JP2013050319A - レンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法 - Google Patents

レンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被検レンズを治具の所定の位置に設置するだけで高精度の測定ができ、かつシンプルな構成で装置を安価に製造できるレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法を提供する。
【解決手段】治具18に設置される被検レンズ15の光軸ずれを検出する第1光学系10と、治具における被検レンズの設置角度を検出する第2光学系20と、治具における被検レンズの設置位置を検出する第3光学系30を具備し、第2光学系及び第3光学系により治具の被検レンズ設置角度及び位置を設定しておき、測定に際し被検レンズを治具に設置して第1光学系により当該被検レンズの光軸ずれを検出する。
【選択図】図1

Description

本発明はレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法に関し、さらに詳細には、レンズの光学系の偏心量すなわち光軸ずれ量を簡単な装置で高精度に測定可能としたレンズ偏心測定装置及びその装置を用いたレンズ偏心測定方法に関する。
光学装置を構成するレンズに偏心すなわち光軸ずれがあると、光学系全体の光学性能が低下してしまうため、光学系の偏心量を高精度に測定することが重要である。
従来、このようなレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法の大部分は、例えば特許文献1あるいは特許文献2に開示されているように、測定の対象である被検レンズを回転軸周りに回転させ、この軸に対する被検レンズの外形変位(ぶれ)を計測し被検レンズの偏心を求めるものであった。
しかしながら、このようなレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法においては、少なくとも被検レンズを回転させる回転手段を始め、回転角を検出する手段、あるいは外形変位を測定する手段等、数多くの手段が必要となるため、装置構成が複雑かつ大型化してしまい、この結果、レンズ偏心測定装置の製造コストが大幅にアップするという問題があった。また、最近、例えば小型の撮影レンズ等に対し、極めて高い分解能が要求され、これに対応するために当該レンズの偏心量に0.1μm以下の精度が要求される場合があるが、このように被検レンズを回転させる方式では、測定対象物が動くために、かかる高精度の測定は困難であった。
特開2010−243433号公報 特開平11−108793号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、被検レンズを所定の治具に設置するだけで高精度の測定ができ、かつシンプルな構成で安価に製造できるレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備して構成されたことを特徴とするレンズ偏心測定装置を提供することにより、達成される。
また、本発明の上記目的は、測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備し、前記第2光学系及び第3光学系により前記治具の設置角度及び位置を前記被検レンズの形状に応じて予め設定しておき、測定に際し、前記被検レンズを前記治具に設置して当該被検レンズの光軸ずれを前記第1光学系により検出することを特徴とするレンズ偏心測定方法を提供することにより、達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備し、前記治具に前記被検レンズを設置して前記第2光学系による当該被検レンズへの入射角を該レンズ面に対し90度となるように前記治具の位置を調整して、当該被検レンズの光軸ずれを前記第1光学系により検出することを特徴とするレンズ偏心測定方法を提供することにより、達成される。
上記のとおり、本発明に係るレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法によれば、構成が極めてシンプルな光学系から成るため、装置を安価に製造することができる。また、測定対象のレンズすなわち被検レンズを所定の位置に設けられた治具に設置するだけで偏心量を静的に測定できるので、被検レンズを回転させる従来の動的なレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法に較べ、極めて高精度な測定ができる。
本発明の一実施形態に係るレンズ偏心測定装置の構成を示す平面図である。 本発明の実施例1に係るレンズ偏心測定方法の測定原理を説明する図である。 偏心測定要素実験における被検レンズの移動方向を示す図である。 (A)(B) 偏心測定要素実験における被検レンズの動きとスポットとの関係を示す表(A)と線図(B)である。 偏心測定要素実験におけるスポットの移動状態を示す図である。 成形レンズの成形方法を説明する図である。 本発明の実施例2に係るレンズ偏心測定方法の測定原理を説明する図である。
以下、本発明の内容を実施例を示す図面に基づき説明する。なお、本発明は必ずしも以下の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、その構成を種々に変更し得ることはいうまでもない。
図1は、本発明の一実施形態に係るレンズ偏心測定装置の構成を示す図である。図示するように、本実施形態に係るレンズ偏心測定装置1は、主として、第1光学系10、第2光学系20、第3光学系30によって構成されている。
第1光学系10は、後述するように、被検レンズ15の偏心量(光軸ずれ量d)を検出するもので、その構成は、測定用光を出射する光源11と、光源11が出射する光をコリメートするコリメータレンズ12と、コリメータレンズ12からの光を絞るピンホール13と、焦点距離f1を有しピンホール12からの透過光を集光する第1レンズ14と、第1レンズ14の結像位置(光源11の焦点位置)に設けられ被検レンズ15を設置する治具18と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ被検レンズ15からの透過光を集光する第2レンズ16と、第2レンズ16の結像位置に設けられ第2レンズ16からの透過光を受光する第1受光部17とを第1光軸X1上に配設して成っている。
一方、第2光学系20は、治具18の設置角度、換言すれば治具18に設置される被検レンズ15の設置角度を検出するもので、その構成は、第1光軸X1上の第1レンズ14と被検レンズ15との間に設けられた第1ハーフミラー21と、焦点距離f3を有し第1ハーフミラー21により得られる被検レンズ15の光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズ22と、第3レンズ22からの透過光を受光する第2受光部23とを第2光軸X2上に配設して成っている。
また、第3光学系30は、治具18の設置位置、換言すれば治具18に設置される被検レンズ15の設置位置を検出するもので、その構成は、第1光軸X1上のピンホール13と第1レンズ14との間に設けられた第2ハーフミラー31と、焦点距離f4を有し第2ハーフミラー31により得られる被検レンズ15の光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズ32と、第4レンズ32からの透過光を受光する第3受光部33とを第3光軸X3上に配設して成っている。
ここに、第1光学系10における光源11には、輝度の高い点光源である半導体レーザーが用いられるが、この形態に限定されるものではなく、他の媒体、例えば個体レーザーあるいは液体レーザー等を用いたレーザー光源であってもよく、また、レーザー以外の、例えばタングステンランプあるいはハロゲンランプ等の光源を使用することもできる。
ピンホール13は直径が1mm程度の透孔を有する光不透過性の板によって形成され、透孔の中心が第1光軸X1と一致するようにして配設されている。
被検レンズ15は、上述したように、光源11からの光が結像する位置、すなわち第1レンズ14の焦点距離f1位置に配置され、所定形状に形成された治具18に設置される。
また、上述したように、第1受光部17は、被検レンズ15からの透過光が結像する位置、すなわち第2レンズ16の焦点距離f2位置に配設されている。この第1受光部17は、2次元の受光面17aを有する例えばCCDイメージセンサあるいはCMOSイメージセンサ等の2次元撮像素子で構成され、この受光面17aは第2レンズ16の焦点面に位置し、その中心は第1光軸X1と一致するようにして設けられている。被検レンズ15の偏心量(光軸ずれ量)はこの第1受光部17によって検出される。
すなわち、以上のとおり構成された第1光学系10においては、図1に進行方向を矢印で示すように、光源11から出射した光は第1レンズ12により平行とされ、ピンホール13によって絞られた後、第2レンズ14を介して被検レンズ15の前面光軸近傍に集光され、さらにこの透過光は、第2レンズ16によって集光され、第1受光部17の受光面17aで受光される。この第1受光部17によって、治具18の所定の位置に設置される被検レンズ15の偏心量(光軸ずれ量)が検出される。
第2光学系20を構成するハーフミラー21は、第1光軸X1に対し45度傾斜して第1レンズ14と被検レンズ15の間に配設されている。なお、このハーフミラー21の傾斜角は45度に限定されるものではないが、設計上この角度に設定することが好ましい。
被検レンズ15の前面光軸近傍からの反射光は第1ハーフミラー21を介して第1光軸X1と直交する第2光軸X2方向に反射される。この反射光は、第3レンズ22を透過した後、第3レンズ22の焦点距離f3位置に受光面23aがあり、その中心が第2光軸X2と一致するようにして配設された第2受光部23に結像される。なお、この第2受光部23は前述した第1受光部17と実質的に同一の構成及び機能を有している。
ここに、第2光学系においては、被検レンズ15の前面光軸近傍の形状は殆どフラットな形状となっていることから、この被検レンズ15の前面光軸近傍から反射される光は平行光に近いものとなっている。
以上のとおり構成された第2光学系20においては、被検レンズ15の前面光軸近傍で反射された光は、第1ハーフミラー21を介して第2光軸X2方向に反射され、この反射光は第3レンズ22によって第2受光部23の受光面23aで受光される。この第2受光部23によって治具18における設置角度、換言すれば治具18に設置される被検レンズ15の設置角度が理論的に検出される。
第3光学系30を構成するハーフミラー31は、第1光軸X1に対し45度傾斜してピンホール13と第1レンズ14との間に配設されている。なお、このハーフミラー31の傾斜角が45度に限定されるものではないことは上述したとおりである。
被検レンズ15の前面光軸近傍からの反射光はハーフミラー31を介して第1光軸X1と直交し、第2光軸X2と平行する第3光軸X3方向に反射される。この反射光は、第4レンズ32を透過した後、第4レンズ32の焦点距離f4位置に受光面23aがあり、その中心が第2光軸X2と一致するようにして配設された第3受光部33に結像される。なお、この第3受光部33もまた、前述した第2受光部23と同様に、第1受光部17と実質的に同一の構造及び機能を有している。
以上とおり構成された第3光学系30においては、被検レンズ15の前面光軸近傍で反射された光は、第1レンズ14、ハーフミラーを介して第2光軸X2方向に反射され、この反射光は、図1において点Pで示される第1レンズ14の焦点位置(焦点距離f1位置)に集光された後、第4レンズ32を介して第3受光部33の受光面33aで受光される。この第3受光部33によって治具18の設置位置、換言すれば治具18に設置される被検レンズ15の設置位置が理論的に検出される。
ここに、治具18は、上述したように構成された第2光学系20及び第3光学系30を介し、測定対象の被検レンズ15の種類及び形状に応じた所定の設置位置及び設置角度に形成、設定されている。この治具18は、後述するx軸方向及びy軸方向にそれぞれ移動可能なテーブルの上面に、被検レンズ15を前面側及び後面側からバネにより付勢して保持する保持枠(図示せず)により構成されている。なお、この治具18の構造はかかる形態に限定されるものではない。
次に、以上のとおり構成された本レンズ偏心測定装置1を用いて被検レンズ15の偏心量を測定する第1の実施例に係るレンズ偏心測定方法を説明する。なお、本実施例1は、被検レンズ15が図示するような1枚の凸レンズ(通常の球面レンズ)であるが、この測定対象のレンズは、例えば凹レンズであってもよく、また、凹凸レンズを複数枚組合せたものでもよく、種類や形状に限定されるものではない。
まず、測定に際し、被検レンズ15の種類及び形状に応じた所定の設置位置及び設置角度を有する治具18を選定し、第1光学系10の所定の位置に設置する。
ここに、このように、治具18に被検レンズ15の種類及び形状に応じた所定の設置位置及び設置角度を形成する方法として、例えばボールレンズを用いて次のように行うことができる。
すなわち、この方法とは、先ず、治具なしの状態で受光部17のビーム位置を記録しておく。次に、治具18に被検レンズ15と同径のボールレンズを設置し、治具18を所定の測定位置に配置する。その後、治具18の位置を受光部17のビーム位置が治具なしの状態と同じ位置になるように調整する。また、このとき、受光部23による角度測定、及び、受光部33によるレンズ位置の原点も決定する。なお、この治具18は、測定対象のレンズ毎に予め準備されており、測定時に測定対象のレンズと適合するものが上述のように選ばれる。
本レンズ偏心測定装置1では、治具18がこのように形成、設定されているので、被検レンズ15を治具18に設置するだけで所定の測定姿勢が保持される。かくして、本レンズ偏心測定装置1により測定が開始される。
次に、上述した第1の実施例に係るレンズ偏心測定方法により被検レンズ15の偏心量(光軸ずれ量)を測定する原理について説明する。
図2は、本発明により偏心量(光軸ずれ量)を測定する原理を説明する図で、とくに第1光学系10における被検レンズ15と第2レンズ16との光学上の関係を示したものである。
図示するように、いま、測定基準軸(観察光学系光軸)をXo、被検レンズ15の焦点位置fsを通り測定基準軸Xoと平行な軸をXp、測定基準軸Xoと軸Xpとの距離(偏心量)をd、被検レンズ15の焦点距離をfs、第2レンズ16(観測系レンズ)の焦点距離を(前述したとおり)f2、被検レンズ15により光源の通過位置がオフセットした距離(測定値)をL、また、被検レンズ15から出て第2レンズ16へ入射する光の角度をθとすると次式が成立する。
tanθ=d/fs=L/f2・・・・(1)
よって、θ=tan−1(L/f2)・・・・(2)
但し、被検レンズ15が凹レンズの場合は符号が反転する。
または、d=L×fs/f2・・・・・・・・(3)
但し、被検レンズ15が凹レンズの場合はfsに負の数を入れる。
ここに、式(2)は角度で表示したもの、式(3)は測定基準軸をXoと軸Xpとの距離、すなわち被検レンズ15の光軸ずれ量を表示したものである。これらの式から、角度θが0であれば、または距離Lが0であれば、被検レンズ15には偏心がない、すなわち光軸ずれが無いことを知ることができる。これらの角度θ、あるいは距離Lの値は第1受光部17に連結された画像処理・制御装置(図示せず)により求められる。なお、第2受光部23、及び第3受光部33についても同様であり、この技術は一般によく知られているのものであるので、説明は省略する。
[実験例]
ここで、上述したレンズ偏心測定の原理に基づく要素実験を、図1に示すレンズ偏心測定装置1と実質的に同一の構成から成る実験装置を用いて次のとおり実施した。なお、この要素実験とは、測定対象のレンズ(すなわち被検レンズ15)を動かしたとき、CCDカメラの撮像面(すなわち第1受光部17の受光面17a)でそのスポット(結像)がどのように動くかを見ると共に、実測値(上述した距離Lの値)が理論値に対しどの程度なものとなるかを確認するものである。ここに、理論値とは、実験に使用するCCDカメラの画素ピッチ×被検レンズの焦点距離fs/第2レンズの焦点距離f2(um/pixel)を、また、実測値とは、前記CCDカメラの1画素当りの被検レンズ移動量(um/pixel)をいう。
本要素実験では、被検レンズ15にアクロマートレンズ(焦点距離fs=100mm)を選び、曲率半径のきつい方を光源11側にして所定の治具18に設置した後、この被検レンズ15を図1の紙面方向、すなわち図3(図1のIII−III断面矢視図)のy軸方向に一定距離ずつ移動させたとき、第2レンズ16(焦点距離f2=500mm)の結像位置にあるCCDカメラ(画素ピッチが7.4μm)の撮像面でスポットがどのように変化するかを観測したところ、図4(A)に示すような数値、及び、図4(B)に示すような線図が得られた。
また、図5は、このときCCDカメラで撮像されたスポット画像を図示したものである。図5において、(A)はスポットが光軸Xoより負の位置にある場合、(B)は光軸Xoの中心近傍にある場合、(C)は光軸Xoより正の位置にある場合を示している。被検レンズ15に光軸ずれが全くない場合には、図5(B)において、スポットの中心が光軸Xoと完全に一致する。
本要素実験によれば、理論値の1.480(um/pixel)に対し、実測値は1.414(um/pixel)で、実測値/理論値が0.955となり、理論値より若干低い変化量となっているが、この要素実験により測定対象の被検レンズ15は殆ど光軸ずれがないことが判明した。
次に、以上のとおり構成された本レンズ偏心測定装置1を用いた第2の実施例に係るレンズ偏心測定方法を説明する。本実施例2は、前述した被検レンズ15が成形レンズ(非球面レンズ)である場合であり、以下、これを被検レンズ15aと呼称する。
従来、このような被検レンズ15a、すなわち成形レンズ(非球面レンズ)の加工方法の一つに精密ガラスモールドと呼ばれる方法が知られている。この方法によれば、例えば、図6に断面図で示すようなレンズ成形装置40が用いられ、被検レンズ15aの表面側を形成する曲率半径R1の表枠41と、被検レンズ15aの裏面側を形成する曲率半径R2の裏枠42の中空部に軟化させた光学ガラス43を注入し、精密に型押することにより被検レンズ15aが成形される。
しかしながら、このようにして作られる被検レンズ15aにおいては、曲率の相違に起因し、被検レンズ15aの表面側の光軸と、裏面側の光軸とを完全に一致させることが難しく、両者の軸位置は微小なりともずれているのが実情である。このずれ量が極めて僅かなものであってもレンズの分解能が影響されることは前述したとおりである。
この第2の実施例に係るレンズ偏心測定方法によれば、以下のとおりにして、被検レンズ15aの表面側の光軸と裏面側の光軸とのずれ量を測定することができ、この結果を成形装置40(具体的には表枠41及び裏枠42)の設計にフィードバックして所望形状の成形レンズ15aを作ることができる。
まず、測定に際し、被検レンズ15aを、実施例1と同様に第1光学系10の治具18に設置する。
次に、第2光学系20による被検レンズ15aへの入射角を当該レンズ面に対して90度となるように、治具18の位置をX、Y方向(図3参照)に調整する。
しかる後、第1受光部17により光軸のずれ量を測定し、その値から被検レンズ15aの中心位置ずれ量を計算する。なお、この第1受光部17での処理方法は実施例1の場合と同様である。
次に、上述した第2の実施例に係るレンズ偏心測定方法により被検レンズ15aの偏心量(光軸ずれ量)を測定する原理について図7に基づき説明する。
図示するように、いま、測定基準軸(観測光学系光軸)をXo、被検レンズ15aの光軸をXr、被検レンズ15aの中心ずれ量をDS、被検レンズ15aの厚さをD、被検レンズ15aの焦点距離をP1、軸Xrと軸Xoとの角度をα、測定用光の透過光と軸Xoとの角度(測定値)をθとすると、次式が成立する。
tanα=(P1・α+P1・θ)/(D+P1)・・・・(4)
αは小さいのでα=(P1・α+P1・θ)/(D+P1)・・・・(5)
(D+P1)・α=P1・α+P1・θ・・・・(6)
∴α=P1・θ/D・・・・(7)
また、DS=D・α=P1・θ・・・・(8)
ここに、角度αは、P1、Dが既知で、かつ角度θは測定値であるので求めることができる。被検レンズ15aの中心ずれ量DSは求めた角度αから算出することができる。
以上に説明したように、本発明に係るレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法によれば、構成が極めてシンプルな光学系から成るため、装置自体を安価に製造することができる。また、被検レンズを所定の治具に設置するだけで偏心量を静的に測定できるので、被検レンズを回転させる従来の動的なレンズ偏心測定装置及びレンズ偏心測定方法に較べ、高精度な測定ができる。
1 本発明の実施形態に係るレンズ偏心測定装置
10 第1光学系
11 光源
12 コリメータレンズ
13 ピンホール
14 第1レンズ
15 被検レンズ
16 第2レンズ
17 第1受光部
18 治具
20 第2光学系
21 第1ハーフミラー
22 第3レンズ
23 第2受光部
30 第3光学系
31 第2ハーフミラー
32 第4レンズ
33 第3受光部
40 レンズ成形装置
X1 第1光軸
X2 第2光軸
X3 第3光軸

Claims (3)

  1. 測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備して構成されたことを特徴とするレンズ偏心測定装置。
  2. 測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備し、前記第2光学系及び第3光学系により前記治具の設置角度及び位置を前記被検レンズの形状に応じて予め設定しておき、測定に際し、前記被検レンズを前記治具に設置して当該被検レンズの光軸ずれを前記第1光学系により検出することを特徴とするレンズ偏心測定方法。
  3. 測定用光を出射する光源と、前記光源が出射する光をコリメートするコリメータレンズと、前記コリメータレンズからの光を絞るピンホールと、焦点距離f1を有し前記ピンホールからの透過光を集光する第1レンズと、前記第1レンズの結像位置に設けられ被検レンズを設置する治具と、焦点距離f2を有し距離f1+f2の位置に設けられ前記被検レンズからの透過光を集光する第2レンズと、前記第2レンズの結像位置に設けられ前記第2レンズからの透過光を受光する第1受光部とを第1光軸上に配設して成る第1光学系と、前記第1光軸上の前記第1レンズと前記被検レンズとの間に設けられた第1ハーフミラーと、焦点距離f3を有し前記第1ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第3レンズと、前記第3レンズからの透過光を受光する第2受光部とを前記第1光軸とは別の第2光軸上に配設して成る第2光学系と、前記第1光軸上の前記ピンホールと前記第1レンズとの間に設けられた第2ハーフミラーと、焦点距離f4を有し前記第2ハーフミラーにより得られる前記被検レンズの前面光軸近傍からの反射光を集光する第4レンズと、前記第4レンズからの透過光を受光する第3受光部とを前記第1及び第2光軸とは別の第3光軸上に配設して成る第3光学系を具備し、前記治具に前記被検レンズを設置して前記第2光学系による当該被検レンズへの入射角を該レンズ面に対し90度となるように前記治具の位置を調整して、当該被検レンズの光軸ずれを前記第1光学系により検出することを特徴とするレンズ偏心測定方法。
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