JP2013047476A - 地下水を利用した発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】揚水井に貯留される地下水を無電力で汲み上げて注入井内に注水することにより、発電効率を低下させずに発電する地下水を利用した発電システムを提供する。
【解決手段】上部帯水層に流体的に連結された揚水井の地下水内に、サイホン管の一端の揚水口を挿入し、他端の注入口を、下部帯水層に流体的に連結され、地下水の水位が揚水井より下方にある注入井内の揚水井の水位より下方の位置に挿入する。サイホンの作用で揚水井からサイホン管を連続して流れる地下水によりタービンを回転させ、発電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、井戸に貯留される地下水をエネルギー媒体として発電する地下水を利用した発電システムに関し、更に詳しくは、複数の帯水層に分かれる地下水の位置エネルギー差を電気エネルギーに変換する地下水を利用した発電システムに関する。
近年、安全性の問題から原子力発電による発電量が大幅に減少し、電力供給量が逼迫していることから、火力発電や水力発電の稼働率を上げてこれを補っている。しかしながら、火力発電は化石燃料を燃やし、水力発電は山間部に大規模なダムを建設することから、自然環境を損なうので、これらの発電方法を補う環境を損なわない他の発電システムが望まれている。
その一環として、自然界に存在する地下水を発電エネルギー媒体として利用した発電システムが研究されている。図4は、特許文献1により提案された発電システム100を示し、地表から地盤内の帯水層101に達する井戸102を掘削し、井戸102内に、帯水層101から井戸102内に流入する地下水で回転するタービンを有するタービン発電機103と、井戸102に貯留される地下水を排出するポンプ104を配置している。
この従来の地下水を利用した発電システムは、地下水の水圧で井戸102内に流れ出す地下水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して発電するもので、地下水をくみ出すポンプ104を稼働させる電気エネルギーの一部若しくは全部が地下水の水圧を利用して還元される。
図4に示す発電システム100において、帯水層101の水圧が地下水を地表に自噴させる以上の水圧であれば、井戸102内の地下水をくみ出すポンプ104は不要であり、地下水が噴出する運動エネルギーから効率よく発電することが可能であり、特許文献2によって、この自噴する地下水から発電する発電システムも提案されている。
また、図5は、上記特許文献2により提案された他の発電システム110を示し、地下水を汲み上げる井戸111内に、雨水や河川水等の自然水を導水する導水管112と、導水管112の下方に小型水力発電機113を設置している。この発電システム110では、地表の貯水タンク114に蓄えた自然水を導水管112を通して井戸111内に落下させ、自然水の位置エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する。これにより、地下水を汲み出す既存の井戸111に、導水管112と小型水力発電機113を配置するだけで、発電することができる。
更に、帯水層に達し、地下水を汲み上げる井戸内に、使用後の生活雑水を排水する配水管を挿入して、配水管から井戸内に落下する生活雑水でタービンを回し、発電する発電システムも知られている(特許文献3)。
特表2011−513615号公報 特開2001−1073439号公報 特開2002−146852号公報
特許文献1により開示されている地下水を利用した発電システム100は、帯水層によって地下水の水圧にばらつきがあり、地下水の水圧によって発電システム100で得られる発電電力に限界があるので、汎用性に欠ける。
加えて、井戸102内に流入する地下水を排出するために、ポンプ104を稼働させなければならず、ポンプ104を稼働させる電力が発電電力を超えてシステム全体では発電ができないか、可能であっても発電効率が極めて悪く、単独の発電システム100としては実用性がないものであった。
また、特許文献2に記載の従来の発電システム110や特許文献3に記載の発電システムは、雨水や河川水等の自然水や生活雑水を利用するものであるので、設置場所によりその供給量に制約があり、安定した連続発電ができない。
更に、上記いずれの発電システムも、地下水をポンプで汲み上げる井戸を利用して設置されるものなので、発電電力は、ポンプを稼働させる電力として消費され、効率的な発電ができない。
また、上記いずれの発電システムも、水力発電機を地表から離れた井戸の底近くに配置する必要があるので、その設置が困難であると共に、発電電力を地上へ取り出すことも困難であった。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、設置場所を問わず、安定した連続発電が可能な地下水を利用した発電システムを提供することを目的とする。
また、揚水井に貯留される地下水を無電力で汲み上げて注入井内に注水することにより、発電効率を低下させずに発電する地下水を利用した発電システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1の地下水を利用した発電システムは、上部帯水層に流体的に連結された揚水井と、上部帯水層より下方の下部帯水層に流体的に連結され、少なくとも貯留される地下水の水位が揚水井より下方にある注入井と、一端の揚水口を揚水井に貯留される地下水内に挿入し、他端の注入口を揚水井の水位より注入井内の下方の位置まで挿入したサイホン管と、サイホンの作用でサイホン管に流れる地下水により回転するタービンを有する水力発電機とを備えたことを特徴とする。
サイホン管に水を充填すると、無電力で揚水井に貯留される地下水がサイホン管内を連続して流れ注入井内に注入される。注入井内に注入される地下水は、注入井を介して下部帯水層に還元され、注入井内の水位は、揚水井の水位を超えるまで上昇しない。
上部帯水層の地下水が枯渇しない限り、サイホン管に流れる地下水により水力発電機のタービンが回転し、連続した発電が可能となる。
請求項2の地下水を利用した発電システムは、水力発電機が、水車軸回りに螺旋状羽根が取り付けられた螺旋水車と螺旋水車の水車軸に連結する発電機とからなり、螺旋状羽根を地上に露出するサイホン管内に配置し、サイホン管に流れる地下水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することを特徴とする。
サイホン管に地下水が流れると、サイホン管内で螺旋状羽根が回転し、水車軸が回転することにより発電される。サイホン管を密にしてサイホンの作用を維持した状態で、サイホン管に流れる地下水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換できる。
請求項3の地下水を利用した発電システムは、水力発電機が、注入井内のサイホン管の注入口と注入井に貯留される地下水の間に配設され、タービンが注入口から落下する地下水により回転することを特徴とする。
注入井の水位は、下部帯水層が深層であるほど揚水井の水位との高低差が大きくなり、注入口とタービン間により大きな落差が得られる。従って、注入井の深さにより、発電能力を調整できる。
請求項4の地下水を利用した発電システムは、サイホン管に、サイホン管に流れる地下水の流量を調整する揚水量調整機構を備えたことを特徴とする。
上部帯水層から揚水井に流入する地下水の流入速度と、注入井から下部帯水層へ還元される地下水の排出速度に応じて、揚水量調整機構によりサイホン管に流れる地下水の流量を調整できる。
請求項1の発明によれば、上部帯水層に達する揚水井の水位と下部帯水層に達する注入井の水位の高低差による地下水の位置エネルギーを利用して発電するので、サイホン作用で地下水を吸い上げることが可能な深さに上部帯水層が存在するほぼ全ての地域において、上部帯水層に達する揚水井と下部帯水層に達する注入井を設けるだけで発電が可能となる。
また、地下水を汲み上げるポンプを要せず、無電力でサイホン管内に連続して地下水を流すことができるので、発電効率が低下しない。
請求項2の発明によれば、水力発電機の螺旋状羽根を地上に露出するサイホン管内に配置するので、水力発電機を地表で簡単に設置することができ、水力発電機で発電した電力を容易に配電できる。
請求項3の発明によれば、注入井の深さを深くすることにより、より大きな発電電力が得られる。
請求項4の発明によれば、上部帯水層から揚水井に流入する地下水の流入速度と、注入井から下部帯水層へ還元される地下水の排出速度に応じて、サイホン管に流れる地下水の流量を調整できるので、揚水井と注入井の水位を制御し、サイホン管内に常に地下水を密に充填させておくことができ、サイホン作用の停止を防止できる。
本発明の第1実施の形態に係る地下水を利用した発電システム1を示す断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る地下水を利用した発電システム50を示す断面図である。 地質柱状図に検層結果を示した地盤構造図である。 従来の地下水を利用した発電システム100を示す断面図である。 従来の他の発電システム110を示す断面図である。
以下、本発明の第1実施の形態に係る地下水を利用した発電システム(以下、発電システムという)1を、図1と図3を用いて説明する。本発明は、地盤の上部帯水層と下部帯水層にそれぞれ飽和して存在する地下水の位置エネルギー差に着目し、これを電気エネルギーに変換して発電するものである。
地盤の地下構造は、粘土層などの難透水性の地層が上下に所定の間隔を隔てて積層されることによって、その間に地下水が飽和して存在する帯水層が上下の多層に分かれて形成されている。例えば、図3で茨城県西地区の地盤を検層した検層結果を示すように、家庭用の井戸水として用いられる地下5乃至10m付近の第1帯水層AQ1の下方に、地下250m付近まで第2帯水層AQ2から第7帯水層AQ7の6層の帯水層が存在している。
本実施の形態にかかる発電システム1では、図1に示すように、揚水井(揚水井戸)2を地表から地下5乃至10m付近に存在する上部帯水層である第1帯水層AQ1に達するまで掘削するとともに、その近傍に、注入井(注入井戸)3を、第1帯水層AQ1より下方の下部帯水層である地表から地下20m付近に存在する第2帯水層AQ2に達するまで掘削している。
揚水井2は、ここでは直径300mmの円筒形の縦孔を第1帯水層AQ1に交差するまで掘削し、その縦孔の中心軸に沿って有底円筒形のケーシング管21(図中上方の一部を破断し内部を示している)を配設している。ケーシング管21と縦孔との間には75mm程度の空隙が形成され、空隙の下方は珪砂等からなるろ過砂利22で、上方は遮水材23で埋められている。
ケーシング管21の第1帯水層AQ1と交差する下部には第1帯水層AQ1の地下水をケーシング管21内に流入させる窓孔が穿設され、その窓孔をスクリーンネット24で覆うことにより、地下水とともに、ろ過砂利22や異物がケーシング管21内に混入しないようにしている。
揚水井2のケーシング管21の窓孔が第1帯水層AQ1で開口することにより、第1帯水層AQ1に存在する地下水がケーシング管21内に流入し、第1帯水層AQ1の地下水が揚水井2内に貯留される。揚水井2内の地下水の水位WL1は、第1帯水層AQ1の地下水のポテンシャル状態により異なり、ポテンシャルが高い被圧地下水である場合には、第1帯水層AQ1の上部境界より高い水位WL1となっている。
また、同様に注入井3は、直径450mmの円筒形の縦孔を第2帯水層AQ2に交差するまで掘削し、その縦孔の中心軸に沿って有底円筒形のケーシング管31(図中上方の一部を破断し、内部を図示しいる)を配設している。ケーシング管31と縦孔との間にも同様に75mm程度の空隙が形成され、空隙の底から上方に25m程度までをろ過砂利32で、残るその上方を遮水材33で埋めている。
ケーシング管31の第2帯水層AQ2と交差する部位には、スクリーンネット34で覆われた窓孔が穿設され、ろ過砂利32や異物を混入させずに、ケーシング管31内と第2帯水層AQ2が流体的に連結されるようにしている。帯水層に飽和する地下水のポテンシャルは、その帯水層が地下の下方に存在するほど高くなることが多く、ここでは初期状態で、第2帯水層AQ2に飽和する地下水がケーシング管31の窓孔から流入し、注入井3に貯留される地下水の水位は、第2帯水層AQ2の上部境界より高い水位WL3となっている。
このように、それぞれの帯水層に飽和して存在する地下水のポテンシャルは、その周囲の地層や地形により異なり、帯水層から地下水が流入する井戸の水位も季節要因などで個々に変動するが、一般に、上下に分かれた帯水層から地下水を流入させた各井戸の水位が逆転することは極めて希であり、上部帯水層に流体的に連結する揚水井2の水位WL1は、下部帯水層に流体的に連結する注入井3の水位WL3より上方に位置している。
水位が異なる揚水井2と注入井3との間にはサイホン管4が掛け渡され、一端の揚水口4aを揚水井2に貯留された地下水内に、他端の注入口4bを注入井3に貯留された地下水内にそれぞれ挿入している。従って、サイホン管4内に一定量の水を満たせば、その後、サイホン作用により無電力で、揚水井2内の地下水がサイホン管4を流れて注入井3内に注入される。
サイホン作用によりサイホン管4を通して揚水井2から注入井3へ地下水が流れると、図1に示すように、揚水井2の水位は、水位WL1から水位WL2に低下し、注入井3の水位は、水位WL3から水位WL4に上昇する。一方、井戸に貯留される地下水の水位は、その井戸が流体的に連結する帯水層に飽和する地下水の水圧とのバランスが取れた位置にあるので、水位が変動するとこれを戻すように、帯水層の地下水が井戸内を流入する。すなわち、揚水井2では、水位が低下して第1帯水層AQ1の地下水のポテンシャル(水圧)以下となるので、第1帯水層AQ1から揚水井2内に地下水が流入し、水位WL2で安定する。逆に、注入井3では、注入井3の水位が上昇するので、第2帯水層AQ2の地下水のポテンシャル以上となり、注入井3に貯留される地下水が窓孔から第2帯水層AQ2へ浸透し、水位WL4で安定する。
揚水井2への地下水の流入速度と、注入井3から第2帯水層AQ2への浸透速度は、主として各第1帯水層AQ1と第2帯水層AQ2の透水性に依存して異なるが、注入井3の浸透速度を揚水井2の流入速度と同等若しくはそれ以上の速度とすることは、注入井3の窓孔の大きさを変えたり、上部帯水層の下方に存在する多数の帯水層から、透水性に優れた帯水層を選択することにより充分に可能である。
また、仮に揚水井2の流入速度が注入井3の浸透速度を上回る場合であっても、後述するように、サイホン管4に流れる流量を揚水量調整機構5を用いて、注入井3の浸透速度に合わせることにより、注入井3の水位WL4を安定させることができる。
サイホンの作用でサイホン管4に連続して地下水を流すためには、(1)大気圧で揚水井2の地下水を地表まで汲み上げることから、揚水井2の水位WL2から地表までの揚程(水位WL2までの深さ)が10.3m以下であること、(2)揚水井2の水位WL2より、サイホン管4の注入口4bと注入井3の水位WL4が低いこと、の2条件を満たすことが必要となる。このうち、揚水井2の水位WL2と注入井3の水位WL4は、サイホン管4に流れる地下水の流量が一定の流量を超えると変動する。すなわち、サイホン管4に流れる流量が、揚水井2への地下水の流入量を超えると、揚水井2の水位WL2は減少し、注入井3から第2帯水層AQ2へ浸透される浸透量を超えると、注入井3の水位WL4は上昇する。
そこで、本発電システム1では、図1に示すように、サイホン管4の地表に配管されている部分に流量調整バルブを有するサイホン装置5をサイホン管4内を外部と遮断した状態に保ったまま接続している。これにより、揚水井2の水位WL2と注入井3の水位WL4を安定させて、サイホン管4に最大の流量となるように、サイホン装置5の流量調整バルブで流量を調整する。また、サイホン装置5には、図示しない注入栓が備えられ、発電システム1の初期稼働時に、注入栓からサイホン管4内に誘い水を注入してサイホン管4内を水密にし、サイホンの作用を開始させている。
サイホン管4の地表に配管されている部分には、更に、サイホン管4に流れる地下水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する水力発電機6が設置されている。図1に示すように、サイホン管4内を外部と遮断した状態でタービンを回転させる必要があることから、本システム1では、タービンに螺旋水車6aを用いたマイクロ水力発電機6を用いている。
マイクロ水力発電機6は、図示するように、回転軸6b回りに螺旋状の羽根が取り付けられた螺旋水車6aと、回転軸6bの回転から発電する発電機6cとで構成される。螺旋水車6bが配置されるサイホン管4の部分は、回転軸6b回りに回転する螺旋水車6aと干渉しないようにやや太幅に形成されている。回転軸6bの一側は、この太幅となったサイホン管4の上流側(揚水井2側)で回転自在に支持され、他側は、サイホン管4が注入井3に向かって下方に屈曲する部分を所定のシール手段を介して挿通し、この挿通部位で回転自在に支持され、これにより回転軸6bは、サイホン管4の中心軸方向に沿って回転自在に配置される。サイホン管4内から突出した回転軸6bの部位は、発電機6cに連結し、回転軸6aの回転により発電される。
このように構成された発電システム1では、第1帯水層AQ1で保水されている地下水が枯渇しない限り、サイホンの作用によってサイホン管4に地下水が流れ、螺旋水車6aと一体の回転軸6bが回転することにより、連続して発電される。
上述の発電機6cは、地表に配管されるサイホン管4の延長方向に配置しているが、回転軸6bの回転を一対のかさ歯車を噛み合わせて回転軸6bと交差する軸方向に変換し、その延長方向に発電機を配置してもよい。
また、サイホン管4に設置する水力発電機6としては、特開2008−88896号等に記載されている自己サイホン形水車発電機のように、起動時にサイホン作用を形成できる水力発電機であってもよい。
この第1実施の形態に係る発電システム1では、水力発電機6を地表に設置できるので、その設置や発電電力の出力、メンテナンスが容易であり、形状や大きさの制約を受けない。しかしながら、サイホン管4に流れる地下水でタービンを回転させることが可能であれば、地表に限らず、サイホン管4内にいずれの位置に設置してもよく、更に、注入井内のサイホン管4の注入口4bの下方に設置することもできる。
以下、注入井51内に水力発電機52を設置した本発明の第2実施の形態に係る地下水を利用した発電システム(以下、単に発電システムという)50を図2と図3を用いて説明する。発電システム50は、第1実施の形態に係る発電システム1と、水力発電機の構成とその取り付け位置、注入井3を掘削する深さが異なるのみであるので、発電システム1と同一若しくは相当する構成については同一番号を付して、その説明を省略する。
この発電システム50では、注入井51を、第2帯水層AQ2より更に下方の地表から地下70m付近に存在する第3帯水層AQ3に達するまで掘削している。サイホン管4の注入口4bは、揚水井2の水位WL2より下方にあれば、注入井51内のいずれの高さにあってもよいが、ここでは、注入口4bを地表から10mほどの深さとして、注入口4bから揚水井2内の地下水を落下させている。
図示するように、第2帯水層AQ2より注入井51内に貯留される地下水の水位WL4が地表から50mほどの深さにあるとして、その上方に水車発電機からなる水力発電機52が設置されている。水車発電機52は、発電機Gに連結する回転軸52bをケーシング管53に形成した窓孔内に枢支し、水車52aのほぼ半分をケーシング管53内に露出させた構造となっている。
この第2実施の形態に係る発電システム50では、注入口4bが注入井51に貯留される地下水内にないので、注入口51から落下する地下水により水車発電機52の水車52aが回転し、高低差30m以上の地下水の位置エネルギーが電気エネルギーに変換される。従って、この発電システム50では、第1実施の形態の発電システム1に比べて、大きな電力を発電でき、注入井51をより深く掘削することにより発電する電力を増大させることができる。
上述の各実施の形態にかかる発電システム1、50に示すように、発電に利用して注入井3、51に注入される地下水は揚水ポンプなどで排出することなく、下部帯水層に自然に浸透することにより、その水位WL4が一定に保たれる。従って、揚水ポンプを稼働させないので発電効率を低下させることなく連続した発電が可能となる。
また、上述の実施の形態では、サイホン管4の一部を地表で配管しているので、揚水井2が流体的に連結する上部帯水層は、その水位WL2が地表から10.3m以下となる最上部帯水層に限られるが、地表に表れるサイホン管4を地下に埋設することによって、10.3m以下の揚程を保ちつつ、上部帯水層を地表よりより深い第2帯水層AQ2等を上部帯水層とすることもできる。
また、サイホン管4は、一組の揚水井2と注入井3、51間に配管される例で説明したが、1又は2以上の揚水井2と1又は2以上の注入井3、51間に共通のサイホン管4を配管し、揚水井2に貯留される地下水を共通のサイホン管4を介して注入井3、51へ注入するものであってもよい。揚水井2若しくは注入井3、51を複数とすることにより、サイホン管4に流れる地下水の水量が増量し、発電量を増加させることができる。
本発明は、地盤の上下の多層に分かれた帯水層に飽和する地下水の位置エネルギー差を利用して発電する発電システムに適している。
1、50 地下水を利用した発電システム
2 揚水井
3、51 注入井
4 サイホン管
4a 揚水口
4b 注入口
5 サイホン装置(揚水量調整機構)
6、52 水力発電機

Claims (4)

  1. 上部帯水層に流体的に連結された揚水井と、
    上部帯水層より下方の下部帯水層に流体的に連結され、少なくとも貯留される地下水の水位が揚水井より下方にある注入井と、
    一端の揚水口を揚水井に貯留される地下水内に挿入し、他端の注入口を揚水井の水位より注入井内の下方の位置まで挿入したサイホン管と、
    サイホンの作用でサイホン管に流れる地下水により回転するタービンを有する水力発電機とを備えたことを特徴とする地下水を利用した発電システム。
  2. 水力発電機は、水車軸回りに螺旋状羽根が取り付けられた螺旋水車と螺旋水車の水車軸に連結する発電機とからなり、
    螺旋状羽根を地上に露出するサイホン管内に配置し、サイホン管に流れる地下水の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することを特徴とする請求項1に記載の地下水を利用した発電システム。
  3. 水力発電機は、注入井内のサイホン管の注入口と注入井に貯留される地下水の間に配設され、タービンが注入口から落下する地下水により回転することを特徴とする請求項1に記載の地下水を利用した発電システム。
  4. サイホン管に、サイホン管に流れる地下水の流量を調整する揚水量調整機構を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の地下水を利用した発電システム。
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