JP2013053853A - 相対角度検出装置、電動パワーステアリング装置および電線保持具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相対角度センサから出力される電気信号をハウジング外に配置される装置に伝送する電線310と、ハウジングに形成された連通孔に嵌合されるとともに電線310を保持するグロメット320と、ハウジングの外側にて連通孔を覆う覆い部を有し、グロメット320が保持した電線310を通す電線孔が覆い部に形成されたプレート330と、ハウジングの外側にて電線310を狭持するクリップ340と、を備え、プレート330には、覆い部の外側にクリップ340が連結される連結孔が形成されており、クリップ340は、電線310の周囲に巻かれることで電線310を狭持する帯部と、プレート330の連結孔に連結されるフック部とを有する。
【選択図】図13
Description
例えば、特許文献1に記載の装置は、トーションバーにより同軸的に連結された第1の回転体及び第2の回転体が有する磁気回路形成部材の外周りに軸線方向へ離隔して配置され、該磁気回路形成部材が発生した磁束を集める2つの集磁環と、各集磁環が集めた磁束の密度に基づいて第1の回転体に加わったトルクを検出する検出部と、集磁環及び検出部を保持し、且つ外周部にハウジングに取着される取着部を有する保持環と、検出部に接続された導線とを備えている。そして、検出部は集磁環の凸片間に発生する磁束密度の変化に応じて検出信号が変わるように構成されており、その検出信号は導線を介してマイクロプロセッサを用いてなる制御部に与えられる。
本発明は、ハウジング外において電線に力が作用したとしても、電線保持部材における電線保持部、およびハウジング内の電線の端部に大きな力が及ばないようにすることを簡易な構成で実現する装置を提案することを目的とする。
また、前記狭持部材の前記狭持部は、前記電線が前記ハウジングの前記連通孔の孔方向と平行な状態となるように当該電線を狭持するとよい。
また、前記電線は複数あり、複数の前記電線をカバーする電線カバー部材をさらに備え、前記狭持部材の前記狭持部は、複数の前記電線をカバーした前記電線カバー部材の周囲に巻かれることで複数の当該電線を狭持し、複数の当該電線の中心は、前記保持部材で保持された状態および当該狭持部材で狭持された状態で略直線となるとよい。
図1は、実施の形態に係る検出装置10を適用した電動パワーステアリング装置100の断面図である。図2は、実施の形態に係る検出装置10の斜視図である。なお、図2においては、構成を分かり易くするために後述するベース50およびフラットケーブルカバー60の一部は省略して示している。
第1ハウジング150は、第2の回転軸120を回転可能に支持する軸受け151を、第2の回転軸120の回転軸方向(以下、単に「軸方向」と称する場合もある。)の一方の端部側(図1においては下側)に有し、軸方向の他方の端部側(図1においては上側)が開口した部材である。
また、電動パワーステアリング装置100は、第1の回転軸110と第2の回転軸120との相対回転角度に応じた電気信号を出力する検出装置10と、この検出装置10からの出力値に基づいて電動モータ190の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)200とを備えている。
検出装置10については、後で詳述する。
検出装置10は、第1の回転軸110に取り付けられる磁石20と、この磁石20の磁場(磁石20から発生される磁界)に基づいて第1の回転軸110と第2の回転軸120との相対回転角度に応じた電気信号を出力する相対角度センサ30と、この相対角度センサ30を実装するプリント基板40と、を備えている。また、検出装置10は、第2の回転軸120に取り付けられるとともにプリント基板40を支持するベース50と、後述するフラットケーブル70を収納する有底円筒状のフラットケーブルカバー60と、を備えている。また、検出装置10は、一方の端部がプリント基板40に設けられた端子に接続されるとともに、他方の端部がフラットケーブルカバー60に固定された端子に接続されるフラットケーブル70と、フラットケーブルカバー60に固定された端子とECU200とを接続するハーネスコンプ300と、を備えている。
相対角度センサ30は、第1の回転軸110の回転半径方向には磁石20の外周面の外側であり、第1の回転軸110の軸方向には磁石20が設けられた領域内となるように配置されている。本実施の形態に係る相対角度センサ30は、磁界によって抵抗値が変化することを利用した磁気センサであるMRセンサ(磁気抵抗素子)である。そして、この相対角度センサ30が、磁石20の磁場(磁石20から発生される磁界)に基づいて第1の回転軸110と第2の回転軸120との相対回転角度に応じた電気信号を出力することで、同軸的に配置された2つの回転軸の相対回転角度を検出する。この相対角度センサ30および相対回転角度の検出手法については後で詳述する。
ベース50は、円盤状の部材であり、第2の回転軸120に嵌合され、この第2の回転軸120と共に回転する。
フラットケーブルカバー60は、有底円筒状の部材であり、ハウジング140に固定される。フラットケーブルカバー60をハウジング140に固定する態様としては、以下の態様を例示することができる。すなわち、フラットケーブルカバー60の外周面に、円周方向に等間隔に複数個(本実施の形態においては90度間隔に4個)の凸部61を、外側に延出するように形成する。一方、ハウジング140の第1ハウジング150に、凸部61が嵌合される凹部151を、凸部61と同数個形成する。そして、フラットケーブルカバー60の凸部61を第1ハウジング150に形成した凹部151に嵌合することで、第2の回転軸120の回転方向の位置決めを行う。そして、第2ハウジング160でフラットケーブルカバー60の上面を押さえることで軸方向の位置決めを行う。あるいは、フラットケーブルカバー60を、例えばボルトなどにより第1ハウジング150または第2ハウジング160に固定してもよい。
ハーネスコンプ300は、相対角度センサ30からの出力信号をECU200に伝送する機能を有する。このハーネスコンプ300については後で詳述する。
本実施の形態に係る相対角度センサ30は、磁場(磁界)によって抵抗値が変化することを利用したMRセンサ(磁気抵抗素子)である。
MRセンサは、Si若しくはガラス基板と、その上に形成されたNi−Feなどの強磁性金属を主成分とする合金の薄膜で構成されており、その薄膜強磁性金属の抵抗値は、特定方向の磁界の強度に応じて抵抗値が変化する。
図3に示すように、基板の上に矩形状に形成した薄膜強磁性金属に、矩形の長手方向、つまり図中Y方向に電流を流す。一方、磁界Hを、電流方向(Y方向)に対して垂直方向(図中X方向)に印加し、その状態で、磁界の強さを変更する。このときに、薄膜強磁性金属の抵抗値がどのように変化するかを示したのが図4である。
以下では、抵抗値変化量(ΔR)が、近似的に「ΔR∝H2」の式で表すことができる領域外を「飽和感度領域」と称す。そして、飽和感度領域においては、ある磁界強度(以下、「規定磁界強度」と称す。)以上になると3%の抵抗値変化は変わらない。
図5のように、矩形状に形成した薄膜強磁性金属の矩形の長手方向、つまり図中Y方向に電流を流し、磁界の方向として電流方向に対して角度変化θを与える。このとき、磁界の向きに起因する薄膜強磁性金属の抵抗値の変化を知るために、印加する磁界強度は、磁界強度に起因しては抵抗値が変化しない上述した規定磁界強度以上とする。
R=R0−ΔRsin2θ・・・(1)
ここで、R0は、規定磁界強度以上の磁界を電流方向と平行(θ=0度あるいは180度)に印加した場合の抵抗値である。
式(1)により、規定磁界強度以上の磁界の方向は、薄膜強磁性金属の抵抗値を把握することで検出することができる。
図7(a)は、規定磁界強度以上の磁界強度で磁界の方向を検出する原理を利用するMRセンサの一例を示す図である。図7(b)は、図7(a)に示すMRセンサの構成を等価回路で示した図である。
図7(a)に示すMRセンサの薄膜強磁性金属は、縦方向が長くなるように形成された第1のエレメントE1と横方向が長くなるように形成された第2のエレメントE2とが直列に配置されている。
R1=R0−ΔRsin2θ・・・(2)
R2=R0−ΔRcos2θ・・・(3)
図7に示すように、第1のエレメントE1の、第2のエレメントE2と接続されていない方の端部をグランド(Gnd)とし、第2のエレメントE2の、第1のエレメントE1と接続されていない方の端部の出力電圧をVccとした場合に、第1のエレメントE1と第2のエレメントE2との接続部の出力電圧Voutは式(4)で与えられる。
Vout=(R1/(R1+R2))×Vcc…(4)
Vout=Vcc/2+α×cos2θ…(5)
ここで、αは、α=(ΔR/(2(2×R0−ΔR)))×Vccである。
式(5)により、磁界の方向は、Voutを検出することで把握することができる。
図8(a)に示すように、N極とS極が交互に配列された磁石に対して、図7に示したMRセンサを、規定磁界強度以上の磁界強度が印加されるギャップ(磁石とMRセンサとの距離)Lで、かつ磁界の方向変化がMRセンサのセンサ面に寄与するように配置する。
図7に示したエレメント構成の代わりに図9(a)に示すようなエレメント構成にすれば、図9(b)に示すように、一般的に知られているホイートストン・ブリッジ(フルブリッジ)の構成にすることができる。ゆえに、図9(a)に示すエレメント構成のMRセンサを用いることにより検出精度を高めることが可能となる。
図6に示した磁界の向きと薄膜強磁性金属の抵抗値との関係および式(1)「R=R0−ΔRsin2θ」からすると、図5で見た場合に、磁界の向きを電流の方向に対して時計回転方向に回転させても反時計回転方向に回転させても薄膜強磁性金属の抵抗値は同じである。ゆえに、薄膜強磁性金属の抵抗値を把握できても磁石の運動の方向は把握できない。
図11は、MRセンサの配置の例を示す図である。図11に示すように2つのMRセンサを重ね、一方のセンサを他方のセンサに対して45度傾けて配置することも好適である。
すなわち、運転者がステアリングホイールを回転すると、これに伴って第1の回転軸110が回転し、トーションバー130が捩れる。そして、第2の回転軸120が第1の回転軸110より少し遅れて回転する。この遅れは、トーションバー130に連結された第1の回転軸110と第2の回転軸120との回転角度の差となって現れる。検出装置10は、この回転角度の差に応じた、1/4周期の位相差の、余弦曲線および正弦曲線となるVoutA,VoutBを出力する。
なお、相対角度センサ30の感磁面とは、相対角度センサ30において磁場を検出することができる面のことである。
θt=arctan(VoutB/VoutA)…(6)
このようにして、相対角度演算部210は、相対角度センサ30からの出力値に基づいて第1の回転軸110と第2の回転軸120との相対回転角度及び捩れ方向、つまりはステアリングホイールに加わるトルクの大きさ及び向きを把握することが可能となる。
このように、検出装置10を予めユニット化が可能な構造とすることで組み付け性を向上させることができる。
図13は、本実施の形態に係るハーネスコンプ300の外観図である。
ハーネスコンプ300は、複数の電線310と、これら複数の電線310を保持する電線保持部材の一例としてのグロメット320と、グロメット320の移動を抑制するプレート330と、電線310を狭持する狭持部材の一例としてのクリップ340と、を備えている。また、ハーネスコンプ300は、複数の電線310の一方の端部に連結される第1のコネクタ350と、複数の電線310の他方の端部に連結される第2のコネクタ360と、を備えている。また、ハーネスコンプ300は、グロメット320と第1のコネクタ350との間において複数の電線310を束ねる第1のカバー370と、グロメット320と第2のコネクタ360との間において複数の電線310を束ねる電線カバー部材の一例としての第2のカバー380と、を備えている。
図15(a)は、第2ハウジング160の概略構成図である。図15(b)は、(a)におけるB−B断面図である。図15(c)は、ハーネスコンプ300が第2ハウジング160に装着された状態を示す図である。
先ず、グロメット320に形成された複数の電線孔323それぞれに電線310を挿入する。その後、グロメット320の円筒部322を、プレート330の電線孔331aに挿入し、複数の電線310を、第1のカバー370および第2のカバー380で束ねる。なお、グロメット320の円筒部322は、プレート330の電線孔331aに弾性保持するようにしても良い。その後、クリップ340のフック部342をプレート330の連結孔333aに差し込む。フック部342がプレート330の連結孔333aに差し込まれる際には、フック部342の両傾斜部342bが連結孔333aの縁に押されてベース342a側に弾性変形し、連結孔333aを通過した後は復帰する。そして、復帰後に両傾斜部342b間の長さが連結孔333aの径よりも大きくなることで、両傾斜部342bは連結孔333aを通過し難くなり、フック部342がプレート330から脱落することが抑制される。なお、クリップ340のフック部342をプレート330の連結孔333aに差し込むのは、グロメット320の円筒部322をプレート330の電線孔331aに挿入する前であってもよい。
第1ハウジング150および第2ハウジング160に、第1の回転軸110、第2の回転軸120、検出装置10などを組み付け、第3ハウジング170を組み付ける前の状態で、第1のコネクタ350側から第2ハウジング160に形成された連通孔161に通す。そして、グロメット320の突起324が連通孔161の内周面に接触するように嵌合するとともに、プレート330の周囲部332が第2ハウジング160の外側連通孔161bを形成する周囲の壁163の端面と接触するまでグロメット320を押し込んでいく。そして、プレート330のボルト孔332aにボルト390を通し、第2ハウジング160のネジ穴に締め付ける。このようにして、グロメット320およびプレート330を第2ハウジング160に装着する。また、第1のコネクタ350をフラットケーブルカバー60の接続端子62に、第2のコネクタ360をECU200の端子に差し込む。
また、ハーネスコンプ300をハウジング140に組み付ける際には、グロメット320を第2ハウジング160の連通孔161に押し込み、ボルト390にてプレート330を第2ハウジング160に締結するだけであるので、他の構成と比べると容易に組み付けることが可能である。
Claims (7)
- 内外を連通する連通孔が形成されたハウジング内に収納され、互いに同軸的に配置された2つの回転軸の相対回転角度に応じた電気信号を出力するセンサと、
前記センサから出力される電気信号を前記ハウジング外に配置される装置に伝送する電線と、
前記ハウジングの前記連通孔に嵌合されるとともに前記電線を保持する保持部材と、
前記ハウジングの外側にて前記連通孔を覆う覆い部を有し、前記保持部材が保持した前記電線を通す電線孔が当該覆い部に形成された覆い部材と、
前記ハウジングの外側にて前記電線を狭持する狭持部材と、
を備え、
前記覆い部材には、前記覆い部の外側に前記狭持部材が連結される連結孔が形成されており、
前記狭持部材は、前記電線の周囲に巻かれることで当該電線を狭持する狭持部と、前記覆い部材の前記連結孔に連結される連結部と、を有する
ことを特徴とする相対角度検出装置。 - 前記覆い部材は、前記覆い部の面と交差する方向に延出するとともに前記連結孔が形成された延出部を有し、
前記狭持部材は、前記狭持部が前記電線の周囲に巻かれる前には当該狭持部の長手方向が前記覆い部材の前記延出部の面と直交する方向となるように、当該覆い部材に連結されることを特徴とする請求項1に記載の相対角度検出装置。 - 前記狭持部材の前記狭持部は、前記電線が前記ハウジングの前記連通孔の孔方向と平行な状態となるように当該電線を狭持することを特徴とする請求項2に記載の相対角度検出装置。
- 前記狭持部材は、前記電線の中心が前記保持部材で保持された状態および当該狭持部材で狭持された状態で略直線となるように狭持することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の相対角度検出装置。
- 前記電線は複数あり、
複数の前記電線をカバーする電線カバー部材をさらに備え、
前記狭持部材の前記狭持部は、複数の前記電線をカバーした前記電線カバー部材の周囲に巻かれることで複数の当該電線を狭持し、複数の当該電線の中心は、前記保持部材で保持された状態および当該狭持部材で狭持された状態で略直線となることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の相対角度検出装置。 - 互いに同軸的に配置された2つの回転軸の相対回転角度に応じた電気信号を出力するセンサと、
前記センサを収納するとともに、内外を連通する連通孔が形成されたハウジングと、
前記センサから出力される電気信号を前記ハウジング外に配置される装置に伝送する電線と、
前記ハウジングの前記連通孔に嵌合されるとともに前記電線を保持する保持部材と、
前記ハウジングの外側にて前記連通孔を覆う覆い部を有し、前記保持部材が保持した前記電線を通す電線孔が当該覆い部に形成された覆い部材と、
前記ハウジングの外側にて前記電線を狭持する狭持部材と、
を備え、
前記覆い部材には、前記覆い部の外側に前記狭持部材が連結される連結孔が形成されており、
前記狭持部材は、前記電線の周囲に巻かれることで当該電線を狭持する狭持部と、前記覆い部材の前記連結孔に連結される連結部と、を有する
ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 内外を連通する連通孔が形成されたハウジング内に収納され、電気信号を出力するセンサからの電気信号を当該ハウジング外に配置される装置に伝送する電線と、
前記ハウジングの前記連通孔に嵌合されるとともに前記電線を保持する保持部材と、
前記ハウジングの外側にて前記連通孔を覆う覆い部を有し、前記保持部材が保持した前記電線を通す電線孔が当該覆い部に形成された覆い部材と、
前記ハウジングの外側にて前記電線を狭持する狭持部材と、
を備え、
前記覆い部材には、前記覆い部の外側に前記狭持部材が連結される連結孔が形成されており、
前記狭持部材は、前記電線の周囲に巻かれることで当該電線を狭持する狭持部と、前記覆い部材の前記連結孔に連結される連結部と、を有する
ことを特徴とする電線保持具。
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