JP2013031268A - 熱電発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電発電素子の設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部での凝縮水の発生によって発電効率が低下することを有効に抑制できる熱電発電装置を提供する。
【解決手段】両端部43a,43bが高温側部材42bと低温側部材45aとに接触する熱電発電素子43を有し、その熱電発電素子43により両端部43a,43bの温度差に応じて発電する熱電発電装置であって、高温側部材42bと低温側部材45aとの間に熱電発電素子43を設置する設置空間46が形成されるとともに、設置空間46の内部の圧力を減圧可能な減圧機構49を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、高温側部材と低温側部材とに接触する両端部の温度差に応じて発電する熱電発電装置に関し、特に高温側部材から低温側部材に効率良く熱を回収するとともに熱電発電するのに好適な熱電発電装置に関する。
ペルチェ素子にゼーベック効果(ペルチェ効果の逆作用)を生じさせることで、温度差を電力に変換する熱電発電装置が知られている。この熱電発電装置は、一般に、ペルチェ素子の両端部を高温側部材と低温側部材とに接触させることで、その両端部の温度差に応じてペルチェ素子に発電させるようになっている。
また、熱電発電素子には、耐熱性に優れるが発電効率が比較的低いものと、耐熱性は劣るが発電効率が比較的高いものとがあり、耐熱性に優れる熱電発電素子を用いた熱電発電装置としては、例えば車両用内燃機関の排気熱回収装置に併設されるものがある。
この種の熱電発電装置として、例えば排気管の外周部に排気熱回収用の冷却水配管を配置するとともに、その冷却水配管と排気管との間に熱電モジュールを配置することで、その熱電モジュールを介し排気管側から冷却水配管を加熱して冷却水配管側に排気熱を回収させるとともに、熱電モジュールから発電出力させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、熱電変換ユニットとそれに連結される排気管等の発熱体との間に電気絶縁部材を設けることで、熱電変換ユニットに連結される発熱体がボディーアースされる場合でも、ボディーアースと熱電変換器のグランドとを絶縁することができ、熱電変換器の発電電流の短絡を防止することができる。
また、吸熱側基板と放熱側基板との間の空間内にそれぞれP型およびN型の半導体素子対からなる複数の熱電発電素子を両基板の板面方向に隣り合うよう設置するとともに、隣り合う熱電発電素子の間にそれらの設置空間を貫通して結露水を下方側(放熱側)に移動させることができる導水管を設けたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、装置内部での結露によって吸熱側基板上に溜まる水を、導水管を通して外部(放熱側)に移動させ、蒸発させることができる。
さらに、熱電発電素子に一定以上の逆電圧を印加することで発熱させ、凝縮水を蒸発させるようにしたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
一方、耐熱性は劣るが発電効率が比較的高いものを用いた熱電発電装置としては、例えば腕時計の金属製のケースとこれを閉塞する裏蓋との間に熱絶縁体を介装するとともに、時計モジュールと裏蓋との間に熱電発電素子を設けた熱電発電装置が知られている。この装置では、熱電発電素子に対し塵や埃、水等が接触することを防止できる。
特開2007−14161号公報 特開2001−358372号公報 実開平06−331232号公報 実開(実全)2000−000029号公報
しかしながら、熱電変換ユニットと排気管等の発熱体との間に電気絶縁部材を設ける従来の熱電発電装置にあっては、熱電発電素子の設置空間内で結露が生じると、その空間内の気体(空気)よりも熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動することにより熱電発電素子の両端部の温度差が減少し、発電効率が低下してしまうという問題があった。
また、隣り合う熱電発電素子の間に凝縮水を排出させる導水管を設ける従来の熱電発電装置にあっては、複数の熱電発電素子が設置される吸熱側基板と放熱側基板との間の設置空間内で結露が生じた場合に導水管による排水ができないばかりか、構造が複雑になり、しかも、導水管による熱伝導によって発電効率が低下してしまうという問題があった。
さらに、熱電発電素子に一定以上の逆電圧を印加することで発熱させて凝縮水を蒸発させる従来の熱電発電装置にあっては、凝縮水を蒸発させるためにかなりの電力を消費してしまい、発電効率が低下してしまうという問題があった。
また、裏蓋で高剛性に密閉および閉塞される金属製のケース内に熱電発電素子を設けた従来の熱電発電装置にあっては、ケースと裏蓋の間に大きな温度差が生じると熱発電素子に大きな歪みが生じるため、ケースと裏蓋の間に大きな温度差が生じるような場合には適用できず、一方、温度差が小さい場合には多用途に適用可能な発電出力を得難いという問題があった。
すなわち、従来の熱電発電装置にあっては、或る程度以上の容積を有する設置空間内に複数の熱電発電素子が設置される場合に、その設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部における凝縮水の発生によって発電効率が低下してしまうことを有効に抑制することができなかった。
そこで、本発明は、熱電発電素子の設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部での凝縮水等の液体(以下、凝縮液という)の発生によって発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供するものである。
本発明に係る熱電発電装置は、上記課題を解決するため、(1)両端部が高温側部材と低温側部材とに接触する熱電発電素子を有し、該熱電発電素子により前記両端部の温度差に応じて発電する熱電発電装置であって、前記高温側部材と前記低温側部材との間に前記熱電発電素子を設置する設置空間が形成されるとともに、前記設置空間の内部の圧力を減圧可能な減圧機構を備えていることを特徴とする。
この発明では、設置空間の内部の圧力が減圧機構により減圧されることで、その設置空間の内部の蒸気(例えば水蒸気)の量が減少し、設置空間の内部における凝縮液の発生が抑制される。したがって、高温側部材と低温側部材との間で熱伝導率の大きい凝縮液を通して熱が移動してしまうことが有効に抑制され、温度差の減少により熱電発電素子の発電効率が低下してしまうことが防止される。すなわち、熱電発電素子の設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部での凝縮液の発生によって発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置となる。
上記構成を有する本発明の熱電発電装置においては、(2)前記設置空間の内部の圧力を前記減圧機構による減圧状態に保持する減圧状態保持機構をさらに備えていることが望ましい。
この構成により、設置空間の内部を減圧機構によって減圧し続けることなく所要の減圧状態を保持可能となり、既存の負圧源等を減圧機構として有効活用できる。
上記(2)の構成を有する熱電発電装置においては、(3)前記減圧状態保持機構は、前記設置空間の内部の圧力が前記減圧機構によって減圧されるときに開弁し、前記設置空間の内部の圧力を保持するよう閉弁状態を保持する一方向弁を有しているのがよい。
これにより、小型・簡素で信頼性の高い減圧保持手段を構成できる。
本発明の熱電発電装置は、好ましくは、(4)前記減圧機構が、内燃機関の吸気管内の負圧を前記設置空間に導入するものである。
この構成により、内燃機関の運転時に吸気管内に発生する負圧を負圧源として有効活用できる。
上記(4)の構成を有する熱電発電装置においては、(5)前記高温側部材が、前記内燃機関の排気管の一部を構成しており、前記低温部材が、前記熱電発電素子を間に挟んで前記排気管に対向し、前記排気管との間に前記設置空間を形成しているのがよい。
これにより、内燃機関の冷間始動時等に排気管からの排気熱を回収可能な排気熱回収装置を構成するとともに、その排気熱回収時に発電が可能な熱電発電装置を容易に実現できる。
上記(5)の構成を有する熱電発電装置においては、(6)前記内燃機関の排気管は、内部の排気通路を開閉可能な通路切替え弁が装着された第1排気管部と、排気方向における前記通路切替え弁の上流側と下流側とで前記第1排気管部に接続されるとともに前記通路切替え弁をバイパスするバイパス通路を形成する第2排気管部と、を含んでいるものであってもよい。
この場合、必要時にのみ排気熱回収および熱電発電を実行可能となる。
上記(4)〜(6)のいずれかの構成を有する熱電発電装置においては、(7)前記低温部材が、内部に前記内燃機関の冷却水を通す冷却水通路を有していることが好ましい。
この構成により、熱電発電素子の両端部に排気管の一部を構成する高温側部材と冷却水を通す低温側部材とが接触することになり、効率的な熱電発電が可能になる。
上記(7)の構成を有する熱電発電装置においては、(8)前記低温部材は、前記冷却水通路の冷却水導入口が前記冷却水通路の冷却水排出口よりも前記排気管の排気方向における下流側に位置していることが好ましい。
これにより、排気管の排気方向に隣り合う複数の熱電発電素子を設ける場合に、排気管温度が相対的に高くなる排気方向上流側では冷却水温度が相対的に高く、排気管温度が相対的に低くなる排気方向下流側では冷却水温度が相対的に低くなるようにして、複数の熱電発電素子の発電出力の均一化を図ることができる。
本発明によれば、熱電発電素子の設置空間の内部を減圧機構により減圧することで、その設置空間の内部の蒸気量を減少させて設置空間の内部における凝縮液の発生を抑制するようにしているので、高温側部材と低温側部材との間で熱伝導率の大きい凝縮液を通して熱が移動してしまうことを有効に抑制し、温度差の減少により熱電発電素子の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。その結果、熱電発電素子の設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部での凝縮液の発生によって発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置を備えた内燃機関の排気熱回収システムの概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置の要部断面図である。 図2のIII−III矢視断面図である。 本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置における低温側部材中の冷却水通路の2つの形状例を示すその概略展開図である。 本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置を備えた内燃機関の排気熱回収システムの冷却水系の説明図である。 本発明の第2実施形態に係る熱電発電装置を備えた内燃機関の排気熱回収システムの要部概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る熱電発電装置の要部断面図である。 本発明の第4実施形態に係る熱電発電装置の要部断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1〜図5に、本発明の第1実施形態に係る熱電発電装置を備えた内燃機関の排気熱回収システムを示している。
本実施形態の排気熱回収システムは、自動車(車両)に搭載される水冷式の多気筒の内燃機関、例えば4サイクルガソリンエンジンに装備されている。勿論、本発明に係る熱電発電装置およびこれを備えた排気熱回収システムは、燃料が異なる他のエンジンに装備されるものであってもよい。
まず、その構成について説明する。
図1に示すように、エンジン1は、各気筒1c内に往復動可能なピストン2を収納して燃焼室3を形成しており、ピストン2は、コネクティングロッド4を介してクランクシャフト5に連結されている。燃焼室3の上部には、図示しない動弁機構によりクランクシャフト5の回転に応じて開閉される吸気弁6および排気弁7と、燃焼室3内に火花点火可能に露出する点火プラグ8とが設けられている。吸気弁6は、その開弁時に燃焼室3を吸気管21Pの内部通路を含む吸気通路21に連通させ、排気弁7は、その開弁時に燃焼室3を排気管31Pの内部通路を含む排気通路31に連通させるようになっている。そして、吸気弁6の開弁により燃焼室3が吸気通路21に連通した状態でピストン2が下降するとき、燃焼室3は、吸気通路21を通して空気を吸入することができる。また、排気弁7の開弁により燃焼室3が排気通路31に連通した状態でピストン2が上昇するとき、燃焼室3は、排気通路31を通し排気ガスを排出することができる。
吸気通路21は、図示しないエアクローナを通して空気を導入可能であるとともに、スロットル弁22の開度に応じて吸入空気量が調節可能であり、エアフローメータ23によってその吸入空気量が検出されるようになっている。また、スロットル弁22より下流側には、吸気通路21内の圧力脈動を緩和するサージタンク24が設けられており、そのサージタンク24より下流側で各気筒1cに分岐する吸気ポート部分21cには、吸気通路21内に燃料を噴射して吸入空気中に燃料を混合させるインジェクタ25が設けられている。なお、点火プラグ8、スロットル弁22およびインジェクタ25は、それぞれ車載用の電子制御ユニット(以下、ECUという)50によって、その点火時期、スロットル開度および噴射量(噴射時間)を制御されるようになっている。各気筒1cに対応する各インジェクタ25は、燃料を蓄圧・貯留するデリバリパイプ26に接続されており、デリバリパイプ26から分配される所定燃圧の燃料を燃焼室3内に噴射するよう開弁するとともに、その噴射量を開弁時間のデューティ制御によって制御できるようになっている。
一方、図1および図5に示すように、エンジン1の各気筒1cを形成するシリンダブロック11bおよびシリンダヘッド11hの内部には、冷却水を通すウォータジャケット11w(詳細は図示せず)が形成されている。ウォータジャケット11wを通過した冷却水は、エンジン1のシリンダヘッド11hに形成された冷却水出口e1から流出するようになっており、エンジン1から流出した冷却水は、ラジエータ12によって外部の空気との熱交換により冷却されるようになっている。ラジエータ12には、例えば完全密閉式のリザーブタンク13が装着されている。また、エンジン1のウォータジャケット11wの上流端側にはウォータポンプ15が配置されており、そのウォータポンプ15の吸入側に冷却水の温度に感応して開弁および閉弁するサーモスタット14が配置されている。
エンジン1から流出した冷却水は、車室内の暖房等のために冷却水と空気との間の熱交換を行うヒータコア16にも供給されるようになっており、そのヒータコア16を通過したエンジン冷却水は、冷却水通路19の2つの分岐通路19a,19bを介して、EGRクーラ18と、エンジン1の排気管中を通る排気ガスとエンジン冷却水との間の熱交換により排気熱を回収することでヒータコア16やエンジン1の暖機性能を向上させることができる排気熱再循環装置40(排気熱回収装置)とに、それぞれ供給されるようになっている。エンジン1から流出する冷却水は、また、吸気通路の一部を形成するとともにスロットルバルブの一部を構成するスロットルボデー17にも通水されるようになっている。
図2および図5に示すように、排気熱再循環装置40は、冷却水通路19の分岐通路19bに接続された排気ガス制御アクチュエータ41と、排気通路31の途中に少なくともその上流側の鉛直方向上部に複数の壁面貫通孔42hを有する多孔内管42aおよびそれを取り囲む外管42bからなる二重管を構成する通路切替え管42とを備えている。また、排気ガス制御アクチュエータ41は、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を開閉可能な蓋状弁体41aと、図示しないサーモスタットタイプの弁体操作部材41bとを有している。
この排気ガス制御アクチュエータ41は、分岐通路19bを通る冷却水の温度が閾値温度を超えて暖機後の所定の冷却水温側に上昇するとき、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を開放するよう、蓋状弁体41aを開弁位置に位置させる。また、分岐通路19bを通る冷却水の温度が閾値温度以下であるとき(冷却水への熱回収を優先すべき条件が成立するとき)、排気ガス制御アクチュエータ41は、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を閉塞するよう、蓋状弁体41aを閉弁位置に位置させる。
すなわち、排気ガス制御アクチュエータ41は、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を閉塞するとき、排気通路31の途中で通路切替え管42内に入った高温の排気ガスを多孔内管42aと外管42bの間の迂回通路42cを通して迂回させることができる。排気ガス制御アクチュエータ41は、また、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部が開放されたとき、排気通路31の途中で通路切替え管42内に入った高温の排気ガスを多孔内管42aのみを通して下流側に通過させることができる。
一方、通路切替え管42の外管42b(排気管の一部)の周りには、環状の冷却ユニット45が配置されており、その冷却ユニット45と通路切替え管42の外管42bとの間には、それぞれP型半導体素子およびN型半導体素子の対(ペルチェ素子)で構成される複数の熱電発電素子43が介装されている。これら複数の熱電発電素子43は、それぞれのペルチェ素子の高温側および低温側の平坦面状の端部43a,43b(以下、単に両端部ともいう)を、外管42b(高温側部材)とその周りを取り囲む環状の冷却ユニット45の略円筒状の内周壁部45a(低温側部材)とに接触させている。
複数の熱電発電素子43は、それぞれのペルチェ素子の両端部、すなわち、高温側および低温側の端部43a,43bの温度差に応じたゼーベック効果(N型半導体素子内での電子の低温側への移動およびP型半導体素子内での正孔の低温側への移動)を生じさせて、発電させることができる公知のものである。また、複数の熱電発電素子43は、直列に接続された複数個を一組の熱電発電素子43とするとき、少なくとも一組の熱電発電素子43によって構成されている。すなわち、排気熱再循環装置40は、複数の熱電発電素子43により、それらの両端部43a,43bの温度差に応じて発電する熱電発電装置の機能を併有している。
より具体的には、図3に示すように、複数の熱電発電素子43は、例えばそれぞれ長方形の電極板や冷却板で複数個の素子を一体化した複数の熱電発電モジュール43Mとして構成されており、これら複数の熱電発電モジュール43Mが通路切替え管42の周方向に等角度間隔に、かつ、通路切替え管42の軸方向に等間隔に配列されている。
この場合、図3に示すように、通路切替え管42の外管42bの外周側には、複数の熱電発電モジュール43Mの高温側端部(電極面)を隙間なく熱伝導可能に接合できるように外周面が略多角形をなす取付けリング42rが装着されている。勿論、複数の熱電発電素子43の取付け構造や熱電発電モジュール43Mの形状によっては、取付けリング42rは必要でない。
冷却ユニット45の内周壁部45aは、通路切替え管42の外管42bに対し径方向の所定の間隙を隔てるとともに、複数の熱電発電素子43を間に挟んで外管42bに径方向に対向している。また、冷却ユニット45は、内周壁部45aの半径方向の外側に、冷却水通路19の分岐通路19bの一部となる冷却水通路45bを形成している。
この冷却水通路45bは、特にその通路形状が限定されるものではないが、例えば図4(a)および図4(b)に示すように、冷却水通路45bの冷却水導入口45cが冷却水通路45bの冷却水排出口45dよりも排気方向における下流側に位置するように形状設定されている。
図4(a)に示す冷却水通路45bは、排気方向の下流側の冷却水導入口45cから排気方向の上流側の冷却水排出口45dに向かって周方向に蛇行するように多数回折り返されている。また、図4(b)に示す冷却水通路45bは、複数の環状通路部分45rとそれらの間で冷却ユニット45の中心軸線に対し略平行に延びる複数組の多数の平行通路部分45pとを有しており、平行通路部分45pの長さは、排気方向(冷却ユニット45の中心軸線方向)における熱電発電素子43の長さに近い長さとなっている。
排気熱再循環装置40においては、また、冷却ユニット45の内周壁部45aと通路切替え管42の外管42bとが、両者の間に複数の熱電発電素子43を設置し収納する設置空間46を形成するように、互いに接続されている。
この設置空間46は、公知の一方向弁(逆止弁)47が装着された配管48を通してサージタンク24の内部に連通可能であり、サージタンク24内の圧力が設置空間46内の圧力より低圧となるとき、一方向弁47が開弁して設置空間46の内部がサージタンク24内の吸気負圧(例えば、スロットル弁22の開度が低開度に絞られた状態で燃焼室3内に空気が吸入されるときの吸気管内の圧力)により減圧されるようになっている。すなわち、サージタンク24、一方向弁47および配管48は、エンジン1の吸気負圧(吸気管内の負圧)を設置空間46に導入して設置空間46の内部を減圧することができる減圧機構49を構成している。
ここで、一方向弁47は、その閉弁時に配管48と協働して設置空間46の内部の圧力を減圧機構49による減圧状態に保持することができる減圧状態保持機構となっている。この減圧状態保持機構としての一方向弁47は、サージタンク24内に吸気負圧が発生してその前後差圧が所定値に達した状態下で、設置空間46の内部の圧力が減圧機構49によって減圧されるのを許容するように開弁し、サージタンク24内に吸気負圧が低下してその前後差圧が所定値を下回った状態下で、設置空間46の内部の圧力を保持するよう閉弁状態を保持することができるようになっている。
なお、本実施形態では、設置空間46は、通路切替え管42の外管42bを取り囲む略円筒状に形成され、その軸方向両端を、冷却ユニット45と通路切替え管42の外管42bとの間に介装された弾性の閉塞部材44a,44b(高剛性の閉塞部材と弾性シールリングの組合せでもよい)によって気密的に閉塞されている。勿論、設置空間46は、複数の熱電発電素子43の配列パターンや冷却ユニット45の形状に応じて、通路切替え管42の軸線方向に対し平行にかつ周方向等間隔に配置された複数の平行な設置空間(円筒空間を複数の弧状断面の短冊状空間に分割した形状)となってもよいし、通路切替え管42の外管42bの周りを取り囲む段付の螺旋状のあるいは蛇行した設置空間となってもよい。また、設置空間46の内部に少なくとも1つの仕切り板を設けて、設置空間46の内部あるいは分割した設置空間内における冷却水の流れの経路を蛇行させたり分散および集合させたりすることができる。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態の熱電発電装置を備えた排気熱回収システムにおいては、冷却水通路19を通る冷却水の温度が閾値温度以下で、冷却水への熱回収を優先すべき条件が成立すると、ECU50が排気ガス制御アクチュエータ41を作動させ、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を閉塞するよう、蓋状弁体41aを閉弁位置に変位させる。
このとき、排気通路31の途中で排気熱再循環装置40の通路切替え管42内に入った高温の排気ガスは、多孔内管42aと外管42bの間の迂回通路42cを通り、通路切替え管42の外管42bが加熱されることになり、複数の熱電発電素子43の高温側端部の温度が上昇する。一方、冷却水通路19を通して冷却ユニット45に冷却水が流れることで、その内周壁部45aに接する複数の熱電発電素子43の低温側端部の温度が低下する。したがって、各熱電発電素子43を構成するN型半導体素子内での電子の低温側への移動とP型半導体素子内での正孔の低温側への移動とが生じるとともに、排気通路31を通る排気ガスの持つ熱の一部が複数の熱電発電素子43を介し冷却ユニット45側に伝熱されて冷却水に回収される。その結果、エンジン1の冷却水の温度が上昇し、例えば冷間始動時におけるエンジン1の暖機が促進されるとともに、複数の熱電発電素子43による発電出力が得られることになる。
一方、冷却水通路19を通る冷却水の温度が閾値温度を超えると、ECU50が排気ガス制御アクチュエータ41を作動させ、通路切替え管42の多孔内管42aの下流端部を開放するよう、蓋状弁体41aを開弁位置に復帰させる。このとき、排気通路31の途中で通路切替え管42内に入った高温の排気ガスは、多孔内管42aのみを通して抵抗なく下流側に通過することができるので、エンジン1の出力優先の運転が可能となる。
ところで、上述のようなエンジン1の運転がなされるとき、特に冷却水への熱回収を実行するときには、複数の熱電発電素子43の両端部43a,43bの間に大きな温度差が生じる。
しかし、本実施形態では、例えばエンジン1の冷却水温が低い冷間始動時等において、スロットル弁22の開度が低開度に絞られた状態で燃焼室3内に空気が吸入されるとき、サージタンク24内の圧力が設置空間46内の圧力より低圧となることで、一方向弁47が開弁する。したがって、このとき、設置空間46の内部の圧力が減圧機構49により減圧されることで、その設置空間46の内部の蒸気(例えば水蒸気)の量が減少することになり、従来であれば設置空間46の内部に凝縮水が発生し易い運転条件下であっても、設置空間46の内部における凝縮水の発生が有効に抑制されることになる。
したがって、高温側部材である通路切替え管42の外管42bと低温側部材である冷却ユニット45の内周壁部45aとの間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうことが有効に抑制され、温度差の減少により熱電発電素子43の発電効率が低下してしまうことが防止される。その結果、熱電発電素子43の設置空間46を高剛性に密閉(高剛性の部材で密閉)することなく、設置空間46の内部での凝縮水の発生によって熱電発電素子43の発電効率が低下することを有効に抑制することができる。
また、本実施形態では、減圧機構49の一方向弁47が、設置空間46の内部の圧力を減圧機構49による減圧状態に保持する減圧状態保持機構としても機能するので、設置空間46の内部を減圧機構49によって減圧し続けることなく所要の減圧状態を保持することができることになる。しかも、減圧機構49が、エンジン1の吸気通路21内の負圧を設置空間46に導入するので、エンジン1の運転時にサージタンク24(吸気管の一部)内に発生する負圧を負圧源として有効活用できる。
しかも、一方向弁47は、設置空間46の内部の圧力が減圧機構49によって減圧されるときに開弁し、設置空間46の内部の圧力を保持するよう閉弁状態を保持する簡素な弁構造であるので、小型・簡素で信頼性の高い減圧保持手段を構成できることになる。
加えて、本実施形態では、通路切替え管42の外管42bが、エンジン1の排気管31Pの一部を構成するとともに、冷却ユニット45の内周壁部45aがその外管42bとの間に設置空間46を形成している。したがって、エンジン1の冷間始動時等に排気管31Pからの排気熱を回収可能な排気熱回収装置を構成するとともに、その排気熱回収時に発電が可能な熱電発電装置を容易に実現できることになる。
また、冷却ユニット45が、その内部にエンジン1の冷却水を通す冷却水通路45bを有しているので、熱電発電素子43の両端部43a,43bに排気管31Pの一部を構成する通路切替え管42の外管42bと冷却水を通す冷却ユニット45の内周壁部45aとが接触することになり、効率的な熱電発電が可能になる。
さらに、冷却水通路45bの冷却水導入口45cが冷却水排出口45dよりも排気方向下流側に位置しているので、排気方向に隣り合う複数の熱電発電素子43に対して、排気管温度が相対的に高くなる排気方向上流側では冷却水温度が相対的に高く、排気管温度が相対的に低くなる排気方向下流側では冷却水温度が相対的に低くなるようにでき、複数の熱電発電素子43の発電出力の均一化を図ることができる。
このように、本実施形態の熱電発電装置を備えた排気熱回収システムにおいては、複数の熱電発電素子43の設置空間46の内部を減圧機構49により減圧して、その設置空間46の内部の蒸気量を減少させる。
したがって、複数の熱電発電素子43に接する高温側部材である通路切替え管42の外管42bと低温側部材である冷却水通路45bの内周壁部45aとの間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうことを有効に抑制して、温度差の減少により熱電発電素子43の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。
その結果、複数の熱電発電素子43の設置空間を高剛性に密閉することなく、その設置空間46の内部での凝縮水の発生によって複数の熱電発電素子43の発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができる。
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係る熱電発電装置を示す図である。
本実施形態は、熱電発電装置の構成自体は上述の第1実施形態と類似するものであるが、通路切替え管42の多孔内管42aの排気管31Pへの実装形態が第1実施形態とは相違するものである。なお、以下に説明する実施形態において、上述の第1実施形態と同一または類似の構成要素については、図1〜図5中の対応する構成要素と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態においては、排気管31Pは、内部の排気通路31を開閉可能な通路切替え弁65が装着された第1排気管部61と、排気方向における通路切替え弁65の上流側と下流側とで第1排気管部61に接続されるとともに、通路切替え弁65をバイパスするバイパス通路31bを形成する第2排気管部62と、を含んでいる。通路切替え弁65は、図示しないアクチュエータによって制御され、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ29(図1参照)の検出情報に基づいて、ECU50によりその開度を制御されるようになっている。
また、排気管31Pの一部を構成する第2排気管部62の中間部分62cの周りには、環状の冷却ユニット45が配置されており、その冷却ユニット45と第2排気管部62の中間部分62cとの間に複数の熱電発電素子43が介装されている。
すなわち、本実施形態では、複数の熱電発電素子43は、それぞれのペルチェ素子の高温側および低温側の平坦面状の端部を、高温側部材である第2排気管部62の中間部分62cとその周りを取り囲む低温側部材である環状の冷却ユニット45の略円筒状の内周壁部45aとに接触させている。
したがって、本実施形態では、ECU50によって通路切替え弁65を選択的に開閉動作させることで、熱回収および熱電発電が優先される必要時にのみ排気熱再循環装置40による排気熱回収および熱電発電を実行することができるようになっている。
本実施形態においても、設置空間46の内部の圧力を減圧機構49により減圧して、その設置空間46の内部の蒸気量を減少させる。
したがって、複数の熱電発電素子43に接する第2排気管部62の中間部分62cと冷却水通路45bの内周壁部45aとの間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうことを有効に抑制して、温度差の減少により熱電発電素子43の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。
その結果、複数の熱電発電素子43の設置空間を高剛性に密閉することなく、その設置空間46の内部での凝縮水の発生によって複数の熱電発電素子43の発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができる。
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態に係る熱電発電装置を示す図である。
本実施形態は、複数の熱電発電素子の高温側端部および低温側端部に接する高温側部材と低温側部材とを交互に配置したものである。
図7に示すように、本実施形態の熱電発電装置の機能を併有する排気熱再循環装置70においては、排気管31Pまたは第2排気管部62によって形成される排気通路71が偏平チューブ状の複数、例えば一対の平坦な高温側部材72の内部のガス通路72bに分岐接続されており、一対の高温側部材72の間および両外方に配置された複数、例えば3つの平坦な偏平チューブ状の冷却ユニット75の内部の冷却水通路75bに冷却水通路19の分岐通路19bが分岐接続されている。
また、これら複数の偏平チューブ状の高温側部材72および冷却ユニット75は、互いの間に複数の熱電発電素子43を挟んで離間しつつ積層配置された状態で、複数の熱電発電素子43の厚さ方向に対面する低温側壁面部75a,75e,75fおよび高温側壁面部72e,72fを形成している。そして、偏平チューブ状の高温側部材72および冷却ユニット75の両端側で両者間に介装された閉塞部材74a,74b(高剛性の閉塞部材と弾性シールリングの組合せでもよい)によって、隣り合う高温側部材72および冷却ユニット75の間にそれぞれ設置空間76が形成されるとともに、複数の設置空間76が外部の大気圧空間に対して気密的に閉塞されている。
また、高温側部材72および冷却ユニット75のうち複数の設置空間76が両面側に形成される一部の高温側部材72および冷却ユニット75には、それぞれ厚さ方向に貫通するよう貫通穴部72h,75hが形成されている。そして、これら貫通穴部72h,75hを通して複数の設置空間76が互いに連通しており、複数の設置空間76のうち少なくとも1つの特定の設置空間76に対して減圧機構49の配管48が接続されている。
本実施形態においても、設置空間76の内部の圧力を減圧機構49により減圧して、その設置空間76の内部の蒸気量を減少させる。
したがって、複数の熱電発電素子43に接する高温側部材72の高温側壁面部72e,72fと冷却ユニット75の低温側壁面部75a,75e,75fとの間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうことを有効に抑制することができ、両端部の温度差の減少により熱電発電素子43の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。
その結果、複数の熱電発電素子43の設置空間76を高剛性に密閉することなく、その設置空間76の内部での凝縮水の発生によって複数の熱電発電素子43の発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができる。
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る熱電発電装置を示す図である。
本実施形態は、複数の熱電発電素子の高温側端部および低温側端部に接する高温側部材および低温側部材に排気管の軸方向に対向する対向面を設けたものである。
図8に示すように、本実施形態の熱電発電装置の機能を併有する排気熱再循環装置80は、排気管31Pまたは第2排気管部62に接触する内周側環状部83aおよびその内周側環状部83aから放射外方向に突出した外周側環状部83bを有する環状の高温側部材83と、冷却ユニット45の内周壁部45aに接触する外周側環状部85aおよびその外周側環状部85aから放射内方向に突出した内周側環状部85bを有する環状の低温側部材85と、を備えている。
高温側部材83の外周側環状部83bは、内周側環状部83aより排気方向の幅が狭くなっており、内周側環状部83aの幅方向中央から外方に突出している。これにより、高温側部材83は、概ね逆T字形状の断面形状を有している。また、低温側部材85の内周側環状部85bは、外周側環状部85aより排気方向の幅が狭くなっており、外周側環状部85aの幅方向中央から内方に突出している。これにより、低温側部材85は、概ねT字形状の断面形状を有している。
そして、排気方向に隣り合う高温側部材83の外周側環状部83bと低温側部材85の内周側環状部85bとの間に、複数の熱電発電素子43が配置されるとともに、これら複数の熱電発電素子43が例えば低温側部材85の内周側環状部85bに保持された略U字形断面の電気接続部材87によって電気的に接続されている。
さらに、排気方向に対面する高温側部材83の外周側環状部83bと低温側部材85の内周側環状部85bとの側面間には、略円筒状の設置空間86が形成されるとともに、その設置空間86が弾性を有する閉塞部材84a,84bによって外部の大気圧空間に対し気密的に閉塞されている。なお、このような素子の配置は、例えば特開2009−33806号公報に記載されているような形態でも、具現化され得る。
本実施形態においても、設置空間86の内部の圧力を減圧機構49により減圧して、その設置空間86の内部の蒸気量を減少させる。
したがって、複数の熱電発電素子43に接する高温側部材83と低温側部材85との間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうことを有効に抑制することができ、両端部の温度差の減少により熱電発電素子43の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。
その結果、複数の熱電発電素子43の設置空間86を高剛性に密閉することなく、その設置空間86の内部での凝縮水の発生によって複数の熱電発電素子43の発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができる。
なお、上述の各実施形態においては、複数の熱電発電素子43の設置空間46、76、86等をエンジン1の吸気負圧により減圧(吸引排気)することで、その内部の水蒸気量を減少させて凝縮水の発生を有効に抑制するものとしたが、減圧機構は、内燃機関の吸気負圧に限定されるものではない。すなわち、減圧機構は、他の負圧源やそれと同等の機能を発揮しえる他の吸引排気手段を用いるものであってもよい。また、減圧状態保持機構としての一方向弁47は、球状弁体を有する逆止弁として例示したが、予め設定した開弁圧(負圧)で開弁させるために予圧ばねを併設したものであってもよく、勿論、球状弁体を有するものでなく、ゲート弁、リード弁、ポペット弁等のような他の弁構造をとるものであってもよい。
また、上述の各実施形態においては、高温側部材を排気管の一部とし、低温側部材を冷却水を通す冷却ユニットによって構成していたが、内燃機関の排気管以外の高温部分を高温側部材とすることもできるし、内燃機関以外の熱源によって高温に加熱される高温側部材とすることもできる。また、排気ガス制御アクチュエータ41は、冷却水温度を検出する水温センサ29の検出情報に基づいてECU50により制御されるものでもよい。
さらに、低温側部材は冷却水によって冷却されるものに限定されるものではなく、冷却風によって冷却されるものであってもよいし、熱容量の大きい低温物体であってもよい。
以上説明したように、本発明に係る熱電発電装置は、高温側部材と低温側部材との間で熱伝導率の大きい凝縮水を通して熱が移動してしまうのを有効に抑制し、温度差の減少により熱電発電素子の発電効率が低下してしまうことを防止することができる。その結果、熱電発電素子の設置空間を高剛性に密閉することなく、その内部での凝縮液の発生によって発電効率が低下することを有効に抑制することができる熱電発電装置を提供することができるという効果を奏する。よって、本発明に係る熱電発電装置は、高温側部材と低温側部材とに接触する両端部の温度差に応じて発電する熱電発電装置、特に高温側部材から低温側部材に効率良く熱を回収するとともに熱電発電するのに好適な熱電発電装置全般に有用である。
1 エンジン(内燃機関)
19 冷却水通路
19a,19b 分岐通路
21 吸気通路
21P 吸気管
24 サージタンク(吸気管の一部)
31;71 排気通路
31b バイパス通路
31P 排気管
40 排気熱再循環装置(排気熱回収装置、熱電発電装置)
41 排気ガス制御アクチュエータ
41a 蓋状弁体
42 通路切替え管
42a 多孔内管
42b 外管(高温側部材)
42c 迂回通路
43 熱電発電素子
43a,43b 端部(両端部)
43M 熱電発電モジュール
44a,44b;74a,74b;84a,84b 閉塞部材
45;75 冷却ユニット
45a 内周壁部(低温側部材)
45b;75b 冷却水通路
45c 冷却水導入口
45d 冷却水排出口
46;76;86 設置空間
47 一方向弁(逆止弁、減圧状態保持機構)
49 減圧機構
50 ECU(電子制御ユニット)
61 第1排気管部
62 第2排気管部
65 通路切替え弁
72;83 高温側部材
72e,72f 高温側壁面部
75a,75e,75f 低温側壁面部
85 低温側部材

Claims (8)

  1. 両端部が高温側部材と低温側部材とに接触する熱電発電素子を有し、該熱電発電素子により前記両端部の温度差に応じて発電する熱電発電装置であって、
    前記高温側部材と前記低温側部材との間に前記熱電発電素子を設置する設置空間が形成されるとともに、
    前記設置空間の内部の圧力を減圧可能な減圧機構を備えていることを特徴とする熱電発電装置。
  2. 前記設置空間の内部の圧力を前記減圧機構による減圧状態に保持する減圧状態保持機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。
  3. 前記減圧状態保持機構は、前記設置空間の内部の圧力が前記減圧機構によって減圧されるときに開弁し、前記設置空間の内部の圧力を保持するよう閉弁状態を保持する一方向弁を有していることを特徴とする請求項2に記載の熱電発電装置。
  4. 前記減圧機構が、内燃機関の吸気管内の負圧を前記設置空間に導入することを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1の請求項に記載の熱電発電装置。
  5. 前記高温側部材が、前記内燃機関の排気管の一部を構成しており、
    前記低温部材が、前記熱電発電素子を間に挟んで前記排気管に対向し、前記排気管との間に前記設置空間を形成していることを特徴とする請求項4に記載の熱電発電装置。
  6. 前記内燃機関の排気管は、内部の排気通路を開閉可能な通路切替え弁が装着された第1排気管部と、排気方向における前記通路切替え弁の上流側と下流側とで前記第1排気管部に接続されるとともに前記通路切替え弁をバイパスするバイパス通路を形成する第2排気管部と、を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の熱電発電装置。
  7. 前記低温部材が、内部に前記内燃機関の冷却水を通す冷却水通路を有していることを特徴とする請求項4ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の熱電発電装置。
  8. 前記低温部材は、前記冷却水通路の冷却水導入口が前記冷却水通路の冷却水排出口よりも前記排気管の排気方向における下流側に位置していることを特徴とする請求項7に記載の熱電発電装置。
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