JP2013036313A - 恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 恒温恒室の雰囲気を維持する貯蔵室を簡単に構成できるもの。
【解決手段】整地地面に断面逆U字形状の門型部材を載置して壁部材を立設し、該壁部材を複数列に並設する構成にして天井部材を架設させて、該隣接する壁部材の上方を天井張りし、隣接する壁部材の奥側を奥壁部材で閉塞して床面を整地仕上げさせ、入り口側を前壁部材と開閉ドアで密閉する空間にして貯蔵室に構成し、前記門型部材の空間部に断熱保湿部材を充填させ、貯蔵室全体を断熱保湿部材で被覆するように構成したもので、これにより、断面逆U字形状の門型部材を巧みに利用して貯蔵室を構成するものであり、貯蔵室の構築を簡単にして堅牢に安価に構成できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室の分野に属し、酒、ワイン、酢、漬物などの発酵食品を貯蔵するのに適する貯蔵室の技術分野に関するものである。
従来、恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室を構成するには、崖面に横穴式のトンネルを掘削するとか、建家内に地下室を構築するとか、あるいは、特別な建家や保冷倉庫などを新設するなど高価なものが多かった。また土盛り式のシェルター型の建造物を構成するに際しても施工が複雑で高価であった。
特許第2548857号公報 特開平10−159388号公報
従来の恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室は、建造が複雑でコスト高になる傾向があった。また、特許文献1、2のものもコスト高となり、簡易な恒温恒湿の雰囲気の維持を求める貯蔵室には、不向きなものである。
本発明は、上記課題を解決するために、第一に、整地地面上に、天板部に透孔を有し両側に垂直状の平板脚部を有して内部に透孔に蓮通する空間部を有する断面逆U字形状の門型部材を載置して壁部材を立設構成し、該壁部材を、整地地面上に間隔を置いて複数列を並設する構成にして、該隣接する壁部材の天板部上に透孔を塞がない形態にして、天井部材を架け渡した状態に架設させて、該隣接する壁部材の上方を天井張りし、隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材で閉塞すると共に、床面を整地仕上げさせ、入り口側を前壁部材と開閉ドアで密閉する空間にして貯蔵室に構成し、前記門型部材の空間部に透孔を介して断熱保湿部材を充填させて、該透孔の上部を防水部材で覆い、更に防水部材および貯蔵室全体を断熱保湿部材で被覆するように構成したことを特徴とする恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造を現出したものである。これにより、断面逆U字形状の門型部材を巧みに利用して貯蔵室を構成するものであり、貯蔵室の構築を簡単にして堅牢に安価に構成できる利点がある。
第二に、壁部材は、プレキャスト製の単一門型部材を長手方向に接続すると共に上下方向へも積層して壁部材を立設構成したことを特徴とするものであり、これによりコンクリート工場などで製造されるプレキャスト製の単一門型部材を用いることで安価となり、また壁部材の構築も能率良く遂行できて頑丈に構成できる利点がある。
第三に、断熱保湿部材に、土壌を用いたことを特徴とするものであり、門型部材の特性を有効に活用しながら、土壌の持つ断熱保湿性を充分に活かして安価に構成することができる。また、土壌で全体を覆うと草や花木が繁茂することになる結果、日中の遮熱効果に寄与し、朝露や雨水を保水して湿気を誘因保持して土壌の乾燥を防ぐ利点がある。
第四に、門型部材の入り口側を前壁部材を連設して閉塞することにより、入り口のスペースに建家を接続建設して作業空間にできる利点がある。
第五に、整地地面は、壁部材設置スペースと建家作業空間スペースの床面とを同一高さ面にしてコンクリート仕上げし、隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材で閉塞すると共に、床面を整地地面より嵩上げした状態にして壁部材の下部を埋設固定させたことにより、壁部材の設置固定作業、貯蔵室の構築作業などが堅牢にして効率的にできる。
本発明の構成により、恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造が構成簡単で、工事が迅速にでき、仕上げた構成は堅牢で断熱保湿効果の高いものが現出でき、しかもコスト安価にできる効果を奏するものである。
本発明の要部を示す概略正面図である。 本発明の要部を示す概略側面図である。 門型部材を示す斜視図である。 門型部材の正面断面図である。 天井部材の斜視図である。 貯蔵室の構成を示す概略斜視図である。 入り口側付近を示す概略斜視図である。 入り口側付近を示す遠望斜視図である。 貯蔵室の内部を示す遠望正面図である。 貯蔵室入り口側の建家を示す遠望正面図である。 貯蔵室と建家の配列状況を示す遠望側面図である。 壁部材の別実施形態を示す要部の正面図である。 開閉ドア設置の別実施形態を示す要部の側面図である。
本発明の構成を図面に示した一実施形態に基づいて説明する。
符号1は、水平状の均平にしてコンクリート打ちした整地地面であり、該整地地面1上に、天板部2Aに透孔2Cを有し、両側に垂直状の平板脚部2B,2Bを有して内部に透孔2Cに蓮通する空間部2Dを有する断面逆U字形状の門型部材2を載置して壁部材を立設構成する。該門型部材2は、コンクリート工場などで製造されているプレキャスト製の単一門型部材であり、コンクリート業界では、これを大型可変側溝、大型自由勾配側溝などと呼称されているものであり、この市販品のものを活用して、長手方向に複数個(3〜5個)を接続すると共に、上下方向へも2〜3段に積層して各々をジョイント部材(接続金具)Jで固定し、該門型部材2の縦横の接続組み合わせにより壁部材を立設構成するものである。
そして、該壁部材を整地地面1上に間隔を置いて複数列を並設する構成にして、該隣接する壁部材(門型部材2)の天板部2A上に透孔2Cを塞がない形態にして、平板状の天井部材3を架け渡した状態に架設させる。該天井部材3は、複数個を密接させて並べることにより該隣接する壁部材(門型部材2)との間に形成される空間8の上方を天井張りし、該天井部材3をボルト部材Bで門型部材2に固定する。さらに、隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材4で閉塞するものである。
これらの天井部材3、奥壁部材4は平板状でコンクリート工場で製造されるプレキャスト製品が流用できるものであり、これらによりブロック積みの要領で効率よく函形態の空間室8を形成することができる。
空間室8の床面に露出している整地地面1の上を10センチほど嵩上げするようにしてコンクリート打ちをして床面を整地仕上げる。この嵩上げコンクリートをすることにより、整地地面より空間室8の床面レベルが上がって排水性が良くなり、更に壁部材を構成する門型部材2の脚部を埋め込む形にして位置決め規制することになり、壁部材が空間室8を狭めることがないようになる。そして、床面を整地仕上げさせた後に、入り口側をブロック部材や板壁部材などによる前壁部材5と開閉ドア7で空間部8を密閉する空間にして貯蔵室8に構成する。
このようにして貯蔵室8の函体を構成した後に、壁部材を構成する門型部材2の空間部2Dに透孔2Cを介して断熱保湿部材を充填させる。断熱保湿部材としては、スポンジ部材、水苔、など合成樹脂や植物繊維素材なども考えられるが、本発明の場合には山土、畑土などの土壌を充填しているものである。殊に赤土系の粘土質土壌を充填して用いると水分保持が良くて断熱湿潤保持が効果的である。このようにすると、門型部材2の特性を有効に活用しながら、土壌の充填作業が円滑にできて土壌の持つ断熱保湿性を充分に活かして安価に構成することができる。門型部材2の開閉ドア7が位置する入り口側の開口は、前壁部材を連設して閉塞させているので土こぼれすることはない。奥壁部材4側の後方は開放されて開口状態のままであるが爾後に土盛りして覆うことになるので、造築工事の効率化とコスト安価にするために、あえて閉塞する必要はない。
そして、前記門型部材2の空間部2Cに土壌等の断熱保湿部材を充填させた後に、該透孔2Cの上部および天井部材3の上部をナイロンシートや防水シートなどの防水部材11で覆って、貯蔵室8や透孔2Cを介しての空間部2Cへの過分な雨水の漏水、浸水を防ぐ形態とする。このようにして貯蔵室8と壁部材を構成する門型部材2の上部を防水シート11で被覆した後で、その上部と左右両側部および奥壁部材4の後方部分に亘って全体を断熱保湿部材で覆うものである。断熱保湿部材としては種々のものが考えられるが本発明の場合には山土、畑土などを用いて充分なる土盛りをして断熱保湿を行うものである。殊に赤土系の粘土質土壌を土盛りすると水分保持が良くて断熱湿潤保持が効果的である。土壌を用いて貯蔵室8と壁部材を構成する門型部材2の全体を土盛りして覆うと爾後に草や花木が繁茂することになる結果、日中の遮熱効果が期待でき貯蔵室8の恒温管理に寄与し、繁茂している草や花木が朝露や雨水を保水して湿気を誘因保持して土盛り土壌の乾燥を防ぐ利点があり、貯蔵室8の恒温管理、湿度保持に寄与できる利点がある。
符号9は、奥壁部材4に穿孔した排気口9Aから、上部の排気出口9Bに蓮通して、貯蔵室8内の空気や発酵ガスを換気する排気管であり、適宜にキャップして換気を阻止して断熱、湿度維持することもできる。
排気管9は、貯蔵室8内に一箇所あるいは二箇所、あるいはそれ以上設けても良い。
前記したように、門型部材2の入り口側を前壁部材5や開閉ドア7で垂直状に仕切り構成することができることにより、入り口のスペースに建物の建家Tを接続建設して作業空間にできる利点がある。また作業スペースの整地地面1は、門型部材2による壁部材設置スペースと建家作業空間スペースの床面とを同一高さ面にしてコンクリート仕上げするので効率よく整地地面を造成することができ、門型部材2による壁部材の設置作業も能率良くできる。そして、並設配置されて隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材で閉塞すると共に、床面を整地地面より嵩上げした状態にして壁部材の下部を埋設固定させたことにより、壁部材の設置固定作業、貯蔵室の構築作業などが堅牢にして効率的にでき、更に防水部材および貯蔵室全体を断熱保湿部材で被覆するように構成したことを特徴とする恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造を現出したものである。これにより、断面逆U字形状の門型部材を巧みに利用して貯蔵室を構成するものであり、貯蔵室の構築を簡単にして堅牢に安価に構成できる利点がある。
本発明の実施形態で用いた門型部材2は、脚部2Bの高さが1.2メートル、前後長さが2メートル、空間部2Dの内巾が0.9メートルサイズの、建設土木用の大型可変側溝のプレキャスト製品を用いている。このものは、門型構造をしたVS側溝とか、可変勾配側溝または自由勾配側溝とも呼称されているものである。また、天井部材3および奥壁部材4は、巾1メートル、長さ2メートル程度の平板で建設土木用のプレキャスト製品を用いており、これらの組み合わせにより、貯蔵室8の室内は、縦が2.1メートル、巾が1.8メートル、奥行きが6〜8メートルのものに構成できる。また、これらのサイズは任意に設定でき、さらに、本発明の貯蔵室8は2室構成にされているが、門型部材2の複数列構成を増やせば、貯蔵室8を増設することも簡単にできる。
そして、貯蔵室8の床面は整地地面1に対して10センチ嵩上げしてコンクリート仕上げがしてあり、排水の良好性と壁部材を構成する門型部材2の脚部下端を埋め込んで、門型部材2の移動を阻止して位置決めできる利点がある。貯蔵室8内には、食品などを醸造、発酵させるカメ型の容器Yが安置されている。門型部材2の空間部2Dに充填される土壌は、上部と側部および後方の土盛り土壌からの水分が滲出されて乾燥が防がれ常に水気を持つ湿潤状態を維持しており、これにより貯蔵室8の内部は、真夏時、外部気温が摂氏35度くらいに上昇していても、平均で摂氏20〜23度の恒温に管理され、湿度も90パーセントから100パーセント近くの恒湿に維持されている。冬の季節でも暖かく恒温に維持される。
したがって、本発明の実施形態のものは、貯蔵室8が土壌で囲まれる構成にされているので、土壌が水分を吸収して湿潤状態を維持することとなり保温、冷温の恒温効果がある。例えば電気冷蔵庫などのエアコンで室内温度を冷房コントロールすると、室内が乾燥してしまい食品の発酵菌を使うものにはあまり適さないものである。菌を使うものは常に湿度が好むものが多く、湿度維持と恒温管理により酵母菌などが非常に活発になり、そして、密閉した暗室にもなり効果が大である。
このことにより、本発明の貯蔵室8は、本特許出願人の実験例によれば特に酵母菌を使う商品の製造には最適であり、酒、ワイン、酢、などの醸造、その他漬け物などの発酵食品の製造などにも良い。これらは建物の地下室にも利用することが可能である。
図12は、本発明の壁部材の別実施形態を示すもので、門型部材2の脚部2B,2B下部には高げた方式のU字溝部材2−1を一連に連接して設けたもので、コンクリート業界では、W凾渠とも呼称されているもので、従来製品の大型可変側溝にはない深さまで対応できる深溝型の自由勾配側溝であり、製品コストも比較的安く施工方法も容易である二分割方式を採用しているものであり、これを用いるとプレキャスト製品の一段並べで壁部材を構築できる利点がある。
また、図13は、本発明の開閉ドア設置の別実施形態を示す要部の側面図であり、門型部材2を立設する壁部材と天井部材4の入り口部に作業用の踊り場8Aを構成するようにして開閉ドア7を設置しても良い。また、この場合には、踊り場8Aの外側にも開閉ドア7Aを設けるようにしておくと貯蔵室8の断熱効果が高まり、貯蔵室8内の恒温、恒湿管理に寄与できる利点がある。
本特許出願人は、この貯蔵室を用いることにより、柿酢の醸造製造に効果を上げているが、酒、ワイン、食酢、などの醸造、その他漬け物などの発酵食品の製造などにも利用可能である。また、門型部材は、大型可変側溝に限るものではなく、本発明の技術思想の範疇に含まれるプレキャスト製品を適宜に応用できるものであり、門型部材の嵩高タイプのものと、嵩低タイプのものを組み合わせて所望高さの壁部材に構成しても良い。また本発明では大型可変側溝の透孔にセットされる金属製の簀の子部材(グレーチング)を取り外しているが、グレーチングをセットした状態で壁部材を構成しても良い。
1 整地地面(コンクリート)
2 門型部材(大型可変側溝)
3 天井部材
4 奥壁部材
5 前壁部材
6 床面部材(コンクリート)
7 開閉ドア
8 貯蔵室
9 排気管
10 壁内充填部材(断熱保湿部材:土壌)
11 防水部材
12 上部被覆部材(断熱保湿部材:土壌)
13 草や花木(遮熱 湿気誘因保持)
J ジョイント部材(接続金具)
T 建物(作業スペース)

Claims (5)

  1. 整地地面上に、天板部に透孔を有し両側に垂直状の平板脚部を有して内部に透孔に蓮通する空間部を有する断面逆U字形状の門型部材を載置して壁部材を立設構成し、該壁部材を、整地地面上に間隔を置いて複数列を並設する構成にして、該隣接する壁部材の天板部上に透孔を塞がない形態にして、天井部材を架け渡した状態に架設させて、該隣接する壁部材の上方を天井張りし、隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材で閉塞すると共に、床面を整地仕上げさせ、入り口側を前壁部材と開閉ドアで密閉する空間にして貯蔵室に構成し、前記門型部材の空間部に透孔を介して断熱保湿部材を充填させて、該透孔の上部を防水部材で覆い、更に防水部材および貯蔵室全体を断熱保湿部材で被覆するように構成したことを特徴とする恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造。
  2. 壁部材は、プレキャスト製の単一門型部材を長手方向に接続すると共に上下方向へも積層して壁部材を立設構成したことを特徴とする請求項1に記載された恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造。
  3. 断熱保湿部材に、土壌を用いたことを特徴とする請求項1若しくは請求項2のいずれかに記載された恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造。
  4. 門型部材の入り口側開口部を前壁部材を連設して閉塞する構成にしたことを特徴とする請求項3に記載された恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造。
  5. 整地地面は、壁部材設置スペースと建家作業空間スペースの床面とを同一高さ面にしてコンクリート仕上げし、隣接する壁部材の奥側を垂直状の奥壁部材で閉塞すると共に、床面を整地地面より嵩上げした状態にして壁部材の下部を埋設固定させたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載された恒温恒湿の雰囲気を維持する貯蔵室構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103967298A (zh) * 2014-04-18 2014-08-06 天能电池(芜湖)有限公司 一种蓄电池板栅用固化室制造方法
CN105735687A (zh) * 2016-01-30 2016-07-06 江苏南通二建集团有限公司 一种隔热效果好的金属大型负压隔热室

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