JP2013005158A - パケットスイッチ及びパケットスケジューリング方法 - Google Patents

パケットスイッチ及びパケットスケジューリング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いパケット送出性能を維持しながらも計算量を削減する。
【解決手段】入力ポート21〜2Nにおけるパケットの到着数を監視するパケット到着監視部10と、パケット到着監視部10にて監視されたパケットの到着数に基づいて、スケジューラ6におけるパケットの送出決定処理の回数を決定する処理回数決定部12とを有し、スケジューラ6は、処理回数決定部12にて決定した回数だけパケットの送出決定処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、パケットスイッチに関し、特に、入力バッファ型のパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法に関する。
到着したパケットを所望の方路に交換するパケットスイッチは、複数のパケットが同時に同一の方路へ出力されて衝突することを防ぐためにバッファを備えていることが多い。このようにバッファを備えたパケットスイッチは、バッファの配備位置によって共有バッファ型、出力バッファ型、入力バッファ型に分類される。共有バッファ型は、バッファメモリを複数の入出力ポート間で共有するため、バッファに用いるメモリ量を抑制することができるが、メモリアクセス速度を入力ポートのバス速度に比べて高速にする必要があり、スイッチポート数の増大をも招く。また、出力バッファ型は、同一出力先に複数のパケットが同時に到着する出力競合による遅延やパケット棄却を小さくできるとされるが、スイッチ内部のバス速度及びメモリアクセス速度を入力ポートのバス速度のポート数倍にする必要がある。これらに対し、入力バッファ型は、スイッチ内部のバス速度及びメモリアクセス速度が入力ポートのバス速度と同速度でよく、実装が容易であるという特長を有する。このため、入力バッファ型は大規模化に適するとして有望視されている。
ところが、入力バッファ型パケットスイッチには、各入力ポートに単一のFIFO型バッファを用いた場合、バッファの先頭に存在するパケットが読み出されないために後続パケットの送出権が与えられないHoL(Head of Line)ブロッキングが生じるという問題があり、入力ポート数を無限大とし、パケットの到着をランダムとした場合、最大スループットは58.6%という理論限界に制限されてしまう。この問題を解決するために、仮想出力キューイング(VOQ:Virtual Output Queuing)方式が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
VOQ方式では、各入力ポートに出力ポート数分のキューが設けられるため、VOQ方式のN×NスイッチはN2個のキューを有する。このN2個のキューから、送出契機毎に最大N個のキューに送出権を与えるためのスケジューリングによってパケットスイッチの性能が左右されるため、スケジューリングアルゴリズムの設計は重要となる。VOQ方式の入力バッファ型パケットスイッチのスケジューリングは2部グラフ上のマッチング問題に帰着でき、スケジューリングアルゴリズムは大きくラウンドロビン等を用いて繰り返し処理を行う手法「Iterative Maximal Matching」(例えば、非特許文献2,3参照)と、最大マッチング問題を解く手法「Maximum Matching」(例えば、非特許文献4参照)とに分類することができ、幾つかのアルゴリズムが考えられている。
T. E. Anderson, S. S. Owicki, J. B. Saxe, C. P. Thacker, "High Speed Switch Scheduling for Local Area Networks," ACM Transactions on Computer Systems, pp.319-352, Nov. 1993. N. McKeown, P. Varaiya, and J. Walrand, "Scheduling cells in an input-queued switch," IEE Electronics Letters, vol. 29, no. 25, pp. 2174-2175, Dec. 1993. H. J. Chao and J. S. Park, "Centralized contention resolution schemes for a large-capacity optical ATM switch," Proceedings of IEEE ATM Workshop, Fairfax, VA, May 1998. N. McKeown, A. Mekkittikul, V. Anantharam, and J. Walrand, "Achieving 100% Throughput in an Input-Queued Switch," IEEE Transactions on Communications, vol. 47, pp. 1260-1267, Aug. 1999.
しかしながら、Maximum Matchingは、計算量が膨大となるため、高速性が求められる場合や大規模スイッチにおいては不適当である。また、Iterative Maximal Matchingは、与えられた時間(パケットの交換時間に依存した、ある限られた時間であり、以下、パケットサイクルと称する)内に送出パケット決定アルゴリズムを何度か繰り返す手法であり、高い性能を得るには多くの繰り返し処理が必須となるため、それに伴い処理全体に要する計算量が増加する。
図9は、Iterative Maximal Matchingアルゴリズムによる送出パケットの繰り返し決定処理の一例の概念を示す図であり、Iterative Maximal MatchingアルゴリズムとしてiSLIP(N. McKeown, “The iSLIP scheduling algorithm for Input-Queued switches,” IEEE/ACM Transactions on Networking, vol. 7, pp. 188-201, Apr. 1999.)を用いた場合の概念を示す。
本例では、図9に示すように、送出パケット決定処理の繰り返し回数i=4とし、2回目の処理以降では、前回までに既に送出が決定しているパケットの到着した入力ポート及び宛先となる出力ポートを除いた入出力ポート間でSLIPアルゴリズムを実行する。それにより、1度に送出されるパケット数が増加する。また、送出決定の際は、N2個のキューから最大N個が選ばれるため、入出力ポート数が大きな場合や、送出パケットの決定処理の繰り返し回数iを大きく設定した場合、計算コストが膨大となることは明らかである。さらに、送出パケットの決定処理の繰り返し回数iを大きく設定した場合、通信量(トラヒック)が少ない時に不必要な繰り返し処理によるスケジューラの計算処理の浪費を招くという問題点がある。また、送出パケットの決定処理の繰り返し回数iを小さく設定した場合には、トラヒックが多い時に出力性能が低いためにパケット到着数がパケット送出数を上回り、キューの使用領域(以下、待ちキュー長と称する)の増大を招き、遅延特性やパケット棄却特性が悪化するという問題点がある。
本発明は、上述したような技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、高いパケット送出性能を維持しながらも計算量を削減することができるパケットスイッチ及びパケットスケジューリング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケットの送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおいて、
前記複数の入力ポートにおけるパケットの到着数を監視するパケット到着監視部と、
前記パケット到着監視部にて監視されたパケットの到着数に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定する処理回数決定部とを有し、
前記スケジューラは、前記処理回数決定部にて決定した回数だけ前記送出決定処理を行うことを特徴とする。
また、複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケット送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおいて、
前記複数のバッファに格納されたパケットについて前記複数の出力ポート毎のパケットの待ちキュー状態を監視するキュー状態監視部と、
前記キュー状態監視部にて監視されたパケットの平均の待ちキュー長に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定する処理回数決定部とを有し、
前記スケジューラは、前記処理回数決定部にて決定した回数だけ前記送出決定処理を行うことを特徴とする。
また、複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケットの送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法であって、
前記複数の入力ポートにおけるパケットの到着数に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定し、
前記スケジューラが、当該回数だけ前記送出決定処理を行う。
また、複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケット送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法であって、
前記複数のバッファに格納されたパケットについての前記複数の出力ポート毎のパケットの平均の待ちキュー長に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定し、
前記スケジューラが、当該回数だけ前記送出決定処理を行う。
以上説明したように本発明においては、複数の入力ポートにおけるパケットの到着数や、複数のバッファに格納されたパケットについての複数の出力ポート毎のパケットの平均の待ちキュー長に基づく回数だけ、スケジューラにおいてバッファに格納されたパケットの送出決定処理を行う構成としたため、パケットの到着数が多い場合や、待ちキュー長が増大している場合は、送出決定処理を行う回数を増やしてパケット送出能力を高め、また、パケットの到着数が少ない場合や、待ちキュー長が短い場合は、送出決定処理を行う回数を減らして計算コストを低減することにより、高いパケット送出性能を維持しながらも計算量を削減することができる。これにより、トラヒック状況に応じて適応的なスケジューリングが可能となる。
本発明のパケットスイッチの実施の一形態を示す図である。 図1に示した仮想出力キューの構成を示す図である。 図1に示したスケジューラの構成を示す図である。 図1に示したパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法の第1の実施の形態を示すタイミングチャートである。 図1に示したパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法の第2の実施の形態を示すタイミングチャートである。 図1に示したパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法の第3の実施の形態を示すタイミングチャートである。 図1に示したパケットスイッチにおいて送出パケット決定処理の回数が固定の場合における、2パケットサイクル一括スケジューリングの概念図である。 図1に示したパケットスイッチにおいて送出パケット決定処理の回数が可変の場合における、2パケットサイクル一括スケジューリングの概念図である。 Iterative Maximal Matchingアルゴリズムによる送出パケットの繰り返し決定処理の一例の概念を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のパケットスイッチの実施の一形態を示す図である。
本形態は図1に示すように、パケットが入力される複数の入力ポート21〜2Nと、パケットがその宛先毎に出力される複数の出力ポート91〜9Nと、入力ポート21〜2Nのそれぞれに対応して設けられ、入力ポート21〜2Nに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファ41〜4Nと、入力ポート21〜2Nのそれぞれに対応して設けられ、入力ポート21〜2Nに入力されたパケットをバッファ41〜4Nに書き込むバッファ書込部31〜3Nと、バッファ41〜4Nに書き込まれたパケットを読み出す書き込むバッファ読出部71〜7Nと、バッファ41〜4Nのそれぞれに対応して設けられ、バッファ41〜4Nに格納されたパケットの出力ポート91〜9N毎の待ち行列を保持する仮想出力キュー51〜5Nと、バッファ41〜4Nに格納されたパケットを複数の出力ポート91〜9Nのうちそのパケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチ8と、バッファ41〜4Nに格納されたパケットの送出決定処理を行うスケジューラ6とを有しており、バッファ41〜4Nに格納されたパケットがスケジューラ6における決定に従ってバッファ41〜4Nから読み出されてスイッチ8に入力されるN入力N出力のパケットスイッチ1である。さらに、本形態は、パケット到着監視部10と、キュー状態監視部11と、処理回数決定部12と、動作周波数指示部13とを有している。
パケット到着監視部10は、入力ポート21〜2Nにおけるパケットの到着数を監視する。
キュー状態監視部11は、バッファ41〜4Nに格納されたパケットについて仮想出力キュー51〜5Nを参照して出力ポート91〜9N毎のパケットの待ちキュー状態を監視する。
処理回数決定部12は、パケット到着監視部10にて監視されたパケットの到着数や、キュー状態監視部11にて監視されたパケットの平均の待ちキュー長に基づいて、スケジューラ6におけるパケットの送出決定処理の回数を決定する。
動作周波数指示部13は、処理回数決定部12にて決定した回数に応じてスケジューラ6の動作周波数を指示する。
上記のように構成されたパケットスイッチ1においては、到着したパケットが入力ポート21に入力されると、まず、入力ポート21に入力されたパケットがバッファ書込部31によってバッファ41に格納される。この時、パケットが格納されるバッファ41におけるアドレス情報を示すパケット・ポインタ(以下、ポインタと称する)が、バッファ書込部31から仮想出力キュー51に渡され、このポインタの情報が仮想出力キュー51からスケジューラ6に渡される。
スケジューラ6においては、各仮想出力キュー51〜5Nから渡されたポインタの情報に基づいて、送出するパケットを決定する送出決定処理が行われる。そして、入力ポート21に入力された出力ポート91宛のパケットの送出が決定すると、スケジューラ6からの指示によって、バッファ41から読み出すパケットのアドレス情報を示すポインタが仮想出力キュー51からバッファ読出部71に渡され、バッファ読出部71によって、仮想出力キュー51から渡されたポインタに従ってパケットがバッファ41から読み出され、スイッチ8及び出力ポート91を経由して送出される。
また、パケット到着監視部10においては、入力ポート21〜2Nにおけるパケットの到着数が監視、集計されており、また、キュー状態監視部11は、バッファ41〜4Nに格納されたパケットについて仮想出力キュー51〜5Nを参照して出力ポート91〜9N毎のパケットの待ちキュー状態が監視されている。そして、パケット到着監視部10にて監視、集計されたパケット到着数と、キュー状態監視部11にて監視された平均待ちキュー長は、処理回数決定部12に伝達される。処理回数決定部12においては、パケット到着監視部10やキュー状態監視部11から伝達された情報に基づいて、Iterative Maximal Matchingの処理回数が決定され、スケジューラ6に渡される。また、動作周波数指示部13においては、処理回数決定部12にて決定した値に応じてスケジューラ6の動作周波数が指示される。
図2は、図1に示した仮想出力キュー51の構成を示す図である。なお、図1に示した仮想キュー52〜5Nの構成もこれと同様である。
図1に示した仮想出力キュー51は図2に示すように、出力ポート91〜9Nのそれぞれに対応してキュー51−21〜51−2Nを具備しており、バッファ書込部31からポインタを含むパケットに関する情報が渡されると、キュー振分・書込部51−1において、バッファ書込部31から渡された情報を用いてそのパケットの宛先となる出力ポートが確認され、パケットの宛先となる出力ポートに対応するキューにポインタが格納されるとともに、どのキューにポインタが格納されているかを示す格納情報がスケジューラ6に渡される。また、スケジューラ6からパケット送出の指示があると、指示を受け取ったキュー読出部51−3において、指定されたパケットのポインタがキューから読み出され、バッファ読出部71に渡される。
図3は、図1に示したスケジューラ6の構成を示す図である。
図1に示したスケジューラ6は図3に示すように、キュー管理部6−1と、送出パケット決定部6−2と、動作周波数変更部6−3とを有している。
キュー管理部6‐1は、各仮想出力キュー51〜5Nのキュー振分・書込部51−1〜5N−1から渡された格納情報により各仮想出力キュー51〜5Nの状態を把握し、現状態を送出パケット決定部6−2に開示する。
送出パケット決定部6−2は、処理回数決定部12によって指示された処理回数でIterative Maximal Matchingを実行し、送出するパケットを決定する。その後、送出パケット決定部6−2は、各仮想出力キュー51〜5Nのキュー読出部51−3〜5N−3にパケットの送出指示を出すとともに、パケットの送出情報をキュー管理部6−1に渡す。そして、それにより、キュー管理部6−1における各仮想出力キューの状態が更新される。
動作周波数変更部6‐3は、動作周波数指示部13からの指示に応じて動作周波数を変更する。
上述したパケットスイッチ1において、状況に応じてIterative Maximal Matchingの処理回数を変化させるパケットスケジューリングを行う。以下に、上述したパケットスイッチ1におけるパケットスケジューリング方法について3つの形態を例に挙げて説明する。
(第1の実施の形態)
図4は、図1に示したパケットスイッチ1におけるパケットスケジューリング方法の第1の実施の形態を示すタイミングチャートである。
本形態においては、上記スケジューラの送出パケット決定処理回数の決定基準として、1つ前のパケットサイクルにおけるパケット到着数を用い、また、Iterative Maximal MatchingアルゴリズムにはiSLIPを用いる。
パケットのポインタの仮想出力キュー51〜5Nへの格納情報が、キュー振分・書込部51−1〜5N−1からキュー管理部6−1に渡されると(ステップ1)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新され(ステップ2)、このキュー状態が送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ3)。
また、パケット到着監視部10にて監視、集計された到着パケット数が処理回数決定部12に渡される(ステップ4)。なお、入力ポート数、パケット到着率をそれぞれ、N,Lとすると、あるパケットサイクルでのパケット到着数はN・Lで表される。
処理回数決定部12においては、閾値α及びβ(α<β)を設け、Lとこの閾値との関係によって送出パケット決定処理回数iが決定される(ステップ5)。なお、本形態においては、送出パケット決定処理は3回までとする。トラヒックが少なくパケット到着数が少ない場合はiを1とし、パケット到着数が多く到着数が送出数を大きく上回る恐れがある場合にはiを3とする。
決定した送出パケット決定処理回数iは、処理回数決定部12から送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ6)。
すると、送出パケット決定部6−2において、処理回数決定部12から通知された処理回数だけiSLIPが実行され(ステップ7)、パケット送出が決定した仮想出力キューの情報がキュー管理部6−1に通知され(ステップ8)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新される(ステップ9)。
また、送出パケット決定部6−2から、各仮想出力キュー51〜5Nのキュー読出部51−3〜5N−3にパケットの送出指示が出される(ステップ10)。
このように、本形態においては、トラヒックが少なくパケット到着数が少ない場合はiSLIPの実行回数を1回として不要な計算コストを削減し、また、パケット到着数が多く到着数が送出数を大きく上回る恐れがある場合にはiSLIPの実行回数を3回として高い送出数を得る、パケット到着状況に応じた適応的なスケジューリングが実現できる。この場合、iSLIPの実行回数を1回に固定したままの手法に比べて明らかに送出性能が高く、また、iSLIPの実行回数を3回に固定したままの手法と比べると送出数は同程度であり、かつ低計算量なスケジューリングが実現できる。これにより、短期的なトラヒック変動に対応するスケジューリングが実現できる。
また、処理回数の決定は1回ないし2回のパケット到着数と閾値との比較で実現されるため、送出パケット決定処理に比べ、特にNが大きな場合に処理量は充分少ないといえる。
(第2の実施の形態)
図5は、図1に示したパケットスイッチ1におけるパケットスケジューリング方法の第2の実施の形態を示すタイミングチャートである。
本形態においては、上記スケジューラの送出パケット決定処理回数の決定基準として、スケジューリングを行うパケットサイクルにおける仮想出力キューの待ちキュー長を用い、また、Iterative Maximal MatchingアルゴリズムにはiLQF(N. McKeown, “Scheduling algorithms for input-queued cell switches,” Ph.D. Thesis, University of California at Berkeley, 1995.)を用いる。
パケットのポインタの仮想出力キュー51〜5Nへの格納情報が、キュー振分・書込部51−1〜5N−1からキュー管理部6−1に渡されると(ステップ21)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新され(ステップ22)、このキュー状態が送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ23)。
また、キュー状態監視部11にて監視されている平均待ちキュー長が処理回数決定部12に伝達されると(ステップ24)、処理回数決定部12において、閾値γ及びδ(γ<δ)を設け、各仮想出力キュー51〜5Nの平均待ちキュー長Qとその閾値との関係によって送出パケット決定処理回数iが決定される(ステップ25)。なお、閾値は、バッファ41〜4N及び仮想出力キュー51〜5Nのメモリ量によって決定される。第1の実施の形態と同様に、本形態においては送出パケット決定処理は3回までとする。平均待ちキュー長Qが短い場合はiを1とし、平均待ちキュー長Qの伸びとともにiを増加させる。
決定した送出パケット決定処理回数iは、処理回数決定部12から動作周波数指示部13及び送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ26)。
すると、動作周波数指示部13において、通知された送出パケット決定処理回数iに応じた動作周波数が決定され(ステップ27)、動作周波数変更部6−3に通知される(ステップ28)。
すると、動作周波数変更部6−3において、スケジューラ6における送出パケット決定処理を行うための動作周波数が、動作周波数指示部13から通知された動作周波数に設定される(ステップ29)。
また、送出パケット決定部6−2において、動作周波数変更部6−3に設定された動作周波数でiSLIPが実行され(ステップ30)、パケット送出が決定した仮想出力キューの情報がキュー管理部6−1に通知され(ステップ31)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新される(ステップ32)。
また、送出パケット決定部6−2から、各仮想出力キュー51〜5Nのキュー読出部51−3〜5N−3にパケットの送出指示が出される(ステップ33)。
このように、本形態においては、平均待ちキュー長が短い場合はiSLIPの実行回数を1回として不要な計算コストを削減し、平均待ちキュー長Qの伸びとともにiを増加させて待ちキュー長を抑制する、キュー状態に応じた適応的なスケジューリングが実現できる。これにより長期的なトラヒック変動に対応するスケジューリングが実現できる。この場合、iを1に固定したままの手法に比べ明らかに待ちキュー長抑制効果が高く、また、iを3に固定したままの手法と比べると待ちキュー長は同程度であり、かつ低計算量なスケジューリングが実現できる。これにより、短期的なトラヒック変動に対応するスケジューリングが実現できる。
また、処理回数の決定は1回ないし2回の待ちキュー長と閾値との比較で実現されるため、送出パケット決定処理に比べ、特にNが大きい場合に処理量は充分少ないといえる。
また、iが1の場合はi=2,3の場合に比べて計算量が少なく、スケジューラが同一の動作周波数でスケジューリングを行った場合に計算所要時間が削減できるため、低速な動作周波数においてもパケットサイクル内に処理が完了する。スケジューラの動作に関する消費電力は動作周波数に依存するため、消費電力の低減が実現できる。
なお、本形態のように、スケジューラ6の動作周波数を制御することで、パケットの送出処理回数を制御することは、第1の実施の形態に示したものにも適用することができる。
(第3の実施の形態)
図6は、図1に示したパケットスイッチ1におけるパケットスケジューリング方法の第3の実施の形態を示すタイミングチャートである。
本形態においては、上記スケジューラの送出パケット決定処理回数の決定基準として、1つ前のパケットサイクルにおけるパケット到着数を用い、また、Iterative Maximal MatchingアルゴリズムにはiSLIPを用いる。
パケットのポインタの仮想出力キュー51〜5Nへの格納情報が、キュー振分・書込部51−1〜5N−1からキュー管理部6−1に渡されると(ステップ41)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新され(ステップ42)、このキュー状態が送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ43)。
また、パケット到着監視部10にて監視、集計された到着パケット数が処理回数決定部12に渡される(ステップ44)。なお、入力ポート数、パケット到着率をそれぞれ、N,Lとすると、あるパケットサイクルでのパケット到着数はN・Lで表される。
処理回数決定部12においては、閾値α及びβ(α<β)を設け、Lと閾値との関係によって、送出パケット決定処理を打ち切る閾値λ、μ、ν(λ<μ<ν)が決定される(ステップ45)。
決定した送出パケット決定処理を打ち切る閾値Thは、処理回数決定部12から送出パケット決定部6−2に通知される(ステップ46)。
すると、送出パケット決定部6−2において、iSLIPが、処理回数決定部12から通知された閾値を超える回数だけ実行され(ステップ47,48)、パケット送出が決定した仮想出力キューの情報がキュー管理部6−1に通知され(ステップ49)、キュー管理部6−1にて管理されているキュー状態が更新される(ステップ50)。
また、送出パケット決定部6−2において、次のサイクルのスケジューリングに移行するとともに、各仮想出力キュー51〜5Nのキュー読出部51−3〜5N−3にパケットの送出指示が出される(ステップ51)。
本形態においては、送出パケット決定処理を打ち切る閾値の決定及び送出決定パケット数と閾値との比較の処理は数回の比較で実現されるため、送出パケット決定処理に比べ、特にNが大きな場合に処理量は充分少ないといえる。
図7は、図1に示したパケットスイッチ1において送出パケット決定処理の回数が固定の場合における、2パケットサイクル一括スケジューリングの概念図である。また、図8は、図1に示したパケットスイッチ1において送出パケット決定処理の回数が可変の場合における、2パケットサイクル一括スケジューリングの概念図である。
図7及び図8に示すように、上述した実施の形態にて示したパケットスケジューリング方法は、2パケットサイクルにて出力される複数のパケットについて、送出パケット決定処理を一括して行う方式に活用可能であり、一定の出力数が得られると判断した時点で処理を打ち切ることでスケジューリングに要する時間を削減可能となる。また、図8に示すように、複数パケットサイクル間でのスケジューリング時間分配及び複数パケットサイクルにおける総計算時間の低減が実現できる。
1 パケットスイッチ
1〜2N 入力ポート
1〜3N バッファ書込部
1〜4N バッファ
1〜5N 仮想出力キュー
1−1〜5N−1 キュー振分・書込部
1−21〜5N−2N キュー
1−3〜5N−3 キュー読出部
6 スケジューラ
6‐1 キュー管理部
6‐2 送出パケット決定部
6‐3 動作周波数変更部
1〜7N バッファ読出部
8 スイッチ
1〜9N 出力ポート
10 パケット到着監視部
11 キュー状態監視部
12 処理回数決定部
13 動作周波数指示部

Claims (8)

  1. 複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケットの送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおいて、
    前記複数の入力ポートにおけるパケットの到着数を監視するパケット到着監視部と、
    前記パケット到着監視部にて監視されたパケットの到着数に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定する処理回数決定部とを有し、
    前記スケジューラは、前記処理回数決定部にて決定した回数だけ前記送出決定処理を行うことを特徴とするパケットスイッチ。
  2. 複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケット送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおいて、
    前記複数のバッファに格納されたパケットについて前記複数の出力ポート毎のパケットの待ちキュー状態を監視するキュー状態監視部と、
    前記キュー状態監視部にて監視されたパケットの平均の待ちキュー長に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定する処理回数決定部とを有し、
    前記スケジューラは、前記処理回数決定部にて決定した回数だけ前記送出決定処理を行うことを特徴とするパケットスイッチ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のパケットスイッチにおいて、
    前記処理回数決定部にて決定した回数に応じて前記スケジューラの動作周波数を指示する動作周波数指示部を有し、
    前記スケジューラは、前記動作周波数指示部にて指示された動作周波数で動作することにより、前記処理回数決定部にて決定した回数だけ前記送出決定処理を行うパケットスイッチ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパケットスイッチにおいて、
    前記スケジューラは、複数の送出タイミングに関して前記送出決定処理を一括して行うパケットスイッチ。
  5. 複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケットの送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法であって、
    前記複数の入力ポートにおけるパケットの到着数に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定し、
    前記スケジューラが、当該回数だけ前記送出決定処理を行うパケットスケジューリング方法。
  6. 複数の入力ポート及び出力ポートと、前記複数の入力ポートのそれぞれに対応して設けられ、対応する入力ポートに入力されたパケットが一時格納される複数のバッファと、前記バッファに格納されたパケットを前記複数の出力ポートのうち当該パケットの宛先に応じた出力ポートに出力するスイッチと、前記バッファに格納されたパケット送出決定処理を行うスケジューラとを有し、前記バッファに格納されたパケットが前記スケジューラにおける決定に従って当該バッファから読み出されて前記スイッチに入力されるパケットスイッチにおけるパケットスケジューリング方法であって、
    前記複数のバッファに格納されたパケットについての前記複数の出力ポート毎のパケットの平均の待ちキュー長に基づいて、前記スケジューラにおける前記送出決定処理の回数を決定し、
    前記スケジューラが、当該回数だけ前記送出決定処理を行うパケットスケジューリング方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載のパケットスケジューリング方法において、
    前記スケジューラが、前記決定した回数に応じた動作周波数で動作することにより、当該回数だけ前記送出決定処理を行うパケットスケジューリング方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項に記載のパケットスケジューリング方法において、
    前記スケジューラが、複数の送出タイミングに関して前記送出決定処理を一括して行うパケットスケジューリング方法。
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