JP2012526272A - 血栓形成傾向の診断方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、HIVまたは全身性自己免疫疾患に罹患している対象における血栓形成傾向の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法に関する。

Description

本発明は、血栓形成傾向の診断方法に関する。
Goodwinら(Goodwinら、Archives of Pathology and Laboratory Medicine:126巻、11号、1349〜1366頁)は、プロテインS(PS)アッセイの技術的側面および診断的側面、ならびに臨床的疫学研究に対するそれらの適用を検討している。
プロテインS(PS)は、プロテインC抗凝固系の補因子として機能する、635個のアミノ酸から構成されるビタミンK依存性血漿糖タンパク質である。プロテインSは、主に肝臓において産生される。
遺伝性PS欠乏症と静脈血栓症との関連性は、1984年に最初に確認された。遺伝性PS欠乏症に関連した動脈血栓症の症例は、まれに報告されている。プロテインSは、第Va因子および第VIIIa因子のタンパク質分解における活性化プロテインC(APC)の活性を増強する補因子としての役割を果たす。
血漿中では、60%〜70%のPSが、PSのカルボキシ末端ステロイド結合グロブリンドメイン中の結合部位を介してC4結合タンパク質(C4bBP、補体調節タンパク質)に非共有結合で結合し、その結合相互作用の解離定数はナノモルの範囲内である。この結合親和性から、PSの全ての利用可能なC4bBP結合部位が埋まっていることが予測される。この結合相互作用は、血漿中PS濃度の測定および解釈を複雑にする。C4bBPは、2種のアイソフォーム(Mr540000および590000)を有する多量体タンパク質である。PSの抗凝固活性は、遊離PSにある。C4bBPβ+に結合したPSは、APC補因子活性を有さない。
プロテインS欠乏症は、遺伝性または後天性であり得る。ホモ接合体のPS欠乏症のまれな症例が、ホモ接合体のプロテインC欠乏症と同様に重症の新生児電撃性紫斑病と関連している。また、プロテインC欠乏症と同様に、PS欠乏症についての生化学的証拠は、500人中約1人の有病率を示唆する。
International Society for Thrombosis and Haemostasis Standardization Subcommitteeは、総PS、遊離PSの血漿中濃度およびAPC補因子活性に基づいて遺伝性PS欠乏症の3つの型を定義している。I型PS欠乏症は、APC補因子活性の減少を伴う低レベルの遊離PSおよび総PS抗原によって確認される。II型PS欠乏症は、低レベルのAPC補因子活性を伴う正常レベルの総PSおよび遊離PS抗原によって特徴付けられる。III型PS欠乏症は、正常から低レベルの総PSと、低遊離PSと、C4bBPに結合したPS部分の増加とによって特徴付けられる。PS欠乏性患者の約2/3がI型欠乏症を有し、1/3がIII型欠乏症を有し、II型欠乏症はまれである。
血漿中PSは、免疫学的および機能的アッセイによって定量されている。Faioni(Faioni.Thromb Haemost 2001;86:1139〜1140)による総説では、この複合分析物の測定において不確実性を生じさせ続ける長期にわたる方法論的問題を強調している。初期のアッセイは、ポリクローナルエレクトロイムノアッセイ(主に、Laurell)によって総PSを測定するものであった。遊離PSは、2次元免疫電気泳動、または3.75%のポリエチレングリコール6000(PEG)の添加による血漿中のC4bBP−PS複合体の沈殿後の上清の測定のいずれかによって決定された。臨床検査室では、現在、PEG沈殿と共に総PSおよび遊離PSを測定する多くの市販のポリクローナル酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)が行われている。PEG沈殿は、周知のように再生不可能でかつ時間がかかるにもかかわらず、依然として機能的PSアッセイおよびモノクローナル遊離PS ELISAの妥当性の判断基準である。近年、遊離PSを正確に測定する市販のモノクローナルELISAがいくつか利用可能になってきている。遊離PSアッセイの唯一の欠点は、II型PS欠乏症のまれな症例を見落とす可能性があることである。1996年に、International Society of Thrombosis and HaemostasisおよびWorld Health Organization(WHO)の合同会議は、PS欠乏症の診断のために総PSよりも遊離PSの測定が有用であり得ることを推奨した。更に、1996年におけるこのコンセンサス会議は、利用可能な機能的アッセイが(主にAPC抵抗性のために)特異性を欠くため、遊離PSについてイムノアッセイを使用することを支持した。
PSのAPC補因子活性は、修飾された活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)およびプロトロンビン時間(PT)フォーマットに基づいたアッセイにおいて測定され得る。APTTフォーマットにおいて、希釈された患者血漿は、精製APCおよびVa型因子の存在下でPS欠失血漿に添加される。PTフォーマットにおいて、同様のアプローチをとることができるか、またはその欠失血漿中のネイティブ血漿PCをProtac(アメリカマムシ(Southern Copperhead)のヘビ毒(アグキストロドン・コントルトリックス・コントルトリックス(Agkistrodon contortrix contortrix))由来の酵素)によって活性化することができる。機能的アッセイの欠点は、APC抵抗性、第V因子Leiden、高濃度のプロトロンビン、第VIIIa因子および第VIIa因子の存在による高い割合の偽陽性の結果から生じる。ループス様阻害剤はまた、そのアッセイにおいて用いられる患者血漿の希釈によってこの効果が最小限にされるにもかかわらず、干渉することもできる。高添加濃度の添加Va型因子を用いるアッセイは、APC抵抗性または第V因子Leidenの存在によってあまり影響を受けない。
血漿中総PS濃度の正常範囲の下限は、プールされた正常ヒト血漿中で観察される濃度の65%として一般的に認められている。しかし、個々の検査室は、正常な個体から得られた血漿試料を用いるそれらのアッセイに特異的な正常範囲を確立すべきである。PS血漿中濃度は、男性よりも女性において低く、閉経女性、妊娠している女性および経口避妊を行う女性と比較して閉経前女性において低く、したがって、これらは、ホルモン状態の顕著な効果を示す。一般に、PSレベルは、女性において年齢と共に増加するが、男性においてはほとんど変化しない。
本発明の目的は、血栓形成傾向を評価するための簡単な信頼できる方法を提供することである。
本発明は、HIVまたは全身性自己免疫疾患に罹患している対象における血栓形成傾向の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法に関する。
血液試料中のAPC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとの両方を測定することによって、プロテインSのAPC補因子活性を阻害する自己抗体によって誘発される血栓形成傾向を診断することが可能になる。
例えばAPC補因子活性を有する遊離プロテインS/総プロテインSの比を計算することによりAPC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを比較することによって、例えばビタミンK欠乏症、肝疾患、妊娠、年齢に起因するプロテインSの偏差と実質的に独立した正規化数を得ることができる。次いで、この正規化数は、自己免疫性プロテインS欠乏症の信頼できる指標となる。
典型的には、APC補因子活性を有する遊離プロテインS/総プロテインSの比は、遊離プロテインSの補因子活性を中和する抗プロテインS自己抗体の存在に対する間接的マーカーである。低い比は、遊離プロテインSの補因子活性を中和する抗プロテインS自己抗体の存在を示す。本発明はまた、自己免疫性プロテインS欠乏症の指標としての、APC補因子活性を有する遊離プロテインSおよび総プロテインSの使用にも関する。
典型的には、この比は、基準値と比較され得る。基準値は、一群の健康対象から得られ得る。典型的には、かかる対象は、試験すべき生物学的試料が得られた対象と比較して同様の性別、年齢および/またはボディマスインデックスを有することができる。あるいは、基準値は、結節性再生性過形成を伴うHIVまたは全身性自己免疫疾患に罹患している一群の対象から得られ得る。
本発明はまた、自己免疫性プロテインS欠乏症の指標としての、APC補因子活性を有する遊離プロテインSおよび総プロテインSの使用にも関する。
本発明はまた、対象における自己免疫性プロテインS欠乏症の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法にも関する。
本発明の別の目的は、
a)APC補因子活性を有する遊離プロテインSを検出するための手段、および
b)総プロテインSを検出するための手段
を含むキットに関する。
「プロテインS活性」対「総プロテインS」の比を示す図である。 結節性再生性過形成を有する(黒丸)および有さない(白丸)HIV陽性患者の、結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者(黒四角)由来の、ならびに健康対照者(白四角)由来の血漿において、プロテインS活性および総プロテインSのレベルを測定した。図は、「プロテインS活性」対「総プロテインS」の比を患者毎に示す。スチューデントのt検定を用いて統計学的有意性を評価した。 結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者のプロテインS特異的IgGのレベルを示す図である。 A.結節性再生性過形成を有する(グレー丸)および有さない(白丸)HIV陽性患者由来、結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者(グレーおよび黒四角)由来、ならびに健康対照者(白四角)由来の血漿を、プロテインS被覆ELISAプレート中でインキュベートした。ペルオキシダーゼ結合ポリクローナル抗ヒトIgGおよびその基質を用いて、結合IgGを検出した。示された結合強度を、492nmでスコアした光学密度(OD)として1/50の血漿希釈率で測定した。被覆プロテインSの認識は、IgGの用量に依存した(図示せず)。B.結節性再生性過形成を有するHIV感染患者の血漿から精製されたIgGの阻害活性。患者の血漿から精製したIgG(1ミリリットル当たり0から2ミリグラム)を、組換えプロテインS(1ミリリットル当たり20マイクログラム)と共にインキュベートした。次いで、プロテインSのプロテインC補助因子活性を、説明されるように機能的凝固アッセイにおいて測定した。IgGの特異的阻害活性は、1ミリグラム当たりの単位で表現され、50パーセントのプロテインS阻害を生じさせるIgG濃度の逆数を表す。バーは中央値を表す。P値は、グラフ上に示される。データは、少なくとも2つの独立した実験からのものである。HIV陰性患者の場合、全身性エリテマトーデスを有する2人の患者は、黒四角として示される。 「プロテインS活性」対「総プロテインS」の比とプロテインSのIgG媒介阻害との間の相関を示す図である。 結節性再生性過形成を有する5人のHIV感染患者の血漿から精製したIgGの阻害活性(図2B参照)を、遊離プロテインS対総プロテインSの比(図1参照)の関数としてプロットした。相関の有意性を、ノンパラメトリックスピアマン相関検定を用いて評価した(Rho=−0.9、P=0.037)。
「血栓形成傾向」という用語は、血栓症に素因となる止血の異常を指す。
本明細書において用いられる「血液試料」という用語は、インビトロにおける評価の目的のために得られた血液試料を指す。血液試料の例としては、全血試料、血漿または血清試料がある。
本発明は、HIVまたは全身性自己免疫疾患に罹患している対象における血栓形成傾向の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法に関する。
一実施形態において、全身性自己免疫疾患は、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、分類不能型免疫不全症(CVID)、ウイルス誘発性プロトロンビン状態、血栓性血小板減少性紫斑病である。
後天性APC抵抗性が、SLEを有する患者の抗プロテインS自己抗体と関連していることがすでに示されている(Nojimaら、Thromb Res.2009年1月6日)。
本発明はまた、自己免疫性プロテインS欠乏症の指標としてのAPC補因子活性を有する遊離プロテインSと総プロテインSとの使用にも関する。
本発明はまた、対象における自己免疫性プロテインS欠乏症の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法にも関する。
本発明の方法は、対象における血栓形成傾向または全身性自己免疫疾患を診断するために用いられる従来の方法と組み合わせて用いられ得る。典型的には、医師は、血栓形成傾向または全身性自己免疫疾患を診断するための既存の方法において用いられる他の臨床または病理学的パラメーターを考慮することもできる。したがって、本発明の方法を用いて得られた結果は、血栓形成傾向または全身性自己免疫疾患の診断のために実施された他の試験、アッセイまたは手法からの結果と比較することができ、かつ/または組み合わせることができる。かかる比較および/または組合せは、より洗練された診断を提供することを助けることができる。
血液試料中のAPC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとの決定は、当技術分野におけるいずれの公知の方法によっても実施され得る。これらのレベルは、イムノアッセイ、例えば、競合、直接反応、アレイチップまたはサンドイッチ型アッセイが含まれる標準的免疫診断技術を用いて測定され得る。かかるアッセイとしては、ウエスタンブロット、凝集試験、酵素標識および媒介イムノアッセイ(例えば、ELISA)、ビオチン/アビジン型アッセイ、ラジオイムノアッセイ、免疫電気泳動、免疫沈降、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、サイズ排除クロマトグラフィー、固相アフィニティー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えば、APC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルは、免疫学的アッセイ(例えば、Diagnostica Stago(France)の市販のASSERACHROM(登録商標)遊離プロテインSアッセイ)および機能的アッセイ(例えば、Diagnostica Stago(France)の市販のSTACLOT(登録商標)プロテインSアッセイ)によって決定され得る。PSのAPC補因子活性は、修飾された活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)およびプロトロンビン時間(PT)フォーマットに基づいたアッセイにおいて測定され得る。
総プロテインSのレベルは、免疫学的アッセイ(例えば、Diagnostica Stago(France)の市販のASSERACHROM(登録商標)総プロテインSアッセイ)によって決定され得る。
特定の一実施態様において、APC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルは、APC補因子活性を有する遊離プロテインSと選択的に相互作用し得る結合パートナーにより決定され得る。結合パートナーは、活性化プロテインCの認識を担うプロテインSの特異的アミノ酸に結合することができる。典型的には、結合パートナーは、プロテインSのγ−カルボキシルグルタミン酸ドメインに結合することができる。このドメインは、APCとのプロテインS相互作用に関与する(Sallerら、Blood.2005年1月1日;105(1):122〜30)。
例えば、結合パートナーは、ポリクローナルもしくはモノクローナルであってよい抗プロテインS抗体またはその断片もしくは誘導体であってよい。別の例において、結合パートナーはアプタマーであってよい。
本発明のポリクローナル抗体またはその断片は、例えば、とりわけ、ブタ、ウシ、ウマ、ウサギ、ヤギ、ヒツジおよびマウスから選択される宿主動物に、適切な抗原またはエピトープを投与することによって、公知の方法に従ってもたらすことができる。抗体産生を増強するために、当技術分野において公知の各種アジュバントを用いることができる。本発明の実施に有用な抗体はポリクローナルであり得るが、モノクローナル抗体が好ましい。
本発明のモノクローナル抗体は、連続培養細胞系による抗体分子の産生をもたらす任意の技術を用いて調製かつ単離することができる。産生および単離のための技術としては、最初にKohlerおよびMilstein(1975)に記載されたハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Coteら、1983)およびEBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、1985)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。別の場合、一本鎖抗体の産生について記載された技術(例えば、米国特許第4,946,778号参照)を適合させて、一本鎖抗体を産生することができる。本発明の実施に有用な抗体としては、限定されないが、インタクト抗体分子のペプシン消化によって作製され得るF(ab’)断片や、F(ab’)断片のジスルフィド架橋を減少させることによって作製され得るFab断片が含まれる断片が挙げられる。別の場合、所望の特異性を有する断片の迅速同定を可能にするために、Fabおよび/またはscFv発現ライブラリーを構築することができる。例えば、抗体のファージディスプレイを用いることができる。かかる方法において、一本鎖Fv(scFv)またはFab断片を、適切なバクテリオファージ、例えばM13の表面上に発現させる。簡潔に言えば、タンパク質で免疫化した適切な宿主、例えばマウスの脾臓細胞を摘出する。そのタンパク質に対する所望の抗体を産生するそれらの細胞からVLおよびVH鎖のコード領域が得られる。次いで、これらのコード領域をファージ配列の末端に融合させる。一旦ファージが適切な担体、例えば細菌に挿入されると、ファージは抗体断片を提示する。当業者に公知のコンビナトリアル方法によって抗体のファージディスプレイを提供することもできる。次いで、ファージによって提示される抗体断片をイムノアッセイの一部として用いることができる。
アプタマーは、分子認識の点において抗体に対する代替物を表す分子のクラスである。アプタマーは、高親和性および特異性で事実上標的分子のあらゆるクラスを認識する能力を有するオリゴヌクレオチドまたはオリゴペプチド配列である。かかるリガンドは、Tuerk C.およびGold L.(1990)に記載されているように、ランダム配列ライブラリーの試験管内人工進化(SELEX)を通して単離され得る。ランダム配列ライブラリーは、DNAのコンビナトリアル化学合成によって入手可能である。このライブラリーにおいて、各メンバーは、ユニーク配列の、最終的には化学修飾をほどこした直鎖状オリゴマーである。分子のこのクラスの可能な修飾、使用および利点は、Jayasena S.D.(1999)においてレビューされている。ペプチドアプタマーは、2つのハイブリッド法によってコンビナトリアルライブラリーから選択される、大腸菌チオレドキシンA等のプラットフォームタンパク質によって提示される、配座的に制限された抗体可変領域から成る(Colasら、1996)。
上述のアッセイは、固体支持体への結合パートナー(すなわち、抗体またはアプタマー)の結合を含むことができる。本発明の実施に使用され得る固体支持体としては、基質、例えば、ニトロセルロース(例えば、膜またはマイクロタイターウェル形態の)、ポリ塩化ビニル(例えば、シートまたはマイクロタイターウェル)、ポリスチレンラテックス(例えば、ビーズまたはマイクロタイタープレート)、ポリフッ化ビニリジン、ジアゾ化紙、ナイロン膜、活性化ビーズ、磁気応答性ビーズ等が挙げられる。
本発明の結合パートナー、例えば、抗体またはアプタマーは、検出可能分子または物質、例えば、蛍光分子、放射性分子または当技術分野において公知のあらゆる他の標識で標識され得る。一般にシグナルを(直接的または間接的に)提供する標識は、当技術分野において公知である。
本明細書において用いられる場合、抗体またはアプタマーに関する「標識」という用語は、抗体またはアプタマーに検出可能物質、例えば、放射性剤またはフルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)またはフィコエリトリン(PE)またはインドシアニン(Cy5))を結合する(すなわち、物理的に連結する)ことによる抗体またはアプタマーの直接的標識化、および検出可能物質との反応性によるプローブまたは抗体の間接的標識化を包含することが意図される。本発明の抗体またはアプタマーは、当技術分野において公知の任意の方法によって放射性分子で標識され得る。例えば、放射性分子としては、限定されるものではないが、シンチグラフィー検査のための放射性原子、例えば、I123、I124、In111、Re186、Re188が挙げられる。
特定の一実施形態において、ELISA法は、マイクロタイタープレートのウェルに、APC補因子活性を有する遊離プロテインSに対する一組の抗体と総プロテインSを検出することが可能な一組の抗体とを被覆した、血液試料中のAPC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとの決定に適切であり得る。次いで、血液試料を被覆ウェルに加える。抗体−抗原複合体の形成を可能にするために十分なインキュベーションの期間の後、プレート(複数可)を洗浄して、非結合部分と、加えた、検出可能に標識された2次結合分子とを除去することができる。2次結合分子を任意の捕捉した試料マーカータンパク質と反応させ、プレートを洗浄し、当技術分野において周知の方法を用いて2次結合分子の存在を検出する。
別の特定の一実施形態において、血液試料中のAPC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとの決定は、アレイチップで実施され得る。かかるアレイ技術によって、生物学的分析物のために用いる場合に一般にバイオチップとして知られている単一基質上で多く実験を同時に実施することが可能になる。アレイチップの例は、国際特許文献WO2007012885、ならびにDupuy AM.ら(2005)、Weinberger SRら(2000)およびJain KKら(2000)に記載されている。
例えば、APC補因子活性を有する遊離プロテインSおよび総プロテインSに対する結合パートナーを前記アレイチップの表面において固定することができる。次いで、前記対象から得られた血液試料をアレイチップ中に沈積させる。複合体の形成を可能にするために十分なインキュベーションの期間の後、次いでアレイチップを洗浄して、非結合部分を除去することができる。第2ステップにおいて、APC補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを、APC補因子活性を有する前記遊離プロテインSおよび前記総プロテインSに対して特異的な第2結合パートナーで決定する。好ましい一実施形態において、前記結合パートナーを標識し、しかるに、それによって、遊離プロテインSまたは総プロテインSに対して特異的な一組の「スポット」(着色沈積物)の形成が可能になる。例えば、検出および定量は、特異的な検出器を有する前記アレイチップ中のスポットを分析することによって実施され得る。
本発明のその上別の目的は、a)APC補因子活性を有する遊離プロテインSを検出するための手段、および
b)総プロテインSを検出するための手段
を含むキットに関する。
典型的には、前記キットは、
a)APC補因子活性を有する遊離プロテインSと選択的に相互作用する結合パートナー、および
b)総プロテインSを検出することが可能な結合パートナー
を含む。
典型的には、前記結合は、ポリクローナルもしくはモノクローナルであってよい抗体、またはその断片もしくは誘導体であってよい。
典型的には、抗体は、上記に記載されるように標識され得る。
キットはまた、適用可能な場合、固相マトリックスおよび標準物質を含む、特定の検出プロトコールのために必要とされる他の適切に包装された試薬および材料を含むこともできる。
好ましい一実施形態において、本発明による方法は、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルを決定することによって実施される。別法として、同方法は、遊離プロテインSのレベルを決定することによって実施され得る。
本発明を、以下の図および実施例に鑑みて更に示す。
Figure 2012526272
Figure 2012526272
<実施例1>
要約
原因不明の結節性再生性過形成を有する13人の継続HIV陽性患者と、結節性再生性過形成を有さない16人の継続HIV陽性患者と、確認された原因からの結節性再生性過形成を有する8人のHIV陰性患者と、10人の匿名の健康供血者とを比較した。
患者および対照者を、欠乏症プロテインS活性および抗プロテインS IgG抗体についてスクリーニングした。患者および対照者からの精製IgGの抗プロテインS活性を、プロテインSが補因子の役割を果たすプロテインCの活性化の機能検査において評価した。完全肝臓CT−門脈造影を症例患者の肝臓外植体上で実現した。
そのCT門脈造影は、びまん性閉塞性門脈静脈障害(diffuse obliterative portal venopathy)を開示した。プロテインS活性のレベルは、結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者および結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者と比較した場合、HIV関連結節性再生性過形成を有する患者において低かった(全比較についてP<0.005)。結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者は、結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者および健康対照者よりも抗プロテインS IgGのレベルが有意に高かった。HIV関連結節性再生性過形成を有する患者由来の精製IgGは、プロテインS依存性プロテインC活性化を特異的に阻害した。
結論:後天性自己免疫性プロテインS欠乏および続発性血栓形成傾向は、HIV陽性患者における閉塞性門脈静脈障害および代償性結節性再生性過形成の原因であると思われる。
方法
試験デザイン
肝臓の生検で確認された結節性再生性過形成を有する16人のHIV感染患者を、Cochin University Hospital(Paris、France)の肝臓部門に紹介した。
これらの16人の患者の内の3人は、C型肝炎ウイルスに同時感染しており、本分析から除外された。慢性肝疾患の全ての共通の原因は、他の13人の患者において除外された。ウイルス性B型およびC型肝炎のゲノム増幅は陰性であり、顕在的または潜在的B型肝炎および/またはC型肝炎感染症を除外した。B型肝炎コア(HBc)抗体(IgG)は、13人の患者の内で6人の患者において陽性だった。アルコールの過剰摂取(>20g/日)の過去または最近の既往歴はなく、フェリチンおよびトランスフェリン飽和血中レベルは正常であり、抗肝臓自己抗体および抗核抗体は陰性と検査された。血清α−1−抗トリプシン、銅およびセルロプラスミンレベルは正常であり、ヘモクロマトーシス、自己免疫性肝炎、α−1−抗トリプシン欠乏症およびウィルソン病をそれぞれ除外した。いずれの患者も、とりわけ心臓、血液学的または腎臓病状に関する重大な併存疾患を有さなかった。毒物曝露(ビタミンA、硫酸銅、塩化ビニルモノマー、硫酸トリウム、スペインのトキシックオイルまたはヒ素塩)の既往歴はなく、過去のまたは継続しているホルモン療法や生薬治療はなかった。
肝機能検査が厳密に正常な16人の継続HIV陽性患者と、確認された原因に続発する結節性再生性過形成を有する8人の患者との、症例患者のプロテインS活性のレベルを比較した。結節性再生性過形成を有する8人のHIV陰性患者は、不均一の基礎疾患を示したが、それらの基礎疾患に含まれるのは、5人は腎臓移植、2人はループス、1人はバルトネラ症であった。ELISAにおけるプロテインSの認識とプロテインSに対する精製IgGの阻害活性とをそれぞれ検査するために、試料の入手可能性に基づいて、結節性再生性過形成を有する7人または5人のHIV陽性患者の血清を使用した。これらの患者についての臨床プロファイルは、とりわけCD4細胞数に関して、残りの患者のそれと同様であり、試験した群間にバイアスはなかった(比較についてP=0.127)。IgGアッセイのための対照としての役割を果たした匿名の健康供血者からの血液の10の試料。インフォームドコンセントを全ての患者から得て、我々の病院の施設内審査委員会はこの試験を承認した。
プロトロンビン止血障害評価
全ての患者を、ループス抗凝固因子、IgGおよびIgMアイソタイプの抗リン酸脂質抗体、アンチトロンビンおよびプロテインC機能的欠乏症、プロテインS機能的欠乏症、ならびにG1691A第V因子およびG202110A第II因子変異についてスクリーニングした。
市販のELISA(Diagnostica Stago(France)のASSERACHROM(登録商標)総プロテインSアッセイおよびASSERACHROM(登録商標)遊離プロテインSアッセイ)を製造業者によって示されるように用いて、総プロテインSおよび遊離プロテインSのレベルを測定した。
血漿中のC4b結合タンパク質の測定
指示されるように市販のLiatest(登録商標)C4b結合タンパク質色素産生アッセイを用いて(Diagnostica Stago(France))、患者および対照者からの血漿中のC4b結合タンパク質のレベルを評価した。
酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による抗プロテインS IgGの定量
1ミリリットル当たり2マイクログラムのリン酸緩衝食塩水(PBS)中の組換えヒトプロテインSをELISAプレートに被覆し、摂氏4度で終夜静置した(Morboeufら、Thromb Res2000、100:81〜88)。それらのプレートを0.2パーセントのTween20を含有するPBSで洗浄し、1パーセントのウシ血清アルブミンを有するPBSでブロックし、次いで室温で1時間静置した。患者および健康供血者を含む対照者からの血漿試料を、室温で2時間、系列希釈物中でインキュベートした。ウェルの広範囲にわたる洗浄の後、ペルオキシダーゼに結合させたポリクローナルヤギ抗ヒトIgG抗体(Clone JDC−10、Southern biotechnology)およびその基質を用いて結合IgGを認めた。Genyos(TECAN)を用いて492ナノメートルで色素産生産物を読みとった。
血漿からのIgGの精製
タンパク質G−セファロース(Amersham Pharmacia Biotech、Buckinghamshire、England)上でアフィニティークロマトグラフィーによって患者および健康供血者の血漿からIgGを精製した。血漿を、0.01パーセントのアジドを有するPBS(PBS/アジド)中のタンパク質G−セファロースと共にインキュベートし、摂氏4度で終夜静置した。PBS/アジドによる広範囲にわたる洗浄の後、IgGを、0.2mol/リットルのグリシン−HCl(pH2.8)を用いて溶出し、3モルのトリスを用いて中和した。IgGを、摂氏4度で4時間PBSに対して透析し、280ナノメートルの分光測定によって定量した。
プロテインSの阻害についての機能的アッセイ
組換えヒトプロテインS(1ミリリットル当たり20マイクログラム)を、Owren−Koller緩衝液中で単独で、または精製IgG(1ミリリットル当たり0.5、1および2ミリグラム)と共に、摂氏37度で2時間インキュベートした(Morboeufら、Thromb Res2000、100:81〜88)。次いで、プロテインSが欠失したヒト血漿、ヒト活性化プロテインCおよびウシ活性化第V因子の混合物に試料を加えた。塩酸カルシウム(1リットル当たり0.025mol)で凝固を開始させ、凝固にかかった時間を、凝固計KC10 micro(Amelung、Lemgo、Germany)を用いて測定し、組換えプロテインSの系列希釈物(1ミリリットル当たり30から0.33マイクログラム)で得た標準曲線と比較した。50パーセントのプロテインS阻害を生じさせるIgG濃度の逆数を表すミリグラム当たりの単位で表現されるIgGの特異的阻害活性を計算した。
統計分析
連続変数は、中央値および四分位範囲または平均値および平均値の標準誤差として示される。カテゴリー変数は、計数および百分率として示される。群間の差を、マン−ホイットニーU検定およびクラスカル−ウォリスH検定で評価した。全てのP値は両側であり、第1種の誤りを5パーセントに設定した。SPSSソフトウェア(バージョン16)(SPSS Inc、Chicago、IL、USA)を用いて全ての統計分析を実施した。
結果
臨床的特徴
HIV関連結節性再生性過形成を有する患者の年齢の中央値は、41歳であった。9人の男性および4人の女性がいた。全員が、各種感染ルートによる持続性HIV感染症(知られたHIV陽性の長さの中央値は12年)を有した。全員が、1マイクロリットル当たり265個の細胞の診断時のCD4T細胞数の中央値およびCD4細胞の正常割合により、高活性抗レトロウイルス療法によって適切に免疫が回復したと判断された。全員を、(各種抗レトロウイルス治療の中で)ジダノシンに曝露させたか、または曝露させていた。
症状の初期状態は、患者の半分超における原因不明の肝機能検査異常(軽度の血小板減少症を伴うアルカリホスファターゼの上昇)であった。残りは、門脈圧亢進症の直接的または間接的な徴候を示した。最初に示された肝臓異常と結節性再生性過形成の診断との間の遅延期間の中央値は、17ヵ月であった。
11人の患者(85パーセント)に、上部内視鏡検査において食道静脈瘤および高血圧性胃疾患があった。その内の6人は、診断時にまたは追跡調査の間に胃腸出血を経験した。1人の患者が、門脈圧亢進性滲出性胃腸症に関連する慢性下痢および重症の栄養失調を発症した。4人の患者が、肝不全および門脈圧亢進症のための肝臓移植を受けた。結節性再生性過形成の診断と肝臓移植との間の遅延期間の中央値は、37ヵ月(範囲は24〜47)であった。2人の患者が、肝臓移植時に門脈血栓症を有した。
病理学および放射線医学
最後の移植患者の外植体を入手することは、放射線学的レベルおよび病理学的レベルの両方でHIV関連結節性再生性過形成の機序を垣間見ることを提供した。肝臓全体のCT−門脈造影は、遠位肝内門脈枝のびまん性閉塞を伴う閉塞性門脈静脈障害の像を明らかにした。外植体の病理検査は、結節性再生性過形成、類洞拡張および肝実質中の肝門脈硬化症の像によって、閉塞性門脈静脈障害の典型的な態様を開示した。重大な線維症は認められなかった。
プロトロンビン止血障害評価
閉塞性門脈静脈障害は、プロトロンビン障害としばしば関連付けられる。したがって、HIV関連結節性再生性過形成を有する全患者を、プロトロンビン止血障害についてスクリーニングした。HIV関連結節性再生性過形成を有する全ての患者は、プロテインS活性のレベルが低下した(表1)。
対応対照と比較した場合、プロテインS活性のレベルは、結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者および結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者と比較して、結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者において低かった(表1)。対照的に、総プロテインSのレベルは、結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者と有さないHIV陽性患者の場合で類似しており、健康供与者の場合とも類似していた(表1)。
次いで、本試験に含まれる患者毎に、「プロテインS活性」対「総プロテインS」の比を計算した(表1)。結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者における比は、結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者および健康対照者よりも有意に低かった(図1、P<0.001)。結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者でも同じことが当てはまった。
C4b結合タンパク質のレベル
遊離プロテインSの減少をC4b結合タンパク質と複合体を形成した形態へのシフトに帰すことができるかどうかを決定するため、患者の血漿中のC4b結合タンパク質のレベルを、対照者の血漿中のそのレベルと比較した。結節性再生性過形成を有するHIV感染患者とそれを有さないHIV感染患者は、血漿中のC4b結合タンパク質レベルが同じであることを示した(P=0.530)。予想外に、結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者からの血漿は、血漿中C4b結合タンパク質レベルが3.6から5.4倍高いが(表1)、このことは、これらの患者における総プロテインSの有意な増加を説明することが可能である。
抗プロテインS IgG
HIV感染患者におけるプロテインSレベルの低下が、後天性抗プロテインS体液性免疫応答に起因するのかどうかを検討した。興味深いことに、プロテインS特異的IgGが、健康供与者の血漿中で検出された。結節性再生性過形成を有さないHIV感染患者は、健康な個体と同様の抗プロテインS IgGレベルを示した。対照的に、結節性再生性過形成を有するHIV陰性およびHIV陽性患者は、健康供与者および結節性再生性過形成を有さないHIV感染症を有する患者よりも抗プロテインS IgGレベルが高かった(図2A)。結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者の場合、血漿中IgGによる上昇したプロテインS認識は、結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者および健康供血者と比較して、より高い量の循環IgGと関連付けられた(表1)。注目すべきことは、最も高いレベルの抗プロテインS IgGを有する患者は、基礎疾患としてループスを有したことである。
プロテインSに対する精製IgGの阻害活性
次いで、結節性再生性過形成を有する患者における抗プロテインS IgGがプロテインS機能を中和することができるかどうかを検討した。健康供与者および結節性再生性過形成を有さないHIV感染患者からのIgGによるプロテインS活性の基礎阻害が、おそらく我々の阻害アッセイの限定により認められた。プロテインS活性の阻害は、IgGの濃度に依存した。結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者由来のIgGは、健康供与者由来のIgGおよび結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者由来のIgGよりも、プロテインSに対して一貫してかつ有意に高い阻害活性を示した。結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者由来のIgGは、プロテインS阻害に関して不均一であり、健康供与者および結節性再生性過形成を有さないHIV感染患者由来のIgGのそれによって認められる阻害と有意に異なるものではなかった(それぞれ、P=0.329およびP=0.126)(表1、図2B)。結節性再生性過形成を有する5人のHIV陽性患者の血漿から精製したIgGによるプロテインS活性の阻害と遊離対総プロテインSの比との間に有意な相関があった(図3)。
考察
ここで、唯一の確認された病因因子がHIV感染症である結節性再生性過形成を有する13人の患者の症例シリーズを示す。症状の様式は、非常にステレオタイプであり、持続性HIV感染症、抗レトロウイルス薬、とりわけジダノシンに対する曝露、適切な免疫の回復および原因不明の肝機能検査異常または門脈圧亢進症であった。門脈圧亢進症に関連した合併症が、その内の約半分において出現し、4人が肝臓移植を必要とした。HIV関連結節性再生性過形成の機序は、現在まで不明であるが、大部分の患者が適切に免疫を回復したことから、HIV感染症および後天性免疫抑制自体に関連があるとは思われない。
最後の移植患者の外植体のCT−門脈造影は、HIV関連結節性再生性過形成における原発病変が、びまん性閉塞性門脈静脈障害であることを示す。小門脈の閉塞は、肝細胞集団を維持するために供給腺房の虚血および残部の再生性過形成をもたらす。この所見は、結節性再生性過形成における原発病変が閉塞性門脈静脈障害であることを示唆する結節性再生性過形成における有力な剖検研究に一致する。HIV感染患者における本症候群を表すために、HIV関連閉塞性門脈障害(HIV−associated obliterative portopathy)(HIV−OP)の用語を提案する。
結節性再生性過形成および閉塞性門脈静脈障害は、リウマチ性障害、血管障害および骨髄増殖性障害が含まれる他の全身性疾患に関連して、更にある種の薬物および後天性プロテインS欠乏症が含まれる先天性または後天性プロトロンビン状態に関連して出現することが報告されている。
プロテインS活性は、結節性再生性過形成を有さないマッチしたHIV陽性対照者および別の起源の結節性再生性過形成を有するHIV陰性患者と比較して、HIV−OPを有する患者において有意に低かった。
したがって、我々のデータは、プロテインS欠乏症とHIV−OPの発症との関連を示す。
興味深いことに、プロテインS活性の著しい低下にもかかわらず、結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者の総プロテインSのレベルは、結節性再生性過形成を有さないHIV陽性患者および健康供与者のそれと同じであり、このことは、循環プロテインSの機能的不活性化を示す。我々は、実際、健康供与者を含む他の群からの患者と比較してHIV−OPを有する患者由来の血漿中の抗プロテインS IgGの増加したレベルを実証する。特に興味深いことに、「プロテインS活性」対「総プロテインS」の比の計算は、結節性再生性過形成を有する患者を他の患者および健康供与者から明らかに区別することを可能にする。
抗プロテインS IgGは、機能的アッセイにおける活性化プロテインCに対するプロテインSの補助因子活性を阻害することが可能だった。結節性再生性過形成を有するHIV陽性患者から精製したIgGによるプロテインS活性の阻害と遊離対総プロテインSの比との間の観察された有意な相関は、遊離対総プロテインSの比の低下がかかる患者における阻害性抗プロテインS IgGの存在を間接的に反映することを示唆する。
重要なことに、C4b結合タンパク質のレベルは、HIV−OPを有する患者において変化しなかった。遊離プロテインSのレベルが、肝疾患および血栓症を含む多発性疾患プロセスによって影響を受ける可能性があるが、我々のデータは、後天性抗プロテインS IgGが、HIV陽性患者の肝臓における結節性再生性過形成の病因に関与することを示唆する。HIV感染患者における高いレベルの阻害性抗プロテインS IgGの存在は、慢性ポリクローナル活性化につながる、抗レトロウイルス療法にもかかわらず生じるB細胞活性化またはB細胞レパートリーの持続的異常によって説明することができる(Redgraveら、HIV Med 2005、6:307〜312)。実際、抗プロテインS抗体の存在は、IgGレベルと十分に相関した。本明細書において試験されたHIV感染患者は、妥当なCD4陽性リンパ球細胞数を有したが、その内の半分は、そのCD4細胞数を非常に低い最低値から劇的に増加させていた。これは、炎症性および本物の自己抗体媒介自己免疫性状態を含む免疫再構築症候群の各種兆候の出現に好都合であることが知られている。
HIV−OPの発現率が不明であるにもかかわらず、それは、一般に考えられているよりもよく見られる可能性がある。HIV−OPだけを有する患者だけをここで報告するが、C型肝炎ウイルスに同時感染した患者における同じ症例を認めている(Malletら、Gastroenterol Clin Biol 2007、31:878〜880)。HIV−OPを有する患者が典型的には肝硬変に似た臨床的特徴を示すので、診断を確認するためにほとんどの症例において肝生検が適応となる。しかし、いずれの基礎肝疾患も存在しない場合、HIV−OPの診断を、HIV感染患者において原因不明の肝機能検査異常がある場合、とりわけプロテインSのレベルの低下が見出される場合に考慮すべきである。この場合、患者を、潜在性門脈圧亢進症についてスクリーニングすべきである。
結論として、HIV−OPは、後天性自己免疫性プロテインS欠乏症に続発する高活性抗レトロウイルス療法下で治療されたHIV感染症の合併症として現れる。
<実施例2>
遊離/総プロテインS比の変化を、自己免疫障害を有する患者においても認めることができるかどうかを検討するために、Hopital Cochin(Paris、France)からの全身性エリテマトーデス(SLE)を有する39人の患者から血漿を回収した。対照として、8人の健康供血者からも血漿を回収した。上記のように(実施例1)、市販のELISA(Diagnostica Stago、FranceのASSERACHROM(登録商標)総プロテインSアッセイおよびASSERACHROM(登録商標)遊離プロテインSアッセイ)を用いて、総プロテインSおよび遊離プロテインSのレベルを血漿中で測定した。患者および対照者由来の血漿中のC4b結合タンパク質のレベルを、市販のLiatest(登録商標)C4b結合タンパク質色素産生アッセイ(Diagnostica Stago、France)を用いて評価した。
遊離および総プロテインSのレベルは、SLEを有する患者と健康供与者との間で有意に異ならなかった(表2)。C4b結合タンパク質のレベルは、健康供与者の血漿中よりもSLE患者の血漿中で1.3倍高かった(P=0.03)。次いで、遊離プロテインS対総プロテインSの比を計算した。その比は、健康対照者と比較して、SLE患者について2倍低かった。(表2、P=0.001)。興味深いことに、試験中に含まれる39人の患者の内で24人(62%)が、健康供与者の場合に測定された最小値より低い遊離プロテインS対総プロテインSの比(すなわち0.61)を有した。
結論として、これらの試験から、SLEを有する患者の62%が、遊離対総プロテインSの比の低下を示すことが示される。
参照文献
本出願の全体にわたって、各種の参照文献は、本発明が関係する現況技術を記載する。これらの参照文献の開示は、本発明の開示中に参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (9)

  1. HIVまたは全身性自己免疫疾患に罹患している対象における血栓形成傾向の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法。
  2. 対象における自己免疫性プロテインS欠乏症の診断方法であって、前記対象から得られた血液試料において、活性化プロテインC(APC)補因子活性を有する遊離プロテインSのレベルと総プロテインSのレベルとを決定することを含む方法。
  3. APC補因子活性を有する遊離プロテインS/総プロテインSの比を計算するステップを含み、低い比が、遊離プロテインSの補因子活性を中和する抗プロテインS自己抗体の存在を示す、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記対象がHIVに罹患している、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記対象が全身性自己免疫疾患に罹患している、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記全身性自己免疫疾患が、全身性エリテマトーデス(SLE)、抗リン脂質抗体症候群、ベーチェット病、分類不能型免疫不全症(CVID)、ウイルス誘発性プロトロンビン状態、血栓性血小板減少性紫斑病である、請求項5に記載の方法。
  7. a)APC補因子活性を有する遊離プロテインSを検出するための手段、および
    b)総プロテインSを検出するための手段
    を含むキット。
  8. a)APC補因子活性を有する遊離プロテインSと選択的に相互作用する結合パートナー、および
    b)総プロテインSを検出することが可能な結合パートナー
    を含む、請求項7に記載のキット。
  9. 自己免疫性プロテインS欠乏症の指標としての、APC補因子活性を有する遊離プロテインSおよび総プロテインSの使用。
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