図1および2は、脊椎100の腰部分の概略図である。脊柱管102は、複数の椎骨104、106、および108により形成され、椎骨は、前方に椎体110、112、および114を備え、後方に椎弓116および118を備える。図1における上位の椎骨104の椎弓と隣接する結合組織とは、脊柱管102内の脊髄122をより良好に図示するために省略されている。脊髄神経124は、脊髄122から双方に分岐し、隣接する椎骨104、106、および108によって構成される椎間孔126(図2および3に最も良く見られる)を通って脊柱管102を出る。椎間孔126は、典型的には、椎弓根120の下面、椎体104、106、および108の一部分、隣接する椎骨の下関節突起128、および上関節突起130によって境界付けられる。また、椎弓116および118から突出しているのは、椎骨106および108の横突起132および後棘突起134である。椎体110、112、および114の間に位置しているのは、椎間板123である。
図3を参照すると、脊髄122は、包膜嚢136によって被覆される。包膜嚢136と脊柱管102の境界との間の空間は、硬膜上腔138として知られている。硬膜上腔138は、脊柱管102の縦靭帯140および黄色靭帯142によって、それぞれ前方および後方で境界付けられ、椎弓116および118の椎弓枝120および椎間孔126によって側方で境界付けられる。硬膜上腔138は、椎聞孔126を介して傍脊椎腔144と連続する。
図4Aを参照すると、椎間板150は、典型的には、線維輪152として知られている結合組織の外端、多層構造、環状帯を備え、線維輪152は、髄核154として知られているゲルのような弾力材を包み込む。髄核154は、脊椎に影響を与えるカのための衝撃吸収構造としての機能を果たす。線維輪152および髄核154はともに、線維輪152の弱化領域で腫れ出て、さらに線維輪152を通って押し出するために、時間とともに弾性を減少させ髄核を引き起こし得る弾性膠原構造である。図4Aは、髄核154の突出156を概略的に示し、突出156は、椎間孔126内の線維輪152の壁面を通って貫通し、脊椎から出る神経124を圧迫している。突出156は、残存髄核154と連続している状態のままであるが、突出156は摘取または分離し得、中核の一部分の隔離という結果となる。
前述のように、椎間板ヘルニアの治療には、椎間板物質の除去または減容を伴う、障害のある椎間板への内部アクセスが含まれ得る。これは、少なくとも一部分の椎間板の断面を回復させるために、膨張または突出を引き起こしている圧力を軽減し得る。図4Aにおいて、例えば、組織除去装置200は、ヘルニア様椎間板150から外へ拡張している突出156の中に挿入されている。組織除去装置200は、その後、突出物質を分裂し除去するように作動する。いくつかの実施形態では、組織除去装置200は、椎間板150の中に遠位にさらに挿入され得る。椎間板150の付加的な組織は、その後、除去され得る。図4Bで示されたように、多量の髄核154を除去し、突出156を引き起こしているいくらかの圧力を軽減した後、突出156は椎間板150の中に戻って収縮することができ、その結果、突出経路160を軽減し、精髄神経124の圧迫を軽減する。図4Aにヘルニア様椎間板の対側アクセスが示されているが、同側アクセスもまた使用され得る。さらに、突出したヘルニア様椎間板の直接の組織除去もまた実行され得る。
椎間板切除または髄核摘出術のための椎間板組織の除去に使用される装置には、レーザ、椎間板切除術、トレフイン、ばり、骨鉗子、ラスプ、キュレット、および切断鉗子が含まれ得る。これらの装置の多くは、十分な断面規模を有し、椎間板の中に挿入されると、挿入部位での線維輪の安全性を実質的に危うくする挿入チャネルを作り出す。したがって、残存した髄核物質は、挿入部位を接合または別様に閉鎖するための処置を講じることなく、挿入部位を通って突出するか、あるいはヘルニアになり得、その結果、椎間板切除または髄核摘出手術に複雑性が増す。
対照的に、組織除去装置は、椎間板の中への進入経路を封印または閉鎖するために、縫合、接着、または他の処置を必要とすることなく、椎間板に向かってまたは椎間板の中への低侵襲的挿入のために形成され得る。組織除去装置は、脊椎の中および体の他の領域の至るところでの椎間板切除、髄核摘出術、接着溶解、および他の組織除去手術を含むが、そられに限定されない多種多様の処置のうちのいずれかに使われ得る。図5Aは、組織除去装置2の1つの実施形態を示し、筐体6に連結された外側管4を備える。静的外側管4は、組織除去アセンブリ8に取り付けられる回転駆動軸(図示せず)を被覆する。他の実施形態では、組織除去装置2は、外側管を含まなくてもよく、組織除去装置の駆動軸は、カニューレまたは他のアクセス装置の管腔の中に挿入されてもよい。筐体6は、組織除去装置2の組織除去アセンブリ8および他の任意選択の特徴を制御するように構成された1つ以上の構成要素を含む。組織除去アセンブリ8は、その実施例については、以下により詳細に鮮明するが、種々のスピードで回転されると、組織を切断、切り取り、研削、バリ取り、粉砕、創傷切除、減量、乳化、分裂、または別様に除去するように構成されてもよい。乳化には、例えば、培地における組織粒子の懸濁の形成が含まれ、培地は、標的部位における既存の流体、組織除去装置を介して追加された流体、および/または組織の減量により生成される流体を含んでいてもよい。任意選択の構成要素には、組織除去アセンブリを回転または移動するように構成されるモータ、電源または電力インターフェース、モータ制御器、組織輸送アセンブリ、エネルギ送達または凍結療法アセンブリ、治療剤送達アセンブリ、光源、および1つ以上の流体シールが含まれていてもよいが、これらに限定されない。任意選択の組織輸送アセンブリは、吸引アセンブリおよび/または機械的吸入アセンブリを備えていてもよい。組織除去装置および/または筐体6に遠位に位置している他の構成要素を操作するために、外側管4を通って、または筐体6から直接作用することができる。たとえば、組織除去装置2は、組織または標的部位もしくは患者からの流体の輸送を容易にするために、吸入源または吸引源に取り付けられることのできる任意選択のポート20をさらに備える。吸引源は、たとえば、動力真空ポンプ、壁面の吸引出口、または注射器であってもよい。
筐体6は、制御インターフェース10をさらに備えてもよく、制御インターフェース10は、オン状態およびオフ状態を含むが、これらに限定されない組織除去装置2の電力状態を制御するために使用されることができる。この特定の実施形態では、制御インターフェース10は、レバーまたは枢動部材を備えるが、他の実施形態では、制御インターフェース10は、押ボタン、スライド、ダイヤル、またはノブを備えてもよい。いくつかの実施形態では、制御インターフェース10はまた、組織除去アセンブリ8のモータ速度および/または運動方向を調整してもよい。双方向組織除去装置は、たとえば、万が一組織除去アセンブリ8が体内組織または構造に詰まった場合に、潜在的な安全特徴として提供されてもよい。硬膜上腔に見られるクモの巣状の結合組織は、バリデバイスまたは他の組織除去装置上に巻き込まれることができるか、または捕捉されることができる。この結合組織は、組織をほどくように回転方向を逆にすることによって、双方向組織除去装置で取り除かれることができる。制御インターフェース10は、アナログまたはデジタルであってもよく、1つ以上の事前設定の選択を容易にするために1つ以上の戻り止め位置を備えていてもよい。他の実施形態では、別々のモータ制御インターフェースが、モータの1つ以上の特徴に設けられていてもよい。さらに他の実施形態では、組織除去装置の他の特徴のための制御インターフェースが設けられてもよい。
図6Aおよび図6Bを参照する。組織除去アセンブリ200が、少なくとも1つの近位部204および遠位部206を有する細長部材202を備えていてもよく、各部はそれぞれ回転可憐な軸208に連結されている。細長部材202は、図5Aで示される収縮構成、および図5Bで示される拡張構成を有する。拡張構成においては、少なくとも細長部材202の一部210は、収縮構成内の同じ一部210よりも回転可能な軸208からより離れて変位する。細長部材202の構造を調整するためには、細長部材202の近位開口部212と遠位開口部214(または遠位部206の遠位取付具)の間の回転可能な軸208の曝露された長さを変更するために、細長部材202の近位部204は、回転可能な軸208の近位開口部212をスライドインまたはスライドアウトされることができる。細長部材202の収縮構成から拡張機能までの長さの変化率は、約10%から約60%以上、場合によっては、約20%から約40%、および他の場合では、約15%から約20%の範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、構造間の細長部材202の変化には、近位部204と近位開口部212との間の運動に加えてまたは代わって、その外位部206を外位開口部214からスライドインすること、またはスライドアウトすることが含まれていてもよい。
組織除去装置200は、図6Aおよび図6Bに示されるように、円錐構造で遠位ヘッド216をさらに備えていてもよい。卵円構造、ドーム型構造、凹状構造、および立体構造等を含むが、それらに限定されない他のヘッド構造もまた検討される。ヘッド216は、椎間板の環状壁面等、体内組織を貫通または解剖するように構成されてもよく、回転可能な軸208が回転している間、または回転可能な軸208が回転していない時に、使用されてもよい。他の実施形態では、ヘッドは、切断、切り取り、研削、バリ取り、粉砕、創傷切除、減量、乳化、分裂、または別様に組織または身体構造を除去するために使用可能な多重点または多重端を備えていてもよい。さらに他の実施形態では、ヘッドは、バリ機構として使用可能なグリットを備えた表面を含んでいてもよい。粒度は約60から約1200以上、場合によっては、約100から約600、および他の場合には、約200から約500に及び得る。
ヘッドは、任意選択で、標的部位での吸引または吸入を実施するために、および/または標的部位へ生理食塩水または他の生体適合性の流体または物質を注ぐために使用可能なポートまたはアバーチヤを備えていてもよい。生理食塩水または他の冷却物質または流体の使用は、例えば、除去処置の間に標的部位に印加された摩擦または他の力によって引き起こされ得る熱運動を制限するために使用され得る。生理食塩水または他の物質は、冷却されてもよく、または冷却されなくてもよい。他の実施形態では、1つ以上の治療薬は、多種多様の治療効果のうちのいずれかのために、生理食塩水中または流体中に供給され得る。これらの効果には、抗炎症効果、抗感染効果、抗腫瘍効果、抗増殖効果、止血効果等が含まれる。
いくつかの実施形態では、回転可能な軸は任意選択で、細長部材202を受けるために、その外側面上に1つ以上の陥凹または溝を備えていてもよい。たとえば、図7は、回転可能な軸208の近位開口部212および遠位開口部214の間の片面溝218を示す。片面溝218の深度および断面形状は、細長部材202を一部または全て受けるように構成されることができる。
細長部材202は、多種多様の構成要素および構造のうちのいずれかを備えていてもよい。たとえば、細長部材202は、チタニウム、ニッケル・チタン合金、ステンレス鋼、コバルトクロミウム合金、ポリマー(例えば、ナイロン、ポリエステル、およびポリプロピレン)、またはそれらの結合を備えていてもよい。細長部材202はまた、単一フィラメントまたはマルチフィラメント構造を有していてもよい。図8は、たとえば、マルチフィラメント・ケーブル302を備える細長部材の組織除去装置300を示す。いくつかの実施形態では、マルチフィラメント細長部材は、単一フィラメント細長部材よりも大きい可撓性および/または応力耐性をもたらすことができる。マルチフィラメント細長部材は、約2フィラメントから約50フィラメント以上、場合によっては、約3フィラメントから約10フィラメント、および他の場合では、約5フィラメントから約7フィラメントの、いくつものフィラメントを備え得る。いくつかの実施形態では、細長部材は、椎間板に隣接する椎体の運動終板のように、骨組織の曲げ弾性係数よりも小さい曲げ弾性係数を有する。ある症例では、ある身体構造よりも小さい曲げ弾性係数をもたらすことによって、それらの身体構造に対する損傷は、減少または大幅に削減されることができる。したがって、いくつかの椎間板切除または髄核摘出術の処置において、椎骨運動終板の骨組織の曲げ弾性係数および椎間板環状線維壁面の両方よりも小さい曲げ弾性係数を有する細長部材を有する組織除去装置は、椎間板またはその椎骨の近接壁面を損傷することなく、椎間板の内側組織を粉砕することができる。いくつかの実施例では、細長部材の曲げ弾性係数は、無傷の骨または環状線維組織の曲げ弾性係数の約半分未満であってもよいが、一方で、他の実施形態では、細長部材の曲げ弾性係数は、少なくとも5倍だけ低く、またはさらには少なくとも約10倍または20倍だけ小さい。いくつかの実施形態では、細長部材の曲げ弾性係数は、曝露した長さに沿ってまたは回転可能な軸のその連結部位間で略均一である。たとえば、いくつかの実施形態では、曲げ弾性係数は細長部材の長さに沿って約10倍の範囲以上によって変動し得ないものの、一方で、他の実施形態では、変動率は約5倍から約2倍の範囲より小さくなり得る。
いくつかの変形例では、ここで述べられたいくつかの変形例の細長部材(たとえば、マルチフィラメントまたは単一フィラメント)は、1つ以上の物質で被覆または被膜されてもよい。たとえば、細長部材は、ポリイミド、パリレン、シリコーン、もしくはウレタン、または他のポリマーで、または接着剤で、被覆されてもよい。物質は、マルチフィラメント細長部材のフィラメントの中または間に貫通してもよく、また貫通しなくてもよい。被覆は、たとえば、吹付け被覆もしくは浸漬被覆、または他の被覆方法で塗布されてもよい。他の実施例では、物質は、フィラメントの曝露外側面ではないフィラメントの間に提供されてもよく、たとえば、物質は、吹付けまたは浸漬後、細長部材の外側面からの吹込み空気によって、少なくとも一部が拭去または除去され得る。他の変形例では、被覆物質は、細長部材202に接着または加熱収縮された鞘またはチューブを備えていてもよい。いくつかの変形例では、スリーブまたは被覆は、約0.001から約0.01インチ、約0.002から約0.008インチ、または約0.003から約0.005インチの範囲の平均厚さを有する。被覆、鞘、またはチューブは、装、鞘、またはチューブに、部分的にまたは完全に内蔵された、または被覆、鞘、またはチューブの内側および/または外側面に付着された、螺旋のL304ステンレス鋼ワイヤ等、1つ以上のサポート構造をさらに備えていてもよい。被覆またはスリープは、曝露された、または曝露可能な細長部材またはケーブルの全長を被覆してもよく、また被覆しなくてもよく、細長部材またはケーブルの曝露しない部分を被覆してもよい。いくつかの変形例では、被覆またはスリープは、細長部材の近位部、中間部、遠位部の一部分を被覆してもよく、たとえば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%のように、細長部材またはケーブルの全体の曝露された、または曝露可能な長さと比較して、被覆率としてみなされてもよい。
細長部材202は、収縮構成および拡張構成を有し得るが、細長部材202は、他の構成と比較して細長部材202に作用する応力が軽減される自然または基本構成を有していてもよい。この自然構成は、該当する場合、収縮構成、拡張構成、または収縮構成と拡張構成の間の構成であってもよい。したがって、自然構成内の細長部材202に作用する応力は、収縮構成もしくは拡張構成のいずれか、または収縮構成または拡張構成とは異なる第3の構成よりも小さてもよい。いくつかの実施形態では、拡張構成と類似した自然構成がその拡張構成にあるときに、細長部材202に作用するよりも小さい基礎応力が、その破断点を超えて細長部材202に応力を加える前に、組織または骨への衝撃からのより大きい応力耐性を提供し得るという理由で、有益となることができる。細長部材202をその収縮構成に調整することは、結果的に、細長部材にかかるより大きな応力になり得るが、応力は、使用中に細長部材に作用する衝撃を伴わずに、組織除去装置2の挿入および除去でのみ生じることができる。特定の自然構成で細長部材202を作り出すために、製造段階は、使用される特定の物質または形成に応じて変化してもよい。細長部材202がステンレス鋼(例えば、304Lまたは316Lステンレス鋼)、またはニッケル・チタン合金を備える実施形態では、たとえば、一連の変形段階および熱焼鈍段階は、自然拡張構成内の細長部材202を形成するために使用されてもよい。
細長部材202は、たとえば、正方形、長方形、台形、円形、楕円形、多角形、および三角形を含むが、それらに限定されない多種多様の断面形状のうちのいずれかを有していてもよい。断面形状および/またはサイズは、その長さに沿って均一であってもよく、または1つ以上の部分に沿って変化してもよい。一実施例では、細長部材は、その近位部からその遠位部まで、またはその遠位部から近位部まで減少する断面積のあるテーパ構成を有していてもよい。いくつかの実施形態では、細長部材202は、金属ワイヤまたは、約0.2mmから約1.5mm以上、場合によっては、約0.3mmから約1mm、および他の場合では、鱒0.3mmから約0.5mmの範囲内の直径または最大断面容積のある他の伸長構造を備え得る。
いくつかの実施形態では、細長部材は、マイクロ研磨されてもよい。マイクロ研磨は、より固いか、またはより緻密な身体構造または組織を創傷清拭するために使用される時に、削取または断片形成の危険性を軽減し得るか、または軽減し得ない。他の実施形態では、細長部材は、その長さの1つ以上の部分に沿ったダリット面または刃先を備えていてもよい。たとえば、細長部材は、約90度から約10度、場合によっては、約75度から約15度、および他の場合では、約60度から約30度、さらに他の場合では、約45度から約40度の範囲のエッジ角度のある刃先を備えていてもよい。細長部材面の構成は、細長部材の反対側では、同一であるかまたは異なっていてもよい。たとえば、細長部材の後面と比較して、前面で異なる構成を有することによって、その回転方向に応じて、細長部材202の切断、切り取り、創傷清拭、または乳化の特徴を変化させることができる。他の実施形態では、前面および後面は、いずれの回転方向でも、通常同一の特徴を有することができ、類似の性能を有することができるが、1つの面が摩耗した場合に、ユーザに1つの面から他の面にスイッチすることを許可することができる。さらに他の実施形態では、回転方向は、除去される組織の相対的位置および任意の限界解剖構造に応じて、ユーザ選定であってもよい。たとえば、回転方向は、刃先58または60が組織または構造を捕えると、組織分裂要素8は臨界解剖構造から離れて回転するように選定されてもよい。
図6Bに示されているように、細長部材202は、通常類似した長さおよび通常直線構成の近位部204および遠位部206を有してもよく、それらの間に曲面のまたは傾斜した中間部210を有してもよい。しかしながら、図9は、凹形構成にある近位部314および遠位部316、およびの凸形構成にある中間部318を有する細長部材312を備える、組織除去装置310の別の実施形態を示す。多種多様の線状部、曲線状部、傾斜部のうちのいずれかを備え、左右対称または非対称の構成を備える他の構成もまた検討される。図9に示された実施形態において、回転可能な軸326の近位開口部322と遠位開口部324の間の縦方向距離320は、約4mmから約30mm以上、場合によっては、約6mmから約15mm、および他の場合では、約9mmから約12mmの範囲内であってもよい。細長部材302の近位開口部322と逮位開口部324から最大変位距離332までの縦方向距離328および330は、それぞれ、類似していてもよいし、あるいは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、縦方向距離328および330は、約2mmから約20mm以上、場合によっては、約3mmから10mm、および他の場合では、約4mmから約6mmの範囲内であってもよい。中間部318と回転可能な軸326の間の最大変位距離332は、細長部材の特定の構成に応じて変化することができる。中間部の最小変位距離(図示せず)は、細長部材が回転可能な軸に対して、その全長に沿って完全に収縮しない実施形態にあるように、ゼロである必要はない。いくつかの実施形態では、変位距離318は、約2mmから約10mm以上、場合によっては、約3mmから約8mm、および他の場合では、約4mmから約6mmの範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、最大変位距離322は、その最大距離に対する縦方向距離320、あるいは近位距離328または遠位距離330と比較して見なされる。たとえば、縦方向距離に対する最大変位距離の比率は、約0.2から約1以上、場合によっては、約0.3から約0.8、および他の場合では、約0.4から約0.5の範囲内であり得る。回転可能な軸の遠位開口部324と遠位ヘッド336の距離334は、約0.5mmから約5mm以上、場合によっては、約1mmから約4mm、および他の場合では、約2mmから約3mmの範囲内であってもよい。ヘッド336の長さ338は、約2mmから約15mm以上、場合によっては、約3mmから約10mm、および他の場合では、約4mmから約5mmの範囲内であってもよい。円錐またはテーパヘッドを備える実施形態では、ヘッド構成の角度340は、約10度から約90度以上、場合によっては、約20度から約60度、および他の場合では、約30度から約45度の範囲内であってもよい。
回転可能な軸326および/またはヘッド336の直径342(または最大横軸容積)は、約0.5mmから約5mm以上、場合によっては、約1mmから約3mm、および他の場合では、約1mmから約2mmの範囲内であってもよい。軸326とヘッド336の直径は、類似していてもよいし、または異っていてもよい。近位開口部および遠位開口部の最大断面容積は、類似していてもよいし、または異っていてもよく、約0.1mmから約1.5mm以上、場合によっては、約0.2mmから約1mm、および他の場合では、約0,4mmから約0.8mmの範囲内であってもよい。
回転可能な軸326の溝344の幅は、あるのであれば、約0.2mmから約1.5mm以上、場合によっては、約0.3mmから約1mm、および他の場合では、約0.4mmから約0.7mmの範囲内であってもよい。溝344の幅はまた、細長部材の直径または幅の率とみなされてもよく、その率は、約80%から約400%以上、場合によっては、約105%から約300%、および他の場合では、約150%から約200%の範囲内であってもよい。前述のように、溝344の深さは、細長部材312の最大横方向寸法よりも小さくてもよく、同程度でもよく、または大きくてもよい。いくつかの実施形態では、溝深または平均溝深は、約0.2mmから約2mm以上、場合によっては、約0.4mmから約1mm、および他の場合では、約0.6mmから約0.8mmの範囲内であってもよい。他の実施形態では、溝の深さは、細長部材の深さの率であってもよく、約20%から約200%以上、場合によっては、約50%から約125%、および他の場合では、約40%から約100%の範囲内であってもよい。
単一の細長部材202は、図6Aで示される組織除去装置200内に設けられているが、他の実施形態は、2つ以上の細長部材を備えていてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、単一の細長部材が、複数の細長部材の組織除去装置と比べて軽減された表面ドラッグによって、より高い回転速度を可能にし得る。複数の細長部材の実施形態では、細長部材が、回転可能な軸の周りに均一に、または非均一に分布されていてもよい。いくつかの実施形態では、各細長部材が、各自の近位開口部および遠位開口部を有してもよく、しかし他の実施形態では、2つまたはそれ以上の細長部材が、近位開口部および/または遠位開口部を共有していてもよい。近位開口部および/または遠位開口部は、回転可能な軸上の同一または異なる縦方向位置に位置していてもよく、各細長部材は、同一または異なる長さまたは構成を有していてもよい。細長部材は、独立し調整可能、または群において調整可能であり得る。
図10を参照すると、いくつかの実施形態では、組織除去装置352の細長部材350は、可撓性の細長部材350に取り付けまたは連結された他の構造354、356、および358を備えていてもよい。これらの構造は、チューブ、棒、バー、切断ディスク、または他の切断部材、もしくはビードまたは他の構造を含む、多種多様の構造のうちのいずれかを備えていてもよい。図10に示された特定の例では、細長部材352が、可撓性部分360、362,364,および366の間で交互になる剛性部354、356、および358を備える。1つ以上の可撓性部分はまた、ピン継ぎ手または蝶番継ぎ手のように、機械継ぎ手と置き換えられてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性伸長部分360,362,364、および366が、各剛性部354、356、および358の管腔を通過するか、あるいは別様に各剛性部354、356、および358に連結している単一の隣接した可撓性細長部材の一部である。他の実施形態では、1つ以上の可撓性部分360,362,364、および366が、分離し、2つのみの剛性部354、356、および358、または1つの剛性部および回転可能な軸368、またはその中の構造と相互接続する。剛性部および可撓性部分の特定の数、形状、可撓性/剛性、長さ、および位置は、変化してもよく、均一または左右対称でなくてもよい。いくつかの実施形態では、完全に拡張された細長部材の長さに沿った可撓性部に対する剛性部の率は、約0%から約99%、場合によっては、約50%から約95%、および他の場合では、約75%から約90%の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、可撓性部分の長さは、隣接する剛性部の長さの約75%未満、場合によっては、約50%未満、および他の場合では、約20%または約10%未満であってもよい。
図10に示された例において、組織除去装置352は、他の剛性部356および358よりも大きい1つの剛性部354を備える。細長部材350の最大変位距離に位置している部分は、図10に示される通り、可撓性部分362であってもよく、または他の実施形態の剛性部であってもよい。剛性部354、356、および358は、通常は形状が線状であるが、曲線状または僚斜またはそれらの組み合わせであってもよい。図10の細長部材350はまた、通常は収縮構成および拡額構成ともに単一の面内にあるように構成されるが、他の実施形態では、1つ以上の剛性部または可撓性部分が、収縮構成および/または拡張構成で面外に配向されていてもよい。図10のさらに図解しているように、軸368は、溝369、または縮小直径または横断面容積の軸の領域を備えてもよく、細長部材352が収縮構成にある場合に突出することが可能であることによって、組織除去装置352の全体の断面積が縮小することができる。
図10に示されるように、拡張状態にある細長部材350は、その近位開口部370および遠位開口部372の周りに位置する可撓性部分366および360を有していてもよい。しかしながら、他の実施形態では、細長部材は、近位開口部または遠位開口部の周りに剛性部または他構造を有していてもよい。図11では、たとえば、組織除去装置380は、通常可撓性ケーブル388によって相互接続された近位剛性部材および遠位剛性部材384および386を備えた左右対称の細長部材382を備える。拡張構成では、剛性部材384および386は、部分的に、回転可能な軸394の近位開口部および遠位開口部390および392内に位置しているか、または嵌め込まれる。いくつかのさらなる実施形態では、近位開口部および遠位開口部390および392に剛性部材384および386を有することによって、軸394に対する細長部材382の傾斜または屈曲が低減する。細長部材382が制限される度合いは、たとえば、開口部390および392、ならびに剛性部材384および386の幅、軸394の外側および内側の剛性部材384および386の長さ396および398、可撓性部分の長さ400、および軸394の全体の直径、ならびに剛性部材384および386の剛性の度合いに依存していてもよい。図11にさらに示されているように、軸394は、溝400、または縮小直径、または横軸容積を有する他の構成をさらに備えていてもよい。溝400または構成の少なくとも一部は、近位開口部および遠位開口部390および392の間に位置しているが、溝400または構造はまた、それぞれ、開口部390および392に近位または遠位に位置していてもよい。
図12Aおよび12Bに示されるように、いくつかの実施形態は、組織除去装置420は、回転可能な軸426の縦方向長さに沿って異なる円周位置に位置する近位開口部および遠位開口部422および424を有してもよく、および/または細長部材428は、回転可能な軸426に対して、螺旋形の捻転または歪曲された構成を有する少なくとも1つの部分を備える。図12Aは、収縮構成または崩壊構成にある組織除去装置420を示すのに対して、図12Bは、伸長構成または拡張構成にある組織除去装置400を示す。軸426の近位開口部422を介して細長部材408を拡張させることによって、細長部材426は、縦方向に圧迫されることができ、軸426から放射状に外向きに拡張することができる。
細長部材の構造は、回転方向で変化してもよい。たとえば、細長部材は、右巻または左巻の螺旋配向(すなわち、時計回りまたは反時計回り配向)を有していてもよい。図12Aおよび12Bでは、たとえば、細長部材428は、左巻または反時計回りの螺旋配向を有する(組織除去装置420の近位端から見て)。細長部材428の螺旋配向は、軸426の回転方向と同一であってもよく、または回転方向と逆であってもよい。細長部材428の螺旋構成は、多種多様の方法のうちのいずれかにおいて特徴づけられることができる。たとえば、回転の絶対数は、細長部材で、約0(たとえば、線状細長部材)から約4回転以上、場合によっては、約1/4回転から約1と1/2回転、および他の場合では、約1/2回転から約1回転の範囲のどこかであってもよい。他の実施形態では、螺旋構成は、その回転率によって特徴づけられてもよく、ミリメータまたはセンチメータ毎の回転数として計算されてもよい。いくつかの実施形態では、回転率は、約0.3回転/cmから約2回転/cm以上、場合によっては、約0.7回転/cmから約1.5回転/cm、および他の場合では、約0.9回転/cmから約1回転/cmの範囲であってもよい。細長部材428は、そのピッチ角度によって特徴づけられてもよく、約0度から約90度、場合によっては、約5度から約90度、および他の場合では、約45度から約85度の範囲であり得る。細長部材の螺旋構成は、通常その長さに沿って湾曲することができるが、その間に角のあるか、あるいは曲線状の屈曲を有する複数の線状部分を含んでいてもよい。収縮構成および拡張構成内の螺旋細長部材の構成は、細長部材の可撓性、細長部材の1つ以上の端が回転可能な軸に取り付けまたは固定されている様式と角度、および細長部材の自然構成に応じて変化してもよい。
図13Aから13Cに示されるように、螺旋細長部材452を有する組織除去装置450はまた、回転可能な軸456上に、1つ以上の溝454を有していてもよい。溝454は、収縮構成にある細長部材452の着座および/または固定を容易にすることができる。図13Cに示すように、細長部材452および溝454の螺旋構成は、回転可能な軸456の長さに沿って均一でなくてもよい。遠位開口部460に隣接する遠位溝458は、縦方向距離に沿って中間溝462の1/2回転よりも約50%短い約1/2回転を含んでいてもよく、一方で、中間溝462と近位開口部466との間の近位溝464は通常形状である。いくつかの実施形態では、回転率の変化は、約0から約4回転/cm以上、場合によっては、約0から約1回転/cm、および他の場合では、約0から約0.5回転/cmの範囲であってもよい。図13Aから13Cの特定の実施形態では、細長部材452の遠位部468は、細長部材452の近位部470が外側に放射状に曲がると、通常拡張構成にある遠位溝458内の軸456の周囲に包まれたままである。図13Cに示すように、この特定の構成では、細長部材452の最大変位距離472は、遠位開口部460よりも軸456の近位開口部466により近接して位置している。近位開口部および遠位開口部466および460は、軸456の外側面に垂直に配向されていてもよく、または軸456の外側面に対して傾斜または接平面で配向されていてもよく、これによって開口部460および466での細長部材452に作用する圧力を軽減することができる。溝454の端はまた、その長さに沿って、または少なくとも開口部460および466周辺で、丸くなっていてもよい。しかしながら、細長部材は、近位開口部および遠位開口部の間のいずれかに位置している、またはさらには遠位開口部に遠位にかつ/または近位開口部に近位に拡張している最大変位距離を有して構成されてもよい。他の実施形態では、細長部材はさらに、複数の最大変位距離を備えていてもよい(たとえば、拡張構成にある多角の、起伏のある、または円弦曲線の細長部材)。いくつかの実施形態では、最大変位距離472は、軸456の直径または縦軸容積よりも約0.5から約10倍の大きさ、場合によっては、約1倍から約5倍の大きさ、および他の場合では、約2倍から約3倍の大きさの範囲である。最大距離の縦方向位置は、近位から遠位開口部までの相対位置として特徴づけられてもよく、そしてそれは約−20%以下、約−10%、約0%、約+10%、約十20%、釣+30%、約+40%、約+50%、約+60%、釣+70%、約+80%、約+90%、約+100%、約+110%、または約+120%以上であってもよい。
次に図14Aおよび14Bを参療すると、いくつかの実施形態では、組織除去装置480は、狭小領域484を有する軸482を備え得る。少なくとも一部の狭小部484は、近位および遠位接続間、または細長部材490が突出した取付具または開口部486および488間に位置し得るが、他の実施形態では、狭小部484の少なくとも一部は、それぞれ、開口部486および488に近位または遠位にあり得る。図14Aに示されるように、軸482の狭小部484は、薄型の収縮構成を容易にし得るが、また鈎裂き組織または付着生体物質が占有するための付加空間を提供し得る。これは、例えば、図14Bの細長部材490が図14Aの収縮構成内に収縮される時、または長期処置の間に、発生し得る。この付加空間は、組織除去装置を内視鏡検査器具またはカニューレから抜き出す時、有益であり得る。図14Aおよび14Bのさらなる図解として、取付具または開口部486および488は、図12Aおよび12Bに示された組織除去装置420の開口部422および424の表面配向よりはむしろ、横軸配向を有し得る。
図14Aおよび14Bの狭小部484は、均一直径および構成を有しているが、他の実施形態では、図15の組織除去装置492など、狭小部494は、可変の直径または構成を備えたテーパ構成を有していてもよい。再び図14Aおよび14Bを参照する。狭小部494の長手方向軸は、軸482の残部の枢軸と同軸であってもよいが、いくつかの実施形態では、長手方向軸は、たとえば、偏心であるか可変であるなど、異なっていてもよい。図16では、たとえば、組織除去装置496は、螺旋状またはねじれた構成を有する非線状の長手方向軸を備えた狭小部498を含む。また、組織除去装置496のこの例は、同一の螺旋配向で狭小部498および細長部材399を有するが、他の実施例では、螺旋配向は、異なっていてもよく、または対向していてもよい。
図5Bを参照する。図5Aの組織除去装置2は、種々の内部の構成要素を示すために、除去された筐体6の一部分で図解されている。この実施形態では、組織除去装置2は、組織除去アセンブリ8を駆動するモータ14に電力を供給するために、電池12をさらに備える。他の実施形態では、電池12に加えて、または電池12の代わりに、外部電源へのコネクタが設けられてもよい。設けられる電池および電力の種類は、モータおよび/または組織除去装置2の他の構成要素の特定の電力需要に応じて異なっていてもよい。
いくつかの実施形態では、組織除去装置2のモータ14は、DCモータであるが、他の実施形態では、モータ14は、ACまたはユニバーサルモータを含むがこれらに限定されない、多種多様の構成のうちのいずれかを有していてもよい。モータ14は、トルク式、ブラシ式、ブラシレス式、またはコアレス式のモータであってもよい。いくつかの実施形態では、モータ14は、約500rpmから約200,000rpm以上、場合によっては、約1,000rpmから約40,000rpm、および他の場合では、約5,000rpmから約20,000rpmの回転速度を与えるように構成されてもよい。モータ14は、外側管4を介して、または外側管4内に位置している駆動部材によって、組織除去アセンブリ8に作用することができる。いくつかのさらなる実施形態では、流体シール16は、モータ14および/または筐体6の他の構成要素を、任意の流体または外側管4もしくは筐体開口部18を通って輸送されることのできる他の物質から保護するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタまたはシールは、トロカール、導入器、カニューレ、または組織除去アセンブリ8および外側管4が挿入された他の管状部材に筐体6を連結することを可能にするために、筐体開口部18の周囲に設けられていてもよい。いくつかの実施形態では、組織除去装置は、約0.01cmから約1.5cm以上、場合によっては、約0.1cmから約1cm、および他の場合では、約2mmから約6mmの外径を有する導入器またはカニューレを含んで使用されてもよい。
図5Aおよび図5Bに示されるように、組織除去装置2は、組織除去装置2と吸入源または吸引源とを連結するために使用されることのできる導管24をさらに備えていてもよい。吸入源または吸引源は、たとえば、外側管4の管腔または導管を通して、または外側管4が挿入される管状部材を通して、流体または物質を輸送するために使用されることができる。特定の一実施形態では、導管24は、管22の長さを介して流体シール16と連通するポート20を備える。流体シール16は、外側管4と管22の間の流体または物質の流動を可能にするとともに、モータ14に連結される外側管4またはその中の駆動部材の運動を可能にするように構成されている。他の実施形態では、導管24は、流体または物質トラップを含むがこれらに限定されない追加の構成要素をさらに備えていてもよく、このトラップは、筐体6内に位置してもよく、もしくは筐体6に取り付けられてもよく、またはボート20もしくは管22に取り付けられてもよく、あるいは組織除去アセンブリ8から吸引源までの経路に沿った他の任意の場所に位置していてもよい。いくつかの実施形態では、組織除去装置2を使用して物質を標的部位に吹き込みまたは注入するために、別々のポートを設けてもよい。他の実施形態では、導管24は、物質および/もしくは流体の引き込みおよび吹き込みの両方のため、または吹き込みのみのために使用されてもよい。組織除去装置の構造に応じて、引き込みおよび/または吹き込みは、外側管4の遠位端において、および/または組織除去アセンブリ8の1つ以上の開口部を介して生じてもよい。他の実施形億では、ポートは、凝固カテーテル、焼灼カテーテル、または他のエネルギ送達デバイスを標的部位に挿入するために使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、外側管は、少なくとも1つの管腔を含む外側管状部材と、モータを組織除去アセンブリに機械的に連結するように構成された伸長駆動部材とを備え得る。他の実施形態では、外側管は、たとえば、組織除去アセンブリの構成を調整または制御するために、追加の部材を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、外側管4は、制御ワイヤを含む1つ以上の管腔を備え、これは、外側管の遠位端の偏向を操作するために使用されることができる。外側管および任意選択の駆動部材は、剛性または可撓性であってもよい。外側管は、線状構成または非線状構成で事前に成形されていてもよい。いくつかの実施形態では、外側管および構成要素は、ユーザによって変形可能であるように構成されており、特定の標的部位へのアクセスを容易にすることができ、あるいは1つ以上の引張ワイヤまたは張力要素を備える操縦機構を使用して、ユーザによって換縦可能であってもよい。いくつかの実施形態では、追加の硬性を組織除去装置にもたらすために、硬化ワイヤまたは要素を外側管に挿入してもよい。組織除去要素とモータまたは筐体の間の外側管の全長は、いくつかの実施形態では、約0cmから約30cm以上、場合によっては、約4cmから約20cm、および他の場合では、約10cmから約14cmまでで変化してもよい。
他の実施形億では、組織除去装置は、モータの軸に取り外し可能に取り付け可能であるか、またはモータに連結されることのできる組織除去アセンブリを備えていてもよい。さらに他の実施形態では、組織除去装置は、軸に連結される組織除去アセンブリを備えていてもよく、この場合、軸は、モータまたはモータに連結される軸に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
筐体6は、組織除去装置2の携帯式の使用を可能にするサイズおよび/または形状で構成されてもよい。他の実施形態では、組織除去装置2は、ユーザによる取り扱いを容易にするために、外側管4の周囲に位置するグリップまたは構造を備えていてもよく、一方で、外側管4の近位端は、たとえば、卓上用もしくはカート式の機械、または装着もしくは固定された機械に取り付けられる。これらの実施形態では、グリップは、モータなど組織除去装置のいずれかの他の構成要素を含んでもよいし、あるいは含まなくてもよく、一方で、外側管4の近位端における機械は、たとえば、吸引システムまたは種々の無線周波数焼灼構成要素など1つ以上の他の構成要素を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、筐体6は、約1cmから約12cm以上、場合によっては、約2cmから約8cm、および他の場合では、約3cmから約5cmの長さを有していてもよい。筐体の平均直径(または、筐体の長手方向軸に対する他の横方向の寸法)は、約1cmから約6cm以上、場合によっては、約2cmから約3cm、および他の場合では、約1.5cmから約2.5cmであってもよい。筐体6は、1つ以上の隆起、陥凹、またはスチレンブロック共重合体もしくは他のポリマー表面を含むがこれらに限定されないテクスチャ加工面もしくは摩擦面をさらに備えていてもよい。
図17に示すように、組織除去装置は、任意選択により、組織輸送アセンブリ68を備えていてもよく、組織輸送アセンブリ68は、外側管4内または外側管4に沿った組織の輸送または除去を容易にするために使用されることができる。図示する特定の実施形態では、組織輸送アセンブリ68は、回転可能な駆動部材78上に装着される螺旋状部材70を備える。駆動部材78の作動によって、外側管4のチャネルまたは管腔72内の組織または他の材料の近位運動が、螺旋状部材70の回転により機械的に容易となる。作動した駆動部材78はまた、遠位のバリ要素または他の組織除去装置8を回転させる。いくつかの実施形態では、組織輸送アセンブリ68は、組織減量が同時に実行されない場合、より遅い回転速度で使用されることができる。反対方向に回転する場合、螺旋状部材70は、組織、流体、または他の物質もしくは薬剤を外側管4から放出するか、もしくは遠位に輸送するために使用されることができ、または筐体6の吹き込みポートに供給されることができる。
いくつかの実施形態では、螺旋状部材70は、約2mmから約10cm以上、場合によっては約3mmから約6cm、および他の場合では、約4mmから約1cmの長手方向寸法を有していてもよい。他の実施形態では、螺旋状部材70の長手方向寸法は、外側管4の長手方向寸陰の割合とみなされてもよく、外側管4の長手方向寸法の約5%から約100%、場合によっては、約10%から約50%以上、および他の場合では、約15%から約25%の範囲であってもよく、さらに他の場合では、約5%から約15%である。図17に示す螺旋状部材70は、共通の構造である駆動部材78上に装着または連結されていることから、組織除去アセンブリと同じ率で回転するが、他の実施形態では、螺旋状部材は、駆動部材から分離して回転するように構成されてもよい。たとえば、螺旋状部材は、外側管の管腔の少なくとも近位部分に沿って位置するが、駆動部材上に装着されない螺旋状コイルを備えていてもよい。この特定の実施例では、螺旋状部材は、駆動部材から独立して回転可能である。さらに他の実施形態では、螺旋状部材70は、管腔72の表面上に装着されてもよく、駆動部材78または組織除去アセシプリから独立して、外側管4の回転によって、管腔72に沿って組織または物質を輸送するために使用可能である。
螺旋状部材70は、連続構造として示されるが、いくつかの実施形態では、螺旋状部材70は、1つ以上の位置において中断されてもよい。また、螺旋状部材70の締め付けの度合いまたは角度は、約0.5巻/mmから約2巻/mm、場合によっては、約0.75巻/mmから約1.5巻/mm、および他の場合では、約1巻/mmから約1.3巻/mmで変化し得る。螺旋状部材70の断面形状は、図17に示されるように通常円形であり得るが、他の実施形態では、1つ以上の線を有してもよい。螺旋状部材70の一般的な断面形状は、円形、楕円形、三角形、台形、四角形、長方形、またはいずれかの他の形状であってもよい。螺旋状部材70の巻きの締め付けおよび断面形状または断面積は、均一であってもよく、またはその長さに沿って変化してもよい。いくつかの実施形態では、複数の螺旋状部材70は、外側管4内において平行にまたは連続的に提供され得る。
いくつかの実施形態では、駆動部材78は、約0.004インチから約0.8インチ以上、場合によっては、約0.008インチから約0.6インチ、および他の場合では、約0.01インチから約0.4インチの長さだけ、外側管4から遠位に拡張および収縮するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、螺旋状部材70は、約0.004インチから約0.8インチ以上、場合によっては、約0.008インチから約0.6インチ、および他の場合では、約0.01インチから約0.4インチの距離を置いて、組織減量要素に近位に位置する。いくつかの実施形態では、駆動部材78が外側管4から最大限に拡張する場合、螺旋状部材70は、約0.004インチから約0.8インチ以上、場合によっては、約0.004インチから約0.4インチ、および他の場合では、約0.1インチから約0.2インチの長手方向寸法だけ、外側管4から突出していてもよい。いくつかの実施形態では、駆動部材78および/または螺旋状部材70の拡張の程度は、組織輸送アセンブリによる組織輸送の程度に影響を及ぼし得る。
図18Aおよび18Bを参照する。別の実施形態では、組織除去装置500は、筐体502および外側軸504を有する。筐体502には、可変長の組織除去アセンブリの収縮および拡張を調整するように構成された指回し式円形板506を有する調整機構が含まれていてもよい(図示せず)。指回し式円形板506は、可変長の組織除去アセンブリに連続変化範囲を提供し得るが、他の実施形態では、指回し式円形板506の回転は、1つ以上の既定位置を提供するつめまたは戻り止めで構成されてもよい。前述のように、多種多様の他の制御機構およびインターフェースのうちのいずれかを使用してもよい。調整機構は、可変長の組織除去アセンブリが過剰に拡大するのに抵抗したり阻止したりするために、1つ以上の制止要素または他の調整制限構成を備えていてもよい。たとえば、制限構造は、可変長の組織除去アセンブリが過剰に拡大するのに抵抗するために、筐体502内に設けられていてもよい(図示せず)。この特定の実施形態では、組織除去装置500は、ロッカー型電源スイッチ508によって操縦可能に、固定回転速度で組織除去アセンブリを回転させるように構成されている。しかしながら、前述のように、多種多様の電源および/または速度制御機構のうちのいずれかが使用されてもよい。
図18Cおよび図18Dを参照する。図18Cは、筐体502内の内部の構成要素の部品図であって、一方で、図18Dは、筐体502の一部分が除去された内部の構成要素の概略断面図である。図18Cに示すように、駆動部材510は、組織除去装置500の外側軸504内で回転可能に存在する。駆動部材510の遠位端(図示せず)は、組織除去アセンブリ(図示せず)に連結され、一方で、駆動部材510の近位端512は、駆動軸516の遠位端514に連結されている。駆動軸516の近位端518は、直接または連結器522を通してのいずれかで、モータ520に連結されてもよい。連結器522は、駆動軸526のいくつかの軸方向運動を可能にするように構成されることができる。調整部材526の近位端524は、駆動部材512の近位端510から突出し、駆動キー528に取り付けられている。駆動キー528は、駆動軸516の近位端および遠位端518および514の間で摺動可能に位置しているフランジ530を備えていてもよい。指回し式円形板506は、指回し式円形板506の回転が推力部材532の軸方向運動を引き起こすように、推力部材532に移動可能に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、推力部材532は、指回し式円形板506のネジ式管腔に相補的である螺旋状ネジで構成されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、推力部材は、摺動部材、枢動部材、または他の連結構造を備えていてもよい。推力部材532は、推力部材532と駆動キー528を移動可能に連結する保持構造534を通って、駆動キー528を軸方向にスライドするように構成されてもよい。保持構造534は、モータ520によって駆動軸516の回転を可能にするとともに、また、推力部材532の軸方向運動を駆動キー528に連結し、その結果、軸504の遠位端に位置する組織除去アセンブリの調整を可能にするとともに、駆動部材510の回転する能力の維持を可能にする。推力部材532は、保持構造534内で推力部材532の保持を容易にするフランジ536を備えていてもよい。フランジ536は、回転しないフランジ536に反して駆動キー528の回転運動を容易にするために、1つ以上の軸受部を備えていてもよい。保持構造534はまた、いくらかの軸力を駆動キー528に伝送しつつ、駆動キー528に反して駆動軸516の回転を容易にするために、1つ以上の保持軸受部538を含んでいてもよい。保持構造534は、組織除去アセンブリが過剰に拡張または収縮するのを制限するために使用されることのできる、1つ以上の制限器540を任意選択で備えている。シール542は、筐体502の中身を保護するために、外側軸504周辺に設けられていてもよい。
図18Dに示すように、組織除去装置500は、電池コネクタ546を使用してモータ520に連結する電池544を使用して、電力を供給されることができる。図18Cに示すように、電池544は、9ボルト電池などの標準電池であってもよいが、特注生産電池であってもよい。使用可能な駆動軸連結および調整機構の他の実施例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,030,201号に開示されている。
ここで述べられる種々の例では、組織除去装置の外側管および駆動軸が剛性の構造または物質を備えることが可能であるが、任意選択で、さらに駆動軸の回転を可能にしつつ屈曲可能な少なくとも1つの可撓性領域を備えていてもよい。可撓性駆動軸の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第5,669,926号および第6,053,907号に開示されている。いくつかの実施例では、可撓性領域は、駆動軸および外側管の長さの大部分またはすべてを含んでいてもよい。可撓性領域を有する組織除去装置は、椎間孔を介した中央脊柱管など、体の特定の領域へのアクセスを容易にすることができる。いくつかの実施例では、可撓性組織除去装置は、可擁性領域に遠位に取り付けられ、近位の筐体内の操縦部位によって操作される1つ以上の操縦ワイヤを使用する操縦アセンブリを備えていてもよい。カテーテルおよび他の細長い器具とともに使用される他の操縦機構もまた、使用されることができる。他の例では、活性操縦機構は、可撓性組織除去装置には設けられていないが、可撓性組織除去装置は、組織除去装置が挿入されている内視鏡によって操縦されることができる。操縦可能な内視鏡のいくつかの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、出願第12/199,706号に開示されている。
図19Aから図19Cは、組織除去装置600の筐体606内に位置する可撓性領域602および操縦アセンブリ604を有する組織除去装置600の1つの実施形態を示す。加えて、筐体606には、外側管612に位置する駆動軸(図示せず)を回転させるモータ610を作動させる電源スイッチ608と、装置600の遠位端周辺で流体を注入または吸引するために使用されるかんがい管614内とが含まれている。図19に示すように、操縦アセンブリ604は、筐体606から突出する2つのアーム618および620を有する旋回レバー616を備える。他の実施形態では、操縦アセンブリ604は、単一のアームレバー、スライダ、つまみ、または他のタイプのアクチュエータを備えていてもよい。操縦アセンブリ604は、任意選択で、いったん解放されると、レバー616のスプリングバックを容易にすることのできる1つ以上のバネまたはバイアス構造を備えていてもよい。操縦アセンブリ604はまた、任意選択で、特定の構成で操縦アセンブリを維持するための解放可能な施錠装置を備えていてもよい。施錠装置は、たとえば、摩擦嵌合または連動装置であってもよい。
レバー616に連結されているのは、外側管614内で摺動可可能に移動可能であって、可撓性領域602の遠位部と遠位に連結されている、2つの操縦要素またはワイヤ622および624である。操縦ワイヤ622または624は、分離したワイヤ、またはレバー616を通って輪になった同一ワイヤの2つの部分であってもよい。操縦ワイヤ622または624は、レバーアーム618および620のうちの1つを作動させることによって、張力がかけられると、可撓性領域602は、曲がるか、または撓むこととなる。可撓性領域は、多種多様の重合体または金属構造のうちのいずれかを含む、多種多様の可撓性物質および/または可撓性構造のうちのいずれかを備えていてもよい。図示された実施形態では、可撓性領域602は、屈曲特性を増補することのできる複数の任意選択のスロット626を備えるが、他の実施形態では、アコーディオンのような構成または他のタイプの屈曲構成もまた設けられることができる。図19Cに示すスロット626の端628は、任意選択の拡張弓状構成を有し、これは、可撓性領域602に作動することのできる屈曲カの少なくともいくらかを再分配することができ、裂傷に抵抗し得る、または可撓性領域に対する結果として生じる損傷のいくらかを軽減することができる。可撓性領域の長さは、約0.04インチから8インチ以上、場合によっては、約0.2インチから約2インチ、および他の場合では、約0.3インチから0.8インチまでの範囲にあってもよい。スロット626の端628の幅は、組織除去装置の縦軸に沿って、非屈曲構成で測定されたとして、約0.02インチから0.15インチ以上、場合によっては、約0.04インチから約0.1インチ、および他の場合では、約0.04インチから約0.07インチまでの範囲にあってもよい。さらに他の実施形態では、可撓性領域は、特定の構成がなくてもよいが、外側管の他の部分よりも低いデュロメータを有する可撓性物質を備える。最大屈曲度は、ある特定の実施形態では、約5度から約10度以上、場合によっては、約15度から約25度以上、および他の場合では、約45度から約75度以上、さらに約90度から約105度以上まで変化してもよい。中立軸から操縦する双方向性を有する組織除去装置の実施形態では、それぞれの方向での最大屈曲度は、同一であってもよいし、または異っていてもよい。
図19Cに示すように、可撓性の細長部材630の曝露した近位端および遠位端646および648は、開口部または近位端および遠位端646および648の円周方向面に位置している取り付け部位のいずれかを通って、回転可能な軸アセンブリ632に連結されることができる。可撓性の細長部材630の一端または両端と連結されることのできる他の部位は、たとえあったとしても、テーパ領域642および644を含むがそれらに限定されず、または他の横面は、回転可能な軸アセンブリ632の縦軸に対して少なくともある程度横方向に配向している。さらに他の連結部位には、縮小された直径中核634および貫通要素640が含まれていてもよい。
操縦可能な組織除去装置は、たとえば、剛性組織除去装置と比較して、除去された組織の領域または量を増加させるために、いくつかの処置中に使用されてもよい。いくつかの実施例では、解剖制限または傷害の危険性の増加によって、剛性組織除去装置が操作され得る範囲に限定されてもよい。図20Aおよび図20Bは、たとえば、操縦可能な組織除去装置650で得られる運動軸および潜在的な組織除去領域のうちのいくつかを概略的に示す。ここで、拡張可能なケーブル652を有する操縦可能な組織除去装置650は、椎間板653の中に挿入されることができる。操縦可能な組織除去装置650および剛性の線状組織除去装置が縦軸654に対して並進し回転することができるが、一方で、組織除去装置650の外側管658の剛性部分の旋回領域656(および剛性組織除去装置上の対応構造)は、実質的に限定され得る。というのは、外側管658の小規模角運動でさえ、外側管658のより近位部分の実質的な絶対変位を必要とするからである。しかしながら、この変位は、量、位置、および/または身体組織および外側管658の剛性部分の近位端(図示せず)と遠位端660との間の構造の整合性によって限定される。対照的に、可撓性部分662を備える組織除去装置650は、外側管658の剛性部分を実質的に変位させたり、またはてこ入れしたりすることを必要とせずに、組織除去装置650の縦軸654からの角度または屈曲の範囲664を遠位に配置することが可能となる。したがって、可撓性部分662は、少しの身体的努力で、縦軸654から離れて間隔があけられた組織に達することが可能となり、外側管658の剛性部分を旋回することによって達することのできなかった組織に達することさえも可能となる。
可撓性部分662の屈曲に加えて、操縦可能な組織除去装置650はまた、拡張範囲665に沿って拡張可能なケーブル652の拡張を増加させることによって、縦軸654から離れて位置している組織にアクセスすることができる。拡張範囲665は、拡張可能なケーブル652が連結された中核部668の縦配向に対して垂直である面積とみさなれる。たとえば、0.04インチの直径の中核を有し、中核から約0.1インチ離れた垂直距離に調整可能な拡張可能なケーブルで構成された組織除去装置は、その最大直径が約0.27インチ(たとえば、0.04インチ軸プラス回転細長部材の0.1インチの2倍)である領域にある組織を除去できる。拡張可能なケーブルがより大きな度合いで拡張された実施形態では、さらに大きな量または領域の組織除去が達成されることができる。したがって、ケーブル拡張の程度を操作することによって、軸に回転力を与えるか、またはその操縦機構(もしあるのであれば)を使用することのいずれかによって、実行され得る組織除去の量または範囲は、組織除去装置を再配置する必要なく調整されることができる。
図20Aおよび図20Bの特定の組織除去装置650が、可撓性部分662が可撓性または屈曲可能な駆動軸(図示せず)を設けることによって屈曲されると、拡張可能なケーブル652の作動を可能にするために、組織除去区域670は縦軸654から離れて配置されてもよい。さらに、前述のそれぞれの運動は、1つ以上の他の運動と相乗的に組み合わされてもよいので、さらに大きな組織除去領域が達成される。たとえば、外側管658の剛性部分にトルクを与えることによる、縦軸654の周りでの屈曲した組織除去装置650の回転672は、さらに大きな組織除去領域674を得ることができる。屈曲した組織除去装置650の回転62は、拡張可能なケーブル652が回転する場合、またはケーブル652が回転しない場合に生じうる。回転672の量は、約1度から約360度以上の範囲のどこにあってもよい。ケーブル拡張、可撓性領域、ならびに外側管の回転および並進の多種多様の組み合わせのうちのいずれかは、所望の組織除去を達成するために使用されることができる。
可撓性があり、換縦可能で、剛性の組織除去装置のさまざまな実施形態が、前述のようにより大量の組織を除去するために使用されることができるが、他の実施形態では、組織除去装置は、組織の局所減量を実行するために使用されることができる。たとえば、組織除去装置のある実施形態の小さなプロファイルおよび/または操縦可能な特性を活用することによって、組織除去装置は、身体構造内の特定の標的部位により正確に配置されることができるか、または操縦されることができる。いくつかの例では、特定の標的位置でより低容量の組織を除去することは、一般の標的位置からより大量の組織を除去することと比較して、所望の成果を達成するために使用されることができる。さらに、ケーブルまたは組織除去装置の軸と関係のある組織除去要素を調整することによって、機械的な組織除去の量は、軸を再配置する必要なく、軸に応じて調整されることができる。ヘルニア形成を軽減するためにより少ない椎間板組織を除去することによって、たとえば、より大量の非病理性の椎間板組織および椎間板の構造的完全性が保護されることができる。いくつかの例では、椎間板組織を比較的大きく保護することによって、組織をより少ない程度で保護するのと比較して、さらなる椎間板変性および再ヘルニア形成の速度を遅くすることができる。
一例では、ヘルニア様椎間板が内視鏡でアクセスされ可視化されることができる。操縦可能な組織除去装置は、たとえば、椎間板の中心にではなく椎間板の中に挿入され、ヘルニア形成の領域に向かって操縦されることができる。拡張可能なケーブルまたは他の調整可能な組織除去要素は、ヘルニア形成の領域で初期組織量を粉砕するために作動し、刃先で除去される。いくつかの実施形態では、制御された量の組織粉砕化を容易にするために、回転可能な軸までの拡張可能なケーブルの連結部間の距離は、約0.4インチ未満、場合によっては、約0.3インチ未満、他の場合では、約0.2インチ未満であり得る。粉砕化された組織の正確な除去を容易にするために、組織除去装置の遠位吸引開口部は、拡張ケーブルの近位連結部から約0.4インチ未満、場合によっては、約0.3インチ、および他の場合では、約0.2インチまたは約0.1インチ離れて位置付けされてもよい。拡張可能なケーブルの初期作動後、ヘルニア形成は、内視鏡で見直しされ、ケーブル拡張の程度は、段階的な方法でより高く調整されてもよく、ヘルニア形成における所望の軽減が達成されるまで見直しされてもよい。
組織除去装置のいくつかの用途では、操縦可能なおよび操縦不可能な構造の両方において、組織除去区域は、線維輪等、構造体の近くに位置付けされてもよく、椎体終板は、無意識的に損傷または接触され得る。組織除去装置が、前述のように、これらの構造体に対する著しい損傷を制限または回避するために構成された実施形態では、たとえば、組織除去装置が椎間板の内側に位置していると、内視鏡が硬膜上腔内に位置付けされる場合など、組織除去装置の遠位端が直接的に可視されない場合でも、より大きな組織除去が安全に達成されることができる。
いくつかの実施例では、組織除去装置の実施形態は、回転し拡張された細長部材の組織除去の最大直径または最大断面積、および組織除去装置または組織除去装置によって形威された組織経路の外側管の直径または断面積の比率によって特徴付けられてもよい。前述の例では、外側管の直径に対するその回転展開構成の細長部材の直径は、約7:1の比率である。いくつかの実施形態では、この比率は、少なくとも約3:1以上であるが、他の実施形態では、比率は少なくとも約5:1以上、さらにある実施形態では、約10:1以上または約20:1以上である。他の例では、組織除去装置は、細長部材が拡張され得る最大垂直距離によって、または外側管の直径(または軸横断寸法)に対するこの距離の比率によって、特徴付けられてもよい。いくつかの例では、この比率は、少なくとも約3:1以上、場合によっては、5:1以上、またはさらに約7:1または10:1以上である
脊椎にアクセスするために使用され得る手順の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国特許第7,108,705号、米国特許第4,573,448号、米国特許第6,217,5009号、米国特許第7,273,468号に開示されている。ここに開示された組織除去装置の種々の実施形態は、椎間板切除または髄核摘出術を実行するために使用されることができるが、脊椎内および脊椎の外側での多種多様の組織除去処置のうちのいずれかを実行するために使用されてもよい。組織除去装置は、開腹手術またはアクセス制限処置と同様に、低侵襲的処置にて、使用されてもよい。これらの処置には、層間、経層、髄板アクセス処置が含まれてもよいが、それらに限定されない。1つの特定の実施形態では、患者は、腰椎前彎を制限するために、腹部の下方に枕または他の構造を用いて腹臥位にさせられてもよい。患者は、通常の無菌服が用意されて羽織らされ、全身、広域、局所麻酔での麻酔が達成される。蛍光誘導下では、鋭い先端の誘導ワイヤ、または誘導ワイヤのある針は、正中線に側面で約2インチから約6インチの範囲にある位置で、患者の背中の後部または後側面位置から傍脊椎上腔または硬膜上腔の中に挿入されることができる。いくつかの例では、誘導ワイヤ挿入は、針を最初に組織の中に挿入することによって容易になされてもよい。代替実施形態では、腹腔または前方頸部を通って前方処置が実行されてもよい。標的位置へのアクセスが確認されると、拡張器は、挿入経路を拡大するために誘導ワイヤとともに使用されてもよい。それから、イントロデューサまたはカニューレは、誘導ワイヤを覆って挿入されてもよく、続いて、その後の誘導ワイヤが除去、およびイントロデューサまたはカニューレ内に内視鏡が挿入されてもよい。あるいは、内視鏡は誘導ワイヤを覆って挿入されてもよい。内視鏡は、椎間板、神経、または組織除去の他の隣揆する構造体および部位等、関連構造体を直接的に可視または同一視するために、操作または操縦されることができる。患者が局所または広域麻酔下にあるいくつかの実施形態では、疑わしい神経の衝突は、内視鏡または内視鏡を通って挿入された他の装置で、疑わしい神経と接触または操作することによって、かつ患者の反応または症状を判断することによって、確認されることができる。使用され得る内視鏡の1つの実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、米国出願第12/199,706号に記載されている。標的領域が診断されると、組織除去装置は、ヘルニア様椎間板環状壁を貫通するために、脊椎アクセス装置または内視鏡を通って挿入されることができる。挿入されると、組織除去装置は、細長部材を拡張または展開構成に操作され、細胞核線維の組織を乳化または粉砕するために作動する。いくつかの実施形健では、組織除去装置は、約5秒から約90秒以上、場合によっては、約15秒から約60秒、および他の場合では、約30秒から約60秒の範囲の間、作動してもよい。粉砕された物質は、それから装置を通って吸引されてもよく、ついで、組織除去の効果は、内視鏡または他の可視機構によって再診断されることができる。いくつかの実施形態では、液体または潤滑油は、治療部位の中に注入または吹き込まれてもよい。いくつかの例では、液体または潤滑油は、乾燥されることのできる椎間板を含むがそれに限定されない、粉砕された物質の除去を容易にするのに有用となることができる。他の例では、液体または潤滑油は、組織除去装置の作動前または作動中に、注入または吹き込まれてもよい。いくつかの例では、液体または潤滑油は、蛍光透視法、X線、CT、MRI、超音波検査、または他の画像診断法での組織部位図を容易にすることのできる造影剤を備えていてもよい。造影剤は、誘導ワイヤまたは組織除去装置の配置の確認を含むが、それらに限定されない処置中はいつでも、または複数回使用されてもよく、また、組織除去の丑および/または位置を確認するために使用されてもよい。いくつかの特定の実施形態では、組織除去装置の作動は、椎間板または椎体の皮質骨の環帯が危険にさらされていないかを確罷するために停止することができる。また、いくつかの例では、造影剤は、組織粉砕および吸入機構を含むが、それらに限定されない装置の適切な運転を判断するために、工夫後、注入および撮像されてもよい。
作動中、組織除去装置は、適所に留まっていてもよく、または治療部位周辺に移動してもよい。運動には、装置をその挿入アクセスに沿って前後に、左右に、上下に、公転運動で(時計回りまたは反時計回り)、またはそれらのいずれかの組み合わせが含まれてもよい。回転可能な軸からのケーブル変位の範囲はまた、装置作動中は、循環的に変化してもよい。循環運動は、触覚フィードバックまたは装置の回転抵抗に基づいて行われてもよく、たとえば、約0.5秒から約4秒、約1秒から約2秒、または約0.5秒から約1.5秒毎に約1回の運動の範囲内の平均頻度での反復運動で行われてもよい。それぞれの循環期間の継続期間は、たとえば、約1秒から約30秒以上、約3秒から約20秒、約5秒から約10秒の範囲にあってもよい。吸引および吸入は、粉砕および除去された組織の量を判断するために、それらの運動中に適用されてもよい。
組織除去装置の作動は、要望通り、椎間板物質を除去するために反復されてもよい。いくつかの実施形態では、組織除去装置は、椎間板から引き抜かれてもよく、突出椎間板物質およびに作動中に直接または対抗して再挿入され、作動されることができる。組織除去が完了すると、組織除去装置は引き抜かれてもよい。環状壁内の穿刺部位は、約0.003平方インチ以下、場合によっては、約0.0016平方インチ以下、あるいは他の場合では、約0.001平方インチ以下の断面積を有していてもよく、したがって、接着剤、縫合、または凝周探針による穿刺位置の治療を必要とすることなく自己密閉することができる。身体位置は、椎間板または脊髄神経の出血、または統合性が生じてないかを確認するために、内視鏡または脊椎アクセス装置で再検査されてもよく、ついで、内視鏡または脊椎アクセス装置が身体から除去され、皮膚アクセス部位が包帯される。
前述の実施形態が、石炭化組織または骨組織を十分に除去することなく、軟組織を除去するために使用されることができるが、他の実施形態では、組織除去装置は骨を除去するように構成されることができる。いくつかの例では、組織除去装置、種々の骨除去被覆、および/またはより速い回転速度の構成が含まれていてもよい。被覆は、窒化チタン、クロム合金被覆、炭化タングステン、ダイヤモンドグリット、炭化ケイ素グリット、セラミック、または他の適切な物質を含むが、それらに限定されない物質で作られたより粗いグリット構造を備えていてもよい。螺旋ケーブルは、骨を刃先で吸引できるより小さな断片に研磨するため、高速度(たとえば、約10,000rpmから約30,000rpm以上)で回転することができる。生理食塩水による洗浄は、螺旋ケーブルおよび/または周囲組織を清潔にし、かつ/または冷却するために使用されてもよい。いくつかのさらなる構成では、組織除去装置はさらに、緻密骨通常保葎すると、海綿骨を差動除去するように構成されてもよい。そのような組織除去装置が、たとえば、骨構造の外面の完全性を崩壊することなく、椎体または長骨内に通路または空洞を形成するために使用されてもよい。
一例では、管状針または套管針は、その先端が脊椎骨破砕内に正確に位置付けされるまで、棘筋を貫通することができる。これは、外部の画像誘導下で(たとえば、蛍光透視法、CT、または超音波検査)、または内視鏡検査システムを使用して、実行されることができる。他の例では、骨内静脈造影は、他の可視モダリティと併用して実行されてもよい。いくつかの例では、骨内静脈造影は、椎体静脈叢または傍脊椎静脈を可視化するために、かつそれらの構造への不慮の進入をできる限り回避するために、使用されることができる。
椎体の外面に達すると、組織除去装置の遠位端(たとえば図8の組織除去装置300の遠位ヘッド336)は、椎体の緻密骨を貫通してその内部へアクセスするために使用されることができる。他の実施形態では、トレフインまたはバリなどの骨貫通装置が、椎体へのチャネルまたは通路を形成するために使用されることができる。骨貫通装置はついで除去され、ケーブル・ベースの組織除去装置は、通路および椎体の中に挿入されることができる。他の実施形態では、組織除去装置は、円錐ヘッドではなく、遠位バリまたはドリルヘッドを備えていてもよい。いくかの実施例では、螺旋ケーブルは、回転が開始する前に、放射状に外向きに変位するが、一方で他の例では、螺旋ケーブルが繰り出される前に最初に回転が開始する。椎体形成術のいくつかの実施例では、螺旋ケーブルは、約0.15インチ、約0.2インチ、約0.25インチ、約0.28インチ、または約0.4インチ以上の最大半径変位を有し得る。いくつかの例では、組織除去装置によって形成された空間の体積は、図20Aおよび図2OBに図示される環状組織の除去として開示されている組織除去の範囲と類似して、より増加することができる。前述のように、螺旋ケーブルは、螺旋構成として方向性において回転することができるが、反対方向でも回転することができる。
螺旋ケーブルは、単一のフィラメントまたはマルチフィラメントであってもよい。各フィラメントは、同一または異なる物質または構成を備えていてもよい。いくつかの例では、各フィラメントは、ケーブル内に巻き付けられたステンレス鋼(たとえば、304、316、または17−4ステンレス鋼)を備える。ケーブルの剛性は、巻きの堅さ、フィラメントの数、および/またはフィラメントの厚さの変化によって変更可能である。これらの特徴の1つ以上は、任意選択のグリット面と相まって、組織除去装置の優先研削特性を調整するために使用されることができる。いくつかの処置では、緻密骨を保護しながら海綿骨を優先的に切断することによって、緻密骨殻または椎骨の構造もしくは他の骨は、殻の外側または表面に位置している軟組織構造を保護することができる。緻密骨殻または構造はまた、標的部位内に注入されるいくつかの骨接合剤の流入を制限することができる。いくつかの例では、造影剤または他の可視剤が、接合剤注入または他の治療に先立って、標的部位の完全性にアクセスするために標的部位内に注入されてもよい。
図21Aから図21Dおよび図22で示される別の例では、細胞除去システム700は、鈍的遠位端704を有する拡張可能な螺旋ケーブル702を備えていてもよい。いくつかの例では、鈍的遠位端704は、通路またはチャネルが以前に形成される場合、または鈍的切開が十分である場合に使用されることができる。たとえば、椎間板切除または椎体形成手術中、鋭的遠位端708を有する取り外し可能な栓塞子を含むカニューレ706が、図23に示すように、脊椎を包囲する組織を通って、かつ/または椎骨の表面を通って、通路またはチャネルを形成するために使用されることができる。栓塞子は、組織除去システム700に挿入するために、カニューレ706から除去されることができる。他の例では、鋭的遠任端を有する套管針が、通路を形成するために使用されてもよく、その後、組織除去システム700の挿入を可能にするために除去されることができる。あるいは、モータで駆動または手動で稼動されるトレフインまたは骨バリが、栓塞子に加えて、または栓塞子の代わりに、カニューレ706とともに使用されることができる。カニューレ706は、解放可能に栓塞子および/または組織除去システム700に連結するために、ルアロックなど、任意選択の近位連結装置709を備えていてもよい。組織を通り脊椎まで、かつ/または脊椎骨の表面を通る通路を形成するのに使用可能なカニューレおよびスタイレットのさらなる変形例を、以下に記載することとする。
拡張位置にある螺旋ケーブル702を図示する図21A、および収縮位置にある螺旋ケーブル702を図示する図21Bから図21Dを参照する。ケーブル702が、鈍的遠位端704に遠位に、かつ底面710に近位に取り付けられている。ケーブル702は、端704および底面710のチャネル712および714内に部分的に埋め込まれていてもよい。端704と底面710の間は、端704および/または底面710よりも小さい断面規模を有するケーブル軸716である。他の実施形態では、ケーブル軸は、端704または底面710と同等、またはより大きい断面規模を有していてもよい。ケーブル軸はまた、収縮位置にある場合、ケーブル704を少なくとも部分的に保有するために、任意選択の溝または陥凹を備えていてもよい。
図21Aから図21Dはさらに、刃先720を有する外側管状軸718を含む組織除去システム700の任意選択の特性を示す。この特定の例では、刃先720は、少なくとも部分的に鋭利である、または鋭利ではない、斜め端である。他の例では、刃先は、鋭利であるが斜角でなくてもよい。図21Aから図21Dにさらに示されているように、外側管状軸718内に位置している内側軸722は、標的部位からの除去のために、流体および/または他の物質を外側管状軸718内に引き込むように構成された少なくとも1つの任意連択の糸状構造724を有していてもよい。斜角または研磨された端はさらに、糸状構造724によって外側管状軸718に入れられる物質をせん断または分裂することができる。いくつかの例では、糸状構造724の回転方向は、蝮旋ケーブル702と同様であってもよいが、他の例では、糸状構造724および螺旋ケーブル702は反対の回転方向であってもよい。
糸状構造724は、内側軸722および/または外側管状軸718と同一、または異なる物質で作られてもよい。いくつかの例では、糸状構造724と外側管状軸718とで異なる物質を使用することによって、2つの構造間の相対的回転からの摩擦効果を低減または排除することができる。いくつかの例では、摩擦は、粉砕物質を着色し得る、暗色または黒色の物質を発生し得る。この色素沈着は、粉砕物質の種々の分析および/または粉砕した組織上の組織除去装置の熱関連の影響をユーザが判断する能力を妨害し得る。1つの特定の例では、外側管状軸718は、ステンレス合金304を備えてもよく、一方で、糸状構造724が17−4ステンレス合金を備えていてもよい。糸状構造724は、たとえば、基礎ハイポ管構造から接地または形成されるなど、内側軸722と一体化して形成されることができるが、他の例では、糸状構造724は、溶接、接着、または他の接続処置によって、内側軸722に取り付けられてもよい。たとえば、糸状構造724は、エポキシン樹脂を使ってその全長に沿って内側軸722に取り付けられることのできるコイルステンレス合金またはパリレンワイヤ、または、たとえば糸状構造724の近位端および遠位端などの特定の位置に取り付けられることができる。いくつかの例では、軸722に糸状構造724を部分的に取り付けることによって、内側軸722と比較して、糸状構造724がより大きく伸長するか圧縮してひずむことが可能となることにより、組織除去システム700のその部分がより大きく屈曲するかまたは変形することが可能となる。このより大きな屈曲はまた、糸状構造724と内触軸722との間の発熱も低減し得る。
図25は、図21Aから図21Dに示すように、外側管状軸718の遠位開口部に位置している刃先720の代わりに、組織除去システムは、内側の切断機構または破砕機構750を備えていてもよい、切断機構の別の例を概略的に示す。この機構は、外側管状軸752に進入可能な任意のより大きな組織片を、分割、切断、または別様に破壊するために、外側管状軸752の内側管腔756に突出し、内側管状軸760の環状溝または陥凹758と連携する内側の切断機構または破砕機構754を有する管状軸752を備える。内側切断機構754は、異なるすくい角および/または表面構成を含む、多種多様の構造のうちのいずれかを有していてもよい。内側管状軸760の凹部758の構成は、幅および断面形状が変化してもよい。単一の内部機構750のみが図示されているが、他の例では、複数の機構が軸752および760に沿って設けられていてもよい。いくつかのさらなる例では、内側機構750は、図21Aから図21Dに示されている傾斜を基礎とした機構とともに使用されてもよい。
図22はさらに、光学透過室726を備える組織除去システム700の別の任意選択の特性を示す。図22の光学透過室部726は、外側管状軸718の取付け部に遠位に位置付けられているが、他の例では、光学透過筐体室726は、より近位位置で位置付けられてもよい。光学透過筐体区画726は、外側管状軸718の管腔と連通している光学透明通路または空洞を備えるので、遠位に注入されるか、または近位に除去される流体および/または物質がユーザにより視察されることができる。いくつかの実施例では、通路または空洞は、少なくとも約0.5cc、場合によっては、約1cc、および他の場合では、約2ccまたは15cc以上の容量を有していてもよい。光学透明室内に含まれることのできる流体または組織の量は、室の総容量以下であってもよい。たとえば、光学透過室の総容量は、約15.0ccであってもよいが、多くても10.0cc、12.0cc、または14.0ccの材料を収集するように構成されていてもよい。光学透過筐体室726はまた、たとえば、注入または洗滌のために吸引したか備えた物質の容量を特定するために、マーキングを有していてもよい。光学透過室726はまた、室726の中身を空にするため、目詰まりを低減するため、または診断用組織サンプルを収集するために、取り外し可能な蓋を備えていてもよい。いくつかの例で は、組織除去システムは、底面に1つ以上の開口部を有する1つ以上の注入管腔、ケーブル軸、および/または外側管状軸718の遠位端に加えて、または代わりに使用されることのできる組織除去システムの遠位端を有していてもよい。他の例では、組織除去システムは、椎体から除去されてもよく、分離注入器が治療薬または物質を送達するために使用されることができる。
組織除去装置の別の変形例が、図35Aに示されている。この組織除去装置3500は、ハンドル3502と、ハンドル3502の遠位部に位置する収集室3504と、ハンドルから収集装置3504を通って延びる外側管3508と、外側管3508にわたってスライド可能な移動制限器3506と、外側管3508の遠位部に装着されている組織除去アセンブリ3510とを備える。組織除去アセンブリ3510は、すでに記載したように、細長部材3511をさらに含む。他の実施形態では、収集室は、ハンドルに対して他の場所に位置していてもよく、あるいは、ハンドルのポートまたは導管に別々に取り付けられてもよい。以下、組織除去アセンブリのさらなる変形例および構成について説明する。
外側管3508は、それを通る長手方向の管腔を介して、遠位の組織除去アセンブリ3510と収集室3504および/またはハンドル3502の間に導管を設けるために使用可能である。上記のように外側管は、遠位の組織除去アセンブリを標的組織に向けるために、適宜、可撓性であり、操縦可能であり、変形可能であり、かつ/または屈曲可能であってもよい。外側管の異なる可撓性および曲率によって、組織除去装置が脊椎および/または脊椎骨組織、または体の別の特定領域にアクセスするのを助けることができる。たとえば、外側管3508は、その長さ部分に沿って1つ以上の展性であるか可撓性の領域を有していてもよく、これによって、医師がさらに操縦しやすくなる。いくつかの変形例では、管の湾曲または屈曲を容易にする1つ以上のスロット付き領域が、外側管に沿ってあってもよい。たとえば横向きのスロット、角度のあるスロット、軸方向のスロットなどスロットの配向によって、外側管を特定の方向に優先的に曲げることができる。外側管3508が実質的に直線で示されているが、他の変形例では、外側管は1つ以上の予成形された曲線を有していてもよく、ここでは、曲線が実質的に剛性でもよく、または実質的に可撓性でもよい。たとえば、標的組織までの直線状または曲線状の進入経路は、外側管の曲率によって、付加的に調整されてもよく、かつ/または成形されてもよい。いくつかの変形例では、標的組織までのアクセスが、直線または曲線のカニューレを通してもたらされてもよい。1つ以上の可撓性の曲線領域を有する外側管は、直線カニューレ内でそれをスライドさせることによって、直線にされてもよく、あるいは曲線カニューレ内でそれをスライドさせることによって、曲げられてもよい。あるいは、剛性の曲線領域を有する外側管が、屈曲可能な可撓性のカニューレに挿入されてもよく、外側管が曲線領域に沿って曲がることができる。他の変形例では、前述のような操縦機構を使用して、外側管を曲げることができるか、あるいは操作できる。
外側管3508は、約2500MPaから約4500MPaの引張応力と、約60MPaを超える引張強度とを有していてもよい。外側管は、約1mmから約1.5mm、たとえば1,25インチの内径と、約1.3mmから約1.6mm、たとえば1.4mmの外径とを有していてもよい。外側管壁の厚さは、約0.05mmから約1mmまで、たとえば0.075mmであってもよい。外側管は、組織除去アセンブリからハンドル筐体までの長さが約100mmから約500mm、たとえば、少なくとも長さが約300mmから約400mmまでであってもよい。
外側管3508の移動制限器3506の位置および外側管の長さによって、組織除去装置3500の作用長さを決定できる。たとえば、組織除去装置が4インチと20インチの間、たとえば、6.5インチまたは7インチの作用長さを有するように、移動制限器3506を、外側管3508に沿った位置に配置してもよい。外側管のいくつかの変形例は、それを通して内視鏡の挿入に適している直径を有してもよいので、椎間板切除術などの手技を直接的に可視化できる。たとえば、外側管は、内視鏡がそれを通って挿入可能な管腔を有していてもよい。1つ以上の可視化管腔は、外側管と並んで配置されてもよいし、あるいは、外側管の内腔であってもよい。いくつかの外側管の変形例は、ハイポチューブ、または、マルチフィラメントの網状またはコイル状のケーブルであってもよい。外側管におけるコイルまたは組ひものフィラメントは、幅が約0.001インチから約0.007インチまで、厚さが約0.01mmから0.1mmまでであってもよい。外側管3508は、304ステンレス鋼などの金属、ニッケル・チタン合金などの金属合金、またはポリイミドなどのポリマー、あるいはその組み合わせでできていてもよく、任意のいろいろな構造上の構成を含んでいてもよい。たとえば、外側管は、撚られたか押出成形されたポリイミドを含んでいてもよい。外側管の特定の変形例は、摩損効果を防ぐのを手助けし、かつ/または、あらゆる組織構造物が熱的に損傷するのを防ぐ手助けとなる熱絶縁をもたらす、さらなる材料で被覆されてもよい。
ハンドル3502は、組織除去装置3500の電力状態および使用を制御するのに使用されることのできる制御インターフェイスを含んでいてもよい。図35Aおよび図35Bに示すように、制御インターフェイスは、スライダ3522およびロッカー型電源スイッチ3524を含んでいてもよい。スライダ3522は、組織除去アセンブリ3510の構成および使用を調節できる。他のハンドルの変形例は、1つ以上の押しボタン、スライダ、ダイヤル、またはノブを含んでいてもよい。ハンドル筐体3530は、制御インターフェイスのさまざまな構成要素がユーザによって、容易にアクセスされ作動できるように、人間工学的に寸法決めされ成形されてもよい。たとえば、ハンドル筐体3530は、第1の陥凹領域3526および第2の陥凹領域3528を有し、ここでは、スライダ3522および電源スイッチ3524が同じ手の指によって、作動できるように、第1および第2の陥凹領域が手で握るのに適するように配置されている。ハンドル筐体3530は、1つ以上の隆起、陥凹、または織地状または摩擦性の表面部を含んでもよく、すでに記載されているハンドルの変形例と同様の構成要素および寸法を有していてもよい。
図36Aから図36Eは、ハンドル筐体3530の一部が除去されているハンドル3500の斜視図と、ハンドル3500の内部機構のさまざまな構成要素図とを示す。この機構は、いろいろな機能のいずれかに役立つことができる。たとえば、いくつかの機構は、組織除去アセンブリ3510のナビゲーションを制御できるばかりでなく、細長部材の構成を収縮状態と拡張状態との間で制御できる。細長部材をモータによって、回転しつつ収縮状態と拡張状態との間で移行させるのに使用可能な1つの機構が、図18Cおよび図18Dにすでに記載されている。このような機構の別の変形例を、図36Aから図36Eにおいて、示し、以下に説明する。図36Aは、すでに記載されている回転速度で組織除去アセンブリを回転させるために構成されているモータ3604に連結されている、回転軸3606を示す。モータ3604は、電池3602、たとえば9ボルト電池によって、電力を供給されてもよいし、あるいは、外部の電源に連結されていてもよい。モータ3604の作動範囲は、1.5ボルトから4.5ボルトの間、名目上3ボルトの定数であってもよい。
この組織除去装置は、遠位に位置する細長部材3511の構成を変更するための、軸方向に拡張可能で伸縮自在な機構を備えた回転軸を設けて構成されてもよい。たとえば、回転軸3606は、第1のボールベアリング3610および第2のボールベアリング3612を備えたハンドルに、回転可能に保持されていてもよい。ボールベアリングは、回転軸3606の回転を容易にするために構成されてもよい。第2のボールベアリング3612は、ハンドル筐体3530に固定されている保持構造体3613内で保たれる一方、第1のボールベアリング3610は、スライドアクチュエータ3522に固定されている保持構造体3614内で可動に保たれることができる。連結器3608は、回転軸3606に沿って設けられていてもよく、ここでは、連結器3608は、回転軸3606の長さに沿ってスライドするように構成されており、可動な第1のボールベアリング2610と接続する。第1のボールベアリング3610によって、軸3504に沿って連結器3608を変位させると、回転軸内で構造体が移動しつつ、また、第1のボールベアリング3610内で連結器3608および軸3606が回転できるようになる。同時に、このような構成によって、回転中に回転軸3606の内で細長部材が軸方向に並進運動できるようになる。いくつかの変形例では、連結器3608が組織除去アセンブリ3510の細長部材3511の近位部に装着されることができ、それによって、回転しながらスライドアクチュエータ3522を操作することによって、結果として細長部材3511が収縮状態と拡張状態との間で回転中に再構成される。
図36Bから図36Eは、回転軸3606内に収容されている細長部材が、回転中に収縮構成と拡張構成との間を移行することの可能な機構のさらなる詳細を示す。図36Bおよび図36Cは、細長部材が収縮構成にある場合の機構の側面図および側面斜視図を示す。回転軸3606が、第2のボールベアリング3612から第1のボールベアリング3610を通って延び、モータ連結装置3605を介してモータ3604に近位に連結されている。回転軸3606は、はんだ付けされ、溶接され、ろう付けされ、熱接着され、化学結合され、スナップ嵌めされ、機械的に装着され(たとえば、止めねじ、押し嵌め、圧着、圧伸成形など)、または別の方法で、モータ連結装置3605に確実に固定して装着されることができる。上述したように、連結器3608は、回転軸3607に沿ってスライド可能であってもよく、回転軸がモータによって、回転するにつれて細長部材が回転できるように、軸内の細長部材(図示せず)をピン3609で軸に連結できる。たとえば、軸内の細長部材は、回転軸3606内にスライド可能に配置されている金属ラグを介して、ピン3609に連結されていてもよい。回転軸3606は、軸の長さに沿って延びる長手方向スロット3607を含んでいてもよい。スロット3607の長さは、連結器3608に運動範囲を提供し、約0.25インチから約2インチまで、たとえば0.6インチであってもよい。矢印3630の方向にスライダ3522をスライドさせることによって、保持構造体3614により保持されている第1のボールベアリング3610を同一方向に押圧する。第1のボールベアリング3610は、ついで、スロット3607に沿って矢印3630の方向にも圧接されているスライド可能な連結器3608を押圧する。スライド可能な連結器3608を遠位に移動させる(矢印3630で示すように)ことによって、結果として、細長部材を回転軸3600内で遠位に移動させることとなる。図36Dおよび図36Eは、スライダ3522を最遠位に作動させた後の、スロット3607の最遠位の位置にある連結器3608を示す。スライダ3522はまた、近位に移動して(矢印3632で示すように)、細長部材を戻して収縮構成に移行できる。ハンドル筐体3530に装着されることのできる任意選択のばね部材3603は、スライダ3522を遠位位置または近位位置に偏らせることができ、かつ/または、スライダが矢印3630に従って圧接されるにつれて、スライダ3522が適切な位置にスナップを嵌めることを助けることができる。
上述の通り、組織除去装置3500は、光学透過室を含んでいてもよい。たとえば、図37に示すように、組織除去装置3500は収集室3504を含んでいてもよい。収集室3504は、取り外し可能な蓋またはプラグを有する1つ以上の収集ポート3702を含んでいてもよい。収集ポート3702は円形で示されているが、適宜、矩形、三角形、六角形であってもよい。収集ポート3702の直径は、約0.06インチから約0.28インチまで、たとえば、約0.07インチから約0.25インチまでであってもよい。組織または流体が、組織輸送アセンブリを介して、標的組織部位から収集装置3504まで供給されることができ、その一変形例は上述されており、以下にさらなる変形例を説明することと、する。あるいは、または代替として、真空源が、標的組織部位から収集装置まで組織および/または流体を引き込むために使用されてもよい。任意選択として、収集室3504の一部分が、あらゆる収集された試料を視覚的に検査するのに使用可能なルーペとして構成されてもよい。いくつかの変形例では、収集ポートのプラグまたは蓋自体がルーペであってもよい。
組織除去装置3500は、図37および図38Aに拡大して示されているように、移動制限器3506を含んでいてもよい。移動制限器は、組織除去装置が患者に挿入された後に、組織除去装置の軸方向のおよび回転運動の範囲を拘束して、かつ/または定義するために使用されてもよい。たとえば、移動制限器は、外側管に遠位に位置する組織除去アセンブリの位置および向きを調節し、かつ/または制限するために構成されてもよい。移動制限器のいくつかの変形例は、組織除去アセンブリが周りに配置されることのできる基準点の働きをすることのできるアクセス・カニューレに固定して連結されるように構成されてもよい。移動制限器は、組織除去装置に運動度を変化させることのできる多くの構成を有しいてもよい。たとえば、第1の構成では、組織除去装置の遠位部は、軸方向の運動が多くとも13.5mmに抑えられることができ、第2の構成では、組織除去装置は、多くとも18.5mmの軸方向の運動に抑えられることが可能である。第3の構成では、組織除去装置は、あらゆる軸方向運動を抑制されることができる。特定の構成において、移動制限器は、組織除去アセンブリの位置および/または向きを、複数の自由度に従って調整する。たとえば、たとえば、軸方向に、かつ/または装置の長手方向軸に対して垂直に調整することができ、かつ/または、装置の長手方向軸を中心に回転させることができる。他の構成において、移動制限器は、移動することがないように装置を固定化することができ、または、ある自由度に従って、たとえば装置の長手方向軸に対して垂直に、位置を変えるだけでもよいように、装置の運動を拘束できる。患者に挿入後、組織除去装置の運動を固定化または拘束することによって、周縁組織および神経構造物に損傷を与える可能性がある偶発的な装置の引き抜きや、あるいは位置または向きが意図なく移動することを防ぐ助けとなることができる。たとえば、脊椎骨円板の手技中に組織除去装置の運動を限定することは、組織除去アセンブリを意図せずに捻回し、回転し、引っ張り、または押圧することによる近くの神経の損傷を防ぐ、望ましい予防手段となることができる。
移動制限器3506の1つの変形例は、溝付き管3802、溝付の管3802を通ってスライド可能なラッチ3806、およびラッチ3806によって、可能となる溝付の管3802の本体を通るスライド可能なスライド管3808を含む。スライド管3808は、溝付き管3802の周りで回転可能である。スライド管3808は、カニューレ、スタイレット、チューブなどの取付け部として所望に構成されている連結装置3810を含んでもよい。連結装置3810を介してスライド管3808に装着されているカニューレは、スライド管3808と連動して移動することができ、たとえば、スライド管3808をスライドおよび/または回転させると、カニューレもまたスライドおよび/または回転できる。他の変形例では、カニューレは、固定位置にあってもよく、移動制限器をカニューレに固定して係合することによって、組織除去装置をカニューレの位置に対してスライドおよび回転させることができる。連結装置3810は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、ネジ嵌め、またはLuer―Lok(商標)型の連結装置であってもよい。スライド管3808は、その周縁に、ユーザが溝付の管3802を通してスライド管3808を並進させることのできる1つ以上のグリップ3812を含む。連結装置3810は、外側管3508をスライド管3808に通すように構成されている孔および/またはチャネルを有してもよい。連結チャネルは、スライド管の管腔3814内で、スライド管3808の長さを部分的にまたは全体的に横断して延びていてもよい。スライド管3808の構成要素の斜視図は、図38Bに示されているが、これはスライド管の管腔3814を示しており、内向きのギザギザのロック機構3816が管腔3814の周縁部の周りに配置されている。あらゆる適した数のギザギザのロック機構3816があってもよく、たとえば2個、3個、4個、5個、6個、8個、9個、10個、12個、15個、16個、20個のなどのセレーションであり、スライド管3808と溝付の管3802との間で相対的な動作を抑制するために使用可能である。
溝付き管3802は、管本体3820を含み、管の止め具3822が管本体3820の遠位部に取り付けられている。溝付き管3802の近位部は、収集装置3504の遠位部に固定して取り付けられていてもよい。いくつかの変形例では、溝付き管および収集装置が一体的に形成されてもよい。溝付き管の本体3820は、1つ以上の溝、たとえば第1の溝3804および第2の溝3805と、管の本体を通る溝付き管内腔3818とを有していてもよい。管内腔3818は、スライド管3808を通って挿入可能な外側管3508を受けるように位置し成形されることができる。溝は、管本体の周縁部の周りで、たとえば管本体3820の外表面沿って延びることができる。溝付き管3802上のスライド管3808の軸方向の運動は、第1および第2の溝の間隔によって、部分的に定義されることができ、以下に詳細に記載することとする。第1の溝3804と第2の溝3805との間隔は、約1mmから約10mmまで、たとえば5mmであってもよい。管の止め具3822は、スライド管3808のロック機構3816を係合するように構成されている1つ以上のロック機構接合部3818を有していてもよい。管の止め具3822は、2つのロック機構接合部3818(第1のものは図38Bに示されており、第2のものは第1のロック機構接合部の反対側に直接に位置している)を有するが、他の変形例は、1個、3個、5個、6個、8個、9個、10個、12個、15個、16個、20個などのロック機構接合部を有していてもよい。ロック機構3816がロック機構接合部3818に係合すると、スライド管3808が溝付き管3802の周りで回転するのを抑制される。たとえば、ロック機構3818がロック機構3816のセレーション間に係合すると、スライド管3808が溝付き管3802で回転式に固定される。すなわち、スライド管は溝付き管の周りで回転することができない。
スライド管3808および溝付き管3802は、スライド管が溝付き管に沿ってスライドし、かつ/または溝付き管の上を回転できるように、寸法決めされて成形されてもよい。たとえば、スライド管3808は、長さL1を有していてもよく、ここではLlは約0.5インチから約2インチであり、かつ第1の直径D1を有していてもよく、ここではD1は約0.35インチから約1.5インチである。管腔3814の直径は、D1と同じであるか、あるいは小さくてもよい。管腔への開口部3824は、第2の直径D2を有してもよい。ここではD2はD1よりも小さく、たとえば、約0.2インチから約1インチまでであってもよい。管の止め具3822は直径D3を有する。ここでは、D3はスライド管3808の直径D1よりも小さいか、あるいは等しくてもよいが、開口部3824の直径D2よりも大きくてもよい。直径D3は、約0.3インチから約1.25インチまで、たとえば0.44インチであってもよい。管本体3820は、直径D4を有する。ここでは、D4は開口部3824の直径D2よりも小さいか、あるいは等しくてもよい。直径D4は、約0.1インチから約1インチまで、たとえば、0.34インチであってもよい。図38Aに示されている移動制限器3506の変形例において、連結装置3810、スライド管3808、および溝付き管3802は、図38Cに示すように構成されてもよい。連結装置3810および収集装置のチャネル3824は、スライド管3808内に固定されてもよい。この変形例では、溝付の管本体の直径D4は、スライド管の開口部の直径D2よりも小さく、このことによって、スライド管3808が溝付き管3802を覆ってスライドすることができる。連結装置のチャネル3824は、溝付き管の本体の直径D4よりも小さな直径D5を有していてもよいので、それは溝付き管腔3818に挿入されることができる。しかし、管の止め具の直径D3は、開口部の直径D2よりも大きくてもよいので、溝付の管3802はスライド管の管腔内に保持される。スライド管が溝付き管に対して移動可能であり、かつ管の止め具により制限されることのできる他の配置を使用してもよい。
スライド管3808および溝付き管3802が丸く円筒状の構成を含んでいてもよいが、スライド管および溝付き管の他の変形例は、他の適した幾何学的形状、たとえば三角形、矩形、六角形、八角形などを有してもよい。いくつかの変形例では、スライド管3808は、光透過性材料、たとえばポリエチレンテレフタラート(PET)、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリプロピレンなどでできていてもよいが、他の変形例では、スライド管が光学的に不透過性であってもよい。任意選択として、スライド管および溝付き管の表面が、摩擦変化剤で被覆されていてもよく、このことによって、表面間の摩擦を増減させることができる。いくつかの変形例において、ずれを防ぐのを助けるために、滑動面間の摩擦力を増大させることが望ましくてもよい一方で、他の変形例においては、スライド管の調整を容易にするために摩擦力を減少させてもよい。
移動制限器3506の斜視図が図38Dに示されている。ここでは、スライド管3808は、前述したように溝付き管3802を覆ってスライド可能に連結されている。加えて、ラッチ3806が、溝付の管3802を覆ってスライド可能に連結されている。溝付の管3802の長さに沿ったラッチ3806の位置は、スライド管と溝付き管との間の相対運動の範囲を定義できる。たとえば、組織除去装置3500のスライド管3808は、患者内に挿入されるアクセス・カニューレに固定して装着されることができる。ハンドルに固定して装着されることのできる溝付の管3802に沿ったラッチ3806の位置は、アクセス・カニューレに対する組織除去装置の運動範囲を定義する。ラッチ3806は、ラッチ基部3830の2つのプレート間で嵌合される円形ブラケット3828を含んでいてよい。ラッチ基部3830は、図38Eに示すように、溝付の管3802を嵌合するように寸法決めされて成形されているラッチ基部の管腔3836を含んでいてもよい。円形ブラケット3828およびラッチ基部3830は、ピン3842により連結されることができ、このピン3842は、円形ブラケットの第1の孔3838を通り、ラッチ基部の第1のピン移動孔を通り、ピン・チャネルを通り、円形ブラケットの第2の孔を出て挿入される。第1のピン移動孔3846の一部分が、図38Eに示す移動制限器3506の裏側斜視図において、示されている。ラッチ3806は、円形ブラケット3828に第1の隆起領域3826を、ラッチ基部3830に第2の隆起領域3827を有していてもよい。第1の隆起領域3826および第2の隆起領域3827を互いに押圧することによって、円形ブラケット3828およびピン3842の位置を、ピン移動孔およびピン・チャネル内で調整できる。
ラッチのいくつかの変形例には、ラッチをロック構成またはアンロック構成に偏向させる機構が含まれていてもよい。このようなバイアス機構によって、専門家が圧力をラッチに常に加える必要なく、移動制限器が組織除去装置の運動および/または位置を拘束できる。バイアス機構の一例は、円形ブラケット3828の第1の隆起領域3826とラッチ基部3830の頂部との間に配置されることのできるばね3832を含んでいてもよい。ばね3832は、ラッチ基部3830に対して円形ブラケット3828およびピン3842の位置を偏向させることができる。たとえば、ピン3842がピン・チャネルの上部に圧接されるように、円形ブラケット3828およびラッチ基部3830に対して押圧することによって、バネ3832は移動制限器をロック構成に偏向させる。さまざまなラッチ構成について、以下に説明する。
図38Fおよび図38Gは、ロック構成およびアンロック構成があるラッチの1つの変形例を示す構成要素の斜視図である。ラッチが完全に組立てられると、ピン3842が第1の孔3838から、ラッチ基部3830にある第1のピン移動孔3846およびピン・チャネル2844を通って、第2の孔3840に挿入されることができる。円形ブラケット3828は、ピン3842を介してラッチ基部3830に連結され、また、遠位の基部プレート3829および近位の基部プレート3831によって、適所で保持される。ラッチ基部の管腔3836は、溝付き管の本体3820の直径D4と等しいか、いくぶん大きな直径を有していてもよい。ピン・チャネル3844を通って挿入されるピンの区域が、ラッチ基部の管腔3836に入ることのできる、ピン・チャネルの切欠き3834があってもよい。図38Gは、円形ブラケット3828およびラッチ基部3830の側面斜視図を示す。ピン移動孔3826およびピン・チャネル3844の断面は、細長く丸い形状を有していてもよい。ピン移動孔およびピン・チャネルの断面は、形状の底部がラッチ基部の管腔3836の底部の下にあり、形状の頂部は、ラッチ基部の管腔の底部の上にあるような、任意の適した形状であってもよい。たとえば、ラッチがアンロック構成にあると、ピン・チャネル3844を通って挿入されるピンは、ピン・チャネル3844の底部に配置され、全体的にラッチ基部の管腔3836の外側にあってもよい。アンロック構成では、ラッチが溝付き管の上を自由にスライド可能である。ロック位置では、ピンはピン・チャネルの頂部に配置され、ピンの区域は、ピン・チャネルの切欠き3834を介してラッチ基部の管腔3836に入り、このことによって、溝付き管の上をラッチ3806がスライドすることを妨げることができる。ここに記載されているラッチ3806の変形例では、ロック構成にある場合、ピンは、ロック構成で溝付き管の溝のうちの1つに係合することができ、このことによって、ラッチの位置を管に沿って固定できる。いくつかの変形例では、ラッチがロック構成またはアンロック構成に偏向できる。たとえば、図38Eに示すように、ばね3832は、円形ブラケット3828上で上方を押圧することによって、ラッチをロック位置に偏向する。ばね3832が圧縮されると、ピン3842が溝から外されて、ピン・チャネル3844の底部に圧接されることができる。これによって、ラッチ3806のロックを外すことができ、ラッチ3806が溝付き管の上をスライドすることが可能となる。
溝付き管3802に沿ったラッチ3806の位置によって、スライド管3808の運動範囲を制限できる。カニューレ、スタイレット、または他の工具が外側管3508を覆って連結装置3810に装着される場合、スライド管の運動によって、付属の工具の運動が決定される。図38Aに戻って参照する。ラッチ3806が、第2の溝3805を通ってロックされて示されている。そこに示されている構成では、スライド管上のギザギザのロック機構3816は、溝付の管上のロック機構接合部3818と係合されており、このことによって、スライド管および取付けられた管が回転せず、かつ軸方向の運動を限定する。ラッチ3806が第1の溝3804にロックされると、ギザギザのロック機構3816をロック機構接合部3818から外すことができ、このことによって、スライド管および付属の工具が回転し、かつ軸方向に移動できるようになる。
移動制限器の1つの変形例のうちの構成要素および構成が、上に説明されている。移動制限器3506が均一に間隔を置いて配置された2つの溝を有するが、他の変形例は2つ以上の溝を有してもよい。ここでは、溝間の間隔は変更可能である。たとえば、溝は、移動制限器の近位部よりも移動制限器の遠位部に向かう間隔がより近い。しかし、示されているような移動制限器3506は、1つのラッチ3806を有するが、他の移動制限器は2つ以上のラッチを有していてもよい。たとえば、第1のラッチは、スライド管に近位に配置されてもよく、一方で、第2のラッチはスライド管に遠位で配置されてもよい。これらの任意選択の特徴によって、移動制限器がスライド管に対する組織除去装置の軸方向運動および回転運動のどちらかまたは両方を制限できる。たとえば、スライド管がアクセス・カニューレに固定して装着されると、スライド管に対する組織除去装置の運動が、溝付き管のラッチ位置により拘束されることができる。上述の移動制限器構成要素のあらゆる組合せが、組織除去装置の遠位部の位置および/または向きを制御し調節するのに使用されることができる。
たとえば上述の変形例などの組織除去アセンブリが、標的組織の幾何学的形状、一貫性、位置、および寸法に従って変化してもよい。組織除去アセンブリの別の変形例は、図39Aから図39Cに示されている。組織除去アセンブリ3510は、遠位に外側管3508に取り付けられている管の止め具3912と、管の止め具3912を通って延びる回転式駆動部材3922と、回転式ケーブル軸3900を通ってねじ切りされている回転式駆動部材3922から延びるケーブル3910とを含む。回転式ケーブル軸3900は、遠位チャネル3908を備えた遠位先端部3904と、近位チャネル3906を備えた軸台3902と、軸台と遠位先端部とを連結する軸本体3901とを含んでもよい。回転式ケーブル軸台、本体、および遠位先端部は、一体的に形成されてもよく、あるいは別々に形成されて組立てられてもよい。ケーブル3910は、ハンドル3502から回転式駆動部材3922を通って、近位チャネル3906を通って、回転式ケーブル軸3900の周りで、遠位先端部3904に入ってねじ切りされてもよく、遠位先端部3904内に取り付けられてもよい。図39Aに示すように、ケーブル3910は拡張構成を有してもよく、ケーブル3910の少なくとも一部分が収縮構成にある同じ部分よりも回転式ケーブル軸3900から離れて配置されている。ケーブル3910の構成は、ケーブル3910をスライドさせて近位チャネル3906に入ったり出たりすることにより調整されることができる。組織除去アセンブリ3510の1つ以上の構成要素は、X線不透性物質でできていてもよい。収縮構成と拡張構成との間のケーブルの運動に関する他の詳細は、すでに記載されている。
管の止め具3912は、外側管3508の直径と同じ直径を有する管状の本体と、外側管の直径よりも大きくてもよい直径を有するリム3913とを含む。大きな直径のリム3913は、組織除去装置の近位部の近くで外側管3508にわたってねじ切られることのできる任意の装置が、組織除去アセンブリに向かって意図せずに下向きにスライドするのを防ぐ助けとなることができる。ここでは、それが回転式構成要素の機能を損なう可能がある。任意選択として、リム3913などの管の止め具3912の部分が1つ以上の切れ刃を含んでいてもよく、切れ刃は、組織輸送アセンブリ3920によって、組織が近位に輸送されるにつれて、組織を分解するのを助けることができる。管の止め具3912の管状体は、約0.02インチから約0.5インチまで、たとえば0.05インチの直径を有してもよく、前述したような任意の適した金属材料またはポリマー材料でできていてもよい。たとえば、管の止め具3912は、ステンレス鋼またはチタン合金でできていてもよく、および外側管3508にはんだ付けされてもよく、溶接されてもよく、あるいはろう付けされてもよい。
ここで記載されている組織除去アセンブリの変形例において、回転式ケーブル軸3900は、管の止め具3912に、たとえば組織輸送アセンブリ3920に遠位に装着される。他の変形例では、回転式ケーブル軸3900は、管の止め具3912に直接に固定されてもよい。図39Aおよび図39Bに示すように、回転式ケーブル軸台3902が回転式駆動部材3922に装着されてもよい。軸台3902は、すでに記載されているように、はんだ付、溶接、ろう付、熱接着、化学的接着、他の接着結合の形態によって、スナップ嵌めなどによって、駆動部材3922に装着されてもよい。図39Aは、回転式軸3900が管の止め具3912および外側管3508に対して遠位の駆動部材3922に装着されているが、
他の変形例では、回転式軸が、より近位の位置で、たとえば管の止め具内で、外側管内で、駆動部材に装着されてもよい。いくつかの変形例では、回転式ケーブル軸3900が、回転式駆動部材3922と一体的に形成されてもよい。
ケーブルが拡張し、収縮し、かつ/または回転できるようにケーブルを保持するよう、回転式ケーブル軸を寸法決して成形してもよい。ケーブルを適切に取り付けるとともに、ケーブルを回転させることから生じる力および熱を放散し、かつ/または安定化するために、さまざまな特徴が回転式ケーブル軸にもたらされてもよい。これらの熱の放散および力の安定化の特徴は、周囲の組織構造体への外傷を防ぐ助けとなることができる。回転式ケーブル軸3900は、近位の軸台3902および遠位先端部3904を連結する軸本体3901を含んでいてもよい。軸本体3901は、約0.010インチから約0.030インチまで、すなわち0.025インチの直径、および、約0.1インチから約0.2インチまで、たとえば0.3インチの長さを有していてもよい。軸本体3901は、使用中にケーブル3910の摩滅を減少させるのを助けることのできる金属材料および/またはポリマー材料でできていてもよく、たとえば、ステンレス鋼(17−4、303、304、316、400シリーズ)、コバルトクロム、チタン合金、PEEK、Pebax(登録商標)、ナイロン、ポリエチレン、ポリイミドなどの材料である。いくつかの変形例では、軸本体は、収縮構成にあるケーブルを配置して安定化するのを助けることができる突出部、蛇行性の溝、陥凹、他の表面特徴を含んでいてもよい。任意選択として、軸本体は、組織および/または流体を吸引し収集するため、かつ流体または治療薬を注入するため1つ以上のポート、チャネル、スロット、孔、開口部、などを有してもよい。たとえば、1つ以上の吸引窓が、遠位先端部3904の近くの軸本体3901にあってもよい。
遠位先端部3904は、図示するような鈍的または丸い構成などの非外傷性形状を有していてもよい。他の非外傷性構成は、上に記載されて示されている。非外傷性の幾何学的形状は、組織除去アセンブリが標的組織領域に前進するときに、組織損傷を防ぐかまたは減少させるのを助けることができる。いくつかの変形例では、遠位先端部は、角度をつけられているか、先が尖っているか、あるいはテーパの付いた構成を有していてもよい。これらの構成は、より隙間がない組織領域、たとえば組織のひだ間、管状の構造物体などに遠位先端部が侵入できる助けとなり得る。任意選択として、遠位先端部は、組織または本体の構造体を分裂させるか除去するために使用可能な複数の突端または縁部を含んでいてもよい。たとえば、遠位先端部の表面は、バリ機構として使用可能なグリットを有する表面を含んでいてもよい。遠位先端部3904は、軸本体3901よりも大きな直径を有していてもよく、たとえば、遠位先端部は、約0.025インチから約0.040インチまで、すなわち0.033インチの直径を有していてもよい。いくつかの変形例では、遠位先端部は、組織および/または流体を組織輸送アセンブリに吸い込むために使用可能な1つ以上の孔を有してもよく、ここでは、組織および/または流体が、回転式駆動部材3922に取り付けられている螺旋部材3924によって、近位に輸送されることができる。遠位先端部3904は、使用中にケーブル3910の摩滅を減少させるのを助けることのできる金属材料および/またはポリマー材料でできていてもよく、たとえば、PEEK、Pebax、ナイロン、ポリエチレン、ポリイミドなどの材料である。
回転式ケーブル軸3900は、ケーブル軸本体3901、遠位先端部3904、および/または軸台3902に沿って、ケーブル3910を受け、かつその拡張構成または収縮構成のどちらかにあるケーブルを安定化する1つ以上の予成形された陥凹または溝を有していてもよい。いくつかの変形例では、軸本体3901に沿った予成形された陥凹または溝は、ケーブル軸3900への局所の力または応力を減少させるために角度をつけられて配置されることができる。たとえば、遠位チャネル3908および/または近位チャネル3906は、ケーブル3910の曲率により適合するように、ケーブル軸本体3901に対してある角度で形成されてもよい。ケーブル軸本体の長手方向軸に対する遠位チャネル3908および近位チャネル3906の角度は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、約5度から約170度まで、たとえば約45度または約135度であってもよい。遠位チャネル3908および近位チャネル3906は、ケーブル軸3900の外表面に沿って実質的に整列配置されていてもよく、あるいは、互いに対して回転位置にあってもよい。たとえば、近位チャネル3906は、遠位チャネル3908の位置から、ケーブル軸本体まわりに約10度から約359度まで位置していてもよい。図39Aから図39Cに示すように、遠位チャネル3908は、遠位先端部3904の最遠位部に装着される前に、遠位先端部3904の外表面に沿って少なくとも部分的に巻きつけられていてもよい。ケーブル3910の曲率および運動に適合する、任意の数および構成のテーパの付いた領域、蛇行性の溝、陥凹、突出部、およびケーブル軸表面の特徴があってもよい。このような表面輪郭は、使用中、動的引張下でケーブルが滑るのを防ぐ助けとなることができる。回転式ケーブル軸3900は、ステンレス鋼、チタン合金などの金属合金を含むポリマー材料および/または金属材料でできていてもよい。
ケーブル3910は、細長部材に使用される材料と同じ任意の材料でできていてもよい。たとえば、ケーブル3910は、以下の金属材料および/またはポリマー材料のうちの1つ以上でできていてもよい:ポリイミド、ステンレス鋼、チタン合金、コバルトクロム、タングステン、ポリエチレン、ナイロン、カーボン・ファイバー、ウレタン、ポリアラミド、PEEK、および/またはポリエステル。ケーブル3910はまた、組織を除去するのに適切な任意の直径を有していてもよい。たとえば、ケーブル3910は、約0.1mmから約0.5mmまで、たとえば約0.25mmから約0.35mmまで、約0.2mmから約0.35mmまでの直径を有してもよく、あるいは、0.25mmまたは約0.3mmであってもよい。ケーブル3910は、マルチフィラメント・ケーブル、たとえば304ステンレス鋼ケーブルまたは316LVMステンレス鋼などの金属ケーブルであってもよく、ここでは、ケーブル3910は、1つのフィラメントの直径の約2倍から12倍、たとえば2倍から4倍、または3倍の直径を有していてもよい。フィラメントは、ケーブルを形成するために、左巻きに結合されていてもよい。ケーブルが複数のポリマーフィラメントでできている場合、ケーブルの直径は、1つのポリマーフィラメントの直径の約25倍、50倍、または100倍であってもよい。フィラメントは、約0.25mmから約6mmまで、たとえば約0.75mmから約3mmまで、約0.75mmから約1mmまでのピッチで、巻心フィラメントのまわりを捻回されることができ、撚られるか編まれてもよい。いくつかの変形例では、ケーブル3910は、鞘によって、包み込まれてもよく、鞘は、約2000MPaから約5000MPaまで、たとえば約2500MPaから約4500MPaまでの引張応力と、約60MPaを超える引張強度とを有してもよい。鞘は、ポリイミドでできていてもよく、厚さが約0.075mmであってもよい。鞘は、スチールの組ひもまたはコイルを中に有していてもよく、ここでは、組ひもまたはコイルのフィラメントの幅が、約0.025mmから約0.18mmまでであってもよく、厚さが約0.012mmから約0.12mmまで、たとえば0.1mmであってもよい。少なくともケーブルの一部分に沿った(および、任意選択的に、ケーブルの全長に沿った)ケーブル鞘は、組織除去アセンブリ3510の向きを意図せずに変更する可能性のある回転式ケーブル軸3900に沿ったケーブル3910の滑りを防ぐのを助けることができる。ケーブル3910は、上述の細長部材に類似した鞘構成、表面の改変およびコーティング、断面形状、ならびに曲げ弾性率などの材料特徴を有していてもよい。
ケーブル3910の近位端および遠位端は、ケーブルの材料組成物およびそれが装着されている構造体に適切な任意の方法を使用して、モータおよび組織除去アセンブリに装着されることができる。たとえば、金属ケーブルの遠位部は、回転式ケーブル軸3900の遠位先端部3904にはんだ付けされてもよく、溶接されてもよく、または、ろう付けされてもよい。ここでは、アタッチメントがリングによって、任意選択的に補強されてもよく、リングが、たとえばステンレス鋼などの金属、および/または、たとえばPEEK、ポリイミドなどのポリマーでできていてもよい。金属ケーブルの近位部は、回転式駆動部材3922の遠位部に、軸台3902に、および/または、連結器3608、回転式軸3606、ピン3609、回転式軸内に配置されているピン3609に連結されるスライド可能な金属ラグなどのハンドル3502の構成要素に、同様に装着されてもよい。ポリマーケーブルは、たとえばエポキシを用いて、上述の構成要素に接着されて接合されることができ、かつ、金属および/またはポリマーのリングによって、任意選択的に補強されることができる。
ケーブル3910が回転式ケーブル軸3900を巻きつけるので、ケーブル3910は、1つ以上の予成形された曲線を有していてもよく、ここからケーブル3910が近位チャネル3906から延びて遠位チャネルに沿って挿入する。いくつかの変形例では、ケーブルは、取付け点3905で、遠位チャネルに、または、遠位チャネルの周りに装着されてもよい。予成形された曲線の幾何学的形状、寸法、および位置によって、組織除去アセンブリの切断容積および幾何学的形状を定義するのを助けることができる。組織除去アセンブリにおいて、ケーブルで使用可能な予成形された曲線部は、可撓性でもよく、引張力が加えられると予成形された曲線部が直線になることができる。たとえば、収縮構成において、近位位置からケーブルに加えられる引張力が作用してケーブルを直線にすることができるので、ケーブルが回転式ケーブル軸の表面に沿って走る。引張力が解除されると、ケーブルが予成形された曲線部に沿って回転することができ、ケーブルはさらに圧接されて拡張構成になるので、予成形された曲線部の角度はより鋭利となることができる。様々な整合度を有するケーブル材料が、ケーブルの曲率を高めるかまたは制限するために使用されてもよい。たとえば、より剛性の材料が、ケーブル曲率に上限を課してもよいが、可撓性材料が予成形された曲線部の曲率を越えた角度までケーブルを曲げることができる。予成形された曲線部の例は、図39Aから図39C、および図40Dから図40Fに示されている。第1の予成形された曲線部3930は、ケーブル3910の一部分に沿って形成されてもよく、曲線角度A1を有していてもよい。ここではA1は約30度から約75度まであってもよく、ケーブル3910の任意の所望の長さに沿って頂点を形成してもよい。ケーブル3910は、ケーブル軸3900の長手方向軸に対して角度A7で、第1の予成形された曲線部3930に向かってケーブル軸3900から離れて延びてもよい。ケーブル3910は、角度A3でケーブル軸3900に向かって第1の予成形された曲線部3930から後ろに延びてもよく、ここでは角度A3は角度A7と異なっていてもよい。角度A7は、ケーブル軸3900に実質的に垂直でもよく、かつ/または、約20度から約110度まで、たとえば80度、90度であってもよい。角度A3は、約2度から約100度まで、たとえば30度、45度であってもよい。曲線3930は、ケーブル3910の長さに沿って中央に位置してもよく、角度A7およびA3は実質的に互いに等しいので、ケーブルは、たとえば通常の曲線部と同様に、拡張構成では対称性であってもよい。あるいは、曲線のケーブル3910は、対称性でなくてもよい。たとえば、曲線3930はケーブル3910の遠位部に向かって偏向されてもよく、あるいは図39Aに示すように、ケーブル3910の遠位部に位置していてもよい。他の変形例では、非対称性ケーブルがケーブルの近位部に向かって偏向しているか、またはケーブルの近位部に位置する曲線部を有していてもよい。第2の予成形された曲線部3932は、第1の曲線部3930に対して遠位ケーブル3910の一部分に沿って形成されてもよい。ここでは、曲線3932は、遠位チャネル3908に沿って軸を交差させて巻きつける時に、ケーブル軸本体3901とある角度を形成できる。ケーブル3910は、ケーブル軸3900の長手方向の長さL10を巻きつけることができる。ここでは、L10は、ケーブル軸3900の長さの約10%から約50%まで、たとえば約0.25mmから約2.5mmまで、たとえば1mmであってもよい。第2の曲線部3932は、約100度から約170度までであってもよい。軸本体3901および遠位先端部3904の周りに巻きつくケーブルの部分は、角度A2の頂点と遠位の取付け部3905との長さL2を有し、約0.1インチから約0.2インチまでであってもよい。長さL2は、遠位先端部材料および/または取付部が破損する前に、たとえばゆがみ、変形、はく離、過熱などによる破損の前に、ケーブルの回転中に遠位先端部3904および遠位の取付け部3905により維持されることができる最大圧力によって、部分的に決定されてもよい。たとえば、長さL2を延ばすと、回転式ケーブル軸3900のより大きな領域にわたって回転力を分布させることができ、使用中に組織除去アセンブリの破損率を減少させる助けとなることができる。いくつかの変形例では、ケーブル軸3900の周りに巻きつけられ、かつ/またはケーブル軸3900を接触させているケーブル3910の長さは、拡張構成にあるケーブル3910の全体長の10%、20%、25%、35%などであってもよい。たとえば、拡張構成では、ケーブル3910は、約10mmから約15mmの全体長を有していてもよく、特定の変形例では、ケーブル軸3900と接触し、かつ/または巻きつけるケーブルの長さは、約0.1mmから約4mmまでであってもよい。ケーブル軸3900の周りのケーブル3910の回転度は、約_度/回転から約_度/回転までであってもよい[[実施例範囲を示して下さい]]。ケーブル3910は、軸本体3901の周縁部を約10度から約540度まで、たとえば約200度から約350度まで、または約340度から約370度まで巻きつけるように、ケーブル軸3900の周りで巻きつけられてもよい。任意選択として、第3の予成形された曲線部3934(図39B)が、第1の曲線部3930に対して近位のケーブル3910の一部分に沿って形成されてもよく、ここでは、第3の曲線部3934は約100度から約170度までであってもよい。拡張構成にあるケーブル3910の予成形された曲線部の別の図が、図39Cに示されている。ケーブル3910が、近位チャネル3906から延びて第1の曲線部3930に沿って遠位で頂点で変位し、そして第2の曲線部3932に沿って軸本体3901の周りに向かって下向きに螺旋状に角度をつけ、遠位の先端面の上を沿って交差して遠位チャネル3908に入る。いくつかの変形例では、ケーブルは、拡張構成または収縮構成のどちらかにおいて、遠位先端部3904を越えて延びてもよく、たとえば、ケーブルは、約0.5mmから5mmまで、たとえば1mmから約5mmまで、または約2mmだけ遠位先端部3904から間隔をおいて配置されている変曲点を有していてもよい。収縮構成にある組織除去アセンブリの遠位の先端を越えてケーブルが延びることによって、ケーブルが拡張構成または膨張構成において、より大きな輪郭を想定できる。ケーブル3910は、たとえば、巻回数、巻回の向き、巻回率、変曲点、ピッチ角、巻回長さなど、すでに記載されている細長部材の任意の特徴を有していてもよい。製造中に隙間のない半径のケーブルを曲げるか、ケーブルを圧着するかまたはねじれさせる締め付け装置を使用することによって、ケーブルが上述の曲線、巻回、変曲点などを有するように成形されてもよい。回転式ケーブル軸3900は、収縮構成および拡張構成の両方において、ケーブルの巻回および曲線に適合する溝、陥凹、起伏および/または曲線を有してもよい。
上述の組織除去アセンブリのいくつかの変形例では、ケーブルは、近位位置から回転式ケーブル軸から出て、回転式ケーブル軸から出たところに対して遠位位置に取り付けられる。たとえば、ケーブル3910は、近位チャネル3906から出て、遠位先端部3904にある遠位取付け部3905で取り付けられ、ここでは、遠位先端部3904が近位チャネル3906に対して遠位である。組織除去アセンブリの他の変形例では、ケーブルは、軸から出るところに対して近位位置で、回転式ケーブル軸に取り付けられてもよい。この構成は、収縮構成にある組織除去アセンブリの輪郭を減少させる助けとなることができ、このことによって、隙間がない組織領域、たとえば椎体にアクセスする組織除去装置の能力を向上させることができる。回転式ケーブル軸の遠位部およびさまざまなケーブル形状の例が、図39Dから図39Fに示されている。たとえば、図39Dでは、ケーブル3962が回転式ケーブル軸3960を通って延び、遠位の出口位置3967から出て、近位の取付け部3966に取り付けられる。そこに示されているように、ケーブル3962は巻きついてループ3964になる曲線部3963を含み、ついで、延びて、直線部3965に入り、直線部3965は近位の取付け部3966で回転式ケーブル軸3960に付着する。ループ3964は、曲線部3963および直線部3965と連続的かつ/または一体的であってもよく、または、ループ3964は、曲線部3963と連続的でもよく、かつ直線部3965に引っ掛けられていてもよい。ケーブルの遠位の出口位置3967は、回転式ケーブル軸3960の断面に沿って中央に置かれていてもよい。図39Eは、組織除去アセンブリの変形例を示し、ここでは、遠位の出口位置3977が回転式ケーブル軸3970の断面に対して中心が外れている。そこに示されているように、ケーブル3972は、中心を外れた遠位の出口3977から出て、近位の取付部3976で回転式ケーブル軸3970に付着する。ケーブル3972は、屈曲接合部3974で直線部3875に移行する曲線部3972を有してもよい。ケーブル3972は、傾斜および/またはテーパの付いた遠位先端部3979を有する回転式ケーブル軸3978で使用されてもよく、ここでは、ケーブル3980が、遠位の出口3980で回転式ケーブル軸3978から出て、近位の取付け部3981で回転式ケーブル軸3978に付くことができる。曲線部、屈曲接合部、および直線部により構成されるケーブルを有する組織除去アセンブリは、特定の領域に位置する組織を除去しつつ、実質的に他の領域で組織を保護するのを助けることができる。たとえば、ヘルニアを治療する椎間板切除術において、あるいは核置換のために、このケーブル構成は、核を切断し除去するのに使用してもよいが、通常は軟骨終板を保護するために使用されてもよい。
いくつかの変形例では、回転式ケーブル軸は、治療薬の吸引、注入、および組織および/または流体の収集のための1つ以上のポートまたは窓を有してもよい。遠位のポートおよび少なくとも1つの側面窓を有する回転式ケーブル軸の一例が、図39Gに示されている。組織除去アセンブリ3940は、外側管3950の遠位部に固定されている内側管3944と、外側管内にあり内側管を介して延びる回転式駆動部材3942と、内側管3944を覆って組立てられる回転式ケーブル軸3942と、回転式駆動部材3948にあるケーブル3946とを含んでいてもよく、ケーブル3946は、内側管3944を通って延び、回転式ケーブル軸3942の遠位ポート3941から出て、近位の取付け部3947で回転式ケーブル軸に付く。回転式ケーブル軸3942は、回転式ケーブル軸の窓3943を有していてもよく、内側管3944は、対応する内側管の窓3945を有していてもよい。ここでは、両方の窓の少なくとも一部分が位置合わせされていてもよい。組織は、回転式ケーブル軸の窓3943を通って内側管の窓3945を通って取り出され、回転式駆動部材3948によって、収集装置まで近位に輸送されることができる。使用中に、モータが、回転式駆動部材3948、回転式ケーブル軸3942、およびケーブル3946を回転させて、組織を切断し、乳化させ、かつ/または除去できる。たとえば回転過程で、回転式ケーブル軸の窓3943および内側軸の窓3945が軸方向に位置合わせされると、回転式駆動部材3948が組織を吸い込むために露出することができ、ついで、組織が収集装置に輸送されることができる。組織および/または流体はまた、吸引されてもよく、かつ/または別の方法で、遠位のポート3941を通って吸い込まれてもよい。回転ケーブル3946で組織を切断、乳化することなどに加えて、遠位ポート3941、回転式ケーブル軸3942、内側管3944、回転式駆動部材3948および他の特徴が、すでに記載されている回転式駆動部材に沿って近位に吸い込まれている組織をさらに切断し分散するために、鋭利な縁部などを有していてもよい。
図40Aから図40Eに示すように、組織除去アセンブリの他の変形例は、複数の吸引孔を有してもよい。組織除去アセンブリ4000は、外側管4002に遠位に装着される管状部材4004と、管状部材4004を通って延びる回転式駆動部材4030と、回転式駆動部材4030に遠位に装着される回転式ケーブル軸4010と、前に述べられて構成されている細長部材とを含む。管状部材4004は、複数の開口部、たとえば、第1の開口部4006および第1の開口部の向かいに位置する第2の開口部4008を含んでいてもよい。これらの開口部は、それを通る組織を通すために寸法決めされ成形されてもよく、組織は、組織輸送アセンブリ4034によって、収集装置まで輸送されることができる。たとえば、除去された組織は、第1および第2の開口部4004および4008を介して、標的組織部位から離れて輸送されることができる。管状部材4004は、約4mmから約5mmまで、たとえば、約4.7mmの長さであってもよく、外径が約1mmから約1.5mm、たとえば約1.4mmであってもよく、内径が約0.5mmから約1mm、たとえば約0.9mmであってもよい。第1および第2の開口部4004および4008は、楕円として成形されてもよく、長さが約1.25mmから約1.75mmまで、たとえば約1.7mmであってもよい。楕円形の開口部の丸先は、約0.45mmの曲率半径を有していてもよい。開口部の他の変形例は、任意の適した形状、たとえば円形や矩形などを有してもよく、それを通して組織または流体を吸い込むのに適切な様に、スロットがつけられていてもよい。管状部材4004は、上述の金属材料および/またはポリマー材料のいずれかでできていてもよく、たとえば、管状部材4004は、不活性化または電解研磨した17−4ステンレス鋼でできていてもよい。
回転軸4010は、遠位チャネル4016を備えた遠位先端部4018と、近位チャネル4014を備えた軸台4020とを含んでいてもよい。遠位先端部4018は、円筒形状を有していてもよく、ここでは、最遠位先端部が丸みのある縁部で平坦化されている。図40Bに示すように、軸台4020および遠位先端部4018の直径は、軸本体4012の直径と同じでもよいが、他の変形例では、軸台の直径は、遠位先端部の直径よりも大きくてもよいし、小さくてもよい。たとえば、軸本体4012は、直径が約0.010インチから約0.030インチまで、すなわち約0.025インチであってもよいが、遠位先端部4018および/または軸台4020は、直径が約0.025インチから約0.040インチまで、すなわち約0.033インチであってもよい。回転軸4010は、0.3インチから約0.4インチまで、たとえば約0.335インチまたは約0.353インチの長さL4を有していてもよい。軸台4020は、約0.100インチの長さL5を有していてもよい。遠位先端部4018は、約0.05インチの長さL7を有していてもよい。軸台4020は、約0.20インチの長さL6だけ遠位先端部4018から離れていてもよい。任意選択として、軸台4020は、軸台よりも大きな直径を有するリムを有していてもよく、リムは回転軸4010が駆動部材4020に取り付けられるのを助けることができる。回転軸4010は、上述の金属材料および/またはポリマー材料のいずれかでできていてもよく、たとえば、回転軸4010は、不活性化または電解研磨した17−4ステンレス鋼でできていてもよい。
図40Aおよび図40Cの両方に見られるように、遠位チャネル4016および近位チャネル4014は、これらが回転軸の表面に沿って位置合わせされるように位置決めされることができ、たとえば、それらの間の線が、回転軸4010の長手方向軸と実質的に平行になる。他の変形例では、遠位チャネル4016および近位チャネル4014は、互いに対してある角度で中心を外れていてもよい。たとえば、近位チャネルは、回転軸4010の表面に沿ってある回転位置に位置決めされることができ、ここでは、回転度は約10度から約359度までであってもよい。遠位チャネル4016および近位チャネル4014は、軸本体4012の長手方向軸に対してある角度で形成されることができる。これらのチャネルと関連する溝および陥凹の角度は、ケーブルの曲線および向きに適合することができ、回転軸4010上の局所的の力および/または荷重を減少させるようにケーブルを配置するのを助けることができる。たとえば、遠位チャネル4016で終端する遠位先端部4018に沿った遠位の陥凹4017が、軸本体4012に対して角度A4で位置していてもよく、ここでは、角度A4は、約90度から約170度まで、たとえば約135度であってもよい。近位チャネル4014は、遠位チャネル4016と関連した遠位の陥凹4017の角度A4よりも大きいか、等しいか、あるいは小さいある角度で形成されてもよい。陥凹4017の幅は、前述したようにケーブルの幅および/または直径によって、部分的に定義されてもよく、回転軸4010の表面に沿ってケーブルを案内するのに適した任意の幅を有していてもよい。遠位の陥凹4017は、回転軸4010の表面に沿って、前述したような任意の回転率で湾曲していてもよい。任意選択として、軸本体4012または軸台4020に沿って、たとえば近位チャネル4014と関連している1つ以上の類似した陥凹があってもよい。図40Dから図40Fは、拡張構成にあるケーブル4050を備えた組織除去アセンブリ4000の斜視図、前方立体図、および側面図である。ケーブル4050は、すでに記載されている拡張構成のいずれかを想定していてもよく、たとえば、ケーブル4050は、図39Aから図39Cに示すように構成されていてもよい。
軸台4020は、はんだ付、溶接、接着結合、または、回転軸4010を組織輸送アセンブリに装着するための任意の材料に適した技術によって、遠位に組織輸送アセンブリ4034に装着されてもよい。組織除去アセンブリで使用可能な組織輸送アセンブリの1つの変形例が、図41Aに示されている。組織輸送アセンブリ4034は、回転式駆動部材4030と、回転式駆動部材4030の少なくとも一部分に取り付けられる螺旋部材4032と、駆動部材4030の遠位部に装着されている管状蓋4036とを含んでもよい。回転式駆動部材4030は、組織除去アセンブリから収集装置まで近位で組織を吸い込むのに適している1つ以上のポリマー材料および/または金属材料でできていてもよい。たとえば、回転式駆動部材4030は、ステンレス鋼、ニッケル・チタン合金、カーボン・ファイバー、高密度高分子量ポリエチレンなどでできていてもよい。回転式駆動部材4030の内径は、約0.010インチから約0.020インチまで、たとえば0.015インチであってもよい。回転式駆動部材4030の外径は、約0.0350インチから約0.0450インチまで、たとえば0.0407インチであってもよい。螺旋部材4032は、回転式駆動部材4030と一体的に形成されてもよく、あるいは、別々に形成されて駆動部材に装着されてもよい。螺旋部材4032のピッチP1は、約0.010インチから約0.100インチまで、たとえば0.030インチから約0.25インチ、または約0.060インチから約0.100インチ、または0.030インチ、または0.080インチあってもよい。螺旋部材のピッチP1は、モータにより駆動される回転速度に従って、または、組織除去アセンブリから収集装置までの所望の組織輸送率に従って調整されてもよい。螺旋部材4032は、回転式駆動部材4030と同じ材料でできていてもよく、かつ、減摩被覆、流体動的チャネルなどの表面改変を任意選択的に含んでもよく、これは、収集装置に除去された組織を輸送する助けとなることができる。螺旋部材4032は、組織輸送に適するように、右巻き、または左巻きであってもよい。いくつかの例では、螺旋部材4032は、駆動部材の回転と同じ方向に巻回されてもよい。螺旋部材の断面は、組織輸送に適している任意の形状を有していてもよい。螺旋部材4032の断面は円形であるが、他の変形例では、断面は、三角形、矩形、正方形、または卵形であってもよい。特定の変形例では、回転式駆動軸は、一体的に形成された管、たとえば織成されないか、あるいは撚られていない固体シートの材料から形成されている管であってもよく、螺旋部材が管の外表面に沿って巻きつけられている。他の変形例では、回転式駆動軸は、複数層の緊密に巻回されたコイル状部材でできていてもよく、コイル状部材の内層は、第1のピッチを有していてもよく、コイル状部材の外層は、第2のピッチを有していてもよい。たとえば、コイル状部材のピッチは、最内層から最外層まで変化してもよい。たとえば、最も内側のコイル層は最も隙間がないピッチを有していてもよく、最外層は最も大きなピッチを有していてもよい。この変形例では、ポリマー、またはエポキシ、パリレン、ポリウレタンなどの他の接着剤が、コイル状層間に、または外側の被覆として加えられてもよく、最も外側のコイル状部材のねじを次の内側のコイル状層に固着する。これらの接着剤の被覆および層は、コイル状層が分離して互いから浮き上がるのを防ぐ助けとなることができる。概して、組織輸送アセンブリ4034は、組織輸送を所望に促進させることのできる1つ以上の陥凹、溝、チャネル、突出部などを含んでもよい。駆動部材および螺旋部材の他の特徴は、すでに記載されており、組織輸送アセンブリ4034でも使用可能である。
管状蓋4036は、回転式駆動部材4030と一体的に形成されてもよく、あるいは、回転式駆動部材4030に別々に形成されて取り付けられてもよい。管状蓋403の最遠位部は、それを通るケーブルおよび/または組織輸送アセンブリを通過させるように構成されている1つ以上の開口部を有してもよい。管状蓋4036は、はんだ付、溶接、接着結合、摩擦嵌合、スナップ嵌めなどによって、回転式駆動部材4030に装着されてもよい。いくつかの変形例では、管状蓋4036は、ポリエチレン、ナイロン、カーボン・ファイバー、ウレタン、ポリエステル、ポリアラミド、PEEK、ポリイミド、および他の類似の材料など、1つ以上のポリマー材料でできている。回転軸4010は、上述の適した方法のいずれかによって、管状蓋4036に装着されてもよい。
任意選択として、組織輸送アセンブリは、回転可能な駆動部材4030の少なくとも一部分を包み込む鞘(図示せず)を含んでいてもよい。鞘は、ポリマー材料および/または金属材料、たとえばステンレス鋼の組ひもを有するポリイミドでできていてもよい。ステンレス鋼の組ひもは、約0.0005インチ×約0.0025インチと測定されるリボンを使用して形成されてもよく、約80picの組ひも密度を有していてもよい。鞘は、約0.035インチから約0.050インチ、たとえば0.0420インチの内径を有していてもよい。鞘は、約0.040インチから約0.055インチ、たとえば0.048インチの外径を有していてもよい。鞘の壁厚は、約0.0030インチであってもよい。いくつかの変形例では、鞘は、約10.00インチから約20.00インチ、たとえば12.00インチまたは12.25インチの長さを有していてもよい。
溝および陥凹は、任意の組織または流体が標的組織部位から近位の収集装置まで吸い込まれるのを促進する助けとなることができる。組織輸送アセンブリ4100の別の例が、図41Bに示されている。そこに見られるように、組織輸送アセンブリ4100は、その遠位端でインペラ4106に取り付けられている駆動部材4102と、駆動部材4106の少なくとも一部分に装着されている螺旋部材4104とを含む。インペラ4106の近位部は、螺旋形の保持器4108を含んでいてもよく、遠位部はインペラキャップ4110を含んでいてもよい。インペラキャップ4110は、PEEK、Pebax、ナイロン、ポリエチレン、ポリイミドなどの高分子材料でできていてもよく、約0.150インチから約0.300インチまで、たとえば0.235インチの長さL8を有していてもよい。インペラ4106は、インペラキャップ4110に、たとえば傾斜溝4112および切欠き領域4114など、1つ以上の溝および/または切欠き領域を含んでいてもよい。傾斜溝4112および/または切欠き領域4114は、インペラ4106の表面にわたってケーブルを通すように寸法決めされ成形されることができ、前述したような回転軸で使用可能な溝および陥凹と類似している。いくつかの変形例では、手技中に熱的な神経損傷のリスクを減少させる助けとなるように、絶縁被覆がインペラの一部分に設けられていてもよい。
螺旋形の保持器4108は、ステンレス鋼などの金属材料、またはPEEKなどの高分子材料でできていてもよい。インペラの特定の変形例は、組ひも4107と類似した組ひもを2つ以上含んでいてもよい。図41Cに示されているように、インペラ4106は、約30度から約60度まで、たとえば35度の時計回りのピッチ角を有する3つの組ひもを含んでもよい。組ひも4107は、螺旋形の保持器4108の長さL9に沿って、約3回転/インチから約5回転/インチまで、たとえば4.5回転/インチの回転率を有していてもよい。螺旋形の保持器4108の長さ部分L9は、約0.150インチから約0.300インチまで、たとえば0.230インチであってもよい。組ひも4107は、約0.015インチから約0.030インチまで、たとえば0.028インチの幅を有していてもよい。螺旋形の保持器4108は、いかなる数の組ひも、組ひものねじれ角、またはセレーションや隆起部など表面構造物を有していてもよく、これらは組織除去アセンブリから収集装置まで組織を吸い込むのに有用となり得る。インペラキャップ4110は、曲線状、丸形、角度をつけられている、テーパの付いているなどの1つ以上の縁部を有していてもよく、組織をインペラに向かって吸い込むのを助けることができる。たとえば、図41Dに示されているインペラ4140の変形例は、角度が付いている遠位先端部および螺旋形の保持器4147を備えたインペラキャップ4148を含んでいてもよい。螺旋形の保持器4147は、第1の組ひも4142、第2の組ひも4144、および第3の組ひも4146を有していてもよい。組ひものうちの1つ以上は、セレーションを有していてもよく、単一の組ひもにあらゆる数のセレーションがあってもよい。たとえば、第3の組ひも4146は、2つのセレーション4141、4143を有していてもよい。図41Eに示すインペラ4150の別の変形例では、組ひも4156が、3つのセレーション4151、4153、および4155を有していてもよい。インペラ4150の組ひもは、組ひものねじれ角が約40度であってもよい。図41Fは、ねじれ角が約30度の3つの組ひもを備えたインペラ4160を示す。組ひも4166は、3つのセレーション4161、4163、および4165を有していてもよい。図41Gは、ねじれ角が約50度の3つの組ひもを備えたインペラ4170を示す。組ひも4176は、3つのセレーション4171、4173、および4175を有してもよい。他の変形例では、たとえば図41Hに示すインペラ4136など、すべての組ひも4132、4134、4146は、1つ以上のセレーション、たとえば3つのセレーション4131、4133、4135を有する。セレーションは、編組角度および回転方向によって、決められる各組ひもの前縁部に位置していてもよい。セレーションは、組織が標的組織部位から間隔をおいて近位に吸い込まれるとき、組織をさらに破壊する助けとなることができる。セレーションは、正のすくい角(たとえば、約30度から40度まで)、または負のすくい角を有してもよく、かつ/またはある角度に傾斜していてもよい。たとえば、傾斜角は、約20度から約40度、および/または約60度から約80度の間にあってもよい。セレーション4131、4133、4135間の角度A7は、約80度から150度、たとえば105度、または104.6度であってもよい。セレーションの鋭利または尖った部分は、角度A8を有してもよく、ここではA8は約45度から120度までであってもよい。セレーション4131、4133、4135の縁部は、組織を切断するかまたは粉砕するのに適切な任意の長さ、たとえば約0.001インチから約0.004インチまで、たとえば0.002インチであってもよい。セレーションの他の変形例は、より大きくてもよく、縁部の長さは約0.01インチから約0.02インチまでである。セレーションの2つの縁部は、第1の短い縁部および第2の長い縁部を有してもよくが、他の変形例では、縁部は同じ長さであってもよい。セレーションは、約0.01インチから約0.2インチまで、たとえば0.04インチの幅W1を有していてもよい。セレーションのいくつかの変形例は、C字型であってもよく、かつ/または、鋭利な回転縁部を備えた他のある角をなす幾何学的形状を有してもよい。組織を分解し収集装置にそれを輸送するのを促進することのできる、たとえば鋭利な螺旋部材、酵素被覆などの他の切断機構または縁部が、インペラまたは駆動軸に沿って設けられていてもよい。
図21Aから図22、および図35Aから図41Dに示される組紙除去システムは、椎間板切除および椎体形成術を含む、多種多様の組織除去処置のうちのいずれかに使用されることができる。図24Aから図24Cを参照する。椎体730は、ここで示される多種多様のアクセス処置のうちのいずれかによって、アクセスされることができる。一例として、組織除去システム700は、脊椎骨組織を除去し骨セメントを椎体730に加えるために使用されることができる。軸718(尺度通りに図示せず)は、椎体(図24A)の内部に挿入されてもよく、その後、椎体730(図24B)内の空洞732を形成するために拡張されたケーブル702とともに回転してもよい。組織除去システム700はさらに、海綿骨の適正な除去が達成されるまで操作可能である。図24Cに示すように、組織除去システム700は、空洞732に送達される骨接合剤734で装着されることができる。いくつかの例では、骨接合剤734は、ポリメチル・メタクリル・ヒドルキシアパタイト等の物質を含んでいてもよく、または多種多様の他の骨接合剤または他の硬化可能または矯正可能な材料のうちのいずれかは、組織除去システム700によって、作られる空洞を満たすために套管針を通って注入されることができる。組織除去システム700のケーブル702は、治療薬の送達中に収縮またを、拡張できる。いくつかの例では、拡張ケーブル702は、空洞壁に対して治療薬を再分配してもよく、このことによって、空洞から漏損する危険性を低減できる。
前述の処置のうちのいくつかでは、椎体内の空洞は、治療薬の送達前に形成されるが、他の処置では、治療薬は同時に送達されてもよい。空洞が最初に形成される処置において、空の空洞を満たすことによって、第一の充填圧を低減できる。いくつかの例では、より低い充填圧によって、漏損の危険性が低減し得る。いくつかの例では、細胞除去システムは、ユーザにより使用され得る、または特定の圧力制限に達すると治療薬の送達または加圧を自動的に止めるように構成されることのできる、圧力センサを備えていてもよい。
ここで述べた例のいくつかは、椎間板破砕を目的とするが、他の例では、組織除去システムは、椎骨または体の他の骨の中に位置する骨病変を治療する、または診断するために使用されてもよい。骨病変の診断には、骨生検が含まれていてもよい。これらの骨病変には、 結核を含む潜在的感染性骨病変と同様に、骨腰、骨肉腫、および転移病巣を含む潜在的癌性骨病変が含まれるが、それらに限定されない。抗腫瘍性および抗感染症薬等の他の治療薬を伴うか、または伴わない骨接合剤は、空洞の中に注入されてもよいし、または注入されなくてもよい。
本願明細書において、記載されている処置は、異なる位置にある脊椎骨組織を目標としてもよく、したがって、アクセス位置および経路がそれに応じて変化することができる。上述の組織除去装置は、組織除去装置を標的組織部位に向けるのを助けることのできる1つ以上のアクセス装置で使用可能である。カニューレなどのアクセス装置は、標的の脊椎骨組織の位置に応じて異なる進入角で配置されてもよい。適した進入角の範囲は、皮膚表面に対する脊椎構造体の位置によって、少なくとも部分的に拘束されてもよい。たとえば、上述の直線カニューレは、皮膚表面のアクセス部位からアクセス部位と同一直線上にある脊椎組織の標的領域まで延びる線形アクセス経路を作成するのに、適した進入角の範囲内で配置されてもよい。曲線カニューレは、適した進入角の範囲内にあるアクセス部位と同一直線上になくてもよい組織にアクセスする曲線経路を作成するのに、使用可能である。曲線経路によって、脊椎骨組織へのアクセス可能性が増大するが、医師は、さらなる訓練を受けて、曲線経路に沿って敏感な解剖学的構造体が破壊することを避ける必要がある。アクセス装置のいくつかの変形例は、直線構成および曲線構成を有していてもよい屈曲可能な可撓性の曲線カニューレを含んでいてもよい。カニューレは、皮膚表面上のアクセス部位から標的椎骨組織の近傍まで実質的に線形のアクセス経路を作成するために、直線構成において、使用可能である。一旦第一のアクセス経路が作成されると、カニューレは、標的組織を接触させるために曲線構成において、使用可能である。
いくつかの変形例では、カニューレの曲率は、それを通して挿入されるスタイレットの曲率によって、部分的に決定されることができる。たとえば、屈曲可能な可撓性のカニューレに1つ以上の曲線を有するスタイレットを挿入することによって、カニューレが対応する曲線を有することができる。いくつかの変形例では、屈曲可能なカニューレは、それを通して直線スタイレットを挿入することによって、直線化されることのできる1つ以上の予成形された曲線を有していてもよい。あるいは、実質的に直線である屈曲可能なカニューレは、それを通して曲線スタイレットを挿入することによって、曲線化されることができる。屈曲可能なカニューレを通してさまざまなスタイレットを挿入することで、医師が皮膚の1つのアクセス部位を介して異なる位置で脊椎組織にアクセスすることができるようになる。これによって、本体からカニューレを抜き取り、さらなるアクセス部位を介して本体を再突入する必要性が減少し、異なる組織領域にアクセスすることができるようになる。たとえば、カニューレおよびスタイレットは、1つ以上の対応する曲線をそれぞれ有することができるので、スタイレットがカニューレを通って挿入されると、対応する曲線が位置合わせされることができる。このことは、カニューレの曲率を強化するかまたは補強することに作用できるので、カニューレが第1の組織位置から第2の組織位置までより容易に移動可能となる。たとえば、円板環の1つの組織位置に行われる処置を、円板環から曲線カニューレを除去せずに別の組織位置で繰り返すことができる。第1の組織位置であるが、曲線または直線のスタイレットをカニューレに再導入することができ、このことによって、第2の組織位置にカニューレを調整し位置決めするのが容易となり得る。直線スタイレットを挿入することによって、カニューレの曲線部分を直線化することができ、カニューレ−スタイレット・アセンブリが治療済の部位から比較的より遠くに間隔をおいて配置されている標的部位に進むことができる。カニューレが比較的わずかに再配置される他の実施形態において、曲線スタイレットは、円板の範囲内で第2の標的部位にアクセスするのに使用可能である。直線化され、かつ/または強化されたカニューレ−スタイレット・アセンブリは、反応性および運動性を向上させることができ、したがって、円板状領域内でのカニューレの操作が容易となり、かつ患者から装置を安全に除去することが容易となる。
スタイレットの長さは、実質的に対応するカニューレの長さよりも大きいか、あるいは等しくてもよい。たとえば、カニューレに挿入されるスタイレットの遠位部は、カニューレの遠位部から延びるか突出していてもよく、かつ/または、カニューレの遠位部と同一平面にあってもよく、かつ/または、所望通りにカニューレに引き込まれてもよい。同様に、組織除去装置の組織除去アセンブリは、カニューレの遠位部から延びていてもよく、かつ/またはカニューレの遠位部に引き込まれてもよい。カニューレとスタイレット、および/またはカニューレと組織除去装置の移動制限器との相対的な長手方向の位置は、調整可能であり、かつ/または固定可能である。いくつかの変形例では、カニューレおよびスタイレットの互いに対する1つ以上の曲線の向きは、スタイレットを回転することによって、調整可能であり、一旦所望の向きが得られると、任意選択的に固定可能である。カニューレおよびスタイレットは、相補型の近位連結装置をそれぞれ含んでいてもよく、それらを互いに連結するのに使用可能であるので、これらが共に進み操縦されることができる。任意選択として、近位連結装置は、カニューレおよびスタイレットを互いに対して回転可能かつ/または長手方向に固定可能である。
カニューレおよび/またはスタイレットのいくつかの変形例は、装置が患者の本体に挿入された後で、医師が装置の1つ以上の曲線の向き、またはスタイレットの1つ以上の鋭利な縁部の向きを特定する手助けとなり得る向き表示器を有していてもよい。たとえば、カニューレ軸の長手方向軸に対するカニューレの遠位曲線部の向きは、向き表示器の構成を観察することによって、明らかとなり得る。向き表示器は、それが挿入されるカニューレの曲率に対応するスタイレットの曲率を医師が位置合わせする手助けをすることができる。このように、医師は、スタイレットの屈曲部の向きを近位に調整することができ、それによって、スタイレットを容易にカニューレの屈曲部に通すことができるようになる。向き表示器の形状は、カニューレの1つ以上の曲線の向きおよび/または形式を医師に伝えることができる。たとえば、向き表示器は、1つ以上のテーパ領域を備えた形状を有してもよく、テーパの平面が遠位の曲線の平面を示している。いくつかの変形例において、向き表示器は、複数の平面にある複数の曲線によって、位置合わせされる複数の尖部を有していてもよく、このことによって、医師が要望通り組織除去装置の遠位部を配置して配向するのを助けることができる。向き表示器は、はんだ付、溶接、接着結合(UVで硬化可能な3311UV接着剤)、スナップ嵌合、または他の適切な方法によって、カニューレまたはスタイレットに装着されていてもよい。いくつかの変形例では、向き表示器は、カニューレおよび/またはスタイレットの近位連結装置に装着されるか一体的に形成されてもよい。このことは、カニューレおよびスタイレットを特定の向きで互いに連結する機構を設けることができる。
カニューレおよびスタイレットは、互いにそれらを連結する近位連結装置をそれぞれ有していてもよい。カニューレの近位連結装置、たとえば収集装置ポートおよび/または移動制限器は、それを組織除去装置と連結するために使用されてもよい。連結装置は、任意の標準化された連結装置(たとえば、任意のルアー型連結装置、ネジ型連結装置、すり合わせなど)であってもよく、あるいは所有権のある連結装置でもよい。いくつかの変形例では、カニューレは、スタイレットまたは組織除去装置を雌型の連結装置と結合するように構成されている雄型の連結装置を有していてもよい。カニューレ、スタイレットおよび/または組織除去装置近位の連結装置を係合することによって、装置間の相対運動を防ぐことができる。いくつかの変形例では、スタイレットがカニューレに連結されると、スタイレットは、カニューレ内で長手方向に移動することができなくなるが、カニューレ内で軸方向に回転できる。このことによって、医師がカニューレおよびスタイレットを体内に挿入する間に、カニューレとスタイレットとの心合せを調整できるようになる。代替として、または付加的に、カニューレとスタイレットとの間の近位連結装置、またはカニューレと組織除去装置の移動制限器とを係合させることによって、装置間の相対的な長手方向のおよび軸方向の動作を防ぐことができる。カニューレとスタイレット(および/またはカニューレと移動制限器)との間の向きおよび位置を固定することによって、手技中に不注意による装置の心のずれまたは移動を防ぐ手助けとなり得る。
いくつかの例では、カニューレまたはスタイレットの遠位領域は、X線撮像を使用してその位置の確認を容易にするために、放射線不透過性の構造体(たとえば、リングまたはバンド)を含んでいてもよい。他の例では、カニューレの配置を確認して求めるために、個別のX線撮影マーカ器を使用できる。図27Aから図27Eに示されている一実施形態では、X線撮影マーカ2700は、1つのワイヤ2720(たとえばマルチフィラメントまたは中実)が遠位に取り付けられている細長軸2710を含む。ワイヤ2720は、収縮構成および留置構成または拡張構成を含んでいてもよい。図27Aに示すように、ワイヤがその収縮構成に配置されると、ワイヤは、マーカ軸2710のほぼ遠位端に配置されるので、カニューレ内のマーカの配置または長手方向の移動が妨げられず、または干渉されない。図27Bから図27Eに示すように、ワイヤ2720がその留置構成または拡張構成に配置されると、ワイヤ2720は、マーカ軸2710の遠位端に、半径方向および遠位の可動域を含んでいてもよい。留置または拡張したワイヤは、半円(たとえば図27B)、円の一部分(たとえば図27Cおよび図27D)、または楕円(たとえば図27E)、あるいは他の任意の線形、非線形、または角度をつけられた形状を含む、任意の適した幾何学的構成を備えるが、これらに限定されない。マーカ軸2710の中心軸に対する拡張したワイヤの半径方向の変位2722は、約0.07インチから約0.25インチ以上であってもよく、時には、約0.1インチから約0.2インチまで、および別の場合には約0.15インチから約0.18インチまでであってもよい。マーカ軸2710の遠位端に対する拡張したワイヤの遠位の変位2724は、約0.07インチから約0.25インチ以上であってもよく、時には、約0.1インチから約0.2インチまで、および別の場合には約0.15インチから約0.18インチまでであってもよい。いくつかの実施形態では、他のタイプの拡張可能な構造体、たとえばバルーンが、X線撮影マーカで使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、マーカの挿入中およびワイヤの留置中に組織の破壊を減少させるために、軸2710の遠位端が丸くいか鈍的でもよい。マーカ軸2710の遠位端および遠位ワイヤ2720の両方は、蛍光透視法または他のタイプの撮像誘導装置下で観察ができるように放射線不透過性であってもよい。X線撮影マーカ2700は、マーカをカニューレに固定する相補的な近位連結装置を含んでいてもよい。X線撮影マーカ2700は、マーカ・ドラフト2710の中心軸に対する留置されたワイヤの向きを示す表示器を含んでいてもよい。X線撮影マーカは、遠位ワイヤが収縮構成にある状態でカニューレに挿入されてもよい。一旦軸2710の遠位端がカニューレの遠位端に達すると、ワイヤを留置して、関連する構造体が、留置されたワイヤにより画定される可視化領域内にあるか可視化領域の近傍にあるかを特定し、あるいはカニューレの配置を規定できる。いくつかの実施形態では、カニューレは、標的部位へのより良好なアクセスを容易にするように移動可能である。
屈曲可能なカニューレおよびスタイレットの例および変形例が、ここで記載されている。カニューレおよびスタイレットの変形例は、適宜、連結装置、向き表示器、放射線不透過性マーカなど上記の特徴の任意の組合せを有していてもよい。
上述の通り、鋭利な端部を備えた閉塞具を含むカニューレを使用して、さまざまな脊椎処置のための脊椎へのアクセスが可能となる。カニューレおよびスタイレットを使用して、脊椎へアクセス可能である。図25Aは、カニューレ2510およびカニューレの内腔を通る取り外し可能なスタイレット2520を含むカニューレ−スタイレット・アセンブリ2500を、概略的に示す。カニューレ2510は、スタイレット2520を受けるように構成されている1つ以上の内腔を有していてもよい。カニューレ2510の近位連結装置2530およびスタイレット2520の近位の連結装置2533は、スタイレット2520にカニューレ2510を脱着可能なように連結してもよい。カニューレ2510は直線構成を有しているが、他の変形例は、1つ以上の曲線領域を含んでいてもよい。カニューレ2510の遠位端2512は、丸いか鈍的でもよく、かつ/または、丸みのある縁部を有していてもよい。このことによって、アセンブリ2500が標的部位に進むときに周囲の組織への不注意な損傷を減少させることができる。カニューレ2510は、任意選択の近位連結装置2530を含んでもよく、ここでは、連結装置は、前述したような標準化されているか所有権のある連結装置であってもよい。いくつかの実施形態では、スタイレット2520は、患者の体内にスタイレットを容易に配置するために、ガイドワイヤのための管腔を含んでいてもよい。
直線カニューレ2510は、近位連結装置2530の遠位部からカニューレ2531の遠位部までの長さが、約4インチから約12インチ以上であってもよく、時には、約5インチから約10インチまで、および別の場合には約6インチから約9インチまでであってもよい。直線カニューレ2510の外径は、約0.05インチから約0.08インチ以上、時には約0.06インチから約0.07インチ、および別の場合には約0.064インチから約0.066インチであってもよい。カニューレ2510の内径(たとえば、スタイレット2520を受けるカニューレ内腔の直径)は、約0.04インチから約0.07インチ以上、時には約0.05インチから約0.06インチ、および別の場合には約0.055インチから約0.057インチであってもよい。直線カニューレ2510は、任意のタイプの剛性材料または半剛性材料から作られてもよく、たとえば、金属または金属合金(たとえば、冷間加工された304/416のステンレス鋼、硬質17−4ステンレス鋼、および400シリーズステンレス鋼、ニッケルチタン合金などのステンレス鋼を含むが、これらに限定されない)である。カニューレの近位の連結装置2530は、金属材料またはプラスチック材料から作られてもよい。
直線スタイレット2510は、細長軸2521と、カニューレの遠位部2531から遠位に延びることのできる遠位先端部2522とを含んでいてもよい。直線スタイレット2520は、組織/骨を貫通して、切断して、解離し、または破壊するために使用されてもよく、それによって、標的部位までの通路または作用チャネルを形成する。図25Bに示すように、スタイレットの遠位先端部2522は、鋭利でもよく、および傾斜した縁部2524を任意選択的に含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、その傾斜は、約10度から約45度であってもよく、時には約20度から約30度、および別の場合には約23度から約26度であってもよい。いくつかの変形例では、遠位先端部2522は、複数の傾斜した縁部、たとえば2つ、3つ、4つまたはそれ以上の縁部を有していてもよい。
遠位先端部2522は、いろいろな形状および幾何学的形状を有していてもよい。たとえば、遠位先端部は、円すい台形の構成2532(たとえば図25C)、または円すい形の構成2542(たとえば図25D)を有していてもよい。他の実施形態では、スタイレット先端部2552は、丸くてもよい(たとえば図25E)。いくつかの例では、スタイレットがカニューレから延びるときに、丸いか鈍的な先端が周囲の組織への不注意な損傷を減少させることができ、あるいは、組織の平面に沿って解離を容易に和らげることができる。
近位連結装置2533の遠位部からスタイレットの遠位先端部2522までの直線スタイレットの長さは、カニューレの長さと同じでもよく、あるいはいくぶん超えていてもよい。スタイレットは、約4インチから約12インチ以上、たとえば、約4.01インチから約12.01インチまで、または約6.01インチから約9.01インチまでの長さを有していてもよい。いくつかの変形例では、スタイレットは、カニューレよりも実質的に長くてもよいので、スタイレットがカニューレに挿入され近位連結装置(2530、2533)を介して連結されると、スタイレットの遠位先端部2522がカニューレ遠位部2531から遠位に延びる。スタイレットは、カニューレの遠位端から約0.05インチから約0.5インチだけ延びていてもよく、カニューレから1インチ以上、たとえば1.5インチまたは3インチ延びていてもよい。このように、スタイレットおよびカニューレは、アセンブリとして標的領域まで互いに進む。スタイレット2520が傾斜した遠位先端部2524を含むいくつかの実施形態では、スタイレット2520の全体の傾斜した縁部2524は、カニューレ2510の遠位端2512に対して遠位に露出していてもよい(図25Bに示すように)。他の実施形態では、スタイレット2520がカニューレ2510に近位に連結されると、傾斜した縁部2524の一部分だけが露出する。直線スタイレットの外径は、直線スタイレットがカニューレを通ってスライド可能に挿入されることができるようになっていてもよく、かつカニューレの内径と同一かより小さいくてもよい。たとえば、直線スタイレットの外径は、約0.03インチから約0.067インチであってもよく、時には約0.05インチから約0.06インチ、および別の場合には約0.05インチから約0.054インチであってもよい。直線スタイレットは、直線カニューレと同様の剛性材料または半剛性材料、たとえばステンレス鋼できていてもよい。スタイレットの遠位先端部および/または軸は、カニューレの内部にスタイレットを容易に配置するために放射線不透性であってもよい。
いくつかの実施形態では、スタイレット2520は、近位の向き表示器を含んでいてもよく、ここでは、向き表示器の位置および向きは、スタイレット2520の中心軸に対する遠位先端部の1つ以上の傾斜縁部の向きと対応している。一実施形態では、向き表示器は、軸2521および/またはその近位端の近くにあるスタイレットの近位連結装置2533上のマーカであってもよい。別の一実施形態では、スタイレットの軸2521および/または近位連結装置2533は、傾斜の向きを示す突出部または溝を含んでいてもよい。医師は、軸および/または近位連結装置上の突出部または溝の位置を観察することによって、スタイレットの傾斜の向きを決定できる。他の実施形態では、当業者に知られている他の任意の適した表示機構もまた、スタイレット・ベベルの向きを示すために使用されてもよい。
いくつかの処置では、標的部位に所望のアプローチ角を達成するために、かつ/またはいくつかの解剖学的構造体から干渉を避けるために、直線アクセスはより長い挿入距離を含んでいてもよい。たとえば、図26Bに示すように、円板環2630を通って脊椎骨円板2641のヘルニア様領域2640に直接アクセスするために、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ2600は、横向きの脊椎隆起2642を避けるために、患者の背部の正中線2644から離れている侵入位置から入らなければならない。その結果、椎間板ヘルニア2641へのこのような直のアクセスは、より長い挿入路を含むこととなり、したがって、組織破壊の程度がより大きくなり得る。さらに、直線アセンブリ2600によって、盤状領域に線形にアクセスするので、円板に複数のヘルニア様のスポットがあり、かつそのスポットが線形通路に沿って配置されていない場合、アセンブリ2600を除去し、すべてのスポットを治療するために再挿入する必要があり得る。その結果、いくつかの処置では、曲線アクセスによって、より挿入経路が短くなり、かつ/または、直線アクセスによって、到達するのが困難な特定の標的位置(たとえば円板内領域)に確実に到達する。
いくつかの実施形態では、脊椎領域に曲線状にアクセスするために、屈曲可能な可撓性の曲線カニューレが、直線スタイレットまたは曲線スタイレットのどちらかと関連して使用されてもよい。曲線アクセス経路は、1つの標的部位でより大きな組織除去領域を提供するだけではないが、1つ以上の椎間板ヘルニアにある複数の標的位置に対して可撓性のアクセスを提供できる。屈曲可能な可撓性の曲線カニューレによってもたらされることのできる曲線または非線形のアクセス経路は、直線アクセス経路よりも短くてもよく、組織構造体を包囲するのにより破壊的とならない。直線のアクセス経路と比較して、それはまた、円板の中央により良好に向くことができる。
図29Aから図29Cは、カニューレ2910の曲率を調整するために、たとえばカニューレの曲線部分を直線化するために使用可能な、曲線カニューレ2910および直線スタイレット2920のアセンブリ2900を概略的に示す。図29Aに示すように、曲線カニューレ2910は、直線近位部2912および曲線遠位部2914を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、曲線カニューレ2910の曲線遠位部2914は、予成形されていてもよい。カニューレ2910は、可撓性材料または半可撓性の材料から作られてもよいので、直線スタイレット2920を曲線カニューレ2910に挿入することによって、曲線遠位部2914を、図29Bに示すように完全に直線化でなくてもある程度直線化できる。いくつかの実施形態では、曲線カニューレ2910は、形状記憶材料から作られてもよい。直線スタイレット2920が挿入されると、カニューレ2910を、直線化できるが、図29Cに示すようにスタイレットが除去されると、その曲線構成を実質的に回復できる。適したカニューレ材料の限定されない例には、形状記憶金属合金(たとえば、ニッケル−チタン合金)、および形状記憶ポリマーが含まれる。いくつかの変形例では、形状記憶金属合金は、曲線カニューレが華氏65度と華氏100度との間の温度で失敗せずに直線スタイレットに挿入するのに適応することのできると同時に、曲線を維持するためにそれらの温度で十分に剛性状態を維持する、オーステナイト系表面処理温度を有していてもよい。適切なオーステナイト系表面処理温度の例は、華氏約15度から華氏約25度までであってもよい。任意選択として、直線または曲線のカニューレの表面は、たとえば銀仕上げなど被覆により編成されて、酸化を減少させて、かつ/または摩擦力、ならびに、カニューレを通って挿入される組織除去装置からの任意の回転または軸方向の移動から起こり得る摩損効果を減少させる。いくつかの実施形態では、曲線遠位部2914は、複数のスロット2916または他のタイプの凹形構造体を含んでいてもよく、カニューレ2910の長手方向の長さに沿って均一に、または不均一に間隔を置いて配置されている。これらの構造体は、屈曲特徴を向上させ、かつ/または任意の圧縮力の再分布を容易にすることができ、それによって、繰り返し屈曲し直線化することによって、生じる遠位の曲線部2914への損傷を減少させる。
曲線カニューレの屈曲範囲は、約10度から約80度まで、時には約20度から約70度、および他の場合では約30度から約60度まで、さらに他の場合では約40度から約50度までの範囲にあってもよい。曲線遠位部2914は、約0.5センチメートルから約30センチメートル、時には約1センチメートルから約20センチメートル、時には約5センチメートルから約15センチメートル、および他の場合では約8センチメートルから約10センチメートルの曲率半径を含んでもよい。曲線遠位部が直線になると、曲線カニューレは、約4インチから約12インチ以上、時には約5インチから約10インチ、および他の場合では約6インチから約9インチの長さを含んでいてもよい。曲線遠位部(直線になっている場合)2914の長さ対直線の近位部2912の長さの比は、約0.1から約0.9であってもよく、時には約0.2から約0.8、他の場合には約0.4から0.6であってもよい。曲線カニューレの外径は、約0.05インチから約0.08インチ以上、時には約0.06インチから約0.07インチ、および他の場合では約0.063インチから約0.065あってもよい。曲線カニューレの内径(たとえばスタイレット2920を受ける曲線カニューレ2910の管腔の直径)は、約0.04インチから約0.07インチ以上、時には約0.05インチから約0.06インチ、および他の場合には約0.055インチから約0.057インチであってもよい。いくつかの実施形態では、同じ寸法のスタイレットと連動して使用される場合、曲線カニューレは直線カニューレよりもわずかに大きな内径を含んでいてもよい。というのは、曲線カニューレの内表面に損傷を与えることを避けるために、スタイレットが曲線カニューレの内部で操縦するためのより多くの空間を必要とするからである。いくつかの実施形態では、カニューレ2910の内側に損傷を与えるリスクを減少させるために、スタイレット2920は、傾斜していない、あるいは鈍的な遠位先端部を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、曲線カニューレ2910および直線スタイレット2920は、前述のような相補型の連結装置によって、近位に接続されてもよい。スタイレット2920の最遠位端部2922とカニューレ2910の最遠位端部2918との間の距離は、約0.02インチから約0.4インチ、時には、約0.04インチから約0.3インチ、および他の場合には約0.07インチから約0.2インチの範囲にあってもよい。
いくつかの変形例では、曲線カニューレで使用可能な直線スタイレットは、図34Aに示すように、屈曲可能かつ/または変形可能な領域を有していてもよい。直線スタイレットの屈曲可能で変形可能な領域によって、それに損傷を与えることなく曲線カニューレを通って容易に移動し、同時に、曲線カニューレを直線化するのに十分な剛性がもたらされる。スタイレット3400は、近位連結装置3406、およびそこから延びる細長本体3408を有する。細長本体3408は、遠位先端部3402と偏向可能な領域3404と含み、ここでは、偏向可能な領域3404が遠位先端部3402に対して近位に配置されている。偏向可能な領域3404は、若干の付加的な可撓性をスタイレット3400の遠位部にもたらすことができる。偏向可能な領域3404は、カニューレの曲率に従って湾曲し、屈曲し、一致し、かつ/または偏向するように構成されている。遠位先端部3402、細長本体3408、および変形可能領域3404は、たとえば不活性化304ステンレス鋼(引き抜き硬質焼き戻し)またはニチノールなど同一材料でできていてもよく、および蛍光下で放射線不透性であってもよい。あるいは、細長本体3408は、20GaのFEP熱収縮チュービングでできていてもよい。いくつかの変形例では、変形可能領域3404は、細長本体の材料よりも可撓性である、たとえばシリコーン、ナイロン、PEEK、PEBAX、またはポリエチレンなどの弾性引張応力を備えた材料でできていてもよい。代替として、あるいは付加的に、変形可能領域3404は、細長本体(3408)よりも薄くてもよく、細長本体からテーパを付けられるか、細くなっていてもよい。すなわち、変形可能領域は、細長本体の他の領域よりも小さいか狭い直径を有していてもよい。細長本体3408は、約0.030インチから約0.060インチ、たとえば、0.039インチまたは0.045インチまたは0.060インチの直径を有していてもよく、約0.004インチから約0.010インチ、たとえば0.008インチの壁厚を有していてもよい。細長本体3408の長さは、約6インチから約9インチまで変動してもよく、たとえば8インチであってもよい。
上述の通り、スタイレットの外径は、約0.04インチから約0.07インチ以上、たとえば0.054インチであってもよい一方で、変形可能領域3404は約0.015インチから約0.035インチまで、たとえば0.023インチであってもよい。いくつかの変形例では、変形可能領域の直径は、その長さにわたって変動可能である。たとえば、直径が変形可能領域の中央に向かって減少し、変形可能領域の端部に向かって増加してもよい。変形可能領域3404は、曲線カニューレと通って追跡するのに十分な可撓性をもたらす任意の適した長さ、たとえば、約0.02インチから、約0.15インチ、たとえば0.085インチであってもよい。スタイレット3400の全長は、約7インチから約9インチ、たとえば8.05インチであってもよい。変形可能領域3404は、遠位先端部3402の最遠位部から特定の長さだけ、たとえば、0.204インチなど、約0.05インチから約0.3インチまで間隔をおいて配置されてもよい。変形可能領域の減少寸法は、たとえば蛍光透視可視化中に基準マーカとして使用可能である。したがって、変形可能領域の長さ、変形可能領域の直径、および遠位先端部の最遠位部からの変形可能領域の距離は、特有の次元測定または基準を提供するために変動可能である。変形可能領域3404は実質的に直線でもよいが、変形可能領域は、1つ以上の予成形された曲線を有していてもよい。いくつかの変形例では、変形可能領域3404は、遠位先端部3402および/または変形可能領域に対して近位にある細長本体3408の一部分と一体的に形成されてもよい。あるいは、変形可能領域3404は、別々に形成されて、遠位先端部3402および細長本体3408の近位部に装着されてもよい。変形可能領域3404は、すでに記載されている材料、たとえば、ステンレス鋼またはニッケル・チタン合金などの剛性材料または半剛性材料のいずれかでできていてもよい。遠位先端部3402は、同様の材料でできていてもよく、かつ、すでに記載されている任意の幾何学的形状を有していてもよい。遠位先端部3402のいくつかの変形例は鈍的でもよいが、一方で他の変形例が鋭利であってもよい。たとえば、図34Aに示すように、遠位先端部3402は、傾斜した円すい形状を有し、鋭利な最遠位先端部を備えている。たとえば、遠位先端部3402は、傾斜した3面の先端部であってもよい。遠位先端部3402は、約0.150インチから約0.300インチ、たとえば、0.204インチの長さを有していてもよい。上述のように、スタイレットの近位部で、近位連結装置3406が組織除去装置のさまざまな連結装置と接続し装着できる。たとえば、近位連結装置3406は、相補型Luer−Lok(商標)型の連結装置を備えたカニューレに連結可能なLuer−Lok(商標)型の連結装置であってもよい。いくつかの変形例では、近位連結装置3406は、高分子材料、たとえばABSまたはナイロンでできていてもよい。
図34Bは、直線部3432と、直線部3432に対して遠位にある曲線部3434とを含む、曲線カニューレ3430の1つの変形例を示す。任意選択的に、たとえば調整可能なフランジ、バンドまたはシリコーン・グロメットなどの深度計が、使用中にカニューレの挿入深さを参照するために、曲線カニューレの外径に設けられていてもよい。曲線カニューレ3430は、ナイロンでできていてもよい雌型LuerLok(商標)の連結装置などの連結装置3416を備えた、近位ハブ3420を有してもよい。近位ハブは、図34Bおよび図34Cに示す向き表示器3417をさらに備えていてもよい。向き表示器3417が丸い頂部3420に向かってテーパを付ける形状を有していてもよく、ここでは、頂部3420の平面が位置合わせされ、かつ/または曲線部分3434の平面と同一平面上にある。曲線カニューレの軸は、304ステンレス鋼またはニチノールでできていてもよい。直線部3432は、長さL11を有していてもよく、ここでは、L11は約3インチから約6インチ、たとえば約4.36インチであってもよい。曲線部3434は、長さL12を有していてもよく、ここでは、L12は約2インチから約3インチ、たとえば2.5インチであってもよい。曲線部対全長の比は、約1:20から約1:2まで、たとえば約1:10、または1:5、または1:3であってもよい。いくつかの変形例では、スタイレットの全長は、曲線状でもよい。カニューレ3430は、たとえば16ゲージなど任意の適した直径を有していてもよく、あるいは、約0.068インチの外径、約0060インチの内径を有していてもよい。カニューレ3430の全長は、約6インチから約8インチ、たとえば7.21インチであってもよい。同様の直線カニューレは、全長が約7インチであってもよい。曲線部3434は、直線部3432に対して角度A5で曲がっていてもよく、ここでは、A5は約25度から約50度、たとえば約35度から約45度、または40度であってもよい。代替として、または付加的に、曲線部3434の曲率半径は、約3インチから約4.5インチまで、たとえば3.5インチであってもよい。曲線カニューレ3430は、約0.050インチから約0.075インチ、たとえば0.068インチの直径を有していてもよい。任意選択として、長さの増加の境界を定める1つ以上のマーク3435があってもよい。たとえば、マーク3435は、1.0センチメートルの長さを示してもよい。マーク3435は、様々な厚さ、たとえば交互に0.2インチおよび0.06インチを有していてもよい。曲線カニューレの変形例では、遠位曲線部3434の長さL12は、直線部3432の長さL11の約40%から60%であるが、他の変形例では、直線部に対する曲線部の長さの比は変動してもよい。直線スタイレットは、上に述べたような、曲線カニューレの曲線部の位置、長さ、および角度に適応する1つ以上の変形可能領域を有していてもよい。いくつかの変形例では、曲線カニューレ3430は、304ステンレス鋼、ニチノール、または、直線スタイレットがそれを通して挿入されると曲線部3434が直線となることのできる任意の適した材料でできている。
他の変形例では、スタイレットが、対応するカニューレの曲率と合致するように寸法決めされ成形されることができる。たとえば、カニューレ上の曲線に対応する曲線を備えたスタイレットを挿入することによって、カニューレの曲率を強化し維持することができ、このことは、カニューレの再配置および/または操作を容易にすることができる。いくつかの変形例では、スタイレットに沿った変形可能領域の位置、ならびに変形可能領域の長さおよび可撓性は、カニューレの長さおよび/または曲率によって、部分的に決定されることができる。図30Aから図30Bは、曲線カニューレ3010および曲線スタイレット3020を含む別のカニューレ−スタイレット・アセンブリ3000を概略的に示す。曲線スタイレット3020は、直線近位部3022および曲線遠位部3024を含んでいてもよく、この2つが屈曲部3026を介して接合されている。いくつかの実施形態では、曲線スタイレット3020は、丸いか鈍的な遠位先端部3024を含んでいてもよいので、スタイレット3020の遠位先端部3024が曲線カニューレの部分3014を通るときに、スタイレット3020の挿入によって、カニューレ3010の内部に損傷を与えない。いくつかの実施形態では、カニューレ−スタイレット・アセンブリが標的部位に、またはその周りに操縦する場合に、鈍的な遠位先端部は組織破壊のリスクを減少させることができるが、軟らかい組織または骨(たとえば髄核または海綿骨)を通る貫通能力をさらに与えることがきる。いくつかの実施形態では、曲線スタイレットの遠位先端部は、その貫通能力を高めるために鋭利にされていてもよい。屈曲部3026は、カニューレ屈曲部3016のそれらと実質的に同じ屈曲半径および屈曲範囲で、予成形されていてもよい。この様式では、図30Bに示すように、曲線カニューレ・スタイレット・アセンブリ3000は、カニューレ3010の屈曲部3016およびスタイレット3020の屈曲部3026が互いに実質的に位置合わせている状態で形成されてもよい。
曲線カニューレ3010に曲線遠位部3024を挿入することで、スタイレット3020を直線にすることができるように、曲線スタイレット3020は可撓性の形状記憶材料から作られてもよいが、スタイレットがカニューレ屈曲部3016を通るにつれて、スタイレット3020はその曲線構成を実質的に回復できる。好適なスタイレット材料の非限定的な例には、形状記憶金属合金(たとえばニッケル‐チタン合金)、および形状記憶ポリマーが含まれる。いくつかの実施形態では、曲線スタイレットが実質的に同じ屈曲範囲および/または屈曲半径を備えた曲線カニューレで使用可能なように、曲線スタイレットは固定された屈曲範囲および/または屈曲半径を含む。他の実施形態では、スタイレットが曲線カニューレの曲線部を通ると、スタイレットが圧縮応力下で変形し曲線カニューレのそれと実質的に同じ屈曲構成とみなすことができるように、曲線スタイレットは、可撓性のおよび/または展性の材料から作られてもよい。このような実施形態では、曲線スタイレットは、屈曲構成(たとえば、屈曲半径、屈曲範囲など)の範囲を備える曲線カニューレと連動して使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、曲線スタイレットは、約4インチから約12インチ以上、時には、約5インチから約10インチ、および他の場合には約6インチから約9インチの長さ(直線にすると)を含んでいてもよい。曲線スタイレットが予成形された屈曲部を含む実施形態では、曲線遠位部の長さ(直線にすると)対直線近位部の長さの比は、約0.1から約0.9、時には約0.2から約0.8、他の場合には約0.4から0.6であってもよい。曲線スタイレットの外径は、約0.04インチから約0.07インチ以上、時には、約0.05インチから約0.06インチ、および他の場合には約0.05インチから約0.054インチであってもよい。曲線スタイレットの屈曲範囲または屈曲半径は、曲線スタイレットが使用されるであろう曲線カニューレの構成に基づいて部分的に選択されてもよい。たとえば、図34Cは、直線部3442と、直線部3442に対して遠位の曲線部3444とを含む曲線スタイレット3440の1つの変形例を示す。直線部3442は、長さL13を有していてもよく、ここでは、L13は約4.5インチから約7インチ、たとえば5.92インチであってもよい。曲線部3444は、長さL14を有していてもよく、ここでは、L14は約2.5インチから約4インチ、たとえば2.5インチであってもよい。スタイレット3440の全長は、約7インチから約10インチ、たとえば8.37インチであってもよく、カニューレに挿入されると、スタイレットの先端部はカニューレの遠位端から突出してもよい。曲線スタイレットは、約0.030インチから約0.060インチ、たとえば、0.039インチまたは0.054インチの直径を有していてもよい。曲線部3444は、直線部3442に対して角度A6で曲がっていてもよく、ここでは、A6は約25度から約50度、たとえば約35度から約45度、または40度であってもよい。代替として、または付加的に、曲線部3444の曲率半径は、約3インチから約4.5インチ、たとえば3.5インチであってもよい。曲線スタイレット3440の軸は、ステンレス鋼(304、316、17―4)、コバルトクロム、チタン合金、ニチノールでできていてもよく、かつフルオロポリマーで被覆されてもよく、あるいはパリレンまたは同様の機械的特性を有する材料で被覆されてもよい。任意選択として、曲線スタイレット3440の近位部は、Luer Lock(商標)の連結装置などの連結装置と、後ほど記載する曲線の向き表示器とを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、一旦曲線カニューレ3010および曲線スタイレット3020が近位に連結されると、曲線スタイレット3020の遠位端3024は、曲線カニューレ3010の遠位端3018に対して遠位の定位置に配置されることができる。曲線スタイレット3020の最遠位端部3024と曲線カニューレ3010の最遠位端部3018との間の距離は、約0.02インチから約0.4インチ、時には約0.04インチから約0.30インチ、および他の場合には約0.07インチから約0.2インチの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、曲線スタイレット3020が曲線カニューレ3010に近位に接続されると、スタイレット3020は、カニューレ3010の内部で独立して回転できる。いくつかの実施形態では、曲線カニューレおよび曲線スタイレットは、近位連結装置により連結され、かつ/または固定されて、あらゆる相対的な移動を防ぐことができる。このことは、アセンブリ3000の使用中に、いかなる不注意による心のずれを防ぐ手助けとなり得る。
一旦カニューレが標的組織に配置され、撮像技術によって、任意選択的に確認されると、スタイレットがカニューレから抜き取られることができ、組織除去装置は、カニューレを介して標的組織に進むことができる。図32Aから図32Cは、ケーブルベースの組織除去装置3150の曲線カニューレ3110への挿入を概略的に示す。ケーブルベースの組織除去装置3150は、軸3152と遠位の組織除去部3154とを含む。いくつかの実施形態では、組織除去装置3150の軸3152は、屈曲部3156を備えた予成形された曲線構成を含んでもよく、屈曲部3156は、曲線カニューレ3110の屈曲部3116と実質的に同じ屈曲特徴(たとえば屈曲範囲、屈曲半径など)を含んでいてもよい。このような例では、曲線状の組織除去装置3150は、屈曲が一致する曲線カニューレで使用されてもよい。他の実施形態では、組織除去装置3150の軸3152は、可撓性材料、半可撓性材料(たとえば、形状記憶合金または形状記憶ポリマー)、または展性の材料から作られてもよいので、組織除去装置3150が曲線カニューレ3110を通過すると、軸3152は曲線構成を想定することができ、実質的に曲線カニューレ3110と同一の屈曲部3156を形成する。これらの実施形態では、可撓性の組織除去装置3150は、異なる屈曲特徴(たとえば屈曲範囲、屈曲半径など)を有する曲線カニューレと連動して使用されてもよい。さらに、または代替として、このような可撓性の組織除去装置が、直線カニューレで使用されてもよい。
直線カニューレおよび直線スタイレットは、椎間板切除術、および椎体形成術、ならびに診断法を含むが、これに限定されない様々な脊椎処置および手術において、使用可能である。患者に組織除去装置を挿入する前に、装置にスイッチを入れて、適切な回転および軸方向の運動を確認し、回転可能ケーブルが収縮構成と拡張構成と間を適切に移行することを保証できる。移動部材は、遠位位置において、固定されるべきである。一旦患者が上述の手術の準備ができると、蛍光透視法または別の適切な撮像様式を使用して標的の円板のレベルを特定できる。直線カニューレまたは曲線カニューレを使用して、冒された円板にアクセス可能である。直線カニューレで冒された円板にアクセスするためには、鋭利なスタイレットが直線カニューレに挿入され、ついで、たとえばLuer Lok(商標)の連結装置によって、互いにそれらの近位ハブで固定的に装着されることができる。直線カニューレと鋭利スタイレットのアセンブリは、画像誘導下で冒された円板に進むことができる。たとえば、カニューレは、円板終板に対して平行に配置されてもよい。カニューレの先端部は、それが所望の組織除去領域の近位位置で円板核の内に載置されるように調整されてもよい。任意選択として、カニューレの深さをマークするために、シリコーン・マーカまたはグロメットが、直線カニューレおよび曲線カニューレ上に設けられてもよい。一旦直線カニューレの先端部が円板の内部にあると確認されると、カニューレが適所で保持されるので鋭利なスタイレットを除去できる。曲線カニューレで冒された円板にアクセスするためには、鋭利スタイレットが曲線カニューレに挿入され、ついで、Luer Lok(商標)の連結装置などによって、それらの近位ハブで互いに固定的に装着されることができる。曲線カニューレと鋭利スタイレットのアセンブリは、画像誘導下で冒された円板に進むことができる。一旦曲線カニューレの先端部が円板の内部にあると確認されると、曲線の向きは、曲線カニューレの近位部分にある翼状の向き表示器に従って調整されることができる。任意選択として、カニューレの深さをマークするために、シリコーン・マーカまたはグロメットが、直線カニューレおよび曲線カニューレ上に設けられてもよい。鋭利スタイレットは除去可能であり、曲線カニューレを適所に残す。ついで、曲線スタイレットは曲線カニューレに挿入されることができるので、スタイレットの曲線がカニューレの曲線に合致する、すなわち、曲線スタイレットの翼状の向き表示器が曲線カニューレの翼状の向き表示器の向きと合致する。曲線カニューレと曲線スタイレットのアセンブリは、画像誘導下で所望の位置に進むことができる。一旦曲線カニューレが所望位置にあると確認されると、カニューレが適所で保持されるので、曲線スタイレットを除去できる。直線カニューレまたは曲線カニューレのいずれかが円板領域を通って進むので、医師は、遠位の環状壁の中に、またはそれを通ってカニューレ(または関連するスタイレット)が進まないように、任意の適した撮像様式を使用できる。脊椎骨円板にカニューレを貫入した後、標的部位により良好にアクセスするために代替のカニューレを使用するべきであると医師が判断すると、元のカニューレを抜き取り代替のカニューレを挿入するために、第2のアクセス部位を作成せずに、交換ワイヤを使用できる。
カニューレに組織除去装置を挿入する前に、約、0.5ccの食塩水をカニューレを通して円板に注入してもよい。画像誘導下で、移動制限器がカニューレの近位ハブに到達するまで、組織除去装置をカニューレを通して挿入できる。時計回り方向にハンドルを回転することによって、移動制限器をカニューレの近位ハブに装着できる。締付リングを解除し、それを中間位置に固定することによって、組織除去装置の遠位先端部がカニューレの遠位の先端を越えて13.5mmまで進むことができる。締付リングを遠位位置に固着することによって、組織除去装置の遠位先端部がカニューレの先端部を越えて18.5mmまで進むことができる。医師は、必要に応じて締付リングの位置を調整できる。それぞれ調整した後、医師は、移動制限器の構成によって、与えられる制約内で、カニューレの遠位端は円板核内にまだ存在することを確認できる。装置が移動制限器で規定される軸長に沿って軸方向に進み抜き取られるので、医師はまた、組織除去アセンブリの回転可能ケーブルが近位環または遠位環と接触しないことを確認できる。画像誘導を使用して、医師は、完全なプランジ深さまで組織除去装置の先端部を進ませ、先端部が安全な位置にあると確認できる。ついで、組織除去装置のスイッチを入れて、回転可能ケーブルの構成をハンドル上のスライダ・アクチュエータによって、調整できる。たとえば、回転可能ケーブルは、収縮構成から膨張構成または拡張構成まで移行できる。いくつかの変形例では、拡張構成にある回転可能ケーブルの走査直径は、約7mmである。組織除去装置のスイッチを入れて、カニューレの位置を固着しながら、組織除去を容易にするのを助けするために組織除去装置が前進して収縮できる。組織除去の過程で装置を配置することは、蛍光透視法または別の適切な撮像様式によって、間欠的に確認されることができる。十分に組織材料が除去されるまで、または、収集装置が一杯になるまで、組織除去装置を使用してもよい。いくつかの変形例では、負の圧力源は、組織除去を促進する助けとなり得る収集装置に連結されていてもよい。収集装置上のマークは、除去された組織量を示している。組織除去装置にスイッチを入れて、約0.5秒から約6.0分、たとえば2.0分間連続的に使用可能である。
一旦十分な量の組織材料が除去されると、組織除去装置のスイッチを切り、回転可能ケーブルをその収縮構成に移行できる。移動制限器の締付リングは、遠位位置に固着されてもよい。移動制限器をカニューレの近位ハブから外すことができ、ついで、組織除去装置を抜き取ることができる。所望量の組織が除去されるまで、上記ステップを繰り返してもよい。さらなる治療が円板内で必要とされる場合、直線または曲線のスタイレットをカニューレに再度挿入することができ、カニューレを再配置できる。いくつかの処置では、組織除去装置の全ランタイムを約6.0分以下に制限することが望ましい。直線スタイレットをカニューレに挿入してもよく、近位ハブに固定的に装着してもよい。ついで、カニューレと直線スタイレットのアセンブリを、アクセス部位から抜き取ることができる。いくつかの変形例では、組織除去装置の電池は、局所的な調節に従って除去され配置されてもよい。
上述のカニューレ、スタイレット、および組織除去装置を、椎間板切除術を行うために使用してもよい。この装置は、低侵襲性処置または開腹手術処置において、使用されてもよい。カニューレ−スタイレット・アセンブリは、脊椎領域にある標的部位のまわりの組織を通る通路または作用チャネルを形成するために使用されてもよい。たとえば、椎間板切除手術を行うために、患者は、通常の無菌様式および側臥位または腹臥位で準備処理を施され、無菌布で覆われる。一般的、部分的、または局所的な麻酔法を行う。鋭利な遠位先端部を備えた直線スタイレットを、直線カニューレの内腔に挿入してもよい。ついで、アセンブリが、患者の背部にある後部または後外側の入口点を通して、経皮的に挿入されることができる。カニューレ−スタイレット・アセンブリは、アセンブリの進入点に応じて硬膜外腔に、または、傍脊椎腔にさらに挿入されてもよい。あるいは、アセンブリは、患者の背部の正中線から遠く離れた進入点から直接に円板環を貫通するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、アセンブリは、神経侵害が特定された同側面に、患者の背部に対して約25度から約45度のある角度で導入されてもよい。他の処置において、対側のアプローチおよび/または異なる角度が使用されてもよい。代替実施形態では、腹腔を通る前頚部の処置を行うことができる。
カニューレ−スタイレット・アセンブリは、上述の通り、標的組織部位に共に進むことができる。アセンブリを挿入する間、周囲の組織、骨、または他の解剖学的構造体を通る通路を形成するために、手術者がスタイレットの任意選択の傾斜縁部の向きを調整できるように、スタイレットは独立して回転できる。外部の撮像誘導および/または可視化技術下で、カニューレ−スタイレット・アセンブリを挿入できる。
図26Aおよび図26Bは、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ2600によって、脊柱円板領域に直線的にアクセスする、一実施形態を概略的に示す。図26Aは、アクセスの側面破断図であり、図26Bは、アクセスの上部破断図である。カニューレ2610およびスタイレット2620が比較的硬い材料(たとえばステンレス鋼)を含む場合、アセンブリ2600は、より長い挿入距離にわたり近位に操作されると、触覚反応性、トルク伝達性(torquability)および/または押圧力伝達性(pushability)を増加させる。いくつかの実施形態では、直線カニューレ2610および直線スタイレット2620のアセンブリは、円板環2630に直接に挿入されることができる。スタイレットの鋭利な遠位先端部2622は、円板環2630を貫通することによって、ヘルニア様領域2640にアクセスしやすくなる。
一旦ヘルニア様領域へのアクセスが、蛍光透視法、または他のタイプ撮像、または可視化技術により確認されると、スタイレット2620を除去することができ、続いて組織除去装置が挿入される。いくつかの実施形態では、組織除去装置が挿入される前に、標的部位へのアクセスを測定するために内視鏡を使用してもよい。カニューレ−スタイレット・アセンブリで使用可能な内視鏡システムの例は、米国特許出願第11/362,431号、米国特許出願第11/373,059号、米国特許出願第12/199,706号、および米国特許出願第61/106,914号に記載されており、参照によって、その全体を本願明細書に援用する。内視鏡は、円板、神経、または組織除去に対する他の隣接する構造体および部位など関連する構造体を直接的に可視化し、識別しやすくすることができる。内視鏡は、スタイレットの除去に続いて、カニューレに挿入されてもよいし、あるいは、カニューレのさらなる内腔を通って導入されてもよい。他の例では、ガイドワイヤがカニューレに挿入されてもよく、カニューレが除去されて、ガイドワイヤを使用して内視鏡の位置決めをすることができる。
図26Cを再び参照する。一旦標的部位でのカニューレの配置が確認されると、組織除去装置2650がカニューレ2610に挿入され、円板2641の核2640に進入できる。組織除去装置2650は、モータ駆動またはか手動で作動することのできる機械的な組織除去装置であってもよく、バリ、トレフィン、またはすでに記載されているケーブルベースの組織除去装置を含むが、これに限定されない。他の例では、組織除去装置は、エネルギベースの装置(たとえばレーザ、RF、高密度焦点式超音波)、または化学物質ベース(たとえば硬化剤または化学物質除去薬剤の注射または注入)であってもよい。組織除去装置は、核を解離して、吸引して、溶解し、あるいは収縮させるかいずれかによって、円板材料を除去するのに使用可能である。1つの特定の例では、ケーブル・ベースの組織除去装置2650が、カニューレ2610に挿入されて、ヘルニア様領域2640に進入できる。組織除去装置2650の遠位部は、放射線不透性であってもよく、外側の撮像誘導下で装置が進入できる。装置2650は、装置2650をカニューレ2610に着脱可能に取り付けることのできる近位連結装置を含んでもよい。図26Dは、留置構成にある螺旋ケーブル2654を備えたカニューレ2610に近位に装着されている組織除去装置2650の詳細図である。いくつかの実施形態では、一旦装置2650がカニューレ2610に近位に装着されると、ケーブル2654がそれを通って装置2650に近位装着されているポート2652が、カニューレ2610の遠位端2612に遠位に配置される。このことによって、ケーブル2654の留置がカニューレ2610により妨害されないことが保証される。いくつかの実施形態では、組織除去装置2650は、螺旋状ケーブル2654により破壊され除去された乳状または粉砕された細胞核線維を吸引するように構成されている、吸引口2656を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、一旦装置2650がカニューレ2610に装着されると、ポート2656が円板材料のより大きな断片によって、詰まらないように、吸引口2656はカニューレ2610によって、少なくとも部分的に覆われることができる。
いくつかの実施形態において、組織除去装置2650がカニューレ2610に近位に装着されると、留置されたケーブル2654の運動により定義される組織除去領域を拡大するために、装置2650はカニューレ2610内をさらに進むことができる。いくつかの例では、すでに記載されているように、移動制限器は、カニューレ2610の遠位端に対して組織除去装置2650の遠位の移動を制限するために利用されてもよい。組織除去装置の最大遠位走行距離は、約2センチメートル未満、時には約1センチメートル未満、および他の場合には約0.5センチメートル未満であってもよい。移動制限器は、組織装置を遠くに移動しすぎないようにするために使用されてもよく、それによって、ヘルニア様領域を残す。カニューレの組織除去装置2650の前進を、蛍光透視法または他のタイプの撮像誘導下でモニタすることができる。組織除去装置2650は、カニューレ2610の内径より小さい螺旋ケーブル2654が収縮する状態で、任意の最大横軸寸法を有していてもよい。ケーブル2654が拡張または留置されているいくつかの実施形態では、ワイヤ2654の半径方向の最大変位は、約0.07インチから約0.2インチの範囲内、時には約0.09インチから約0.2インチの範囲内、および他の場合には約0.1インチから約0.15インチの範囲内にあってもよい。
図26Dに戻って参照する。一旦組織除去装置2650の配置が確認されると、ケーブル2654が留置されて、円板の組織を乳化または粉砕するために作動できる。組織除去領域を遠位に拡大するために、装置2650の位置は、1回の作動のセッション中にカニューレ2610に対して調整されてもよい(たとえば、前進したり収縮したりする)。他の実施形態では、装置2650の位置は、装置の作動セッション間の時間間隔中に調整されてもよい。
患者の解剖学的構造、計器の位置、組織除去後の構造変化を評価し、かつ/または円板の完全性を検査する処置の前に、その間、かつ/またはその後に、蛍光透視法またはCTスキャンを使用してもよい。いくつかの実施形態では、少量の放射線不透性の造影剤が、可視化を高めるために、椎間板スペースに注射されてもよい。このような注射は、注入チャネルまたは洗浄チャネルを通って、または吸引口を通って、組織除去装置により行われることができる。他の実施形態では、カニューレは、造影剤を導入するために、注入または灌注用ルーメンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、組織除去処置は、光学透過室または収集室を通って除去された組織の量または色により評価されることができる。処置終了後、組織除去装置2650は、近位に抜き取られ、続いてカニューレ2610が引き抜かれる。
直線カニューレおよび直線スタイレットは、椎体形成術に使用されてもよい。図28Aから図28Cまでに示されている1つの特定の例では、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ2800は、鋭利で任意選択的に傾斜したスタイレット先端部2822が関心椎体2830の外表面に達するまで、脊椎を包囲する組織に経皮的に進入できる。鋭利なスタイレット先端部2822は、椎体2830の緻密骨を通る通路または作用チャネルを形成するのに用いられることが可能である。いくつかの実施形態では、スタイレット2820は、椎体2830の外表面を貫通するためだけに使用されてもよい。別の外科用器具(たとえば拡張器または閉塞具)が、スタイレット2820の除去に続いて、貫入部位を拡大するために使用されて、通路または作用チャネルを形成できる。椎体の内部にアクセスするためのアセンブリ2800の配置は、蛍光透視法、CTまたは超音波により案内されてもよい。一旦分裂した領域2832へのアクセスが確認されると、スタイレット2820(または通路を形成するのに使用される別の工具)を除去することができ、たとえば図28Cに示すケーブル・ベースの組織除去装置2840などの組織除去装置2840を、患部硬骨組織(たとえばガン細胞)を除去するために、カニューレ2810に挿入できる。いくつかの実施形態では、ケーブル・ベースの組織除去装置2840が、空洞2834を形成するのに用いられることができ、この中に、骨粗鬆症、腫瘍、または重症外傷によって、引き起こされる破壊を安定化するために、骨セメントまたは他の材料を注射できる。いくつかの実施形態では、組織除去装置2840は、注入チャネルまたは吸引チャネルを含んでいてもよく、これは、診断または評価のために患部硬骨組織を収集するのに使用されることができる。このような注入チャネルまたは吸引チャネルはまた、組織除去処置中に除去された硬骨組織を収集するのに使用可能である。椎体形成術において、ケーブル・ベースの組織除去装置を使用する装置および方法を上に詳細に記載してきており、簡潔にするためにここでは繰り返さないこととする。
一度組織除去処置が完了すると、蛍光透視法またはCTスキャンが、椎体を検査するために行われてもよい。いくつかの実施形態では、組織除去装置は、脊椎骨体の内圧を読取るために使用可能な圧力センサを含んでいてもよい。読取る圧力に基づいて、手術者は、破壊を適切に充填し、かつ/または、椎体の一貫性が回復された時を知ることができる。処置終了後、組織除去装置2840はカニューレ2810から近位に抜き取られることができ、続いてカニューレ2810が抜き取られる。
直線カニューレを使用して椎体形成術を行うことができるが、屈曲可能な可撓性の曲線カニューレを使用してもよい。上述の通り、標的組織部位にカニューレを配置するために、直線または曲線のスタイレットは、屈曲可能な可撓性の曲線カニューレで使用されてもよい。図33Aから図33Dに示すように、直線スタイレット3310によって、直線化される曲線カニューレ3310を含む直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3300は、まず棘筋に経皮的に進入し、椎体3330の外表面を通る通路を形成できる。第一の直線アセンブリの配置は、直線アクセスにおいて、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリの第一の配置と比較して、椎体の外表面により近くてもよい。ここでは、スタイレットの遠位先端部が、中央の椎体により近い分裂した領域に達する必要がある(図28Bに示すように)。その結果、椎体形成術における曲線アセンブリの第一の配置は、より短くより直接的な挿入路を伴ってもよい。
一度椎体3330の内部へのアクセスが確認されると、直線スタイレット3310は曲線スタイレット3340と交換可能である。曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3301は、互いに遠位に連結され、これらの曲線部は位置合わせされているカニューレ3310およびスタイレット3330で形成される。いくつかの実施形態では、曲線スタイレット3340は、海綿骨を十分に貫通することのできる鈍的遠位先端部を含んでいてもよく、それによって、曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3301が椎体3330内で移動しやすくなる。他の実施形態では、曲線スタイレット3340の遠位先端部は、その貫通能力を高めるために鋭利にされていてもよい。直線カニューレ−スタイレット・アセンブリによって、到達するのが困難な中央の椎体領域にアクセスするために、曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3301を使用してもよい。一旦標的部位へのアクセスが確認されると、曲線スタイレット3330を近位で抜き取った後で、組織除去装置(たとえば図33Dに示すようなケーブル・ベースの組織除去装置3150)を挿入できる。組織除去装置は、椎体3330内の空洞を形成し、患部組織(たとえばガン細胞)を除去し、かつ/または、脊椎の支持を補強するために分裂した領域に骨セメントを注射するのに使用されることができる。組織除去装置はまた、診断のために吸引チャネルおよび/または注入チャネルを通って硬骨組織を収集するのに使用されてもよい。曲線カニューレの遠位端から延びる組織除去装置3350によって、組織除去のためのより大きな到達領域がもたらされる。たとえば、アセンブリ3301を近位に挿入することによって、椎体の中央領域に向かって組織除去装置3350が進むことができ、それによって、より大きな遠位の到達距離がもたらされる。さらに、カニューレの屈曲部3116の向きは、直線カニューレの軸3311の長手方向軸3313に対して調整可能であり、それによって、直線アクセスと比較して、組織除去装置3350がより角度をつけてアクセスできるようになる。その結果、直線カニューレで使用されたのと同じ装置と比較して、曲線カニューレ3310と連動して使用される組織除去装置3350によって、より大きな空洞が形成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の空洞形成が望まれる場合、隣接する標的領域にアクセスするために、組織除去装置を引き抜いた後にスタイレット(直線または曲線)を曲線カニューレに再挿入してもよい。いくつかの緻密骨の貫入が伴ってもよい実施形態では、直線スタイレットを再挿入することができ、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリが、別の標的部位に流路または作用チャネルを形成するために使用される。ついで、標的部位により正確にアクセスするために、直線スタイレットを曲線スタイレットと交換してもよい。第2の標的部位が緻密骨の貫入なしでアクセス可能な他の実施形態では、組織除去装置を引き抜いた後で、曲線スタイレットを直接に再挿入してもよい。一旦第2の標的部位へのアクセスが確認されると、硬骨組織を除去するために曲線スタイレットを近位に除去した後、組織除去装置を再挿入してもよい。複数の標的位置の治療が完了するまで、このような処置を繰り返してもよい。上述のように、硬骨組織の除去および/または骨セメントの注射が完了すると、蛍光透視法またはCTスキャンは、骨の一貫性を検査するために行われることができる。いくつかの実施形態では、近位の収集室で収集された除去済みの硬骨組織の量、色、または質感を検査することによって、この検査を行うことができる。椎体形成術が完了すると、組織除去装置の除去後に、直線スタイレットを曲線状ニューレに挿入することができ、ついで、カニューレおよびスタイレットを共に近位に抜き取ることができる。
図31Aから図31Cは、曲線カニューレ3110、直線スタイレット3120、および/または曲線スタイレット3130を含むカニューレ−スタイレット・アセンブリによる、椎間板ヘルニア3141への曲線アクセスを概略的に示す。一旦患者が椎間板切除手術に対する準備ができると、直線スタイレット3120を曲線カニューレ3110に挿入することによって、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3110を形成できる。ついで、アセンブリ3100は、患者の背部にある後部または後外側の進入点を通って経皮的に挿入されることができる。図31Aに示すように、直線スタイレット3120の挿入によって、曲線カニューレ3110が直線になり、アセンブリ3100が直線構成になる。直線スタイレット3120が比較的剛性材料(たとえばステンレス鋼)から作られるので、アセンブリ3100は、患者の皮膚、筋肉、および身体組織を貫通しながら、ユーザの反応性および運動性を向上させることができる。鋭利な遠位先端部を有する直線スタイレット3120は、円板環を通る通路または作用チャネルを形成するのに使用されることができる。上述のように、直線アクセスを使用する椎間板切除手術(図26Aおよび26Bに示すように)において、切除するヘルニア様領域に十分にアクセスするために、直線カニューレおよび直線スタイレットのアセンブリをより長い経路にわたって患者の背部に挿入することが含まれていてもよい。対照的に、曲線アクセスを使用している椎間板切除術では、より短く、かつ/またはより直接的な挿入路が標的部位に対して利用されてもよい。たとえば、図31Aに示すように、スタイレット3120の遠位先端部が円板環3130を貫通し、標的のヘルニア様領域に近接した領域に達するまで、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3100は、患者の背部の正中線3144により近い進入点から挿入されてもよい。以下に詳述するように、ついで、曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリが、治療のために標的ヘルニア様領域に達するのに使用される。第一の直線カニューレ−スタイレットの配置が脊椎骨円板の外表面により近いので、直線アクセスにおけるアセンブリの第一の配置と比較して、曲線アクセスのカニューレ−スタイレット・アセンブリの挿入路は、より短くより直接的となり得る。
一旦直線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3100が脊椎骨円板の内部に到達すると、直線スタイレット3020を近位に除去することができ、図31Bに示すように、曲線カニューレ3110がその曲線構成を実質的に回復できる。いくつかの実施形態では、直線スタイレット3120を近位に除去する前に、手術者は、屈曲部3116の向きを調整して、直線スタイレット3120が抜き取られると遠位部3112のカニューレがヘルニア様領域3140の方に曲がることを保証できる。直線スタイレット3120の除去に続いて、曲線スタイレット3130をカニューレ3110に挿入することができ、図31Cに示すような曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3101を形成する。曲線スタイレット3130は、外部での撮像誘導下で挿入可能にするために放射線不透性であってもよい。いくつかの実施形態では、カニューレと合致する予成形された屈曲部を有するスタイレットを使用してもよい。このような例では、手術者は、挿入中にスタイレットの屈曲部の向きを調整して、スタイレットの屈曲部およびカニューレの屈曲部が互いに位置合わせされることを保証できる。他の実施形態では、スタイレットが曲線カニューレの曲線部を通って通過すると、スタイレットがカニューレと実質的に同じ曲線構成を想定することのできるように、可撓性材料でできているスタイレットを使用してもよい。
曲線スタイレット3130は、曲線カニューレと近位に脱着可能なように連結されてもよい。いくつかの実施形態では、一旦スタイレット3130がカニューレ3110に装着されると、位置合わせされたカニューレ−スタイレット・アセンブリ3101が切除のために互いに標的部位まで進むことができるように、カニューレ3110に対するスタイレット3130の長手方向および軸方向の移動がロックされる。いくつかの実施形態では、曲線スタイレット3130は、核をさらに貫通することのできる鈍的遠位先端部を含んでいてもよく、それによって、ヘルニア様領域にアクセス可能となる。鈍的先端によって、特に曲線アセンブリ3101がその挿入中に誤って配置される場合に、組織破壊または損傷のリスクを減少できる。曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3101が近位に挿入されると、その曲線の遠位端は、椎間板ヘルニア3141の中心部分に向かって側方に進むことができる。直線アクセスが使用されると、このような円板内領域のアクセスは難しくなる。さらに、曲線アセンブリ3130を挿入する間、手術者は、屈曲部の向きを調整して、アセンブリ3101の遠位先端部を円板内領域に操縦することができ、それによって、直線アクセスによって、到達するのが困難なある標的部位にアクセスできるようになる。
一旦曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリ3101による切除のための標的部位へのアクセスが、蛍光透視法または他の撮像技術または可視化技術(たとえば内視鏡またはX線撮影マーカ)により確認されると、曲線スタイレット3130を近位に抜き取ることができ、続いて組織除去装置を挿入する。図31Dは、曲線カニューレ3110から遠位に延びるケーブル・ベースの組織除去装置3150を概略的に示す。
組織除去装置3150は、相補的な近位連結装置によって、曲線カニューレ3110に近位に装着されてもよい。いくつかの実施形態では、一旦装着されると、遠位の組織除去部分3154は、曲線カニューレ3110の遠位端3112に対して遠位に露出するので、螺旋状ワイヤ3156の留置が、曲線カニューレ3110の遠位端3112によって、阻止または妨害されない。いくつかの実施形態では、2つが近位に装着された後、組織除去装置3150は、カニューレ3110の内部で遠位にざらに前進することができ、組織除去装置3150の最大走行距離を移動制限器によって、制限できる。上記のように、組織除去装置3150の挿入中に、吸引口3160が曲線カニューレ3110によって、少なくとも部分的に被覆されて、吸引チャネルの目詰まりを防ぐことができるように、組織除去装置3150の遠位の移動が制御される。
組織除去装置3150の配置を確認し測定すると、装置3150は、円板組織除去を行うために作動可能である。曲線カニューレと関連して使用される組織除去装置は、直線カニューレで使用されるのと同じ組織除去装置と比較して、除去される組織の領域または量を増加させることができる。たとえば、図26Cに示すように、直線カニューレ2610から延びる組織除去装置2650の組織除去範囲2655は、直線カニューレ軸2611の旋回範囲によって実質的に制限される。組織除去装置2650が任意に小さく環状に移動することによって、カニューレ2610の直線近位部が実質的に側方に変位することができ、これはカニューレ2610の挿入路に沿った身体の組織によって制限される。その結果、直線アクセスの組織除去領域2655は、組織除去装置2650の長手方向軸2653に対する拡張ケーブル2654の回転によって達することのできる範囲によって、制限される。対照的に、図31Dに示すように、曲線アクセス中、曲線カニューレ3110の軸3111が回転しカニューレ屈曲部3116の向きを調整することによって、組織除去装置3150がカニューレ軸3111の長手方向軸3113に対して角度的に移動することができ、それによって、拡張ケーブル3154によって達することのできる範囲が著しく増大する。さらに、組織除去装置3150の組織除去領域は、組織除去装置3150の曲線カニューレ3110の遠位端に対する遠位の変位によって、さらに増大することができる。いくつかの実施形態では、組織除去装置3150の長手方向軸3151に対する拡張ケーブル3154の垂直の変位を調整して、さらに組織除去領域を増大することができる。上述の移動が組み合わされると、さらに大きな組織除去領域を得ることができる。
撮像技術を使用して所望の組織除去の程度を確認した後で、組織除去装置を除去することができる。第2の組織部位を治療するために、曲線または直線のスタイレットをカニューレに再導入してもよい。いくつかの実施形態では、別のヘルニア様領域に対するアクセスには、円板環から曲線カニューレを除去することが必要となり得る(たとえば、標的部位は円板の他の側面に位置するか、または、標的部位は別の脊椎骨円板にある)。この筋書きでは、組織除去装置を交換するために、直線スタイレットをカニューレに最初に挿入することができ、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリを形成する。ついで、手術者は円板環からアセンブリを除去することができ、適宜、別の進入点から円板環にアセンブリを再挿入することができ、それによって、第2の標的部位にアクセスすることができる。環を貫通した後、直線スタイレットを曲線スタイレットと交換することができ、曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリを、円板内の第2の標的部位に配置するように形成することができる。
一旦カニューレの配置がさらなる組織部位で確認されると、スタイレットを近位に抜き取ることができ、組織除去装置を再導入することができ、上に述べた通りの組織除去処置を繰り返すことができる。さらなる標的位置の治療の終了後、別の蛍光透視法またはCTスキャンを行って、結果を検査し、かつ/または他のいかなる円板内領域がさらに組織除去を必要とするかどうかを検査することができる。一旦すべてのヘルニア様領域が治療されると、組織除去装置を近位に除去することができる。いくつかの実施形態では、直線スタイレットを曲線カニューレに最初に挿入してもよく、直線カニューレ−スタイレット・アセンブリを形成する。ついで、このアセンブリを患者の背部から近位に除去することができる。
組織除去装置と関連して曲線カニューレ−スタイレット・アセンブリを使用することによって、1つ以上の標的位置で精密にアクセスし、組織除去を行うことができる。腫瘍に冒されている標的部位へのアクセスが伴う場合には、本願明細書において記載されている曲線アクセスは、特に標的部位を包囲する領域が腫瘍に極めて易感染性の場合に望ましくなる。健康な組織を保護しつつ患部硬骨組織を精密に除去することによって、結果として、たとえば骨セメントの漏れおよび/またはガン細胞の広がりなどの併発があまり生じない。
脊椎処置(たとえば椎間板切除術および椎体形成術)においてカニューレ−スタイレットアセンブリと連動して使用される機械操作式のケーブル・ベースの組織除去装置を、本願明細書において詳細に記載しているが、理解されたいのは、他のタイプの機械的組織除去装置(たとえば、バリ、トレフィンなど)、またはエネルギ・ベースの組織除去装置を使用してもよく、脊椎領域への直線アクセスまたは曲線アクセスのどちらかにおける使用が考察されることである。
インペラの特定の変形例が回転式ケーブル軸、管状部材などの特定の変形例で使用されるとして記載してきたが、理解されたいのは、インペラの変形例は、回転式ケーブル軸、管状部材などの他の変形例で使用されてもよいことである。加えて、回転式ケーブル軸の異なる変形例は、異なるケーブル形状および駆動軸で使用されてもよい。特定の手技のために、上記の構成要素の複数の変形例を適宜、組み合わせて組立ててもよい。さまざまなカニューレ、スタイレット、組織除去装置を含んでいてもよい、低侵襲性椎間板切除術を行うために使用可能なシステムおよびキットの例が、本願明細書に記載されている。一般に、同様のシステムおよびキットを、腰椎処置中に椎間板材料を切断して、研削して、吸引するために使用することができる。低侵襲性椎間板切除術のキットの1つの変形例は、直線カニューレ、直線スタイレット、および組織除去装置を含んでいてもよい。キットの別の変形例は、鋭利スタイレット、曲線カニューレ、第2の直線スタイレット、曲線スタイレット、交換ワイヤ、および組織除去装置をさらに備えていてもよい。カニューレは16ゲージであってもよく、スタイレットは、これらがカニューレを通って進むことができるように、適切に寸法決めされ成形されることができる。交換ワイヤは、直径が約0.054インチであってもよく、長さが約17インチであってもよく、または脊椎骨円板内の組織領域に最小限に観血的にアクセスするのに適切する任意の長さを有していてもよい。交換ワイヤは、304ステンレス鋼または他の相当する材料でできていてもよい。組織除去装置は、ハンドルと、ハンドルの遠位部に連結されている収集装置と、収集装置に遠位に装着されている移動制限器と、収集室と遠位の組織除去アセンブリとの間に導管を設ける外側管とを含んでもよい。組織除去アセンブリは、収縮構成および拡張構成を有する回転式ケーブルを有していてもよい。移動制限器の締付リングは、外側管の軸に沿った遠位位置、中間位置、および近位位置を有していてもよく、1つ以上の位置で固定するように構成されてもよい。外側管は、7インチの作用長さをもたらす長さを有していてもよい。低侵襲性椎間板切除術用キットの個々の装置および構成要素を、殺菌されたパッケージに設けてもよい。いくつかの変形例では、装置は使用後に再消毒しなくてもよいが、他の変形例では、たとえばカニューレ、スタイレットなどの特定の装置は、別の患者用に再消毒してもよい。
本発明が特定の例示的実施形態に限定されず、当然ながら、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書において使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のものであり、本発明の範囲が、添付の特許請求の範囲のみによって限定されることから、限定することを意図しないこともまた理解されたい。
ある範囲の値が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、つまり文脈上他に明示しない限り、下限の単位の10分の1までの値も、具体的に開示されることを理解されたい。記述された範囲における任意の記述された値または介在する値と、その範囲における任意の他の記述された値または介在する値との間の各小さい方の範囲は、本発明内に包含される。これらの小さい方の範囲の上限および下限は、独立してその範囲に含まれてもよく、または除外されてもよく、片方もしくは両方の限界が小さい方の範囲に含まれるか、または両方ともその範囲に含まれない各範囲も、記述された範囲の任意の具体的に除外された限界を前提として、本発明に包含される。記述された範囲が、片方または両方の限界を含む場合、これら含まれる片方または両方の限界を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
他に規定のない限り、本明細書において使用するすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に説明する方法および材料に類似または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することが可能であるが、ここではいくつかの潜在的および好適な方法および材料について説明している。本明細書において記述するすべての刊行物は、刊行物の引用に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾がある場合、本開示が、組み込まれた刊行物のいかなる開示にも優先することを理解されたい。
本明細書および添付の請求項において使用する際、単数形は、文脈上他に明示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、たとえば「刃」を言及することは、複数のこのような刃を含み、「エネルギ源」を言及することは、1つ以上のエネルギ源および当業者に既知であるその等価物等を言及することを含む。
本明細書に論じる刊行物は、単にその開示のために提供されている。本明細におけるいかなるものも、本発明が、先行発明によるこのような刊行物に発行する権利を持たないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供する刊行物の日付がもし存在するのであれば、これは、実際の刊行日とは異なる場合があり、個別に確認する必要があり得る。