JP2012530047A - 多発性硬化症のための治療 - Google Patents

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Abstract

本発明は多発性硬化症(MS)の治療及び/又は予防に関連する方法である。GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な抗体などの、GM−CSFの拮抗体は、多発性硬化症(MS)の治療及び/又は予防に有用である。
【選択図】なし

Description

[関連出願のクロスリファレンス]
本出願は2009年5月5日に出願された米国仮出願第61/175,471号の利益を主張するものであり、この出願は全体を参照することによって組み込まれている。
本発明は、概して多発性硬化症(MS)の治療、及び/又は、予防の方法に関連している。本発明によれば、GM−CSFの拮抗体は多発性硬化症の治療に有効になりうる。GM−CSFの拮抗体は、GM−CSF又はGM−CSF受容体に特異的な抗体を含むが、これらに限定されるものではない。
播種性硬化症又は播種性脳脊髄炎としても知られている多発性硬化症(MS)は、免疫機構が中枢神経系(CNS)を攻撃する自己免疫疾患である。基本的に、MSはミエリンを損傷することによって、脳及び脊髄の神経細胞が相互にコミュニケーションする能力に影響を及ぼす。ミエリンが失われると軸索は、もはや、効果的に信号を伝導することができない。
MSの4つの主要なサブタイプが説明されている。(Neurology(1996)46;901−911;図1も参照)。再発寛解型MSは、予測不能な再発後に、数カ月から数年続く新たな兆候のない比較的平穏(寛解)な疾患活動により特徴づけられる。二次進行型MSは、当初は再発寛解型MSであり、その後の急性期の間に明確な寛解期間有さず、進行性の神経減少を始める患者により説明される。一次進行サブタイプは、MSの初期症状の後に寛解期を有さない患者により説明される。当該サブタイプは寛解と改善がないか、ほんの時折の軽微な寛解と改善により特徴づけられる。最後に、進行性再発MSは発症からの一定した神経減少だけでなく、明らかな混合型発作を有する患者により説明される。様々なMSの境界例は同様に存在する。
MSの症状は多面的であり、通常は一時的な急性悪化の期間(再発)、徐々に進行する神経機能の損傷、又はその両方の組み合わせで現れる。通常は感覚、視覚、小脳、および運動症状である。MS患者は、感覚の変化(感覚鈍麻や知覚異常)、筋力低下、筋肉のけいれん、移動の困難性を含め、ほとんどすべての神経学的症状や兆候に悩まされる。協調とバランスの問題、発語や嚥下の問題、視覚的な問題、疲労、急性または慢性的な痛み、膀胱と腸の問題などである。幅広い度合いの認知障害や鬱や不安定な気分の情動性症状も一般的である。
MSは一般的には、30代の大人に現れるが、子供にも現れることがあり、その一次進行サブタイプは50代の人間において、より一般的である。様々な自己免疫疾患に関して、一般的には女性が多く、その傾向は高まっていると考えられる。
MSは、恐らく患者自身の神経系と類似した構造を持つ分子へ暴露した結果、免疫系が神経系を攻撃する。MSでは、小脳脳室、脳幹、大脳基底核や脊髄に近い白質領域と視神経を含む病変が最も一般的である。白質細胞の機能は、信号処理が行われる灰白質と体の残りの部分との間で信号を伝達することである。MSは、ニューロンの電気信号の伝達を助けるミエリン鞘として知られる脂質皮膜の形成と維持に関連している細胞であるオリゴデンドリサイトを破壊する。MSはミエリンの菲薄化又は完全な損失をひきおこし、疾病の進行によりニューロンの伸長や軸索を切断(切除)することとなる。再ミエリン化と呼ばれる修復過程が、本疾病の初期におこるが、オリゴデンドリサイトは、細胞のミエリン鞘を完全に再生をすることができない。損傷した軸索の周囲に、繰り返される攻撃により、瘢痕のようなプラークが構築されるまで効果的な再ミエリン化は連続的に低下する。
脱ミエリン化とは別に、本疾病の他の病理学的特徴は炎症である。T細胞はミエリンを異物と認識し、ウィルスが侵入しているかのようにミエリンを攻撃する。これが炎症過程を引き起こし、他の免疫細胞やサイトカインや抗体のような可溶性因子を刺激する。
多発性硬化症の様々な治療は存在するが、治癒は知られていない。急性発作の管理や、疾病の修正やMSの影響を管理するために様々な治療が用いられている。急性発作の管理にコルチコステロイドの静脈接種又は経口投与を行うことは日常的な治療法である。本治療は患者の、短期的な症状の緩和には有効であるが、長期的な回復に関しては十分な効果を有しない。疾患修正治療のための数多くの治療法は、MSの正確な性質とサブタイプに応じて用いられている。再発寛解型MSの治療にはインターフェロン(インターフェロンβ−1a、インターフェロンβ−1b)、酢酸グラチラマー(コパキソン(Copaxone);免疫系の攻撃の標的を、それ自体に置換することによってミエリンタンパク質を保護することができるポリペプチドの混合物)、ミトキサントロン(免疫抑制剤であり癌化学療法でも使用される)とナタリズマブ(チサブリ(Tysabri);ヒト化モノクローナル抗体細胞接着分子α4−インテグリン)を含む。二次進行型MS及び進行型再発MSの治療には、ミトキサントロン、ナタリズマブおよびインターフェロン−β−1b(ベタフェロン)を含む。他の、主な予備的な治療も同様に使用されている。MSは、ある範囲の進行性の障害やハンディキャップなどを引き起こす多様な症状や機能障害に関連している。特殊なケースが必要としているため、MSの効果の管理には数多くの治療が研究され、使用されている。
顆粒球マクロファージ、コロニー刺激因子を含む一部のサイトカインは多発性硬化症に関与していることが知られている(Ponomarevら、;J Immunol(2007)178;39−48;McQualterら、;J Exp Med.(2001)194;873−82)。顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)は、白血球の増殖因子として機能するサイトカインである。GM−CSFは、顆粒球(好中球、好酸球、及び好塩基球)と単球を生成する幹細胞を刺激する。単球は、マクロファージに成熟すると、すぐに循環を終了し、組織に移行する。これは、自然免疫/炎症カスケードの一部であり、これによって少数のマクロファージが活性化することにより、これらの数の増加を急速に引き起こすことができる。感染と戦うための重要なプロセスである。GM−CSFの活性型は、水溶性単量体として細胞外で見られる。とりわけ、GM−CSFは、炎症性サイトカイン、ケモカイン及びプロテアーゼの生産増を引き起こし、最終的に関節の破壊につながる関節リウマチ(RA)のような自己免疫疾患の炎症性メディエーターとして認識されている。
本発明では、GM−CSFの効果を拮抗することが、MSの治療に有効な手段であることを実証する。特に、GM−CSF又はその受容体に対する抗体は、MSの治療の介入する重要なポイントである。したがって、本発明は、例えば対象の多発性硬化症の治療方法を提供するものであり、この方法は有効量のGM−CSF拮抗体を前記対象に投与するステップを具える。
他の態様において、本発明は対象の多発性硬化症を予防する方法を含み、当該方法は有効量のGM−CSF拮抗体を前記対象に投与するステップを具える。
別の態様において、本発明は多発性硬化症におけるGM−CSFの病態生理の役割に拮抗する能力があるGM−CSF拮抗体を含む組成物を対象としており、当該組成物は、更に1又はそれ以上の薬学的に許容可能な担体、及び/又は希釈剤を含む。
別の態様において、本発明は多発性硬化症の治療に有効なGM−CFS拮抗体を含む組成物を対象としており、当該組成物は、更に1又はそれ以上の薬学的に許容可能な担体、及び/又は希釈剤を含む。
本発明の特定の態様は、前記GM−CFS拮抗体がGM−CFS特異抗体である。
本発明の他の態様は、前記GM−CFS拮抗体がGM−CFS受容体の特異抗体である。
他の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療についての薬剤の調整に、GM−CFS拮抗体の使用することを対象としている。
他の態様において、本発明は多発性硬化症の治療にGM−CFS拮抗体を提供する。
この明細書を通して、文脈上必要のある場合を除き、「具える」、「有する」、「含む」及びそれぞれのバリエーションである「具えている」、「有している」、及び「含んでいる」は、規定の要素又は整数、又は要素又は整数の集合を包含するが、他の要素又は整数、又は要素又は整数の集合を排除することではない。
図1は、MSの4つの主要なサブタイプの進行の種類を示している。
図2は、MSのMOG誘発EAEモデルでのGM−CSFの拮抗体の有効性を示している(予防処置)。0乃至15日の累積EAEスコアを示している。A:賦形剤(PBS)で処置した動物;B:10mg/kgのMOR−GMで処置した動物;C:20mg/kgのMOR−GMで処置した動物;D:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物;E:0.5mg/kgのデキサメタゾンを投与した動物;F:50mg/kgのMOR−NOGM(アイソタイプコントロール抗体)で処置した動物;G:14日目に50mg/kgのMOR−GMで最初の処置をした動物;*:P<0.05としてアイソタイプコントロール抗体との比較をした。;$:P<0.05としてPBSの処置との比較をした。
図3の疾病の発症の遅延は、MOR−GMの処置によることを示している。A:賦形剤(PBS)で処置した動物;B:10mg/kgのMOR−GMで処置した動物;C:20mg/kgのMOR−GMで処置した動物;D:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物;E:0.5mg/kgのデキサメタゾンで処置した動物;F:50mg/kgのMOR−NOGM(アイソタイプコントロール抗体)を投与した動物;G:14日目の最初の処置に50mg/kgのMOR−GMで処置した動物(治療的処置)。*:P<0.05としてアイソタイプコントロール抗体との比較をした。$:P<0.10としてPBSの処置との比較をした。
図4は、本発明の化合物での処置後の後脊髄仙骨部における炎症細胞の浸潤を示している。A:50mg/kgのMOR−NOGM(アイソタイプコントロール抗体、予防的処置)で処置した動物;B:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物(予防的処置);C:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物(治療的処置);D:0.5mg/kgのデキサメタゾンで処置した動物(予防的処置);各データポイントは1個体の動物のスコアを示している。#:P<0.10としてアイソタイプコントロール抗体との比較をした。*:P<0.05としてアイソタイプコントロール抗体との比較をした。
図5は、脊髄仙骨部分の脱ミエリン化の程度を示している。A:50mg/kgのMOR−NOGMで処置した動物(アイソタイプコントロール抗体、予防的処置);B:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物(予防的処置);C:50mg/kgのMOR−GMで処置した動物(治療的処置);D:0.5mg/kgのデキサメタゾンで処置した動物(予防的処置)。;各データポイントは1個体の動物のスコアを示している。*:P<0.05として、アイソタイプコントロール抗体との比較をした。
本発明はGM−CSFが、MSの治療のための有効な標的であることを示している。この点において、本発明の一態様では、MSの分野での予防または治療効果をもたらすGM−CSFの拮抗体を使用する方法を提供する。
本発明は、このような治療を必要としている患者にGM−CSF拮抗体を治療上有効量投与するステップを含む治療方法を提供する。本明細書で使用する「治療上有効量」、又は「有効量」とは望ましい生物反応を引き起こすのに必要なGM−CSF拮抗体の量を意味する。本発明によれば、治療上有効量とは多発性硬化症の治療、及び/又は予防に必要なGM−CSF拮抗体の量である。
本明細書で使用する「GM−CSF拮抗体」は、最も幅広い意味でのGM−CSF拮抗体を含む。すなわち、GM−CSFの活性又は機能を阻害するあらゆる分子、又は他の任意の方法によりGM−CSFの治療効果を発揮するあらゆる分子を含む。GM−CSF拮抗体という用語は、GM−CSFに特異的に結合する抗体、GM−CSFに特異的な抑制性核酸、GM−CSFに特異的な有機小分子も含むが、これらに限定されない。GM−CSF拮抗体という用語の意味にはGM−CSF受容体に特異的に結合している抗体、GM−CSF受容体に特異的な抑制性核酸、GM−CSF受容体に特異的な有機小分子も含まれる。GM−CSF拮抗体という用語は、例えばフィブロネクチン骨格(fibronectin scaffolds)、アンキリン(ankyrins)、マキシボディ/アビマー(maxybodies/avimers)、プロテインA(protein A)由来の分子、アンチカリン(anticalins)、アフィリン(affilins)、タンパク質抗原決定基低分子模倣薬(PEMs)又はその他の非抗体骨格分子も指す。
抑制性核酸は、アンチセンスDNA、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、外部ガイドのシーケンス、siRNAやマイクロRNAを含むが、これらに限定されない。有用な抑制性核酸は、コントロールと比較して、GM−CSFをコードするRNAの発現を少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90または95%減少させるものを含む。抑制性核酸およびそれらの製造方法は当該分野でよく知られている。siRNAの設計ソフトウェアが利用可能である。
GM−CSFまたはGM−CSF受容体に特異的な有機小分子(SMOLs)は、化学ライブラリの天然産物経由のスクリーニングや化学ライブラリのスクリーニングを経由して特定される。典型的なSMOLsの分子量は500ダルトン以下であり、より典型的には160乃至480ダルトンである。SMOLsの他の典型的な特性は、下記の1又はそれ以上である。
・分配係数のログPは−0.4乃至+5.6の範囲である。
・分子屈折率は40乃至130である。
・原子の数は20乃至70である。
Ghoseら、(1999)J Combin Chem:1、55−68及びLipinskiら(1997)Adv Drug Del Rev:23、3−25.を参照。
好ましくは、本発明で使用するGM−CSFの拮抗体はGM−CSFまたはGM−CSFの受容体に特異的な抗体である。この抗体は、マウス、ラット、キメラ、ヒト化又はヒト抗体のような任意のタイプである。本明細書で、「ヒト」抗体、又はその機能的ヒト抗体の断片は、キメラでなく(例えば、“ヒト化”ではない)、且つヒト以外の種由来(全体または一部のいずれでも)ではないものとして定義される。ヒト抗体、又はその機能的抗体フラグメントは、ヒト由来でもよく、又は合成ヒト抗体であってもよい。「合成ヒト抗体」は、既知のヒト抗体配列の分析に基づいた合成配列から、全部または一部が、in silico派生の配列を有する抗体として定義される。in silicoでのヒト抗体配列、又はフラグメントのデザインは、例えばそのヒト抗体または抗体断片配列のデータベースを分析し、そしてそこから得られたデータを利用したポリペプチド配列を考案することにより達成することができる。ヒト抗体または、その機能的抗体フラグメントの別の例では、ヒト由来の抗体配列(すなわち、ヒトの自然発生源から採取した抗体に基づいているようなライブラリ)のライブラリから単離された核酸によってコードされている。
本明細書において「ヒト化抗体」又は機能的ヒト化抗体断片は以下の1つより定義される。(i)非ヒト源由来であるが、抗体の配列はヒト生殖系列配列に基づく(例えば、異種免疫系を有するトランスジェニックマウス)、又は
(ii)可変ドメインは非ヒト源に由来し、定常ドメインはヒト源に由来するキメラ、又は(iii)可変ドメインのCDRsが非ヒト源であり、さらに、可変ドメインの1又はそれ以上の骨格がヒト源であり、定常ドメイン(もし存在するならば)のフレームワークがヒト源であるCDR移植。
「キメラ抗体」または機能的なキメラ抗体フラグメントという用語は、本明細書では、ある種で発見された配列に由来する又はこの配列に対応する一定の抗体の領域を有する抗体分子として、及び別の種に由来する可変抗体領域を有する抗体分子として定義される。好ましくは、一定の抗体領域はヒト、例えばヒト生殖細胞系または体細胞にみられる配列由来、又はこの配列に対応する可変抗体領域(例えばVH、VL、CDRまたはFR領域)はヒト以外の動物、例えばマウス、ラット、ウサギやハムスターにみられる配列由来である。
抗体の結合の特異性は絶対的な性質ではなく、相対的であるため、このような抗体がこのような抗原と1又はそれ以上の基準の抗原を判別することができる場合、本明細書で用いられているように抗体が「〜に特異的に結合する」とは、抗原(ここではGM−CSF、あるいは前記GM−CSF受容体)「に/に対して、特異的である」又は抗原「を特異的に認識する」ことである。基準抗原は1又はそれ以上の近縁関係にある抗原であり、例えば、IL3、IL5、IL−4、IL13又はM−CSFといった基準点として使用されている。最も一般的な形態は(及び、基準が定義されていない場合)「特異的結合」とは目的の抗原と無関係の抗原を区別することができる抗体の能力を意味しており、例えば以下の方法により決定される。このような方法はウェスタンブロット、ELISA−、RIA−、ECL−、IRMA−テストおよびペプチドのスキャンを含むが、これらに限定しない。例えば、標準的なELISAアッセイを行うことができる。スコアリングは、標準的な発色、例えば二次抗体と西洋ワサビ過酸化物に、過酸化水素とテトラメチルベンジジンを加えることにより行うことができる。特定のウェル内の反応は、例えば450nmの光学密度によって点数化する。典型的なバックグラウンド(=陰性反応)は、0.1ODである。典型的な陽性反応は1ODである。これは、陽性/陰性の差が10倍以上になることをを意味する。通常は、結合特異性の決定は単一の基準抗原では行わず、粉ミルク、BSA、トランスフェリン等の約3乃至5組の無関係な抗原を用いて行う。更に、「特異的結合」は、その標的抗原の異なる部分、例えば、GM−CSFまたはGM−CSF受容体の異なるドメインまたは領域、またはGM−CSFまたはGM−CSF受容体の1又はそれ以上ののキーアミノ酸残基またはアミノ酸残基のストレッチを区別するような抗体の能力に関連する。
また、本明細書中で使用されるように、“免疫グロブリン”(Ig)とはIgG、IgM、IgE、IgA、またはIgDのクラス(又はこれらの任意のサブクラス)に属するタンパク質として定義され、そして、これらの従来、周知である全ての抗体と機能的断片を含む。本明細書中の抗体/免疫グロブリンの「機能的断片」とは、抗原結合領域を保持する抗体/免疫グロブリンのフラグメント(例えば、IgGの可変領域)として定義される。抗体の「抗原結合領域」は、一般的には、抗体の一又はそれ以上の超可変領域、すなわち、CDR−1、−2、及び/又は−3の領域に存在する、しかし可変的な「フレームワーク」領域も、CDRsの骨格を提供するなど、抗原結合に重要な役割を果たすことができる。好ましくは、「抗原結合領域」は少なくとものアミノ酸残基の4乃至103の軽鎖可変領域(VL)及びアミノ酸残基の5乃至109の重鎖可変領域(VH)を含み、更に好ましくはアミノ酸残基の3乃至107のVL及び4乃至111のVHであり、特に好ましいのは完全なVLとVH鎖である(アミノ酸位置1乃至109のVL及び1乃至113のVHである。番号付けに関しては国際公開公報第97/08320号を参照)。本発明の使用にあたり、好ましい免疫グロブリンのクラスはIgGである。本発明の「機能的断片」は単一の免疫グロブリンの可変ドメインまたは単一ドメイン抗体のポリペプチド、例えば、単一の重鎖可変ドメインまたは単一の軽鎖可変ドメインを具えるF(ab’)フラグメントのドメイン、Fabフラグメント、scFv又はコンストラクトを含む。F(ab’)又はFabはCH1及びCドメイン間に生ずる分子内のジスルフィド結合を最小限に、又は完全に除去するように設計される。
本発明の抗体は、in silicoで設計され、そして合成により作成された核酸によってコード化されたアミノ酸配列に基づいた組み換え抗体ライブラリに由来している。例えば、ヒトの配列に関するデータベースを分析し、そしてそこから得られたデータを利用したポリペプチド配列を考案することによって抗体配列のin silicoデザインをすることができる。in silico作成配列の設計及び取得方法は、例えばKnappikら、J.Mol.Biol.(2000)296:57;Krebsら、J.Immunol.Methods.(2001)254:67、Rotheら、J.Mol.Biol.(2008)376:1182;及びKnappikらにより発行された米国特許第6,300,064号に記載されており、本発明は、これら全体を参照することによってここに組み込まれている。
GM−CSFの任意の特異的な抗体は、本発明で使用することができる。例示的な抗体は配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列、又は配列番号2に示す軽鎖可変領域の配列番号2のアミノ酸配列を具える抗体を含む。他の例示的な抗体は配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列、又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を具える抗体から派生する抗体を含む。更に他の例示的な抗体は配列番号1に示す重鎖可変領域又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸を含む抗体と同じ特異性、及び/又は同じエピトープを含む抗体である。更に他の例示的抗体は、配列番号1に示す配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%相同である重鎖可変領域を具える抗体を含む。更に他の例示的な抗体は、配列番号2に示されている配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%相同である軽鎖可変領域を具える抗体を含む。

Figure 2012530047
Figure 2012530047
本発明に使用できる他の例示的な抗体は、配列番号3に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列又は、配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含む抗体である。他の例示的な抗体は配列番号3に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列、又は配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を具える抗体から派生する抗体を含む。更に他の例示的な抗体は配列番号3に示す重鎖可変領域又は配列番号4に示す軽鎖可変領域のアミノ酸を具える抗体と同じ特異性、及び/又は同じエピトープを含む抗体である。更に、他の例示的抗体は、配列番号3に示す配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%相同である重鎖可変領域を具える抗体を含む。更に、他の例示的な抗体は、配列番号4に示されている配列と少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%相同でる軽鎖可変領域を具える抗体を含む。
Figure 2012530047
本発明で使用できる代替の例示的な抗体は下記から選択されるH−CDR3配列を含む抗体である。
Figure 2012530047
好ましくは、この抗体は配列番号5乃至16のいずれから選択されるH−CDR3配列を含み、更に以下のH−CDR1配列を含む:
Figure 2012530047
本発明で使用できる、他の例示的な抗体は、以下のL−CDR1配列を含む抗体である:
Figure 2012530047
GM−CSF受容体は、ヘマトポエチン受容体スーパーファミリーのメンバーである。それは、αとβサブユニットから構成されるヘテロ2量体である。βサブユニットがIL3及びIL5を含む他のサイトカイン受容体と共有されているのに対し、αサブユニットは、GM−CSFに高度に特異的である。これは、β受容体のサブユニットの、より広範な組織分布に反映されている。このαサブユニットであるGM−CSFRαは、主に骨髄性細胞と、好中球、マクロファージ、好酸球、樹状細胞、内皮細胞、及び呼吸器上皮細胞などの非造血性細胞に発現する。GM−CSFRαの全長は、400アミノ酸のI型サイトカイン受容体ファミリーに属するI型膜貫通型糖タンパク質であり、22アミノ酸のシグナルペプチド(ポジション1乃至22)、298アミノ酸の細胞外ドメイン(ポジション23乃至320)、ポジション321乃至345の膜貫通ドメイン及び短い55アミノ酸の細胞内ドメインから構成される。シグナルペプチドを切断することで、378アミノ酸蛋白質のGM−CSFRαの成熟形態を提供する。ヒト及びマウスGM−CSFRαのcDNAクローンは入手可能であり、そして受容体のサブユニットは蛋白質レベルで36%の相同性を有している。GM−CSFはαサブユニット(Kd1乃至5nm)に比較的低い親和性で単独で結合することができるが、単独のβサブユニットは全く結合しない。しかし、αおよびβサブユニットの両方の存在により、高親和性リガンド−受容体複合体(Kd≫100pM)になる。GM−CSFシグナル伝達はGM−CSFRα鎖への初期結合を介し、より大きなサブユニットである共通のβ鎖と架橋することで強い親和性相互作用が生じ、これによりJAK−STAT経路をリン酸化する。
GM−CSF受容体の任意の特異的な抗体は、本発明で使用することができる。例示的な抗体は、配列番号27乃至45のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を具える抗体を含む。他の例示的な抗体は、配列番号27乃至45のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を含む抗体から派生する抗体を含む。更に、他の例示的な抗体は、配列番号27乃至45のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を含む抗体と同じ特異性を有し、及び/又は前記配列と同じエピトープに結合する抗体を含む。更に、他の例示的な抗体は、H−CDR3の配列に対して少なくとも70%配列、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%の相同性を示す配列番号27乃至45のいずれかに示す抗体を含む。

Figure 2012530047
Figure 2012530047

Figure 2012530047

Figure 2012530047
本発明で使用することができるGM−CSFの特定の別の抗体は、配列番号46乃至56のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を具える抗体を含む。他の例示的な抗体は、配列番号46乃至56のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を具える抗体から派生する抗体を含む。更に、他の例示的な抗体は、配列番号46乃至56のいずれかに示すH−CDR3配列のアミノ酸配列を含む抗体と同じ特異性を有し、及び/又は前記配列と同じエピトープに結合する抗体を含む。更に、他の例示的な抗体は、H−CDR3の配列に対して少なくとも70%配列、少なくとも80%、少なくとも90%または少なくとも95%の相同性を示す配列番号46乃至56のいずれかに示す抗体を含む。

Figure 2012530047
本発明の組成物は、治療的または予防的用途に使用される。従って、本発明は、本明細書記載の抗体(または機能的抗体フラグメント)及び薬学的に許容される担体又はそのための賦形剤を含む医薬組成物を含む。関連する態様において、本発明は、多発性硬化症を治療する方法を提供する。前記方法は、本明細書に記載又は意図する、本明細書記載の抗体を含む有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを具える。
特定の態様において、本発明は、対象における多発性硬化症の治療のための方法を提供し、前記方法はGM−CSF拮抗体を前記対象に投与するステップを具える。この文脈で使用される「対象」は、マウスやラットなどのげっ歯類そしてアカゲザル(Macaca fascicularis)などのカニクイザル(Macaca mulatta)又はヒト(Homo sapiens)などの霊長類等を含む任意の哺乳類を指す。好ましくは、対象は霊長類であり、最も好ましいのはヒトである。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療方法を提供し、この方法はGM−CSF拮抗体を投与するステップを含み、当該GM−CSFの拮抗体はGM−CSFに約100nM以下の親和性でGM−CSFに結合でき、より好ましくは約60nM以下、いっそう好ましくは約30nM以下である。更に好ましくは、約10nM未満の親和性でGM−CSFに結合し、そしてより好ましくは約3nM以下である。
特定の態様において、本発明は多発性硬化症の治療のための方法を提供し、この方法はGM−CSF拮抗体を対象に投与するステップを含み、当該GM−CSF拮抗体はGM−CSFとの結合について抗体と競合し、この抗体の重鎖は配列番号3のアミノ酸配列を含む。代替の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療のための方法を提供し、当該方法がGM−CSFの拮抗体を対象に投与するステップを具え、このGM−CSF拮抗体は抗体によりGM−CSFと結合に関して競合し、このGM−CSFに特異な抗体の軽鎖は配列番号4のアミノ酸配列を含む。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療のための方法を提供し、この方法はGM−CSFの拮抗体を対象に投与するステップを具え、このGM−CSFの拮抗体はGM−CSFに特異的な抗体であり、このGM−CSFに特異的な抗体は、ラット及び/又はアカゲザル(マカク)のGM−CSFと交差反応をする。交差反応は溶解平衡の滴定(SET)、及び/又は、TF1増殖アッセイにより決定する。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症における、GM−CSFの病態生理学的役割に拮抗することのできるGM−CSF拮抗体を含む組成物を提供し、この組成物は更に1又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む。本発明の抗GM−CSF抗体は、多発性硬化症におけるGM−CSFのいずれかの役割を拮抗する。
特定の態様において、本発明は、ミエリン鞘の脱ミエリン化を低下させることができるGM−CSF拮抗体を含む組成物を提供し、この組成物は更に1又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む。
特定の態様において、本発明は、脊髄への炎症細胞の流入を減少させることができるGM−CSF拮抗体を含む組成物を提供し、更に、この組成物は更に1又はそれ以上の薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む。
特定の態様において、本発明は、対象における多発性硬化症の治療または予防する方法を提供し、対象にGM−CSFの拮抗体を有効量投与するステップを具え、この投与が多発性硬化症の発症を遅らせる。
別の態様において、本発明は、多発性硬化症の予防のための方法を提供し、この方法は前記GM−CSFの拮抗体をこの対象に投与するステップを具える。この文脈で使用されている「予防」は疾病の発症を予防または疾病の発症を遅らせることを目的とする方法を意味する。
特定の態様において、本発明は、被験者における多発性硬化症の治療または予防するための方法を提供し、被験者にGM−CSFの拮抗体の有効量を投与するステップを含み、この投与はT細胞の増殖を低下させる。
特定の態様において、本発明は、対象における多発性硬化症の治療または予防するための方法を提供し、この対象にGM−CSFの拮抗体の有効量を投与するステップを含み、この投与がT細胞によるIL17の放出を減少させる。
T細胞増殖、及びIL17の放出を測定し、定量化するためのアッセイは当該分野で知られている。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療に有効なGM−CSFの拮抗体を含む組成物を提供する。この組成物は更に1又はそれ以上の薬学的に許容される担体、及び/又は希釈剤を含む。
他の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療における薬剤の製造におけるGM−CSF拮抗体の使用を提供する。
他の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療のためのGM−CSFの拮抗体を提供する。
特定の態様において、本発明のGM−CSFの拮抗体は皮下に投与される。他の態様において、本発明のGM−CSF拮抗体は脊髄内に投与される。皮下または脊髄内に投与した場合、GM−CSFの拮抗体は多発性硬化症の治療について特定の効果がある。
本発明の組成物は、好ましくは多発性硬化症の治療のためのGM−CSF拮抗体および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物である。このような担体、希釈剤及び賦形剤は当該分野で周知であり、当業者は、本発明のGM−CSF拮抗体で対象を治療する最も適した製剤設計と投与経路を発見するであろう。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症の対象の治療または予防する方法を提供し、この対象にGM−CSFの拮抗体を有効量を投与するステップを具える。特定の態様においてこの対象はヒトである。別の態様においてこの対象がラットやマウスなどの齧歯類である。
特定の態様において、GM−CSFの前記拮抗体は、GM−CSFに特異的な抗体である。特定の態様においては、GM−CSFに特異的なこの抗体可変重鎖は配列番号3のアミノ酸配列を含む。他の特定の態様において、GM−CSFに特異的な抗体の軽鎖可変は配列番号4のアミノ酸配列を含む。
特定の態様において、前記GM−CSFの拮抗体は、GM−CSF受容体に特異的な抗体である。
特定の態様において、GM−CSFの拮抗体の投与はミエリン鞘の脱ミエリン化を低減する。
他の態様において、GM−CSFの拮抗体の投与は、脊髄への炎症細胞の流入を減少させる。
更に他の態様において、GM−CSFの拮抗体の投与はT細胞の増殖を低下させる。
更に他の態様において、GM−CSFの拮抗体の投与はT細胞によるIL17の放出を減少させる。
更にに他の態様において、この投与は多発性硬化症の発症を遅延させる。
特定の態様において、GM−CSFの拮抗体が皮下、又は脊髄内に投与される。
特定の態様において、本発明は、多発性硬化症の治療または予防に使用するGM−CSFの拮抗体を提供する。特定の態様において前記治療または予防はGM−CSFの拮抗体を有効量投与するステップを含む。特定の態様において、この対象がヒトである。別の態様において、この対象はラットやマウスなどの齧歯類である。
特定の態様において、GM−CSFの前記拮抗体が、GM−CSFに特異的な抗体である。特定の態様において、GM−CSFに特異的な抗体の重鎖可変は、配列番号3のアミノ酸配列を含む。特定の態様においてGM−CSFに特異的な抗体の軽鎖可変は、配列番号4のアミノ酸配列を含む。
特定の態様において、GM−CSFの前記拮抗体が、GM−CSF受容体に特異的な抗体である。
特定の態様において、前記GM−CSF拮抗体による治療または予防が、ミエリン鞘の脱ミエリン化を低減する。
他の態様において、このGM−CSFの拮抗体による治療または予防が、脊髄への炎症細胞の流入を減少させる。
他の態様において、このGM−CSF拮抗体による治療または予防は、T細胞の増殖を低下させる。
他の態様において、このGM−CSFの拮抗体による治療または予防は、T細胞によるIL17の放出を減少させる。
他の態様において、このGM−CSF拮抗体による治療または予防は多発性硬化症の発症を遅延させる。
特定の態様において、GM−CSFのこの拮抗体が皮下または脊髄内に投与される。
実施例1:本発明に使用する例示的な抗体及び動物
MOR−GMを、本発明の例示的なGM−CSF拮抗体として使用した。OR−GMは完全なヒトGM−CSF特異的抗体である。(国際公開公報第06/122797号)。
MOR−GMの重鎖可変領域は配列番号3、軽鎖可変領域は配列番号4に示されている。
抗体22E9の抗マウスGM−CSF抗体は他の実験で使用した(AbD Serotec社、マーティンスリート/ドイツ;カタログ番号1023501)。
明らかに、例えば、配列番号1乃至45から選択されるアミノ酸のストレッチ含む任意の抗体である他のGM−CSF拮抗体は、本発明に従って使用することができる。
7又は8週齢の雄ダークアグーチラット(Dark Agouti rats(米国、インディアナ州、インディアナポリス、Harlan Laboratories社))を、21±30℃、40乃至70%の相対湿度と12時間の明/暗サイクルの清潔な標準の条件下でペアで収容し、げっ歯類固形飼料(オランダ、SSNIFF社、Bio−Services社)を自由摂食させた。各動物個体は、尾をマークすることにより特定した。実験開始前に、ラットを4週間の期間飼育した。実験の開始前にラットをランダム化することでグループに割り当てた。開始時の実験ラットは11又は12週齢で200乃至250グラムの重量であった。
実施例2:MOG−誘発EAEモデルにおけるGM−CSFの拮抗体の治療効果。
実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘発するために雄のDAラットに、フロイント不完全アジュバント(IFA)及び10mM NaAc、pH3.0の1:1混合物で乳化した15μgの組換えミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白質(rMOG)を皮内注射により尾の背面の付け根に隣接する2箇所に免疫した。免疫を容易にするために、ラットを酸素と亜酸化窒素の混合物の2乃至4%イソフルランの吸入により麻酔した。
試験組成物MOR−GMの腹腔内投与の効果は、賦形剤(PBS)の治療との比較及び非特異/無関係のアイソタイプコントロール抗体MOR−NOGM(50mg/kg)投与群との比較により測定した。化合物MOR−GMによる予防的治療は3つの用量、すなわち10、20及び50mg/kgで試験を行なった。化合物は7、10、14、17及び21日目に投与した。更に、化合物(50mg/kg)の有効性を、最初の治療を疾病の発症後に開始するレジメンでテストした。このテストでは、前記化合物を14、17及び21日目に投与した。陽性コントロール群は、9日目以降から毎日デキサメタゾンを腹腔内投与したラット(0.5mg/kg)で構成した。
各実験群は12匹で構成した。血液サンプルは、17日目、21日目及び(治療前に)実験のエンドポイントに尾静脈より採取した。各個体のラットの体重は毎日測定した。
・ラットのEAEを、以下の障害スコアリングシステムを使用し毎日評価した。
0:無症状
0.5:尾の麻痺または部分的な麻痺
1:尾の完全な麻痺
2:後肢の脱力または部分的な麻痺
2.5:2であるが、前足の追加を含む
3:後肢及び/又は、下部の完全麻痺
3.5:3であるが、前足の追加を含む
4:EAEによる死
併存疾患に関連するEAEのために安楽死が必要なラットには、安楽死の日に3.5の値を割り振り、そして全体の監視期間中の後続のすべての日に4のスコアを割り振った。
「最大臨床スコア」は実験期間における各ラットの最高EAEスコアを指す。
「累積スコア」は、規定された期間(曲線下面積)の所定のラットについての、すべてのEAEスコアの合計である。累積スコアは、最初の疾病の段階(0乃至15日目)及び再発段階(16日目乃至、実験終了)により、全体の追跡期間を算出した。
「発症の日」とは、累積スコアが少なくとも3に到達し、それが3日間継続した最初の日のことである。
組織学的解析:ホルマリンで固定した組織をパラフィンに包埋し、5μmの組織切片をヘマトキシリン/エオシンで染色して炎症細胞の浸潤を半定量的に類別できるようにするか、ミエリンの染色用のクリューバー・バレラ染によるルクソールファストブルーで染色した。炎症細胞の浸潤や脱ミエリン化の程度は、脊髄仙骨部からとった3つの非連続的切片(100μmに分割)で半定量的に評価した。以下の表で説明するようなスコアリングシステムを用い組織学的類別を行なった。組織学的類別は、盲検で実施した。
脊髄組織への炎症性細胞の浸潤の半定量的な類別のための組織学的スコアリングシステム。
Figure 2012530047
脊髄組織の脱ミエリン化の半定量的な類別のための組織学的スコアリングシステム。
Figure 2012530047
すべての統計解析は、Windows用の統計ソフトウェアプログラムSPSS14(米国、イリノイ州、シカゴ、SPSS社)を用いて行った。発症日、最大EAEスコア、累積スコア及び最大体重減少の複数群比較については、クラスカル・ワオリスの検定を適用し、次に、賦形剤投与群と比較し大幅に異なっている群を決定する事後マン・ホイットニーのU検定を適用した。疾病の進行は、一般的なリニア方式によりテストし、次に治療が著しく異なっている日をANOVA及び事後LSD−テストで決定した。マンテルコックステストを使用したカプラン・マイヤー法を用いて、複数のグループの生残率を比較し、その後の事後分析を行なった。
賦形剤によるコントロール処置(PBS;ネガティブコントロール)
動物を7、10、14、17および21日目にPBSの腹腔内投与により処置した。すべての動物は、EAEに発展した。疾病の最初の兆候は、9日目に現れた。平均発症日は10.1±0.7であった。11乃至13日目に最初の発作ピークを迎え、2回目は約21日目であった。このグループの平均最大EAEスコアは3.5±0.6で0乃至24日目の平均累積EAEスコアは、38.7±9.8であった。疾病の最初の段階(0乃至15日目)における平均累積スコアは11.7±2.7で、再発の段階では26.9±7.6であった。すべての動物は、麻痺の徴候に関連して体重減少を示した。体重減少の平均最大割合は21.1±5.7%であった。
アイソタイプコントロール抗体によるコントロール治療(MOR−NOGM;ネガティブコントロール)
動物は7、10、14、17および21日目にアイソタイプコントロール抗体MOR−NOGMを50mg/kgの用量で処置した。このグループのすべての動物は、EAEに発展した。いずれも賦形剤処置群(PBS)の測定値から統計的な有意差はなかった。平均発症日は9.8±0.8だった。平均最大EAEスコアは3.4±0.7だった。累積EAEスコアは、賦形剤投与群のスコアと同等であった。全実験期間の累積的なEAEスコアは36.7±10.9であった。疾患の第一段階での累積EAEは13.3±3.1であり、再発段階では23.5±8.0であった。最大体重減少は19.6±5.6%であった。動物は、広範な脱ミエリン化と共に脊髄仙骨部における炎症性細胞の明らかな浸潤を示した。
デキサメタゾンによるコントロール処置(ポジティブコントロール)
9日目以降からは毎日0.5mg/kgのデキサメタゾンを動物の腹腔に処置した。12匹のうち、わずか9匹がEAEに発展した。治療は、疾患の重症度に影響を及ぼした。最大EAEスコアは有意に1.7±1.0(p=0.001)に減少した。平均累積EAEスコアは13.1±13.6(p<0.005)に減少した。疾患の第一段階の間に累積スコアは6.0±5.7(p=0.010)、再発の段階で7.1±9.3に減少した(p<0.0005)。EAEの抑制をよそに、デキサメタゾンは体重の損失には影響しなかった。脊髄仙骨部における炎症細胞の浸潤の程度は、アイソタイプコントロール抗体MOR−NOGMを投与したラットに比べて減少した(p=0.003)。同様に、脱ミエリン化の程度は有意に低かった(p=0.002)。
7日目以降のMOR−GMによる処置(予防的処置)
7、10、14、17、20又は21日目に動物にMOR−GMを10、20又は50mg/kgの用量で腹腔に処置した。すべての動物は、EAEに発展した。アイソタイプコントロール抗体(MOR−NOGM)による処置と比較して、50mg/kgのMOR−GMの処置により、疾病の発症日は有意に2日遅れた(疾病発症:11.8±3.0日、p=0.047)。累積EAEスコアが減少にむかう明確な傾向もあった。0乃至24日の累積EAEスコアは27.7±12.3(p=0.094)であった。疾病の初期段階(0乃至15日)の間の累積EAEスコアは8.7±4.9であった。これはアイソタイプ処置コントロール群(p=0.040)に比べて有意に減少した。処置が最大体重の減少に与える影響はなかった。50mg/kgのMOR−GMによる処置により、毎日の平均累積スコア(p=0.022)が減少した。一日単位で評価すると平均累積スコアは11日目から減少した。
結果を図2に示す。MOR−GM(50mg/kg)による予防的処置により0乃至15日の累積EAEスコアは、有意に強い減少を示した。結果は、最初の発作(0乃至15日)に特に顕著であった。
14日目以降のMOR−GMによる処置(治療的処置)
動物は50mg/kgのMOR−GM処置後14日目、すなわちEAEの発症後4日にMOR−GM(腹腔内)による最初の治療を受けた。更なる治療を17日と21日に行った。この治療レジメンは最大EAEスコアまたは累積EAEスコアについて、統計的に有意な効果を示さなかった。しかし、時間とともに累積スコアは、14日目に処置を開始したアイソタイプコントロール抗体の臨床スコアと比較して、やや顕著な増加を示した。最大体重の減少に与える影響はなかった。
50mg/kgの濃度でのMOR−GM投与による予防的治療により、発症が遅延することを図3に示す(P<0.10)。組織学的所見は、図4(炎症)及び5(脱ミエリン化)に示す。結果は、GM−CSF拮抗体により脊髄下部の炎症細胞の流入を減少させることを明らかに示している。GM−CSFの拮抗体はまた、脱ミエリン化を低減することができる。両パラメータについて、組織学的スコア2またはそれ以下のスコアはコントロール処置で観察できず、これはMOR−GMによる治療の有効性を示している。要約すると、この結果は、多発性硬化症の治療におけるGM−CSFの拮抗体の有効性を示している。
実施例3:配列番号3又は4を含むGM−CSFに特異的な抗体の治療効果
例2を繰り返す。GM−CSFの拮抗体として、配列番号1に示されるような重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む、又は配列番号2に示されるような軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSFに特異的な抗体が使用される。マウス以外の種を用いることもでき、特に本実験で使用される抗体に交差反応する動物種を用いることもでき。好ましくは、この実験で使用されている動物はラットである。
アイソタイプコントロール抗体で処置した動物、例えばラットでは、配列番号1に示す重鎖可変領域のアミノ酸配列を含む、又は配列番号2に示す軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含むGM−CSFに特異的な抗体を受けた動物と比較してEAEの有意な増加の兆候を示している。これは、EAE及びMSの治療における抗体の有効性を示している。
実施例4:配列番号5乃至20を含むGM−CSFに特異的な抗体の治療効果
例2を繰り返す。GM−CSFの拮抗体として、配列番号5乃至16から選択される任意のH−CDR3配列を含むGM−CSFに特異的な抗体が使用される。好ましくは、前記抗体は、更に配列番号16のH−CDR1配列、及び/又は配列番号17のH−CDR2配列、及び/又は配列番号18のL−CDR1の配列、及び/又は配列番号19のL−CDR2の配列、及び/又は配列番号20のL−CDR3配列を含む。マウス以外の種、特にこの実験で使用されている抗体は交差反応性である種を用いてもよい。好ましくは、この実験で使用されている動物種はラットである。
アイソタイプコントロール抗体で処置された動物、例えばラットでは、本実施例によれば、GM−CSFに特異的な抗体を受けた動物と比較して、EAEの大幅な増加の兆候を示す。これは、EAEとMSの治療における抗体の有効性を示している。
実施例5: 配列番号21乃至26を含むGM−CSFに特異的な抗体の治療効果
例2を繰り返す。GM−CSFの拮抗体として、配列番号21のL−CDR1配列、及び/又は配列番号22のL−CDR2の配列、及び/又は配列番号23のL−CDR3の配列、及び/又は配列番号24のH−CDR1の配列、及び/又は配列番号25のH−CDR2配列、及び/又は配列番号26のH−CDR3配列を含むGM−CSF特異的抗体が使用される。好ましくは、この抗体は配列番号21乃至26の全てのCDRsを含む。マウス以外の種、特にこの実験で使用されている抗体は交差反応性である種を用いてもよい。好ましくは、この実験で使用されている動物種はラットである。
アイソタイプコントロール抗体で処置された動物、例えばラットは、本実施例によれば、GM−CSFに特異的な抗体を受けた動物と比較して、EAEの大幅な増加の兆候を示している。これは、EAEとMSの治療における抗体の有効性を示している。
実施例6:配列番号46乃至56を構成するGM−CSFに特異的な抗体の治療効果
例2を繰り返す。配列番号46乃至56から選択される任意のH−CDR3配列を含むGM−CSFに特異的な抗体が使用される。本マウス以外の種、特にこの実験で使用されている抗体は交差反応性である種を用いてもよい。
アイソタイプコントロール抗体で処置された動物、例えばアカゲザル又はカニクイザルでは、本実施例によって、GM−CSFに特異的な抗体を受けた動物と比較して、EAEの有意な増加の兆候を示す。これは、EAEとMSの治療における抗体の有効性を示している。
実施例7:GM−CSF受容体に特異的な抗体の治療効果
例2が繰り返されるが、GM−CSF受容体に特異的なモノクローナル抗体をGM−CSFに特異なモノクローナル抗体の代わりに使用している。
配列番号27乃至45から選択される任意のH−CDR3配列を含むGM−CSFに特異的な抗体が使用される。マウス以外の種、特にこの実験で使用されている抗体は交差反応性である種を用いてもよい。好ましくは本実験で使用されている動物種はラットである。
アイソタイプコントロール抗体で処置された動物、例えばラットは、本実施例によるGM−CSF受容体に特異的な抗体を受けた動物と比較して、EAEの大幅な増加の兆候を示している。これは、EAEとMSの治療における抗体の有効性を示している。
実施例8:臨床試験
本発明の化合物の効果は、再発寛解型多発性硬化症に対する臨床試験でテストすることができる。治験対象母集団は、多発性硬化症(RRMS)の再発と寛解型の確定診断を受けた患者(18歳以上55歳以下の年齢、男性と女性の両方)で構成されている。
化合物は、静脈内投与する。目的は、多施設におけるRRMS患者で二重盲検、プラセボコントロール、用量設定試験により、MOR−GMの早期の有効性を評価することである。
患者は異なる治療群に分類される。異なる治療群は、プラセボ、0.75mg、1.5mg又は3.0mgのMOR−GMのいずれかを、最初の2回は2週間ごとに、その後は月に一回、受け取る。
臨床試験は更に、本発明のGM−CSFの拮抗体の有効性を確認している。プラセボによる処置と比較して、MOR−GMによる治療後の多発性硬化症の発症は明らかに遅延した。

Claims (14)

  1. 多発性硬化症の治療又は予防に使用することを特徴とするGM−CSF拮抗体。
  2. 請求項1に記載の拮抗体において、前記治療又は予防が対象に有効量のGM−CSF拮抗体を投与するステップを具えることを特徴とする拮抗体。
  3. 請求項2に記載の拮抗体において、前記対象がヒトであることを特徴とする拮抗体。
  4. 請求項2に記載の拮抗体において、前記対象がラット又はマウスなどの齧歯類であることを特徴とする拮抗体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記拮抗体がGM−CSFに特異的な抗体であることを特徴とする拮抗体。
  6. 請求項5に記載の拮抗体において、GM−CSFに特異的な前記抗体の重鎖可変部が配列番号3のアミノ酸配列を含むことを特徴とする拮抗体。
  7. 請求項5又は6に記載の拮抗体において、GM−CSFに特異的な前記抗体の軽鎖可変部が配列番号4のアミノ酸配列を含むことを特徴とする拮抗体。
  8. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記拮抗体がGM−CSF受容体に特異的な抗体であることを特徴とする拮抗体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記治療又は予防がミエリン鞘の脱ミエリン化を低減させることを特徴とする拮抗体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記治療又は予防が脊髄に炎症細胞の流入を減少させることを特徴とする拮抗体。
  11. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記治療または予防がT細胞の増殖を低減させることを特徴とする拮抗体。
  12. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記治療または予防がT細胞によるIL17の放出を減少させることを特徴とする拮抗体。
  13. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の拮抗体において、前記治療または予防が多発性硬化症の発症を遅延させることを特徴とする拮抗体。
  14. 請求項2乃至13のいずれか1項に記載の拮抗体において、GM−CSFの前記拮抗体が皮下または脊髄内に投与されることを特徴とする拮抗体。
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