示す情報が格納される。第2エラー判定用バッファメモリ203cの残りのビット(即ち、第3ビット〜第7ビット)対して割り当てられたエラーはなく、残りの各ビットには常に「0」が格納される。なお、各種エラーの詳細については後述する。
そして、第2エラー判定用バッファメモリ203cに格納されている複数のエラーの発生状況を示す情報(値)と、それらの情報を含むエラーコマンドであることを示す固定値とを組み合わせて(付加して)、1のエラーコマンドが生成される。第2エラー判定用バッファメモリ203cの値に基づいて生成されたエラーコマンドの下位バイトは、該メモリ203cの値がそのまま使用され、また、そのエラーコマンドの上位バイトは、該メモリ203cに基づいて生成されるエラーコマンドに固有の固定値「DEh」によって構成される。
第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの値に基づいて生成された各エラーコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)に記憶される。該リングバッファに設定されたエラーコマンドは、その後、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)において、8ビットのパラレルデータとして、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する配線302を介して、上位バイト、下位バイトの順に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信される。
詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113によって1のエラーコマンドが受信された場合、音声ランプ制御装置113は、そのコマンドに含まれている各種エラーの発生状況を示す情報を解析して、発生したエラーの種別に応じた報知を実行する。これにより、遊技場の係員等に、エラーの発生と、その種別とを報せることができるので、遊技場の係員等は、発生したエラーに応じた対応を速やかに行うことができる。
また、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの値に基づいて生成された各エラーコマンドは、種類が異なる複数のエラーの発生状況を示す情報を含んでいるので、1のエラーコマンドを送信するだけで、複数種類のエラーの発生状況を音声ランプ制御装置113に通知することができる。
例えば、「電波検知エラー」、「前面枠開放時入賞エラー」、「入賞スイッチ異常エラー」、「前面枠開放エラー」、「内枠開放エラー」および「第1不正入賞エラー」の各エラーの発生状況を示す情報を、それぞれ別個のエラーコマンドによって送信する場合、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ一度に送信するエラーコマンドは最多で6個である。この場合において、各エラーコマンドが、本実施形態のエラーコマンドと同様に2バイトで構成されていると仮定すると、主制御装置110は、エラーコマンドとして最大で12バイトの情報を音声ランプ制御装置113へ送信することとなる。
また、「第1不正入賞エラー」および「振動検知エラー」の各エラーの発生状況を示す情報を、それぞれ別個のエラーコマンドによって送信する場合、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ一度に送信するエラーコマンドは最多で2個であり、各エラーコマンドが、上記と同様に2バイトで構成されていると仮定すると、主制御装置110は、エラーコマンドとして最大で4バイトの情報を音声ランプ制御装置113へ送信することとなる。
これに対し、本実施形態のパチンコ機10では、主制御装置110が第1エラー判定用メモリ203bの値に基づいて生成した2バイトからなるコマンドを1つ送信するだけで、「電波検知エラー」、「前面枠開放時入賞エラー」、「入賞スイッチ異常エラー」、「前面枠開放エラー」、「内枠開放エラー」および「第1不正入賞エラー」の各エラーの発生状況を示す情報を、音声ランプ制御装置113へ一度に通知し、また、主制御装置110が第2エラー判定用メモリ203cの値に基づいて生成した2バイトからなるコマンドを1つ送信するだけで、「第1不正入賞エラー」および「振動検知エラー」の各エラーの発生状況を示す情報を、音声ランプ制御装置113へ一度に通知する。
このように、本実施形態のパチンコ機10では、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの値に基づいて生成された、1のコマンドに複数種類のエラーの発生状況を示す情報を含むエラーコマンドを送信しているので、各種類のエラーの発生状況を別個のコマンドによって音声ランプ制御装置113に送信する場合と比較して、送信するコマンド数を低減することができる。
よって、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)において、エラーコマンドを送信するために主制御装置110が負う処理負担を低減することができる。また、送信前のコマンドを格納するRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量を圧縮することができ、コマンド送信用のリングバッファの容量を効率的に使用することができる。従って、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信を好適に行うことができる。
尚、音声ランプ制御装置113によるエラーの報知は、前面枠14の窓部14cの周縁に配設されているLED等の電飾部29〜33の発光や、スピーカ(図示せず)からの音声出力、7セグメント表示器37bでの表示などのいずれか、または、これらの組合せによって行われる。
次に、図8および図9を参照して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットの値によって示される各種エラー、および、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットの値によって示される各種エラーについて説明する。
まず、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットの値によって示される各種エラーについて説明する。
「電波検知エラー」は、後述する電波検知装置208aによって設定値レベル以上の電波が検出(検知)されていると、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。不正行為の一例として、各種MPUや、各種スイッチや、各種センサなどに対して電波を照射し、それぞれを誤動作させて、大当たりの抽選や球の払い出しを不正に発生させる行為がある。そこで、パチンコ機10に対して設定値以上の電波が照射された状況を「電波検知エラー」として報知するようにしている。
詳細は後述するが、電波検知装置208aは設定値以上の電波を検出した場合に、MPU201に対してオン信号を出力する。MPU201は、電波検知装置208aからのオン信号に基づいて「電波検知エラー」が発生したものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットに「1」を立て、「電波検知エラー」が発生したとの判定結果を記憶する。その後、第1エラー判定用バッファメモリ203bに基づいて生成されるエラーコマンドにより、「電波検知エラー」の発生を、音声ランプ制御装置113に通知する。これにより、「電波検知エラー」の発生を、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって報知させることができる。
一方、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットが「0」ときに、このメモリ203bに基づいて生成されたエラーコマンドでは、「電波検知エラー」に対応する報知は行われない。
「前面枠開放時入賞エラー」は、前面枠(ガラス扉)14が開放されている状態で、第1入球口64への球の入賞が検出されていると、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。前面枠(ガラス扉)14が開放されている状態では、何者でも遊技盤13に触れることができるので、かかる状態で検出された球は、遊技球を発射装置で発射させることなく、手や道具を用いて直に入賞口へ入球させる不正行為によて入賞したものの可能性がある。そこで、前面枠(ガラス扉)14が開放されている状態で、第1入球口64への遊技球の入球が検出された状況を「前面枠開放時入賞エラー」として、上記に例示した不正行為が行われた場合に早期に発見できるようにしている。
詳細は後述するが、前面枠開放スイッチ208eから前面枠(ガラス扉)14の開状態(開放状態)の場合にMPU201へ出力される信号(前面枠開放スイッチ208eのオン信号)と、後述する始動入賞スイッチ208によって第1入球口64を通過する球が検出された際に出力される、球の検出信号(始動入賞スイッチ208からのオン信号)とに基づいて、MPU201は、「前面枠開放時入賞エラー」が発生したものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「1」を立てる。その後、第1エラー判定用バッファメモリ203bに基づいて生成されるエラーコマンドにより、「前面枠開放時入賞エラー」の発生を、音声ランプ制御装置113に通知する。これにより、「前面枠開放時入賞エラー」の発生を、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって報知させることができる。
一方、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットが「0」ときに、このメモリ203bに基づいて生成されたエラーコマンドでは、「電波検知エラー」に対応する報知は行われない。
「入賞スイッチ異常エラー」は、第1入球口(始動口)64への遊技球の入球を検出する始動入賞スイッチ208bが、球が第1入球口64を通過するのに十分な時間(例えば、0.2秒以上)を超えても球の検出が続いていると、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。
1の球が第1入球口64を通過するのに十分な時間を超えて、始動入賞スイッチ208bによって1の球が検出され続けている場合は、スイッチ208bの故障や、第1入球口64における球詰まりの発生のほか、次のような不正行為が行われているおそれがある。即ち、入賞口に不正な仕掛け(例えば、いわゆる「ゴト球」)を取り付け、その仕掛けに対して無線信号(電波など)を送信し、仕掛けの状態を変化させることにより、入賞口に実態のない入賞を検出させる不正行為が行われているおそれがある。そこで、球を検出している場合に始動入賞スイッチ208bから出力される検出信号(オン信号)の出力期間が、第1入球口64を通過するのに十分な時間(例えば、0.2秒以上)より長く出力されている場合に、MPU201は「入賞スイッチ異常エラー」が発生したものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットに「1」を立てる。その後、第1エラー判定用バッファメモリ203bに基づいて生成されるエラーコマンドにより、「入賞スイッチ異常エラー」の発生を、音声ランプ制御装置113に通知する。これにより、「入賞スイッチ異常エラー」の発生を、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって報知させることができる。
一方、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットが「0」ときに、このメモリ203bに基づいて生成されたエラーコマンドでは、「電波検知エラー」に対応する報知は行われない。
「前面枠開放エラー」は、後述する前面枠開放スイッチ208eよって前面枠14の開状態が検出されているとMPU201が判定した場合に報知するエラーである。前面枠14が開放されている場合には、各入賞口に球が入りやすくなるように遊技盤13に手を加えたり、実体のない球の検出を入賞口63,64,65aに行わせる不正な仕掛けが取り付けられたりする等の不正行為が行われてしまうおそれがある。そこで、MPU201は、前面枠開放スイッチ208eが前面枠(ガラス扉)14の開状態(開放状態)を検出している場合に出力する信号(オン信号)に基づいて「前面枠開放エラー」が発生したものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、「前面枠開放エラー」の発生、即ち、前面枠14が開放されていることを通知する。そして、音声ランプ制御装置113は、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって前面枠14が開放されていることを報知させる。また、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203bの第4ビットを「0」にする。
一方、MPU201は、前面枠開放スイッチ208eが前面枠14の閉状態を検出している場合に出力する信号(オフ信号)に基づいて、「前面枠開放エラー」が解除されていると判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成する。そして、このコマンドを音声ランプ制御装置113に送信することにより、音声ランプ制御装置113に対して、前面枠14が閉鎖されていること、即ち、「前面枠開放エラー」が解除されていることを通知する。このとき音声ランプ制御装置113が「前面枠開放エラー」の報知を実行していれば、「前面枠開放エラー」に対応する報知を終了させる。前面枠14が閉鎖された場合に報知が終了するので、前面枠14が閉鎖したことを、前面枠14を閉めた遊技場の係員などに通知できる。また、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203bの第3ビットを「0」にする。
「内枠開放エラー」は、後述する内枠開放スイッチ208fによって内枠12の開状態が検出さていると、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。内枠12が開放されている場合には、前述の通り、遊技盤13や入賞口63,64,65a等に不正な仕掛けが取り付けられる等の不正行為が行われてしまうおそれがあり、また、遊技盤13の背面側に配置され、球の払出しに関する制御が行われる主制御装置110や払出制御装置111に対して、いわゆる「ぶら下げ基板」などの不正な基板が取り付けられる不正行為が行われてしまうおそれがある。そこで、MPU201は、内枠開放スイッチ208fが内枠12の開状態(開放状態)をを検出している場合に出力する信号(オン信号)に基づいて「内枠開放エラー」が発生したものと判定して、MPU201は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、「内枠開放エラー」の発生(即ち、内枠12の開放)を通知する。そして、音声ランプ制御装置113は、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって内枠12が開放されていることを報知させる。また、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203bの第6ビットを「0」にする。
一方、MPU201は、内枠開放スイッチ208fが内枠12の閉状態(閉鎖状態)をを検出している場合に出力する信号(オフ信号)に基づいて「内枠開放エラー」が発生していないものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、内枠12が閉鎖されていること、即ち、「内枠開放エラー」が解除されていることを通知する。このとき音声ランプ制御装置113が「内枠開放エラー」の報知を実行していれば、音声ランプ制御装置113は、「内枠開放エラー」に対応する報知を終了させる。内枠12が閉鎖された場合に報知が終了するので、内枠12が閉鎖したことを、内枠12を閉鎖した遊技場の係員などに通知できる。また、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203bの第5ビットを「0」にする。
「第1不正入賞エラー」は、第1大開放口(第1特定入賞口)65aが開状態とならない(即ち、閉状態となる)期間にも拘わらず、第1大開放口65aへの入球が後述する第1特定入賞スイッチ208cによって検出されたと、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。前述の通り、第1大開放口65aは15R確変大当たり発生の際に開状態となり、それ以外は、入球できない閉状態となっている。このため、本来なら第1大開放口65aが開状態とならない期間に第1大開放口65aへの入球が検出されている場合は、第1大開放口65aを不正に開放して遊技を行う不正行為が行われているおそれがある。また、第1特定入賞スイッチ208cの故障や、第1大開放口65aにおける球詰まりが発生している可能性もある。そこで、かかる場合にMPU201は、「第1不正入賞エラー」が発生したものと判定して、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、「第1不正入賞エラー」の発生を、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって報知させることができる。
一方、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットが「0」ときに、このメモリ203bに基づいて生成されたエラーコマンドでは、「第1不正入賞エラー」に対応する報知は行われない。
以上説明した、エラー判定処理(S102)によって第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットに判定結果が格納される各種エラーは、本実施形態のパチンコ機10とは異なる機種においても採用される蓋然性の高い構成(即ち、電波検知装置208a、前面枠14、内枠12、第1入球口(始動口)64、第1大開放口(第1特定入賞口)65a)に関係するエラーであって、本願実施形態のパチンコ機10とはゲーム内容や遊技性が異なる機種においても報知することが求められる蓋然性の高いエラーである。よって、構成やゲーム内容、遊技性などが異なる機種においても、上位バイト「DDh」のエラーコマンドのコード等を使い回ししてプログラム等を作成することができるので、1のエラーコマンドで複数の種類のエラーの発生を通知するパチンコ機の作成を容易化できる。
一方、以下に説明する、エラー判定処理(S102)によって第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットに格納される各種エラーは、パチンコ機のゲーム内容や遊技性によって、エラー報知の重要度が著しく変わったり、エラーとする対象があったりなかったりする、機種毎の遊技内容や遊技性に依存するエラーである。本実施形態のパチンコ機10においても、第2エラー判定用バッファメモリ203cに判定結果が格納される各種エラーは、パチンコ機10の機種では報知することが求められているが、パチンコ機10とは別の機種では報知が行われなかったり、不要となったりする可能性が高いものである。よって、パチンコ機10とは異なるパチンコ機のプログラムを作成する場合は、上位バイト「DEh」のエラーコマンドのコードを、そのパチンコ機特有のエラーに割り当てればよい。
「第2不正入賞エラー」は、第2大開放口(第2特定入賞口)650aに関係するエラーである。この「第2不正入賞エラー」についての判定結果が、第2エラー判定用バッファメモリ203cに格納されるのは次の理由による。即ち、パチンコ機10と異なる機種では、第1大開放口65aおよび第2大開放口650aと同様の入賞口を、遊技領域に1つだけ配置して遊技を行うものが多く、両方を備えて遊技を行うものは少ないからである。
「第2不正入賞エラー」は、第2大開放口(第2特定入賞口)650aが開状態とならない(即ち、閉状態となる)期間にも拘わらず、後述する第2特定入賞スイッチ208dによって第2大開放口650aへの入球が検出されたと、MPU201によって判定された場合に報知するエラーである。第2大開放口650aは、第1大開放口65aと同様に、通常時は、入球できない閉状態となっており、15R通常大当たりや2R確変大当たりが発生した際に開状態となる。このため、本来であれば第2大開放口650aが開状態とならない期間に第2大開放口650aへの入球が検出された場合は、第2大開放口650aを不正に開放して遊技を行う不正行為や、第2特定入賞スイッチ208dの故障、第2大開放口650aにおける球詰まりなどが発生しているおそれがある。そこで、かかる場合にMPU201は「第2不正入賞エラー」が発生したものとして判定する。この場合、MPU201は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、「第2不正入賞エラー」の発生を、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって報知させることができる。
一方、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットが「0」ときに、このメモリ203cに基づいて生成されたエラーコマンドでは、「第2不正入賞エラー」に対応する報知は行われない。
「振動検知エラー」は、後述する振動センサ208aによって設定値レベル以上の振動が検出(検知)されていると、MPU201が判定した場合に報知するエラーである。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そのため、パチンコ機10に振動が加えられた場合には、遊技を停止させる要請がある。その一方で、振動が与えられた場合に直ちに遊技が停止されてしまうと、善意の遊技者が不意にパチンコ機10を揺らしてしまった場合にも遊技が停止されてしまい、その遊技者に、遊技場に対する不信感を抱かせてしまうおそれがある。
そこで、設定値レベル以上の振動がパチンコ機10に対して与えられた回数が、所定回数未満である場合は、ランプの発光態様やスピーカからの音声などによって遊技場の係員らへの報知だけを行う「振動検知エラー」を発生させるようにしている。
この場合、MPU201は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第1ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。また、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第1ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203cの第2ビットを「0」にする。
一方、振動センサ208gの出力に基づいて、パチンコ機10に与えられた振動が解消されたとMPU201によって判別された場合は、MPU201は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第2ビットに「1」を立て、エラーコマンドを生成し、それを音声ランプ制御装置113に送信する。これにより、音声ランプ制御装置113に対して、「振動検知エラー」が解除されていることを通知する。そして、このエラーコマンドを、「振動検知エラー」に対応する報知を実行中の音声ランプ制御装置113が受信すると、音声ランプ制御装置113は、「振動検知エラー」に対応する報知を終了させる。これにより、パチンコ機10に振動が与えられなくなったことを、遊技場の係員などに通知できる。また、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第2ビットに「1」を立てる場合、MPU201は、該メモリ203cの第1ビットを「0」にする。
なお、演出ボタンの連打や強打によって変動演出の表示態様を変化させる遊技のように、パチンコ機にある程度の振動が与えられる遊技を前提とした機種において、仮に「振動検知エラー」を報知させるようにした場合は、演出ボタンの押下に起因する「振動検知エラー」が発生してしまい、その報知が煩わしくなってしまう。このため、そのような機種では、「振動検知エラー」は採用され難い。それ故「振動検知エラー」についての判定結果を、第2エラー判定用バッファメモリ203cに格納している。
また、振動センサ208gの出力から、パチンコ機10に対して頻繁に設定値レベル以上の振動が与えられていると、MPU201によって判別された場合は、「振動時停止エラー」の処理を行う。この場合、ROM202のエラーコマンド格納エリア(図示せず)に格納されている2バイトからなる「振動時停止エラー」固有のエラーコマンドを、音声ランプ制御装置113と、払出制御装置111を介して発射制御装置112とに対して送信する。これにより、発射制御装置112に遊技球の発射を停止させて遊技を停止させると共に、音声ランプ制御装置113によって「振動検知エラー」よりも目立つ態様でランプやスピーカを駆動して、「振動時停止エラー」の発生を報知するようにしている。
また、本実施形態では、前述したように第2エラー判定用バッファメモリ203cの第3ビットから第7ビットに対して割り当てられたエラーはなく、それらの各ビットには常に「0」が格納されるようにしている。このため、第2エラー判定用バッファメモリ203cの値に基づいて生成される上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、その下位バイトの第3ビットから第7ビットの値が、いずれも「0」のコマンドである。
なお、ここで説明したエラーとは種類の異なるエラーについても、主制御装置110で発生の有無を判定し、その判定結果を、第1エラー判定用バッファメモリ203b、および、第2エラー判定用バッファメモリ203cに格納させて、上位バイト「DDh」或いは「DEh」のエラーコマンドにより、音声ランプ制御装置113に通知するようにしてもよい。
例えば、本実施形態のパチンコ機10では、「前面枠入賞時開放エラー」は、始動入賞スイッチ208bにおいて発生するエラーとしているが、同様のエラーは、第1大開放口65aにおける球の通過を検出する第1特定入賞スイッチ208bや、一般入賞口63における球の通過を検出する一般入賞スイッチ(図示せず)などの各入賞口に設けられた各スイッチにおいても発生することが考えられる。そのため、これらの各スイッチのそれぞれにおける「前面枠入賞時開放エラー」の発生についてもエラー判定処理で判定して、その結果を、第1エラー判定用バッファメモリ203bのビット領域、或いは、第2エラー判定用バッファメモリ203cのビット領域に格納させてもよい。
このとき、第1あるいは第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cのいずれか1ビットを、「前面枠入賞時開放エラー」が各入賞口に設けられたいずれのスイッチで発生した場合にもエラーの発生情報が格納される(オンされる)ように割り当ててもよく、また、各入賞スイッチの「前面枠入賞時開放エラー」に対して、それぞれ別々のビットを割り当て、各入賞スイッチにおける「前面枠入賞時開放エラー」の発生情報が、別々のビットに格納されるようにしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ機10では、「入賞スイッチ異常エラー」も、始動入賞スイッチ208bにおいて発生するエラーとしているが、同様のエラーは、各入賞口に設けられた他の各スイッチにおいても発生することが考えられる。そのため、これらの各スイッチのそれぞれにおける「入賞スイッチ異常エラー」の発生についてもエラー判定処理で判定して、その結果を、第1エラー判定用バッファメモリ203bのビット領域、或いは、第2エラー判定用バッファメモリ203cのビット領域に格納させてもよい。
このとき、第1あるいは第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cのいずれか1ビットを、「入賞スイッチ異常エラー」が各入賞口に設けられたいずれのスイッチで発生した場合にもエラーの発生情報が格納される(オンされる)ように割り当ててもよく、また、各入賞スイッチの「入賞スイッチ異常エラー」に対して、それぞれ別々のビットを割り当て、各入賞スイッチにおける「入賞スイッチ異常エラー」の発生情報が、別々のビットに格納されるようにしてもよい。
なお、多くの機種において、第1特定入賞スイッチ208bや、一般入賞スイッチ(図示せず)と同様の構成を、少なくとも1つずつ有しており、かつ、各1個のスイッチにおける「前面枠入賞時開放エラー」や「入賞スイッチ異常エラー」は、各機種のゲーム内容や遊技性と関係なく生じ得るものであるので、各1個のスイッチにおける「前面枠入賞時開放エラー」および「入賞スイッチ異常エラー」の発生情報は、多くの機種で発生するエラーの発生情報を格納する第1エラー判定用バッファメモリ203bのいずれかのビットにそれぞれ格納するか、あるいは、第1エラー判定用バッファメモリ203bとは別に、多くの機種で発生するエラーの発生情報を格納するメモリを設けて、そのメモリのいずれかのビットにそれぞれ格納することが望ましい。各一個の第1特定入賞スイッチ208bと一般入賞スイッチ(図示せず)における「前面枠入賞時開放エラー」や「入賞スイッチ異常エラー」のエラーコマンドのコード等を、パチンコ機の構成やゲーム内容、遊技性が異なる機種のプログラム等を作成する場合に使い回しして、その機種の作成を容易化することができるためである。
多くの機種で発生するエラーの発生情報を格納するエラーが多いため、1バイトの第1エラー判定用バッファメモリ203bで対応しきれない場合は、多くの機種で発生するエラーの発生情報を格納するメモリもう1つ設けて、そちらにエラーの発生情報を格納するようにすることが望ましい。この場合、該メモリから生成されるエラーコマンドの上位バイトは、「DDh」とも「DEh」とも違う値(例えば「DCh」)にする。
また、第2種のパチンコ機では、遊技盤中央に設けられた役物に、遊技球の入口ゲートと出口ゲートという、球の通過を検出するセンサ付きのゲートがそれぞれ設けられ、両ゲートの間に、入球すると大当たりが発生するVスイッチが設けられている。入口ゲートを通過してから所定時間を超えてもなお、Vスイッチでの入球が検出されず、かつ、出口ゲートからの排出信号の出力もない場合は、不正行為者が、両ゲート間において磁石などで球を不正に操作している可能性がある。そこで、そのような場合に第2種のパチンコ機では、「排出エラー」を発生させる。このような第2種のパチンコ機に特有のエラーは、機種の特徴に応じたエラーの発生情報が格納される第2エラー判定用バッファメモリ203cに割り当てることが望ましい。
遊技が行われていないデモ表示中に、第3図柄表示装置81の前面側などでメカキャラクタを動作させる機種においては、メカキャラクタの動作中にタイミング悪く発射が行われると、メカキャラクタを所定位置に戻せなくなってしまうおそれがあり、この場合に「発射エラー」を発生させる。これもデモ表示中にメカキャラクタを動作させる機種に特有のエラーであるので、第2エラー判定用バッファメモリ203cにエラーの発生情報を格納することが望ましい。
また、「誘導レバー異常エラー」、「ソレノイド作動異常エラー」等のエラーについても、それぞれのエラーが発生する機種特有のエラーであるので、第2エラー判定用バッファメモリ203cにエラーの発生情報を格納することが望ましい。
機種の特徴に応じたエラーが多く発生するため、1バイトの第2エラー判定用バッファメモリ203cで対応しきれない場合は、機種の特徴に応じたエラーの発生情報を格納するメモリもう1つ設けて、そちらにエラーの発生情報を格納するようにすることが望ましい。この場合、該メモリから生成されるエラーコマンドの上位バイトは、「DDh」とも「DEh」とも違う値(例えば「DFh」)にする。
RAM203は、更に、ビットチェック実行フラグ203dを有している。ビットチェック実行フラグ203dは、パチンコ機10の電源投入時に、主制御装置110から上位バイト「DEh」のエラーコマンドを送信するためのフラグであり、このエラーコマンドを受信した音声ランプ制御装置113に、後述する配線302の異常確認を行わせるために利用される。
ビットチェック実行フラグ203dは、主制御装置110の電源投入時に行われる、立ち上げ処理(図22参照)の中でオンされ、その後実行されるエラー判定処理(S102,S711、図24)の中でオフされるフラグである。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10では、エラー判定処理(S102,S711)によって、各種センサ208の検出結果に応じた値が第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの各ビットに格納される。本実施形態では、主制御装置110のMPU201によって、第1エラー判定用バッファメモリ203bのいずれかのビット、および、第2エラー判定用バッファメモリ203cのいずれかのビットに、エラーの発生状況(エラーが発生または解消したこと)を示す情報が格納されているか否かをそれぞれ判別し、エラーの発生状況を示す情報が格納されているビットがあれば、そのビットを有するメモリの値に基づいてエラーコマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へ送信する。
このとき、ビットチェック実行フラグ203dがオンされていれば、各種センサ208によって検出されるエラーの有無に拘わらず、第2エラー判定用バッファメモリ203bの値に基づいて、上位バイト「DEh」のエラーコマンドを生成し、音声ランプ制御装置113へ送信する。これにより、このコマンドのビットチェックを、音声ランプ制御装置113に行わせることが可能となる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、各大開放口65a,650aの開閉板の下辺を軸として各々を前方側に開閉駆動するための各大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
本実施形態では、主制御装置110の入出力ポート205と、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113といったサブ制御装置とを接続する配線301,302は、それぞれ、8本(8ビット)のパラレルな信号線によって構成されている。これにより、主制御装置110からサブ制御装置に対して送信する各種コマンドを、8ビットのパラレルデータで送信することができる。
また、入出力ポート205には、スイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
ここで、図10を参照して、本実施形態のパチンコ機10の各種スイッチ208に少なくとも含まれている、スイッチおよびセンサについて説明する。図10は、パチンコ機10の各種スイッチ208の構成を模式的に示したブロック図である。
電波検知装置208aは、パチンコ機10に設けられている各種スイッチや、各種センサ、各種MPUなどを誤動作させる電波が照射されていることを検出するセンサであり、遊技盤13の裏面の複数箇所に配設されている。この電波検知装置208aは、前述の通り、各種MPUや、各種スイッチや、各種センサなどに対して電波を照射し、それぞれを誤動作させて、大当たりの抽選や球の払い出しを不正に発生させるという、不正行為を監視するために使用される。
電波検知装置208aは、設定値以上のレベルの電波を検出した場合に、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。また、設定値より低いレベルの電波を検出している場合はオフ信号を出力する。これにより、MPU201は、パチンコ機10に電波が照射されているか否かを判別することができる。
始動入賞スイッチ208bは、第1入球口(始動口)64における球の通過を検出するためのスイッチであり、第1入球口64を通過する球を検出している間、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。一方で、球を検出していない場合は、オフ信号を出力する。また、第1入球口64は、第1入球口64の奥(遊技盤13の裏側)に取り付けられている。
本実施形態では、球が第1入球口64を通過したか否かは、MPU201により判定される。具体的には、始動入賞スイッチ208bからオン信号が出力され、MPU201が、そのオン信号の立ち上がりを検出し(即ち、オフ入力とオン入力とを続けて検出し)、その後続けて少なくとも1回のオン入力を検出した場合に、MPU201は、球が第1入球口64を通過中であると判定する。そして、MPU201は、オン信号の立ち上がりを検出してから所定時間(球の最大通過時間、例えば、0.2秒)以内に、オフ入力を検出した場合に球が第1入球口64を通過したと判別する。一方で、球の最大通過時間を超えてもオフ入力が検出されない場合に、球が停滞していると判別する。このとき、前述した「入賞スイッチ異常エラー」の報知が行われる。
第1特定入賞スイッチ208cは、第1大開放口(第1特定入賞口)65aにおける球の通過を検出するためのスイッチであり、第1大開放口65aを通過する球を検出した場合に、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。また、第1大開放口65aにおいて球を検出していない場合は、オフ信号を出力する。これにより、MPU201は第1大開放口65aにおける球の通過(入賞)の有無を判別することができる。また、第1特定入賞スイッチ208cは、第1大開放口65aの奥(遊技盤13の裏側)に取り付けられている。
第2特定入賞スイッチ208dは、第2大開放口(第2特定入賞口)650aにおける球の通過を検出するためのスイッチであり、第2大開放口650aを通過する球を検出した場合に、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。また、第2大開放口650aにおいて球を検出していない場合は、オフ信号を出力する。これにより、MPU201は第2大開放口650aにおける球の通過(入賞)の有無を判別することができる。また、第2特定入賞スイッチ208dは、第2大開放口65aの奥(遊技盤13の裏側)に取り付けられている。
前面枠開放スイッチ208eは、前面枠14の開放および閉鎖を検出するためのスイッチである。前面枠開放スイッチ208eは、前面枠14の開放(非閉鎖)を検出した場合に、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。一方、前面枠14の閉鎖(非開放)を検出した場合は、オフ信号を出力する。これにより、MPU201は、前面枠14の開放および閉鎖を、それぞれ判別することができる。また、前面枠開放スイッチ208eは、シリンダ錠20に設けられており、前面枠14が解錠された場合にオンされ、施錠された場合にオフされるようになっている。
内枠開放スイッチ208fは、内枠12の開放および閉鎖を検出するためのスイッチである。内枠開放スイッチ208fは、内枠12の開放(非閉鎖)を検出した場合に、オン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。一方、内枠12の閉鎖(非開放)を検出した場合は、オフ信号を出力する。これにより、MPU201は、内枠12の開放および閉鎖を、それぞれ判別することができる。また、内枠開放スイッチ208fは、シリンダ錠20に設けられており、内枠12が解錠された場合にオンされ、施錠された場合にオフされるようになっている。
振動センサ208gは、パチンコ機10に加えられた振動を検出するためのセンサであり、遊技盤13の裏面に配設されている。この振動センサ208gは、前述の通り、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球を行うという、不正行為を監視するために使用される。
この振動センサ208gは、パチンコ機10に与えられている振動のレベルが、設定値レベルであった場合にオン信号を主制御装置110のMPU201へ出力する。これにより、MPU201は、パチンコ機10に設定値レベルの振動が与えられていることを判別することができる。
次に、図11〜図14を参照して、各種スイッチ208からMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ208bのビットの値との対応関係について説明する。
まず、図11を参照して、電波検知装置208aからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットの値との対応関係を説明する。図11(a)は、電波検知装置208aからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図11(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図11(a)、(b)に示すように、電波検知装置208aが所定値レベルの電波を検知して、MPU201へオン信号を出力した場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングで、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットに「電波検知エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。これにより、電波検知装置208aからのオン信号の立ち上がりが検出された場合に実行されるエラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第0ビットの値を「1」とするエラーコマンドが生成され、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「電波検知エラー」の発生が通知される。
一方、上記のタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットの値は「0」が維持される。かかる期間にて上位バイト「DDh」のエラーコマンドが送信される場合、そのコマンドにおける下位バイトの第0ビットの値は「0」となる。
次に、図12を参照して、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットおよび第4ビットの各値との対応関係を説明する。
図12(a)は、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図12(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図12(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図12(a)〜図12(c)に示すように、前面枠開放スイッチ208eが前面枠14の開状態を検出してMPU201へオン信号を出力した場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「前面枠開放検知エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。ここで、前面枠開放スイッチ208eから出力される検出信号が、オン信号からオフ信号へ立ち下がるタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットの値には「0」が維持される。
よって、前面枠開放スイッチ208eからのオン信号の立ち上がりが検出された場合、MPU201は、エラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第3ビットおよび第4ビットの値を「1,0」とするエラーコマンドを生成し、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「前面枠開放検知エラー」の発生を通知する。
一方、前面枠開放スイッチ208eが前面枠14の閉状態を検出してMPU201へオフ信号を出力した場合、MPU201は、オン信号からオフ信号への立ち下がりを検出したタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットに「前面枠開放検知エラー」が解消したことを示す「1」を立てる。前述したように、前面枠開放スイッチ208eから出力される検出信号が、オン信号へ立ち上がるタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットの値には「0」が維持される。
よって、前面枠開放スイッチ208eからオフ信号への立ち下がりが検出された場合、MPU201は、エラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第3ビットおよび第4ビットの値を「0,1」とするエラーコマンドを生成し、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「前面枠開放検知エラー」の解消を通知する。
このように、主制御装置110のエラー判定処理(S102)では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに前面枠14が開状態であることを示す「1」をセットすると共に、該メモリ203bの第4ビットに前面枠14が閉状態であることを示す「1」をセットすることはない。従って、主制御装置110は、上位バイトが「DDh」であって、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値とが共に「1」となる、両ビットの値の組合せが不正常なエラーコマンドを生成することはない。
次に、図13を参照して、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力と、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力と、それらの信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットの値との対応関係を説明する。
図13(a)は、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図13(b)は、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図13(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図13(a)〜図13(c)に示すように、前面枠開放スイッチ208eが前面枠14の開状態を検出してMPU201に対してオン信号を出力している状態で、更に、始動入賞スイッチ208bが第1入球口64を通過する球を検知したことによりオン信号が出力された場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングで、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「前面枠開放時入賞エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。
また、始動入賞スイッチ208bが第1入球口64を通過する球を長時間にわたって検出して、MPU201へのオン信号の出力が継続している状態で、前面枠14が開放されたことにより、前面枠開放スイッチ208eからオン信号が出力された場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングでも、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「前面枠開放時入賞エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。
また、始動入賞スイッチ208bからのオン信号の立ち上がりと、前面枠開放スイッチ208eからのオン信号の立ち上がりとを、MPU201が同時に検出した場合は、そのタイミングでも、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「前面枠開放時入賞エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。
第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「1」を立てた場合、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第1ビットの値を「1」とするエラーコマンドが生成され、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「前面枠開放時入賞エラー」の発生が通知される。
一方、上記のタイミング以外の期間は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットの値は「0」が維持される。かかる期間にて上位バイト「DDh」のエラーコマンドが送信される場合、そのコマンドにおける下位バイトの第1ビットの値は「0」となる。
第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットの値によって発生状況が示される「前面枠開放時入賞エラー」は、上述したように、前面枠14が開状態であること(開状態となったこと)を条件の1つとして発生するエラーであるので、前面枠14が閉状態となって、前面枠開放スイッチ208eからの信号がオンからオフに立ち下がったタイミングでは、少なくとも発生しない。このため、エラー判定処理(S102)では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「前面枠開放時入賞エラー」が発生していることを示す「1」をセットする場合は、それと共に、該メモリ203bの第4ビットに前面枠14が閉状態となったことを示す「1」をセットすることはない。従って、主制御装置110は、上位バイトが「DDh」であって、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値とが共に「1」となる、両ビットの値の組合せが不正常なエラーコマンドを生成することはない。
次に、図14を参照して、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットの値との対応関係を説明する。図14(a)は、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図14(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図14(a)および図14(b)に示すように、始動入賞スイッチ208bが第1入球口64を通過する球を検知してオン信号を出力し、そのオン信号の立ち上がりがMPU201で検出されてから0.2sが経過するまでオン入力が維持されている場合、MPU201は、その0.2sが経過するタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットに「入賞スイッチ異常エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。よって、始動入賞スイッチ208bからのオン信号が、立ち上がりから0.2s維持された場合、その0.2sが経過するタイミングで実行されるエラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第2ビットの値を「1」とするエラーコマンドを生成し、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「入賞スイッチ異常エラー」の発生を通知する。
一方、上記のタイミング以外の期間は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットの値は「0」が維持される。よって、かかる期間にて上位バイト「DDh」のエラーコマンドが送信される場合、そのコマンドにおける下位バイトの第2ビットの値は「0」となる。
次に、図15を参照して、内枠開放スイッチ208fからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第5ビットおよび第6ビットの各値との対応関係を説明する。
図15(a)は、内枠開放スイッチ208fからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図15(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第5ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図15(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第6ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図15(a)〜(c)に示すように、内枠開放スイッチ208fが内枠12の開状態を検出してMPU201へオン信号を出力した場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「内枠開放検知エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。ここで、内枠開放スイッチ208fから出力される検出信号が、オン信号からオフ信号へ立ち下がるタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットの値には「0」が維持される。
よって、内枠開放スイッチ208fからのオン信号の立ち上がりが検出された場合、MPU201は、エラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第5ビットおよび第6ビットの値を「1,0」とするエラーコマンドを生成し、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「内枠開放検知エラー」の発生を通知する。
一方、内枠開放スイッチ208fが内枠12の閉状態を検出してMPU201へオフ信号を出力した場合、MPU201は、オン信号からオフ信号への立ち下がりを検出したタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットに「内枠開放検知エラー」が解消したことを示す「1」を立てる。ここで、内枠開放スイッチ208fから出力される検出信号が、オン信号へ立ち上がるタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットの値には「0」が維持される。
よって、内枠開放スイッチ208fからオフ信号への立ち下がりが検出された場合、MPU201は、エラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第5ビットおよび第6ビットの値を「0,1」とするエラーコマンドを生成し、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「内枠開放検知エラー」の解消を通知する。
このように、主制御装置110のエラー判定処理(S102)では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに内枠12が開状態であることを示す「1」をセットすると共に、該メモリ203bの第6ビットに内枠12が閉状態であることを示す「1」をセットすることはない。従って、主制御装置110は、上位バイトが「DDh」であって、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値とが共に「1」となる、両ビットの値の組合せが不正常なエラーコマンドを生成することはない。
次に、図16を参照して、第1大開放口65aの開放タイミング(即ち、第1大開放口65aの開閉板を第1大開放口ソレノイドによって駆動するタイミング)と、第1大開放口65aを通過する球を検出する第1特定入賞スイッチ208cからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第7ビットの値との対応関係を説明する。
図16(a)は、第1大開放口65aの開放タイミングと、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間を示すタイミングチャートであり、図16(b)は、第1特定入賞スイッチ208cからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図16(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第7ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図16(a)に示すように、大当りの発生後の所定期間、MPU201は、第1大開放口ソレノイドに対して一定時間の第1大開放口65aの開放と閉鎖とを交互に指令し、第1大開放口65aの開閉動作を繰り返し行わせる。このとき、パチンコ機10では、大当たりが発生してから第1大開放口65aが開放と閉鎖とを交互に繰り返す期間を経過した後しばらく(例えば、2秒経過)するまでの間が、大開放口65aにおける球の有効通過期間として設定されている。この有効通過期間は、第1大開放口65aへの通過が検出された球を、正常な遊技によって通過した球として取り扱う期間である。これは、MPU201が、第1大開放口65aの閉鎖を指令してから、第1大開放口65aが完全に閉鎖するまでに時間がしばらくかかり、その間に、球が第1大開放口65aを通過することがあるためである。このため、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間は、MPU201によって、開閉動作が終了するよう指令されてから、第1大開放口65aが完全に閉鎖するまでの期間よりも十分に長いものとなっている。
図16(a)〜図16(c)に示すように、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間以外の期間に、第1特定入賞スイッチ208cが第1大開放口65aにおける球の通過を検出してMPU201へオン信号を出力した場合、MPU201は、そのオン信号の立ち上がりを検出したタイミングで第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットに「第1不正入賞エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。これにより、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間以外の期間に、第1特定入賞スイッチ208cからのオン信号の立ち上がりが検出された場合に実行されるエラー判定処理(S102)によって、上位バイトを「DDh」とし、下位バイトの第7ビットの値を「1」とするエラーコマンドが生成され、このコマンドにより音声ランプ制御装置113に「第1不正入賞エラー」の発生が通知される。
一方、上記のタイミング以外の期間では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットの値は「0」が維持される。かかる期間にて上位バイト「DDh」のエラーコマンドが送信される場合、そのコマンドにおける下位バイトの第7ビットの値は「0」となる。
なお、第2特定入賞口650aおよび第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットについても、第1特定入賞口65aおよび第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットと同様であるので、図示および説明を省略する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図21参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドにより示される変動時間に基づいて、その変動時間で実行すべき変動演出の変動態様の設定、等といった制御を実行するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222には、7セグメント表示器37bや、ランプ、スピーカを用いて、受信が確認されたエラーコマンドと対応した報知を実行するためのプログラムが格納されている。詳細は後述するが、音声ランプ制御装置113がエラーコマンドを受信した場合、MPU221は、RAM223の所定領域に格納されている受信したエラーコマンドの上位バイトを解析して、受信したエラーコマンドが主制御装置110の第1エラー判定用バッファメモリ203bまたは第2エラー判定用バッファメモリ203cを用いて生成された、複数種類のエラーの発生状況を示す情報を下位バイトに含むエラーコマンドであるか否かを判別する。
音声ランプ制御装置113が受信したエラーコマンドが、下位バイトに複数種類のエラーの発生状況を示す情報を含むエラーコマンドであるとMPU221によって判別された場合、MPU221は、下位バイトに含まれる一部のビット(第1ビットと第2ビットの1組のビット、或いは、第1バイトと第3バイト、第1バイトと第4バイト、第3バイトと第4バイト、第5バイトと第6バイトの各組のビット)に基づいて、受信したエラーコマンドが不正常なコマンドであるか否かを判定する。
ここでいう不正常なコマンドとは、配線302に生じた断線や短絡などの配線異常や、配線302等へのノイズの混入などの影響で、主制御装置110が生成したコマンドとは、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とのコマンドの送受信の過程で内容が変わってしまったコマンドである。
詳細は、図31〜図32を参照して後述するが、この判定は、受信したエラーコマンドの下位バイトを構成する、特定の1ビットの値と、それとは別の特定の1ビットの値とが、上述したような、エラー判定処理(S102)によって設定され得ない組合せとなっているかを確かめることにより行う。
そして、受信したエラーコマンドが正常であると判定された場合は、受信したエラーコマンドに基づく報知を実行する。一方、受信したエラーコマンドが不正常であると判定された場合は、受信したエラーコマンドに基づく報知を非実行にする。これにより、エラーの発生が誤って報知されることを抑制することができ、エラー報知の信頼性を高めることができる。
RAM223は、保留球数カウンタ223aを有している。保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図30のS1107参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図34のS1207参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、保留ランプ85のランプ点灯に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ223aに示される値と同じ数だけ、保留ランプ85を点灯表示させる。これにより、遊技者は容易に保留球数を把握することができる。また、上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、点灯表示される保留ランプ85の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、保留ランプ85によって、保留球の数を正確に表示させることができる。
また、RAM223は、第1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eを有している。第1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eは、音声ランプ制御装置113が受信した不正常なエラーコマンドの数を記憶するためのカウンタであり、主制御装置110と音声ランプ制御装置113とを接続する配線302の配線異常(断線や短絡など)が発生しているおそれがあることを判定するために使用される。
第1配線異常判定カウンタ223bは、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値が不正常な組合せ(即ち、「1,1」の組合せ)のコマンドを受信した場合に1加算されるカウンタであり、また、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、それらのビットの値が正常な組合せのエラーコマンドを受信した場合に0クリアされる。
第2配線異常判定カウンタ223cは、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値が不正常な組合せ(即ち、「1,1」の組合せ)のコマンドを受信した場合に1加算されるカウンタであり、また、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、それらのビットの値が正常な組合せのエラーコマンドを受信した場合に0クリアされる。
第3配線異常判定カウンタ223dは、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値が不正常な組合せ(即ち、「1,1」の組合せ)のコマンドを受信した場合に1加算されるカウンタであり、また、上位バイト「DDh」のエラーコマンドであって、それらのビットの値が正常な組合せのエラーコマンドを受信した場合に0クリアされる。
第4配線異常判定カウンタ223dは、上位バイト「DEh」のエラーコマンドであって、下位バイトの第1ビットと第2ビットの値が不正常な組合せ(即ち、「1,1」の組合せ)のコマンドを受信した場合に1加算されるカウンタであり、また、上位バイト「DEh」のエラーコマンドであって、それらのビットの値が正常な組合せのエラーコマンドを受信した場合に0クリアされる。
また、第1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eは、いずれも、電源投入時の立ち上げ処理の中の初期値設定処理(S910,図22参照)によって初期値として「0」が設定される。
ここで、特定のビットの組合せが不正常なエラーコマンド(単に、不正常なエラーコマンドと称す)は、前述したように、配線302の短絡などの配線異常のほかに、配線302に対してノイズが混入したことを原因として、音声ランプ制御装置113が受信することのあるコマンドである。
ここで、配線302に対するノイズの混入は、配線302のどの部分(線)にノイズがのるかが不規則であるため、エラーコマンドのいずれのビットに影響するかが不規則的な現象である一方で、配線302における短絡などの配線異常は、その配線302の一部または全部における継続的な現象であるので、特定のビットに対応する配線の一部に短絡などの異常が生じてしまうと、その後、配線異常が解消されるまでは、エラーコマンドにおける特定のビットが不正常な値の組み合わせになり続ける可能性がある。
そこで、音声ランプ制御装置113のMPU221は、第1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eのうち、いずれかの値が、判定しきい値(本実施形態では「3」)以上となっている場合、即ち、特定の2ビットの値の組合せが不正常なエラーコマンドであって、同じ種類のものを3回続けて受信した場合に、配線異常が発生したものと判定するようにしている。
そして、MPU221によって、配線異常の判定がなされた場合は、その旨を、各種エラーとは異なる態様で報知する。これにより、配線302の配線異常が発生した場合に、遊技場の係員などに、速やかに配線302の取り替え等を行わせ、配線異常を解消することができる。
更に、RAM223は、ビットチェック実行フラグ223fを有している。ビットチェック実行フラグ223fは、パチンコ機10の電源投入時に主制御装置110から送信されるエラーコマンドを用いて行われる、配線302や各種スイッチ208の異常確認が行われたか否かを示すためのフラグである。
ビットチェック実行フラグ223fは、音声ランプ制御装置113の電源投入時に行われる、立ち上げ処理(図28参照)の中でオンされ、音声ランプ制御装置113が、上位バイト「DEh」のエラーコマンドを、電源立ち上げ後はじめて受信した場合に、後述するエラー時動作実行処理(S1109、図31)の中でオフされるフラグである。
詳細は後述するが、電源投入時に主制御装置110は、エラー判定処理(図24参照)を実行して、上位バイト「DEh」のエラーコマンドにより送信する。前述したように、このときに主制御装置110が生成する上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、第3ビットから第7ビットに、いずれもエラーの割り当てが無く、各ビットの値に「0」が設定されるコマンドである。
そのため、このコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に、第3ビットから第7ビットのいずれかの値が、「1」となっていれば、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、即ち配線302に、断線や短絡などの異常生じている可能性がある。この場合は、配線異常により、エラーコマンド以外のコマンドについても正常に送受信されていないことが考えられる。
そこで、詳細は後述するが、本実施形態では、音声ランプ制御装置113が、ビットチェック実行フラグ223fがオンしている状態、即ち、上位バイト「DEh」のエラーコマンドを電源投入後にはじめて受信した場合に、そのコマンドの第3ビットから第7ビットのいずれかの値が「1」となっているか否かを判別させ、「1」となっている場合に、配線302の一部に異常が生じている可能性があるとして、報知を行わせるようにしている。これにより、配線302に異常が生じている状態で、遊技が開始されることを予防することができる。
第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図30参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図30のS1104参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図34のS1202参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81の画面表示を制御する装置であり、第3図柄の変動表示(変動演出)、図6に示す特殊演出、大当たりを通知する画面、大当たり態様や、特殊態様2における2R以降において、第1または第2大開放口65a650aが開閉動作するときに表示させる画面、大当たりの終了を通知する画面、といった種々の画面表示を、音声ランプ制御装置113(主制御装置110111)から送信されるコマンドに従って制御するものである。
表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを有している。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドやその他の各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。
ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。
ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータ(キャラクタ情報)を圧縮された型式で記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示させる画像を生成するためにキャラクタROM235から読み出された複数のキャラクタ情報を解凍した型式で記憶する領域(図示せず)と、その解凍した複数のキャラクタ情報の少なくとも一部を用いて生成した1フレーム分の表示データを、その表示がなされるまで一時的に記憶するフレームバッファ領域(図示せず)とを有するメモリである。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234のフレームバッファ領域に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図21参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図17から図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがある。説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図17は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず、始動入賞スイッチ208bや、第1および第2特定入賞スイッチ208c,208dなどの各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、各種入賞スイッチのほかのスイッチ208の状態についても読み込んで、パチンコ機10においてエラーが発生した状態となっているか否かを判定するエラー判定処理を実行する(S102)。即ち、各種スイッチ208の状態に基づいて、各種のエラーが発生しているか否かをそれぞれ判定すると共に、その判定結果に基づいて、エラーの発生を音声ランプ制御装置113に通知するためのエラーコマンドを生成する。なお、エラー判定処理(S102)の詳細については、図24から図27を参照して後述する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S103)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S104)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,9,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S105)、更に、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S106)。なお、変動処理の詳細については図18,19を参照して後述し、また、始動入賞処理の詳細については図20を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S107)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S108)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図18,19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S105)について説明する。図18は、この変動処理(S105)を示したフローチャートである。この変動処理(S105)は、タイマ割り込み処理(図17参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、大当たり中か否かを判別する(S201)。判別の結果、大当たり中であれば(S201:Yes)、変動表示は行えないので、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S203の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S204:No)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S205)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行し(S207)、そのまま本処理を終了する。なお、変動開始処理については、図19を参照して後述する。
S204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S208:No)、デモコマンドを設定して(S209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S212)。第1図柄の停止図柄の設定は、図19を参照して後述する変動開始処理(S207)によって予め行われる。即ち、変動開始処理(S207)では、S206の処理により、保留球格納エリアの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり種別が決定される。そして、第1図柄表示装置37の停止表示として、大当たりの場合は、その決定された大当たり種別に対応する停止図柄が設定され、外れの場合は外れに対応する停止図柄が設定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図19を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S207)について説明する。図19は、変動開始処理(S207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S207)は、タイマ割込処理(図17参照)の変動処理(図18参照)の中で実行され、保留球格納エリアの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり抽選および小当たり判定を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動時間)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選を行う(S301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブルの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S301の処理では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S301:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり種別を決定し、それに基づいて大当たり時の表示態様(停止図柄)を設定する(S302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブルとによって設定される大当たり種別、即ち、15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれであるか、に基づいて、第1図柄表示装置37の停止図柄(LED37aの点灯状態)および第3図柄表示装置81の停止図柄が設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S303)。この変動パターンの決定は、保留球格納エリアの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値と、S302の処理で決定された大当たり種別によって選定される変動パターンテーブルとに基づいて行われる。上述した通り、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりであった場合は第1変動パターンテーブルを選定し、大当たり種別が2R確変大当たりであった場合は、第2変動パターンテーブルを選定する。そして、選定した変動パターンテーブルにおいて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値を対応づけている変動パターンを、これから開始する変動表示の変動パターンとして決定する。
S301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S301:No)、外れと判定して、外れ時の表示態様(停止図柄)が設定される(S307)。S307の処理では、第1図柄表示装置37の停止図柄を外れ図柄に対応した停止図柄に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別(停止図柄)として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが、設定されている。
次に、外れ時の変動パターン(変動時間)を決定する(S308)。この変動パターンの決定は、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、各種条件に基づいて選定された変動パターンテーブルとに基づいて行われる。ここで、S307の処理により決定された第3図柄表示装置81の停止種別が、前後外れリーチ又は前後外れ以外リーチである場合は、第3変動パターンテーブルが選定され、該第3図柄表示装置81の停止種別が完全外れである場合は、時短用第4変動パターンテーブル又は非時短用第4変動パターンテーブルが選定される。時短用第4変動パターンテーブルは、パチンコ機10の遊技状態が時短状態(第2図柄の当たり確率がアップした確変時(第3図柄の高確率状態)を含む)にある場合に選定され、パチンコ機10の遊技場がそれ以外の場合は、非時短用第4変動パターンテーブルが選定される。そして、選定した変動パターンテーブルにおいて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値を対応づけている変動パターンを、これから開始する変動表示の変動パターンとして、決定する。
S303又はS308の処理が終わると、そのS303又はS308の処理で決定された変動パターン(変動時間)を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S309)。次いで、S302又はS307の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S310)、変動開始処理を終了する。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS801の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S106)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S106)を示したフローチャートである。この始動入賞処理(S106)は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、第3図柄表示装置81における連続予告演出開始の許可判定処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S403)、更に、前記ステップS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S404)。
次いで、S403の処理によって更新された保留球数カウンタ203aの値Nを含めた保留球数コマンドを作成して設定する(S405)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23)のS801の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の保留級数カウンタ223aを更新し、その保留級数カウンタ223aで示される数分の保留ランプ85を点灯表示する。
そして、始動入賞処理を終了し、タイマ割込み処理に戻る。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図22を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図22は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S704)、オンされていれば(S704:Yes)、処理をS713へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S705)、記憶されていなければ(S705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS713へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S705:Yes)、RAM判定値を算出し(S706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS713へ移行する。なお、図23のS812の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S713の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S713)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S714,S715)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S714,S715)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S714,S715)を実行する。RAMの初期化処理(S714,S715)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S714)、その後、RAM203の初期値を設定する(S715)。RAM203の初期化処理の実行後は、S711の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアし(S708)、次に、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cを0クリア(初期化)して、S710の処理に移行する(S709)。
S710の処理では、ビットチェック実行フラグ203dをオンする(S710)。詳細は後述するが、これにより、S711の処理に続いて実行されるエラー判定処理(S711)において、上位バイト「DEh」のエラーコマンドを生成させ、音声ランプ制御装置113へ送信させることができる。なお、S711の処理の詳細については図24を参照して後述する。S711の処理の後は、割込みを許可し(S712)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図23を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS801〜S805の各処理が実行され、その残余時間でS808,S809のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図17参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S801)。
具体的には、タイマ割込処理(図17参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図20参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンドや、各大開放口65a,650aを開閉動作させている場合に第3図柄表示装置81に各種画面を表示させるのに必要な告知コマンドA、告知コマンドB、突確コマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドA、エンディングコマンドB等を、音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S803)、次いで、大当たり状態である場合において、第1可変入賞装置65の第1大開放口65aおよび第2可変入賞装置650の第2大開放口65aのそれぞれを、開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S804)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大開放口65aを開放し、大開放口65aの最大開放時間が経過したか、又は大開放口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大開放口65aを閉鎖する。この大開放口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S805)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S806)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S806:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S807)、既に所定時間が経過していれば(S807:Yes)、処理をS801へ移行し、上述したS801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S807:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S808,S809)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S808)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S802の処理と同一の方法によって実行する(S809)。
ここで、S801〜S805の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S806の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S806:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図21のNMI割込処理が実行されたということなので、S810以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S810)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S811)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S812)、RAM203のアクセスを禁止して(S813)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S806の処理は、S801〜S805で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS808とS809の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図24から図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるエラー判定処理(S102,S711)を説明する。図24は、このエラー判定処理(S102)を示したフローチャートである。このエラー判定処理(S102,S711)は、タイマ割込処理(図17参照)および後述する立ち上げ処理(図22参照)の各処理の中でそれぞれ実行される処理であり、各種スイッチ208の状態に基づいて、パチンコ機10において発生する各種のエラーの発生状況をそれぞれ判定し、その判定結果に基づいてエラーコマンドを生成して、RAM203が有するコマンド送信用リングバッファに、生成したエラーコマンドを設定する。
エラー判定処理(S102,S711)では、まず、上述した「電波検知エラー」の発生を判定する電波検知処理を実行する(S501)。
ここで、図25(a)を参照して、電波検知処理(S501)の詳細について説明する。図25(a)は、電波検知処理(S501)を示したフローチャートである。電波検知処理では、まず、MPU201に入力されている電波検知装置208aからオン信号の立ち上がりが入力されたか否かを判定することにより、該電波検知装置208aによって電波が検出されたか否かを判別する(S520)。上述の通り、電波検知装置208aは、所定値レベルの電波を検出している場合にオン信号を出力し、電波を検出していない場合にオフ信号を出力する。
このため、MPU201へ電波検知装置208aからオン信号の立ち上がりが入力されていれば、MPU201は、電波検知装置208aによって電波が検出されて「電波検知エラー」が発生していると判定して(S520:Yes)、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットに「1」を立てる(S521)。これにより、該ビットに、電波検知装置208aによって電波が検出されていることを示す情報、即ち、「電波検知エラー」が発生しているとの判定結果を記憶する。その後、電波検知処理(S501)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
一方、電波検知装置208aからMPU201へオン信号の立ち上がりが入力されたタイミングでなければ(S520:No)、そのまま電波検知処理(S501)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットは、後述するS512の処理によって、エラー判定処理(S102)の開始時点で0クリアされた状態となっている。よって、この場合、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットには「0」が記憶される。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「入賞スイッチ異常エラー」の発生を判定する入賞スイッチ異常判定処理を実行する(S502)。
ここで、図25(b)を参照して、入賞スイッチ異常判定処理(S502)の詳細について説明する。図25(b)は、入賞スイッチ異常判定処理(S502)を示したフローチャートである。入賞スイッチ異常判定処理では、まず、タイマ割り込み処理の入賞スイッチ読み込み処理(S101)が行われる度に保存される、タイマ割り込み処理毎の第1入球口(始動口)64における球の検出情報(入賞検知情報)を取得し(S530)、その検出情報に基づいて、始動入賞スイッチ208bのオン状態が、所定時間(例えば0.2秒)継続して検出されたか否かを判定する(S531)。
この所定時間は、球が第1入球口(始動口)64を通過するのに十分な時間に設定されているため、始動入賞スイッチ208bのオン状態が、所定時間(0.2s)継続して検出されていると判定された場合は(S531:Yes)、前述の通り、始動入賞スイッチ208bが故障していたり、該スイッチ208bおいて不正行為が行われていたりする可能性がある。そこで、この場合、MPU201は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットに「1」を立て、上述した「入賞スイッチ異常エラー」が発生したとの判定結果を記憶する(S532)。その後、入賞スイッチ異常判定処理(S502)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
一方、MPU201によって、始動入賞スイッチ208bがオフ状態であるか、始動入賞スイッチ208bのオン状態の継続時間が所定時間(0.2秒)に満たないか、或いは、所定時を超過していると判別された場合は(S531:No)、そのまま入賞スイッチ異常判定処理(S502)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「前面枠開放エラー」の発生を判定する前面枠開放判定処理を実行する(S503)。
ここで、図25(c)を参照して、前面枠開放判定処理(S503)の詳細について説明する。図25(c)は、前面枠開放判定処理(S503)を示したフローチャートである。前面枠開放判定処理では、まず、MPU201は、前面枠開放スイッチ208eからオン信号の立ち上がりが入力されたか否かを判定することにより、前面枠14が開状態となったタイミングであるか否かを判別する(S540)。上述の通り、前面枠開放スイッチ208eは、前面枠14が開状態の場合にオン信号を出力し、閉状態の場合にオフ信号を出力する。
このため、前面枠14は開状態になったと判別された場合は(S540:Yes)、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「1」を立て、これにより、該ビットに、前面枠14が開状態となったこと、即ち、「前面枠開放エラー」が発生していることを示す情報を記憶する(S541)。このとき、前面枠14が閉状態となった場合に「1」が記憶される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットには、「0」が記憶された状態となる。その後、前面枠開放判定処理(S503)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
S540の処理によって、前面枠開放スイッチ208eからのオン信号が立ち上がるタイミングではなく、前面枠14が開状態となったタイミングではないと判別された場合は(S540:No)、S542の処理に移行し、MPU201は、オン信号からオフ信号への立ち下がりが前面枠開放スイッチ208eから入力されたか否かを判定し、これにより、前面枠14が閉状態となったタイミングであるか否かを判別する(S542)。
S542の処理によって、前面枠14が閉状態となったと判別された場合は(S542:Yes)、「前面枠開放エラー」が解消されたということなので、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットに「1」を立てる(S543)。これにより、該ビットに、前面枠14が閉状態であること、即ち、「前面枠開放エラー」が解消したことを示す情報を記憶する。このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットは「0」が記憶された状態となる。その後、前面枠開放判定処理(S503)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
また、S542の処理において、前面枠開放スイッチ208eから入力された信号のオフへの立ち下がりがMPU201に入力されておらず、前面枠14が閉状態となったタイミングではないと判別された場合は(S542:No)、前面枠開放判定処理(S503)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。この場合は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットと、第4ビットの何れにも「0」が格納された状態となる。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「前面枠開放時入賞エラー」の発生を判定する前面枠開放時入賞判定処理を実行する(S504)。
ここで、図26(a)を参照して、前面枠開放時入賞判定処理(S504)の詳細について説明する。図26(a)は、前面枠開放時入賞判定処理(S504)を示したフローチャートである。前面枠開放時入賞判定処理(S504)では、まず、MPU201に入力されている前面枠開放スイッチ208eからの入力信号が、オン信号またはオフ信号のいずれであるかを判定することにより、前面枠14が開状態であるか否かを判別する(S550)。
S550の処理によって、前面枠14が開状態であると判別された場合は(S550:Yes)、S551の処理に移行し、タイマ割り込み処理毎の第1入球口(始動口)64における球の検出情報(入賞検知情報)を参照して、第1入球口64を通過する球が始動入賞スイッチ208bによって検出されているか否かを判別する(S551)。S551の処理によって、第1入球口64を通過する球が検出されていると判別された場合は(S551:Yes)、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに「1」を立てる(S552)。これにより、該ビットに、「前面枠開放時入賞エラー」が発生しているとの判定結果を記憶する。そして、エラー判定処理(S102)に戻る。
一方、S550の処理によって前面枠14が開状態でない(即ち、閉状態である)と判別された場合(S550:No)、又は、S550の処理によって前面枠14が開状態であると判別され(S550:Yes)、続くS551の処理によって第1入球口64を通過する球が検出されていないと判別された場合は(S551:No)、そのまま前面枠開放時入賞判定処理(S504)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。この場合、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットには「0」が格納される。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「内枠開放エラー」の発生を判定する内枠開放判定処理を実行する(S505)。
ここで、図26(b)を参照して、内枠開放判定処理(S505)の詳細について説明する。図26(b)は、内枠開放判定処理(S505)を示したフローチャートである。内枠開放判定処理では、まず、MPU201は、内枠開放スイッチ208fからオン信号の立ち上がりが入力されたか否かを判定することにより、内枠12が開状態となったタイミングであるか否かを判別する(S560)。上述の通り、内枠開放スイッチ208fは、内枠12が開状態の場合にオン信号を出力し、閉状態の場合にオフ信号を出力する。
このため、内枠12は開状態になったと判別された場合は(S560:Yes)、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「1」を立て、これにより、該ビットに、内枠12が開状態となったこと、即ち、「内枠開放エラー」が発生していることを示す情報を記憶する(S561)。このとき、内枠12が閉状態となった場合に「1」が格納される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットには、「0」が記憶された状態となる。その後、内枠開放判定処理(S505)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
S560の処理によって、内枠開放スイッチ208fからのオン信号が立ち上がるタイミングではなく、内枠12が開状態となったタイミングではないと判別された場合は(S560:No)、S562の処理に移行し、MPU201は、オン信号からオフ信号への立ち下がりが内枠開放スイッチ208fから入力されたか否かを判定し、これにより、内枠12が閉状態となったタイミングであるか否かを判別する(S562)。
S562の処理によって、内枠12が閉状態となったと判別された場合は(S562:Yes)、「内枠開放エラー」が解消されたということなので、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットに「1」を立てる(S563)。これにより、該ビットに、内枠12が閉状態であること、即ち、「内枠開放エラー」が解消したことを示す情報を記憶する。このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットは「0」が記憶された状態となる。その後、内枠開放判定処理(S505)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。
また、S562の処理において、内枠開放スイッチ208fから入力された信号のオフへの立ち下がりがMPU201に入力されておらず、内枠12が閉状態となったタイミングではないと判別された場合は(S562:No)、内枠開放判定処理(S505)を終了し、エラー判定処理(S102)に戻る。この場合は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットおよび第6ビットの何れにも「0」が格納された状態となる。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「不正入賞エラー」の発生を判定する不正入賞判定処理を実行する(S506)。
ここで、図27(a)を参照して、不正入賞判定処理(S506)の詳細について説明する。図27(a)は、不正入賞判定処理(S506)を示したフローチャートである。不正入賞判定処理では、S560からS562の処理によって、「第1不正入賞エラー」が発生しているか否かが判定されると共に、S563からS565の処理によって、「第2不正入賞エラー」が発生しているか否かが判定される。
まず、タイマ割り込み処理の入賞スイッチ読み込み処理(S101)が行われる度に保存される、タイマ割込処理毎の第1大開放口65aにおける球の検出情報(入賞検知情報)を参照して、第1大開放口65aを通過する球が検出されたか否かを判別する(S560)。
S560の処理において第1大開放口65aを通過する球が検出されていると判別された場合は(S560:Yes)、前述した第1大開放口65aにおける球の有効通過期間であるか否かを判別する(S561)。第1大開放口65aにおける球の有効通過期間でないと判別された場合は(S561:No)、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットに「1」を立て、「第1不正入賞エラー」が発生しているとの判定結果を記憶し(S562)、S563の処理に移行する。
一方、S560の処理によって、第1大開放口65aを通過する球が検出されていないと判定された場合は(S560:No)、S561とS562の各処理をスキップして、S563の処理に移行する。また、S561の処理において、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間であると判定された場合は(S561:Yes)、S562の各処理をスキップして、S563の処理に移行する。これらの場合は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットの値に「0」が記憶される。
S563の処理では、タイマ割り込み処理の入賞スイッチ読み込み処理(S101)が行われる度に保存される、タイマ割り込み処理毎の第2大開放口650aにおける球の検出情報(入賞検知情報)を参照して、第2大開放口650aを通過する球が検出されたか否かを判別する。
S563の処理において第2大開放口650aを通過する球が検出されていると判別された場合は(S563:Yes)、第2大開放口650aにおける球の有効通過期間であるか否かを判別する(S564)。第2大開放口650aにおける球の有効通過期間でないと判別された場合は(S564:No)、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットに「1」を立て、「第2不正入賞エラー」が発生しているとの判定結果を記憶する(S565)。そして、不正入賞判定処理(S506)を終了する。
一方、S563の処理によって、第2大開放口650aを通過する球が検出されていないと判定された場合は(S563:No)、S564とS565の各処理をスキップして、そのまま不正入賞判定処理(S506)を終了する。また、S564の処理において、第2大開放口650aにおける球の有効通過期間であると判定された場合は(S564:Yes)、S565の処理をスキップして、不正入賞判定処理(S506)を終了する。これらの場合は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットの値に「0」が記憶される。
図24に戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、上述した「振動検知エラー」および「振動時停止エラー」の発生を判定する振動検知処理を実行する(S507)。
ここで、図27(b)を参照して、振動検知処理(S507)の詳細について説明する。図27(b)は、振動検知処理(S507)を示したフローチャートである。振動検知処理(S507)では、まず、MPU201は、振動センサ208gからオン信号の立ち上がりが入力されたか否かを判定することにより、パチンコ機10に振動が与えられているか否かを判別する(S570)。上述の通り、振動センサ208gは、設定値レベルの振動を検出した場合にオン信号を出力し、検出している振動のレベルが設定値レベル未満になった場合にオフ信号を出力する。
S570の処理において、振動センサ208gからオン信号の立ち上がりが入力されたと判別された場合は(S570:Yes)、振動検知カウンタ(図示せず)の値に1を加え(S571)、加算後の値が、遊技を停止させる値であるか否かを判別する(S572)。振動検知カウンタとは、パチンコ機10の与えられた振動の回数を計数するRAM203に設けられたカウンタであり、電源投入時に初期化される。
振動検知カウンタの値が、遊技を停止させる値であると判別された場合は、S573の処理に移行し、ROM202の所定領域から「振動時停止エラー」に応じたコマンドを読みだして、そのコマンドをRAM203のコマンド送信用リングバッファ(図示せず)に設定し(S573)、エラー判定処理(S102,S711)に戻る。
一方、S572の処理によって、振動検知カウンタの値が、遊技を停止させる値未満であると判別された場合は(S572:No)、S574の処理に移行し、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットに「1」を立て、これにより、該ビットに「振動検知エラー」が発生しているとの判定結果を記憶して(S574)、振動検知処理(S507)を終了する。このとき、「振動検知エラー」が解除されたとの判定結果を記憶する第2エラー判定用バッファメモリ203cの第1ビットは、「0」が格納された状態となる。
S570に戻って説明を続ける。S570の処理によって、振動センサ208gからオン信号の立ち上がりが入力されていないと判別された場合は(S570:No)、オン信号からオフ信号への立ち下がりが入力されているか否かを判別する(S575)。オフ信号への立ち下がりが入力されていると判別された場合(575:Yes)、MPU201は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第2ビットに「1」を立て、エラー判定処理(S102,S711)に戻る。
一方、オフ信号への立ち下がりも入力されていないと判別された場合(575:No)は、そのままエラー判定処理(S102,S711)に戻る。この場合は、第2エラー判定用バッファメモリ203cの第1ビットおよび第2ビットの両方に「0」が格納された状態となる。
図24に戻って説明を続ける。振動検知処理507の後、MPU201は、各エラー検知処理を実行する。即ち、第1および2エラー判定用バッファメモリ203b,203cに情報が格納されない、その他のエラーが発生している場合にそれを検出し、発生したエラーに応じたエラーコマンドをRAM203のコマンド送信用リングバッファ(図示せず)に設定する(S508)。
次に、ビットチェック実行フラグ203dがオンされているか否かを判別する(S509)。
ビットチェックフラグ203dは、前述したように、立ち上げ処理の中で実行されるエラー判定処理(S711)の直前のステップ(S710)でオンされるので、電源投入後初めてのエラー判定処理(S711)では、ビットチェック実行フラグ203dがオンされていると判別される(S509:Yes)。この場合は、ビットチェック実行フラグ203dをオフし(S515)、S513の処理に移行する。
S513の処理では、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットに格納されている値に基づいて、エラーコマンドを生成し、RAM203のコマンド送信用リングバッファに設定する。このとき、上位バイト「DDh」、下位バイトの第3ビット〜第7ビットの値がいずれも「0」に設定されたコマンドが生成される。
次に第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cを0クリアして(S514)、処理を終了する。
このように、電源投入時に起動される立ち上げ処理の中で実行されるエラー判定処理(S711)では、ビットチェック実行フラグ203dがオンされていることにより、S506およびS507の処理の結果に拘わらず、上位バイト「DEh」、下位バイトの第3ビット〜第7ビットの値がいずれも「0」のエラーコマンドが必ず生成される。
S509の処理に戻って説明を続ける。ビットチェック実行フラグ203dがオフされていると判別された場合(即ち、当該エラー判定処理が、タイマ割込処理の一処理である場合)は、S510の処理に移行する(S509:No)。S510の処理では、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットの何れかに、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報があるか否か(本実施形態では、何れかのビットに「1」が格納されているか否か)を判別する(S510)。
S510の処理によって、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットの何れかに、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報があると判別された場合(何れかのビットに「1」が格納されている場合)は(S510:Yes)、S511の処理に移行し、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットに格納されている値に基づいて、エラーコマンドを生成し、RAM203のコマンド送信用リングバッファに設定し(S511)、S512の処理に移行する。このときに生成されるエラーコマンドは、上位バイトに、かかるエラーコマンドに固有の値「DDh」、下位バイト(下位8ビット)に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの値の、2バイトで構成される。
一方、S510の処理によって、第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットの何れにも、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報がないと判別された場合(全ビットに「0」が格納されている場合)は(S510:No)、S511の処理をスキップし、S512の処理に移行する。この場合は、実行中のエラー判定処理(S102)によって、上位バイト「DDh」のエラーコマンドは生成されない。
S512の処理では、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットの何れかに、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報があるか否か(本実施形態では、何れかのビットに「1」が格納されているか否か)を判別する。ここで、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットの何れかに、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報があると判別された場合(第0ビットから第3ビットのいずれかに「1」が格納されている場合)は(S512:Yes)、S513の処理に移行し、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットに格納されている値に基づいて、上位バイト「DEh」のエラーコマンドを生成し、RAM203のコマンド送信用リングバッファに設定し(S513)S514の処理に移行する。このときに生成されるエラーコマンドは、上位バイトに、かかるエラーコマンドに固有の値「DEh」、下位バイトに(下位8ビット)に、第2エラー判定用バッファメモリ203cの値の、2バイトで構成される。
一方、S512の処理によって、第2エラー判定用バッファメモリ203cの各ビットの何れにも、エラーが発生あるいは解消したこと示す情報がないと判別された場合(全ビットに「0」が格納されている場合)(S512:No)、S513の処理をスキップし、S514の処理に移行する。この場合は、実行中のエラー判定処理(S102)によって、上位バイト「DEh」のエラーコマンドは生成されない。
S514の処理に移行後、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cを0クリアして(S514)、処理を終了する。
このように、第2実施形態のパチンコ機10の主制御装置110が、エラー判定処理(S102)を実行して生成される上位バイト「DDh」および、上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、種類が異なる複数のエラーの発生状況を示す情報を含んでいるので、1のエラーコマンドを送信するだけで、複数種類のエラーの発生状況を音声ランプ制御装置113に通知することができる。そのため、それぞれの種類のエラーの発生状況を、それぞれ別個のコマンドによって音声ランプ制御装置113に送信する場合と比較して、送信するコマンド数を低減することができる。よって、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)において、エラーコマンドを送信するために主制御装置110が負う処理負担を低減することができる。また、送信前のコマンドを格納するRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量を圧縮することができ、コマンド送信用のリングバッファの容量を効率的に使用することができる。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信を好適に行うことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110は、各種スイッチ208による検出結果に基づいて、エラーが発生あるいは解消したタイミングに、異なる種類のエラーの発生状況が下位バイトの各ビットに反映されたエラーコマンドを生成し、それをRAM203のコマンド送信用リングバッファに格納する。
よって、異なる種類のエラーの発生状況を示す情報を含んだエラーコマンドを、エラーの発生状況の変化に関係なく、逐次生成し送信する場合と比較して、コマンド送信用リングバッファにおけるエラーコマンドが占める割合を低減させることができる。従って、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)における処理負担をさらに低減することができ、コマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量をより効率的に圧縮することができる。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信をいっそう好適に行うことができる。
次に、図28から図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図28を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図28は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1018の電源断処理(図29参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S902)。図29を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図29のS1015参照)、S1018の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1018の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S902:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S903)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S906の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S903:Yes)、S904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S903:No)、S908へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S903:Yes)、S904へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S903:No)、S908へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S902:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1018の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS904へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S904の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S904)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0F1h」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0F1h」であるか否かを確認し、「0F1h」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0F1h」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S905:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S906)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S905:No)、RAM223の異常を報知して(S907)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S908の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S908)。電源断フラグはS1018の電源断処理の実行前にオンされる(図29のS1017参照)。つまり、電源断フラグは、S1018の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1018の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S908:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S909)、RAM223の初期値を設定する(S910)。S910の処理では、1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eの各初期値として「0」を設定する。
次に、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS908の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS904からS906の処理を経由してS908の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S908:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS909をスキップして、処理をS910へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S910)、割込み許可を設定して(S911)、メイン処理へ移行する。
なお、S909のクリア処理をスキップするのは、S904からS906の処理を経由してS908の処理へ至った場合には、S904の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図29を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図29は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S1001の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1001)、1m秒以上経過していなければ(S1001:No)、S1002〜S1012の処理を行わずにS1013の処理へ移行する。S1001の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1002〜S1012が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1013の変動表示処理やS1014のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1014の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1013の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1001の処理で1m秒以上経過していれば(S1001:Yes)、まず、S1003〜S1014の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1002)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1009の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1003)、その後電源投入報知処理を実行する(S1004)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1005の処理へ移行する。
S1005の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1006)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ85を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1007)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1007の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1009)、その後音編集・出力処理を実行する(S1010)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1010の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1011)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1012)、S1013の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1009のランプ編集処理が実行される。なお、S1010の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。
S1013の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドを生成し、生成したコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する(S1013)。この変動表示処理の詳細については、図34を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1014)。このコマンド判定処理の詳細については、図30を参照して後述する。
S1014の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1015)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1015:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1017)、電源断処理を実行する(S1018)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1019)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1015の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1015:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1016)、RAM223が破壊されていなければ(S1016:No)、S1001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1016:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1014)について説明する。図30は、このコマンド判定処理(S1014)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1014)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S1101)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S1101:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動時間)を抽出して(S1102)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図34参照)において、この記憶された変動パターンに基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S1101:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S1103)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(S1103:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(S1104)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM233に記憶する(S1105)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(S1103:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S1106)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S1106:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S1107)。そして、コマンド判定処理を終了し、メイン処理へ戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
S1106の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S1106:No)、次いで、主制御装置110よりエラーコマンドを受信したか否かを判別する(S1108)。そして、エラーコマンドを受信したと判別された場合(S1108:Yes)は、エラー時動作実行処理を実行して、受信したエラーコマンドに対応する処理を行い(S1109)、メイン処理へ戻る。なお、エラー時動作実行処理(S1109)の詳細については図31参照して後述する。
S1108の処理の結果、エラーコマンドを受信していないと判別された場合(S1108:No)は、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S1111)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。
主制御装置110より受信した確定コマンドは、このS1111の処理によって、表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用確定コマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にて実行した第3図柄の変動演出を確定表示させる。また、主制御装置110より受信したデモコマンドは、このS1111の処理によって、表示用デモコマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。表示制御装置114では、この表示用デモコマンドを受信することにより、第3図柄表示装置81にてデモ画面を表示させる。
また、音声ランプ制御装置113で対応していないコマンドを受信していた場合は、エラー画面の表示や、通常では実行されない特殊態様での変動演出の実行を第3図柄表示装置81にさせるべく、エラー画面の表示または特殊態様による変動演出の実行を指示するコマンドを、表示制御装置114に対して送信する。
次に、図31を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエラー時動作実行処理(S1019)について説明する。図31は、このエラー時動作実行処理(S1019)を示したフローチャートである。このエラー時動作実行処理(S1019)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1014,図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したエラーコマンドに対応する処理を行う。
このエラー時動作実行処理(S1109)では、まず、エラーコマンドの上位バイトの値が、「DDh」であるか、「DEh」であるか、それとも、それ以外の値であるかを判別する(S1121)。
S1121の処理によって、エラーコマンドの上位バイトの値が「DDh」であると判別された場合(S1121:「DDh」)、第1エラー時動作実行処理(S1122)を実行する。
ここで、図32を参照して、第1エラー時動作実行処理(S1122)の詳細について説明する。図32は、この第1エラー時動作実行処理(S1122)を示したフローチャートである。この第1エラー時動作実行処理(S1122)では、音声ランプ制御装置113のMPU221が受信した、上位バイト「DDh」のエラーコマンドに対応する処理を行う。
第1エラー時動作実行処理では、まず、エラーコマンドの下位バイトの第3ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S1131)。前述したように、上位バイト「DDh」のエラーコマンドでは、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値が共に「1」の場合が不正常な組合せである。これは、第3ビットで、前面枠14が開状態であることを示し、第4ビットで、前面枠14が閉状態であることを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理S102によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。
S1131の処理により、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値の組合せが、不正常であると判別された場合は(S1131:Yes)、S1132の処理に移行する。S1132の処理では、第3ビットおよび第4ビットに対応するカウンタである第1配線異常判定カウンタ223bの値に1を加算して(S1132)、第2および第3配線異常カウンタ223c,223dの値をクリアし(S1133)、S1134の処理によって、加算後の第1配線異常判定カウンタ223bの値と、判定しきい値(本実施形態では「3」)とを比較する(S1134)。
S1134の処理による比較の結果、第1配線異常判定カウンタ223bの値が判定しきい値の「3」未満の値であれば(S1134:No)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
一方、S1134の処理による比較の結果、第1配線異常判定カウンタ223bの値が判定しきい値の「3」以上の値であれば(S1134:Yes)、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する配線302に、短絡などの異常が生じている可能性があるものとして報知を実行し(S1135)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
S1131の処理に戻って説明を続ける。S1131の処理により、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値の組合せは正常であると判別された場合(S1131:No)、S1136の処理に移行し、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S1136)。前述したように、上位バイト「DDh」のエラーコマンドでは、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値が共に「1」の場合が不正常な組合せである。これは、第1ビットで、前面枠14が開状態であることを条件に発生する「前面枠開放時入賞エラー」の発生を示し、第4ビットで、前面枠14が閉状態であることを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理S102によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。
S1136の処理により、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値の組合せが、不正常であると判別された場合は(S1136:Yes)、S1137の処理に移行する。そして、第1ビットおよび第4ビットに対応するカウンタである第2配線異常判定カウンタ223cの値に1を加算して(S1137)、第1および第3配線異常カウンタ223b,223dの値をクリアし(S1138)、S1134の処理に移行する。
S1134の処理では、前述したのと同様に、加算後の第2配線異常判定カウンタ223cの値と、判定しきい値(本実施形態では「3」)とを比較する(S1134)。比較の結果、第2配線異常判定カウンタ223cの値が判定しきい値の「3」未満の値であると判別されれば(S1134:No)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
一方で、S1134の処理によって、第1配線異常判定カウンタ223bの値が判定しきい値の「3」以上の値と判別されれば(S1134:Yes)、配線302に配線異常が生じた可能性があるものとして報知を実行し(S1135)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
S1136の処理に戻って説明を続ける。S1136の処理により、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値の組合せは正常であると判別された場合(S1136:No)、S1139の処理に移行し、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S1139)。前述したように、上位バイト「DDh」のエラーコマンドでは、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値が共に「1」の場合が不正常な組合せである。これは、第5ビットで、内枠12が開状態となったことを示し、第6ビットで、内枠12が閉状態となったことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理S102によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。
S1139の処理により、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値の組合せが、不正常であると判別された場合は(S1139:Yes)、S1140の処理に移行する。そして、第5ビットおよび第6ビットに対応するカウンタである第3配線異常判定カウンタ223dの値に1を加算して(S1140)、第1および第2配線異常カウンタ223b,223cの値をクリアし(S1141)、S1134の処理に移行する。
S1134の処理では、前述したのと同様に、加算後の第3配線異常判定カウンタ223dの値と、判定しきい値(本実施形態では「3」)とを比較する(S1134)。比較の結果、第3配線異常判定カウンタ223dの値が判定しきい値の「3」未満の値であると判別されれば(S1134:No)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
一方で、S1134の処理によって、第1配線異常判定カウンタ223bの値が判定しきい値の「3」以上の値と判別されれば(S1134:Yes)、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する配線302に、短絡などの異常が生じているものとして報知を実行し(S1135)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
S1139の処理に戻って説明を続ける。S1139の処理により、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値の組合せは正常であると判別された場合(S1139:No)、音声ランプ制御装置113のMPU221は、このとき、正常なコマンドを受信しているものとして、エラーコマンドの下位バイトにおいて、「1」が設定されているビットに対応する報知を実行する(S1142)。次に、第1〜第3配線異常カウンタ223b〜223dを全て0クリアし(S1143)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
このように、第1エラー時動作実行処理(S1122)では、S1131,S1136,S1139の各処理によって、上位バイト「DDh」エラーコマンドの、下位バイトに含まれる特定の2ビットの値の組合せが、主制御装置110にて実行されるエラー判定処理(S102)では設定され得ない不正常な組合せとなっているか否かを、それぞれ判別する。そして、いずれかの2ビットが不正常な組合せとなっていることが判別された場合は、そのエラーコマンドは、配線異常やノイズの影響を受けた不正常なコマンドであるとして、そのコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報(即ち、下位バイトの各ビットの値)に基づく報知は行わない。
一方で、S1131,S1136,S1139の各処理を通じて、下位バイトに含まれる特定の2ビットの値の組合せが、すべて正常な組合せであると判別された場合は(S1131:No,S1136:No,S1139:No)、そのエラーコマンドは、正常なコマンドであるとして、そのコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報(即ち、下位バイトの各ビットの値)に基づいて報知を行う。よって、エラー報知の信頼度を高めることができる。
また、S1131,S1136,S1139のいずれか1処理によって、3回続けて、下位バイトの特定の2ビットが不正常な組合せであると判別された場合、即ち、3回続けて、同じ2ビットの値が不正常なエラーコマンドを受信した場合に限って、第1〜第3配線異常判定カウンタ223b〜223dの値は判定しきい値である「3」以上の値となり、S1135の処理によって、配線302に配線異常が生じている可能性が高い旨報知される。配線302の一部の線における短絡などの配線異常は、それが解消するまで継続する現象である一方で、配線302へのノイズの混入は、配線302のどの部分(線)に影響するかが不規則な現象であるので、このようにすることで、エラーコマンドが不正常となった原因が、ノイズであるか、それとも配線異常であるかを特定して、報知する必要がある配線異常が生じている可能性が高い場合にだけ、その旨の報知を行うことができる。
図31に戻って説明を続ける。S1121の処理によって、エラーコマンドの上位バイトの値が「DEh」であると判別された場合(S1121:「DEh」)、第2エラー時動作実行処理(S1123)を実行する。
ここで、図33を参照して、第2エラー時動作実行処理(S1123)の詳細について説明する。図33は、この第2エラー時動作実行処理(S1123)を示したフローチャートである。この第2エラー時動作実行処理(S1123)では、音声ランプ制御装置113のMPU221が受信した、上位バイト「DEh」のエラーコマンドに対応する処理を行う。
第2エラー時動作実行処理では、まず、ビットチェック実行フラグ223fがオンされているか否かを判別する(S1151)。ここで、ビットチェック実行フラグ223fがオンされていると判別された場合は(S1151:Yes)、ビットチェック実行フラグ223fをオフし(S1152)、主制御装置110の立ち上げ処理において生成された上位バイト「DEh」のエラーコマンドの下位バイトにおいて、第3ビットから第7ビットの全ビットに「0」が設定されているか否かを判別することにより、配線302に異常が生じているか否かについての判定を行う(S1153)。前述の通り、上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、主制御装置110のMPU201によって、下位バイトの第3ビットから第7ビットの値が全て「0」で固定されたコマンドとして生成される。このため、S1153の判定によって、下位バイトの第3ビットから第7ビットいずれかに「1」が設定されていた場合は(S1153:Yes)、配線302に断線や短絡などの配線異常が生じている可能性がある。そこで、この場合は(S1153:Yes)、配線異常についての報知を実行する(S1154)。その後、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
一方、S1153の処理によって、第3ビットから第7ビットの全ビットに「0」が設定されていると判別された場合は(S1153:No)、そのままエラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
S1151の処理に戻って説明を続ける。S1151の処理によって、ビットチェック実行フラグ223fがオフされていると判別された場合は(S1151:No)、S1155の処理に移行し、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第2ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S1155)。前述したように、上位バイト「DEh」のエラーコマンドでは、下位バイトの第1ビットと第2ビットの値が共に「1」の場合が不正常な組合せである。これは、第1ビットで、振動センサ208gで検出される振動のレベル(強度)が、報知を行うレベルであることを示す一方で、第2ビットで、振動センサ208gで検出される振動のレベル(強度)が、報知を行うレベルに満たないことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理S102によって生成される正常なコマンドでは、あり得ない組合せだからである。
S1155の処理により、下位バイトの第1ビットと第2ビットの値の組合せが、不正常であると判別された場合は(S1155:Yes)、S1156の処理に移行する。S1156の処理では、第1ビットおよび第2ビットに対応するカウンタである第4配線異常判定カウンタ223eの値に1を加算して(S1156)、続くS1157の処理によって、加算後の第4配線異常判定カウンタ223fの値と、判定しきい値(本実施形態では「3」)とを比較する(S1157)。
S1157の処理による比較の結果、第4配線異常判定カウンタ223eの値が判定しきい値の「3」未満の値であれば(S1157:No)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
一方、S1157の処理による比較の結果、第4配線異常判定カウンタ223eの値が判定しきい値の「3」以上の値であれば(S1157:Yes)、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する配線302に、短絡などの異常が生じている可能性があるものとして、報知を実行し(S1154)、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
S1155の処理に戻って説明を続ける。S1155の処理により、下位バイトの第1ビットと第2ビットの値の組合せは正常であると判別された場合(S1155:No)、第4配線異常判定カウンタ223eの値を0クリアし(S1158)、正常なコマンドを受信しているものとして、エラーコマンドの下位バイトにおいて、「1」が設定されているビットに対応する処理を実行する(S1159)。これにより、エラーの報知や、その報知の終了を行わせることができる。そして、エラー時動作実行処理(S1109)に戻って処理を終了する。
このように、第2エラー時動作実行処理(S1123)では、S1155の処理によって、上位バイト「DEh」エラーコマンドの、下位バイトに含まれる特定の2ビットの値の組合せが、主制御装置110にて実行されるエラー判定処理(S102)では設定され得ない不正常な組合せとなっているか否かを判別する。そして、不正常な組合せとなっていることが判別された場合は、そのエラーコマンドは、配線異常やノイズの影響を受けた不正常なコマンドであるとして、そのコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報(即ち、下位バイトの各ビットの値)に基づく報知は行わない。
一方で、S1155の処理によって、下位バイトに含まれる特定の2ビットの値の組合せが、正常であると判別された場合は(S1155:No)、その2ビットを含むエラーコマンドは、正常なコマンドであるとして、そのコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報(即ち、下位バイトの各ビットの値)に基づいて報知を行う。このため、エラー報知の信頼度を高めることができる。
また、S1155の処理によって、3回続けて、下位バイトの特定の2ビットが不正常な組合せであると判別された場合、即ち、3回続けて、同じ2ビットの値が不正常なエラーコマンドを受信した場合に限って、第4配線異常判定カウンタ223eの値は判定しきい値である「3」以上の値となり、S1154の処理によって、配線302に配線異常が生じている可能性が高い旨報知される。この場合は、前述したように、エラーコマンドが不正常となった原因が、不規則的な現象であるノイズよりも、継続的な現象である配線異常である可能性が高いことが特定されるためである。
再び、図31に戻って説明を続ける。S1121の処理によって、エラーコマンドの上位バイトの値がでもないと判別された場合(S1121:その他)、受信したエラーコマンドの種別に応じた処理を実行する(S1124)。即ち、そのコマンドと対応する態様で、各ランプの点灯や、7セグメント表示器37bによる表示、または、スピーカからの音声出力を行い、発生したエラーを報知する。なお、このときのエラーコマンドは、2バイトからなる1のコマンドに対して、1のエラーが対応するものである。S1124の処理の実行後、コマンド判定処理(S1014,図30参照)に戻る。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1013)について説明する。図34は、この変動表示処理(S1013)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1013)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図29参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンド及び停止種別コマンドに基づいて表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを生成し、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S1201)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1201:No)、主制御装置110より変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S1201:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1202)、次いで、コマンド判定処理(図30参照)のS1102の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動時間)と、S1105の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S1203)。
そして、RAM223に設けられたカウンタの値と、S1203の処理より取得した変動パターン種別および停止種別とに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S1204)。ここで、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS1204によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
S1204の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1205)。また、S1203の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1206)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S1207)、変動表示処理を終了してメイン処理へ戻る。
次に、図35から図37を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ236より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図35を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源が投入された場合に起動され、電源が断されるまで実行され続けるものである。
電源が投入されてMPU231によりメイン処理が実行されると、まず、初期設定処理を実行する(S1301)。具体的には、まず、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、ビデオRAM234の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM235に記憶された圧縮型式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM234に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM234に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、解凍したキャラクタ情報を記憶したビデオRAM234内の領域とは異なるビデオRAM234内の領域に用意されたフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他、初期化に必要な設定を行う。
初期設定処理が完了すると、次いで、割込許可を設定し(S1302)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。そして、S1302の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図36(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図36(a)は、そのコマンド割込処理を示したフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S1401)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図36(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図36(b)は、そのV割込処理を示したフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画および表示を画像コントローラ236に対して指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ236からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ236において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ236に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ236では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
このV割込処理では、図36(b)に示すように、まず、コマンド判定処理(S1501)を実行する。この、コマンド判定処理(S1501)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行する。コマンド判定処理の詳細については、図37を参照して後述する。
コマンド判定処理(S1501)が終了すると、次いで、表示設定処理(S1502)を実行する。表示設定処理(S1502)では、コマンド判定処理(S1501)などによって定められた第3図柄表示装置81に表示すべき画面の種別に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を、具体的に特定する。
表示設定処理(S1502)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S1503)。このタスク処理では、表示設定処理(S1502)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクタ(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクタ(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった、描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、描画処理を実行する(S1504)。この描画処理では、タスク処理(S1503)で決定された、1フレームを構成する各種キャラクタの種別やそれぞれのキャラクタの描画に必要なパラメータを、画像コントローラ236に対して送信する。これにより、画像コントローラ236では、これらの情報に従って、画像の描画処理を実行すると共に、1V前に受信した情報に従って描画した画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを第3図柄表示装置81へ送信する制御を行う。
その後、その他の必要な処理、例えば、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行した後(S1505)、V割込処理を終了する。
次いで、図37を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S1501)の詳細について説明する。図37は、このコマンド判定処理を示したフローチャートである。
このコマンド判定処理では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S1601)、未処理の新規コマンドがなければ(S1601:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S1601:Yes)、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S1603)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用初期化コマンドがあるか否かを判定し(S1604)、表示用初期化コマンドがあれば(S1604:Yes)、初期化コマンド処理を実行して(S1605)、S1601の処理に戻る。
S1604の処理において、表示用初期化コマンドがないと判別されると(S1604:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S1606)、表示用確定コマンドがあれば(S1606:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S1607)、S1601の処理へ戻る。確定コマンド処理では、変動演出を確定表示させる確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示させる設定を行う。
S1606の処理において、表示表確定コマンドがないと判別されると(S1606:No)、次いで、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S1608)、表示用デモコマンドがあれば(S1608:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S1609)、S1601の処理へ戻る。デモコマンド処理では、デモ画面を第3図柄表示装置81に表示させる設定を行う。
S1608の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S1608:No)、次いで、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S1610)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S1610:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S1611)、S1601の処理へ戻る。変動パターンコマンド処理では、表示用変動パターンコマンドで示される変動態様、即ち、主制御装置110で決定された変動パターン(変動時間)に基づいて音声ランプ制御装置113にて選定された具体的な変動態様に従って、第3図柄表示装置81に変動演出を実行させる設定を行う。
S1610の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S1610:No)、次いで、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S1612)、表示用停止種別コマンドがあれば(S1612:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S1613)、S1601の処理へ戻る。停止種別コマンド処理では、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出の確定表示において、表示用停止種別コマンドで示される停止種別で確定表示されるように設定を行う。
S1612の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S1612:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S1622)、S1601の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS1601の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S1601:Yes)、再びS1602〜S1622の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S1601〜S1622の処理が繰り返し実行され、S1601の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、エラー判定処理(S102)によって生成された、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの値に基づくエラーコマンドは、種類が異なる複数のエラーの発生状況を示す情報を含んでいるので、1のエラーコマンドを送信するだけで、複数種類のエラーの発生状況を音声ランプ制御装置113に通知することができる。そのため、それぞれの種類のエラーの発生状況を、それぞれ別個のコマンドによって音声ランプ制御装置113に送信する場合と比較して、送信するコマンド数を低減することができる。よって、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)において、エラーコマンドを送信するために主制御装置110が負う処理負担を低減することができる。また、送信前のコマンドを格納するRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量を圧縮することができ、コマンド送信用のリングバッファの容量を効率的に使用することができる。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信を好適に行うことができる。
また、本実施形態のパチンコ機10の主制御装置110は、各種スイッチ208による検出結果に基づいて、エラーが発生あるいは解消したタイミングに、異なる種類のエラーの発生状況が下位バイトの各ビットに反映されたエラーコマンドを生成し、それをRAM203のコマンド送信用リングバッファに格納する。
よって、定期的に、異なる種類のエラーの発生状況を示す情報を含んだエラーコマンドを、エラーの発生状況の変化に関係なく、定期的に生成し送信する場合と比較して、コマンド送信用リングバッファにおけるエラーコマンドが占める割合を低減させることができる。従って、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)における処理負担をさらに低減することができ、コマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量をより効率的に圧縮することができる。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信をいっそう好適に行うことができる。
また、エラー判定処理(S102)によって第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットに判定結果が格納され、上位バイト「DDh」のエラーコマンドにエラーの発生情報が含まれる各種エラーは、本実施形態のパチンコ機10とは構成が異なる機種においても採用される蓋然性の高い構成(即ち、電波検知装置208a、前面枠14、内枠12、第1入球口(始動口)64、第1大開放口(第1特定入賞口)65a)に関係するエラーであって、その機種のゲーム内容や遊技性に拘わらず報知することが求められる蓋然性の高いエラーである。よって、機種の異なるパチンコ機においても、上位バイト「DDh」のエラーコマンドのコード等を使い回ししてプログラム等を作成することができるので、1のエラーコマンドで複数の種類のエラーの発生を通知するパチンコ機の作成を容易化できる。
主制御装置110は、エラー判定処理(S102,S711)によって、エラーコマンドの下位バイトを構成する少なくとの2つの特定のビットの値(状態)が、所定の不正常な組合せにならないようにエラーコマンドを生成し、また。音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドを受信した場合に、第1および第2エラー時動作実行処理(S1122,S1123)によって、そのエラーコマンドの下位バイトを構成する特定のビットの値が、主制御装置110によって生成されない、所定の不正常な組合せになっているか否かを判別し(S1131,S1136,S1139,S1155)、所定の不正常な組合せになっている場合にはそのエラーコマンドに基づく報知を非実行にする。これにより、ノイズの混入や配線異常によって不正常な状態となったエラーコマンドに基づいて、エラーの発生が誤って報知されることを抑制することができ、エラー報知の信頼性を高めることができる。
エラーコマンドは、配線302の配線異常のほか、配線302等へのノイズの混入によっても、不正常なコマンドとなってしまう恐れがある。しかし、配線302等へのノイズの混入は、配線302のどの部分(線)に影響するかが不規則な現象である一方で、配線302の一部の線における短絡などの配線異常は、配線302の交換などによって、それが解消されるまで継続する現象であるので、配線異常が解消されるまでの間、短絡などが発生している線(配線302の一部)に対応するビットが、不正常な値となり続ける。
そこで、音声ランプ制御装置113は、上述したように、エラーコマンドの下位バイトに不正常な組み合わせの値となっている2ビットを含むエラーコマンドであって、その不正常な2ビットが同じものを、3回継続して受信した場合に、S1135の処理によって、配線302の一部に短絡や断線などの配線異常が生じている可能性がある旨の報知を行う。よって、配線異常が生じている可能性が高い場合にだけ、その旨の報知を行うことができる。これにより、配線302の配線異常が発生した場合に、遊技場の係員などに、速やかに配線302の取り替え等を行わせ、配線異常を解消することができる。
また、主制御装置110は、電源投入時に、エラー判定処理(S711)を実行して、上位バイト「DEh」のエラーコマンドにより送信する。この「DEh」のエラーコマンドは、第3ビットから第7ビットに、いずれもエラーの割り当てが無く、各ビットの値に「0」が設定されるコマンドとして、主制御装置110に生成されるものである。
そこで、音声ランプ制御装置113では、ビットチェック実行フラグ223fがオンされていることにより、電源投入時にが受信した場合に、第3ビットから第7ビットのいずれかの値が「1」となっているか否かを判別する。このとき、いずれかの値が「1」となっていると判別された場合は、主制御装置110と音声ランプ制御装置113との間で、即ち配線302に、断線や短絡などの異常生じている可能性がある。そこで、この場合、音声ランプ制御装置113は、配線302の一部に異常が生じている可能性があるとして報知を行う。これにより、配線302に異常が生じてコマンドが正確に送受信できない状態で、遊技が開始されることを予防することができる。
次いで、図38〜図47を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201によって定期的に実行されるエラー判定処理(S102)によって、各種のエラーの発生を、各種スイッチ208からMPU201へ入力されている信号に基づいて、それぞれ定期的に判定し、その定期的な判定によって、エラーの発生状況に変化があった(即ち、エラーが発生した、或いは、解消した)と判定された場合にだけ、2バイトで構成され、下位バイトの各ビットにエラーの発生状況を示す情報が1つずつ設定されるエラーコマンドを生成し、それを、メイン処理の中で音声ランプ制御装置113へ送信した。
また、第1実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113は、下位バイトにおいて特定の2ビットの値が不正常な組合せとなっているエラーコマンドを、所定回数続けて受信した場合に、配線302の配線異常が発生した可能性があると判定して、その旨を報知するようにした。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110のMPU201によって定期的に実行されるエラー判定処理(S102)によって、各種スイッチ208からMPU201へ入力されている信号に基づいて、各種のエラーの発生をそれぞれ判定した場合、2バイトで構成されると共に下位バイトの各ビットにエラーの発生状況を示す情報が1つずつ設定されるエラーコマンドを、その定期的なエラー判定処理(S102)の度に生成し、それを、メイン処理の中で音声ランプ制御装置113へ送信する。
このとき、主制御装置110のMPU201は、エラーが発生している間、そのことを示す情報が設定されたエラーコマンドを、繰り返し生成して送信する。
また、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113においても、第1実施形態と同様に、配線異常の発生を判定するための処理を行うが、次の点で相違する。即ち、第2実施形態の音声ランプ制御装置113は、下位バイトにおいて特定の2ビットの値が不正常な組合せとなっているエラーコマンドを受信した場合に、その不正常な2ビットの種別に拘わらず、不正常な2ビットを含むエラーコマンドを受信した回数を計数し、所定時間(監視時間)内に計数値が一定値(判定しきい値)以上となった場合に、配線302の配線異常が発生した可能性があると判定して、その旨を報知する。
このため、第2実施形態では、エラーが発生しておらず、また、エラーの発生状況に変化がない場合にも、音声ランプ制御装置113はエラーコマンドを受信して、配線異常が生じているか判定するので、エラーの発生状況に変化があった場合にだけ、エラーコマンドの送受信が行われる第1実施形態に比べて、配線異常の発生後、速やかに報知を行うことができ、エラー報知の信頼性をいっそう高めることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、第1実施形態において主制御装置110のRAM203に有していたビットチェック実行フラグ203dと、音声ランプ制御装置113のRAM223に有していたビットチェック実行フラグ223fとがそれぞれ不要となったことと、第1実施形態の音声ランプ制御装置113のRAM223に有していた第1〜第4配線異常判定カウンタ223b〜223eに代えて、音声ランプ制御装置113のRAM223に、1の配線異常判定カウンタ323bを設けたことに加え、主制御装置110のMPU201によって実行される立ち上げ処理と、タイマ割込処理(図17参照)の一処理である、エラー判定処理(S102)と、音声ランプ制御装置113によって実行されるメイン処理(図29参照)のうち、コマンド判定処理(S1014)の一処理であるエラー時動作実行処理(S1109)と、の各々に含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び、表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図38を参照して、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図38は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113のRAM223に、1の配線異常判定カウンタ323bが設けられている点である。以下では、かかる相違点を中心に説明する。なお、その他の構成については、第1実施形態と同一であるため、その説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のRAM223は、配線異常判定カウンタ323bを1つ有している。この配線異常判定カウンタ323bは、音声ランプ制御装置113が受信した不正常なエラーコマンドの数を記憶するためのカウンタであり、所定時間(例えば、50ms)の間に、配線異常判定カウンタ323bの値が、所定値(判定しきい値、例えば「10」)以上の値となった場合に、所定値分の不正常なエラーコマンドは、ノイズの混入によるものではなく、配線302の配線異常(例えば、断線や短絡など)によるものであると判定し、配線302の配線異常が発生している可能性があることを報知するために使用される。
配線異常判定カウンタ323bは、音声ランプ制御装置113の電源投入時に行われる、立ち上げ処理の中の初期値設定処理(S910、図28参照)によって、初期値として「0」が設定され、音声ランプ制御装置113によって受信された、上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドが、下位バイトに不正常な2ビットを含んでいると判別された場合に、1加算される。ここで、詳細は、図39から図45を参照して後述するが、本実施形態では、エラーの発生状況に変化があろうと無かろうと、各タイミングにおけるエラーの発生状況(エラーが発生或いは解消している状態であること)を示す情報が、主制御装置110から逐次送信される。このため、配線302等に対するノイズの混入などの単発的な原因により、音声ランプ制御装置113が受信するエラーコマンドの下位バイトに不正常なビットが含まれる場合は、そのエラーコマンドは単発的なものであるので、配線異常判定カウンタ323bの値は、単発的に加算される。一方で、配線302の配線異常(短絡や断線など)の継続的な原因により、音声ランプ制御装置113が受信するエラーコマンドの下位バイトに不正常なビットが含まれる場合は、音声ランプ制御装置113は、下位バイトに不正常な2ビットを含むエラーコマンドを繰り返し受信することになるため、配線異常が継続している間、配線異常判定カウンタ323bの値は繰り返し加算される。
本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221は、配線異常判定カウンタ223bが初期値(例えば、「0」)の状態に1を加えた場合に、配線異常監視タイマ(図示せず)によって計時を開始する。そして、該カウンタ223bの値にはじめて1を加えてから、所定時間(例えば、50ms)が経過するまでに、該カウンタ223bの値が、判定しきい値(例えば10)となっている場合、MPU221がこれまでに受信した不正常なエラーコマンドは、配線302の配線異常などが原因であるもの(配線302の配線異常が原因である可能性が高く、ノイズが原因である可能性は低いもの)と判定する。
そして、配線302の配線異常が発生していることを、各種エラーとは異なる態様で報知する。これにより、配線302の配線異常が発生した場合に、遊技場の係員などに、速やかに配線302の取り替え等を行わせ、配線異常を解消することができる。
次に、図39から図45を参照して、第2実施形態のパチンコ機10において、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。
最初に、図39を参照して、主制御装置110のMP201により実行される、タイマ割込処理(図17参照)に含まれるエラー判定処理(S102)について説明する。図39は、このエラー判定処理(S102)を示したフローチャートである。
エラー判定処理(S102)は、第1実施形態において前述したように、タイマ割込処理(図17参照)、および、立ち上げ処理(図22参照)の各処理の中で実行される処理であり、各種スイッチ208の状態に基づいて、パチンコ機10において発生するおそれのある各種エラーの発生状況をそれぞれ判定し、その判定結果に基づいてエラーコマンドを生成して、RAM203が有するコマンド送信用リングバッファに、生成したエラーコマンドを設定する。
この第2実施形態のエラー判定処理(S102)が第1実施形態と相違する点は、第1に、S501からS507の処理において、MPU201が、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cのビットを立てるタイミングである。上述したように、第1実施形態のMPU201は、エラーの発生状況が変化したタイミングで、MPU201は、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cのいずれかのビットに、発生あるいは解消したエラーに応じて「1」を設定し(図11〜図16参照)、それ以外のタイミングでは「0」が設定されるようにした。
これに対し、第2実施形態では、MPU201は、エラーが発生している間、MPU201は、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの各ビットを、発生しているエラーに応じて繰り返し設定する。
また、第2実施形態のエラー判定処理(S102)における、第1実施形態と相違する点は、第2に、第2実施形態のエラー判定処理(S102)では、第1実施形態のエラー判定処理(S102)に含まれるS509,S510,S512,S515の各処理を非実行とする点である。上述したように、第1実施形態では、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの各値が、エラーの発生状況が変化したことを示す値(即ち、いずれかのビットに「1」が格納された値)となった場合、および、ビットチェック実行フラグ203dがオンされている場合に限って、エラーの発生状況を示す情報を複数含むエラーコマンドを生成した。
これに対し、第2実施形態では、主制御装置110のMPU201は、2ms毎に実行されるエラー判定処理(S102)が行われる度に、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cの各値から、上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドをそれぞれ生成する。そして、このコマンドは、第1実施形態と同様に、メイン処理の中で行われる外部出力処理(S801)によって、逐次、音声ランプ制御装置113へ通知される。
このため、第1実施形態のように、電源投入時にエラーコマンドを生成させ、音声ランプ制御装置113でビットチェック(図33参照)わざわざ行わなくても、第2実施形態では、電源投入後から主制御装置110が継続的に送信するエラーコマンドによって、音声ランプ制御装置113には、電源投入後、直ちに配線異常の発生を監視させることができる。
このエラー判定処理(S102)では、まず、電波検知処理を実行して、「電波検知エラー」が発生しているか否かを判定する(S501,図25(a)参照)。
ここで、図40を参照して、電波検知装置208aからMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ208bの第0ビットの値との対応関係について説明する。
図40(a)は、電波検知装置208aからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図40(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図40(a)、(b)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、電波検知装置208aが、パチンコ機10へ照射される電波を検出しておらず、MPU201へオフ信号を出力している場合、MPU201は、2m毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットに「電波検知エラー」が発生したことを示す「1」を立てる(S520:Yes,S521)。
一方、電波検知装置208aが、パチンコ機10へ照射される電波を検出しておらず、MPU201へオフ信号を出力している場合、MPU201は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第0ビットを「電波検知エラー」が発生していないことを示す「0」が維持される(S520:No)。
図39に戻って説明を続ける。次に、入賞スイッチ異常判定処理を実行して、「入賞スイッチ異常エラー」が発生しているか否かを判定する(S502,図25(b)参照)。
ここで、図43を参照して、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ208bの第2ビットの値との対応関係について説明する。
図43(a)は、始動入賞スイッチ208bからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図43(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図43(a)、(b)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、始動入賞スイッチ208bからMPU201へオフ信号が入力されている場合、或いは、始動入賞スイッチ208bで球が検出されている間出力されるオン信号の出力期間が0.2sに満たない場合は、MPU201は、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットを「入賞スイッチ異常エラー」が発生していないことを示す「0」に設定する(S530:No)。
一方で、始動入賞スイッチ208bからのオン信号が、出力開始から0.2sを過ぎてもなお出力されている場合は、出力開始後0.2sからの超過期間、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第2ビットの値に「入賞スイッチ異常エラー」が発生したことを示す「1」を立てる(S530:Yes,S531)。
図39に戻って説明を続ける。次に、前面枠開放判定処理を実行して、「前面枠開放エラー」が発生しているか否かを判定する(S503,図25(c)参照)。
ここで、図41を参照して、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ208bの第3ビットおよび第4ビットの各値との対応関係について説明する。
図41(a)は、前面枠開放スイッチ208eからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図41(b)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図41(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図41(a)〜(c)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、前述したように、前面枠14が閉状態である間、前面枠開放スイッチ208eはオフ信号をMPU201へ出力する。このオフ信号がMPU201へ入力されている場合、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットの値に、前面枠14が閉状態であること、即ち、「前面枠開放検知エラー」が解消していること示す「1」を立てる。なお、このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットは、前面枠が開状態でない(即ち、閉状態である)ことを示す「0」が維持される(S540:No,S542)。従って、前面枠14が閉状態の場合は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「0」、第4ビットに「1」を設定する。
一方で、前面枠14が閉状態である間、前面枠開放スイッチ208eはオン信号をMPU201へ出力する。このオン信号がMPU201へ入力されている場合、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットの値に、前面枠14が開状態であること、即ち、「前面枠開放検知エラー」が発生していること示す「1」を立てる。なお、このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第4ビットは、前面枠が閉状態でない(即ち、開状態である)ことを示す「0」が維持される(S540:No,S542)。従って、前面枠14が開状態の場合は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットに「1」、第4ビットに「0」を設定する。
図39に戻って説明を続ける。次に、前面枠開放時入賞判定処理を実行して、「前面枠開放時入賞エラー」が発生しているか否かを判定する(S504,図26(a)参照)。
ここで、図42を参照して、前面枠開放スイッチ208eおよび始動入賞スイッチ208bの各スイッチからMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第3ビットの値との対応関係について説明する。
図42(a)は、前面枠開放スイッチからMPUへの信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図42(b)は、始動入賞スイッチからMPUへの信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図42(c)は、エラー判定処理によってMPUに設定される第1エラー判定用バッファメモリの第1ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図42(a)〜(c)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、前面枠14が閉状態であって、前面枠開放スイッチ208eからのオフ信号がMPU201に入力されている場合、或いは、前面枠14が開状態であって、前面枠開放スイッチ208eからのオン信号が入力されていても、始動入賞スイッチ208bからの入力信号がない場合は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに、「前面枠開放時入賞エラー」が発生していないことを示す「0」を設定する(S550:No,551:No)。
一方、前面枠14が開状態であって、前面枠開放スイッチ208eからのオン信号が入力され、かつ、球が始動入賞スイッチ208bで検出されている間出力されるオン信号がMPU201に入力されている期間は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第1ビットに、「前面枠開放時入賞エラー」が発生していることを示す「1」を設定する(S550:Yes,S551:Yes,S552)。
図39に戻って説明を続ける。次に、内枠開放判定処理を実行して、「内枠開放エラー」が発生しているか否かを判定する(S505,図26(b)参照)。
ここで、図44を参照して、内枠開放スイッチ208fからMPU201への信号出力と、第1エラー判定用バッファメモリ208bの第5ビットおよび第6ビットの各値との対応関係について説明する。
図44(a)は、内枠開放スイッチ208fからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図44(a)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図44(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図44(a)〜(c)に示すように、第2実施形態のパチンコ機10では、前述したように、内枠14が閉状態である間、内枠開放スイッチ208fはオフ信号をMPU201へ出力する。このオフ信号がMPU201へ入力されている場合、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットの値に、内枠12が閉状態であること、即ち、「内枠開放検知エラー」が解消していること示す「1」を立てる。なお、このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットは、内枠が開状態でない(即ち、閉状態である)ことを示す「0」が維持される(S540:No,S542)。従って、内枠12が閉状態の場合は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「0」、第6ビットに「1」を設定する。
一方で、内枠12が閉状態である間、内枠開放スイッチ208fはオン信号をMPU201へ出力する。このオン信号がMPU201へ入力されている場合、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットの値に、内枠12が開状態であること、即ち、「内枠開放検知エラー」が発生していること示す「1」を立てる。なお、このとき、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第6ビットは、内枠が閉状態でない(即ち、開状態である)ことを示す「0」が維持される(S540:No,S542)。従って、内枠12が開状態の場合は、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、1エラー判定用バッファメモリ203bの第5ビットに「1」、第6ビットに「0」を設定する。
図39に戻って説明を続ける。次に、不正入賞判定処理を処理を実行して、「不正入賞開放エラー」が発生しているか否かを判定する(S506,図27(a)参照)。
ここで、図45を参照して、第1大開放口65aの開放タイミング(即ち、第1大開放口65aの開閉板を第1大開放口ソレノイドによって駆動するタイミング)と、第1大開放口65aを通過する球を検出する第1特定入賞スイッチ208cからMPU201への信号出力と、その信号出力に基づいてMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第7ビットの値との対応関係を説明する。
図45(a)は、第1大開放口65aの開放タイミングと、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間を示すタイミングチャートであり、図45(b)は、第1特定入賞スイッチ208cからMPU201への信号出力の時間的な変化を示すタイミングチャートであり、図45(c)は、エラー判定処理によってMPU201に設定される第1エラー判定用バッファメモリ203cの第7ビットの値の時間的な変化を示すタイミングチャートである。
図45(a)に示すように、大当りの発生後に第1大開放口65aの開閉動作が所定期間行われ、かかる期間を含む大開放口65aにおける球の有効通過期間が設定される。かかる期間は、前述したように、MPU201が第1開放口65aの閉鎖を指令してから、完全に第1大開放口65aが閉鎖するまでに十分な時間を考慮した期間であり、第1大開放口65aを通過した球を正常な遊技によって通過した球として取り扱う期間である。
図45(a)〜(c)に示すように、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間以外の期間に、第1特定入賞スイッチ208cからのオン信号が入力されている場合に、MPU201は、エラー判定処理によって、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットの値を「1」に設定する。第1特定入賞スイッチ208cが第1大開放口65aにおける球の通過を検出してMPU201へオン信号を出力した場合、MPU201は、2ms毎に行われるエラー判定処理の度に、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットに「第1不正入賞エラー」が発生したことを示す「1」を立てる。
一方で、第1大開放口65aにおける球の有効通過期間では、第1特定入賞スイッチ208cから出力信号の状態に拘わらず、第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットの値は「0」が維持される。
また、第2特定入賞口650aおよび第2エラー判定用バッファメモリ203cの第0ビットについても、第1特定入賞口65aおよび第1エラー判定用バッファメモリ203bの第7ビットと同様であるので、図示および説明を省略する。
図37へ戻って説明を続ける。次いで、MPU201は、振動検知処理を実行する(S507)。この振動検知処理(S507)は、上述した第1実施形態と同様の処理である。次に、その他の各種エラーが発生しているか否かを判定し(S508)、S511の処理に移行する。
S511の処理に移行した後、「DDh」を上位バイトの値とし、S501からS506の各処理によって各ビットの値が設定された第1エラー判定用バッファメモリ203bの値を下位バイトの値とするエラーコマンドを生成し、RAM203のコマンド送信用リングバッファ(図示せず)に設定し(S511)、また、「DEh」を上位バイトの値とし、S506およびS507の各処理によって各ビットの値が設定された第2エラー判定用バッファメモリ203cの値を下位バイトの値とするエラーコマンドを生成し、RAM203のコマンド送信用リングバッファ(図示せず)に設定する(S513)。これにより、複数の種類についてのエラーの発生状況を示す情報が格納された1のエラーコマンドが、メイン処理の外部出力処理(S801)によって、音声ランプ制御装置113へ送信可能な状態に置かれる。
次に、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cを0クリア(初期化)して、エラー判定処理(S102,S711)を終了する。
このように、エラー判定処理(S102,S711)では、各種スイッチ208からMPU201へ入力されている信号に基づいて、各種のエラーの発生をそれぞれ定期的に判定し、その判定結果が反映されたエラーコマンドを、その定期的な判定の度に生成した。そして、生成したコマンドを、RAM202のコマンド送信用リングバッファに格納して、音声ランプ制御装置113へ送信する。
従来のパチンコ機では、このようにしてエラーコマンドを送信すると、主制御装置110のコマンド送信用リングバッファに、各種類の判定を行ったエラーに対して各々1つのエラーコマンドが定期的に設定されるため、エラーコマンドによって、コマンド送信用リングバッファなどの容量を圧迫してしまっていた。
これに対して、本実施形態のパチンコ機10は、2バイトで構成されるエラーコマンドの下位バイトの各ビットに、エラーの発生を示す情報を1つずつ設定しているので、コマンド送信用リングバッファに対して定期的に設定するエラーコマンドの数を、抑制することができる。このため、エラーコマンドを定期的に生成する機種であっても、コマンドの送信を好適に行うことができる。
しかも、本実施形態のパチンコ機10では、エラーが発生している間、そのエラーが発生していることが示されたエラーコマンドを、主制御装置110は音声ランプ制御装置113へ繰り返し送信する。よって、エラーの発生を、報知によって確実に遊技場の係員等に把握させることができる。
次いで、図46、図47を参照して、第2実施形態のパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が、主制御装置110から送信されたエラーコマンドを受信した場合に、コマンド判定処理S1014の一処理として実行する、エラー時動作実行処理(S1109)について説明する。図46は、このエラー時動作実行処理(S1109)を示したフローチャートである。このエラー時動作実行処理(S1109)は、第1実施形態において上述したように、主制御装置110から音声ランプ制御装置113が受信したエラーコマンドに対応する処理である。
まず、第2実施形態のエラー時動作実行処理(S1109)が第1実施形態と相違する点について説明する。前述したように第1実施形態のエラー時動作実行処理(図31参照)では、S1126からS1129の各処理によって、音声ランプ制御装置113によって受信されたエラーコマンドの下位バイトを構成する、特定の2ビットの組合せが、主制御装置110によって生成される正常なコマンドではあり得ない、不正常な組合せか否かを各々の処理で判定し、いずれかの処理において特定の2ビットが不正常な組合せであると判定された場合に、そのエラーコマンドは不正常なエラーコマンドであるものとしてそのエラーコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報に基づいて、報知を行わせないようにした。
また、特定の2ビットの値が不正常なエラーコマンドを、所定回数続けて受信した場合に、配線302の配線異常を報知するようにした。
第2実施形態のエラー時動作実行処理(S1109)においても、第1実施形態のエラー時動作実行処理(図31参照)と同様に配線異常の発生を判定するための処理を行うが、次の点で相違する。即ち、第2実施形態のエラー判定処理(図46)では、特定の2ビットの値の組合せが不正常なエラーコマンドを受信した場合に、その不正常な2ビットの種別に拘わらず、不正常な2ビットを含むエラーコマンドを受信した回数を、配線異常判定カウンタ223bを用いて計数し、所定時間(監視時間)内に計数値が一定値(判定しきい値)となった場合に、不正常なエラーコマンドの原因は、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225を接続する、配線302の配線異常による可能性が高いものとして、その旨の報知を行う。
以下では、かかる相違点を中心に説明する。なお、その他の第1実施形態と同一のステップ番号については、第1実施形態におけるエラー時動作実行処理(S1109)と同一であるため、その説明を省略する。
エラー時動作実行処理(S1109)では、まず、受信したエラーコマンドの上位バイトの値が、「DDh」であるか、「DEh」であるか、それとも、それ以外の値であるかを判別する(S1121)。
受信したエラーコマンドの上位バイトが「DDh」であると判別された場合は(S1121:「DDh」)、S2001の処理に移行して、エラーコマンドの下位バイトの第3ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S2001)。
本実施形態では、前述の通り、上位バイトが「DDh」のエラーコマンドにおける、下位バイトの第3ビットと第4ビットの値の不正常な組合せとは、第3ビットと第4ビットの値が。共に「1」の組合せ、或いは、共に「0」の組合せである。これらの組合せが不正常であるのは、一方のビットで、前面枠14が開状態である(閉状態でない)ことを示し、他方のビットで、前面枠14が閉状態である(開状態でない)ことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理S102,S711によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。S2001の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第3ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、不正常な組合せのいずれかであると判別された場合は(S2001:Yes)、配線異常判定処理(S2008)に移行する。
詳細は、図47を参照して後述するが、配線異常判定処理(S2008)では、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する、配線302に断線や短絡が発生しているか否かを判定して、判定結果に応じた処理を実行する。そして、コマンド判定処理(S1014,図18参照)に戻る。
S2001の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第3ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、正常な組合せであると判別された場合(S2001:No)、次に、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第3ビットの値とが、不正常な組合せであるか否かを判別する(S2002)。
本実施形態では、前述の通り、上位バイトが「DDh」のエラーコマンドにおける、下位バイトの第1ビットと第3ビットの値の不正常な組合せとは、第1ビットが「1」、第3ビットが「0」の組合せである。この組合せが不正常であるのは、該第1ビットの値が「1」であり、前面枠14が開状態である場合に発生する「前面枠開放時入賞エラー」が発生していることを示しているにも拘わらず、前面枠14が開状態でない(閉状態である)ことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理(S102,S711)によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。S1127の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第3ビットの値が、不正常な組合せであると判別された場合は(S2002:Yes)、配線異常判定処理(S2008)に移行する。
一方、S2002の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第3ビットの値が、正常な組合せであると判別された場合(S2002:No)、次に、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値とが、不正常な組合せであるか否かを判別する(S2003)。
本実施形態では、前述の通り、上位バイトが「DDh」のエラーコマンドにおける、下位バイトの第1ビットと第4ビットの値の不正常な組合せとは、第1ビットと第4ビットの値が共に「1」の組合せである。この組合せが不正常であるのは、該第1ビットの値が「1」であり、前面枠14が開状態である場合に発生する「前面枠開放時入賞エラー」が発生していることを示しているにも拘わらず、前面枠14が開状態でない(閉状態である)ことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理(S102,S711)によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。S2003の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第3ビットの値が、不正常な組合せであると判別された場合は(S2003:Yes)、配線異常判定処理(S2008)に移行する。
一方、S2003の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第4ビットの値が、正常な組合せであると判別された場合(S2003:No)、次に、S2004の処理に移行し、エラーコマンドの下位バイトの第5ビットの値と、下位バイトの第6ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S2004)。
本実施形態では、前述の通り、上位バイトが「DDh」のエラーコマンドにおける、下位バイトの第5ビットと第6ビットの値の不正常な組合せとは、第5ビットと第6ビットの値が。共に「1」の組合せ、或いは、共に「0」の組合せである。これらの組合せが不正常であるのは、一方のビットで、内枠12が開状態である(閉状態でない)ことを示し、他方のビットで、内枠12が閉状態である(開状態でない)ことを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理(S102,S711)によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。S1129の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第5ビットの値と、下位バイトの第6ビットの値が、不正常な組合せのいずれかであると判別された場合は(S2004:Yes)、配線異常判定処理(S2008)に移行する。
一方で、S2004の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第5ビットの値と、下位バイトの第6ビットの値が、正常な組合せであると判別された場合は(S2005:No)、上位バイト「DDh」と下位バイトの各ビットの値によって特定される、各種のエラーの発生状況に応じた処理を行う(S2005)。即ち、下位バイトを構成する各ビットの値と対応する態様で、各ランプの点灯や、7セグメント表示器37bによる表示、または、スピーカからの音声出力を行い、発生したエラーを報知する。その後、コマンド判定処理(S1014,図30参照)に戻る。
S1121の処理に戻って説明を続ける。S1121の処理によって、エラーコマンドの上位バイトの値が「DEh」であると判別された場合(S1121:「DEh」)、S2006の処理に移行し、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第2ビットの値が、不正常な組合せであるか否かを判別する(S2006)。前述の通り、上位バイトが「DEh」のエラーコマンドにおける、下位バイトの第1ビットと第2ビットの値の不正常な組合せとは、第1ビットと第2ビットの値が、共に「1」の組合せである。この組合せが不正常であるのは、下位バイトの第1ビットで、設定値レベルの振動が振動センサ208gにより検出されたことを示し、下位バイトの第2ビットで、振動センサ208gにより検出された振動のレベルが、設定値レベル未満であることを示す、矛盾したものであり、主制御装置110が実行するエラー判定処理(S102,S711)によって生成される正常なコマンドではあり得ない組合せだからである。S1131の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第2ビットの値が、不正常な組合せであると判別された場合は(S2006:Yes)、配線異常判定処理(S2008)に移行する。
一方、S2006の処理により、エラーコマンドの下位バイトの第1ビットの値と、下位バイトの第2ビットの値が、正常な組合せであると判別された場合は(S2006:No)、上位バイト「DEh」と下位バイトの各ビットの値によって特定される、各種のエラーの発生状況に応じた処理を行い(S2005)、コマンド判定処理(S1014,図30参照)に戻る。
再び、S1121の処理に戻って説明を続ける。S1121の処理によって、エラーコマンドの上位バイトの値が「DDh」でも、「DEh」でもないと判別された場合(S1121:その他)、受信したエラーコマンドの種別に応じた処理を実行して(S1131)、その後、コマンド判定処理(S1014,図30参照)に戻る。
次に、図47を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される配線異常判定処理(S2008)について説明する。図47は、この配線異常判定処理(S2008)を示したフローチャートである。この配線異常判定処理(S2008)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエラー時動作実行処理(S1109,図46参照)の中で実行され、上述したように、エラー時動作実行処理(S1109)のS2001からS2004の各処理およびS2006の処理のうち、何れかの処理によって、音声ランプ制御装置113が受信したエラーコマンドが不正常なコマンドであると判別された場合に(S2001からS2004およびS2006の各処理のいずれかでYes分岐に進んだ場合)、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート225とを接続する、配線302に断線や短絡などの配線異常が発生しているか否かを判定して、判定結果に応じた処理を実行する。
配線異常判定処理(2008)では、まず、配線異常判定カウンタ323bの値が「0」であるか否か、即ち、初期化されているか否かを判別し(S2101)、初期化されている場合(S2101:Yes)、配線異常監視タイマ(図示せず)による計時を開始して(S2102)、S2103の処理に移行する。
S2101の処理によって、配線異常判定カウンタ323bの値が「0」でないと判別された場合は、S2102の処理をスキップし、S2103の処理に移行する。この場合は、これまでの配線異常判定処理(S1129)によって、配線異常判定カウンタ323bに、計時開始からの不正常なエラーコマンドの受信回数が反映されているということである。
S2103の処理では、配線異常判定カウンタ323bの値に1を加算することにより、音声ランプ制御装置113が、不正常なエラーコマンドを受信した回数を更新する(S2103)。
次に、配線異常判定カウンタ323bの値が、予め設定されている判定しきい値より大きい値か否かを判別する(S2104)。判定しきい値は、後述する監視期間内に、かかる値より多い回数だけ、音声ランプ制御装置113が不正常なエラーコマンドを受信した場合は、それぞれの不正常なエラーコマンドが、ノイズなどの単発的な原因による場合ではなく、配線異常などの継続的な原因による場合であると認めるのに十分大きな値である。本実施形態のパチンコ機10では、この判定しきい値として「10」が設定されている。
このため、S2104の処理によって、配線異常判定カウンタ323bの値が、判定しきい値より大きな値であると判定された場合は(S2104:No)、配線異常が発生しているものと判定して、配線異常が発生していることを、配線異常に応じた態様で行われる、各ランプの点灯や、7セグメント表示装置37bによる表示、または、スピーカからの音声出力により報知し(S2105)、エラー時動作実行処理に戻る。
S2104の処理によって、配線異常判定カウンタ323bの値が、判定しきい値以下の値であると判定された場合は(S2104:No)、配線異常監視タイマ(図示せず)による計時期間が、配線異常を判定するための期間として予め設定されている監視期間を超過しているか否かを判別する(S2106)。本実施形態のパチンコ機10における該監視期間は、計時開始から50msに設定されている。
S2104の処理によって、配線異常監視タイマ(図示せず)による計時期間が、監視期間を超過していないと判別された場合は(S2104:No)、本処理を終了してエラー時動作実行処理に戻る。
一方、S2106の処理によって、配線異常監視タイマ(図示せず)による計時期間が、監視期間を超過していると判別された場合は(S2104:Yes)、計時を終了すると共に、配線異常判定カウンタ323bの値を0クリアして本処理を終了してエラー時動作実行処理に戻る(S2107,S2108)。
以上説明したように、本願の第2実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110が、エラー判定処理(S102)を実行して生成される上位バイト「DDh」および上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、下位バイトに種類が異なる複数のエラーの発生状況を示す情報を含んでいるので、1のエラーコマンドを送信するだけで、複数種類のエラーの発生状況を音声ランプ制御装置113に通知することができる。そのため、それぞれの種類のエラーの発生状況を、それぞれ別個のコマンドによって音声ランプ制御装置113に送信する場合と比較して、送信するコマンド数を低減することができる。よって、メイン処理(図23参照)の外部出力処理(S801)において、エラーコマンドを送信するために主制御装置110が負う処理負担を低減することができる。また、送信前のコマンドを格納するRAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファ(図示せず)においてエラーコマンドが占める容量を圧縮することができ、コマンド送信用のリングバッファの容量を効率的に使用することができる。よって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へのコマンド送信を好適に行うことができる。
また、エラー判定処理(S102)によって第1エラー判定用バッファメモリ203bの各ビットに判定結果が格納される各種エラーは、本実施形態のパチンコ機10とは機種が異なるパチンコ機においても採用される蓋然性の高い構成(即ち、電波検知装置208a、前面枠14、内枠12、第1入球口(始動口)64、第1大開放口(第1特定入賞口)65a)に関係するエラーであって、機種が異なるパチンコ機においても報知することが求められる蓋然性の高いエラーである。よって、機種の異なるパチンコ機においても、上位バイト「DDh」のエラーコマンドのコード等を使い回ししてプログラム等を作成することができるので、1のエラーコマンドで複数の種類のエラーの発生を通知するパチンコ機の作成を容易化できる。
主制御装置110は、エラー判定処理(S102,S711)によって、上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドの下位バイトを構成する少なくとの2つの特定のビットの値(状態)が、所定の不正常な組合せにならないようにエラーコマンドを生成し、メイン処理によって、音声ランプ制御装置113へ逐次送信する。音声ランプ制御装置113は、そのエラーコマンドを受信した場合に、エラー時動作実行処理(S1109)によって、そのエラーコマンドの下位バイトを構成する特定のビットの値が、主制御装置110によって生成されない、不正常な組合せになっているか否かを判別し(S2001〜S2004或いはS2006の各処理)、不正常な組合せになっている場合(S2001からS2004およびS2006の各処理のいずれかでNo分岐に進んだ場合)には、そのエラーコマンドの下位バイトの情報に基づく報知を非実行にする。これにより、エラーの発生が誤って報知されることを抑制することができ、エラー報知の信頼性を高めることができる。
さらに、音声ランプ制御装置113は、下位バイトの2ビットが不正常な組合せとなっていると判別されたエラーコマンドの受信回数を、所定期間(監視期間)配線異常判定カウンタ323bによって計数し、その計数値に基づいて、下位バイトの2ビットが不正常な組合せの上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドが、音声ランプ制御装置113によって継続的に受信されたか否かを判定する。そして、各コマンドが、継続的に受信されていると判定した場合は、配線302において断線や短絡などの配線異常が生じている可能性が高いものとして、ランプの点灯や、7セグメント表示器37bによる表示、または、スピーカからの音声出力を行い、その旨を報知する。これにより、配線302の配線異常が発生した場合に、遊技場の係員などに、速やかに配線302の取り替え等を行わせ、配線異常を解消することができる。
ここで、上述した第1実施形態では、主制御装置110から送信される上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドは、それらのエラーコマンドに対応するいずれかのエラーの発生状況が変化したタイミング(発生した或いは解消したタイミング)にだけ送信されるものであり、配線302に配線異常が生じている場合であっても、エラーの発生状況が、少なくとも2回以上変化しなければ(第1実施形態では3回)、不正常なラーコマンドが単発的な現象であるノイズによるものか、それとも継続的な現象である配線異常によるものかが判別できないため、音声ランプ制御装置113は、配線異常に対する報知を実行できない。
これに対して、第2実施形態では、上位バイト「DDh」あるいは「DEh」のエラーコマンドは、エラーの発生状況に拘わらず、主制御装置110から逐次送られてくるので、配線302に配線異常が生じている場合に、音声ランプ制御装置113は、それらのコマンドに基づいて、配線異常を判定でき、配線異常に対する報知を速やかに行うことができる。このように、第2実施形態では、配線302の配線異常が発生した場合に、その旨の報知をより好適に行うことができる。
なお、上記実施形態において、各種コマンドは、8ビットのパラレルデータとして、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート215との間に接続された8ビット(8本)のパラレルな配線302を介して、主制御装置110から音声ランプ制御装置113への一方向にのみ送信されるものであり、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対してコマンドを送信する場合、コマンドを一旦、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶して、主制御装置110が外部出力処理(S801)を実行することにより、主制御装置110からサブ制御装置へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
たとえば、各種コマンドは、シリアルデータとして、主制御装置110の入出力ポート205と音声ランプ制御装置113の入出力ポート215との間に接続された1本のシリアル配線を介して送信するようにしてもよい。この場合、主制御装置110のMPU201には、次のようなデータ送受信回路を備えたものを採用することができる。即ち、所定のバッファを有し、MPU201によってそのバッファにセットされたコマンドを、MPU201の処理とは独立に、音声ランプ制御装置113の受信用コマンドバッファに送信するデータ送受信回路を備えたものを採用することができる。
MPU201に、かかるデータ送受信回路を備えてエラーコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する場合、主制御装置110はのMPU201は、外部出力処理(S801)によってコマンドを送信する必要がなく、エラー判定処理のS509、S510の各処理で、コマンド送信用のリングバッファに記憶する代わりに、データ送受信回路のバッファにエラーコマンドをセットしただけで、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドを送信できる。よって主制御装置110のMPU201の処理負担をいっそう低減することができる。
このとき、各種コマンドの下位バイトは、第7ビットを常に「0」か「1」の固定値にして、1のコマンドの区切りを示す必要がある。このため、MPU201に、上述のデータ送受信回路を備える場合には、第1および第2エラー判定用バッファメモリ203b,203cは、各々の第7ビットにエラーの発生情報が格納されないようにする必要がある。
また、上記各実施形態において、主制御装置110のMPU201は、2ms毎に実行されるタイマ割込処理の中で、タイマ割込処理の実行毎にエラー判定処理(S102)を実行し、各種エラーの判定を行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無い。例えば、エラー判定処理を、メイン処理の中で行うようにしてもよい。また、エラー判定処理をタイマ割込処理やメイン処理の一処理として行う場合に、タイマ割込処理やメイン処理の実行毎に行うのではなく、各処理が所定回数行われる毎(例えば2回行われる毎)に、1度実行される処理としてもよい。
また、上記各実施形態において、音声ランプ制御装置113によって実行されるエラー時動作実行処理(1109)では、下位バイトの各ビットに各種類エラーの発生状況を示す情報が1種類ずつ設定されたエラーコマンドに対し、そのコマンドが不正常なコマンドであるか否かの判定を、下位バイトの特定の2ビットに、不正常な組合せの値が設定ているか否かにより行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、3ビット以上の値の組合せにより、エラーコマンドが不正常であるか否かを判別すようにしてもよい。
また、上記各実施形態において、音声ランプ制御装置113によって実行されるエラー時動作実行処理(1109)では、上位バイト「DEh」のエラーコマンドが、不正常なコマンドであるか否かの判定を、そのコマンドの下位バイトにおける第1ビットと第2ビットの値に基づいて判定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下位バイトの第3ビットから第7ビットの値に基づいて不正常なコマンドであるか否かの判定を行うようにしてもよい。上記第各実施形態では、上位バイト「DEh」のエラーコマンドは、下位バイトの第3ビットから第7ビットの値がいずれも「0」の固定値のコマンドであるので、音声ランプ制御装置113のMPU221によって、これらのビットの何れかに「1」が格納されていると判別された場合は、そのビットを含むコマンドは、ノイズか、配線異常の影響を受けているということである。そこで、第1実施形態であれば、第2エラー時動作実行処理(図33参照)において、下位バイトの第3ビットから第7ビットのいずれかに「1」が格納されているか否かを、S1155の判定処理と共に、判定するよう構成して、それらのビットの何れかが「1」である場合は、そのビットを含まれるエラーコマンドに基づくエラー報知を非実行にする。更に、下位バイトの第3ビットから第7ビットの中の同じビットに「1」が格納された上位バイト「DEh」のエラーコマンドが、受信される度にカウントし、そのカウント値が所定値(例えば3)となった場合に、配線302の配線異常が発生したと判定して、その旨報知を行う。これによれば、1ビットの値によって、不正常なエラーコマンドか否かを判定できるので、誤ったエラー報知をより効果的に抑制することができる。また、第2実施形態であれば、エラー時動作実行処理(図46参照)において、下位バイトの第3ビットから第7ビットのいずれかに「1」が格納されているか否かを、S2006の判定処理と共に、判定するよう構成して、それらのビットの何れかが「1」である場合は配線異常判定処理(S2008)に移行して、そのビットを含まれるエラーコマンドに基づくエラー報知を非実行にする。更に、下位バイトの第3ビットから第7ビットの中の同じビットに「1」が格納された上位バイト「DEh」のエラーコマンドを、他のコマンドと同様に配線異常判定カウンタ323bを用いてカウントし、そのカウント値が所定時間内に判定しきい値(例えば10)となった場合に、配線302の配線異常が発生したと判定して、その旨報知を行う。この場合も、第1実施形態に適用した場合と同様の効果を奏する。
また、上記各実施形態において、複数種類のエラーの発生状況を示す情報を含むエラーコマンドの、上位バイトには「DDh」と「DEh」との2種類を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、エラーコマンドであること、および、そのエラーコマンドに含まれるエラーの発生状況を示す情報の種類とが特定できる、他のコマンドの上位バイトと重複しない値であれば、「DDh」、「DEh」以外の値を使用することができる。
尚、上記実施形態に記載の上位バイト「DDh」又は「DEh」のエラーコマンドが、特許請求の範囲に記載の「コマンド」に対応し、上記実施形態に記載の上位バイト「DDh」又は「DEh」において下位バイトに含まれる各ビットの値が、特許請求の範囲に記載の「判定結果情報」に対応し、上記実施形態に記載のRAM203のコマンド送信用リングバッファが、特許請求の範囲に記載の「コマンド記憶手段」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
遊技の主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から信号線を介して送信されるコマンドに基づいて遊技を制御する従制御手段と、その従制御手段からの指示に基づいて報知を行う報知手段と、を備えた遊技機において、該遊技機の各種状態を検出するための検出手段を備え、前記主制御手段は、前記検出手段により検出された前記遊技機の状態に基づいて、コマンドを生成するコマンド生成手段と、前記コマンドを複数記憶可能なコマンド記憶手段と、前記コマンド生成手段によってコマンドが生成された場合に、そのコマンドを前記コマンド記憶手段に記憶させるコマンド記憶実行手段と、前記コマンド記憶手段に記憶されている未送信のコマンドを前記従制御手段へ順次送信する送信手段と、前記遊技機における複数種類の不正常な状態のうち、いずれかの状態となっているか否かを、前記検出手段の検出結果に基づいてそれぞれ判定する判定手段と、を備え、前記コマンド生成手段は、前記判定手段の判定結果を示す判定結果情報であって、前記遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の前記判定結果情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成するものであり、前記従制御手段は、前記送信手段によって送信された前記判定結果情報を含むコマンドを受信した場合に、そのコマンドに含まれる前記判定結果情報に基づいて、前記遊技機が前記不正常な状態の1つとなっているか否かを判定する従側判定手段を備え、前記従制御手段が受信したコマンドに含まれている前記判定結果情報に基づいて、前記遊技機がいずれかの不正常な状態となっていると前記従側判定手段によって判定された場合は、その状態に応じた報知を前記報知手段に指示するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、検出手段によって遊技機の状態が検出されると、主制御手段のコマンド生成手段は、その検出された遊技機の状態に基づいてコマンドを生成し、コマンド記憶実行手段は、そのコマンドを複数記憶可能なコマンド記憶手に記憶させる。ここで、主制御手段は、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち、いずれかの状態となっているか否かを、検出手段の検出結果に基づいてそれぞれ判定する判定手段と、を備えており、コマンド生成手段は、判定手段の判定結果を示す判定結果情報であって、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の判定結果情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成する。このため、コマンド記憶手段に記憶されている未送信のコマンドが、従制御手段へ送信された場合は、そのコマンドを受信した従制御手段は、そのコマンドに含まれている判定結果情報に基づいて、遊技機がいずれかの不正常な状態となっていることを従側判定手段で判定する。遊技機がいずれかの不正常な状態となっていると、従側判定手段によって判定された場合は、その状態に応じた報知を報知手段に指示する。よって、主制御手段のコマンド生成手段によって、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の判定結果情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成し、従制御手段へ送信することにより、そのコマンドに含まれる複数の判定結果情報に応じて、報知を実行することができるので、1の判定結果情報を含むコマンドを遊技機の不正な状態の種類毎に生成する場合に比べて、主制御手段が生成するコマンドの数を低減することができる。これにより、コマンド記憶手段の容量を効率的に使用できるので、主制御手段から従制御手段へのコマンドの送信を好適に行うことができるという効果がある。
遊技機A1において、前記コマンド生成手段は、前記遊技機の第1状態に対応する第1判定結果情報を含むコマンドを生成する場合は、そのコマンドに前記第1状態と両立しない前記遊技機の第2状態に対応する第2判定結果情報を含ませることなく前記コマンドを生成するものであり、前記従側判定手段は、前記送信手段によって送信された前記コマンドを前記従制御手段が受信した場合に、その受信したコマンドの中に、前記第1判定結果情報と前記第2判定結果情報とが共に含まれているか否かを判定する第2従側判定手段を備え、その第2従側判定手段によって、前記第1判定結果情報と前記第2判定結果情報とが共に含まれていると判別された場合は、前記コマンドに含まれる判定結果情報に基づく報知の指示を非実行にするものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段のコマンド生成手段は、1のコマンドに、遊技機の第1状態に対応する第1判定結果情報を含むコマンドを生成する場合は、そのコマンドに、第1状態とは両立しない遊技機の第2状態に対応する第2判定結果情報を含ませることはない。それにも拘わらず、従制御手段の第2従側判定手段によって、従制御手段が受信したコマンドの中に、第1判定結果情報と第2判定結果情報とが共に含まれていると判定された場合は、従制御手段が受信したコマンドは、主制御手段から従制御手段の間に介在する配線にノイズが混入したり、配線に断線や短絡等が生じていたりして、それらの影響を受けたものである可能性がある。かかる場合には、従制御手段が受信したコマンドに含まれる判定結果情報は、いずれも、検出手段により検出された遊技機の状態に基づく、正しい判定結果情報でないおそれがある。かかる場合は、コマンドに含まれる判定結果情報に基づく報知の指示を非実行にするので、報知の信頼性を高めることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記従制御手段は、前記第1判定結果情報と前記第2判定結果情報とを含むと前記第2従側判定手段によって判定されたコマンドを、継続的に受信した場合に、前記従側判定手段によって前記遊技機が不正常な状態となっていると判定された場合とは異なる態様での報知を前記報知手段に指示するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判定結果情報と第2判定結果情報とを含むコマンドが、従制御手段によって継続的に受信された場合は、それぞれのコマンドは、単発的なノイズの影響によるものではなく、主制御手段と従制御手段とを介在する配線の短絡や断線などの継続的な現象によるものである可能性が高い。これに対し、従制御手段は、第1判定結果情報と第2判定結果情報とを含むと第2従側判定手段によって判定されたコマンドを、継続的に受信した場合に、従側判定手段によって遊技機が不正常な状態となっていると判定された場合とは異なる態様での報知を、報知手段に指示する。この報知により、配線の短絡や断線などが発生した可能性があることを遊技場の係員等に報せることができるので、配線の短絡や断線などが発生した状態の遊技機によって遊技が行われることを予防できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記コマンド生成手段は、前記複数の判定結果情報と共に前記遊技機の状態とは無関係な固定値情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成するものであり、前記従側判定手段は、前記送信手段によって送信された前記判定結果情報を含むコマンドを受信した場合に、その受信したコマンドの中に前記固定値情報が含まれているか否かを判定する第3従側判定手段を備え、その第3従側判定手段によって、前記受信したコマンドの中に前記固定値情報がと判別された場合は、前記受信したコマンドに含まれる判定結果情報に基づく報知の指示を非実行にするものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段のコマンド生成手段は、複数の判定結果情報と共に遊技機の状態とは無関係な固定値情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成する。従制御手段の第3従側判定手段によって、従制御手段が受信したコマンドの中に、第1判定結果情報と第2判定結果情報とが共に含まれていると判定された場合は、従制御手段が受信したコマンドは、主制御手段から従制御手段の間に介在する信号線にノイズが混入し、その影響を受けたものである可能性がある。かかる場合には、従制御手段が受信したコマンドに含まれる判定結果情報は、いずれも、検出手段により検出された遊技機の状態に基づく、正しい判定結果情報でないおそれがある。かかる場合は、コマンドに含まれる判定結果情報に基づく報知の指示を非実行にするので、報知の信頼性を高めることができるという効果がある。
遊技機A3において、前記判定手段は、所定時間毎に、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち、いずれかの状態となっているか否かを、前記検出手段の検出結果に基づいてそれぞれ判定するものであり、前記コマンド生成手段は、前記判定手段による所定時間毎の判定が行われる毎に、前記判定手段の判定結果を示す判定結果情報であって、前記遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の前記判定結果情報を、1のコマンドの中に含むコマンドを生成するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段の判定手段は、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち、いずれかの状態となっているか否かを、検出手段の検出結果に基づいて、所定時間毎に、それぞれ判定するものであり、コマンド生成手段によって、その度に、1のコマンドの中に、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の前記判定結果情報を含むコマンドを生成する。よって、送信手段によってかかるコマンドが送信されることにより、従制御手段は、第2従側判定手段による判定を逐一行うことができるので、配線の短絡や断線などの不正常な状態を速やかに発見して、その旨を報知することができる。よって、配線の短絡や断線などが発生した状態の遊技機によって遊技が行われることを、より好適に予防できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記主制御手段は、遊技機における複数種類の不正常な状態であって、前記コマンド生成手段によって生成される複数の前記判定結果情報を含む1のコマンドに対応する不正常な状態のいずれの状態にもなっていないと判定手段によって判定された場合は、前記コマンド生成手段によって生成される前記1のコマンドを、前記コマンド記憶手段へ記憶させない、コマンド記憶非実行手段を備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊遊技機A1からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コマンド生成手段によって生成される複数の前記判定結果情報を含む1のコマンドは、遊技機が、その1のコマンドと対応する遊技機の不正常な状態のいずれにもなっていないと判定手段によって判定された場合に、コマンド記憶非実行手段によって、その1のコマンドはコマンド記憶手段に記憶させないので、コマンド記憶手段の空き容量を増加させることができる。これにより、コマンド記憶手段を更に効率的に使用できるので、主制御手段から従制御手段へのコマンドの送信をいっそう好適に行うことができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1,C1のいずれかにおいて、前記コマンド生成手段は、機種毎の遊技内容あるいは遊技性に拘わらず生じるおそれのある不正常な状態に対応する前記判定結果情報のみが含まれる前記複数の判定結果情報を含む第1コマンドを生成するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、A1からA4,B1,C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コマンド生成手段は、機種毎の遊技内容あるいは遊技性に拘わらず生じるおそれのある不正常な状態に対応する判定結果情報のみからなる複数の判定結果情報を含む第1コマンドを生成するので、その第1コマンドのコードを、異なる機種の間で使い回しして異なる機種におけるコマンド生成手段を作成することができる。このため、複数の判定結果情報を含むコマンドを生成するコマンド生成手段を備えた通知する遊技機の作成を容易化できる。
遊技機D1において、前記コマンド生成手段は、前記第1コマンド以外に前記複数の判定結果情報を含むコマンドを生成する場合、そのコマンドには、前記遊技機の遊技内容や遊技性に応じて生じる不正常な状態に対応する前記判定結果情報のみを含めて生成するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、コマンド生成手段は、機種毎の遊技内容あるいは遊技性に拘わらず生じるおそれのある不正常な状態に対応する判定結果情報と、当該遊技機の遊技内容や遊技性に応じて生じる不正常な状態に対応する判定結果情報とが混ざったコマンドを生成しないようになっているため、機種毎の遊技内容あるいは遊技性に拘わらず生じるおそれのある不正常な状態に対応する判定結果情報を含むコマンドのコードを、異なる機種の間で使い回しして、より容易に異なる機種におけるコマンド生成手段を作成することができる。
遊技機A1からA4,B1,C1,D1,D2のいずれかにおいて、前記判定手段は、電源投入時に前記遊技機における複数種類の不正常な状態のうち、いずれかの状態となっているか否かを、前記検出手段によって検出された遊技機の各種状態に基づいてそれぞれ判定するものであり、前記コマンド生成手段は、前記判定手段の判定結果を示す判定結果情報であって、前記遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の前記判定結果情報と、その判定結果情報と無関係な固定値情報とを、1のコマンドの中に含む第3コマンドを生成するものであり、前記従側判定手段は、電源投入時において前記送信手段によって送信された前記第3コマンドを受信した場合に、その第3コマンドに前記固定値情報が含まれているか否かを判定する第4従側判定手段を備え、前記従制御手段は、その第4従側判定手段によって、前記第3コマンドに前記固定値情報が含まれていないと判定された場合は、前記報知手段に報知を指示するものであることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊遊技機A1からA4,B1,C1,D1,D2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段は、コマンド生成手段によって、判定手段の判定結果を示す判定結果情報であって、遊技機における複数種類の不正常な状態のうち所定の2以上に対応する複数の判定結果情報と、その判定結果情報と無関係な固定値情報とを1のコマンドの中に含む、第3コマンドを生成生成し、これを送信手段によって従制御手段に送信する。この第3コマンドを従制御手段が受信した場合、従側判定手段の第4従側判定手段によって、その第3コマンドに固定値情報が含まれているか否かを判定する。そして、その第4従側判定手段によって、コマンドに含まれる判定結果情報に固定値情報が含まれていないと判定された場合は、報知手段によって報知手段に報知を指示する。ここで、固定値情報と対応する配線に異常が生じていなければ、従制御手段は、第4従側判定手段によって、固定値情報が含まれていると判別できる一方、固定値情報が含まれていなければ、固定値情報と対応する配線に断線や短絡といった異常が生じているということである。よって、遊技が開始される前に、配線や検出手段に異常が生じたことを検出することができるので、配線に異常が生じたままの状態で遊技が開始されることを予防することができるという効果がある。
遊技機A1からA4,B1,C1,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機E1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA4,B1,C1,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機E2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大開放口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1〜A4,B1,C1,D1,D2,E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機E3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。