JP2013011177A - 内燃機関の吸気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変動弁機構を備える内燃機関において、冷間始動時の燃焼の安定化を図るとともに、燃費の改善を図る
【解決手段】可変動弁機構を備え燃料を燃焼室内に噴射する筒内噴射式の内燃機関に取り付けられる内燃機関の吸気制御装置であって、吸気通路のスロットル弁の上流と排気マニホルドとを連通する新気バイパス通路と、新気バイパス通路に設けられてスロットル弁の上流から排気マニホルドに流れる新気を制御する弁手段と、内燃機関の始動から所定時間が経過するまでの吸気行程においては、上死点から排気弁が可変動弁機構により上死点後の所定角度以降に閉じられるまでの間は弁手段を開く弁制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷間始動時の燃費を改善するための内燃機関の吸気制御装置に関するものである。
従来、自動車などに搭載される内燃機関では、冷機状態である場合には燃料供給量を増量して、内燃機関の始動が円滑に完了するように構成されている。例えば、特許文献1に記載のものでは、内燃機関の始動時において、内燃機関が冷機状態にあり且つ排気浄化触媒装置が活性状態にないときには、先ず圧縮行程噴射モードを選択し空燃比をリッチ空燃比に設定して燃料噴射を開始し、その後、内燃機関の始動開始から所定期間が経過すると、圧縮行程噴射モードを維持継続したまま空燃比を理論空燃比よりもややリーン空燃比に設定して燃料噴射を行う構成が示されています。
このような構成によれば、始動時からの所定期間、空燃比をリッチ空燃比に設定して燃料噴射を実行すると、燃焼を安定化することができ、排気浄化触媒装置の早期活性化を実現することができる。しかしながら、その一方で、上記所定期間の間は空燃比がリッチ空燃比であるので、燃料を他の運転状態の場合と比べて多く使用することになる。この結果、上記所定期間における燃料消費量が増加し、燃費が低下する。
特開2009‐235938号公報
そこで本発明は以上の点に着目し、冷間始動時の燃焼の安定化を図るとともに、燃費の改善を図ることを目的としている。
すなわち、本発明の内燃機関の吸気制御装置は、可変動弁機構を備え燃料を燃焼室内に噴射する筒内噴射式の内燃機関に取り付けられる内燃機関の吸気制御装置であって、吸気通路のスロットル弁の上流と排気マニホルドとを連通する新気バイパス通路と、新気バイパス通路に設けられてスロットル弁の上流から排気マニホルドに流れる新気を制御する弁手段と、内燃機関の始動から所定時間が経過するまでの吸気行程においては、上死点から排気弁が可変動弁機構により上死点後の所定角度以降に閉じられるまでの間は弁手段を開く弁制御手段とを備えることを特徴とする。
このような構成において、内燃機関の始動から所定時間が経過するまでの吸気行程において、弁制御手段が弁手段を開くので、スロットル弁の上流から新気バイパス通路を介して新気が排気マニホルドに流れる。またこの間、排気弁が可変動弁機構により上死点後の所定角度までは開いているので、新気バイパス通路からの新気は、排気弁を介して燃焼室内に流入する。
従って、新気バイパス通路からの新気は、排気マニホルドにより加熱されるので、混合気を燃焼しやすくする。これにより燃焼を安定化することが可能になる。その結果、燃料噴射料を低減することが可能になる。
本発明は、以上説明したような構成であり、新気バイパス通路からの新気を排気マニホルドにより加熱することで、混合気が燃焼しやすくなり、燃焼を安定化することができる。その結果、燃料噴射料を低減することができ、燃費を改善することができる。
本発明の実施形態の構成を示す概略平面図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
この実施形態のエンジン100は、3気筒の筒内噴射式のものである。エンジン100の各気筒1は、二本の吸気弁2と二本の排気弁3と一本の燃料噴射弁及び点火プラグ(それぞれ図示しない)を備える。それぞれの吸気弁2と排気弁3とは、可変動弁機構を構成する電磁アクチュエータ(図示しない)により開閉される。エンジン100の吸気系は、吸気ポートに接続される吸気マニホルド4と、吸気マニホルド4に接続される吸気通路5と、吸気通路5に設けられるスロットル弁6と、吸気通路5のスロットル弁6の上流に取り付けられるエアクリーナ7とから構成される。一方、エンジン100の排気系は、排気ポートに接続される排気マニホルド8と、排気マニホルド8に接続される三元触媒9とで構成される。エンジン100自体は、この分野で広く知られているものと同じ構成であってよい。ただし、吸気弁2と排気弁3とのバルブタイミングは、後述する吸気制御装置200の動作との関係で、独自のタイミングで制御される。
このようなエンジン100に取り付けられる吸気制御装置は、新気バイパス通路10と、その新気バイパス通路10に設けられる電磁弁11と、逆止弁12と、電磁弁11の開閉を制御する電子制御装置13とで構成される。新気バイパス通路10は、吸気系のスロットル弁5の上流でエアクリーナ7の下流の位置と、排気系の排気マニホルド8とを連通する。新気バイパス通路10の排気マニホルド8との接続位置は例えば、各気筒1の排気ポートの近傍に設定するものが好ましい。なお、図1においては、上記接続位置を1つの気筒1に対してのみ図示している。
この新気バイパス通路10には、スロットル弁6の上流から排気マニホルド8に流れる新気を制御する電磁弁11と、排気マニホルド8から吸気通路5に排気ガスが流入することを禁止する逆止弁12とが設けてある。電磁弁11は、弁手段を構成するもので、電磁アクチュエータとともに、エンジン100の運転を制御する電子制御装置13によりその開閉が制御される。逆止弁12は、電磁弁11と排気マニホルド8との中間の新気バイパス通路10に設ける。この逆止弁12は、排気ガスが吸気通路5に流入することを禁止すればよいので、例えば排気ポートからの排気ガスが集合される排気マニホルド8の位置近傍に取り付けるものであってもよい。このように逆止弁12を新気バイパス通路10に設けることにより、各気筒1の排気行程において排気ガスが吸気通路5に逆流することを確実に防止することができる。
電子制御装置13は、マイクロプロセッサを主体とするコンピュータシステムからなり、エンジン100の運転を制御するための制御プログラムを格納している。そして、電子制御装置13は、制御プログラムを実行して、エンジン100の冷却水温を検出するための水温センサ、エンジン回転数を検出するための回転数センサ、吸入空気圧を検出するための吸気圧センサまたは吸入空気量を検出するための吸気量センサ、クランク角度を検出するための角度センサ等から出力される各信号に基づいて、燃料噴射量を設定し、設定した燃料噴射量に基づいて燃料噴射弁の開閉を制御するとともに、点火時期及び吸気弁2と排気弁3とのバルブタイミングを制御する。バルブタイミングの制御において、以下に説明するように、エンジン100の冷機状態における始動にあっては、吸気行程において吸気弁2を閉じ、排気弁3の閉じタイミングを遅くし、その間に新気バイパス通路10から新気を導入するように、吸排気弁2、3及び電磁弁11を制御する。
エンジン100を冷機状態から始動する場合を説明する。なお、始動とは、長時間エンジン100を停止しておいて、例えば始業に際してエンジン100を始動するものと、暖機後の運転状態になる前にエンジン100を停止した後、所定の条件下で改めて始動する再始動とを含むものである。先ず、エンジン100を始動すると、水温センサから出力される水温信号に基づいて、冷機状態であるか否かを判定する。この冷機判定は例えば、水温信号に基づく冷却水温が所定温度以下である場合に冷機状態であると判定するものである。このような冷機状態は、アイドル運転状態以外に、エンジン100が低負荷領域で運転されている場合も含むものである。
冷機状態と判定した始動時において、エンジン100の始動の時点、具体的には完爆判定の時点からの経過時間の測定を開始する。これと同時に、吸気行程において吸気弁2を全閉し、排気弁3を閉じるタイミングを延期し、且つ排気行程と吸気行程との間の上死点のタイミングで電磁弁11を全開するように、電子制御装置13は電磁アクチュエータ及び電磁弁11を制御する。つまり、冷間始動時においては、吸気ポートから吸気を実施するのではなく、排気マニホルド8により加熱された新気を、排気弁3を介して吸入する。このために、新気バイパス通路10を最大量の新気が通るように、電磁弁11を開くものである。この電磁弁11は、圧縮行程の開始と同時に閉じ、上述した上死点のタイミングになるまで、閉じた状態を継続する。
排気弁3は、一般的には上死点の近傍の位置で閉じるものであるが、この実施形態にあっては、上死点から所定クランク角度遅れた位置で閉じるものである。言い換えれば、排気弁3の閉じタイミングを所定クランク角度まで遅角させるものである。従って、排気行程から吸気行程に移行した状態で、吸気弁2が閉じていて、排気弁3が開いている状態となる。所定クランク角度は例えば、上死点後90°〜120°または180°である。そしてこのように排気弁3の閉じタイミングを遅角させることにより、その遅角量に応じて排気弁3を介して吸入する空気量を調整するものである。
このように、冷間始動時において、吸気行程毎に吸気弁2を閉じ、新気バイパス通路10の電磁弁11を開き、且つ排気弁3の閉じタイミングを所定クランク角度まで遅角して、新気の吸入を実施する。そして、エンジン100の始動からの経過時間が、所定時間に達したか否かを判定する。所定時間は例えば、始動から暖機完了までの時間で設定する。なお、所定時間は、始動時の検出した冷却水温に応じて設定するものであってもよい。すなわち、冷却水温が低いほど、所定時間を長く設定するものである。
この後、エンジン100の始動から計測した経過時間が所定時間に達したと判定した場合は、上記の制御を中止し、経過していないと判定した場合は、上記の制御を繰り返し実行する。
このように、エンジン100が冷機状態である場合は、始動すると、吸気行程において新気バイパス通路10を新気が通るように、各気筒1の吸気行程において電磁弁11を全開にする。そして、その状態で吸気弁2を閉じ、且つ通常ならば吸気行程において閉じられている排気弁3を所定クランク角度になるまで開くことにより、新気バイパス通路10から供給される新気を排気マニホルド8により加熱してから、排気ポート側から加熱された新気を吸入する。これにより、燃焼に必要な新気を十分に燃焼室内に導入することができる。しかも、導入される新気が加熱されていることによって、吸気行程または圧縮行程において噴射される燃料の霧化が促進され、燃焼を安定化させることができる。従って、空燃比をリッチにする、つまり燃料噴射量を増量補正することを回避することができ、燃費を改善することができる。
また冷間始動において燃焼を安定化することにより、空燃比をリッチにすることなくエンジン100の回転が不安定になる、さらにはエンジン100が停止することを抑制することができる。しかも、冷間始動であるので、点火時期を遅角させていることにより、三元触媒9の早期暖機を確実にすることができ、始動後の早い時点で排気ガスの浄化を行うことができる。従って、排気ガスの浄化を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば所定クランク角度は例えば、エンジン100の冷却水温が低い場合に長くするようにして、冷却水温によって変更するものであってよい。このように所定クランク角度を変えることによって、新気の導入量を変えることができ、冷却水温に対応した新気を導入することができる。
また、上記実施形態にあっては、冷機始動時の吸気行程において、吸気弁2を閉じるものを説明したが、吸気弁を開くものであってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の活用例として、特に、自動車に搭載される、可変動弁機構を備えるエンジンが挙げられる。
1…気筒
2…吸気弁
3…排気弁
5…吸気通路
6…スロットル弁
8…排気マニホルド
10…新気バイパス通路
11…電磁弁
13…電子制御装置

Claims (1)

  1. 可変動弁機構を備え燃料を燃焼室内に噴射する筒内噴射式の内燃機関に取り付けられる内燃機関の吸気制御装置であって、
    吸気通路のスロットル弁の上流と排気マニホルドとを連通する新気バイパス通路と、
    新気バイパス通路に設けられてスロットル弁の上流から排気マニホルドに流れる新気を制御する弁手段と、
    内燃機関の始動から所定時間が経過するまでの吸気行程においては、上死点から排気弁が可変動弁機構により上死点後の所定角度以降に閉じられるまでの間は弁手段を開く弁制御手段とを備える内燃機関の吸気制御装置。
JP2011142714A 2011-06-28 2011-06-28 内燃機関の吸気制御装置 Withdrawn JP2013011177A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109268160A (zh) * 2018-08-14 2019-01-25 长安大学 一种可变气门升程缸内直喷发动机冷启动控制方法

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