JP2012524112A - 統合失調症および双極性障害を治療するための組織カリクレイン - Google Patents

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Abstract

本発明は、統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、および双極性障害を含めた精神障害を治療する方法であって、組織カリクレイン(KLK1)、その変異体または活性断片を投与するステップを含む方法を含む。本発明は、KLK1、その変異体または活性断片を含む組成物も含む。

Description

関連出願の相互参照
本願は、「統合失調症および双極性障害を治療するための組織カリクレイン」という表題で2009年4月21日に出願された、米国特許出願第61/171,189号の利益および優先権を主張する。
上記特許出願の内容は、本明細書の詳細な説明中に、参照により本明細書に明白に組み込まれている。
本発明は、統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、および双極性障害を含めた精神障害を治療する方法であって、組織カリクレイン(KLK1)、その変異体または活性断片を投与するステップを含む方法を提供する。
統合失調症は、世界人口全体の約1%に影響する衰弱性精神病である(Langら、Cell Physiol Biochem.、2007、20:687〜702頁)。この複雑な慢性脳障害は、陽性、陰性、または認知障害型として分類される様々な症状を示し、青年期または初期成人期に出現し始める。
典型的な抗精神病薬と呼ばれる、統合失調症を治療するために開発された最初の薬物は、高親和性ドーパミンD2受容体アンタゴニストであり、これは、疾患の精神病性陽性症状の原因であると主に考えられている過剰なレベルのドーパミンを防止する。最終的に、この群の薬物は、支持を落としたが、その理由は、その一般的な望ましくない副作用(眠気、傾眠、および遅発性ジスキネジアのような錐体外路症状)のためであり、これらは、非コンプライアンスおよび精神病再発の可能性の増大に至る(Liebermanら、Am J Psychiatry、2003、160:1396〜1404頁);(Asher-Svanumら、BMC Psychiatry、2006、6:8頁);(Liebermanら、N Engl J Med.、2005、353: 1209〜23頁)。
ドーパミンD2受容体に対するより低い親和性、またはより高い親和性のセロトニン受容体標的化を有することによって副作用が低減されるように、非定型抗精神病薬が設計された。この群の薬物は、錐体外路症状副作用の低減を示すが、体重増加の増大および糖尿病の発症を含めた他の副作用によって阻まれている(Leibermanら、2005)。さらに、非定型抗精神病薬は、陰性症状および認知障害症状を適切に軽減することができない(Leibermanら、2005)。
統合失調症のための別の治療は、リチウムなどの気分安定剤を使用することである。気分安定剤は、疾患の躁病(陽性症状)および抑うつ症(陰性症状)を治療する。しかし、リチウムは、体に対して毒性に近い用量で使用されなければならない。したがって、致命的となり得る腎毒性、脱水、痙攣、および振戦を予防するために、不断のモニタリングが必要である。さらに、リチウムはまた、一般的な望ましくない副作用、例えば、しびれ、ぼーっとした感覚、および傾眠などを有する。広範な概説により、リチウム治療は単独では、統合失調症に効果がまったくないことが示されている(Leuchtら、Cochrane Database Syst Rev.、2007 3:CD001258)。
双極性障害(BP)は、米国における人口の2.6%に影響していると考えられている(Muzinaら、Ann Clin Psychiatry 2007、19(4):305〜12頁)。しかし、この障害に冒されている個体の実際の数は、一致しない診断のためにより多い場合がある。双極性障害は、ともに毎日の生活を大いに乱す、抑うつ症の期間と躁病の期間を特徴とする。双極性障害は、2つの群(双極性I障害または双極性II障害)に分類することができ、これらの群の両方は、抑うつ症および躁病の症状を含む。躁病は、競走的思考、急速な話し方、活動および感情の高ぶりのレベルの上昇、ならびに自尊心(self-esteem)の膨らんだ感覚として定義することができ、一方抑うつ症相は、自尊心(self worth)の欠如、孤立、悲しみ、圧倒された感覚を含み、自殺思考を含む場合がある。この衰弱性状態は、症状を調節するための医薬品の使用を多くの場合含む、医学的介入を必要とする。
一般的な治療には、気分安定剤、抗躁剤、抗痙攣薬、および抗てんかん薬が含まれ、これらは、2〜3例を挙げると、リチウム、クロルプロマジン、アミノフェニルピリドン(aminophenylpyridone)、アリピプラゾール、オランザピン、およびフルオキセチンを含むことができる。先に述べたように、これらの薬物は、いくつかの望ましくない副作用を有する場合がある。特に、リチウムは、吐き気、嘔吐、振戦、および下痢を引き起こすことが知られている。躁病期の治療の間、入院が必要とされることが多い(Muzina Prim Care 2007、34(3):521〜50頁)。
統合失調症および双極性障害のために利用可能な現在の治療は、決して満足とはいえない。望ましくない副作用および症状の不十分な軽減の問題は依然として残っており、したがって、より良好な療法が必要とされる(Javittら、Biol Psychiatry. 1999、45:668〜679頁)。統合失調症へのさらなる研究により、その原因の根底をなす追加の機構が明らかになった。ドーパミンではなく、不適切なグルタミン酸シグナル伝達が主要な要因であり、これは、不適切なグルタミン酸シグナル伝達の結果であると現在では考えられている(Buchananら、Schizophr Bull、2007、33: 1120〜1130頁);(Depoortereら、Neuropsychopharmacology、2005、30:1963〜1985頁)。
動物モデルにおいて、N-メチルD-アスパルテート(NMDA)受容体(NMDAR)アンタゴニストであるフェンシクリジン(PCP)を使用すると、グルタミン酸が脳細胞内のNMDA受容体のNR2部分に結合することを防止することによって、統合失調症のすべての症状(陽性、陰性、および認知障害)が再現される(Javittら、1999)。キヌレン酸(天然に存在するNMDA受容体アンタゴニスト)は、統合失調症を有するものにおいて異常に高いレベルで見出され、記憶問題に関連づけられる(Chessら、Schizophr Bull、2007、33:797〜804頁)。さらに、全身性エリテマトーデスを有するものの最大80%が、脳内のNMDA受容体のNR2部分と交差反応する抗DNA抗体のために、統合失調症と同様の精神病および認知障害を患う。この表現型は、ヒトSLE抗DNA抗体を脳内に移すことによって、動物モデル内で再現することができる(DeGiorgioら、Nat Med.、2001、7:1189〜93)。
NMDA受容体アンタゴニズムの分子分析により、PI3K/Akt/GSK-3β経路におけるAktおよびGSK-3βのリン酸化の減少が明らかになった(Leiら、Neuropsychopharmacology、2007、doi: 10.1038/sj.npp.1301511)。統合失調症患者は、正常な個体と比較してAkt活性の減少を示し(Emamianら、Nat Med.、2004、36: 131-137頁)、その結果、GSK-3βのその阻害性調節が損なわれる可能性がある。GSK-3βは、神経変性およびアポトーシスに結びつけられるセリン-トレオニンキナーゼであり、これにより、神経細胞シナプス結合性および体積が減少する場合がある。統合失調症では、これは、関連する陰性症状および認知障害症状の一因となる(Benitez-Kingら、Curr. Drug Targets CNS Neurol Disord.、2004、3:515〜33頁)。興味深いことに、一時的な幻覚発現性陽性様症状を誘導する向精神薬は、神経細胞の細胞骨格を混乱させ(劣化)(Benitez-Kingら、2004)、一方、GSK-3β活性によって阻害される転写因子であるβ-カテニンの過剰発現は、リチウム治療と同様の気分安定化に導く(Gouldら、Neuropsychopharmacology、2007、32:2173〜83頁)。
Roweらは、リチウムは、双極性障害を治療するために投与されたとき、GSK-3を調節することを実証している(Roweら、Neurosci Biobehav Rev. 2007、31(6):920〜31頁)。これは、リチウムは、双極性障害、ならびにGSK(PI3K/Akt/GSK-3β)調節経路の機能不全によって引き起こされる他の状態を治療するのに有効であることを示す。
さらなる分子分析により、神経成長因子(NGF)などのニューロトロフィンのレベルは、統合失調症患者において減少することが示された。成熟したニューロトロフィンは通常、その適切なTrk受容体に結合することによって、PI3K/Akt/GSK-3β経路を活性化し、これはまた、その発現を増大させる。ニューロトロフィンは、神経保護をもたらし、軸索成長および関連するシナプス結合性、ならびに神経発生を誘導するその能力について注目されている。
米国特許第5,534,615号
Langら、Cell Physiol Biochem.、2007、20:687〜702頁 Liebermanら、Am J Psychiatry、2003、160:1396〜1404頁 Asher-Svanumら、BMC Psychiatry、2006、6:8頁 Liebermanら、N Engl J Med.、2005、353: 1209〜23頁 Leuchtら、Cochrane Database Syst Rev.、2007 3:CD001258 Muzinaら、Ann Clin Psychiatry 2007、19(4):305〜12頁 Muzina Prim Care 2007、34(3):521〜50頁 Javittら、Biol Psychiatry. 1999、45:668〜679頁 Buchananら、Schizophr Bull、2007、33: 1120〜1130頁 Depoortereら、Neuropsychopharmacology、2005、30:1963〜1985頁 Chessら、Schizophr Bull、2007、33:797〜804頁 DeGiorgioら、Nat Med.、2001、7:1189〜93 Leiら、Neuropsychopharmacology、2007、doi: 10.1038/sj.npp.1301511 Emamianら、Nat Med.、2004、36: 131-137頁 Benitez-Kingら、Curr. Drug Targets CNS Neurol Disord.、2004、3:515〜33頁 Gouldら、Neuropsychopharmacology、2007、32:2173〜83頁 Roweら、Neurosci Biobehav Rev. 2007、31(6):920〜31頁 Yousefら、Endocrine Rev.、2001; 22: 184〜204頁 Lehninger, A.L.、Biochemistry、2版、71〜92頁、(1975)、Worth Publishers、New York RobertsおよびVellaccio、The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology、GrossおよびMeiehofer編、5巻 341頁、Academic Press, Inc、N.Y. 1983) The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、2006 Bornら、Nat. Neurosci. 2002、5(6):514〜6頁 Throneら、Neuroscience、2004、127(2):481〜96頁 Nodaら、Br. J. Pharmacol, 1995, 116:2531〜2537頁
本明細書に開示される治療ストラテジーは、統合失調症および双極性障害の様々な症状に対処し、これらは、疾患のための現在の治療において見出されていない。
本発明は、PI3K/Akt/GSK-3β経路によって影響される精神障害を治療する方法であって、組織カリクレイン(KLK1)、その変異体または活性断片を投与するステップを含む方法を含む。精神障害は、統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、または双極性障害であってもよい。
本発明の一態様は、統合失調症および関連状態の症状を治療するための方法であって、組織カリクレイン、その変異体または活性断片を投与するステップを含む方法を提供する。さらなる態様では、統合失調症の症状は、陽性症状、陰性症状、または認知症状であってもよい。陽性症状として、それだけに限らないが、妄想、幻覚、および緊張病性行動を挙げることができる。陰性症状として、それだけに限らないが、情緒の欠如、活動を楽しむことができないこと、低エネルギー、生活における興味の欠如、アロギー、不適切な社交術、友人を作ることができないこと、および社会的な孤立などを挙げることができる。認知症状には、それだけに限らないが、注意力/情報処理、感覚ゲーティング、問題解決、処理速度、言語的および視覚的学習および記憶、ならびに作業記憶の機能障害が含まれる。
さらなる態様では、本発明は、最初の発症または再発の前駆段階の統合失調症、または双極性障害を治療する方法であって、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与するステップを含む方法を含む。
本発明の一実施形態は、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与するステップを含む、双極性障害の症状を治療することを含む。双極性障害の症状は、持続的な気分混乱である場合があり、これは、抑うつ症および躁病の両方の期間を含む。
さらなる態様では、本発明は、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与することによって、脳細胞の神経保護を増大させる方法を含む。神経保護として、それだけに限らないが、ニューロトロフィン(例えば、NGF)の増加および/またはGSK-3β活性の減少を挙げることができる。
さらなる態様では、本発明は、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与することによって、脳内の細胞のアポトーシスを防止する方法を含む。アポトーシスを防止する方法には、それだけに限らないが、NGFなどのニューロトロフィンの増加および/またはGSK-3β活性の減少が含まれる。
さらなる態様では、本発明は、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与することによって、脳内の神経変性を防止する方法を提供する。神経変性を防止する方法には、それだけに限らないが、NGFなどのニューロトロフィンの増加および/またはGSK-3β活性の減少が含まれる。
本発明の別の態様では、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片は、経口投与することができる。経口投与は、経腸投与とすることができる。経口製剤は、液体、ピル、溶液、錠剤、徐放カプセル、腸溶カプセル、またはシロップであってもよい。経口治療用量は、1日当たり約1〜約1000国際単位(IU)の最大用量範囲とすることができる。
本発明の別の態様では、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片は、鼻腔内投与することができる。鼻腔内投与のための製剤は、軟膏、クリーム、ローション剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、油などであってもよい。経鼻治療用量は、1日当たり約1〜約5000IUの最大用量である。
本発明の別の態様は、統合失調症または双極性障害を治療するのに有用な治療化合物の同時投与をさらに含む、本明細書に記載されるような治療および予防方法を含む。統合失調症および/または双極性障害を治療するのに有用な治療化合物には、それだけに限らないが、一般的な抗精神病薬および非定型抗精神病薬、ならびにリチウムなどの気分安定剤、ならびにバルプロ酸が含まれる。
本発明の別の態様は、約1〜約1000IUのKLK1、またはその変異体もしくは活性断片を含み、薬学的に許容可能な賦形剤を任意選択によりさらに含み、上述したようなさらなる治療化合物を任意選択によりさらに含む、経口投与のために製剤化された医薬組成物を含む。
本発明の別の態様は、約1〜約5000IUのKLK1、またはその変異体もしくは活性断片を含み、薬学的に許容可能な賦形剤を任意選択により含む、鼻腔内投与のために製剤化された医薬組成物を含む。
統合失調症および双極性障害に結びつけられると考えられている生化学的経路、およびKLK1の作用の可能な経路の概略形式を示す図である。 統合失調症および双極性障害に結びつけられると考えられている生化学的経路、およびKLK1の作用の可能な経路の概略形式を示す図である。 統合失調症および双極性障害に結びつけられると考えられている生化学的経路、およびKLK1の作用の可能な経路の概略形式を示す図である。
定義
「組織カリクレイン」または「KLK1」は、キニノーゲンを切断してリシル-ブラジキニン(カリジン)にすることによって高血圧症を制御することにおけるその役割について主に注目されているセリンプロテアーゼである(Yousefら、Endocrine Rev.、2001; 22: 184-204頁)。KLKファミリーには多数の酵素が存在するが、KLK1は、遍在し、または複数の標的に作用する酵素であると思われる。本明細書で使用する場合、用語「組織カリクレイン」は、以下の用語と同義である。カリクレイン(callicrein)、グルモリン(glumorin)、パドレアチン(padreatin)、パズチン(padutin)、カリジノゲナーゼ、ブラジキニノゲナーゼ(bradykininogenase)、膵臓カリクレイン、オノクレインP、ジルミナール(dilminal)D、デポー-パズチン、ウロカリクレイン(urokallikrein)、または尿カリクレイン。
組織カリクレインポリペプチドは、以下の配列を有する。
NP_001001911 GI:50054435 イノシシ(Sus scrofa)
1-17 シグナルペプチド
18-24 プロペプチド
25-263 成熟ペプチド
>gi|50054435|ref|NP_001001911.1| カリクレイン1 [イノシシ(Sus scrofa)]
MWSLVMRLALSLAGTGAAPPIQSRIIGGRECEKDSHPWQVAIYHYSSFQCGGVLVDPKWVLTAAHCKND
N
YQVWLGRHNLFENEVTAQFFGVTADFPHPGFNLSLLKNHTKADGKDYSHDLMLLRLQSPAKITDAVKVL
E
LPTQEPELGSTCQASGWGSIEPGPDDFEFPDEIQCVELTLLQNTFCADAHPDKVTESMLCAGYLPGGKD
T
CMGDSGGPLICNGMWQGITSWGHTPCGSANKPSIYTKLIFYLDWINDTITENP(配列番号1)
別の実施形態は、
NP_002248 GI:4504875 ホモ・サピエンス(Homo sapiens)
1-18 シグナルペプチド
19-24 プロペプチド
25-262 成熟ペプチド
>gi|4504875|ref|NP_002248.1|カリクレイン 1 プレプロタンパク質 [ホモ・サピエンス(Homo sapiens)]
MWFLVLCLALSLGGTGAAPPIQSRIVGGWECEQHSQPWQAALYHFSTFQCGGILVHRQWVLTAAHCISD
N
YQLWLGRHNLFDDENTAQFVHVSESFPHPGFNMSLLENHTRQADEDYSHDLMLLRLTEPADTITDAVKV
V
ELPTEEPEVGSTCLASGWGSIEPENFSFPDDLQCVDLKILPNDECKKAHVQKVTDFMLCVGHLEGGKDT
C
VGDSGGPLMCDGVLQGVTSWGYVPCGTPNKPSVAVRVLSYVKWIEDTIAENS(配列番号2)
を含む。
用語「活性断片」は、全長KLK1ポリペプチドの活性を保持する、KLK1ポリペプチドのより小さい部分を指す。
出発ポリペプチドまたは参照ポリペプチドの「変異体」または「突然変異体」は、1)出発ポリペプチドまたは参照ポリペプチドのアミノ酸配列と異なるアミノ酸配列を有し、2)天然または人工の(人造の)突然変異生成によって出発ポリペプチドまたは参照ポリペプチドに由来したポリペプチドである。そのような変異体は、アミノ酸の欠失、挿入、置換、またはこれらの組合せを含むことができる。変異アミノ酸は、この脈絡において、出発ポリペプチドまたは参照ポリペプチド配列(源の抗体または抗原結合断片の配列など)における対応する位置でのアミノ酸と異なるアミノ酸を指す。最終的な変異体または突然変異体コンストラクトに到達するのに、欠失、挿入、および置換の任意の組合せを行うことができ、ただし、最終的なコンストラクトは、所望の機能的特性を有する。アミノ酸変化はまた、グリコシル化部位の数または位置を変更することなど、ポリペプチドの翻訳後プロセスを変更することができる。ポリペプチドのアミノ酸配列変異体を生成するための方法は、明白に参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,534,615号に記載されている。
「野生型」もしくは「参照」配列、または「野生型」もしくは「参照」タンパク質/ポリペプチドの配列は、変異体ポリペプチドが突然変異を導入して得られる参照配列とすることができる。一般に、所与のタンパク質についての「野生型」配列は、自然において最も一般的な配列である。同様に、「野生型」遺伝子配列は、自然において最も一般に見出される、その遺伝子についての配列である。突然変異は、天然のプロセスまたは人に誘導される手段によって、「野生型」遺伝子(したがって、これがコードするタンパク質)中に導入することができる。そのようなプロセスの産物は、元の「野生型」タンパク質または遺伝子の「変異体」または「突然変異体」形態である。
本明細書で同定されるポリペプチドに関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を実現するために、配列を整列させ、必要であればギャップを導入した後の、参照配列中のアミノ酸残基と同一である、候補配列中のアミノ酸残基の百分率として定義され、いずれの保存的置換も配列同一性の一部としてみなさない。パーセントアミノ酸配列同一性を求める目的のためのアライメントは、例えば、公的に入手可能なコンピューターソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、またはMegAlign(DNASTAR)ソフトウェアなどを使用して、当技術分野の技術範囲内である様々な方法で実現することができる。当業者は、比較されている配列の全長にわたって最大のアライメントを実現するのに必要な任意のアルゴリズムを含めて、アライメントを測定するための適切なパラメータを求めることができる。ALIGN-2プログラムは、Genentech, Inc.、South San Francisco、Californiaを通じて公的に入手可能である。
本明細書における目的のために、所与のアミノ酸配列Bと比べた、この配列Bとの、またはこの配列Bに対する所与のアミノ酸配列Aの%アミノ酸配列同一性(これは代わりに、所与のアミノ酸配列Bと比べた、この配列Bとの、またはこの配列Bに対するある特定の%アミノ酸配列同一性を有し、または含む所与のアミノ酸配列Aと表現することができる)は、以下のように計算される。
割合X/Yの100倍
ここでXは、配列アライメントプログラムによって、AおよびBのそのプログラムのアライメントにおいて、完全な一致としてスコアを付けられたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bと比べたAの%アミノ酸配列同一性は、Aと比べたBの%アミノ酸配列同一性と等しくないことが理解されるであろう。
「パーセント(%)核酸配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を実現するために、配列を整列させ、必要であればギャップを導入した後の、参照ポリペプチドコード核酸配列中のヌクレオチドと同一である、候補配列中のヌクレオチドの百分率として定義される。パーセント核酸配列同一性を求める目的のためのアライメントは、例えば、公的に入手可能なコンピューターソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、ALIGN-2またはMegAlign(DNASTAR)ソフトウェアなどを使用して、当技術分野の技術範囲内である様々な方法で実現することができる。比較されている配列の全長にわたって最大のアライメントを実現するのに必要な任意のアルゴリズムを含めて、アライメントを測定するための適切なパラメータは、既知の方法によって求めることができる。
本明細書における目的のために、所与の核酸配列Dと比べた、この配列Dとの、またはこの配列Dに対する所与の核酸配列Cの%核酸配列同一性(これは代わりに、所与の核酸配列Dと比べた、この配列Dとの、またはこの配列Dに対するある特定の%核酸配列同一性を有し、または含む所与の核酸配列Cと表現することができる)は、以下のように計算される。
割合W/Zの100倍
ここでWは、配列アライメントプログラムによって、CおよびDのそのプログラムのアライメントにおいて、完全な一致としてスコアを付けられたヌクレオチドの数であり、Zは、D中のヌクレオチドの総数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと等しくない場合、Dと比べたCの%核酸配列同一性は、Cと比べたDの%核酸配列同一性と等しくないことが理解されるであろう。「相同配列」、例えば、既知の配列と80%の同一性を有する配列は、既知の配列と非常に類似した活性を有することが、当技術分野でかなり一般的である。
用語「アミノ酸」は、その最も広い意味において使用され、天然に存在するLα-アミノ酸または残基を含むことを意味する。天然に存在するアミノ酸について、一般に使用される1文字の略語および3文字の略語が、本明細書で使用される(Lehninger, A.L.、Biochemistry、2版、71〜92頁、(1975)、Worth Publishers、New York)。この用語は、すべてのD-アミノ酸ならびにアミノ酸類似体などの化学的に修飾されたアミノ酸、ノルロイシンなどの、タンパク質中に通常組み込まれない天然に存在するアミノ酸、ならびにアミノ酸の特徴であると当技術分野で知られている性質を有する、化学合成された化合物を含む。例えば、天然のPheまたはProと同じ、ペプチド化合物の立体配置的制限を可能にするフェニルアラニンまたはプロリンの類似体または模倣体は、アミノ酸の定義内に含まれる。そのような類似体および模倣体は、アミノ酸の「機能的な均等物」と本明細書で呼ばれる。アミノ酸の他の例は、The Peptides: Analysis, Synthesis, Biology、GrossおよびMeiehofer編、5巻 341頁、Academic Press, Inc、N.Y. 1983において、RobertsおよびVellaccioによって列挙されており、これは、参照により本明細書に組み込まれている。
用語「タンパク質」は、ペプチドより長いアミノ酸配列を有する。「ペプチド」は、2〜約50のアミノ酸残基を含有する。用語「ポリペプチド」は、タンパク質およびペプチドを含む。タンパク質の例には、それだけに限らないが、抗体、酵素、レクチンおよび受容体、リポタンパク質およびリポポリペプチド、ならびに糖タンパク質および糖ポリペプチドが含まれる。
「融合タンパク質」および「融合ポリペプチド」は、一緒に共有結合的に連結された2つの部分を有するポリペプチドを指し、この部分のそれぞれは、異なる性質を有するポリペプチドである。性質は、インビトロまたはインビボでの活性などの生物学的性質であってもよい。性質はまた、単純な化学的または物理的性質、例えば、標的抗原への結合、反応の触媒作用などであってもよい。2つの部分は、1個のペプチド結合によって直接、または1つもしくは複数のアミノ酸残基を含有するペプチドリンカーを通じて連結することができる。一般に、2つの部分およびリンカーは、互いに読み枠内にある。融合ポリペプチドの2つの部分は、非相同ポリペプチドまたは異なるポリペプチドから得られることが好ましい。
用語「治療有効量」は、対象または哺乳動物における疾患または障害を「軽減する」または「治療する」のに有効な、組成物の量を指す。一般に、疾患または障害の軽減または治療により、疾患または障害に関連する1つまたは複数の症状または医学的問題が和らげられる。一実施形態では、「治療有効量」は、統合失調症および統合失調症の関連症状、最初の発症、再発の前駆段階の統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、ならびに双極性障害を治療する量である。
用語「治療(treatment)」および「治療すること(treating)」は、疾患およびその状態または症状を阻害、軽減、ならびに治癒することを指す。「治療すること」または「治療」は、治療的処置(therapeutic treatment)および予防(prophylactic or preventative)措置の両方を指し、その目的は、標的とされる病的状態または障害を予防し、または遅らせる(和らげる)ことである。治療は、KLK1、またはその変異体もしくは活性断片を、統合失調症または双極性障害を有する患者に投与するステップを含む。KLK1、またはその変異体もしくは活性断片の投与は、「治療有効量」を含み、これは、予防量(例えば、上述した疾患またはその症状を軽減し、または癒すのに有効な量)を含む。疾患の治療の成功および改善は、精神医学的評価によって評価することができる。
用語「予防(prevention)」および「予防する」は、予防(prophylaxis)すなわち、疾患、病状、疾患病態、および/または疾患症状が起こらないようにすることを指す。統合失調症および双極性疾患は、治療有効量のKLK1、またはその変異体もしくは活性断片を投与することによって予防することができる。「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、予防量(例えば、上述した疾患またはその症状を予防するのに有効な量)を含む。疾患の治療の成功および改善は、精神医学的評価によって評価することができる。
用語「統合失調症」は、慢性の心理学的障害/精神障害を指し、これは、精神病(現実との接触の喪失)、幻覚(偽りの知覚)、妄想(偽りの考え)、支離滅裂な会話および挙動、感情鈍麻(限定された範囲の情緒)、認知障害(推論および問題解決の障害)、ならびに職業的および社会的機能不全を特徴とする場合がある。統合失調症の症状は、病歴、問診による診察、身体検査、および実験室試験に基づいて、熟練した医師によって分類することができる。本明細書で使用するための用語「統合失調症」は、それだけに限らないが、解体型、緊張型、妄想型、残遺型、および鑑別不能型を含めた、統合失調症のすべてのサブタイプを包含する(The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、2006)。
統合失調症に関係する障害には、a)短期精神病性障害、b)妄想性障害、およびc)分裂情動性障害が含まれる。
用語「双極性障害」または「BP」または「躁うつ障害」または「躁うつ病」は、慢性の心理学的障害/気分障害を指し、これは、抑うつ症の期間および多幸感躁期間を含む著しい気分変化を特徴とする場合がある。BPは、個人歴および病歴、問診による診察、ならびに身体検査に基づいて、熟練した医師によって診断される。
用語「躁病」または「躁期間」は、個体が、以下の特性のいくつか、またはすべてを示す期間を指す。競走的思考、急速な話し方、活動および感情の高ぶりのレベルの上昇、ならびに自尊心の膨らんだ感覚、多幸感、稚拙な判断、不眠、集中力の低下、ならびに攻撃性。
用語「抑うつ症」は、個体が、それだけに限らないが、悲しみおよび落胆を含む感情を生じる精神状態を意味する憂うつな気分を有する期間を指し、これは、破壊行動をもたらす場合がある。
用語「最初の発症の前駆段階」は、特徴的な徴候が、完全に発症した疾病において見られる前に起こる、疾病の初期症状および兆しを指す。統合失調症および双極性障害では、これは、精神病前の障害の期間、または通常の行動障害の発症と、顕著な精神病性症状の最初の兆しとの間の間隔を表す。前駆期間は、統合失調症患者または双極性障害を有する個体の最初の行動エピソードの前であっても、エピソードの再発前の期間であってもよい。
用語「統合失調症の再発」は、以前に統合失調症に冒されていた健康な個体が、精神科医によって診断された際に統合失調症疾患にあった状態に戻る、症状の回帰を指す。
用語「双極性障害の再発」は、以前に双極性障害に冒されていた健康な個体が、精神科医によって診断された際に双極性障害疾患にあった状態に戻る、症状の回帰を指す。
用語「神経保護を増大させる」または「神経保護の増大」は、神経細胞の損傷および死の阻害を指す。
用語「同時の投与」、「同時に投与すること」、および「同時に投与される」は、混合してKLK1および治療化合物を投与することを指す。例えば、医薬組成物は、連続して、同時に、または異なる時間に投与される別個の化合物または別個の医薬組成物とすることができる。KLK1および治療化合物は、同時に投与されることが好ましい。
用語「追加の治療化合物」は、KLK1、その変異体または断片以外の、統合失調症または双極性障害を治療するのに使用される治療剤を指す。統合失調症または双極性障害を治療するための追加の治療化合物には、それだけに限らないが、一般的な抗精神病薬および非定型抗精神病薬、ならびに気分安定剤、例えば、リチウムおよびバルプロ酸などが含まれる。
用語「統合失調症スペクトル」は、様々な症状を共通して共有するが、軽度から重度の範囲の重症度において異なる、密接に関係した精神病性状態を指す。分裂性人格障害は、スペクトルの軽度範囲に位置され、統合失調症性人格は中等度に入り、統合失調症はスペクトルの重度端にある。スペクトル全体にわたって見出される共通の症状および認知障害は、正常な個体と比較して、異常な側頭脳構造に導く共有の遺伝学的事象および環境事象によるものである。スペクトルのより重度の端である慢性の統合失調症は、より悪い症状の原因となる前頭葉欠陥のような脳構造における追加の異常を示し、一方、スペクトルのより軽度な端である分裂性人格障害は、そのような追加の異常を有さず、側頭の欠陥をおそらくより良好に補償することができ、したがって症状がより軽度である。
用語「陽性症状」は、それだけに限らないが、妄想、幻覚、支離滅裂な思考、および緊張性運動行動を指す。
用語「陰性症状」は、それだけに限らないが、情緒の欠如、活動を楽しむことができないこと、低エネルギー、生活における興味の欠如、アロギー、意欲消失、不適切な社交術、友人を作ることができないこと、および社会的な孤立を指す。
用語「認知の症状」は、それだけに限らないが、注意力/情報処理、感覚ゲーティング、問題解決、処理速度、言語的および視覚的学習、ならびに記憶および作業記憶の能力を指す。
統合失調症および双極性障害を治療する方法
本発明は、統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、および双極性障害を治療するための方法を提供する。一実施形態は、組織カリクレイン、その変異体または活性断片を哺乳動物に投与することによって、哺乳動物における統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、または双極性障害を治療する方法を含む。投与は、経口または鼻腔内とすることができる。
統合失調症、統合失調症スペクトルの関連状態、および双極性障害の病態は、脳細胞および他の神経組織のアポトーシスを含む。KLK1の投与は神経保護をもたらし、すなわち、KLK1は、脳細胞のアポトーシスを阻害する。KLK1は、ブラジキニンB2受容体を活性化し、PI3K/Akt/GSK-3β経路の活性化に導く。Aktの活性化によりアポトーシスが防止され、それによって神経保護作用が生じる。KLK1によるブラジキニンB2受容体の活性化はまた、GSK-3βの調節阻害を活性化する。このプロセスは、図2に図式的に表されている。さらに、GSK-3βの阻害は、β-カテニンリン酸化を防止/阻害し、次いでこれは、β-カテニンのユビキチン依存性分解を防止/阻害する。β-カテニンの活性は、リチウムの投与によって実現される気分安定化能力を改善することができる。このプロセスは、図1に図式的に表されている。リチウムと同時に、KLK1、その変異体または活性断片を投与することにより、気分安定化がさらに改善される。
KLK1、またはその変異体もしくは活性断片はまた、ニューロトロフィンと相互作用することによって、アポトーシスおよび神経変性からの神経保護を生じさせ、軸索成長を促進し、神経細胞シナプス結合性を改善することができる。KLK1、または変異体もしくは活性断片の投与により、ニューロトロフィン、例えば、NGFが改変されて神経保護作用をもたらし、それによって、統合失調症、統合失調症スペクトルの状態、および双極性疾患を治療することができる。NGFの前駆体は、KLK1切断によって移行後に改変されてその成熟形態になり、その結果次いで、NGFは、Trk Aを通じてPI3K/Akt/GSK-3β経路を活性化することができる。このプロセスは、図3に図式的に表されている。Aktを活性化する、NGFのTrk Aへの結合は、NGFが切断されてその成熟形態になった後のみに起こり得る。KLK1、または変異体もしくは活性断片の投与はまた、ニューロトロフィンのKLK1改変を通じて、統合失調症、統合失調症スペクトルの状態、および双極性疾患を治療する。
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、経口で、または鼻腔内に投与される組成物を含む。鼻腔内投与に適した製剤には、粉末、顆粒、溶液、液滴、軟膏、クリーム、ローション剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、油などが含まれる。本発明の溶液または懸濁液は、従来の手段によって、例えば、点滴器、ピペット、またはスプレーを用いて鼻腔に直接塗布され得る。製剤は、単回投与形態または複数回投与形態で提供することができる。溶液は、滅菌した、等張性、または低張性とすることができ、さもなければ、注射もしくは他の手段によって投与するのに適していることができ、適切なアジュバント、緩衝液、保存剤、および塩を含有することができる。点鼻剤などの溶液は、抗酸化剤、緩衝液などを含有することができる。粉末または顆粒形態の医薬組成物を、溶液、ならびに希釈剤、分散剤、および/または表面活性剤と組み合わせることができる。
エアロゾル投与のための製剤は、鼻腔内投与のために設計された製剤を含む。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン)、二酸化炭素、または他の適当なガスなどの適当な噴霧剤を含む加圧パックで提供することができる。エアロゾルは、レシチンなどの界面活性剤も含有することができる。薬物の用量は、計量されたバルブによって制御することができる。あるいは、活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、適当な粉末基剤、例えば、ラクトース、デンプン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体、およびポリビニルピロリジン(PVP)などの中にある化合物の粉末ミックスで提供することができる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は単位用量形態、例えば、例えばゼラチン、もしくは粉末を吸入器によって投与することができるブリスター包装のカプセルまたはカートリッジで差し出すことができる。
鼻腔内投与のために製剤化される医薬組成物は、約1〜約5000IUのKLK1、またはその変異体もしくは活性断片を含み、薬学的に許容可能な賦形剤を任意選択によりさらに含む。KLK1、その変異体または活性断片の鼻腔内用量は、1日当たり約1〜約5000IU;1日当たり約1〜約4000IU;1日当たり約1〜約3000IU;1日当たり約1〜約2500IU;1日当たり約1〜約2000IU;1日当たり約1〜約1000IU;1日当たり約1〜約750IU;1日当たり約1〜約500IU;1日当たり約1〜約400IU;1日当たり約1〜約300IU;1日当たり約1〜約250IU;1日当たり約1〜約200IU;1日当たり約1〜約150IU;1日当たり約1〜約100IU;1日当たり約1〜約75IU;1日当たり約1〜約50IU;1日当たり約1〜約50IU;1日当たり約1〜約25IU;1日当たり約1〜約20IU;1日当たり約1〜約15IU;1日当たり約1〜約10IU;1日当たり約1〜約5IU;1日当たり約5〜約1000IU;1日当たり約10〜約1000IU;1日当たり約15〜約1000IU;1日当たり約20〜約1000IU;1日当たり約25〜約1000IU;1日当たり約50〜約1000IU;1日当たり約75〜約1000IU;1日当たり約100〜約1000IU;1日当たり約150〜約1000IU;1日当たり約200〜約1000IU;1日当たり約250〜約1000IU;1日当たり約300〜約1000IU;1日当たり約400〜約1000IU;1日当たり約500〜約1000IU;1日当たり約750〜約1000IU;1日当たり約10〜約100IU;1日当たり約10〜約250IU;1日当たり約10〜約500IU;1日当たり約50〜約250IU;1日当たり約50〜約500IU;1日当たり約100〜約250IU;1日当たり約100〜約500IU;または1日当たり約250〜約750IUの用量とすることができる。
経口投与に適した製剤には、液体、ピル、溶液、錠剤、徐放カプセル、腸溶カプセル、またはシロップが含まれる。経口投与のために製剤化される医薬組成物は、約1〜1000IUのKLK1、またはその変異体もしくは活性断片を含み、薬学的に許容可能な賦形剤を任意選択によりさらに含む。KLK1、その変異体または活性断片の経口用量は、1日当たり約1〜約1000IU;1日当たり約1〜約750IU;1日当たり約1〜約500IU;1日当たり約1〜約400IU;1日当たり約1〜約300IU;1日当たり約1〜約250IU;1日当たり約1〜約200IU;1日当たり約1〜約150IU;1日当たり約1〜約100IU;1日当たり約1〜約75IU;1日当たり約1〜約50IU;1日当たり約1〜約50IU;1日当たり約1〜約25IU;1日当たり約1〜約20IU;1日当たり約1〜約15IU;1日当たり約1〜約10IU;1日当たり約1〜約5IU;1日当たり約5〜約1000IU;1日当たり約10〜約1000IU;1日当たり約15〜約1000IU;1日当たり約20〜約1000IU;1日当たり約25〜約1000IU;1日当たり約50〜約1000IU;1日当たり約75〜約1000IU;1日当たり約100〜約1000IU;1日当たり約150〜約1000IU;1日当たり約200〜約1000IU;1日当たり約250〜約1000IU;1日当たり約300〜約1000IU;1日当たり約400〜約1000IU;1日当たり約500〜約1000IU;1日当たり約750〜約1000IU;1日当たり約10〜約100IU;1日当たり約10〜約250IU;1日当たり約10〜約500IU;1日当たり約50〜約250IU;1日当たり約50〜約500IU;1日当たり約100〜約250IU;1日当たり約100〜約500IU;または1日当たり約250〜約750IUの用量とすることができる。
医薬組成物の投与
脳内の栄養物を処理するための薬物投与の従来の様式には、経口ならびに静脈内投与経路が含まれる。これらの様式は、必ずしも理想的であるとは限らない。化合物の経口投与は、バイオアベイラビリティーの制限(溶解度、肝初回通過分解、血液脳関門制限)、ならびに潜在的に望ましくない胃腸の副作用を伴う持続放出問題を生じる。しかし、組織カリクレイン(KLK1)は、通過することができるように思われ、血液脳関門を迂回し、その結果、これが脳へのその効果を生じさせることができる。
静脈内(i.v.)投与は、訓練された医学専門家を必要とし、これは、健康管理システムにとって時間がかかり、高価であり、患者コンプライアンス問題をもたらす場合がある。静脈内投与に関連するリスクも存在する(例えば、注射部位での感染症)。
鼻腔内投与は、薬物を「速効性」にさせ、その理由は、これが、より直接的な経路によって脳に到達するためである。鼻腔内投与は、好都合であり、患者コンプライアンスの問題を実質的に排除する。粘膜および粘膜下の上皮細胞は、選択的に浸透性である。したがって、KLK1などのタンパク質は通過し、鼻腔内経路を介して血液脳関門を迂回する。鼻腔内投与されるKLK1は、脳に直接にその効果を生じさせることができ、それによって、鼻の経路の上部における嗅覚領域の関与により、末梢効果を最小限にする。
鼻腔内に投与された物質は、2つの可能な経路、すなわち、神経細胞内および神経細胞外をたどることができる。ペプチドがアクソンに沿って移動して血液脳関門を迂回する、嗅覚ニューロン中へのペプチドの取込みは、神経細胞内経路である。嗅覚領域の上皮内のユニークな細胞間間隙を通る通過は、ペプチドをくも膜下空間内に拡散させる細胞外経路である。細胞外経路がより好ましく、その理由は、脳への迅速な通過時間、神経細胞内経路において伴われるタンパク質分解の回避(Bornら、Nat. Neurosci. 2002、5(6):514〜6頁)、および脳の複数の部位での生物学的効果の迅速な誘発(Throneら、Neuroscience、2004、127(2):481〜96頁)のためである。
経口送達が可能であるが、脳内の作用の所望の部位へのKLK1のより直接的な送達のために、好適な投与経路は鼻腔内である。
医薬組成物は、経口的に、または鼻腔内に投与することができる。鼻腔内投与に適した製剤には、軟膏、クリーム、ローション剤、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル、油などが含まれる。溶液または懸濁液は、従来の手段によって、例えば、点滴器、ピペット、またはスプレーを用いて鼻腔に直接塗布される。製剤は、単回用量形態または複数回用量形態で提供することができる。点滴器またはピペットについて、患者は、適切な、所定の体積の溶液または懸濁液を投与することができる。スプレーは、計量噴霧化スプレーポンプによって投与することができる。
特に気道へのエアロゾル投与のための製剤は、鼻腔内投与を含む。活性成分は、適当な噴霧剤、例えば、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、または他の適当なガスなどを含む加圧パックで提供される。エアロゾルは、レシチンなどの界面活性剤も含有することができる。薬物の用量は、計量されたバルブによって制御することができる。あるいは活性成分は、乾燥粉末、例えば、適当な粉末基剤、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのデンプン誘導体、およびポリビニルピロリジン(PVP)などの中の化合物の粉末ミックスの形態で提供することができる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成することができる。粉末組成物は、単位用量形態、例えば、ゼラチン、またはブリスター包装のカプセル、カートリッジで差し出すことができる。粉末は、吸入器によって投与することができる。
本発明の方法は、経ニューロン性逆行性および順行性輸送機構を通じて、脳の患部に化合物を送達するステップを含む。その輸送システムによる脳への神経作用剤(neurologic agent)の送達は、いくつかの方法で実現することができる。一技法は、KLK1単独を鼻腔に送達するステップを含む。この場合では、KLK1の化学的特性により、脳内の病的神経細胞へのその輸送を促進することができる。補助物質は、末梢知覚神経に、かつ/または神経経路に沿って脳の機能不全領域にKLK1を送達することができる。嗅覚神経経路の末梢神経細胞を利用することによって、嗅球に接続された脳の領域内の損傷した神経細胞にKLK1を送達することができる。
本発明の方法により、哺乳動物の鼻腔にKLK1が送達される。KLK1は、呼吸上皮内の毛細血管ではなく、末梢嗅覚ニューロン中に作用剤を輸送することを促進するために、鼻腔の上部3分の1内の嗅覚領域、特に嗅上皮に送達されることが好適である。KLK1を、脳内の損傷した神経細胞に送達することができるように、循環系の代わりに神経系により脳へKLK1が輸送される。
嗅覚ニューロンにKLK1を送達するために、医薬組成物として、KLK1を単独で、または他の物質と併用して、鼻腔の上部3分の1内に位置した嗅覚領域に投与することができる。組成物は、粉末もしくは液体経鼻スプレー、点鼻剤、ゲル、または軟膏として、管またはカテーテルを通じて、シリンジ、パックテイル(packtail)、綿球または粘膜下注入によって、鼻腔内に投与することができる。
経口投与は、溶液、錠剤、徐放カプセル、腸溶カプセル、およびシロップの経腸投与を含む。
KLK1は、医薬組成物を形成するために、担体および/または他のアジュバントと組み合わせてもよい。潜在的なアジュバントには、それだけに限らないが、GM-1、ホスファチジルセリン(PS)、およびポリソルベート80などの乳化剤が含まれる。さらなる追加の物質には、それだけに限らないが、ガングリオシドおよびホスファチジルセリン(PS)などの親油性物質が含まれる。
KLK1は、単独で、または統合失調症もしくは双極性障害を治療するのに有用な第2の治療化合物と併用して、鼻腔に投与することができる。統合失調症を治療するのに有用な第2の治療化合物として、それだけに限らないが、トリフルオペラジン、フルアンキソール、ロキサパック(loxapac)、ロキシタン、エトラホン(etrafon)、トリラホン、トラジン、ハロポイドール(halopoidol)、デカン酸フルフェナジン、アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、レスペリドン(resperidone)、クエスチアピレ(questiapire)、オランザピン、イロペリドン(Titan/Novartis)、DTA201A(Knoll)、DV127090(Solvayl Lundbeck)、ORG5222(Organon)、オサネタント(Sanofi-Synthelabo)、およびMEM3454(Memoray Pharmaceuticals Corp.)が挙げられる。双極性障害を治療するのに有用な第2の治療化合物として、それだけに限らないが、アリピプラゾール、アセナピン(治験)、カルバマゼピン、フルオキセチン、およびアランザピン(alanzapine)、ラモトリジン、リチウム、オランザピン、オキシカルバゼピン、クエチアピン、リスペリドン、トピラマート、バルプロ酸、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、およびジプラシドンが挙げられる。
本発明の一実施形態では、KLK1は、親油性物質からなるミセルと組み合わせることができる。ミセルは、鼻粘膜の浸透性を修正し、作用剤の吸収を増強することができる。親油性ミセルには、ガングリオシド、特にGM-1ガングリオシド、およびホスファチジルセリン(PS)が含まれ得る。
KLK1が鼻上皮と交差した後、KLK1は嗅覚神経経路に沿って輸送される。KLK1は、嗅覚系内で移動することができる。特に、神経栄養性物質および神経突起生成物質は、神経細胞膜中への即座の取込み、および神経細胞受容体部位に対する親和性を実証した。
(実施例)
(実施例1)
ラットにおける、KLK1で治療した後の、驚愕のプレパルス抑制の欠陥予防
正常なラットでは、先行するプレパルスが、驚愕パルスに対する応答を減衰させるが、PCPで処置されたラットでは、感覚運動ゲーティングの喪失により、プレパルス抑制の欠陥に至り、その結果、驚愕パルスに対する応答がより強い。驚愕のプレパルス抑制におけるこの欠陥は、統合失調症において見られる。
室温で食物および水へのアクセスが自由である、環境順化したオスのスプラーグドーリーまたはウィスターラットを5つの処置群に分割する。
a) ビヒクルs.c.およびビヒクルi.n.の10匹
b) PCP s.c.およびビヒクルi.n.の10匹
c) PCP s.c.およびクロザピンi.p.の10匹
d) 用量IでKLK1処置して14日後のPCP s.c.の10匹
e) 用量IIでKLK1処置して14日後のPCP s.c. 10匹
使用した用量は、PCP 0.5〜3.0mg/kg、クロザピン1〜15mg/kg、およびKLK1 0.01〜1000IUである。KLK1は、プレパルス抑制試験の1時間前に投与する。クロザピンは、プレパルス抑制試験の約30分前に投与する。PCPは、プレパルス抑制試験の約15分前に投与する。
動物を、標準的な驚愕チャンバー内に個々に配置し、このチャンバー内で2〜5分の期間慣れさせた後、試験を開始する。疑似ランダム様式で、各動物を、10〜15の無驚愕パルス(バックグラウンドノイズのみ)試行、10〜15の驚愕パルス試行(100〜120dB)、10〜15の低プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行、10〜15の中程度プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行、および高プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行に、10〜30秒の試行間間隔で曝す。驚愕パルスに応答して、動きをチャンバーセンサーによって測定し、驚愕振幅として記録する。プレパルス抑制は、プレパルスの非存在下での振幅と比較した、プレパルスの存在下での驚愕振幅の低下率(100-(100×プレパルス(低、中程度、高)の平均+驚愕/驚愕の平均)によって定義される。
PCPで処置した後、PCP処置-ビヒクルのみの群は、非PCP処置群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な減少を示す。陽性対照としてのクロザピン処置群は、PCP処置-ビヒクル群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な増加を示す。KLK1を用いた処置は、PCP処置後にプレパルス抑制を回復させ、その結果、PCP処置-ビヒクルのみの処置群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な増加がある。
(実施例2)
KLK1処置によって減少する、強制水泳試験におけるPCPで増強された不動時間
環境順化したスプラーグドーリーラットを、対照群および処置群(3群)に分割する。2つの処置群にそれぞれ、10mg/kg/日のPCPを、14日間腹腔内に注射で投与する一方、対照群に食塩水を投与する。15日目に、処置群の一方に0.01〜1000IUのKLK1を30〜60分間投与する。
強制水泳試験
げっ歯類は、逃避の可能性のない、水で満たされたガラスシリンダー中に置くと不動になり、これは、ストレスに対する無条件反応である(「行動的絶望」としても知られる)。Nodaらは、PCP注射の繰り返しにより、この応答が誘導されることを証明した(Br. J. Pharmacol, 1995, 116:2531〜2537頁)。統合失調症、特に陰性症状を治療するための治療剤は、この応答を低減させた。
ラットを、25℃の水で30cmに満たしたPlexiglas(登録商標)シリンダー(高さ60.5cmおよび直径29cm)中に6分間置くことによって、強制水泳試験にかける。不動時間を記録することによって、群の平均を求める。
KLK1は、PCPで処置したマウスの不動時間を減少させることができる。したがって、PCP+KLK1群は、PCPのみの処置群と比較して、平均不動時間の予期しない、有意な減少を示す。
(実施例3)
KLK1は、新規物体認識(NOR)タスクにおいて、亜慢性のPCPで誘導される認知障害を低減する
新規物体認識(NOR)タスクは、見慣れた物体の代わりに新規物体を探索する、動物の自然の傾向に依拠する。新規物体の探索は、学習および記憶(認識)を示す。無影響の対照と比較して新規物体との探索時間がより短いことは、認知障害を示す。
環境順化したメスのフーデッドリスター(Hooded-Lister)ラットを、対照群および処置群に分割する。2つの処置群に、10mg/kg/日のPCPを7日間腹腔内に注射で投与する一方、対照群に食塩水を投与した後、すべての群について7日間処置をしない。15日目に、PCP処置群の一方に0.01〜1000IUのKLK1を30〜60分間投与する。
中に同様の高さの2つの物体が配置された、黒色の壁を有する開いたPlexiglas(登録商標)ボックス(52cm L; 52cm W;31cm H)内に各ラットを置く。次いで、ラットを短時間(1分)ボックスから取り出し、物体の1つが新しい物体に置き換えられたことを見つけるために戻す。物体のそれぞれに対する動物の探索時間を求める。探索時間は、嗅ぐ動作、なめること、触ること、物体上に立ち、または座ることに費やした時間を含む。
この試験の前に、ラットをボックスに入れ、その結果、ラットは、この環境に慣れ親しむことができ、したがって、この刺激は試験結果に影響しない。ラットをボックスから取り出すときはいつでも、物体およびボックス自体を10%のアルコールで掃除し、長く残る嗅覚の手がかりを除去する。
すべての実験をカメラで収め、処置群に対してブラインドされた実験者によって分析する。
PCPのみの処置群は、PCPで誘導される認知障害のために、見慣れた物体と新規物体を区別することができない。また、見慣れた物体と新規物体の間で、平均探索時間の統計的に有意な差異はまったく見られない。PCP+KLK1処置群は、見慣れた物体と比較して、新規物体に対する平均探索時間の予期しない、有意な増加の観察結果により、KLK1は、PCPで誘導される認知障害を阻害することができることを示す。
この結果は、KLK1は、精神障害の認知障害を再現すると考えられる認知障害様症状を低減することができることを示す。
(実施例4)
GSK-3β活性化を介したPCPで誘導される神経変性は、KLK1処置で予防される
スプラーグドーリーラット胚前脳細胞(embryonic forebrain cell)(E18〜E19)を、Mg2+またはCa2+を含まない冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)を使用して解離し、ポリリジン(5mg/ml)コートマルチウェルプレート中に10×105細胞/mlで再度蒔き、0.05mMのL-グルタミンおよび10%のB27(Invitrogen)を追加したNeurobasal培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)中で、5%のCO2中37℃で増殖させる。培地は、4日毎に交換する。
14日後に、細胞を、様々な期間、すなわち、0、1、3、6、12、24、および48時間にわたって、1μMのPCPで処置する。特定の時点の最後の後に、細胞をPBSで洗浄し、RIPA緩衝液(Pierce Biotechnology、Rockford、IL)で溶解する。細胞抽出物を、20000×gで遠心分離し、上澄みを収集し、タンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイキット(Pierce)を使用して求める。タンパク質細胞抽出物30μgを使用して、各時点をウエスタンブロットすることによって、リン酸化GSK-3βS9 (不活性な)および活性化されたカスパーゼ-3(17kDa)の存在を判定し、これらを定量化する。各時点で、それぞれの相対的なバンド密度を、対照(非PCP処置細胞可溶化物)と比較し、対照の百分率として密度グラフにプロットする。グラフは、PCPのみで処置した細胞において経時的に、リン酸化GSK-3βS9のレベルは減少する一方で、活性化されたカスパーゼ-3(17kDa)のレベルは、24時間の時点まで増大することを示す。このことは、PCP処置によりGSK-3βが活性化され、これは、活性GSK-3βによって下流のカスパーゼ-3を活性化することを示す。この傾向は、精神障害において観察される神経変性の特徴である、カスパーゼ-3活性化を介した神経細胞死を示す。
様々な期間、すなわち、0、1、3、6、12、24、および48時間にわたって、PCP(1μM)およびKLK1(0.001〜1000IUの用量範囲内)で処置した細胞を用いて、この同じ手順を繰り返す。得られたグラフは、KLK1の添加は、PCPで誘導される神経変性を予防することを示す。経時的なGSK-3βS9のリン酸化の減少および活性カスパーゼ-3の増大の傾向は、KLK1によって減衰される。
(実施例5)
マウスにおける、KLK1で処置した後の、驚愕のプレパルス抑制の欠陥の予防
室温で食物および水へのアクセスが自由である、環境順化したオスのマウスを5つの処置群に分割する。
a) ビヒクルs.c.およびビヒクルi.n.の10匹
b) PCP s.c.およびビヒクルi.n.の10匹
c) PCP s.c.およびクロザピンi.p.の10匹
d) 用量IでKLK1処置して14日後のPCP s.c.の10匹
e) 用量IIでKLK1処置して14日後のPCP s.c.の10匹
使用した用量は、PCP 1.0〜10.0mg/kg、クロザピン1〜15mg/kg、およびKLK1 0.01〜1000IUである。KLK1は、プレパルス抑制試験の1時間前に投与する。クロザピンは、プレパルス抑制試験の約30分前に投与する。PCPは、プレパルス抑制試験の約15分前に投与する。
動物を、標準的な驚愕チャンバー内に個々に配置し、このチャンバー内で2〜5分の期間慣れさせた後、試験を開始する。疑似ランダム様式で、各動物を、10〜15の無驚愕パルス(バックグラウンドノイズのみ)試行、10〜15の驚愕パルス試行(100〜120dB)、10〜15の低プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行、10〜15の中程度プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行、および高プレパルス(50〜90dB)+驚愕試行に、10〜30秒の試行間間隔で曝す。驚愕パルスに応答して、動きをチャンバーセンサーによって測定し、驚愕振幅として記録する。プレパルス抑制は、プレパルスの非存在下での振幅と比較した、プレパルスの存在下での驚愕振幅の低下率(100-(100×プレパルス(低、中程度、高)+驚愕の平均/驚愕の平均)によって定義される。
PCPで処置した後、PCP処置-ビヒクルのみの群は、非PCP処置群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な減少を示す。陽性対照としてのクロザピン処置群は、PCP処置-ビヒクル群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な増加を示す。KLK1を用いた処置は、PCP処置後にプレパルス抑制を回復させ、その結果、PCP処置-ビヒクルのみの処置群と比較して、プレパルス抑制率の統計的に有意な増加がある。

Claims (15)

  1. 精神障害を治療する方法であって、組織カリクレイン、その断片または変異体を投与するステップを含み、精神障害は、機能不全性PI3K/Akt/GSK-3β経路を有する方法。
  2. 精神障害が統合失調症である、請求項1に記載の方法。
  3. 精神障害が双極性障害である、請求項1に記載の方法。
  4. 精神障害が統合失調症スペクトルである、請求項1に記載の方法。
  5. 組織カリクレイン、その断片または変異体が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 組織カリクレイン、その断片または変異体が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択される配列と80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  7. 投与するステップが、経口投与される、1日当たり1〜1000国際単位の投与を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 投与するステップが、鼻腔内投与される、1日当たり1〜5000国際単位の投与を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 投与が、従来の精神障害薬と併用されるものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 従来の精神障害薬が、トリフルオペラジン、フルアンキソール、ロキサパック、ロキシタン、エトラホン、トリラホン、トラジン、ハロポイドール、フルフェナジン、デカン酸塩、アリピプラゾール、クロザピン、ジプラシドン、レスペリドン、クエスチアピレ、オランザピン、イロペリドン、DTA201A、DV127090、ORG5222、オサネタント、MEM3454、アリピプラゾール、アセナピン、カルバメザピン、フルオキセチン、アランザピン、ラモトリジン、リチウム、ロアンザピン、オキシカルバゼピン、クエチアピン、リスペリドン、トピラマート、バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、およびジプラシドンからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 機能不全性PI3K/Akt/GSK-3β経路を有する精神障害を治療するための薬物の調製における、組織カリクレイン、その断片または変異体の使用。
  12. 機能不全性PI3K/Akt/GSK-3β経路を有する精神障害を治療するための、組織カリクレイン、その断片または変異体の使用。
  13. 精神障害が、統合失調症、双極性障害、および統合失調症スペクトルからなる群から選択される、請求項11または12に記載の使用。
  14. 組織カリクレイン、その断片または変異体が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 組織カリクレイン、その断片または変異体が、配列番号1および配列番号2からなる群から選択される配列と80%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の使用。
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