JP2013022427A - X線診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影データ量の大幅な低減と、医用画像の高精細化が可能なX線診断装置を提供すること。
【解決手段】実施形態のX線診断装置は、複数のスライス行、複数のチャンネル列で構成されるX線検出器で撮影された被検体の正面スキャノ画像データおよび側面スキャノ画像データに対して、X線が前記被検体を透過しているデータ領域の割合を示す被検体データ割合を算出するデータ割合判定部と、前記データ割合判定部で算出された被検体データ割合に基づいてビューレートを算出するビューレート算出部と、前記ビューレートに基づき撮影される前記被検体の投影データから、X線が前記被検体を透過していないデータ領域を判定し、このデータ領域を削減する削除領域判定部と、前記削除領域判定部で削減された投影データを伝送データへ符号化するデータ符号化部と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、X線CTなどのX線診断装置に関する。
現在のX線CT装置は高精細な医用画像を取得するために、X線検出器の多列化やガントリの高速回転化が進んでいる。このためX線検出器から再構成ユニットに送信する撮影データ量が飛躍的に増加しており、この撮影データから医用画像へと再構成する時間の短縮のためには、データ圧縮による転送時間の短縮や通信速度の高速化などの技術が不可欠となっている。
X線CT装置を用いて人体を曝射し医用画像を取得する場合、X線が人体を透過した「診断に必要な部分」と、人体を透過していない「診断に不必要な部分」に分けることができる。しかし、従来ではこれらを区別せずにすべての撮影データを再構成ユニットに送信することが一般的に行われており、「人体を透過していない部分」の撮影データを削減することは行われていなかった。
撮影データの低減のために、あらかじめ関心領域を医師らが設定し、関心領域以外の非関心領域に対応する撮影データ(検出器データまたは投影データ)を圧縮することによりデータ量を小さくし再構成中に記憶装置に入出力される転送時間を短くするものがある(特許文献1参照)。
特開2007−97977号公報
本発明が解決しようとする課題は、上記課題を解決し、撮影データ量の大幅な低減と、医用画像の高精細化が可能なX線診断装置を提供することである。
上記課題を達成するために、実施形態のX線診断装置は、複数のスライス行、複数のチャンネル列で構成されるX線検出器で撮影された被検体の正面スキャノ画像データおよび側面スキャノ画像データに対して、X線が前記被検体を透過しているデータ領域の割合を示す被検体データ割合を算出するデータ割合判定部と、前記データ割合判定部で算出された被検体データ割合に基づいてビューレートを算出するビューレート算出部と、前記ビューレートに基づき撮影される前記被検体の投影データから、X線が前記被検体を透過していないデータ領域を判定し、このデータ領域を削減する削除領域判定部と、前記削除領域判定部で削減された投影データを伝送データへ符号化するデータ符号化部と、を有する。
本実施形態におけるX線診断装置の基本的構成図。 同実施形態のX線診断装置に搭載される機能を示すブロック構成図。 同実施形態におけるデュアルスキャノの説明図。 同実施形態におけるビューレート算出部のブロック構成図。 同実施形態のデュアルスキャノ画像の説明図。(a)は正面図、(b)は側面図である。 同実施形態における楕円近似による被検体データ割合算出の説明図。 同実施形態における被検体データ割合量とビュー角の関係図。 同実施形態におけるデュアルスキャノ撮影データと空曝射データとの比較を説明する図。 同実施形態における被検体データ割合の判定方法を説明する図。 同実施形態におけるビューレート設定を説明する図。 同実施形態における投影データのデータ符号化を説明するブロック構成図。 同実施形態における投影データのデータ復号化を説明するブロック構成図。 同実施形態における投影データと空曝射データとの比較を説明する図。 同実施形態における投影データ削除方法を説明する図。
(a)は、単純判定の例(b)は、エッジマージン量を付加した例である。
同実施形態のデータ符号化の説明図。 同実施形態のデータ復号化、データ復元の説明図。
以下、発明を実施するための実施形態について図1から図16に示す図面を参照しながら詳細に説明する。なお、X線診断装置としてX線CT装置を例にとって説明する。このX線CT装置にはX線管とX線検出部とが対向して配置され、被検体の周囲を共に回転するタイプと、リング状に多数の検出素子がアレイされ、X線源のみが被検体の周囲を回転するタイプなど様々なタイプがあるが、本実施形態はいずれのタイプにも適用可能である。本実施形態の説明では、X線管とX線検出部とが共に回転するタイプについて説明する。
図1は、本実施形態におけるX線CT装置を示している。実施形態のX線CT装置は、被検体P(患者)をX線でスキャンするための架台(ガントリ)11と、被検体Pを架台11内に移動する寝台12と、X線CT装置全体を制御するシステム制御部13と、架台11から得られた投影データを処理し、医用画像を処理する画像処理部14とを有する。
架台11は、被検体P(患者)を中心にして回転運動する回転部15とそれ以外の固定部16から構成される。回転部15には、X線を発生するX線管111、被検体P(患者)を透過したX線を検出するX線検出器112、X線検出器112の検出データをデジタルデータに変換して収集するデータ収集装置(DAS:Data Acquisition System)113、およびデータ収集装置113で取得された投影データを回転部15外の再構成部14へ非接触で伝送する非接触データ伝送装置114から構成される。
システム制御部13は、X線を発生するためにX線管111に印加する電圧を発生する高電圧発生装置115、スキャン条件に基づいて回転部15を回転させる回転駆動部116、および被検体Pが横臥する寝台12をガントリ11内に移動させる寝台駆動部117を制御する。
画像処理部14は、非接触データ伝送装置114から転送された投影データから、診断に必要な医用画像を再構成するための画像処理を行い、この医用画像は、画像データ保存部141に保存するとともに表示部131などに表示される。システム制御部13はさらに操作者がシステム制御を行うための操作部132を備える。
図2に示すように、本実施形態のX線CT装置は上記一般的な装置構成に加え、デュアルスキャノデータからデータ量の削減量を見積もり、このデータ削減量からビューレートを設定するビューレート設定部21、本スキャンの投影データ量から被検体を曝射していないデータ領域を判定して削除する削減領域判定部22、投影データを伝送データに符号化するデータ符号化部23、伝送データを投影データに復号するデータ復号部24、および復号された投影データから空曝射データを含む再構成可能なデータに復元するデータ復元部25の機能を搭載する。
まず、デュアルスキャノデータからデータ量の削減量を見積もり、ビューレートを算出するビューレート算出部21について説明する。ビューレート(ビュー数/秒)は、1秒あたりに撮影するビュー数であり、回転部15の1回転あたりに取得すべきビュー数(投影データ数)と1秒あたりの回転部15の回転数から決定される。
被検体Pの投影データから再構成画像を得るために、X線を曝射するスキャン範囲、X線管111の管電圧、管電流、X線曝射時間、ビューレート等のスキャン条件、ダイナミックスキャン、ヘリカルスキャン等のスキャン方法等の各種設定などのスキャン計画をX線CT装置に対してあらかじめ作成し設定を行うが、このスキャン計画のうち、関心領域の設定、管電流の設定、ビューレートの設定については本スキャンの前に撮影されるスキャノグラムに基づいて行われる。図3はデュアルスキャノの概念図である。
スキャノグラムとは、撮影される被検体Pを本スキャン前に撮影するX線透過画像である。図3に示すように本実施形態のX線CT装置11では、被検体Pの正面及び側面の直交する2方向からスキャノグラムを撮影するデュアルスキャノによってデュアルスキャノデータを取得するものである。本実施形態では、X線が被検体Pを透過しなかったデータ量を見積もることで、本スキャンで行われるビューレートを増加させることが可能となる。
図4に示すように、ビューレート設定部21は、デュアルスキャノデータを受信するデータ受信部41と、空曝射データをウォーミングアップ中などに事前に取得して保存する空曝射データ保存部42aと、データ受信部41で受信したディアルスキャノデータを保存するスキャノデータ保存部43と、空曝射データとディアルスキャノデータの画素値を比較し、被検体Pを曝射したデータ領域の割合を識別、判定するデータ割合判定部44、および被検体Pを曝射したデータ割合量からビューレートを算出するビューレート算出部45を有する。
図5は、デュアルスキャノによって撮影されたスキャノ画像の例である。(a)は上部正面から撮影した図、(b)は側面から撮影した図である。被検体Pの正面像51Aと側面像51Bには、被検体Pを曝射していないデータ領域52(網点で示す背景部)が多く見受けられる。特に側面像51Bの幅は正面像51Aに比べて被検体Pを曝射していない領域52が多いものである。従って、この被検体Pを曝射していないデータ領域52を削除し、被検体Pを曝射しているデータ領域の割合を求める。以下この割合を被検体データ割合と呼ぶことにする。
X線検出器112は、マルチスライス型のX線検出器を想定しており、スライス方向に沿って並列に配置された複数の検出素子と、この検出素子がスライス方向と略直交するチャンネル方向に複数配置された構成を有する。すなわち、m×n(スライス行×チャンネル列)のマトリクスで配列されているものとする。
この時、あるスライス行での被検体データ割合を見積もる。例えば図5(a)に示すように、チャンネル方向の画素数nに対して被検体P正面を曝射している画素数をA、同様に図5(b)に示すように、被検体P側面を曝射している画素数をBとする。
そうすると、このスライス行で被検体データ割合は、被検体P正面に対してA/n、被検体P正面に対してB/nとなる。さらに、このスライス行での被検体Pの断面を楕円で近似することにより任意のビュー角での被検体データ割合を予測することができる。図6を用いて任意のビュー角での被検体データ割合の算出について説明する。
図6は任意のビュー角での被検体データ割合を算出する説明図である。図6(a)は正面での被検体データ割合、図6(b)は側面での被検体データ割合、図6(c)はAを長軸、Bを短軸とする楕円が回転した場合の被検体データ割合を示す。図6(c)に示すように、任意のビュー角θに対する被検体データ割合は、X線が図中上部から曝射されるとし、楕円の幅Lθを求めればよい。なお、AよりBの方が長い場合はBを長軸とする。
図7は、0〜360度のビュー角について、この被検体データ割合を求めた図である。被検体データ割合は、最大値A、最小値Bであり、ビュー角が180度の周期で繰り返すことがわかる。さらに、スライス行1〜mすべてに対して同様の被検体データ割合を求め、スライス行1〜mの被検体データ割合を足し合わせ、スライス数mで平均化することにより、任意ビュー角で取得される1ビューに対する被検体データ割合を算出することが可能となる。
またさらに、1回転(0〜360度)または1周期(0〜180度)にわたって被検体データ割合を積分し平均することにより、ガントリ11の1回転に対する平均的被検体データ割合を求めることができ、非接触伝送装置114で伝送するデータの削減量が見積もられる。
次に図8を用いて、データ割合判定部44で行われるデュアルスキャノデータと空曝射データとの比較について説明する。デュアルスキャノデータ81は、上述のようにn個のチャンネル列で構成され、さらに各チャンネルはm個のスライス行で構成されていることから、m×n(スライス行×チャンネル列)のマトリクスとなる。一方、空爆射データ82aについても同様のマトリクスとなる。デュアルスキャノデータ81と、あらかじめウォーミングアップ中などに取得して保持してある空曝射データ82aの画素値を、対応する画素単位で比較することにより、被検体Pを曝射していないデータ領域と、被検体Pを曝射しているデータ領域とを判定する。両者の画素値が略一致していれば、被検体Pを曝射していないデータ領域と判定し、画素値が略不一致であれば、被検体Pを曝射しているデータ領域と判定する。この比較判定にあたっては、お互いの画素値が完全に一致していなくても、例えば誤差±10%程度の誤差を許容し、その範囲で一致とみなしてもよい。
空曝射データ82aは1ビュー分のデータを保持し、デュアルスキャノデータ81と1対1で比較したが、1チャンネル分だけの空曝射データ82bを保持しておき、各スライス列の異なるチャンネル行に対して同じ判定値を使用してもよい。この方法は、1ビューの空爆射データ82aがチャンネル方向に対してばらつきが少ない場合に採用する。この場合は、空爆射データを保存する容量が少なくて済む。
また、1スライス分だけの空曝射データ82cを保持しておき、各スライス列に対して同じ判定値を使用してもよい。この方法は、1ビューの空爆射データ82aがスライス方向に対してばらつきが少ない場合に採用する。
さらに、空曝射データ82a内のばらつきが少ない場合には、1ビューの平均画素値または代表画素値の1画素を空曝射データ82dとして保持してもよい。
空爆射データとして1ビュー分のデータを保持し比較する方法が、最も精度を高く被検体データ割合を求めることができるが、ここではビューレートの概算を求めることが目的のため実験等により空曝射データの保持する容量を決定する。
次に、図9を用いて被検体データ割合の判定、算出について説明する。図8で説明した空曝射データからスライス行毎の空爆射データ91aを作成する。そして対応する正面および側面のスキャノデータのスライス行91bに対して、例えば左から比較し、最初に一致しなかった部分(この位置Xとする)から最後に一致しなかった部分(この位置をYとする)までの画素数をカウントする。この処理によって図5(a)、図5(b)のA、Bが求められる。位置X、Yは被検体Pのエッジ位置の識別となるため、位置Xと位置Yの間の画素に対して、空爆射データ91の画素値と一致する領域が存在してもその領域は被検体Pを曝射した領域とする。以上の処理により、ディアルスキャノデータから正面、および側面の被検体データ割合A、Bを求め、図6で示したように、任意のビュー角での被検体データ割合Lθを求めることができる。
図10を用いて、ビューレートの算出、高速化設定について説明する。図10(a)は、従来のビューレートと伝送するデータ量を示し、図10(b)は本実施形態でのビューレートとその伝送データ量を示している。図7で説明したように、ガントリ11の1回転に対する平均的被検体データ割合によって、非接触伝送装置114で伝送するデータの削減量が見積もられる。すなわち、1ビューに必要なデータの削減量に基づきビューレートを上げることができる。
ただしビューレートは、被検体データ割合だけではなく現行のX線CT装置のスペックで既定される伝送容量などを勘案して最適値が決定されるが、単純計算では伝送に必要なデータ量が1/Nに低減されれば、ビューレートをN倍にすることができる。
なお、本実施形態で求めたビューレートの算出は、楕円近似に基づく概算値であるため実際に本スキャンで撮影される投影データで削減される、後述するデータ削除量と異なる場合が存在する。従って1ビュー時間内で伝送可能なデータ量より少ないデータ量となるようにマージンを設定する。
なお、ビューレートの設定は、回転部15のビュー角によらず一定のビューレートを設定することが一般的ではあるが、任意のビュー角で求められる、1ビューに対する被検体データ割合を用いることにより、ビュー角によってビューレートを変化させる実施形態も可能である。
また、上述の説明ではチャンネル方向の被検体データ割合を求め、ビューレートの算出をしたが、撮影する被検体の部位形状によってはスライス方向に被検体データ割合を求めた方が精度が良い場合もある。
次に、本スキャン時におけるデータ伝送量削減について説明する。本スキャンにおける投影データについても上述と同様なデータ削減方法を用いて伝送データの削減を行う。本実施形態では、回転部15から固定部16へ投影データを伝送する非接触データ伝送装置114でデータ伝送量が律速されている場合を考え、削減領域判定部22およびデータ符号化部23は、データ収集装置内113内に搭載されるものとする。
図11は、X線検出器112とデータ収集装置113のブロック構成を示し、本スキャン時で収集される投影データのデータ符号化を説明する。X線検出器112は、上述のようにマルチスライス型のX線検出器であり、被検体Pを透過したX線を光に変換するシンチレータ1121と、この変換された光を電気信号に変換する複数のフォトダイオード1122を備えている。
また、データ収集装置113は、X線検出器112から出力される電気信号を増幅する信号増幅部1131と、増幅されたアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部1132と、本スキャンに先立ってあらかじめ空曝射データを撮影し、その空曝射データを保存する空曝射データ保存部42bと、本スキャン時の投影データを一時的に保存する投影データ保存部1133と、空曝射データと投影データとを比較し、被検体Pを曝射していないデータ領域を判定する削除領域判定部22と、削除されたデータをさらに医用画像に適した方法で符号化するデータ符号化部23を有しており、符号化された伝送データは非接触データ伝送装置114に送られ、固定部16へ送信される。なお、破線矢印は、投影データに対して削除領域を判定しない場合、例えばスキャノデータを取得する場合の流れを示している。
図12は、伝送データを受信する固定部16以降で行われるデータ復元処理のブロック構成を示している。このブロックは、画像処理部14内に搭載されることが好ましい。データ復元処理ブロックは、符号化された伝送データを受信して復号化を行うデータ復号部143と、空曝射データを保存する空曝射データ保存部42cと、データ復号部で復号された伝送データを、空曝射データ上に上書きして投影データを復元するデータ復元部144と、復元された投影データから再構成して医用画像を生成する医用画像生成部145を有する。
まず、削減領域判定部22で行われる伝送データの削減方法について説明する。図13は、本スキャン時に取得される投影データ131とあらかじめ取得しておいた空曝射データ132aとの比較について説明する。
本スキャン時に撮影される投影データ131は、上述のようにn個のチャンネル列で構成され、さらに各チャンネルはm個のスライス行で構成されていることから、m×n(スライス行×チャンネル列)のマトリクスとなる。一方、空爆射データ132aについても同様である。投影データ131と、あらかじめ保持してある空曝射データ132aの画素値を判定値として、対応する画素単位で比較することにより、被検体Pを曝射していないデータ領域と、被検体Pを曝射しているデータ領域を判定する。比較した結果、両者の画素値が略一致していれば、被検体Pを曝射していないデータ領域と判定する。画素値が略不一致であれば、被検体Pを曝射しているデータ領域と判定する。この比較判定にあたっては、画素値が完全に一致していなくても、例えば誤差±10%程度などの誤差を許容し、その範囲で一致とみなしてもよい。
空曝射データ132aは、1ビュー分のデータを保持し、投影データ131と1対1で比較したが、1チャンネル分だけの空曝射データ132bを保持しておき、各チャンネル列に対しては、同じ判定値を使用してもよい。この方法は、1ビューの空爆射データ132aがチャンネル方向に対してばらつきが少ない場合に採用する。この場合は、空爆射データを保存する容量が少なくて済む。
また、1スライス分だけの空曝射データ132cを保持しておき、各スライス列に対して同じ判定値を使用してもよい。この方法は、1ビューの空爆射データ82aがスライス方向に対してばらつきが少ない場合に採用する。
さらに、空爆射データ132a内のばらつきが少ない場合には、1ビューの平均画素値または代表画素値の1判定値を空曝射データ132dとして保持してもよい。
空爆射データとして1ビュー分のデータと比較する方法が、最も精度を高く伝送データの符号化が行える。
次に、図14を用いて本スキャン時に取得される投影データのデータ削除方法について説明する。データ削除は図13に示した方法でチャンネル列毎に比較を行い、削除を行う。データ収集装置113において撮影されたデータは、図14(a)に示すように、画素単位で空曝射データと比較され、最初に一致しなかった部分(この位置データをXとする)から最後に一致しなかった部分(この位置データをYとする)までの画素データを伝送データとする。たとえ、この位置X、Y間に、空曝射データと一致する領域(図中、斜線のないデータ)があったとしてもその領域は削除しないで伝送する。この処置は医用画像として重要であり、被検体Pの内部を投影したデータが欠落することを防止するためである。
また、図14(b)に示すようにこの位置データX、Yは被検体Pのエッジ位置を表しているためエッジでの誤判定を防止するために、余裕を持って1画素以上のエッジマージン量を付加して伝送データを生成してもよい。このような処置によって誤判定による被検体Pのエッジの欠落を防止できる。
なお、X線検出器112のチャンネル列の画素全体(1からm)またはチャンネル列端画素のどちらか(1またはm)まで被検体が曝射されている場合には、エッジ位置が判定できないため、この場合はチャンネル列端の画素位置(1またはm)をエッジ位置とする。
次に、図15を用いてデータ伝送のための符号化について説明する。伝送フレームは、チャンネル列毎に形成され、各伝送フレームは、丸印で示すフレームヘッダと斜線長方形で示すデータ格納部を有する。このフレームヘッダに格納する情報は、少なくとも図14で述べた被検体Pのエッジを示す始点画素位置Xと終点画素位置Yを含む。さらにチャンネル番号を付加してもよい。例えば、あるチャンネル列の画素全てが空曝射データであった場合は、始点位置X=0、終点位置Y=0としてヘッダ情報のみを送信するものとする。図15に示すようにCH1からCH5(CHn)に対するチャンネルデータに対して、フレームFL1〜FL5(FLn)が生成される。
図16を参照して、データ復元処理ブロックで行われる復号および復元方法を説明する。図16(a)に示すように画像処理部14では、伝送フレームFL1〜FLnまでを受信し、各フレームのフレームヘッダ情報からチャンネル番号とそのチャンネル列に対する被検体Pの画素位置X、Yを読み取る復号処理を行う。さらに図16(b)に示すように、あらかじめ空曝射データ保存部42cに保存しておいた空曝射データ161上に復号した伝送データをチャンネル列単位で上書きすることにより、図16(c)に示すように投影データ162の復元が得られる。
なお、この時使用する空曝射データ161は、1ビュー分のm×n画素データを有する空曝射データを使用することによって、精度の高い投影データが復元される。
以上説明したように、本実施形態によれば、デュアルスキャノで撮影したデータからX線が被検体を透過しているデータ領域の割合を示す被検体データ割合を算出し、伝送に必要なデータ量を見積もることでビューレートを上げることが可能となる。また、本スキャン時の投影データから伝送時に削減可能な領域を判断し、データ量を削除した伝送フレームにて送受信することで、被検体データ割合から見積もったビューレートでの撮影が可能となる。その結果、スキャン時間の短縮、画質の向上、データ圧縮による転送時間の短縮などの効果が得られる。
また、ビューレートを上げない場合でも送信容量が低減されるため、再送やエラー訂正などの機能を追加することが可能である。
さらに、本実施形態は、ファームウエアもしくはソフトウエアを変更するだけで実施可能となるため、装置の低価格化、高性能化へ大きく貢献する。
本発明は、上記実施態様に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施形態で示したスキャン時の投影データの削減や、フレーム化おいてチャンネル列ごとに処理をおこなったが、スライス行ごとに処理を行っても構わない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…架台(ガントリ)
12…寝台
13…システム制御部
14…画像処理部
15…回転部
16…固定部
111…X線管
112…X線検出器
113…データ収集装置
114…非接触データ伝送装置
115…高電圧発生装置
116…回転駆動部
117…寝台駆動部
21…ビューレート算出部
22…削除領域判定部
23…データ符号部
24…データ復号部
25…データ復元部

Claims (11)

  1. 複数のスライス行、複数のチャンネル列で構成されるX線検出器で撮影された被検体の正面スキャノ画像データおよび側面スキャノ画像データに対して、X線が前記被検体を透過しているデータ領域の割合を示す被検体データ割合を算出するデータ割合判定部と、
    前記データ割合判定部で算出された被検体データ割合に基づいてビューレートを算出するビューレート算出部と、
    前記ビューレートに基づき撮影される前記被検体の投影データから、X線が前記被検体を透過していないデータ領域を判定し、このデータ領域を削減する削除領域判定部と、
    前記削除領域判定部で削減された投影データを伝送データへ符号化するデータ符号化部と、
    を有するX線診断装置。
  2. 空曝射データを保持する空曝射データ保存部と、
    前記伝送データを復号するデータ復号部と、
    前記データ復号部で復号された伝送データを前記空曝射データに上書きを行い、前記被検体の投影データを復元するデータ復元部と、
    をさらに有する請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記データ割合判定部は、前記空曝射データ保存部から空曝射データを読み出し、この空曝射データの画素値と、前記正面スキャノ画像データおよび側面スキャノ画像データの画素値との比較に基づいてX線が前記被検体を透過しているデータ領域を判定し、前記被検体データ割合を算出する請求項2記載のX線診断装置。
  4. 前記データ割合判定部は、前記X線検出器のスライス行ごとに求めた正面スキャノ画像データの被検体データ割合と、前記側面スキャノ画像データの被検体データ割合を求め、正面スキャノ画像の被検体割合を長軸とし、側面スキャノ画像の被検体割合を短軸とする楕円から、任意のビュー角の被検体データ割合を算出する請求項3記載のX線診断装置。
  5. 前記データ割合判定部は、前記X線検出器のチャンネル列ごとに求めた正面スキャノ画像データの被検体データ割合と、前記側面スキャノ画像データの被検体データ割合を求め、正面スキャノ画像の被検体割合を長軸とし、側面スキャノ画像の被検体割合を短軸とする楕円から、任意のビュー角の被検体データ割合を算出する請求項3記載のX線診断装置。
  6. 前記ビューレート算出部は、前記任意のビュー角の被検体データ割合を360度にわたり平均化した被検体データ割合を算出し、この平均化した被検体データ割合の略逆数倍のビューレートを設定する請求項4または5記載のX線診断装置。
  7. 前記削除領域判定部は、前記空曝射データの画素値と、前記投影データの画素値との比較に基づいてX線が前記被検体を透過していないデータ領域を判定し、このデータ領域を削減する請求項6記載のX線診断装置。
  8. 前記データ符号化部は、前記X線検出器のチャンネル列ごとに伝送フレーム化を行い、前記削除領域判定部での判定結果に基づいて前記被検体の始まりと終わりを示すエッジ位置を算出し、このエッジ位置を含むヘッダ情報と、前記エッジ位置間に含まれる投影データを格納するデータ格納部で構成される伝送フレームを生成する請求項7記載のX線診断装置。
  9. 前記データ符号化部は、前記X線検出器のスライス行ごとに伝送フレーム化を行い、前記削除領域判定部での判定結果に基づいて前記被検体の始まりと終わりを示すエッジ位置を算出し、このエッジ位置を含むヘッダ情報と、前記エッジ位置間に含まれる投影データを格納するデータ格納部で構成される伝送フレームを生成する請求項7記載のX線診断装置。
  10. 前記データ復号部は、前記伝送フレームのヘッダ情報から、前記X線検出器のチャンネル列ごとに復号化を行い、前記データ復元部は、前記エッジ位置間に含まれる投影データを前記空曝射データの対応する位置に上書する請求項8記載のX線診断装置。
  11. 前記データ復号部は、前記伝送フレームのヘッダ情報から、前記X線検出器のスライス行ごとに復号化を行い、前記データ復元部は、前記エッジ位置間に含まれる投影データを前記空曝射データの対応する位置に上書する請求項9記載のX線診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016045163A (ja) * 2014-08-26 2016-04-04 名古屋電機工業株式会社 X線検査装置、x線検査方法およびx線検査プログラム

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