JP2013051381A - エキシマレーザ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 チャンバへの大気流入を防いでミラーを交換できる装置を提供する。
【解決手段】 フッ素ガスを封入するチャンバと、放電電極と、共振器となる一対のミラーと、を備えるエキシマレーザ装置で、フッ素ガスを不活性ガスに置換するとともにチャンバ内圧を陽圧にする置換手段と、ミラーを取り付けるための開口を有するミラー取付部と、チャンバ内部に設けられ,開口を塞ぎチャンバ内を密封するとともに所定の回転軸によりチャンバの内側に向けて回動可能に取り付けられるシャッタを有するシャッタユニットと、ミラー取付部に取り付けられミラーを保持するミラーホルダであってミラーを保持するベース部と、開口から挿入されミラー取付部へのミラーホルダの取り付け動作によりシャッタを押し,レーザ共振の光路からシャッタを退避させるためのシャッタ退避部材とを有するミラーホルダと、を備える。
【選択図】 図3
【解決手段】 フッ素ガスを封入するチャンバと、放電電極と、共振器となる一対のミラーと、を備えるエキシマレーザ装置で、フッ素ガスを不活性ガスに置換するとともにチャンバ内圧を陽圧にする置換手段と、ミラーを取り付けるための開口を有するミラー取付部と、チャンバ内部に設けられ,開口を塞ぎチャンバ内を密封するとともに所定の回転軸によりチャンバの内側に向けて回動可能に取り付けられるシャッタを有するシャッタユニットと、ミラー取付部に取り付けられミラーを保持するミラーホルダであってミラーを保持するベース部と、開口から挿入されミラー取付部へのミラーホルダの取り付け動作によりシャッタを押し,レーザ共振の光路からシャッタを退避させるためのシャッタ退避部材とを有するミラーホルダと、を備える。
【選択図】 図3
Description
本発明は、フッ素ガスをレーザ媒質に用いるエキシマレーザ装置に関する。
エキシマレーザ等の紫外域のレーザが、半導体の製造、眼科用の角膜手術装置に利用されている。フッ素ガスをレーザ媒質に用いるエキシマレーザ装置では、チャンバ内のガスと接触している光学部品(ウインドウや出力ミラー、全反射ミラー)が劣化するため、光学部品は定期的に交換する必要がある。このようなウインドウやミラーの交換方法としては、シャッタを用いてチャンバ内を外部から閉鎖した状態でウインドウを交換することのできる技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1の装置では、ミラーの取り付け部に小さな空間とシャッタを設け、チャンバ内に空気が入らないようにしている。
しかしながら、特許文献1の装置は、シャッタとミラーとの間(小空間)にわずかながらも空気がたまるため、シャッタを開くとチャンバに空気が入ってしまう。この空位が悪影響を及ぼす可能性がある。また、シャッタの開閉機構としてバネや電気的な開閉を行うため、装置構成が複雑となる。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、簡単な構成でチャンバ内への大気の流入を防ぎつつ、簡単にミラーを交換できるエキシマレーザ装置を提供することを技術課題とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の構成を有することを特徴とする。
(1) レーザ媒質となるフッ素ガスを封入するチャンバと、該チャンバ内に設置された放電電極と、前記チャンバ内に取り付けられ共振器となる一対のミラーと、を備えるエキシマレーザ装置において、
前記チャンバ内に封入されている前記フッ素ガスを不活性ガスに置換するとともに,該不活性ガスが充填された前記チャンバ内の圧力を大気圧に対して陽圧に維持するための置換手段と、
前記チャンバに前記ミラーを取り付けるための開口を有するミラー取付部と、
前記チャンバ内部に設けられ,前記開口をチャンバ内部から塞ぎチャンバ内を密封するとともに,所定の回転軸により前記チャンバの内側に向けて回動可能に前記チャンバ内に取り付けられるシャッタを有するシャッタユニットと、
前記ミラー取付部に取り付けられ前記ミラーを保持するミラーホルダであって,前記ミラーを保持するベース部と、前記開口から前記チャンバ内部に挿入され前記ミラー取付部へのミラーホルダの取り付け動作により前記シャッタを外部から押し,前記開口から前記シャッタを外すと共にレーザ共振の光路から前記シャッタを退避させるためのシャッタ退避部材とを有するミラーホルダと、
を備えることを特徴とする。
(2) (1)のエキシマレーザ装置において、
前記シャッタ退避部材には、前記開口の径と同じ程度の外形サイズを有する円筒部材であり、該円筒部材には前記チャンバ内に充填される前記不活性ガスを外部に逃がすための通気孔が形成されている、
ことを特徴とする。
(3) (2)のエキシマレーザ装置において、前記シャッタ退避部材に設けられる前記通気孔は少なくとも前記ベース部の近傍に形成されることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかのエキシマレーザ装置において、
前記シャッタユニットは、前記シャッタが前記開口を塞いだときに外側に露出する位置に、前記シャッタ退避部材の先端部と当接するために突出した突起であって,前記シャッタ退避部材の前記チャンバ内への押し込みに応じて前記シャッタの退避を増加させるようにガイドするためのガイド部材を備える、ことを特徴とする。
(5) (4)のエキシマレーザ装置において、
前記ガイド部材は、前記シャッタの表面から突出するように形成された柱状部材であり、
前記柱状部材は、前記シャッタが前記開口を塞いだ状態で前記開口内の領域で前記回転軸側に配置されている、ことを特徴する。
(1) レーザ媒質となるフッ素ガスを封入するチャンバと、該チャンバ内に設置された放電電極と、前記チャンバ内に取り付けられ共振器となる一対のミラーと、を備えるエキシマレーザ装置において、
前記チャンバ内に封入されている前記フッ素ガスを不活性ガスに置換するとともに,該不活性ガスが充填された前記チャンバ内の圧力を大気圧に対して陽圧に維持するための置換手段と、
前記チャンバに前記ミラーを取り付けるための開口を有するミラー取付部と、
前記チャンバ内部に設けられ,前記開口をチャンバ内部から塞ぎチャンバ内を密封するとともに,所定の回転軸により前記チャンバの内側に向けて回動可能に前記チャンバ内に取り付けられるシャッタを有するシャッタユニットと、
前記ミラー取付部に取り付けられ前記ミラーを保持するミラーホルダであって,前記ミラーを保持するベース部と、前記開口から前記チャンバ内部に挿入され前記ミラー取付部へのミラーホルダの取り付け動作により前記シャッタを外部から押し,前記開口から前記シャッタを外すと共にレーザ共振の光路から前記シャッタを退避させるためのシャッタ退避部材とを有するミラーホルダと、
を備えることを特徴とする。
(2) (1)のエキシマレーザ装置において、
前記シャッタ退避部材には、前記開口の径と同じ程度の外形サイズを有する円筒部材であり、該円筒部材には前記チャンバ内に充填される前記不活性ガスを外部に逃がすための通気孔が形成されている、
ことを特徴とする。
(3) (2)のエキシマレーザ装置において、前記シャッタ退避部材に設けられる前記通気孔は少なくとも前記ベース部の近傍に形成されることを特徴とする。
(4) (1)〜(3)の何れかのエキシマレーザ装置において、
前記シャッタユニットは、前記シャッタが前記開口を塞いだときに外側に露出する位置に、前記シャッタ退避部材の先端部と当接するために突出した突起であって,前記シャッタ退避部材の前記チャンバ内への押し込みに応じて前記シャッタの退避を増加させるようにガイドするためのガイド部材を備える、ことを特徴とする。
(5) (4)のエキシマレーザ装置において、
前記ガイド部材は、前記シャッタの表面から突出するように形成された柱状部材であり、
前記柱状部材は、前記シャッタが前記開口を塞いだ状態で前記開口内の領域で前記回転軸側に配置されている、ことを特徴する。
本発明によれば、簡単な構成でチャンバ内への大気の流入を防ぎつつ、簡単にミラーを交換できる.
+
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のエキシマレーザ装置の概略構成図である。本実施形態で使用するエキシマレーザ装置は、Ar(アルゴン)ガスとF2(フッ素)ガスとが混合されたレーザ媒質ガスにより得られるエキシマレーザ(発振波長193nm)を発振する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のエキシマレーザ装置の概略構成図である。本実施形態で使用するエキシマレーザ装置は、Ar(アルゴン)ガスとF2(フッ素)ガスとが混合されたレーザ媒質ガスにより得られるエキシマレーザ(発振波長193nm)を発振する。
エキシマレーザ装置100は、レーザ媒質ガスが充填されるチャンバ(レーザガス容器)10、対となる放電電極21、22、フッ素ガスをチャンバ10内で循環させるためのファン30、チャンバ10内のガスを吸引・除去するためのポンプ41、チャンバ10内にガス(フッ素ガス又は不活性ガス)を充填するためのボンベ42、ボンベ42の供給を制御するための調節ユニット43、レーザ光軸L上に配置され共振器となる一対のミラーである全反射ミラー51及び出力ミラー52、ミラー51及び52をそれぞれ保持するミラーホルダ60、ミラーホルダ60がチャンバから取り外された際にチャンバ10を密封するためのシャッタユニット70、を備えている。ポンプ41、ボンベ42、調節ユニット43等を用いることにより、チャンバ10内をフッ素ガスから不活性ガスに置換することができる。ポンプ41、ボンベ42、調節ユニット43により置換手段が構成される。
チャンバ10や、チャンバ10内に配置される部材には、アルミニウム等の腐食に強い金属が用いられる。チャンバ10内部はフッ素ガスが充填されるため、チャンバ10は予めフッ素にて不動態膜を形成させておく等の耐食性を向上させるための処理が施されている。放電電極21及び22は、エルンスト型であり、電極間で一様なグロー放電を行うに適した蒲鉾状の形状とされている。ボンベ42としては、フッ素ガスが充填されたボンベ、ヘリウムガス、アルゴンガス、等の不活性ガスが充填されたボンベが使用される。調節ユニット43は、ボンベ42に不活性ガスが接続されている場合に不活性ガスの供給圧力を4気圧程度とするレギュレータ機能と、ガスの供給をオン・オフする電磁弁の機能を有している。なお、ポンプ41には、ガスを廃棄するための空のボンベ等が接続されて用いられる。全反射ミラー51の内側の面(チャンバ側)は、193nmの波長を全て反射するコーティングが施されている。出力ミラー52の内側の面は、193nmの波長をほぼ反射する(例えば、98%反射)コーティングが施されている。
エキシマレーザ装置100は、放電電極21及び22を放電するための電源、駆動回路、制御ユニットを有している。また、エキシマレーザ装置100には、光軸Lに沿って出射されたエキシマレーザをターゲットに対して照射する照射ユニット200が接続される。照射ユニット200としては、例えば、屈折矯正手術等のために、患者の角膜にエキシマレーザ光を2次元的に走査して照射するレーザデリバリ、半導体製造時のために、露光用のエキシマレーザを基板に照射するレーザデリバリ、等が挙げられる。
次に、ミラーホルダ60とシャッタユニット70の構成を説明する。図2及び図3は、出力ミラー52の周辺部の拡大模式図である。図2は、ミラーホルダ60がチャンバ10に固定された状態を示す図であり、図3は、ミラーホルダ60がチャンバ10から取り外された状態を示した図である。なお、ミラーホルダ60、シャッタユニット70の構成はミラー51及び52側で共通している。ミラーホルダ60、シャッタユニット70の各部材は、フッ素ガスに対して耐食性を持たせるために、金属、例えば、アルミ等で形成される。
ミラーホルダ60は、ミラー52(又は、ミラー51)を収める凹部を有しチャンバ10の外壁に当接する円盤状のベース61、ベース61からチャンバ10内部に向かい光軸Lに沿って延びるように形成されている円筒部(円筒部材)62、円筒部62に形成されたガスの通気孔となるスリット63、ベース61にミラー51を固定するためのミラー押え64、ミラーホルダ60をチャンバ10に固定するためのビス65、を備える。
ベース61は、円盤状のミラー52を納めるためにミラー52の直径と同径の凹部を有しており、ミラー押え64は、ベース61の外側に着脱可能に取り付けられるリング状の部材である。ミラー押え64の外周にはネジ山が形成され、ベース61側にもネジ山が形成されている。ミラー52をベース61に置いた後にミラー押え64をベース61に螺合させることにより、ミラー52がベース61に固定される。円筒部62は、ミラーホルダ60がチャンバ10内に固定されたときにレーザ発振の邪魔とならないように、中空の部材となっている。円筒部62の内径は、ミラー51の直径程度となっている。また、円筒部62の軸方向の長さ(光軸Lに沿った長さ)は、後述するシャッタ71を光軸L上から退避させる(レーザ発振の光路から退避させる)ために充分な長さとされる。円筒部62は、シャッタ71を退避させるシャッタ退避部材として機能する。また、円筒部62の先端周囲には、後述するガイド72に当接し易くするために切り欠き62aが形成されている。通気孔63は、円筒部62の先端から基端まで、言い換えると、ミラーが保持されるベース61の内側の位置まで形成されている。スリット状の通気孔63の一端は、ミラーホルダ60がチャンバ10に固定されたときに、チャンバ10の外壁の稜線に位置していることが好ましい。なお、通気孔としては、スリットに限るものではなく、ガスが通ることができる孔であればいずれの形状であってもよい。このような通気孔63は少なくとも一つ形成されており、さらに複数個形成されていることが好ましい。また、通気孔63はミラーホルダ60がチャンバ10に固定されたときには、チャンバ10に設けられた開口10aからチャンバ10内部に位置し、外部から遮断されている。ビス65は、ベース61の上下左右の4方向に取り付けられている。
シャッタユニット70は、チャンバ10に形成された開口10a(図3参照)を覆うサイズの板状の部材であるシャッタ71と、シャッタ71の表面に形成されシャッタ71の移動(退避)をガイドするガイド(ガイド部材)72と、シャッタ71を軸回転可能に保持するピン(ヒンジ部)73と、を備えている。ピン73はチャンバ10の内壁に取り付けられ、シャッタ71はピン73を回転軸として開口10aから放電電極21,22側に向かって回動可能とされる。また、シャッタ71は、チャンバ10内に不活性ガスが充填され、内圧が陽圧(大気圧より高い圧力)となることにより、開口10aを塞ぐことができる。なお、シャッタ71は自重のみによって開口10aを塞ぐことができるように、回転軸となるピン73は、開口10aの上方に設けられることが好ましい。ガイド72は、シャッタ71の外側に設けられた柱状の部材であり、シャッタ71が開口10aを塞いだときに開口10aから外側に向かって所定量延びるように形成された突起である。
なお、ガイド72の側面は、その先端から基端(シャッタ側)に向かって傾斜するように形成されており、ミラーホルダ60を開口10a(ミラー取り付け部15)に取り付けるときに、ガイド72の傾斜面(側面)が円筒部62の先端部と当接するようになっている。ミラーホルダ60の取り付け動作によって、ガイド72は円筒部62に押され、シャッタ71をレーザ発振の光路から退避させる位置まで回動させる役割を持つ。ガイド72は、シャッタ71の退避動作の際に、レーザ共振器の光路をガイド72が邪魔しないように配置されている。ガイド72は、シャッタ71が開口10aを塞いだ状態で、開口10a内の領域でピン73側に配置されることが好ましい。ここでは、開口10aの円の上方の半円の部分にガイド72が配置されることとなる。
開口10a周辺のチャンバ10の外壁には、ミラー取付部15が形成される。ミラー取付部15には、ビス65を受けるビス受け(雌ネジ)15aが形成されている。ビス受け15aより内側(内径方向)で、開口10aの外側(外壁側)には、柔軟性を備えた素材(例えば、ゴム等)O(オー)リング11が、開口10aを囲むように配置されている。同様に、開口10aの内側には、Oリング12が配置されている。このため、ビス受け15aは、Oリング11よりも外側に配置され、ベース61は、ビス65よりも外側まで広がって形成される。同様に、ピン73は、Oリング12よりも外側に配置される。シャッタ71は、Oリング12よりも外側に広く、ピン73の位置までのサイズとされる。
以上のような構成を備える装置において、ミラーの交換を中心に動作を説明する。ここでは、出力ミラー52の交換を例に挙げるが、ミラー51の場合も同様である。
作業者は、ポンプ41を駆動し、チャンバ10内のフッ素ガスを除去する。そして、ボンベ42をヘリウム等が充填された不活性ガスのボンベにして、調節ユニット43を開放する。これにより、密閉されているチャンバ10内は、不活性ガスで充填される。なお、この動作を複数回繰り返してもよい。このとき、チャンバ10内の内圧は陽圧となっている。なお、本実施形態ではチャンバ内の圧力は、ミラーホルダ60の取り外し時に大気がチャンバ10内に流入しない程度の陽圧(例えば、大気圧に対して10%〜20%程度高い圧力)であればよい。
作業者は、ビス65をドライバ等で回して、ミラーホルダ60を取り外す。ミラーホルダ60が開口10aから引き抜かれると、開口10aは開放状態となるが、ミラーホルダ60の引き抜きと同時にシャッタ71が開口10aを内側から塞ぐこととなる。さらに詳しく述べると、ミラーホルダ60の引き抜きにより、ガイド72は円筒部62による支えを失う。図3の矢印に示されるように、支えを失ったシャッタ71は、自重で、落下(回動)し、ピン73を軸として開口10aに向かって回動する。シャッタ71がある程度落下(回動)すると、不活性ガスの圧力によりシャッタ71は開口10a側へと押される。この間、開口10aからはチャンバ10内の不活性ガスが吹き出している。シャッタ71が内圧に押されOリング12に当接されると、開口10aは密封され、不活性ガスの流出は止る。
作業者は、ミラーホルダ60から古いミラー52を取り外し、新しいミラー52に交換する。そして、作業者は、新しいミラー52が取り付けられたミラーホルダ60を開口10aに取り付けるために開口10aから円筒部62をチャンバ10内へと押し込む。ミラーホルダ60がチャンバ10に取り付けられる際には、開口10aには円筒部62が嵌め合った状態とされるため、チャンバ10内が外部と繋がる部分は通気孔63以外はない。円筒部62の先端がガイド72の側壁(傾斜面)を押す。ガイド72は、切り欠き62aの面を滑り、シャッタ71を上方へと回転させる。シャッタ71はピン73を軸として上方へと回転される。このとき、開口10aから不活性ガスは、通気孔63を通り外部へと吹き出るため、円筒部62内にあった空気を通気孔63を介して不活性ガスとともに外部に吹き出ることとなる。これにより、作業者は、ミラーホルダ60の押し込みを不活性ガスの圧力(チャンバ内の圧力)に負けずに押し込み作業を行うことができる。なお、本実施形態では、ミラーホルダ60が取り外れた状態ではシャッタ71により開口10aが塞がっているため、不活性ガスによるチャンバ10内の圧力はシャッタ71と開口10aとの隙間から内部に空気が流入しない程度の圧力差を有していれば良く、高い内圧を必要としない。
ミラーホルダ60を開口10aに位置させるために押し込み、円筒部62がガイド72を押すことにより、さらにシャッタ71が回動(回転)し、シャッタ71は、レーザ共振の光路から退避される。作業者は、ビス65を回して、ビス受け15aに固定する。これにより、ベース61(ミラーホルダ60)は、開口10aを密封することとなる。ミラー52が交換されると、作業者は、調節ユニット43を閉じて、ポンプ41を駆動し、密封されたチャンバ10内から不活性ガスを除去する。ボンベ42をフッ素ガスが充填されたボンベに交換して調節ユニット43を開放し、チャンバ10内にフッ素ガスを充填する。充填後は、調節ユニット43を閉じる。このようにして、ミラー52が交換される。
以上のようにして、簡単な構成で不活性ガスの消費を抑えてミラーを交換できる。ミラーホルダ60の挿脱作業に応じて、開口10aを塞ぐ又は開放する動作ができることにより、不活性ガスの無駄な流出を低減できる。また、チャンバ10内に空気が入らないようにするために開口10a付近に、小さな密閉可能な空間等を設ける必要がない。
なお、以上の説明では、円筒部62に通気孔を設ける構成としたが、円筒部62内の空気が若干チャンバ内に入っても構わず、その後、排気をしっかりおこなうことができ、流入した僅かな空気を排気できれば通気孔は必ずしも必要ない。少なくとも円筒部62が、シャッタ71を退避させる構成であればよい。
なお、以上の説明では、シャッタ退避部材として円筒部62を用いる構成としたが、これに限るものではない。シャッタ71を押すことで退避させる構成であればよく、シャッタ71を押す棒状の部材であってもよい。
なお、以上の説明では、シャッタ71にガイド72を設ける構成としたが、これに限るものではない。ガイドは無くてもよい。この場合、円筒部62により、シャッタ71を、レーザ共振の光路から退避できればよい。例えば、円筒部62をシャッタ71の長さ(幅)よりも長く形成する等、してもよい。
なお、以上の説明では、シャッタ71は、ミラーホルダ60の取り外しによって、自重で開口10aを塞ぐ構成としたが、これに限るものではない。ミラーホルダの60の取り外しの動作でチャンバ10が密閉されればよく、必ずしもシャッタ71の自重による落下(回転)する構成に限らない。例えば、シャッタ71を下方に回転させるための付勢部材、ダンパ等を設ける構成としてもよい。また、シャッタ71を上方へと退避させる場合においても、シャッタ71の回転を補助するために付勢部材、ダンパ等を設ける構成としてもよい。
なお、以上の説明では、ヒンジ部としてピン73を用いる構成としてが、これに限るものではなない。シャッタ71を移動できる構成であればよく、シャッタ71をヒンジによって回転可能に保持する構成であってもよい。また、シャッタ71は、回転により開口10aを塞ぐ構成に限るものではなく、スライド機構等を用いてもよい。
10 チャンバ
10a 開口
51 全反射ミラー
52 出力ミラー
60 ミラーホルダ
62 円筒部
63 通気孔
70 シャッタユニット
71 シャッタ
100 エキシマレーザ装置
200 照射ユニット
10a 開口
51 全反射ミラー
52 出力ミラー
60 ミラーホルダ
62 円筒部
63 通気孔
70 シャッタユニット
71 シャッタ
100 エキシマレーザ装置
200 照射ユニット
Claims (5)
- レーザ媒質となるフッ素ガスを封入するチャンバと、該チャンバ内に設置された放電電極と、前記チャンバ内に取り付けられ共振器となる一対のミラーと、を備えるエキシマレーザ装置において、
前記チャンバ内に封入されている前記フッ素ガスを不活性ガスに置換するとともに,該不活性ガスが充填された前記チャンバ内の圧力を大気圧に対して陽圧に維持するための置換手段と、
前記チャンバに前記ミラーを取り付けるための開口を有するミラー取付部と、
前記チャンバ内部に設けられ,前記開口をチャンバ内部から塞ぎチャンバ内を密封するとともに,所定の回転軸により前記チャンバの内側に向けて回動可能に前記チャンバ内に取り付けられるシャッタを有するシャッタユニットと、
前記ミラー取付部に取り付けられ前記ミラーを保持するミラーホルダであって,前記ミラーを保持するベース部と、前記開口から前記チャンバ内部に挿入され前記ミラー取付部へのミラーホルダの取り付け動作により前記シャッタを外部から押し,前記開口から前記シャッタを外すと共にレーザ共振の光路から前記シャッタを退避させるためのシャッタ退避部材とを有するミラーホルダと、
を備えることを特徴とするエキシマレーザ装置。 - 請求項1のエキシマレーザ装置において、
前記シャッタ退避部材には、前記開口の径と同じ程度の外形サイズを有する円筒部材であり、該円筒部材には前記チャンバ内に充填される前記不活性ガスを外部に逃がすための通気孔が形成されている、
ことを特徴とするエキシマレーザ装置。 - 請求項2のエキシマレーザ装置において、前記シャッタ退避部材に設けられる前記通気孔は少なくとも前記ベース部の近傍に形成されることを特徴とするエキシマレーザ装置。
- 請求項1〜3の何れかのエキシマレーザ装置において、
前記シャッタユニットは、前記シャッタが前記開口を塞いだときに外側に露出する位置に、前記シャッタ退避部材の先端部と当接するために突出した突起であって,前記シャッタ退避部材の前記チャンバ内への押し込みに応じて前記シャッタの退避を増加させるようにガイドするためのガイド部材を備える、ことを特徴とするエキシマレーザ装置。 - 請求項4のエキシマレーザ装置において、
前記ガイド部材は、前記シャッタの表面から突出するように形成された柱状部材であり、
前記柱状部材は、前記シャッタが前記開口を塞いだ状態で前記開口内の領域で前記回転軸側に配置されている、ことを特徴するエキシマレーザ装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021531662A (ja) * | 2018-07-23 | 2021-11-18 | ユニバーシティ オブ メリーランド, カレッジ パーク | レーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化 |
JP7499627B2 (ja) | 2020-07-06 | 2024-06-14 | 住友重機械工業株式会社 | レーザ装置 |
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JP2021531662A (ja) * | 2018-07-23 | 2021-11-18 | ユニバーシティ オブ メリーランド, カレッジ パーク | レーザキャビティ繰返率調整および高帯域幅安定化 |
JP7362082B2 (ja) | 2018-07-23 | 2023-10-17 | ユニバーシティ オブ メリーランド, カレッジ パーク | レーザキャビティ繰返率チューニングおよび高帯域幅安定化 |
JP7499627B2 (ja) | 2020-07-06 | 2024-06-14 | 住友重機械工業株式会社 | レーザ装置 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20141104 |