JP2012520076A - 藻類バイオマス分画 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、pH調整溶液を少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液から細胞及び細胞由来産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。上記方法により回収される産物。藻類を増殖させ、処理するための再生可能でかつ持続可能なプラントを操作する方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマスから最終産物を効率的に得ることに関する。特に、本発明は、藻類バイオマスから最終産物を生成する方法と、その得られる産物に関する。
微細藻類、大型藻類、及びシアノバクテリアなどの、高湿度環境で増殖するバイオマスは、バイオ燃料や他の価値のある最終産物などの産物を得るために有用な、植物由来の一次及び二次代謝産物の有望な供給源である。最適な状態では、これらの水生生物は、炭素と栄養素を利用して、タンパク質と、炭水化物と、長鎖酸素化炭化水素(例えば、脂肪酸及びグリセリド−−脂質)や長鎖非酸素化炭化水素(例えば、カロテノイド及びろう)や細胞物質内の(燃料よりも価値の高い用途がある)付加価値のある有機物(例えば、抗酸化栄養補助食品)の形のエネルギー貯蔵を含む化合物とを含むバイオマスを速やかに増殖させる。
脂質は、単離及び精製されれば、種々の液体燃料生産代替物の優れた原料を提供する。バイオマスから分画された脂質は、液体燃料原料として直接用いることができるし、又はより価値の高い用途(例えば、栄養添加物として用いられているω3−脂肪酸)を有することができる。例えば、バイオマス由来脂質は、ガソリンの直接的な代替産物として好適な直鎖アルカンなどの産物を生産する従来の精製操作の利用可能な原料となる可能性がある。あるいは、トリグリセリドなどの脂質を反応させて、エステルを直接形成し、バイオディーゼル液体燃料として選択的に利用し、バイオディーゼルを生産するために使用されている現在の食用油と置き換えることができる。
従来脂質とみなされていないバイオマス代謝産物(例えば、タンパク質及び炭水化物)には、生物学的生産システムの原料、プラスチック添加物(バイオマス糖由来のグリコール)としての使用、動物の栄養摂取における飼料としての使用、及び他の燃料生産代替物における使用(合成ガス生産、嫌気性消化によるメタン生産、発酵によるエタノール生産など)をはじめとする、多くの代わりの用途がある。
微細藻類は、世界中のバイオ燃料や生化学物質の主な供給源になる可能性があり、二酸化炭素の速やかな隔離が独特である。他の有利な特性として、微細藻類は急速に増殖すること、微細藻類は非常に住み難い条件で増殖することができること、微細藻類は、通常、ヒトの食糧源と考えられないこと、及び微細藻類増殖のための土地や水の使用は、通常、従来の食糧生産に必要とされる土地や水と競合しないことがある。液体燃料と炭素隔離用の微細藻類生産とは、画期的な再生可能バイオ燃料プラットフォームである。微細藻類には、コスト転換型バイオ燃料生産システムを供給し、既存の技術を新たに応用して、化石燃料と競合するところまで生産コストを改善することによってエネルギー産業を転換する可能性がある。微細藻類を用いて他のバイオ燃料作物(例えば、ヤシ油)よりも1エーカー当たり10倍以上多い油を生産することが可能である。
藻類の代謝機構により、単細胞生物内部にあって、通常、この生物の構造の一部である何百もの生化学的化合物が産生される。
栽培藻類の主な種類と各種類の重量パーセントは次の通りである(乾燥重量):脂質、トリグリセリド、脂肪酸:20〜40%
不けん化物:非極性C14−C24(10%〜20%)及び極性C14−C24(10%〜20%);
タンパク質:30%〜35%。
炭水化物(多糖類の混合物として)15%〜20%。
その他−塩類、有機金属、無機物:1〜5%。
藻類商業化にとっての課題は、土地、資本設備、操業コスト、及び製品予定(slate)収入のトータルの経済である。これらの課題の中で主なものは、脂質、炭水化物、及びタンパク質をはじめとする価値のある細胞代謝産物を効率的に回収及び単離する能力である。混合スラリーとは対照的な化合物の単離により、多種多様な藻類代謝産物の濃縮ストリーム、燃料変換処理、及び幾多の集中的な適用を可能にする価値が生まれる。
細胞化合物及び誘導体の回収及び濃縮の他に、大規模な微細藻類生産に極めて重要なのは、残留固定炭素と、固定窒素と、価値のある栄養素(リン、カリウム及び微量のミネラル(例えば、鉄、マグネシウムなど))と、水とを、閉じたループにすることができることである。これらの重要な生産成分を再循環させることは、大規模な藻類生産操作のためのエネルギーと炭素の総合収支に極めて重要である。
歴史的に、高水分バイオマス生産システムは、特定の少量産物の生産用に設計されてきた。先行技術では、個々の化合物を単離するための技術が考慮されている。先行技術では、主に価値の高い単一産物の単離及び抽出技術に重点が置かれている。先行技術(例えば、Kohnらに対する米国特許第5,539,133号、Nakajimaらに対する米国特許第6,258,964号、Hoeksemaに対する米国特許第6,166,231号、Liddellに対する米国特許第6,180,376号、Trimburらに対する米国特許出願第2009/0004715号、Vickらに対する米国特許出願第2008/0155888号)では、脂質分画に重点が置かれている。脂質分画後、「廃棄された」藻類バイオマスは、一般に、処分されるか又は消化槽を用いてバイオガス(メタン)にされ、残存する価値のある産物がさらに分画されることはない。
より具体的には、Coxらに対する米国特許第5,324,658号は、(a)藻類の水性スラリーを形成し、(b)藻類の細胞壁を破裂させ、(c)藻類に十分な酸を添加して、約2〜約3Mの酸濃度を形成した後、藻類のタンパク質を部分的に加水分解し、(d)得られる加水分解物の酸可溶性画分から酸不溶性画分を廃棄し、(e)可溶性画分のpHが少なくとも約1.0になるまで、この画分から酸を除去し、(f)加水分解物を塩基で滴定して、加水分解物中の全ての残存する酸を塩に変換させ、pHを約6.5から約7.0の範囲に調整することによって、加水分解物を調製する方法を開示している。加水分解物は形成されるが、この方法は、加水分解前に細胞壁を破裂させる従来の工程を必要とする。このプロセスは、基本的に、トウモロコシからバイオ燃料を得るために用いられるのと同じプロセスに由来する。さらに、脂質はこのプロセスから得ることができるが、他の価値のある産物は、分画されないために、単に処分される。
Cysewskiらに対する米国特許第4,417,415号は、微細藻類を培養し、それから多糖を分画するプロセスを開示している。培養物から多糖を抽出するために、培養物をpH約10〜約14にして、少なくとも約80℃まで、少なくとも約20分間、加熱する。次に、培養物を約40℃以下に冷却し、酸で非アルカリ性にする。酸を添加した後、培養物から多糖を沈殿させるのに十分な量で水混和性有機溶媒を培養物に添加し、得られる沈殿した多糖を当該液体から分離する。この場合もやはり、多糖類は分画することができるが、他の有用な産物は、分画されないために、得られない。
Van Thorreらに対する米国特許第6,936,110号は、穀物からタンパク質、油及びデンプンを分画するための従来法を開示している。この方法は、タンパク質、油、及びデンプンを含む胚及び種皮を含む穀粒又は種子を提供することと、穀粒及び種子を軟化させるのに有効な時間、穀粒又は種子を浸漬反応槽に浸漬することと、浸漬したトウモロコシ穀粒を粉砕して、胚ストリーム及びデンプン/果皮ストリームを形成するデンプン/果皮から胚を分離することと、胚から油やタンパク質を抽出するために胚を急速に加圧/減圧することと、果皮からデンプンを分離することとを含む。これは、藻類にも利用可能な典型的な湿式粉砕プロセスであるが、これは、高エネルギープロセスであり、藻類で用いるためには大幅な修正が必要となる。
D’Addarioらに対する国際公開公報第2010/000416号は、藻類バイオマスの水性懸濁液を生成することと、以下の3つの相、すなわち、(i)藻類バイオマスのスラリーを含む半固体相と、(ii)無機化合物と親水性有機化合物を含む水相と、(iii)脂肪酸と該脂肪酸以外の疎水性有機化合物を含む有機相とを得るために、大気圧下で少なくとも1種の非極性有機溶媒と少なくとも1種の無機酸を藻類バイオマスの該水性懸濁液に添加して、藻類バイオマスの水性懸濁液を酸加水分解し、抽出することとを含む、藻類バイオマスからの脂肪酸の抽出を記載している。溶媒と酸を同時に添加し、プロセスを100℃未満の温度で行なうことが必要である。これらの操作条件を組み合わせ、制限することにより、国際公開公報第2010/000416号は、細胞産物を藻類バイオマスから完全には抽出することができない。
最新の特許は、特定種類の産物(例えば、脂質もしくは多糖類)又は特定の産物(例えば、多価不飽和脂肪酸としてのDHA)に重点を置く傾向にある。最新の特許は、標的種類の産物又は特定の産物を単離する現実的な必要性に対処するだけでなく、全ての非標的物質を回収及び/又は使用する必要性にも対処する全分画プラットフォームに全く対処しない傾向にある。
それゆえ、藻類を育てる効率的でかつ安価な方法が必要とされているだけでなく、種類や特定の産物の単離で成功を収め、さらに、藻類バイオマスから全ての価値のある産物を効率的に大規模に回収することができる効率的でかつ柔軟な分画プラットフォームも必要とされている。
標的種類や標的産物の抽出だけでなく、副産物の回収や、重要な栄養素及び水の再循環も可能にするという点で先行技術からのパラダイムシフトである、新規の分画プラットフォームが本発明として明示されている。本発明は、目的の産物単離と産物の事前調整だけでなく、副産物を種類や特定の産物として効果的に分離し、最終的に栄養素と水も再循環させることができる柔軟でかつ効率的な分画プラットフォームを提供する。
本発明は、バイオマス細胞の壁を透過処理する工程と、細胞から細胞産物を放出させる工程と、放出された細胞産物及び誘導体を分画し、回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液から細胞産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明はまた、脂質産物、炭化水素鎖、及び有機化合物からなる群から選択される、上記の方法により非極性溶媒溶液中に回収される産物を提供する。
本発明は、可溶性単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、グリセロール、アミノ酸、可溶性タンパク質、ペプチド、繊維、栄養素、ホスホコリン、リン酸塩、増殖培地、及び残留固体藻類細胞構造粒子からなる群から選択される、上記方法により極性バイオマス溶液中に回収される産物を提供する。
本発明は、アルコール及び二酸化炭素からなる群から選択される、上記方法により極性バイオマス溶液中に回収される産物を提供する。
本発明は、リン、窒素、カリウム、カルシウム、硫黄、マグネシウム、ホウ素、塩素、マンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、及びセレンからなる群から選択される、上記方法により一次及び二次主要栄養素及び微量栄養素の極性バイオマス溶液中に回収される産物を提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒及びアルコールと密に接触させる工程と、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液から細胞産物及び細胞由来産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法をさらに提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒及びアルコールと密に接触させる工程と、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、極性バイオマス溶液を発酵させる工程と、アルコール、アシルグリセロール、及び遊離脂肪酸を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法をさらに提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の有機溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、極性バイオマス溶液中に溶解及び懸濁された価値のある化合物を濃縮して濃縮溶液を生じさせる工程と、プロセス酸性水(process acid waters)及び/又は酵素加水分解を有利に利用することによる残留バイオマス固体の液化及びサクリフィケーション(saccrification)によって追加の固定炭素栄養素を提供する工程と、濃縮され、補充された培地溶液を得る工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明はまた、濃縮された補充された培地溶液を上記の方法で得られるような生物学的増殖又は発酵生産システムに利用する方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、濃縮された極性バイオマス溶液を混合栄養生物、従属栄養生物、又は化学独立栄養生物からなる群から選択される生物を含む増殖培地として利用する工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、極性バイオマス溶液を濃縮する工程と、水性極性溶液を生物学的に消化するか又は発酵させる工程と、分画プロセスを繰り返して、さらなる細胞産物及び細胞由来産物を得る工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明は、藻類を増殖させ、処理するための再生可能でかつ持続可能な総合処理プラントを操作する方法であって、藻類を増殖させる工程と、藻類を収穫する工程と、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、藻類の中から細胞産物を放出させる工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、極性バイオマス溶液由来の増殖培地及び極性バイオマス溶液由来の二酸化炭素を得る工程と、再生可能でかつ持続可能な操作のために二酸化炭素及び増殖培地を藻類栽培システムに再循環させる工程とを含む、方法を提供する。
本発明は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、有機リンを無機リン酸塩に変換する工程と、無機リン酸塩を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明はまた、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、バイオクルード(biocrude)を得る工程とを含む、バイオマスの分画方法を提供する。
本発明は、上記の方法により得られるバイオクルードを提供する。
本発明の他の利点は、添付する図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるので、容易に認識されるであろう。
図1は、この発明された分画プロセスを用いて微細藻類バイオマスから分画された産物を示すチャートである。
図2は、藻類バイオマスの分画の工程の流れ図である。
図3は、本発明の大規模プロセスの工程の流れ図である。
図4は、極性バイオマス溶液処理の代替工程の流れ図である。
図5は、分画された非極性成分のGC/MSプロファイルの結果である。
図6A及びBはクロレラ属の一種の従属栄養性増殖を支持する培地としての分画後水溶液の図表である。
本発明は、一般に、膜結合脂質を含むバイオマスの主な成分を大規模に分画するプロセスを提供する。最も一般的には、このプロセスは、細胞産物を放出させることと、産物を相によって分離することと、多数の代謝産物をバイオマスから分画することとを含む。高エネルギー破壊と、それに次ぐ一般的な脂質抽出を用いて、単一の産物を抽出する先行技術とは異なり、本発明は、以下でより詳細に記載される、調整するプロセスと、接触させるプロセスと、分配するプロセスとによって可能となる分画プロセスを提供する。このプロセスは、場合によって、脂肪エステルを形成し、バイオマス分画のさらなる産物を使えるように変換するための様々な工程を含む。本明細書の全体を通じて、バイオマスは、より具体的には、「藻類」又は「微細藻類」と表されているが、バイオマスは、以下の定義においてさらに記載される任意の組成物であることができることが理解されるべきである。
本明細書で用いる場合、バイオマスからの油の分画に関連して用いられる、「分画する(fractionate)」、「分画する(fractionating)」、「分画された」又は「分画」という用語は、脂質が、それが由来した細胞と関連したままであるかどうかを問わず、バイオマスの細胞から脂質を除去することを意味する。したがって、「分画する(fractionating)」という用語又はその関連形態は、細胞から油を除去して、単離された脂質と細胞物質とを含む複合体を形成することを意味することができるか、又はこれらの用語は、脂質を細胞物質から物理的に単離及び分離することを意味するために用いることができる。
本明細書で用いられる「極性」は、陰極及び/又は陽極を形成する負電荷及び/又は正電荷の部分を有する化合物を指す。極性化合物は正味の電荷を担持しないが、電子は核と核の間で不均等に共有される。水は、本発明において極性化合物とみなされる。
本明細書で用いられる「非極性」は、電荷が分離しておらず、そのため、陽極又は陰極が全く形成されない化合物を指す。本発明における非極性化合物の一例は、アルカンである。
本明細書で用いられる「混和性」は、流体と完全に混合することができる化合物を指す。「水混和性」は、水と完全に混合可能な化合物を指す。
本明細書で用いられる「親水性」は、電荷が分極しており、かつ水素結合が可能であって、すなわち、極性があって、水に容易に溶解させることができる化合物を指す。
本明細書で用いられる「疎水性」は、水と反発し、非極性となって、他の中性分子又は非極性分子を好む傾向がある化合物を指す。
本明細書で用いられる「油」は、バイオマスの分画可能な脂質画分の任意の組合せを指す。本明細書で用いられる「脂質」、「脂質画分」、又は「脂質成分」は、非極性溶媒に溶け、かつ水に溶けないか又は比較的溶けにくい任意の炭化水素を含むことができる。分画可能な脂質画分は、限定するものではないが、遊離脂肪酸、ろう、ステロール及びステロールエステル、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセリド、モノアシルグリセリド、トコフェロール、エイコサノイド、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴ脂質、及びリン脂質を含むことができる。脂質画分は、クロロフィルや他の藻類色素などの他の脂溶性物質を含むこともでき、これらの藻類色素としては、例えば、アスタキサンチンなどの抗酸化物質が挙げられる。
本明細書に記載の「膜結合脂質」は、細胞膜もしくは細胞壁、又は細胞内の任意のオルガネラ膜に付着しているか又はこれらの膜と関連している任意の脂質を指す。本発明は、膜結合脂質を分画する方法を提供するが、そのように限定されるものではない。本発明は、細胞内脂質(例えば、細胞壁とともにもしくは液胞に保持される脂質)又は細胞外脂質(例えば、分泌される脂質)、あるいは細胞内脂質、細胞外脂質、細胞壁結合脂質、及び/又は膜結合脂質の任意の組合せを分画するために用いることができる。
「バイオマス」は、植物又は動物に由来する任意の生きた又は死んだばかりの生物学的細胞物質を指すために用いられる。特定の実施形態では、バイオマスは、真菌、細菌、酵母、カビ、及び微細藻類からなる群から選択することができる。他の実施形態では、バイオマスは、トウモロコシの茎、麦わら、種子の外皮、サトウキビのくず、バガス、堅果の殻、並びに畜牛、家禽、及び畜豚からの糞尿、樹木又は樹皮、おがくず、材木の切りくず(timber slash)、及び製材所からのくず(mill scrap)などの木質材料、古紙及び刈り取った庭草などの一般廃棄物、又はポプラ、ヤナギ、スイッチグラス、アルファルファ、ウシクサ(prairie bluestem)、トウモロコシ、及び大豆などの農産物であることができる。特定の実施形態では、本発明とともに用いられるバイオマスは植物に由来する。
本発明で定義される任意のバイオマスは、本発明の方法とともに用いることができる。特定の実施形態では、バイオマスは、真菌、細菌、酵母、カビ、及び微細藻類からなる群から選択される。バイオマスは天然のものであることができるか、又はバイオマスは、脂質産生を増強するように遺伝子修飾することができる。好ましい実施形態では、バイオマスは微細藻類である。本発明は、任意の微細藻類を用いて実施することができる。微細藻類は、閉鎖系(例えば、バイオリアクター)で増殖させることができるか、又は微細藻類は、開放された池で増殖させることができる。微細藻類は、太陽光を用いて又は用いず(独立栄養的に又は従属栄養的に)、多種多様な炭素源を用いて増殖させることができる。本発明とともに用いられる微細藻類は、任意の天然の種又は任意の遺伝子改変された微細藻類を含むことができる。特に、微細藻類は、限定するものではないが、単位容量当たり及び/又は単位時間、炭素鎖長当たりの脂質収率を(例えば、バイオディーゼル生産のために又は炭化水素原料を必要とする工業用途のために)最適化すること、二重結合又は三重結合の数を(場合によりゼロに)減らすこと、環及び環状構造を除去又は排除すること、並びに特定の脂質種又は個別の脂質集団の水素:炭素比を増加させることをはじめとする、改善された脂質産生特性を有するように遺伝子改変することができる。さらに、適当な炭化水素を天然に産生する微細藻類は、一層より望ましい炭化水素産出量を有するように改変することもできる。微細藻類は、淡水、汽水、塩水(brine)、又は海水(saltwater)中で増殖することができる。本発明とともに用いられる微細藻類は、任意の市販株、特定地域を原産とする任意の株、又は任意の特許株(proprietary strain)を含む。さらに、微細藻類は、任意の門、綱、目、科、属、もしくは種、又はその任意の亜区分のものであることができる。2以上の微細藻類の組合せも本明細書の範囲内に含まれる。
任意の従来手段(限定するものではないが、濾過、空気浮上及び遠心分離を含む)によって微細藻類を収穫し、収穫された微細藻類を所望の固体重量%まで濃縮することによって藻類ペーストを作製することができる。いくつかの例では、所望の固体重量%は、溶媒(好ましくは極性溶媒)を、所望の固体重量%よりも大きい固体重量%を有する微細藻類のバッチに添加することにより達成することができる。例えば、前の分画からの再循環された極性溶媒を再利用することが望ましいとき、この実施は有用である可能性がある。
特定の実施形態では、本発明の方法とともに用いられる微細藻類は、以下の門:緑色植物門、藍色植物門(シアノバクテリア)、及び不等毛植物門のうちの1つのメンバーである。特定の実施形態では、本発明の方法とともに用いられる微細藻類は、以下の綱:珪藻、真正眼点藻植物、及び黄金藻類のうちの1つのメンバーである。特定の実施形態では、本発明の方法とともに用いられる微細藻類は、以下の属:ナンノクロロプシス、クロレラ、デュナリエラ、スケネデスムス、セレナストルム、オスキラトリア、フォルミディウム、スピルリナ、アムフォラ、及びオクロモナスのうちの1つのメンバーである。
本発明の方法とともに使用可能な微細藻類種の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:アクナンセス・オリエンターリス(Achnanthes orientalis)、アグメネルム属の数種(Agmenellum spp.)、アンフィプローラ・ヒアリン(Amphiprora hyaline)、アンフォラ・コッフェイフォルミス(Amphora coffeiformis)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・リネア(Amphora coffeiformis var. linea)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・プンクタータ(Amphora coffeiformis var. punctata)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・タイロリ(Amphora coffeiformis var. taylori)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・テヌイス(Amphora coffeiformis var. tenuis)、アンフォラ・デリカティッシマ(Amphora delicatissima)、アンフォラ・デリカティッシマ・ウァリエタース・キャピタータ(Amphora delicatissima var. capitata)、アンフォラ属の一種(Amphora sp.)、アナバエナ(Anabaena)、アンキストロデスムス(Ankistrodesmus)、アンキストロデスムス・ファルカトゥス(Ankistrodesmus falcatus)、ボエケロウィア・ホオグランディイ(Boekelovia hooglandii)、ボロディネラ属の一種(Borodinella sp.)、ボトリオコックス・ブラウニイ(Botryococcus braunii)、ボトリオコックス・スデティクス(Botryococcus sudeticus)、ブラクテオコックス・ミノール(Bracteococcus minor)、ブラクテオコックス・メディオヌクレアトゥス(Bracteococcus medionucleatus)、カルテリア(Carteria)、カエトケロス・グラシリス(Chaetoceros gracilis)、カエトケロス・ムエレリ(Chaetoceros muelleri)、カエトケロス・ムエレリ・ウァリエタース・スブサルスム(Chaetoceros muelleri var. subsalsum)、カエトケロス属の一種(Chaetoceros sp.)、クラミドマス・ペリグラヌラータ(Chlamydomas perigranulata)、クロレラ・アニトラータ(Chlorella anitrata)、クロレラ・アンタルクティカ(Chlorella Antarctica)、クロレラ・アウレオウィリディス(Chlorella aureoviridis)、クロレラ・カンディダ(Chlorella Candida)、クロレラ・カプスラーテ(Chlorella capsulate)、クロレラ・デシッカーテ(Chlorella desiccate)、クロレラ・エリプソイデア(Chlorella ellipsoidea)、クロレラ・エメルソニイ(Chlorella emersonii)、クロレラ・フスカ(Chlorella fusca)、クロレラ・フスカ・ウァリエタース・ウァクオラータ(Chlorella fusca var. vacuolata)、クロレラ・グルコトロファ(Chlorella glucotropha)、クロレラ・インフシオヌム(Chlorella infusionum)、クロレラ・インフシオヌム・ウァリエタース・アクトフィラ(Chlorella infusionum var. actophila)、クロレラ・インフシオヌム・ウァリエタース・アウクセノフィラ(Chlorella infusionum auxenophila)、クロレラ・ケッスレリ(Chlorella kessleri)、クロレラ・ロボフォーラ(Chlorella lobophora)、クロレラ・ルテオウィリディス(Chlorella luteoviridis)、クロレラ・ルテオウィリディス・ウァリエタース・アウレオウィリディス(Chlorella luteoviridis var. aureoviridis)、クロレラ・ルテオウィリディス・ウァリエタース・ルテスケンス(Chlorella luteoviridis var. lutescens)、クロレラ・ミニアータ(Chlorella miniata)、クロレラ・ミヌティッシマ(Chlorella minutissima)、クロレラ・ムタビリス(Chlorella mutabilis)、クロレラ・ノクトゥルナ(Chlorella nocturna)、クロレラ・オウァーリス(Chlorella ovalis)、クロレラ・パルウァ(Chlorella parva)、クロレラ・フォトフィラ(Chlorella photophila)、クロレラ・プリングスヘイミイ(Chlorella pringsheimii)、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)、クロレラ・プロトセコイデス・ウァリエタース・アシディコラ(Chlorella protothecoides var.acidicola)、クロレラ・レグラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・レグラリス・ウァリエタース・ミニマ(Chlorella regularis var. minima)、クロレラ・レグラリス・ウァリエタース・ウンブリカータ(Chlorella regularis var. umbricata)、クロレラ・レイシグリイ(Chlorella reisiglii)、クロレラ・サッカロフィラ(Chlorella saccharophila)、クロレラ・サッカロフィラ・ウァリエタース・エリプソイデア(Chlorella saccharophila var. ellipsoidea)、クロレラ・サリナ(Chlorella salina)、クロレラ・シンプレクス(Chlorella simplex)、クロレラ・ソロキニアーナ(Chlorella sorokiniana)、クロレラ属の一種(Chlorella sp.)、クロレラ・スファエリカ(Chlorella sphaerica)、クロレラ・スティグマトフォーラ(Chlorella stigmatophora)、クロレラ・ウァンニエリイ(Chlorella vanniellii)、クロレラ・ウルガーリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ウルガーリス・フォルマ・テルティア(Chlorella vulgaris fo. tertia)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・アウトトロフィカ(Chlorella vulgaris var. autotrophica)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウィリディス(Chlorella vulgaris var. viridis)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス(Chlorella vulgaris var. vulgaris)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス・フォルマ・テルティア(Chlorella vulgaris var. vulgaris fo. tertia)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス・フォルマ・ウィリディス(Chlorella vulgaris var. vulgaris fo. viridis)、クロレラ・クサンセラ(Chlorella xanthella)、クロレラ・ゾフィンギエンシス(Chlorella zofingiensis)、クロレラ・トレボウクシオイデス(Chlorella trebouxioides)、クロレラ・ウルガーリス(Chlorella vulgaris)、クロロコックム・インフシオヌム(Chlorococcum infusionum)、クロロコックム属の一種(Chlorococcum sp.)、クロロゴニウム(Chlorogonium)、クロオモナス属の一種(Chroomonas sp.)、クリソスファエラ属の一種(Chrysosphaera sp.)、クリコスファエラ属の一種(Cricosphaera sp.)、クリプセコディニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)、クリプトモナス属の一種(Cryptomonas sp.)、キクロテラ・クリプティカ(Cyclotella cryptica)、キクロテラ・メネギニアーナ(Cyclotella meneghiniana)、キクロテラ属の一種(Cyclotella sp.)、ドゥナリエラ属の一種(Dunaliella sp.)、ドゥナリエラ・バルダウィル(Dunaliella bardawil)、ドゥナリエラ・ビオクラータ(Dunaliella bioculata)、ドゥナリエラ・グラヌラーテ(Dunaliella granulate)、ドゥナリエラ・マリティメ(Dunaliella maritime)、ドゥナリエラ・ミヌータ(Dunaliella minuta)、ドゥナリエラ・パルウァ(Dunaliella parva)、ドゥナリエラ・ペイルケイ(Dunaliella peircei)、ドゥナリエラ・プリモレクタ(Dunaliella primolecta)、ドゥナリエラ・サリナ(Dunaliella salina)、ドゥナリエラ・テルリコラ(Dunaliella terricola)、ドゥナリエラ・テルティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、ドゥナリエラ・ウィリディス(Dunaliella viridis)、ドゥナリエラ・テルティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、エレモスファエラ・ウィリディス(Eremosphaera viridis)、エレモスファエラ属の一種(Eremosphaera sp.)、エリプソイドン属の一種(Ellipsoidon sp.)、エウグレナ属の数種(Euglena Spp.)、フランケイア属の一種(Franceia sp.)、フラギラリア・クロトネンシス(Fragilaria crotonensis)、フラギラリア属の一種(Fragilaria sp.)、グレオカプサ属の一種(Gleocapsa sp.)、グレオサムニオン属の一種(Gloeothamnion sp.)、ハエマトコックス・プルウィアリス(Haematococcus pluvialis)、ヒメノモナス属の一種(Hymenomonas sp.)、イソクリシス・アッフィーニス・ガルバナ(Isochrysis aff. galbana)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)、レポキンクリス(Lepocinclis)、ミクラクティニウム(Micractinium)、ミクラクティニウム(Micractinium)、モノラフィディウム・ミヌトゥム(Monoraphidium minutum)、モノラフィディウム属の一種(Monoraphidium sp.)、ナンノクロリス属の一種(Nannochloris sp.)、ナンノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナンノクロロプシス属の一種(Nannochloropsis sp.)、ナウィクラ・アクケプタータ(Navicula acceptata)、ナウィクラ・ビスカンテラエ(Navicula biskanterae)、ナウィクラ・プセウドテネロイデス(Navicula pseudotenelloides)、ナウィクラ・ペリクローサ(Navicula pelliculosa)、ナウィクラ・サプロフィラ(Navicula saprophila)、ナウィクラ属の一種(Navicula sp.)、ネフロクロリス属の一種(Nephrochloris sp.)、
ネフロセルミス属の一種(Nephroselmis sp.)、ニッチア・コムニス(Nitschia communis)、ニッチア・アレクサンドリア(Nitzschia alexandria)、ニッチア・クロステリウム(Nitzschia closterium)、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・ディッシパタ(Nitzschia dissipata)、ニッチア・フルストゥルム(Nitzschia frustulum)、ニッチア・ハンチアーナ(Nitzschia hantzschiana)、ニッチア・インコンスピクア(Nitzschia inconspicua)、ニッチア・インテルメディア(Nitzschia intermedia)、ニッチア・ミクロケファラ(Nitzschia microcephala)、ニッチア・プシラ(Nitzschia pusilla)、ニッチア・プシラ・エリプティカ(Nitzschia pusilla elliptica)、ニッチア・プシラ・モノエンシス(Nitzschia pusilla monoensis)、ニッチア・クアドラングラール(Nitzschia quadrangular)、ニッチア属の一種(Nitzschia sp.)、オクロモナス属の一種(Ochromonas sp.)、オオキスティス・パルウァ(Oocystis parva)、オオキスティス・プシラ(Oocystis pusilla)、オオキスティス属の一種(Oocystis sp.)、オスキラトリア・リムネティカ(Oscillatoria limnetica)、オスキラトリア属の一種(Oscillatoria sp.)、オスキラトリア・スッブレウィス(Oscillatoria subbrevis)、パラクロレラ・ケッスレリ(Parachlorella kessleri)、パスケリア・アキドフィラ(Pascheria acidophila)、パウロウァ属の一種(Pavlova sp.)、ファエオダクテュルム・トリコムトゥム(Phaeodactylum tricomutum)、ファグス(Phagus)、フォルミディウム(Phormidium)、プラテュモナス属の一種(Platymonas sp.)、プレウロクリュシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、プレウロクリュシス・デンターテ(Pleurochrysis dentate)、プレウロクリュシス属の一種(Pleurochrysis sp.)、プロトセカ・ウィクケラミイ(Prototheca wickerhamii)、プロトセカ・スタグノーラ(Prototheca stagnora)、プロトセカ・ポルトリケンシス(Prototheca portoricensis)、プロトセカ・モリフォルミス(Prototheca moriformis)、プロトセカ・ゾフィイ(Prototheca zopfii)、プセウドクロレラ・アクアティカ(Pseudochlorella aquatica)、ピラミモナス属の一種(Pyramimonas sp.)、ピロボトリュス(Pyrobotrys)、ロドコックス・オパクス(Rhodococcus opacus)、サルキノイド・クリュソフィテ(Sarcinoid chrysophyte)、スケネデスムス・アルマトゥス(Scenedesmus armatus)、スキゾキトリウム(Schizochytrium)、スピロギラ(Spirogyra)、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)、スティココックス属の一種(Stichococcus sp.)、シネココックス属の一種(Synechococcus sp.)、シネコシスティスフ(Synechocystisf)、タゲテス・エレクタ(Tagetes erecta)、タゲテス・パテュラ(Tagetes patula)、テトラエドロン(Tetraedron)、テトラセルミス属の一種(Tetraselmis sp.)、テトラセルミス・スエキカ(Tetraselmis suecica)、サラッシオシラ・ウェイッスフロギイ(Thalassiosira weissflogii)、及びウィリディエラ・フリデリキアーナ(Viridiella fridericiana)。
特定の実施形態では、バイオマスは、野生型又は遺伝子修飾された酵母であることができる。本発明とともに使用可能な酵母の非限定的な例としては、クリプトコックス・クルウァトゥス(Cryptococcus curvatus)、クリプトコックス・テルリコルス(Cryptococcus terricolus)、リポミセス・スタルケイイ(Lipomyces starkeyi)、リポミセス・リポフェル(Lipomyces lipofer)、エンドミコプシス・ウェルナリス(Endomycopsis vernalis)、ロドトルラ・グルティニス(Rhodotorula glutinis)、ロドトルラ・グラキリス(Rhodotorula gracilis)、カンディダ107、サッカロミセス・パラドクスス(Saccharomyces paradoxus)、サッカロミセス・ミカタエ(Saccharomyces mikatae)、サッカロミセス・バヤヌス(Saccharomyces bayanus)、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)、任意のクリプトコックス、C.ネオフォルマンス(C.neoformans)、C.ボゴリエンシス(C.bogoriensis)、ヤルロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、アピオトリクム・クルウァトゥム(Apiotrichum curvatum)、T.ボムビコラ(T.bombicola)、T.アピコラ(T.apicola)、T.ペトロフィルム(T.petrophilum)、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C.リポリティカ(C.lipolytica)、及びカンディダ・アルビカンス(Candida albicans)が挙げられる。
特定の実施形態では、バイオマスは、野生型又は遺伝子修飾された真菌であることができる。本発明とともに使用可能な真菌の非限定的な例としては、モルティエレラ(Mortierella)、モルティエレラ・ウィナケア(Mortierrla vinacea)、モルティエレラ・アルピン(Mortierella alpine)、ピュティウム・デバリュアヌム(Pythium debaryanum)、ムコール・キルキネロイデス(Mucor circinelloides)、アスペルギルス・オクラケウス(Aspergillus ochraceus)、アスペルギルス・テルレウス(Aspergillus terreus)、ペンニキリウム・イイラキヌム(Pennicillium iilacinum)、ヘンセヌロ(Hensenulo)、カエトミウム(Chaetomium)、クラドスポリウム(Cladosporium)、マルブランケア(Malbranchea)、リゾプス(Rhizopus)、及びピュティウム(Pythium)が挙げられる。
他の実施形態では、バイオマスは、天然であるか又は遺伝子改変であるかを問わず、脂質、タンパク質、及び炭水化物を生成させる任意の細菌であることができる。本発明とともに使用可能な細菌の非限定的な例としては、大腸菌(Escherichia coli)、アキネトバクテール属の一種(Acinetobacter sp.)、任意の放線菌(actinomysete)、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、任意のストレプトミセス菌(streptomycete)、アキネトバクテール・カルコアケティクス(Acinetobacter calcoaceticus)、P.アエルギノサ(P.aeruginosa)、プセウドモナス属の一種(Pseudomonas sp.)、R.エリュスロポリス(R.erythropolis)、N.エルソポリス(N.erthopolis)、ミコバクテリウム属の一種(Mycobacterium sp.)、B.、U.ゼアエ(U.zeae)、U.マイディス(U.maydis)、B.リケンフォルミス(B.lichenformis)、S.マルケスケンス(S.marcescens)、P.フルオレスケンス(P.fluorescens)、B.スブティリス(B.subtilis)、B.ブレウィス(B.brevis)、B.ポルミマ(B.polmyma)、C.レプス(C.lepus)、N.エルスロポリス(N.erthropolis)、T.ティオオクシダンス(T.thiooxidans)、D.ポリモルフィス(D.polymorphis)、P.アエルギノサ(P.aeruginosa)及びロドコックス・オパクス(Rhodococcus opacus)が挙げられる。
本明細書で用いる場合、「水和されたバイオマス」は、最低でも、50重量%の極性溶媒を含むバイオマスを指す。溶媒は、細胞内と細胞外の両方の溶媒を含むことができる。特定の実施形態では、溶媒は、極性溶媒、好ましくは水又は水と1種以上の他の極性溶媒の混合物である。極性溶媒は、以下でさらに記載される非極性溶媒と比べて極性がある。いくつかの実施形態では、溶媒(例えば、限定するものではないが、低分子量アルデヒド、ケトン、脂肪酸、メタノール、エタノール、アミルアルコール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び両親媒性溶媒などの極性溶媒)を、所与の形態のバイオマスのアリコートに添加して、特定のバイオマス対溶媒比を達成することができる。
特定の実施形態では、水和されたバイオマスは、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約91重量%、少なくとも約92重量%、少なくとも約93重量%、少なくとも約94重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約99重量%、又は少なくとも約99.5重量%の極性溶媒又は極性溶媒の混合物を含む。他の実施形態では、水和されたバイオマスは、約99.5重量%未満、約99重量%未満、約98重量%未満、約97重量%未満、約96重量%未満、約95重量%未満、約94重量%未満、約93重量%未満、約92重量%未満、約91重量%未満、約90重量%未満、約85重量%未満、約80重量%未満、約75重量%未満、約70重量%未満、約65重量%未満、又は約60重量%未満の極性溶媒又は極性溶媒の混合物を含む。本発明によって、水和されたバイオマスにおける極性溶媒又は極性溶媒の混合物の重量パーセントは、上記の限度の包含範囲内であることができることも理解されるであろう。例えば、極性溶媒又は極性溶媒の混合物の重量パーセントは、以下の包含範囲:約50%〜約99.5%、約60%〜約95%、約60%〜約80%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約75%〜約99%、約85%〜約95%、約90%〜約95%又は約90%〜約93%の1つ又は複数に収まることができる。
水和されたバイオマスが微細藻類を含む場合、微細藻類は、藻類ペーストの形態であることができる。本発明の特定の実施形態では、藻類ペースト(又は水和されたバイオマス)は、約0.5重量%、約1重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、約20重量%、約21重量%、約22重量%、約23重量%、約24重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、又は約40重量%の固体を含むことができる。さらに、藻類ペーストの固体%は、上記の限度の包含範囲内であることができることが当業者に理解されるであろう。したがって、特定の実施形態では、藻類ペーストは、約1〜25重量%の固体、約1〜20重量%の固体、約2〜15重量%の固体、約5〜10重量%の固体、約5〜15重量%の固体、約3〜20重量%の固体、約5〜20重量%の固体、約5〜25重量%の固体、約5〜15重量%の固体、約7〜10重量%の固体、約8〜10重量%の固体、約9〜10重量%の固体、約7〜8重量%の固体、約7〜9重量%の固体、又は約8〜9%重量%の固体を含むことができる。
より希薄な調整剤を再利用しながら、濃縮又は脱水した藻類を処理し、濃縮スラリーを排出することによって、酸及び対応する苛性中和剤(neutralization caustic)の消費を最小限に抑えることができる。
本明細書で用いる場合、別途指定しない限り、「約」という用語は、数値の前に置かれ、この数値は、記述された数値と記述された数値の±10%を意味すると理解される。
本明細書で用いられる水和されたバイオマスを「調整すること」とは、細胞壁を、脂質やそれに含まれる他の細胞産物が溶媒により接近しやすくなった、すなわち、細胞産物が「放出された」任意の状態に転換する任意の方法又は方法の組合せで細胞壁の完全性を破壊することを指す。「調整すること」は、調整することが細胞壁の透過性に影響を及ぼす場合、「透過性を調整すること」と表すこともできる。本明細書で用いる場合、「無秩序化された細胞物質」は、含まれる脂質が溶媒により接近しやすくなった任意の状態もしくは状態の組合せになるよう修飾された1つ又は複数の細胞を指す。すなわち、無秩序化された細胞物質は、細胞表面及び内部の細胞部分を極性溶媒や非極性溶媒の透過に最大限曝露させるために、物理的に、化学的に、又は生物学的に改変されているが、必ずしも破壊されていない細胞を含む。本発明により、水和されたバイオマスの細胞は、可能であっても、溶解する必要はない。いくつかの非限定的な例では、細胞を断片化するか、部分的に断片化するか、又は断片化しないでおくことができ、形質膜を弱体化及び/又は破壊することができ、細胞壁を弱体化及び/又は破壊することができ、あるいは細胞はそのような状態の組合せで存在することができる。したがって、バイオマスの細胞を破壊するか、破壊しないか、又は部分的に破壊することができる。特定の実施形態では、細胞破壊が起こる場合、約70%未満、約60%未満、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、又は約10%未満の細胞破壊が起こる。
本発明の方法に従って、無秩序化された細胞物質を生成させるために、代謝産物が分画される水和した藻類バイオマスをまず調整する。従来の高エネルギーの物理的破壊とは異なり、この調整工程は、代謝産物化合物を細胞壁や細胞膜や他の脂質含有細胞物質から無秩序化し、解離させる働きをする。本質的には、藻類の細胞壁を化学的に透過処理して、細胞産物を放出させる。細胞壁は、その中の細胞産物を得るために透過処理しなければならない、ろう様の保護外層を有することがある。任意の理論に束縛されることを望むものではないが、(任意の技術又は条件又はその組合せによる)水和されたバイオマスの調整は、複雑な細胞壁構造の部分、及び他の細胞部分を消化するか又は劣化させることによって、細胞の外層を浸食し、軟化させ、溶媒の透過、浸透、並びに細胞膜及び細胞内部への、特に、その中に含まれる脂質、タンパク質、及び炭水化物への接近を可能にすると考えられている。これにより、様々な成分(例えば、脂質及び細胞内の他の細胞産物)がそれぞれの混和流体中に溶けるようになり、分画とその後の単離を容易にする。藻類を食べる種々の魚は、藻類を消化して、その中の栄養素を得ることができるので、この工程は、これらの魚の胃の内部で起こることと類似している。
この調整工程は、その中の脂質を得るために藻類バイオマスの乾燥と藻類細胞の破裂とを必要とする、藻類細胞の溶解技術において現在使用されているものとは大いに異なっている。本発明では、細胞壁は無傷状態であるか又は部分的に破壊される(10%〜50%)が、物質は放出され、回収とさらなる分画が可能となる。先行技術で現在使用されている方法は、藻類の組成や具体的特性を完全には理解しないで、大豆から油を抽出する方法から取り入れられた。本発明の方法は、任意のバイオマスに向けて設計され、特に、藻類に効果があり、また、先行技術の方法とは異なり、本方法は、大豆には効果を発揮しない。本発明の方法はまた、先行技術で脂質を得るためには高エネルギーが必要になるのとは反対に、低エネルギー法である。
本明細書で用いられる「放出させる」とは、特定のバイオマスの細胞壁から様々な細胞産物(例えば、脂質)を遊離させることを指す。上で記述したように、特に藻類の細胞壁は、非常に強く、ろう様の外層を含む。以前の細胞代謝物抽出方法は、細胞内の代謝産物に接近するために細胞壁を破壊するが、実際には、細胞壁内に捕捉されている代謝産物を遊離させない。上記のようにバイオマスを調整することにより、本発明は、他の方法では接近できない細胞産物を放出させることができる。調整する工程は、外部細胞壁を分解する、浸食性で、腐食性で、かつ消化性のプロセスである。バイオマスに酵素を添加し、電磁パルス印加を行なって、以下でさらに記載されるような調整工程を促進することにより、細胞産物をさらに放出させることができる。以前の方法とは異なり、これらの促進因子は、細胞壁それ自体を破壊しないが、細胞産物を放出させるために内部細胞壁に接近することができる。
本明細書で用いる場合、「懸濁液」は、物質の不均質混合物を指し、「懸濁液」という用語の使用は、不均質混合物中の粒子及び/又は成分の任意の特定の物理的配置を意味するかあるいは本発明をこのような配置に限定することを意図するものではない。
本明細書で用いる場合、「細胞破片」は、固体又は溶媒に溶けない状態で残るバイオマスの部分を指す。これらは、通常、濾過又は重量差による遠心分離などの手段で溶媒混合物から容易に分離することができる粒子である。
本明細書で用いる場合、「水溶性化合物」は、例えば、可溶性無機化合物(例えば、酸、カチオン、アニオン、塩類)、及び可溶性有機化合物(例えば、単糖類、アミノ酸、及びタンパク質)をはじめとする、極性溶媒に溶ける化学的構成成分又は断片である。
最も一般的には、細胞壁を有する藻類などのバイオマスの分画方法は、バイオマス細胞壁を透過処理し、細胞から細胞産物を放出させ、放出された細胞産物を分画及び回収することにより、本発明において提供される。より具体的には、この方法は、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成することと、非極性溶媒を調整されたバイオマスと密に接触させることと、分配して可溶性化合物及び細胞破片を含む極性バイオマス溶液並びに非極性溶媒溶液を得ることとを含む。このプロセスは、図1及び2の流れ図に大まかに示されている。ひとたび極性バイオマス溶液と非極性溶媒溶液が得られてしまえば、これらの溶液をさらに処理(すなわち、分画)して、以下で記載されるようなさらなる産物を回収及び獲得することができる。すなわち、細胞産物と細胞由来産物の両方をバイオマスから回収することができる。
分画の動力学は以下を含む。透過性を調整することにより、極性がありかつ水に溶ける成分をバイオマスから分画することができる。非極性溶媒と密に接触させることにより、脂質などの疎水性成分が取り出される。分配することにより、水に溶ける相が溶媒に溶ける相や細胞破片の層から分離される。この溶媒に溶ける相や細胞破片の層は全て、以下で記載される様々な産物を取り出すためにさらに分画することができる。
バイオマスが藻類である場合、異なる種又は特定のバッチは異なる特性を有する可能性があることが理解されるべきである。それゆえ、本発明は、利用者が様々なプロセス条件、例えば、限定するものではないが、温度、時間、pH、溶媒、あるいは特定の藻類に応じた調節と産生される画分の最大化及び/又は最小化の両方のために用いられる特定の方法を変更することを可能にする。
より具体的には、透過性を調整する工程は、水で加水分解したバイオマスに酸又は塩基を添加することを含む。この工程は、細胞壁の透過性を高め、価値のある炭水化物やタンパク質を可溶化して、細胞から細胞産物を放出させる働きをする。これは、穏やかな加水分解であり、当業者には「本当の」加水分解とみなされない可能性がある。この調整工程の間に、糖類や他の水溶性細胞成分はすぐに調整液(添加された酸/塩基とバイオマス由来の水)へと分画されるので、調整するとすぐにバイオマスの分画が始まる。
無秩序化された細胞物質を生成させるための水和されたバイオマス(又は使用される場合、藻類ペースト)の調整は、これまでに上で記載したような当該技術分野で公知の任意の手段によって行なうことができ、これらには、限定するものではないが、熱への曝露、pH調整剤(酸性薬剤及びアルカリ性薬剤)への曝露、酵素処理(限定するものではないが、セルラーゼによる処理、プロテアーゼによる処理、リパーゼによる処理、もしくはこれらの任意の組合せによる処理を含む)、機械的処理(限定するものではないが、剪断ミキサー、コロイドミル、及びホモジナイゼーションを含む)、浸透圧ショック、溶解性ウイルスによる感染、又はそれらの任意の1つ又は複数の組合せが含まれる。他の実施形態では、水和されたバイオマスの調整は、これまでに記載した方法のうちの1つ又は複数による処理に加えて、バイオマスを上昇した圧力に曝露させることにより達成することができる。
特定の実施形態では、pH調整剤は塩基を含む。pH調整剤が塩基である特定の実施形態では、約8.0、約9.0、約10.0、約11.0、約12.0、又は約13.0の溶液pHに達するように十分量のpH調整剤をバイオマスに添加する。一般に、pHは、7.5から14の範囲に変化させることが好ましい。塩基は、好ましくは、限定するものではないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属由来の他の金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ホウ素、水酸化アルミニウム、ホウ砂、アミノアルコール類、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、プロピルアミン、2−プロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ジグリコールアミン、ジエチルアミン及び他の同様のポリアミン類、又はそれらの混合物である。
調整する工程において酸を用いるとき、バイオマスのpHを1.0から6.5の範囲に変化させることが好ましい。実施例3及び10で示されるように、より強い酸は、全体的により高収率の細胞代謝産物画分を提供することができる。好ましくは、pH調整剤は、有機酸、鉱酸、又はそれらの混合物からなる群から選択される。pH調整剤は、限定するものではないが、酢酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、又は記載した酸の1つもしくは複数の混合物をはじめとする酸であることもできる。好ましい実施形態では、pH調整剤は、硫酸とリン酸の混合物である。混合物は、限定するものではないが、約10%硫酸と約90%リン酸もしくはその逆、約20%硫酸と約80%リン酸もしくはその逆、約30%硫酸と約70%リン酸もしくはその逆、約40%硫酸と約60%リン酸もしくはその逆、又は約50%硫酸と約50%リン酸もしくはその逆を含む、任意の比率であることができる。
バイオマスを、約1分間〜約240分間、約3分間〜約180分間、約5分間〜約120分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約30分間、約10分間〜約20分間、又は指定された範囲内の任意の時間まで、pH調整剤に曝露させることができる。すなわち、非限定的な例として、バイオマスを、最大約1分間、最大約3分間、最大約5分間、最大約10分間、最大約20分間、最大約30分間、最大約45分間、最大約60分間、最大約90分間、最大約120分間、最大約180分間、又は最大約240分間、pH調整剤に曝露させてよい。
調整は、細胞産物の放出を促進するための熱への曝露をさらに含むことができる。本明細書で用いられる、熱への曝露の範囲内に含まれるのは、周囲温度又はそれより高い温度への曝露である。特定の実施形態では、水和されたバイオマスは、約25℃〜約200℃、約45℃〜約150℃、約55℃〜約140℃、又は約60℃〜約130℃の温度範囲に置くことができる。好ましくは、温度は120℃であるが、藻類材料の供給源、藻類材料の種、バッチ間の違い、及び藻類の固有の変動性によって、この数字を変化させることができる。より一般的には、最終的な画分生産高を変えるために温度とpHを変化させることができる。すなわち、条件の変更によって、画分収率を変更することができる。本発明のシステムは、得られる分画を減少又は増加させるために、温度、圧力、又はインキュベーション時間を変動させることができる。様々な温度の分画に対する効果は実施例4に示されている。
バイオマスを、約1分間〜約240分間、約3分間〜約180分間、約5分間〜約120分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約30分間、約10分間〜約20分間、又は指定された範囲内の任意の時間まで、熱に曝露させることができる。すなわち、非限定的な例として、バイオマスを、最大約1分間、最大約3分間、最大約5分間、最大約10分間、最大約20分間、最大約30分間、最大約45分間、最大約60分間、最大約90分間、最大約120分間、最大約180分間、又は最大約240分間熱に曝露させてよい。細胞成分の分画速度は、pHや温度を調整することにより最適化することができる。
無秩序化された細胞物質を生成させるための水和されたバイオマス(又は使用される場合、藻類ペースト)の調整は、2以上の手段の任意の組合せにより、任意の順序又は組合せで行なうこともできる。したがって、例えば、水和されたバイオマスを、上で提示された実施形態の任意の組合せに従って、任意の順序で、pH調整剤と熱に曝露させることにより調整することができる。それゆえ、非限定的な例では、水和されたバイオマスを、バイオマスとpH調整剤を組み合わせて、バイオマスを約25℃〜約200℃の温度に約5分間〜約120分間置くことにより、任意の順序で調整することができる。
特定の実施形態では、利用された調整剤が、本発明の方法のその後の工程に持ち越されることが好ましい。非限定的な例では、酸又は酸の混合物が細胞の調整に用いられる場合、無秩序化された細胞物質が中和されずかつ/又は分画プロセス全体を通して酸性であり続けることが好ましい。
特定の一実施形態では、藻類細胞を低電圧パルス電場に置くことにより、バイオマスの調整を改善し、藻類細胞の空隙率を増加させて、藻類成分(例えば、脂質)の物質移動を高めることができる。導電体を通して流すことにより、バイオマスを繰り返し低電圧パルス電場に置いて、藻類の細胞壁及び細胞膜を部分的に又は完全に開口させ、藻類成分(例えば、脂質)を放出させる。これらの電気パルスは、バイオマスの電気伝導度、希釈、電圧、電流、パルス持続時間、パルス周波数、及びパルス電場接触器の形状によって決められる。これらのパルスは、マイクロ秒からミリ秒の範囲であることができる。パルス電場の電圧は、1〜150ボルトの範囲、及びより好ましくは2〜15ボルトであることができる。
特定の一実施形態では、実施例17に示すように、藻類細胞を高電圧パルス電場に置くことにより、バイオマスの調整を改善し、藻類細胞の空隙率を増加させて、藻類成分の物質移動を高めることができる。一連の導電体を通して流すことにより、バイオマスを繰り返し強い電束に置いて、藻類の細胞壁及び細胞膜を部分的に又は完全に破裂開口させ、藻類成分(例えば、脂質)を放出させる。これらの電気パルスは、バイオマスの電気伝導度、希釈、電圧、電流、パルス持続時間、パルス周波数、及びパルス電場接触器の形状によって決められる。これらのパルスは、マイクロ秒からミリ秒の範囲であることができる。パルス電場の電圧は、150〜9000ボルトの範囲、及びより好ましくは1500〜3000ボルトであることができる。
調整する工程の後、密に接触させる工程を実施する。密に接触させる工程は、好ましくは、単一の非極性有機溶媒(例えば、ヘキサン)又は極性有機溶媒の混合物(例えば、ヘキサンとエタノール)を用いて実施される。これら溶媒は、疎水性でかつ非極性の成分(例えば、バイオマス細胞由来の脂質)を溶媒中に分画することができる。実施例5〜7にも様々な溶媒が記載されている。
有機溶媒は、バイオマスの脂質画分が可溶であるような、当該技術分野で公知の任意の非極性溶媒であることができる。特定の実施形態では、有機溶媒は石油蒸留物である。本発明とともに使用可能な特定の非極性溶媒としては、限定するものではないが、四塩化炭素、クロロフォルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ブタン異性体、ヘプタン異性体、ヘキサン異性体、オクタン異性体、ノナン異性体、デカン異性体、メチル−tert−ブチルエーテル、ペンタン異性体、トルエン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、石油スピリット(最大C12)及び2,2,4−トリメチルペンタンが挙げられる。好ましくは、非極性溶媒は、ヘキサン、ヘキサン異性体、ヘプタン異性体、又はそれらの混合物からなる群から選択される。より好ましくは、非極性溶媒は、ヘキサン、イソヘキサン、又はネオヘキサンである。
特定の実施形態では、非極性溶媒は、少なくとも5重量%、少なくとも約6重量%、少なくとも約7重量%、少なくとも約8重量%、少なくとも約9重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、及び少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%又は少なくとも約50重量%のバイオマス−溶媒混合物を含む。特定の実施形態では、非極性溶媒は、約80重量%未満、約70重量%未満、約60重量%未満、約50重量%未満、約40重量%未満、約30重量%未満、約25重量%未満、約20重量%未満、又は約10重量%未満のバイオマス−溶媒混合物を含む。さらに、非極性溶媒の重量%は、上記の限度の包含範囲内であり得ることが当業者に理解されるであろう。特定の非限定的な例では、非極性溶媒は、約6重量%〜約80重量%、約10重量%〜約70重量%、約20重量%〜約60重量%、約10重量%〜約40重量%、約20重量%〜約40重量%、又は約25重量%〜約35重量%のバイオマス−溶媒混合物を含み得る。
さらに、細胞代謝産物の最適収率は、本発明の方法において用いられる非極性溶媒に対する極性溶媒の相対量に依存することが分かっている。最適条件は、本明細書に含まれる教示を考慮して、当業者により容易に導き出され得る。好ましくは、非極性溶媒は、約10重量%〜約40重量%のバイオマス−溶媒混合物を含む。
具体例として、実施例5に示すように、脂質収率をより高くするために、バイオマス:水:ヘキサンの比を1:15:15とすることができる。あるいは、操作コストを抑えるために水とヘキサンの量を一定に保つ必要がある大規模プロセスで脂質収率を高くするために、比を1:6:5とすることができる。
極性溶媒は、水と溶媒の混合物を含むことができる。他の溶媒又は溶媒の混合物(例えば、ヘキサンとメタノール、もしくはヘキサンとエタノールとメタノール)を用いることができる。好ましくは、バイオマス溶液は、溶媒が添加される時に80℃であるが、他の温度(例えば、約60℃〜120℃)を用いることもできる。任意の他の好適な溶媒又は組合せを用いることができる。他の極性溶媒としては、限定するものではないが、低分子量アルデヒド、ケトン(例えば、アセトン)、脂肪酸、典型的には6個未満の炭素鎖を有するアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、及びプロパノール)、並びにギ酸、酢酸及びプロピオン酸が挙げられる。さらに、極性溶媒としては、本発明に従って非極性溶媒として用いることもできる両親媒性溶媒を挙げることができる。当該技術分野で公知の特定の極性溶媒及び両親媒性溶媒が本発明の範囲内に含まれ、当業者により容易に選択され得る。好ましい実施形態では、藻類ペーストの非固体部分は水を含む。水は、限定するものではないが、塩(限定するものではないが、塩化ナトリウム及び硫酸アンモニウムを含む)、緩衝剤(限定するものではないが、HEPES、TRIS、MES、重炭酸アンモニウム、及び酢酸アンモニウムを含む)、洗浄剤(限定するものではないが、SDS、コール酸、C16TAB、Triton X、及びTweenを含む)又はカオトロピック剤(限定するものではないが、尿素及び塩化グアニジンを含む)、並びに酵素阻害剤(限定するものではないが、プロテアーゼ阻害剤及びDNAアーゼ阻害剤を含む)をはじめとする添加物を含むことができる。ペーストの非固体部分が水を含む場合、塩濃度は、0から約10重量%までの範囲であり得る。特定の実施形態では、塩濃度は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%もしくは約10%、又は約0〜5%、約5〜10%、約1〜9%、約2〜8%、もしくは約3〜7%の範囲であり得る。
次に、無秩序化されたバイオマスと溶媒の混合物は、多相懸濁液を形成するのに十分な時間、又は特定の実施形態では、バイオマスと極性溶媒及び非極性溶媒を、密接に、近接して、及び繰り返し接触させて、代謝産物分画を達成するのに十分な時間及び装置内で、接触工程を経る。本質的には、接触は、非極性溶媒に溶ける化合物(例えば、脂質)を非極性溶媒中に可溶化し、極性のある親水性又は混和性の化合物を水とともに保持する働きをする液体/液体抽出をもたらす。次に、脂質又は非極性溶媒に溶ける化合物を溶媒中に保持する。
非極性溶媒溶液中の化合物が極性又は非極性であり得ることや、非極性溶媒溶液中の化合物が、その脂質特性や疎水性特性のために、この溶液中にとどまることが理解されるべきである。タンパク質、炭水化物、及び水混和性化合物は、水相(極性溶媒)に保持され、親水性、すなわち、水溶性である。すなわち、これらの特性のいずれかに基づいて、化合物を分離することができる。タンパク質を放出させて、一部を短いペプチドやアミノ酸に分解させる。複合炭水化物を細胞塊から大部分放出させて、水溶性化によって分配し、加水分解で分解し、単糖を形成する。これにより、水溶性の他に、この産業において周知の方法で燃料源に変換することが簡単であることなどの、多くの利点が与えられる。調整する工程の後に溶媒を添加することが好ましいが、溶媒を調整と同時に添加して、水に溶ける細胞成分と溶媒に溶ける細胞成分の両方の放出と抽出を同時に行なうこともできる。
本質的には、この工程において、今や透過性の藻類細胞を溶媒と密に接触させる。密に接触させる工程の効果的な目標は、溶媒中に分画されることが望ましい産物から細胞を洗い落とすか又は洗い流すことである。
本明細書では別名、非極性溶媒溶液として知られる非極性(疎水性)相(脂質を含む)と、本明細書では別名、水溶性溶液として知られる極性(親水性)相(バイオマス及び細胞破片を含む)とを含む多相懸濁液を形成するのに十分な時間、バイオマス−溶媒混合物を接触させる。これは、歯車ポンプ、キャビテーション、及び/又は衝撃波を用いて達成することができる。好ましくは、無秩序化された細胞物質を極性溶媒と非極性溶媒を含む溶媒ブレンド(もしくは非極性溶媒)と混合した直後にバイオマス−溶媒混合物を接触工程に供するか、又は接触の適用と同時に溶媒ブレンド(もしくは非極性溶媒)を無秩序化された細胞物質に添加する。接触プロセスはバイオマス細胞を破壊するのではなく、細胞を撹拌及び混合し、その上、溶媒相を、エマルジョンの形成を伴わずに、調整されたバイオマス極性相と密に接触させることが理解されるべきである。
バイオマス−溶媒混合物を十分に密に接触させることは、当該技術分野で公知の任意の手段、特に、限定するものではないが、機械的ポンピング、ホモジナイゼーション(限定するものではないが、コロイドホモジナイザー、ローター/スターターホモジナイザー、ダウンスホモジナイザー、ポッターホモジナイザーなどの使用を含む)、超音波処理、ボルテックス、キャビテーション、剪断、破砕、粉砕、振盪、混合、ブレンディング、ハンマリング、又は任意のそれらの組合せをはじめとする機械的又は電磁的手段によって達成することができる。特定の実施形態では、バイオマス−溶媒混合物を、多相懸濁液を形成するのに十分な時間、又は特定の実施形態では、バイオマスと極性溶媒及び非極性溶媒を、密接に、近接して、及び繰り返し接触させて、代謝産物分画を達成するのに十分な時間、ホモジナイザーに通す。バイオマス−溶媒混合物をバッチで又は連続的な様式でホモジナイズすることができる。
バイオマス−溶媒を接触させるのに最適な時間は、利用される特定の溶媒や条件によって決まり、本明細書における教示を考慮して、当業者により容易に確認され得る。特定の実施形態では、バイオマス−溶媒混合物を約3秒間〜約120分間、接触に曝露させる。他の実施形態では、バイオマス−溶媒混合物を、約30秒間〜約90分間、約1分間〜約60分間、約1分間〜約30分間、約1分間〜約20分間、約5分間〜約20分間、約5分間〜約15分間、又は約10分間〜約15分間、接触に曝露させる。
本発明に従って、接触プロセスをバイオマス−溶媒混合物に適用することにより、分画された脂質を含む非極性相(非極性溶媒溶液)と、分画されたバイオマスを含む極性相(極性バイオマス溶液)とを含む多相懸濁液が得られる。特定の実施形態では、懸濁液は、固体の非可溶性残留バイオマスを含む可能性もある。
代わりのタイプの密な接触プロセスは、ポンプシステムを利用する圧力の周期的変動(pressure pulsation)である。このようなポンプは急速に圧縮及び放出し、溶媒を細胞の内外に流し、動的フラッシング効果を生み出す。この流体力学的効果により、細胞内成分の溶媒洗浄がより効率的になる。ミキサーの刃と刃の間での激しい剪断混合によって、局所的な圧力の周期的変動が生じ、同様の効果が得られることに留意すべきである。
密な接触の別の方法は、流体を正パルスと負パルスが交互になった帯電域に流すことである。この電気流体力学的プロセスによって、物質移動がより良好になる。
特定の一実施形態では、パルス電場を用いて、バイオマスと溶媒の密な接触を増加させることができる。水和されたバイオマスと非極性相に電気パルスをかけて、ある液相の液滴のサイズを縮小して別の液相にすることができる。このような液滴の粉砕により、ある液相の別の液相中への分散が増大し、藻類細胞から溶媒への藻類細胞成分(例えば、脂質)の物質移動が増大する。電気パルスは、バイオマスの電気伝導度、溶媒、希釈、電圧、電流、パルス時速時間及びパルス周波数、並びにパルス電場接触器の形状によって決まり得る。
密に接触させる工程の後、分配する工程によって、水溶性の水相(極性バイオマス溶液)と非極性溶媒溶液が分離される。また、界面相が、極性バイオマス溶液と、上で残留バイオマスと表されている、微細藻類細胞の破片及び不溶性タンパク質及び炭水化物、並びに糖脂質を含む非極性溶媒溶液との間に生成される。分配する工程は、当該技術分野で公知の手段によって達成することができる。例えば、簡単なデカンテーションができるように、溶液を操作することができる。機械的な重量分離(例えば、遠心分離)、及び圧力の変化、超音波処理、加熱又は多相懸濁液への油水解乳化剤の添加を行なうこともできる。これに関連して用いられる場合、「遠心分離」は、遠心力を利用する任意の装置又は手段の使用を指す。特定の実施形態では、非極性相は、手段の組合せにより単離し得る。したがって、例えば、多相懸濁液を熱にかけ、その後、遠心分離にかけることにより、非極性相を単離し得るが、そのように限定するつもりはない。本明細書では具体的に言及されていない非極性相を単離するための代わりの方法は、当業者により容易に考案され得る。
特定の実施形態では、非極性溶媒溶液を、油水解乳化剤を添加することにより単離する。本発明とともに用いられ得る解乳化剤の非限定的な例としては、脂肪酸、脂肪酸エステル、芳香族ナフサ、重質芳香族ナフサ、ナフサ及びオキシアルキル化樹脂、有機スルホン酸、脂肪族炭化水素及びオキシアルキル化樹脂、オキシアルキラートブレンド、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、並びにエトキシ化ノニルフェノール及び酢酸カリウムが挙げられる。
特定の実施形態では、無秩序化されたバイオマス非極性溶媒溶液を、多相懸濁液を加熱することにより分配する。多相懸濁液を、約25℃〜約200℃、約55℃〜約180℃、又は約70℃〜約170℃の温度に置くことができる。多相懸濁液を、約1分間〜約240分間、約3分間〜約180分間、約5分間〜約120分間、約5分間〜約60分間、約10分間〜約30分間、約10分間〜約20分間、又は指定した範囲内の任意の時間まで、熱に曝露させることができる。すなわち、非限定的な例として、バイオマスを、最大約1分間、最大約3分間、最大約5分間、最大約10分間、最大約20分間、最大約30分間、最大約45分間、最大約60分間、最大約90分間、最大約120分間、最大約180分間、又は最大約240分間、熱に曝露させることができる。
本発明のシステムは開放システム又は閉鎖システムであることができるが、放出された揮発性物質を再び回収するために、及び溶媒と水が、より高い(例えば、100℃を超える)温度で沸騰してなくなるのを防ぐために、システムは閉鎖システムであることが好ましい。
特定の一実施形態では、パルス電場と静電力をバイオマスと溶媒の混合物全体に印加して、極性相と非極性相の分離を促進することができる。この改善により、藻類細胞成分の回収が増す。電気パルスは、バイオマスの電気伝導度、溶媒、希釈、電圧、電流、パルス時速時間及びパルス周波数、並びにパルス電場接触器の形状によって決まり得る。
相を分配した後、各相を分画し、さらに個別に処理して、所望の産物を単離することができる。以前の方法は、細胞産物を分画するのではなく、重要な抽出物をただ単離する働きをし、残留塊を混合状態のまま残し、さもなければ、応用や産物のさらなる変換を制限する。本発明は、分画を用いることにより、脂質から離れた価値のある産物を得ることができる。極性バイオマス溶液及び非極性溶媒溶液から産物を回収した後、産物をさらに精製することができる。
非極性溶媒溶液は産物を含み、この産物としては、テルペノイド類(例えば、ステロール類及びカロテノイド類);クロロフィル、リン脂質、糖脂質、スフィンゴ脂質、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、脂肪酸、脱カルボキシル化脂肪酸炭化水素鎖、脂肪酸のメチルエステル、他の脂質産物、アルキル芳香族化合物及び炭化水素鎖が挙げられる。脂肪酸のメチルエステルは、処理中にメタノールを添加することなく、本発明により産生されることに留意すべきである。少量の遊離メタノールが、本発明により生成される非極性溶媒溶液中に見られることもある。
次に、蒸留により抽出されたトリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、及び長鎖脂肪酸(C14−C24)は、エタノール又はメタノール及び触媒を添加することにより、エステル交換工程(トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、もしくはモノアシルグリセロールの場合)又はエステル化工程(遊離脂肪酸の場合)を経ることができる。モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、トリアシルグリセロール、及び長鎖脂肪酸(C14−C24)をはじめとする、これらの脂質は、微細藻類の大部分の脂質成分からなるが、これらの全てが、燃料として直接使用できるというわけではない。バイオディーゼルとしての長鎖アルキルエステルを生成させるためには、メタノール又はエタノールによるアシルグリセロールのエステル交換と脂肪酸のエステル化が必要となる。精製された油相を分離すると、直接的なガソリン代替物であるバイオディーゼルとしての炭化水素を含む最終的な藻類油産物と、価値の高い脂質とが産生される。リンとポリ脂質は、ジグリセリドとホスホコリンに変換することができる。トリグリセリドは、グリセリンとFFA(遊離脂肪酸)に変換することができる。さらに、魚飼料産業で使用するためにアスタキサンチンを抽出することができ、栄養補助食品で使用するために抗酸化剤を抽出することができ、価値の高いω3−食品添加物製品を製造するためにトリグリセリド及び/又は脂肪酸エステルをさらに精製することができる。
有機溶媒に溶ける化合物は、限定するものではないが、従来の蒸留、抽出蒸留又は共沸蒸留、蒸発、選択的吸収(例えば、クロマトグラフィー)、遠心分離、膜濾過又は濾過をはじめとする、当該技術分野で公知の手段により、非極性溶媒溶液から単離することができる。脂質を非極性溶媒溶液の蒸留により回収する場合、蒸留は、適度な温度(例えば、40℃〜120℃)で、周囲圧力又は真空下にて行なうことができる。当業者であれば、最適な蒸留条件を容易に確認することができる。溶媒蒸留では、図2に示すような混合工程に溶媒を戻して再循環させることができる。
非極性溶媒溶液からそのようにして単離された脂質を直接用いることができるか、又はその意図された目的に従ってさらに処理することができる。例えば、脂質画分を脱色のために処理することができる。一例として、色が燃料の販売及び性能基準である場合、微細藻類油の深緑色の色素沈着は、バイオディーゼル生産者に対して下流での処理の難しさをもたらし得る。脱色には、活性炭処理、微小濾過などが含まれ得る。脂質を不凍化する(winterized)(すなわち、冷やして、高融点物質や懸濁固体を沈殿させる)こともできる。
場合により、本方法は、天然炭化水素を単離することと、半揮発性物質や他の有機化合物などの価値のある炭化水素誘導体の形成を触媒することとをさらに提供する。本発明は、芳香族炭化水素、置換ベンゼン誘導体、並びに分岐鎖及び直鎖のアルカン及びアルケン(例えば、限定するものではないが、トルエン、キシレン、スチレン、トリメチル−ベンゼン、2−エチル−トルエン、1−メチル−3−プロポピル−ベンゼン、テトラメチル−ベンゼン、メチル−プロペニル−ベンゼン、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、ヘプタデカン、ヘプタデセン)、イソプレノイド断片(例えば、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン、2,5,−ジメチルヘプタン、2,4,6−トリメチルヘプタン、3,3−ジメチルオクタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン、2,2,3,4−テトラメチルペンタン、2,2−ジメチルデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2,4,4−トリメチルヘキサン、4−メチルデセン、4−メチルデカン、3,6−ジメチルオクタン、2,6−ジメチルウンデカン、2,2−ジメチルヘプタン、2,6,10−トリメチルドデカン、5−エチル−2,2,3−トリメチルヘプタン、2,5,6−トリメチルデカン、2,6,11−トリメチルドデカン)、及び前述の化合物の異性体に限定されない群から選択される有機化合物の分離及び形成を提供する。特定の理論に束縛されることを望むものではないが、これらの炭化水素化合物は、藻類に固有でありかつ全ての種に見出すことができる藻類炭化水素化合物及び他の有機化合物(例えば、α−及びβ−カロテン、アスタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、並びにリコピン)からの分解産物であり、藻類を太陽光から守る働きをする。その収穫前処理、並びに本発明の工程で用いられるpH、温度、及び溶媒比のプロセス条件に基づいて、様々な量の半揮発性物質を藻類に見出すことができる。これらの半揮発性物質やカロテノイド類をジェット燃料の成分として用いることができる。図5は、他の抽出された非極性化合物に関して半揮発性化合物を示している。
いくつかの実施形態では、本発明は、価値のある水溶性生体代謝産物の分画と同時に、代謝産物をより価値の高い化合物にする反応を触媒することを提供する。場合により、透過性を調整する工程は、細胞壁透過性を改善し、また、複合極性化合物を分解して縮小又は置換されたより価値の高い化合物にする働きをする。温度とpHは、極性化合物を分画し、派生産物の形成を触媒する上で重要な役割を果たす。特に、本発明は、炭水化物の単糖への縮小と、タンパク質の短いペプチドやアミノ酸への分解とをもたらす。
水溶性相は、極性バイオマス溶液とも表されているが、これは、アミノ酸、可溶性タンパク質、ペプチド、繊維、栄養素、可溶性炭水化物(単糖類、二糖類、オリゴ糖類、及び多糖類)、単純な有機酸及びアルコール類、リン酸塩、並びにホスホコリンで独特に濃縮されている。アミノ酸としては、限定するものではないが、トリプトファン、システイン、メチオニン、アスパラギン、トレオニン、セリン、グルタミン、アラニン、プロリン、グリシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、及びアルギニンを挙げることができる。炭水化物としては、限定するものではないが、セロビオース、グルコース、キシロース、ガラクトース、アラビノース、及びマンノースを挙げることができる。単純な有機酸及びアルコール類としては、限定するものではないが、リンゴ酸、ピルビン酸、コハク酸、乳酸、ギ酸、フマル酸、酢酸、アセトイン、グリセロール、メタノール、及びエタノールを挙げることができる。極性バイオマス溶液中に含まれる残留細胞破片は、タンパク質と繊維が豊富であり、従来の液体/固体分離技術によって水溶液や化合物から分離することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、価値のある生体代謝産物の分画と同時に、代謝産物をより価値の高い化合物にする反応を触媒することを提供する。いくつかの実施形態では、液体化合物に触媒作用を及ぼして、脂肪エステルを形成する。上記のように分配した後にエステル交換工程を実施する代わりに、分配する前にエステル交換を実施する。このプロセスは、酸の添加により水に懸濁した藻類バイオマスの透過性を調整してpH調整溶液を形成し、pH調整溶液をアルコール(例えば、エタノール又はメタノール)と混合し、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行ない、溶液を分配し、極性バイオマス溶液と非極性溶媒溶液を得、非極性溶媒溶液と極性バイオマス溶液から細胞産物を回収することにより達成される。
外因性の触媒の存在下又は非存在下において、混合する工程は、アシルグリセロールのエステル交換又は調整する工程の酸加水分解によって形成された遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう働きもする。本明細書において、酸は、エステル交換、エステル化、及び加水分解反応の触媒として働く。この反応は、適度な温度及び圧力で達成可能である。適切な処理条件では、これらの反応により、メチルもしくはエチルエステル又はバイオディーゼルが直接的に又は抽出と一体で生成される。操作条件や藻類バイオマス脂肪酸プロファイルによっては、全ての脂肪酸が、この経路でエステル交換又はエステル化されるわけではない。エステル及び残存脂質は、有機溶媒に溶ける化合物であり、溶媒中に保持される。タンパク質及び炭水化物、並びに水混和性化合物は、水相中に保持される。
上記の方法に見られる分配する工程は、水に溶ける水性相と非極性溶媒に溶ける相を分離し、当該技術分野で公知の手段で達成される。例えば、簡単なデカンテーションができるように溶液を操作することができる。機械的な重量分離(例えば、遠心分離)を行なうこともできる。
相を分配した後、各相をさらに個別に処理して、所望の産物を得ることができる。エステルをはじめとする非極性溶媒に溶ける化合物は、限定するものではないが、蒸留などの当該技術分野で公知の手段で非極性溶媒に溶ける相から単離することができる。極性バイオマス溶液を、上記の方法で記載されたようにさらに処理することができる。アルコール/溶媒/脂質混合物を、蒸留又は他の分離方法によって分画し、極性中性脂質、脂肪酸エチルエステル、及び溶媒に溶ける極性脂質を回収することができる。これは、通常、最初に溶媒を除去し、その後、脂質から残留水を全て分離するために、2工程で行なわれる。溶媒を再利用し、プロセスに再循環させることができる。有機混合物を、バイオディーゼル、TG、グリセリン、極性中性脂質などのような下流の用途別にさらに精製する。
いくつかの実施形態では、極性バイオマス溶液は、微細藻類の従属栄養性増殖、又は消化に関する微生物機能(図3及び4に示すような直接的な酵母発酵)によるさらなる産物又は液体燃料生成の基質として好適な豊富な凝集体溶液として働く。この溶液は、単糖類や無機塩類や代謝産物(例えば、酵母発酵又は従属栄養性藻類産生の速やかな拡大を促進するためのアミノ酸及びリン酸塩)などの所望の栄養素で濃縮された独特の混合物である。必要に応じて、この基本培地に、追加の有機炭素と、溶存無機栄養素(例えば、フルクトースなどの追加の炭水化物)又は追加の栄養素(例えば、塩化カルシウム、リン酸カリウム、溶存アミノ酸、溶存有機及び無機窒素)のカスタムブレンドを補充することができる。
別の態様では、本発明は、水性バイオマス溶液を酵素加水分解させ、次いで酵母発酵させて、アルコール、二酸化炭素及びタンパク質濃縮物を生成させる方法をさらに提供する。本方法は、(a)本プロセス、対向流処理又は当該技術分野で公知の手段における再循環ループによって、水性調整剤中の極性バイオマス溶液中に溶解及び懸濁された価値のある化合物を濃縮することと、(b)ヒドロラーゼの任意の好適な組合せを用いた酵素加水分解によって、残留バイオマス固体の液化及びサクリフィケーションをもたらし、必要に応じて水溶液に追加の固定炭素と溶存無機栄養素のカスタムブレンドを補充することと、(c)糖類、アミノ酸、藻類抽出物、及び栄養素を利用して、アルコールと二酸化炭素を増加及び生成させる発酵プロセスにおいて、酵母の選択株又は2種以上の酵母株の組合せを用いて、濃縮混合溶液を消化することとを含む。
場合により、発酵させる前に、限定するものではないが、セルラーゼ複合体(NS50013)、β−グルカナーゼ(NS50012)、及びβ−グルコシダーゼ(NS50010)をはじめとする市販のヒドロラーゼ(Novozymes)を含む、任意の好適なヒドロラーゼを用いて、極性バイオマス溶液に対して酵素加水分解を行なうことができる。実施例12に示すように、酵素加水分解を用いることによって、グルコース、セロビオース、ガラクトース、及びマンノースの収率を増加させることができる。これらの産物の収率の増加により、より良好な増殖培地組成及び後の発酵のためのより良好な組成が得られる。
別の態様では、本発明は、混合栄養生物によるか、従属栄養生物によるか、又は化学独立栄養生物による生物学的産生を支持するための基本的な基質又は生物学的増殖培地としての水性バイオマス溶液の利用を対象とする。本方法は、(a)本プロセス、対向流処理又は当該技術分野で公知の手段(例えば、蒸発又は膜分離)における再循環ループによって、水性調整剤中の極性バイオマス溶液中に溶解及び懸濁された価値のある化合物を濃縮することと、(b)水溶液に追加の固定炭素と溶存無機栄養素のカスタムブレンドを補充することと、(c)所望の産物の生産に最も適した生物、例えば、従属栄養性藻類もしくは真菌、混合栄養性藻類(例えば、クロレラもしくはドゥネリアラ)を、専用生産系において又は脂質を増やす操作として播種することとを含む。
上記の脂質抽出後工程では、残留脂肪酸をもう一度抽出することができるか、又はさもなければトウモロコシの蒸留副産物もしくはトウモロコシの油除去物と大体同じように分離することができるように、混合栄養生物、従属栄養生物、又は化学独立栄養生物によって残留脂肪酸が消費されないことが好ましい。外的な生産プラットフォームに重要栄養素として適用するために、選択された混合栄養生物、従属栄養生物、又は化学独立栄養生物が、代謝によって残留有機リンを可溶性無機リンに変換する働きをすることも好ましい。この新規なプロセスにとって重要なのは、生物学的消化によって固体細胞構造画分が大いに減少又は消失し、ほぼ完全な可溶性代謝産物が得られるという発見であった。すなわち、ここでは、大半のタンパク質は分解されて、アミノ酸又は可溶性ポリペプチドになる。炭水化物は、もとの加水分解によるか又は消化プロセスによるかを問わず、消費される。
別の態様では、本発明は、アルコール、二酸化炭素及びタンパク質濃縮物を生成させる、酵母、細菌、藻類、又は真菌を用いた、水性バイオマス溶液の酵母発酵の方法をさらに提供する。本方法は、(a)本プロセス、対向流処理又は当該技術分野で公知の手段における再循環ループによって、水性調整剤中の極性バイオマス溶液中に溶解及び懸濁された価値のある化合物を濃縮することと、(b)水溶液に追加の固定炭素と溶存無機栄養素のカスタムブレンドを補充することと、(c)次に、糖類、アミノ酸、及び栄養素を利用して、アルコールと二酸化炭素を増加及び生成させる発酵プロセスにおいて、酵母の選択株又は2種以上の酵母株の組合せを用いて、濃縮混合溶液を消化することとを含む。
本発明の別の態様では、分画プラットフォームから産生される残留酸を、上記のような基本培地に補充される追加の炭水化物を消化し、減少させる働きをするサクリフィケーション及び液化溶液として使用すると有利に役立つ。
実施例15に示すように、全ての成分を処理することができる酵母を用いることにより、より収率が高いアルコールを得ることができる。極性バイオマス溶液中に存在する炭水化物や糖類の様々な種類に応じて、様々な種類及び株の酵母を用いることができる。
いくつかの実施形態では、分画された水性代謝産物のアルコール発酵のプロセスにおいては、次に、アルコールと水の溶液を精製して、固体を除去し、分画プロセスにおいて水アルコール混合物として再利用することができる。場合により、アルコールを抽出溶媒及びエステル化溶媒として用いることができる。これにより、プロセス効率が与えられる。このため、発酵プロセスによってアルコールが生成されるので、水から残留溶媒を除去する必要性が最小限に抑えられ、それゆえ、アルコール蒸留は、発酵後に1回しか必要とされない。二酸化炭素を濃縮し、別の再循環ストリームにおける藻類バイオマス生産で再利用することができる。本発明の方法は、精製水を得て、プロセスの任意の工程、好ましくは藻類栽培に戻して再循環させ、廃水処理の必要性を減らすことができるという点でさらに独特である。
別の実施形態では、上記のエステル化方法をアルコールの産生と特に組み合わせる方法を提供する。上記のエステル化方法の工程を実施して、極性バイオマス溶液と非極性溶媒溶液を得る。この時点で、場合によっては、極性バイオマス溶液を、さらに処理するためにアルコールを残して戻すか、又はアルコールを十分に除去して炭水化物の適度な発酵を可能にするようにさらに処理することができる。
別の実施形態では、実施例15でさらに記載されるように、発酵後画分を、さらなる代謝産物分画に影響を及ぼすよう、さらに処理することができる。場合により、実施例12に記載の本分画発明を繰り返すことにより、発酵後リカーを処理することができる。
別の実施形態では、発酵後に得られる溶液は、ごく少量の懸濁固体と高濃度の溶解又は混和懸濁された化合物とを含む傾向がある。これは、タンパク質、アミノ酸、及び脂質のさらなる利用及び精製を可能にする新規の条件である。この場合には、さらなる代謝産物放出が観察されており、リカー溶液をさらに処理して、従来的な分配及び単離手段(例えば、遠心分離又は濾過)で代謝産物分画にさらに影響を及ぼし、分離に影響を及ぼすことができる。
別の実施形態では、酵素加水分解後に得られる溶液は、ごく少量の懸濁固体と高濃度の溶解又は混和懸濁された化合物とを含む傾向がある。これは、タンパク質、アミノ酸、及び脂質のさらなる利用及び精製を可能にする新規の条件である。この場合、さらなる代謝産物放出が観察されており、リカー溶液をさらに処理して、従来的な分配及び単離手段(例えば、遠心分離又は濾過)で代謝産物分画にさらに影響を及ぼし、分離に影響を及ぼすことができる。
酵母発酵の間、蒸留アルコールを、燃料アルコールの産生に用いるか又は上記のエステル交換工程に戻すことができる。さらに、残留酵母細胞を遠心分離で回収して酵母抽出物を産生することができ、別の副産物COを、限定するものではないが、藻類増殖用の池などの藻類栽培部分に戻して再循環させることができる。発酵後画分中の未分画脂質成分の量に応じて、実施例15に示すように、反復分画を行なって、藻類油の収率を最大化することができる。脂質成分が反復分画によって枯渇し、炭水化物が酵母発酵によって使い果たされる場合、従来のアルカリ可溶化及び酸沈殿を用いて、高含量タンパク質を単離及び精製することができる。生成されたタンパク質産物は、家畜飼料や魚飼料の添加物として又はより価値の高い産物(例えば、アミノ酸)を生産するために用いることができる。あるいは、農業用固体乾燥基質を、脂質と炭水化物が使い果たされた発酵後画分に直接添加して動物飼料を作るか、又は乾燥ディスティラーズグレイン、挽いたトウモロコシ穂軸、粉砕したトウモロコシ茎葉、もしくは他の農業用乾燥基質を用いて、加工成形されたナゲットもしくは顆粒を提供することができる。動物に与えるか又は魚もしくはヒト用の農業用製剤において使用することができるタンパク質の固形又はシロップ製品を作製することができる。
非極性可溶性溶液及び極性バイオマス溶液中に異なる産物を取り出すために、上記の工程の様々な態様を改変することができることが理解されるべきである。例えば、様々なpHの様々な酸を透過性を調整する工程で用いることができる。実施例10に示すように、より低いpHによって、より高収率の単糖類が得られる。様々な溶媒を、密に接触させる工程で用いることができる。様々な酸と様々な溶媒の組合せを用いることができる。また、各溶液中の産物の産出量をカスタマイズするために、上記の温度と圧力を変化させることができる。
酵母発酵の場合、極性バイオマス溶液は、分画で用いられるアルコールが、発酵により産生されるアルコール(例えば、エタノール又はブタノール)と一致するように完全に脱溶媒化する必要がない。これは、総合的な精製又は反復精製を縮小するのに役立つ。従属栄養藻類の増殖又は細菌消化の場合、溶液は脱溶媒化する必要がある。産生されたバイオマスは、サイドストリームで又は光栄養藻類を用いて処理される。アルコールの場合、この溶媒の産生は、外からの化石燃料石油化学消耗品がほとんど又は全く必要ないようなプロセスにおける脂肪アシルエステル変換で消費される任意の溶媒を供給するのに役立つ。
発酵後に残存する最終的な水画分は、タンパク質とアミノ酸で独特に濃縮されている。これらの成分の濃縮と分画は周知である。藻類を生産する目的で、残留高タンパク質水を消化し、栄養素(例えば、窒素やリンや他の微量栄養素)を捕捉することができる。
水に懸濁されたバイオマスの透過性を調整してpH調整溶液を形成し、バイオマス中から細胞産物を放出させ、pH調整溶液を少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させ、分配して極性バイオマス溶液と非極性溶媒溶液を得ることにより、バイオマスを分画する方法を実施することもできる。分配後、以下の工程、すなわち、透過性を調整する工程、放出させる工程、密に接触させる工程、及び得る工程を繰り返すことによって、極性バイオマス溶液を濃縮する工程と、濃縮された溶液を酵母を用いて発酵させる工程と、発酵後画分中の未分画脂質成分から脂質を得る工程とを実施する。これらの工程は各々、上で記載されている。この方法によって、脂質を反復して分画し、全体的な脂質収率を増大させることができる。
透過性を調整する工程が実施される前、又は本プロセスの様々な工程において、様々な添加物を藻類栽培部分に添加することができる。例えば、本発明のプロセスは、透過性調整を実施する前に図2に示す収穫工程に加工デンプンを添加する工程を含むこともできる。凝集剤は藻類をくっつけるので、現在、藻類の回収を助けるために凝集剤が藻類栽培部分に添加されている。しかしながら、凝集剤は、最終産物における汚染物質であり、除去されなければならない。それゆえ、最終産物を汚染しない凝集剤を用いることが有利である。加工デンプンを収穫時に添加することができ、極性バイオマス溶液中に分画することは容易であり、また、加工デンプンは、追加の糖を添加する必要がないか、又は減らした量の糖を添加して、操業コストを減らすことができるように、発酵/消化工程で酵母に利用可能な糖の量も増加させる。加工デンプンは当該技術分野で公知であり、米国特許第5,928,474号;同6,033,525号;同6,048,929号;同6,699,363号に記載されているように調製することができる。
また、糖類を添加して、様々なアルコール産物を得ることができる。光栄養生物を添加して、藻類の油産生を増大させることができる。すなわち、藻類増殖を操作することができ、プロセスの初期段階(藻類栽培)で又は必要に応じて様々な工程で添加物を添加することにより、特定の最終産物を得ることができる。
本発明はまた、藻類を増殖させ、処理するための再生可能でかつ持続可能なプラントを操作する方法を提供する。この方法は、栽培部分で藻類を増殖させ、藻類を収穫し、藻類の透過性を調整してpH調整溶液を形成し、藻類の中から細胞産物を放出させ、pH調整溶液を少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させ、溶液を分配し、非極性溶媒溶液と極性バイオマス溶液を得、極性バイオマス溶液からから増殖培地と二酸化炭素を得、再生可能でかつ持続可能な操作のために二酸化炭素と増殖培地を藻類池に再循環させることにより実施される。これらの工程は各々、上で詳細に記載されている。極性バイオマス溶液と非極性溶媒溶液によって、多くの異なる産物を得ることができるが、特に、二酸化炭素と増殖培地を用いて藻類を増殖させ、それによりコストを削減し、自給自足する製造プラントを作り出すことができる。
本質的に、本製造プラントは、総合生物精製所である。生物精製所は、通常、生体物質を使用し、輸送燃料、化学物質、並びに熱及び動力を生み出す。生物精製所は、生体物質から得られる産物を用いてこの設備を加熱し、これに動力を供給することにより、自立的であることができる。本発明の場合、動力供給、処理、及び上記の藻類の食餌用にプラントに戻して再循環させることができる多くの異なる産物がある。
本発明はまた、pH調整溶液を含む水に懸濁されたバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成し、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させ、分配して非極性溶媒溶液と極性バイオマス溶液を得、有機リンを無機リン酸塩に変換し、無機リン酸塩を回収することによって、バイオマスを分画する方法を提供する。これらの工程は各々、上で詳細に記載されており、リン変換も実施例13に記載されている。無機リン酸塩を得ることは、どの増殖培地にも有用である。
本発明は、pH調整溶液を含む水に懸濁されたバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液と極性バイオマス溶液を得る工程と、バイオクルードを得る工程とを含む、バイオマスの分画方法をさらに提供する。バイオクルードは、バイオマスから作られる原油の代替品である。したがって、本発明のバイオマスは、有用なバイオ燃料に変換することができる。好ましくは、バイオクルードとしては、以下の化合物:テルペノイド類(例えば、ステロール類及びカロテノイド類)、クロロフィル、リン脂質、糖脂質、スフィンゴ脂質、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、脂肪酸、脱カルボキシル化脂肪酸炭化水素鎖;脂肪酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル及び/又はアミルエステル、芳香族化合物、アルキル芳香族化合物、ポリ芳香族化合物、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、直鎖及び分岐アルカン、直鎖及び分岐アルケン、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール)、並びに他の脂質化合物が挙げられる。
全体的に、本発明の湿画分は、所望の放出や重要な生化学的藻類化合物の利用に影響を及ぼす化学反応や調整の基本的枠組みを提供して、プロセス全体に価値と販売収入を大いに付与し、そのため、乾燥藻類ヘキサン抽出方法を追求するものと比べて、経済的に実現可能なものとなっている。
化合物の単離は、本発明の独自の特色になっている。液相を事前調整することにより、高脂質濃度が可能になり、同時に、藻類を液相にとどめて、糖化用の酵素を用い、次に、バイオ燃料に発酵させるための微生物を用いてさらに処理しやすくし、残留タンパク質を溶液中に残して、蒸留後に収穫することができる。
本明細書における本発明の開示の説明において、化合物を単離するための藻類の完全湿式粉砕プロセスを実行する具体的手段が詳細に示されている。これは、広範な藻類に適用され、湿式プロセスを総合生物精製所に統合することにより、先行技術で報告された最も高い脂質、多糖、タンパク質及び糖の収率の一部を達成する。
本発明は、以下の実験実施例を参照してさらに詳細に記載されている。これらの実施例は、説明目的のために提供されているに過ぎず、別途指定しない限り、限定するものであることを意図するものではない。したがって、本発明は、決して、以下の実施例に限定されるものとみなされるべきではなく、むしろ、本明細書に提供される教示の結果として明白になる、ありとあらゆるバリエーションを包含するものとみなされるべきである。
実施例1
微細藻類バイオマス分画
図1に示す発明されたバイオマス分画プロセスに従って、選択されたナンノクロロプシス試料(指定しない限り、同じ試料を実施例1、10、13、及び16で用い、異なる実施例で用いた微細藻類試料は互いに異なっていた)を3つの主要画分に分画した(図2)。実験結果を「乾燥重量ベースのバイオマス100グラム当たりの成分のグラム」に対して標準化すると、脂質、炭化水素鎖、及び半揮発性有機化合物を含むバイオクルード油25.9gは、有機溶媒(ヘキサン)中に分画された。糖類(6.2g)、有機酸(1.5g)、タンパク質産物(4.5g)、グリセロール(0.6g)、エタノール(1.9g)、リン酸塩(5.9g)、及び未同定の内容物(9.1g)(おそらくは可溶化CO、多様な塩類などを含む)は水性画分に放出された。45.0gの不溶性物質が残ったが、大部分の細胞(55%)成分は、さらに別の方法で利用するか又は既知の技術を用いた精製によって多様な最終産物を提供するために分画された(図3及び4)。さらに、価値のある細胞由来産物を使い果たすために、未分画バイオマスを新しいバッチのバイオマス分画と組み合わせることができる。
実施例2
微細藻類からの脂質成分の分画
脂質物質が、乾燥重量の例えば約43%を占めるナンノクロロプシス種から脂質を分画して、18.9%の乾燥重量固体(DWS)を含むこのナンノクロロプシス属の一種のバイオマスの試料(同じ試料を実施例2、6、7、及び8で用いた)を最初に水に再懸濁し、300mlビーカーに50%リン酸と50%硫酸の組合せ1.3gを添加してpHを約2.0に調整した(表1)。この混合物を撹拌しながら15分間60℃まで加熱した。
藻類細胞の化学的処理と機械的処理のこのような組合せにより、部分的に破壊された(顕微鏡観察に基づくと、約50%の細胞が破壊された)微細藻類細胞の集団が生じた。驚くべきことに、これらの部分的に損傷を受けた細胞は、次のヘキサン分画による脂質の全体的な産生に関して、完全に破壊された細胞と同じくらい分画溶媒に利用可能であることが分かった。この調整及び透過性生成方法は、エネルギー効率が良く、分画効率にコストがかからないことが明らかである。機械的な動作を伴う穏やかな酸条件は、微細藻類をその主な食糧資源として用いる魚類の胃の条件を模倣し、微細藻類細胞をエネルギー的に効率良く溶解させる最適条件に相当するであろう。さらに、酸処理は、トリグリセリド、ジグリセリド、及びモノグリセリド、脂肪アシルエステル、多糖類、及びタンパク質中のペプチド結合の加水分解と、脂肪酸の中和とを通じてプロセス全体に恩恵をもたらし、非極性有機溶媒分画を促進することができる。
その後、非極性溶媒のヘキサンを試料に添加し、混合物を1リットルのホッパーに移し、高剪断ミキサー(Ross製のホモジナイザーモデル# HSM 400DL)を用いて40℃で15分間、激しく混合した。高剪断混合の後、混合物を、相分配のために水冷還流冷却器に接続されている500mlフラスコにて15分間80℃まで加熱した。これらの相は、分配され次第、IEC Centra CL3卓上遠心分離器を用いて、250ml遠心管内での遠心分離により分離された。脂質を含む非極性(ヘキサン)溶液は、調整された微細藻類細胞と残留不溶物を含む界面層の上の層と下の水性層とを形成した。非極性溶液をピペットを用いてきれいなフラスコに移し、ヘキサンを蒸留して、脂質を回収した。回収されたヘキサンを、微細藻類細胞、残留不溶物、及び水溶液を含む混合物に戻して添加した後、もう一度高剪断混合に供して、残存する脂質成分を分画した。同様の分配及び相分離工程を繰り返し、第2のバッチの分画された脂質を第1の分画と合わせて、全収率を決定した。結果として、収率33%の(DWSの)脂質が収穫され、このナンノクロロプシス種の全脂質の約77%を占めた。
実施例3
微細藻類からの脂質成分の分画におけるpH変化
ナンノクロロプシス属の一種のバイオマス52.5g(乾燥重量)の5つのアリコートを水787.5gを用いて懸濁し、硫酸でpHを1、3、5、及び7に調整した。この水性懸濁液を撹拌しながら120℃で60分間事前調整した。次に、ヘキサン787.5gを添加して、バイオマス:水:ヘキサンの比が1:15:15の分画混合物を得た。脂質分画を容積型ローラー式ポンプにて80℃で30分間行なった。分画後、水相とヘキサン相を遠心分離で分離した。ヘキサンで分画された脂質成分は、ヘキサンの蒸留により回収した。水性バイオマス溶液は、同一の手順に従ってもう一度分画した。脂質を合わせ、計量し、収率を計算した。表2に示すように、より強い酸性条件下での微細藻類脂質分画は、より高収率の分画された脂質を示した。

実施例4
微細藻類からの脂質成分の分画における温度変化
ナンノクロロプシス属の一種(同じ試料を実施例4及び5で用いた)のバイオマス85.0g(乾燥重量、DW)の5つのアリコートを水1,275.0gを用いて懸濁し、硫酸でpHを2に調整した。この水性懸濁液を撹拌しながら80〜150℃の範囲のいくつかの温度下で60分間事前調整した。次に、ヘキサン1,275.0gを添加して、バイオマス:水:ヘキサンの比が1:15:15の分画混合物を得た。脂質分画を容積型ローラー式ポンプにて80℃で30分間行なった。分画後、水相とヘキサン相を遠心分離で分離した。ヘキサンで分画された脂質成分は、ヘキサンの蒸留により回収した。水性バイオマス溶液は、同一の手順に従ってもう一度分画した。脂質を合わせ、計量し、収率を計算した。表3Aに示すように、80〜150℃の温度の変化は、pH2処理下でのこのナンノクロロプシス試料の分画された脂質の収率にそれほど影響を及ぼさなかった。
さらに、別のナンノクロロプシス属の一種のバイオマス40.1g(DW)の5つのアリコートを水614.7gを用いて懸濁し、硫酸でpHを1に調整した。この水性懸濁液を撹拌しながら80〜130℃の範囲のいくつかの温度下で60分間事前調整した。次に、ヘキサン614.7gを添加して、バイオマス:水:ヘキサンの比が1:15:15の分画混合物を得、同様の脂質分画を上記のように行なった。合わせた脂質を計量して、収率を計算した。表3Bに示すように、より高い温度(例えば、120℃及び130℃)は、pH1処理下での選択されたナンノクロロプシス試料の脂質収率を大いに改善した。したがって、微細藻類バイオマスからの脂質成分の分画の効率は、微細藻類種、pH、及び温度に依存する。しかしながら、試験した条件の中では、高い温度(すなわち、120℃又は130℃)と低いpH(すなわち、1又は2)が好ましい。

実施例5
微細藻類からの脂質成分の分画における溶媒変化
ナンノクロロプシス属の一種(同じ試料を実施例4及び5で用いた)のバイオマス73.4g(乾燥重量)の4つのアリコートを、1:15の混合比を作るための水1,101.0g(又は1:6の場合、440.4g)を用いて懸濁し、硫酸でpHを1に調整した。この水性懸濁液を撹拌しながら120℃で60分間事前調整した。次に、1:15の混合比を作るためのヘキサン1,101.0g(又は1:5の場合、367.0g)を添加して、バイオマス:水:ヘキサンの比が1:15:15、1:15:5、1:6:15、及び1:6:5の分画混合物を得た。脂質分画を容積型ローラー式ポンプにて80℃で30分間行なった。分画後、水相とヘキサン相を遠心分離で分離した。ヘキサンで分画された脂質成分は、ヘキサンの蒸留により回収した。水性バイオマス溶液は、対応する比のヘキサンを用いてもう一度分画した。脂質を合わせ、計量し、収率を計算した。表4に示すように、1:15:15のバイオマス:水:ヘキサン比で、最も高い脂質収率が得られた。しかしながら、特にバイオ燃料の大規模生産のために、水と分画溶媒の消費を考慮する必要がある場合、1:6:5(バイオマス:水:ヘキサン)などの、溶媒を節約する代わりの組合せを用いることができる。

実施例6
微細藻類からの脂質成分の分画における極性溶媒変化
18.98%のDWSを含むナンノクロロプシス属の一種の微細藻類バイオマスの試料(同じ試料を実施例2、6、7、及び8で用いた)を脂質分画に備えて乾燥させ、粉砕した(試料A)。乾燥させた試料は、実施例2に示したようには調整せず、極性溶媒も添加しなかった。非極性溶媒(ヘキサン)を乾燥させた微細藻類に添加し、混合物を実施例2と同様に撹拌しながら60℃で15分間加熱した。次に、試料を1リットルのホッパーに移し、高剪断下にて40℃で15分間混合した。相を熱で分配し、遠心分離で分離した。ヘキサンを蒸留し、高剪断/分配/分離プロセスを繰り返して、2工程分画による脂質収率を決定した。
乾燥した試料(A)を実施例2に記載の通りに処理した対照試料と比較した。結果を表5にまとめる。
示したように、効果的な分画は、例えば、試料Aで用いた乾燥藻類バイオマスに見られるような非常に低い極性溶媒濃度では達成されない。

実施例7
微細藻類からの脂質成分の分画における非極性溶媒変化
18.98%のDWSを含むナンノクロロプシス属の一種の微細藻類バイオマス試料(同じ試料を実施例2、6、7、及び8で用いた)を、水と微細藻類ペーストと酸を混合することにより、分画用に調整した。試料を実施例2に記載の通りに処理して、調整工程を完了させた。ヘキサンを表に示す量で添加した。混合物を1リットルのホッパーに移し、高剪断下にて40℃で15分間混合した。相を実施例2に記載の通りに熱で分配し、遠心分離で分離した。脂質を含むヘキサンを蒸留し、高剪断/分配/分離プロセスを繰り返して、試料に対する2工程分画による脂質収率を決定した。
低パーセンテージ含量の非極性溶媒試料を実施例2に記載の対照試料と比較した。結果を表6にまとめる。
示したように、藻類バイオマス/極性溶媒混合物中の非極性溶媒の量が非常に少ない(<6%の混合物)と、悪い脂質分画結果が得られる。

実施例8
微細藻類からの脂質成分の分画における調整工程の変化
18.98%のDWSを含むナンノクロロプシス属の一種の微細藻類バイオマス試料(試料A、表7)(同じ試料を実施例2、6、7、及び8で用いた)を、極性調整溶媒(水)と微細藻類と酸を実施例2に記載したような比で混合することにより、分画用に調整した。混合物を実施例2に記載した通りに15分間60℃まで加熱して、調整工程を完了させた。次に、水酸化ナトリウムを添加してpHが7.0になるように極性溶液を中和した。次に、非極性溶媒(ヘキサン)を実施例2に記載した通りに混合物に添加し、混合物を1リットルのホッパーに移し、高剪断下で混合して、非極性溶媒を40℃で15分間接触させた。相を熱で分配し、遠心分離で分離した。脂質を含むヘキサンを蒸留し、接触/分配/分離プロセスを繰り返して、2工程分画による脂質収率を決定した。
18.98%のDWSを含む第2のナンノクロロプシス属の一種の微細藻類バイオマス試料(試料B、表7)を分画前に調整しなかった。酸を含まないことを除いて実施例2に記載した通りに極性調整溶媒(水)と微細藻類を混合することにより、微細藻類バイオマスを調製した。混合物を加熱しなかった。非極性溶媒(ヘキサン)を実施例2に記載した通りに混合物に添加した。混合物を1リットルのホッパーに移し、高剪断下で混合して、非極性溶媒を40℃で15分間接触させた。相を熱で分配し、遠心分離で分離した。脂質を含むヘキサンを蒸留し、接触/分配/分離プロセスを繰り返して、2工程分画による脂質収率を決定した。
結果を表7にまとめる。
示したように、調整工程を削除すると、分画効果が得られない。調整剤が非極性溶媒接触工程まで持ち越されることが好ましい。

実施例9
微細藻類バイオマス調整及び分画による半揮発性有機化合物(SVOC)及び他の有機化合物の産生
微細藻類バイオマス調整及び脂質分画において、相当量のSVOC及び他の有機化合物をGC/MSにより同定した(図5)。スケネデスムス属の一種の試料を例として採取し、分画された藻類油をHPLC等級ヘプタンで約10,000ppm(w/w)に希釈した。1.0μlをHP−5MS 5%フェニルメチルシロキサン、30メートル、ID=0.250mm、膜厚0.25μmのカラムを備えたGC/MSに注入する。スプリット比は1:50で、水素キャリアガスの流量は1.5ml/分であった。注入器温度は250℃であった。初期オーブン温度を、3.0分間、40℃とした後、320℃まで5℃/分で上昇させ、10分間保持した。分画された微細藻類油のGC/MS分析により、これらのSVOC及び他の有機化合物は、全バイオクルード油の7.66%を占めることが示された(図5)。その質量スペクトルに基づくさらなる同一性分析により、これらの化合物は、限定するものではないが、トルエン;キシレン;スチレン;トリメチル−ベンゼン;2−エチル−トルエン;1−メチル−3−プロピル−ベンゼン;テトラメチル−ベンゼン;メチル−プロピル−ベンゼン;ナフタレン;アルキル置換ナフタレン;ヘプタデカン;ヘプタデセン;イソプレノイド断片(例えば、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン;2,5,−ジメチルヘプタン;2,4,6−トリメチルヘプタン;3,3−ジメチルオクタン;2,2,3−トリメチルヘキサン;2,2,6,6−テトラメチルヘプタン;2,2,3,4−テトラメチルペンタン;2,2−ジメチルデカン;2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン;2,4,4−トリメチルヘキサン;4−メチルデセン;4−メチルデカン;3,6−ジメチルオクタン;2,6−ジメチルウンデカン;2,2−ジメチルヘプタン;2,6,10−トリメチルドデカン;5−エチル−2,2,3−トリメチルヘプタン;2,5,6−トリメチルデカン;2,6,11−トリメチルドデカン)及び前述の化合物の異性体をはじめとする、一連の典型的なテルペノイドと脂肪酸分解産物であることが示された。その収穫前処理、並びに本発明の工程で用いられたpH、温度、及び溶媒比のプロセス条件に基づいて、様々な量の半揮発性物質と炭化水素を藻類に見出すことができる。半揮発性有機化合物とこれらの分解有機化合物の両方をジェット燃料の成分として用いることができるので、本発明のバイオマス調整及び分画プロセスは、価値の高いジェット燃料又はジェット燃料添加物を生産する効率的な方法である。

実施例10
極性成分の微細藻類バイオマス分画におけるpH及び温度変化
120℃で事前調整したナンノクロロプシス属の一種(同じ試料を実施例1、10、13、及び16で用いた)のバイオマスを様々なpHで2回脂質分画(バイオマス:水:ヘキサン=1:15:15)すると、分画後の水性バイオマス画分は、微細藻類バイオマススラリーの層と透明な水溶液の層(おそらく加水分解されたタンパク質産物、炭水化物、及び他の可溶性極性成分を含む)とを含んでいた。炭水化物及び他の極性成分の分画の有効性を評価するために、NREL LAP 014手順に従って、水性層を炭水化物組成分析にかけた。他の極性成分(例えば、水溶液中の有機酸及びグリセロール)の組成を、0.02M硫酸を溶媒として用いて、Agilent Aminex HPX−87H HPLCカラムで分析した。脂質分画と同様に、強酸条件(pH1又は2)下の分画により、より多くの糖類、有機酸、及びグリセロールが生成された(表8A)。驚くべきことに、発明された分画プロセスは、未知の機構によってかなりの量のエタノールを生じさせることができ、プロセス全体をより経済的に実行可能なものとする。
極性成分の分画の効率に対する温度の効果を試験するために、別のナンノクロロプシス属の一種をpH2の下で80℃及び120℃にて事前調整し、分画した。脂質収率は互いに同等であったが、120℃での事前調整により、炭水化物と有機酸がより多く分画されることが分かった(表8B)。それゆえ、分画全体を考慮して、120℃が80℃よりも好ましい。
実施例11
極性成分のさらなる微細藻類バイオマス分画
実施例10では、pH1又は2の下での分画によって、選択されたナンノクロロプシス属の一種のバイオマスから相当量の糖類、有機酸、グリセロール、及びエタノールを放出させることができることが示された。この実施例では、さらなるナンノクロロプシス属の一種(同じ試料を実施例11及び12で用いた)を選択して、pH1及び2の下での極性成分分画の有効性を試験した。実施例10に記載されたものと同様の分画プロセスにより、NREL LAP 014手順を用いて水溶液を分析した。結果として(表9)、この特定の微細藻類種の場合、pH1と2の両方の下での分画プロセスでは、糖類が水溶液中に効率的に分画されなかった。対照的に、バイオマススラリーの層の炭水化物組成分析(表9)に基づくと、大部分の糖類は依然として微細藻類バイオマスにより捕捉されており、次の適用に進むためにより多くの炭水化物を放出させるためには、いくつかのさらなる分画後工程(例えば、酵素加水分解)が必要であることが示唆された(図3)。

実施例12
分画後の水性バイオマス画分の酵素加水分解
炭水化物は、微細藻類DWSの約15〜20%を占める。大部分の炭水化物は、多糖類(組成分析に基づくと、選択された微細藻類ナンノクロロプシス属の一種における、主に、グルカン、ガラクタン、及びマンナン)、糖脂質、糖タンパク質などの形で、細胞壁や細胞膜の構造成分として存在する。分画して、水溶液中に放出しなければ、この価値ある栄養源を利用することができない。しかしながら、実施例11に示した炭水化物組成分析から、酸、熱、機械的剪断、及び有機溶媒分画(ヘキサン)の効果の組合せを用いた細胞透過性調整では、単糖類の放出が不完全であることが示された。したがって、分画後の水性画分の酵素加水分解をさらに実施した。
セルラーゼ複合体(NS50013)、β−グルカナーゼ(NS50012)、及びβ−グルコシダーゼ(NS50010)を含む3つの市販のヒドロラーゼ(Novozymes)の組合せを用いて、pH1及びpH2調整(実施例3参照)から得られた1リットルの分画後の水性バイオマス画分の酵素加水分解をシェーカーインキュベーター(150rpm)にて50℃で行ない、試料を24時間毎に採取した。加水分解された試料の糖組成分析(表10)によると、酵素加水分解によって、はるかにより多くの量のグルコース、セロビオース、ガラクトース、及びマンノースが放出され、得られる水性バイオマス溶液は、さらなる脂質及び他の価値の高い産物を生じさせる従属栄養性微細藻類の栄養増殖(実施例14)又は酵母アルコール発酵(実施例15)のいずれかのためのより良好な増殖培養液となった。
pH1で処理した分画後バイオマス画分の試料の初期pHは2であった。それゆえ、そのpHをNaOHで5に調整して、ヒドロラーゼの活性を最適化した。pH2で処理した分画後バイオマス画分の試料の初期pHは5.5であり、直接酵素加水分解した。
次に、上記のように処理された2つの試料の得られた加水分解された水性バイオマスを分画プロセスで処理して、さらなるバイオクルード油を回収することができるかどうかを明らかにした。各々の試料に硫酸を添加して、そのもとのpHであるpH1又は2に戻した。pHを調整した試料を80℃で30分間抽出した。バイオマス対ヘキサンの比は、pH1の試料及びpH2の試料について、それぞれ1:10及び1:15であり、これらの試料から、残留バイオマス固体の乾燥重量ベースで、さらに7.70%及び12.6%のバイオクルード油が得られた。これにより、水性バイオマス画分を酵素加水分解処理した後に、さらなるバイオクルード脂質を回収することができることが示されている。

実施例13
抽出後の水性バイオマス溶液のリン酸塩分析
リンは、微細藻類増殖に極めて重要な元素のうちの1つである。大規模なバイオ燃料生産を支持するために微細藻類を速く増殖させるには、多くの場合コストがかかる大量の無機リンの補充が必要となる(微細藻類は有機リンを効率的に利用することができない)。この発明された分画プロセスは、炭水化物やタンパク質を効率的に放出させるだけでなく、主にリン脂質として存在する有機リンを無機リン酸塩に効率的に変換する。
実施例3に記載されたものと同様の分画プロセスにより、ナンノクロロプシス属の一種(同じ種を実施例1、10、13、及び16で用いた)から得られた抽出後の水性バイオマス溶液中のリン酸塩含量を、リン酸塩の標準的なトリメチルシリル誘導体化の後にGC/MS分析で測定した。より酸性の事前調整の下では、より多くのリン酸塩がリン脂質から放出されることが観察された(表11)。対照的に、分画しない場合、水溶液中には、わずかな量のリン酸塩(1.91%)しか見られなかった(表11)。したがって、微細藻類バイオマス分画に関する本発明により、さらなる脂質又は他の価値の高い産物を生産する従属栄養性微細藻類の栄養増殖用の優れた増殖培地として、栄養十分でかつリンが豊富な分画後溶液を生成させることができる(実施例14)。

実施例14
従属栄養性微細藻類の栄養増殖用の栄養十分な培養液としての抽出後水溶液
抽出後水溶液の組成分析によれば、この抽出後水溶液は、かなりの可溶性炭水化物、タンパク質、有機酸、リン酸塩などを含み、動物飼料又は微生物(例えば、酵母、細菌)もしくは従属栄養性微細藻類用の増殖培地へと開発されるその大きな可能性を示している。これらの潜在的な用途のうち、栄養豊富な抽出後水溶液を用いて、従属栄養性微細藻類の速い増殖を支持することが特に重要であるが、それは、従属栄養性微細藻類が、栄養十分な条件の下では、大量のさらなる脂質又は他の価値の高い産物を素早く産生することができるからである。
選択されたナンノクロロプシス属の一種から得られた抽出後水溶液(すなわち、液体画分)が様々な微細藻類の従属栄養性増殖を支持する能力を試験するために、最初にこの水溶液の毒性評価を行なった。具体的には、50mlのオートクレーブした1×プロテオース培地(バクトペプトン、1g/l;KHPO、75mg/l;KHPO、175mg/l;NaNO、250mg/l;NaCl、25mg/l;MgSO・7HO、305mg/l;CaCl・HO、170mg/l)を含む1つのフラスコに、微細藻類クロレラ属の一種を続けざまに播種し、明所にて28℃で48時間回転させた。次に、この種培養物を用いて、一連の試験管にナンノクロロプシスバイオマスの分画から得た様々な量の液体画分(LF)を播種した。この特定の実験の場合、40mlのLF(分画によりバイオマス2.67gから得られたもの)を5,000gで10分間遠心分離して、残留固体を除去した。この懸濁液をNaOHでpH7.0に調整した後、0.22μmの滅菌フィルターに通して濾過した。表11Aに記載された通りに、様々な量のLFを添加して、試験管内でプロテオース培地を組成した。試験チューブを200rpm、28℃のシェーカーに入れて、72時間増殖させ、血球計を用いてクロレラ属の一種の細胞数を決定した。LFはクロレラ属の一種の増殖にとって無毒であることが示された(表12A及び図6A)。次に、1×プロテオース培地を対照として用いると、LFは、1×プロテオース培地とほぼ同じ程度にクロレラ属の一種の従属栄養性増殖を支持することができることが示され(表12B及び図6B)、LFが効果的な微細藻類増殖培地であることが示された。

実施例15
水溶液を発酵培地として用いたエタノール発酵
反復分画を2回行なった後、可溶性炭水化物、タンパク質、及び無機塩類を含む水溶液について、主に微細藻類の破片、不溶性タンパク質及び炭水化物を含むバイオマス懸濁液とともに、pHを中和し、乾燥重量で26%の範囲に濃縮し、市販の酵素(SPIRIZYME(登録商標)(Novozymes)、ACCELLERASE(登録商標)(Genecor))を用いて糖化し、酵母エタノール発酵を支持するための発酵培養液として用いた。特に、極性バイオマス溶液のpHが5.0〜7.0の場合、中和工程は必要ない。
化学的組成分析により、極性バイオマス溶液中の炭水化物は、選択されたナンノクロロプシス属の一種の微細藻類DWSの18%を占めることが示された。主な糖がグルコース(これは、全可溶性炭水化物の36%を占める(表13))であることを示す濃縮された分画後水溶液の糖組成のHPLC分析と合わせて、分画後溶液は酵母エタノール発酵に好適であることが予想される。
この加水分解された分画後バイオマス溶液を発酵培地として用いて、出芽酵母という酵母株は9.3g/lのエタノールを産生した。さらに、糖組成分析(表13)により、他の可溶性炭水化物は、キシロース(25%)、アラビノース(17%)、セロビオース(8%)、ギ酸(7%)、酢酸(4%)、及び乳酸(1%)を含むことが示され、キシロース、アラビノースを用いることができるいくつかの改変酵母株、又は酵母株の組合せがアルコール産生に選択される場合に、より多くのエタノールの産生を支持する可能性がより大きいことが示された。特に、出芽酵母という酵母とピケイア・スティピディスという酵母の共培養物を用いた発酵により、13.6g/lのエタノールが産生された。発酵後溶液中の主な糖類の残留組成物を表13に示した。これにより、糖がほぼ完全に消費されることが示された。
発酵後溶液は、かなりの脂質成分を含むことが分かり、選択された酵母株は、微細藻類由来の脂質をあまり代謝しないことを示した。プロセス全体の脂質生産性を最大化するために、蒸留と酵母細胞によって発酵中に産生されたエタノールを除去した後、発酵後画分を反復分画用の分画タンクに戻して再循環させた。さらに分画した後、脂質をほぼ完全に分画し、次に、脂質を除去した水溶液をタンパク質産生に供した(図3)。微生物発酵により、脂質産生の全収率を最大20%改善することができることが分かった。同様に、発酵により、微細藻類細胞の透過を促進して、より多くの組み込まれた脂質物質を微細藻類の細胞膜又は細胞壁から放出させることができる。

実施例16
分画後水性バイオマス画分のタンパク質組成分析
120℃で事前調整したナンノクロロプシス属の一種(この種は、実施例1、10、13、及び16で用いた種と同一であった)のバイオマスをpH1で2回脂質分画(バイオマス:水:ヘキサン=1:15:15)すると、分画後の水性バイオマス画分は、微細藻類バイオマススラリーの層と透明な水溶液の層(これらは両方とも、おそらく、加水分解されたタンパク質産物、炭水化物、及び他の可溶性極性成分を含む)を含んでいた。タンパク質、加水分解ペプチド、及び遊離アミノ酸を含むタンパク質産物の分画の有効性を評価するために、水性層の試料をタンパク質組成分析にかけた。
0.10%という数は全て、対応するアミノ酸のパーセンテージの上限を表すが、それは、これらのアミノ酸の量が選択された方法の検出限界よりも低かったからである。0.10%よりも大きい他のパーセンテージの数は全て、アミノ酸の実際の濃度を表す。
標準法である遊離アミノ酸プロファイル−AOAC 999.13(修正)と遊離トリプトファン−AOAC 999.13(修正)に従い、組成分析(表14)により、分画された可溶性タンパク質産物は、バイオマスの4.46%(乾燥重量固体、DWS)を占め、このナンノクロロプシス属の一種由来のタンパク質産物は、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、及びプロリンを産生するための優れた供給源であることが示された。豊富な炭水化物とタンパク質を含むこの分画後バイオマス画分を酵母の増殖を支持する発酵工程に戻すか又は従属栄養性微細藻類の増殖に供給することができる(図3及び4)。あるいは、価値のより高いタンパク質産物を産生するために、分画後画分を最初に温度80℃、pH=11.4の高温アルカリで処理して、タンパク質を可溶化した。その後、この高タンパク質溶液を、硫酸を用いて35℃でpH5.5まで酸性化し、冷却することにより、大部分の微細藻類タンパク質が沈殿した。この沈殿物を濾過により溶液から分離して、タンパク質産物を得た。これは、水産養殖又は動物飼料又はより価値の高いアミノ酸の生産に用いることができる。

実施例17
微細藻類からの脂質成分の分画における調整工程でのパルス電場(PEF)の印加
ナンノクロロプシス属の一種(前の実施例で用いたものとは異なる試料)のバイオマス49.6g(乾燥重量、DW)の1つのアリコートを水992.0gを用いて懸濁し、硫酸でpHを1に調整した。この水性懸濁液を、8.5KV及び150Hzにて31.5℃で20分間、反応器に再循環させて流しながら、プロトタイプパルス電場(PEF)変換器(DTI Model HPM20−150高出力変調器とBK Precision 4030 10MHzパルス発生器とを備えたDiversified Technologies Inc.のプロトタイプ連続流式変換器)を用いて事前調整した。
次に、ヘキサン744.0gを添加して、バイオマス:水:ヘキサン比が1:20:15の分画混合物を得た。脂質分画を容積型ローラー式ポンプにて80℃で30分間行なった。分画後、水相とヘキサン相を遠心分離で分離した。ヘキサンで分画された脂質成分は、ヘキサンの蒸留により回収した。水性バイオマス溶液は、同一の手順に従ってもう一度分画した。脂質を合わせて、計量し、収率を計算した。
バイオマスから21.93%の収率のバイオクルード脂質が産出されたが、これは、この種の藻類の熱による調整工程に匹敵するものである。この実施例により、PEF調整を本発明で用いて、藻類バイオマスの分画をもたらし、バイオクルード産物を得ることができることが示されている。
本発明は、例示的な形で記載されており、使用されている用語は、限定する言葉ではなく、説明する言葉としての性質を持つことが意図されることが理解されるべきである。
本発明の多くの修正及び変更が上記の教示に照らして可能であることは明白である。それゆえ、付随する特許請求の範囲内において、本発明を、具体的に記載されたもの以外のやり方で実施し得ることが理解されるべきである。

Claims (63)

  1. バイオマス細胞の壁を透過処理する工程と、前記細胞から細胞産物を放出させる工程と、前記放出された細胞産物及び誘導体を分画し、回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  2. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液から細胞産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  3. 前記バイオマスが、真菌、細菌、酵母、カビ、微細藻類、大型藻類、及び関連する高水分農作物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記バイオマスが、アクナンセス・オリエンターリス(Achnanthes orientalis)、アグメネルム属の数種(Agmenellum spp.)、アンフィプローラ・ヒアリン(Amphiprora hyaline)、アンフォラ・コッフェイフォルミス(Amphora coffeiformis)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・リネア(Amphora coffeiformis var. linea)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・プンクタータ(Amphora coffeiformis var. punctata)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・タイロリ(Amphora coffeiformis var. taylori)、アンフォラ・コッフェイフォルミス・ウァリエタース・テヌイス(Amphora coffeiformis var. tenuis)、アンフォラ・デリカティッシマ(Amphora delicatissima)、アンフォラ・デリカティッシマ・ウァリエタース・キャピタータ(Amphora delicatissima var. capitata)、アンフォラ属の一種(Amphora sp.)、アナバエナ(Anabaena)、アンキストロデスムス(Ankistrodesmus)、アンキストロデスムス・ファルカトゥス(Ankistrodesmus falcatus)、ボエケロウィア・ホオグランディイ(Boekelovia hooglandii)、ボロディネラ属の一種(Borodinella sp.)、ボトリオコックス・ブラウニイ(Botryococcus braunii)、ボトリオコックス・スデティクス(Botryococcus sudeticus)、ブラクテオコックス・ミノール(Bracteococcus minor)、ブラクテオコックス・メディオヌクレアトゥス(Bracteococcus medionucleatus)、カルテリア(Carteria)、カエトケロス・グラシリス(Chaetoceros gracilis)、カエトケロス・ムエレリ(Chaetoceros muelleri)、カエトケロス・ムエレリ・ウァリエタース・スブサルスム(Chaetoceros muelleri var. subsalsum)、カエトケロス属の一種(Chaetoceros sp.)、クラミドマス・ペリグラヌラータ(Chlamydomas perigranulata)、クロレラ・アニトラータ(Chlorella anitrata)、クロレラ・アンタルクティカ(Chlorella Antarctica)、クロレラ・アウレオウィリディス(Chlorella aureoviridis)、クロレラ・カンディダ(Chlorella Candida)、クロレラ・カプスラーテ(Chlorella capsulate)、クロレラ・デシッカーテ(Chlorella desiccate)、クロレラ・エリプソイデア(Chlorella ellipsoidea)、クロレラ・エメルソニイ(Chlorella emersonii)、クロレラ・フスカ(Chlorella fusca)、クロレラ・フスカ・ウァリエタース・ウァクオラータ(Chlorella fusca var. vacuolata)、クロレラ・グルコトロファ(Chlorella glucotropha)、クロレラ・インフシオヌム(Chlorella infusionum)、クロレラ・インフシオヌム・ウァリエタース・アクトフィラ(Chlorella infusionum var. actophila)、クロレラ・インフシオヌム・ウァリエタース・アウクセノフィラ(Chlorella infusionum auxenophila)、クロレラ・ケッスレリ(Chlorella kessleri)、クロレラ・ロボフォーラ(Chlorella lobophora)、クロレラ・ルテオウィリディス(Chlorella luteoviridis)、クロレラ・ルテオウィリディス・ウァリエタース・アウレオウィリディス(Chlorella luteoviridis var. aureoviridis)、クロレラ・ルテオウィリディス・ウァリエタース・ルテスケンス(Chlorella luteoviridis var. lutescens)、クロレラ・ミニアータ(Chlorella miniata)、クロレラ・ミヌティッシマ(Chlorella minutissima)、クロレラ・ムタビリス(Chlorella mutabilis)、クロレラ・ノクトゥルナ(Chlorella nocturna)、クロレラ・オウァーリス(Chlorella ovalis)、クロレラ・パルウァ(Chlorella parva)、クロレラ・フォトフィラ(Chlorella photophila)、クロレラ・プリングスヘイミイ(Chlorella pringsheimii)、クロレラ・プロトセコイデス(Chlorella protothecoides)、クロレラ・プロトセコイデス・ウァリエタース・アシディコラ(Chlorella protothecoides var.acidicola)、クロレラ・レグラリス(Chlorella regularis)、クロレラ・レグラリス・ウァリエタース・ミニマ(Chlorella regularis var. minima)、クロレラ・レグラリス・ウァリエタース・ウンブリカータ(Chlorella regularis var. umbricata)、クロレラ・レイシグリイ(Chlorella reisiglii)、クロレラ・サッカロフィラ(Chlorella saccharophila)、クロレラ・サッカロフィラ・ウァリエタース・エリプソイデア(Chlorella saccharophila var. ellipsoidea)、クロレラ・サリナ(Chlorella salina)、クロレラ・シンプレクス(Chlorella simplex)、クロレラ・ソロキニアーナ(Chlorella sorokiniana)、クロレラ属の一種(Chlorella sp.)、クロレラ・スファエリカ(Chlorella sphaerica)、クロレラ・スティグマトフォーラ(Chlorella stigmatophora)、クロレラ・ウァンニエリイ(Chlorella vanniellii)、クロレラ・ウルガーリス(Chlorella vulgaris)、クロレラ・ウルガーリス・フォルマ・テルティア(Chlorella vulgaris fo. tertia)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・アウトトロフィカ(Chlorella vulgaris var. autotrophica)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウィリディス(Chlorella vulgaris var. viridis)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス(Chlorella vulgaris var. vulgaris)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス・フォルマ・テルティア(Chlorella vulgaris var. vulgaris fo. tertia)、クロレラ・ウルガーリス・ウァリエタース・ウルガーリス・フォルマ・ウィリディス(Chlorella vulgaris var. vulgaris fo. viridis)、クロレラ・クサンセラ(Chlorella xanthella)、クロレラ・ゾフィンギエンシス(Chlorella zofingiensis)、クロレラ・トレボウクシオイデス(Chlorella trebouxioides)、クロレラ・ウルガーリス(Chlorella vulgaris)、クロロコックム・インフシオヌム(Chlorococcum infusionum)、クロロコックム属の一種(Chlorococcum sp.)、クロロゴニウム(Chlorogonium)、クロオモナス属の一種(Chroomonas sp.)、クリソスファエラ属の一種(Chrysosphaera sp.)、クリコスファエラ属の一種(Cricosphaera sp.)、クリプセコディニウム・コーニイ(Crypthecodinium cohnii)、クリプトモナス属の一種(Cryptomonas sp.)、キクロテラ・クリプティカ(Cyclotella cryptica)、キクロテラ・メネギニアーナ(Cyclotella meneghiniana)、キクロテラ属の一種(Cyclotella sp.)、ドゥナリエラ属の一種(Dunaliella sp.)、ドゥナリエラ・バルダウィル(Dunaliella bardawil)、ドゥナリエラ・ビオクラータ(Dunaliella bioculata)、ドゥナリエラ・グラヌラーテ(Dunaliella granulate)、ドゥナリエラ・マリティメ(Dunaliella maritime)、ドゥナリエラ・ミヌータ(Dunaliella minuta)、ドゥナリエラ・パルウァ(Dunaliella parva)、ドゥナリエラ・ペイルケイ(Dunaliella peircei)、ドゥナリエラ・プリモレクタ(Dunaliella primolecta)、ドゥナリエラ・サリナ(Dunaliella salina)、ドゥナリエラ・テルリコラ(Dunaliella terricola)、ドゥナリエラ・テルティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、ドゥナリエラ・ウィリディス(Dunaliella viridis)、ドゥナリエラ・テルティオレクタ(Dunaliella tertiolecta)、エレモスファエラ・ウィリディス(Eremosphaera viridis)、エレモスファエラ属の一種(Eremosphaera sp.)、エリプソイドン属の一種(Ellipsoidon sp.)、エウグレナ属の数種(Euglena Spp.)、フランケイア属の一種(Franceia sp.)、フラギラリア・クロトネンシス(Fragilaria crotonensis)、フラギラリア属の一種(Fragilaria sp.)、グレオカプサ属の一種(Gleocapsa sp.)、グレオサムニオン属の一種(Gloeothamnion sp.)、ハエマトコックス・プルウィアリス(Haematococcus pluvialis)、ヒメノモナス属の一種(Hymenomonas sp.)、イソクリシス・アッフィーニス・ガルバナ(Isochrysis aff. galbana)、イソクリシス・ガルバナ(Isochrysis galbana)、レポキンクリス(Lepocinclis)、ミクラクティニウム(Micractinium)、ミクラクティニウム(Micractinium)、モノラフィディウム・ミヌトゥム(Monoraphidium minutum)、モノラフィディウム属の一種(Monoraphidium sp.)、ナンノクロリス属の一種(Nannochloris sp.)、ナンノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナンノクロロプシス属の一種(Nannochloropsis sp.)、ナウィクラ・アクケプタータ(Navicula acceptata)、ナウィクラ・ビスカンテラエ(Navicula biskanterae)、ナウィクラ・プセウドテネロイデス(Navicula pseudotenelloides)、ナウィクラ・ペリクローサ(Navicula pelliculosa)、ナウィクラ・サプロフィラ(Navicula saprophila)、ナウィクラ属の一種(Navicula sp.)、ネフロクロリス属の一種(Nephrochloris sp.)、ネフロセルミス属の一種(Nephroselmis sp.)、ニッチア・
    コムニス(Nitschia communis)、ニッチア・アレクサンドリア(Nitzschia alexandria)、ニッチア・クロステリウム(Nitzschia closterium)、ニッチア・コムニス(Nitzschia communis)、ニッチア・ディッシパタ(Nitzschia dissipata)、ニッチア・フルストゥルム(Nitzschia frustulum)、ニッチア・ハンチアーナ(Nitzschia hantzschiana)、ニッチア・インコンスピクア(Nitzschia inconspicua)、ニッチア・インテルメディア(Nitzschia intermedia)、ニッチア・ミクロケファラ(Nitzschia microcephala)、ニッチア・プシラ(Nitzschia pusilla)、ニッチア・プシラ・エリプティカ(Nitzschia pusilla elliptica)、ニッチア・プシラ・モノエンシス(Nitzschia pusilla monoensis)、ニッチア・クアドラングラール(Nitzschia quadrangular)、ニッチア属の一種(Nitzschia sp.)、オクロモナス属の一種(Ochromonas sp.)、オオキスティス・パルウァ(Oocystis parva)、オオキスティス・プシラ(Oocystis pusilla)、オオキスティス属の一種(Oocystis sp.)、オスキラトリア・リムネティカ(Oscillatoria limnetica)、オスキラトリア属の一種(Oscillatoria sp.)、オスキラトリア・スッブレウィス(Oscillatoria subbrevis)、パラクロレラ・ケッスレリ(Parachlorella kessleri)、パスケリア・アキドフィラ(Pascheria acidophila)、パウロウァ属の一種(Pavlova sp.)、ファエオダクテュルム・トリコムトゥム(Phaeodactylum tricomutum)、ファグス(Phagus)、フォルミディウム(Phormidium)、プラテュモナス属の一種(Platymonas sp.)、プレウロクリュシス・カルテラエ(Pleurochrysis carterae)、プレウロクリュシス・デンターテ(Pleurochrysis dentate)、プレウロクリュシス属の一種(Pleurochrysis sp.)、プロトセカ・ウィクケラミイ(Prototheca wickerhamii)、プロトセカ・スタグノーラ(Prototheca stagnora)、プロトセカ・ポルトリケンシス(Prototheca portoricensis)、プロトセカ・モリフォルミス(Prototheca moriformis)、プロトセカ・ゾフィイ(Prototheca zopfii)、プセウドクロレラ・アクアティカ(Pseudochlorella aquatica)、ピラミモナス属の一種(Pyramimonas sp.)、ピロボトリュス(Pyrobotrys)、ロドコックス・オパクス(Rhodococcus opacus)、サルキノイド・クリュソフィテ(Sarcinoid chrysophyte)、スケネデスムス・アルマトゥス(Scenedesmus armatus)、スキゾキトリウム(Schizochytrium)、スピロギラ(Spirogyra)、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)、スティココックス属の一種(Stichococcus sp.)、シネココックス属の一種(Synechococcus sp.)、シネコシスティスフ(Synechocystisf)、タゲテス・エレクタ(Tagetes erecta)、タゲテス・パテュラ(Tagetes patula)、テトラエドロン(Tetraedron)、テトラセルミス属の一種(Tetraselmis sp.)、テトラセルミス・スエキカ(Tetraselmis suecica)、サラッシオシラ・ウェイッスフロギイ(Thalassiosira weissflogii)、及びウィリディエラ・フリデリキアーナ(Viridiella fridericiana)からなる群から選択される微細藻類である請求項2に記載の方法。
  5. 前記透過性を調整する工程が、極性がありかつ水に溶ける成分を前記バイオマスから分画する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  6. 前記透過性を調整する工程が前記バイオマスに酸を添加することとしてさらに定義される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記pHが1.0から6.5の範囲に調整される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記酸が、酢酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ホウ酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、乳酸、ギ酸、プロピオン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記透過性を調整する工程が前記バイオマスに塩基を添加することとしてさらに定義される、請求項5に記載の方法。
  10. 前記pHが7.5から14の範囲に調整される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属由来の他の金属水酸化物、水酸化アンモニウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ホウ素、水酸化アルミニウム、ホウ砂、アミノアルコール類、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、プロピルアミン、2−プロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、ジグリコールアミン、ジエチルアミン及び他の同様のポリアミン類、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記極性溶媒が、水と、低分子量アルデヒド、ケトン、脂肪酸、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び両親媒性溶媒からなる群から選択される1種以上の極性溶媒との組合せである、請求項2に記載の方法。
  13. 前記透過性を調整する工程が、前記バイオマスを約25℃〜約200℃、約45℃〜約150℃、約55℃〜約140℃、及び約60℃〜約130℃からなる群から選択される温度範囲まで加熱する工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  14. 前記透過性を調整する工程が、酵素処理、機械的処理、電気処理、浸透圧ショック、溶解性ウイルスによる感染、上昇した圧力への曝露、急速な圧力発振条件、真空及び圧力発振、並びにそれらの組合せからなる群から選択される無秩序化処理をさらに含む、請求項5に記載の方法。
  15. 前記透過性を調整する工程が、前記バイオマスを1〜150ボルトの電圧の低電圧パルス電場に置く工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記透過性を調整する工程が、前記バイオマスを150〜9000ボルトの電圧の高電圧パルス電場に置く工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記密に接触させる工程が、前記バイオマス由来の脂質を含む極性成分と非極性成分を分画する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  18. 前記非極性溶媒が、四塩化炭素、クロロフォルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ブタン異性体、ヘプタン異性体、ヘキサン異性体、オクタン異性体、ノナン異性体、デカン異性体、メチル−tert−ブチルエーテル、ペンタン異性体、トルエン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、石油スピリット、及び2,2,4−トリメチルペンタンからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記非極性溶媒が、水の他に、低分子量アルデヒド、ケトン、脂肪酸、メタノール、エタノール、アミルアルコール、プロパノール、ブタノール、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、及び両親媒性溶媒からなる群から選択される比較的極性のある溶媒をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記極性溶媒が、水の他に、アミルアルコール、プロパノール、及びブタノールからなる群から選択されるアルコールであり、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記密に接触させる工程が、前記pH調整溶液と溶媒を機械的破壊プロセスに供することによって、疎水性脂質化合物を含む非極性溶媒溶液と、可溶性極性化合物を含む極性バイオマス溶液と、残留バイオマスとを含む多相懸濁液を形成することとしてさらに定義される、請求項17に記載の方法。
  22. 前記供する工程が、ホモジナイゼーション、超音波処理、ボルテックス、キャビテーション、剪断、破砕、粉砕、振盪、混合、ブレンディング、ハンマリング、又は任意のそれらの組合せからなる群から選択される機械的破壊プロセスによって行なわれる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記密に接触させる工程が、パルス電場を印加して、バイオマスと前記非極性溶媒の密な接触を増加させる工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  24. 前記密に接触させる工程が、約60℃〜120℃の範囲で行なわれる、請求項17に記載の方法。
  25. 前記分配する工程が、前記極性バイオマス溶液及び残留バイオマスから前記非極性溶媒溶液を分離することとしてさらに定義される、請求項2に記載の方法。
  26. 前記分配する工程が、遠心分離、圧力の変化、超音波処理、加熱、及び前記多相懸濁液への油水解乳化剤の添加からなる群から選択されるプロセスとしてさらに定義される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記分配する工程が、25℃〜約200℃、約55℃〜約180℃、及び約70℃〜約170℃からなる群から選択される温度範囲で行なわれる、請求項25に記載の方法。
  28. 前記分配する工程が、電場及びパルス電場からなる群から選択されるプロセスを適用して、極性相と非極性相の分離を促進させる工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
  29. 前記回収する工程が、従来の蒸留、抽出蒸留、共沸蒸留、蒸発、選択的吸収、膜濾過、遠心分離、及び濾過からなる群から選択されるプロセスにより、前記非極性溶媒溶液から細胞産物及びそれに由来する産物を回収することとしてさらに定義される、請求項2に記載の方法。
  30. 前記回収する工程が、脂質産物、炭化水素鎖、及び有機化合物からなる群から選択される前記非極性溶媒溶液から細胞産物及びそれに由来する産物を回収することとしてさらに定義される、請求項2に記載の方法。
  31. 前記有機化合物が、トルエン、キシレン、スチレン、トリメチル−ベンゼン、2−エチル−トルエン、1−メチル−3−プロポピル−ベンゼン、テトラメチル−ベンゼン、メチル−プロペニル−ベンゼン、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、ヘプタデカン、ヘプタデセン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン、2,5,−ジメチルヘプタン、2,4,6−トリメチルヘプタン、3,3−ジメチルオクタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン、2,2,3,4−テトラメチルペンタン、2,2−ジメチルデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン、2,4,4−トリメチルヘキサン、4−メチルデセン、4−メチルデカン、3,6−ジメチルオクタン、2,6−ジメチルウンデカン、2,2−ジメチルヘプタン、2,6,10−トリメチルドデカン、5−エチル−2,2,3−トリメチルヘプタン、2,5,6−トリメチルデカン、2,6,11−トリメチルドデカン、及びそれらの異性体からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記回収する工程が、可溶性単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、グリセロール、アミノ酸、可溶性タンパク質、ペプチド、繊維、栄養素、ホスホコリン、リン酸塩、増殖培地、及び残留固体藻類細胞構造粒子からなる群から選択される前記極性バイオマス溶液由来の細胞産物及び細胞由来産物を回収することとしてさらに定義される、請求項2に記載の方法。
  33. 前記回収する工程が、アシルグリセロールをエステル交換し、遊離脂肪酸をエステル化する工程をさらに含む、請求項2に記載の方法。
  34. 生物学的又は微生物学的消化プロセスを介して、基本培地又は凝集基質として用いられる前記極性バイオマス溶液を回収する工程をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  35. 前記極性バイオマス溶液に固定炭素及び栄養素を選択的に補充する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  36. 溶液にセルロース系糖、固定炭素を補うための液化及びサクリフィケーション並びに中和としての前記極性バイオマス溶液の後抽出をさらに用いる、請求項35に記載の方法。
  37. 前記透過性を調整する工程の前に、前記バイオマスに加工デンプンを添加し、前記デンプンを生物学的消化プロセスに利用されるようにする、請求項35に記載の方法。
  38. 前記回収する工程の後、前記極性バイオマス溶液を発酵させ、アルコール類、二酸化炭素、脂質、及びタンパク質を回収する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記アルコール類を、前記調整する工程と密に接触させる工程に戻して再循環させる工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  40. アシルグリセロールをエステル交換し、遊離脂肪酸をエステル化する工程と、前記アルコールを前記エステル交換工程に戻して再循環させる工程とをさらに含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記二酸化炭素を藻類栽培に戻して再循環させる工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。
  42. 発酵後画分を得る工程と、反復分画を実施して、さらなる脂質及びタンパク質を得る工程とをさらに含む、請求項34に記載の方法。
  43. 従属栄養食性の藻類、細菌、及び真菌からなる群から選択される生物学的生産用の前記基本培地を使用する工程をさらに含む、請求項34に記載の方法。
  44. 前記使用する工程が、反復分画又は繰返し分画を可能にする、細胞破片に含まれる残留脂質を消費しない生物学的生産システムを操作することとしてさらに記載される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記使用する工程が、リン、窒素、及び無機塩類からなる群から選択される価値のある栄養素をさらに放出させる生物学的生産システムを操作することとしてさらに記載される、請求項43に記載の方法。
  46. 請求項30に記載の脂質産物、炭化水素鎖、及び有機化合物からなる群から選択される、請求項2に記載の方法により前記非極性溶媒溶液中に回収される産物。
  47. 可溶性単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、グリセロール、アミノ酸、可溶性タンパク質、ペプチド、繊維、栄養素、ホスホコリン、リン酸塩、増殖培地、及び残留固体藻類細胞構造粒子からなる群から選択される、請求項2に記載の方法により前記極性バイオマス溶液中に回収される産物。
  48. アルコール類及び二酸化炭素からなる群から選択される、請求項2に記載の方法により前記極性バイオマス溶液中に回収される産物。
  49. リン、窒素、カリウム、カルシウム、硫黄、マグネシウム、ホウ素、塩素、マンガン、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、及びセレンからなる群から選択される、請求項2に記載の方法により一次及び二次主要栄養素及び微量栄養素の前記極性バイオマス溶液中に回収される産物。
  50. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒及びアルコールと密に接触させる工程と、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液から細胞及び細胞由来産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  51. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒及びアルコールと密に接触させる工程と、アシルグリセロールのエステル交換と遊離脂肪酸のエステル化を同時に行なう工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記極性バイオマス溶液を発酵させて産物を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  52. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の有機溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記極性バイオマス溶液中に溶解及び懸濁された価値のある化合物を濃縮して濃縮溶液を生じさせる工程と、プロセス酸性水及び/又は酵素加水分解を有利に利用することによるバイオマス固体の液化及びサクリフィケーションによって追加の固定炭素及び栄養素を提供する工程と、濃縮され、補充された培地溶液を得る工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  53. 前記濃縮され、補充された培地溶液を請求項52において得られるような生物学的増殖又は発酵生産システムに利用する方法。
  54. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、濃縮された極性バイオマス溶液を混合栄養生物、従属栄養生物、又は化学独立栄養生物からなる群から選択される生物を含む増殖培地として利用する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  55. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記極性バイオマス溶液を濃縮する工程と、前記水性極性溶液を生物学的に消化するか又は発酵させる工程と、前記分画プロセスを繰り返して、さらなる細胞産物及び細胞由来産物を得る工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  56. 残留固体、液体、又はそれらの組合せを得て、本方法の任意の工程に再循環させる工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  57. 精製水を得て、本方法の任意の工程に再循環させる工程をさらに含む、請求項55に記載の方法。
  58. 高水分藻類を増殖させ、処理するための再生可能でかつ持続可能な総合処理プラントを操作する方法であって、バイオマス藻類を増殖させる工程と、前記藻類を収穫する工程と、少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記藻類の中から細胞産物を放出させる工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、前記極性バイオマス溶液由来の増殖培地及び前記極性バイオマス溶液由来の二酸化炭素を得る工程と、再生可能でかつ持続可能な操作のために前記二酸化炭素及び増殖培地を前記藻類栽培システムに再循環させる工程とを含む、方法。
  59. 前記増殖培地が、可溶性炭水化物、タンパク質、有機酸、及びリン酸塩を含む、請求項58に記載の方法。
  60. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、有機リンを無機リン酸塩に変換する工程と、前記無機リン酸塩を回収する工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  61. 少なくとも1種の水性極性溶媒のpH調整溶液に懸濁したバイオマスの透過性を調整して、調整されたバイオマスを形成する工程と、前記調整されたバイオマスを少なくとも1種の非極性溶媒と密に接触させる工程と、分配して非極性溶媒溶液及び極性バイオマス溶液を得る工程と、バイオクルードを得る工程とを含む、バイオマスの分画方法。
  62. 請求項61に記載の方法により得られるバイオクルード。
  63. 前記バイオクルードが、ステロールやカロテノイドなどのテルペノイド類、クロロフィル、リン脂質、糖脂質、スフィンゴ脂質、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、脂肪酸、脱カルボキシル化脂肪酸炭化水素鎖;脂肪酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル及び/又はアミルエステル、芳香族化合物、アルキル芳香族化合物、ポリ芳香族化合物、ナフタレン、アルキル置換ナフタレン、直鎖及び分岐アルカン、直鎖及び分岐アルケン、メタノールやエタノールやブタノールなどのアルコール類、並びに他の脂質化合物を含む、請求項62に記載のバイオクルード。
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