以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。本実施形態の遊技機1は前面枠2を備え、該前面枠2は本体枠(外枠)3にヒンジ4を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤10(図2参照)は前面枠2の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠2には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラスのような透明部材(ガラス板)を保持する透明部材保持枠5が取り付けられている。
また、透明部材保持枠5の上部には、内部にランプ等を内蔵した照明装置(ムービングライト)6や払出異常報知用のランプ(LED)7が設けられている。また、透明部材保持枠5の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ8や、内部にランプ等を内蔵し装飾等のための発光をする装飾装置9が設けられている。前面枠2の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿24、上皿24が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿25及び打球発射装置の操作部26等が設けられている。さらに、上皿24の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン27が設けられている。
この実施形態の遊技機にあっては、遊技者が上記操作部26を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿24から供給される遊技球を遊技領域に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン27を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿24上方の透明部材保持枠5の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン28、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン29等が設けられている。
図2は、遊技盤の一実施形態を示す正面図である。本実施形態の遊技盤10は、ガイドレール11で囲まれた略円形状の遊技領域12を前面に有しており、遊技領域12のほぼ中央には、図柄変動表示ゲームを実行する液晶表示装置21を備えたセンターケース20が配置されている。液晶表示装置21はセンターケース20にほぼ中央に設けられており、センターケース20は液晶表示装置21の周囲を囲う部分が遊技盤10の表面よりも前方へ突出するように形成されている。
また、センターケース20には、液晶表示装置21の上方に位置するようにターボエンジンを模した可動役物装置22が、またその右隣にはタコメータを模した装飾表示器23が設けられている。さらに、センターケース20の下部で液晶表示装置21の下方には内蔵ランプの点灯態様で光が回転するような表示が可能な第1回転表示器61が、またセンターケース20の左側部には同じく内蔵ランプの点灯態様で光が回転するような表示が可能な第2回転表示器62が配設されている。
液晶表示装置21は、ドットマトリックス型の液晶表示器等で構成されており、文字や数字、アルファベットなどの識別情報(図柄)やキャラクタを表示することができる。液晶表示装置21においては、識別情報として割り当てられた図柄を変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われ、停止した際にその停止図柄が所定の態様(例えば、「3,3」や「7,7」)になるといわゆる当たりの状態が発生するように構成されている。センターケース20の下方には、上記液晶表示装置21の変動開始条件を与える始動入賞口13が配置されている。また、この始動入賞口13の右方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に第2の始動入賞口を有する左右に開閉可能な普通変動入賞装置(普電1)14が配設されている。
また、第2変動入賞装置16の下方には、普図変動ゲームの開始条件を与える普図ゲート17が配設され、始動入賞口13の左方および右方には一般入賞口18がそれぞれ配置されている。さらに、遊技領域12の右端の第2変動入賞装置16と普図ゲート17との間にはLEDを内蔵したサイドランプ50が配設され、遊技領域12の外側、遊技盤10の右下隅には、特図1および特図2や普図の変動表示ゲーム等を一箇所で実行する一括表示装置30が設けられている。
さらに、始動入賞口13の下方には特図1変動表示器31や特図2変動表示器32における変動表示ゲームの結果に応じて(大当たりや小当たりの場合に)前後に開閉して遊技球を受け入れない状態(入賞不可能状態)と受け入れ易い状態(入賞可能状態)とに変換可能な第1変動入賞装置(第1大入賞口)15が配設されている。また、センターケース20の右方には、特図1変動表示器31や特図2変動表示器32における変動表示ゲームの結果に応じて(大当たりや小当たりの場合に)前後に開閉して遊技球を受け入れない状態(入賞不可能状態)と受け入れ易い状態(入賞可能状態)とに変換可能な第2変動入賞装置(第2大入賞口)16が配設されている。すなわち、第1変動入賞装置(第1大入賞口)15及び第2変動入賞装置(第2大入賞口)16が、特別遊技において遊技球の入賞が可能な入賞可能状態と不可能な入賞不可能状態とに変化可能な特別変動入賞装置をなす。
本実施形態の遊技機1では、図示しない発射装置から遊技領域12に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域12内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材(図示省略)によって転動方向を変えながら遊技領域12を流下し、始動入賞口13、普通変動入賞装置14、変動入賞装置(アタッカー)15,16、または一般入賞口18に入賞するか、遊技領域12の最下部に設けられたアウト口19へ流入し遊技領域12から遊技盤10の背部へ排出される。
始動入賞口13、普通変動入賞装置14、又は変動入賞装置15,16へ入賞した遊技球は、内部に設けられている検出センサ(スイッチ)によって検出される。これらのセンサによって検出された入賞球検出信号は、遊技制御装置100(図3参照)のRAM内の記憶領域に始動入賞記憶としてそれぞれ所定回数(例えば4回)を限度に記憶される。そして、この始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置30の始動入賞記憶数表示部に表示される。
また、遊技制御装置100は、始動入賞記憶に基づいて、一括表示装置30にて変動表示ゲームを行う。また、この変動表示ゲームと並行して、演出制御装置130が、遊技制御装置100からのコマンドに基づいて、液晶表示装置21において飾り変動表示ゲームを行う。なお、各変動表示ゲームの結果としての当たりまたは外れの判定は、各始動入賞口への遊技球の入賞が検出された際に抽出される乱数値に基づいて行われる。
一括表示装置30は、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1表示部(特図1表示器)31および第2表示部(特図2表示器)32と、各々上下2つのLEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の第3表示部(普図表示器33)と、特図1始動記憶数報知用の特図1記憶表示器(35A)、特図2始動記憶数報知用の特図2記憶表示器(35B)、普図始動記憶数報知用の普図記憶表示器(35C)とを備える(図3参照)。
上記表示部のうち第1表示部(特図1変動表示器)31は、変動表示ゲームの実行中すなわち液晶表示装置21において変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、例えばゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当たり」のときは「3」または「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
また、第2表示部(特図2変動表示器)32は、変動表示ゲームの実行中すなわち液晶表示装置21において変動表示を行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、例えばゲームの結果が「はずれ」のときは中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当たり」のときは「7」の数字を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。すなわち、第1表示部(特図1変動表示器)31、第2表示部(特図2変動表示器)32及び液晶表示装置21は、可変表示装置として、複数の図柄による変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム、飾り特図変動表示ゲーム)を表示する。一方、上下1組のランプからなる第3表示部(普図表示器)33は、変動中は上と下のランプを交互に点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、上のランプを消灯状態、下のランプを点灯状態にし、ゲームの結果が「当たり」のときは上のランプを点灯状態、下のランプを消灯状態にしてゲーム結果を表示する。
保留表示部35A(特図1記憶表示器)は、上下2組のランプで第1表示部(特図1変動表示器)31の変動開始条件となる始動入賞口13への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは1つランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは3つのランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプをすべて点灯状態にする。保留表示部35B(特図2記憶表示器)も同様であり、第2表示部(特図2変動表示器)32の変動開始条件となる普通変動入賞装置14の始動記憶数(=保留数)を、保留表示部35A(特図1記憶表示器)と同様にして表示する。
保留表示部35C(普図記憶表示器)は、上下1組のランプからなり、第3表示部(普図表示器)33の変動開始条件となる始動ゲート(17)の始動記憶数(=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは2つのランプを消灯状態にし、保留数が「1」のときは上のランプのみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときは2つのランプを点灯状態にし、保留数が「3」のときは上のランプを点滅、下のランプを点灯状態にし、保留数が「4」のときは2つのランプを点滅状態にする。
次に、上記のような構成を有する遊技盤10を備えた遊技機に設けられる制御システムについて、図3を用いて説明する。図3に示すように、この実施形態における遊技機の制御系は、一括表示装置30において行われる変動表示ゲームを統括的に制御する遊技制御手段としての遊技制御装置100と、遊技制御装置100からの演出制御指令に基づき液晶表示装置21における変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置130とを備えている。図示しないが、遊技制御装置100からの排出制御指令に基づいて球払出装置を制御して賞球等の払出を行う払出制御装置も設けられる。
遊技制御装置100は、CPU111やROM112、RAM113などを有する遊技用ワンチップマイコン110を備えるとともに、CPUの動作クロックを生成するクロック生成回路121、入出力インタフェース(入力I/F)122を備える。遊技用ワンチップマイコン110は、内部のCPU111が制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、各変動表示部で実行される変動表示ゲームの当たり判定用乱数や当たりの図柄を決定するための当たり図柄用乱数、変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数などの各種乱数値も生成している。
遊技用ワンチップマイコン110の内部のRAM113には、遊技領域の入賞口や入賞装置に設けられた検出スイッチのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU111の作業領域等を備えている。遊技用ワンチップマイコン110の内部のROM112には、遊技用の制御プログラムや制御データが格納されている他、上述の各種乱数値に対応して、各変動表示ゲームの当たり発生を判定するための当たり判定値(判定テーブルを含む)、当たりの図柄を決定するための当たり図柄判定値、変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。
また、入力インタフェース122には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口13内に設けられている入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ1)13a、普通変動入賞装置(普電1)14内に設けられている入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ2)14a、普図ゲート17内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図ゲートセンサ)17a、一般入賞口18内に設けられている入賞球検出スイッチ(一般入賞口センサ)18a、第1変動入賞装置(第1大入賞口)15内に設けられている入賞球検出スイッチ(第1大入賞口センサ)15a、第2変動入賞装置(第2大入賞口)16内に設けられている入賞球検出スイッチ(第2大入賞口センサ)16aなどが接続されている。そして、入出力インタフェース122は、これらのスイッチやセンサから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン110に対し供給する。
また、遊技用ワンチップマイコン110から出力される各種の制御信号や駆動信号は入出力インタフェース122から、図示しない出力ポート及びドライバを介して、一括表示装置30の各種表示器31〜33,35A〜35Cや普通変動入賞装置14の開閉ソレノイド(普電SOL)14b、第1変動入賞装置15の開閉ソレノイド(第1大入賞口SOL)15b、第2変動入賞装置16の開閉ソレノイド(第2大入賞口SOL)16b、遊技機外部の管理装置などへ情報を出力するための信号が外部情報端子70へ出力される。さらに、演出制御装置130に対して遊技用ワンチップマイコン110から出力される信号も出力インタフェース122を介して出力される。
演出制御装置130は、演算処理用CPU131、ROM132、RAM133等を備えるとともに、クロック生成回路134、入出力インタフェース(入出力I/F)135を備えている。この演出制御装置130は、入出力インタフェース135を介して遊技制御装置100から受信した各種信号や演出制御データ(各種コマンドなど)に基づいて遊技の演出のための制御を行う。具体的には、入出力インタフェース135を介して可動役物装置22の背部に設けられた音量変更スイッチ41(図7参照)、可動役物装置22内の可動部材(ニトロ)の位置を検出するニトロ位置検出センサ42、遊技機前面の前記演出ボタン27内のセンサ27a、選択ボタン(SELECTボタン)内のセンサ43からの信号が入力される。また、CPU131から出力される各種の制御信号が入出力インタフェース135を介して図示しない出力ポート及びドライバへ供給され、前面枠のスピーカ8、センターケース20に設けられているターボエンジンを模した可動役物装置22内の装飾ランプ・LED22aおよびモータ(仮称:ファン用モータ,ニトロ用モータ)22b,22c、タコメータを模した装飾表示器23内のモータ23a、可動役物装置22内のソレノイド22dが駆動される。
次に、遊技盤10の中央に設けられるセンターケース20と可動役物装置22の構造について説明する。図4には本実施形態の遊技機に設けられている遊技盤10の分解斜視図が示されている。図4に示すように、遊技盤10は中央に開口部10aが形成され、遊技盤10の前面側から同様な開口部21aを有するセンターケース20が接合される構成とされている。センターケース20は、上部に上方から開口部へ遊技球が流入するのを防止する庇状の鎧部材201が、また両側部には側方から開口部へ遊技球が流入するのを防止する側壁部材202が設けられている。さらに、センターケース20の下部には、遊技球が転動可能なステージ部203が設けられ、センターケース20の中央開口部に前記液晶表示装置21の表示画面が前方に臨むように配置される。遊技盤10の裏面側には、ターボエンジンを模した前記液晶表示装置21および前記可動役物装置22を保持する後方装置210が接合される構成とされている。
図5には、上記後方装置210の分解斜視図が示されている。図5に示すように、後方装置210は、中央に開口部211aが形成され、右上にタコメータを模した装飾表示器23が取り付けられた後方役物基板211と、中央に開口部211aが形成され、後方役物基板211の裏面に結合されて役物装置を遊技盤10に取り付けるための取付ベース部材212と、前面に液晶表示装置21を構成する液晶パネル21Aを保持し、背部から上部にかけてターボエンジンを模した前記可動役物装置22を搭載した役物本体部213と、該役物本体部を後方から覆うカバー部材214などから構成されている。
図6には上記役物本体部213を前面側から見た拡大斜視図が、また図7には役物本体部213を裏面側から見た拡大斜視図が示されている。図6に示すように、役物本体部213は、遊技盤10の開口部10aの周縁部に後方から接合される演出基板ユニット213Aと、該演出基板ユニット213Aの前面に装着された液晶表示装置21を構成する液晶パネル21Aとを備え、演出基板ユニット213Aの上部にターボエンジンを模した前記可動役物装置22が載置されている。また、図6および図7に示すように、演出基板ユニット213Aの裏面側には、前記可動役物装置22から引き出された配線がばらばらになって、可動役物装置22の円滑な回動を妨げないようにする配線処理部材213Bが設けられている。
さらに、演出基板ユニット213Aの裏面側には、図7に示すように、配線処理部材213Bに隣接して可動役物装置22の背部の駆動機構部を覆う第1駆動機構カバー部材213Cと第2駆動機構カバー部材213Dとが設けられている。また、第2駆動機構カバー部材213Dの近傍には可動役物装置22の可動部材(ニトロファンユニット)を回動させるためのモータ(ニトロ用モータ)22c(図3参照)が配設され、演出基板ユニット213Aの裏面側の右下隅には音量変更スイッチ41(図3参照)が設けられている。そして、ニトロ用モータ22cが駆動されると、図8に示すように、可動部材(ニトロファンユニット)221が前方へ移動しながら下方へ倒れるように変動され、最終的には図9に示すように、可動部材(ニトロファンユニット)221が液晶パネル21Aの前面ぎりぎりの位置まで移動されるようになる。
ここで、演出基板ユニット213Aに対する可動役物装置22の取付け構造と演出基板ユニット213Aの構成を、図10を用いて説明する。演出基板ユニット213Aは、図10に示すように、前面に液晶パネル収納部241を有するベース基板242と、液晶パネル収納部241に液晶パネル21Aが収納された状態でパネル前面を覆うパネルカバー部材243と、ベース基板242の上端に装着されて液晶パネル21Aの上端を固定する襟首部材244とを備える。可動役物装置22は、裏面側に可動部材(ニトロファンユニット)221の駆動機構を保持し、前面が上記演出基板ユニット213Aのベース基板242の裏面に接合された状態でベース基板242に固定される取付ベース部材222を備える。
つまり、本実施形態では、表示装置21と可動役物装置22とが、ベース基板242の前面と裏面にそれぞれ装着されることによって一体となるように構成されている。また、取付ベース部材222には、前記配線処理部材213Bが所定の間隔をおいて固定されている。取付ベース部材222と配線処理部材213Bとの間隔は、配線処理部材213Bの前面に前方へ突出するように形成された台座部213bにて確保されるように構成されている。
例えば、特開2001−25546号公報に開示されているような技術では、可動役物装置と表示装置とが別個の装置として構成されているため、可動役物装置の可動部材が表示装置の前方に移動した際に表示画面までの距離が一定になりにくいが、本実施形態では、上記のように可動役物装置22と表示装置21とが基板部材としてのベース基板242によって一体となるように構成されているので、可動部材221を表示画面ぎりぎりの位置まで正確に近づけて停止させることが出来るようになり、それによって、迫力のある演出を行うことが出来る。
図11には、演出基板ユニット213Aのより詳しい構成が示されている。演出基板ユニット213Aは、図11に示すように、液晶パネル収納部241を有するベース基板242の裏面側に、液晶パネルから発生するノイズを遮断するシールド機能を有する基板プレート245を介して、液晶表示装置21を制御する制御回路や液晶駆動回路を構成するICや抵抗、コンデンサなどの電子部品が実装された演出制御基板246が装着され、さらに演出制御基板246の裏面側を覆う演出基板覆い部材247が装着される構成となっている。このように基板部材としてのベース基板242の裏面側にシールド機能を有する基板プレート245を介して液晶表示装置21を制御する制御回路が搭載された演出制御基板246が接合されているため、演出制御装置を含めて表示装置と可動役物装置全体をコンパクトに構成することができ、遊技盤の裏面の空間を有効に利用できるとともに、液晶表示装置と演出制御基板との間にノイズを遮断可能なシールドが設けられているため、演出制御基板246上の回路が誤動作するのを防止することができる。
図12には、可動役物装置22の拡大斜視図が示されている。可動役物装置22は、図12に示すように、支持部材223上に可動部材(ニトロファンユニット)221が載置され、可動部材(ニトロファンユニット)221の前面に回転可能なファン部材224が設けられている。また、ファン部材224の後方、ユニット内部には、図12には示されていないが、ファン部材224を回転させるモータ(ファン用モータ)22bおよび同心円状に配置された複数の装飾ランプ・LED22a(図3参照)が設けられ、ファンの回転に合わせて装飾ランプ・LED22aが順次点灯されることで光が回転するような演出が可能になっている。
図13には、取付ベース部材222を取り外した状態の可動役物装置22の斜視図が示されている。このうち、(a)は可動部材(ニトロファンユニット)221が途中まで回動した状態、(b)は可動部材(ニトロファンユニット)221が最後まで回動した状態を示している。図13(b)に示されているように、可動部材(ニトロファンユニット)221は、外側に位置する逆L字状の第1アーム部材225Aと内側に位置する第2アーム部材225Bの先端に取り付けられ、2つのアームの協働で、円弧に沿った上下方向の比較的大きな回動(倒れ込み動作)と上下の小さな回動(首振り動作)が可能になっている。
また、第1アーム部材225Aは、モータ(ニトロ用モータ)22cによって回転されるカム226によって回動されるように構成されている。なお、特に限定されるものではないが、この実施形態では、第2アーム部材225Bの基端側の支持軸225bは第1アーム部材225Aの側壁に設けられているガイド孔225aに係合されており、支持軸225bがガイド孔225aに沿って後方から前方へ移動することによって可動部材(ニトロファンユニット)221が下方への首振り動作を行うようになっている。
図14には、可動役物装置22の分解斜視図が示されている。可動役物装置22は、図14に示すように、一対の垂直かつ平行な起立壁222a,222aを有し前記演出基板ユニット213Aのベース基板242(図10参照)の裏面に接合される取付ベース部材222と、前記起立壁222a,222a間に上方から挿入される可動部材(ニトロファンユニット)221と、該可動部材221の両側に配置される第1駆動機構カバー部材213Cおよび第2駆動機構カバー部材213Dと、第1アーム部材225Aを回動させるためのモータ(ニトロ用モータ)22cと、可動部材(ニトロファンユニット)221を支持する第1アーム部材225Aおよび第2アーム部材225Bと、第1アーム部材225Aと第2アーム部材225Bの動作を連携させる係合部材227と、可動部材221から引き出された配線を処理する前記配線処理部材213Bなどから構成されている。前記カム226は、モータ(ニトロ用モータ)22cによって回転されるカム軸226Aに装着され、該カム軸22Aの先端には、ニトロ位置検出センサ42によって可動部材(ニトロファンユニット)221の位置を検出するため外周の一部に切り欠きを形成した位置検出部材228が固着されている。
図15には、可動役物装置22の駆動機構部分の分解斜視図が示されている。カム226は、外周のほぼ半分に亘って形成された第1カム面226aと、該第1カム面226aの両側面の一部に形成された第2カム面226bとを有する。第2アーム部材225Bは、後端部に左右に突出するように形成された支持軸225bが設けられ、前端側は2股に分かれ先端に、可動部材(ニトロファンユニット)221の後端と当該第2アーム部材225Bとを結合する軸が挿通される軸穴225cが形成されている。
第1アーム部材225Aは、前方へ伸びる2本の平行な支持片251,251を備え、その先端に、可動部材(ニトロファンユニット)221の回転支軸が挿通される軸穴252が形成されている。また、支持片251の基部側に、第2アーム部材225Bの支持軸225bが挿通されるガイド孔225aが形成され、第1アーム部材225Aの垂直部の下端にはカム226の第1カム面226aに当接可能な当接バー253が設けられている。さらに、第1アーム部材225Aの垂直部の下端には斜め下方へ伸びる2本の平行な脚部254,254が設けられ、その先端に当該第2アーム部材225Bの回動中心となる支軸が挿通される軸穴部材225が横架するように形成されている。
係合部材227は、先端に上記第1アーム部材225Aの2本の支持片251,251を外側から挟むように接合する一対の羽交い絞め部271,271と、第1アーム部材225Aの垂直部との干渉(衝突)を回避するためのスリット272,272と、カム軸226Aとの干渉(衝突)を回避するための凹部273,273とを備え、下端には当該係合部材227の回転支軸が挿通される軸穴274,274が形成されている。また、係合部材227の上記スリット272と凹部273との間には、前記カム226の第2カム面226bに当接可能なカム接触部275がそれぞれ設けられている。
図16には可動役物装置22の駆動機構部分を組み立てた状態の斜視図が、また図17には駆動機構部分を組み立てた状態の側面図が示されている。駆動機構部分を組み立てた状態では、第1アーム部材225Aは、係合部材227に抱きかかえられるような姿勢で配設される。そして、カム226が第1アーム部材225Aの脚部254,254の内側に位置するように配設され、第1カム面226aに第1アーム部材225Aの当接バー253が当接される(図17参照)。これにより、カム226が回転して第1カム面226aに沿って当接バー253が移動することによって、第1アーム部材225A全体が先端の可動部材(ニトロファンユニット)221の重量で前方へ倒れたり、モータの力で後方へ向かって起立するように作用する。
また、第1アーム部材225Aに形成されたガイド孔225aに、第2アーム部材225Bの後端に設けられた支持軸225bが挿入され外側に突出した先端部が、係合部材227の上端の羽交い絞め部271,271のL字部分の内側に係合(接触)されている。そして、カム226の第2カム面226bには係合部材227のカム接触部275がそれぞれ当接可能に配設されており、カム226が回転して第2カム面226bによって係合部材227が後方へ回動されるのに伴って、羽交い絞め部271,271によって支持軸225bを介して第2アーム部材225Bが後方へ引っ張られて、可動部材(ニトロファンユニット)221を起こすように作用する。
さらに、第2アーム部材225Bの先端の軸穴225c(図15参照)に挿通され可動部材(ニトロファンユニット)221の後端と当該第2アーム部材225Bとを結合する軸229の周りに、可動部材(ニトロファンユニット)221を起立方向へ付勢する巻きバネ230が介挿されている。また、図17に示すように、第1アーム部材225Aの支持片251の先端には、先端に形成された軸穴252に挿通された結合軸232によって、可動部材(ニトロファンユニット)221の支持部材223が前端に固定される支持ブロック231が水平な軸の周りに回転自在に結合されている。可動部材(ニトロファンユニット)221の後部には、第2アーム部材225Bと結合する上記軸229を挿通するための軸穴が、第2係合部として形成されている。
なお、本実施形態では、第1アーム部材225Aと係合部材227を、第1カム面と第2カム面を有する1つのカム226で動作させるように構成したものを示したが、カム226を、第1カム面226aを有する第1カム部材と第2カム面226bを有する第2カム部材とに分割して構成してもよい。ただし、実施例のように、2つのカムを一体に構成することにより、部品点数を減らして役物駆動機構をコンパクトにできるとともに、組み立て工程を減らし組み付け位置調整が容易に行えるという利点がある。
次に、可動役物装置22の駆動機構の作用を、図18A〜図18Cを用いて説明する。このうち、図18Aは第1アーム部材225Aが後方へ起立した第1状態を、図18Bは第1アーム部材225Aが前方へ倒れ込む途中の第2状態を、また、図18Cは第1アーム部材225Aが前方へ最も倒れ込んだ第3状態を、それぞれ示す。図18Aの状態では、第1アーム部材225Aの下端の当接バー253が第1カム面226aに当接し、係合部材227のカム接触部275が第2カム面226bに当接した状態にある。このとき、可動部材(ニトロファンユニット)221が前へ倒れようとする力は、係合部材227の先端の羽交い絞め部271の背面が、第2アーム部材225Bの後端の支持軸225bの移動を阻止することで第2アーム部材225Bが可動部材(ニトロファンユニット)221を後方へ引っ張ることによって支えている。
この状態からカム226が反時計回りに回転されると、第2カム面226bが前方へ移動し、可動部材(ニトロファンユニット)221の重量でカム接触部275が追従することで係合部材227が前方(反時計回り)に回動する。また、これに伴って、第2アーム部材225Bの後端の支持軸225bがガイド孔225a内を前方へ移動し、第2アーム部材225Bが時計回りに回動しながら前方へ移動するとともに、可動部材(ニトロファンユニット)221が該可動部材に形成された第1係合部としての軸穴に挿通された結合軸232を中心にして反時計回りに回動し、図18Bのような状態となる。
図18Bの状態からカム226がさらに反時計回りに回転されると、第2カム面226bがカム接触部275から離れるとともに、第1アーム部材225Aの当接バー253が第1カム面226aに追従して移動することで、第1アーム部材225Aが前方(反時計回り)に回動する。また、これに伴って、係合部材227と第2アーム部材225Bが前方へ倒れ込むように回動し、可動部材(ニトロファンユニット)221が液晶パネル21Aの画面ぎりぎりまで近づき、図18Cのような状態となる。このように、可動部材(ニトロファンユニット)221が首振り(首下げ)動作と第1アームによる倒れ込み動作で2段階に移動することによって、前後方向へ大きなスペースを設けることなく液晶パネル21Aの画面ぎりぎりまで正確に可動部材(ニトロファンユニット)221を近づけることができる。
なお、可動部材(ニトロファンユニット)221の後方への移動は、上記と逆で、先ず第1カム面226aが当接バー253を後方へ押圧して第1アーム部材225Aを時計回り方向へ回動させて起立させ、その後、第2カム面226bが係合部材227のカム接触部275を後方へ押圧して係合部材227を時計回りに回動させることで、第2アーム部材225Bが可動部材(ニトロファンユニット)221を後方へ引っ張って引き起こすことによって図18Aの状態へ戻る。
例えば、特開2001−25546号公報に開示されているような技術では、可動役物装置の可動部材が1つのアーム部材の回動によって表示装置の前方に移動したり表示装置の上方に移動したりするため、可動部材とアーム部材が移動する広いスペースが必要となり、表示装置の表示画面からガラス板までの距離を大きくする必要があった。これに対し、本実施形態においては、第1アーム部材225Aが前記表示装置の背部に位置する軸穴部材255に挿通される第1支点としての回転軸を中心にして回動し、可動部材221が第2支点としての結合軸232を中心にして回動することで、可動部材221が表示装置21の上端を跨いで該表示装置の上方側から前面側まで移動するため、可動部材とアーム部材が移動するスペースを小さくしたり、スペースが同じであれば可動部材を大きくすることができるので、表示装置21の表示と可動部材221の移動との連動によってダイナミックな演出が可能となる。
また、本実施形態においては、役物駆動機構は、一端が前記可動部材221の第1係合部と係合し、他端が前記表示装置21の裏面に配置された第1の軸によって回動可能に軸支され、前記第1係合部と前記第1の軸との間にガイド孔225aが形成された第1アーム部材225Aと、一端が前記可動部材221の第2係合部と係合し、他端に前記ガイド孔225aに挿通される係合軸を有する第2アーム部材225Bと、一端が前記第1の軸によって回動可能に軸支され、他端が前記ガイド孔に挿通された前記係合軸と係合し前記ガイド孔内での前記係合軸の移動を規制可能な係合部材227とを備え、第1アーム部材225Aと第2アーム部材225Bと係合部材227との連動で、可動部材221が表示装置21の上端を跨いで該表示装置の上方側から前面側まで移動するため、可動部材とアーム部材が移動するスペースを小さくしたり、スペースが同じであれば可動部材を大きくすることができるので、表示装置21の表示と可動部材221の移動との連動によってダイナミックな演出が可能となる。
さらに、カム226に、第1カム部としての第1カム面226aと第2カム部としての第2カム面226bとを設け、1つの駆動源(ニトロ用モータ22c)と1つのカム226とで、第1アーム部材225Aと係合部材227をそれぞれ別個の回動範囲で回動させることができるので、役物駆動機構をコンパクトに構成することができるようになる。なお、係合部材227は、前記実施形態のように、第1アーム部材225Aの回動中心となる前記第1の軸と同一の軸の周りに回動する代わりに、前記表示装置21の裏面に配置された第2の軸(第1の軸の近傍が望ましい)の周りに回動するように構成してもよい。
次に、本実施形態の可動役物装置22における背部の配線処理の仕方について説明する。前述したように、可動役物装置22内にはカム226を回動させるモータ22cや可動部材(ニトロファンユニット)221の前端のファン224を回転させるモータ22bのほか、ファン224の後方に配置された装飾ランプ・LED22a(図3参照)等の電気部品が設けられているため、これらの電気部品に給電するための配線の数が多くなるとともに、可動部材(ニトロファンユニット)221が移動するため配線の長さに余裕を持たせておく必要がある。しかし、単に配線の長さを長くしたのでは、可動役物装置22の駆動機構の構成が複雑であるため、配線が駆動機構の部品に絡んでしまうおそれがある。そこで、本実施形態の可動役物装置22においては、その背部に配線が駆動機構に絡みつかないように処理する構造を設けている。以下、その構造について説明する。
図19には、可動役物装置22を後方から見た斜視図が示されている。この実施形態では、ピアノ線やステンレスワイヤのような弾性を有する金属ワイヤなどからなり一端が第1駆動機構カバー部材213Cの下部側面に止め具311によって固定された配線係止片312の先端に、係止部材313にて可動部材(ニトロファンユニット)221内のファン用モータ22b(図3参照)から引き出された配線束301がゆとりを持った状態で係止されている。係止部材313は、例えば塩化ビニールのような柔らかな合成樹脂等で形成され、配線の束の径よりも大きな径の挿通穴が設けられ、該挿通穴に配線束301が挿通されることにより、配線束301は宙吊りのような状態で係止される。なお、配線束301の下端側は、第1駆動機構カバー部材213Cの下部側面に設けたU字状のフック等に引っ掛けておくようにするとよい。
上記のような弾性金属ワイヤからなる配線係止片312の先端に配線束301を係止することによって、可動部材(ニトロファンユニット)221が前方へ移動したり後退したりして、配線が引っ張られたり弛んだりする際に、配線係止片312が配線束301と駆動機構を構成する部品との距離を保ちつつ変形して配線が駆動機構に絡むのを防止するとともに、配線係止片312が変形することで配線が強く折り曲げられて劣化するのを回避することができる。これにより、故障を起こしにくいとともに耐久性に優れた配線係止構造を実現することができる。
図20には、可動役物装置22の背部に設ける配線処理の他の実施例が示されている。この実施例の配線処理は、第1駆動機構カバー部材213Cの側面に、該第1駆動機構カバー部材213Cの後壁と同一平面をなすプレート部を有する配線処理部材320を設けて、可動部材(ニトロファンユニット)221内の装飾ランプ・LED22a(図3参照)から引き出された配線束303を、配線処理部材320の背部へ引き回すようにしたものである。
この実施例によれば、図20(a)のように、可動部材(ニトロファンユニット)221が起立している状態では、配線束303は横方向へ大きくたわむ一方、図20(c)のように、可動部材(ニトロファンユニット)221が前方に倒れ込んでいる状態では、配線束303はほぼまっすぐに伸びた状態となるが、可動部材221が前後に大きく移動しても、配線処理部材320があることによって配線束303は横方向へたわみ、配線束303が駆動機構の側方へ移動して駆動機構を構成する部品と絡むのを防止することができる。
また、この実施例では、可動部材221の位置を検出するため、可動役物装置の駆動機構の側部に設けられたニトロ位置検出センサ42から引き出された配線束302と、ファン用モータ22bから引き出された配線束301とを整然と処理するために、図21Aのように、第1駆動機構カバー部材213Cの下部側面に、コの字状のフック321を設けて、塩化ビニールのような合成樹脂で形成された帯状の結束部材322で配線束301と302を1つにまとめつつフック321に固定するとともに、フック321に対向するように配線処理部材320に一対の平行な規制片323を設け、この規制片323間に結束部材322を挿入することで配線がずれないように規制するようにしている。
さらに、まとめたい配線の本数が多い場合には、図21Bのように、ビニール製シートなどからなる配線カバー331で配線束301を包み、一端は粘着テープ332で固定するとともに、他端は結束部材322で結束するように構成してもよい。なお、結束部材322は帯状の部材の両端に互いに噛み合うことで係止可能な留め具を設けたものである。
上述したように、本実施形態では、可動役物装置22の可動部材221が表示装置21の前面側まで移動した状態になっても十分な長さの配線を備えているため、配線が可動部材の移動を妨げることがない。また、配線処理手段としての配線処理部材320を設けているため、可動部材221が表示装置21の上端近傍に戻る際にも配線が可動部材の移動を妨げないとともに、役物駆動機構と干渉せず作動不良や故障の原因となるのを回避することができる。
次に、図22を用いて、遊技領域12の右端の第2変動入賞装置16と普図ゲート17との間に設けられるサイドランプ50について説明する。図22のうち(a)はサイドランプ50全体の斜視図、(b)はサイドランプ50の正面図、(c)は(b)におけるA−A線に沿った断面図、(d)はサイドランプ50のレンズカバーを外した状態の斜視図、(e)はレンズカバーを外した状態を横から見た側面図である。本実施例のサイドランプ50は、図22(d)に示すように、後方からLEDが臨む開口部51aと遊技盤前面に接合される取付プレート部51bと表面に凹凸が形成された装飾部51cとを有するメッキ部材からなるベース部材51と、透明もしくは半透明な材料からなり上記装飾部51cを覆うレンズカバー52とからなる。
本実施形態の遊技機においては、図2に示すように、遊技領域12の右側の遊技球が流下する領域に上記サイドランプ50が配設されるため、サイドランプ50の上部には遊技球が頻繁に衝突することとなる。そこで、レンズカバー52の上面には、図22(a)のように、流下する遊技球の衝突する力を逃がすとともに遊技球を遊技領域の中央側へ誘導するように中央側へ向かって下り傾斜する球誘導面52aが形成されている。また、レンズカバー52の上面には、たわみ易くすることで遊技球の衝撃を和らげるため、切り込み部52bが形成されている。さらに、遊技球の衝撃を和らげるため、レンズカバー52の球誘導面52aの端部とベース部材51の取付プレート部51bの表面との間およびレンズカバー52の上壁とベース部材51の上壁との間に、隙間53が生じるように部品の寸法が決定されている。上記のような構造を有するサイドランプ50によれば、遊技領域12に配置されて遊技球が頻繁に衝突しても衝撃を吸収し耐久性を向上させることができるという利点がある。
次に、前記実施形態の可動役物装置を備えた遊技機において、演出制御装置130により可動役物装置22を用いた演出を行う際の演出制御の一例を、図23および図24を用いて説明する。なお、図23において、符号21は液晶表示装置の表示画面、符号224は可動役物装置22の前端のファン部材および内蔵ランプ、符号23はタコメータを模した装飾表示器23、符号61は第1回転表示器、符号62は第2回転表示器である。また、液晶表示装置の表示画面21の下部に表示されているメータの画像Mは、始動入賞口へ入賞しまだ変動表示ゲームが実行されていない始動記憶を、その数で表す始動記憶表示である。表示画面21内の縦方向下向きの矢印は、識別図柄が変動中であることを表している。
図23(a)は変動表示ゲームが開始された直後の画面を示しており、3個の識別図柄が変動中であり、演出は開始されていない。続いて、演出の第1段階として、図23(b)のように、第1回転表示器61の内蔵ランプが回転表示されるとともに、表示画面21の下部にも第1回転表示器61に連動して光が回転するような動画像が表示される。その後、図23(c)のように、第2回転表示器62の内蔵ランプの回転表示が開始されるとともに、表示画面21の左端にも第2回転表示器62に連動して光が回転するような動画像が表示される。また、第2回転表示器62は、表示画面21の前方へ移動するように構成されている。
さらに、演出が進行すると、図24(d)のように、可動役物装置22の前端のファン部材224および内蔵ランプが回転表示されるとともに、表示画面21の上部にもファン224の回転に連動して光が回転するような動画像が表示される。次に、図24(e)のように、タコメータを模した装飾表示器23の「針」が回動するような表示がなされるとともに、表示画面21上では装飾表示器23の方からビームが発射されるような表示が行われる。そして、演出の最終段階では、図24(f)のように、可動役物装置22の可動部材(ニトロファンユニット)221が表示画面21の前方に倒れ込むような回動動作が行われる。また、表示画面21上では、爆発が発生したような表示が行われる。また、最後に図25Aのように、可動部材(ニトロファンユニット)221が上方へ移動して、表示画面21上で識別図柄が大当たりの態様で停止して変動表示ゲームおよび演出が終了する。前記実施形態の可動役物装置22を用いた上記のような演出によれば、表示画面21の表示と可動役物装置22の動作とが一体となって変化するダイナミックな演出が可能であるとともに、可動役物装置22が大きく変動するため迫力のある演出が可能であり、遊技の興趣を大幅に高めることができるという効果が得られる。
図25Bには、前記実施形態の可動役物装置22の変形例を示す。この変形例は、可動部材(ニトロファンユニット)221の上面に、液晶表示パネルや有機ELパネルのような表示手段260を設けるようにしたものである。この変形例によれば、可動部材(ニトロファンユニット)221を前方へ倒した状態で上面の表示手段260によって停止識別図柄の1つを表示させることで、大当たり態様が発生したことを報知することができ、意外性の高い演出を行うことが可能となるという利点がある。
また、表示手段260として、LED(発光ダイオード)を平面的に並べたものや、識別図柄を印刷した特殊なフィルム(表示が浮き出して見えるや見る方向によって表示が変化するものなど)を貼っておくようにしてもよい。これにより、可動役物装置22のコストの上昇を抑えることができる。一方、表示手段260として液晶表示パネルを使用した場合には、複数種類の識別図柄の中からいずれかを停止識別図柄として表示させたり、大当たりのラウンド数あるいは特定遊技状態(確変状態)が発生しているか否かの表示等を行うように構成することも可能である。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、今回開示した実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。例えば、前記実施形態では、第2アーム部材225Bの後端に設けられ第1アーム部材225Aのガイド孔225aに挿通された支持軸225bの突出部に、係合部材227の上端の羽交い絞め部271の背面を単に接触させる構成としたが、係合部材227の上端に軸穴を形成して支持軸225bの突出部を回転自在に係合させるように構成してもよい。
次に、遊技制御装置100による遊技制御処理について説明する。この遊技制御処理は、遊技を統括的に制御するメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2mSecごと)に行われるタイマ割込処理とからなる。図26は、メイン処理を説明するためのフローチャートである。このメイン処理は、遊技制御装置100のCPU111が、起動直後に、ROM112に記憶されているメイン処理プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図26に示すように、メイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理として、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、停電復旧処理を行う(ステップS2)。次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、割込みタイマを起動する処理を行って、CTC(カウンタ・タイマ・サーキット)を起動する(ステップS3)。次に、割込みを禁止する処理を行い(ステップS4)、当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理を行う(ステップS5)。その後、割込みを許可する処理を行う(ステップS6)。
そして、RAM113の停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定を行う(ステップS7)。停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。ステップS7において、停電が発生していないと判定した場合は、ステップS4に移行し、ステップS4〜S7の処理を繰り返す。一方、ステップS7において、停電が発生したと判定した場合は、停電発生時の処理を行う(ステップS8)。停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
この停電発生時の処理では、まず、割込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM113の電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM113へのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM113に記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
図27は、タイマ割込処理を説明するためのフローチャートである。このタイマ割込処理は、メイン処理のステップS6において割込み許可がなされたときに実行される。図27に示すように、ステップS11では、タイマ割込要求が発生したとき(割込許可がなされたとき)に、レジスタに格納されているデータをRAM113に待避する。ステップS12では、各種センサからの検出信号を入力する。なお、各種センサとは、始動入賞口13内に設けられている入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ1)13a、普通変動入賞装置(普電1)14内に設けられている入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ2)14a、普図ゲート17内に設けられている入賞球検出スイッチ(普図ゲートセンサ)17a、一般入賞口18内に設けられている入賞球検出スイッチ(一般入賞口センサ)18a、第1変動入賞装置(第1大入賞口)15内に設けられている入賞球検出スイッチ(第1大入賞口センサ)15a、第2変動入賞装置(第2大入賞口)16内に設けられている入賞球検出スイッチ(第2大入賞口センサ)16aなどである。また、各種処理でセットされた出力データをソレノイド(第1大入賞口SOL15b、第2大入賞口SOL16b、普電SOL14b)や特図1表示器31、特図2表示器32、普図表示器33等に出力する。
ステップS13では、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置130等に出力する(コマンド送信処理)。ステップS14では、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、普図当たり判定用乱数を更新する(乱数更新処理1)。ステップS15では、乱数の時間的な規則性を崩すために乱数の初期値を更新する(初期値乱数更新処理)。
ステップS16では、特図変動表示ゲームに関連した飾り特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数、変動パターン決定用テーブルを設定するためテーブル判定用乱数を更新する(乱数更新処理2)。ステップS17では、入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ1)13a、入賞球検出スイッチ(特図始動口センサ2)14a、入賞球検出スイッチ(普図ゲートセンサ)17a、入賞球検出スイッチ(一般入賞口センサ)18a、入賞球検出スイッチ(第1大入賞口センサ)15a、入賞球検出スイッチ(第2大入賞口センサ)16a等から検出信号の入力があるか否かを監視する(入賞口SW監視処理)。ステップS18では、各入賞口に対応して設けられたセンサ、球切れセンサ、払出球検出センサ、オーバーフローセンサ、枠開放検出センサ(何れも図示略)等からの検出信号に基づいて、異常状態が発生していないかを監視する(エラー監視処理)。
ステップS19では、特図変動表示ゲームに関する処理を行う(特図ゲーム処理)。この特図ゲーム処理についての詳細は後述する。ステップS20では、普図変動表示ゲームに関する処理を行う(普図ゲーム処理)。この普図ゲーム処理において普図当たり抽選が実行される。ステップS13において演出制御装置130等に送信される演出制御コマンドは、主としてステップS19の特図ゲーム処理又はステップS20の普図ゲーム処理により生成される。ステップS21では、遊技に関する各種情報を表示する表示器(セグメントLED、保留表示部35A(特図1記憶表示器)、保留表示部35B(特図2記憶表示器)、保留表示部35C(普図記憶表示器)など)の表示に関する処理を行う(セグメントLED編集処理)。
ステップS22では、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う(外部情報編集処理)。ステップS23では、タイマ割込処理が終了したことを宣言する処理を行う。ステップS24では、ステップS11でRAM113に待避しておいたレジスタのデータを復帰する処理を行う。ステップS25では、タイマ割込処理が完了し、割込要求を受け付け可能な状態となったことを設定する処理を行う。
図28は、特図ゲーム処理(図27のステップS19)の一例について示すフローチャートである。図28のステップS101では、図27のステップS17(入賞口SW監視処理)における監視結果(検出信号の有無)に基づいて、始動入賞口13への入賞(特図1始動入賞)があるか否かを判定する。そして、始動入賞口13への入賞があると判定した場合はステップS102に移行し、始動入賞口13への入賞がないと判定した場合はステップS107に移行する。ステップS102では、現在の特図1始動記憶数(保留数)を取得する。ステップS103では、特図1始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図1始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図1始動記憶の上限数を超えている場合(保留4)はステップS107に移行し、特図1始動記憶数が4以上でない(保留0〜3)と判定した場合はステップS104に移行する。ステップS104では、特図1始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS105では、更新した特図1始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図1始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS106では、更新された保留数を示す保留数コマンドなどを、特図1始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図27のステップS13で演出制御装置130に送信される。演出制御装置130では、この演出制御コマンドに基づき飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS107では、図27のステップS17における監視結果に基づいて、普通変動入賞装置14への入賞(特図2始動入賞)があるか否かを判定する。そして、普通変動入賞装置14への入賞があると判定した場合はステップS108に移行し、普通変動入賞装置14への入賞がないと判定した場合はステップS113に移行する。ステップS108では、現在の特図2始動記憶数を取得する。ステップS109では、特図2始動記憶数が4以上であるか否かを判定する。そして、特図2始動記憶数が4以上であると判定した場合、すなわち、特図2始動記憶の上限数を超えている場合はステップS113に移行し、特図2始動記憶数が4以上でないと判定した場合はステップS110に移行する。ステップS110では、特図2始動記憶数を1加算して更新する。
ステップS111では、更新した特図2始動記憶に対応する各種乱数を抽出し、記憶する。ここで、特図2始動記憶に対応する各種乱数とは、特図当たり判定用乱数、図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数などである。ステップS112では、更新された保留数を示す保留数コマンドなどを、特図2始動記憶に係る演出制御コマンドとして設定する。この演出制御コマンドは、図27のステップS13で演出制御装置130に送信される。演出制御装置130では、この演出制御コマンドに基づき飾り特図始動記憶表示を行う処理などを行う。
ステップS113では、特図ゲーム処理番号を取得する。ステップS114では、ステップS113で取得した特図ゲーム処理番号に基づき特図ゲーム分岐処理を行う。この特図ゲーム分岐処理の詳細については後述する。ステップS115では、後述する特図タイマの更新等を行うための特図変動制御処理を実行する。そして、特図ゲーム処理を終了する。
以上のことから、遊技制御装置100が、遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置14)に遊技球が入賞したことを検出する検出手段をなす。また、遊技制御装置100が、検出手段(遊技制御装置100)による遊技球の検出に基づき、抽選手段(遊技制御装置100)による抽選を行う権利を、所定数を上限に始動記憶として記憶する始動記憶手段をなす。また、演出制御装置130が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなす。
図29は、特図ゲーム分岐処理(図28のステップS114)の一例を示すフローチャートである。この特図ゲーム分岐処理は、始動記憶(始動権利)に基づく特図変動表示ゲームの実行を制御するための処理であり、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの両方に共通の処理である。
ステップS121では、特図ゲーム処理番号が“0”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“0”であると判定した場合はステップS122に移行し、特図ゲーム処理番号が“0”でないと判定した場合はステップS123に移行する。ステップS122では、特図当たり抽選などを行うための特図普段処理を実行する。遊技機1では、特図2始動権利に基づく変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が特図1始動権利に基づく変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に優先して実行されるようになっている。すなわち、特図普段処理では、まず特図2始動記憶があるか否かを判定し、特図2始動記憶があると判定した場合に、この特図2始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図2当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“1”に変更して、元の処理(図28のステップS115)に復帰する。また、特図2始動記憶がない場合は特図1始動記憶があるか否かを判定し、特図1始動記憶があると判定した場合に、この特図1始動記憶に係る特図当たり判定用乱数により特図1当たり抽選を行う。そして、特図ゲーム処理番号を“2”に変更して、元の処理に復帰する。なお、特図1始動記憶又は特図2始動記憶がない場合は、演出制御装置130に液晶表示装置21における客待ちデモ画像の表示制御を指示する客待ちデモコマンドを設定して、特図ゲーム処理番号は“0”のまま元の処理に復帰する。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行されることはなく、特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームに優先して実行されるようになっている。つまり、特図1始動記憶と特図2始動記憶の両方がある場合に、特図変動表示ゲームの実行が可能になると、特図2変動表示ゲームが実行されるようになっている。
ステップS123では、特図ゲーム処理番号が“1”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“1”であると判定した場合はステップS124に移行し、特図ゲーム処理番号が“1”でないと判定した場合はステップS125に移行する。ステップS124では、特図2変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図2変動開始処理を実行する。
この特図2変動開始処理では、例えば、図28のステップS111で記憶した特図当たり判定用乱数の判定結果(特図2当たり抽選の結果)が大当たりの場合に、図28のステップS111で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図28のステップS111で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
また、図28のステップS111で記憶した特図当たり判定用乱数の判定結果が大当たりでなかった場合には、小当たりであるか否かを判定(小当たり値と一致するかを判定)し、小当たりの場合(一致する場合)には、小当たりの場合の変動パターンを設定する。なお、始動入賞時に特図当たり判定用乱数とは別に小当たり判定用乱数を取得し、この小当たり判定用乱数により小当たりであるか否かを判定するようにしても良い。
大当たり図柄や変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS125では、特図ゲーム処理番号が“2”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“2”であると判定した場合はステップS126に移行し、特図ゲーム処理番号が“2”でないと判定した場合はステップS127に移行する。ステップS126では、特図1変動表示ゲームに係る情報を設定するための特図1変動開始処理を実行する。この特図1変動開始処理では、例えば、特図1当たり抽選の結果が大当たりの場合に、図28のステップS105で記憶した図柄決定用乱数に基づいて大当たり図柄(大当たり種類)を判定する。また、予め設定された変動パターン決定用テーブルを参照し、図28のステップS105で記憶した変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターン(変動時間)を決定する。
また、図28のステップS111で記憶した特図当たり判定用乱数の判定結果が大当たりでなかった場合には、小当たりであるか否かを判定(小当たり値と一致するかを判定)し、小当たりの場合(一致する場合)には小当たりの場合の変動パターンを設定する。なお、始動入賞時に特図当たり判定用乱数とは別に小当たり判定用乱数を取得し、この小当たり判定用乱数により小当たりであるか否かを判定するようにしても良い。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで小当たりの確率が異なるようにしても良い。
大当たり図柄や変動パターンを判定した後、当該始動記憶に係る変動時間を特図タイマにセットし、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(変動開始コマンド、変動パターンコマンド、保留数コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“3”に変更して、元の処理に復帰する。
ステップS127では、特図ゲーム処理番号が“3”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“3”であると判定した場合はステップS128に移行し、特図ゲーム処理番号が“3”でないと判定した場合はステップS129に移行する。ステップS128では、特図変動表示ゲームの変動時間を監視するための特図変動中処理を実行する。特図タイマ(変動時間)が0になると、特図変動表示ゲームの結果を停止表示させる時間(停止図柄表示時間)を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“4”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(変動時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“3”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS129では、特図ゲーム処理番号が“4”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“4”であると判定した場合はステップS130に移行し、特図ゲーム処理番号が“4”でないと判定した場合はステップS131に移行する。ステップS130では、図柄停止後の変動表示ゲームの制御などを行う特図表示中処理を実行する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になると、特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであるかを判定する。特図当たり抽選結果が大当たり又は小当たりであると判定した場合には、大当たり又は小当たりが開始されることを演出で報知する時間(大当たり/小当たり開始時間)を特図タイマにセットし、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(大当たり/小当たり開始コマンド)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“5”に変更して、元の処理に復帰する。一方、特図当たり抽選結果がハズレであると判定した場合には、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(停止図柄表示時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“4”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS131では、特図ゲーム処理番号が“5”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“5”であると判定した場合はステップS132に移行し、特図ゲーム処理番号が“5”でないと判定した場合はステップS133に移行する。ステップS132では、大当たり又は小当たり発生時の初期化などを行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になると、大当たり又は小当たりの種類に応じて規定ラウンド数(例えば、16R、15R又は2R)をセットする。また、第2変動入賞装置16を入賞可能状態としてから入賞不可能状態とするまでの時間(連続して入賞可能状態とする時間)である開放時間(例えば、20秒又は1秒)を開放時間タイマにセットする。さらに、一のラウンドにおいて入賞可能状態とすることが可能な最大時間である開放可能時間(例えば、20秒、1秒、2秒又は3秒)を特図タイマにセットする。また、ラウンド数及び大入賞口の入賞カウンタを初期化し、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して、元の処理に復帰する。特図タイマ(大当たり/小当たり開始時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“5”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS133では、特図ゲーム処理番号が“6”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“6”であると判定した場合はステップS134に移行し、特図ゲーム処理番号が“6”でないと判定した場合はステップS135に移行する。ステップS134では、第1変動入賞装置(第1大入賞口)15又は第2変動入賞装置(第2大入賞口)16を開放するための大入賞口開放中処理を実行する。大入賞口の入賞カウンタが9以上となるか、特図タイマ(開放可能時間)が0になると、大入賞口閉鎖時間を特図タイマにセットする。そして、特図ゲーム処理番号を“7”に変更して、元の処理に復帰する。大入賞口の入賞カウンタが9以上又は特図タイマ(開放可能時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“6”としたまま元の処理に復帰する。なお、特図タイマ(開放可能時間)が0となる前に開放時間タイマが0になった場合は、大入賞口閉鎖時間を閉鎖タイマにセットし、当該閉鎖タイマが0になった場合に再度開放時間タイマに開放時間をセットする。すなわち、一のラウンドにおいて大入賞口(本実施形態では第2変動入賞装置16)の開閉が複数回行われることとなる。このとき特図ゲーム処理番号は“6”のままとされる。
ステップS135では、特図ゲーム処理番号が“7”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“7”であると判定した場合はステップS136に移行し、特図ゲーム処理番号が“7”でないと判定した場合はステップS137に移行する。ステップS136では、ラウンドの終了により第1変動入賞装置(第1大入賞口)15又は第2変動入賞装置(第2大入賞口)16を閉鎖した後に、第1変動入賞装置(第1大入賞口)15又は第2変動入賞装置(第2大入賞口)16内に残存するすべての遊技球を流下させるために一定時間待機する大入賞口残存球処理を実行する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になると、ラウンド数が規定ラウンド数に達しているか判定する。規定ラウンド数に達している場合は、大当たり又は小当たりが終了したことを演出で報知する時間(大当たり終了時間)を特図タイマにセットするとともに、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(大当たり終了コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“8”に変更して元の処理に復帰する。一方、規定ラウンド数に達していない場合は、第2変動入賞装置16を入賞可能状態としてから入賞不可能状態とするまでの時間である開放時間(例えば、20秒又は1秒)を開放時間タイマにセットする。さらに、一のラウンドにおいて入賞可能状態とすることが可能な最大時間である開放可能時間(例えば、20秒、1秒、2秒又は3秒)を特図タイマにセットする。そして、ラウンド数を1加算して更新するとともに、大入賞口の入賞カウンタを0に初期化し、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(ラウンド開始コマンドなど)を設定した後、特図ゲーム処理番号を“6”に変更して元の処理に復帰する。特図タイマ(大入賞口閉鎖時間)が0になるまでは、特図ゲーム処理番号を“7”としたまま元の処理に復帰する。
ステップS137では、特図ゲーム処理番号が“8”であるか否かを判定する。そして、特図ゲーム処理番号が“8”であると判定した場合はステップS138に移行し、特図ゲーム処理番号が“8”でないと判定した場合はそのまま元の処理に復帰する。ステップS138では、大当たり又は小当たり終了後の確率状態などを大当たり又は小当たりの種類に応じて変更するための大当たり終了処理を実行する。特図タイマ(大当たり終了時間)が0になると、大当たり抽選結果又は小当たり抽選結果に応じて確率状態を設定するとともに、次の特図変動表示ゲーム以降で参照する変動パターン決定用テーブルを設定する処理を行い、演出制御装置130に送信する演出制御コマンド(確率状態コマンド、移行先モードコマンドなど)を設定する。そして、特図ゲーム処理番号を“0”に変更して、元の処理に復帰する。特図ゲーム分岐処理は、以上のようにして実行される。
上述したように、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理(図27のステップS19)において、始動入賞に基づいて変動表示ゲームの特図当たり判定用乱数を抽出し、始動記憶に対応付けて記憶する。また、特図当たり判定用乱数値とROM112に記憶されている大当たり判定値又は小当たり判定値を比較し、大当たり又は小当たりの当否を判定する(特図当たり抽選)。そして、特図始動記憶に係る始動権利に基づいて、特図1表示器31又は特図2表示器32において特図変動表示ゲームを実行する。特図当たり抽選結果が大当たりの場合は、特図1表示器31又は特図2表示器32に特別結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。特図当たり抽選結果が小当たりの場合は、特図1表示器31又は特図2表示器32に小当たり結果態様を表示させるとともに特別遊技状態を発生させる。一方、特図変動表示ゲームの結果がハズレの場合は、特図1表示器31又は特図2表示器32にハズレの結果態様を表示させる。
特別遊技状態では、例えば、第1大入賞口SOL15bにより第1変動入賞装置15を開放させて遊技球の流入を可能とする。または、第2大入賞口SOL16bにより第2変動入賞装置16を開放させて遊技球の流入を可能とする。そして、第1変動入賞装置15又は第2変動入賞装置16に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、第1変動入賞装置15又は第2変動入賞装置16の開放時間が開放可能時間(例えば、20秒、1秒、2秒又は3秒)に達するかのいずれかの条件が達成されるまでを1ラウンド(ラウンド遊技)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、16R、15Rまたは2R)継続する制御を行う(サイクル遊技)。なお、特別遊技状態において、第1変動入賞装置15又は第2変動入賞装置16のうち何れを開放状態とするかは、例えば、特図変動表示ゲームの結果態様(当選した大当たりの種類)に基づいて決定される。
また、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理(図27のステップS20)において、普図ゲート17を遊技球が通過することに基づいて普図当たり判定用乱数を抽出し、この普図当たり判定用乱数値とROM112に記憶されている普図当たり判定値を比較し、普図当たりの当否を判定する(普図当たり抽選)。そして、普図始動記憶に係る始動権利に基づいて、普図表示器33において普図変動表示ゲームを実行する。普図当たり抽選結果が当たりの場合は、普図表示器33に特別の結果態様を表示させるとともに、普電SOL14bにより可動部材14c,14c(普通電動役物)を所定時間開放し、普通変動入賞装置14への遊技球の流入を可能とする。一方、普図当たり抽選結果がハズレの場合は、普図表示器33にハズレの結果態様を表示させる。
上述した特図ゲーム処理及び普図ゲーム処理では、特図変動表示ゲーム又は普図変動表示ゲームに応じて演出装置(例えば、液晶表示装置21等)を制御するための演出制御コマンドが生成され、演出制御装置130に出力される。演出制御装置130は、遊技制御装置100からの演出制御コマンドに基づいて、例えば、液晶表示装置21で特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームを表示させたり、始動記憶数に対応する飾り特図始動記憶を表示させたりする処理を行う。また、スピーカ8からの音の出力、装飾ランプ・LED22aの発光を制御する処理、可動役物装置22に設けられたファン用モータ22b、ニトロ用モータ22c、タコメータ用モータ23a、可動役物SOL22dを制御する処理等を行う。さらに、演出制御装置130は、確率状態コマンドや移行先モードコマンドに基づいて、現在の確率状態(当選確率の状態)を明確に又は不明瞭に報知するステージ・モード演出を制御する。
以上のことから、遊技制御装置100が、遊技球が流下する遊技領域12に設けられた始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置14)に遊技球が入賞したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなす。また、検出手段(遊技制御装置100)により遊技球の入賞を検出したことを条件に、当たりであるか否かの抽選を実行する抽選手段をなすとも言える。また、始動入賞により発生する始動権利に基づいて、条件装置の作動を伴う大当たり又は条件装置の作動を伴わない小当たりに当選したか否かを判定する抽選手段をなすとも言える。
また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)による抽選結果に基づいて可変表示装置に図柄を変動表示させた後に停止表示させる変動表示遊技(特図変動表示ゲーム)を制御する変動表示遊技実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、抽選結果に対応する変動表示ゲームを実行させるための変動パターン(変動時間)を設定する変動パターン設定手段をなす。また、遊技制御装置100、演出制御装置130、液晶表示装置21等が、設定された変動パターンに従って特図変動表示ゲームを実行する変動表示手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶に係る変動パターンによる特図変動表示ゲームの実行を順次指示する変動表示指示手段をなす。ここで、始動記憶に係る変動パターンとは、始動記憶に対応付けて記憶されている変動パターン決定用乱数に基づいて決定された変動パターンのことである。
また、遊技制御装置100が、図柄制御手段(遊技制御装置100)による図柄変動過程(特図変動表示ゲーム)の制御の終了から所定期間経過した後に、図柄制御手段による図柄の変動表示を待機する待機状態を設定(客待ちデモコマンドの設定)する待機状態設定手段をなす。また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が当たりである場合に、図柄制御手段(遊技制御装置100)により図柄を変動表示させた後に予め定められた当たり図柄を停止表示させ、遊技領域12に設けられた特別電動役物(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)を遊技球の入賞が容易な状態とする特別遊技を実行する特別遊技実行手段をなす。また、抽選結果が大当たり又は小当たりとなる場合に、第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16を所定の態様で開放することにより遊技者に利益(賞球など)を付与する利益付与手段をなすとも言える。また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が当たりである場合に、ラウンド遊技の実行回数を予め定められた複数通りの実行回数のうちから(図柄決定用乱数に基づき)選択するラウンド遊技実行回数選択手段をなす。また、遊技制御装置100が、特別結果の種類に基づき特別変動入賞装置の動作態様を設定する動作態様設定手段(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)をなす。
図30は、遊技機1の稼働状態を説明するための状態遷移図である。図30において、客待ち状態(待機状態)ST1は、特図変動表示ゲームが実行されず所定時間放置されている状態であり、始動入賞に基づいて始動権利が発生するのを待機している状態である。このとき、液晶表示装置21には客待ちデモ画像が表示される。この客待ち状態ST1において、始動入賞口13や普通変動入賞装置14に遊技球が入賞して始動権利が発生すると、変動状態ST2に移行する。
変動状態ST2は、特図変動表示ゲームを実行している状態である。変動状態ST2において特図当たり抽選に当選すると、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出され、大当たり状態ST3に移行する。変動状態ST2において特図当たり抽選に外れると、特図変動表示ゲームでハズレに対応する結果態様が導出される。その後、特図始動記憶があれば(特図1始動記憶1〜4又は特図2始動記憶1〜4)、次回の特図変動表示ゲームが開始される。一方、特図始動記憶がなければ(特図1始動記憶、特図2始動記憶ともに0)、所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
大当たり状態ST3は、第1変動入賞装置15又は第2変動入賞装置16が所定回数(所定ラウンド数)だけ開放され、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態が発生している状態である。大当たり状態ST3が終了したときに、特図始動記憶があれば次回の特図変動表示ゲームが開始され、特図始動記憶がなければ所定時間の経過とともに客待ち状態ST1に移行する。
図31は遊技機1における条件装置の作動を伴う大当たり種類について示す説明図であり、図32は大当たり当選時の内訳について示す説明図である。ここで、条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当たりが発生(大当たり図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当たり状態が発生して特別電動役物としての第1変動入賞装置15又は第2変動入賞装置16を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当たり抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図31において、2R通常当たりとは、特別遊技状態において第2変動入賞装置16が、1秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを2ラウンド行い(第2動作態様)、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が相対的に低い第1当選確率(例えば、1/316)に設定される大当たりである。2R確変当たりとは、特別遊技状態において第2変動入賞装置16が、1秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを2ラウンド行い(第2動作態様)、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が第1当選確率より高い第2当選確率(例えば、第1当選確率の約10倍)に設定される大当たりである。
15R通常当たりとは、特別遊技状態において第1変動入賞装置15が、20秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを15ラウンド行い(第3動作態様)、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。15R確変当たりとは、特別遊技状態において第1変動入賞装置15が、20秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを15ラウンド行い(第3動作態様)、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。
16R通常当たりとは、特別遊技状態において第2変動入賞装置16が、1秒開放、2秒開放、3秒開放(開放可能時間)の何れか又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを16ラウンド行い(第1動作態様)、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が第1当選確率に設定される大当たりである。16R確変当たりとは、特別遊技状態において第2変動入賞装置16、1秒開放、2秒開放、3秒開放(開放可能時間)の何れか又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを16ラウンド行い、特別遊技状態の終了後の大当たり確率が第2当選確率に設定される大当たりである。
ここで、16R通常当たりと16R確変当たりにはそれぞれ開放可能時間が異なる三種類の当たりが含まれている。これらの当たりは、開放時間は何れも1秒であるが、開放可能時間が1秒、2秒、3秒となっている。すなわち、各ラウンドにおいて、9個の入賞が達成されない場合には、開放可能時間が1秒である場合は1回開放され、開放可能時間が2秒である場合は2回開放され、開放可能時間が3秒である場合は3回開放されることとなる。つまり、開放時間が所定の第1開放時間であり開放可能時間が異なっている。よって、開放可能時間が1秒である場合は最大で16回開放され、開放可能時間が2秒である場合は最大で32回開放され、開放可能時間が3秒である場合は最大で48回開放されることとなる。以下の説明では、開放可能時間が1秒である16R通常当たりと16R確変当たりを16R(16回)当たりとし、開放可能時間が2秒である16R通常当たりと16R確変当たりを16R(32回)当たりとし、開放可能時間が3秒である16R通常当たりと16R確変当たりを16R(48回)当たりとする。
また、電サポ(電サポ状態)とは、特図変動表示ゲームが所定回数消化されるまで、普図変動表示ゲームにおける普図当たりの当選確率を高くするとともに、普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮することにより、普通電動役物としての可動部材14c,14cの開閉動作を頻発させて普通変動入賞装置14に遊技球が入賞しやすくした電動役物サポート状態であり、時短とも呼ばれる。
ここで、大当たり終了後、特図変動表示ゲームが100回消化されるまで継続される電サポを電サポ1、次回大当たりまで継続される電サポを電サポ2と区別して表すこととする。したがって、例えばNO.2の2R通常当たり後の遊技状態は通常状態(電サポ1)と表され、NO.7の2R確変当たり後の遊技状態は確変状態(電サポ2)と表される。
遊技機1では、電サポなしの状態(例えば、通常状態)における普図変動表示ゲームの変動表示時間は比較的長時間(例えば、30秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの普通変動入賞装置14の開放時間は短時間(例えば、0.3秒)に設定され、1回の普図当たりに対する普通変動入賞装置14の開放回数も少なく設定されている(例えば1R)。これに対して、電サポありの状態(例えば、通常状態(電サポ1))における普図変動表示ゲームの変動表示時間は電サポなしの場合に比較して短時間(例えば、2〜5秒)に設定されている。そして、普図変動表示ゲームにおいて普図当たりとなったときの普通変動入賞装置14の開放時間は電サポなしの場合に比較して長時間(例えば、1秒)に設定され、1回の普図当たりに対する普通変動入賞装置14の開放回数も電サポなしの場合に比較して多く設定されている(例えば3R)。
このように、電サポありの状態(いわゆる電サポ中)は、電サポなしの状態よりも普通変動入賞装置14の開放回数が増加され、普通変動入賞装置14に遊技球が入賞しやすくなっているので、特図2始動記憶はほとんど途切れることなく、電サポありの状態が終了するまで特図2変動表示ゲームが主として実行されることとなる。
図31に示す大当たりの内訳は図32(a)、(b)に示す通りである。図32(a)、(b)に示すように、特図2変動表示ゲームにおける大当たり当選時は、特図1変動表示ゲームにおける大当たり当選時に比較して、No.4の2R確変当たり(電サポなし)に振り分けられる割合が低く設定され、その分No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)とNo.11の16R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に振り分けられる割合が高く設定されている。つまり、図29のステップS124,S126で実行される大当たり図柄の判定処理では、特図2始動権利に基づく当たり抽選において当選した方が、特図1始動権利に基づく当たり抽選において当選したときより、15R大当たり、16R大当たりとなる割合が大きくなっている。電サポ中は特図2変動表示ゲームが実行されやすくなるので、遊技者に付与される利益が大きいNo.8、No.11の大当たりが発生しやすくなる。
また、遊技機1では、所定の確率(例えば、1/220)で小当たりを発生可能に構成されている。小当たり発生時には、2R当たりと同様に、第2変動入賞装置16が、1秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを2ラウンド行う(第2動作態様)がこのとき条件装置は作動していない。小当たり発生時の挙動は、厳密には2R当たり発生時の挙動と同一でなくてもよく、類似の挙動であっても構わない。大当たり当選時とは異なり、小当たり当選時には遊技状態の移行は一切行われない。
すなわち、図31のNo.9,10,11の当たりが、条件装置の作動を伴う特別結果であって、特別変動入賞装置(第2変動入賞装置16)の動作態様として第1動作態様を選択して第1の利益を遊技者に付与するとともに、特別遊技状態の終了後に第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第1当たりをなす。また、図31のNo.4,5,7の当たりが、条件装置の作動を伴う特別結果であって、特別変動入賞装置(第2変動入賞装置16)の動作態様として第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な利益が少ない第2動作態様を選択して第1の利益よりも価値の低い第2の利益を遊技者に付与するとともに、特別遊技状態の終了後に第2当選確率が設定される第2当たりをなす。また、小当たりが、条件装置の作動を伴わない特別結果であって、特別変動入賞装置(第2変動入賞装置16)の動作態様として第2動作態様を選択する第3当たりをなす。
なお、図31のNo.3,6,8の当たりが、条件装置の作動を伴う特別結果であって、特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15)の動作態様として第3動作態様を選択して遊技者に第3の利益を付与するとともに、特別遊技状態の終了後に第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第4当たりをなす。また、図31のNo.1,2の当たりが、条件装置の作動を伴う特別結果であって、特別変動入賞装置(第2変動入賞装置16)の動作態様として第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な利益が少ない第2動作態様を選択して第2の利益を遊技者に付与するとともに、特別遊技状態の終了後に第1当選確率が設定される第5当たりをなす。
以上のことから、遊技機1が備える利益付与手段(遊技制御装置100)は、当たり抽選において第1当たり(16R当たり)に当選した場合に、第1動作態様で第2変動入賞装置16を開放することにより遊技者に第1の利益を付与する第1利益付与手段と、当たり抽選において第2当たり、第5当たり(2R当たり)に当選した場合に、第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な利益が少ない第2動作態様で第2変動入賞装置16を開放することにより遊技者に前記第1の利益よりも価値の低い第2の利益を付与する第2利益付与手段と、当たり抽選において第3当たり(小当たり)に当選した場合に、第2動作態様と同一又は類似の態様で第2変動入賞装置16を開放することにより遊技者に小利益を付与する小利益付与手段と、当たり抽選において第4当たり(15R当たり)に当選した場合に、第3動作態様で第1変動入賞装置15を開放することにより遊技者に第3の利益を付与する第3利益付与手段をと、を有していることとなる。なお、条件装置の作動を伴う大当たりを特別結果とし、条件装置の作動を伴わない小当たりは特定結果として区別することも可能である。
さらに、遊技機1が備える利益付与手段(遊技制御装置100)は、所定の特別遊技の終了後、所定期間を限度として、普通電動役物(普通変動入賞装置14)の変換制御を変更することで始動入賞口への入賞を容易にした特定遊技状態(電サポ状態)を発生させる特定遊技状態発生手段を備えているとも言える。
図33は、当たり終了後に移行する遊技状態について示す説明図である。図33における丸囲み数字は、図31の大当たり種類を示す番号に対応している。なお、図33では、通常状態Dにおいて特図当たり抽選に当選した場合について示しているが、遊技状態E〜Hにおいて特図当たり抽選に当選した場合もほぼ同様である。大当たりに当選することを契機とする遊技状態の移行は、遊技制御装置100により制御される。具体的には、特図ゲーム処理(図27のステップS19)内で行われる。
通常状態DにおいてNo.1の2R通常当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態Dに移行する。No.2の2R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。
No.3の15R通常当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1変動入賞装置15が20秒又は9個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fからは通常状態Dに移行する。No.4の2R確変当たり(電サポなし)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態Eに移行する。
No.5の2R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。No.6の15R確変当たり(電サポ100回付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1変動入賞装置15が20秒又は9個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。
No.7の2R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、2R当たり状態Bが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。No.8の15R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、15R当たり状態Cが発生し、第1変動入賞装置15が20秒又は9個入賞×15R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
No.9の16R通常当たり(電サポ100回)に当選すると、16Rラウンドアップ当たり状態Iが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×1回、1秒×2回、1秒×3回の何れか又は9個入賞×16R開放される。そして、大当たり終了後に通常状態(電サポ1)Fに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると通常状態(電サポ1)Fから通常状態Dに移行する。No.10の16R確変当たり(電サポ100回)に当選すると、16Rラウンドアップ当たり状態Iが発生し、第2変動入賞装置16が1秒、1秒×2、1秒×3の何れか又は9個入賞×16R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ1)Gに移行する。特図変動表示ゲームが100回消化されると確変状態(電サポ1)Gから確変状態Eに移行する。No.11の16R確変当たり(次回大当たりまで電サポ付き)に当選すると、16Rラウンドアップ当たり状態Iが発生し、第2変動入賞装置16が1秒×1回、1秒×2回、1秒×3回の何れか又は9個入賞×16R開放される。そして、大当たり終了後に確変状態(電サポ2)Hに移行する。次回大当たりが発生するまでこの状態Hが継続される。
また、通常状態Dにおいて小当たりに当選すると、小当たり状態Aが発生し、2R当たり状態Bと同様に第2変動入賞装置16が1秒×2R開放される。そして、小当たり終了後に通常状態Dに戻る。なお、通常状態Dとは異なる遊技状態E〜Hのいずれかにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後には元の遊技状態に戻ることとなる。つまり、例えば確変状態Eにおいて小当たり抽選に当選した場合は、小当たり終了後も確変状態Eは継続される。
このように、遊技機1は、大当たりの当選確率を相対的に低く設定した第1遊技状態(通常状態)と、この第1遊技状態よりも大当たりの当選確率を高く設定した第2遊技状態(確変状態)とを、大当たりに当選したことを条件に変更可能な確率状態設定手段(遊技制御装置100)を備えている。また、遊技制御装置100が、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段をなすとも言える。なお、当選確率変更手段(遊技制御装置100)は、抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う当たりとなる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定するようにしている。
上述のように、大当たり又は小当たり終了後は、通常状態D、確変状態E、通常状態(電サポ1)F、確変状態(電サポ1)G、確変状態(電サポ2)Hのいずれかに滞在することとなる。そして、通常状態(D、F)と確変状態(E、G、H)の何れに滞在しているかを遊技者に認識させるために、遊技機1はステージ・モード演出を実行可能に構成されている。例えば、通常状態に対応するステージと確変状態に対応するステージが設けられ、液晶表示装置21における背景表示により滞在している遊技状態を遊技者が認識可能となっている。なお、電サポのあり/なしは普通変動入賞装置14の挙動により明白なので、通常状態か確変状態かを報知されれば、遊技者は上述した遊技状態D〜Hを区別できることとなる。
また、このステージ・モード演出において、通常状態D又は確変状態Eの何れに滞在しているかを明確に報知しない、すなわち、1つのステージを複数の遊技状態に対応させることで、何れの遊技状態にも滞在している可能性があるように不明瞭に報知することも可能となっている。図33において点線で示す移行先の状態、すなわち小当たり終了後の通常状態D、2R通常当たり(電サポなし)終了後の通常状態D、2R確変当たり(電サポなし)終了後の確変状態Eは、当たり発生時の第2変動入賞装置16の挙動及び当たり終了後の普通変動入賞装置14の挙動から何れの状態となっているか判別できない。そこで、これらの当たり終了後には、同じステージ・モード演出(不明瞭ステージ)を実行することにより、何れの遊技状態に滞在しているかを明確に報知しない(不明瞭に報知する)ようにしている。これにより、2R確変当たりであったことが完全に否定されないので、遊技者に確変状態Eに移行しているかもしれないと期待させることができる。なお、確率状態を明確に報知しないステージ・モード演出で所定回数の特図変動表示ゲームを実行した後、確率状態を明確に報知するステージ・モード(確変確定ステージもしくは通常確定ステージ)に移行する。
このように、遊技機1は、第1遊技状態又は第2遊技状態の何れに滞在しているかを確定的に報知可能な遊技状態報知手段(遊技制御装置100、演出制御装置130)を備えている。この遊技状態報知手段は、第1遊技状態(通常状態)又は第2遊技状態(確変状態)の何れにも滞在している可能性があることを不明瞭ステージにより不明瞭に報知可能(遊技状態を明確に報知しない)に構成されている。また、遊技制御装置100及び演出制御装置130が、当選確率の状態を明瞭に報知する明瞭報知状態(確変確定ステージ、通常確定ステージ)と、当選確率の状態を不明瞭に報知する不明瞭報知状態(不明瞭ステージ)と、の何れかを設定する報知状態設定手段をなすとも言える。また、報知状態設定手段(遊技制御装置100、演出制御装置130)は、2R当たり及び小当たりに基づく特別遊技の終了後に、不明瞭報知状態とするようにしたこととなる。
第2変動入賞装置16を動作する小当たり、2R当たり、16R当たりは、特別遊技状態の開始から所定期間における第2変動入賞装置16の動作態様を、特別結果の種類にかかわらず共通な共通動作態様とするようにしている。図34に示すように、特別遊技状態の開始(t1)から入賞可能状態に2回変換するまで(t2)の動作が共通とされており、この動作が共通動作態様である。
小当たり及び2R当たりの場合は、開放時間1秒で開放可能時間1秒のラウンドを2ラウンド行うことで共通動作態様での動作が構成される。16R当たりのうち16R(16回)当たりの場合は、開放時間1秒で開放可能時間1秒のラウンドを2ラウンド行うことで共通動作態様での動作が構成される。また、16R当たりのうち16R(32回)当たりの場合は、開放時間1秒で開放可能時間2秒のラウンドを1ラウンド行うことで共通動作態様での動作が構成される。また、16R当たりのうち16R(48回)当たりの場合は、開放時間1秒で開放可能時間3秒のラウンドにおける2回の入賞可能状態への変換動作で共通動作態様での動作が構成される。なお、開放時間のみならず、特別遊技状態の開始から最初の入賞可能状態への変換までの時間や、1回目の入賞可能状態の終了から2回目の入賞可能状態への変換までの入賞不可能状態とする時間、2回目の入賞可能状態の終了から共通動作態様の終了までの時間も各当たりで共通とされている。
ここで、一のラウンドにおいては、開放可能時間以内であっても9個入賞することでラウンドが終了することとなるが、入賞可能状態とする時間が短いため、ほとんどの場合で開放可能時間の経過によりラウンドが終了することとなる。よって、小当たり、2R当たり、16R当たりの何れであっても、特別遊技状態の開始から入賞可能状態に2回変換するまでの動作を共通とすることが可能であり、この共通動作態様においては何れの当たりであるかはわからないようになっている。これにより、小当たりであっても大当たりが発生したかのように思わせることができ、大当たりの発生確率を高めなくとも大当たりが連続して発生したかのような錯覚を起こさせることができる。
共通動作態様での動作を行った後、特別遊技状態が継続するか否かを報知する継続演出を行う(t2からt3)。そして、特別遊技状態が継続する場合(16R当たりである場合)は、継続演出において特別遊技状態が継続する旨の報知を行った後、第2変動入賞装置16を後半動作態様で動作させる(図34のt3以降)。すなわち、第2変動入賞装置16の動作態様が第2動作態様である小当たり、2R当たりの場合は、当該第2動作態様として共通動作態様のみ設定され、第2変動入賞装置16の動作態様が第1動作態様である16R当たりの場合は、当該第1動作態様として共通動作態様及び該共通動作態様の後の後半動作態様が設定される。
したがって、共通動作態様が終了した後に後半動作態様となれば大当たり(16R当たり)であることを認識できることとなり、第2変動入賞装置16の動作により遊技の興趣を向上することができる。また、共通動作態様の終了までは大当たり及び小当たりの可能性が含まれるため、この期間における遊技者の期待感を高めることができる。
後半動作態様における所定のタイミング(t4からt5、t6からt7)においては、特別遊技状態が継続するか否かを報知する継続演出が実行される。ここで、所定のタイミングとは、各ラウンドが開放可能時間に達することにより終了するとした場合(9個入賞で終了しない場合)において、第2変動入賞装置16を入賞可能状態とした回数が16回、32回に達したときである。なお、16回、32回は16R当たりで選択可能な最大開放回数である。すなわち、16R(16回)当たりでは16Rの終了後、16R(32回)当たりでは8R、16Rの終了後、16R(48回)当たりでは6Rにおける1回目の開放の終了後と、11Rにおける2回目の開放の終了後に継続演出が実行される。以下の説明では、第2変動入賞装置16を入賞可能状態とした回数が16回に相当するときの継続演出を2回目の継続演出、32回に相当するときの継続演出を3回目の継続演出とする。
各16R当たりの後半動作態様における開放時間は、共通動作態様における開放時間以上の時間である第1開放時間として1秒が設定される。また、開放時間の終了後の入賞不可能状態とする時間も一定の時間とされ、ラウンドの終了も報知されない。よって、2回目の継続演出が行われるまで、16R(16回)当たり、16R(32回)当たり、16R(48回)当たりの何れであるかはわからないようになっている。また、3回目の継続演出が行われるまで、16R(32回)当たり、16R(48回)当たりの何れであるかはわからないようになっている。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置14)に遊技球が入賞したことを条件に抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置100)と、抽選手段の抽選結果に基づいて、表示装置(特図1表示器31、特図2表示器32、液晶表示装置21)で識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示遊技を実行する変動表示遊技実行手段(遊技制御装置100)と、抽選手段による抽選結果が特別結果であった場合に遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置100)と、特別遊技において遊技球の入賞が可能な入賞可能状態と不可能な入賞不可能状態とに変化可能な特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)と、を備えた遊技機1において、抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置100)を備え、特別結果には、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第1動作態様を選択する第1当たりと、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な利益が少ない第2動作態様を選択するとともに、特別遊技状態の終了後に当選確率変更手段により第2当選確率が設定される第2当たりと、条件装置の作動を伴わない特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第2動作態様を選択する第3当たりと、が含まれ、特別遊技実行手段は、特別結果の種類に基づき特別変動入賞装置の動作態様を設定する動作態様設定手段(遊技制御装置100)を備え、動作態様設定手段は、第1当たり、第2当たり及び第3当たりに基づく特別遊技状態において、当該特別遊技状態の開始から所定期間における特別変動入賞装置の動作態様を共通動作態様とするようにしたこととなる。
また、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、第2動作態様として共通動作態様のみを設定し、第1動作態様として共通動作態様及び該共通動作態様の後の後半動作態様を設定するようにしたこととなる。
図35には、共通動作態様及び継続演出での演出の一例を示した。なお、継続演出に関する処理は、遊技制御装置100から送信される情報(コマンド)に基づき演出制御装置130で行われる。すなわち、演出制御装置130が、特別遊技が継続するか否かを報知する継続演出を実行する継続演出手段をなす。
特図変動表示ゲームの結果が小当たり、2R当たり、16当たりの何れかであった場合、飾り特図変動表示ゲームの結果として、これらの当たりに共通な図35(a)に示す結果態様が表示され、特別遊技状態が開始される(図34のt1)。この特別遊技状態の開始時には、図35(b)に示すように、共通動作態様となる期間(DASHゾーン)が開始されることを示す表示がなされ、第2変動入賞装置16が共通動作態様で動作する(図34のt1からt2)。
共通動作状態での動作が終了した後、1回目の継続演出が行われる。この継続演出では、図35(c)から(e)に示すようなカウントダウン表示がなされ、特別遊技状態が継続する場合(16R当たりの場合)は、図35(f)に示すように、可動部材(ニトロファンユニット)221が前方に倒れて液晶表示装置21の前方に位置する状態となる。さらに、液晶表示装置21では、特別遊技状態が継続する旨の表示(「GO!!」)の表示がなされる。なお、図35(f)では、図25Bに示したような可動役物装置22の上面に表示手段260を備える可動部材(ニトロファンユニット)221を用いた例を示しており、この表示手段260にも特別遊技状態が継続する旨の表示(「継続」)がなされる。そして、継続する特別遊技状態において第2変動入賞装置16が入賞可能状態に変換される(図34のt3)。
また、特別遊技状態が継続しない場合(小当たり又は2R当たりの場合)は、図35(c)から(e)に示すカウントダウン表示を行った後、図35(g)又は(h)に示すような演出がなされる。図35(g)に示す演出では、黒色もしくは白色の表示画面に「プスン スン スン」と文字表示が表示されるとともに、エンジンが停止するような音が出力される。図35(h)に示す演出では、黒色もしくは白色の表示画面に「プスン ブル ブル」と文字表示が表示されるとともに、エンジンがかかるような音が出力される。これらの演出が行われた後、特別遊技状態が終了する。
図35(g)に示すような演出は、小当たりであった場合に選択される確率が高く、図35(h)に示すような演出は、2R当たりであった場合に選択される確率が高くされている。図33に示すように、2R当たりが発生した後や、通常状態Dからの小当たりが発生した場合は、通常状態D又は確変状態Eの何れに滞在しているかを明確に報知しない、すなわち、確率状態を明確に報知しない状態となる。よって、継続演出において図35(g)と(h)に示すような演出を行うことにより遊技者に確率状態を示唆することができ、遊技の興趣を向上することができる。
16R当たりにおける所定のタイミングでも行われる2回目の継続演出及び3回目の継続演出では、まず、図36(a)に示すように、継続演出が開始される旨の表示(「ランクアップチャンス」)を表示する。そして、特別遊技状態が継続する場合は、図36(b)に示すように、継続する旨の演出を行う。この演出では、液晶表示装置21に「継続」と表示するとともに、ファン部材224を回転させる演出を行う。なお、特別遊技状態が継続しない場合には終了する旨の演出を行う。この場合、例えば、液晶表示装置21に「終了」の表示を行う。
なお、図25Bに示したような可動役物装置22の上面に表示手段260を備える可動部材(ニトロファンユニット)221を用いた場合は、図36(c)に示すように、可動部材(ニトロファンユニット)221を前方に倒して液晶表示装置21の前方に位置する状態とし、表示手段260に「継続」と表示する演出も可能である。
また、この場合に、単に特別遊技状態が継続する旨の報知だけでなく、特別遊技状態の終了後の遊技状態を示唆、報知する演出を行うようにしても良い。このような演出としては、例えば、図37(a)に示すように、表示手段260に「通常」と表示して第1当選確率となることを報知したり、図37(b)に示すように、表示手段260に「確変」と表示して第2当選確率となることを報知したりする演出が可能である。また、図37(c)に示すように、表示手段260に「時短」と表示して普通変動入賞装置14に遊技球が入賞しやすくなる電動役物サポート状態(電サポ)となることを報知したり、図37(d)に示すように、表示手段260に「確変?」と表示して第2当選確率となる可能性があることを示唆したりする演出も可能である。
また、1回目の継続演出において特定継続演出が行われた場合には、2回目の継続演出を行わないようにしている。この特定継続演出は通常の継続演出とは異なることを遊技者が認識できる演出であり、本実施形態では「GO」の文字をサクラ柄とするものである。このような特定継続演出を行うため、演出制御装置130では、1回目の継続演出の開始前に図38に示すようなラウンドアップ確定表示処理を行う。このラウンドアップ確定表示処理では、まず、ラウンドアップ大当たりの32回又は48回であるか否かの判定(ステップS141)を行う。ラウンドアップ大当たりとは16R当たりのことであり、発生した大当たりが16R当たりのうち16R(32回)当たり又は16R(48回)当たりであるかが判定される。
このラウンドアップ大当たりの32回又は48回であるか否かの判定(ステップS141)において、ラウンドアップ大当たりの32回又は48回でない場合(ステップS141;N)は、ラウンドアップ確定表示処理を終了する。また、ラウンドアップ大当たりの32回又は48回であるか否かの判定(ステップS141)において、ラウンドアップ大当たりの32回又は48回である場合(ステップS141;Y)は、所定の割合で「GO」をサクラ柄に設定する処理(ステップS142)、すなわち所定の割合で特定継続演出を設定する処理を行い、ラウンドアップ確定表示処理を終了する。また、この処理により1回目の継続演出が特定継続演出さとれた場合は、2回目の継続演出を行う期間では継続が確定している旨の演出を行うようにする。
なお、16R(48回)当たりであった場合には、2回目の継続演出を特定継続演出とするようにしても良い。また、1回目の継続演出と2回目、3回目の継続演出とを別の継続演出としたが、同じ演出としてもよい。また、遊技制御装置100で図38に示すようなラウンドアップ確定表示処理を行うようにしても良い。このようにすれば特定継続演出の実行が決定された場合に、次回の継続演出を行う期間を省略することも可能である。また継続演出は、図35から図37に示すように、液晶表示装置21に表示を行うことや、可動役物装置22、音声により行うものの他、ランプの発光や振動などにより報知を行うものなど、特別遊技が継続するか否かを遊技者が認識できるものであればなんでも良い。
また、継続演出を行うタイミングは上述のタイミングに限られるものではなく、特別遊技状態中であればいつでも良い。例えば、第2変動入賞装置16が開閉動作を行っている期間において行うようにしても良い。また、特定継続演出は通常の継続演出に換えて行うとしたが、継続演出の実行期間とは別に特定継続演出を実行するようにしても良い。
また、後半変動態様における開放時間を共通動作態様における開放時間と同じ1秒としたが、上述の後半変動態様を第1後半変動態様とし、該第1後半変動態様よりも開放時間を長くした第2後半変動態様を選択可能としても良い。例えば、第2後半変動態様として15R当たりと同様に20秒開放(開放可能時間)又は9個入賞の何れかの条件が成立することで終了するラウンドを15ラウンド行うようにする変動態様を設定し、第1後半変動態様と第2後半変動態様とから何れか一方を選択するようにしても良い。このようにすれば、共通動作態様が終了して後半動作態様となって大当たりであることが明らかとなった後に、より容易に特別変動入賞装置へ遊技球を入賞させることが可能となり、確実に遊技者に利益を付与することが可能となる。すなわち、後半動作態様にとして、開放時間が第1開放時間である第1後半変動態様と、開放時間がラウンドの開始から終了までの時間である第2後半動作態様とを設定し、動作態様設定手段(遊技制御装置100)が特別結果に基づき選択するようにしても良い。
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの二種類の特図変動表示ゲームを実行するようにしているが、始動入賞口13と普通変動入賞装置14の何れに入賞しても同じ一種類の特図変動表示ゲームのみを実行するようにしても良い。また、特別変動入賞装置として、第1変動入賞装置15と第2変動入賞装置16とを備えるが、第1変動入賞装置15のみもしくは第2変動入賞装置16のみとして、何れの当たりであっても同一の特別変動入賞装置が動作するようにしても良い。
以上のことから、特別遊技実行手段(遊技制御装置100)は、特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)に所定数の遊技球が入賞するか、特別変動入賞装置を入賞可能状態とした時間である開放時間の合計時間が所定の開放可能時間に達したかの何れかの条件が成立することを終了条件とするラウンドを所定回数実行する特別遊技を実行し、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、特別変動入賞装置の動作態様として、開放時間と、開放可能時間と、を特別結果に基づき設定するものであり、動作態様設定手段は、後半動作態様における開放時間を、共通動作態様における開放時間以上の時間とするようにしたこととなる。
また、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、後半動作態様として、開放時間が所定の第1開放時間であり、開放可能時間が異なる複数種類の後半動作態様から何れか一つを特別結果に基づき設定し、共通動作態様が終了したとき及び後半動作態様における所定のタイミングで、当該特別遊技が継続するか否かを報知する継続演出を実行する継続演出手段(演出制御装置130)を備えていることとなる。
また、継続演出手段(演出制御装置130)は、継続演出において、次回の継続演出以降も特別遊技が継続する場合に、特定継続演出を実行可能であり、特定継続演出を実行した場合に、次回の継続演出を行わないようにしたこととなる。
また、前面に遊技領域12を備える遊技盤10と、表示装置(液晶表示装置21)と該表示装置の上部近傍で動作可能な可動部材221を有する可動役物装置22とを備え、遊技盤10に前面側から取り付けられるセンターケース20と、を有し、可動役物装置22は、表示装置の裏面側に配設され、可動部材221を表示装置の上端を跨いで該表示装置の上方側から前面側まで移動させる役物駆動機構と、を備え、前面側に表示装置が装着された基板部材(ベース基板242)の裏面側に役物駆動機構が固定されることで可動役物装置22と表示装置とが一体に構成され、継続演出手段(演出制御装置130)は、継続演出において可動役物装置22を駆動するようにしたこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定継続演出の発生条件が異なる。
本変形例の遊技機では、図38に示すラウンドアップ確定表示処理に換えて図39に示すラウンドアップ確定表示処理を行う。このこのラウンドアップ確定表示処理では、まず、ラウンドアップ大当たり(16R当たり)の32回又は48回であるか否かの判定(ステップS151)を行い、ラウンドアップ大当たりの32又は48回でない場合(ステップS151;N)は、ラウンドアップ確定表示処理を終了する。また、ラウンドアップ大当たりの32又は48回であるか否かの判定(ステップS151)において、ラウンドアップ大当たりの32又は48回である場合(ステップS151;Y)は、「3〜1」迄の間にボタンを10回オンしたか否かの判定(ステップS152)を行う。
「3〜1」迄の間にボタンを10回オンしたか否かの判定(ステップS152)では、図34のt2からt3の期間、すなわち、図35(c)から(e)に示すカウントダウン表示を行っている期間に、図1に示す演出ボタン27を遊技者が操作(押下)することによる入力が10回発生したかが判定される。この「3〜1」迄の間にボタンを10回オンしたか否かの判定(ステップS152)において、10回オンした場合(ステップS152;Y)は、必ず「GO」をサクラ柄に設定する処理(ステップS153)、すなわち特定継続演出を設定する処理を行い、ラウンドアップ確定表示処理を終了する。また、「3〜1」迄の間にボタンを10回オンしたか否かの判定(ステップS152)において、10回オンしなかった場合(ステップS152;N)は、所定の割合で「GO」をサクラ柄に設定する処理(ステップS154)、すなわち所定の割合で特定継続演出を設定する処理を行い、ラウンドアップ確定表示処理を終了する。
この処理により、特定継続演出とすることが可能である場合には、遊技者が演出ボタン27を操作することで必ず特定継続演出とすることができるので、遊技者に遊技に参加している感覚を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン27)を備え、継続演出手段(演出制御装置130)は、特定継続演出を実行可能な場合であって、所定期間に操作手段による所定の入力を検出した場合に、必ず特定継続演出を実行するようにしたこととなる。
なお、操作手段は演出ボタン27に限られず、遊技者の操作を検出できるものであればなんでも良い。また、遊技者が演出ボタン27を操作しなかった場合には、特定継続演出を実行しないようにしても良い。このようにすれば、継続が確定することを知りたくない遊技者は演出ボタン27を操作しなければ良く、遊技者の好みに合わせた遊技が可能となる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、16R(48回)当たりでの開放可能時間の合計と、15R当たりでの開放可能時間の合計と同等とされている。
図40に示すように、16R当たりにおける後半動作態様での開放時間は、共通動作態様での開放時間よりも長くされている。この開放時間は6.5秒となっている。ここで、15R当たりにおける一のラウンドでの開放可能時間は20秒であることから、15R当たりにおける開放可能時間の合計は300秒である。そして、本変形例の16R当たりのうち、最も開放可能時間が長い16R(48回)当たりでの後半変動態様における一のラウンドでの開放可能時間(1ラウンド目を除く)は、6.5秒×3回で19.5秒である。共通動作態様を含む1ラウンド目の開放可能時間は1秒×2回+6.5秒×1回で8.5秒であることから、16R(48回)当たりでの開放可能時間の合計は、301秒であり、15R当たりと同等の時間となっている。
このように、15R当たりと16R(48回)当たりとで開放可能時間を同等とすることで、動作態様が違っても得られる利益は同等となり、開放時間が短いことに対する不満を遊技者が感じることを防止できる。
以上のことから、特別結果は、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段(遊技制御装置100)が特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15)の動作態様として第3動作態様を選択するとともに、特別遊技状態の終了後に当選確率変更手段(遊技制御装置100)により第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第4当たりを含み、第1動作態様で最も開放可能時間が長い動作態様の開放可能時間の合計時間を、第3後半動作態様での開放可能時間の合計時間と同等の時間としたこととなる。
以上のような遊技機1は、始動入賞口(始動入賞口13、普通変動入賞装置14)に遊技球が入賞したことを条件に抽選を実行する抽選手段(遊技制御装置100)と、抽選手段の抽選結果に基づいて、表示装置(特図1表示器31、特図2表示器32、液晶表示装置21)で識別情報を変動表示した後に結果を表示する変動表示遊技を実行する変動表示遊技実行手段(遊技制御装置100)と、抽選手段による抽選結果が特別結果であった場合に遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段(遊技制御装置100)と、特別遊技において遊技球の入賞が可能な入賞可能状態と不可能な入賞不可能状態とに変化可能な特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)と、を備えた遊技機であって、抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となることを条件に、当該抽選手段の抽選結果が条件装置の作動を伴う特別結果となる当選確率を第1当選確率と、該第1当選確率よりも高い当選確率である第2当選確率との何れかに設定する当選確率変更手段(遊技制御装置100)を備え、特別結果には、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第1動作態様を選択する第1当たりと、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第1動作態様よりも遊技者が獲得可能な利益が少ない第2動作態様を選択するとともに、特別遊技状態の終了後に当選確率変更手段により第2当選確率が設定される第2当たりと、条件装置の作動を伴わない特別結果であって、動作態様設定手段が特別変動入賞装置の動作態様として第2動作態様を選択する第3当たりと、が含まれ、特別遊技実行手段は、特別結果の種類に基づき特別変動入賞装置の動作態様を設定する動作態様設定手段(遊技制御装置100)を備え、動作態様設定手段は、第1当たり、第2当たり及び第3当たりに基づく特別遊技状態において、当該特別遊技状態の開始から所定期間における特別変動入賞装置の動作態様を共通動作態様とするようにしている。
したがって、特別結果には条件装置の作動を伴う特別結果と条件装置の作動を伴わない特別結果とが含まれ、特別遊技実行手段は、特別結果の種類に基づき特別変動入賞装置の動作態様を設定する動作態様設定手段を備え、動作態様設定手段は、第1当たり、第2当たり及び第3当たりに基づく特別遊技状態において、当該特別遊技状態の開始から所定期間における特別変動入賞装置の動作態様を共通動作態様とするので、大入賞口の開放動作(特別変動入賞装置の動作)により効果的に遊技の興趣を向上することができる。すなわち、条件装置の作動を伴う特別結果(大当たり)のみではなく、条件装置の作動を伴わない特別結果(小当たり)の場合でも特別変動入賞装置が動作するので、特別変動入賞装置を動作する機会が増え、効果的に遊技の興趣を向上することができる。また、特別結果の種類(大当たり、小当たり)にかかわらず最初は共通動作態様とするので、小当たりであっても大当たりが発生したかのように思わせることができ、大当たりの発生確率を高めなくとも大当たりが連続して発生したかのような錯覚を起こさせることができる。
また、特別変動入賞装置の動作態様に獲得可能な利益が異なる第1動作態様と第2動作態様とがあるので、特別変動入賞装置の動作により遊技の興趣を向上することができる。特に、特別結果の種類(大当たり、小当たり)にかかわらず最初は共通動作態様であるのでこの期間においては何れの動作態様であるかは分からず、共通動作が行われている期間において獲得可能な利益が大きい第1動作態様であることに対する期待感を持たせることができる。また、大当たりである第2当たりと小当たりである第3当たりが同じ第2動作態様であるので、小当たりであっても大当たりが発生したかのように思わせることができ、大当たりが連続して発生したような錯覚を起こさせることができる。この場合、大当たりであれば当選確率が高くなるという利益を遊技者に与えることができるので、第1動作態様よりも獲得可能な利益が少ない第2動作態様であっても遊技者が不満に思うことがない。
また、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、第2動作態様として共通動作態様のみを設定し、第1動作態様として共通動作態様及び該共通動作態様の後の後半動作態様を設定するようにしている。
したがって、共通動作態様が終了した後に後半動作態様となれば大当たりであることを認識できることとなり、特別変動入賞装置の動作により遊技の興趣を向上することができる。また、共通動作態様の終了までは大当たり及び小当たりの可能性が含まれるため、この期間における遊技者の期待感を高めることができる。
また、特別遊技実行手段(遊技制御装置100)は、特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15、第2変動入賞装置16)に所定数の遊技球が入賞するか、特別変動入賞装置を入賞可能状態とした時間である開放時間の合計時間が所定の開放可能時間に達したかの何れかの条件が成立することを終了条件とするラウンドを所定回数実行する特別遊技を実行し、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、特別変動入賞装置の動作態様として、開放時間と、開放可能時間と、を特別結果に基づき設定するものであり、動作態様設定手段は、後半動作態様における開放時間を、共通動作態様における開放時間以上の時間とするようにしている。
したがって、特別遊技に共通な共通動作態様が終了して後半動作態様となって大当たりであることが明らかとなった後後に、特別変動入賞装置へ遊技球を入賞させることが困難になることを防止でき、遊技者が不満に思うことを防止できるとともに確実に遊技者に利益を付与することが可能となる。
また、動作態様設定手段(遊技制御装置100)は、後半動作態様として、開放時間が所定の第1開放時間であり開放可能時間が異なる複数種類の後半動作態様から何れか一つを特別結果に基づき設定し、共通動作態様が終了したとき及び後半動作態様における所定のタイミングで、当該特別遊技が継続するか否かを報知する継続演出を実行する継続演出手段(演出制御装置130)を備えている。
また、「後半動作態様における所定のタイミング」は、後半動作態様が第2後半動作態様である各特別遊技の終了条件が成立する可能性があるときとすることが好ましい。例えば、第2後半動作態様となる特別遊技の種類として、実行するラウンドの回数は同じであるが第1開放時間に対する開放可能時間が等倍、二倍、三倍の三種類の特別遊技がある場合、等倍の場合は特別遊技が終了するとき、二倍の場合は特別遊技の半分を消化したとき及び特別遊技が終了するとき、三倍の場合は特別遊技の1/3、2/3を消化したときである。
したがって、共通動作の後に後半動作態様があるか否かに加え、開放可能時間が長いか短いか、すなわち特別遊技で獲得できる利益が大きいが少ないかにも遊技者の興味を持たせることができ、特別変動入賞装置の動作により効果的に遊技の興趣を向上することができる。また、共通動作態様の終了時に特別遊技が継続するか否かを報知するので、特別変動入賞装置の動作による興趣の向上の効果を演出によって高めることができる。さらに、後半動作態様がある場合には所定のタイミングで特別遊技が継続するか否かを報知することによっても特別変動入賞装置の動作による興趣の向上の効果を高めることができる。
また、継続演出手段(演出制御装置130)は、継続演出において、次回の継続演出以降も特別遊技が継続する場合に、特定継続演出を実行可能であり、特定継続演出を実行した場合に、次回の継続演出を行わないようにしている。
したがって、特定継続演出が行われれば次回の継続演出以降に特別遊技が継続されることが確定することとなって、それまでに獲得できる利益が保証されるので、遊技者が安心して遊技を行うことができる。また、遊技者が特定継続演出の出現を期待するようになり、継続演出に対する期待感を高めることができて興趣を向上することができる。
また、特別結果は、条件装置の作動を伴う特別結果であって、動作態様設定手段(遊技制御装置100)が特別変動入賞装置(第1変動入賞装置15)の動作態様として第3動作態様を選択するとともに、特別遊技状態の終了後に当選確率変更手段(遊技制御装置100)により第1当選確率もしくは第2当選確率が設定される第4当たりを含み、第1動作態様で最も開放可能時間が長い動作態様の開放可能時間の合計時間を、第3後半動作態様での開放可能時間の合計時間と同等としている。
したがって、動作態様が違っても得られる利益は同等となるため、開放時間が短いことに対する不満を遊技者が感じることを防止できる。
また、前面に遊技領域12を備える遊技盤10と、表示装置(液晶表示装置21)と該表示装置の上部近傍で動作可能な可動部材221を有する可動役物装置22とを備え、遊技盤10に前面側から取り付けられるセンターケース20と、を有し、可動役物装置22は、表示装置の裏面側に配設され、可動部材221を表示装置の上端を跨いで該表示装置の上方側から前面側まで移動させる役物駆動機構と、を備え、前面側に表示装置が装着された基板部材(ベース基板242)の裏面側に役物駆動機構が固定されることで可動役物装置22と表示装置とが一体に構成され、継続演出手段(演出制御装置130)は、継続演出において可動役物装置22を駆動するようにしている。
したがって、可動役物装置22と表示装置とが基板部材によって一体となるように構成されているので、可動部材221を表示画面ぎりぎりの位置まで正確に近づけて停止させることが出来るようになるため、迫力のある演出を行うことが出来る。また、継続演出手段は、継続演出において可動役物装置22を駆動するので、継続演出で迫力の有る演出が可能となる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。