JP2013019121A - スウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法 - Google Patents

スウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によって得られた許容支持力に関するデータを、群として取り扱うことで、換算N値を算出するための土質を精度良く判定することのできる土質判定方法を提供する。
【解決手段】スウェーデン式サウンディング試験による試験結果から換算N値を算出するための土質を判定する土質判定方法であって、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して、得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力を群として取り扱い、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定する。
【選択図】なし

Description

本発明は、スウェーデン式サウンディング試験による試験結果から換算N値を算出するための土質を判定するスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法に関する。
スウェーデン式サウンディング試験(SWS)は、地盤の原位置試験のうち静的サウンディングの一種であり、例えば地盤の調査のためのボーリング試験の補助として、ボーリング試験と併用して用いられ、ロッドの上端に所定重量のおもりを載荷したまま回転貫入を行い、貫入量25cmあたりの半回転数を求めると共に、求めた半回転数から換算N値を算出して、地盤の強さや締まりの程度などを判定するようになっている。
また、スウェーデン式サウンディング試験は、ボーリング試験と比較して、短期間に且つ安価に実施できることから、例えば住宅建築物等の小規模の建物を構築する際には、敷地の地盤を前もって簡易に調査できる方法として、当該スウェーデン式サウンディング試験のみによって、構築予定箇所の敷地の地盤を予め調査するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
ここで、スウェーデン式サウンディング試験では、換算N値を算出するための換算式は、下記の数1のように、地盤が砂質土であるか粘性土であるかによって異なる換算式を用いることとなっており、また従来の、地盤が砂質土であるか粘性土であるかを判定する方法は、例えば作業員が試験装置のロッドのハンドルを通して貫入時に感じる、「シャリシャリ」、「ガリガリ」、「ジャリジャリ」等の感触によるものであったため、例えば作業員の熟練度によって判定の信頼性に大きな差が生じることになる。このようなことから、特許文献1の地盤評価システムでは、熟練度等による主観的な判断に左右されることなく、地盤が砂質土であるか粘性土であるかを客観的に判定できるようにする技術が提案されている。
Figure 2013019121
特開2007−39985号公報
しかしながら、特許文献1の地盤評価システムによれば、試験値データファイルに格納される、SWS試験で収集した複数の深度毎の試験数値として、どのような数値を格納するのか明らかではなく、当業者にとって、深度毎の地盤が砂質土であるか粘性土であるかを精度良く簡易に判定することは困難である。
一方、国土交通省告示第1113号では、スウェーデン式サウンディング試験は、ボーリング調査や標準貫入試験と並んで、静的貫入試験として地盤の許容支持力を求める方法の一つとされており、またスウェーデン式サウンディング試験から得られる許容支持力は、砂質土であるか粘性土であるかを区別することなく、各深度毎の1mあたりの半回転数から、所定の算定式に従って容易に求めることができるようになっている。
また、従来のスウェーデン式サウンディング試験による地質の調査は、各試験孔から得られるデータを個々の単独孔から得られるデータとして評価するようになっており、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によるデータを、群として取り扱って土質を評価する方法は確立されていないのが現状である。
本発明は、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によって得られた許容支持力に関するデータを、群として取り扱うことで、換算N値を算出するための土質を精度良く判定することのできるスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によって得られた、各深度毎の複数箇所の許容支持力(許容応力度)を群として取り扱い、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数等と、各深度の地盤の土質との間には、何等かの相関関係があるのではないかとの推定の下、付近の地盤に対して以前に実施されたボーリング試験のデータが現存する多数の敷地の地盤について、各々複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施すると共に、各深度毎に得られた複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、ボーリング試験のデータの当該深度における土質とを比較して、これらの関係を精査した結果、これらの間には顕著な相関関係があることを見出した。
本発明は、このような新たな知見に基づいてなされたものであり、スウェーデン式サウンディング試験による試験結果から換算N値を算出するための土質を判定する土質判定方法であって、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して、得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力(許容応力度)を群として取り扱い、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定するスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法は、前記調査対象となる敷地の地盤について沖積層に属するか洪積層に属するかを判別し、沖積層と洪積層の各々における、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定することが好ましい。
また、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法は、前記調査対象となる敷地の地盤が、住宅建築物を建築するための敷地の地盤であることが好ましい。
さらに、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法は、地盤面から深度10mまでを有効範囲として、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定することが好ましい。
さらにまた、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法は、前記調査対象となる敷地の地盤に対して10〜100m2当りに1箇所の割合で、前記スウェーデン式サウンディング試験を複数箇所で実施することが好ましい。
本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によれば、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によって得られた許容支持力に関するデータを、群として取り扱うことで、換算N値を算出するための土質を精度良く判定することができるできる。
実施例1の敷地において複数箇所で実施したスウェーデン式サウンディング試験から得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力と、許容支持力の平均値、標準偏差等と、許容応力度分布とを示すチャートである。 図1の各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差等を、表1にあてはめて得られた各深度毎の土質の判定表と、換算N値を得るための荷重及び1mあたりの回転数と、換算N値と、換算N値の分布図とを示すチャートである。 図2の各深度毎の土質の判定表から得られた柱状図と、近隣のポーリングテータから得られた柱状図とを対比して示すチャートである。 実施例2の敷地において複数箇所で実施したスウェーデン式サウンディング試験から得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力と、許容支持力の平均値、標準偏差等と、許容応力度分布とを示すチャートである。 図4の各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差等を、表1にあてはめて得られた各深度毎の土質の判定表と、換算N値を得るための荷重及び1mあたりの回転数と、換算N値と、換算N値の分布図とを示すチャートである。 図5の各深度毎の土質の判定表から得られた柱状図と、近隣のポーリングテータから得られた柱状図とを対比して示すチャートである。 実施例3の敷地において複数箇所で実施したスウェーデン式サウンディング試験から得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力と、許容支持力の平均値、標準偏差等と、許容応力度分布とを示すチャートである。 図7の各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差等を、表1にあてはめて得られた各深度毎の土質の判定表と、換算N値を得るための荷重及び1mあたりの回転数と、換算N値と、換算N値の分布図とを示すチャートである。 図8の各深度毎の土質の判定表から得られた柱状図と、近隣のポーリングテータから得られた柱状図とを対比して示すチャートである。 実施例4の敷地において複数箇所で実施したスウェーデン式サウンディング試験から得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力と、許容支持力の平均値、標準偏差等と、許容応力度分布とを示すチャートである。 図10の各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差等を、表1にあてはめて得られた各深度毎の土質の判定表と、換算N値を得るための荷重及び1mあたりの回転数と、換算N値と、換算N値の分布図とを示すチャートである。 図11の各深度毎の土質の判定表から得られた柱状図と、近隣のポーリングテータから得られた柱状図とを対比して示すチャートである。
本発明の好ましい一実施形態に係るスウェーデン式サウンディング試験(SWS)による土質判定方法は、調査対象となる敷地の地盤として、例えば住宅建築物を建築するための敷地の地盤の強さや締まりの程度を、スウェーデン式サウンディング試験による調査結果から換算N値を算出することで、住宅建築物を建築するのに先立って精度良く把握しようとする際に、各深度毎の地盤の土質が砂質土であるか粘性土であるかを正しく判定して、数1に示す砂質土と粘性土とで異なる換算式を用いながら、各深度毎の換算N値を精度良く算出できるようにすることを目的として採用されたものである。
すなわち、本実施形態のスウェーデン式サウンディング試験(SWS)による土質判定方法は、調査対象となる敷地の地盤が砂質土であるか粘性土であるかを判定する従来の方法によれば、例えば作業員が試験を行う際に試験装置のロッドのハンドルを通して貫入時に感じる「シャリシャリ」、「ガリガリ」、「ジャリジャリ」等の感触による主観的なものであったため、作業員の熟練度等によって信頼性に大きな差が生じていたことから、このような主観的な判断に左右されることなく、複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験から得られたデータを群として取り扱うことで、換算N値を算出するための土質(砂質土であるか粘性土であるか)を精度良く客観的に判定できるようにするものである。
そして、本実施形態のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法は、スウェーデン式サウンディング試験による試験結果から換算N値を算出するための土質を判定する土質判定方法であって、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して、得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力を群として取り扱い、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定するようになっている。
また、本実施形態では、調査対象となる敷地の地盤について沖積層に属するか洪積層に属するかを判別し、沖積層と洪積層の各々における、各深度毎の複数箇所の地盤の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定するようになっている。
本実施形態では、例えば住宅建築物を建築するための敷地は、例えば50〜500m2程度の広さを有しており、またこの程度の広さの敷地では、地表面よりも下方の地盤は、同じような地層や地質となっているものと考えることができる。一方、このような敷地の地盤に対して、好ましくは10〜100m2当りに1箇所の割合で、複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験による試験データを、群として取り扱った場合、各深度毎に得られる複数箇所の試験孔からのデータのばらつきの程度や、平均値、標準偏差、最小値、最大値等は、各深度における土質の相違に起因するものと考えられる。
また、国土交通省告示第1113号では、スウェーデン式サウンディング試験は、ボーリング調査や標準貫入試験と並んで、静的貫入試験として地盤の許容支持力(許容応力度)を求める方法の一つとされており、スウェーデン式サウンディング試験から得られる許容支持力は、地盤を構成する地層が砂質土であるか粘性土であるか区別することなく、下記の数2によって、25cmあたりの半回転数を4倍した値である1mあたりの回転数Nswから、容易に求めることができるようになっている。
Figure 2013019121
したがって、スウェーデン式サウンディング試験による試験結果として得られる、25cm深度毎の半回転数から、地盤を構成する地層が砂質土であるか粘性土であるかに左右されることなく、数2によって、25cm深度毎の許容支持力を容易に算出することができるので、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られる許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数を算出して、これらのうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係を、予め、例えば後述する表1に示す「SWSデータから推定される土質分類表」として求めておくことにより、調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所で実施したスウェーデン式サウンディング試験によって得られた各深度毎の許容支持力から、これらの各深度毎の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数を算出して、算出結果を、例えば表1に示す、予め求めた許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数と、土質との相関関係にあてはめることで、調査対象となる敷地の地盤の各深度毎の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を精度良く判定できるものと考えられる。
本願発明者は、上述のような推定の下、近隣の地盤に対して以前に実施されたボーリング試験のデータが現存する、例えば数百箇所程度の多数の敷地の地盤をサンプルの地盤として、各々複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施すると共に、各深度毎に得られた複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、以前に実施されたボーリング試験のデータによる当該深度における土質とを比較して、これらの関係を精査した結果、これらの間には顕著な相関関係があることを見出し、例えば表1に示す「SWSデータから推定される土質分類表」を作成した。
また、後述する実施例1〜4に記載されるように、表1に示す「SWSデータから推定される土質分類表」を用いて、調査対象となる住宅建築物の敷地の地盤に対して複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して、得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から判定された各深度の土質による柱状図は、当該住宅建築物の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図と略合致していたことから、本実施形態のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法による判定結果は、調査対象となる敷地の地盤の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を、精度良く反映していることが裏付けられる。
Figure 2013019121
ここで、国土交通省告示第1113号による許容支持力(許容応力度)は、上記の数2の換算式によって求められる応力度であり、実際の強度とは異なっている。例えば、洪積層のローム(火山灰質細粒土)や凝灰質粘土は、換算式よりも大きな強度を持つことが知られている。
また、許容応力度(許容支持力)の平均値は、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られた許容応力度の平均値であり、分散は、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られた許容応力度25cmの分散であり、標準偏差は、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られた許容応力度の標準偏差である。最大値は、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られた許容応力度のうちの最大値であり、最小値は、各25cmの深度毎の複数箇所の試験孔から得られた許容応力度のうちの最小値であり、範囲(レンジ)は、各25cmの深度毎の最大値から最小値を差し引いた値である。相対最大は、各25cmの深度毎の最大値を平均値で除した値であり、相対最小は、各25cmの深度毎の最小値を平均値で除した値であり、相対範囲は、各25cmの深度毎の相対最大から相対最小を差し引いた値である。変動係数は、各25cmの深度毎の標準偏差を平均値で除した値である。
そして、本実施形態では、表1に示す「SWSデータから推定される土質分類表」は、人工地盤と、沖積層の地盤と、洪積層の地盤とでは、これらの地層を構成する地盤の特性が異なることから、これらの地盤を区分した土質分類表として作成されている。調査対象となる敷地の地盤が、沖積層の地盤であるか、洪積層の地盤であるかは、例えば公的機関に保管されている、当該調査対象となる敷地が含まれる地域の地質に関する資料を参照することによって、容易に判別することができる。
なお、人工地盤は、埋土の材料や施工方法によってデータが大きく異なるので、表1の土質分類表だけで判定するのは困難であり、造成された際の情報が別途に必要であると考えられる。また、洪積層の分類において、火山灰土は、従来、粘性土として扱われていたが、近年、火山灰質細粒土と火山灰質粗粒土とに区分され、細粒分が50%未満のものは砂質土として取り扱われるようになったため、火山灰質細粒土及び凝灰質粘土は粘性土として、砂質土及び火山灰質粗粒土は砂質土として、換算N値を算定するための数1の換算式を適用するようになっている。
本実施形態では、表1に示す土質分類表の縦の欄の各項目及び範囲に、調査対象となる住宅建築物の敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験から得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数(図1参照)をあてはめて、分類してある横の欄の各土質について、縦の列で○を付してある項目及び範囲の全て(一つのみの項目及び範囲を含む)に該当する場合に、当該分類してある土質であると判定する。
すなわち、例えば調査対象となる住宅建築物の敷地が沖積層の地盤である場合、各25cmの深度毎の複数箇所の許容支持力のうちの最大値が100kN/m2以上であれば、砂質土であると判断され、標準偏差が10kN/m2未満であれば、粘性土であると判定される。
また、例えば調査対象となる住宅建築物の敷地が洪積層の地盤である場合、各25cmの深度毎の複数箇所の許容支持力の標準偏差が10kN/m2未満で、最大値が35kN/m2以上100kN/m2未満で、且つ変動係数が0.20未満であれば、火山灰質細粒土であると判断され、各25cmの深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値が30kN/m2未満で、標準偏差が10kN/m2未満で、且つ最大値が35kN/m2未満であれば、凝灰質粘土であると判断される。各25cmの深度毎の複数箇所の地盤の許容支持力の平均値が100kN/m2以上で、標準偏差が100kN/m2以上で、最大値が100kN/m2以上で、最小値が100kN/m2以上で、且つ範囲が100kN/m2以上であれば、砂質土であると判断され、各25cmの深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値が30kN/m2以上100kN/m2未満で、標準偏差が10kN/m2以上100kN/m2未満で、且つ最大値が100kN/m2以上であれば、火山灰質粗粒土であると判断される。
なお、対象となる住宅建築物の敷地の地盤が人工地盤である場合、相対範囲が1.00以上であれば、埋土であると判断することが可能と考えられる。
ここで、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」は、スウェーデン式サウンディング試験による住宅建築物の敷地の地盤の調査は、深度10m程度までが有効範囲であるという前提の下で、許容支持力を算出して得られたものとなっている。また、表1を作成するための許容支持力は、自動式のスウェーデン式サウンディング試験機によるデータを基にして得られたものであり、半自動式や手動式のスウェーデン式サウンディング試験機によるデータを基にした場合には、分類の境界も変わってくるものと考えられる。
そして、本実施形態のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によれば、上述のように、調査対象となる例えば住宅建築物の敷地の地盤に対して複数箇所で実施されたスウェーデン式サウンディング試験によって得られた許容支持力に関するデータを、群として取り扱い、各深度における複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数うちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質(砂質土であるか粘性土であるか)を判定するので、スウェーデン式サウンディング試験のみによる簡易な方法によって、単独の試験孔から得られるデータから土質を判定する場合と比較して、調査対象の地盤の土質を精度良く判定する可能になる。
また、本実施形態のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によれば、砂質土であるか粘性土であるかの土質の判定は、25cmの各深度毎に行われるようになっており、これによって、換算N値を、上記数1の換算式を用いて25cmの各深度毎にきめ細かく算出することができるので、例えば1mの各深度毎にN値が示されるボーリング試験によるものと比較して、住宅建築物等の建物の基礎地盤の状態を判断するための、品質の良いN値のデータを得ることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の土質判定方法は、住宅建築物を建築するための敷地の地盤に限定されることなく、その他の種々のの建物が構築される敷地の地盤において、スウェーデン式サウンディング試験によって換算N値のデータを得る際に採用することができる。また、調査対象となる敷地の地盤の許容支持力の平均値や標準偏差等から、各深度における土質を判定するための、予め作成された許容支持力の平均値や標準偏差等と土質との相関関係を示す手段は、上記表1に示す「SWSデータから推定される土質分類表」の他、その他の種々の図表や、コンピュータのディスプレイ上に表示された図表等であっても良い。さらに、各深度における土質を判定するための、予め作成された許容支持力の平均値や標準偏差等と土質との相関関係は、近隣の地盤に対して以前に実施されたボーリング試験のデータが現存する多数の敷地の地盤をサンプルの地盤として、各々複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して得られた許容支持力の平均値や標準偏差等のデータから、人力作業によって見い出すことができる他、コンピュータに組み込まれた公知の各種の統計処理用のプログラムを用いて見い出すこともできる。
以下、実施例により、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
洪積層に属する住宅建築物用の実施例1の敷地の地盤に対して、スウェーデン式サウンディング試験をA〜Eの5箇所で実施した。A〜Eの5箇所で実施されたウェーデン式サウンディング試験によって得られた、各25cmの深度毎の許容支持力(許容応力度)の値であるqa(kN/m2)と、許容応力度分布とを図1の左側部分及び右側部分に示す。
また、ウェーデン式サウンディング試験によって得られた各25cmの深度毎のA〜Eの5箇所の許容支持力から算出される、平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値を図1の中央部分に示す。
表1の「SWSデータから推定される土質分類表」の横の欄の各分類された土質における、縦の列の○を付した項目及び範囲と、図1に示す各25cmの深度毎の許容支持力の平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値とを照らし合わせて、各深度毎に、これらの算出値が、各土質の欄の下方の縦の列の○を付した全ての項目及び範囲についてANDの条件で満足すか否かを判断し、全ての条件を満足する場合に、当該深度の地盤は、当該縦の列に分類された土質であるとして、各深度毎に該当する土質に○を付した判定表を作成する。作成した判定表を図2の左側部分に示す。
すなわち、図1において、例えば1.50mの深さの地層は、許容支持力の標準偏差の算出値が5.17kN/m2、最大値の算出値が44.4kN/m2、変動係数の算出値が0.14となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「火山灰質細粒土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の全ての条件を満たしていることから、図2の判定表において、1.50mの深度さの欄には、「火山灰質細粒土」の分類の箇所に○が付されることになる。
例えば4.50mの深さの地層は、許容支持力の平均値が82.3kN/m2、標準偏差が22.07kN/m2、最大値が109.2kN/m2となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「火山灰質粗粒土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の全ての条件を満たしていることから、図2の判定表において、4.50mの深度さの欄には、「火山灰質粗粒土」の分類の箇所に○が付されることになる。
例えば6.50mの深さの地層は、許容支持力の平均値が27.0kN/m2、標準偏差が3.67kN/m2、最大値が30.0kN/m2となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「凝灰質粘土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の全ての条件を満たしていることから、図2の判定表において、6.50mの深度さの欄には、「凝灰質粘土」の分類の箇所に○が付されることになる。
例えば9.75mの深さの地層は、許容支持力の平均値が402.1kN/m2、標準偏差が207.57kN/m2、最大値が765.0kN/m2、最小値140.4kN/m2、範囲(レンジ)624.6kN/m2なっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「砂質土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の全ての条件を満たしていることから、図2の判定表において、9.75mの深度さの欄には、「砂質土」の分類の箇所に○が付されることになる。
他の深さの地層についても同様に、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」の○を付した項目及び範囲と、図1に示す各深度毎の許容支持力の平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値とを照らし合わせて、各深度毎に、これらの算出値が、いずれかの土質の欄の下方の縦の列の○を付した全ての項目及び範囲についてANDの条件で満足すか否かを判断して、満足する土質の箇所に○を付して行くことで、図2に示す判定表が作成されることになる。
ここで、図2に示す判定表を作成する際に、深度方向の当該算出値に上下の算出値を含めて例えば平均したものが範囲内にあれば、「範囲に入っている」と判断することができることとした。また該当する土質がない場合、あるいは該当する土質が複数となった場合には、堆積時代の判断を優先することができることとした。さらに、同じ堆積時代の場合は、上下の群によりデータの帰属を判断することができることとした。なお、地層累重の法則から、人工地盤よりも上層は人工地盤であると考えられる。
また、図2には、判定表の右側に隣接して、スウェーデン式サウンディング試験を実施した際に計測された、上記数1によって換算N値を算出するための、各25cmの深度毎の荷重(おもりの重さ)Wsw、及び1m当たりの半回転数(25cmあたりの半回転数を4倍した値)Nswが示されている。これらの計測値は、A〜Eの5箇所で行ったスウェーデン式サウンディング試験による荷重及びり半回転数の計測値の平均値である。
図2には、荷重Wsw及び半回転数Nswの計測値の欄のさらに右側に隣接して、これらの計測値を上記数1の砂質土と粘性土の各式に代入して算出した換算N値が、各25cmの深度毎の土質が砂質土である場合と、粘性土である場合とを併記して示されている。これらの換算N値に対して、砂質土の換算N値を選択するか、粘性土の換算N値を選択するかを、判定表に示す○が付された土質から判断して、調査対象である実施例1の敷地の地盤の換算N値を表示する。
すなわち、判定表からは、実施例1の敷地の地盤における、表層の人工地盤を含む深度1mまでの部分は、砂質土による盛土(人工地盤)として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される(砂質土の換算N値と粘性土の換算N値とが併記された欄の矩形枠で囲まれた部分を参照)。深度1mから深度3.75mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度3.75mから深度5.25mまでの部分は、火山灰質粗粒土による砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度5.25mから深度6.00mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度6.00mから深度6.75mまでの部分は、凝灰質粘土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度6.75mから深度8.00mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度8.00mから深度8.50mまでの部分は、火山灰質粗粒土による砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度8.50mから深度8.75mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度8.75mから深度9.25mまでの部分は、火山灰質粗粒土による砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度9.25mから深度10.00mまでの部分は、砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。
上述のようにして、各25cmの深度毎の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を判定して得られた換算N値を、当該換算N値の分布図とともに、図2の右側部分に示す。
図3には、図2の判定表において判定された各深度の土質による柱状図と、当該実施例1の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図とが、これらを対比できるように併記した状態で示されている。図3によれば、図2の判定表において判定された各深度の土質による柱状図は、当該実施例1の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図と、略合致していることから、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によって得られる判定結果は、調査対象となる敷地の地盤の土質を精度良く反映していることが判明する。
〔実施例2〕
洪積層に属する住宅建築物用の実施例2の敷地の地盤に対して、スウェーデン式サウンディング試験をA〜Eの5箇所で実施した。A〜Eの5箇所で実施されたウェーデン式サウンディング試験によって得られた、各25cmの深度毎の許容支持力(許容応力度)の値であるqa(kN/m2)と、許容応力度分布とを図4の左側部分及び右側部分に示す。
また、ウェーデン式サウンディング試験によって得られた各25cmの深度毎のA〜Eの5箇所(深度の深い部分では4箇所又は3箇所)の許容支持力から算出される、平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値を図5の中央部分に示す。
上述の実施例1と同様に、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」の横の欄の各分類された土質における、縦の列の○を付した項目及び範囲と、図5に示す各25cmの深度毎の許容支持力の平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値とを照らし合わせて、各深度毎に、これらの算出値が、各土質の欄の下方の縦の列の○を付した全ての項目及び範囲についてANDの条件で満足すか否かを判断し、全ての条件を満足する場合に、当該深度の地盤は、当該縦の列に分類された土質であるとして、各深度毎に該当する土質に○を付した判定表を作成する。作成した判定表を図5の左側部分に示す。
また、図5には、実施例1の図2と同様に、判定表の右側に隣接して、スウェーデン式サウンディング試験を実施した際に計測された、上記数1によって換算N値を算出するための、各25cmの深度毎の荷重(おもりの重さ)Wsw、及び1m当たりの半回転数(25cmあたりの半回転数を4倍した値)Nswが示されている。これらの計測値は、A〜Eの5箇所(又は4箇所又は3箇所)で行ったスウェーデン式サウンディング試験による荷重及び半回転数の計測値の平均値である。
図5には、実施例1の図2と同様に、荷重Wsw及び半回転数Nswの計測値の欄のさらに右側に隣接して、これらの計測値を上記数1の砂質土と粘性土の各式に代入して算出した換算N値が、各25cmの深度毎の土質が砂質土である場合と、粘性土である場合とを併記して示されている。これらの換算N値に対して、砂質土の換算N値を選択するか、粘性土の換算N値を選択するかを、判定表に示す○が付された土質から判断して、調査対象である実施例2の敷地の地盤の換算N値を表示する。
すなわち、判定表からは、実施例2の敷地の地盤における表層の人工地盤を含む深度0.5mまでの部分は、粘性土による盛土(人工地盤)として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される(砂質土の換算N値と粘性土の換算N値とが併記された欄の矩形枠で囲まれた部分を参照)。深度0.5mから深度3.5mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度3.5mから深度6.5mまでの部分は、火山灰質粗粒土による砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度6.5mから深度7.25mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度7.25mから深度7.75mまでの部分は、凝灰質粘土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度7.75mから深度8.25mまでの部分は、火山灰質粗粒土による砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度8.25mから深度9.75mまでの部分は、火山灰質細粒土による粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度9.75mから深度10mまでの部分は、砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。
上述のようにして、各25cmの深度毎の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を判定して得られた換算N値を、当該換算N値の分布図とともに、図5の右側部分に示す。
図6には、図5の判定表において判定された各深度の土質による柱状図と、当該実施例2の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図とが、これらを対比できるように併記した状態で示されている。図6によれば、図5の判定表において判定された各深度の土質による柱状図は、当該実施例2の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図と、略合致していることから、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によって得られる判定結果は、調査対象となる敷地の地盤の土質を精度良く反映していることが判明する。
〔実施例3〕
沖積層に属する住宅建築物用の実施例3の敷地の地盤に対して、スウェーデン式サウンディング試験をA〜Dの4箇所で実施した。A〜Dの4箇所で実施されたウェーデン式サウンディング試験によって得られた、各25cmの深度毎の許容支持力(許容応力度)の値であるqa(kN/m2)と、許容応力度分布とを図7の左側部分及び右側部分に示す。
また、ウェーデン式サウンディング試験によって得られた各25cmの深度毎のA〜Dの4箇所の許容支持力から算出される、平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値を図7の中央部分に示す。
表1の「SWSデータから推定される土質分類表」の横の欄の各分類された土質における、縦の列の○を付した項目及び範囲と、図7に示す各25cmの深度毎の許容支持力の平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値とを照らし合わせて、各深度毎に、これらの算出値が、各土質の欄の下方の縦の列の○を付した全ての項目及び範囲についてANDの条件で満足すか否かを判断し(沖積層では一つの項目及び範囲のみ)、条件を満足する場合に、当該深度の地盤は、当該縦の列に分類された土質であるとして、各深度毎に該当する土質に○を付した判定表を作成する。作成した判定表を図8の左側部分に示す。
すなわち、図7において、例えば1.50mの深さの地層は、許容支持力の標準偏差の算出値が6.50kN/m2となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「粘性土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の条件を満たしていることから、図8の判定表において、1.50mの深度さの欄には、「粘性土」の分類の箇所に○が付されることになる。
例えば4.0mの深さの地層は、許容支持力の最大値が150.0kN/m2となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「砂質土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の条件を満たしていることから、図8の判定表において、4.0mの深度さの欄には、「砂質土」の分類の箇所に○が付されることになる。
例えば7.0mの深さの地層は、許容支持力の標準偏差が3.55kN/m2となっていて、表1の「SWSデータから推定される土質分類表」において分類された、「粘性土」の欄の下方の縦の列の○を付した項目及び範囲の条件を満たしていることから、図8の判定表において、7.0mの深度さの欄には、「粘性土」の分類の箇所に○が付されることになる。
また、図8には、実施例1の図2と同様に、判定表の右側に隣接して、スウェーデン式サウンディング試験を実施した際に計測された、上記数1によって換算N値を算出するための、各25cmの深度毎の荷重(おもりの重さ)Wsw、及び1m当たりの半回転数(25cmあたりの半回転数を4倍した値)Nswが示されている。これらの計測値は、A〜Dの4箇所で行ったスウェーデン式サウンディング試験による荷重及び半回転数の計測値の平均値である。
図8には、実施例1の図2と同様に、荷重Wsw及び半回転数Nswの計測値の欄のさらに右側に隣接して、これらの計測値を上記数1の砂質土と粘性土の各式に代入して算出した換算N値が、各25cmの深度毎の土質が砂質土である場合と、粘性土である場合とを併記して示されている。これらの換算N値に対して、砂質土の換算N値を選択するか、粘性土の換算N値を選択するかを、判定表に示す○が付された土質から判断して、調査対象である実施例3の敷地の地盤の換算N値を表示する。
すなわち、判定表からは、実施例3の敷地の地盤における表層の人工地盤を含む深度0.75mまでの部分は、粘性土による盛土(人工地盤)として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される(砂質土の換算N値と粘性土の換算N値とが併記された欄の矩形枠で囲まれた部分を参照)。深度0.75mから深度2.5mまでの部分は、粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度2.5mから深度5.0mまでの部分は、砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度5.0mから深度10.0mまでの部分は、粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。
上述のようにして、各25cmの深度毎の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を判定して得られた換算N値を、当該換算N値の分布図とともに、図8の右側部分に示す。
図9には、図8の判定表において判定された各深度の土質による柱状図と、当該実施例3の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図とが、これらを対比できるように併記した状態で示されている。図9によれば、図8の判定表において判定された各深度の土質による柱状図は、当該実施例3の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図と、略合致していることから、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法によって得られる判定結果は、調査対象となる敷地の地盤の土質を精度良く反映していることが判明する。
〔実施例4〕
沖積層に属する住宅建築物用の実施例4の敷地の地盤に対して、スウェーデン式サウンディング試験をA〜Eの5箇所で実施した。A〜Eの5箇所で実施されたウェーデン式サウンディング試験によって得られた、各25cmの深度毎の許容支持力(許容応力度)の値であるqa(kN/m2)と、許容応力度分布とを図10の左側部分及び右側部分に示す。
また、ウェーデン式サウンディング試験によって得られた各25cmの深度毎のA〜Eの5箇所の許容支持力から算出される、平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値を図10の中央部分に示す。
表1の「SWSデータから推定される土質分類表」の横の欄の各分類された土質における、縦の列の○を付した項目及び範囲と、図10に示す各25cmの深度毎の許容支持力の平均値、分散、標準偏差、最小値、最大値、レンジ(範囲)、相対最小、相対最大、相対範囲、及び変動係数の算出値とを照らし合わせて、各深度毎に、これらの算出値が、各土質の欄の下方の縦の列の○を付した全ての項目及び範囲についてANDの条件で満足すか否かを判断し(沖積層では一つの項目及び範囲のみ)、条件を満足する場合に、当該深度の地盤は、当該縦の列に分類された土質であるとして、各深度毎に該当する土質に○を付した判定表を作成する。作成した判定表を図11の左側部分に示す。
また、図11には、実施例1の図2と同様に、判定表の右側に隣接して、スウェーデン式サウンディング試験を実施した際に計測された、上記数1によって換算N値を算出するための、各25cmの深度毎の荷重(おもりの重さ)Wsw、及び1m当たりの半回転数(25cmあたりの半回転数を4倍した値)Nswが示されている。これらの計測値は、A〜Eの5箇所で行ったスウェーデン式サウンディング試験による荷重及び半回転数の計測値の平均値である。
図11には、実施例1の図2と同様に、荷重Wsw及び半回転数Nswの計測値の欄のさらに右側に隣接して、これらの計測値を上記数1の砂質土と粘性土の各式に代入して算出した換算N値が、各25cmの深度毎の土質が砂質土である場合と、粘性土である場合とを併記して示されている。これらの換算N値に対して、砂質土の換算N値を選択するか、粘性土の換算N値を選択するかを、判定表に示す○が付された土質から判断して、調査対象である実施例4の敷地の地盤の換算N値を表示する。
すなわち、判定表からは、実施例4の敷地の地盤における表層の人工地盤を含む深度0.5mまでの部分は、砂質土による盛土(人工地盤)として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される(砂質土の換算N値と粘性土の換算N値とが併記された欄の矩形枠で囲まれた部分を参照)。深度0.5mから深度3.0mまでの部分は、粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。深度3.0mから深度4.5mまでの部分は、砂質土として判断されることから、砂質土の換算N値が選択される。深度4.5mから深度10.0mまでの部分は、粘性土として判断されることから、粘性土の換算N値が選択される。
上述のようにして、各25cmの深度毎の土質(砂質土であるか粘性土であるか)を判定して得られた換算N値を、当該換算N値の分布図とともに、図11の右側部分に示す。
図12には、図11の判定表において判定された各深度の土質による柱状図と、当該実施例4の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図とが、これらを対比できるように併記した状態で示されている。図12によれば、図11の判定表において判定された各深度の土質による柱状図は、当該実施例4の敷地の近隣の地盤で行ったボーリング試験から得られる柱状図と、略合致していることから、本発明のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法による判定結果は、調査対象となる敷地の地盤の土質を精度良く反映していることが判明する。

Claims (5)

  1. スウェーデン式サウンディング試験による試験結果から換算N値を算出するための土質を判定する土質判定方法であって、
    調査対象となる敷地の地盤に対して複数箇所でスウェーデン式サウンディング試験を実施して、得られた各深度毎の複数箇所の許容支持力を群として取り扱い、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定するスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法。
  2. 前記調査対象となる敷地の地盤について沖積層に属するか洪積層に属するかを判別し、沖積層と洪積層の各々における、各深度毎の複数箇所の許容支持力の平均値、標準偏差、最小値、最大値、範囲、相対範囲、変動係数のうちの少なくとも1種以上の項目の値と、土質との相関関係から、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定する請求項1記載のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法。
  3. 前記調査対象となる敷地の地盤が、住宅建築物を建築するための敷地の地盤である請求項1又は2記載のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法。
  4. 地盤面から深度10mまでを有効範囲として、前記調査対象となる敷地の地盤の各深度における土質を判定する請求項1〜3のいずれか1項記載のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法。
  5. 前記調査対象となる敷地の地盤に対して10〜100m2当りに1箇所の割合で、前記スウェーデン式サウンディング試験を複数箇所で実施する請求項1〜4のいずれか1項記載のスウェーデン式サウンディング試験による土質判定方法。
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