以下、本発明の最良の形態について、図面を参照して詳述する。但し、本発明の実施に際しては、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜部分改変可能である。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は外枠11に対して内枠12と前面枠セット14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図2では便宜上、遊技盤4面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1および図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリルーブタジエンースチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
前面枠セット14及び内枠12の構成を、図1〜図4を用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10の外枠11から前面枠セット14及び遊技盤4を取り外した状態を示す背面図であり、図4は、その背面からの斜視図である。
前面枠セット14は、大別すると、その最下部に設けられた球受皿部分と、この球受皿部分よりも上側の範囲に形成される窓枠部分と、を備えている。内枠12は、左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして外枠11に対して開閉自在に取り付けられ、後述する樹脂ベース20を備え、この樹脂ベース20の前側に前面枠セット14が取り付けられ、後側に遊技盤4が取り付けられている。
上記球受皿部分は、上記前面枠セット14の下側部分に対してネジ等の締結具により固定されている。この球受皿部分の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22とが設けられている。また、球受皿としての下皿15は、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口より排出される遊技球を停留する機能を有している。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図2及び図3)によって遊技球が遊技盤4の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、発射ソレノイドなどで構成されている。音出力口24は、前面枠セット14の左右上端部位置に設けられたスピーカ(図示略)からの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように設けられている。
なお、前面枠セット14は、その大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、上記前面枠セット14の球受皿部分のうち上述の下皿15の上方位置には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図3、図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。
そして、樹脂ベース20の後側には遊技盤4が着脱可能に装着されている。遊技盤4は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤4の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図2では遊技盤4のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤4の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、略三角形状に角落ち(切り欠き)されている。
また、遊技盤4には、図5に示すように、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤4上部へ案内するためのガイドレール50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はガイドレール50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。ガイドレール50は、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートにて構成されており、内外二重のリング状をなすように形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、ガイドレール50は、樹脂成型品でもよく、フッ素樹脂を添加して成形することが好ましく、これによって遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤4との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤4の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。
遊技盤4の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシールやプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤4に証紙等のシールを貼着することで、遊技盤4と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、ガイドレール50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領城の下側限界位置は遊技盤4の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤4)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りガイドレール50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとガイドレール50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図2中の符号49は上皿19に通ずる排出口であり、この上皿排出口49を介して遊技球が上皿19に排出される。この上皿排出口49には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠セット14を内枠12から開放した状能(図2の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、上皿排出口49から遊技球がこぼれ落ちないようにこの上皿排出口49を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、上皿排出口49の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図1に示すように、樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に楕円形状の小窓23が設けられている。従って、遊技盤4の右下隅部に張られた証紙などのシール(図示省略)は、この小窓23を通じて視認できるようになっている。また、この小窓23からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図4に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸(図外)84が設けられている。
図2に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パテンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、前面枠セット14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1および図2を参照しつつより詳細に説明する。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部25が形成されている。詳しくは、窓部25は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部25の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度および支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1および図5を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領城において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度および支持強度が確保可能となっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、後述する昼間型遊技状態ないし夜間型遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部25の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部30が左右対称に設けられ、パチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部131が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部131が遊技状態を報知するランプとして機能し、所定の遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、所定の遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部33が設けられている。その他、中央電飾部131の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ132が設けられている。また、電飾部30の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤4表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓が設けられている。この小窓は平面状とし、遊技盤4の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、役物用、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光手段も演出装置となる。
また、窓部25の下方には貸球操作部が配設されており、貸球操作部には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部が不要となる。故に、貸球操作部の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることかできる。
次に、図5ないし図8を用いて遊技盤4の構成を説明する。図5は遊技盤4の構成を示す正面図、図7および図8は遊技盤4の裏面側の構成を示す背面図である。
遊技盤4は、図5に示すように、遊技領域内に、多数の釘が植設されるとともに、風車や以下に挙げるような各種入賞装置等が配置されて構成されている。遊技領域の中央には、後に詳述するセンター役物41が配置され、該センター役物41には天入賞口42および中上入賞口43が形成されている。該センター役物41の左右には、盤面から前方に突出し上方が開口していて遊技球を内部の入球口に案内する受け部、遊技盤に穿設され上記受け部に案内された遊技球が入球する入球口(図示せず)、遊技球の入球を検知する入球センサ(図示せず)等から構成される左上入賞装置44および右上入賞装置45がそれぞれ配置されている。上記センター役物41の下には、中央入賞装置46が配置され、該中央入賞装置46は、一対の可動翼が左右両側に回動して開閉し、遊技球が両可動翼の間を経て入球口に導入されるように構成された、チューリップと称される可変入賞装置となっており、前面には「太陽」を模した装飾が施されている。該中央入賞装置46の直上には3本の釘が三角形状に寄せて配置されており、可動翼が閉じている状態ではこれら釘に阻止されて遊技球が該中央入賞装置46に入球し得ないようになっている。該中央入賞装置46の下には、上下に2つの中下入賞装置47A、47Bが並置するように配置され、上側の中下入賞装置(以下、上段側中下入賞装置とも称す)47Aは基本的に前記左上入賞装置44ないし右上入賞装置45と同様の構成を有する入賞装置となっており、下側の中下入賞装置(以下、下段側中下入賞装置とも称す)47Bは前記中央入賞装置46と同様の構成を有する可変入賞装置となっている。上記下段側中下入賞装置47Bは、可動翼が閉じている状態では上段側中下入賞装置47Aにより閉塞されて遊技球が入球し得ない体勢となるように該上段側中下入賞装置47Aの直下に近接して配置され、また上段側中下入賞装置47Aと下段側中下入賞装置47Bとは同一の部品内に一体的に形成されている。上記中下入賞装置47A、47Bの右上方には、上下に2つの右下入賞装置48A、48Bが並置するように配置され、該右下入賞装置48A、48Bの右上方には、上下に2つの右中入賞装置49A、49Bが並置するように配置されている。上記中下入賞装置47A、47Bの左上方には、上下に2つの左下入賞装置55A、55Bが並置するように配置され、該左下入賞装置55A、55Bの左上方には、上下に2つの左中入賞装置56A、56Bが並置するように配置されている。上記中下入賞装置47A、47B、右下入賞装置48A、48B、右中入賞装置49A、49B、左下入賞装置55A、55Bならびに左中入賞装置56A、56Bの5対の入賞装置は、丸形の遊技領域の下縁に沿って円弧状に延びる列をなすように配置され、これら5対の入賞装置の構成はいずれも基本的に同様となっている。ただし、これら5対の入賞装置のうち、左端の左中入賞装置56A、56Bに限っては、下側の入賞装置(以下、下段側左中入賞装置とも称す;他の入賞装置においても同様)56Bの前面に「星」を模した装飾が施されており、これ以外の4対の入賞装置のそれぞれにおける下側の入賞装置、即ち下段側中下入賞装置47B、下段側右下入賞装置48B、下段側右中入賞装置49Bならびに下段側左下入賞装置55Bは前記中央入賞装置46と同様に前面に「太陽」を模した装飾が施されている。
遊技領域の下端部にはアウト口36が設けられており、上記各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。
上記遊技盤4の裏面側には、図7に示すように、制御基板、LED基板等の各種基板が配置されている。上記センター役物41の裏面側には、後述するLED基板415、センターランプ中継端子板431Hおよびセンター中継基板431Lが配置され、上記センター役物41の左右には、前記左上入賞装置44および右上入賞装置45のそれぞれの裏側に、前方に光を照射するための左上LED基板44Sおよび右上LED基板45Sが配置されている。上記センター役物41の後方には、遊技盤上に設置されたLEDランプに接続される盤面ランプ中継端子板211が、該センター役物41の右下部(図7上では左下部)に端部が一部重なるようにして配置されている。さらに、該盤面ランプ中継端子板211の後方には、前記左上LED基板44Sおよび右上LED基板45Sを両端部で覆うように横長に延びるサブ制御基板212が配置され、該サブ制御基板212の右下の隅部(図7上では左下の隅部)にはサブ中継端子板213が配置されている。上記サブ制御基板212およびサブ中継端子板213は、図8に示す概略横長の直方体形状のサブ制御基板ケース212Cに収容されている。図7に示すように、遊技盤4の裏面において、前記サブ制御基板212の左右には、縦長に延びる左側LED基板214Lおよび右側LED基板214Rがそれぞれ配置されており、図5に示す遊技領域における左右両側縁にそれぞれ設けられた左側装飾部61Lおよび右側装飾部61Rにおいて前方に光を照射するようになっている。上記遊技盤4の裏面側の下部には、図7に示すように、前記中央入賞装置46、中下入賞装置47A、47B、右下入賞装置48A、48B、右中入賞装置49A、49B、左下入賞装置55A、55Bならびに左中入賞装置56A、56Bのそれぞれの裏側に、前方に光を照射するための中央LED基板46S、中下LED基板47S、右下LED基板48S、右中LED基板49S、左下LED基板55Sならびに左中LED基板56Sが配置されている。上記中央LED基板46S、中下LED基板47Sおよび右下LED基板48Sのほぼ中間の位置には、盤面中継端子板215が配置されている。さらに、該盤面中継端子板215の後方には、横長に延びる主制御基板216が配置され、該主制御基板216の右端(図7上では左端)に隣接して、電源監視基板217が配置されている。上記主制御基板216および電源監視基板217は、図8に示す概略横長の直方体形状の主制御基板ケース216Cに収容されている。
センター役物41は、図5および図10に示すように、上端部を除き正面視概略丸形状であって、遊技領域中央部のやや広い面積を占める最も大型の役物となっており、図11ないし図13に示すように、いずれもほぼ対応する概略丸形の外形を有する前側部材411、中間部材412および後側部材413の3つの部材を前側からこの順に重合してなる構造体を有し、この構造体の各部位に可動部材や装飾部材等の多数の部材が取り付けられて構成されている。
図12および図13に示すように、上記前側部材411は、センター役物41の前側部を包囲する正面視概略円環状で、前後方向に所定の奥行を有する周壁をなす枠状の部材となっている。上記周壁の上端部は比較的に平坦な周面(それ以外の部位よりも曲率の小さい周面)となっており、前側端縁にはガイドレールが設けられ、遊技球が転動する転動面411Sを構成している。上記周壁の前側端縁には、全周にわたり不定の間隔をおいて、中央へむけて細長く突出する装飾用の複数の突起411Pが形成され、これら突起411Pのうち下端部のいくつかは別体として成形されて上記前側部材411の周壁の前側端縁に取り付けられ、それ以外のものは該周壁の前側端縁に一体的に形成されている。上記周壁の後側端縁には、複数箇所に、後方へ円柱状に突出し内部にネジ孔が形成された螺入部411Rが形成されている。上記前側部材411の外周面には、全周にわたって、装飾をなすように不定形に放射状に延出するフランジ411Fが形成され、該フランジ411Fに穿設されたネジ挿通孔でセンター役物41が遊技盤面上にネジにより固定されるようになっている。
上記前側部材411のフランジ411Fは、図10にも示すように、上端部で最も大きく延出して上端フランジ411Tを形成している。該上端フランジ411Tには下端縁中央から上側へ拡がる切欠が形成され、したがって該上端フランジ411Tは全体として前側部材411の周壁の上端部から上方へ概略ループ状に延出する形状となっている。該上端フランジ411Tの上部中央には入球口が穿設され、図11および図13にも示すように、該入球口に対応して、該上端フランジ411Tの裏側には、正面視U字状で後方へ延びる溝部411Gが形成され、該上端フランジ411Tの表側には、前方に突出し上方が開口していて遊技球を上記入球口に案内する受け部411Eが設けられており、これにより前記天入賞口42が構成されている。
上記中間部材412は、図12および図13に示すように、前記前側部材411にほぼ対応する、上端部がやや大きく延出する正面視概略円形の外周形状を有し、中央に円形状の開口412Sが形成された概略円板状の部材となっている。該中間部材412は主として、センター役物41の外周部を構成する前記前側部材411と、センター役物41の中央部に配置される後述のドラム414との間の円環状(ドーナツ状)のスペースを背面側から閉塞する背板として機能する。該中間部材412は透明樹脂よりなり、表側面および裏側面のほぼ全面に多数の凹凸が連続的に形成されており、後述するLED基板415から照射された光を拡散させながら前方に透過させるようになっている。該中間部材412の表側面における下部の左右2箇所には、靴を履いた足の形状を模した装飾部材416がそれぞれ固定され、該中間部材412の右側部、左側部、右上側部および左上側部の4箇所には、左右両手の形をそれぞれ模した左右の可動装飾部材(以下、手形可動装飾部材とも称す)417R、417Lならびに鉦(チャイム)の形をそれぞれ模した左右の可動装飾部材(以下、鉦形可動装飾部材とも称す)418R、418Lの4個の可動装飾部材がそれぞれ連結される操作棒419R、419L、420R、420Lを挿通する長孔421がそれぞれ形成されている。該中間部材412における上端の延出部は、前記前側部材411における上端フランジ411Tの切欠を通して前方に露出し、この露出部の下端中央には前記中上入賞口43が形成されている。該中間部材412の最上端部(頂部)には、U字形状の凹部412Rが形成されており、該凹部412R内に前記前側部材411の溝部411Gが嵌入するようになっている。該中間部材412の外周部には、後方に延出する周壁が形成されてセンター役物41の外周面の一部(中間部)を構成しているとともに、前記前側部材411の複数の螺入部411Rにそれぞれ対応する位置に、該螺入部411Rを挿通する挿通孔が内部に形成された係止部422がそれぞれ形成されている。
上記後側部材413は、前記前側部材411にほぼ対応する、上端部がやや大きく延出する正面視概略円形の外周形状(即ち前記中間部材412とほぼ同様の外周形状)を有する概略円板状の部材であり、ドラム414、LED基板415等の種々の部品が支持固定される支持部材として機能するとともに、後述するように遊技球をドラム414内に導入しかつ該ドラム414から排出された遊技球を外部へ案内する機能も有するものとなっている。該後側部材413の中央には、ドラム414の一部を嵌合させて固定する概略半円形状の嵌合孔413Sが穿設されている。該嵌合孔413Sの下方には、後述する球排出部413Eが形成され、該嵌合孔413Sの上方には、図11に示すように、後述する係合片423が保持されている。該後側部材413の右側部、左側部、右上側部および左上側部の4箇所には、前記中間部材412の4つの長孔421に対応する長孔424がそれぞれ形成されている。該後側部材413における前側面の上部中央には、前記中間部材412の中上入賞口43に連通し下方へ延びる球誘導路413Pが形成されている。該後側部材413の最上端部(頂部)には、U字形状の凹部413Rが形成されており、該凹部413Rは前記前側部材411の溝部411Gに連通して、前記天入賞口42に入球した遊技球を後方に案内するようになっている。該後側部材413の前側面には、左右2つの分割体から分割構成され、全体として中央部が概略円形に開口した概略円板状のLED基板415が支持固定され、該LED基板415の前側面には多数のLED(図示省略)が搭載されていて前方に光を照射するようになっている。該後側部材413の右下部および左下部には、上記LED基板415を外部に配線するハーネス(図示省略)を挿通する挿通口413Dがそれぞれ穿設されている。該後側部材413における後側面の右上部および左上部にはそれぞれソレノイド425R、425Lがそれぞれ配置固定され、該ソレノイド425R、425Lにより、アームを介して前記操作棒419R、419L、420R、420Lが前記中間部材412および後側部材413の長孔421、424内でそれぞれ往復動するように駆動され、これにより前記手形可動装飾部材417R、417Lおよび鉦形可動装飾部材418R、418Lの4個の可動装飾部材が揺動するようになっている。また、前記球誘導路413Pの途上には、該球誘導路413P内を通過する遊技球を検知する入球センサ426が設置され、前記球排出部413Eの下端部には、該球排出部413Eから排出される遊技球を検知する排球センサ427が設置され、さらに、前記球誘導路413Pの直上、即ち前記天入賞口42と中上入賞口43との間の位置には、遊技球を磁気により不正に入賞口に誘導する不正行為を検知する磁気センサ430が設置されている。該後側部材413の外周部には、前方に延出する周壁が形成されてセンター役物41の外周面の一部(後側部)を構成しているとともに、前記前側部材411の複数の螺入部411Rにそれぞれ対応する位置に、ネジ挿通孔が形成されたネジ止め部428がそれぞれ形成されており、前側部材411、中間部材412および後側部材413を前側からこの順に重合した状態で、上記ネジ止め部428を通して後側からネジを前側部材411の螺入部411Rに螺入することにより、これら3部材が固定されるようになっている。
上記後側部材413の裏面側において、ソレノイド425R、425Lにより操作棒419R、419L、420R、420Lが駆動される機構の動作スペースは、裏側カバー429により覆われるようになっている。該裏側カバー429は、上記後側部材413の概略円形の正面形状において、中央よりやや下方の高さ位置と上端よりやや下方の高さ位置との間の帯域の形状に対応する、両側縁が円弧状に湾曲した概略台形の正面形状を有し、かつ上記ソレノイド425R、425L、操作棒419R、419L、420R、420L、アームの駆動軸等を含んで構成される駆動機構を包含し得る厚さ(奥行)を有し、前面側が開放されていて上記駆動機構を裏側から覆うカバーとなっている。該裏側カバー429の下端面には、前記後側部材413の球排出部413Eに対応する概略直方体状の突出部429Eが一体的に形成されており、該突出部429Eが、ドラム414から排出された遊技球を外部へ案内する排球通路の後側部を構成している(即ち遊技球の排出口を後側から覆う部材となっている)。該裏側カバー429の背面には、前記LED基板415およびソレノイド425R、425Lに接続されるセンターランプ中継端子板431Hと、入球センサ426、排球センサ427および磁気センサ430に接続されるセンター中継基板431Lとの2枚の基板が上下に配置されている。該センター中継基板431Lにはさらに、遊技機を揺らしてセンター役物41を強制的に作動させる(具体的には後述する回転体432を強制的に回転させる)といった不正行為を検知する振動センサ(図示省略)が搭載されている。
上記ドラム414は、図14および図15に示すように、前面側が開放され、前方から回転体432が内部に収容されるように構成された、正面視円形で一定の奥行を有する内槽414Nを内部に備え、外周部が円筒形の周壁414Pで覆われた部材となっており、前側の周縁部は時計の文字盤を模した装飾形状を有するように成形されている。上記周壁414Pの上端部および下端部はそれぞれ、遊技球の案内経路を回避するよう、後側端縁から方形状に切欠いた形状となっている。上記内槽414Nの背面における中央には、回転体432の回転軸を内部に回転自在に支承する円柱状の軸受突起414Eが後方に突出するように一体的に形成され、該軸受突起414Eの根幹部(立ち上がり部)には、この部分を上方から覆うようにして、下縁が直線で上縁が円弧状の正面視半円形(扇形)の段状突起414Sが一体的に形成されている。該段状突起414Sは前記後側部材413の嵌合孔413Sに対応し、該段状突起414Sの内部には、内槽414Nの内奥面から、上側半分の半円状に延びる規制溝(図示省略)が穿設されている。上記内槽414Nの背面における右上部、左上部および下端部の3箇所には、内部にネジ孔を有し円柱状に突出する螺入部414Bがそれぞれ形成され、上端よりやや下方の左右2箇所には、上記螺入部414Bとほぼ同様の構成を有する、前記係合片423取付用の螺入部414Rがそれぞれ形成されている。上記内槽414Nの上端部には入球口414Hが穿設されており、上方に位置する前記球誘導路413Pに連通しているとともに、該入球口414Hは内槽414Nの上面から背面にかけて穿設されており、前記係合片423の動作スペースを確保するための切欠ともなっている。上記内槽414Nの下端部には、下面から背面にかけて、排球口414Lが穿設されている。
上記ドラム414は、図12および図13に示すように、前記中間部材の開口412Sに前側から嵌挿され、前記後側部材413の嵌合孔413Sに段状突起414Sを嵌入するようにして該後側部材413の前側面に当接させ、該後側部材413の後側から螺入部414Bにネジを螺入することにより該後側部材413に固定される。
上記回転体432は、図14および図15に示すように、前記ドラム414の内槽414Nの内部形状に対応する円盤状の部材となっており、円板の一方面において、中央に回転軸が連結される円柱状の軸支持部432Aが突設され、該軸支持部432Aに隣接する位置に、該円板面に対し垂直な体勢となるように規制ピン432Pが支持固定され、該規制ピン432Pの先端部は前記ドラム414の内槽414Nの規制溝に嵌入して該規制溝内を往復動し、これにより回転体432が図中の矢印A1に示すようにほぼ上側半分の半円に相当する角度範囲内でのみ円運動(回転)し得るように規制されるようになっている。なお、該規制溝は半円をなすように(即ち180°の範囲にわたって)延びているが、規制ピン432Pの移動範囲は、該規制ピン432Pの径のぶんだけ、該規制溝の両端よりも内側寄りの範囲内に制限されて小さくなっており、したがってこの角度範囲は、厳密には180°よりも小さい角度範囲(本実施形態では約150〜160°程度の角度範囲)となっている。円板の外周縁より若干内側には周壁432Dが形成され、該周壁432D上において、ほぼ対向する位置にある2点すなわち回転体432の回転方向において互いに180°(厳密には約170°程度)離れた2点の位置には、中央にむかって陥入した形状を有し遊技球が収容される球収容部432R、432Lがそれぞれ形成されている。
上記回転体432を構成する円板において、周壁432Dが形成された面とは反対側の面には、回転体432の半分にほぼ等しい半円形状のフリップ432Fが取り付けられている。該回転体432の当該面上の周縁部において、前記球収容部432R、432Lの形成位置を結ぶ直線に直交する直径上にある2点の位置には、回転体432の径方向に延びる軸挿通孔を内部に有する軸支突起432Bがそれぞれ突設されており、上記フリップ432Fは、直線状の辺縁(回転体432の直径に重なる辺縁)に沿って軸ピン432Gが挿通され、該軸ピン432Gの両端が上記軸支突起432Bにそれぞれ軸支されることにより、回転体432に回動自在に保持されている。さらに、上記軸支突起432Bの両側(回転体432の周方向に沿って並ぶ両側)には、該軸支突起432Bから両側へ離れるにつれ突出高さが漸次大きくなる傾斜を有するスペーサ432Sがそれぞれ形成されており、上記フリップ432Fは、該スペーサ432Sが介在することにより、図11に示すように回転体432の面上から所定の小角度だけ浮き上がった体勢に保持されるようになっている。上記回転体432の表面およびフリップ432Fの両面には、後述するように所定の図柄が表示されている。
上記回転体432は、図11に示すように、前記ドラム414の内槽414Nの内部に(前述の通り180°よりやや小さい角度範囲内で)回転自在に保持されている。また、前記後側部材413には、該回転体432の上端部に対応する位置に、所定の取付部材(図示省略)を介して前記係合片423が取り付けられている。該係合片423は、左右方向に架設された軸423Aを中心として回動自在に軸支されている。このとき、該係合片423において、該軸423Aより前側の部分は後側の部分に比してより長く延出するがより軽量となるように(即ち後側の部分が図11に示すように側面視三角状に折り返した形状とすることで比較的に重量が大となるように)成形されており、本来は後側部分が重みにより下方に向かうように、前側部分が上方に向かうように傾斜する方向に荷重がかかるが、前記取付部材に一体的に形成された横架部413Hの上に該係合片423の後側部分が支承され、これにより、通常は図11に示すように前側部分が水平に前方を向くよりもやや下方に傾斜し、該前側部分が前方の回転体432の上端部まで(より具体的には球収容部432R、432Lの内部まで)突き出した体勢(以下、この体勢を係合体勢と称す)に保持されるようになっている。これに対し、後述するように係合片423の前側部分の上に上方から遊技球が到達すると、該遊技球の重みにより係合片423の前側部分が上記係合体勢にあるときよりも下方に押し下げられる(以下、この体勢を解除体勢と称す)。
以下、上記センター役物41の動作について、前掲の図5とあわせて図16および図17を参照しながら説明する。図16および図17は、センター役物41の一連の動作における主要な段階を順次示す模式図であり、各動作段階におけるセンター役物41の模式正面図およびその模式縦断面図となっている。同図に示すセンター役物41は前記図10ないし図15に示す実施形態のものと同一のものであるが、明確化のため、各動作段階に関連する部分のみを簡略化して示してある。
(1)図5に示す遊技領域において、センター役物41の上方に飛来する遊技球のうち、大多数は転動面411S上を左右方向に転動してその一方端から転落し、センター役物41の右下方または左下方へと流下していくが、少数の遊技球は、天入賞口42に入賞して所定の遊技球の払い出しが行われることとなるか、あるいは転動面411S上を転動する途上でうまく中上入賞口43に入球することとなる。
(2)中上入賞口43に入球した遊技球は、図16(a)に示すように、球誘導路413P内を通り、その途上で入球センサ426により入球を検知されながら下方へ落下し、該球誘導路413Pの下端に連通するドラム414の内槽414Nの入球口414H(受球位置)に入球する。上記入球センサ426で中上入賞口43への入球が検出されると、前記LED基板415からの光の照射、前記可動装飾部材417R、417L、418R、418Lの稼働、前記音出力口24からの音の出力またはこれらの組み合わせから構成される所定の興趣演出が開始される。上記入球口414Hから内槽414N内に入った遊技球は、前述の通り係合片423の前側部分を押し下げ該係合片423を解除体勢としながら、回転体432の球収容部432R内に収容される。
(3)回転体432の球収容部432R内に遊技球が収容されると、図16(a)中の矢印A2に示すように、遊技球M1の重みにより回転体432を右回り(時計回り)に回転させるように力が働く。この状態では、係合片423は解除体勢にあって回転体432の回転を規制していないが、一方の球収容部432Rが同図に示すように上端に位置するとき、前記規制ピン432Pが規制溝414Gの左端に位置するようになっており、これにより回転体432の左回り(反時計回り)方向の回転は規制されている。また、このように回転体432が最大限に左回り方向に回転した位置にあるときに、上記球収容部432Rは、同図に示すようにその底部がやや右寄りに偏って位置するように形成され、さらに、該球収容部432Rの右側の内壁は平面状であるが左側の内壁は正面視円弧状の湾曲面状に成形されており、これにより、遊技球M1が右寄りに案内されやすいようになっている。したがって、回転体432は、球収容部432R内に遊技球M1を受容すると、矢印A2に示すように右回り(時計回り)方向に回転する。
なおこの時点では、フリップ432Fは自重により垂下されて一方面が前方に露出するとともに他方面が裏側に隠蔽された体勢にあり、回転体432の表面のうちの一方の半分(下側の半分)がフリップ432Fに覆われて隠蔽されるとともに他方の半分(上側の半分)が前方に露出した体勢となっており、これらフリップ432Fの露出面と回転体432の表面の露出部分とが、あわせて一つの円形の可視領域を構成しており、この可視領域に、特定の内容を表す一つの図柄(以下、この図柄を便宜的に「夜間型図柄」と称す)が表示されるようになっている(図示省略)。
(4)回転体432が右回り(時計回り)方向に回転する途上で、図16(b)に示すようにフリップ432Fの固定端である直線状の辺縁(軸ピン432Gが挿通されて回転体432に軸支された辺縁;以下、軸支端縁と称す)432Xが鉛直となる位置を右回り(時計回り)方向に超過すると、図中の矢印A3に示すように該フリップ432Fが自重により右下方向に落下するように反転して裏返る。このとき、該フリップ432Fは前述の通りスペーサ432Sにより回転体432の面上から所定の小角度だけ浮き上がった体勢に保持されているので、上記のような落下動作がより容易かつ確実になされるようになっており、また、この落下動作は、回転体432が引き続き右回り(時計回り)方向に回転する運動をさらに付勢する作用も奏する。また、フリップ432Fが上記のように反転すると、該フリップ432Fおよび回転体432の表面における露出部分と隠蔽部分とも反転して、別の可視領域が現れ、前記夜間型図柄と異なる(対照的な)内容を表す特定の一つの図柄(以下、この図柄を便宜的に「昼間型図柄」と称す)が表示されるようになっている(図示省略)。
(5)回転体432がさらに右回り(時計回り)方向に回転して、図17(c)に示すように遊技球M1を収容した球収容部432Rが内槽414Nの排球口414Lに連通する位置(排球位置)まで到達すると、遊技球M1が球収容部432Rから下方に落下して、排球口414Lから排出される。
このとき、排球口414Lの直下には、該排球口414Lの開口面積および形状に対応する寸法および概略横長の箱体状の外形を有する、前記後側部材413の球排出部413Eが位置し、該排球口414Lに連通している。該球排出部413Eは、中央に方形状の隔壁413Tが形成されて内部が左右に2つの室すなわち左室C1および右室C2に仕切られた構成となっており、該左室C1および右室C2の各室中央には、後方にむけて下傾する上端縁を有する台形状の案内リブG1、G2がそれぞれ立設されている。遊技球M1は、排球口414Lに到達した後、図中の矢印A4に示すように右側の案内リブG2の上端縁に沿って後下方に誘導されつつ、該排球口414Lから排出されていく。この間、同図に示すように遊技球M1は、該案内リブG2上を移動することにより、回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されていく。換言すれば、案内リブG2の上端縁は、遊技球M1を回転体432と排球口414Lとに跨がるような高さ位置の範囲内に保持しつつ後下方に誘導し得るような高さおよび勾配を有するように形成されている。
本実施形態では、上記案内リブG2は、隔壁413Tの右側面から右方に距離d1=約6.5mmだけ移動した位置、即ち上方の球収容部432Rから出てきた遊技球M1をそのほぼ中央で下方から支承し得る位置に形成され、前後方向の幅w1=約15mm、後側端縁の高さh1=約11mm、前側端縁の高さh2=約5mmとなっており、図17(c)に示すように、上方からきた遊技球M1を受けた時点で、該遊技球M1をその中心Oの高さ位置が回転体432の下端の高さ位置にほぼ等しくなるような高さ位置で下方から支承し得るような高さ位置に形成されている。
上記のように球収容部432Rが排球位置、具体的には球排出部413Eの右室C2の上方に位置するとき、前記規制ピン432Pが規制溝414Gの右端に位置するようになっており、これにより、球収容部432Rが遊技球M1を収容したまま排球位置を超過して回転しないよう、回転体432の右回り(時計回り)方向の回転は規制される。したがって、このときの位置は回転体432が最大限に右回り方向に回転した位置すなわち右回り方向の限界位置であるが、これまで回転体432は上述の通り遊技球M1の重みにより回転運動をしてきているので、この限界位置で反発力が生じ、これまでとは逆の方向すなわち左回り(反時計回り)方向に戻るように弾む(バウンドする)挙動をとろうとする。もしこのようなバウンド動作がなされると、上記球収容部432Rが上端部の入球口414Hすなわち受球位置にまで戻ってしまい、後述するようなもう一方の球収容部432Lによる遊技球の案内(受け渡し)動作へと正しく移行されなくなる惧れもあるが、ここで、上記のように遊技球M1が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されることにより、回転体432が遊技球M1によりロックされて排球位置に保持され、バウンド動作が抑止される。即ち、遊技球M1が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢にあると、回転体432が左回り(反時計回り)方向にバウンドしようとしても、遊技球M1が排球口414Lに拘束された(引っかかった)体勢となっていて左回り(反時計回り)方向には動き得ず、このため回転体432の左回り(反時計回り)方向への動きも遊技球M1に阻止される。換言すれば、遊技球M1が、回転体432と排球口414Lとを跨ぐように位置して該回転体432を排球位置にロックする「かんぬき」のように機能するのである。
(6)案内リブG2の上端縁に沿って後下方に誘導された遊技球M1は、図17(d)に示すように、後方で前記裏側カバー429の突出部429Eの内面に行当って下方へ案内され、排球センサ427により検知されながら、センター役物41から下方へ排出されていく。裏側カバー429の突出部429Eは、左右に長く延びる直方体状の内部空間が中央の隔壁により左右に2つの区画すなわち左区画429Lおよび右区画429Rに分割され、これら左区画429Lおよび右区画429Rはそれぞれ前記排出部413Eの左室C1および右室C2に連通して、左側通路および右側通路の2通路から構成される排球通路の後側部を構成している。該左区画429Lおよび右区画429Rの各区画の内部における後上の隅部には、後下方へ下傾する下端縁を有するガイドリブ429Gがそれぞれ突設されており、遊技球を下方へ案内するようになっている。また、排球センサ427は、上記突出部429Eの左区画429Lおよび右区画429Rの直下にそれぞれ検出部427L、427Rを備え、遊技球が左側通路および右側通路のいずれから排出されたかが検知され、この結果に応じた興趣演出がなされる構成となっている。
遊技球M1が排球口414Lから排出され、回転体432から完全に離脱すると、該遊技球M1による回転体432の回転の規制すなわち「かんぬき」様の機能も解除されるが、これよりも以前に、即ち該遊技球M1が回転体432から完全に離脱しておらず回転体432が排球位置にロックされているうちに、前記係合片423が係合体勢に復帰して、その前側部分が前方の回転体432の上端部まで突き出し、今度はかわって上端に位置するもう一方の球収容部432Lの内壁に係合し、これにより回転体432が引き続き排球位置にロックされる。係合片423は、前述の通り遊技球M1の通過によって解除体勢となった後、回転体432が回転している間はその回転運動を規制しないが、回転体432が最大限にまで回転して遊技球M1を収容した球収容部432Rが排球位置に達すると、これにともなってもう一方の球収容部432Lが上端部に達し、該球収容部432Lの内部空間により係合片423の前方に動作スペースが再び確保されて係合体勢に復帰する動作が可能となる。ただし、この係合片423の復帰動作は、前記回転体432が右回り方向の限界位置に達した時点よりも若干遅れて開始されるため、回転体432が右回り方向の限界位置に達すると、当初は前述の通り遊技球M1が回転体432の回転を規制するように機能し、この遊技球M1によるロック機能が解除されるよりもやや早く、このロック機能を引き継ぐような形で、該係合片423が回転体432を引き続き排球位置にロックするように機能する。
(7)上述の通り、遊技球M1が回転体432の球収容部432R内に収容され、ドラム414の内槽414Nにおける内周面の右側半分に沿って上端から下端部まで案内され、右側通路から排出されると、後述する導球路により、遊技盤4の裏側においてさらに下方に案内される。該導球路は、上記センター役物41の右側通路に連通して下方に延びる右側導球路LG1と、センター役物41の左側通路に連通して下方に延びる左側導球路LG2とを左右に並置するようにして構成されている(図25および図26参照)。
上記導球路の途上には、後にもより詳細に説明するが、図8に示すように、右リンク機構L1が配置され、該右リンク機構L1の下方には下リンク機構L2が配置され、さらに上記右リンク機構L1の左方(図8上では右方)には左リンク機構L3が配置されている。上記右リンク機構L1においては、図18(a)に示すように、右側導球路LG1に案内されて上方から流下してきた遊技球M1は、第1アームR1の先端に載って自重により該第1アームR1を押し下げ、該第1アームR1はリンク機構により第2アームR2を介して第3アームR3の先端を押し下げ、該第3アームR3の先端は前記中央入賞装置46の可動翼(チューリップ)46Tを開放するように駆動する。またこのとき、図19(a)および(b)に示すように、上記第3アームR3には第4アームR4を介して第5アームR5が連結されており、該第5アームR5が、上記第3アームR3と連動して、前記下段側右中入賞装置49Bの可動翼(チューリップ)49Tを開放するように駆動する。
上記遊技球M1は、第1アームR1を押し下げた後、該第1アームR1の先端から落下して、下方に設置された下リンク機構L2に案内される。上記下リンク機構L2においては、図20(a)に示すように、遊技球M1は、前記右リンク機構L1における第1ないし第3アームR1〜R3の場合と同様に、第6アームR6の先端に載って自重により該第6アームR6を押し下げ、該第6アームR6はリンク機構により第7アームR7を介して第8アームR8の先端を押し下げ、該第8アームR8の先端は前記下段側左下入賞装置55Bの可動翼(チューリップ)55Tを開放するように駆動する。またこのとき、図21(a)および(b)に示すように、上記第8アームR8には第9アームR9を介して第10アームR10が連結されており、該第10アームR10が、上記第8アームR8と連動して、前記下段側中下入賞装置47Bの可動翼(チューリップ)47Tを開放するように駆動する。さらにまたこのとき、図22(a)および(b)に示すように、上記第9アームR9には第10アームR10とともに第11アームR11が連結されており(即ち、第9アームR9は左右に延びるように架設され、左端には第8アームR8が、中央には第10アームR10が、右端には第11アームR11がそれぞれ連結されている)、該第11アームR11が、上記第8アームR8と連動して、前記下段側右下入賞装置48Bの可動翼(チューリップ)48Tを開放するように駆動する。上記のように駆動した後の右リンク機構L1および下リンク機構L2は、錘(図示せず)により、それぞれ駆動する前の体勢に復帰するようになっており、また、開放した状態の5対の可動翼(チューリップ)46T、49T、55T、47T、48Tは、この後遊技領域においてそれぞれ遊技球が入球することにより閉じるようになっている。
上記のように、遊技球M1が右側導球路LG1により下方に案内されて右リンク機構L1を通過すると、該右リンク機構L1を駆動して前記中央入賞装置46および下段側右中入賞装置49Bのそれぞれの可動翼(チューリップ)46T、49Tを同時に開放し、この後、下リンク機構L2を通過すると、該下リンク機構L2を駆動して前記下段側左下入賞装置55B、下段側中下入賞装置47Bおよび下段側右下入賞装置48Bのそれぞれの可動翼(チューリップ)55T、47T、48Tを同時に開放する。このとき、パチンコ機10は、上記5つの入賞装置が入賞可能となり、遊技領域内において遊技球が比較的に入賞しやすい状態となる(以下、この状態を「昼間型遊技状態」と称す)。この昼間型遊技状態となる以前は、遊技者は、主として、該昼間型遊技状態への移行を期して中上入賞口43に狙いをおき、これと同時に、遊技球の払い出しを期して天入賞口42に狙いをおいて遊技を行う、即ちセンター役物41の上端部に重点的に狙いをおくと考えられるが、昼間型遊技状態へ移行した後は、可動翼(チューリップ)46T、49T、55T、47T、48Tが開放されて入賞可能となった上記中央入賞装置46、下段側中下入賞装置47B、下段側右下入賞装置48B、下段側右中入賞装置49Bならびに下段側左下入賞装置55Bの5つの入賞装置を重点的に狙うようになると考えられる。
上記昼間型遊技状態で入賞可能とされる5つの入賞装置には、いずれも前記したように前面に「太陽」を模した装飾が統一して施されており、一方、この時点では前記センター役物41における回転体432の前面には昼間型図柄が表示されているが、該昼間型図柄は「太陽」と関連する内容の図柄となっており、したがって、該昼間型図柄は、演出効果とともに、昼間型遊技状態にあることを遊技者に報知する機能も奏するものとなっている。
(8)上記昼間型遊技状態にあるときに、別の遊技球が中上入賞口43に入球すると、図示省略するが、該遊技球は、前記と全く同様に、球誘導路413P内を通って下方へ落下し、ドラム414の内槽414Nの入球口414H(受球位置)に入球して、係合片423を解除体勢としながら、回転体432のもう一方の球収容部432L内に収容される。このとき、回転体432の上端部に位置する該球収容部432Lは、下端部の排球位置に位置する前記球収容部432Rと左右対称をなすように形成されている。即ち、両球収容部432R、432Lは前記フリップ432Fの軸支端縁432Xに関して線対称となるように形成されている。したがって、昼間型遊技状態で上記球収容部432L内に収容された遊技球は、前述のように遊技球M1がドラム414内で右側を通るように案内される場合とは左右対称の軌道を描くようにして、即ち、ドラム414の内槽414Nにおける内周面の左側半分に沿って上端から下端部まで案内される。この途上で、前記フリップ432Fが再び反転して、前記夜間型図柄が表示される。
下端部まで案内された遊技球は、球排出部413Eの左室C1の上方に到達し、前記と全く同様に、左側の案内リブG1の上端縁に沿って後下方に誘導されつつ、排球口414Lから排出されていく。上記案内リブG1を含め、左室C1は前記右室C2と左右対称に構成されており、遊技球は、前記右側の場合と全く同様に、該案内リブG1上を移動することにより、回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されていく。このとき、前記規制ピン432Pは規制溝414Gの左端に位置して回転体432の左回り(反時計回り)方向の回転は規制され、回転体432は左回り方向の限界位置にあるが、前記右側の場合と全く同様に、遊技球が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されることにより、回転体432が遊技球によりロックされて排球位置に保持され、バウンド動作が抑止される。
左側の案内リブG1の上端縁に沿って後下方に誘導された遊技球は、後方で前記裏側カバー429の突出部429Eにおける左区画429Lの内面に行当って下方へ案内され、排球センサ427の左側の検出部427Lにより検知されながら、センター役物41から下方へ排出されていく。また一方で、係合片423が前記と全く同様にして係合体勢に復帰し、この時点で上端に復帰している前記球収容部432Rの内壁に係合し、これにより回転体432が引き続き排球位置にロックされる。即ち、回転体432および係合片423は、前述のように遊技球M1が中上入賞口43に入球して昼間型遊技状態に移行するより以前の状態に復帰してこの状態に保持される。
(9)遊技球が上述のようにドラム414内で左側を通るように案内され、左側通路から排出されると、前記左側導球路LG2内を流下し、下方に配置された前記左リンク機構L3に案内される。上記左リンク機構L3においては、図23(a)に示すように、左側導球路LG2に案内されて上方から流下してきた遊技球M11は、第12アームR12の先端に載って自重により該第12アームR12を押し下げ、該第12アームR12はリンク機構により第13アームR13を介して第14アームR14の先端を押し下げ、該第14アームR14の先端は前記下段側左中入賞装置56Bの可動翼(チューリップ)56Tを開放するように駆動する。
このとき、前記5対の可動翼(チューリップ)46T、49T、55T、47T、48Tが開いていてこれら可動翼を備える5つの入賞装置がいずれも入賞可能な状態にある場合、これに加えて上記下段側左中入賞装置56Bの可動翼(チューリップ)56Tが開放されて計6つの入賞装置がいずれも入賞可能な状態となり、したがって遊技領域内において遊技球が最も入賞しやすい状態となるとも考えられるが、このような場合は稀であり、多くの場合、上記下段側左中入賞装置56Bが入賞可能となるより以前に、前記5対の可動翼(チューリップ)46T、49T、55T、47T、48Tを備える5つの入賞装置のうちの少なくとも1つ(1つないし5つ)はすでに遊技球の入賞により可動翼が閉じて入賞不能な状態に復帰している蓋然性が高いと考えられる。よって、上記下段側左中入賞装置56Bが入賞可能となると、上記6対の可動翼(チューリップ)を備える6つの入賞装置のうち、最大で計6つ、多くの場合は5つ以下の入賞装置が入賞可能となり、パチンコ機10は、遊技領域内において遊技球が前記昼間型遊技状態よりも入賞しやすい状態、前記昼間型遊技状態と同程度に入賞しやすい状態ならびに前記昼間型遊技状態に次いで入賞しやすい状態のいずれの状態ともなり得るが、いずれの場合であれ、上記6つの入賞装置のうち入賞可能となっているものの組み合わせは異なる状態となる(以下、この状態を「夜間型遊技状態」と称す)。
上記夜間型遊技状態に移行した後、遊技者は、上記6つの入賞装置のうち多数が入賞可能となっている場合には、引き続きこれら入賞可能な入賞装置を狙うものと考えられるが、入賞可能な入賞装置が残り少なくなっていくにつれ、再び遊技状態を昼間型遊技状態へ移行させて上記6つの入賞装置のうち(下段側左中入賞装置56B以外の)5つの入賞装置をいずれも入賞可能とすることを期して、中上入賞口43を中心としてセンター役物41の上端部に狙いの重点を戻していくと考えられる。
上記夜間型遊技状態で開放される下段側左中入賞装置56Bには、前記したように前面に「星」を模した装飾が施されており、一方、この時点では前記センター役物41における回転体432の前面には夜間型図柄が表示されているが、該夜間型図柄は「星」と関連する内容の図柄となっており、したがって、該夜間型図柄は、演出効果とともに、夜間型遊技状態にあることを遊技者に報知する機能も奏するものとなっている。
以上の通り、センター役物41は、中上入賞口43に入球した遊技球を、右下方向と左下方向とに交互に案内するように機能し、この案内方向に応じて、「太陽」の装飾を有する5つの入賞装置に連結されたリンク機構すなわち右リンク機構L1および下リンク機構L2と、「星」の装飾を有する下段側左中入賞装置56Bに連結されたリンク機構すなわち左リンク機構L3とが交互に駆動されることで、遊技状態が昼間型遊技状態と夜間型遊技状態とに交互に入れ替わるように移行するようになっている。ここで、もし、例えば昼間型遊技状態への移行がなされてから、次の中上入賞口43への入球ではなく回転体432のバウンド動作や不正に加えられた振動等によって回転体432が元の位置(左右回り方向の限界位置)に戻ったりすると、次に中上入賞口43に遊技球が入球しても、遊技球が前回の入球の場合と同じく右下方向に繰り返して案内されるため、昼間型遊技状態から夜間型遊技状態への移行はなされず、昼間型遊技状態が更新されて再び5つの入賞装置がいずれも入賞可能となり、したがって遊技者にとってより有利な遊技状態が不適正に継続することとなる。ところが、前述の通り、上記センター役物41においては、遊技球が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されつつ排出されること、ならびに係合片423が球収容部432Lに係合することにより、回転体432が確実に排球位置にロックされるようになっているので、バウンド動作は抑止され、また不正に振動が加えられたりしても回転体432は回転せず、次に中上入賞口43に遊技球が入球するまでは元の位置に戻ることはない。したがって、昼間型遊技状態と夜間型遊技状態との間の移行が中上入賞口43への入球に応じて適正になされるようになっている。
上記構成によれば、所定の受球位置すなわちドラム414の内槽414Nの入球口414Hで遊技球を受容し、該受球位置から所定距離をおいた(約150〜160°程度の角度だけ離れた)排球位置まで該遊技球を移動させて、該排球位置に形成された排出口すなわち排球口414Lに該遊技球を排出するように動作する可動体すなわち回転体432を備えるセンター役物41が遊技領域に配置された構成において、上記遊技球が上記排球位置にきたときに、該遊技球を上記回転体432と上記排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持しつつ排出するように誘導する球進路誘導手段として案内リブG1、G2が設けられている構成としたので、回転体432が排球位置まで移動してきてバウンドしようとした場合でも、遊技球が排出される際に遊技球が回転体432と排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持されることで、該回転体432が遊技球によりロックされて排球位置に保持され、バウンド動作が抑止されるようになっている。即ち、遊技球が、回転体432と排球口414Lとを跨ぐように位置して該回転体432を排球位置にロックする「かんぬき」のように機能するようになっている。このように遊技球自体に回転体432の動きを抑止するように機能させながら該遊技球を排出する構成となっていることで、回転体432の動きを抑止するための機構を別に必要とすることなく、案内リブG1、G2を設けるだけの簡略な構成によって回転体432に所望の動作を容易かつ確実に行わせることが可能なセンター役物41となっている。
また、球進路誘導手段の構成としては、球進路誘導手段が、上記回転体432から漸次遠ざかる勾配を有する傾斜に沿って遊技球を誘導する案内リブG1、G2となっているので、勾配を適宜な程度に設定することで、遊技球を上記回転体432と上記排球口414Lとを跨ぐ体勢に保持しつつ排出するように誘導する球進路誘導手段が構成されており、したがって、上記傾斜を有する構造物だけで球進路誘導手段が構成されているため球進路誘導手段の構成がより簡略化されているとともに、劣化等も比較的に少ない球進路誘導手段となっている。
また、上述の通り、遊技球が上記排球位置にきたときは回転体432が遊技球によりロックされて排球位置に保持されるようになっているが、これとあわせて、遊技球が上記排球位置にきたときに上記回転体432に係合して該回転体432を当該位置にロックし、該回転体432が別の遊技球を受容すると上記回転体432から離脱してロックを解除する係合手段として係合片423をさらに備えるので、該遊技球が排出された後も、別の遊技球を受容するまでの間、回転体432の動きを抑止しておくことができるようになっている。
また、上記受球位置すなわち入球口414Hが排球位置すなわち排球口414Lよりも上方に位置し、回転体432が遊技球の重さにより該受球位置から排球位置まで移動する構成となっているので、遊技球の重さを利用して回転体432を動作させることで、回転体432を動作させるための動力源や該動力源による動力を伝達する機構は省略されており、そのぶん回転体432がより簡略に構成されている。
また、上記可動体が、軸回りに回動することにより受球位置と排球位置との間を移動する回転体432となっており、受球位置において回動方向側に重心が偏った体勢で遊技球を受容する遊技球保持部すなわち球収容部432R、432Lを有するので、遊技球の重さが回動方向側にかかって可動体が回動方向側に確実かつ容易に動作するものとなっている。
また、上記球収容部432R、432Lが、回動軸へむけて陥入する凹形状を有し、その内壁が、回動方向側と反対側から該回動方向側へかけて湾曲面状に延びる形状となっているので、湾曲面状に延びる内壁に沿って遊技球が回動方向側へ案内され、これにより可動体が回動方向側により確実かつ容易に動作することができるようになっている。
また、一方端(軸支端縁432X)が上記回転体432に回動自在に軸支され、他方端が受球位置から排球位置へ落下し得る揺動体すなわちフリップ432Fを備えるので、遊技球の重さを利用して回転体432を動作させるのに加えて、フリップ432Fの自由端が落下する動作を利用することで、該回転体432をより効果的に動作させることができるようになっている。
また、上記フリップ432Fを回転体432に対し所定の角度をなす体勢に保持するスペーサ432Sを備えるので、該フリップ432Fが回転体432に対し所定の角度をなす体勢、即ち、回転体432に重合する体勢ではなく回転体432から所定の角度だけ離間した体勢に保持されることで、該フリップ432Fの自由端がより容易かつ確実に落下することができるようになっている。
また、上記センター役物41が、遊技球を外部に排出する毎に、複数の異なる外部排出位置すなわち右側導球路LG1および左側導球路LG2に交互に振り分けるようにして排出する構成を有し、遊技球が上記複数の外部排出位置のうちのいずれから排出されたかに応じて、遊技者にとっての有利さの度合いが異なる複数の遊技状態すなわち昼間型遊技状態および夜間型遊技状態の2種類の遊技状態に交互に移行するように構成されている。ここで、例えばセンター役物41の回転体432にバウンド動作が生じると、回転体432が所定の動作すなわち一方向の回転動作を行った後にバウンドにより動作前の位置まで戻ってしまい、その結果、上記振り分けが秩序どおりに機能せず遊技状態が正しく移行しなくなって、遊技者にとって相対的に有利あるいは不利な、昼間型遊技状態および夜間型遊技状態のうちのいずれかの遊技状態が不適正に継続するといった事態を生じることがある。ところが、上記パチンコ機10においては、前述の通りセンター役物41において回転体432のバウンド動作が確実に抑止される構成となっているので、回転体432が所定の動作を行った後に動作前の位置まで戻ることがなく上記振り分けが秩序どおりに機能し、したがって遊技状態が昼間型遊技状態と夜間型遊技状態との間で適正に交互に移行するようになっている。
(特徴構成)
遊技盤4の裏側には、前述の通り、右リンク機構L1、下リンク機構L2ならびに左リンク機構L3が配置されているが、これらリンク機構L1〜L3は、図24ないし図26に示すように、リンクユニットLU1としてユニット化されて配置されている。
リンクユニットLU1は、図24に示すように、遊技盤4の裏側に、集合板BC1を介して配置され、全体として正面視概略横長の長方形状であって上端縁が部分的に上方に延出した外形を有する平板状の透明樹脂よりなるリンクケースLC1内に、リンク機構L1〜L3が配設されるとともに後述の導球路LG1、LG2が形成され、所定箇所に第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8が配置された構成となっている。
集合板BC1は、図9および図24に示すように、遊技盤4の裏面の上部を除く大部分を覆う概略矩形の平板状の透明樹脂よりなる部材となっており、図27および図28に示すように、前面側には後述する球通路が形成されるとともに、前記左上LED基板44S、右上LED基板45S、左側LED基板214L、右側LED基板214R、中央LED基板46S、中下LED基板47S、右下LED基板48S、右中LED基板49S、左下LED基板55Sならびに左中LED基板56Sが配置され、裏面側には前記盤面ランプ中継端子板211が配置されて、これら基板を支持する基材としても機能するものとなっている。
集合板BC1の上部中央には、概略部分円形状の役物挿通口BC41が穿設されており、集合板BC1が、図9に示すように該役物挿通口BC41内を通して前記センター役物41を後方に突出させた状態で遊技盤4の裏面に配置されるようになっている。集合板BC1の裏面側において、該役物挿通口BC41の右下には、図27に示すように、正面視横長の長方形状をなして後方へ延出する周壁で包囲された中継端子板収容部BC211が形成されており、該中継端子板収容部BC211内に前記盤面ランプ中継端子板211が嵌装され固定されるようになっている。また、集合板BC1の前面側には、図28に示すように、前記左上LED基板44S、右上LED基板45S、左側LED基板214L、右側LED基板214R、中央LED基板46S、中下LED基板47S、右下LED基板48S、右中LED基板49S、左下LED基板55Sならびに左中LED基板56Sのそれぞれに対応する形状の基板収容部が形成されており、各基板収容部内にそれぞれ上記各基板が嵌装され固定されるようになっている。
上記左上LED基板44S、右上LED基板45S、左側LED基板214L、右側LED基板214R、中央LED基板46S、中下LED基板47S、右下LED基板48S、右中LED基板49S、左下LED基板55Sならびに左中LED基板56Sは、ハーネス(図示せず)により上記盤面ランプ中継端子板211に接続され、該盤面ランプ中継端子板211はハーネス(図示せず)により前記サブ制御基板212に接続される。これにより、集合板BC1は、サブ制御基板212により制御される上記各LED基板をまとめて搭載するとともに、各LED基板の配線を盤面ランプ中継端子板211により中継して一括的にサブ制御基板212に接続する電気的ユニットとしても機能するものとなっている。
集合板BC1の前面側には、図28に示すように、該役物挿通口BC41の上端の位置から右側を通って下方へ延びる天球通路BC42が形成され、該天球通路BC42は、上端が前記センター役物41の天入賞口42に連通し、集合板BC1の中央部の高さ位置で、前記右上入賞装置45の入球口に連通する右上球通路BC45と合流して、集合板BC1の下端まで延びている。また、上記右上球通路BC45と左右対称をなす位置に、前記左上入賞装置44の入球口に連通する左上球通路BC44が形成され、集合板BC1の下端まで延びている。また、前記中央入賞装置46、中下入賞装置47A、47B、右下入賞装置48A、48B、右中入賞装置49A、49B、左下入賞装置55A、55Bならびに左中入賞装置56A、56Bのそれぞれに対応する位置に、中央入賞装置用開口BC46a、中下入賞装置用開口BC47a、右下入賞装置用開口BC48a、右中入賞装置用開口BC49a、左下入賞装置用開口BC55aならびに左中入賞装置用開口BC56aがそれぞれ穿設され、さらに、上記各入賞装置に連通し2叉状に分岐して下方に延びる中央球通路BC46、中下球通路BC47、右下球通路BC48、右中球通路BC49、左下球通路BC55ならびに左中球通路BC56がそれぞれ形成されている。ただし、中央球通路BC46のみは、分岐形状を有しておらず、かつ図27に示すように集合板BC1の裏面側に形成されている点で、他の球通路BC47、BC48、BC49、BC55、BC56とは異なる。
集合板BC1の裏面には、図27および図28に示すように、右側縁の上部に沿って、上方に突出する上下1対のサブ制御基板ケース用枢支軸212Aが並置され、該サブ制御基板ケース用枢支軸212Aに、前記サブ制御基板ケース212Cを支持するサブ制御基板ケース用スペーサ212Sの右側端が回動可能に軸支されるようになっている。該サブ制御基板ケース用枢支軸212Aの下方には、ほぼ同様の構成を有する上下1対の主制御基板ケース用枢支軸216Aが並置され、該主制御基板ケース用枢支軸216Aに、前記主制御基板ケース216Cを支持する主制御基板ケース用スペーサ216Sの右側端が回動可能に軸支されるようになっている。
また、集合板BC1の裏面には、図27に示すように、左側縁に沿って、中央寄りやや上方の位置に、円柱状に後方に突出して先端にナイラッチを係合固定する係合孔が穿設されたサブ制御基板ケース用スペーサ固定部212Fが形成され、図9に示すように、上記サブ制御基板ケース用スペーサ212Sの左側端がナイラッチ212Nにより固定されるようになっている。該サブ制御基板ケース用スペーサ固定部212Fの下方には、同様の構成を有する上下1対の主制御基板ケース用スペーサ固定部216Fが形成され、上記主制御基板ケース用スペーサ216Sの左側端が上下1対のナイラッチ216Nにより固定されるようになっている。なお、ナイラッチとは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
上記サブ制御基板ケース用スペーサ212Sおよび主制御基板ケース用スペーサ216Sは、それぞれ、正面視概略横長の長方形状であって両側縁が前方に延出した上面視概略コ字形状の樹脂製の部材となっており、後側面には、サブ制御基板ケース212Cおよび主制御基板ケース216Cがそれぞれ固定されて集合板BC1の裏面から所定の距離をおいた状態に保持されるようになっている。
リンクユニットLU1のリンクケースLC1は、図25および図26に示すように、前面側を覆う前側部LC11と後面側を覆う後側部LC12とに分割構成されている。前側部LC11は、正面視概略横長の長方形状であって上端縁が部分的に上方に延出した外形を有する板状体の外縁に、後方へ延出する周壁が形成されて周囲が包囲された形状となっており、後側部LC12は、上記前側部LC11と重なる外形を有する板状体の外縁に、前方へ延出する周壁が形成されて周囲が包囲された形状となっていて、前側部LC11の周壁の後端縁と後側部LC12の周壁の前端縁とを互いにつき合わせるようにして接合することにより、内部に閉塞された空間を形成しながらリンクケースLC1が構成されている。
上記リンクケースLC1における前側部LC11の後側面すなわち内側面には、図25に示すように、遊技球1個が余裕をもって流下し得る間隔をおいて並走するように、下記の所定形状に長く延びる1対の突壁を2組形成することにより、左右2条の導球路LG1、LG2の前側半部が形成されている。前側部LC11の上端縁の中央部は上方に突出し、上端に、それぞれ上方に開口した右側入球開口部LG11および左側入球開口部LG21が左右に並置して形成され、該右側入球開口部LG11および左側入球開口部LG21は、前記センター役物41の右側通路および左側通路にそれぞれ連通している。右側導球路LG1は、上記右側入球開口部LG11から下方に延び、左折して左方に緩やかに下傾しながら延びた後、再び下方に延び、ついで左方にやや膨出するように緩やかに弧状に湾曲しながら下方に延びて第1湾曲部LG12を形成し、該第1湾曲部LG12の下端からさらに左折して左方へ緩やかに下傾しながら延びた後、再び左方にやや膨出するように緩やかに弧状に湾曲しながら下方に延びて第2湾曲部LG13を形成して、前側部LC11の下端部に達している。該第2湾曲部LG13の下端部には、図26に示すように排球口LG14が穿設されており、該排球口LG14は前記集合板BC1の左上球通路BC44の下端部と連通している。左側導球路LG2は、図25に示すように、上記左側入球開口部LG21から下方に延び、左折して左方に緩やかに下傾しながら延びた後、再び下方に延び、ついで、右方にやや膨出するように緩やかに弧状に湾曲しながら、前側部LC11の中央よりやや左上の位置まで下方に延びて第3湾曲部LG22を形成している。該第3湾曲部LG22の下端部には、排球口LG23が穿設されており、該排球口LG23は前記集合板BC1の左上球通路BC44の中間部と連通している。
上記リンクケースLC1の前側部LC11において、前記集合板BC1の中央入賞装置用開口BC46a、中下入賞装置用開口BC47a、右下入賞装置用開口BC48a、右中入賞装置用開口BC49a、左下入賞装置用開口BC55aならびに左中入賞装置用開口BC56aのそれぞれに対応する位置に、中央入賞装置用開口LC46、中下入賞装置用開口LC47、右下入賞装置用開口LC48、右中入賞装置用開口LC49、左下入賞装置用開口LC55ならびに左中入賞装置用開口LC56がそれぞれ穿設されており、集合板BC1の上記各開口とリンクケースLC1における前側部LC11の上記各開口とが前後に連通して、後述するように各入賞装置の操作レバーを内部に挿通させ得るようになっている。
上記リンクケースLC1における前側部LC11のほぼ中央には、正面視において右から左にかけて漸次幅広となる概略扇形状をなして前方に段状に突出して、裏側すなわち内側から陥入する内部空間を有する第15アーム収容部LH15が形成され、該第15アーム収容部LH15内には、後述する第15アームR15が回動可能に嵌装されるようになっている。上記第15アーム収容部LH15の上方には、図26に示すように、第1入賞センサ保持部SH1が前方に突出するように形成され、該第1入賞センサ保持部SH1には第1入賞センサPS1が前方から嵌装され支持固定されるようになっている。該第1入賞センサ保持部SH1の下には、前記図27に示す集合板BC1の中央球通路BC46に対応する正面形状を有して該中央球通路BC46の側壁の一部をなす中央リブRC46が形成されており、該中央リブRC46は、第1入賞センサ保持部SH1の下部から左下方へ延びた後、上記第15アーム収容部LH15の扇形状の左側縁に沿って湾曲形状をなしながら下方へ延びる中央湾曲部LC461を形成し、該中央湾曲部LC461の下端からふたたび左下方へ延びている。上記中央湾曲部LC461の左方には、後方に突出する中央規制ピンLP11が形成されている。
上記リンクケースLC1における前側部LC11の下端縁の中央よりやや右寄りの位置およびやや左寄りの位置には、それぞれ第2入賞センサ保持部SH2および第3入賞センサ保持部SH3が前方に突出するように形成され、該第2入賞センサ保持部SH2および第3入賞センサ保持部SH3には、それぞれ第2入賞センサPS2および第3入賞センサPS3が前方から嵌装され支持固定されるようになっている。図25に示すように、リンクケースLC1における前側部LC11の下端縁のほぼ中央の位置、やや右寄りの位置およびやや左寄りの位置には、それぞれ第4入賞センサ保持部SH4、第5入賞センサ保持部SH5および第6入賞センサ保持部SH6が形成され、該第4入賞センサ保持部SH4、第5入賞センサ保持部SH5および第6入賞センサ保持部SH6には、それぞれ第4入賞センサPS4、第5入賞センサPS5および第6入賞センサPS6が後方から嵌装され支持固定されるようになっており、前記の2つもあわせた第2入賞センサPS2ないし第6入賞センサPS6の計5つの入賞センサが、リンクケースLC1における前側部LC11の下端縁に沿って平面視概略W字形状をなしてジグザグに配列されている。また、図25および図26に示すように、リンクケースLC1における前側部LC11の中段部の右端近傍および左端近傍であって前記右中入賞装置用開口LC49および左中入賞装置用開口LC56の下方の位置には、それぞれ第7入賞センサ保持部SH7および第8入賞センサ保持部SH8が前方に突出するように形成され、該第7入賞センサ保持部SH7および第8入賞センサ保持部SH8には、それぞれ第7入賞センサPS7および第8入賞センサPS8が前方から嵌装され支持固定されるようになっている。遊技領域において各入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤4の裏側で集合板BC1ないしリンクケースLC1に案内され、それぞれ所定の経路を経て上記第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8の計8つのうちの所定の入賞センサを通過し、各入賞センサにより検知されるようになっている。
上記リンクケースLC1における前側部LC11には、高さ位置において中央より若干上方であって左右位置において中央よりやや左方およびやや右方にある2箇所に、それぞれ後方に突出し先端に係止爪を有する係止片LT11、LT11が形成されており、また、この他にも、詳しい説明は省略するが、後述するリンク機構を構成する多数の回動軸の一方端を支持する孔やリンク機構の各部の動作を規制する規制ピンの他、後側部LC12と接合するためのネジ穴部、リンクユニットLU1を集合板BC1に取り付けるためのネジ挿通孔等が各所に配置形成されている。
上記リンクケースLC1における後側部LC12の前側面すなわち内側面には、図26に示すように、前記右側導球路LG1および左側導球路LG2の後側半部が形成されている。また、リンク機構を構成する多数の回動軸を支持固定するための軸支部の他、前側部LC11と接合するためのネジ挿通部、リンクユニットLU1を集合板BC1に取り付けるためのネジ挿通部等が各所に配置形成されている。
上記リンクケースLC1における後側部LC12の後側面すなわち外側面のほぼ中央には、図25に示すように、正面視横長の長方形状をなして後方へ延出する周壁で包囲された中継端子板収容部LC215が形成されており、該中継端子板収容部LC215内に前記盤面中継端子板215が嵌装され固定されるようになっている。上記中継端子板収容部LC215の右下の位置および左下の位置には、左右から爪が互いに入れ違い式に近接しあうように延出する形状を有するハーネス拘束部LC121、LC122がそれぞれ形成され、該ハーネス拘束部LC121、LC122に、前記第2入賞センサPS2ないし第8入賞センサPS8の計7つの入賞センサと盤面中継端子板215とを接続するハーネス(図示せず)が、左右に分けてそれぞれ一括して拘束されるようになっている。また、リンクケースLC1における後側部LC12の左右2箇所には、それぞれ前記前側部LC11の係止片LT11、LT11に対応する係止孔LT12、LT12が穿設され、該係止孔LT12、LT12に係止片LT11、LT11を係止させ得るようになっており、これにより、リンクケースLC1の前側部LC11と後側部LC12とを、ネジにより締結固定した本締め状態としていない段階で、着脱自在に係止した仮止め状態とすることができ、取付作業や点検、補修作業等がより行い易い構成となっている。
右リンク機構L1は、前述の通り、図18および図19に示すように第1アームR1ないし第5アームR5が連動して前記中央入賞装置46の可動翼(チューリップ)46Tおよび前記下段側右中入賞装置49Bの可動翼(チューリップ)49Tを開放するように駆動する構成となっている。第1アームR1は、図18(a)に示すように、右端よりやや内側の位置で回動軸LA1により回動自在に軸支されている。該回動軸LA1は、一方端が図26に示すように前記リンクケースLC1における後側部LC12の軸支部(前記中継端子板収容部LC215の内側すなわち前側の位置に形成された軸支部)に固定されるとともに、他方端が前側部LC11の支持孔に支持固定され、これにより前後方向すなわち実質的に水平方向に架設されている(以下の他の各回動軸も同様に架設されている)。第1アームR1の左端には、図18(a)に示すように、球受け部RR1が形成され、該球受け部RR1の上面部には、上方から流下してくる遊技球M1を受ける平面視概略矩形状の球受け面が形成されるとともに、下面部には、上方に平面視概略矩形状に陥入し先端側に上端から下端にかけて漸次先端側方向に傾斜する傾斜面RS1を有する係合凹部が形成されている。図26に示すように、前記リンクケースLC1の後側部LC12において、右側導球路LG1の第1湾曲部LG12を構成する右側の突壁の前側縁には、所定幅を有して上端近傍から下端まで延びる切欠LG121が形成されており、第1アームR1は、該切欠LG121から右側導球路LG1の第1湾曲部LG12内に球受け部RR1を差し入れるようにして取り付けられ、先端部が切欠LG121内を円周方向に沿って上下に自在に移動することができ、これにともない球受け部RR1が第1湾曲部LG12内を上下に自在に移動し得るようになっている。
第1アームR1の左端部は、図18(a)に示すように、第1係合部材LS1に係合されるようになっている。該第1係合部材LS1は、上下にやや長く延び、上端が回動軸LA2により回動自在に軸支されて垂下されている。上記回動軸LA2は、図26に示すように、前記リンクケースLC1の中央より左上であって前記左側導球路LG2の下傾部分の下方の位置に配置されている。上記第1係合部材LS1の上端よりやや下方の位置には、左方に直角に延出する延出部LS11が形成され、該延出部LS11の先端部には、付勢手段として金属製の錘LS12が取り付けられており、第1係合部材LS1をほぼ垂下された状態に保持するように付勢している。上記第1係合部材LS1において、延出部LS11の反対側すなわち右側には、上端から下端にかけて漸次外方すなわち右方へ下傾する上側カム面LS13を上部に有して正面視概略直角三角形状に右方へ突出する突出部が形成されている。該突出部の下方には、右方に延出し上方に正面視概略山形状に突出した係合突起部LS14が形成され、該係合突起部LS14の右端近傍から第1係合部材LS1の下端にかけて、円弧状に緩やかに湾曲しながら内側へ陥入する形状を有する下側カム面LS15が形成され、これにともない、第1係合部材LS1における下部の右側縁が、係合突起部LS14の右端近傍から内側すなわち左側へ漸次傾斜しながら先細りする形状となっている。図25に示すように、前記リンクケースLC1の前側部LC11において、右側導球路LG1の第1湾曲部LG12を構成する左側の突壁の後側縁には、所定幅を有して上端近傍から下端まで延びる切欠LG122が形成されており、上記第1係合部材LS1において上側カム面LS13および下側カム面LS15がそれぞれ形成された上下の突出部が、該切欠LG122から右側導球路LG1の第1湾曲部LG12内に自在に出入し得るようになっている。上記第1係合部材LS1において、鉤状係合部LS14の反対側すなわち左側は左方にループ状に延出し、内側に、前記回動軸LA2を中心とする円周方向に沿って延びる長孔LS16が穿設されている。図25に示すように、前記リンクケースLC1の前側部LC11において、右側導球路LG1の第1湾曲部LG12の中央部近傍より左方の位置には規制ピンLP1が形成されており、該規制ピンLP1が図18(a)に示すように上記長孔LS16内に嵌入されることにより、上記第1係合部材LS1の回動が長孔LS16の長さの範囲内に規制されるようになっている。
第1アームR1の右端は、図18(a)に示すように、第2アームR2の下端に回動自在に連結され、該第2アームR2の上端は第3アームR3の右端に回動自在に連結されている。該第2アームR2の中央部には金属製の錘RW2が取り付けられており、第1アームR1の右端および第3アームR3の右端を下げる方向に付勢している。図25に示すように、前記リンクケースLC1の前側部LC11における中央よりやや右上であって前記第15アーム収容部LH15の上方の位置には規制ピンLP2が形成されており、該規制ピンLP2が図18(a)に示すように第1アームR1の右端近傍に下方から当接して該第1アームR1がこれより時計回り方向へは回動し得ないように規制しており、該第1アームR1は、前記錘RW2により時計回り方向に付勢されて図18(a)に示すように規制ピンLP2に当接する位置に保持されるようになっており、この位置が初期位置となっている。なお、以下の記載において、時計回り方向とは遊技機正面から視た場合の時計回り方向である。第3アームR3は、中央よりやや右寄りの位置で回動軸LA3により回動自在に軸支されている。該回動軸LA3は、図26に示すように、前記中継端子板収容部LC215の上方の位置に配置されている。第3アームR3の左端部は、図18(a)に示すように、前側へ直角に折曲されて前方へ若干延び、その前端で左側へ直角に折曲され、上端縁が漸次下方に下傾する正面視概略直角三角形状をなして左方に先細に延びる作動端部RA3が形成されている。第3アームR3の軸支部からは、伝達レバー部RT3が下方に延びている。
第3アームR3の伝達レバー部RT3の下端は、図19に示すように、全体として概略S字状に上下にわずかずつ折曲しながら左右方向に長く延びる第4アームR4の左端に回動自在に連結され、該第4アームR4の右端は、第5アームR5の中央よりやや左寄りの軸支部から上方に延びる伝達レバー部RT5の上端に回動自在に連結されている。第5アームR5は、上記軸支部で回動軸LA4により回動自在に軸支されている。該回動軸LA4は、図25および図26に示すように、前記リンクケースLC1の右上であって前記右中入賞装置用開口LC49の左側の位置に配置されている。第5アームR5の左端には、金属製の錘RW5が取り付けられており、第5アームR5の左端を下げる方向に付勢している。第5アームR5の右端には、前記第3アームR3の作動端部RA3とほぼ左右対称の作動端部RA5が形成されている。
上記右リンク機構L1は、中央入賞装置46の可動翼(チューリップ)46Tおよび下段側右中入賞装置49Bの可動翼(チューリップ)49Tを開放するように動作するものであるが、中央入賞装置46の可動翼46Tは下段側右中入賞装置49Bの可動翼49Tと同様の構成となっているためその説明を省略し、以下、下段側右中入賞装置49Bの可動翼49Tを含む右中入賞装置49A、49Bの構成を、図29および図30に基づき説明する。図29は、右中入賞装置49A、49Bの正面側から視た分解斜視図であり、図30は、右中入賞装置49A、49Bの背面側から視た分解斜視図である。
右中入賞装置49A、49Bは、本体491に下記の各種部材を取り付けて構成されている。本体491は、正面視概略やや縦長の長円形状であってその外周部がやや不定形に放射状に延出する形状を有するフランジ491Fを有し、該フランジ491Fの右上、右下、左上および左下の計4箇所に穿設されたネジ挿通孔491Pを通してそれぞれ前方からネジを螺入することにより遊技盤4の前面上に取り付けられるようになっている。
上記フランジ491Fの上部中央には上段側右中入賞装置49Aの上段側入球口492Aが穿設され、該上段側入球口492Aの下方に、正面視概略T字形状をなしてフランジ491Fの下端近傍まで延びる、下段側右中入賞装置49Bの下段側開口492Bが穿設されている。上記上段側入球口492Aには、4隅が角落ちした概略矩形状の正面形状を有して前方に突出し、上面部が開放されて遊技球を上方から受け後方へ案内する樋状の案内部493Aが内部に形成された受け部494Aが前方から取り付けられている。上記下段側開口492Bにおける上部の左右に延出する延出部分の直下の位置にはそれぞれ、前方に延びる左右1対の回動軸495T、495Tの一方端が、上記下段側開口492Bにおける下方に延びる中央部分を間に挟むようにして支持固定されている。上記両回動軸495T、495Tには、左右一対の可動翼(チューリップ)49T、49Tが回動自在に軸支されている。各可動翼49Tの下端部には前後に延びる軸挿通孔496Tが穿設されて該軸挿通孔496Tに上記回動軸495T、495Tが挿通されるようになっている。上記軸挿通孔496Tよりも左右方向においてすぐ外方であってやや下方の位置には錘保持穴497Tが形成されて該錘保持穴497T内に金属製の錘(図示せず)が嵌挿固定される一方、該可動翼49Tにおいて上記軸挿通孔496Tおよび錘保持穴497Tよりも上方の部分は中空状に上方へ先細に延びる形状に成形されて軽量に構成されており、可動翼49Tは上記錘により開放方向に付勢されている。上記下段側開口492Bには、正面視概略椀形状をなして前方に突出し、上面部が開放されて遊技球を上方から受け後方へ案内する樋状の案内部498Bが内部に形成され、前面部に「太陽」を模した装飾板499Bが形成された構成を有する受け部501Bが前方から取り付けられている。上記装飾板499Bは案内部498Bより上方に延出し、該延出部分が上記左右両可動翼49T、49Tの下部を前方から覆い、該左右両可動翼49T、49Tの上部は露出させるようになっている。該装飾板499Bの延出部分の裏面側における左右2箇所には、軸支穴が中央部に形成されて後方に円柱状に若干突出する軸支部502B、502Bがそれぞれ形成され、各軸支部502B、502Bに上記左右の回動軸495T、495Tの他方端が支持固定されるようになっている。
上記フランジ491Fの裏面側には、操作レバー支持部491Cが形成されている。該操作レバー支持部491Cは、概略縦長の箱形状をなして後方へ突出する形状を有し、内部に操作レバー503が支持されるとともに、上記上段側入球口492Aないし下段側開口492Bに入球した遊技球を遊技盤4の裏面側へ案内する部材ともなっている。該操作レバー支持部491Cの両側面部および下端面部は壁面をなすように形成されて閉塞され、後側面部の大部分は開放されている。該操作レバー支持部491Cの上端面部には、両側が一部開放され後側へ漸次下傾しながら延びる上壁部491Tが形成されている。該操作レバー支持部491Cの内部であって中央よりやや上方の位置には、前記下段側開口492Bの上端縁から連続して後側へ漸次下傾しながら延びる下段側上壁部492Tが形成されており、該下段側上壁部492Tは、前記下段側開口492Bにおける上部の左右に延出する延出部分に対応して、操作レバー支持部491Cの両側面部より側方へはみ出すように形成されている。上記操作レバー支持部491Cの両側面部、上壁部491Tおよび下段側上壁部492Tにより両側面および上下面を包囲された空間は、1個の遊技球が流下し得る球通路となっていて、その前端部が前記上段側入球口492Aに連通している。
操作レバー503は、平面視概略前後にやや長く延びる長方形の厚板状の本体部503Bを有し、該本体部503Bのほぼ中央部には幅方向に貫通する軸挿通孔503Fが穿設されている。前記操作レバー支持部491Cの両側面部における中央よりやや下方であって後側端縁寄りの位置にはそれぞれ軸挿通孔491K、491Kが穿設されており、操作レバー503は、上記操作レバー支持部491Cの軸挿通孔491K、491Kおよび本体部503Bの軸挿通孔503Fに回動軸504を挿通し固定することにより、該回動軸504を中心として回動自在に操作レバー支持部491Cに軸支される。上記操作レバー503の本体部503Bの前端縁からは、後上方へ上傾しながら延びる球止面部503Sが延出するとともに、前下方へ下傾しながら延びる係止突起503Cが延出している。上記本体部503Bの右側縁において前記軸挿通孔503Fより前側の部分からは、下方に延びる垂下片が延出し、該垂下片の下端からは左方に延びる球受け片503Rが延出しており、上記本体部503B、垂下片および球受け片503Rが正面視概略コ字形状をなすように形成されている。上記球受け片503Rは上面視先細形状となるように前方へ延びる形状となっており、先端部はやや前上方に上傾している。上記本体部503Bの右側縁には、前端近傍から後端近傍にかけて、上方に延出するガイド壁503Gが形成され、上記本体部503Bの後側縁には、上方に延出する球止壁503Eが形成されている。上記本体部503Bの上面において前記軸挿通孔503Fより後側の部分には、左方へ漸次下傾する排球面503Tが形成されている。上記本体部503Bの右側縁部は、該本体部503Bの後端よりもさらに後方に棹状に延出して柄部503Hが形成されている。
上記操作レバー支持部491Cの両側面部における軸挿通孔491K、491Kよりやや上方の位置には、後方へ延出して先端で平面視コ字形状をなして閉じた形状を有する囲壁部491Sが形成され、前記操作レバー503は該囲壁部491Sより内側で回動自在に軸支されるようになっている。該囲壁部491Sの後端面は下方に先細りしながら延出して球止壁として機能するようになっている。上記操作レバー支持部491Cの両側面部における軸挿通孔491K、491Kより後下方の位置には、ピン挿通孔491N、491Nがそれぞれ穿設されて両ピン挿通孔491N、491Nの間に規制ピン505が架設され、前記操作レバー503の後端部が該規制ピン505より下方へは回動し得ないように規制されるようになっている。
上記操作レバー503がほぼ水平状態にあるときには、図19(a)に示すように、前記左右両可動翼49T、49Tの軸挿通孔496T、496Tより下方の下端部の間に操作レバー503の係止突起503Cが上方から嵌入して両可動翼49T、49Tを閉止状態に係止する。このとき、両可動翼49T、49Tの上端は前記受け部494Aの下端面部に近接するため、両可動翼49T、49Tの間には遊技球が入球することができない状態となっている。
上記のように両可動翼49T、49Tが閉止状態にあるとき、前記図29および図30に示す受け部494Aに遊技球が入球すると、図示省略するが、該遊技球は前記上段側入球口492Aから操作レバー支持部491Cの上部に入り、下段側上壁部492T上を流下して操作レバー503の排球面503T上へ案内される。該排球面503T上に載った遊技球は、該操作レバー503のガイド壁503Gおよび球止壁503Eないし前記操作レバー支持部491Cの囲壁部491Sにより制止されて該排球面503T上にいったん留まり、操作レバー503の後側部を自重により押し下げながら、該排球面503Tの傾斜により案内されて左側へ排出される。
上記のように操作レバー503の後側部が押し下げられると、操作レバー503の係止突起503Cが左右両可動翼49T、49Tの間から上方に抜け出すように離れて係止が解除され、左右両可動翼49T、49Tが錘により上端が拡開するように両側へ回動し、図19(b)に示した状態と同様の開放状態となる(ただし、図19(b)に示す開放状態は、受け部494Aへの遊技球の入球ではなく後述するリンク機構の駆動によるものである)。
上記のように両可動翼49T、49Tが開放状態にあるとき、前記図29および図30に示す受け部494Aに遊技球が入球すると、該遊技球は前記閉止状態の場合と同様にして操作レバー503の排球面503T上へ案内され左側へ排出されるが、両可動翼49T、49Tも開放されて入球可能となっており、両可動翼49T、49Tの間に遊技球が入球すると、図示省略するが、該遊技球は両可動翼49T、49Tの下端部を押し広げて両可動翼49T、49Tを閉止状態に復帰させながら、前記操作レバー503の球受け片503R上へ流下する。ついで、該球受け片503R上に載った遊技球は、操作レバー503の前側部を自重により押し下げながら、該球受け片503Rから操作レバー支持部491Cの下端面部上に流下し、該操作レバー支持部491Cの下端部から後方へ排出される。上記のように操作レバー503の前側部が押し下げられると、該操作レバー503がほぼ水平状態に復帰し、前記左右両可動翼49T、49Tの下端部の間に操作レバー503の係止突起503Cが嵌入して、両可動翼49T、49Tが再び閉止状態に係止される。
以上の通り、下段側右中入賞装置49Bの可動翼49T、49Tは、受け部494Aへ遊技球が入球することにより開放状態となり、開放状態となった可動翼49T、49T自体に遊技球が入球することにより閉止状態に復帰する構成となっている。この下段側右中入賞装置49Bの可動翼49T、49Tの構成は、前述の通り中央入賞装置46の可動翼46T、46Tと同様であるが、該可動翼49T、49Tも含め、右中入賞装置49A、49Bの構成は前記中下入賞装置47A、47B、右下入賞装置48A、48Bならびに左下入賞装置55A、55Bと同様であり、さらに、操作レバーの構成が左右対称であって排球面からの排球方向も右側となっている点ならびに装飾板が「星」を模した形状となっている点を除けば、左中入賞装置56A、56Bも基本的に同様の構成となっている。上記計6つの入賞装置は、図5、図24および図6に示すように、遊技盤4の所定箇所にそれぞれ穿設された貫通孔に前方から嵌装され、操作レバー支持部(491C)を遊技盤4の裏面よりも後方に突出させるようにして、遊技盤4の前面にフランジ(491F)で固定される。各入賞装置の操作レバー(503)の柄部(503H)は、前記集合板BC1の中央入賞装置用開口BC46a、中下入賞装置用開口BC47a、右下入賞装置用開口BC48a、右中入賞装置用開口BC49a、左下入賞装置用開口BC55aおよび左中入賞装置用開口BC56aならびに前記リンクケースLC1の前側部LC11の中央入賞装置用開口LC46、中下入賞装置用開口LC47、右下入賞装置用開口LC48、右中入賞装置用開口LC49、左下入賞装置用開口LC55および左中入賞装置用開口LC56をそれぞれ通して、リンクケースLC1内でリンク機構と連係して動作し得る位置まで延びている。
上記右リンク機構L1が作動する前の段階では、図18(a)に示すように、第1アームR1が、錘RW2の付勢により時計回り方向に回動して右端近傍が規制ピンLP2に当接することにより、これより時計回り方向へは回動し得ないように規制されるとともに、球受け部RR1の下面部の係合凹部が第1係合部材LS1の係合突起部LS14に係合することにより、これより反時計回り方向へも回動し得ないように規制されて、初期位置に不動に保持されている。このとき、第1係合部材LS1の係合突起部LS14が球受け部RR1の係合凹部に下方から入り込んで係合することにより、遊技機の振動等を受けても第1係合部材LS1と第1アームR1との係合が解除されることなく確実に保持されるようになっている。
この段階で、前記右側導球路LG1の第1湾曲部LG12に上方から遊技球M1が入ると、該遊技球M1は第1湾曲部LG12内を流下する途上で、該第1湾曲部LG12内に進入している第1係合部材LS1の右上の突出部における上側カム面LS13に当接し、該突出部を第1湾曲部LG12から押し出すように左方へ押しのけながら、第1アームR1の球受け部RR1上に載る。このとき、第1係合部材LS1が左方へ押しのけられるように揺動することにより、係合突起部LS14が第1アームR1の球受け部RR1の係合凹部から離脱して係合が解除される。
上記遊技球M1は図18(b)に示すように、第1アームR1の球受け部RR1を自重により押し下げて該第1アームR1を反時計回り方向へ回動させながら、第1湾曲部LG12内をさらに下方へ流下していく。このとき、第1係合部材LS1は、長孔LS16の右端が規制ピンLP1に当接することにより、これより左方へは揺動し得ないように規制される。
上記のように第1アームR1が初期位置から反時計回り方向へ回動すると、これと連動して第3アームR3が図18(b)に示すように反時計回り方向へ回動する。このとき、第3アームR3の作動端部RA3が、中央入賞装置46の操作レバーの柄部46Hを上方から押し下げ、これにより中央入賞装置46の可動翼46T、46Tが開放される。
また、上記のように第3アームR3が回動すると、図19(b)に示すように、前記第4アームR4を介し第5アームR5が連動して時計回り方向へ回動する。このとき、第5アームR5の作動端部RA5が、下段側右中入賞装置49Bの操作レバー503の柄部503Hを上方から押し下げ、これにより下段側右中入賞装置49Bの可動翼49T、49Tが開放される。
上記遊技球M1が第1アームR1の球受け部RR1とともに第1湾曲部LG12の下端に達すると、該第1アームR1は該第1湾曲部LG12の下端に行き当たってこれより反時計回り方向へは回動し得ず、図18(b)に示すように左下方へ傾斜した体勢となり、ついで図18(c)に示すように、遊技球M1が第1アームR1の球受け部RR1から左方へ転落し、右側導球路LG1内をさらに流下していく。
上記のように遊技球M1が第1アームR1の球受け部RR1から離脱すると、第1アームR1は、図18(c)に示すように、錘RW2(および第5アームR5の錘RW5)の付勢により、上述の回動方向とは逆の時計回り方向すなわち初期位置に復帰する方向に回動する。このとき、第1係合部材LS1がすでに錘LS12の付勢により垂下状態に復帰し、右側の上下の突出部が再び第1湾曲部LG12内に進入しているが、右下の突出部には前記下側カム面LS15が形成されているので、第1アームR1は、上記のように時計回り方向に回動する途上で、球受け部RR1の先端が上記下側カム面LS15に当接し、該下側カム面LS15上を摺動して第1係合部材LS1の下端部を第1湾曲部LG12から押し出すように左方へ押しのけながら、初期位置へと回動していく。
第1アームR1が初期位置まで戻ると、右端近傍が再び規制ピンLP2に当接してこれより時計回り方向への回動が規制されるとともに、球受け部RR1の先端が上記第1係合部材LS1の下側カム面LS15の上端から上方へ離脱し、第1係合部材LS1が錘LS12の付勢により垂下状態に再度復帰する。これにともない、第1アームR1の球受け部RR1の係合凹部が第1係合部材LS1の係合突起部LS14に下方から係合されて、図18(a)に示す作動前段階と同じ状況が再現する。ただしこのとき、第3アームR3および第5アームR5も第1アームR1と連動して初期位置まで戻るが、この復帰動作においては、中央入賞装置46の操作レバーの柄部46Hおよび下段側右中入賞装置49Bの操作レバー503の柄部503Hは第3アームR3および第5アームR5と連動することはなく押し下げられた位置に留まり、したがって中央入賞装置46の可動翼46Tおよび下段側右中入賞装置49Bの可動翼49Tの開放状態は、このあと各可動翼46T、49Tに遊技球が入球するまでそれぞれ維持される。
下リンク機構L2は、図20ないし図22に示すように第6アームR6ないし第11アームR11が連動して前記下段側左下入賞装置55B、下段側中下入賞装置47Bおよび下段側右下入賞装置48Bのそれぞれの可動翼55T、47T、48Tを同時に開放するように駆動する構成となっており、前記リンクケースLC1における下側半分の左端近傍から右端近傍に渡って配置されている。
下リンク機構L2は、第2係合部材LS2を備えるが、該第2係合部材LS2ならびに第6アームR6および第7アームR7の構成はそれぞれ前記右リンク機構L1の第1係合部材LS1ならびに第1アームR1および第2アームR2の構成と同様であるためその説明は省略する。
下リンク機構L2の第8アームR8は、前記右リンク機構L1の第3アームR3と基本的に同様の構成となっているが、軸支部から伝達レバー部RT8が上方に延びている点で第3アームR3とは異なっている。該第8アームR8の伝達レバー部RT8の上端は、図21および図22に示すように、左右方向に長く延びる第9アームR9の左端に回動自在に連結されている。第9アームR9は、中央部で直角に折曲して下方に延出する垂下片RT9が形成され、この折曲点すなわち垂下片RT9の上端よりやや下方の位置から直角に右方に延び、その先端で概略S字状にそれぞれ直角に折曲して、さらに右方に延びている。即ち、第9アームR9は、中央部に垂下片RT9を、中央部からやや右方の位置までの間に下方に矩形状に陥入する陥入部RU9をそれぞれ形成しながら、左右に長く延びるアームとなっている。
上記第9アームR9の垂下片RT9の下端部には、図22に示すように、左側が開放された、正面視概略右側半円形状(あるいは概略逆C字形状)の鉤部RH9が形成されている。第10アームR10は、図21に示すように、軸支部から上方に延びる伝達レバー部RT10を有し、該伝達レバー部RT10の上端部に、後方へ突出する嵌合ピンRP10が取り付けられており、該嵌合ピンRP10と上記第9アームR9の鉤部RH9とが、それぞれ左側および右側から、離脱自在に嵌合し合い得る構成となっている。該伝達レバー部RT10の上端部以外は、第10アームR10の構成は前記第8アームR8と基本的に同様の構成となっている。
上記第9アームR9の右端は、第11アームR11の軸支部から上方に延びる伝達レバー部RT11の上端部に回動自在に連結されている。第11アームR11は、前記前記右リンク機構L1の第5アームR5とほぼ左右対称をなす構成となっており、右端部には金属製の錘RW11が取り付けられている。
上記下リンク機構L2が下段側左下入賞装置55B、下段側中下入賞装置47Bおよび下段側右下入賞装置48Bのそれぞれの可動翼55T、47T、48Tを開放する動作は、以下の通り、前記右リンク機構L1の場合と基本的には同様になされるようになっている。
前記したように遊技球M1が右リンク機構L1を駆動しながら右側導球路LG1の第1湾曲部LG12を通過し、該右側導球路LG1内をさらに流下して、第2湾曲部LG13内に入ると、初期位置にある下リンク機構L2の第6アームR6を押し下げるように駆動しながら該第2湾曲部LG13内を流下し、下端部で前記排球口LG14から排出されて集合板BC1の左上球通路BC44へ入球していく。この途上で、図20に示すように、下リンク機構L2の第6アームR6および第7アームR7ならびに第2係合部材LS2はそれぞれ前記右リンク機構L1の第1アームR1および第2アームR2ならびに第1係合部材LS1と全く同様にして動作する。
上記第6アームR6が初期位置から反時計回り方向に回動すると、これと連動して、第8アームR8が前記右リンク機構L1の第3アームR3と同様にして反時計回り方向に回動する。これにともない、図21および図22に示すように、第9アームR9が、第8アームR8の伝達レバー部RT8に牽引されて左方へ移動する。このとき、第9アームR9の鉤部RH9が第10アームR10における伝達レバー部RT10の上端部の嵌合ピンRP10と嵌合していることにより、該第10アームR10が図21に示すように反時計回り方向に回動するとともに、図22に示すように第11アームR11が第8アームR8と連動して反時計回り方向に回動する。
上記のように第8アームR8、第10アームR10および第11アームR11が反時計回り方向に回動すると、図20ないし図22に示すように、前記右リンク機構L1の第3アームR3および第5アームR5の場合と同様にして、下段側左下入賞装置55B、下段側中下入賞装置47Bおよび下段側右下入賞装置48Bのそれぞれの可動翼55T、47T、48Tが駆動されて開放状態となる。
この後、図示省略するが、遊技球M1が第6アームR6から離脱すると、下リンク機構L2は、前記右リンク機構L1の場合と同様にして初期位置に復帰する。
左リンク機構L3は、図23に示すように第12アームR12ないし第14アームR14が連動して前記下段側左中入賞装置56Bの可動翼56Tを開放するように駆動する構成となっており、前記リンクケースLC1における左上の隅部に配置されている。
第12アームR12は、左端よりやや内側の位置で回動軸LA5により回動自在に軸支されている。該回動軸LA5は、図26に示すように、前記リンクケースLC1における左上の隅部の内側に配置されている。第12アームR12は、軸支部から下方に延びる伝達レバー部RT12を有し、左端部には金属製の錘RW12が取り付けられている。第12アームR12の右端には、前記第1アームR1の球受け部RR1と左右対称をなす球受け部RR12が形成され、該球受け部RR12よりやや内方すなわち左方の位置に、前方に突出する係合ピンRP12が形成されている。上記伝達レバー部RT12の下端は、第13アームR13の一方端に回動自在に連結され、該第13アームR13の他方端は、上記伝達レバー部RT12の下端の右方で、第14アームR14の軸支部から上方に延びる伝達レバー部RT14の上端に回動自在に連結されている。上記第14アームR14は、前記前記下リンク機構L2の第11アームR11と同様の構成となっており、右端部には金属製の錘RW14が取り付けられている。
左リンク機構L3は、第3係合部材LS3を備えるが、該第3係合部材LS3は、前記右リンク機構L1の第1係合部材LS1ないし下リンク機構L2の第2係合部材LS2に比して、配置位置や配置状況の相違に応じて若干形状が異なる部分もあるが、基本的には同様の構成となっている。
上記第3係合部材LS3の上端は、回動軸LA6により回動自在に軸支されている。図26に示すように、前記リンクケースLC1における上端縁の左端近傍は上方に矩形状に突出する形状に成形されており、該突出部分内に上記回動軸LA6が配置されている。上記第3係合部材LS3は、前記第12アームR12の前側に重なるようにして垂下されている。上記第3係合部材LS3には、図23(b)に示すように、前記右リンク機構L1の第1係合部材LS1の場合とほぼ同様の、延出部LS17、錘LS18、上側カム面LS19、係合突起部LS20、下側カム面LS21および長孔LS22がそれぞれ設けられている。
上記左リンク機構L3が作動する前の段階では、図23(a)に示すように、第12アームR12が、錘RW12の付勢により反時計回り方向に回動して伝達レバー部RT12の右側縁が規制ピンLP3に当接することにより、これより反時計回り方向へは回動し得ないように規制されるとともに、係合ピンRP12が第3係合部材LS3の係合突起部LS20に係合することにより、これより時計回り方向へも回動し得ないように規制されて、初期位置に不動に保持されている。このとき、第3係合部材LS3の係合突起部LS20が係合ピンRP12に右下方から係合することにより、遊技機の振動等を受けても第3係合部材LS3と第12アームR12との係合が解除されることなく確実に保持されるようになっている。
この段階で、前記左側導球路LG2の第3湾曲部LG22に上方から遊技球M11が入ると、該遊技球M11は第3湾曲部LG22内を流下する途上で、該第3湾曲部LG22内に進入している第3係合部材LS3の右上の突出部における上側カム面LS19に当接し、該突出部を第3湾曲部LG22から押し出すように左方へ押しのけながら、第12アームR12の球受け部RR12上に載る。このとき、第3係合部材LS3が左方へ押しのけられるように揺動することにより、係合突起部LS20が第12アームR12の係合ピンRP12から離脱して係合が解除される。
上記遊技球M11は図23(b)に示すように、第12アームR12の球受け部RR12を自重により押し下げて該第12アームR12を時計回り方向へ回動させながら、第3湾曲部LG22内をさらに下方へ流下していく。
上記のように第12アームR12が初期位置から時計回り方向へ回動すると、これと連動して第14アームR14が図23(b)に示すように反時計回り方向へ回動する。このとき、第14アームR14の作動端部RA14が、前記下段側左中入賞装置56Bの操作レバーの柄部56Hを上方から押し下げ、これにより下段側左中入賞装置56Bの可動翼56Tが開放される。
この後、図示省略するが、遊技球M11が第12アームR12の球受け部RR12から離脱すると、左リンク機構L3は、前記右リンク機構L1ないし下リンク機構L2の場合と同様にして初期位置に復帰する。ただしこのとき、第12アームR12は、初期位置にむけて反時計回り方向に回動する途上で、球受け部RR12の先端ではなく、係合ピンRP12が上記第3係合部材LS3の下側カム面LS21に当接し、該下側カム面LS21上を摺動して第3係合部材LS3の下端部を左方へ押しのけながら、初期位置へと回動していく。即ち、左リンク機構L3の第12アームR12においては、前記右リンク機構L1の第1アームR1ないし下リンク機構L2の第6アームR6の場合と同様に、球受け部RR12が遊技球M11を受けるように機能するが、第3係合部材LS3と連係するように機能するのは球受け部RR12ではなく係合ピンRP12となっている。
前記下リンク機構L2の第10アームR10には、図25および図26に示すように、第15アームR15ないし第17アームR17が連結されている。第15アームR15は、図31および図32に示すように、前後方向に円筒状に延びる軸挿通部R151の前端近傍から左方にやや長い作動部R152が延出し、軸挿通部R151の後端近傍から右方にやや短い伝達部R153が延出して、平面視概略S字状となるように2箇所で直角に折曲した形状となっている。上記作動部R152の先端には、前記右リンク機構L1の第1アームR1の球受け部RR1と同様の球受け部RR15が形成されている。上記第15アームR15は、前記図26に示す第15アーム収容部LH15内に、内側すなわち後方から嵌装され、軸挿通部R151が該第15アーム収容部LH15の右端部に回動自在に軸支される。第15アーム収容部LH15の左端縁部すなわち扇形の周部は切欠いて開放されており、この切欠部を通して、上記第15アームR15の球受け部RR15が第15アーム収容部LH15よりも外側へ即ち前記リンクケースLC1の前面側の外部空間へ突出するようにして配置される構成となっている。上記配置構成により、第15アームR15は、第15アーム収容部LH15の上縁と下縁との間の範囲内で、軸挿通部R151を中心として回動し、球受け部RR15を前記中央湾曲部LC461内で上下に移動させ得るように保持され、また、前記第10アームR10に対し上方にやや距離を置いてパラレルに近い体勢となるように配置されている。
前記第15アームR15の伝達部R153の先端は、図31および図32に示すように、前記第9アームR9の陥入部RU9の上方で第16アームR16の一方端に回動自在に連結され、該第16アームR16の他方端は、第17アームR17の一方端に回動自在に連結されている。該第17アームR17の他方端は、前記第10アームR10の右端に回動自在に連結されている。上記第16アームR16および第17アームR17は、正面視概略逆「く」字形状をなして中央部が右方にやや突出するように屈曲した体勢で、第15アームR15の伝達部R153の先端と第10アームR10の右端とを上下に連結している。該第17アームR17のほぼ中央部には、金属製の錘RW17が取り付けられ、第15アームR15および第17アームR17を時計回り方向に付勢している。
前記リンクケースLC1における前側部LC11の前側面すなわち外側面には、図25および図26に示すように、第4係合部材LS4が配置されている。該第4係合部材LS4は、図31および図32に示すように、上端から左下方へ延びた後、下向きに屈曲して下方へ延び、ついで右下向きに屈曲して右下方へ延びて、正面視概略右方にやや広がった逆コ字形状の上側部LS23を有している。該上側部LS23の上端には、後方へ円筒状に延出する軸挿通部LS24が形成され、該軸挿通部LS24が、図26に示すように、回動軸LA7により、リンクケースLC1の前側部LC11における第1入賞センサ保持部SH1の左上の位置に、外側から軸支されている。上記第4係合部材LS4における上側部LS23の左上の屈曲部には、金属製の錘LS25が取り付けられ、第4係合部材LS4を反時計回り方向に付勢している。上側部LS23の下片におけるほぼ中央からは、下側部LS26が垂下され、該上側部LS23の下片における下側部LS26より右方には、右方に概略矩形状に突出する上側カム部LS27が形成されている。上記下側部LS26は右方に突出して該突出部の上部に係合突起LS28が、下部に下側カム面LS29がそれぞれ形成されるとともに、該下側部LS26は左方にループ状に突出して長孔LS30が形成されている。上記第4係合部材LS4は、上側部LS23で前記第1入賞センサ保持部SH1の左側端部を包囲するようにして、即ち上側部LS23の屈曲形状により前記第1入賞センサ保持部SH1に干渉しないように左側へ迂回するようにして垂下され、上側カム部LS27および下側カム面LS29を前記中央湾曲部LC461の上端部に進入させるとともに長孔LS30内に前記中央規制ピンLP11を嵌入させるようにして配置されている。
上記第15アームR15および第4係合部材LS4は、図示省略するが、前記右リンク機構L1の第1アームR1および第1係合部材LS1と同様にして動作する。上記第15アームR15は、動作前の段階では錘RW17の付勢により時計回り方向に回動して第15アーム収容部LH15の上縁に沿って左方へ上傾した体勢に保持されるとともに、球受け部RR15の下面部の係合凹部が第4係合部材LS4の係合突起部LS27に係合することにより、これより反時計回り方向へも回動し得ないように規制されて、初期位置に不動に保持される。この段階で、前記中央入賞装置46に遊技球が入賞すると、該遊技球は該中央入賞装置46から後方へ排出され、前記第1入賞センサPS1を通過して下方に落下し、前記前記中央湾曲部LC461に入る。ついで、該遊技球は、中央湾曲部LC461内に進入している第4係合部材LS1の右上の突出部を中央湾曲部LC461から押し出すように左方へ押しのけながら、第15アームR15の球受け部RR15上に載り、該第15アームR15を自重により押し下げて第15アーム収容部LH15の下縁まで反時計回り方向へ回動させながら、中央湾曲部LC461内を流下していく。該遊技球が第15アームR15の球受け部RR15とともに中央湾曲部LC461の下端に達し、該球受け部RR15から左方へ離脱すると、第15アームR15は、前記右リンク機構L1の第1アームR1の場合と全く同様にして初期位置に復帰する。
上記のように第15アームR15が反時計回りに回動すると、図33に示すように、該第15アームR15の伝達部R153の先端が第16アームR16および第17アームR17を介して第10アームR10の右端を引き上げ、これにより該第10アームR10が第15アームR15と連動して反時計回りに回動する。このとき、第9アームR9は、前記第6アームR6と連動する構造となっており、該第6アームR6は第2係合部材LS2により初期位置に不動に保持されているので、第9アームR9も初期位置に不動に保持された状態となっているが、第10アームR10の嵌合ピンRP10は、前記第9アームR9の鉤部RH9に左側から離脱自在に嵌合しているので、上記のように第10アームR10が第15アームR15により駆動されるようにして反時計回りに回動すると、上記嵌合ピンRP10が鉤部RH9から左方へ離脱し、したがって第10アームR10は不動の第9アームR9から独立して動作することができる。即ち、上記第9アームR9の鉤部RH9は前記したように左側が開放された形状となっているが、この開放部が、上記第10アームR10が該第9アームR9から独立して反時計回り方向へ回動することを許容する逃げとして機能するものとなっている。換言すれば、上記第9アームR9と第10アームR10とが、該第9アームR9からの動力は該第10アームR10へ伝達する一方、該第10アームR10からの動力は上記鉤部RH9の開放部が逃げとして機能することにより該第9アームR9へは伝達しないように、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構により連結された構成となっている。
上記第10アームR10が上記のように反時計回りに回動すると、下段側中下入賞装置47Bの可動翼47Tが、それまで閉止状態にあった場合には第10アームR10により駆動されて開放状態とされるが、このとき、上述の通り第10アームR10は第9アームR9とは連動しておらず単独で動作するため、他の入賞装置の可動翼が開放されることはない。
上記第15アームR15が初期位置に復帰するとともに、第10アームR10も連動して初期位置に復帰する。上記一連の動作において、中央入賞装置46に入賞した遊技球は、該中央入賞装置46の可動翼46Tを閉止状態としながら後方へ排出され、第15アームR15ないし第17アームR17を介し第10アームR10を駆動して、下段側中下入賞装置47Bの可動翼47Tのみを開放状態とする。
一方、前述の通り、右側導球路LG1の第2湾曲部LG13内を流下する遊技球M1に駆動されることにより下リンク機構L2が作動して第9アームR9が左方へ移動すると、第10アームR10は第9アームR9と連動して反時計回りに回動する。このとき、図34に示すように、該第10アームR10の右端が第16アームR16および第17アームR17を引き上げるように作用し、一方、第15アームR15は第4係合部材LS4(図34では図示省略)により初期位置に不動に保持されているが、第16アームR16および第17アームR17は、連結部分で自在に屈曲するため、第10アームR10の回動による作用を第15アームR15へは伝達することがなく、したがって第10アームR10が不動の第15アームR15から独立して動作することができる。なおここで、仮に第15アームR15が第4係合部材LS4により初期位置に不動に保持されていないとしても、第16アームR16および第17アームR17が上記のように連結部分で自在に屈曲することにより、該第15アームR15は初期位置に不動に留まり、伝達部R153の先端で第16アームR16の上端を回動自在に支承する軸支部としてのみ機能する。即ち、第16アームR16および第17アームR17が全体として屈曲自在に構成されていることで、第10アームR10の回動による変移が該第16アームR16および第17アームR17の屈曲により吸収されるようになっており、この屈曲構造が、上記第10アームR10が第15アームR15から独立して反時計回り方向へ回動することを許容する逃げとして機能するものとなっている。換言すれば、上記第15アームR15と第10アームR10とが、該第15アームR15からの動力は該第10アームR10へ伝達する一方、該第10アームR10からの動力は上記第16アームR16および第17アームR17の屈曲構造が逃げとして機能することにより該第15アームR15へは伝達しないように、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構により連結された構成となっている。
図25および図26に示すように、以上の第1アームR1ないし第17アームR17、第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4、第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8ならびに盤面中継端子板215がそれぞれリンクケースLC1内外の所定箇所に配置された状態で、該リンクケースLC1の前側部LC11と後側部LC12とが接合され、上記第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8と盤面中継端子板215とがハーネス(図示せず)により接続されて、リンクユニットLU1が構成されている。該リンクユニットLU1は、図24に示すように、前記集合板BC1の下部に後方から重合するようにして取り付けられる。該リンクユニットLU1と集合板BC1とは、取り付けた状態では該リンクユニットLU1の周部と集合板BC1との間に間隙が実質的に形成されないように互いにほぼ密に嵌合する形状となっており、これにより例えばリンクユニットLU1の周囲から不正器具を進入させることが困難な構造となっている。上記のようにして取り付けられたリンクユニットLU1の盤面中継端子板215はハーネス(図示せず)により前記主制御基板216に接続される。
上記リンクユニットLU1の構成においては、リンクケースLC1が、内外に第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4を一括して支持する支持基材として機能するものとなっており、該リンクユニットLU1を遊技機の所定箇所に取り付けることでこれら多数の部材を一括して簡便に配置することが可能となっている。特に、第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4が、前述の通り、錘により初期位置に復帰する方向に付勢されているので、リンクケースLC1を、図24に示すように起立させた取付体勢とすると、上記第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4がひとりでに初期位置に復帰し、さらにこのとき、該第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4の係合動作により初期位置に保持されるので、例えばリンクユニットLU1の取付作業時に前記中央入賞装置用開口LC46等の開口を通して上記第1アームR1ないし第17アームR17のいずれかを動かすように誤って力が加えられたとしても、これら第1アームR1ないし第17アームR17が初期位置から動くことはない。したがって、特に固定手段等を操作しなくとも、リンクケースLC1を取付体勢とするだけで第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4を確実に適正な初期位置に保持した状態で取付作業を行うことができる。
また一方で、例えばリンクユニットLU1の内部で球詰まり等が生じて補修を行うといったメンテナンス作業や点検等の場合には、該リンクユニットLU1を遊技機の所定箇所から取り外すことで多数の部材を一括して簡便に取り外すことが可能となっており、またリンクユニットLU1を遊技機から取り外した状態でメンテナンス作業や点検等が行えるため作業がより行い易い。
また、上記第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4のうち、第15アームR15の先端部および第4係合部材LS4はリンクケースLC1の外部に配置されているが、これら以外の大部分の部材は、ほぼ閉塞したリンクケースLC1の内部に収容され、さらに、上記第15アームR15の先端部および第4係合部材LS4はリンクケースLC1の前面部に配置されているため、リンクユニットLU1を集合板BC1に取り付けた後は該第15アームR15の先端部および第4係合部材LS4もリンクユニットLU1と集合板BC1との間に挟持された状態となる。したがって、遊技機内では上記第1アームR1ないし第17アームR17ならびに第1係合部材LS1ないし第4係合部材LS4がいずれもリンクケースLC1ないし集合板BC1により包囲された閉塞空間内に保持されることとなるため、リンク機構はリンクユニットLU1の内部(ないし中央球通路BC46)を遊技球が通過することによって以外には駆動され得ず、例えば外部から不正器具を進入させてリンク機構を不正に操作するといった不正行為は困難となっている。
また、上記リンクケースLC1内には、前記センター役物41から排出された遊技球を案内する右側導球路LG1および左側導球路LG2が形成されるとともに、前面には、中央入賞装置46から排出された遊技球を案内する中央球通路BC46を集合板BC1とともに構成している中央リブRC46が形成されており、したがって、上記リンクユニットLU1が、遊技機における集合板の機能のうちの一部を分担する「第2の集合板」あるいは「サブ集合板ユニット」ともなっている。
また、上記リンクユニットLU1の構成においては、主制御基板216に検出信号を送出する第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8をまとめて搭載するとともに、第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8の配線を盤面中継端子板215により中継して一括的に主制御基板216に接続する電気的ユニットとしても機能するものとなっている。
(作用)
上記パチンコ機10は、遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉状態と入球し易い開状態との間で変移し得る可変部(即ち可動翼46T、47T、48T、49T、55T、56T)を備える可変入賞装置(即ち中央入賞装置46、下段側中下入賞装置47B、下段側右下入賞装置48B、下段側右中入賞装置49B、下段側左下入賞装置55Bならびに下段側左中入賞装置56B)と、遊技球の自重により駆動されて初期位置から作動位置へ移動し得るとともに、初期位置から作動位置へ移動する途上で前記可変入賞装置の可変部に係合して該可変部を変移させるように、リンクアーム、操作レバー等の部材とともに連動して動作するように構成された可動部材(即ち第1アームR1、第6アームR6、第12アームR12および第15アームR15)と、該可動部材に係合して該可動部材を動作し得ないように初期位置に保持する係合部材(即ち第1ないし第4係合部材LS1〜LS4)とを備える構成において、上記可動部材が、初期位置復帰用の錘により付勢されながら可動に取り付けられるとともに、上記係合部材が、係合方向に付勢する付勢手段である錘により、上記可動部材に係合して該可動部材を動作し得ないように初期位置に保持する係合体勢に保持され、上記可動部材が、作動位置にある状態から、前記錘の付勢により、上記係合部材の一部(即ち下側カム面)に当接し摺動することにより該係合部材を押しのけながら初期位置に復帰して該係合部材に係合される構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、可動部材である第1アームR1、第6アームR6、第12アームR12および第15アームR15が、初期位置復帰用の錘により付勢されながら可動に取り付けられ、作動位置にある状態から、上記錘の付勢により上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4の一部(即ち下側カム面)に当接し摺動することにより該第1ないし第4係合部材LS1〜LS4を押しのけながら初期位置に復帰して該第1ないし第4係合部材LS1〜LS4に係合される構成となっていることにより、可動部材を取り付ける際に該可動部材を取付体勢とすると、該可動部材が、錘の付勢力を受けてひとりでに上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4を押しのけながら初期位置に復帰して該第1ないし第4係合部材LS1〜LS4に係合される。したがって、固定手段等を操作することなく、可動部材を動作し得ないように初期位置に保持した状態で取り付けることができて取付作業を簡便に行うことができる。また、上記のように可動部材が外部からの操作によることなく錘の付勢力を受けてひとりでに初期位置に復帰することで、可動部材が確実に初期位置に保持され、したがって例えば操作を忘れることによって可動部材を誤った位置とするといったことがなく、確実に適正な状態で可動部材を取り付けることができる。
また、可動部材が第1ないし第4係合部材LS1〜LS4に係合されて動作し得ないように初期位置に保持されることにより、例えば外部から不正器具を侵入させて不正に可動部材を動作させようとしても、この第1ないし第4係合部材LS1〜LS4による係合を解除しなければ可動部材を動作させることができず、したがってそのぶん不正が行い難い。
また、上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4が、回動自在に軸支されて垂下され、錘によりほぼ垂下された状態に保持するように付勢され、側部には下側カム面が形成されているので、該下側カム面に沿って可動部材を摺動させることにより、該可動部材を第1ないし第4係合部材LS1〜LS4を押しのけながら初期位置へ容易に復帰させることが可能な構成となっている。
また、上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4の側部に上側カム面が形成されているので、該上側カム面に遊技球を当接させることにより、第1ないし第4係合部材LS1〜LS4を押しのけるようにして該第1ないし第4係合部材LS1〜LS4と可動部材との係合を容易に解除することが可能な構成となっている。
また、上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4に、正面視概略山形状に上方に突出した係合突起部が形成され、上記可動部材の先端部に、漸次先端側方向に傾斜する傾斜面を有する係合凹部が形成されているので、該係合凹部に上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4の係合突起部を係合させることにより、該第1ないし第4係合部材LS1〜LS4と可動部材とを容易に係合させて確実に係合状態に保持することができるとともに、両者の係合を容易に解除することが可能な構成となっている。即ち、係合状態では、例えば可動部材に対し上下方向に力が加わったとしても、この力は係合突起部の突出方向に沿って加わるため、係合突起部が係合凹部から外れる方向には作用せず、したがって係合状態が確実に保持され、一方、第1ないし第4係合部材LS1〜LS4が遊技球により側方へ押しのけられ、係合突起部の突出方向にほぼ直角な側方向に力が加わると、係合突起部が係合凹部から側方にずれるように外れて係合状態が容易に解除されるとともに、逆に係合状態に復帰することも容易となっている。
また、上記第1ないし第4係合部材LS1〜LS4の回動が、長孔と該長孔内に嵌入される規制ピンとで構成される規制機構により、該長孔の長さの範囲内に規制されているので、第1ないし第4係合部材LS1〜LS4が余剰に回動することなく適正に動作するようになっている。
また、可動部材である第1アームR1、第6アームR6、第12アームR12、第15アームR15ならびに第1ないし第4係合部材LS1〜LS4のうち、第15アームR15の先端部および第4係合部材LS4以外の大部分の部材が、ほぼ閉塞したリンクケースLC1の内部に収容されてリンクユニットLU1が構成されているので、例えば外部から不正器具を進入させて上記部材を不正に操作するといった不正行為は困難となっている。また、該リンクユニットLU1を遊技機の所定箇所に取り付けまたは取り外すことでこれら多数の部材を一括して簡便に取り付けまたは取り外すことが可能となっている。
また、上記リンクユニットLU1が、主制御基板216に接続される複数の入賞センサすなわち第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8がまとめて搭載され、該第1入賞センサPS1ないし第8入賞センサPS8の配線が中継基板すなわち盤面中継端子板215により中継して一括的に主制御基板216に接続される、電気的ユニットとしても機能する構成となっているので、該リンクユニットLU1の取付にともなって上記複数の入賞センサを一括して簡便に主制御基板216に接続することができ、したがって作業性がより良好となっている。
また、集合板BC1が、サブ制御基板212に接続される複数のランプ基板すなわち左上LED基板44S、右上LED基板45S、左側LED基板214L、右側LED基板214R、中央LED基板46S、中下LED基板47S、右下LED基板48S、右中LED基板49S、左下LED基板55Sならびに左中LED基板56Sがまとめて搭載され、各ランプ基板の配線が中継基板すなわち盤面ランプ中継端子板211により中継して一括的にサブ制御基板212に接続される、電気的ユニットとしても機能する構成となっているので、該集合板BC1の取付にともなって上記複数のランプ基板を一括して簡便にサブ制御基板212に接続することができ、したがって作業性がより良好となっている。
さらにこのとき、主制御基板216に接続される複数の入賞センサと、サブ制御基板212に接続される複数のランプ基板とが、前記リンクユニットLU1と集合板BC1とに分けてそれぞれ一括搭載される構成となっているので、複数の入賞センサから主制御基板216への配線と複数のランプ基板からサブ制御基板212への配線とを、交錯させることなくそれぞれ個別に一括して整然と行うことができ、したがって作業性がさらに良好となっている。
また、上記パチンコ機10は、遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉状態と入球し易い開状態との間で変移し得る可変部(即ち可動翼47T)を備える可変入賞装置(即ち下段側中下入賞装置47B)と、該可変入賞装置の可変部を変移させるように初期位置と作動位置との間を往復して動作する可動部材(即ち第10アームR10)と、該可動部材に初期位置から作動位置へ移動する方向に動力を伝達するように個別に動作する第1駆動部材(即ち第9アームR9)および第2駆動部材(即ち第15アームR15)とを備え、上記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと上記可動部材とが、該第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれからの動力は該可動部材へ伝達する一方、該可動部材からの動力は逃げにより該第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれへは伝達しないように、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構により連結されている構成となっている。
上記パチンコ機10の構成によれば、第1駆動部材である第9アームR9からの動力を可動部材である第10アームR10へ伝達して該第10アームR10を初期位置から作動位置へ移動させると、この動作にともなって生じる該第10アームR10からの動力は、逃げにより第2駆動部材である第15アームR15へは伝達しない。一方、第15アームR15からの動力を第10アームR10へ伝達して該第10アームR10を初期位置から作動位置へ移動させると、この動作にともなって生じる該第10アームR10からの動力は、逃げにより第9アームR9へは伝達しない。このように、第9アームR9および第15アームR15のそれぞれと第10アームR10とを連結する動力伝達機構が、該第9アームR9および第15アームR15のそれぞれから該第10アームR10へ一方的に動力を伝達し得る構成となっていることにより、第9アームR9および第15アームR15のそれぞれによって個別に第10アームR10を駆動して作動させることが可能となっている。即ち、同一の第10アームR10を別の2つの駆動部材である第9アームR9および第15アームR15によってそれぞれ個別に駆動することができる。これにより、1.第15アームR15で第10アームR10を駆動することによって下段側中下入賞装置47Bの可動翼47Tのみを単独で開閉させる場合と、2.第9アームR9で第10アームR10を駆動することによって上記下段側中下入賞装置47Bの可動翼47Tだけでなく下段側左下入賞装置55Bおよび下段側右下入賞装置48Bの可動翼55T、48Tもあわせて計3対の可動翼55T、47T、48Tを同時に開閉させる場合との、各場合1.、2.にそれぞれ対応して選択的に動作を行うという複雑なパターンが可能となっているが、このとき、第9アームR9および第15アームR15のそれぞれに対応して個別に可動部材を設ける必要がなく、共通の単一の可動部材として第10アームR10が設けられている構成となっているので、そのぶん機構が簡潔に構成されており、換言すれば、簡潔な構成によって複雑な動作が効率的に実現されている。
また、上記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと上記可動部材とを連結する2組の動力伝達機構のうちの一方である、第9アームR9と第10アームR10とを連結する動力伝達機構が、嵌合ピンRP10と、一側が開放された鉤部RH9とが離脱自在に嵌合し合うことにより構成されているので、該嵌合ピンRP10と鉤部RH9とが嵌合し合う方向には動力が伝達され、該嵌合ピンRP10と鉤部RH9とが離脱する方向には動力が伝達されないようになっている。したがって、簡潔な構成により、上記のような一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構が構成されている。
また、上記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと上記可動部材とを連結する2組の動力伝達機構のうちのもう一方である、第15アームR15と第10アームR10とを連結する動力伝達機構が、第16アームR16と第17アームR17とが屈曲自在に連結されることにより構成されているので、該第16アームR16と第17アームR17とが一方側から引っ張られる場合には動力が伝達され、該第16アームR16と第17アームR17とが一方側から押圧される場合には該第16アームR16および第17アームR17が自在に屈曲することにより動力が吸収されて伝達されないようになっている。したがって、簡潔な構成により、上記のような一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構が構成されている。
(変更態様)
上記実施形態のパチンコ機10には、各種の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態においては、可動部材として、回動することにより初期位置と作動位置との間を往復して動作するアーム(即ち第1アームR1、第6アームR6、第10アームR10、第12アームR12、第15アームR15等)が例示されていたが、可動部材としては、初期位置と作動位置との間を往復して動作し得るものであれば、上記のような回動式のものに限定されず任意の動作方式によるものが使用できる。図35は、ベルト機構による可動部材の一例を示す模式図である。同図に示す例においては、上下のプーリPW1、PW2に架設されたベルトBM1が、上下に延びる導球路LG3に沿って配置され、該ベルトBM1上に可動部材R18が固定されている。該可動部材R18は、上面が先端にむけてやや下傾する形状となっているが、これ以外の点では例えば前記実施形態における第1アームR1の球受け部RR1と同様の構成となっている。該可動部材R18はそのほぼ全体を導球路LG3内に進入させるようにして配置され、該導球路LG3内を自在に上下動すなわち直線運動し得るとともに、前記実施形態における第1係合部材LS1と同様の第5係合部材LS5に係合されて初期位置に保持されるようになっている。一方、ベルトBM1の反対側には伝達バーRT18が突設され、該伝達バーRT18の先端は可変入賞装置の可変部を駆動するリンク機構(図示せず)に連結されるとともに、中間部には金属製の錘RW18が取り付けられ、上記可動部材R18を初期位置に復帰する方向に付勢している。上記構成の可動部材R18によれば、動作機構が異なっているが、前記実施形態の可動部材と同等に機能することができる。
また、前記実施形態においては、第9アームR9と第10アームR10とを連結する動力伝達機構が、嵌合ピンRP10と、一側が開放された鉤部RH9とが離脱自在に嵌合し合うことにより構成されていたが、この動力伝達機構(以下、嵌合式動力伝達機構とも称す)に、例えば図36に示すように一部変更を加えることも可能である。同図に示す例においては、第19アームR19に、円弧状に長く延びる長孔RH19が形成され、該長孔RH19内に、前記実施形態における第10アームR10の嵌合ピンRP10と同様の嵌合ピンRP20が嵌入し、上記長孔RH19内を長さ方向に自在に移動し得るようになっており、これにより、第19アームR19と第20アームR20とが、前記実施形態における第9アームR9と第10アームR10との嵌合式動力伝達機構の場合と同様に、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構により連結されている。
また、前記実施形態においては、第15アームR15と第10アームR10とを連結する動力伝達機構が、第16アームR16と第17アームR17とが屈曲自在に連結されることにより構成されていたが、この動力伝達機構(以下、屈曲式動力伝達機構とも称す)は、第9アームR9と第10アームR10との連結に適用してもよい。また、第15アームR15と第10アームR10との連結に前記嵌合式動力伝達機構を適用することも可能である。
また、前記実施形態においては、係合部材を係合方向に付勢する付勢手段として錘が使用されていたが、錘以外にも、バネ等の任意の付勢手段を使用することができる。
(課題を解決するための手段への追加)
本発明に係る遊技機は、手段1として、
遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉状態と入球し易い開状態との間で変移し得る可変部を備える可変入賞装置と、遊技球の自重により駆動されて初期位置から作動位置へ移動し得るとともに、初期位置から作動位置へ移動する途上で前記可変入賞装置の可変部に係合して該可変部を変移させるように、単独でまたは複数の部材で連動して動作するように構成された可動部材と、該可動部材に係合して該可動部材を動作し得ないように初期位置に保持する係合部材とを備える遊技機であって、
前記可動部材が、初期位置復帰用の錘により付勢されながら可動に取り付けられるとともに、前記係合部材が、係合方向に付勢する付勢手段により、前記可動部材に係合して該可動部材を動作し得ないように初期位置に保持する係合体勢に保持され、
前記可動部材が、作動位置にある状態から、前記錘の付勢により、前記係合部材の一部に当接し摺動することにより該係合部材を押しのけながら初期位置に復帰して該係合部材に係合されることを特徴とする。
本発明において、「可変入賞装置」とは、可変部が閉状態と開状態との間で変移し得る構成を有するものであればいずれも含意し、例えば、可変部として可動翼が開閉し得るように構成された、チューリップと称される可変入賞装置の他、可変部として扉状の開閉部材が回動して開閉し得るように構成された可変入賞装置等も含まれる。
また、可変部の「閉状態」および「開状態」とは、2つの状態を比較した場合において遊技球の入球しやすさの度合いがより低いほうの状態およびより高いほうの状態をそれぞれ意味し、したがって必ずしも全閉状態ないし全開状態に限定されるものではない。
また、「付勢手段」には、錘の他、バネ等の弾性体等も含まれる。
上記手段1の構成によれば、可動部材が、初期位置復帰用の錘により付勢されながら可動に取り付けられ、作動位置にある状態から、上記錘の付勢により上記係合部材の一部に当接し摺動することにより該係合部材を押しのけながら初期位置に復帰して該係合部材に係合される構成となっていることにより、可動部材を取り付ける際に該可動部材を取付体勢とすると、該可動部材が、錘の付勢力を受けてひとりでに上記係合部材を押しのけながら初期位置に復帰して該係合部材に係合される。したがって、固定手段等を操作することなく、可動部材を動作し得ないように初期位置に保持した状態で取り付けることができて取付作業を簡便に行うことができる。また、上記のように可動部材が外部からの操作によることなく錘の付勢力を受けてひとりでに初期位置に復帰することで、可動部材が確実に初期位置に保持され、したがって例えば操作を忘れることによって可動部材を誤った位置とするといったことがなく、確実に適正な状態で可動部材を取り付けることができる。
また、可動部材が係合部材に係合されて動作し得ないように初期位置に保持されることにより、例えば外部から不正器具を侵入させて不正に可動部材を動作させようとしても、この係合部材による係合を解除しなければ可動部材を動作させることができず、したがってそのぶん不正が行い難い。
本発明に係る遊技機は、手段2として、前記手段1の遊技機において、
前記係合部材が、回動自在に軸支されて垂下され、錘によりほぼ垂下された状態に保持するように付勢され、側部には下側カム面が形成されていることを特徴とする。
上記手段2の構成によれば、下側カム面に沿って可動部材を摺動させることにより、該可動部材を係合部材を押しのけながら初期位置へ容易に復帰させることが可能な構成とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段3として、手段2の遊技機において、
上記係合部材の側部に上側カム面が形成されていることを特徴とする。
上記手段3の構成によれば、上側カム面に遊技球を当接させることにより、係合部材を押しのけるようにして該係合部材と可動部材との係合を容易に解除することが可能な構成とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段4として、手段2または手段3の遊技機において、
上記係合部材に、正面視概略山形状に上方に突出した係合突起部が形成され、上記可動部材の先端部に、漸次先端側方向に傾斜する傾斜面を有する係合凹部が形成されていることを特徴とする。
上記手段4の構成によれば、可動部材の係合凹部に係合部材の係合突起部を係合させることにより、該係合部材と可動部材とを容易に係合させて確実に係合状態に保持することができるとともに、両者の係合を容易に解除することが可能な構成とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段5として、手段2から手段4のいずれかの遊技機において、
上記係合部材の回動が、長孔と該長孔内に嵌入される規制ピンとで構成される規制機構により、該長孔の長さの範囲内に規制されていることを特徴とする。
上記手段5の構成によれば、係合部材が余剰に回動することなく適正に動作する構成とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段6として、手段1から手段5のいずれかの遊技機において、
可動部材および係合部材の少なくとも一部が、ほぼ閉塞したケースの内部に収容されてユニットが構成されていることを特徴とする。
上記手段6の構成によれば、例えば外部から不正器具を進入させて上記可動部材ないし係合部材を不正に操作するといった不正行為を困難とすることができる。また、該リンクユニットを遊技機の所定箇所に取り付けまたは取り外すことで可動部材ないし係合部材を一括して簡便に取り付けまたは取り外すことが可能な構成とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段7として、手段6の遊技機において、
上記リンクユニットが、主制御基板に接続される複数の入賞センサがまとめて搭載され、該入賞センサの配線が中継基板により中継して一括的に主制御基板に接続される構成となっていることを特徴とする。
上記手段7の構成によれば、リンクユニットの取付にともなって上記複数の入賞センサを一括して簡便に主制御基板に接続することができ、したがって作業性をより良好とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段8として、手段7の遊技機において、
集合板が、サブ制御基板に接続される複数のランプ基板がまとめて搭載され、各ランプ基板の配線が中継基板により中継して一括的にサブ制御基板に接続される構成となっていることを特徴とする。
本発明において、「集合板」とは、遊技球を案内し得る通路が形成された部材であればいずれも含意する。
上記手段8の構成によれば、集合板の取付にともなって上記複数のランプ基板を一括して簡便にサブ制御基板に接続することができ、したがって作業性をより良好とすることができる。
さらにこのとき、主制御基板に接続される複数の入賞センサと、サブ制御基板に接続される複数のランプ基板とが、前記リンクユニットと集合板とに分けてそれぞれ一括搭載される構成となるので、複数の入賞センサから主制御基板への配線と複数のランプ基板からサブ制御基板への配線とを、交錯させることなくそれぞれ個別に一括して整然と行うことができ、したがって作業性をさらに良好とすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段9として、
遊技球が入球し難いまたは入球し得ない閉状態と入球し易い開状態との間で変移し得る可変部を備える可変入賞装置と、該可変入賞装置の可変部を変移させるように初期位置と作動位置との間を往復して動作する可動部材と、該可動部材に初期位置から作動位置へ移動する方向に動力を伝達するように個別に動作する第1駆動部材および第2駆動部材とを備え、
前記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと前記可動部材とが、該第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれからの動力は該可動部材へ伝達する一方、該可動部材からの動力は逃げにより該第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれへは伝達しないように、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構により連結されていることを特徴とする。
上記手段9の構成によれば、第1駆動部材からの動力を可動部材へ伝達して該可動部材を初期位置から作動位置へ移動させると、この動作にともなって生じる該可動部材からの動力は、逃げにより第2駆動部材へは伝達しない。一方、第2駆動部材からの動力を可動部材へ伝達して該可動部材を初期位置から作動位置へ移動させると、この動作にともなって生じる該可動部材からの動力は、逃げにより第1駆動部材へは伝達しない。このように、第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと可動部材とを連結する動力伝達機構が、該第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれから該可動部材へ一方的に動力を伝達し得る構成となっていることにより、第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれによって個別に可動部材を駆動して作動させることが可能となる。即ち、同一の可動部材を別の2つの駆動部材によってそれぞれ個別に駆動することができる。これにより、例えば、1つの可変入賞装置の可変部のみを単独で変移させる場合と、この可変入賞装置の可変部に他の可変入賞装置の可変部もあわせて複数の可変入賞装置の可変部を同時に変移させる場合とのそれぞれの場合に対応して選択的に動作を行うといった複雑なパターンも可能となるが、このとき、第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれに対応して個別に可動部材を設ける必要がなく、そのぶん機構を簡潔に構成することができ、換言すれば、簡潔な構成によって複雑な動作が効率的に実現できることとなる。
また、本発明に係る遊技機は、手段10として、手段9の遊技機において、
上記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと上記可動部材とを連結する2組の動力伝達機構のうちの少なくとも一方が、嵌合ピンと、一側が開放された鉤部とが離脱自在に嵌合し合うことにより構成されていることを特徴とする。
上記手段10の構成によれば、嵌合ピンと鉤部とが嵌合し合う方向には動力が伝達され、該嵌合ピンと鉤部とが離脱する方向には動力が伝達されないこととなる。したがって、簡潔な構成により、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構を構成することができる。
また、本発明に係る遊技機は、手段11として、手段9または手段10の遊技機において、
上記第1駆動部材および第2駆動部材のそれぞれと上記可動部材とを連結する2組の動力伝達機構のうちの少なくとも一方が、複数のアームが屈曲自在に連結されることにより構成されていることを特徴とする。
上記手段11の構成によれば、複数のアームが一方側から引っ張られる場合には動力が伝達され、該複数のアームが一方側から押圧される場合には該複数のアームが自在に屈曲することにより動力が吸収されて伝達されないこととなる。したがって、簡潔な構成により、一方的に動力を伝達し得る動力伝達機構を構成することができる。