JP2013029602A - フライトシミュレーション装置、フライトシミュレーション方法、及びフライトシミュレーションプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フライトシミュレーション装置10は、パイロットコマンド算出モデル30によってシミュレーションの対象とする航空機である対象航空機の状況に応じて、該対象航空機の機動の目的を決定し、決定した該目的を達成するためのパイロットによる対象航空機に対する操縦行動を、対象航空機の状況に基づいて決定し、機体ダイナミクス計算モデル34によって、決定した操縦行動及び予め対象航空機毎に設定されている機体諸元に基づいて、対象航空機の機動を模擬する。そして、フライトシミュレーション装置10は、パイロットコマンド算出モデル30による目的の決定及び操縦行動の決定を、予め定められた時間間隔毎、又は予め定められた状況の変化が発生する毎に実行する。
【選択図】図2
Description
このために、操縦行動決定手段によって、シミュレーションの対象とする航空機である対象航空機の状況に応じて、該対象航空機の機動の目的が決定される。対象航空機の状況とは、例えば、対象航空機の速度、対象航空機及び他の航空機の位置、並びに対象航空機のレーダー索敵範囲、ミサイルの種類、及びミサイルの残弾数等の装備内容等である。また、対象航空機の機動の目的とは、例えば、脅威機に対する攻撃や脅威機からの回避機動等である。
そこで、本発明によれば、パイロットの技量を数値化した情報に基づいて、決定された操縦行動が修正されるので、対象航空機の機動をパイロットの技量に即して模擬することができる。
なお、本実施形態では、航空機の一例として、脅威となる他の航空機(以下、「脅威機」という。)の索敵や、脅威機に対するミサイルの発射等が可能な航空機(所謂、戦闘機)を適用する。また、シミュレーションの対象となる航空機は、脅威機及び僚機、すなわち全ての航空機を対象としてもよいし、全ての航空機をシミュレーションの対象とするのではなく、僚機のうち、選択した一機又は複数機をシミュレーションにより機動を模擬することなく、後述する操作入力部20を介してユーザが操作してもよい。
本実施形態に係るフライトシミュレーション装置10は、フライトシミュレーション装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)12、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)14、CPU12による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)16、各種プログラム及びシミュレーションの対象となる航空機の機体諸元等の各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)18を備えている。
PGG形式で記述された行動データベース42は、主に、操縦行動の目標を示すゴール、ゴールを達成するための行動計画を示すプラン、及びプランを実行するための操縦行動を示すアクションで構成されている。
このように、目的を達成するための行動計画を、対象航空機の状況に基づいて決定することは、航空機を操縦するパイロットの実際の思考を模擬していることを意味する。
サブゴールが決定されると、リソース(条件)に基づいてサブプランが選択され、サブプランに応じたアクションが決定される。
これにより、本実施形態に係るフライトシミュレーション装置10は、対象航空機の機動をパイロットの技量に即して模擬することができる。
具体的には、パイロットモデル32は、対象航空機を旋回させる場合は、ピッチ、ロール、ヨー、及びスラスト等の制御量を決定し、決定した制御量や、パイロットコマンド算出モデル30から入力された火器管制コマンド等の数値を、パイロットコマンド算出モデルで算出されたタイミングで機体ダイナミクス計算モデル34へ出力する。
本プログラムの開始時には、予め脅威機及び僚機の機数、脅威機及び僚機の装備(搭載しているミサイルの種類、ミサイルの残弾数等)、脅威機及び僚機の位置、並びにシミュレーションの対象となる領域の地形、地上設備の有無等が、予め設定されている。
なお、ステップ100からステップ118までの処理が上述したパイロットコマンド算出モデル30の処理に相当する。
図5の行動データベース42の模式図に示されるように、行動データベース42には、設定可能なゴールが複数存在するため、状況データに基づいてゴールが決定される。例えば、対象航空機の進行方向に脅威機が存在すると共に脅威機が、対象航空機が備えるレーダーの索敵範囲内である場合は、「対空攻撃」がゴールとして決定される。また、例えば、脅威機がミサイルを発射している場合、「回避機動」がゴールとして決定される。
なお、行動データベース42に含まれる複数のゴールには、予め優先順位が付されており、状況データに基づいて優先順位の最も高いゴールが選択されることとなる。
評価値は、各プラン毎に固定値として与えられていてもよいし、各プランを選択するために用いた対象航空機の状況を変数とした関数から導出されてもよい。
この関数は、各プランに応じて予め与えられている。また、変数とされる対象航空機の状況としては、例えば、対象航空機と脅威機との位置関係(方向)、対象航空機と脅威機との距離、ミサイルのステータス(発射準備中、誘導中、又はアクティブ等)を数値化したものである。なお、対象航空機の状況をさらに細分化し、例えば、対象航空機の高度、速度、進行方向、姿勢角、及びミサイルの残弾数、並びにレーダー情報、RWR(Radar Warning Receiver)情報、及びデータリンク情報等によって情報を数値化し、関数に対する変数としてもよい。
なお、ステップ118で最終的に得られる操縦行動は、新たな操縦行動を起こさずに、現像を維持する場合もある。
図8は、ヒューマンファクタ・データベース40の具体例を示す模式図である。ヒューマンファクタ・データベース40には、パラメータ毎の数値が予め設定されている。例えば、ロックオン遅れ時間(sec)が小さいほど、パイロットの技量が高いことを示している。また、回避機動時の進行方向は、適切な進行方向からのずれの度合い(N/A:無次元数)を示しており、この度合いが小さいほどパイロットの技量が高いことを示している。そして、ヒューマンファクタ・データベース40は、僚機及び脅威機に関わらず、対象航空機に対して予め設定されている。
従って、本実施形態に係るフライトシミュレーション装置10は、目的を達成するためのパイロットによる戦術判断を模擬すると共に、リアルタイムで対象航空機の目的及びパイロットの操縦行動を変化させ、それにより対象航空機の機動を変化させるので、航空機の機動をより現実に即して模擬することができる。
予め定められた状況の変化とは、何かしらのイベントが発生した場合、換言すれば予め定められたタイミングであり、例えば、自機や僚機のレーダーが新たな脅威機を検知した場合や、脅威機がミサイルを発射した場合、脅威機が自機のミサイル射程内に入った場合等である。
12 CPU
18 HDD
30 パイロットコマンド算出モデル
32 パイロットモデル
34 機体ダイナミクス計算モデル
40 ヒューマンファクタ・データベース
Claims (7)
- 航空機の機動を模擬するフライトシミュレーション装置であって、
シミュレーションの対象とする航空機である対象航空機の状況に応じて、該対象航空機の機動の目的を決定し、決定した該目的を達成するためのパイロットによる前記対象航空機に対する操縦行動を、前記対象航空機の状況に基づいて決定する操縦行動決定手段と、
前記操縦行動決定手段によって決定された前記操縦行動及び予め前記対象航空機毎に設定されている機体諸元に基づいて、前記対象航空機の機動を模擬する機動模擬手段と、
を備え、
前記操縦行動決定手段による前記目的の決定及び前記操縦行動の決定を、予め定められた時間間隔毎、又は予め定められた状況の変化が発生する毎に実行するフライトシミュレーション装置。 - 前記操縦行動決定手段は、決定した前記操縦行動を、前記パイロットの技量を数値化した情報に基づいて修正する請求項1記載のフライトシミュレーション装置。
- 前記操縦行動決定手段は、前記目的を達成するための行動計画を前記対象航空機の状況に基づいて決定し、決定した該行動計画に基づいて前記操縦行動を決定する請求項1又は請求項2記載のフライトシミュレーション装置。
- 前記操縦行動決定手段は、前記目的を達成するための前記行動計画が複数可能である場合、該行動計画毎に評価値を導出し、該評価値に基づいて前記行動計画を決定する請求項1乃至請求項3の何れか1項記載のフライトシミュレーション装置。
- 前記操縦行動決定手段は、前記行動計画から派生する第2目的を決定し、前記第2目的を達成するための前記操縦行動を決定する請求項1乃至請求項4の何れか1項記載のフライトシミュレーション装置。
- 航空機の機動を模擬するフライトシミュレーション装置で用いられるフライトシミュレーションプログラムであって、
コンピュータを、
シミュレーションの対象とする航空機である対象航空機の状況に応じて、該対象航空機の機動の目的を決定し、決定した該目的を達成するためのパイロットによる前記対象航空機に対する操縦行動を、前記対象航空機の状況に基づいて決定する操縦行動決定手段と、
前記操縦行動決定手段によって決定された前記操縦行動及び予め前記対象航空機毎に設定されている機体諸元に基づいて、前記対象航空機の機動を模擬する機動模擬手段と、
して機能させ、
前記操縦行動決定手段による前記目的の決定及び前記操縦行動の決定を、予め定められた時間間隔毎、又は予め定められた状況の変化が発生する毎に実行するフライトシミュレーションプログラム。 - 航空機の機動を模擬するフライトシミュレーション方法であって、
シミュレーションの対象とする航空機である対象航空機の状況に応じて、該対象航空機の機動の目的を決定し、決定した該目的を達成するためのパイロットによる前記対象航空機に対する操縦行動を、前記対象航空機の状況に基づいて決定する第1工程と、
前記第1工程によって決定された前記操縦行動及び予め前記対象航空機毎に設定されている機体諸元に基づいて、前記対象航空機の機動を模擬する第2工程と、
を含み、
前記第1工程による前記目的の決定及び前記操縦行動の決定を、予め定められた時間間隔毎、又は予め定められた状況の変化が発生する毎に実行するフライトシミュレーション方法。
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