JP2013006293A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐衝撃性、耐食性に優れ、塑性加工性も良好で、軽量な積層体を提供
【解決手段】ガラス繊維強化樹脂層11とマグネシウム−リチウム合金からなる金属層12との積層単位を少なくとも1単位含み、且つ両側の最外層がガラス繊維強化樹脂層11a,11bであることを特徴とする
【選択図】図1

Description

本発明は、金属層とガラス繊維強化樹脂層とを含む積層体で、特に、航空業界において使用されるファイバーメタル(FML)として好適な積層体に関する。
航空業界においては、常に機体の軽量化が求められており、近年では、アルミニウム合金等の金属より軽い複合材料を使用した機体が多く見られるようになっている。複合材料としては、カーボン繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、アラミド繊維強化プラスチック等が知られている。
しかしながら、翼の前縁等の優れた耐衝撃性が求められる部位については、軽量なCFRPではなく、アルミニウム合金で製造されたものが多く使用されており、また、翼の前縁等の部位に対して、CFRPより耐衝撃性の優れたGFRPや、金属と複合材料の積層体であるファイバーメタル(FML)を用いた例も知られているが、その軽量化の程度は、アルミニウム合金に対して20%前後の軽量化に留まっている。
上記FMLは、例えば、引用文献1(特許第2660563号公報)に開示されている。引用文献1には、少くとも2枚のアルミニウム等の金属シートを含み、該金属シートの間に該金属シートに結合された合成層が設けられ、該合成層が50GPaより大きな弾性率を有するガラスフィラメントを含むラミネートにおいて、該ガラスフィラメントが少くとも80GPaの弾性率を有しかつ58〜69重量%のSiO2、18〜29重量%のAl2O3及び7〜19重量%のMgOから実質的に成ることを特徴とするラミネートが開示されている。金属シートは、スチール、アルミニウム合金、特にアルミニウム−銅合金、アルミニウム−亜鉛合金、チタン合金、及び銅が挙げられているが、このような材料では、優れた耐衝撃性を維持しながら、十分な軽量化を図ることは困難である。
特許第2660563号公報
現在FMLに用いられている金属は、上記のようにアルミニウム合金やチタン合金等であり、より軽量なマグネシウムの合金は使用されていない。これは、マグネシウムの結晶構造が稠(ちょう)密六方晶(六方最密充填構造)であり、常温付近においてすべり系が限定されるため、他の金属に比較して塑性加工性が劣り、薄膜を得ることが難しく、また均一な品質を得ることも困難であったことから、FMLへのマグネシウム合金の使用が見られなかったと考えられる。さらに、マグネシウムの合金を用いたFMLを製造したとしても、マグネシウム合金の耐衝撃性はアルミニウム合金より劣るため、FMLの軽量化を実現するのは容易ではないと考えられる。
本発明者は、優れた耐衝撃性を維持しながら、FMLの十分な軽量化を果たすために検討を重ねた結果本発明に到達した。
従って、本発明は、塑性加工性が良好で、耐衝撃性に優れる、軽量の積層体を提供することを目的とする。
また、本発明は、塑性加工性が良好で、耐衝撃性、耐食性に優れる、軽量の積層体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、航空業界において使用されるファイバーメタル(FML)として好適で軽量な積層体を提供することを目的とする。
上記目的は、ガラス繊維強化樹脂層とマグネシウム−リチウム合金からなる金属層との積層単位を少なくとも1単位含み、且つ両側の最外層がガラス繊維強化樹脂層であることを特徴とする積層体;
により達成することができる。
上記本発明の積層体においては、以下の利点を有する。
マグネシウムにリチウムを添加することにより、マグネシウムの結晶構造とは異なり体心立方構造となり、多くのすべり系を有するため加工性が良好で、冷間での塑性加工が可能となっている。
また、従来、航空業界等で一般に用いられてきたアルミニウム合金(Al合金)に比べてマグネシウム−リチウム合金は比重が約半分であるため、軽量化が可能である。
さらに、比重が半分であるために、Al合金に比較して、同等の耐衝撃性であっても軽量化することができる。さらに、両側の最外層をガラス繊維強化樹脂層とすることにより金属層(Mg−Li合金)の耐食性を向上させることができる。
本発明の積層体の好適態様は以下の通りである。
(1)当該積層体の質量に対して金属層の割合が50〜90質量%である。従来の金属として用いられてきたAl合金に比べて比重が約半分であるため、金属層の量を多くして耐衝撃性を維持しても、軽量化することができ、また積層体の耐衝撃性を向上させることができる。
(2)マグネシウム−リチウム合金が、リチウムを6.5〜16質量%(さらに好ましくは13.0〜15.0質量%)、アルミニウムを0.3〜2.0質量%(さらに好ましくは0.5〜1.5質量%)を含有し、残部に主としてマグネシウムを含んでいる。軽量、かつ耐食性を向上させることができる。
(3)マグネシウム−リチウム合金が、鉄、銅、ニッケルを0.005質量%以下で含んでいる。鉄、銅を0.003質量%以下で、ニッケルを0.001質量%以下で含んでいることがさらに好ましい。耐食性を向上させることができる。
(4)ガラス繊維強化樹脂層と金属層との積層単位が、ガラス繊維強化樹脂層と金属層とが接するように、2〜10単位(更に好ましくは3〜8単位)積層されている。より優れた耐衝撃性を得ることができる。
(5)金属層の厚さが、0.1〜1.0mmの範囲にある。軽量化と耐衝撃性のバランスをとることができる。
(6)ガラス繊維強化樹脂層の厚さが0.05〜0.20mmの範囲にある。軽量化と耐衝撃性のバランスをとることができる。
(7)ガラス繊維強化樹脂層の樹脂がエポキシ樹脂である。優れた耐衝撃性が得られる。
(8)少なくとも2層のガラス繊維強化樹脂層が、ガラス繊維の配向方向が直角となるように積層されている。より優れた耐衝撃性を得ることができる。
本発明の積層体は、ガラス繊維強化樹脂層とマグネシウム−リチウム合金からなる金属層とからなり、両側の最外層がガラス繊維強化樹脂層であることを特徴とするものである。
金属層としてマグネシウム−リチウム合金からなる層を用いることにより冷間での塑性加工が可能となり、また、ガラス繊維強化樹脂層との積層構造とすることにより、優れた耐衝撃性を確保しながら、軽量化を可能にしている。さらに、両側の最外層をガラス繊維強化樹脂層とすることにより金属層(Mg−Li合金)の耐食性も向上したものとなっている。
従って、本発明の積層体は塑性加工性が良好で、耐衝撃性、耐食性に優れる、軽量な積層体と言うことができる。このため、本発明の積層体は航空業界において使用されるファイバーメタル(FML)として好適である。
図1は、本発明の積層体の基本構成を示す概略斜視図である。 図2は、本発明の積層体の好適態様の一例を示す概略斜視図である。
本発明の積層体は、ガラス繊維強化樹脂層とマグネシウム−リチウム(Mg−Li)合金からなる金属層との積層単位を含み、且つ両側の最外層をガラス繊維強化樹脂層とした基本構造を有する。
金属層としてマグネシウム−リチウム合金からなる層を用いることにより加工性が良好で、冷間での塑性加工が可能となる。Liの添加により、Mgの結晶構造とは異なり、体心立方構造となり、多くのすべり系を有するようになるためと考えられる。マグネシウム−リチウム合金は、従来の金属として用いられてきたAl合金に比べて比重が約半分であるため、軽量化が可能であり、また、重量を維持したまま金属層を厚くすることができ、耐衝撃性等の剛性を向上させることができる。
さらに、ガラス繊維強化樹脂層は、Mgの欠点である不十分な耐食性をカーボン繊維強化樹脂のように助長することが無く、保護する働きがあり、また、両側の最外層をガラス繊維強化樹脂層とすることにより金属層(Mg−Li合金)の耐食性を向上させることができる。従って、本発明の積層体は塑性加工性が良好で、耐衝撃性、耐食性に優れる、軽量な積層体と言うことができる。
本発明のマグネシウム−リチウム合金からなる金属層のマグネシウム−リチウム合金は、Liを6.5〜16質量%(さらに好ましくは13.0〜15.5質量%)、Alを0.3〜2.0質量%(さらに好ましくは0.6〜1.4質量%)を含んでいる。残部は主としてMgであるが、Mgを82〜93.2質量%(さらに86.4〜87.1質量%)を含むことが好ましい。このような組成とすることにより軽量、かつ耐食性を向上させることができる。Liが16質量%を超える場合は、得られる合金の耐食性、及び耐衝撃性が不十分となり、6.5質量%未満の場合、塑性加工性が不十分となる。また、Alを上記範囲で含有することにより、得られる合金の引張強度、硬度等の機械強度を向上させることができる。アルミニウムが2.0質量%を越える場合は、冷間加工性が低下し、0.3質量%未満の場合、機械強度が不十分となる。
本発明のマグネシウム−リチウム合金は、カルシウム(Ca)を0.10〜0.50質量%で含むことができる。一般に耐食性の向上に有利である。
本発明のマグネシウム−リチウム合金は、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、希土類元素(原子番号57〜71の元素)を、本発明の耐衝撃性、耐食性、塑性加工性の悪影響を与えない範囲で含んでいても良い。たとえば、Znを含むことにより冷間加工性が向上する場合があり、Mnを含むことにより更に耐食性が向上する場合があり、またSiを含むことにより合金溶湯の粘性が低下する傾向にある。さらに、Zrを含むことにより強度の向上が期待され、Tiを含むことにより高温での強度が向上する傾向にある。Yを含むことにより、高温での強度が上昇する。希土類元素は、冷間加工性が向上する。
これらの成分の含有量は、一般に1.00質量%以下である。
本発明のマグネシウム−リチウム合金は、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)を0.005質量%以下で含んでいることが好ましい。Fe、Cuを0.003質量%以下で、Niを0.001質量%以下で含んでいることがさらに好ましい。このように、Fe、Cu、Niの不純物を実質的に含まないようにすることにより、耐食性をさらに向上させることができる。
本発明のマグネシウム−リチウム合金の平均結晶粒径は5〜40μm、特に5〜20μmが好ましい。これにより、優れた耐食性が得られる。平均結晶粒径の測定は、合金断面組織を光学顕微鏡で観察することにより得られた観察像を用いて線分法により行われる。
本発明のマグネシウム−リチウム合金の製造は、たとえば、Mg、Li、Al等の成分を含む金属又は母合金を前記組成となるように配合した原料を用意し、次いで、原料を加熱溶解して原料溶融物を得、溶融物を鋳型に鋳込んで冷却固化することにより行うことができる。或いは、原料溶融物をストリップキャスティング法等の連続製造方法により冷却固化させることによっても得ることができる
本発明のマグネシウム−リチウム合金の金属層は、上記で得られた合金塊を、たとえば、冷間で圧延し、圧延加工した合金を焼きなましすることにより得られる。圧延加工は、一般に室温〜150℃で行われる。加工の圧下率は40%以上が好ましく、更に45%以上、特に90%以上が好ましい。焼きなましは一般には、170〜250℃で行われる。圧延加工の前に、合金塊を200〜300℃で1〜24時間熱処理することもできる。またこの熱処理された合金塊を加工の前に、さらに熱間圧延(一般に、200〜400℃)することもできる。
こうして得られる圧延材、即ち金属層の厚さは、0.1〜1.0mmの範囲にあることが好ましい。積層体としたときに、軽量化と耐衝撃性のバランスをとることができる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層は、プラスチック等の樹脂を含浸されたガラス繊維からなる層である。
上記樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル、又はフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂;ポリアリーレート(PAR)、ポリスルホン(PSO)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、又はポリフェニレンエーテル(PPE)(特にポリ−2,6ジメチルフェニレンエーテル)等の実質的に非晶質の熱可塑性材料;ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアミド−4,6、ポリケトンスルフィド、ポリエーテルケトン、特にポリエーテル−エーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、及びポリエーテルケトン−ケトン(PEKK)、又は液晶ポリマー(例えばビスフェノール、テレフタル酸、及びヒドロキシ安息香酸のモノマーから構成されるダルトコ社(Dartco)のXYDAR)等の、少なくとも130℃、特に170℃より高い温度、好ましくは270℃より高い温度の結晶融点Tmを有する半晶質又は準晶質熱可塑性合成材料を使用することができる。本発明では、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。これにより高強度、高弾性率化が可能となる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層に使用されるガラス繊維は、長繊維のものであり、一般にアルカリ含有率1%以下のホウケイ酸ガラスから作製されるEガラス[例、54.2SiO・14.6Al・7.6B・21.5CaO(wt%)]の繊維、又は高強度、高弾性率の無アルカリアルミのケイ酸塩ガラスであるSガラス[例、65SiO・25Al・10MgO(wt%)]の繊維が使用される。さらに、Sガラスを高強度、高弾性率化した、ボロン含有率の少ないS2−ガラスの繊維も開発されている。本発明では、高い強度が得られることからSガラス繊維、S2−ガラス繊維、特にS2−ガラス繊維の使用が好ましい。
長繊維ガラスは、たとえば、タンク窯で溶融したガラス融液を、ブッシングと呼ばれる無数の孔(ノズル)の開いた白金製の箔に流し込み、ノズルから繊維とし引き出すことにより製造される。ノズルから引き出された繊維は有機集束剤を付着させ数十〜数百本束ねてストランドとして巻き取られる。
ガラス繊維の直径は一般に5〜25μm、特に8〜12μmが好ましい。これにより高強度、高弾性率化が可能となる。また、面積あたりの質量は、50〜300g/m、特に100〜200g/mが好ましい。これにより高強度、高弾性率化が可能となる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層は、前述のようにプラスチック等の樹脂が含浸したガラス繊維からなる層であるが、ガラス繊維強化樹脂層に対して樹脂の含有量は、20〜40質量%、特に25〜30質量%が好ましく、一方、ガラス繊維強化樹脂層に対してガラス繊維の含有量は、60〜80質量%、特に70〜75質量%が好ましい。これにより高強度、高弾性率化が可能となる。
また、ガラス繊維強化樹脂層の厚さは0.05〜0.50mm、特に0.10〜0.20mmの範囲にあることが好ましい。軽量化と耐衝撃性のバランスをとることができる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層は、たとえば、一定方向に並べられたガラス繊維に樹脂を含浸することにより得ることができるが、樹脂がエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の場合は、含浸後、加熱硬化(たとえばエポキシ樹脂の場合の硬化温度は一般に80〜200℃)することにより得ることができる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層(プラスチック等の樹脂を含浸されたガラス繊維からなる層)に好適な材料として、たとえばFM(登録商標)94−S2ガラスUDテープ(FM94−S2 Glass UD Tape)[サイテック・エンジニアード・マテアリアルズインダストリー(Cytec Engineered Material‘s industry)社製]を挙げることができる。
本発明の積層体は、たとえば以下のように製造することができる。
可動の支持体上に、未硬化のガラス繊維強化樹脂層、Mg−Li合金の金属層のシート及び未硬化のガラス繊維強化樹脂層を積層する。そして、この3層積層体全体をフィルムで完全に包み、フィルムで包まれた内部を真空にすることにより、3層積層体を外部から加圧し、圧縮する。次いで、そのフィルムで包まれた3層積層体を可動の支持体と共に、オートクレーブに入れ、オートクレーブを閉じた後、オートクレーブ内を3〜10kg/cmの圧力及び100〜150℃の温度の条件にする。この条件で60〜180分間放置する。これにより3層が樹脂の硬化により接着一体化され、本発明の積層体を得ることができる。4層以上の積層体の作製も同様に行うことができる。
Mg−Li合金の金属層のシートは、上記積層を行う前に、金属シートの表面にプラズマ酸化処理(特にZr系プラズマ酸化処理)及び腐食を抑制するためにプライマーの塗布を行うことが好ましい。Zr系プラズマ酸化処理とは、Zr塩を含有した電解質を用いたプラズマ酸化処理を言う。
プライマーとしては、いわゆる防食プライマー又は接着プライマーが好ましい。
上記のようにして得られる3層積層体は、たとえば図1に示す概略斜視図で示された構造を有する。
ガラス繊維強化樹脂層11aの上にMg−Li合金の金属層12が設けられ、Mg−Li合金の金属層12上にガラス繊維強化樹脂層11b設けられ、接着一体化されている。ガラス繊維強化樹脂層11a及び11b中のガラス繊維13は、共に長手方向Aに配列している。一方のガラス繊維強化樹脂層のガラス繊維を、長手方向Aに対して直角に配列しても良い。
同様にして得られる本発明の好適態様の1例である11層積層体の概略斜視図を図2に示す。
ガラス繊維強化樹脂層21aの上にMg−Li合金の金属層22aが設けられ、その上にガラス繊維強化樹脂層21b設けられ、さらに、Mg−Li合金の金属層22b、ガラス繊維強化樹脂層21c、Mg−Li合金の金属層22c、ガラス繊維強化樹脂層21d、Mg−Li合金の金属層22d、ガラス繊維強化樹脂層21e、Mg−Li合金の金属層22e、ガラス繊維強化樹脂層21fが順に積層され、接着一体化されている。ガラス繊維強化樹脂層21a、21c、21d及び21f中のガラス繊維23は、共に長手方向Aに配列している。一方のガラス繊維強化樹脂層21b、及び21eのガラス繊維23は長手方向Aに対して直角に配列している。このように長手方向Aに対して直角に配列しているガラス繊維を有するガラス繊維強化樹脂層と、長手方向Aに配列しているガラス繊維を有するガラス繊維強化樹脂層とを組み合わせることにより、優れた耐衝撃性を得ることができる。
図2には、11層積層体を示したが、使用される用途に応じて(即ち、要求される性能に応じて)、適宜積層数を変更することができる。11層積層体は、ガラス繊維強化樹脂層と金属層との積層単位が5単位であるが、この積層単位が、2〜10単位、更に3〜8単位で設けられることが好ましい。これにより、航空業界において使用されるファイバーメタル(FML)により好適となる。なおその際、ガラス繊維強化樹脂層と金属層とが接するように設けられる。
本発明のガラス繊維強化樹脂層としてFM(登録商標)94−S2ガラスUDテープ(FM94−S2 Glass UD Tape)[サイテック・エンジニアード・マテアリアルズインダストリー(Cytec Engineered Material’s industry)社製]を用意した。このFM94−S2ガラスUDテープは、ガラスフィラメントはS2−ガラス(直径:9μm)であり、樹脂はエポキシ樹脂である。FM94−S2ガラスUDテープの硬化前の単位面積あたりの質量:256g/m、ガラスフィラメントの単位面積あたりの質量:187g/m、樹脂含有量:27質量%である。また、硬化後のFM94−S2ガラスUDテープ(ガラス繊維強化樹脂層)は、弾性率:約50GPa、引張強度:約1.7GPa、密度1.85g/cm、厚さ:0.125mmを有するものであった。
本発明の金属層として、下記の組成を有するMg−Li合金からなる厚さ0.6mmを有する金属シートを用意した。そして、金属シートの表面にZr系プラズマ酸化処理を施し、更に腐蝕を抑制するためにプライマー(商品名:BR(登録商標)6700−1[サイテック・エンジニアード・マテアリアルズインダストリー(Cytec Engineered Material’s industry)社製])を塗布、乾燥した(膜厚:5〜10μm)。
Figure 2013006293
単位:質量%
可動の支持体上に、未硬化のFM94−S2ガラスUDテープ及びMg−Li合金の金属シートを、それぞれ5層交互に積層し、最後に未硬化のFM94−S2ガラスUDテープを積層した。その際、第1、5、7及び11層目のFM94−S2ガラスUDテープのガラス繊維が長手方向Aを向き、第3及び9層目のFM94−S2ガラスUDテープのガラス繊維が長手方向Aと直角方向を向くように積層した(図2、表2参照)。
この11層積層体全体をフィルム(材料:ナイロン)で完全に包み、フィルムで包まれた内部を真空にすることにより11層積層体を圧縮した。次いで、そのフィルムで包まれた11層積層体を可動の支持体と共に、オートクレーブに入れ、オートクレーブを閉じた後、オートクレーブ内を6kg/cmの圧力及び125±5℃の温度の条件にし、この条件で90分間放置した。これにより11層が樹脂の硬化により接着一体化し、本発明の積層体(全層厚:3.75mm)を得た。
Figure 2013006293
実施例1で得られた積層体を用いて湾曲形状供試体を作製し、これに鳥を衝突させるCAE解析を実施し、上記積層体の厚さ、質量、変形量を求めると共に、上記積層体と同等の耐衝撃性を有するアルミニウム合金の厚さ、質量、変形量を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2013006293
: Al合金を100とした場合の相対値
以上の結果から、実施例の積層体を用いることにより、Al合金に比較して、36%程度の軽量化が可能であることが分かる。
11a、11b、21a、21b、21c、21d、21e、21f ガラス繊維強化樹脂層
12、22a、22b、22c、22d、22e Mg−Li合金の金属層
13、23 ガラス繊維

Claims (9)

  1. ガラス繊維強化樹脂層とマグネシウム−リチウム合金からなる金属層との積層単位を少なくとも1単位含み、且つ両側の最外層がガラス繊維強化樹脂層であることを特徴とする積層体。
  2. 当該積層体の質量に対して金属層の割合が50〜90質量%である請求項1に記載の積層体。
  3. マグネシウム−リチウム合金が、リチウムを6.5〜16質量%、アルミニウムを0.3〜2.0質量%を含んでいる請求項1又は2に記載の積層体。
  4. マグネシウム−リチウム合金が、鉄、銅、ニッケルを0.005質量%以下で含んでいる請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. ガラス繊維強化樹脂層と金属層との積層単位が、ガラス繊維強化樹脂層と金属層とが接するように、2〜10単位積層されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 金属層の厚さが、0.1〜1.0mmの範囲にある請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. ガラス繊維強化樹脂層の厚さが0.05〜0.20mmの範囲にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. ガラス繊維強化樹脂層の樹脂がエポキシ樹脂である請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 少なくとも1層のガラス繊維強化樹脂層が、ガラス繊維の配向方向が直角となるように積層されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
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