JP2013024384A - ボールジョイントの取付構造および取付方法 - Google Patents

ボールジョイントの取付構造および取付方法 Download PDF

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哲雄 池田
Hiromitsu Tomiyama
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Abstract

【課題】被取付孔の内部にグリースが供給されるのを防ぎつつ、軸部の外周とリップ部の摺接面との間にグリースを行き渡らせることができるボールジョイントの取付構造および取付方法を提供すること。
【解決手段】ボールジョイント1の取付構造は、ナックルアーム51の下面52bにおける、ナックル孔53の周縁から間隔を隔てた部分に、グリースGを溜めるためのグリース溜溝55を設ける。グリース溜溝55にグリースGが溜められた状態で、ナックル孔53に軸部12を挿入して上端部5aを下面52bに接触させた後、ボールスタッド4をナックルアーム51に固定する。
【選択図】図4B

Description

この発明は、ボールジョイントを被取付部材に取り付ける構造および方法に関する。
たとえば、懸架装置のナックルアームと操舵装置との接続部分には、ナックルアームを、転舵や上下動可能に支持するボールジョイント(いわゆるアウターボールジョイント)が備えられている。このようなボールジョイントには、軸部の基端に球頭部が設けられた金属製のボールスタッドと、軸部を開口から突出させた状態で球頭部をその内部で保持する有底円筒状のハウジングと、ハウジングと球頭部との間に介在する合成樹脂製の樹脂シートと、ハウジングに取り付けられた筒状のゴム製ブーツとを備えるものがある(たとえば特許文献1参照)。ボールスタッドは、球頭部を中心としてハウジングに対して揺動可能であり、また、その軸部の中心軸線まわりに回転可能である。
ブーツはハウジングの開口を覆っており、その一端および他端が、それぞれ、軸部の途中部およびハウジングの開口端(開口が形成された側の端部)に外嵌されている。ブーツの一端には、ボールスタッドの軸部外周に弾性接触するリップ部が設けられている。
このボールジョイントは、ナックルアームにおける、板状の被取付部分に取り付けられる。ナックルアームにおける、ボールジョイントを取り付けるための部分には、ナックルアームの被取付部分を貫通するナックル孔が形成されている。ボールスタッドの軸部をナックル孔に挿入させ、その後、ナックルアームの裏側に突出する軸部の先端部の雄ねじ部にナットを螺合させそのナットを締め込む。これにより、ボールスタッドがナックルアームに固定され、ボールジョイントのナックルアームへの取付けが達成される。
特開2008−128351号公報
ところで、近年、ブーツのシール性をより一層高めたいという要求がある。
本願発明者らは、ブーツの緊縛性を従前よりも高く設定することにより、ブーツのシール性を高めることを検討している。しかしながら、ブーツの緊縛性が高いと、軸部の外周とリップ部との接触圧が大きくなり、リップ部に異常磨耗が生じるおそれがある。
軸部の外周とリップ部との間の潤滑状態を高めるために、リップ部の摺接面と軸部外周との間にグリースなどを介在させることが考えられるが、この場合、ボールジョイントの取付け時に、軸部の被取付孔への挿入に伴って、軸部の外周に付着しているグリースが被取付孔に引き込まれるおそれがある。すなわち、軸部の外周とリップ部の摺接面との間にグリースが供給されるだけでなく、被取付孔の内部にグリースが供給されるおそれがある。被取付孔の内部にグリースが供給されると、軸部とナットとの間の締結力が変化するなど、ボールジョイントに種々の悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、この発明の目的は、被取付孔の内部にグリースが供給されるのを防ぎつつ、軸部の外周とリップ部の摺接面との間にグリースを行き渡らせることができるボールジョイントの取付構造および取付方法を提供することである。
請求項1記載の発明は、軸部(12)および前記軸部の一端に設けられた球頭部(11)を有するボールスタッド(4)と、開口を有し前記開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部を内部に収納したハウジング(2)と、一端(5a)および他端(5b)が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌された筒状のブーツ(5)とを含むボールジョイント(1)と、被取付面(52b)および前記被取付面に開口した被取付孔(53)を有する被取付部材(51)と、を具備し、前記軸部が前記被取付孔に挿入された状態で前記被取付部材に締結されることにより前記ボールジョイントが前記被取付部材に取り付けられた取付構造であって、内周面(32)が前記軸部の外周に接触し一端面(33)が前記被取付面に接触する環状のリップ部(5a)が前記ブーツの一端に設けられていて、前記被取付面における前記被取付孔の周縁から間隔(S)を隔てた部分であって前記リップ部の前記一端面に対向した部分にグリース(G)を溜めるグリース溜部(55;55A;55B;60)が設けられていることを特徴とするボールジョイントの取付構造である。
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
この構成によれば、被取付面における被取付孔の周縁から間隔を隔てた部分であってかつ、リップ部の一端面に対向する部分に、グリースを溜めるグリース溜部が設けられている。そして、グリース溜部にグリースが溜めた後に、軸部が被取付孔に挿入される。
このとき、被取付面における被取付孔の開口の近傍領域にグリースが存在していない。そのため、軸部の被取付孔への挿入に伴う、グリースの被取付孔への引込みはない。そして、軸部の挿入により、リップ部の一端面が被取付面に接触すると、グリースがリップ部と被取付面との間で押し広げられ、これにより、グリースが軸部の外周に達するようになる。
そして、ボールジョイントの取付け後には、スタッドのボールスタッドの揺動および回転に伴って、リップ部がボールスタッドの軸部の外周に摺動する。これにより、軸部の外周に達したグリースが、リップ部の内周面と軸部の外周との間に行き渡る(染み出す)ようになる。
一方で、ボールスタッドが被取付部材に対して相対変位しない。そのため、軸部の外周に達したグリースは、被取付孔の内壁の内部に向けてほとんど移動しない。したがって、被取付孔の内部にグリースが供給されるのを防ぎつつ、軸部の外周とリップ部の内周面との間にグリースを行き渡らせることができる。
請求項2に記載のように、前記グリース溜部は、前記被取付孔の周囲を取り囲む環状溝(55;55A;55B)を含んでいてもよい。
請求項3に記載のように、前記グリース溜部は、前記被取付孔の周囲に設けられた複数個の凹部(60)を含んでいてもよい。
請求項4記載の発明は、軸部(12)および前記軸部の一端に設けられた球頭部(11)を有するボールスタッド(4)と、開口を有し、その開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部をその内部で保持するハウジング(2)と、一端(5a)および他端(5b)が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌され、前記開口を覆う筒状のブーツ(5)とを含み、前記ブーツの前記一端に、その軸部外周に弾性接触するリップ部(5a)が設けられたボールジョイント(1)を、被取付面(52b)、および前記被取付面に開口する被取付孔(53)を有する被取付部材(51)に取り付ける方法であって、前記被取付面における、前記被取付孔の周縁から間隔(S)を隔てた部分に形成されたグリース溜部(55;55A;55B;60)に、グリース(G)を配置するグリース配置工程と、前記グリース配置工程後に、前記軸部を前記被取付孔に挿入し、前記リップ部を前記被取付面に接触させる軸部挿入工程と、前記軸部挿入工程後に、前記被取付孔に挿入された前記軸部を前記被取付部材に固定する軸部固定工程とを含むことを特徴とするボールジョイントの取付方法である。
この発明の方法によれば、請求項1に関して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るボールジョイントの取付構造が採用されたボールジョイントおよびナックルアームの要部構成を示す部分断面図である。 図1に示すボールジョイントおよびナックルアームの一部を拡大した断面図である。 ナックルアームを、図2に示す矢視IIIから見た図である。 ナックルアームへのボールジョイントの取付方法の一例を説明するための断面図である(その1)。 ナックルアームへのボールジョイントの取付方法の一例を説明するための断面図である(その2)。 ボールジョイントの取付構造の第1の変形例が採用されたナックルアームの要部断面図である。 ボールジョイントの取付構造の第2の変形例が採用されたナックルアームの要部断面図である。 本発明の他の実施形態に係るボールジョイントの取付構造が採用されたナックルアームの要部断面図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る取付構造が採用されたボールジョイント1およびナックルアーム51の要部構成を示す図である。図1は、ボールジョイント1の取付け後の状態を示している。この実施形態に係る取付構造は、懸架装置用のナックルアーム51と操舵装置との接続部分に設けられたボールジョイント1を、そのナックルアーム51(被取付部材)に取り付ける構造である。ボールジョイント1は、ナックルアーム51を、転舵や上下動可能に支持している。
ナックルアーム51は、たとえばアルミニウム製のナックル本体(図示しない。)と、その下部に締結されたアルミニウム製のブラケット52とを備えている。ブラケット52の板状部分(被取付部分。この実施形態では一端部(図1に示す右側端部。))の被取付位置には、その上面52aおよび下面52bを貫通するナックル孔(被取付孔)53が形成されている。換言すると、ナックル孔53は下面(被取付面)52bに開口している。ナックル孔53は、ボールスタッド4の軸部12を挿通させるための挿通孔であり、略円筒状の周壁(内壁)54を有している。この周壁54は、下方に向かうに従って拡径するテーパ状に形成されている。
ボールジョイント1は、筒状のハウジング2と、このハウジング2の内部に保持された樹脂シート3およびボールスタッド4と、ハウジング2に取り付けられた筒状のブーツ5とを備えている。ハウジング2は、樹脂シート3がその内側に配置された筒状部材6と、この筒状部材6の下端を塞ぐように当該下端に固定されたプラグ板7とを含む。筒状部材6は、その上端が開口端6aになっている。
樹脂シート3は、カップ状をなしており、筒状の周壁部8と、この周壁部8の下端に設けられた底部9とを含む。樹脂シート3は、周壁部8が筒状部材6の内周面に沿い、底部9がプラグ板7に対向するように配置されている。樹脂シート3は、開口端6aに設けられた環状の鍔部10と、プラグ板7との間で保持されている。鍔部10の内径は、ボールスタッド4の一部(後述する球頭部11。)の外径よりも小径にされており、ボールスタッド4の一部および樹脂シート3は、開口端6aによって筒状部材6から抜け止めされている。
ボールスタッド4は、球面状の外周面を有する球頭部11と、この球頭部11から上方へ突出する軸部12とが一体的に形成された金属製の部材である。球頭部11は、その中心が軸部12の中心軸線上に位置するように配置されている。軸部12の先端には、雄ねじ部31が形成されている。球頭部11は、筒状部材6内において樹脂シート3に覆われており、軸部12は、筒状部材6の開口端6aから突出している。球頭部11は、軸部12よりの部分を除くその大部分が樹脂シート3によって覆われている。球頭部11は、樹脂シート3を介してハウジング2に保持されている。
また、樹脂シート3の内周面は、球頭部11の外周面に沿う形状になっている。樹脂シート3と球頭部11との間には、グリースが充填されている。球頭部11は、樹脂シート3に対して摺動可能となっており、ボールスタッド4は、球頭部11を中心としてハウジング2に対して揺動可能となっている。さらに、ボールスタッド4は、軸部12の中心軸線まわりに回転可能となっている。
ブーツ5は、上端部(一端、リップ部)5aが下端部(他端)5bよりも小径にされ、中間部が下端部5bよりも外方に膨らんだ筒状に形成されている。ブーツ5は、弾性を有する部材(たとえば、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム等。)を用いて形成されている。ブーツ5の上端部5aは、軸部12の途中部に外嵌して、軸部12の外周を弾性接触している。また、ブーツ5の上端部5aは、図1に示す状態では、下面52bにも接触している。なお、ブーツ5の下端部5bは、筒状部材6の開口端6aに外嵌している。
ブーツ5の下端部5bは、当該下端部5bに取り付けられた固定リング13によって筒状部材6に固定されている。具体的には、ハウジング2の開口端6aの外周には、その周方向に延びるブーツ装着用の環状溝14が形成されている。開口端6aの内側に形成された開口は、ブーツ5によって覆われており、これによって、水や埃などの異物がボールジョイント1内に進入することが防止されている。
また、ブーツ5の下端部5bは、環状溝14に差し込まれている。下端部5bは、円筒部21と、この円筒部21の先端から外方に広がるように折り返された環状の折り返し部22とを含む。円筒部21は、軸長が環状溝14の幅とほぼ同じ大きさにされており、その内周面が環状溝14の底部に密着した状態で環状溝14内に配置されている。固定リング13は、たとえば平面視C形をなす弾性を有する部材であり、環状溝14内において円筒部21に外嵌され、円筒部21を外側から締め付けて筒状部材6に固定している。
図2は、ボールジョイント1およびナックルアーム51の一部を拡大した断面図である。以下では、図1および図2を参照する。
ブーツ5の上端部5aは、略円筒状をなしている。上端部5aは、軸部12の外周に摺接する略円筒状の第1摺接面(内周面)32と、図1に示す状態において、下面52bに摺接する円環状の第2摺接面(一端面)33とを有している。第1摺接面32は、その軸長全域で軸部12の外周と摺接している。
第2摺接面33は上端部5aの上端面をなしている。第2摺接面33は、第1摺接面32と連続し、第1摺接面32にほぼ直交している。第2摺接面33は、図1に示す、ナックルアーム51に取り付けられた後の状態では、下面52bに押し付けられて変形している。具体的には、後述する図4Aに示すように第2摺接面33はハウジング2側と離反する方向に突出する環状突起34をその外周部に備えているが、図1に示す状態では、下面52bと接触した環状突起34は、下面52bに押し付けられて外側へ張り出している(図1では、環状突起34は不図示。図2参照。)。
球頭部11を中心とするボールスタッド4の揺動に伴って、ブーツ5の上端部5aの第1摺接面32は、軸部12の外周に摺動する。また、軸部12の中心軸線周りのボールスタッド4の回転に伴って、ブーツ5の上端部5aの第1摺接面32は、軸部12の外周に摺動する。
図3は、ナックルアーム51を、図2に示す矢視IIIから見た図である。図1〜図3に示すように、下面52bの第2摺接面33に対向する部分には、グリースGを溜めるためのグリース溜部としてのグリース溜溝55(図3でハッチングを付した部分。)が形成されている。グリース溜溝55は、ナックル孔53の開口56の周囲を取り囲み、ナックル孔53の円形の開口56の周壁54と同軸の円環状に形成されている。グリース溜溝55は、図2に示すように、その延びる方向に直交する断面形状が横転した略半円形をなしている。グリース溜溝55の内周端は、開口56の周壁54と所定の間隔Sを隔てて位置している。グリース溜溝55は、たとえば研削加工などの切削加工によって、下面52bからナックル孔53の開口56の周囲を削り取ることにより形成されている。
図1に示す状態では、第2摺接面33が下面52bに接触しており、そのため、グリース溜溝55に溜められていたグリースGは第2摺接面33に供給される。なお、図3ではグリース溜溝55にグリースGを溜めていない状態を示している。
図4Aおよび図4Bは、ナックルアーム51へのボールジョイント1の取付方法の一例を説明するための断面図である。
図4Aおよび図4Bに示す取付方法は、グリース配置工程と、軸部挿入工程と、軸部固定工程とを備えており、この順序で各工程が実行される。つまり、ボールスタッド4の軸部12のナックル孔53への挿入に先立って、グリース溜溝55にグリースGが配置される(溜められる)。グリース溜溝55に溜められるグリースGは、球頭部11と樹脂シート3との間に充填されるグリースと同種類(ちょう度が同一。)のグリースであってもよい。
図4Aに示すように、グリース配置工程では、グリースGを吐出するためのノズル57から、グリース溜溝55に向けてグリースGを吐出することにより、グリース溜溝55にグリースGが溜められる。このグリース配置工程では、ワーク(ナックルアーム51のブラケット52)あるいはノズル57の一方を、ナックル孔53の中心まわりに回転させる。これにより、グリース溜溝55の溝全域にグリースGを溜めることができる。このとき、グリースGはグリース溜溝55一杯に、すなわちグリース溜溝55から溢れる寸前の量が溜められることが好ましい。なお、グリースGは、常温では半固体性を呈し、流動性がほとんどない。そのため、グリース溜溝55に供給されたグリースGはそのグリース溜溝55からほとんど流動しない。すなわち、下面52bにおけるナックル孔53の開口56の近傍領域にグリースGは存在しない。
グリース配置工程の実行後、次いで、軸部挿入工程が実行される。すなわち、ボールスタッド4の軸部12がナックル孔53に挿入される。
図4Bに示すように、軸部挿入工程前(すなわち、ボールスタッド4の取付け前)の状態では、環状突起34が、第2摺接面33の外周部に、ハウジング2側と離反する方向に突出している。環状突起34は、その周方向に直交する断面形状が三角形状をなしており、上方に向かうに従って外方に張り出すように形成されている。また、第2摺接面33の外周部を除く領域は略平坦面をなしている。図4Bに示すように、グリース溜溝55は第2摺接面33に対向している。
ボールスタッド4の軸部12をナックル孔53に挿入して、奥側に押し入れる。このとき、下面52bにおけるナックル孔53の開口56の近傍領域にグリースGが存在していない。そのため、軸部12のナックル孔53への挿入に伴う、グリースGのナックル孔53への引込みはない。そして、軸部12の挿入により、上端部5aが下面52bに接触するようになる。下面52bの接触後は、グリースGが上端部5aと下面52bとの間で押し広げられ、これによりグリースGが軸部12の外周に達するようになる(図2に太線で図示。)。
ボールスタッド4を十分に押し込んだ後、次いで、軸部固定工程が実行される。具体的に説明すると、ボールスタッド4の軸部12を十分に押し込んだ後は、ブラケット52の裏側(図4Bに示す上方。)から雄ねじ部31が突出する。その雄ねじ部31にナット30を螺合させそのナット30(図1参照。)を締め込むことにより、ボールスタッド4がナックルアーム51に固定される。これにより、ボールジョイント1がナックルアーム51に固定され、ボールジョイント1の取付けが達成される。
ボールジョイント1の使用状態において、ボールスタッド4の揺動および回転に伴って、上端部5aがボールスタッド4の軸部12の外周に摺動する。これにより、軸部12の外周に達しているグリースGが、上端部5aの第1摺接面32と、軸部12の外周との間に行き渡る(染み出す)ようになる。
一方で、ボールスタッド4はナックルアーム51に対して相対変位しないので、軸部12の外周に達したグリースGは、ナックル孔53の周壁54と軸部12の外周との間には、ほとんど供給されない。したがって、ナックル孔53の内部にグリースGが供給されるのを防ぎつつ、軸部12の外周と上端部5aの第1摺接面32との間にグリースGを行き渡らせることができる。
グリース溜溝の他の例として、図5に示すグリース溜溝55Aがある。より具体的には、下面52bは、ナックル孔53の開口56の周囲に設けられた円環状の第1環状部58と、この第1環状部58を取り囲む円環状の第2環状部59とに設けられている。第1環状部58は第2環状部59よりも一段下方に張り出すように形成されている。これら第1および第2環状部58,59の境界部分に、円環状のグリース溜溝55Aが配置されている。グリース溜溝55Aは、ほぼグリース溜溝55と同様の構成である。この例のグリース溜溝55Aでは、グリース溜溝55Aの底部から第1環状部58までとの間と、グリース溜溝55Aの底部から第2環状部59までとの間の高低差が互いに異なっている。そのため、グリース溜溝55Aに溜められたグリースGは、第1環状部58に向かう方向ではなく、第2環状部59に向かう方向に案内される。したがって、ナックル孔53の内部にグリースGが供給されるのをより確実に防ぐことができる。
グリース溜溝55Aのさらに他の例として、図6に示すグリース溜溝55Bがある。このグリース溜溝55Bは、グリース溜溝55,55Aとは異なり、V溝の環状溝(溝方向に直交する断面形状がV形状。)である。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、グリース溜部としてグリース溜溝55,55A,55Bを設ける場合を例に挙げて説明したが、図7に示すように、グリース溜部として、複数個(図7ではたとえば8個。)のグリース溜凹部60を採用することもできる。複数個のグリース溜凹部60は、ナックル孔53の円形の開口56の周壁54と同軸の円周上に、等角度間隔で配置されている。各グリース溜凹部60は、たとえば略半球状の凹みである。
また、前述の実施形態では、ボールジョイント1が、懸架装置用のナックルアーム51に取り付けられる場合を例に挙げて説明したが、ボールジョイント1の、ステアリング用のナックルアームに対する取付構造に対しても、この発明の取付構造を採用することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1…ボールジョイント、2…ハウジング、4…ボールスタッド、5…ブーツ、5a…上端部(一端、リップ部)、5b…下端部(他端)、11…球頭部、12…軸部、32…第1摺接面(内周面)、33…第2摺接面(一端面)、51…ナックルアーム(被取付部材)、52b…下面(被取付面)、53…ナックル孔(被取付孔)、55…グリース溜溝(グリース溜部)、55A…グリース溜溝(グリース溜部)、55B…グリース溜溝(グリース溜部)、60…グリース溜凹部(グリース溜部)、S…間隔、G…グリース

Claims (4)

  1. 軸部および前記軸部の一端に設けられた球頭部を有するボールスタッドと、開口を有し前記開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部を内部に収納したハウジングと、一端および他端が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌された筒状のブーツとを含むボールジョイントと、
    被取付面および前記被取付面に開口した被取付孔を有する被取付部材と、
    を具備し、
    前記軸部が前記被取付孔に挿入された状態で前記被取付部材に締結されることにより前記ボールジョイントが前記被取付部材に取り付けられた取付構造であって、
    内周面が前記軸部の外周に接触し一端面が前記被取付面に接触する環状のリップ部が前記ブーツの一端に設けられていて、前記被取付面における前記被取付孔の周縁から間隔を隔てた部分であって前記リップ部の前記一端面に対向した部分にグリースを溜めるグリース溜部が設けられていることを特徴とするボールジョイントの取付構造。
  2. 前記グリース溜部は、前記被取付孔の周囲を取り囲む環状溝を含むことを特徴とする請求項1記載のボールジョイントの取付構造。
  3. 前記グリース溜部は、前記被取付孔の周囲に設けられた複数個の凹部を含むことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイントの取付構造。
  4. 軸部および前記軸部の一端に設けられた球頭部を有するボールスタッドと、開口を有し、その開口から前記軸部を突出させた状態で前記球頭部をその内部で保持するハウジングと、一端および他端が前記軸部の途中部および前記ハウジングにそれぞれ外嵌され、前記開口を覆う筒状のブーツとを含み、前記ブーツの前記一端に、その軸部外周に弾性接触するリップ部が設けられたボールジョイントを、被取付面、および前記被取付面に開口する被取付孔を有する被取付部材に取り付ける方法であって、
    前記被取付面における、前記被取付孔の周縁から間隔を隔てた部分に形成されたグリース溜部に、グリースを配置するグリース配置工程と、
    前記グリース配置工程後に、前記軸部を前記被取付孔に挿入し、前記リップ部を前記被取付面に接触させる軸部挿入工程と、
    前記軸部挿入工程後に、前記被取付孔に挿入された前記軸部を前記被取付部材に固定する軸部固定工程とを含むことを特徴とするボールジョイントの取付方法。
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