JP2013000760A - 接合座面を有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法 - Google Patents

接合座面を有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】平坦で比較的大きな面積を有する接合用座面を、管の潰し加工によってその管軸方向に一体に有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】金属管1の一部に、管径Dよりも大きな幅Wを有して管軸方向Zに亘って延在する平坦な接合用座面2が、この金属管1の潰し加工によって、一体に形成されており、この接合用座面2には、この座面2に対して凹な溝部3が、この接合用座面2の管軸方向Zの全長に亘って延在するよう、金属管1の潰し加工によって形成されていることである。
【選択図】図1

Description

本発明は、他の部品や他の構造材との接合用で平坦で比較的大きな面積を有する座面(接合用座面)を、管の中空断面形状が変わる変断面部分として、その管軸方向に一体に有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法に関するものである。
中空な閉断面を軸方向に有する金属管(金属中空管とも言う)は、構造用の中空管状部品として剛性および強度が高いことから、車両などの輸送機の各種フレームに用いられることが多い。金属管の中空断面形状(管形状)も円管、角管、扁平管などがその用途に応じて用いられ、鋼管、アルミニウム合金などの様々な金属素材からなるものが実用化されている。このうち、特に、輸送機に用いられる部品のフレームでは、地球環境への配慮から、より軽量化することが求められており、従来から用いられている鋼管部品に対して、近年では比強度の高いアルミ合金材料の適用も進んでいる。
このようなアルミニウ合金中空管からなるフレームでは、鋼板と同様に、冷延板や熱延板などの板材をロール成形して得られる管材から製造されるものと、押出加工により直接管状に製造される押出形材とがある。このうち、管状の押出形材は、板材のような前記溶接を伴わずに、直接、所望の中空閉断面を有するフレーム、あるいはフレーム素材を形成することが可能であり、断面の設計自由度が高いという特徴がある。
ところで前記輸送機に用いられる部品のフレームでは、周知の通り、他の部品や他の構造材と接合されることが多い。このため、他の部品や他の構造材との接合面となる座面(接合用座面)には、全体形状の精度や、平坦度(平坦性、フラットネス)の精度など、接合用座面としての形状精度が要求される。
一方、前記金属管は、前記円管にしろ角管にしろ、管軸方向(長手方向)に同じ円断面あるいは角断面の中空断面形状が連続する、一定な断面を有する。このため、前記輸送機に用いられる部品のフレームとして、金属管に接合用座面を作成する場合、接合面として要求される前記形状精度を出すために、前記金属管を部品のフレームに加工後に、別途加工する(後加工で別途成形する)ことが多い。
これは、前記アルミニウム合金押出中空形材を、前記金属管として用いて、前記輸送機などの部品のフレームとする場合も同様である。前記アルミニウム合金押出形材は、断面形状の自由度が高いことから、あらかじめ接合用の座面にあわせた平坦な形状の面を有する、中空断面形状に押出すことで、前記後加工を施さずに接合座面を形成できる利点がある。
このようなアルミニウム合金押出中空形材は、当然ながら、管軸方向(長手方向)に同じ中空断面形状が連続する、一定な閉断面形状を有する。すなわち、接合用の座面にあわせた平坦な形状の面も管軸方向(長手方向)に連続的に延在する一定断面形状になる。
ただ、実際の前記輸送機に用いられる部品のフレームでは、強度、剛性などの製品性能の最適化や、部品設計上の形状制約から、金属管の管軸方向(長手方向)全体(全長)に亘って、同一位置に接合座面を形成することが難しい。すなわち、実際の輸送機に用いられる部品のフレームでは、多くは、金属管の管軸方向の必要部位にのみ、部分的に(所望部位のみに)接合用座面を形成し、その他の部位は元の中空断面形状として保持することが求められる。
このような場合には、たとえ、アルミニウム合金押出中空形材であっても、前記した他の金属管と同様に、押出中空形材を部品のフレームに加工後に、別途加工(後加工で形成)せざるを得ない。
また、前記輸送機に用いられる部品のフレームが小径管の場合には、平坦な接合用座面を形成しても、その接合用座面の面積は必然的に小さくなる。このため、他の部品や他の構造材との接合を汎用される溶接で行う場合に、溶接強度を確保するために充分な溶接線の長さを確保あるいは設定することが難しい。
これに対しては、例え小径管であっても、溶接線長を長く設定できる、フレームの管径よりも大きな幅を有して管軸方向に亘って長く延在する、比較的大きな面積の平坦な接合用座面を形成する必要がある。ただ、このような大きな面積の平坦な接合用座面を形成することは、前記押出工程でも困難であり、押出中空形材であっても、やはり部品のフレームに加工後に、後加工でプレス加工(プレス成形)を施して接合用座面を形成し、接合用座面の接合平面を広くすることも一般的に行われている。
このような広い面積の接合用座面の形成には、一般的には、図14に断面図で示すような、コストが安いプレス成形が選択されることが多い。この方法は、図14に示す通り、前記アルミニウム合金押出中空形材に代表される金属管1の中空内部に心金5と呼ばれる工具を挿入し、この金属管1の外周側から矢印方向に、パンチ(パンチ金型)7で金属管1を押圧する。これによって、金属管1の軸方向(図14の手前と奥との方向)の一部に(部分的に)、潰し加工すなわち変断面加工(成形加工)を行い、平坦な接合用座面を形成する。
アルミニウム合金押出中空形材(金属管)に対する、このようなプレスによる潰し加工(変断面加工)は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、他部品との干渉回避のために、アルミニウム合金押出中空形材の一部を、プレス加工により、凹部に変断面加工した自動車用インパネ補強材の例が記載されている。
また、アルミニウム合金押出中空形材以外でも、このような金属管の他部品との接合座面をプレス成形で形成する方法は一般的に行われている。例えば、特許文献2には、自動車用シートのシートバックフレームの例であって、円管状フレームの一部に潰し加工を施し、ヘッドレストステーを接合する例が記載されている。また、特許文献3ではドアビーム端部のボルト接合事例が、特許文献4ではT字型継ぎ手への補強板接合事例が記載されている。
ちなみに、特許文献5では、このような金属管の他部品との接合座面ではないが、長方形の中空断面形状を有するアルミニウム合金押出中空形材に、長手方向に延在させた凹状の段差を設けて補強し、曲げ加工時のフランジ壁の座屈によるしわの発生を防止している。但し、この特許文献5では、具体的に記載されている通り、前記凹状の段差や扁平な長方形の中空断面形状を、アルミニウム合金押出中空形材のプレス成形による潰し加工によっては形成してはいない。この特許文献5では、前記凹状の段差や扁平な長方形の中空断面形状を、押出中空形材の断面形状として、当初の押出加工によって予め、その長手方向に亘って均一な断面形状として形成している。
特開2010−52487号公報 特開2004−148942号公報 特開平9−58386号公報 特開平10−192994号公報 特開2004−51066号公報
本発明が対象とする金属管は、他の部品や他の構造材との接合用座面を、管の中空断面形状が変わる変断面部分として、前記図14のような管の潰し加工によって、その管軸方向に一体に有する。
ただ、アルミニウム合金押出中空形材などの金属管の軸方向の一部を、この金属管中空断面の潰し加工(プレス成形)して、広い面積の平坦な接合用座面を形成することはなかなか難しい。このため、接合用座面の前記した全体形状の精度や、平坦度(平坦性、フラットネス)の精度など、接合用座面として要求される形状精度が得られないという大きな問題がある。この問題は、接合用座面の面積がより広く、管径よりも大きな幅で管軸方向に亘って長く延在するほど大きくなる。
この問題は、金属管を潰し加工する場合に、金属管の断面周方向への張力が加わりにくい場合に生じる。金属管の潰し加工中に、金属管の断面周方向への張力が加わりにくいと、図15に、前記図14の方法で成形した管の断面を示すように、成形中の接合用座面に凹凸が発生する。そして、この凹凸がプレス下死点まで成形した後にも残留しやすくなって、図15のような凹凸を有する接合座面となって成形され、前記接合に必要な平坦度などの形状精度が確保できない。ここで、図15(a)は円管の場合、図15(b)は角管の場合を示している。
鋼に比べて弾性率が低いアルミニウム合金管(押出中空形材)では、前記潰し加工(プレス成形)の際のスプリングバック発生量が比較的大きく、金属管の断面周方向への張力がより加わりにくい。このために、接合用座面の平坦度などの形状精度の確保がより難しいという特有の問題がある。
したがって、接合用座面の平坦度などの形状精度を確保する場合、リストライクによる追加の加工も行われる。しかし、潰し加工(プレス成形)後にリストライクしても、やはり管の断面周方向への張力が加わりにくく、形状精度向上効果が小さく、リストライクによる追加加工の意味自体が無い。この傾向は、スプリングバック発生量が大きいアルミニウム合金製の管(押出中空形材)の場合には特に顕著になる。
このように座面の形状精度が確保しにくい場合、ハイドロフォーム(液圧成形)により張力を加えることで形状精度を確保したり、温間成形などの素材金属管の耐力の低い状態で加工することで、スプリングバックを低減し、平坦度を確保する方法も公知である。しかし、これらの加工方法は、液圧や加熱の手段の付加によって、加工コストが高くなるという実用上の問題がある。このため、前記した冷間(室温)での通常のプレス成形により、接合用座面の平坦度などの形状精度が確保できる方法が望まれる。
また、金属管の他の部品や他の構造材との接合部、すなわちフレームの接合部では、フレームとしての強度および剛性を確保するために、その平坦な接合座面においても変形剛性が高いことも望まれている。
以上述べた通り、本発明が対象とする金属管は、例え小径管であっても、他部品との接合強度を充分に確保できる面積や長さあるいは形状を有し、かつ高い平坦度を有する接合座面が要求される。また、更に、この接合座面の変形剛性が高いことも合わせて要求される。そして、そのような接合座面が簡便に形成できる金属管の接合座面の形成方法も求められている。
このような状況に鑑み、本発明の目的は、平坦で比較的大きな面積を有する接合用座面を、管の潰し加工によってその管軸方向に一体に有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明の接合座面を有する金属管の要旨は、管軸方向の一部に平坦な接合用座面が形成された金属管であって、この接合用座面は、この金属管自体の潰し加工によって、管径よりも大きな幅を有して管軸方向に亘って延在するように、この金属管と一体に形成されており、この接合用座面には、この接合用座面に対して凹な溝部がこの接合用座面の管軸方向の全長に亘って延在するよう、前記潰し加工によって形成されていることである。
ここで、前記溝部が前記接合用座面の中央に設けられていることが好ましい。また、前記溝部の最大深さが前記接合用座面の板厚以上、この板厚の3倍以下であることが好ましい。また、前記金属管が5000系、6000系、7000系から選択されるアルミニウム合金製であることが好ましい。
更に、上記目的を達成するための本発明の接合座面を有する金属管の製造方法の要旨は、金属管1の一部に、管径Dよりも大きな幅Wを有して管軸方向Zに亘って延在する平坦な接合用座面2を、この金属管1の潰し加工によって、一体に形成する方法であって、前記接合用座面2の成形面5aを有する心金5を前記金属管1内に設置し、この心金5を設置した金属管1の部分を一方の管外周1a側からダイス6により拘束し、前記心金5に相対向して配置したパンチ7によって他方の管外周1b側から前記金属管を潰し加工するに際して、前記心金5の成形面5aに、管軸方向Zに亘って延在し、この成形面5aに対して凹な溝部10を予め設けるとともに、前記パンチ7の成形面7aに、管軸方向Zに亘って延在し、前記心金5の溝部10に対向する凸な畝部11を予め設け、このパンチの畝部11と前記心金5の溝部10とで、前記潰し加工中の金属管1を挟持して、成形中の接合用座面2に対して凹な溝部3を、この接合用座面2の管軸方向Zの全長に亘って延在するように形成し、前記潰し加工中の金属管1の断面周方向に張力Tを作用させることである。
本発明では、金属管の潰し加工によって接合用座面を一体に形成する際に、この接合用座面に対して凹な溝部を、接合用座面の管軸方向の全長に亘って延在するように、潰し加工によって同時に形成させる点が特徴的である。
本発明では、金属管の潰し加工の際に、この接合用座面に対して凹な溝部を、接合用座面の管軸方向の全長に亘って延在するように形成させ、この凹な溝部形成の際に、金属管の断面周方向への張力を加える。これによって、この凹な溝部を除いて、平坦な接合用座面(接合面、接合平面)の平坦度や全体形状などの形状精度を向上させる。
また、この凹な溝部は、形成時に役立つだけでなく、形成した後にも役立ち、管軸方向への補強リブとして作用させることもでき、接合座面の剛性を向上させる(確保する)という効果も得られる。
本発明金属管の一態様(円管)を示す斜視図である。 図1におけるA−A断面を示す断面図である。 本発明金属管の別の態様(角管)を示す斜視図である。 図3におけるA−A断面を示す断面図である。 本発明金属管の別の態様(円管)を示す斜視図である。 図5の金属管に他の部材を接合した態様を示す斜視図である。 本発明接合座面(円管)の形成方法の一態様を示す断面図である。 図7の次の工程を示す断面図である。 図8の次の工程を示す断面図である。 本発明接合座面(角管)の形成方法の一態様を示す断面図である。 図10の次の工程を示す断面図である。 本発明接合座面(円管)の形成方法の別の態様を示す断面図である。 図12の次の工程を示す断面図である。 従来の金属管(円管)の潰し加工の例を示す断面図である。 図14の方法で成形した従来の接合座面の断面図であり、(a)は円管、(b)は角管の場合を各々示す。
以下に、本発明の実施の形態につき、図面を用いて具体的に説明する。
(金属管)
本発明が対象とする金属管は、図1、3、5などに示す通り、金属製の管1として、中空閉断面をその軸方向に有した長尺の中空管である。ここで金属とは、アルミニウム合金、鋼、銅、チタンなど、管用の材料として汎用されている金属が例示される。
本発明が対象とする金属管は、構造用の中空管状部品として、あるいは車両などの輸送機の各種フレームとして、その用途や仕様に応じて、その中空断面形状(管形状)も、円管、角管、扁平管などの形状が適宜選択、設計される。この管形状や管径も、やはりその用途や仕様に応じて、管の軸方向(長手方向)に亘って均一な中空断面形状や管径、あるいは閉断面であっても、あるいはなくてもよい。例えば、管の軸方向で部分的に断面形状や管径を変える、開断面化させる、あるいは、これらを軸方向に順次変化させても良い。更に、これらの断面形状や管径を変える、開断面化させる変化を、管(管素材)の製造過程で行ってもよく、製造後の管(管素材)の加工(成形、切削)で行っても良い。
本発明が対象とする金属管の素材としては、特に弾性率が低くスプリングバックが大きく、平坦で比較的大きな面積を有する接合用座面を管の潰し加工によって得ることが、他の金属に比して難しい、アルミニウム合金が、本発明の必要性が高い点で好適である。また、このアルミニウム合金としては、比較的強度が高く、前記構造用の中空管状部品や輸送機の各種フレームとして汎用されている、JIS乃至AAの規格で言う、5000系、6000系、7000系から選択されるアルミニウム合金が同じく好適である。これらのアルミニウム合金は、押出中空形材や押出管として、公知の通り、熱間押出加工にて製造され、所望の強度と成形性を得る調質(熱処理)を施して使用する。
この他、鋼としては、公知の軟鋼、ハイテン、ステンレスなどが適宜選択される。また、銅合金としては、公知の熱交(配管)用の汎用合金、チタンとしても公知の汎用合金が適宜選択される。
(円管の座面形成)
図1は、潰し加工によって管の一部に接合用座面を一体に設けた本発明金属管(円管)の一例を示す斜視図である。図2は図1におけるA−A断面を示す断面図である。
なお、本発明で金属管に接合用座面を一体に設けるとは、金属管自身(自体)の軸方向Zの一部を潰して接合用座面とすることであり、接合用座面を別途作成(成形)して、金属管に接合手段を用いて別途接合するような類のものではない。
図1、2で示す通り、金属管1には、その管軸方向Zの一部に、平坦な接合用座面2が、この金属管1の潰し加工によって、管の変断面加工領域4として、図1、2の下方に向かって凹なへこみ部分として、管に一体に形成されている。そして、この接合用座面2には、この座面2に対して(図1、2の下方に向かって凹な)凹な溝部3が、この接合用座面2の管軸方向Zの全長lに亘って延在するよう、前記金属管1の潰し加工によって同時に形成されている。
(接合用座面)
ここで、平坦な接合用座面2は、その高度な平坦度とともに、例え小径管であっても、他部品との溶接線長さなどの、接合強度を充分に確保できる面積や長さあるいは形状を有する必要がある。したがって、特に図2に示すように、元の点線で示す円管1の管径D1よりも大きな幅W1を有し、かつ管軸方向Zに亘って長さl1にて延在している。
この接合用座面2の平坦部の長さl1や幅W1の上限あるいは深さ(元の管表面からの)は、他部材との接合条件や接合強度などの設計条件と、潰し加工の限界を規定する金属管の径と長さ、厚みtあるいは成形性の特性などの管側の条件とによって決まる。
ただ、平坦な接合用座面2は、例え小径管であっても、他部品との溶接線長さなどの、接合強度を充分に確保できる面積や長さあるいは形状を有する必要がある。したがって、特に図2に示すように、元の点線で示す円管1の管径D1よりも大きなを有し、かつ管軸方向Zに亘って長さl1にて延在している。このため、接合用座面2は、管径D1よりも大きな幅の分だけ、その幅方向の外側方(管の径方向)に向かって張り出した接合座面フランジ(フランジ領域)2a、2aを幅方向両端部に各々有しているとも言える。
接合用座面2の管軸方向の両端部には、管の潰し加工による座面の形状精度や平坦度を確保するために、変断面加工の遷移領域として、各々元の円管部に向かって、傾斜角度45度未満の、なだらかに傾斜した、一定長さの斜面(斜面領域)2b、2bが各々設けられている。この斜面(斜面領域)2b、2bの長さl2は、この実施態様では各々同じ長さとしているが、必ずしも同じ長さとする必要は無い(互いに長さが違っていても良い)。
この斜面(斜面領域)2b、2bの長さl2が短すぎる、あるいは前記なだらかな斜面とせずに、傾斜角度が45度を超えるような、直角あるいは直角に近い急峻な立ち上がり面(垂直面、斜面)にすると、素材が管長手方向に大きく延ばされることになり、破断の回避が難しくなる可能性がある。したがって、傾斜角度は45度以下が好ましく、前記斜面2b、2bの長さl2は、このような傾斜角度の選択範囲での目安として、前記平坦な接合用座面2の長さl1以下の範囲で、変断面加工の遷移領域としての必要長さを確保するようにする。
(潰し加工時の凹凸変形)
プレス成形などによって金属管の潰し加工を行う際には、前記図12のように、金属管の外周部(図12では金属管の底部側)の金型と最も早く接触する点(図12では金属管の底部位置)から変形が始まり、前記図13のように、金属管断面の上部側に凹凸などの変形が発生することが多い。この凹凸は曲げ癖となり、プレス下死点で押しつぶし加工されたとしても、スプリングバックにより残留することになる。
このような凹凸の変形が残留すると、他部品と接合時に平坦であるべき、接合用座面の平坦度などの形状精度に悪影響を与える。この平坦度が確保されないと、接合すべき他部品との間に隙間が生じ、接合強度そのものも低下する問題がある。前記した通り、鋼材に比べて弾性率が低いアルミニウム合金では、スプリングバックが大きく、このような凹凸の変形が特に残留しやすい。
このアルミニウム合金特有のスプリングバックを抑制するためには、潰し加工中に、金属管の断面周方向に張力を加えることで、凹凸の変形が生じないような形状凍結を行うことが有効である。
ただ、圧縮加工であるプレス成形による潰し加工では、金属管の断面周方向に張力を加えることは困難である。これに対して、ハイドロフォームなどの液圧成形により、金属管の断面周方向に張力を加えることは可能であるが、加工コストが大幅にアップして実用的ではない致命的な問題がある。また、温間領域の加工(温間成形)などにより素材自体の強度を低減して、成形しやすくすることも可能であるが、液圧成形と同様にコストアップが問題になり、加熱による素材材質(組織や強度などの特性)の変化が問題になる場合もある。
(凹な溝部)
本発明では、金属管1の潰し加工の際に、接合用座面2に対して凹な溝部3を、接合用座面2の管軸方向Zの全長に亘って延在するように、座面形成と同時に形成させる。すなわち、金属管1の潰し加工による座面2の成形と同時に、図の下方に向かって凹な溝部(凹部、へこみ)3を成形する。そして、この凹な溝部3の成形によって、図7〜9で後述する通り、この凹な溝部3形成の際に、金属管1の断面周方向への張力を加える。これによって、前記図13のような潰し加工時の凹凸発生を防止あるいは抑制して、この凹な溝部3を除いて、平坦な接合用座面(接合面、接合平面)の平坦度や全体形状などの形状精度を向上させる。
本発明は、この図の下方に向かって凹な溝部3を設けることによって、圧縮加工であるプレス成形による潰し加工で困難な、金属管の断面周方向に張力を加えることを、従来の潰し加工の工程を大きく変えることなく実現した点が画期的である。また、それだけでなく、この凹な溝部3は、潰し加工時(溝部3形成時)に役立つほか、形成した後の金属管(接合用座面)にも役立ち、管軸方向への補強リブとして作用させることもでき、接合座面の剛性を向上させる(確保する)という効果も得られる。
このような溝部3の効果を発揮させるために、本発明では、図1に示すように、溝部3を平坦な接合用座面2の管軸方向Zの全長l1に亘って延在するように形成している。この実施態様では、溝部3を、平坦な座面領域の管軸方向の長さl1だけでなく、両端側の斜面である遷移領域2b、2b4にも亘って存在させている。
(溝部の設計条件)
この溝部3の設計条件は、接合用座面2の設計条件と、金属管の径と長さ、厚みtあるいは成形性の特性などの管側の条件からくる、前記凹凸変形発生の程度を含めた、接合用座面2の潰し加工による成形の難易度によって当然定まる。以下、この溝部3の設計要素につき順に説明する。
この溝部3は、図1〜4の下方に向かって凹な溝部(凹部、へこみ)であり、要は平坦な接合用座面2表面に対して、延在する管軸方向に亘って均一な断面形状(形状、深さ、幅)でへこんでいるあるいは凹な「へこみ」「溝部」「凹部」である。勿論、延在する管軸方向に亘って均一な断面形状とする必要はなく、延在する長さ方向(位置)で、順次あるいは次第に、または部分的に、形状、深さ、幅を変えてもよい。ただ、この溝部3は後述する潰し加工により成形するため、その形状条件は、この潰し加工の成形限界からも決まる。
この溝部3の断面形状につき、前記張力発生の効果を発揮させるために、図1、3などの本発明実施態様では、全て図の上方に開いた半円状としている。この断面形状は半円状に代えて、矩形断面や不定形の断面形状でも良いが、後述するパンチの畝部とのかみ合いによる、前記張力発生の効果を発揮させるためには半円状が好ましい。
この溝部3の深さは、前記効果を発揮させるために、断面形状に関わらず、この溝部3の深さが最大となる部分の深さ(最大深さ)hが、接合用座面2の部分での板厚t以上、この板厚tの3倍以下であることが好ましい。この板厚tは潰し加工前の板厚(管の肉厚)を基準とする。
接合用座面2の平坦度を確保するためには、溝部3の最大深さhを板厚t以上に設定する必要がある。溝部3の最大深さhが板厚t以下の場合には、潰し加工中に、塑性変形に足る十分なひずみを成形中の管に与えることができず、前記張力発生の効果を発揮させることができない。
一方で、この溝部3の最大深さhを大きく(深く)すると、これに応じて溝部3の最大幅W3を広くしないと、後述する潰し加工中に破断が生じる可能性がある。そして、このように溝部3の幅を広くすると、その分、平坦面が減って、接合面積乃至接合長さ(溶接線長さ等)が短くなり、接合強度が不足する。このため、溝部3の最大深さhは板厚の3倍以下程度にとどめることが好ましい。
このような大きさの溝部3は、前記した通り、管軸方向への補強リブとして作用することで、接合座面の面剛性を高くする効果も有する。この点で、溝部3の最大深さhを大きく(深く)するほど,接合面の剛性は高くなるが、他部材とのフレーム断面の曲げ剛性は低くなる。このため、溝部3の最大深さhは、前記した好適範囲、平坦度確保のための最小の値を選択することが好ましい。
この溝部3の幅は、前記効果を発揮させるために、また、成形中の溝部3の割れを防止する観点から、溝部3の最大深さhとの関係で設計される。この点、断面形状に関わらず、この溝部3の最大幅W3が、接合用座面2の部分での板厚t以上、板厚tの3倍以下であることが好ましい。但し、この範囲の中から、前記した成形中に溝部3が割れない数値を選択すべきである。前記板厚tは潰し加工前の板厚(管の肉厚)を基準とする。
この溝部3の長さは、前記効果を発揮させるために、平坦な接合用座面2の管軸方向Zの全長l1分だけは最低限必要であり、両端側の斜面である遷移領域2b、2bの中で、この溝部3の深さが次第に小さくなっていくように徐々に変化させることが好ましい。ただ、この溝部3の長さlは、厳密な意味で、平坦な接合用座面2の管軸方向Zの全長l1と両端側の斜面である遷移領域2b、2bの長さl2×2との合計長さlに等しくする必要はなく、これより短くなったり、長くなることは、その前記効果を損なわない範囲で許容される。但し、これらの溝部3の形状条件も、前記潰し加工の成形限界からも決まる。
この溝部3を設ける接合用座面2の幅方向の位置や本数は、前記効果を発揮させるために適宜選択される。ただ、溝部3の深さ、幅、長さが前記した適当な範囲内であれば、接合用座面2の幅方向の中央部付近(約1/2Wの位置付近)に1本設けていれば、前記効果を発揮できる。
また、図1、3のように、溝部3を延在する管軸方向に亘って連続させて設ける必要はなく、平坦部を間に有するように、断続的に、同じ延長線上に、あるいは違う平行なライン上に設けても良い。
図5は、この溝部3を、接合用座面2の幅方向の両端部付近に各々1本づつ、合計2本、接合用座面2の幅方向に間隔をあけて平行に設けた態様を示している。この溝部3を複数本設ける場合は、管の軸方向(長手方向)に平行、あるいは厳密に平行でなくても略平行に配置することが好ましい。溝部3を複数本設ける場合に、平行に配置しない場合には、これに対応する心金5の構造、成形面5aの構造が複雑となり、心金5を分割構造にしないと素材の拘束が困難になるなどの新たな問題が生じる。
このように溝部3は複数個所(複数本)設けても良いが、この溝部3はやはり凹凸であって、平坦な接合座面とはならないため、接合座面の接合に必要な面積や必要長さを犠牲(マイナス)にすることにつながる。したがって、接合線長などの接合座面の接合に必要な面積や必要長さを確保するために、溝部3の前記した設計条件は、前記効果を発揮させるための最小限にとどめることが好ましい。
前記した通り、この溝部3の設計条件は前記凹凸変形発生の程度を含めた接合用座面2の潰し加工による成形の難易度によって定まる。この図5は、個々の溝部3の設計条件を図1の場合と同じとすれば、図1の場合よりも、前記凹凸変形発生の程度が大きく、接合用座面2の潰し加工による成形が困難である場合を想定している。また、個々の溝部3の設計条件が、図1の場合よりも小さくあるいは短くしたとすれば、図1の場合よりも、より効果的な配置を想定していると言える。
(接合用座面での他部材との接合)
図6に、前記図5の2本の溝部3を設けた接合用座面2にて、一例として、矩形形状の他の部材(被接合部材)8を、金属管と互いに交差させて接合する態様を示す。今、この図6において、他の部材(部品)8に、曲げ荷重Pが図の上方から下方に向けて負荷される場合を想定する。この場合、接合用座面2における接合強度が、この曲げ荷重に対応する(耐える)ためには、できるだけ互いの部材の接合端部に近い、接合用座面2の幅方向の両端部付近の領域を、溶接部(溶接線)9として、強固に溶接接合することが好ましい。
しかし、この図6の例では、前記図5のように、溝部3が前記溶接部9領域と重複して(重なって)おり、この分の溝部3は凹凸となって、平坦な接合座面とはならないため、接合座面2の接合に必要な面積や必要長さを減じることとなっている。このため、このような互いの部材が交差する、あるいは被接合部材8の端部が接合座面2に来る(乗る)ような接合方式の場合には、高いモーメント耐力を確保するために、溶接が必要な互いの部材の接合端部側に近い領域に、溝部3が存在していないことが好ましい。
したがって、このような接合の場合には、前記図5のような態様よりも、前記図1に示すような中央近傍に凹溝3をひとつだけ設ける接合用座面構造が好ましい。言い換えると、他部品との接合がこの凹溝3を除く平坦面で行われるよう、被接合部材8との接合は、被接合材8の軸方向の両端部で行うことが望ましい。
ここで、接合用座面2に他の接合部材(部品)8を接合する手段は、施工性やコスト、あるいは接合強度の点で、これまでも汎用されている、MIG、TIGなどのアーク溶接を用いる。ただ、設計条件によっては、抵抗、高周波、電子ビーム、プラズマ、レーザ、摩擦攪拌などの他の溶接を、代わりにあるいは組み合わせて用いてもよい。また、リベット(丸リベット、ブラインドリベット、セルフピアシングリベット)、ボルト・ナットなど、汎用される機械的な接合を、前記溶接の代わりにあるいは前記溶接と組み合わせて用いてもよい。更に、接着剤による接合を、これら溶接や機械的な接合の代わりにあるいは組み合わせて用いてもよい。
なお、金属管1がアルミニウム合金製で、他の部材(被接合部材)8が鋼製であるなど、異種金属同士を接合する場合には、互いの電位差による電食(腐食)の発生を防止する必要がある。このためには前記接着剤による接合が好ましいが、その他の接合手段を用いる場合には、両部材の隙間を絶縁被覆することが好ましい。この絶縁被覆は公知の手法が適用可能であり、たとえば鋼材側へ塗膜などの樹脂皮膜を設けて行う。
(角管)
図3は潰し加工によって管の一部に接合用座面を一体に設けた本発明金属管(角管)を示す斜視図である。図4は図3におけるA−A断面を示す断面図である。ここで、図3、4の角管での態様は、前記図1、2の円管に対して、金属管の断面が矩形の角管となっている以外は、前記図1、2の円管の態様と全く同じである。
すなわち、図3は角管(矩形断面形材)1を対象に、プレス加工により潰し加工(変断面加工)を行って接合用座面2を、溝部3とともに形成した構造を示している。溝部3は図1の場合と同様に、平坦な座面2の中央部設けている。
また、本例の場合、平坦な接合用座面2の角管幅方向の両端部は、折り返し曲げ加工部としての接合座面フランジ(フランジ領域)2a、2aを有し、図4に示すように、元の点線で示す角管1の管径D2よりも大きな幅W2の接合用座面2を、管軸方向Zに亘って長さl1にて延在させて設けている。このため、接合用座面2は、管径D1よりも大きな幅の分だけ、その幅方向の外側方(管の径方向)に向かって張り出した接合座面フランジ(フランジ領域)2a、2aを幅方向両端部に各々有しているとも言える。この結果、例え小径管であっても、他部品との溶接線長さなどの、接合強度を充分に確保できる面積や長さあるいは形状を有している。
(接合座面を有する金属管の製造方法)
本発明の接合座面を有する金属管の製造方法を図7〜図11および図12、13を用いて説明する。図7〜9は、前記した金属管(円管)の素材を用いた、図1、2の円管の接合座面2あるいは管の変断面加工領域4の、連続的な(1工程での)形成方法を順に示している。図10、11は前記した金属管(角管)の素材を用いた、図3、4の角管の接合座面の連続的な(1工程での)形成方法を工程順に示している。更に、図12、13は、前記した金属管(円管)の素材を用いた、図1、2の円管の接合座面の形成を別々の工程(2工程)で行う別の態様を工程順に示している。また、これらの図は、前記図2、図4と同様に、図1、図3のA−A断面の断面として示している。
先ず、図7を用いて、この潰し加工(変断面加工)におけるプレス成形用の工具を説明する。5は接合用座面2の平坦な成形面5aをその上面側に有する心金であり、加工される金属管1の内周に沿った半円形の外形を有し、中空空間内に設置される。6は、この心金5を設置した金属管1の部分を、管の下方側である(一方の)管外周1a側から拘束するダイスである。7は、前記心金5に相対向して管の上方側に配置したパンチである。これらの工具は、図1、2の円管の接合座面2あるいは管の変断面加工領域4の必要な形成長さだけ、管軸方向Zに亘って各々延在している。
これらパンチの下方側の成形面7aや、心金5の上方側の平坦な成形面5aは、協働して接合座面を形成すべく、対向して配置されている。そして、これらパンチの下方側の成形面7aや、心金5の上方側の平坦な成形面5aは、前記した最適な設計形状に接合座面2を形成すべく、その形状条件に設計および製作されている。
ここで、接合座面の形成方法としての特徴は、管の上方側である(他方の)管外周1b側から、金属管1を潰し加工するに際して、前記心金5の成形面5aには、管軸方向Zに亘って延在し、この成形面5a表面に対して凹な(図の下方に向かって凹な)溝部10を予め設けていることである。また、同時に、前記パンチ7の成形面7aには、同じく管軸方向に亘って延在し、前記心金5の溝部10に対向する、この成形面7a表面に対して凸な(図の下方に向かって凸な)畝部11を予め設けていることである。
これらの、図の下方に凹な溝部(凹部、へこみ)10と、図の下方に凸な畝部(凸部、凸条、突起)11とは、互いに係合して、金属管1の接合用座面2に前記溝部3を成形して形成するために必須のものである。すなわち、前記した範囲から選択される最適な設計形状に溝部3を形成すべく、その形状条件が設計および設置されている。言い換えると、この溝部3を設計形状通りに成形できる、この溝部3に対応した形状、高さ(深さ)、幅、軸方の長さを有している。
(円管潰し加工)
金属管1の潰し加工は、図7のように、加工前に、金属管(この場合は円管)1の端部から中空空間内に心金5を、接合座面2の形成位置に設置し、この心金5を設置した金属管1の部分を、管の下方側の管外周1a側からダイス6により拘束する。そして、この心金5に相対向して管の上方側にパンチ7を配置させる。
続く図8のように、パンチ7を図の矢印方向である下方向に移動(下降)させて、前記図1に示す金属管1の変断面加工領域4の潰し加工(プレス成形)を開始する。そして、パンチ成形面7aと、これと対応する心金5の成形面5aとの間で、管素材を挟持して、接合座面2の成形(プレス成形)を開始する。
この際、パンチ成形面7aの畝部11(この場合は半円形断面形状)と、これと対応する心金5の溝部5a(この場合は半円形断面形状)との間でも、管素材を挟持することで、接合座面2の形成と同時に溝部3(この場合は半円形断面形状)をも形成する。この溝部3の形成時に、溝部3の周囲から溝部3に材料を引き込むために、潰し加工中の金属管1の断面周方向に、管の両側方から溝部3に向かう、内向きの張力Tが作用する。この結果、金属管1の肉余りを溝部3に吸収することで、最終工程の図9に示すとおり、接合座面2の平坦度を、前記図1、2のように確保することができる。
(角管潰し加工)
図10、11は図3、4の角管の接合座面の形成方法であるが、基本的に、前記した図7〜9の接合座面の形成方法と同様である。ただ、金属管1が角管であるために、ダイス6側に接合フランジ形成用の成形面6aを両側に設けている点が異なっている。
すなわち、図10おいて、潰し加工前に、金属管(この場合は角管)1の端部から中空空間内に心金5を、接合座面2の形成位置に設置し、この心金5を設置した金属管1の部分を、管の下方側の管外周1a側からダイス6より拘束する点は図7と同じである。また、この心金5に相対向して管の上方側にパンチ7を配置させる点も図7と同じである。そして、これらの工具によって、前記図3に示す金属管1の変断面加工領域4の潰し加工(プレス成形)を行う点も同じである。
ただ、この図10の態様では、更に、両方のダイス成形面6aによって、金属角管1を両側より拘束している。これによって、続く図11のように、パンチ7を図の矢印方向である下方向に移動(下降)させて、潰し加工を開始した場合に、心金5の成形面5aだけでなく、前記両方(両側)のダイス成形面6aによっても、角管の変形した幅方向の両端部を折り返し曲げ加工部として、接合座面フランジ(フランジ領域)2a、2aに加工する。これによって、前記図4に示したような、元の点線で示す角管1の管径D2よりも大きな幅W2を有し、かつ管軸方向Zに亘って長さl1にて延在させた接合座面を形成できている。
この際、パンチ成形面7aの畝部11(半円形断面形状)と、これと対応する心金5の溝部5a(半円形断面形状)との間で、管素材を挟持し、接合座面2の形成と同時に溝部3(半円形断面形状)をも形成(プレス成形)する点は前記図8の場合と全く同様である。そして、この溝部3の形成時に、溝部3の周囲から溝部3に材料を引き込むために、潰し加工中の金属管1の断面周方向に、管の両側方から溝部3に向かう、内向きの張力Tが作用し、金属管1の肉余りを溝部3に吸収することで、最終形状である前記図4に示すとおり、接合座面2の平坦度を確保できる点も同じである。
(座面の形状精度向上方法)
更に、図12、13を用いて、図1、2の円管の接合座面の形成方法(接合座面を有する金属管の製造方法)の別の態様を説明する。図12と図13とは、平坦度など、より形状精度良く接合用座面を得るために、これまで説明した図7〜11と違い、連続しない各々別の工程、すなわち2工程で成形している。
図12の成形は、前記した図14の従来の潰し加工と全く同じで、前記成形面5aに凹な溝部10を設けていない従来の心金5と、成形面7aに、同じく凸な畝部11を設けていない従来のパンチ7を用いて、潰し加工における前半の一次加工を開始する。
そして、図13のように、ある程度、金属管1の潰し加工が進んで、凹凸がある接合用座面2が予備形成された時点で、成形面5aに凹な溝部10を予め設けた心金5と、成形面7aに凸な畝部11を予め設けたパンチ7に切り替えて、潰し加工における後半の二次加工を行う。すなわち、成形中の金属管1あるいは接合用座面2から、図12で用いたプレス工具を外して、代わりに、前記図7、8と同じ工具を、同じ要領で成形中の金属管1あるいは接合用座面2に装着して成形する。
この際、図13で用いる(管に挿入する)心金5の径(幅)は、当然ながら、一次加工にせよ成形前の金属管1の径(内径)よりも大きい。したがって、大きな成形面5aをとることができ、この成形面5aは潰し加工後の接合用座面2の広幅W1の全面をカバーできる。これに対して、図8の心金5の径(幅)は、成形前の金属管1に挿入されるので、この成形前の金属管1の径(内径)D1と同じである。このため、この成形面5aは潰し加工後の接合用座面2の広幅W1の全面はカバーできない。したがって、比較すれば、図13のような広幅の心金5を用いる方が、工程数は増すもおのの、図8の場合よりも、より形状精度良く接合用座面を得ることができる利点がある。
本発明によれば、平坦で比較的大きな面積を有する接合用座面を、管の潰し加工によって、その管軸方向に一体に有する金属管および接合座面を有する金属管の製造方法を提供できる。このため、特に弾性率が低く、スプリングバックが大きいアルミニウム合金管の接合用座面形成に好適である。
1:金属管、2:接合用座面、2a:接合用座面フランジ領域、2b:接合用座面斜面領域(変断面加工の遷移領域)、3:溝部、4:変断面加工領域、5:心金、5a:心金成形面、6:ダイス、7:パンチ、7a:パンチ成形面、8:被接合材、9:溶接部、10::心金溝部、11:パンチ畝部

Claims (5)

  1. 管軸方向の一部に平坦な接合用座面が形成された金属管であって、この接合用座面は、この金属管自体の潰し加工によって、管径よりも大きな幅を有して管軸方向に亘って延在するように、この金属管と一体に形成されており、この接合用座面には、この接合用座面に対して凹な溝部がこの接合用座面の管軸方向の全長に亘って延在するよう、前記潰し加工によって形成されていることを特徴とする接合座面を有する金属管。
  2. 前記溝部が前記接合用座面の中央に設けられている請求項1に記載の接合座面を有する金属管。
  3. 前記溝部の最大深さが前記接合用座面の板厚以上、この板厚の3倍以下である請求項1または2に記載の接合座面を有する金属管。
  4. 前記金属管が5000系、6000系、7000系から選択されるアルミニウム合金製である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接合座面を有する金属管。
  5. 金属管1の一部に、管径Dよりも大きな幅Wを有して管軸方向Zに亘って延在する平坦な接合用座面2を、この金属管1の潰し加工によって、一体に形成する方法であって、前記接合用座面2の成形面5aを有する心金5を前記金属管1内に設置し、この心金5を設置した金属管1の部分を一方の管外周1a側からダイス6により拘束し、前記心金5に相対向して配置したパンチ7によって他方の管外周1b側から前記金属管を潰し加工するに際して、前記心金5の成形面5aに、管軸方向Zに亘って延在し、この成形面5aに対して凹な溝部10を予め設けるとともに、前記パンチ7の成形面7aに、管軸方向Zに亘って延在し、前記心金5の溝部10に対向する凸な畝部11を予め設け、このパンチの畝部11と前記心金5の溝部10とで、前記潰し加工中の金属管1を挟持して、成形中の接合用座面2に対して凹な溝部3を、この接合用座面2の管軸方向Zの全長に亘って延在するように形成し、前記潰し加工中の金属管1の断面周方向に張力Tを作用させることを特徴とする接合座面を有する金属管の製造方法。
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