JP2013044479A - 塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃焼式除害装置に導入し燃焼させることにより浄化する方法であって、塩化珪素化合物を含む排ガスを安全に燃焼式除害装置へ導入し、有害成分である塩化珪素化合物を燃焼させて浄化する方法を提供する。
【解決手段】 前記の燃焼式除害方法において、水蒸気を、排ガスの燃焼式除害装置への導入時または導入後に、燃焼式除害装置よりも上流側の該排ガスの配管に添加する。
【選択図】 図1
【解決手段】 前記の燃焼式除害方法において、水蒸気を、排ガスの燃焼式除害装置への導入時または導入後に、燃焼式除害装置よりも上流側の該排ガスの配管に添加する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、安全に燃焼式除害装置へ導入し、燃焼して浄化する方法に関する。
近年の半導体工業の発展とともに、半導体製造工程においては種々の塩化珪素化合物が使用されるようになってきている。例えば、絶縁膜等を形成するための原料としてジクロロシランとアンモニアを用い、CVD法によりシリコンウェハー等の半導体基板にシリコン窒化膜(Si3N4)を形成する方法が行なわれている。また、ジクロロシランを使用し、ヘキサフルオロタングステン(WF6)を還元することによりケイ化タングステン(WSiX)を気相成長させる方法が行なわれている。また、液晶パネル基板等に有用なシリカガラスの原料としては、四塩化ケイ素が用いられている。
しかし、これらのガスは人体及び環境にとって有害な物質が多く、工場外へ排出するに先立って浄化することが必須のこととなっている。これらのガスを燃焼させることにより分解処理する燃焼式除害方法は、排ガスの組成や物性によらず適用することができる便利な方法であり、特に高濃度、大流量の場合は乾式浄化方法や湿式浄化方法と比較して効率的である。
燃焼式除害方法により処理される排ガスは、プロパン、LPG、LNG等の燃料ガス、空気または酸素、必要に応じ不活性ガスと燃焼室において混合、燃焼し、無害な酸化物あるいは容易に無害化できる物質となり処理される。
燃焼式除害方法により処理される排ガスは、プロパン、LPG、LNG等の燃料ガス、空気または酸素、必要に応じ不活性ガスと燃焼室において混合、燃焼し、無害な酸化物あるいは容易に無害化できる物質となり処理される。
半導体製造工程から排出される有害成分を含む排ガスを、燃焼式除害方法により処理する装置及び方法としては、以下のような公報に開示されるものがある。
特開平10−54534号公報
特開平10−110926号公報
特開2006−194544号公報
特開2008−292077号公報
排ガスの配管を流通するジクロロシラン、ヘキサクロロジシラン(HCD)等の塩化珪素化合物は、微量でも水分が存在すると、配管の内壁において水分と反応してモノシロキサンを生成し、その一部はやがて重合してポリシロキサンとなる。ポリシロキサンは長時間の間に配管の内壁表面に層状に堆積するが、このポリシロキサン層は、流通するガス条件によっては反応性または活性が高くなる。そのため、例えば空気との接触による発火、あるいは衝撃によって小爆発(粉末状の物質が飛び跳ねる程度)を起こす虞があった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃焼式除害装置に導入し燃焼させることにより浄化する方法であって、塩化珪素化合物を含む排ガスを安全に燃焼式除害装置へ導入し、有害成分である塩化珪素化合物を燃焼させて浄化する方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意検討した結果、塩化珪素化合物を含む排ガスが流通する配管に、水蒸気を流通すると、配管の内壁に堆積したポリシロキサンが失活し、空気との接触による発火、あるいは衝撃による小爆発を防止できることを見出し、本発明の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法に到達した。
すなわち本発明は、半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃焼式除害装置に導入し燃焼させることにより浄化する方法であって、水蒸気を、該排ガスの燃焼式除害装置への導入時または導入後に、燃焼式除害装置よりも上流側の該排ガスの配管に添加することを特徴とする塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法である。
本発明の浄化方法により、排ガスの配管の内壁表面にポリシロキサンが堆積しても、ポリシロキサンを失活させることができる。その結果、空気との接触による発火、あるいは衝撃による小爆発を防止でき、塩化珪素化合物を含む排ガスを安全に燃焼式除害装置へ導入し、有害成分である塩化珪素化合物を燃焼させて浄化することが可能である
本発明は、半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃料ガス、酸素を含むガスと共に燃焼式除害装置の燃焼室へ導入して燃焼させ浄化する方法に適用される。
本発明の浄化方法で処理できる排ガスに含まれる有害成分である塩化珪素化合物としては、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化珪素、またはヘキサクロロジシラン等を例示することができる。また、燃料ガスとしては、プロパンガス、天然ガス等を使用することができる。これらのガスは、必要に応じ窒素等の不活性ガスとともに用いられる。
本発明の浄化方法で処理できる排ガスに含まれる有害成分である塩化珪素化合物としては、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化珪素、またはヘキサクロロジシラン等を例示することができる。また、燃料ガスとしては、プロパンガス、天然ガス等を使用することができる。これらのガスは、必要に応じ窒素等の不活性ガスとともに用いられる。
以下、本発明の排ガスの浄化方法を、図1〜図4に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
尚、図1〜図3は、本発明の排ガスの浄化方法に使用される浄化システムの一例を示す構成図である。また図4は、本発明の浄化方法に使用される燃焼式除害装置の一例を示す鉛直方向の構成図である。
尚、図1〜図3は、本発明の排ガスの浄化方法に使用される浄化システムの一例を示す構成図である。また図4は、本発明の浄化方法に使用される燃焼式除害装置の一例を示す鉛直方向の構成図である。
本発明の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法は、図1に示すように、半導体製造工程(塩化珪素化合物を含む排ガスを排出する半導体製造装置1)から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃焼式除害装置2に導入し燃焼させることにより浄化する方法であって、水蒸気を、該排ガスの燃焼式除害装置への導入時または導入後に、燃焼式除害装置よりも上流側の該排ガスの配管3に添加する浄化方法である。尚、水蒸気の導入配管4、及び水蒸気が導入される排ガスの配管には、通常はこれらの配管を加熱するためのヒータが設けられる。
本発明の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法においては、水蒸気を、半導体製造工程(半導体製造装置1)の塩化珪素化合物を含む排ガスの排出口、またはその近辺に添加することが好ましい。それよりも下流側に水蒸気を添加すると、堆積したポリシロキサンを水蒸気により失活できない配管の範囲が大きくなる。また、本発明においては、図2に示すように、塩化珪素化合物を含まない排ガスを排出する半導体製造装置1’の排ガスの排出口には水蒸気を添加する必要はない。また、図3に示すように、塩化珪素化合物を含む排ガスを排出する半導体製造装置1が複数ある場合は、各々の排ガスの排出口に水蒸気の導入配管4を設けて、水蒸気を添加することもできる。
本発明においては、半導体製造工程から排出される排ガスに含まれる塩化珪素化合物の濃度及び流量には特に制限はないが、通常は塩化珪素化合物の濃度は10000ppm以下、流量は30m3/hr以下である。また、塩化珪素化合物以外の有害ガスを含んでいてもよい。水蒸気の添加は、通常は水蒸気を10vol%以上含む不活性ガスを用いて行なわれる。水蒸気は、(1)塩化珪素化合物を含む排ガスとともに、(2)塩化珪素化合物を含む排ガスを流通した後、または(3)これらの両方の場合に配管に流通されるが、ポリシロキサンを完全に失活できる点で前記(3)が好ましい。また、水蒸気の添加時間は、前記(1)〜(3)のいずれかの時間の全部または一部とすることができる。水蒸気の添加量は、塩化珪素化合物の濃度等にもよるが、通常は排ガスの流量の1〜20%程度である。
本発明に用いられる燃焼式除害装置には特に制限はないが、例えば図4に示すような燃焼式除害装置を例示することができる。
すなわち、図4に示す燃焼式除害装置は、有害成分を熱分解する燃焼室5、燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル(燃料ガスを燃焼させて火炎を噴出するノズル)6、その外周側に排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル7、及びさらにその外周側に酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル8を備えた装置である。
すなわち、図4に示す燃焼式除害装置は、有害成分を熱分解する燃焼室5、燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル(燃料ガスを燃焼させて火炎を噴出するノズル)6、その外周側に排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル7、及びさらにその外周側に酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル8を備えた装置である。
また、図4に示す燃焼式除害装置は、燃焼室5の側面壁9が、円筒形またはこれらに類似する筒状の形状であり、その外側には酸素を含むガス(空気等)を流通させる流路10が設けられている。燃焼室5の側面壁9は、通気性で断熱性を有する側面壁とすることができる。有害成分の熱分解の際には、図4において矢印で示すような方向に酸素を含むガスを流すことにより、粉化物が燃焼室の側面壁に堆積することを抑制することができる。この燃焼式除害装置では、燃焼室の直前で燃料ガスと空気を含むガスが混合され燃焼するように設定される。燃焼室へ噴出される際の燃焼ガスの温度は、通常は600〜1500℃程度である。また、燃焼室のガス圧力についても特に制限されることはなく、通常は常圧であるが、10KPa(絶対圧力)のような減圧あるいは0.5MPa(絶対圧力)のような加圧下で処理することも可能である。
熱分解処理された後のガスは、大気に放出されるか、あるいは次の処理工程に送られるが、次の処理工程に送られるような場合、前記のような燃焼式除害装置に、次の処理工程を実施するための設備を併せて装備することも可能である。
図4の水槽16及びスクラバーの設備は、燃焼式除害装置により処理した排ガスについて、処理後のガスに含まれる粉化物の除去、及び新たに生成した有害成分(容易に無害化できる成分)の除去を行なうためのものであり、本発明においては必須の設備ではないが、これらの設備を備えることが好ましい。
図4の水槽16及びスクラバーの設備は、燃焼式除害装置により処理した排ガスについて、処理後のガスに含まれる粉化物の除去、及び新たに生成した有害成分(容易に無害化できる成分)の除去を行なうためのものであり、本発明においては必須の設備ではないが、これらの設備を備えることが好ましい。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
(浄化システムの製作)
図1の浄化システムにおいて、半導体製造装置1の代わりに塩化珪素化合物を含むガスを供給できるガス供給器を設けた浄化システムを製作した。
また、図4に示すような外壁がステンレス鋼(SUS316)製の高さ2000mmの浄化装置を製作した。燃焼室の上部壁には、燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル6、排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル7、及び酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズルを設けた。
(浄化システムの製作)
図1の浄化システムにおいて、半導体製造装置1の代わりに塩化珪素化合物を含むガスを供給できるガス供給器を設けた浄化システムを製作した。
また、図4に示すような外壁がステンレス鋼(SUS316)製の高さ2000mmの浄化装置を製作した。燃焼室の上部壁には、燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル6、排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル7、及び酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズルを設けた。
燃焼室の側面壁としては、微多孔を有するセラミックス製の円筒を用いた。この側面壁9は、直径200mm、長さ600mm、厚さ25mmであり、さらにその外側の外壁は、内径300mm、厚さ3mmのステンレス鋼製の円筒を用いた。酸素含有ガス流路10は、側面壁と外壁により形成された環状の流路であり、これを上下方向に2個に区切った。酸素含有ガス導入口11は、環状の流路の接線方向から導入されるように、各2個ずつ合計4個設定した。
浄化装置の右下部には、縦400mm、横400mm、高さ500mmの水槽16を設置し、水槽の上部には、多孔板18、ポリプロピレン樹脂を主材とする充填材19、及びデミスター20を有するスクラバーを設置した。また、浄化装置と水槽を、傾斜した配管で接続し、スプレーノズル13、フローメーター14、ポンプ15等を接続して装置を完成した。
浄化装置の右下部には、縦400mm、横400mm、高さ500mmの水槽16を設置し、水槽の上部には、多孔板18、ポリプロピレン樹脂を主材とする充填材19、及びデミスター20を有するスクラバーを設置した。また、浄化装置と水槽を、傾斜した配管で接続し、スプレーノズル13、フローメーター14、ポンプ15等を接続して装置を完成した。
(浄化試験)
水槽に深さが350mmになるまで水を注入した後、ポンプ等を稼動してスプレーノズルから水を噴出させた。また、ノズル6からプロパンガス(流量12L/min)及び空気(流量285L/min)を燃焼室へ導入してプロパンガスを燃焼させるとともに、ノズル8から酸素(流量60L/min)を燃焼室に導入した。また、燃焼室の側面壁9からも酸素(流量21L/min)及び窒素(流量79L/min)を熱分解室に導入した。
水槽に深さが350mmになるまで水を注入した後、ポンプ等を稼動してスプレーノズルから水を噴出させた。また、ノズル6からプロパンガス(流量12L/min)及び空気(流量285L/min)を燃焼室へ導入してプロパンガスを燃焼させるとともに、ノズル8から酸素(流量60L/min)を燃焼室に導入した。また、燃焼室の側面壁9からも酸素(流量21L/min)及び窒素(流量79L/min)を熱分解室に導入した。
次に、塩化珪素化合物を含むガスを供給できるガス供給器から、ヘキサクロロジシランを2000ppm含む窒素(全流量100L/min)を、水蒸気の導入配管4から、水蒸気を2%含む窒素(全流量20L/min)を供給し、これらの混合ガスをノズル7から燃焼室に導入して、有害成分であるヘキサクロロジシランを24時間燃焼させた。
その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、これらに対する反応は確認できなかった。
その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、これらに対する反応は確認できなかった。
[実施例2]
実施例1の浄化試験において、水蒸気の供給をヘキサクロロジシランの供給後に行なったほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。ヘキサクロロジシランの供給時間、水蒸気の供給時間は実施例1と同様である。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、これらに対する反応は確認できなかった。
実施例1の浄化試験において、水蒸気の供給をヘキサクロロジシランの供給後に行なったほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。ヘキサクロロジシランの供給時間、水蒸気の供給時間は実施例1と同様である。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、これらに対する反応は確認できなかった。
[実施例3〜6]
実施例1の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々モノクロロシラン(実施例3)、ジクロロシラン(実施例4)、トリクロロシラン(実施例5)、四塩化珪素(実施例6)に替えたほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれもこれらに対する反応は確認できなかった。
実施例1の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々モノクロロシラン(実施例3)、ジクロロシラン(実施例4)、トリクロロシラン(実施例5)、四塩化珪素(実施例6)に替えたほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれもこれらに対する反応は確認できなかった。
[実施例7〜10]
実施例2の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々モノクロロシラン(実施例7)、ジクロロシラン(実施例8)、トリクロロシラン(実施例9)、四塩化珪素(実施例10)に替えたほかは実施例2と同様に浄化試験を行なった。その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれもこれらに対する反応は確認できなかった。
実施例2の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々モノクロロシラン(実施例7)、ジクロロシラン(実施例8)、トリクロロシラン(実施例9)、四塩化珪素(実施例10)に替えたほかは実施例2と同様に浄化試験を行なった。その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれもこれらに対する反応は確認できなかった。
[比較例1]
実施例1の浄化試験において、水蒸気を供給しなかったほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、着火試験では着火し、衝撃試験では小爆発(粉末状の物質が飛び跳ねる程度)が起こった。
実施例1の浄化試験において、水蒸気を供給しなかったほかは実施例1と同様に浄化試験を行なった。その後、実施例1と同様に、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、着火試験では着火し、衝撃試験では小爆発(粉末状の物質が飛び跳ねる程度)が起こった。
[比較例2、3]
比較例1の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々ジクロロシラン(比較例2)、トリクロロシラン(比較例3)に替えたほかは比較例1と同様に浄化試験を行なった。その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれも着火試験では着火し、衝撃試験では反応は確認できなかった。
比較例1の浄化試験において、塩化珪素化合物を、各々ジクロロシラン(比較例2)、トリクロロシラン(比較例3)に替えたほかは比較例1と同様に浄化試験を行なった。その後、配管3を取外し配管内に堆積した化合物を採取し、ガスの炎を当てる着火試験、及び外部から物理的な衝撃を与える衝撃試験を行なったが、いずれも着火試験では着火し、衝撃試験では反応は確認できなかった。
以上の結果から、本発明の排ガスの浄化方法は、塩化珪素化合物を含む排ガスを安全に燃焼式除害装置へ導入し、有害成分である塩化珪素化合物を燃焼させて浄化できることが確認された。
1 半導体製造装置
2 燃焼式除害装置
3 燃焼式除害装置よりも上流側の排ガスの配管
4 水蒸気の導入配管
5 燃焼室
6 燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
7 排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
8 酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
9 側面壁
10 酸素含有ガス流路
11 酸素含有ガスの導入口
12 冷却配管
13 スプレーノズル
14 フローメーター
15 ポンプ
16 水槽
17 排水管
18 多孔板
19 充填材
20 デミスター
21 熱分解後のガスを外部へ排出する排出口
22 燃焼式除害装置とスクラバーの接続配管
2 燃焼式除害装置
3 燃焼式除害装置よりも上流側の排ガスの配管
4 水蒸気の導入配管
5 燃焼室
6 燃料ガスと空気を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
7 排ガスを含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
8 酸素を含むガスを燃焼室へ噴出するノズル
9 側面壁
10 酸素含有ガス流路
11 酸素含有ガスの導入口
12 冷却配管
13 スプレーノズル
14 フローメーター
15 ポンプ
16 水槽
17 排水管
18 多孔板
19 充填材
20 デミスター
21 熱分解後のガスを外部へ排出する排出口
22 燃焼式除害装置とスクラバーの接続配管
Claims (5)
- 半導体製造工程から排出される塩化珪素化合物を含む排ガスを、燃焼式除害装置に導入し燃焼させることにより浄化する方法であって、水蒸気を、該排ガスの燃焼式除害装置への導入時または導入後に、燃焼式除害装置よりも上流側の該排ガスの配管に添加することを特徴とする塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法。
- 水蒸気を、半導体製造工程の塩化珪素化合物を含む排ガスの排出口に添加する請求項1に記載の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法。
- 水蒸気を、不活性ガスとともに添加する請求項1に記載の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法。
- 水蒸気の濃度が、10vol%以上である請求項3に記載の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法。
- 塩化珪素化合物が、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化珪素、またはヘキサクロロジシランである請求項1に記載の塩化珪素化合物を含む排ガスの浄化方法。
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Legal Events
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