JP2013002963A - 炉心溶融物保持装置 - Google Patents

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三男 小室
Tomohisa Kurita
智久 栗田
Mika Tawara
美香 田原
Toshimi Tobimatsu
敏美 飛松
Masato Yamada
雅人 山田
Yuka Shibazaki
由佳 柴崎
Shun Suzuki
崚 鈴木
Ryoichi Hamazaki
亮一 濱崎
Noriyuki Katagiri
紀行 片桐
Mitsuhiro Goto
光宏 後藤
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Abstract

【課題】水蒸気爆発が発生した場合であっても、炉心溶融物保持装置における炉心溶融物の冷却機能が喪失する可能性を低減し、従来よりも炉心溶融物の冷却継続性を高めた炉心溶融物保持装置を提供する。
【解決手段】炉心溶融物保持装置60Aは、ペデスタルで炉心溶融物を保持する耐熱材の下面に配置され耐熱材の熱を除熱する除熱板21と、冷却材の供給を受け、除熱板21を除熱する冷却流路27とを具備し、冷却流路27は、ペデスタルの横断面に現れる円を当該円の半径によって複数に分割される分割流路は、除熱板21を上面、ペデスタル床面上に配置される基礎部材31を底面、除熱板21を支持する垂直壁32を側面とする前記冷却材の流れ方向に垂直方向の断面が矩形となる流路であり、この流路の二つの垂直壁間、かつ、底面上に除熱板が変形した際に当該除熱板を支持する変形抑制部材35を設置した。
【選択図】 図5

Description

本発明は、炉心溶融物保持装置に関する。
水冷却型原子炉では、原子炉圧力容器内への給水の停止や、原子炉圧力容器に接続された配管の破断により冷却水が喪失すると、原子炉水位が低下し炉心が露出して冷却が不十分になる可能性があるが、このような場合を想定して、水位低下の信号により自動的に原子炉は非常停止され、非常用炉心冷却装置(ECCS)による冷却材の注入によって炉心を冠水させて冷却し、炉心溶融事故を未然に防ぐようになっている。
しかし、極めて低い確率ではあるが、上記非常用炉心冷却装置が作動せず、かつ、その他の炉心への注水装置も利用できない事態も想定され得る。このような場合、原子炉水位の低下により炉心は露出し、十分な冷却が行われなくなり、原子炉停止後も発生し続ける崩壊熱によって燃料棒温度が上昇し、最終的には炉心溶融に至る過酷事故が考えられる。
このような事態に至った場合、高温の炉心溶融物が原子炉圧力容器下部に溶け落ち、さらに原子炉圧力容器下鏡を溶融貫通して、格納容器内の床上に落下するに至る。炉心溶融物は格納容器床に張られたコンクリートを加熱し、接触面が高温状態になるとコンクリートと反応し、二酸化炭素、水素等の非凝縮性ガスを大量に発生させるとともにコンクリートを溶融浸食する。
コンクリートの溶融侵食によって発生した非凝縮性ガスは原子炉格納容器内の圧力を高め、原子炉格納容器が破損する可能性を否定できない。また、コンクリートが溶融浸食されることによって、格納容器バウンダリを破損させたり、原子炉格納容器の構造強度を低下させたりする可能性も否定できない。炉心溶融物とコンクリートとの反応が継続することは、結果的に、原子炉格納容器の破損に至り、原子炉格納容器内の放射性物質が外部環境へ放出する可能性の増大につながるので、炉心溶融物とコンクリートとの反応を継続させないことが重要である。
炉心溶融物とコンクリートの反応を抑制するためには、炉心溶融物を冷却し、炉心溶融物底部のコンクリートとの接触面の温度を浸食温度以下(一般的なコンクリートで1500K以下)に冷却するか、炉心溶融物とコンクリートが直接接触しないようにする必要がある。そのため、炉心溶融物が落下した場合に備えて様々な技術が提案されている。
代表的なものが炉心溶融物保持装置と呼ばれるもので、落下した炉心溶融物を耐熱材で受けとめて、注水手段と組み合わせて炉心溶融物の冷却を図る設備である。このような炉心溶融物保持装置の一例は、例えば、特許第3150451号公報(特許文献1)、特開2005−195595号公報(特許文献2)および特開2008−139023号公報(特許文献3)等に開示されている。
特許第3150451号公報 特開2005−195595号公報 特開2008−139023号公報
原子炉の苛酷事故時には、原子炉炉心の燃料が溶融し、この溶融燃料が原子炉格納容器内下部に残留した水の中に落下し、溶融燃料と水が接触する。このとき、ある確率で溶融燃料と水の接触による爆発的な現象が生じる可能性が指摘されている。この爆発的な現象によって原子炉格納容器内の圧力の急上昇を生じさせる可能性があり、極めてわずかではあるものの原子炉格納容器が破損する可能性も否定できない。
独立行政法人日本原子力研究開発機構の研究開発成果(http://jolisfukyu.tokai−sc.jaea.go.jp/fukyu/mirai/2006/index.html)に拠れば、水蒸気爆発が生じ場合に、圧力上昇が約60MPaになるという研究例がある。
特許文献1〜3では、炉心溶融物保持装置上に堆積した炉心溶融物をプール水によって上方から冷却するとともに、炉心溶融物を保持する部材の下部に流路を設けて冷却水を導き、炉心溶融物を上下面から効率的かつ確実に冷却することが可能であるが、例えば、炉心溶融物保持装置が冠水した後、または原子炉冷却材喪失事故によって、原子炉格納容器の下部ドライウェル空間が冷却材で満たされた状態では、大量の水が存在していることになる。
このとき、炉心溶融物が原子炉圧力容器破損口から放出され、高温の炉心溶融物が冷却材中に落下することにより、激しい水蒸気生成または水蒸気爆発が生じる場合がある。水蒸気爆発が発生した場合、水蒸気爆発に伴う衝撃波が構造物にかかることになるため、炉心溶融物保持装置の破損に至る可能性を否定できない。
特許文献1〜3等に記載されるような従来技術の炉心溶融物保持装置では、万が一に発生し得る水蒸気爆発による耐衝撃性について必ずしも十分に考慮されているともいえず、原子炉格納容器の健全性についてより万全を期するためにも、万が一に発生し得る水蒸気爆発による耐衝撃性について十分考慮した炉心溶融物保持装置が望まれていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、万が一の水蒸気爆発が発生した場合であっても、炉心溶融物保持装置における炉心溶融物の冷却機能が喪失する可能性を低減し、従来よりも炉心溶融物の冷却継続性を高めた炉心溶融物保持装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置は、上述した課題を解決するため、原子炉格納容器内に収納される原子炉圧力容器の下方に位置し、前記原子炉圧力容器を支える円筒状のペデスタル側壁と、前記原子炉圧力容器の下方に位置ペデスタル床とによって囲まれるペデスタルに形成される炉心溶融保持装置において、前記ペデスタルで炉心溶融物を保持する耐熱材の下面に配置され前記耐熱材の熱を除熱する除熱板と、前記ペデスタル床の上に配置され、前記ペデスタルの横断面に現れる円の中心側に配置された給水容器から冷却材の供給を受け、供給された冷却材を前記ペデスタル側壁側へ導いて前記除熱板を除熱する冷却流路とを具備し、前記冷却流路は、前記ペデスタルの横断面に現れる円を当該円の半径によって複数に分割された流路であり、この分割された各流路は、前記除熱板を上面、前記ペデスタル床面上に配置される基礎部材を底面、前記上面と前記底面との間に設けられ前記除熱板を支持する垂直壁を側面とする前記冷却材の流れ方向に対して垂直な方向の断面が矩形となる流路であって、この流路を構成する二つの垂直壁の間、かつ、底面上に、前記除熱板が変形した際に当該除熱板を支持する変形抑制部材を設置したことを特徴とする。
本発明によれば、万が一の水蒸気爆発が発生した場合であっても、従来よりも炉心溶融物保持装置における炉心溶融物の冷却機能が喪失しにくく、炉心溶融物の冷却継続性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置を具備する原子炉格納容器の立断面図。 本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の立断面図。 本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の上面図。 本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の冷却流路の構成を説明する斜視図。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(除熱板変形前)。 本発明の第1の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(除熱板変形後)。 本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(除熱板変形前)。 本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(除熱板変形後)。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(垂直壁変形前)。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(垂直壁変形途中)。 本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(垂直壁変形後)。 本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図。 本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(第1の変形例)。 本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置における冷却流路のI−I断面図(第2の変形例)。
以下、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置ついて、添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である炉心溶融物保持装置60(60A,60B,60C,60D)を具備する原子炉格納容器1の立断面図である。
原子炉格納容器1の下部ドライウェル2には、下部に位置するペデスタル床3、および、その周りを取り囲む円筒面状のペデスタル側壁4によって、ペデスタル5が形成される。また、炉心6を内蔵する原子炉圧力容器7は、ペデスタル側壁4によって支持される。さらに、原子炉格納容器1の下部には、ペデスタル側壁4を取り囲むようにサプレッションプール8が形成される。サプレッションプール8には、プール水が貯えられている。
ペデスタル床3の上には、事故時に原子炉圧力容器下部ヘッド9から放出される炉心溶融物(コリウム)を保持する炉心溶融物保持装置60が設置される。
炉心溶融物保持装置60には、例えば水等の冷却材を装置内に供給する冷却材供給配管11が接続されており、冷却材供給配管11は、注入弁12を介して、原子炉格納容器1の上部に位置する水槽13と接続される。
原子炉格納容器1の上には、格納容器冷却器16が配設されている。格納容器冷却器16は、例えば、原子炉格納容器1の蒸気を導いて水中に沈めた熱交換器17で凝縮させ、水槽13に凝縮水を戻すものである。このような格納容器冷却器16として、静的格納容器冷却設備やドライウェルクーラーなどを用いることができる。
図2は、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である炉心溶融物保持装置60(60A,60B,60C,60D)の立断面図である。なお、図2に示される矢印は冷却材の流れ方向を示す。
炉心溶融物保持装置60は、冷却材チャンネル19と、給水容器20と、除熱板21と、耐熱材22と、給水配管23とを具備し、ペデスタル床3とペデスタル側壁4に囲まれるペデスタル5に設置される。
冷却材チャンネル19は、給水容器20からペデスタル側壁4に向かって傾きを持って上昇し、ペデスタル側壁4の近傍で略鉛直に立ち上げられた部分(ライザー)25,26を備える。ここで、符号25は外側ライザー、26は内側ライザーである。冷却材チャンネル19の内部には、冷却材24が流動する冷却流路27が形成される。
また、冷却材チャンネル19は、ペデスタル床3の上部の基礎部材31に設置される。ここで、基礎部材31は、炉心溶融物保持装置60を構成する一部材であり、冷却材チャンネル19を支える部材である。
給水容器20は、例えば、中空の略円筒状に形成され、ペデスタル床3の上面に配置される。給水容器20は、冷却材供給配管11および冷却流路27と接続されており、冷却材供給配管11からは水槽13に貯えられた冷却材24が供給される。供給された冷却材は、給水容器20内に貯えることができる。また、給水容器20は、容器内部に貯えた冷却材24を冷却材チャンネル19へ供給する。
冷却流路27(冷却材チャンネル19)の一端は、ライザー25,26で略鉛直上方へ立ち上がり、上方に開口している。また、冷却流路27(冷却材チャンネル19)の他端は、給水容器20と接続される。
除熱板21は、冷却材チャンネル19の上面かつ後述する耐熱材22の下面であって、内側ライザー26よりも内側(内周側)に配置され、上面に配置された耐熱材22の熱を除熱する。耐熱材22は、除熱板21の上面に配置され、炉心溶融物(コリウム)28を受け止めて保持する。すなわち、耐熱材22が炉心溶融物保持装置60(60A,60B,60C、60D)の炉心溶融物28の保持面を形成する。
耐熱材22としては、例えば、マグネシア(MgO)やジルコニア(ZrO)等の金属酸化物、タングステン(W)やモリブテン(Mo)等の単体金属および玄武岩系のコンクリート材料等から少なくとも一つ以上を選択した材料を用いることができる。
給水配管23は、一端は上方に開口しており、他端は給水容器20に接続される。給水配管23は、上方に開口している一端から冷却材24を取り込んで給水容器20に供給する。
図3は本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である炉心溶融物保持装置60(60A,60B,60C,60D)の上面図である。
炉心溶融物保持装置60は、上方から見ると略円形であり、当該略円の中心付近に給水容器20と、給水容器20の外周側には円周方向に対して複数に分割され、放射状に延びる管状体に形成された冷却流路27とが設けられる。冷却材は、給水容器20から外周方向へ向かう冷却流路27に導かれ、外側ライザー25と内側ライザー26との間に略円環状に形成された領域から上方へ放出される。
図4は本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である炉心溶融物保持装置60(60A,60B,60C,60D)の冷却流路27の構成を説明する斜視図である。
冷却流路27は、底面の基礎部材31上に設けられた垂直壁32によって側壁が形成され、この側壁が炉心溶融物からの熱を冷却材に伝えるように上面に設けられた除熱板21を支持し、冷却材24の冷却流(図4に示される矢印)を確保するように構成される。すなわち、冷却流路27は、上面の除熱板21、側面の垂直壁32および底面の基礎部材31によって取り囲まれた空洞に冷却材24が流動する流路が形成される。冷却流路27は冷却材24の流れ方向に対する垂直方向の断面(図4に示されるI−I線に沿う方向の断面)が矩形となる。
本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置では、各実施形態において、冷却流路27の構成(図4に示されるI−I線に沿う方向の断面に現れる形状)が相違する。そこで、以下の説明では、各炉心溶融物保持装置60A,60B,60C,60Dの冷却流路27の構成を中心に説明する。
[第1の実施形態]
図5および図6は、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第1の炉心溶融物保持装置60Aにおける冷却流路27の図4に示されるI−I線に沿う方向の断面(I−I断面)であり、図5は除熱板21が変形する前、図6は除熱板21が変形した後の状態を示す説明図である。
第1の炉心溶融物保持装置60Aは、冷却流路27の天井を構成する除熱板21が変形した際に、冷却流路27が閉塞または流路断面積が必要以上に減少するのを防止するように除熱板21の変形を制限する変形抑制部材35を具備する。変形抑制部材35は、一つの冷却流路27において側壁を構成する垂直壁32と垂直壁32との間であって冷却流路27の床面(底面)上に配設される。
変形抑制部材35は、例えば、図5,6等に示されるように、I−I断面において、Y字状、T字状およびI字状に形成されており、除熱板21が変形した際に接触し保持する。また、変形抑制部材35の高さは、除熱板21が変形抑制部材35に接触した状態(図6)の冷却流路27の断面積が、第1の炉心溶融物保持装置60Aの炉心溶融物を冷却する冷却性能を維持するのに必要な長さとする。
続いて、このように構成される第1の炉心溶融物保持装置60Aの作用について説明する。
第1の炉心溶融物保持装置60Aは、第1の炉心溶融物保持装置60Aが冠水した状態、または、原子炉格納容器の下部ドライウェル空間が冷却材で満たされた状態において、原子炉圧力容器の破損口から放出された高温の炉心溶融物が冷却材中に落下する。例えば、高温の炉心溶融物が冷却材中に落下することによって水蒸気爆発が発生した等の冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生した場合、第1の炉心溶融物保持装置60Aでは、冷却流路27の除熱板21が衝撃荷重を受ける。すると、受けた衝撃荷重によって、除熱板21が冷却流路27の断面積を減少させる方向に変形を始める。
第1の炉心溶融物保持装置60Aでは、除熱板21が変形したとしても、冷却流路27に配置された変形抑制部材35が、除熱板21を支持することができ、除熱板21の変形量を抑制する。その結果、冷却流路27の断面積は、少なくとも炉心溶融物の冷却を継続できる最低限度の冷却能力を維持する範囲で維持される。
第1の炉心溶融物保持装置60Aによれば、冷却流路27が変形抑制部材35を備えた構造となるので、例えば、水蒸気爆発が発生する等の冷却流路27を構成する構造物に衝撃荷重が加わる事態が招来し、除熱板21が変形したとしても、その変形による冷却流路27の断面積の減少を所定範囲内に制限できる。
また、第1の炉心溶融物保持装置60Aによれば、除熱板21が変形するに至ったとしても冷却流路27の変形が抑制されるので、最低限度の冷却材供給量、すなわち、最低限度の冷却能力を維持することができ、炉心溶融物28の冷却を途切らせることなく継続することができる。すなわち、冷却流路27の閉塞、または、炉心溶融物28の冷却性能の損失に繋がるような冷却流路27の過大な変形を防止できる。
なお、第1の炉心溶融物保持装置60Aにおいて、変形抑制部材35は、除熱板21の変形を抑制するために支持可能な形状である限りにおいて任意であるが、除熱板21の変形が緩やかになるように、上部側、すなわち、除熱板21と接触する部分のI−I断面における形状が、底面と略平行な平面状となるよりも、略V字状となる形状や略U字状となる形状の方がより望ましい。
また、変形抑制部材35の冷却材の流れ方向に対する形状は、必ずしも、第1の炉心溶融物保持装置60Aの上面に現れる略円の中心側に位置する流路入口から外周側に位置する流路出口まで連続する構造でなくても良い。冷却流路27に沿う方向に所望の長さを有する変形抑制部材35を断続的に複数個配置しても良い。
[第2の実施形態]
図7および図8は、本発明の第2の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第2の炉心溶融物保持装置60Bにおける冷却流路27のI−I断面図であり、図7は除熱板21が変形する前、図8は除熱板21が変形後の状態を示す説明図である。
第2の炉心溶融物保持装置60Bは、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対して、基礎部材31を凹状に掘り下げた凹部空間36を設け、ばね37等の弾性力を与える(付勢する)弾性体の一端を凹部空間36に固定する一方、他端を冷却流路27の床面となる床材に固定し、稼動可能に構成した稼動床38をさらに具備する点で相違する。そこで、本実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対する相違点を中心に説明し、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
第2の炉心溶融物保持装置60Bは、天井を構成する除熱板21が変形した際に除熱板21の変形を制限する変形抑制部材35と、変形抑制部材35に加わる荷重に応じて一定範囲内で稼動する稼動床38とをさらに具備する。
例えば、第2の炉心溶融物保持装置60Bでは、図7および8に示されるように、基礎部材31を凹状に掘り下げた凹部空間36が設けられる。さらに、凹部空間36の窪み(凹部)を塞ぐように凹部空間36を形成する前の床面に床材を配置するとともに、冷却流路27の床面となる床材と凹部の底面との間にばね37等の弾性力を与える弾性体を配設する。このとき、変形抑制部材35と冷却流路27の床面となる床材との自重とばね37の弾性力とがつり合うようにし、床材の位置は凹部空間36を形成する前の床面となるようにする。
このように、凹部空間36の底面と冷却流路27の床面となる床材との間を弾性体の一例であるばね37を設置し、床材をばね付勢することによって、当該床材をばね37が縮み可能な範囲内で稼動可能な稼動床38が構成される。
続いて、このように構成される第2の炉心溶融物保持装置60Bの作用について説明する。
第2の炉心溶融物保持装置60Bは、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様に、冷却流路27の除熱板21が衝撃荷重を受けて除熱板21が冷却流路27の断面積を減少させる方向に変形を始めると、まず、変形抑制部材35が、除熱板21を支持する。このとき、変形抑制部材35には、除熱板21から床面(下)方向の荷重を受ける。
図8に示されるように、稼動床38は、変形抑制部材35からの床面方向への荷重を受けると、変形抑制部材35側から受ける荷重に応じてばね37が圧縮変形して縮み、床面が下に下がって、凹部空間36が露出する。すなわち、凹部空間36は、除熱板21変形時に冷却材が流動可能な冷却流路27の一部となる。
第2の炉心溶融物保持装置60Bでは、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様に、除熱板21の変形量を抑制することができるだけでなく、稼動床38によって冷却流路27の床面が一定範囲内で冷却流路27の断面積を拡大する方向に稼動できる。その結果、除熱板21が同じ状態で変形した場合であっても、第2の炉心溶融物保持装置60Bでは、第1の炉心溶融物保持装置60Aよりも、冷却流路27の断面積が大きい状態で維持されるので、炉心溶融物の冷却能力がより高い状態で維持される。
第2の炉心溶融物保持装置60Bによれば、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様の効果を奏することができるのに加えて、除熱板21変形時には稼動床38が冷却流路27の床面を下げて、凹部空間36を露出させるので、第1の炉心溶融物保持装置60Aよりも冷却流路27の断面積を大きい状態で維持することができる。すなわち、除熱板21が同じ状態で変形した場合であれば、第2の炉心溶融物保持装置60Bは、第1の炉心溶融物保持装置60Aよりも炉心溶融物の冷却能力をより高い状態で維持することができる。
[第3の実施形態]
図9,10,11は、本発明の第3の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第3の炉心溶融物保持装置60Cにおける冷却流路27のI−I断面図であり、図9は伸縮式垂直壁41が変形する前、図10は伸縮式垂直壁41が変形中、図11は伸縮式垂直壁41が変形後の状態を示す説明図である。
第3の炉心溶融物保持装置60Cは、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対して、変形抑制部材35を具備しない点と、垂直壁32の代わりに伸縮式垂直壁41を具備する点とで相違する。そこで、本実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対する相違点を中心に説明し、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
第3の炉心溶融物保持装置60Cでは、上面の除熱板21と、側面の伸縮式垂直壁41と、底面の基礎部材31によって取り囲まれた内部の空洞に冷却材24が流動する冷却流路27が形成される。すなわち、第3の炉心溶融物保持装置60Cでは、第1の炉心溶融物保持装置60Aと異なり、変形抑制部材35が設けられておらず、冷却流路27の側壁は、垂直壁32の代わりに、伸縮式垂直壁41で構成される。
伸縮式垂直壁41は、例えば、図9−11に示されるように、蛇腹等の伸縮可能な構成を少なくとも高さ方向の一部に有することによって、略垂直に延在する壁が伸縮可能に構成される。すなわち、伸縮式垂直壁41は、垂直壁32に壁の収縮機能を持たせて、冷却流路27の天井を構成する除熱板21に衝撃荷重が加わった際に当該衝撃荷重を吸収するように構成される。
伸縮式垂直壁41は、例えば、図9−11に示されるように、蛇腹状に構成された伸縮機能を有する略垂直方向に延在する壁であり、除熱板21に荷重が加わっていない定常状態では、蛇腹部分が一番伸びた状態(壁の高さH)で安定している(図9)。また、除熱板21に、床面(下)方向の荷重が一定以上加わると、蛇腹部分が層状に折り畳まれ(図10)、最終的には一番収縮した状態(壁の高さH<H)となる(図11)。なお、収縮後の壁の高さHは、冷却流路27の断面積が、炉心溶融物の冷却を維持可能な最低限度の冷却能力を維持するのに必要な高さ以上となるように設定される。
続いて、このように構成される第3の炉心溶融物保持装置60Cの作用について説明する。
第3の炉心溶融物保持装置60Cは、例えば水蒸気爆発の発生等によって冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生し、除熱板21に、床面(下)方向の荷重が一定以上加わると、伸縮式垂直壁41は高さを低くする方向に変形、すなわち、蛇腹部分の折り畳みを開始し、衝撃荷重を吸収する。その結果、定常状態においてHあった冷却流路27の高さ(伸縮式垂直壁41の高さ)は蛇腹部分が全て折り畳まれてHまで減少するものの完全に潰れて伸縮式垂直壁41の高さが0となることはない。
第3の炉心溶融物保持装置60Cによれば、冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生し、除熱板21に、床面方向の荷重が一定以上加わっても、伸縮式垂直壁41は蛇腹部分が折り畳み可能に構成されているので加わった衝撃荷重を吸収することができる。また、蛇腹部分を構成する全ての曲げ伸ばし箇所が折り畳まれたとしても、炉心溶融物の冷却を維持可能な最低限度の冷却能力を維持する冷却流路27の高さHを維持することができる。
すなわち、第3の炉心溶融物保持装置60Cによれば、冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生し、除熱板21に床面方向の荷重が一定以上加わっても、冷却流路27の断面積の減少を予測範囲内に収め、冷却流路27の閉塞、または、炉心溶融物の冷却性能の損失に繋がるような冷却流路27の過大な変形を防止できる。
なお、第3の炉心溶融物保持装置60Cは、必ずしも、図9−11に示されるものに限定されない。例えば、他の炉心溶融物保持装置60A,60B,60Dの垂直壁32の代わりに、伸縮式垂直壁41を適用した第3の炉心溶融物保持装置60Cを構成することもできる。
[第4の実施形態]
図12は、本発明の第4の実施形態に係る炉心溶融物保持装置の一例である第4の炉心溶融物保持装置60Dにおける冷却流路27のI−I断面図である。
第4の炉心溶融物保持装置60Dは、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対して、変形抑制部材35を具備しない点と、倍力機構43および衝撃吸収機構45を具備する点とで相違する。そこで、本実施形態の説明では、第1の炉心溶融物保持装置60Aに対する相違点を中心に説明し、第1の炉心溶融物保持装置60Aと同様の構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、上面の除熱板21と、側面の垂直壁32と、底面の基礎部材31によって取り囲まれた内部の空洞に冷却材24が流動する冷却流路27が形成される。また、基礎部材31の内部には、垂直壁32から伝達された力を所定倍にして衝撃吸収機構45へ伝達する倍力機構43と、倍力機構43を介して垂直壁32に加わった衝撃荷重を吸収する衝撃吸収機構45とが設けられる。
倍力機構43は、加えられた(入力された)力を予め設定された所定倍の力にして外部へ伝達(出力)する構成要素である。倍力機構43は、例えば、図12に示されるように、二つ等のそれぞれ異なる断面積を有する複数のピストン46,47を連通させ、パスカルの原理を応用した倍力作用を実現する複合ピストン48や、トグル機構51によって構成される。
倍力機構43の一例である複合ピストン48は、二つの径の異なるシリンダを連通して構成したピストンであり、断面積が小さい小断面積側ピストン46と、小断面積側ピストン46よりも断面積の大きい大断面積側ピストン47とを備える。複合ピストン48では、小断面積側ピストン46に加えられた力が大断面積側ピストン47へ伝達される。このとき、大断面積側ピストン47に作用する力は、大断面積側ピストン47の断面積と小断面積側ピストン46の断面積との比で決定する。
第4の炉心溶融物保持装置60Dで適用される複合ピストン48は、大断面積側ピストン47の断面積が小断面積側ピストン46の断面積よりも大きくなるように構成されているので、大断面積側ピストン47に作用する力、すなわち、大断面積側ピストン47が衝撃吸収機構45を押す力は、小断面積側ピストン46に加えられた力よりも大きくなる。
また、倍力機構43の一例であるトグル機構51は、例えば、への字状に構成された二つの節(辺XYと辺YZに相当)を備え、基礎部材31の内部にトグル機構51が変形可能に形成された空間50に設置される。また、このとき、トグル機構51の一端である点Xを支点として固定し、二つの節を連結する連結点である点Yを垂直壁32からの荷重を受ける力点とするとともに点Xとは異なる一端(他端)である点Zを作用点として点Zがスライド可能に配設される。トグル機構51の二つの節は、点Yに荷重が加わり、点Zが最大にスライドすると一直線となり、点X,Y,Zが同一直線上に並ぶ。
このように構成されるトグル機構51では、点X,Y,Zが一直線に近づくほど、力点に加えられる力に対して作用点に作用する力が増大することが知られている。第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、トグル機構51の点Yで垂直壁32からの荷重を受けると、点Yで受けた荷重よりも大きな力が点Zに作用し、点Zに作用する力が衝撃吸収機構45へ伝達される。
衝撃吸収機構45は、倍力機構43を介して垂直壁32に加わった衝撃荷重(動荷重)による衝撃エネルギーを吸収する構成要素であり、例えば、摩擦を利用してエネルギーの消散が図れる構造を用いた摩擦ダンパーや油(液体)を利用した油圧ダンパー(液圧ダンパー)、圧縮空気(気体)の弾力性を利用した空気ダンパー(気体ダンパー)、固体の弾塑性ひずみを利用したばねやゴム等の固体ダンパー、または、それ自身が衝撃エネルギーを吸収する素材で構成された衝撃緩衝体等の衝撃吸収機能を有する構成要素によって構成される。
衝撃吸収機構45は、例えば水蒸気爆発の発生等によって冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生した場合に、受けた衝撃荷重によって、冷却流路27の除熱板21が大きくたわみ、流路圧損が生じるのを回避する観点から設けられる。
冷却流路27の天井を構成する除熱板21は、二辺を支持された長方形板とみなすことができ、除熱板21が受けた衝撃荷重の値が決定すれば、除熱板21の最大たわみ量を決定することができる。除熱板21がたわむことによって、冷却流路27の流路圧損を招き得るが、当該事象を回避するためには、除熱板21の曲げ剛性よりも低い剛性を持つ個所を設ければ良い。
そこで、第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、除熱板21の曲げ剛性よりも低い剛性を持つ個所を有する構成とするため、例えば、垂直壁31の下方等に衝撃吸収機構45を配置して、衝撃荷重を除熱板21よりも剛性が高く設定されている垂直壁32を伝播させて衝撃吸収機構45へ伝えるように構成する。
ここで、除熱板21の高さ方向の変形を効果的に抑制するためには、衝撃吸収機構45が、除熱板21の高さ方向を許容値δまで変形させるのに必要な荷重Fよりも小さい荷重Fで可動するように構成されるのが望ましい。すなわち、F>Fの関係であれば、除熱板21が変形するよりも先に衝撃吸収機構45でのエネルギー吸収が始まる第4の炉心溶融物保持装置60Dを構成することができる。
なお、衝撃吸収機構45は、必ずしも、第4の炉心溶融物保持装置60Dの上面に現れる略円の中心側に位置する流路入口から外周側に位置する流路出口まで連続する構造でなくても良い。例えば、冷却流路27に沿う方向に所望の長さを有する構造体を断続的に複数個備える構成でも良いし、筒状の構造物を所望の間隔で複数個設置しても良い。
続いて、このように構成される第4の炉心溶融物保持装置60Dの作用について説明する。ここで、第4の炉心溶融物保持装置60Dの衝撃吸収機構45は、除熱板21の高さ方向を許容値δまで変形させるのに必要な荷重Fよりも小さい荷重Fで可動するように構成されているものとする。
第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、例えば水蒸気爆発の発生等によって冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生した場合、冷却流路27の除熱板21が衝撃荷重を受ける。このとき、除熱板21へ加わった衝撃荷重は、除熱板21を変形させるよりも先に垂直壁32へ伝達され、垂直壁32から倍力機構43、次いで衝撃吸収機構45へと伝達される。
倍力機構43に入力された力は予め設計で定められた所定倍の力となって出力されて衝撃吸収機構45へ伝達される。このとき、衝撃吸収機構45からは、倍力機構43に対しては倍力機構43から加えられた力と同じ力が反作用として作用する。すなわち、垂直壁32と衝撃吸収機構45との間に倍力機構43を介在させることで、倍力機構43を介在させない場合よりも大きな減衰力を得ることができ、冷却流路27の変形をより効果的に抑制する。
第4の炉心溶融物保持装置60Dによれば、冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生したとしても、冷却流路27の側壁となる垂直壁32に加わる衝撃荷重を衝撃吸収機構45で吸収して、当該衝撃荷重による冷却流路27の変形に伴う断面積の減少を抑制することができる。また、倍力機構43を具備する第4の炉心溶融物保持装置60Dであれば、垂直壁32に加わる衝撃荷重を何倍かにして衝撃吸収機構45へ伝達することができるので、より大きな反作用力(減衰力)を得ることができる。
故に、第4の炉心溶融物保持装置60Dによれば、冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生したとしても、冷却流路27の断面積の減少が抑制され、炉心溶融物の冷却を途切らせることなく継続するために必要となる最低限度となる冷却材供給量、すなわち、最低限度の冷却能力を維持することができる。
なお、第4の炉心溶融物保持装置60Dは、必ずしも、図12に示される第4の炉心溶融物保持装置60Dに限定されない。例えば、図示される倍力機構43のうち、一方が複合ピストン48であり、他方がトグル機構51で構成されているが、両方が複合ピストン48またはトグル機構51等のように同じ構成要素で構成されていても良い。
また、図12に示される第4の炉心溶融物保持装置60Dは、倍力機構43を具備しているが、必ずしも、具備している必要はない。すなわち、倍力機構43は、第4の炉心溶融物保持装置60Dを構成する上で、任意の構成要素であり、必須の構成要素ではない。
倍力機構43は、第4の炉心溶融物保持装置60Dにおいて、より大きな反作用力(減衰力)を衝撃吸収機構45から得るために設けられるものであり、例えば、図4に示される冷却流路27等のように、冷却材の流れ方向に対して、下流にいく程、垂直壁32の間隔が広くなるような流路では、垂直壁32の間隔が広い程、除熱板21の動荷重に対する耐荷重性が低く、より変形しやすくなる。除熱板21の剛性が低くなれば、それに比例して衝撃吸収機構45での減衰力も低くなってしまう。
このような流路の変形を効果的に抑制するためには、垂直壁32からの衝撃荷重を衝撃吸収機構45で直接受けるよりも、垂直壁32と衝撃吸収機構45との間に倍力機構43を介在させることが有効である。垂直壁32と衝撃吸収機構45との間に倍力機構43を介在させることによって、垂直壁32からの荷重をより大きな荷重として衝撃吸収機構45へ伝達することができるので、小さい荷重に対してもより大きな減衰力を得ることができる。
さらに、第4の炉心溶融物保持装置60Dの構成要素の一部を削除したり、付加したりすることによって、他の形態を変形例として構成することもできる。
図13は第4の炉心溶融物保持装置60Dの第1の変形例における冷却流路27のI−I断面図であり、図14は第4の炉心溶融物保持装置60Dの第2の変形例における冷却流路27のI−I断面図である。
第4の炉心溶融物保持装置60Dの変形例の一例としては、例えば、図13に示される第4の炉心溶融物保持装置60Dのように、倍力機構43を削除して、垂直壁32に加えられた荷重を衝撃吸収機構45で直接受けるように構成しても良いし、図14に示される第4の炉心溶融物保持装置60Dのように、垂直壁32に加えられた荷重を吸収する衝撃吸収機構45を、冷却流路27を構成する垂直壁32と垂直壁32との間に設置しても良い。
このような変形例に係る第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、冷却流路27に衝撃荷重が加わる事態が発生したとしても、第4の炉心溶融物保持装置60Dの第1の変形例では、衝撃吸収機構45と接触する垂直壁32が、第4の炉心溶融物保持装置60Dの第2の変形例では、衝撃吸収機構45自体が、除熱板21の曲げ剛性よりも低い剛性を持つ個所となるので、冷却流路27の断面積の減少が抑制され、冷却流路27の流路圧損を回避することができる。すなわち、変形例に係る第4の炉心溶融物保持装置60Dでは、炉心溶融物の冷却を途切らせることなく継続するために必要となる最低限度の冷却能力を維持することができる。
以上、本発明の実施形態に係る炉心溶融物保持装置によれば、例えば、水蒸気爆発が発生する等の冷却流路27を構成する構造物に衝撃荷重が加わる事態が招来したとしても、冷却流路27の断面積の減少を所定範囲内に制限できるので、最低限度の冷却材供給量、すなわち、最低限度の冷却能力を維持することができ、炉心溶融物の冷却を途切らせることなく継続することができる。すなわち、冷却流路27の閉塞、または、炉心溶融物の冷却性能の損失に繋がるような冷却流路27の過大な変形を防止できる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…原子炉格納容器、2…下部ドライウェル、3…ペデスタル床、4…ペデスタル側壁、5…ペデスタル、6…炉心、7…原子炉圧力容器、8…サプレッションプール、9…原子炉圧力容器下部ヘッド、11…冷却材供給配管、12…注入弁、13…水槽、16…格納容器冷却器、17…熱交換器、19…冷却材チャンネル、20…給水容器、21…除熱材、22…耐熱材、23…給水配管、24…冷却材、25…外側ライザー、26…内側ライザー、27…冷却流路、28…炉心溶融物(コリウム)、31…基礎部材、32…垂直壁、35…変形抑制部材、36…凹部空間、37…ばね、38…稼動床、41…伸縮式垂直壁、43…倍力機構、45…衝撃吸収機構、46…小断面積側ピストン、47…大断面積側ピストン、48…複合ピストン、50…空間、51…トグル機構、60(60A,60B,60C,60D)…炉心溶融物保持装置。

Claims (5)

  1. 原子炉格納容器内に収納される原子炉圧力容器の下方に位置し、前記原子炉圧力容器を支える円筒状のペデスタル側壁と、前記原子炉圧力容器の下方に位置ペデスタル床とによって囲まれるペデスタルに形成される炉心溶融保持装置において、
    前記ペデスタルで炉心溶融物を保持する耐熱材の下面に配置され前記耐熱材の熱を除熱する除熱板と、
    前記ペデスタル床の上に配置され、前記ペデスタルの横断面に現れる円の中心側に配置された給水容器から冷却材の供給を受け、供給された冷却材を前記ペデスタル側壁側へ導いて前記除熱板を除熱する冷却流路とを具備し、
    前記冷却流路は、前記ペデスタルの横断面に現れる円を当該円の半径によって複数に分割された流路であり、この分割された各流路は、前記除熱板を上面、前記ペデスタル床面上に配置される基礎部材を底面、前記上面と前記底面との間に設けられ前記除熱板を支持する垂直壁を側面とする前記冷却材の流れ方向に対して垂直な方向の断面が矩形となる流路であって、この流路を構成する二つの垂直壁の間、かつ、底面上に、前記除熱板が変形した際に当該除熱板を支持する変形抑制部材を設置したことを特徴とする炉心溶融物保持装置。
  2. 前記変形抑制部材が配置された底面は、稼動式に構成された稼動床であって、
    この稼動床を構成する床材が前記床材の下部に位置する前記基礎部材に設けた凹部の窪みを塞ぐとともに、前記床材の下面には、前記凹部の底面に一端が固定された弾性体が設置されることを特徴とする請求項1記載の炉心溶融物保持装置。
  3. 前記垂直壁の下方に、動荷重による衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収機構をさらに設置したことを特徴とする請求項1又は2記載の炉心溶融物保持装置。
  4. 前記垂直壁と前記衝撃吸収機構との間に、前記垂直壁から受けた力よりも大きな力で前記衝撃吸収機構へ与える倍力機構を設置したことを特徴とする請求項3記載の炉心溶融物保持装置。
  5. 原子炉格納容器内に収納される原子炉圧力容器の下方に位置し、前記原子炉圧力容器を支える円筒状のペデスタル側壁と、前記原子炉圧力容器の下方に位置ペデスタル床とによって囲まれるペデスタルに形成される炉心溶融保持装置において、
    前記ペデスタルで炉心溶融物を保持する耐熱材の下面に配置され前記耐熱材の熱を除熱する除熱板と、
    前記ペデスタル床の上に配置され、前記ペデスタルの横断面に現れる円の中心側に配置された給水容器から冷却材の供給を受け、供給された冷却材を前記ペデスタル側壁側へ導いて前記除熱板を除熱する冷却流路とを具備し、
    前記冷却流路は、前記ペデスタルの横断面に現れる円を当該円の半径によって複数に分割された流路であり、この分割された各流路は、前記除熱板を上面、前記ペデスタル床面上に配置される基礎部材を底面、前記上面と前記底面との間に設けられ前記除熱板を支持する垂直壁を側面とする前記冷却材の流れ方向に対して垂直な方向の断面が矩形となる流路であって、前記垂直壁の下方に動荷重による衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収機構と、前記衝撃吸収機構と前記垂直壁との間に前記垂直壁から受けた力よりも大きな力で前記衝撃吸収機構へ与える倍力機構と、を設置したことを特徴とする炉心溶融物保持装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016197051A (ja) * 2015-04-03 2016-11-24 株式会社東芝 炉心溶融物保持装置

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