JP2013019642A - 空調設備とこの空調設備に用いられるデシカント換気装置及び冷暖房装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デシカントロータ11を用いて屋外に放出する室内の空気と室内に取り込む外気の間で水分を移動させながら、室内に取り込む外気を冷やす冷却運転又は室内に取り込む外気を暖める加温運転を行うデシカント換気装置12と、室内機13及び室外機14を接続する循環回路15に冷媒を循環させて室内の冷暖房を行う冷暖房装置16とを有する空調設備10において、デシカント換気装置12及び冷暖房装置16が信号接続された制御手段17を設け、制御手段17は、デシカント換気装置12による加温運転と冷暖房装置16による冷房運転を同時に行うこと及びデシカント換気装置12による冷却運転と冷暖房装置16による暖房運転を同時に行うことを回避して、室内に対し非効率な温度調整を避ける。
【選択図】図1
Description
また、室内の換気については、湿度調整機能を備えたデシカント換気装置を用いることができ、冷暖房装置及びデシカント換気装置を設置して室内の温度調整及び換気を行う具体例が、特許文献1、2に記載されている。
特許文献3のデシカント換気装置(換気装置)は、給気路に熱交換器を設け、デシカント素子によって給気路を室内に向かって流れる外気と排気路を室外に向かって流れる室内空気の間で水分の移動を行う。
給気路を流れる外気は、冷房除湿運転時には、蒸発器として機能する熱交換器によって冷却された後にデシカント素子を通過して減湿され室内に流入し、暖房保湿運転時には、凝縮器として機能する熱交換器によって暖められた後にデシカント素子によって加湿され室内に流入する。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、冷暖房装置及びデシカント換気装置によって、非効率な温度調整が行われるのを回避する空調設備と、これに用いられるデシカント換気装置及び冷暖房装置の提供を目的とする。
また、デシカント換気装置は、一般的に冷暖房装置に比べて室内の温度調整能力が劣るので、冷暖房装置の運転を優先することにより、室内の温度調整を効率的に行うことが可能である。
第3の発明に係る冷暖房装置は、対応するデシカント換気装置と共に用いられることによって、デシカント換気装置及び冷暖房装置が、室内の温度調整について相反する運転を行うことを避けることができる。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る空調設備10は、デシカントロータ11を用いて屋外に放出する室内の空気と室内に取り込む外気の間で水分を移動させながら、室内に取り込む外気を冷やす冷却運転又は室内に取り込む外気を暖める加温運転を行うデシカント換気装置12と、室内機13及び室外機14を接続する循環回路15に冷媒を循環させて室内の冷暖房を行う冷暖房装置16とを有している。以下、詳細に説明する。
なお、制御手段17は、プログラムを搭載したマイクロコンピュータとデシカント換気装置12及び冷暖房装置16にそれぞれ対応する通信ポートを備えている。
室内機13は、室内熱交換器21に加えて、室内の空気を室内機13の筐体内に取り込むクロスフローファン22を備えている。クロスフローファン22によって、室内機13の筐体内に取り込まれた空気は、室内熱交換器21を通過し熱交換が行なわれた後に、室内機13の筐体から室内に放出される。
なお、本実施の形態では冷媒にフロンR410Aを用いているが、他の冷媒を用いることも可能である。
室外熱交換器19、圧縮機18及び膨張弁20は室外機14の筐体内に配置されており、圧縮機18、室外熱交換器19、膨張弁20及び室内熱交換器21によってヒートポンプサイクルが構成されている。
制御手段17はインバータを内蔵し、圧縮機18の運転周波数(回転数)は、このインバータの出力値に応じて変化し、圧縮機18から吐出される冷媒の圧力を調整する。
また、循環回路15には、循環回路15を循環する冷媒の流れる方向を切り替える四方弁23が取り付けられている。
四方弁23をこのような状態にすることによって、圧縮機18により高圧にされたガス状の冷媒は、室外熱交換器19を通過中に凝縮して外気に凝縮熱を放出し、膨張弁20によって減圧される。膨張弁20によって減圧された冷媒は室内熱交換器21を通過する際に蒸発して室内機13の筐体に取込まれた室内の空気の温度を下げる。従って、室内機13の筐体から室内に放出される空気は室内温度より低くなり、室内を冷房することができる。
室外機14と室内機13は、循環回路15を介して連結されており、室外機14の筐体には、循環回路15に設けられた開閉弁25が2つ取り付けられている。開閉弁25は通常開いた状態であり、メンテナンス時に閉じられる。
デシカント換気装置12は、給気路27と排気路28の相対湿度が高い側から低い側に水分を移動させるデシカントロータ11と、給気路27を流れる外気と排気路28を流れる室内の空気との間で熱交換を行う顕熱交換ロータ30を備えている。
また、給気路27には2つの熱交換器31、32と屋外の外気を室内に送るファン33が設けられ、排気路28にも2つの熱交換器34、35と室内の空気を屋外に送り出すファン36が設けられている。
なお、デシカントロータ11の表面に付着された吸湿材には、ゼオライトやシリカゲルを用いることができる。また、吸湿材は、加熱されることによって吸湿材に吸着した水分を放出することで繰り返し使用可能(即ち水分を吸着可能)となる。
顕熱交換ロータ30は、周知の電動モータを動力源にしてゆっくり回転し、給気路27を流れる空気と排気路28を流れる空気において温度が高い側から吸熱し、温度が低い側に放熱する。
また、熱交換器34は、顕熱交換ロータ30とデシカントロータ11の間に設けられ、熱交換器35は、排気路28を室内から屋外に進む空気の流れに沿って、デシカントロータ11の下流側に配置されている。
熱交換器32、34も、熱交換器31、35の関係と同じ関係を有しており、一方が凝縮器として機能し、他方が蒸発器として機能する。
室内の除湿を行う際、熱交換器31、32は蒸発器として機能し、熱交換器34、35は凝縮器として機能する。
ファン33の作動によって屋外から給気路27に取り込まれた外気は、熱交換器31によって冷却され、デシカントロータ11を通過する際に除湿された後に、顕熱交換ロータ30及び熱交換器32を順に通過して更に冷却され、室内に流入する。
従って、室内の除湿を行う際には、給気路27を介して冷却された空気が室内に供給され、デシカント換気装置12は除湿に加えて冷却運転を行うことになる。
デシカントロータ11は、回転して、給気路27で水分を吸収した部分が、排気路28に移動する。そして、そのデシカントローラ11の水分を吸収した部分は、排気路28において、顕熱交換ロータ30及び熱交換器34によって暖められた空気が当てられ水分を放出する。従って、デシカントロータ11は、排気路28を通過した部分が順次、水分を吸収可能な乾燥状態になる。
ファン33の作動によって屋外から給気路27に取り込まれた外気は、熱交換器31によって暖められ、デシカントロータ11を通過する際に水分を与えられた後に、顕熱交換ロータ30及び熱交換器32を順に通過して昇温し室内に流入する。
従って、室内の保湿を行う際には、給気路27を介して暖められた空気が室内に供給され、デシカント換気装置12は保湿に加えて加温運転も行うことになる。
デシカントロータ11は、回転して、排気路28で水分を吸収した部分が、給気路27に移動し、その水分を吸収した部分は、給気路27において熱交換器31で暖められ、給気路27に水分を放出する。給気路27に放出された水分は給気路27を屋外から室内に流れる外気と共に室内に流入し、室内の湿度を保つことができる。
従って、デシカント換気装置12及び冷暖房装置16に対して、一方が室内の温度を上げ、他方が室内の温度を下げるという、室内の温度調整に関し相反する運転を行わせる操作をなすことができる。
そこで、制御手段17は、デシカント換気装置12による加温運転と冷暖房装置16による冷房運転を同時に行うこと及びデシカント換気装置12による冷却運転と冷暖房装置16による暖房運転を同時に行うことを回避する制御を行う。
そして、冷暖房装置16の冷房運転が停止したのを検知したとき、あるいは冷暖房装置16の運転モードが冷房運転から暖房運転に切り替えられたのを検知したとき、制御手段17は、デシカント換気装置12に加温運転を開始させる。
そして、冷暖房装置16の暖房運転が停止したのを検知したとき、あるいは冷暖房装置16の運転モードが暖房運転から冷房運転に切り替えられたのを検知したとき、制御手段17は、デシカント換気装置12の冷却運転を開始する。
また、デシカント換気装置12には、冷暖房装置16の運転を優先することにより、運転が停止された旨、あるいは運転を開始しなかった旨を、ビープ音の発音やランプの点灯あるいはコントローラ37上での表示によって知らせる設計をなすこともできる。
この場合、制御手段17は、予め定められた設定に従って、デシカント換気装置12の加温運転及び冷暖房装置16の冷房運転で優先する運転とデシカント換気装置12の冷却運転及び冷暖房装置16の暖房運転で優先する運転を決定し、室内の温度調整に関して、デシカント換気装置12と冷暖房装置16で相反する運転がなされるのを回避する。
なお、制御手段17は、デシカント換気装置12の筐体(ケーシング26)内、又は室内機13の筐体内、あるいは室外機14の筐体内に取り付けることができる。
例えば、デシカント換気装置が備える熱交換器の数は4つに限られず、2つであってもよく、デシカントロータの数も1つに限定されず、2つであってもよい。
また、冷暖房装置に床暖房や床冷房が可能なタイプを用いることもできる。
Claims (6)
- デシカントロータを用いて屋外に放出する室内の空気と該室内に取り込む外気の間で水分を移動させながら、前記室内に取り込む外気を冷やす冷却運転又は該室内に取り込む外気を暖める加温運転を行うデシカント換気装置と、室内機及び室外機を接続する循環回路に冷媒を循環させて該室内の冷暖房を行う冷暖房装置とを有する空調設備において、
前記デシカント換気装置及び前記冷暖房装置が信号接続された制御手段を設け、該制御手段は、該デシカント換気装置による加温運転と該冷暖房装置による冷房運転を同時に行うこと及び該デシカント換気装置による冷却運転と該冷暖房装置による暖房運転を同時に行うことを回避して、前記室内に対し非効率な温度調整を避けることを特徴とする空調設備。 - 請求項1記載の空調設備において、前記制御手段は、前記冷暖房装置に、前記デシカント換気装置の加温運転に優先して冷房運転を行わせ、前記デシカント換気装置の冷却運転に優先して暖房運転を行わせることを特徴とする空調設備。
- 請求項1記載の空調設備において、前記制御手段は、予め定められた設定に従って、前記デシカント換気装置の加温運転及び前記冷暖房装置の冷房運転のうち優先する運転と、前記デシカント換気装置の冷却運転及び前記冷暖房装置の暖房運転のうち優先する運転を決定することを特徴とする空調設備。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の空調設備において、前記デシカント換気装置は、前記冷暖房装置が前記デシカントの加温運転に優先して冷房運転を行う際、及び前記冷暖房装置が前記デシカントの冷却運転に優先して暖房運転を行う際に、前記室内に取り込む外気に温度変化を与えない換気運転を行うことを特徴とする空調設備。
- デシカントロータを用いて屋外に放出する室内の空気と該室内に取り込む外気の間で水分を移動させながら、前記室内に取り込む外気を冷やす冷却運転又は該室内に取り込む外気を暖める加温運転を行うデシカント換気装置において、
室内機及び室外機を接続する循環回路に冷媒を循環させて該室内の冷暖房を行う冷暖房装置に信号接続され、前記冷暖房装置が冷房運転を行っているときには加温運転を行わず、前記冷暖房装置が暖房運転を行っているときには冷却運転を行わず、前記室内に対し非効率な温度調整を避けることを特徴とするデシカント換気装置。 - 室内機及び室外機を接続する循環回路に冷媒を循環させて室内の冷暖房を行う冷暖房装置において、
デシカントロータを用いて屋外に放出する前記室内の空気と該室内に取り込む外気の間で水分を移動させながら、前記室内に取り込む外気を冷やす冷却運転又は該室内に取り込む外気を暖める加温運転を行うデシカント換気装置に信号接続され、前記デシカント換気装置の加温運転に優先して冷房運転を行い、前記デシカント換気装置の冷却運転に優先して暖房運転を行うことを特徴とする冷暖房装置。
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