JP2013039964A - 印刷インキ用多層容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷インキ等を長時間充填しておいても、変質しにくく、耐印刷インキ性があり、長時間充填保存できるとともに、使用後に焼却処理が可能な印刷インキ用多層容器を提供する。
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)から形成されるガスバリア層(X)と、熱可塑性樹脂からなる外層(Y)を少なくとも含む印刷インキ用多層容器であって、前記ポリアミド樹脂(A)が、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位を含有する印刷インキ用多層容器。
[前記一般式(II)中、mは2〜18の整数を表す]
【選択図】なし
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)から形成されるガスバリア層(X)と、熱可塑性樹脂からなる外層(Y)を少なくとも含む印刷インキ用多層容器であって、前記ポリアミド樹脂(A)が、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位を含有する印刷インキ用多層容器。
[前記一般式(II)中、mは2〜18の整数を表す]
【選択図】なし
Description
本発明は印刷インキ等を長時間充填しておいても、変質しにくく長時間充填保存できるとともに、使用後に焼却処理が可能な印刷インキ用多層容器に関する。
印刷インキの分野において、印刷インキを充填する為に容器本体及び蓋体が金属によって形成された金属製容器が使用されているが、使用後に容器を燃焼させて廃棄処理する為に容器を可燃性とすることが望まれている。そこで、紙等で形成された容器(特許文献1)やプラスチック容器(特許文献2)などに印刷インキを充填し、利用されている。しかしながら、印刷インキを長期間充填しておくと、充填物が空気中の酸素によって変質し易い欠点があった。また、プラスチックによっては、耐印刷インキ性のないものもあり、容器の変形等が起こり、十分な保存性に優れる容器がなかった。
本発明の上記課題を鑑みて、印刷インキ等を長時間充填しておいても、変質しにくく長時間充填保存できるとともに、使用後に焼却処理が可能な印刷インキ用多層容器を提供することにある。
本発明の印刷インキ用多層容器は、酸素バリア性を有するために、内容物である印刷用インキを長時間充填しておいても、酸化による変質が発生しにくく、かつ多層容器の材質が耐インキ性を有するため、印刷インキ等を長時間充填保存でき、かつ、使用後の容器の焼却処理が可能である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において特定の機能を発現する物質として具体的な化合物を例示する場合があるが、本発明はこれに限定されない。また、例示される材料は、特に記載がない限り、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
(印刷インキ用多層容器)
本発明の印刷インキ用多層容器は、ポリアミド樹脂(A)から形成されるガスバリア層(X)と、熱可塑性樹脂からなる外層(Y)とを少なくとも含む。また、外層(Y)は、ガスバリア層(X)よりも外側に配置されるが、それ以外の層構成は特に限定されず、層(X)及び層(Y)の数や種類は特に限定されない。
本発明の印刷インキ用多層容器における層構成は、例えば、1層の層(X)及び1層の層(Y)からなるX/Y構成であってもよく、1層の層(X)及び2層の層(Y)からなるY/X/Yの3層構成であってもよい。また、1層の層(X)並びに層(Y1)及び層(Y2)の2種4層の層(Y)からなるY1/Y2/X/Y2/Y1の5層構成であってもよい。さらに、本発明の多層インジェクション成形体は、必要に応じて接着層(AD)等の任意の層を含んでもよく、例えば、Y1/AD/Y2/X/Y2/AD/Y1の7層構成であってもよい。
本発明の印刷インキ用多層容器は、ポリアミド樹脂(A)から形成されるガスバリア層(X)と、熱可塑性樹脂からなる外層(Y)とを少なくとも含む。また、外層(Y)は、ガスバリア層(X)よりも外側に配置されるが、それ以外の層構成は特に限定されず、層(X)及び層(Y)の数や種類は特に限定されない。
本発明の印刷インキ用多層容器における層構成は、例えば、1層の層(X)及び1層の層(Y)からなるX/Y構成であってもよく、1層の層(X)及び2層の層(Y)からなるY/X/Yの3層構成であってもよい。また、1層の層(X)並びに層(Y1)及び層(Y2)の2種4層の層(Y)からなるY1/Y2/X/Y2/Y1の5層構成であってもよい。さらに、本発明の多層インジェクション成形体は、必要に応じて接着層(AD)等の任意の層を含んでもよく、例えば、Y1/AD/Y2/X/Y2/AD/Y1の7層構成であってもよい。
1.ポリアミド樹脂(A)から形成されるガスバリア層(X)
本発明において、ガスバリア層(X)はポリアミド樹脂(A)から形成されるものであり、当該ポリアミド樹脂(A)を含有することで酸素バリア性能および耐インキ性を発揮することができる。
本発明において、ガスバリア層(X)に含有されるポリアミド樹脂(A)は1種であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
本発明において、ガスバリア層(X)はポリアミド樹脂(A)から形成されるものであり、当該ポリアミド樹脂(A)を含有することで酸素バリア性能および耐インキ性を発揮することができる。
本発明において、ガスバリア層(X)に含有されるポリアミド樹脂(A)は1種であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。
1−1.ポリアミド樹脂(A)
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位を含有する。
ただし、前記ジアミン単位、前記ジカルボン酸単位の合計は100モル%を超えないものとする。ポリアミド樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の構成単位を更にふくんでいてもよい。
[前記一般式(II)中、mは2〜18の整数を表す]
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は、下記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含むジアミン単位と、下記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含むジカルボン酸単位を含有する。
ただし、前記ジアミン単位、前記ジカルボン酸単位の合計は100モル%を超えないものとする。ポリアミド樹脂(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記以外の構成単位を更にふくんでいてもよい。
(ジアミン単位)
ポリアミド樹脂中(A)のジアミン単位は、優れたガスバリア性を付与する観点から、前記式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
ポリアミド樹脂中(A)のジアミン単位は、優れたガスバリア性を付与する観点から、前記式(I)で表される芳香族ジアミン単位を70モル%以上含み、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位を構成しうる化合物としては、オルトキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、及びパラキシリレンジアミンが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂(A)中のジアミン単位は、優れたガスバリア性を発現させることに加え、汎用的な熱可塑性樹脂の成形性を容易にする観点から、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含むことが好ましく、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(I)で表される芳香族ジアミン単位以外のジアミン単位を構成しうる化合物としては、パラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等の脂肪族ジアミンを例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(ジカルボン酸単位)
本発明のポリアミド樹脂(A)中のジカルボン酸単位は、適度な結晶性を付与することに加え、包装材料として必要な柔軟性を付与する観点から、前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含み、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
本発明のポリアミド樹脂(A)中のジカルボン酸単位は、適度な結晶性を付与することに加え、包装材料として必要な柔軟性を付与する観点から、前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を50モル%以上含み、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。
前記一般式(II)中、mは2〜18の整数を表し、好ましくは3〜16、より好ましくは4〜12、更に好ましくは4〜8である。前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂(A)中のジカルボン酸単位は、優れたガスバリア性に加える観点から、アジピン酸単位、セバシン酸単位、及び1,12−ドデカンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つを合計で50モル%以上含むことが好ましく、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。本発明のポリアミド樹脂(A)中のジカルボン酸単位は、ガスバリア性の発現及び適切なガラス転移温度や融点等の熱的性質の観点からはアジピン酸単位を50モル%以上含むことが好ましい。また、ジカルボン酸の種類は用途に応じて適宜決定され、適度なガスバリア性付与と成形加工適性付与との観点からはセバシン酸単位を50モル%以上含むことが好ましく、低吸水性、耐候性、耐熱性を要求される用途に用いる場合は1,12−ドデカンジカルボン酸単位を50モル%以上含むことが好ましい。
前記一般式(II)で表される直鎖脂肪族ジカルボン酸単位以外のジカルボン酸単位を構成しうる化合物としては、ガスバリア性の更なる付与及び包装材料の成形加工性を容易にする観点から、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸等を例示できるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に、ポリオレフィンとの多層シートを熱成形により多層容器を成形する場合、結晶化速度を遅くし、成形性を容易にさせる観点から、本発明のポリアミド化合物中の芳香族ジカルボン酸単位は、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つを、芳香族ジカルボン酸単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、当該含有量は、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。また、これらの中でもイソフタル酸及び/又はテレフタル酸を芳香族ジカルボン酸単位中に含むことが好ましい。イソフタル酸単位とテレフタル酸単位との含有比(イソフタル酸単位/テレフタル酸単位)は、特に制限はなく、用途に応じて適宜決定される。例えば、適度なガラス転移温度や結晶性を下げる観点からは、両単位の合計を100としたとき好ましくは0/100〜100/0、より好ましくは0/100〜60/40、更に好ましくは0/100〜40/60、更に好ましくは0/100〜30/70である。
特に、ポリオレフィンとの多層シートを熱成形により多層容器を成形する場合、結晶化速度を遅くし、成形性を容易にさせる観点から、本発明のポリアミド化合物中の芳香族ジカルボン酸単位は、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位、及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つを、芳香族ジカルボン酸単位中に合計で50モル%以上含むことが好ましく、当該含有量は、より好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上であり、また、好ましくは100モル%以下である。また、これらの中でもイソフタル酸及び/又はテレフタル酸を芳香族ジカルボン酸単位中に含むことが好ましい。イソフタル酸単位とテレフタル酸単位との含有比(イソフタル酸単位/テレフタル酸単位)は、特に制限はなく、用途に応じて適宜決定される。例えば、適度なガラス転移温度や結晶性を下げる観点からは、両単位の合計を100としたとき好ましくは0/100〜100/0、より好ましくは0/100〜60/40、更に好ましくは0/100〜40/60、更に好ましくは0/100〜30/70である。
また、前記ジアミン単位及び前記ジカルボン酸単位の含有量は、重合反応の観点から、ほぼ同量であることが好ましく、前記ジカルボン酸単位の含有量が前記ジアミン単位の含有量の±2モル%であることがより好ましい。前記ジカルボン酸単位の含有量が前記ジアミン単位の含有量の±2モル%の範囲を超えると、ポリマーの重合度が上がりにくくなるため重合度を上げるのに多くの時間を要し、熱劣化が生じやすくなる。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂(A)にさらに酸素吸収機能が必要な場合には、前記ジアミン単位、前記ジカルボン単位に加えて、下記一般式(III)で表される三級水素含有カルボン酸単位をさらに含有してもよい。本発明の印刷インキ用容器を構成するポリアミド樹脂(A)は、三級水素含有カルボン酸単位を含有することにより、遷移金属を含有せずとも優れた酸素吸収性を発揮することができ、その結果容器内に充填された印刷インキの酸化劣化をさらに防ぐことができる。
[前記一般式(III)中、Rは置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表す。]
前記三級水素含有カルボン酸単位の含有量は、ポリアミド樹脂(A)の全構成単位中、好ましくは0.1〜49.9モル%、より好ましくは0.2〜40モル%、更に好ましくは1〜30モル%である。ただし、前記のジアミン単位、ジカルボン酸単位、及び三級水素含有カルボン酸単位の合計は100モル%を超えないものとする。
三級水素含有カルボン酸単位の含有量が0.1モル%以上であれば、十分な酸素吸収性能を発現することができる。また、49.9モル%を以下であれば、ポリマーのバリア性や機械物性などの物性が低下することなく、特に三級水素含有カルボン酸がアミノ酸である場合は、ペプチド結合が連続するために起こる耐熱性の過度の低下を防ぐことができる。
三級水素含有カルボン酸単位の含有量が0.1モル%以上であれば、十分な酸素吸収性能を発現することができる。また、49.9モル%を以下であれば、ポリマーのバリア性や機械物性などの物性が低下することなく、特に三級水素含有カルボン酸がアミノ酸である場合は、ペプチド結合が連続するために起こる耐熱性の過度の低下を防ぐことができる。
なお、本発明において、三級水素含有カルボン酸単位を共重合したポリアミド樹脂(A)が良好な酸素吸収性能を示す機構についてはまだ明らかにされていないが以下のように推定される。三級水素含有カルボン酸単位を構成しうる化合物は、同一炭素原子上に電子求引性基と電子供与性基とが結合しているため、その炭素原子上に存在する不対電子がエネルギー的に安定化されるキャプトデーティブ(Captodative)効果と呼ばれる現象によって非常に安定なラジカルが生成すると考えられる。すなわち、カルボキシル基は電子求引基であり、それに隣接する三級水素が結合している炭素が電子不足(δ+)になるため、当該三級水素も電子不足(δ+)となり、プロトンとして解離してラジカルを形成する。ここに酸素及び水が存在したときに、酸素がこのラジカルと反応することで、酸素吸収性能を示すと考えられる。
前記一般式(III)中、Rは置換基を表す。本発明におけるRで表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基(1〜15個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基)、アルケニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基)、アルキニル基(2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基)、アリール基(6〜16個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)、複素環基(5員環又は6員環の芳香族又は非芳香族の複素環化合物から1個の水素原子を取り除くことによって得られる、1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する一価の基、例えば1−ピラゾリル基、1−イミダゾリル基、2−フリル基)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アルコキシ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐又は環状アルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基)、アシル基(ホルミル基、2〜10個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するアルキルカルボニル基、或いは7〜12個、好ましくは7〜9個の炭素原子を有するアリールカルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基)、アミノ基(アミノ基、1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルアミノ基、6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアニリノ基、或いは1〜12個、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する複素環アミノ基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、アニリノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(6〜12個、好ましくは6〜8個の炭素原子を有するアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基)、複素環チオ基(2〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する複素環チオ基、例えば2−ベンゾチアゾリルチオ基)、イミド基(2〜10個、好ましくは4〜8個の炭素原子を有するイミド基、例えば、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)等が挙げられる。これらの官能基の中で水素原子を有するものは更に上記の基で置換されていてもよい。
前記一般式(III)中におけるRとしては、置換又は無置換のアルキル基又はアリール基が好ましく、置換又は無置換の炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基、置換又は無置換の炭素数6〜8のアリール基がより好ましく、置換又は無置換の炭素数1〜4のアルキル基又はベンジル基が更に好ましい。
好ましいRの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、メチルスルファニルエチル、フェニル、ナフチル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
好ましいRの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メルカプトメチル、メチルスルファニルエチル、フェニル、ナフチル、ベンジル、4−ヒドロキシベンジル等を例示できるが、これらに限定されるものではない。
前記一般式(III)で表される構成単位を構成しうる化合物としては、アラニン、2−アミノ酪酸、バリン、ノルバリン、ロイシン、ノルロイシン、tert−ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、2−フェニルグリシン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン等のα−アミノ酸を例示できるが、これらに限定されるものではない。
これらはD体、L体、ラセミ体のいずれであってもよく、アロ体であってもよい。また、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらはD体、L体、ラセミ体のいずれであってもよく、アロ体であってもよい。また、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、原料の入手性や酸素吸収性向上等の観点から、α炭素に三級水素を有するα−アミノ酸が特に好ましい。また、α−アミノ酸の中でも、供給しやすさ、安価な価格、重合しやすさ、共重合ポリアミド樹脂の黄色度(YI)の低さといった点から、アラニンが最も好ましい。アラニンは、分子量が比較的低く、共重合ポリアミド樹脂1g当たりの共重合率が高いため、共重合ポリアミド樹脂1g当たりの酸素吸収性能は良好である。
また、前記三級水素含有カルボン酸単位を構成しうる化合物の純度は、重合速度の遅延等の重合に及ぼす影響や共重合ポリアミド樹脂の黄色度等の品質面への影響の観点から、95%以上であることが好ましく、より好ましくは98.5%以上、更に好ましくは99%以上である。また、不純物として含まれる硫酸イオンやアンモニウムイオンは、500ppm以下が好ましく、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは50ppm以下である。
[ポリアミド樹脂(A)の重合度]
ポリアミド樹脂(A)の重合度については、相対粘度が使われる。ポリアミド樹脂(A)の好ましい相対粘度は、成形品の強度や外観、成形加工性の観点から、好ましくは1.8〜4.2、より好ましくは1.9〜4.0、更に好ましくは2.0〜3.8である。
なお、ここでいう相対粘度は、ポリアミド樹脂(A)1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
ポリアミド樹脂(A)の重合度については、相対粘度が使われる。ポリアミド樹脂(A)の好ましい相対粘度は、成形品の強度や外観、成形加工性の観点から、好ましくは1.8〜4.2、より好ましくは1.9〜4.0、更に好ましくは2.0〜3.8である。
なお、ここでいう相対粘度は、ポリアミド樹脂(A)1gを96%硫酸100mLに溶解し、キャノンフェンスケ型粘度計にて25℃で測定した落下時間(t)と、同様に測定した96%硫酸そのものの落下時間(t0)の比であり、次式で示される。
相対粘度=t/t0
[末端アミノ基濃度]
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収速度、及び酸素吸収によるポリアミド樹脂(A)の酸化劣化は、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度を変えることで制御することが可能である。本発明では、酸素吸収速度と酸化劣化のバランスの観点から、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度は5〜150μeq/gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜100μeq/g、更に好ましくは15〜80μeq/gである。
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収速度、及び酸素吸収によるポリアミド樹脂(A)の酸化劣化は、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度を変えることで制御することが可能である。本発明では、酸素吸収速度と酸化劣化のバランスの観点から、ポリアミド樹脂(A)の末端アミノ基濃度は5〜150μeq/gの範囲が好ましく、より好ましくは10〜100μeq/g、更に好ましくは15〜80μeq/gである。
1−2.ポリアミド樹脂(A)の製造方法
ポリアミド樹脂(A)は、前記ジアミン単位を構成しうるジアミン成分と、前記ジカルボン酸単位を構成しうるジカルボン酸成分と、必要により、前記三級水素含有カルボン酸単位を構成しうる三級水素含有カルボン酸成分及び、その他のモノマー成分とを重縮合させることで製造することができ、重縮合条件等を調整することで重合度を制御することができる。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノカルボン酸を加えてもよい。また、重縮合反応を抑制して所望の重合度とするために、ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミン成分とカルボン酸成分との比率(モル比)を1からずらして調整してもよい。
ポリアミド樹脂(A)は、前記ジアミン単位を構成しうるジアミン成分と、前記ジカルボン酸単位を構成しうるジカルボン酸成分と、必要により、前記三級水素含有カルボン酸単位を構成しうる三級水素含有カルボン酸成分及び、その他のモノマー成分とを重縮合させることで製造することができ、重縮合条件等を調整することで重合度を制御することができる。重縮合時に分子量調整剤として少量のモノアミンやモノカルボン酸を加えてもよい。また、重縮合反応を抑制して所望の重合度とするために、ポリアミド樹脂(A)を構成するジアミン成分とカルボン酸成分との比率(モル比)を1からずらして調整してもよい。
ポリアミド樹脂(A)の重縮合方法としては、加圧塩法、常圧滴下法、加圧滴下法、反応押出法等が挙げられるが、これらに限定されない。また、反応温度は出来る限り低い方が、ポリアミド樹脂(A)の黄色化やゲル化を抑制でき、安定した性状のポリアミド樹脂(A)が得られる。
[加圧塩法]
加圧塩法では、ナイロン塩を原料として加圧下にて溶融重縮合を行う方法である。具体的には、ジアミン成分と、ジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とからなるナイロン塩水溶液を調製した後、該水溶液を濃縮し、次いで加圧下にて昇温し、縮合水を除去しながら重縮合させる。缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂(A)の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、−0.02MPaGまで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で0.3MPaG程度に加圧してポリアミド樹脂(A)を回収する。
加圧塩法は、揮発性成分をモノマーとして使用する場合に有用であり、三級水素含有カルボン酸成分の共重合率が高い場合には好ましい重縮合方法である。特に、三級水素含有カルボン酸成分がポリアミド樹脂(A)を構成する全成分中に15モル%以上含まれる場合に、好適である。加圧塩法を用いることで、三級水素含有カルボン酸成分の蒸散を防ぎ、更には、三級水素含有カルボン酸成分同士の重縮合を抑制でき、重縮合反応をスムーズに進めることが可能であるため、性状に優れたポリアミド樹脂(A)が得られる。
加圧塩法では、ナイロン塩を原料として加圧下にて溶融重縮合を行う方法である。具体的には、ジアミン成分と、ジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とからなるナイロン塩水溶液を調製した後、該水溶液を濃縮し、次いで加圧下にて昇温し、縮合水を除去しながら重縮合させる。缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂(A)の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、−0.02MPaGまで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で0.3MPaG程度に加圧してポリアミド樹脂(A)を回収する。
加圧塩法は、揮発性成分をモノマーとして使用する場合に有用であり、三級水素含有カルボン酸成分の共重合率が高い場合には好ましい重縮合方法である。特に、三級水素含有カルボン酸成分がポリアミド樹脂(A)を構成する全成分中に15モル%以上含まれる場合に、好適である。加圧塩法を用いることで、三級水素含有カルボン酸成分の蒸散を防ぎ、更には、三級水素含有カルボン酸成分同士の重縮合を抑制でき、重縮合反応をスムーズに進めることが可能であるため、性状に優れたポリアミド樹脂(A)が得られる。
[常圧滴下法]
常圧滴下法では、常圧下にて、ジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とを加熱溶融した混合物に、ジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。なお、生成するポリアミド樹脂(A)の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。
常圧滴下法は、前記加圧塩法と比較すると、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、また、原料成分の気化・凝縮を必要としないため、反応速度の低下が少なく、工程時間を短縮できる。
常圧滴下法では、常圧下にて、ジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とを加熱溶融した混合物に、ジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。なお、生成するポリアミド樹脂(A)の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。
常圧滴下法は、前記加圧塩法と比較すると、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、また、原料成分の気化・凝縮を必要としないため、反応速度の低下が少なく、工程時間を短縮できる。
[加圧滴下法]
加圧滴下法では、まず、重縮合缶にジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とを仕込み、各成分を撹拌して溶融混合し混合物を調製する。次いで、缶内を好ましくは0.3〜0.4MPaG程度に加圧しながら混合物にジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。この際、生成するポリアミド樹脂(A)の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。設定モル比に達したらジアミン成分の滴下を終了し、缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂(A)の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、−0.02MPaGまで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で0.3MPaG程度に加圧してポリアミド樹脂(A)を回収する。
加圧滴下法は、加圧塩法と同様に、揮発性成分をモノマーとして使用する場合に有用であり、三級水素含有カルボン酸成分の共重合率が高い場合には好ましい重縮合方法である。特に、三級水素含有カルボン酸成分がポリアミド樹脂(A)を構成する全成分中に15モル%以上含まれる場合に、好適である。加圧滴下法を用いることで三級水素含有カルボン酸成分の蒸散を防ぎ、更には、三級水素含有カルボン酸成分同士の重縮合を抑制でき、重縮合反応をスムーズに進めることが可能であるため、性状に優れたポリアミド樹脂(A)が得られる。更に、加圧滴下法は、加圧塩法に比べて、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、常圧滴下法と同様に反応時間を短くできることから、ゲル化等を抑制し、黄色度が低いポリアミド樹脂(A)を得ることができる。
加圧滴下法では、まず、重縮合缶にジカルボン酸成分と、必要に応じて三級水素含有カルボン酸成分とを仕込み、各成分を撹拌して溶融混合し混合物を調製する。次いで、缶内を好ましくは0.3〜0.4MPaG程度に加圧しながら混合物にジアミン成分を連続的に滴下し、縮合水を除去しながら重縮合させる。この際、生成するポリアミド樹脂(A)の融点よりも反応温度が下回らないように、反応系を昇温しながら重縮合反応を行う。設定モル比に達したらジアミン成分の滴下を終了し、缶内を徐々に常圧に戻しながら、ポリアミド樹脂(A)の融点+10℃程度まで昇温し、保持した後、更に、−0.02MPaGまで徐々に減圧しつつ、そのままの温度で保持し、重縮合を継続する。一定の撹拌トルクに達したら、缶内を窒素で0.3MPaG程度に加圧してポリアミド樹脂(A)を回収する。
加圧滴下法は、加圧塩法と同様に、揮発性成分をモノマーとして使用する場合に有用であり、三級水素含有カルボン酸成分の共重合率が高い場合には好ましい重縮合方法である。特に、三級水素含有カルボン酸成分がポリアミド樹脂(A)を構成する全成分中に15モル%以上含まれる場合に、好適である。加圧滴下法を用いることで三級水素含有カルボン酸成分の蒸散を防ぎ、更には、三級水素含有カルボン酸成分同士の重縮合を抑制でき、重縮合反応をスムーズに進めることが可能であるため、性状に優れたポリアミド樹脂(A)が得られる。更に、加圧滴下法は、加圧塩法に比べて、塩を溶解するための水を使用しないため、バッチ当たりの収量が大きく、常圧滴下法と同様に反応時間を短くできることから、ゲル化等を抑制し、黄色度が低いポリアミド樹脂(A)を得ることができる。
[反応押出法]
その他に、三級水素含有カルボン酸成分共重合させたポリアミド樹脂(A)を製造する方法として、反応押出法がある。この方法は、ジアミン成分及びジカルボン酸成分からなるポリアミド(ポリアミド樹脂(A)の前駆体に相当するポリアミド)を上述のいずれの方法によりあらかじめ製造しておき、その後に三級水素含有カルボン酸成分を押出機で溶融混練して反応させる方法である。三級水素含有カルボン酸成分をアミド交換反応により、ポリアミドの骨格中に組み込む方法であり、十分に反応させるためには、反応押出に適したスクリューを用い、L/Dの大きい2軸押出機を用いるのが好ましい。少量の三級水素含有カルボン酸成分を含むポリアミド樹脂(A)を製造する場合に、簡便な方法であり好適である。
その他に、三級水素含有カルボン酸成分共重合させたポリアミド樹脂(A)を製造する方法として、反応押出法がある。この方法は、ジアミン成分及びジカルボン酸成分からなるポリアミド(ポリアミド樹脂(A)の前駆体に相当するポリアミド)を上述のいずれの方法によりあらかじめ製造しておき、その後に三級水素含有カルボン酸成分を押出機で溶融混練して反応させる方法である。三級水素含有カルボン酸成分をアミド交換反応により、ポリアミドの骨格中に組み込む方法であり、十分に反応させるためには、反応押出に適したスクリューを用い、L/Dの大きい2軸押出機を用いるのが好ましい。少量の三級水素含有カルボン酸成分を含むポリアミド樹脂(A)を製造する場合に、簡便な方法であり好適である。
[重合度を高める工程]
上記重縮合方法で製造されたポリアミド樹脂(A)は、そのまま使用することもできるが、更に重合度を高めるための工程を経てもよい。更に重合度を高める工程としては、押出機内での反応押出や固相重合等が挙げられる。固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミド樹脂(A)の固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
上記重縮合方法で製造されたポリアミド樹脂(A)は、そのまま使用することもできるが、更に重合度を高めるための工程を経てもよい。更に重合度を高める工程としては、押出機内での反応押出や固相重合等が挙げられる。固相重合で用いられる加熱装置としては、連続式の加熱乾燥装置やタンブルドライヤー、コニカルドライヤー、ロータリードライヤー等と称される回転ドラム式の加熱装置およびナウタミキサーと称される内部に回転翼を備えた円錐型の加熱装置が好適に使用できるが、これらに限定されることなく公知の方法、装置を使用することができる。特にポリアミド樹脂(A)の固相重合を行う場合は、上述の装置の中で回転ドラム式の加熱装置が、系内を密閉化でき、着色の原因となる酸素を除去した状態で重縮合を進めやすいことから好ましく用いられる。
[リン原子含有化合物、アルカリ金属化合物]
ポリアミド樹脂(A)の重縮合においては、アミド化反応を促進する観点から、リン原子含有化合物を添加することが好ましい。
リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のホスフィン酸化合物;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸エチル等のジ亜リン酸化合物;ホスホン酸、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸リチウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム等のホスホン酸化合物;亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ナトリウム、亜ホスホン酸リチウム、亜ホスホン酸カリウム、亜ホスホン酸マグネシウム、亜ホスホン酸カルシウム、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル等の亜ホスホン酸化合物;亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等の亜リン酸化合物等が挙げられる。
これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩が、アミド化反応を促進する効果が高くかつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。なお、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
リン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中のリン原子濃度換算で0.1〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜600ppmであり、更に好ましくは5〜400ppmである。0.1ppm以上であれば、重合中にポリアミド樹脂(A)が着色しにくく透明性が高くなる。1000ppm以下であれば、ポリアミド樹脂(A)がゲル化しにくく、また、リン原子含有化合物に起因すると考えられるフィッシュアイの成形品中への混入も低減でき、成形品の外観が良好となる。
ポリアミド樹脂(A)の重縮合においては、アミド化反応を促進する観点から、リン原子含有化合物を添加することが好ましい。
リン原子含有化合物としては、ジメチルホスフィン酸、フェニルメチルホスフィン酸等のホスフィン酸化合物;次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸エチル等のジ亜リン酸化合物;ホスホン酸、ホスホン酸ナトリウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸リチウム、ホスホン酸カリウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、フェニルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホン酸ナトリウム、フェニルホスホン酸カリウム、フェニルホスホン酸リチウム、フェニルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸ナトリウム、エチルホスホン酸カリウム等のホスホン酸化合物;亜ホスホン酸、亜ホスホン酸ナトリウム、亜ホスホン酸リチウム、亜ホスホン酸カリウム、亜ホスホン酸マグネシウム、亜ホスホン酸カルシウム、フェニル亜ホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸ナトリウム、フェニル亜ホスホン酸カリウム、フェニル亜ホスホン酸リチウム、フェニル亜ホスホン酸エチル等の亜ホスホン酸化合物;亜リン酸、亜リン酸水素ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸リチウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、ピロ亜リン酸等の亜リン酸化合物等が挙げられる。
これらの中でも特に次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等の次亜リン酸金属塩が、アミド化反応を促進する効果が高くかつ着色防止効果にも優れるため好ましく用いられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好ましい。なお、本発明で使用できるリン原子含有化合物はこれらの化合物に限定されない。
リン原子含有化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中のリン原子濃度換算で0.1〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜600ppmであり、更に好ましくは5〜400ppmである。0.1ppm以上であれば、重合中にポリアミド樹脂(A)が着色しにくく透明性が高くなる。1000ppm以下であれば、ポリアミド樹脂(A)がゲル化しにくく、また、リン原子含有化合物に起因すると考えられるフィッシュアイの成形品中への混入も低減でき、成形品の外観が良好となる。
また、ポリアミド樹脂(A)の重縮合系内には、リン原子含有化合物と併用してアルカリ金属化合物を添加することが好ましい。重縮合中のポリアミド樹脂(A)の着色を防止するためには十分な量のリン原子含有化合物を存在させる必要があるが、場合によってはポリアミド樹脂(A)のゲル化を招くおそれがあるため、アミド化反応速度を調整するためにもアルカリ金属化合物を共存させることが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等が好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。なお、リン原子含有化合物とアルカリ金属化合物の比率(モル比)は、重合速度制御の観点や、黄色度を低減する観点から、リン原子含有化合物/アルカリ金属化合物=1.0/0.05〜1.0/1.5の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0/0.1〜1.0/1.2、更に好ましくは、1.0/0.2〜1.0/1.1である。
アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等が好ましい。本発明で用いることのできるアルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムメトキシド、リチウムメトキシド、炭酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの化合物に限定されることなく用いることができる。なお、リン原子含有化合物とアルカリ金属化合物の比率(モル比)は、重合速度制御の観点や、黄色度を低減する観点から、リン原子含有化合物/アルカリ金属化合物=1.0/0.05〜1.0/1.5の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0/0.1〜1.0/1.2、更に好ましくは、1.0/0.2〜1.0/1.1である。
1−3.添加剤(C))
本発明の多層容器は、前述したポリアミド樹脂(A)以外に、必要に応じて更に添加剤(C)を含有してもよい。添加剤(C)は1種であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。ポリアミド樹脂(A)中における添加剤(C)の含有量は、添加剤の種類にもよるが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
本発明の多層容器は、前述したポリアミド樹脂(A)以外に、必要に応じて更に添加剤(C)を含有してもよい。添加剤(C)は1種であってもよいし、2種以上の組合せであってもよい。ポリアミド樹脂(A)中における添加剤(C)の含有量は、添加剤の種類にもよるが、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
[白化防止剤]
本発明においては、熱水処理後や長時間の経時後の白化抑制として、ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物をポリアミド樹脂(A)に添加することが好ましい。ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物は、オリゴマーの析出による白化の抑制に効果がある。ジアミド化合物とジエステル化合物を単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明においては、熱水処理後や長時間の経時後の白化抑制として、ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物をポリアミド樹脂(A)に添加することが好ましい。ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物は、オリゴマーの析出による白化の抑制に効果がある。ジアミド化合物とジエステル化合物を単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明に用いられるジアミド化合物としては、炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。又、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が30以下、ジアミンの炭素数が10以下でポリアミド樹脂(A)中への均一分散が良好となる。脂肪族ジカルボン酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。ジアミド化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。前記ジアミンとしては、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジアミド化合物が好ましい。
炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または、主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましく、特に好ましくは主としてステアリン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物である。
炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物、または、主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジアミンから得られるジアミド化合物が好ましく、特に好ましくは主としてステアリン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレンジアミンから成るジアミンから得られるジアミド化合物である。
本発明に用いられるジエステル化合物としては、炭素数8〜30の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10のジオールから得られるジエステル化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の炭素数が8以上、ジアミンの炭素数が2以上であると白化防止効果が期待できる。又、脂肪族ジカルボン酸の炭素数が30以下、ジオールの炭素数が10以下でポリアミド樹脂(A)中への均一分散が良好となる。脂肪族ジカルボン酸は側鎖や二重結合があってもよいが、直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が好ましい。ジエステル化合物は1種類でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。前記ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が好ましい。
特に好ましくは主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールから成るジオールから得られるジエステル化合物である。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、ステアリン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、モンタン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が例示できる。前記ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が例示できる。これらを組み合わせて得られるジエステル化合物が好ましい。
特に好ましくは主としてモンタン酸から成る脂肪族ジカルボン酸と主としてエチレングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールから成るジオールから得られるジエステル化合物である。
本発明において、ジアミド化合物及び/又はジエステル化合物の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは0.005〜0.5質量%、より好ましくは0.05〜0.5質量%、さらに好ましくは0.12〜0.5質量%である。ポリアミド樹脂(A)中に0.005質量%以上添加し、かつ結晶化核剤と併用することにより白化防止の相乗効果が期待できる。また、添加量がポリアミド樹脂(A)中に0.5質量%以下であると、本発明のポリアミド樹脂(A)を成形して得られる成形体の曇値を低く保つことが可能となる。
[層状珪酸塩]
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は層状珪酸塩を含有してもよい。層状珪酸塩を添加することで、多層フィルムに酸素ガスバリア性だけでなく、炭酸ガス等のガスに対するバリア性を付与することができる。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)は層状珪酸塩を含有してもよい。層状珪酸塩を添加することで、多層フィルムに酸素ガスバリア性だけでなく、炭酸ガス等のガスに対するバリア性を付与することができる。
層状珪酸塩は、0.25〜0.6の電荷密度を有する2−八面体型や3−八面体型の層状珪酸塩であり、2−八面体型としては、モンモリロナイト、バイデライト等、3−八面体型としてはヘクトライト、サボナイト等が挙げられる。これらの中でも、モンモリロナイトが好ましい。
層状珪酸塩は、高分子化合物や有機系化合物等の有機膨潤化剤を予め層状珪酸塩に接触させて、層状珪酸塩の層間を拡げたものとすることが好ましい。有機膨潤化剤として、第4級アンモニウム塩が好ましく使用できるが、好ましくは、炭素数12以上のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも一つ以上有する第4級アンモニウム塩が用いられる。
有機膨潤化剤の具体例として、トリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、トリメチルエイコシルアンモニウム塩等のトリメチルアルキルアンモニウム塩;トリメチルオクタデセニルアンモニウム塩、トリメチルオクタデカジエニルアンモニウム塩等のトリメチルアルケニルアンモニウム塩;トリエチルドデシルアンモニウム塩、トリエチルテトラデシルアンモニウム塩、トリエチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリエチルオクタデシルアンモニウム等のトリエチルアルキルアンモニウム塩;トリブチルドデシルアンモニウム塩、トリブチルテトラデシルアンモニウム塩、トリブチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリブチルオクタデシルアンモニウム塩等のトリブチルアルキルアンモニウム塩;ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩等のジメチルジアルキルアンモニウム塩;ジメチルジオクタデセニルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウム塩等のジメチルジアルケニルアンモニウム塩;ジエチルジドデジルアンモニウム塩、ジエチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジエチルジオクタデシルアンモニウム等のジエチルジアルキルアンモニウム塩;ジブチルジドデシルアンモニウム塩、ジブチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジブチルジオクタデシルアンモニウム塩等のジブチルジアルキルアンモニウム塩;メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のメチルベンジルジアルキルアンモニウム塩;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウム塩等のジベンジルジアルキルアンモニウム塩;トリドデシルメチルアンモニウム塩、トリテトラデシルメチルアンモニウム塩、トリオクタデシルメチルアンモニウム塩等のトリアルキルメチルアンモニウム塩;トリドデシルエチルアンモニウム塩等のトリアルキルエチルアンモニウム塩;トリドデシルブチルアンモニウム塩等のトリアルキルブチルアンモニウム塩;4−アミノ−n−酪酸、6−アミノ−n−カプロン酸、8−アミノカプリル酸、10−アミノデカン酸、12−アミノドデカン酸、14−アミノテトラデカン酸、16−アミノヘキサデカン酸、18−アミノオクタデカン酸等のω−アミノ酸等が挙げられる。また、水酸基及び/又はエーテル基含有のアンモニウム塩、中でも、メチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、エチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ブチルジアルキル(PAG)アンモニウム塩、ジメチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジエチルビス(PAG)アンモニウム塩、ジブチルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、エチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、ブチルアルキルビス(PAG)アンモニウム塩、メチルトリ(PAG)アンモニウム塩、エチルトリ(PAG)アンモニウム塩、ブチルトリ(PAG)アンモニウム塩、テトラ(PAG)アンモニウム塩(ただし、アルキルはドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル等の炭素数12以上のアルキル基を表し、PAGはポリアルキレングリコール残基、好ましくは、炭素数20以下のポリエチレングリコール残基またはポリプロピレングリコール残基を表す)等の少なくとも一のアルキレングリコール残基を含有する4級アンモニウム塩も有機膨潤化剤として使用することができる。中でもトリメチルドデシルアンモニウム塩、トリメチルテトラデシルアンモニウム塩、トリメチルヘキサデシルアンモニウム塩、トリメチルオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジドデシルアンモニウム塩、ジメチルジテトラデシルアンモニウム塩、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩、ジメチルジタロウアンモニウム塩が好ましい。なお、これらの有機膨潤化剤は、単独でも複数種類の混合物としても使用できる。
本発明では、有機膨潤化剤で処理した層状珪酸塩をポリアミド樹脂(A)中に0.5〜8質量%添加したものが好ましく用いられ、より好ましくは1〜6質量%、更に好ましくは2〜5質量%である。層状珪酸塩の添加量が0.5質量%以上であればガスバリア性の改善効果が十分に得られ、8質量%以下であればポリアミド樹脂(A)の柔軟性が悪化することによるピンホールの発生等の問題が生じにくい。
ポリアミド樹脂(A)において、層状珪酸塩は局所的に凝集することなく均一に分散していることが好ましい。ここでいう均一分散とは、ポリアミド樹脂(A)中において層状珪酸塩が平板状に分離し、それらの50%以上が5nm以上の層間距離を有することをいう。ここで層間距離とは平板状物の重心間距離のことをいう。この距離が大きい程分散状態が良好となり、透明性等の外観が良好で、かつ酸素、炭酸ガス等のガスバリア性を向上させることができる。
[酸化反応促進剤]
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を更に高めるために、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の酸化反応促進剤を添加してもよい。酸化反応促進剤はポリアミド樹脂(A)が有する酸素吸収性能を促進することで、ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を高めることができる。酸化反応促進剤としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属、銅や銀等の第I族金属、スズ、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等の第VI族、マンガン等の第VII族の金属の低価数の無機酸塩もしくは有機酸塩、又は上記遷移金属の錯塩を例示することができる。これらの中でも、酸素反応促進効果に優れるコバルト塩やコバルト塩とマンガン塩との組合せが好ましい。
本発明において、酸素反応促進剤の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは金属原子濃度として10〜800ppm、より好ましくは50〜600ppm、さらに好ましくは100〜400ppmである。
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を更に高めるために、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の酸化反応促進剤を添加してもよい。酸化反応促進剤はポリアミド樹脂(A)が有する酸素吸収性能を促進することで、ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を高めることができる。酸化反応促進剤としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属、銅や銀等の第I族金属、スズ、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等の第VI族、マンガン等の第VII族の金属の低価数の無機酸塩もしくは有機酸塩、又は上記遷移金属の錯塩を例示することができる。これらの中でも、酸素反応促進効果に優れるコバルト塩やコバルト塩とマンガン塩との組合せが好ましい。
本発明において、酸素反応促進剤の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは金属原子濃度として10〜800ppm、より好ましくは50〜600ppm、さらに好ましくは100〜400ppmである。
[酸素吸収剤]
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を更に高めるために、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の酸素吸収剤を添加してもよい。酸素吸収剤はポリアミド樹脂(A)が有する酸素吸収性能と別にポリアミド樹脂(A)に酸素吸収性能を付与することで、ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を高めることができる。酸化反応促進剤としては、ビタミンCやビタミンE、ブタジエンやイソプレン、シクロヘキサノンのように分子内に炭素−炭素二重結合をもつ化合物に代表される酸化性有機化合物を例示することできる。
本発明において、酸素吸収剤の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を更に高めるために、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の酸素吸収剤を添加してもよい。酸素吸収剤はポリアミド樹脂(A)が有する酸素吸収性能と別にポリアミド樹脂(A)に酸素吸収性能を付与することで、ポリアミド樹脂(A)の酸素吸収性能を高めることができる。酸化反応促進剤としては、ビタミンCやビタミンE、ブタジエンやイソプレン、シクロヘキサノンのように分子内に炭素−炭素二重結合をもつ化合物に代表される酸化性有機化合物を例示することできる。
本発明において、酸素吸収剤の添加量は、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.5〜3質量%である。
[ゲル化防止・フィッシュアイ低減剤]
本発明においては、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよびそれらの誘導体から選択される1種以上のカルボン酸塩類を添加することが好ましい。ここで該誘導体としては、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム等の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩等が挙げられる。前記カルボン酸塩類を添加することで、成形加工中に起こるポリアミド樹脂(A)のゲル化防止や成形体中のフィッシュアイを低減することができ、成形加工の適性が向上する。
本発明においては、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウムおよびそれらの誘導体から選択される1種以上のカルボン酸塩類を添加することが好ましい。ここで該誘導体としては、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム等の12−ヒドロキシステアリン酸金属塩等が挙げられる。前記カルボン酸塩類を添加することで、成形加工中に起こるポリアミド樹脂(A)のゲル化防止や成形体中のフィッシュアイを低減することができ、成形加工の適性が向上する。
前記カルボン酸塩類の添加量としては、ポリアミド樹脂(A)中の濃度として、好ましくは400〜10000ppm、より好ましくは800〜5000ppm、更に好ましくは1000〜3000ppmである。400ppm以上であれば、ポリアミド樹脂(A)の熱劣化を抑制でき、ゲル化を防止できる。また、10000ppm以下であれば、ポリアミド樹脂(A)が成形不良を起こさず、着色や白化することもない。溶融したポリアミド樹脂(A)中に塩基性物質であるカルボン酸塩類が存在すると、ポリアミド樹脂(A)の熱による変性が遅延し、最終的な変性物と考えられるゲルの生成を抑制すると推測される。
なお、前述のカルボン酸塩類はハンドリング性に優れ、この中でもステアリン酸金属塩は安価である上、滑剤としての効果を有しており、成形加工をより安定化することができるため好ましい。更に、カルボン酸塩類の形状に特に制限はないが、粉体でかつその粒径が小さい方が乾式混合する場合、ポリアミド樹脂(A)中に均一に分散させることが容易であるため、その粒径は0.2mm以下が好ましい。
さらに、より効果的なゲル化防止、フィッシュアイ低減、更にはコゲ防止処方として、1g当たりの金属塩濃度が高い酢酸ナトリウムを用いることが好ましい。酢酸ナトリウムを用いる場合、ポリアミド樹脂(A)と乾式混合して成形加工してもよいが、ハンドリング性や酢酸臭の低減等の観点から、ポリアミド樹脂(A)と酢酸ナトリウムとからなるマスターバッチを、ポリアミド樹脂(A)と乾式混合して成形加工することが好ましい。マスターバッチに用いる酢酸ナトリウムは、ポリアミド樹脂(A)に均一に分散させることが容易であるため、その粒系は、0.2mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。
なお、前述のカルボン酸塩類はハンドリング性に優れ、この中でもステアリン酸金属塩は安価である上、滑剤としての効果を有しており、成形加工をより安定化することができるため好ましい。更に、カルボン酸塩類の形状に特に制限はないが、粉体でかつその粒径が小さい方が乾式混合する場合、ポリアミド樹脂(A)中に均一に分散させることが容易であるため、その粒径は0.2mm以下が好ましい。
さらに、より効果的なゲル化防止、フィッシュアイ低減、更にはコゲ防止処方として、1g当たりの金属塩濃度が高い酢酸ナトリウムを用いることが好ましい。酢酸ナトリウムを用いる場合、ポリアミド樹脂(A)と乾式混合して成形加工してもよいが、ハンドリング性や酢酸臭の低減等の観点から、ポリアミド樹脂(A)と酢酸ナトリウムとからなるマスターバッチを、ポリアミド樹脂(A)と乾式混合して成形加工することが好ましい。マスターバッチに用いる酢酸ナトリウムは、ポリアミド樹脂(A)に均一に分散させることが容易であるため、その粒系は、0.2mm以下が好ましく、0.1mm以下がより好ましい。
[酸化防止剤]
本発明においては、酸素吸収性能を制御する観点や機械物性低下を抑える観点から酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、銅系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等を例示することができ、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
本発明においては、酸素吸収性能を制御する観点や機械物性低下を抑える観点から酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、銅系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤等を例示することができ、中でもヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2−チオビス(4−メチル−6−1−ブチルフェノール)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルスルホン酸エチルカルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、オクチル化ジフェニルアミン、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール、イソオクチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−T−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−sec−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、d−α−トコフェロール等が挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。ヒンダードフェノール化合物の市販品の具体例としては、BASF社製のIrganox1010やIrganox1098が挙げられる(いずれも商品名)。
リン系酸化防止剤の具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の有機リン化合物が挙げられる。これらは単独であるいはこれらの混合物で用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、組成物の各種性能を損なわない範囲であれば特に制限無く使用できるが、酸素吸収性能を制御する観点や機械物性低下を抑える観点から、ポリアミド樹脂(A)中に好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.01〜1質量%である。
[その他の添加剤]
ポリアミド樹脂(A)には、要求される用途や性能に応じて、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、結晶化核剤等の添加剤を添加させてもよい。これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができる。
ポリアミド樹脂(A)には、要求される用途や性能に応じて、滑剤、艶消剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、着色防止剤、結晶化核剤等の添加剤を添加させてもよい。これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて添加することができる。
2.熱可塑性樹脂(B)を主成分とする外層(Y)
本発明における印刷インキ用多層容器を構成する外層(Y)は、熱可塑性樹脂(B)を主成分とする層である。ここで、「主成分とする」とは、外層(Y)中に、熱可塑性樹脂(B)を70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90〜100質量%含まれることを意味する。外層(Y))は、熱可塑性樹脂(B)に加えて、所望する性能等に応じて、前記添加剤(C)を含んでいてもよい。
本発明の印刷インキ用多層容器において、外層(Y)はガスバリア層(X)よりも外側に配置していればよい。また外層(Y)を複数有していてもよく、複数の外層(Y)の構成は互いに同一であっても異なっていてもよい。
外層(Y)の厚みは、用途に応じて適宜決定することができ、印刷インキ用多層容器に要求される容器強度・ガスバリア性・耐印刷インキ性等の諸物性を確保するという観点からは、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μm、更に好ましくは50〜150μmである。
本発明における印刷インキ用多層容器を構成する外層(Y)は、熱可塑性樹脂(B)を主成分とする層である。ここで、「主成分とする」とは、外層(Y)中に、熱可塑性樹脂(B)を70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90〜100質量%含まれることを意味する。外層(Y))は、熱可塑性樹脂(B)に加えて、所望する性能等に応じて、前記添加剤(C)を含んでいてもよい。
本発明の印刷インキ用多層容器において、外層(Y)はガスバリア層(X)よりも外側に配置していればよい。また外層(Y)を複数有していてもよく、複数の外層(Y)の構成は互いに同一であっても異なっていてもよい。
外層(Y)の厚みは、用途に応じて適宜決定することができ、印刷インキ用多層容器に要求される容器強度・ガスバリア性・耐印刷インキ性等の諸物性を確保するという観点からは、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μm、更に好ましくは50〜150μmである。
2−1.熱可塑性樹脂(B)
本発明において、熱可塑性樹脂(B)としては任意の樹脂を使用することができ、特に限定されない。熱可塑性樹脂(B)としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び植物由来樹脂を挙げることができる。本発明において熱可塑性樹脂(B)としては、これら樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂(B)としては任意の樹脂を使用することができ、特に限定されない。熱可塑性樹脂(B)としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体及び植物由来樹脂を挙げることができる。本発明において熱可塑性樹脂(B)としては、これら樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
[ポリオレフィン]
ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のその他のエチレン共重合体;これらのポリオレフィンを無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン等を挙げることができる。
ポリオレフィンの具体例としては、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のオレフィン単独重合体;エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ポリブテン−1共重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体等のエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体等のエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−α,β−不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のその他のエチレン共重合体;これらのポリオレフィンを無水マレイン酸等の酸無水物等でグラフト変性したグラフト変性ポリオレフィン等を挙げることができる。
[ポリエステル]
本発明において、ポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種又は二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種又は二種以上とから成るもの、又はヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体からなるもの、又は環状エステルからなるものをいう。
本発明において、ポリエステルとは、ジカルボン酸を含む多価カルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体から選ばれる一種又は二種以上とグリコールを含む多価アルコールから選ばれる一種又は二種以上とから成るもの、又はヒドロキシカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体からなるもの、又は環状エステルからなるものをいう。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、テトラデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、3−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、ダイマー酸等に例示される飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等に例示される不飽和脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等に例示される芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホテレフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル酸、2−リチウムスルホテレフタル酸、5−カリウムスルホイソフタル酸、2−カリウムスルホテレフタル酸等に例示される金属スルホネート基含有芳香族ジカルボン酸又はそれらの低級アルキルエステル誘導体等が挙げられる。
上記のジカルボン酸のなかでも、特に、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸の使用が、得られるポリエステルの物理特性等の点で好ましく、必要に応じて他のジカルボン酸を共重合してもよい。
これらジカルボン酸以外の多価カルボン酸として、エタントリカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
グリコールとしてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール、1,10−デカメチレングリコール、1,12−ドデカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等に例示される脂肪族グリコール、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビスフェノ−ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、ビスフェノールC、2,5−ナフタレンジオール、これらのグリコールにエチレンオキシドが付加されたグリコール等に例示される芳香族グリコールが挙げられる。
上記のグリコールのなかでも、特に、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを主成分として使用することが好適である。これらグリコール以外の多価アルコールとして、トリメチロールメタン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセロ−ル、ヘキサントリオール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸、又はこれらのエステル形成性誘導体等が挙げられる。
環状エステルとしては、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、グリコリド、ラクチド等が挙げられる。
多価カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体としては、これらのアルキルエステル、酸クロライド、酸無水物等が例示される。
本発明で用いられるポリエステルとしては、主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体もしくはナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であり、主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルが好ましい。
主たる酸成分がテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルとは、全酸成分に対してテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。主たる酸成分がナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体であるポリエステルも同様に、ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。
本発明で用いられるナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、上述のジカルボン酸類に例示した1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、またはこれらのエステル形成性誘導体が好ましい。
主たるグリコール成分がアルキレングリコールであるポリエステルとは、全グリコール成分に対してアルキレングリコールを合計して70モル%以上含有するポリエステルであることが好ましく、より好ましくは80モル%以上含有するポリエステルであり、さらに好ましくは90モル%以上含有するポリエステルである。ここで言うアルキレングリコールは、分子鎖中に置換基や脂環構造を含んでいてもよい。
上記テレフタル酸/エチレングリコール以外の共重合成分は、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが、透明性と成形性とを両立する上で好ましく、特にイソフタル酸、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることがより好ましい。
本発明に用いられるポリエステルの好ましい一例は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレンテレフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのはエチレンテレフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましい他の一例は、主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナフタレートから構成されるポリエステルであり、より好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましくはエチレン−2,6−ナフタレート単位を80モル%以上含む線状ポリエステルであり、特に好ましいのは、エチレン−2,6−ナフタレート単位を90モル%以上含む線状ポリエステルである。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、プロピレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、プロピレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、ブチレンナフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステル、またはブチレンテレフタレート単位を70モル%以上含む線状ポリエステルである。
特にポリエステル全体の組成として、テレフタル酸/イソフタル酸//エチレングリコールの組合せ、テレフタル酸//エチレングリコール/1,4−シクロヘキサンジメタノールの組合せ、テレフタル酸//エチレングリコール/ネオペンチルグリコールの組合せは透明性と成形性とを両立する上で好ましい。なお、当然ではあるが、エステル化(エステル交換)反応、重縮合反応中に、エチレングリコールの二量化により生じるジエチレングリコールを少量(5モル%以下)含んでもよいことは言うまでもない。
また本発明に用いられるポリエステルの好ましいその他の例としては、グリコール酸やグリコール酸メチルの重縮合もしくは、グリコリドの開環重縮合にて得られるポリグリコール酸が挙げられる。このポリグリコール酸には、ラクチド等の他成分を共重合しても構わない。
[ポリアミド]
本発明で使用するポリアミド(ここで言う“ポリアミド”は、本発明の“ポリアミド樹脂(A)”ではない)は、ラクタムもしくはアミノカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とするポリアミドや、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする脂肪族ポリアミド、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド等が挙げられ、必要に応じて、主構成単位以外のモノマー単位を共重合してもよい。
本発明で使用するポリアミド(ここで言う“ポリアミド”は、本発明の“ポリアミド樹脂(A)”ではない)は、ラクタムもしくはアミノカルボン酸から誘導される単位を主構成単位とするポリアミドや、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする脂肪族ポリアミド、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド、芳香族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸とから誘導される単位を主構成単位とする部分芳香族ポリアミド等が挙げられ、必要に応じて、主構成単位以外のモノマー単位を共重合してもよい。
前記ラクタムもしくはアミノカルボン酸としては、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸のような芳香族アミノカルボン酸等が使用できる。
前記脂肪族ジアミンとしては、炭素数2〜12の脂肪族ジアミンあるいはその機能的誘導体が使用できる。さらに、脂環族のジアミンであってもよい。脂肪族ジアミンは直鎖状の脂肪族ジアミンであっても分岐を有する鎖状の脂肪族ジアミンであってもよい。このような直鎖状の脂肪族ジアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンが挙げられる。また、脂環族ジアミンの具体例としては、シクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。
また、前記脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖状の脂肪族ジカルボン酸や脂環族ジカルボン酸が好ましく、さらに炭素数4〜12のアルキレン基を有する直鎖状脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。このような直鎖状脂肪族ジカルボン酸の例としては、アジピン酸、セバシン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン酸、ウンデカジオン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸およびこれらの機能的誘導体等を挙げることができる。脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラ−ビス(2−アミノエチル)ベンゼン等が挙げられる。
また、前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸およびその機能的誘導体等が挙げられる。
具体的なポリアミドとしては、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド10、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド4,6、ポリアミド6,6、ポリアミド6,10、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド6IT、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、イソフタル酸共重合ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6I)、ポリメタキシリレンセバカミド(ポリアミドMXD10)、ポリメタキシリレンドデカナミド(ポリアミドMXD12)、ポリ1,3−ビスアミノシクロヘキサンアジパミド(ポリアミドBAC6)、ポリパラキシリレンセバカミド(ポリアミドPXD10)等がある。より好ましいポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミドMXD6、ポリアミドMXD6Iが挙げられる。
また、前記ポリアミドの共重合成分として、少なくとも一つの末端アミノ基、もしくは末端カルボキシル基を有する数平均分子量が2000〜20000のポリエーテル、又は前記末端アミノ基を有するポリエーテルの有機カルボン酸塩、又は前記末端カルボキシル基を有するポリエーテルのアミノ塩を用いることもできる。具体的な例としては、ビス(アミノプロピル)ポリ(エチレンオキシド)(数平均分子量が2000〜20000のポリエチレングリコール)が挙げられる。
また、前記部分芳香族ポリアミドは、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3塩基以上の多価カルボン酸から誘導される構成単位を実質的に線状である範囲内で含有していてもよい。
前記ポリアミドは、基本的には従来公知の、水共存下での溶融重縮合法あるいは水不存在下の溶融重縮合法や、これらの溶融重縮合法で得られたポリアミドを更に固相重合する方法等によって製造することが出来る。溶融重縮合反応は1段階で行ってもよいし、また多段階に分けて行ってもよい。これらは回分式反応装置から構成されていてもよいし、また連続式反応装置から構成されていてもよい。また溶融重縮合工程と固相重合工程は連続的に運転してもよいし、分割して運転してもよい。
[エチレン−ビニルアルコール共重合体]
本発明で使用されるエチレンビニルアルコール共重合体としては、特に限定されないが、好ましくはエチレン含量15〜60モル%、更に好ましくは20〜55モル%、より好ましくは29〜44モル%であり、酢酸ビニル成分のケン化度が好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上のものである。
またエチレンビニルアルコール共重合体には、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいてもよい。
本発明で使用されるエチレンビニルアルコール共重合体としては、特に限定されないが、好ましくはエチレン含量15〜60モル%、更に好ましくは20〜55モル%、より好ましくは29〜44モル%であり、酢酸ビニル成分のケン化度が好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上のものである。
またエチレンビニルアルコール共重合体には、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩、部分アルキルエステル、完全アルキルエステル、ニトリル、アミド、無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいてもよい。
[植物由来樹脂]
植物由来樹脂の具体例としては、上記樹脂と重複する部分もあるが、特に限定されることなく公知の種々の石油以外を原料とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。
植物由来樹脂の具体例としては、上記樹脂と重複する部分もあるが、特に限定されることなく公知の種々の石油以外を原料とする脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂が挙げられる。脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂としては、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリエチレンサクシネート(PES)等のポリアルキレンアルカノエート等が挙げられる。
3.任意の層
本発明の印刷インキ用多層容器は、前記ガスバリア層(X)及び外層(Y)に加えて、所望する性能等に応じて任意の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着層、金属箔、金属蒸着層、易剥離層、易引裂層等が挙げられる。
本発明の印刷インキ用多層容器は、前記ガスバリア層(X)及び外層(Y)に加えて、所望する性能等に応じて任意の層を含んでいてもよい。そのような任意の層としては、例えば、接着層、金属箔、金属蒸着層、易剥離層、易引裂層等が挙げられる。
3−1.接着層
本発明の印刷インキ用多層容器において、隣接する2つの層の間で実用的な層間接着強度が得られない場合には、当該2つの層の間に接着剤層を設けることが好ましい。
接着層は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。接着層としては、接着性の観点から、外層(Y)に用いられている熱可塑性樹脂(B)と同種の樹脂を変性したものを用いることが好ましい。
接着層の厚みは、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜90μm、更に好ましくは10〜80μmである。
本発明の印刷インキ用多層容器において、隣接する2つの層の間で実用的な層間接着強度が得られない場合には、当該2つの層の間に接着剤層を設けることが好ましい。
接着層は、接着性を有する熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。接着層としては、接着性の観点から、外層(Y)に用いられている熱可塑性樹脂(B)と同種の樹脂を変性したものを用いることが好ましい。
接着層の厚みは、実用的な接着強度を発揮しつつ成形加工性を確保するという観点から、好ましくは2〜100μm、より好ましくは5〜90μm、更に好ましくは10〜80μmである。
3−2.金属箔・金属蒸着層及び有機−無機膜
本発明の印刷インキ用多層容器は、ガスバリア性及び遮光性の観点から、金属箔、金属蒸着層及び有機−無機膜を含んでいてもよい。
金属箔としては、アルミニウム箔が好ましい。金属箔の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは3〜50μm、より好ましくは3〜30μm、更に好ましくは5〜15μmである。
金属蒸着層としては、アルミニウムやアルミナ等の金属又は金属酸化物膜が蒸着された樹脂フィルム等を用いることができる。蒸着膜の形成方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、PECVD等の化学蒸着法等が挙げられる。蒸着膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは5〜500nm、より好ましくは5〜200nmである。
有機−無機膜層としては、ゾルゲル法などから作成されるシリカ−ポリビニルアルコールハイブリッド膜等がコーティングされた樹脂フィルム等を用いることができる。コーティング膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは100nm〜50μm、より好ましくは1〜15μmである。
本発明の印刷インキ用多層容器は、ガスバリア性及び遮光性の観点から、金属箔、金属蒸着層及び有機−無機膜を含んでいてもよい。
金属箔としては、アルミニウム箔が好ましい。金属箔の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは3〜50μm、より好ましくは3〜30μm、更に好ましくは5〜15μmである。
金属蒸着層としては、アルミニウムやアルミナ等の金属又は金属酸化物膜が蒸着された樹脂フィルム等を用いることができる。蒸着膜の形成方法は特に限定されず、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法や、PECVD等の化学蒸着法等が挙げられる。蒸着膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは5〜500nm、より好ましくは5〜200nmである。
有機−無機膜層としては、ゾルゲル法などから作成されるシリカ−ポリビニルアルコールハイブリッド膜等がコーティングされた樹脂フィルム等を用いることができる。コーティング膜の厚みは、ガスバリア性、遮光性及び耐屈曲性等の観点から、好ましくは100nm〜50μm、より好ましくは1〜15μmである。
4.印刷インキ用多層容器の成形方法
本発明の印刷インキ用多層容器の成形方法には、公知の成形法を用いることができる。
例えば、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いて押出成形を行うことで多層フィルム、多層シート、多層パリソン又は多層パイプ等が成形できる。
また、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、同時射出法や逐次射出法等の共射出成形によりボトル成型用の多層プリフォームを製造することができる。このような多層フィルム、パリソン、プリフォームをさらに加工することにより、印刷インキ用多層容器を得ることができる。
フィルム等の成形体は、種々の形態のパウチや、トレイ・カップの蓋材として印刷インキを収納することができる。パウチとしては、例えば、三方又は四方シールの平パウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等が挙げられる。製袋は公知の製袋法で行うことができる。また、フィルム又はシートを、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得られる。
多層フィルムや多層シートの製造には、押出コート法や、サンドイッチラミネーションを用いることができる。また、予め形成された単層及び多層フィルムをドライラミネーションによって積層することもできる。例えば、熱可塑性樹脂層/酸素吸収層/熱可塑性樹脂(シーラント)層から成る3層共押出フィルムに透明蒸着フィルムをドライラミネーションにより積層する、ドライラミネートにより積層した2軸延伸PETフィルム/アルミ箔の2層フィルムに酸素吸収層/シーラント層の2層をアンカー剤を介して押出コートする、又はドライラミネートにより積層したバリアコーティングフィルム/ポリエチレンの2層フィルムにポリエチレン単層フィルムをポリエチレンベースの酸素吸収性樹脂組成物を介してサンドイッチラミネーションする方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の印刷インキ用多層容器の成形方法には、公知の成形法を用いることができる。
例えば、樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いて押出成形を行うことで多層フィルム、多層シート、多層パリソン又は多層パイプ等が成形できる。
また、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、同時射出法や逐次射出法等の共射出成形によりボトル成型用の多層プリフォームを製造することができる。このような多層フィルム、パリソン、プリフォームをさらに加工することにより、印刷インキ用多層容器を得ることができる。
フィルム等の成形体は、種々の形態のパウチや、トレイ・カップの蓋材として印刷インキを収納することができる。パウチとしては、例えば、三方又は四方シールの平パウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋等が挙げられる。製袋は公知の製袋法で行うことができる。また、フィルム又はシートを、真空成形、圧空成形、張出成形、プラグアシスト成形等の手段に付することにより、カップ状、トレイ状等の包装容器が得られる。
多層フィルムや多層シートの製造には、押出コート法や、サンドイッチラミネーションを用いることができる。また、予め形成された単層及び多層フィルムをドライラミネーションによって積層することもできる。例えば、熱可塑性樹脂層/酸素吸収層/熱可塑性樹脂(シーラント)層から成る3層共押出フィルムに透明蒸着フィルムをドライラミネーションにより積層する、ドライラミネートにより積層した2軸延伸PETフィルム/アルミ箔の2層フィルムに酸素吸収層/シーラント層の2層をアンカー剤を介して押出コートする、又はドライラミネートにより積層したバリアコーティングフィルム/ポリエチレンの2層フィルムにポリエチレン単層フィルムをポリエチレンベースの酸素吸収性樹脂組成物を介してサンドイッチラミネーションする方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、パリソン、パイプ又はプリフォームを一対の割型でピンチオフし、その内部に流体を吹込むことにより容易にボトルやチューブを成形できる。また、パイプ、プリフォームを冷却した後、延伸温度に加熱し、軸方向に延伸すると共に、流体圧によって周方向にブロー延伸することにより、延伸ブローボトル等が得られる。
本発明の印刷インキ用多層容器は、容器壁を介して外部から透過してくる酸素を有効に遮断することができる。
さらに本発明の印刷インキ用多層容器として、ガスバリア層を構成するポリアミド樹脂(A)として三級水素含有カルボン酸単位を含有することで、外部からの酸素を遮蔽すると同時に容器内に残存した酸素を吸収することができる。そのため、容器内の酸素濃度を長期間低いレベルに保ち、内容物の酸素が係わる品質低下を防止し、シェルフライフを向上させる容器として有用である。
本発明の印刷インキ用多層容器は、容器壁を介して外部から透過してくる酸素を有効に遮断することができる。
さらに本発明の印刷インキ用多層容器として、ガスバリア層を構成するポリアミド樹脂(A)として三級水素含有カルボン酸単位を含有することで、外部からの酸素を遮蔽すると同時に容器内に残存した酸素を吸収することができる。そのため、容器内の酸素濃度を長期間低いレベルに保ち、内容物の酸素が係わる品質低下を防止し、シェルフライフを向上させる容器として有用である。
尚、本発明の多層容器は、種々の用途に使用できるが、特に印刷インキの用途に好ましい。即ち、印刷インキの場合には本発明の容器に充填されてから使用されるまでに数ヶ月〜年単位もかかる場合があるが、本発明の容器では、酸素遮断効果が高いためインキの変質を防ぐことが可能となる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂(A)の相対粘度、ガラス転移温度及び融点は以下の方法で測定した。
(1)相対粘度
ペレット状サンプル0.2gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0
ペレット状サンプル0.2gを精秤し、96%硫酸100mlに20〜30℃で撹拌溶解した。完全に溶解した後、速やかにキャノンフェンスケ型粘度計に溶液5mlを取り、25℃の恒温漕中で10分間放置後、落下時間(t)を測定した。また、96%硫酸そのものの落下時間(t0)も同様に測定した。t及びt0から次式により相対粘度を算出した。
相対粘度=t/t0
(2)ガラス転移温度及び融点
示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分で窒素気流下にDSC測定(示差走査熱量測定)を行い、ガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)を求めた。
示差走査熱量計((株)島津製作所製、商品名:DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分で窒素気流下にDSC測定(示差走査熱量測定)を行い、ガラス転移温度(Tg)及び融点(Tm)を求めた。
製造例1(ポリアミド樹脂1の製造)
撹拌機、分縮器、全縮器、圧力調整器、温度計、滴下槽及びポンプ、アスピレーター、窒素導入管、底排弁、ストランドダイを備えた内容積50Lの耐圧反応容器に、精秤したアジピン酸(旭化成ケミカルズ(株)製)13755g(94.15mol)、次亜リン酸ナトリウム11.7g(0.11mol)、酢酸ナトリウム6.06g(0.074mol)を入れ、十分に窒素置換した後、反応容器内を密閉し、容器内を0.4MPaに保ちながら撹拌下170℃まで昇温した。170℃に到達した後、反応容器内の溶融した原料へ滴下槽に貯めたメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製)12721.1g(93.39mol)の滴下を開始し、容器内を0.4MPaに保ちながら生成する縮合水を系外へ除きながら反応槽内を連続的に240℃まで昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、反応容器内を徐々に常圧に戻し、次いでアスピレーターを用いて反応槽内を80kPaに減圧して縮合水を除いた。減圧中に撹拌機の撹拌トルクを観察し、所定のトルクに達した時点で撹拌を止め、反応槽内を窒素で加圧し、底排弁を開け、ストランドダイからポリマーを抜き出してストランド化した後、冷却してペレタイザーによりペレット化した。次にこのペレットをステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、5rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から140℃まで昇温した。反応系内温度が140℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で180℃まで昇温した。系内温度が180℃に達した時点から、同温度にて180分間、固相重合反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出すことにより、MXDA/AA(N−MXD6)を得た。なお、各モノマーの仕込み組成比はメタキシリレンジアミン:アジピン酸=49.8:50.2(mol%)であった。
撹拌機、分縮器、全縮器、圧力調整器、温度計、滴下槽及びポンプ、アスピレーター、窒素導入管、底排弁、ストランドダイを備えた内容積50Lの耐圧反応容器に、精秤したアジピン酸(旭化成ケミカルズ(株)製)13755g(94.15mol)、次亜リン酸ナトリウム11.7g(0.11mol)、酢酸ナトリウム6.06g(0.074mol)を入れ、十分に窒素置換した後、反応容器内を密閉し、容器内を0.4MPaに保ちながら撹拌下170℃まで昇温した。170℃に到達した後、反応容器内の溶融した原料へ滴下槽に貯めたメタキシリレンジアミン(三菱ガス化学(株)製)12721.1g(93.39mol)の滴下を開始し、容器内を0.4MPaに保ちながら生成する縮合水を系外へ除きながら反応槽内を連続的に240℃まで昇温した。メタキシリレンジアミンの滴下終了後、反応容器内を徐々に常圧に戻し、次いでアスピレーターを用いて反応槽内を80kPaに減圧して縮合水を除いた。減圧中に撹拌機の撹拌トルクを観察し、所定のトルクに達した時点で撹拌を止め、反応槽内を窒素で加圧し、底排弁を開け、ストランドダイからポリマーを抜き出してストランド化した後、冷却してペレタイザーによりペレット化した。次にこのペレットをステンレス製の回転ドラム式の加熱装置に仕込み、5rpmで回転させた。十分窒素置換し、さらに少量の窒素気流下にて反応系内を室温から140℃まで昇温した。反応系内温度が140℃に達した時点で1torr以下まで減圧を行い、更に系内温度を110分間で180℃まで昇温した。系内温度が180℃に達した時点から、同温度にて180分間、固相重合反応を継続した。反応終了後、減圧を終了し窒素気流下にて系内温度を下げ、60℃に達した時点でペレットを取り出すことにより、MXDA/AA(N−MXD6)を得た。なお、各モノマーの仕込み組成比はメタキシリレンジアミン:アジピン酸=49.8:50.2(mol%)であった。
製造例2(ポリアミド樹脂2の製造)
ジカルボン酸成分をイソフタル酸(エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル(株)製)とアジピン酸の混合物に変更し、各モノマーの仕込み組成比を、メタキシリレンジアミン:アジピン酸:イソフタル酸=50.0:44.0:6.0(mol%)としたこと以外は製造例1と同様にしてMXDA/AA/IPA共重合体(ポリアミド樹脂2)を得た。
ジカルボン酸成分をイソフタル酸(エイ・ジイ・インタナショナル・ケミカル(株)製)とアジピン酸の混合物に変更し、各モノマーの仕込み組成比を、メタキシリレンジアミン:アジピン酸:イソフタル酸=50.0:44.0:6.0(mol%)としたこと以外は製造例1と同様にしてMXDA/AA/IPA共重合体(ポリアミド樹脂2)を得た。
製造例3(ポリアミド樹脂3の製造)
コモノマーとして、DL−アラニン((株)武蔵野化学研究所製)を使用し、メタキシリレンジアミン:アジピン酸:DL−アラニン=44.4:44.5:11.1(mol%)としたこと以外は製造例1と同様にしてMXDA/AA/DL−Ala共重合体(ポリアミド樹脂3)を得た。
コモノマーとして、DL−アラニン((株)武蔵野化学研究所製)を使用し、メタキシリレンジアミン:アジピン酸:DL−アラニン=44.4:44.5:11.1(mol%)としたこと以外は製造例1と同様にしてMXDA/AA/DL−Ala共重合体(ポリアミド樹脂3)を得た。
表1に、ポリアミド樹脂1〜3の仕込みモノマー組成、相対粘度、ガラス転移温度、融点の測定結果を示す。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜3において、上記ポリアミド樹脂1〜3を用いて多層容器を作製した。この多層容器に印刷インクを充填した後、容器変形の有無、印刷インキの色調変化、酸素透過率測定の評価を以下の方法で行った。結果を表2に示す。
(1)容器変形有無及び印刷インキの色調変化
得られた容器に、溶剤型(ノントルエン)グラビアインキ レアルカラー 紅(東洋インキ株式会社製)または植物油性枝葉インキ ナチュラリス100(DICグラフィックス株式会社製)をそれぞれ、各容器10個に充填し、40℃、50%RHの防爆型の恒温恒室槽にて、加速試験として6ヶ月間保存した。1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後の容器外観を観察し、容器変形の有無及び、インキの色調変化の有無を確認した。
得られた容器に、溶剤型(ノントルエン)グラビアインキ レアルカラー 紅(東洋インキ株式会社製)または植物油性枝葉インキ ナチュラリス100(DICグラフィックス株式会社製)をそれぞれ、各容器10個に充填し、40℃、50%RHの防爆型の恒温恒室槽にて、加速試験として6ヶ月間保存した。1ヵ月後、3ヵ月後、6ヵ月後の容器外観を観察し、容器変形の有無及び、インキの色調変化の有無を確認した。
(2−1)フィルムの酸素透過率(OTR)
フィルム容器は、フィルム容器の状態では、酸素透過率測定ができないため、フィルムの状態で測定を行った。酸素透過率測定装置(MOCON社製、型式:OX−TRAN2/21)を使用し、ASTM D3985に準じて、23℃、相対湿度60%の雰囲気下にて測定した。安定した時点の値を酸素透過率とした。
フィルム容器は、フィルム容器の状態では、酸素透過率測定ができないため、フィルムの状態で測定を行った。酸素透過率測定装置(MOCON社製、型式:OX−TRAN2/21)を使用し、ASTM D3985に準じて、23℃、相対湿度60%の雰囲気下にて測定した。安定した時点の値を酸素透過率とした。
(2−2)ボトル又はカップの酸素透過率(OTR)
23℃、容器外部の相対湿度50%、内部の相対湿度100%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて、成形後ボトル又はカップの酸素透過率を測定し、安定した時点の値を酸素透過率とした。測定は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX−TRAN 2−61)を使用した。測定値が低いほど酸素バリア性が良好であることを示す。
23℃、容器外部の相対湿度50%、内部の相対湿度100%の雰囲気下にてASTM D3985に準じて、成形後ボトル又はカップの酸素透過率を測定し、安定した時点の値を酸素透過率とした。測定は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、商品名:OX−TRAN 2−61)を使用した。測定値が低いほど酸素バリア性が良好であることを示す。
[スタンディングパウチ]
実施例1
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、巻き取り機等を備えた多層フィルム製造装置を用い、1台目及び3台目の押出機からナイロン6(N6)(宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン6、グレード:1022B)を250℃で、2台目の押出機からポリアミド樹脂1を250℃でそれぞれ押し出し、フィードブロックを介してナイロン6層/ポリアミド樹脂1層/ナイロン6層の2種3層構造の多層フィルム(A1)を製造した。なお、各層の厚みは、80/80/80(μm)とした。
次いで、バッチ式の2軸延伸機(東洋精機(株)製、センターストレッチ式二軸延伸機)を用いて、加熱温度120℃、延伸速度3000mm/min、熱固定温度190℃、熱固定時間30秒にて、縦4倍、横4倍に同時2軸延伸した多層二軸延伸フィルム(OA1)を得た。なお、延伸後の各層の厚みは、5/5/5(μm)となった。
得られた多層2軸延伸フィルムを12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム(東レフィルム加工(株)製、商品名:ZK93FM)、60μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)をウレタン系接着剤(三井化学(株)製、主剤:タケラックA505、硬化剤:タケネートA20、いずれも商品名)を用い、ドライラミネーターにて、(外層)OPET//OA1//CPP(内層)の構成でドライラミネートした。ドライラミネート後は、60℃の恒温槽で3日間保存した。
得られた多層フィルムは、ヒートシール機を用いて、縦200mm、横120mm、セット深さ40mmの多層スタンディングパウチを作成した。
実施例1
3台の押出機、フィードブロック、Tダイ、冷却ロール、巻き取り機等を備えた多層フィルム製造装置を用い、1台目及び3台目の押出機からナイロン6(N6)(宇部興産(株)製、商品名:UBEナイロン6、グレード:1022B)を250℃で、2台目の押出機からポリアミド樹脂1を250℃でそれぞれ押し出し、フィードブロックを介してナイロン6層/ポリアミド樹脂1層/ナイロン6層の2種3層構造の多層フィルム(A1)を製造した。なお、各層の厚みは、80/80/80(μm)とした。
次いで、バッチ式の2軸延伸機(東洋精機(株)製、センターストレッチ式二軸延伸機)を用いて、加熱温度120℃、延伸速度3000mm/min、熱固定温度190℃、熱固定時間30秒にて、縦4倍、横4倍に同時2軸延伸した多層二軸延伸フィルム(OA1)を得た。なお、延伸後の各層の厚みは、5/5/5(μm)となった。
得られた多層2軸延伸フィルムを12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム(東レフィルム加工(株)製、商品名:ZK93FM)、60μmの無延伸ポリプロピレン(CPP)をウレタン系接着剤(三井化学(株)製、主剤:タケラックA505、硬化剤:タケネートA20、いずれも商品名)を用い、ドライラミネーターにて、(外層)OPET//OA1//CPP(内層)の構成でドライラミネートした。ドライラミネート後は、60℃の恒温槽で3日間保存した。
得られた多層フィルムは、ヒートシール機を用いて、縦200mm、横120mm、セット深さ40mmの多層スタンディングパウチを作成した。
比較例1
ポリアミド樹脂1を用いず、N6のみの延伸フィルムを用い、(外層)OPET//N6//CPP(内層)からなる多層パウチを用いた以外は、実施例1と同様の方法で多層パウチを得た。
ポリアミド樹脂1を用いず、N6のみの延伸フィルムを用い、(外層)OPET//N6//CPP(内層)からなる多層パウチを用いた以外は、実施例1と同様の方法で多層パウチを得た。
[PPカップ]
実施例2
3台の押出機、フィードブロック、Tダイを備えた多層押出装置を用い、1台目の押出機からポリアミド樹脂2を250℃で、2台目の押出機からポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、商品名:ノバテック、グレード:FY6)を230℃で、3台目の押出機から接着性樹脂(三井化学(株)製、商品名:アドマー、グレード:QB515)を220℃で、それぞれ、30℃の冷却ロールに押出し、巻き取りした。ここで得られた多層シートは、外層からポリプロピレン層/接着性樹脂層/ポリアミド樹脂2層/接着性樹脂層/ポリプロピレン層の順に3種5層構造である。なお、各層の厚みは、300/10/60/10/300(μm)とした。
次いで、プラグアシストを備えた圧空真空成形機((株)浅野研究所製)を使用して、シート表面温度が170℃に達した時点で熱成形を行い、開口部79mm角×底部63mm×深さ25mm、表面積110cm2、容積100mlのポリプロピレン(PP)多層カップを作製した。
実施例2
3台の押出機、フィードブロック、Tダイを備えた多層押出装置を用い、1台目の押出機からポリアミド樹脂2を250℃で、2台目の押出機からポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、商品名:ノバテック、グレード:FY6)を230℃で、3台目の押出機から接着性樹脂(三井化学(株)製、商品名:アドマー、グレード:QB515)を220℃で、それぞれ、30℃の冷却ロールに押出し、巻き取りした。ここで得られた多層シートは、外層からポリプロピレン層/接着性樹脂層/ポリアミド樹脂2層/接着性樹脂層/ポリプロピレン層の順に3種5層構造である。なお、各層の厚みは、300/10/60/10/300(μm)とした。
次いで、プラグアシストを備えた圧空真空成形機((株)浅野研究所製)を使用して、シート表面温度が170℃に達した時点で熱成形を行い、開口部79mm角×底部63mm×深さ25mm、表面積110cm2、容積100mlのポリプロピレン(PP)多層カップを作製した。
比較例2
ポリアミド樹脂2を用いず、PP単層とした以外は、実施例2と同様の方法でPPカップを得た。
ポリアミド樹脂2を用いず、PP単層とした以外は、実施例2と同様の方法でPPカップを得た。
[PETボトル]
実施例3
下記の条件により、層(B)を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層(A)を構成する材料を別の射出シリンダーから、層(B)を構成する樹脂と同時に射出し、次に層(B)を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより、(B)/(A)/(B)の3層構成のインジェクション成形体(パリソン)(22.5g)を得た。なお、層(B)を構成する樹脂としては、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒を使用、測定温度:30℃)が0.83のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、商品名:BK−2180)を使用した。層(A)を構成する樹脂としては、製造例1で製造したポリアミド樹脂1を使用した。
得られたパリソンを冷却後、二次加工として、パリソンを加熱し2軸延伸ブロー成形を行うことでポリエチレン(PET)多層ボトルを製造した。得られたボトルの総質量に対する層(A)の質量は5質量%であった。
実施例3
下記の条件により、層(B)を構成する材料を射出シリンダーから射出し、次いで層(A)を構成する材料を別の射出シリンダーから、層(B)を構成する樹脂と同時に射出し、次に層(B)を構成する樹脂を必要量射出してキャビティーを満たすことにより、(B)/(A)/(B)の3層構成のインジェクション成形体(パリソン)(22.5g)を得た。なお、層(B)を構成する樹脂としては、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン=6/4(質量比)の混合溶媒を使用、測定温度:30℃)が0.83のポリエチレンテレフタレート(日本ユニペット(株)製、商品名:BK−2180)を使用した。層(A)を構成する樹脂としては、製造例1で製造したポリアミド樹脂1を使用した。
得られたパリソンを冷却後、二次加工として、パリソンを加熱し2軸延伸ブロー成形を行うことでポリエチレン(PET)多層ボトルを製造した。得られたボトルの総質量に対する層(A)の質量は5質量%であった。
(パリソンの形状)
全長95mm、外径22mm、肉厚2.7mm、外側層(B)胴部厚み1520μm、層(A)胴部厚み140μm、内側層(B)胴部厚み1040μmとした。なお、パリソンの製造には、射出成形機(名機製作所(株)製、型式:M200、4個取り)を使用した。
(パリソンの成形条件)
層(A)用の射出シリンダー温度:250℃
層(B)用の射出シリンダー温度:280℃
金型内樹脂流路温度:280℃
金型冷却水温度:15℃
全長95mm、外径22mm、肉厚2.7mm、外側層(B)胴部厚み1520μm、層(A)胴部厚み140μm、内側層(B)胴部厚み1040μmとした。なお、パリソンの製造には、射出成形機(名機製作所(株)製、型式:M200、4個取り)を使用した。
(パリソンの成形条件)
層(A)用の射出シリンダー温度:250℃
層(B)用の射出シリンダー温度:280℃
金型内樹脂流路温度:280℃
金型冷却水温度:15℃
(二次加工して得られたボトルの形状)
全長160mm、外径60mm、内容積370ml、肉厚0.28mm、外側層(B)胴部厚み152μm、層(A)胴部厚み14μm、内側層(B)胴部厚み114μmとした。延伸倍率は縦1.9倍、横2.7倍とした。底部形状はシャンパンタイプである。胴部にディンプルを有する。なお、二次加工には、ブロー成形機((株)フロンティア製、型式:EFB1000ET)を使用した。
(二次加工条件)
インジェクション成形体の加熱温度:100℃
延伸ロッド用圧力:0.5MPa
一次ブロー圧力:0.5MPa
二次ブロー圧力:2.4MPa
一次ブロー遅延時間:0.32sec
一次ブロー時間:0.30sec
二次ブロー時間:2.0sec
ブロー排気時間:0.6sec
金型温度:30℃
全長160mm、外径60mm、内容積370ml、肉厚0.28mm、外側層(B)胴部厚み152μm、層(A)胴部厚み14μm、内側層(B)胴部厚み114μmとした。延伸倍率は縦1.9倍、横2.7倍とした。底部形状はシャンパンタイプである。胴部にディンプルを有する。なお、二次加工には、ブロー成形機((株)フロンティア製、型式:EFB1000ET)を使用した。
(二次加工条件)
インジェクション成形体の加熱温度:100℃
延伸ロッド用圧力:0.5MPa
一次ブロー圧力:0.5MPa
二次ブロー圧力:2.4MPa
一次ブロー遅延時間:0.32sec
一次ブロー時間:0.30sec
二次ブロー時間:2.0sec
ブロー排気時間:0.6sec
金型温度:30℃
実施例4
層(A)を構成する樹脂を、製造例3で製造したポリアミド樹脂3に変更したこと以外はそれぞれ実施例3と同様にしてパリソン及びPET多層ボトルを製造した。
層(A)を構成する樹脂を、製造例3で製造したポリアミド樹脂3に変更したこと以外はそれぞれ実施例3と同様にしてパリソン及びPET多層ボトルを製造した。
比較例3
PETのみで構成した以外は、実施例3と同様にしてパリソン及びPETボトルを製造した。
PETのみで構成した以外は、実施例3と同様にしてパリソン及びPETボトルを製造した。
実施例1〜4に示すバリア性及び耐印刷インキ性の高いポリアミド樹脂1〜3を用いた多層容器は、酸素透過率が低く、長期間の保存において、容器の変形がなく、さらにインキの色調変化もほとんどないことが確認できた。特に、酸素吸収性能を有するポリアミド3では、色調変化がまったくみられなかった。一方、比較例1〜3では、長期間の保存で容器の変形やインキの色調変化が見られた。
本発明の印刷インキ用多層容器は、印刷インキ等を長時間充填しておいても、変質しにくく長時間充填保存できるとともに、使用後に焼却処理が可能であり、これまで長期間の保存に不適であったプラスチック容器に印刷インキの品質劣化することなく保存が可能となった。
Claims (7)
- 前記ジアミン単位が、メタキシリレンジアミン単位を70モル%以上含む、請求項1に記載の印刷インキ用多層容器。
- 前記直鎖脂肪族ジカルボン酸単位が、アジピン酸単位、セバシン酸単位、及び1,12−ドデカンジカルボン酸単位からなる群から選ばれる少なくとも1つを合計で50モル%以上含む、請求項1又は2のいずれかに記載の印刷インキ用多層容器。
- 前記一般式(III)におけるRが、置換もしくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基又は置換もしくは無置換の炭素数6〜10のアリール基である、請求項1〜4に記載の印刷インキ用多層容器。
- 外層(Y)を構成する熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれかに記載の印刷インキ用多層容器。
- パウチ、カップ、トレイ及びボトルから選ばれる少なくとも一種の中空容器である、請求項1〜6のいずれかに記載の印刷インキ用多層容器。
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