JP2013038532A - アレイアンテナ装置 - Google Patents

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Yuichi Shimayama
裕一 島山
Masahiko Ota
雅彦 太田
Takushi Saito
卓士 齋藤
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Abstract

【課題】バラン占有面積の問題やバランの挿入損失の問題を解消し、低消費電力化と小型化対応とに優れたアレイアンテナ装置を提供する。
【解決手段】180度の位相差を有する2つの入出力端子を備えた差動回路と、前記差動回路の2つの入出力端子にそれぞれ伝送線路を介して接続された、2ないし2グループのアンテナ素子とを含むアレイアンテナ装置であって、前記伝送線路における位相差をθ1とし、前記2ないし2グループのアンテナ素子のアンテナ平面内の互いの向きを違えて生じる位相差をθ2としたとき、前記位相差θ1及び/又は前記位相差θ2の組み合わせによって、前記2つの入出力端子から伝搬する伝送波の位相差をゼロとなるよう構成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、広く無線通信用アンテナ装置に関し、特に、無線通信用アレイアンテナ装置における差動回路及びアンテナ回路の接続構造に関する。
近年、60GHz帯を利用したWPAN等のアプリケーションや76GHz帯を利用した車載レーダなど、ミリ波帯と呼ばれる帯域を利用するアプリケーションが注目されており、この帯域の効率的な利用が考えられている。この帯域は、総務省によって、自由に使用可能な無線通信周波数として割り当てられており、その開発、利用が多方面から検討されている。
かかるミリ波帯のアプリケーションを広く普及させるためには、低コストで低消費電力を実現するCMOS回路によるミリ波トランシーバの開発が期待されている。
ここで、RFCMOS回路やアナログCMOS回路においては、低雑音アンプの電源ノイズやミキサーのLOリークといった問題を解決できることを理由に、差動回路がよく用いられている。
一方、受動素子のオフチップ素子の入出力は、差動ではなくシングルエンドが多い。このため差動CMOS回路とオフチップ素子とでRF回路を構成するために、平衡−不平衡変換器であるバランを用いて接続する方法が多く採用されている。
バラン(Balun)回路は、平衡・不平衡変換器とも呼ばれ、その基本的機能は、平衡状態にある電気信号と不平衡の状態にある電気信号とを変換することである。例えば、位相差が180度になっている差動線路から1つの線路(シングル線路)を取り出す(差動線路からシングル線路への変換)ことが挙げられる。
バランの実装方法には、大別すると、チップ内に形成する方法(オンチップバラン)とチップ外に形成する方法(オフチップバラン)とがあり、RF回路の小型化のためにはチップ内にバランを形成するオンチップバランが有効である。
さらに、具体的な従来技術を挙げると、電子機器、無線通信用などのマイクロ波帯、ミリ波帯の通信機器に用いられるミキサー回路にバラン回路が使用されている(特許文献1)。
すなわち、特許文献1には、第1の信号が入力される第1の信号端子と、この第1の信号端子に接続された入力端部と第1、第2の出力端部とを有するとともに上記第1の信号を設定された位相差πの第2,第3の信号に変換しこの第2,第3の信号を上記第1、第2の出力端部から出力する分配回路と、この分配回路の第1、第2の出力端部と個別にその入力端子が接続され、その出力端子が互いに接続された第1、第2の半導体素子を有する半導体素子部と、この半導体素子部の上記第1の半導体素子の入力端子の前置部および上記第2の半導体素子の入力端子の前置部の少なくとも一方に配設され、上記第2の信号と第3の信号との間の位相差と設定された位相差πとの偏差を補償する第1の位相調整回路と、上記第1、第2の半導体素子の出力端子を接続する接続部に接続された第2の信号端子と、上記接続部に所定の帯域フィルター回路を介して接続された第3の信号端子と、を備えたミキサー回路において、前記分配回路がバラン回路を含み、このバラン回路が一端に入力端部が接続された第1の線路とこの第1の線路に並行して配設され所定の位置において接地され一端が第1の出力端部と接続された第2の線路と上記第1の線路に並行して配設され所定の位置において接地され一端が第2の出力端部と接続された第3の線路とを備えたことを特徴とするものミキサー回路が開示されている。
また、レーダスペクトルを得ることができるスペクトル拡散型レーダ用受信装置においてバラン回路が使用されている(特許文献2)。
特許文献2には、スペクトル拡散された拡散信号を受信するスペクトル拡散型レーダ用受信装置であって、前記拡散信号を受信信号として受信する信号受信部と、擬似雑音符号を用いて前記信号受信部によって受信された前記受信信号を逆拡散することにより、第1逆拡散信号と、当該第1逆拡散信号が伝播する線路の電流値と同じ電流値の電流が流れる線路を伝播する第2逆拡散信号とを出力する逆拡散部と、前記第1逆拡散信号と前記第2逆拡散信号とを直交復調することで、同相信号と直交信号とを出力する直交復調部とを備え、前記逆拡散部は、同じ特性を持つ第1トランジスタ及び第2トランジスタからなる第1トランジスタ対を含み、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記受信信号が入力され、前記擬似雑音符号に応じてオン又はオフすることにより前記受信信号を逆拡散し、前記第1トランジスタは前記第1逆拡散信号を出力し、前記第2トランジスタは前記第2逆拡散信号を出力し、前記直交復調部は、第1ローカル発振信号を用いて前記第1逆拡散信号を復調し、前記同相信号を出力する第1復調器と、前記第1ローカル発振信号の位相を90度ずらした第2ローカル発振信号を用いて前記第2逆拡散信号を復調し、前記直交信号を出力する第2復調器とを含むものであり、前記信号受信部は、受信した前記拡散信号を正受信信号と負受信信号とからなる平衡受信信号に変換し、前記第1逆拡散信号は第1正逆拡散信号と第1負逆拡散信号とからなる平衡信号であり、前記第2逆拡散信号は第2正逆拡散信号と第2負逆拡散信号とからなる平衡信号であり、前記逆拡散部は、さらに、前記第1トランジスタ対と同じ構成の第2トランジスタ対を含み、前記第1トランジスタ対は、前記正受信信号が入力され、前記擬似雑音符号に応じてオン又はオフすることにより前記正受信信号を逆拡散し、前記第1正逆拡散信号と前記第2正逆拡散信号とを出力し、前記第2トランジスタ対は、前記負受信信号が入力され、前記擬似雑音符号に応じてオン又はオフすることにより前記負受信信号を逆拡散し、前記第1負逆拡散信号と前記第2負逆拡散信号とを出力するものであり、前記信号受信部は、受信した前記拡散信号を前記平衡受信信号に変換して逆拡散部に出力するバラン回路を含み、前記バラン回路は、受動素子で構成されることを特徴とするスペクトル拡散型レーダ用受信装置が開示されている。
ところが、バラン回路を用いる場合には、オンチップバランであっても、チップ内にバランが占める面積が必要となり、チップ面積小型化へ実装要求に伴いバラン回路の小型化も課題となっていた。そこで、オンチップバランに必要となるチップ面積を縮小するためにラットレースバランと呼ばれる技術が提案されている(非特許文献1)。
すなわち、非特許文献1には、W−CSPプロセスの再配線層にメアンダ状に成形されたS型のラットレースバランを形成する構造が開示されており、バランの最小挿入損失は1.7dBとなることが報告されている。
特開2006−50472号公報 特開2009−105884号公報
萬澤, 乾, 藤島, "W-CSP を利用したS 型ミリ波オンチップラットレースバラン ", 電子情報通信学会 集積回路研究会 (2008)
しかしながら、非特許文献1に記載の方法であっても、オンチップバランにおけるチップ小型化が実現できるものの、バランには必ず挿入損失と呼ばれる電力損失があることや、入出力回路として見た場合の構成上、差動回路の半分しか出力に取り出せない等、電力の有効活用という観点からさらなる改善の余地があった。
また、差動回路とアンテナを接続するためには、通常オフチップバランが用いられているが、バランを用いると挿入損失が発生するだけではなく、バランを配置するための面積がさらに必要となり、オフチップバランを採用する場合には、チップ面積の一層の小型化が課題となっていた。
このように、60GHz帯等のミリ波帯アプリケーションは、その普及に対する期待が高まっているものの、低コストで低消費電力を実現可能なアプリケーションの開発が強く望まれていた。
特に、従来のバランを2ないし2グループ以上のアンテナ素子で構成されるアレイアンテナに使用する場合には、上記課題の解決が一層強く望まれていた。
そこで、本発明者らは、低消費電力かつ小型化可能なミリ波帯無線送信モジュールを検討した。検討に際しての重要な技術課題は、差動回路とアンテナ回路との接続に一般的に用いられてオンチップバランまたはオフチップバランである。すなわち、オンチップバランであれ、オフチップバランであれ、バランそれ自体の存在が低消費電力化と小型化への障害となるため、本発明ではバランを用いないアンテナ装置を鋭意検討した。
具体的には、180度の位相差を有する2つの出力端子を備えた差動回路と、前記差動回路の2つの出力端子に伝送線路を介してそれぞれ接続された2ないし2グループのアンテナ素子とを含むアレイアンテナ装置であって、前記伝送線路及び/又は前記2ないし2グループのアンテナ素子において位相差を生じさせ、前記伝送線路における位相差及び/又は前記2ないし2グループのアンテナ素子の時間位相差を組み合わせて前記2つの出力端子から伝搬した伝送波の位相差がゼロとなるよう構成したことを特徴とするアレイアンテナ装置である。
なお、差動回路を供給する部品としてはCMOS回路のような低消費電力と低コストが可能なチップを採用することが好ましい。また、アンテナ素子や伝送線路は安価なプリント配線板上に形成したマイクロストリップ構造であることが好ましいが、これに限定するものではなく、セラミック基板等にアンテナ素子や伝送線路を形成してもよい。
さらに本発明にかかるアレイアンテナ装置は、前記アンテナ素子に関しては時間位相差を設けずに、前記伝送線路の線路長差で180度の位相差を設けたことを特徴とする。
さらに本発明かかるアレイアンテナ装置は、記伝送線路の線路長差に関しては位相差を設けずに、前記アンテナ素子の配置により180度の時間位相差を設けたことを特徴とする。
さらに本発明にかかるアレイアンテナ装置は、180度の位相差を有する2つの出力端子を備えた差動回路と、前記差動回路の2つの出力端子に伝送線路を介してそれぞれ接続された2ないし2グループのアンテナ素子とを含むアレイアンテナ装置であって、前記伝送線路は、前記180度の位相差から270度の位相差になるように、一方の伝送線路を他方の伝送線路より1/4波長長くなるよう構成し、前記2ないし2グループのアンテナ素子の円偏波における時間位相差が90度異なるよう配置することによって、前記2つの出力端子から伝搬した伝送波の位相差をゼロになるよう構成したことを特徴とする。
以上述べたように、差動回路とアンテナ素子からなるアレイアンテナ装置において、従来技術において用いられていたバランを用いない独自の構成により、バラン占有面積の問題やバランの挿入損失の問題が解消され、低消費電力化と小型化対応とに優れたアレイアンテナ装置を提供することが可能となる。
本発明にかかるアレイアンテナ装置の基本的技術概念を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の一実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態における構成の効果例を説明する説明図である。 本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を説明する説明図である。 従来技術に基づくアンテナ装置の構成例を説明する説明図である。
以下、本発明にかかるアレイアンテナ装置を実施するための形態について、図面に基づいて詳述する。
図1に、本発明にかかるアレイアンテナ装置の基本的技術概念図を示す。図1において、入出力端子11及び21は、一例としてCMOSチップ等が採用されている。また、端子11を流れる信号1及び端子21を流れる信号2は、位相差が180度の差動信号であり、差動回路を形成している。この差動信号は,2本の信号線を用いて一つの信号を伝送する方式であり、差動信号線間の電圧が正か負かで“H”(High)レベルと“L”(Low)レベルの識別を行っている。2本の信号線間の電圧差を使うことにより、これらの線にノイズが混入してもキャンセルできるため、一般的なシングルエンド信号に比べてノイズに強く、高速データ伝送が可能になる。
なお、一実施形態において、信号1及び信号2には、位相が180度反転した交流信号が流れる。
また、図1において、第1のアンテナ素子113が伝送線路112を介して入出力端子11に接続され、また、第2のアンテナ素子123が伝送線路122を介して入出力端子21に接続されている。図において、アンテナ素子113及び123の対抗する角を切り欠いているのは、円偏波アンテナ素子であることを示す。また、円偏波アンテナとは、放射電界の振動する方向が使用する周波数の1周期の時間で360度回転する性質を有するアンテナである。
なお、第1のアンテナ素子113及び第2のアンテナ素子123中に描かれた左巻きの矢印は、放射電界の振動方向を示す。
かかる構成において、端子11から出力された信号1と端子21から出力された信号2は、交流信号としてアンテナ素子113及び123に到達し、電磁波として空中に放射される。このとき、各アンテナ素子から放射された電磁波は空間で合成され、同位相となる方向に強く放射される。本実施形態で示すような複数のアンテナ素子を用いるアレーアンテナの場合、アンテナ素子の法線ベクトル方向に強い電磁波を合成させるためには、各アンテナ素子からの放射電界を同位相で励振させる必要がある。
すわなち、アンテナ素子の法線ベクトル方向に強い電磁波を合成させるためには、各アンテナ素子からの放射電界を同位相で励振させればよいため、差動回路である出力信号1と出力信号2との位相差を180度にするために、伝送線路112の線路長L1と伝送線路122の線路長L2との線路長差による位相差θ1とし、第1のアンテナ素子113と第2のアンテナ素子123の配置角度差による位相差θ2と定義した場合、θ1+θ2=180度となるように給電線路とアンテナ配置を調整すれば、バランを用いなくても差動回路とアンテナ回路が接続できるため、バラン挿入損失がなく従来よりも小型化可能なアンテナ装置が提供できる。
図2Aに、本発明にかかるアレイアンテナ装置の一実施形態に基づく構成例を示す。図2Aに示したように、第1のアンテナ素子213の放射電界振動方向(213中の矢印)と第2のアンテナ素子223の放射電界振動方向(223中の矢印)とは、同方向になっており、位相差位相差θ2=0である。一方で、伝送線路212の線路長L1と伝送線路222の線路長L2との線路長差は、図に示したとおり、L2>L1となるよう構成されており、位相差θ1=180度となっている。すなわち、L2はL1より2分の1波長の奇数倍分だけ長くなるよう構成されている。
図2Bに、本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を示す。図2Bにおいて、伝送線路212の線路長L1と伝送線路222の線路長L2との線路長差は2分の1波長の奇数倍であり、位相差θ1=180度である。一方で、第1のアンテナ素子214、第2のアンテナ素子224は、それぞれ5列2段で構成されるアレイアンテナとなっている。このように、本発明にかかるアレイアンテナ装置において採用可能なアンテナ素子には様々な実装形態があり、列数と段数とが同数となるアレイを採用することもできる。また、位相差θ1=180度の条件下では、位相差θ2=0となる条件さえ満たせば、第1のアンテナ素子と第2のアンテナ素子とで構成素子数が異なるアレイアンテナを採用することもできる。
ここで、従来のバラン回路を採用した場合に対する効果について説明する。図6は、従来のバラン回路をアレイアンテナ装置に採用した場合の構成例を示している。図6において、入出力端子11及び21は、一例としてCMOSチップ等が採用されている。また、端子11を流れる信号1及び端子21を流れる信号2は、位相差が180度の差動信号であり、差動回路を形成している(信号1及び信号2には、位相が180度反転した交流信号が流れる)。そして、信号1及び信号2は、バラン63に接続されている。さらに、バラン63には、共通の伝送線路64を介して第1のアンテナ素子613及び第2のアンテナ素子623が接続されている。
このような構成において、端子11から出力された信号1と端子21から出力された信号2は、交流信号としてアンテナ素子113及び123に到達し、電磁波として空中に放射される。このとき、各アンテナ素子から放射された電磁波は空間で合成され、同位相となる方向に強く放射される。従って、図6に示したアレーアンテナの場合、アンテナ素子の法線ベクトル方向に強い電磁波を合成させるためには、各アンテナ素子からの放射電界を同位相で励振させる必要がある。
図6に基づいて説明したように、従来のようにバラン回路を用いて差動回路とアンテナとを接続する構成では、バランを用いることによる挿入損失が発生するだけではなく、バランを配置するための面積がさらに必要となる。本発明では、既に述べた通り、バランを用いない構成であるので、バラン占有面積の問題やバランの挿入損失の問題が解消し、低消費電力化と小型化対応とに優れたアレイアンテナ装置を提供することが可能となる。
次に、図3Aに、本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を示す。図3Aに示したように、伝送線路312の線路長L1と伝送線路322の線路長L2との線路長差は、L1=L2となるよう構成されている。すなわち、位相差θ1はゼロとなっている。一方、第1のアンテナ素子313の放射電界振動方向(313中の矢印)と第2のアンテナ素子323の放射電界振動方向(323中の矢印)とは、伝送線路312及び322と直交する直線上で対向する向きになっており、位相差θ2は180度である。
図3Bに、本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を示す。図3Bにおいても、伝送線路315の線路長L1と伝送線路325の線路長L2との線路長差は、L1=L2となるよう構成されている。すなわち、位相差θ1はゼロとなっている。ただし、図3Aに示した構成と異なり、第1のアンテナ素子313の放射電界振動方向(313中の矢印)と第2のアンテナ素子323の放射電界振動方向(323中の矢印)とは、伝送線路312及び322と平行する直線上で対向する向きになっている。位相差θ2は、図3Aに示した構成と同じく180度である。
図4Aに、本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を示す。図4Aに示したように、第1のアンテナ素子413及び第2のアンテナ素子423は円偏波アンテナ素子であり、それぞれの放射電界振動方向は、図中に示した通りである。位相差θ1は90度となるように配置されている。一方、伝送線路412の線路長L1と伝送線路422の線路長L2との線路長差は、位相差θ1が270度となるように、L2がL1よりも4分の1波長だけ長くなるように構成されている。より厳密に、L1とL2との関係を示すと、L2=L1+(1波長の整数倍)+4分の1波長である。つまり、L2は、L1+4分の1波長、L1+4分の5波長、L1+4分の9波長、L1+4分の13波長、・・・となる。
図4Bに、図4Aに示したアレイアンテナ装置のアンテナ特性についての効果を図説する。
一般に、円偏波アンテナにおける回転電界(例えば、60GHzであれば、1秒間に60G回転)の大きさ(軸)は、全方向で等しいことが理想である。つまり、軸比は1となり、全方向における軸の軌跡は、略真円となる。しかしながら、現実には軸比は1とはならず、軸の軌跡は楕円になってしまう。一例として、図4B(A)に、第1の円偏波アンテナ素子の軸比1と第2の円偏波アンテナ素子の軸比2とを破線でそれぞれ示す。
図4B(A)に示したように、軸比1及び軸比2は、それぞれ楕円形となっている。
そこで、同図に示すように、長軸が直交するように第1の円偏波アンテナ素子及び第2の円偏波アンテナ素子が配置すると、図4B(B)に示すように、軸の軌跡がそれぞれ楕円形となってしまう2つのアンテナの合成軸比は、略1(図中の円形破線)とすることができるので、図4Aに示したアレイアンテナ装置全体としてアンテナ特性を良好なものとすることができる。
図5に、本発明にかかるアレイアンテナ装置の他の実施形態に基づく構成例を示す。図5において、第1のアンテナ素子グループ513は、複数の円偏波アンテナ素子で構成され、第2のアンテナ素子グループ523も、複数の円偏波アンテナ素子で構成されている。図において、第1のアンテナ素子グループ513と第2のアンテナ素子グループ523との配置角度差による位相差は、θ2である。一方で、伝送線路512の線路長L1と伝送線路522の線路長L2との線路長差も、L2がL1よりも長くなるように構成され、その位相差は、θ1である。
かかる構成においても、位相差θ1と位相差θ2との合計が180度となるように給電線路及びアンテナ配置を調整すれば、バランを用いなくても差動回路とアンテナ回路とを接続でき、バラン挿入損失の影響を受けることなく従来よりも小型化可能なアンテナ装置を提供できる。
11、21 入出力端子
112、212、312、315、412、512、612 伝送線路(線路長L1)
122、222、322、325、422、522、622 伝送線路(線路長L2)
113、213、214、313、316、413、513、613 第1のアンテナ素子(アレイアンテナ)
123、223、224、323、326、423、523、623 第2のアンテナ素子(アレイアンテナ)
63 バラン
64 伝送線路

Claims (4)

  1. 180度の位相差を有する2つの入出力端子を備えた差動回路と、前記差動回路の2つの入出力端子にそれぞれ伝送線路を介して接続された、2ないし2グループのアンテナ素子とを含むアレイアンテナ装置であって、
    前記伝送線路における位相差をθ1とし、
    前記2ないし2グループのアンテナ素子のアンテナ平面内の互いの向きを違えて生じる位相差をθ2としたとき、
    前記位相差θ1及び/又は前記位相差θ2の組み合わせによって、前記2つの入出力端子から伝搬する伝送波の位相差をゼロとなるよう構成した
    ことを特徴とするアレイアンテナ装置。
  2. 前記位相差θ2をゼロとし、前記位相差θ1が180度となるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ装置。
  3. 前記位相差θ1をゼロとし、前記位相差θ2が180度となるよう構成されたことを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ装置。
  4. 180度の位相差を有する2つの入出力端子を備えた差動回路と、前記差動回路の2つの入出力端子にそれぞれ伝送線路を介して接続された、2ないし2グループのアンテナ素子とを含むアレイアンテナ装置であって、
    前記伝送線路における位相差をθ1とし、
    前記2ないし2グループのアンテナ素子のアンテナ平面内の互いの向きを違えて生じる位相差をθ2としたとき、
    前記位相差θ1は、270度の位相差になるように、一方の伝送線路を他方の伝送線路より使用周波数の線路実効波長の1/4波長長くなるよう構成し、
    前記位相差θ2は、90度の位相差になるような向きに前記2ないし2グループのアンテナ素子を配置することによって、
    前記2つの入出力端子から伝搬する伝送波の位相差がゼロになることを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ装置。
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