JP2012527675A - データセンタシミュレータ - Google Patents

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Abstract

本発明は、データセンタをシミュレートするコンピュータシミュレーションシステムを提供する。シミュレーションシステムは、データセンタの論理表現を用いてシミュレーションを行う。この論理表現には、データセンタ内の装置を表す複数のノードが含まれている。各ノードは、適用負荷に対する入力と、消費電力及び熱出力である損失に対する出力とを有する。各ノードは、また、入力から出力を計算する関数も有する。ノード間の第1接続群は、データセンタ内の1の装置がデータセンタ内の他の装置から引き出した電力を表し、ノード間の第2接続群は、データセンタ内の1の装置がデータセンタ内の他の装置に課す熱負荷を表す。このシミュレータは、一連の異なる動作条件に対して稼働させることができ、それにより、例えば、データセンタ効率をマッピングしたり、異なるIT装置がデータセンタに与える影響を評価することが可能となる。

Description

本発明は、データセンタをシミュレートするための方法及びシステムに関する。本発明の実施形態は、特に、データセンタの構成要素の操作パラメータ、及びデータセンタ全体としての包括的な操作パラメータを決定し、又は予測し、又はそれらいずれをも行うことが可能なシミュレーションに関する。操作パラメータには、例えば、エネルギ消費、効率(例えば、DCIE)、及び運転コストのいずれかが含まれる。
多くの事業者は、エネルギとコストを把握するために、計測機器をデータセンタの細部にわたって設置するが、これでは費用がかかる上に、なぜデータセンタが現在の運用を行うのかを把握することはできない。
既知のツールや「計算機」は、単一のコンポーネントもしくは小さな機能群といった、データセンタのほんの小さな部分を査定するにすぎない。これらのツールは、データセンタの機械・電気プラント、IT機器、管理システム、ソフトウェアによるIT適用作業負荷が代表的な相互依存システムであることを認識しておらず、有効であるとは言えない。既存のツールでは、機械プラント、電気プラント、IT機器、ソフトウェア、ユーザ負荷、及びこれらの各分野における変数の全ドメインに及ぶことはできない。
これらの変数は、制約的機能ドメインと相関関係を示すことが多く、その相関関係によってツールの出力が大幅に低下することもある。例えば、企業のデータセンタでは、夜間屋外が寒い場合、ユーザ作業負荷は低い傾向にある。つまり、効率的な冷却システムは、それが最も効率的な時点でより負荷が少なく、最も効率の悪い時点でより受ける負荷が多くなる可能性が高い。この場合、ディグリー・デー型のコンポーネント分析は、著しく影響を受ける。
各工程における複雑な相互作用や複数の要因が分析誤差を引き起こすため、システムに影響を与える内部及び外部変数の範囲はすぐにマニュアル分析の範囲を越えてしまう。
BCSデータセンタ専門家グループ(DCSG)をはじめとした多くの関係者により、データセンタ市場での低エネルギ選択に対する大きな障害は、有効なエネルギ利用評価手法と、効果的かつ信頼できる形でそれら選択と経済的影響とを関連付ける能力との欠如であることが明らかにされた。このことは、独立した判定者や評価メカニズムが不在のまま、広く「グリーンウォッシュ」と考えられている供給メーカーの環境に関する主張に対する信頼の欠如により悪化している。
本発明の実施形態の目的は、概して、システム全体やそのコンポーネントに影響を与えるさまざまな内部及び外部変数の相互依存を明らかにすることが可能なデータセンタシミュレータを提供することにあり、シミュレーションフレームワークや依存関係を実装することで、このレベルの分析を合理的かつ実践的なものにする構造が提供される。
シミュレーション・フレームワークに含まれる時間依存変数は、例えば、下記を含む。
ユーザ作業負荷
設置された装置の数
装置容量及び容量割り当て
電力コスト
外部環境条件
容量割り当て(利用)レベル
施設の電気負荷
その他消耗品のコスト(例えば、水道コスト、床面積のコスト等)
非時間依存変数は、例えば、下記を含む。
装置効率特性
消費(例えば、電力、水道等)と供給・発生(例えば、動力、熱、冷却等)との関係を定義するその他のルールやパラメータ
本発明のいくつかの実施形態で採用される方法は、ソフトウェアへのユーザ作業負荷から、IT機器、機械・電気システム、そしてユーティリティエネルギ使用までを利用して、データセンタのすべての主なコンポーネントがシミュレートされるシミュレーション環境を作成することである。この環境によって、コヒーレントに、かつ相関関係に応じて適用される効率に影響を与えるさまざまな外部変数が得られる。シミュレータは、設備を表すようにセットアップされると、非常に少ない(場合によってはゼロの)測定データにより処理することが可能であり、その間正確な報告・費用請求が有効に行なわれる。このようにシステムレベルでのデータセンタのモデル化を行うことで、システムの一部における変数の変化(例えば、さらなるIT負荷の追加、冷却ユニットの追設等)がシステムの他のすべてのコンポーネントに与える影響をシミュレートし、理解することが可能となる。これにより、システムに関連するすべてのコストを、データセンタにおけるITリソースの個別の消費者へ正確に割り当てることができる。
この実際のコスト差を各サービス消費者に反映する能力は、モジュラーデータセンタ(例えば、「コンテナ型」データセンタ)、ユーザが選択可能な多数の復元力やサービスレベルを持つデータセンタ等のデータセンタ開発における新しい傾向に関連して、ますます重要なものになってきている。本発明のいくつかの実施形態で行われるエネルギ経路計算やその他の計算された関係によって、例えば、異なる消費者、サービス又はアプリケーション間の詳細で正当なコスト差を判断するのに使用し得るように、コストの割り当てを装置/コンポーネント/特定IT負荷レベルに通知することができる。
いくつかの実施形態では、本ツールの第1出力は、各シナリオの使用中エネルギの分析結果であり、これは、より低いエネルギシナリオのビジネスケース正当化の基礎を得るための各シナリオの基本コストをシミュレーション後分析したものである、第2出力によってサポートされる。あるいは、コスト分析をシミュレーション後分析としてではなく、主要なシミュレーションにおいて行うようにしてもよい。
1つの特徴では、本発明は、機械装置・電気機器及びIT機器と、それらの相互作用と、温度等の外部変数とを備えるデータセンタシステムのシミュレーションに関する。それに対して、既存の方法は、システムの一部又は特定の装置や現象の効果に限定される。また、それらの方法では、それらの結果を挙動に影響を与えるすべての変数の完全なコンテキストで出すことができず、どれがそれらの挙動の影響を受けるのかを判断できないため、有効な解決法を得ることができない。
システムレベルシミュレーションとしては以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
a.時間とともに変化する電力コスト
b.時間とともに変化する炭素強度
c.時間とともに変化する炭素コスト
d.時間とともに変化する外部気候温度及び湿度
e.時間とともに変化する作業負荷
f.作業負荷、構成、状態とともに変化するIT装置消費電力
g.時間とともに変化する電気負荷
h.時間とともに変化する、装置の種類、数、構成、及び仕様
上記シミュレーション方法によって、稼働中の物理的データセンタでは測定が非常に混乱を招くもしくは不可能である設備に関連するキーデータの判断が可能となる。例えば、シミュレーション時間の任意の時点でデータセンタが消費する「固定負荷」又は「長期負荷」消費電力を、外部気候条件、内部の機能的な又はモジュールの配設等の変数の任意の組み合わせに基づき決定することができる。この値を追跡するためにはIT負荷を定期的にオフにする必要があるため、稼働中施設ではこの値の測定ができなかった。これにより、従来の測定・報告方法では実現し得なかった、データセンタ内において、装置、サービス又はアプリケーション毎に、コスト及びエネルギの効果的な割り当てをシミュレータが行うことが可能となる。
1つの特徴では、本発明は、フィードバックループを持つシステムを表現し、操作し、これに出力を返すことが可能なシステムレベルのシミュレーションを可能とする。フィードバックループはデータセンタシステムにおいて発生しうるものであり、例えば、空調ユニットが、該空調ユニットが冷却する領域内に存在する電力ケーブル敷設及び配電設備から電力を受け取ることでフィードバックループが形成される。
1つの特徴では、本発明は、データ収集や入力の許容レベルでシステムを有効にモデル化するため、簡単なデータ入力を考慮するデータセンタの論理的な表現を提案する。この方法として以下のようなものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
a.様々な種類の装置が設けられる汎用ノードを含むデータセンタのレイアウト又は「コンストラクター」
b.上記レイアウトは、データセンタ又はデータセンタ群を表現するための任意の数の接続を有する任意の数のノードから構成されてもよい。
c.グループとして動作する同タイプ・機能の複数の装置を表現する装置ノード。これらのグループは、全定格容量、及び複数の装置を利用することによる復元力又はそのいずれかの表現に利用可能である。
d.装置ノードは、ノード内で装置群の設計又は目的容量を表す特定容量を有していてもよい。
e.ノードは互いに接続されてデータセンタ内での依存関係を示す。相互接続は、通常、消費電力や適用される熱負荷等のエネルギフローや、IT作業負荷等の適用負荷を表す。また、相互接続はさらに、例えば、空気流量、水流量、湿度又は除湿負荷等のその他のフローや負荷を表していてもよい。
f.シミュレーションを補佐するその他の特殊目的ノードを備えてもよい。特殊目的ノードは、データを含んだり、反復を必要とするループの解決法を導く手助けをしたりする。
g.負荷経路の分割/集約や、データセンタにおいてその他のノードの機能に影響を与える又は管理する電気、機械又は制御システムを表す制御ロジックの実施等の論理関数を実行するその他の特殊目的ノードを備えてもよい。
h.照明等のデータセンタのオーバーヘッドの一部を形成する非ITシステムによるエネルギ利用を表すノードを追加してもよい。これらのエネルギオーバーヘッド及びコストは、IT負荷に割り当てられてもよい。
1つの特徴では、本発明は、全コスト/エネルギ使用における固定/変動部分を効果的に認識する、データセンタの資本コスト及びエネルギ(従って、エネルギコスト)を、IT装置等の装置、又は電気負荷やアプリケーション作業負荷等の適用負荷に割り当てる方法を提案する。維持コスト等のデータセンタのコストもまた同様に割り当てられてもよい。ここに提案するシミュレーションの概念を用いて、本発明の方法の実施形態は、オーバーヘッドや他のコンポーネントとの相互作用によって生じるその他の関連するコストを含む、システム内の各装置に割り当てられ利用される容量を効果的に表すことを可能とする。また、本発明の方法の実施形態は、資本コスト、リースパーチェス、維持コスト等を含む、インフラ内の各装置の再発/非再発コストコンポーネントを効果的に表すことを可能とする。設備が占有するデータセンタ内のスペース等、ユーザによって表されるその他のコストを必要に応じて含めてもよい。
1つの特徴では、本発明は、スペース、コスト、エネルギの割り当て方法であって、利用分の割り当てを可能にするためにこれら変数の利用度を組み込んだ方法を提案する。
この方法は、例えば、以下のように実現されてもよい。
a.シミュレーション時間の各時点で占有又は利用される容量分を直接割り当て、その結果内で未割当の容量、コスト、エネルギを見込んでおく。
b.シミュレーション時間の各時点で瞬間的に占有又は利用される容量分を含めて割り当て、すべてのコストを確実に装置又は負荷に割り当てる。
c.ある一定期間にわたって予測される又は得られる占有又は利用容量分を含めて割り当て、この期間の有効コストを反映し、それにより初期構築後に徐々に作成されるデータセンタの有効的なコスト計画又は割り当てを考慮する。
d.データセンタ内での装置や容量のモジュラー配備、引き渡し、又は配設の効果を含む割り当て。
シミュレーションシステムがデータセンタ内の装置を表す複数のノードを含む本発明のいくつかの実施形態において、各ノードはシミュレーションにおいて「ブラック・ボックス」であってもよく、従来の分析的かつ数学的手段により解が得られる連続関数、単調関数又はパラメータ化された関数を表す必要はない。これにより、ノードが、例えば、下記を行うことが可能となる。
a.1つ又は複数の変数による損失又は効率に対するデータポイントの使用。
b.1つ又は複数の変数による損失又は効率に対するパラメータ化関数の使用。
c.高度な関数、例えば、冷却段階化やエコノマイザー制御等、プラントに適用される制御システムのシミュレーションを含む。
d.1つ又は複数の種類の装置を表してもよい。例えば、「冷却」ノードは、1つ又は複数の冷却ポンプと、1つ又は複数の水ポンプと、乾燥冷却ファンとの負荷を含み、その一式の性能を示してもよい。
e.分布又は変換関数を実行してもよい。例えば、ノードは、複数の物理マシンを、実作業負荷がそれらの容量を必要としない場合に節電状態又はオフ状態にすることも含めて、制御ソフトウェアによって駆動される、複数の物理マシンにわたる仮想マシンの作業負荷の動作をシミュレートしてもよい。
シミュレータがデータセンタシステム全体を効果的に表すいくつかの実施形態において、あらゆる問題やシナリオに対する解決法を判断することが可能である。そのようなシミュレータの実施形態では、詳細かつ特別なコンポーネントレベルのシミュレーション要素のさらなる開発のためのフレームワークを提供することが可能であり、それらシミュレーション要素をデータセンタの依存・駆動要素や外部要因の全コンテキストで実施してもよい。例えば、冷却エコノマイザーを、変動するIT作業負荷により駆動される変動熱負荷や、変動する電力コストや、1日や1年周期で時間とともに変動する外部温度及び/又は湿度を考慮して、有効に評価してもよい。
いくつかの実施形態において、シミュレータを用いて複数のデータセンタホール又は複数のデータセンタ、例えば、地理的に離間したデータセンタをモデル化することが可能である。これにより、例えば、ある1つのデータセンタに他と比べて新しいIT負荷を課す効果、又は、1つのデータセンタから別のデータセンタへとIT負荷を移動する効果を判定することが可能となる。
いくつかの実施形態では、さらなる分析・報告システムを構築し得るフレームワーク、又は、シミュレータによるシステムレベルの理解を利用した高度な制御システムを構築し得るフレームワークが提供される。例えば、制御システムは、単純なフィードバックシステムや「調整パラメータ」の代わりに予測や目標探索を行うことで任意の対象の挙動を最適化することができる。
1つの特徴では、相互接続されたノードのコアシミュレーションが、データ提供、反復、分析の一連の外層に覆われている。これにより、複数の内部及び外部変数を、意味のある分析のシミュレーション時間内で一緒に変化させることが可能となる。特定の変数サブセットを、適用電気負荷や外部温度等の分析のため任意の組み合わせでスイープし、両変数の範囲にわたってインフラ効率を報告することができる。例えば、任意の変数又は変数群に対して、相関関係の有無にかかわらず、モンテカルロや目標探索分析を行うことが可能となる。
いくつかの実施形態に係るシミュレータは、例えば、下記の報告を行うことが可能である。
a.下記により得られるデータセンタインフラ効率
i.外部温度及び適用電気負荷
ii.全パラメータを含む時間、外部気候、適用電気負荷、装置のモジュラー配備
b.下記によりインフラにおけるエネルギ損失に基づいて得られる「IT装置に供給されるエネルギのキロワット時当たりのコスト」
i.外部温度及び適用電気負荷
ii.全パラメータを含む時間、外部気候、適用電気負荷、装置のモジュラー配備
c.下記によるエネルギ損失、及び、データセンタ建物、機械・電気プラント設置、維持、稼働にかかるコストに基づいて得られる「IT装置に供給されるエネルギのキロワット時当たりのコスト」
i.外部温度及び適用電気負荷
ii.全パラメータを含む時間、外部気候、適用電気負荷、装置のモジュラー配備
d.全パラメータを含む時間、外部気候、適用電気負荷、装置のモジュラー配備によるインフラ内のエネルギ損失に基づく負荷に対する運転電力コスト
e.全パラメータを含む時間、外部気候、適用電気負荷、装置のモジュラー配備によるエネルギ損失、及び、データセンタ建物、機械・電気プラント設置、維持、稼働にかかるコストに基づく負荷に対するフル稼働運転電力コスト
f.建物へのエネルギ供給時の、システム内のエネルギ損失に基づくレイアウトにおける、全電気負荷、IT装置又は任意のノードの作業負荷エネルギ利用への寄与
g.エネルギ損失、及び、データセンタ建物、機械・電気プラント設置、維持、稼働にかかるコストに基づくレイアウトにおける、電気負荷、IT装置又は任意のノードの作業負荷コストへの寄与
h.下記にかかる1つ又は複数の設備における任意のIT装置、適用作業負荷、又は、1つ又は複数のIT装置に適用されるアプリケーション又はサービスを示す作業負荷群
i.ハードウェア及び設置にかかる資本コスト
ii.維持契約及び人的時間を含むハードウェアの維持コスト
iii.多くの用途を取り入れる選択肢を用いて、モジュラー配備を含む容量の利用部分に基づくデータセンタの機械的及び電気的インフラの資本コストと運用コスト。これは、経時的負荷により、もしくは、平均又は最大負荷により評価されてもよい。
iv.多くの用途を取り入れる選択肢を用いて、モジュラー配備を含む装置又は作業負荷が利用していない容量の部分に基づくデータセンタの機械的及び電気的インフラの一致する未利用の資本コスト及び運用コスト
v.IT装置に供給される電力コスト
vi.IT装置に供給される電力により、データセンタインフラ内の変動損失で失われる電力コスト
vii.多くの用途を取り入れる選択肢を用いて、モジュラー配備を含むデータセンタインフラの固定損失で失われる電力コストに対する、1つ又は複数の装置又は作業負荷の比率
viii.IT装置に供給されるエネルギ及び関連する炭素
ix.IT装置に供給されるエネルギにより、データセンタインフラ内の変動損失で失われるエネルギ及び関連する炭素
x.多くの用途を取り入れる選択肢を用いて、モジュラー配備を含むデータセンタインフラの固定損失で失われるエネルギ及び関連する炭素に対する、1つ又は複数の装置又は作業負荷の比率
xi.インフラ内の任意の装置の全コスト及びエネルギ消費と、データセンタ内でサポートされているIT装置、作業負荷又は電気負荷への経済的コスト及びエネルギコストの割り当て
1つの特徴では、シミュレーションにおけるノードは、単にワット及びコストが送られ評価されるよりもずっと豊富なデータを考慮する拡張可能なデータフォーマットを用いてデータ伝送を行う。このデータには下記のものが含まれる。
a.さまざまなコストの種類
b.任意の数の高調波について装置が消費する同相及び異相電流のマグニチュードベクトルとして送られる電力。これにより以下が可能となる。
i.装置負荷の力率の有効な記述
ii.例えば、容量性負荷対誘導負荷等の高調波成分による完全な又は部分的な相殺を含む複数装置からの負荷の
有効な加算
iii.容量又は性能が適用負荷の力率に影響されるノード
iv.力率補正回路又は変圧器等、適用負荷の力率に影響を与えるノード
c.絶対又は相対湿度、水分質量又は含水率等、ノード間でやり取りする付加的な値。これにより以下が可能となる。
i.装置の加湿/除湿効果の有効な記述
ii.湿度が装置の示す効率、容量、負荷に与える影響、例えば、さまざまな湿度条件下で変動する空調ユニットの顕熱比の有効な記述
iii.さまざまな湿度設定点、範囲、ターゲットの影響の有効な記述
iv.外気交換システムの影響の有効なモデル化
v.断熱加湿システムの利点の有効なモデル化
1つの特徴では、シミュレータは、データセンタ又はその構成要素に対して、「公正な負担の割当」、「真の割当」、上記その他の割当レベルの内の1つ又は複数を含む、さまざまなエネルギ及びコスト割り当てを行うことができる。
公正な負担の割当においては、シミュレータは、データセンタの全エネルギ及びコストの特定負荷、装置、装置群に対する「公正な負担」を表すことができる。ここでは、エネルギの割当と消費、及び、データセンタの利用率が考慮される。このコストは、内部的な請求取消計算の基準として利用されることが多い。
真の割当では、シミュレータは、割当、消費、使用率を考慮して、特定の負荷、装置又は装置群のコストとエネルギ消費を表すことができる。このコストは、装置又は負荷に特有のもので、特定の負荷又は装置によって実際に生じるエネルギ、電力、冷却連鎖要素の損失とコストの実際の負担を表す。これは、内部供給コスト分析に利用されることが多い。
「真」と「公正な負担」のコスト差の例として、同一の電力・冷却容量が与えられた同一の作業負荷条件下におけるデータセンタ内の2つの同一サーバがあり、その内の1つには、電力供給装置が安価ではあるが高いエネルギ損失を有する他方のサーバよりも高価な設備一式を介して電力が供給される。「公正な負担」分析では、電力供給装置とエネルギ損失のコストが、すべてのIT負荷において平均化され、上記2つのサーバは、同じエネルギとコストを得ることとなる。「真の」分析では、一方のサーバは、他方よりも電力供給インフラコストは高いが、エネルギコストは低く、比較コストのより現実的な分析を表している。
いくつかの実施形態に係るシミュレータは、「限界割当」モードで、データセンタ内の付加的な負荷、装置又は装置群の限界エネルギとコストの報告を行うことができる。これには、モジュラーインフラ容量閾値が引き起こされる場合、又はシミュレーションの異なる時点で引き起こされる場合の付加的な装置の資本・運用コストとエネルギが含まれていてもよい。
これらのさまざまな分析モードによって、例えば、サービス価格設定、設備選択と配置、及び/又は、作業負荷の割当とスケジューリングに関する決定をサポートする実質的なビジネス情報が提供される。
本発明の特徴に係る方法とシミュレーションシステムのいくつかの実施形態は、容量分析を行うことが可能である。シミュレータは、各ノードにおいて各装置群の定格容量を把握し、ノード及びそれらの動作メカニズムにおける装置の定格容量も把握することができる。そのため、シミュレータは下記を行うことが可能である。
a.装置又はノードがその定格容量又は定格容量の閾値(例えば90%)を超えて設けられているといった警告及びエラーを発令する。
b.設備に設定されている電気又はIT作業負荷を満足させるために第1の、又は追加的な装置がノード内に設置されるべき時点を自動的に判断する。これにより、コスト分析が、要求された設置のタイミングで追加機器に対して、資本、設備、維持等にかかるコストを適用することができるため、詳細な財務プランを立てることが可能となる。
c.警告と容量設定閾値はいずれも、稼働設備が1つ又は複数の装置又は1つ又は複数のノードの容量に与える影響を考慮することを可能にし、例えば、電気的インフラの要素容量が適用負荷の力率に依存可能なのに対し、冷却システムの容量は内部温度及び外部温度の両方に依存可能である。
実施形態は、さまざまなモードのコスト及びエネルギ分析を利用して意思決定支援に用いることで、実質的なビジネス情報が得られ、実際、監視・資産データベースシステムに接続された場合、必要に応じて、下記に関する決定支援を行うことができる。
a.サービス価格設定
b.設備の選択と配置
c.作業負荷の割当とスケジューリング
また、実施形態は、請求アプリケーションに利用することもできる。シミュレータが可能にする詳細な経済的分析によって、データセンタサービスの請求、並びにさまざまな顧客の挙動及びエネルギ又は炭素コスト等のさまざまな外部要因により生じる、事業者のコストと収益の違いに関する分析を行うための、公正かつ正当な基準を得ることができる。
1つの特徴では、本発明は、分岐ロジックが異なる複数の経路接続を表すことが可能なシミュレータを提供する。このシミュレータは、例えば、下記を表すのに利用される。
a.インフラを介した複数の電力経路を有する装置、例えば、サーバは、UPS保護電源上と、非UPS保護電源上とに1つずつ電力接続を有する。このシミュレータは、上記2つの電源間で電力が分割された場合の供給・消費電力コストを有効に表すことが可能である。
b.インフラを介した複数の冷却経路を有する装置、例えば、サーバのシャーシは、部分的に空気で冷却されていてもよいし、部分的に直接水で冷却されていてもよい。このシミュレータは、熱負荷が分割され、上記2つの冷却経路間で温度差が生じる場合、恐らく、空気が25℃で、流体冷却用の水が50℃の状態において、供給負荷と適用負荷の両方と結果的に生じるコストを有効に表すことが可能である。
以下の添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態及び任意の特徴を以下に示す。
一般的なデータセンタにおける、IT電力供給路及び損失を示す図である。 1MWのIT電気負荷に電力を供給するのに必要なデータセンタの入力電力のIT負荷の変化を示す図である。 IT電力負荷のゼロから全負荷への増加に伴ったデータセンタ効率の変化を示す図である。 モジュール式設備シナリオにおけるIT負荷に対するデータセンタ効率を示す図である。 IT電力負荷と外部温度によるDCIEのプロットを示す図である。 本発明の実施形態におけるシミュレータの範囲と、シミュレータが説明可能なデータセンタの運転パラメータの変動を示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーション環境の個別ノードを概略的に示す図である。 データセンタのシミュレーションにおいて、異なるタイプの複数のノードを互いに接続する方法を示す図である。 データセンタの電力供給連鎖をシミュレートするために接続される装置ノードを示す図であり、電力の伝達を実線で示す。 データセンタの熱連鎖をシミュレートするために接続される装置ノードを示す図であり、熱の流れを二点鎖線で示す。 図9及び図10を組み合わせた場合の、装置ノード、電力供給接続、熱的接続を示す図である。 簡略した単一のデータホールのデータセンタを示す図である。 本発明の実施形態に係るシミュレーションにおいて用いられるIT装置のモデルを示す図である。 サーバ作業負荷、サーバ消費電力(塗りつぶされたブロック)、サーバ効率(実線)の関係を示す図である。 動作コンテキストにおいてIT装置を分析するため、シミュレーションによって分析中のIT装置以外のIT電力負荷を具現化する方法を示す図である。 図15に示すIT装置とIT電力モデルを、図11に示す電力連鎖と熱連鎖とを組み合わせたモデルに統合した様子を示す図である。 IT作業負荷に対して供給されたIT装置の固定及び変動電力のプロットを示す図である。 IT装置の固定及び変動エネルギ配分を可能にするため、図16に示すシミュレーションモデルにさらにノードや接続を追加した状態を示す図である。 完全なエネルギ及びコスト配分を可能にするため、図18に示すシミュレーションモデルにさらにノードや接続を追加した状態を示す図である。 シミュレータの一実施形態に係るソフトウェア構成を示す概略図である。 シミュレータの別の実施形態に係るソフトウェア構成を示す概略図である。 シミュレータのさらに別の実施形態に係るソフトウェア構成を示す概略図である。 2つの比較シナリオにおけるIT装置の全体コスト及びエネルギ利用のプロットを示す図である。 2つの比較シナリオにおけるIT装置の全体コスト及びエネルギ利用のプロットを示す図である。 2つの比較シナリオにおけるIT装置の全体コスト及びエネルギ利用のプロットを示す図である。 上記2つのシナリオにおける全体(データセンタ)コスト及びエネルギ利用の比較プロットを示す図である。
データセンタの概要
以下に例示するデータセンタシミュレータは、少なくとも2つの基本モード、すなわち、データセンタインフラ性能モードとIT装置又はIT作業負荷分析モードで動作する分析ツールである。例えば、費用請求モード、容量予測モード、リアルタイム分析モード等のその他のモードを実施してもよい。
報告と分析
データセンタのためのツールや測定基準は、大きく報告と分析の二つに分類することができる。
報告の方法と測定基準
報告の測定基準には、電力伝達効率の指標である、グリーングリッドDCIE(Data Center Infrastructure Efficiency:データセンタインフラ効率)が含まれる。この測定基準により、データセンタの機械・電力プラントがエネルギを建物供給からIT機器へと伝達する効率が示される。

DCIE=(IT機器電力/全施設電力)

DCIEは、ある一時点もしくはある一定期間にわたって計測することができる。データセンタのDCIE報告によって、計測期間中に特定の組み合わせ条件の下で得られた効率が示される。
分析・診断ツール
上記報告評価方法が効率の潜在的問題を初期の段階で認識するのに有効である一方、解決法の定義もさらに求められる。また、なぜ効率がそのように計測されるかという判断と、効果的な経済・環境改善の評価及びビジネス正当化を行う際の事業者への援助を行うための分析ツールに対する要求も存在する。
データセンタシミュレータは、これらの問題に対する理解と解決策の提供を援助するよう設計された分析ツールである。このシミュレータによって、データセンタ(建物)インフラと、それによりサポートされるITハードウェアとデータセンタインフラがいかに相互作用するかが理解されるようになる。
データセンタ効率
シミュレータツールの第1モードにより、データセンタインフラの効率のモデル化と分析を行うことができ、この段階で得られる出力が、シミュレートされた性能のDCIEレポートとして提供される。
データセンタ効率の概要
上記モードの出力を説明するためには、データセンタの機械的及び電気的インフラの挙動の概要を説明することが必要である。
図1に示すように、通常、ユーティリティ供給装置101からデータセンタへと電力が供給される。この電力は、その後、一連の電力変換・調整・分配装置102を通ってIT機器110へと供給される。これらの各装置にはある程度の効率の悪さが見られ、電力の一部が失われる。データセンタの機械プラント、主に、CRAC(Computer Room Air Conditioner:コンピュータ室エアコン)ユニット103及び冷却設備104も電力を消費する。さらに、他に電力を消費するものとしては、照明、消火装置、発電機予熱器等の補助サービス105がある。
図2に、これらの損失が、電力を1MWのIT電気負荷に供給するのに必要なデータセンタのユーティリティ入力電力に与える影響を簡略化した図を示す。図に示すように、全負荷での全電力需要が、IT電気負荷の約205%である。しかしながら、より重要なことは、データセンタの機械的及び電気的インフラの固定オーバーヘッドである(この問題のより詳細な考察に関しては、BCSの論文「データセンタ効率測定基準」http://www.bcs.org/detacentreenergyを参照)。IT電気負荷がゼロの時点において、このプラントには、ユーティリティから約600kWが供給されることになる。
この固定オーバーヘッドは、データセンタ効率(DCIE)が、データセンタのIT電気負荷に応じて変化することを意味している。図3に示すように、DCIEは、全負荷で0.5足らずなのに対し、全定格負荷の20%では、固定と変動で電力消費比率が変化するため、0.23まで低下する。
このデータセンタ効率の負荷に対する変動が意味することは、それらのDCIE測定値はデータセンタを比較し変化の影響を評価するのに十分な情報を与えてはくれないことから、それらの報告値を用いてデータセンタの分析や比較を有効に行うことはできないということである。
IT機器がデータセンタにおいて設置・交換されると、また、さらに最新のIT機器を用いてIT適用作業負荷が変動すると、電気負荷や結果的に得られるデータセンタの効率は時間とともに変化する。仮想化、グリッド、MAID(Massive Array of Idle Disks、使用していないハードディスクを停止させるRAIDシステム)といった技術は、装置が必要とされない場合にそのアイドリング、スリープ、停止を可能にする能力により、データセンタに導入された場合、IT電気負荷を大きく変動させることが可能である。
データセンタ効率とモジュール式設備
複雑なDCIE変動の一例として、より最新型のモジュラーデータセンタがある。本例では、データセンタの機械・電気プラントは段階的に展開される。1MW全能力までの定格IT電気負荷の200kW(200kWのIT電気負荷ステップ、電力システム及び冷却システムにおけるその他の装置からの損失により、実際の増加は多くの装置でより大きくなり、CRACユニットでは200kW、変圧器ではそれ以上となる。)ステップにおけるPDU(Power Distribution Unit:配電ユニット、ラック状のテーブルタップではなく、独立大型ユニット)、UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)、CRAC、及び冷却システム。図4に示すように、いま一群のDCIE曲線が得られている。モジュール式設備によって、設備の利用度が低い設備稼働の初期段階において大幅な効率改善が図られ、同時に、初期資本コストの低減と柔軟性の向上が図られる。データセンタの固定オーバーヘッドは、機械・電気機器の数量を軽減し、それにより損失を低減することにより、より低い定格容量へと低減される。IT機器が電気負荷に大きな変動を見せ得る設備においては、この固定モジュール式を用いた手法はさほど有用ではない。
データセンタ効率と外部温度
データセンタ効率に影響を与える他の主な要因として、外部温度がある。データセンタの冷却システムの効率は、それらがエネルギを熱として放出しようとする外部の温度に影響される。
図5に示すように、データセンタ効率は、外部温度によって大きく変動する。データセンタのコスト・エネルギ効率特性を効果的に理解するため、また、機械・電気システム又はITシステムの変化の影響を予測するためには、IT電気負荷と外部温度の両方に伴う効率の変動を理解する必要がある。
データセンタシミュレーション
データセンタシミュレータは、データセンタのコスト・エネルギ性能に影響を与えるありとあらゆる要因を網羅するフレームワークツールとして設計されてきた。
シミュレータの範囲
データセンタは、幅広い技術分野、専門技術、頻度の高い組織上の任務を対象とした複雑な環境である。これにより、近年のデータセンタのエネルギやコスト問題に対処するためのさまざまなコンポーネント計算機や分野特有のツールが開発されてきた。このシミュレータは、IT装置に課されるIT作業負荷から、電気・機械システム、エネルギ供給及び外部環境にわたる範囲を扱うものである。
システムレベルシミュレーションの必要性
上述したように、データセンタのプラント効率は、データセンタの分析又は比較に用いるために測定可能な定数ではない。IT機器によってインフラに課される電気負荷は、インフラ効率に影響を与える。また、データセンタの効率は、時間帯及び季節に伴い変化する外部温度や湿度によっても影響される。多くのレガシーIT機器が負荷に関わらず全出力に近づき、データセンタに設置されると、機械的・電気的観点から、高価な抵抗器にすぎないと見なされる可能性もあるが、近年のIT機器はIT適用作業負荷と消費電力との間にさらに強い関連性を示すよう設計されている。IT電気負荷を駆動するIT作業負荷と外部温度はいずれも時間帯によって変動するため、IT作業負荷によるIT電気負荷の変化を同時に考慮せずに外部温度だけを用いてデータセンタの効率を有効に評価することはできない。リアルグリッドコンピューティング技術につながるモバイル仮想計算機の開発と実現によって、この問題はより意義深いものとなる。
このような相互依存の存在が、すべての外部変数やシステムとしてのデータセンタ全体を考慮せずして、データセンタの分析又はデータセンタの一部分の変化の影響を予測することを困難なものとしている。このように多様に関連した外部要因によって、データセンタ設計の性能や既存設備の変化の影響を分析することが急速に困難になってきている。
図6に示すように、ここで示す完全なシステムシミュレータは、各範囲の変化を把握し、各コンポーネントのシミュレーションモデルが全システムの一部として動作可能なオペレーティング・フレームワークを、それらの直接的な依存関係のみを考慮して提供する。ユーザは、電力コスト又は時間毎のIT作業負荷コスト等の外部変数、及び印加負荷によるUPS等の装置性能を特定することができ、シミュレータは変数や依存関係に基づき動作する。
シミュレーション方法
シミュレータの基本的な方法は、個別の装置を表すノード群を用いてデータセンタを表すものを作成する。そしてこれを単一系列の入力値群とその工程で結果得られたデータに対して評価する。その後、シミュレータは、必要に応じて外部変数に対し与えられたデータを適用しながら、要求されたシミュレーション出力を得るのに必要な工程を繰り返し行う。
つまり、データセンタシステムの各要素が、個別ノードとして表されている。各ノードは、その要素をシミュレーションするためのロジックを含んでいる。また、各ノードには、シミュレータにより、装置性能データと外部変数が与えられる。ノードは、シミュレータにおいて、規定のインターフェースにより互いに接続されている。
電力(電気エネルギ)と熱負荷は、いずれもエネルギシミュレータにおいて示されている。これらの負荷は、電気的な「力率」を構成する周波数の高調波の位相等の複雑な構造を表すため、単純な数値の列挙や構造化された値の配列の形態を取ってもよい。
シミュレータは、各ノードを「ブラック・ボックス」として扱うので、簡略化された連続関数に限定されず、複雑な制御システムのシミュレーションを含むそれ以下の複雑な連続しない装置挙動を含むことが可能である。
シミュレータは、従来の分析を困難にしていたフィードバック・ループをインフラ内で表現可能である。例えば、空調ユニットは、該空調ユニットが冷却する領域に位置する装置から電力供給を受ける場合がある。この空調ユニットが電力を受ける領域の熱負荷を処理するとき、これにより、電力供給装置にさらなる損失が生じ、空調ユニットが対処しなくてはならない熱損失が増大するとともに、電力消費等も増大する。
これらの手法により、装置特有の機能的表現に対して完全な環境及びコンテキストを与えることで、装置特有のシミュレーション要素の作成が大幅に簡略化される。
図7に、シミュレーション環境の個別ノード710を概略的に示す。
一般的に、各ノード710は、モデル構造内の他のノードに対して、少なくとも3つの基本的な接続を有する。
1)電気負荷、熱負荷、適用作業負荷又はその他の適用負荷720
2)適用負荷720を処理する際に生じる損失730
3)適用負荷720の処理から生じる消費負荷740
しかし、より一般的には、ノードは任意の数の接続を有していてもよい。例えば、熱交換器ノードは、2つの出力、正常に伝達された熱負荷と、その残りとしての「バイパス」負荷とを有してもよい。
各ノードは、そのシミュレーションを行うのに必要とする外部データへのアクセスも有する。外部データはシミュレーションフレームワーク750により供給される。こうして、時間等のシミュレーション変数の1つとともに変化するデータを確保する。また、例えば、外部温度や湿度等の実際に測定されたデータも確保可能である。
例えば、電気インフラ要素を表すノードは、接続された装置によって消費された電力を示す適用負荷を有し、該ノードはその後ノードモデル及び供給パラメータにより定義される負荷に依存するあるレベルの損失を被ることになる。これらの損失は、損失インタフェースに与えられ、熱損失として集められて空調ノードへと運ばれる。電気ノードでは、通常、損失と適用負荷とを合わせて消費負荷が得られる。外部データには、電気ノードにおける装置容量、必要性能データ、例えば、冷却プラントのための外部気候条件等の従属変数データが含まれることもある。
データセンタシミュレータにて用いられるノードは、基本的に下記5つの種類に分類される。
a.「電気ノード」810は、データセンタの電気的(電力供給)インフラの要素を表すのに用いられる。
b.「熱ノード」820は、データセンタの機械的(熱除去)インフラの要素を表すのに用いられる。
c.「負荷ノード」830は、装置に負荷を与えるのに用いられ、インフラに与えられる電気・熱負荷に加えて、IT装置に与えられる作業負荷も含まれる。
d.「特別ノード」840は、電力源あるいはデータセンタの熱放射に対するシンクの役割を果たす。例としては、データセンタノード(電力源となり得る)及び環境ノード(熱放射に対するシンクとなり得る)が挙げられる。
e.「論理ノード」850は、より高度な負荷の変換、管理又は連結機能の実施に関与し、例えば、データセンタ内で制御システムをシミュレートするのに用いられる。論理ノードの一例として、一連の負荷を順番に並べ、統一機能(場合により、算術的合計)を適用し、連結された負荷を別のノードへと送る集計ノードがある。他の例としては、異なる量又は割合の負荷を他の複数のノードに振り分けるスプリッタノードも挙げられる。
図8では、これらさまざまな種類のノードがデータセンタシミュレータにおいてどのように互いに接続されているかを示す。
装置ノード
シミュレーションの基本的な要素は、装置ノードである。各ノードは、1つ又は複数の種類の装置、例えば、無停電電源装置を表す。このノードは、その装置に対する性能データを与えるための入力及び適用負荷、また装置ノードが冷却プラントの外部温度等の挙動を判断するのに必要とする他の外部要因を有する。
さらに、装置ノードは少なくとも2つの出力(すべてが接続されている必要はないが)、負荷、損失、一般的には消費電力、そして熱出力を有する。ノードは、時間又はそのノードに直接影響を与えない他の要因には関知せず、シミュレーションのその工程に対して適用されるパラメータがすべて正しいものであることを保証する責任を担うのはシミュレータである。
表される基本的な装置の種類としては下記が挙げられる。
Figure 2012527675
電力連鎖
ノードはシミュレータ内で互いに接続され、データセンタ内でエネルギ経路を作る。第1エネルギ経路は、データセンタの電気プラントによって形成される電力供給連鎖である。この一例を図9に示す。
この簡略化された例では、まず、負荷をデータセンタに与えるシミュレータが使用するIT電気負荷ノード910から始まる。この負荷源はPDUノード920に電気的に接続されている。PDUノードは、電力供給を要する損失を表すデータ群を有し、PDUノードは、これらの損失をIT電気負荷ノード910の消費電力に付加し、この負荷をUPS930に送る。そして、UPS930は、変圧器940やデータセンタの電気システムの全直接エネルギ使用950に到達するまで、その損失等を合算する。
熱連鎖
データセンタのインフラにおける第2の主なエネルギ経路は、機械プラントが形成する熱連鎖である。この一例を図10に示す。
この同様に簡略化された例においても、データセンタ内において熱負荷を処理する。データセンタの冷却された領域内の熱損失を示す電気連鎖からの各ノードが含まれる。IT電気負荷が全入力電力を熱として効果的に「失う」一方、電気的インフラは熱としてのノード損失を拒否するだけである。これらの熱負荷は合算されて、データセンタの冷却された領域からの熱を除去するCRACユニットに与えられる。CRACノード1010は、一定の熱適用負荷を処理するのに消費された電力を表す損失関数を有し、これはDX又はハイブリッドシステムではコンプレッサ又はポンプ電力であってもよいが、ファンモータ電力であることが多い。なお、CRACユニットのさらに高度なモデルは、作業温度及び湿度における顕熱冷却と潜熱冷却との分離と再加湿の電気負荷による除湿損失を表していてもよく、必要であれば必要空気流量からモータ負荷を決定してもよい。この損失は、熱負荷に付加され、冷却プラント1020に与えられる。冷却プラントノードは、外部温度1030と熱適用負荷の両方を用いて、そのエネルギ消費を判定する。
連鎖の接続と反復
シミュレーションのためのノードモデル作成の最終工程は、図11に示す電気連鎖と熱連鎖を接続することである。
基本的な連鎖に加えて、機械プラントのCRAC及び冷却プラントノードが消費する電力を、電気プラント(接続1110で示す)のノードにも与える。ここで重要な点は、ノードがフィードバックループに対応しているという点である。例えば、CRACユニット1010は、CRACユニット1010が消費する電力によりUPS930への負荷が増大するといったループを形成するUPS電力供給装置から電力を供給されてもよく、それにより、その損失やCRACユニット1010に印加される熱負荷が増大する。その結果、それらの消費電力及びUPSへの負荷等も増大することとなる。このようなループが生じる場合、シミュレータは、負荷が安定し、システムの作業結果が得られるまで単純に反復を行う。
シミュレーション工程
データセンタの電気・機械連鎖が接続されると、データセンタ効率のシミュレーションを実行することが可能となる。この出力は、IT電気負荷と外部温度に対するDCIEの表面プロットである。
このために、シミュレータフレームワークは、接続されたノードのコアシミュレーションを立ち上げ、性能データ値をそれらのノードへとロードし、第1温度とIT電気負荷ポイントを入力として設定する。これにより、第1出力効率データポイントが得られ、保持される。その後、IT電気負荷を、定格IT電気負荷の0%から最大100%まで、段階的に(例えば、5%ずつ)増加させる。こうして、図3に示すのと同様の単一温度に対する効率対負荷曲線が得られる。
次に、シミュレータフレームワークは、要求された段階幅(例えば5℃)で温度を上昇させ、0%から100%まで負荷スイープを繰り返し、この温度に対して得られた効率を格納する。シミュレーションの上限温度に達するまで温度を上昇させ、IT電気負荷と外部温度によるフルグリッドのDCIEを完成させ、電気負荷5%、5℃ずつで計算された図5に示す表面プロットが作成される。
レイアウト論理表現
シミュレータは、データセンタの機械的及び電気的インフラの論理表現であるレイアウトを利用する。これらの簡略化されたレイアウトにより、複雑性を大幅に低減させながらデータセンタ性能の効果的な近似を行うことが可能となる。シミュレータコアは、非常に多数のノードをシミュレートすることが可能であるが、これによる精度向上は限定的であり、シミュレーションが優れてデータセンタ特有のものとなってしまう。
単純な単一データホールのデータセンタを図12に示す。これは、IT装置用のUPS保護電力とCRACユニットをデータフロアに備えただけの単純なデータセンタである。このデータセンタでは主要冷却プラントによって冷却される他の領域は存在しない。
複数の装置及び回復力
上記論理表現レイアウトでは、各装置に対してノードが1つだけ備えられている。これは、例えば、図12に示すレイアウトにおいて装置が1つしかないことを示しているわけではなく、複数のUPSが存在するが、それらの配置方法はそれらを論理的に単一のノードとして表現することを可能とすることが期待されている。
ノードを構成する際、個別装置のパラメータ、一般的には、定格容量と負荷損失データが与えられる。これらには、シミュレータが回復力レベルを含む動作モードを理解することを可能にする情報が追加される。図12に示すUPSノードを例にとると、次のようなデータが得られる。
・UPS装置はそれぞれ定格が300kWに設定される。
・回復力N+1に対し3つのUPSが存在し、定格容量600kWが得られる。
(300kW*(3−1)=600kW)
・+1UPSが能動負荷共有モードにあるので、各UPSは適用電気負荷の1/3を受け取る。
表2に、このノードにおけるUPS容量の論理表現の例を3つ示す。シミュレータは、データセンタの信頼性や保全性を評価するツールではないが、上記ノードで装置群の設計及び設定容量を判断するための回復力手法を通知されることもある。
Figure 2012527675
ステージ化と容量
シミュレータは、単一のノードにおける複数装置の作動方法を制御するためにユーザが定義した一連のルールを実施する。それらのルールには、例えば、稼働中/稼働中又は稼働中/待機等の回復力モード、負荷分配方法、均一シェア、段階化等が含まれる。それらにより、作動中の装置の数や、それらの負荷ポイントを、それらの設置、管理、又は制御システムを代表するような方法で、動的に管理することが可能となる。
モジュール式設備
建物の稼働寿命を通じて、IT、電気又は機械容量のモジュラー配置、除去、移動、又は交換をシミュレートすることを可能とするシミュレータにおいて、データセンタ内の装置の数、有無又は容量、及びデータセンタの全容量は時間とともに変化する。
固定エネルギオーバーヘッド
シミュレータは、外部環境条件、構成、データセンタインフラの配置状態、動作管理を考慮して、任意の時点でデータセンタの固定エネルギ消費オーバーヘッドを決定することができる。
これは、サービスを実質的に中断しない限り稼働設備においては不可能である。固定オーバーヘッドは、原因分析又は予測能力を提供しないエネルギデータの回帰分析によってのみ近似することができる(http://www.bcs.org/upload/pdf/data-centre-energy.pdfで入手可能なBCS出版の白書、Liam Newcombeによる「Data centre energy efficiency metrics (データセンタエネルギ効率メトリックス)」を参照)。
ITシミュレーション概要
データセンタシミュレータの第2モードは、ITシミュレーションを実行することである。データセンタシナリオが作成されると、シミュレータは、IT装置をデータセンタに投入し、それらの装置を特定の期間にわたって特定のIT作業負荷状態で操作することのエネルギ及びコストへの影響をシミュレートすることができる。このシミュレーションの出力は、IT装置とデータセンタのエネルギ消費及び資本・運転コストを示す一連のエネルギ・コストデータである。
DCIE等のインフラレベル報告メトリックスを構築し、IT機器又はデータセンタシステムの全体「効率」を示す水平メトリックスを作成することを目的とした作業流れが多数存在するが、これは本シミュレータが取る手法ではない。データセンタインフラレベルと同じように、データセンタ全体に関する報告を行うメトリックスでは、変化影響評価又はビジネスケース生成をサポートする分析能力は提供されず、有用かつ信頼できるチャージバックメカニズムをサポートすることができない。
方法の決定的な違いは、本シミュレータは、データセンタにおけるエネルギ使用及びIT装置コストに影響を与えるすべての変数を取り上げて、IT機器及びデータセンタスタックを介して垂直的な視点を与え、検査中のエネルギ使用及びIT装置コストの割当を行うことが可能である。
ITシミュレーションの概要
IT装置のシミュレーションは、概念的には簡単である。つまり、シミュレータは、アプリケーション作業負荷1320をシミュレーション中の1又は複数のIT装置を表すノード1310に課す。このノード1310は、図13に示すように、シミュレーション中の該1又は複数のIT装置の電力消費機能に対する1又は複数のアプリケーション負荷を有し、1又は複数の適用作業負荷を消費電力1330及び熱出力1340へと変換する。
この消費電力及び熱出力は、その後、シミュレートされたデータセンタインフラに課され、データセンタにて1又は複数のIT装置に対し適用作業負荷を供給した際の実際のエネルギ使用及びコストを決定する。
電力及び効率に対するIT装置作業負荷
ここで重要な点は、IT装置は作業負荷に対して一定の電力効率を示すことはめったにないということである。データセンタインフラのように、電力消費によるIT作業負荷の観点から得られた効率は、図14に示すように、IT作業負荷の低下とともに低下する。
この関係性から明らかなことは、データセンタにおけるIT装置群に課される作業負荷及びその結果得られる効率を考慮せずに、それらの装置群の効率を表すことは有用でないということである。データセンタのIT電気負荷に対する反応が、この評価の複雑性を増している。
電気負荷コンテキスト
上記説明に示すように、データセンタのIT電気負荷に対する反応は、線形ではない。そのため、特定のIT装置又は装置群がデータセンタに与える影響をシミュレートする前に、データセンタ内のその他のIT機器のすべての電気/熱負荷を課さなければならない。
これは、シミュレータにおいて、DCIEシミュレーションで電気/熱負荷をデータセンタに印加するのに使用したIT電気負荷ノード910を使用することで行われる(図15)。
IT装置とデータセンタに課されるIT電気負荷
IT装置及びIT電気負荷のためのシミュレータノードは、図16に示すように、データセンタのシミュレーションのために既に設定された電力/熱シミュレーションチェーンに接続されている。
IT装置の温度感度
シミュレータは、電力又はクーラント(通常は、空気)フロー機能を表すIT装置もモデルを、適用作業負荷や供給クーラント温度の係数として処理することができる。
エネルギの割り当て
本シミュレータの動作の重要な部分が、データセンタを有効に表現するために開発された割当メカニズムである。
現在のエネルギ計算や「チャージバックメトリックス」に対するアプローチは単純で有効でないことが多い。これらのアプローチは、通常、以下のいずれかを用いる。
装置の電力(エネルギ)消費量
装置のエネルギ消費及びコストの代用として装置、ラック、領域、部屋に割り当てられるスペース又は電力/冷却容量
これらは有効ではなく、次善の挙動を生じさせる誤ったインセンティブを引き起こしてしまう。このようにコストを効果的に理解・表現できないと、完全所有の、又は、サービス提供者のデータセンタの全体的な性能に重大な影響を与えてしまうこともある。
シミュレータは、チェーン中の各ノードにおいて、負荷と割当容量の両方のシェアを決定することができ、現在利用されている単純な方法よりもずっと効果的なコスト割当を実現することができる。例えば、サーバに100Wが割り当てられ、10%の損失の無停電電源装置によって電力供給された場合、この割当は、サーバに電力供給している主要変圧器では、110Wになることもある。同様の損失ファクタリングが消費電力の場合でも見られる。
このような割当や消費のシステムレベル分析によって、従来の方法よりもさらに詳細かつ正確なコスト割当を実現することができる。
シミュレータの中心概念は、固定及び変動コスト(エネルギコスト及び経済的コスト)の両方を理解・実施し、これらがどのようにデータセンタ内で論理又は物理装置によって発生するのかを理解することにある。償却資本・固定エネルギ消費等の固定エネルギ消費及び経済的コストは、データセンタのリソース割当に基づき、装置に割り当てられる。エネルギ消費等の変化するエネルギ消費及び経済的コストは、装置のリソース消費に基づき、それらに割り当てられる。
データセンタシミュレータは、データセンタのエネルギ消費の公平かつ合理的な負担をシミュレートされたIT装置に割り当てるために、一連のルールを設定し実施している(固定・変動エネルギ/コスト割当のより詳細な考察に関しては、BCS白書、「Data centre energy efficiency metrics(データセンタエネルギ効率メトリックス)」を参照、http://www.bcs.org/detacentreenergy、その内容はここに参照により組み込まれている)。これらのルールの基本原則の1つは、固定・変動負荷及びコストを別々に取得することである。データセンタのこれらの固定/比例エネルギコスト及び経済的コストは、固定/変動コストの通常の経済的概念に直接的に類似している。そのため、これらを同様に使って、データセンタの実際のエネルギ/コスト挙動や、それがデータセンタのIT機器を操作する上でコスト及びエネルギ使用にどのような影響を与えるのかを把握する。
固定と変動
データセンタインフラのシミュレーションにより、外部温度とインフラ配置の任意の組み合わせによりデータセンタが示す固定負荷の効率に与える影響が明らかとなった。この固定オーバーヘッドは、すべてのIT装置の測定及び全設備電力に対するIT電力比に適用しても、この固定エネルギコストを適切に組み込むことはできず、割当メカニズム又はチャージバックメトリックとして有用ではないことを意味している。
オフィスビルのコスト割当の場合、デスクスペースの賃貸及びサービスコストは、従業員が机を使ったか又は彼らがどんな仕事をしたかに関係なく発生し、これが固定コストのシェアである。一方、変動コストには、デスクトップPCが使用したエネルギ及び従業員のデスクワークによって生じた電話料金が含まれることもある。
データセンタにおいて、IT装置が設置されると、電力/冷却容量がその装置に割り当てられる。多くのデータセンタにおいて、この容量は一旦提供されると、他の装置には使用できなくなっている。データセンタの利用可能な容量がすべて割り当てられると、もうそれ以上IT装置は設置できなくなっている。シミュレータは、この提供された電力を用いて、IT装置に割り当てられるべきデータセンタの固定エネルギ使用のシェアを決定する。これは、データセンタのすべての状態及び外部温度を考慮しながら、シミュレーションのすべての工程で実施される。
また、シミュレータは、IT装置のエネルギ使用によるデータセンタの限界エネルギ使用を判定することも可能であり、これには、IT装置自身が使用したエネルギと、電力及び熱インフラの両方が装置に電力を供給し、それにより生じた熱を除去するために使用した追加のエネルギとが含まれる。前述のように、これには、UPSから供給を受けるCRACユニット等のループの反復が含まれる。
図17に示すように、固定消費電力と変動消費電力とを合算することで、データセンタにおけるIT装置の全エネルギコストが正確にかつ合理的に示される。
図18には、シミュレータにおいて、選択されたシミュレーションオプションに基づき、IT装置のエネルギ使用量を測定するため、電力供給及びエネルギ割当を分析するさらなるノードが示されている。これらは、所定のシミュレーションオプション1840についてIT装置エネルギ使用1830を割り出す電力供給ノード1810と、エネルギ割当ノード1820である。
コストの割り当て
有効な出力を提供するため、データセンタシミュレータは、各シナリオに対してエネルギ消費とコストの両方についての報告を行う。各シナリオのコストを決定するために、シミュレータは、初めは各ノードの資本及び維持として分類された任意の数のコストと、データセンタに対するエネルギ等のリソースのコストを含む。
図19は、IT装置コストを与えるスペース等のエネルギ、ノード、設備コストの割当を算出するためのノードを含むようシミュレータ構成をさらに発展させた図を示す。すなわち、(エネルギコスト入力1940を有する)装置エネルギコストノード1930とともに、(設備資本コスト1915が入力される)割当メカニズムノード1910と、設備コストノード1920とを使ってIT装置コスト1950を算出する。
シミュレータは、エネルギ分析の場合と同様のノード、接続、性能データの基本構成を用いて、データセンタのコストをさらに詳細にモデル化することが可能である。フィードバックループが存在する箇所には、繰り返し発生する部分的コストが含まれる。
また、シミュレータは、投入されるすべてのコストの割当と説明を保証することが可能である。
データセンタの任意のノードに対して、資本及び運転コスト特性を表してもよく、これらは、装置構成又は適用負荷に関連していてもよい。
さらに、シミュレータは、シミュレーションされたシステムを介して、各ノードに対するコストや適用負荷を得ることもでき、これにより、すべての又は一部のデータセンタサービスを提供するコストを詳細にかつ正確に分析することが可能となる。
IT装置コスト
IT装置の資本コスト及び年間維持コストが、上記シナリオのパラメータとして入力される。資本コストは、特定の装置寿命又は評価損期間で償却されるが、維持コストは、それらの発生頻度で、シナリオの期間を通して発生する。
設備資本コスト
データセンタの機械・電気プラントの資本コストは、ノード毎の資本・維持コストとして表すことができる。これらのコストは、インフラで割り当てられたユニット毎の時間依存コストを得るために、定められた設計寿命又はノードの評価損期間で償却され、IT装置への供給量に基づき、シミュレーション期間を通じて発生する。
エネルギコスト
エネルギコストデータは、装置及び設備全体に対するエネルギコスト出力を得るために、装置及び全エネルギデータとともに1時間毎に使用される。
その他のコスト
シミュレータは、エネルギチェーンと非エネルギノードとの両方においてノードレベルコスト割当メカニズムを用いて下記のようなスペースコスト又は水コスト等のその他のコストを割り当てるこ ともできる。
・直接的な割り当て、例えば、スペース利用、により直接かかるその他のコスト
・その他のユニット(占有スペース等)を消費するエネルギチェーン内の装置に割り当てられ、その後エネルギチェーン利用、例えば、スペース、水の消費等に基づいてIT負荷に割り当てられるその他のコストを割当てることで間接的にかかる固定及び変動のその他のコスト
利用に対する補償
シミュレータは、ユーザの会計に関する好み及びデータセンタの利用レベルに合わせて、装置に対するエネルギ及びコストの割当・提供を変動させることができる。例えば、データセンタインフラの償却資本コストがワット当たり1カ月£0.10で、サーバに1kW割り当てられる場合、償却インフラコストは一ヶ月当たり£100となる。データセンタ容量が50%しか割り当てられない場合、すなわち、半分空いている状態の場合でも、償却資本コストの50%が未割当として示され、ユーザにとっては有効な割当となる。或いは、シミュレータは、その時点での50%のデータセンタ容量の利用を補償して、その月にサーバが£200を生み出すようにしてもよい(この発生は、時間依存関数であってもよい)。利用補償は、ある一定の期間(例えば、5年間)にわたって算出又は予測される平均利用等、設備の任意の利用に基づくものであってもよい。
すなわち、シミュレータは、上記の方法でIT装置エネルギ及びコストを割り当てることが可能である。
容量が示されている各ノードについて、シミュレータは、結果として得られる全容量利用に基づいて、与えられた各負荷に対してコストを適用してもよい。
ITシミュレーションにおける時間
データセンタシミュレーションは、さまざまな適用電気負荷及び外部温度を用いて行われるのに対し、ITシミュレーションは時間を介して行われる。これにより、シミュレータは、各外部変数に対する正確な値を確実に各時間工程に適用することが可能となる。こうして、シミュレータは、IT作業負荷ひいては消費電力が低く、電力コストが最小である夜間や、反対に、外部温度が最高で、IT作業負荷及び消費電力も最高となり、電力コストが高くなり、あまり効果的とは言えないかもしれない日中に作動することが多い冷却エコノマイザ等の装置の影響を有効に分析することが可能となる。
時間工程
シミュレータで使用される基本的な時間単位は日と時刻で、シミュレータは、デフォルト設定では、与えられたデータから適当な値を用いて1日に24時間進み、データセンタの状態、エネルギ消費、時間毎のコストを評価する。時間毎のコストとエネルギ消費を合計して1日当たりの一式の値を得る。
月単位のシミュレーション
シミュレーションのデフォルトの時間単位は月であり、シミュレータは、各特定の種類の丸1日のシミュレーションをその月毎に行い、得られた値を乗算して1カ月当たりの全コストを得る。例えば、平日と週末でのユーザ作業負荷の変動を示すよう、複数種類のデータを特定してもよい。
時変データ
シミュレーションを通して首尾よく反復を行うためには、シミュレータは以下のような時変データを必要とする。
Figure 2012527675
ソフトウェア構成
シミュレータの実施形態は、ソフトウェアを実行可能な、例えば汎用コンピュータ上で実施される。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、ブラウザインタフェースを介してネットワークを通じて遠隔アクセス可能なサーバコンピュータ上で実行される。例えば、シミュレータは、クライアント装置が自身にインストールされているインターネットブラウザアプリケーションを用いることでインターネットを介してアクセス可能なサーバ上で実行されてもよい。
図20、21及び22を参照して、一実施形態におけるソフトウェアの構成を以下に説明する。
ソフトウェアは、大きく、コアシミュレータ、データフォーマット、チャーティングモジュール、ウェブユーザインタフェース、代替ユーザアクセスインタフェースの5つの主要な要素に分けることができる。
ユーザインタフェース
ウェブユーザインタフェースの使用により、ソフトウェアをユーザ装置にダウンロード及びインストールせずにツールを利用することが可能になる。このUIによって、ユーザが、炭素節約やツールによる援助を記載した2つのシナリオを報告することで、実施された炭素節約を報告するメカニズムが実現される。
チャーティング及び視覚化モジュール
シミュレータからのウェブユーザインタフェースを介して得られた出力データからより視覚的に訴えるグラフを実現するため、チャーティング及び視覚化モジュールを使って特徴が積み重ねられた棒グラフと、データを表面プロットで示した図を得る(例えば図5及び図23〜図26参照)。例えば、設計及び/又は規定値と対比された実際の値を示す「目盛り盤」等、その他の視覚化の形態を用いてもよい。
データ入出力
シミュレータは、入力と出力に対して、一連のデータフォーマットを使用する。各装置を表すシミュレータに対する各装置の特定の性能を記載するデータフォーマットは比較的少なく、シミュレーション出力のためのフォーマットと、データセンタレイアウトを記述するためのフォーマットとがある。これらはスキーマ定義されたXMLスキーマでシミュレータに提供される。なぜなら、XMLスキーマは、広く認識されたプラットフォームに依存しないポータブル基準であるからである。
XMLインタフェース
XMLデータフォーマットは、入出力インタフェースやインタプリタによってサポートされる。
データベースシステムとの一体化
シミュレータインタフェース、XML、さらにダイレクトなRPCは、拡張された複合値を生成するために、例えば下記のような他のシステムとの一体化を可能にする(図21b参照)。
・チャージ可能なサービス又はアクティビティに関連する装置及び作業負荷についてのデータをシミュレータに提供する(シミュレータが処理したデータを送り返す)ためのITサービスカタログ監視システムとの一体化
・インストールされた物理的装置のデータをシミュレータに提供するためのIT機器資産データベースとの一体化
財務又は請求システムとの一体化
シミュレータの実際のコスト及びリソース消費をデータセンタの負荷、サービス、装置に割り当てる能力によって、データセンタ内の特定の負荷、サービス、装置、グループ、顧客のリソース消費に関するデータを処理して、請求又はチャージバックといった活動をサポートするのに用いられる高粒度コスト割当を実現することが可能となる。
シミュレータ
コアエンジン
オープンソースコアエンジンは、シミュレーションを可能にする基本的な環境であり、データセンタ要素であるノードが動作する機能的環境を実現する。
データセンタ要素
データセンタ要素は、シミュレーションにおける個別のデータセンタ要素を示すノード群である。
シミュレーションと結果API
シミュレーションと結果APIは、シミュレーション結果を設定、実行、収集する能力を提供する。テンプレート機能は、シミュレーションモデルを構築する際の支援を行い、分析機能は、シミュレーションのパラメータを介して、作業負荷及び周辺温度等外部変数を変動させてその結果を照合することを繰り返し行う。
代替ユーザインタフェース(図22)
ユーザが効果的かつ予測可能な方法でシミュレータと交流したりそこから結果を受け取ったりするのを可能としつつ、ウェブUIの代替として、XMLインタフェースがその役割にとって代わってもよい。
データ入出力
完全なデータ入出力XMLフォーマットが利用可能である。これはウェブUIの入力データを作成する役割を果たす。入出力インタフェースは、これらすべてのフォーマットを処理するようにウェブUIバージョンから拡張され、ウェブUI能力の上位機能であってもよい。
コンストラクタデータ
シミュレーションでのデータセンタ論理レイアウトは、コンストラクタによって表現される。これによって、シミュレーション用コアエンジン内でデータセンタ要素を作成・接続するのに必要な情報が伝達される。これは、レイアウトを示す特定のXMLデータフォーマットによってサポートされる複雑なプロセスである。このデータフォーマットは、XMLメタ言語インタプリタによって解釈される。シミュレータは、設備の単純化された論理レイアウト(つまり、完全なM&Eインスタレーションの複雑性をそのまま援用しない)を採用してもよい。実際、シミュレーションは、単一のノードから、シミュレーション要件に依存するデータセンタのすべての要素まで、何を用いても実施することができる。
シミュレータの応用
本シミュレータは、多種多様な用途で応用することが可能であり、そのいくつかは上記説明からも明らかであろう。その他の応用を以下に示す。
論理装置のエネルギ及びコストに与える影響の判断
シミュレータは、システムレベルシミュレーションを介して、データセンタの論理装置及び物理的装置がエネルギ又はコストに与える影響を判断することが可能である。
例えば、仮想サーバに電力メータを実装することはできないが、物理的サーバ上の負荷をシミュレートすることで仮想サーバの影響を判断し、それによりデータセンタレベルで生じる影響を判断する。
仮定分析
シミュレータは、さまざまな「仮定」分析を行うことが可能である。
そのような「仮定」シミュレーションから得られた出力データを用いることで、例えば以下に示すような様々な事柄についての判断を行うことができる。
資本投資の見込収益
サービス提供コストとそのサービス収益との関係
エネルギコスト等の外部要因に対する感度
容量構築及び顧客価格設定に対する最適な戦略
作業負荷を他のIT装置又は他のデータセンタへ移動することの影響
データセンタの装置にかかる電力制限を変更することの影響
容量のシステムレベル分析
シミュレータは、劣化動作モード検査システム冗長性を含むさまざまな動作モードに基づき、提供された実際のデータセンタの装置容量を実証するために、データセンタの構築の前後に、そのテスト設計を効果的にロードすることができる。
これは、最悪のシナリオを分析し、データセンタの他の変数に対する容量曲線を得るのに用いることができる。設備は、設計定格よりも低い外部温度においてより大きなIT電気負荷をサポートすることもある。稼働方法によっては、事業者がこの容量を利用することが適切である場合もある。
動作決定支援
本シミュレータは、以下に例を示すような条件における動作決定支援に適している。
現時点で容量が必要とされていないプラント機器を停止させるかどうか
データセンタ又はデータセンタ群(例えば、地理的に離間したデータセンタ群)のどこにいつ1つ又は複数の装置又は作業負荷を設置すればよいか
地理的に分散しているデータセンタ間で負荷を移動させるかどうか
提供の限界コストに依存するサービスをどのような価格で受けるか
請求
シミュレータによる分析のレベルは、効果的な割当、作業負荷、装置、装置群、領域、又はデータセンタコストのチャージバックを可能にする。
複数当事者間分析
シミュレータは、多数の当事者が関係している詳細なデータをマスキングすることで、データセンタエネルギ及びコストパフォーマンスの分析を容易にしている。例えば、データセンタ事業者はIT機器事業者にサービスを提供する。この場合、シミュレータを用いることで、炭素会計目的の収益及び割当ユーティリティエネルギのみをIT機器事業者に見せ、データセンタ事業者に対する財務コスト及び収益を決定することができる。異なるデータを同じ組織内の異なる機能へ、例えば財務情報を会計部署へ、IT性能情報・パラメータをITチームへ、M&E機器性能情報・パラメータをビル設備部署へ、提示し維持することがとても簡単になる。
技術又は商品の初期段階での評価
シミュレータは、初期段階の技術を試作の段階で評価するのに用いられてきた。多くの技術開発シナリオを多くのデータセンタシナリオに対してテストを行い、その技術から入手可能な全利点を評価することができる。これによって、システムレベル分析以前には有望であると考えられていたオプションを切り捨てて行くことで、時間及びコスト面において、技術の開発が大幅に加速される。
シナリオの比較
データセンタが構築され、そのデータセンタ内でITシミュレーションが実行された場合、シミュレータはシナリオを比較するのに用いることができる。
原理を説明するために、このような比較の一例として、事前/事後仮想化比較が挙げられる。仮想化を行う際、ポリシー又は資本コストの変化を正当化するために、ビジネスケースを予測する必要があることが多い。これは、以下のような理由で統合の比率がコスト削減の効果的な代用ではない場合に困難なことがある。
仮想化に用いられる高性能サーバの資本コストの増加
高性能サーバのサーバ毎の電力消費が高い
特に新しいエネルギスター適合装置を比較する際に作業負荷が高いためサーバのサーバ毎の電力消費が高い
データセンタ電力及び冷却インフラのサーバ毎の償却資本コストが高い
考えられるユーティリティ電力コストの変化
考えられるデータセンタ利用の変化
データセンタシミュレータは、これらすべての変数を考慮して仮想化プログラムの利点を効果的に予測することができる。
比較の第1工程は、比較の基準値として事前仮想化シナリオを作成することである。この例では、会社は、既存の1サーバにつき1アプリケーションのポリシーに基づき、追加で100個の1Uサーバを配備する予定でいる。比較は4年以上の期間である。
シミュレーションを行って、4年シミュレーションのコスト及びエネルギ出力を得る。図23にその結果を例示的に示す。
次の工程は、コストとエネルギを比較するための事後仮想化シナリオを作成することである。100個のコモディティ1Uサーバから15個のコモディティ4Uサーバへの統合であり、これらは高性能、高コストである。
その後、再びシミュレーションを行って、事後仮想化シナリオに基づく4年シミュレーションのコストとエネルギ出力を得る。図24にその結果を例示的に示す。
図23の事前仮想化グラフと図24の事後仮想化グラフとの比較により、全体コスト/エネルギ消費が大幅に減少していることが分かる。事後仮想化シナリオは事前仮想化シナリオに比べて節約が可能であるのが分かるが、この2つのシナリオのコスト/エネルギ消費を直接比較することができることは有用である。図25では、全体IT装置コストとエネルギ使用を横に並べて比較している。この比較により、シナリオの出力グラフの違いがより顕著に見てとれる。
上述した比較は、IT装置に割り当てられたエネルギとコストに対して行われたものであったが、ビジネスケースの作成における重要な比較は、データセンタの全エネルギ使用及びコストに対する影響である。
図26のグラフには、シミュレーション期間にわたるデータセンタ全体の全コスト及びエネルギ使用を示す。償却データセンタ資本コストは、IT装置に割り当てられたコストの一部ではなく、設備に対する全償却コストである。棒グラフのその他のエネルギを示す線分は、シミュレーション後のIT装置に割り当てられていない全データセンタエネルギ使用を示している。
本発明は、以上の例示的実施形態に関連して説明したが、当業者には、この開示の提供時には多くの同等の修正及び変形が明らかとなるであろう。従って、上述の本発明の例示的実施形態は、例示的であり制限的ではないと見なされる。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、説明した実施形態に対する様々な変更を行うことができる。

Claims (20)

  1. データセンタをシミュレートするためのコンピュータシミュレーションシステムであって、
    前記データセンタの論理表現を具備する前記コンピュータシミュレーションシステムにおいて、
    前記データセンタの論理表現は、
    前記データセンタ内の装置を表す複数のノードであり、各ノードが
    適用負荷に対する第1入力と、
    前記ノードからの全負荷に対する第1出力と、
    損失に対する第2出力と、
    前記入力から出力を計算する関数とをそれぞれ含む前記ノードと、
    前記ノードの内の少なくともいくつかの間の複数の第1接続であって、前記第1接続の各々は1のノードの出力と他のノードの前記第1入力を接続し、前記データセンタ内の1の装置が該データセンタ内の他の装置から引き出す電力を表す前記第1接続と、
    前記ノードの内の少なくともいくつかの間の複数の第2接続であって、前記第2接続の各々は1のノードの出力と他のノードの前記第1入力を接続し、前記データセンタ内の1の装置が該データセンタ内の他の装置に印加する熱負荷を表す前記第2接続と、
    を含む前記コンピュータシミュレーションシステム。
  2. 一連の入力状態をシミュレータに順次適用し、各入力状態の適用後に前記シミュレータの出力を記録することによりシミュレーションを実行するよう動作可能なシミュレータフレームワークをさらに具備する請求項1に記載のシステム。
  3. 前記一連の入力における各入力には、適用電気負荷と外部温度が含まれ、前記シミュレータ出力には、データセンタ効率の値が含まれる請求項2に記載のシステム。
  4. 前記一連の入力における各入力には時間が含まれる請求項2に記載のシステム。
  5. 前記一連の入力における各入力には、前記ノードの少なくともいくつかに対する動作データが含まれ、前記ノードの少なくともいくつかはそれぞれ動作データに対する少なくとも1つの追加入力を含む請求項2に記載のシステム。
  6. 前記動作データには、前記ノードによって表される前記装置の性能データが含まれる請求項5に記載のシステム。
  7. 前記動作データには、少なくとも1つの環境パラメータを示すデータが含まれる請求項5に記載のシステム。
  8. 前記シミュレータ出力には、前記ノードの各々に対するデータセンタエネルギ消費の割当が含まれる請求項2に記載のシステム。
  9. 前記シミュレータ出力には、前記ノードの各々に対する全データセンタコストの割当が含まれる請求項2に記載のシステム。
  10. 1のノードに割り当てられた前記コストには、ハードウェア、ソフトウェア、及び設備の内の1つ又は複数の資本コストに対して発生するコストが含まれる請求項9に記載のシステム。
  11. 1のノードに割り当てられた前記コストには、ハードウェア及び/又はソフトウェアの維持コストに対して発生するコストが含まれる請求項9に記載のシステム。
  12. 1のノードに割り当てられた前記コストには、前記データセンタのインフラの資本及び運転コストの負担が含まれる請求項9に記載のシステム。
  13. 1のノードに割り当てられた前記コストには、前記ノードにより表される前記装置への電力供給又は冷却のため生じるデータセンタインフラ内の変動損失において損失する電力に対して発生するコストが含まれる請求項9に記載のシステム。
  14. 前記ノードの少なくとも1つに対する適用負荷入力は、IT適用作業負荷である請求項1に記載のシステム。
  15. 前記ノードの少なくとも1つは、グループとして動作する同じ種類で同じ機能を有する複数の装置を表す装置ノードである請求項1に記載のシステム。
  16. 前記ノード入力から前記ノード出力を計算する前記関数は、
    1又は複数の変数による損失又は効率のデータポイントを用いた関数と、
    1又は複数の変数による損失又は効率のためのパラメータ化された関数と、
    前記データセンタ内の装置のための制御システムをシミュレーションする関数と、
    分布又は変換関数と
    によって構成されるグループから選択される請求項1に記載のシステム。
  17. 前記ノードは拡張可能なデータフォーマットを用いてデータ伝送を行う請求項1に記載のシステム。
  18. 前記ノード間でやり取りされる前記データには、様々な種類のコストが含まれる請求項17に記載のシステム。
  19. 前記ノード間でやり取りされる前記データには、力率の高調波成分を示すベクトルとして送られる電力が含まれる請求項17に記載のシステム。
  20. 前記ノード間でやり取りされる前記データには、湿度、水分質量又は含水率の絶対値又は相対値が含まれる請求項17に記載のシステム。
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