以下の段落では、本発明の種々の実施態様が述べられる。説明目的のためにのみ、殆どの実施態様は、医療デバイス又はシステム及び各々の方法に関して概説される。しかしながら、医療デバイス及びシステムに関して使用された用語及び実施態様の記述は、本発明の原理及びアイデアをそのような単一のデバイス及びシステムに限定することを意図されてはいない。例えば、本発明は、有線又は無線のネットワークを介して互いに通信し合う部品の分散システムにも応用できる。
同様に、上記本発明のセクションの背景において与えられた詳細な説明は、インスリン治療又は他のホルモンを用いた治療の制約のより良い理解を単に意図したものである。更に、ここに述べられた調節法は、基本的な、事前混合された、及び食事時間のインスリンに適用することができる。以下において、用語インスリンは、別に断られない限り、全ての種類のインスリン及びグラルギンに対して使用される。
図1は、本発明の好ましい実施態様に記載の医療デバイスの概略図である。好ましくは、医療デバイス100は、例えば、医療デバイスのユーザーの、血糖レベルを測定するように配置される血糖測定ユニット110を含む。血糖測定ユニット110は、例えば、血糖測定ユニット110から受信した血糖値データを保存ユニット130に転送するように配置される受信ユニット120に接続される。あるいは、受信ユニットは、保存ユニットから、例えば、血糖値データのような保存されたデータを検索し、そしてそれを決定ユニット140に転送し得る。あるいは、受信ユニット120は、血糖測定ユニット110から受信した血糖値データを決定ユニット140に直接、転送する。
受信ユニット120は更に、ユーザー入力ユニット150に接続される。ユーザー入力ユニット150は、医療デバイス100のユーザーからの入力を受信するように配置される。ユーザーが入力したデータはユーザー入力ユニット150から受信ユニット120に転送され、そこでそれを決定ユニット140又は保存ユニット130に転送する。
更に、医療デバイス100は好ましくは、受信ユニット120に接続される表示ユニット160を含む。好ましくは、表示ユニット160は、表示すべきデータを受信ユニット120から受信する。好ましくは、医療デバイス100は、データを受信するためにそしてデータを送信するために、USBインターフェイス、IRDAインターフェイス、ブルートゥース(ブルートゥース)インターフェイスなどの更なるインターフェイス170を追加的に含む。インターフェイス170は、好ましくは、受信ユニット120からデータを受信するために、そして受信ユニット120にデータを転送するために受信ユニット120に接続される。
先に概略述べられたように、医療デバイス100は、好ましくは、血糖測定ユニット110を含む。好ましくは、血糖測定ユニット110は、各試験片上の1滴の血液を試験することによって、例えば、ユーザーの血液中の血糖レベルを測定するように配置される。次いで、測定された血糖値は血糖値データに変換され、そして、好ましくは、直ぐに、又は要求に応じて受信ユニット120に転送される。あるいは、血糖測定ユニット110は、例えば、ユーザーの血糖レベルを、赤外線診断又は代替の非接触測定法を介して測定するように配置される。
更なる代替法によると、血糖測定ユニット110は医療デバイス100のユーザーの体内にインプラントされ、そして有線接続を介してか又は無線接続を介して、データを受信ユニット120に転送する。好ましくは、そのようなインプラントされた血糖測定ユニット110は、例えば、連続閉ループ制御を可能にするバイオチップに基づく連続測定センサーである。後者の場合、血糖測定ユニット110は、好ましくは、血糖測定値データを、インターフェイス170を介して受信ユニット120に転送する。更なる代替法によると、医療デバイス100は、血糖値を測定するが、血糖値データを外部ユニットから受信する血糖測定ユニット110を含まない。
血糖の測定は、好ましくは、各信号を血糖測定ユニット110に送る受信ユニット120によってトリガーされる。一つの好ましい代替法によると、受信ユニット120はユーザー入力ユニット150を介して受信するユーザーの入力に基づいて発せれるトリガー信号を受信する。あるいは、トリガー信号はタイマーユニットにより、又は決定ユニット140により自動的に発せられる。
好ましくは、受信ユニット120は、例えば、マイクロプロセッサ又は幾つかの機能ユニットの間のデータの取り扱いを管理するバスシステムの入力ポート及び出力ポートによって表される。これは、例えば、マイクロプロセッサ中で実行される「先進マイクロプロセッサバスアーキテクチャバスシステム」(Advanced Microprocessor Bus Architecture bus system)のようなバスシステム、又はマイクロプロセッサに接続された外部バスシステムを含む。受信ユニット120を介して、データは保存ユニット130から要求に応じて検索され、そして決定ユニット140に、表示ユニット160に又はインターフェイス170に転送される。更に、受信ユニット120は、トリガー信号又は制御信号のような制御信号を、例えば、血糖測定ユニット110、表示ユニット160又はインターフェイス170に転送する。
保存ユニット130は、ユーザー入力ユニット150を介して入力されたデータ、血糖測定ユニット110によって受信したデータ、決定ユニット140によって処理されたデータ、及び/又はインターフェイス170を介して受信したデータを保存するように配置される。更に、保存ユニット130は、保存されたデータを決定ユニット140に、表示ユニット160に、及び/又はインターフェイス170に提供するように配置される。保存ユニット130は、好ましくは、半導体メモリとして実行される。あるいは、それはハードディスクメモリ又は決定ユニット140のオン−チップメモリとして実行される。
決定ユニット140は、好ましくは、マイクロプロセッサ、又はデータを処理できる如何なる他の機能ユニットでもある。ユーザー入力ユニット150は、好ましくは、一つ又はそれ以上の押しボタンとして、又は、あるいは、各ソフトキーの機能が表示ユニット160上に表示される、所謂ソフトキーとして実行される。あるいは、ユーザー入力ユニット150はキーボード又はタッチスクリーンである。あるいは、ユーザー入力ユニット150は、データが発言入力を介して入力することができるように発言入力を受信するためのマイクロフォンを含む。
表示ユニット160は、好ましくは、LCD又はLED表示を含む。好ましくは、例えば、実際の測定された血糖値が、ユーザーに対する追加指示と一緒に表示することができるように、表示は多くの英数字を表示することができる。あるいは表示ユニット160はグラフ又は画像を表示するための画像表示を含む。
インターフェイス170は、好ましくは、IRFA、ブルートゥース、GSM、UMTS,ZigBee又はWI−FIなどの無線インターフェイスである。あるいは、インターフェイスは、データを受け取りそして送信するためのUBポート、直列ポート、平行ポート、ネットワークカードなどのような有線インターフェイスである。更なる代替法において、医療デバイス100はインターフェイス170を含まない。
別の代替法によると、医療デバイス100はインターフェイス170に加えて、チップカードリーダー又はチップカードインターフェイスを含む。チップカードリーダーは、好ましくは、SIMカードのようなチップカード又は情報を有するチップカードを読むように適合される。このために、チップカードはメモリを含み、ここで、好ましくは、選択されたアルゴリズムが、対応するパラメータ、血糖値の履歴及び投与された用量などと一緒に保存される。このように、医療デバイス100が欠陥を有する場合、当該データはチップカードを介して医療デバイス100から容易に除去することができ、そして新しい医療デバイス100に移すことができる。更に、チップカード100は、治療の履歴についての情報を、例えば、HCPに提供するために使用され得る。
SIMカードが医療デバイス100のチップカードリーダーと一緒に使用され、そしてインターフェイス170が追加的に携帯通信インターフェイスである場合、医療デバイス100の基本的機能は、通信チャンネルを介してSIMカードのプロバイダーによってロック解除することができる。これによって、医療デバイス100が、UMTS又はGSMのような所定のチャンネルを介して他の通信デバイスと通信することができるという可能性が追加的に提供される。SIMカード中に保存される、IMSIとも呼ばれる国際移動電話加入者識別番号を介して、医療デバイス100はネットワーク内でそれ自身を同定し、その結果、ネットワークを介してアドレスすることができる。そのような場合、医療デバイス100は、例えば、電話番号を用いて携帯通信ユニットにアドレスすることによって、例えば、管理ユニット2000を介して、容易にチェックされ、遠隔操作され、更新され、監視することができる。
更に、医療デバイス100は、SMS、E−メールを介して又は携帯インターネット接続を介して、データを送信することができる。更に、これは緊急時に医療デバイス100の位置を知らせる可能性を提供する。
図2において示される通り、医療デバイス100は、好ましくは、多くの操作プロセスを実行することができる。好ましい代替法によると、スイッチを入れた後、医療デバイス100は、医療デバイス100の機能部品を初期化するための初期化工程210を実行する。この後、医療デバイス100ができる異なる操作モードが表示工程220中に表示される。好ましくは、工程220において、「BGを測定せよ」、「インスリン用量を出力せよ」、「事象をマークせよ」、「履歴をレビューせよ」及び/又は「設定を変更せよ」のようなモードを選択することができる。工程230においてユーザーは、ユーザー入力ユニット150を介して表示された操作モードの一つを選択する。工程240において、選択された操作モードが実行される。
操作プロセスの代替バージョンによると、特定の操作モードが事前選択される場合、工程220及び230はスキップし得る。その場合、ユーザーによって事前に選択されるか、又は特定の事象に従って自動的に選択される、事前選択された操作モードである初期化210の後、操作プロセスは工程240に進み、そして事前選択された一つ又はそれ以上の操作モードを実行する。
操作モード次第で、操作プロセスは、医療デバイス100のユーザーに、更なる操作モード又は操作プロセスの終了の選択肢を与えるために、選択されたモードの実行の後、工程220に伴って操作プロセスが続き得る。後者の場合、医療デバイス100は好ましくは自動的にスイッチが切られる。
一つの具体的操作モードは、設定変更モードとも呼ばれるセットアップモードである。図3は好ましいセットアップ手順の模式的流れ図である。
上に概略述べられた通り、医療デバイス100は、血糖を測定するための本発明の好ましい実施態様に従って適合される。更に、それは測定された血糖の履歴をレビューするように配置される。好ましくは、医療デバイス100は最近の血糖値データのみならず、投与されたインスリン用量も表示する。その上、医療デバイス100及び、特に、決定ユニット140は、特定のパラメータに基づいて、例えば、投与すべきインスリンの用量を決定する。更に、医療デバイス100は、好ましくは、ユーザー入力を介して、又は電子的にインターフェイス170を介して特定の事象を示すデータを受信するように配置される。好ましくは、これらの機能又はこれらの機能の少なくとも幾つかは、医療デバイス100のユーザーのニーズに調節することができる。図3は、投与すべき用量を決定するために医療デバイス100の機能をカスタマイズするためのそのようなセットアップ手順を示す。
上に概略した通り、FBG値及び最近投与された用量に基づいて、投与すべき用量を如何に決定するかについての多くのアルゴリズムが存在する。医療デバイス100の機能を最適化するために、図3において示されるセットアップ手順が、ユーザーの血糖の最適血糖コントロールに対して適切なアルゴリズムを選択するための工程310を提供する。工程310において所定のアルゴリズムが選択されるか、又は新しいアルゴリズムが定義される。工程320において、選択された所定のアルゴリズム又は新しく定義されたアルゴリズムが保存され又はフラッグ又はポインターのような識別子で、選択されたアルゴリズムとしてマークされる。好ましくは、更なる工程330において、選択されたアルゴリズムは更にパーソナライゼーションされる。パーソナライゼーション工程330において、医療デバイス100のユーザーのニーズ及び要求事項に関連して、選択されたアルゴリズムの特定のパラメータが更に特定され及び/又は選択することができる。
工程310〜330の詳細をより詳細に更に以下に説明する。
図4は、投入すべき用量を決定するためのアルゴリズムのセットアップのための代替方法である。この代替セットアップ手順は、好ましくは、パーソナライゼーションすべきより少ない選択肢を提供し、そして、事前に定義されたより多くのパラメータを提供するためのアルゴリズムに言及する。従って、医療デバイス100のユーザーのニーヅ及び要求事項に対して投与すべき用量を決定するための機能に適合するために、少しのパラメータのみしか調節される必要がない。図4において示される通り、代替セットアップ手順において、出発用量又はユーザーによって使用されている現在の用量が、工程410において入力されそして保存される。好ましくは、それを用いてユーザー主導の調節が開始される出発用量は10〜20単位の範囲にある。あるいは、その他の場合、より低い又はより高い値が使用される。医療デバイス100のユーザーが既に適切な血糖コントロールを得るために特定の用量を使用している場合、この用量又は別のインスリンタイプに相当する用量が、現行用量として工程410において選択される。この場合、好ましくは、安全なアプローチが選択され、そして出発用量が他のインスリンタイプに相当する用量よりも低い用量となるように決定される。
工程420において、適切なアルゴリズムが工程430において選択されそして保存される。前に概略述べられた通り、選択されたアルゴリズムの保存は、選択されたアルゴリズムが保存ユニット130中に追加的に保存されることを必ずしも必要としない。あるいは、選択されたアルゴリズムは、選択されたアルゴリズムに関して保存ユニット130中に保存されているポインター又はフラッグのような識別子を用いて同定される。
図5は、投入すべき用量を決定するためのプロセスをパーソナライゼーションするための更なる構成選択肢を提供する、更なる代替セットアップ手順を示す。
工程510において、医療デバイス100のユーザーのニーズ及び要求事項に最もあてはまるアルゴリズムが選択される。工程520において、選択されたアルゴリズムが保存される。工程410と同様に、現行の用量、又は血糖コントロールプロセスを開始するための出発用量が工程530において設定される。更に、血糖値及び、好ましくは、FBG値が特定の閾値を超えている場合、図5において示されたセットアップ手順によって、特定のルールの選択肢が提供される。好ましくは、この特定の閾値は、FBG値に対して70mg/dl前後であり、それは低血糖レベルを示す。以下の「低いFBGルール」において、これらのルールは、もし血糖値及び、特に、FBG値が特定の閾値より低ければ、用量決定プロセスによって取られるであろう特定の行動を定義する。これらの行動の一つは、好ましくは、投与すべき用量の量を当分の間は増やさないことである。
工程550において、特定の低血糖ルールが、多くの事前に定義された低血糖ルールから選択される。あるいは、新しい低血糖ルールが工程550において定義される。好ましくは、低血糖ルールは、測定された血糖値が更なる特定の閾値より低い場合、用量決定プロセスによって取られる行動を定義する。この更なる具体的閾値によって、やはり低血糖範囲と呼ばれる範囲が定義される。好ましくは、低血糖ルールは、もし血糖レベルが56mg/dl未満であれば、用量決定プロセスにおいて適用される。
一般に、低血糖は約70mg/dl未満の範囲と定義される。このように、約70mg/dlと約56〜50mg/dlの間の範囲は、以下において低血糖範囲とも呼ばれる、低血糖の第一のレベルと定義される。約56〜50mg/dl未満の範囲は、以下おいて低血糖範囲とも呼ばれる低血糖の第二のレベルを定義する。
血糖濃度がこの更なる特定の閾値より低い場合、血糖レベルが正常レベルより低い病的状態に達する。低血糖とも呼ばれるこの状態は、この状態にある人々に対して危険であろう種々の症状及び影響を生みだす可能性がある。従って、低血糖ルールは、そのような低血糖値が測定される場合、医療デバイス100のユーザーに対してリスクを最小化するために、用量決定プロセスによって取られる行動を提供する。
好ましくは、低血糖ルールを介して定義される行動は、例えば、医療デバイス100のユーザーに警告すること、医療デバイス100のユーザーに忠告すること、ヘルスケア専門家に連絡すること、投与すべき次回の用量を減じること、及び/又は特定の期間、調節を中断することである。
好ましくは、工程560において、更なる介入ルールが定義される。そのような更なる介入ルールは、例えば、投与された用量から依存している、血糖値の不適切な進展(development)パターンをチェックする安全チェックのような、用量決定プロセスによって取られる行動を含む。これは、好ましくは、例えば、用量が増えるが、FBG値は減少しない、又は増加さえする事象の監視を含む。更に、これらの安全チェックは、ユーザーによって手動で入力された用量とFBG値に及ぼす各々の影響の間の不一致の監視も含んでよいであろう。更に、これらの安全チェックは、好ましくは、特定の時間間隔内で低血糖が再発するかどうかの監視も含む。
工程560に記載の追加の介入ルールは、例えば、もし血糖値が特定の閾値を超えている場合、もし症候性低血糖症が起きる場合、もし投与すべき用量に対する特定の量に到達する場合、及び/又はもし最終的FBG目標値又はフェイズ目標値に到達する場合に取られる行動である。
好ましくは、特定の介入ルールが、工程560において、多くの事前に決定された選択ルールから選択される。工程570において、工程540〜工程560において選択されたルールが、好ましくは、保存ユニット130において、そして選択されたアルゴリズムに関連して保存される。
図6は、本発明の好ましい実施態様に記載の医療デバイス100の更なる概略図を示す。特に、図6は、ハウジングの詳細及び本発明の好ましい実施態様に記載の医療デバイス100の表示を示す。医療デバイス100はハウジング610を含み、ここでハウジング610の上方側に、表示ユニット160が置かれる。表示ユニット160の隣に、ハウジング610は、ソフトキー620及びナビゲ−ションキー630が置かれるセクションを示す。ソフトキー620は、ディスプレイの隣に直接、好ましくは、ディスプレイの左下方及び右下方側に置かれる。このように、本表示はソフトキー620に実際に割り当てられた機能を示すことができる。
好ましくは、ソフトキーは表示ユニット160と並んで置かれるボタンである。このソフトキーは、表示の時点でその近くに示されるテキストに依存して機能を実行する。
表示ユニット160において表示されるメニュ選択を通してスクロールするために、ナビゲ−ションキー630が使用される。好ましくは、ナビゲ−ションキー630の上部を押すことによって、メニュ選択をスクロールアップすることができ、そしてナビゲ−ションキー630の下部を押すことによって、メニュ選択の下方部分にスクロールすることができる。従って、ナビゲ−ションキー630の左部を押すことによって、左側上のメニュ選択にスクロールすることができ、そしてナビゲ−ションキー630の右部を押すときに、メニュ選択の右側にスクロールすることができる。ナビゲ−ションキー630の中央を押すことによって、選択されたメニュ選択を選択できる。あるいは、ナビゲーションのために、ナビゲーションパッド又はタッチスクリーンが使用される。
好ましくは、医療デバイス100は、音響警報又は音声のような音響信号を出力するための音響モジュールに接続された拡声器640を含む。更に、医療デバイス100は、好ましくは、音声入力、音声認識又はネットワーク接続を介した通信のためのマイクロフォン650も含む。
図6において示される通り、医療デバイス100はセットアップ手順を実行し、そこで所定のアルゴリズム又は設計の選択と好ましいアルゴリズムの保存の間で選択をすることができる。
図7は、工程310における図3において示されたアルゴリズム選択のための操作手順の工程を図示する流れ図を示す。もし、アルゴリズム選択手順の工程710において、事前に定義されたアルゴリズムを選択することが決定されるならば、それは事前に定義されたアルゴリズムが選択される工程720に進められる。事前に定義されたアルゴリズムを選択せずに新しいアルゴリズムを定義すると決定される場合、本方法は工程730に進む。図5に関して既に説明された通り、工程720は、好ましくは、低いFBGルール、低血糖ルール及び更なる介入ルールの選択も含む。新しいアルゴリズムを定義するためのサブ工程について図8を参照して更に詳細に説明する。
図8は、新しいアルゴリズムを定義するための手順のサブ工程を図示する流れ図である。図8において示された通り、好ましくは、新しいアルゴリズムを定義するための手順は、新しいアルゴリズムに対する名前の入力をもって工程810において始まる。これは、ユーザー入力ユニット150を介してユーザーによって入力され得る。あるいは、新しいアルゴリズムに対する名前は自動的に選択される。一旦、新しいアルゴリズムの名前が工程810におい定義されると、工程820においてアルゴリズムのフェイズの数が定義される。好ましくは、アルゴリズムは一つより多くのフェイズによって定義される。各フェイズは達成されなければならない目標を定義する。もしこの目標が達成されると、次のフェイズが開始される。好ましくは、各フェイズは達成すべき血糖目標値又は血糖目標範囲によって定義される。あるいは、新しいアルゴリズムに対して一つのフェイズのみが選択される。
工程830において、各フェイズに対する目標レベルが定義される。好ましくは、目標レベルは、各フェイズに対して定義されたFBG目標値である。新しいアルゴリズムのそのような設計によって、各フェイズに対して異なるパラメータの組を定義付けすることが可能になる。このように、異なるフェイズに対する異なる調節間隔又は用量増加工程を定義することが可能である。アルゴリズムのそのような設計によって、自己調節の初めに、つまり、第一のフェイズにおいて、より大きな用量増加工程を選択し、そしてFBG値が最終FBG目標値により近い引き続くフェイズにおいて用量増加工程を減少することが可能になる。工程840において、測定間隔又は調節間隔が各フェイズに対して定義される。各フェイズに対して測定間隔当たりの用量増加が、工程850において定義される。工程860において、新しい低いFBGルールが好ましく定義される。あるいは、事前に定義された低いFBGルールが、新しく定義されたアルゴリズム対して選択することができる。別の代替法によると、異なる低いFBGルールがフェイズの各々に対して選択される。同様に、新しい低血糖ルールが工程870において定義される。あるいは事前に定義された低血糖ルールが新しいアルゴリズムに対して選択され、又は異なる低血糖ルールが各フェイズに対して新しく定義され又は選択される。工程880において、新しい介入ルールが定義される。工程860及び870に対して既に概略述べられた通り、更なる代替法において、各フェイズに対して、事前に定義された介入ルールが選択され、又は、事前に定義された介入ルール若しくは新しく定義された介入ルールが選択される。
図9は、パーソナライゼーション手順のサブ工程を図示する流れ図である。好ましくは、パーソナライゼーション手順は、図3において示されたパーソナライゼーション工程330において開始される。
パーソナライゼーション手順の工程910において、医療デバイス100のユーザーの名前が、ユーザー入力ユニット150を介して又はインターフェイス170を介して電子的に入力される。好ましくは、ユーザーの名前の入力は、ユーザーによって使用されるデバイスとして医療デバイス100を同定するために要求される。あるいは、医療デバイス100がユーザーによって使用されるデバイスとして同定することができるように、特定の背景画像のための画像データ、又はまさに音データのような他の情報が入力され得る。工程910は、医療デバイス100が他のユーザーによって使用される他の同じ種類の医療デバイス100から区別することができる可能性を提供する。例えば、医療デバイス100の表示、音、外観又は特定の機能をパーソナライゼーションすることによって、異なるユーザーに属する医療デバイス100が混ざり込んで、ユーザーが、間違った医療デバイス100を使用し、その結果、投与すべき用量を決定するための間違った用量決定プロセスを使用するリスクが低減される。
工程920において、出発用量又はユーザーによって現在使用されている用量が、例えば、ユーザー入力ユニット150を介して又はあるいはインターフェイス170を介して入力される。パーソナライゼーションが、各フェイズに対する目標値の調節をも要求する場合、これらの値は工程930において調節されるであろう。好ましくは、FBG目標値は各フェイズに対する目標値として調節される。あるいは、各フェイズに対する目標値を定義する必要はなく、最後のフェイズに対する最終目標値のみを定義する必要がある。その場合、異なるフェイズ目標値が決定ユニット140によって計算される。更なる代替法において、選択されたアルゴリズムによって既にこれが定義されているので、最終目標値が全く定義される必要がないことさえある。そのような場合、工程920の後、パーソナライゼーション手順が終了する。
選択されたアルゴリズム次第で、更なる値及びルールが工程940〜980において定義される。選択されたアルゴリズムが、例えば、低FBG範囲、低いFBGルール、低血糖レベル、及び低血糖ルールのパーソナライゼーションを許さない場合、パーソナライゼーション手順は工程930の後で終わるであろう。しかしながら、もし選択されたアルゴリズムがこれらの値及びルールのパーソナライゼーションを許すならば、パーソナライゼーション手順は工程940〜980に進む。工程940において低FBG範囲が調節される。好ましくは、これは、特定の閾値を閾値の選択群から選択することによって、又は範囲の選択群から範囲を選択することによってなされる。あるいは、特定の範囲に対する一つ又は複数の特定の閾値がユーザー入力ユニット150又はインターフェイス170を介して入力される。
工程950において低いFBGルールは調節される。好ましくは、この工程は、事前に定義された低いFBGルールの組から特定の低いFBGルールを選択することを含む。あるいは追加の低いFBGルールが定義されそして追加することができる。工程960において低血糖レベルが調節される。好ましくは、低血糖レベルのこの調節は、工程940における低FBG範囲の調節と同様の方法で実行される。好ましくは、低血糖ルールは、事前に定義された低血糖ルールの組から特定の低血糖ルールを選択することによって調節される。この調節は工程970において実行される。あるいは追加の低血糖ルールがこの工程において定義される。同様に、更なる介入ルールが工程980において定義される。
あるいは、工程940〜980において定義された範囲値及びルールは、全てのフェイズに対して一般的に定義されないで各フェイズに対して定義される。更に、工程910〜980において入力されたデータ又は選択された値及びルールは、それらが入力又は調節された後、自動的に保存される。
上に概略述べられた通り、医療デバイス100は、好ましくは、ユーザーの血中の血糖レベルを測定するための機能も提供する。好ましくは、血糖値とも呼ばれる、血糖レベルの測定は、図10において示された通り、用量決定手順と組み合わされる。あるいは、医療デバイス100は血糖値のみを測定するための、及び投与すべき用量を決定すると共に血糖値を測定するための異なる操作モードを提供する
好ましくは、医療デバイス100が調節モードにあるか否かを検出して、血糖測定手順が始まる。この検出は、工程1010において実行される。医療デバイス100が調節モードにあるか否かは、好ましくは、保存ユニット130中に保存されたパラメータを介して自動的に検出されるか又は決定ユニット140によって決定される。好ましくは、そのようなパラメータは調節間隔又は時刻である。パラメータが調節間隔であり、そして調節間隔が、例えば、3日である場合、もし最後の調節が三日前であれば、医療デバイス100は自動的に調節モードにある。あるいは、もし調節がFBG値に基づき、その結果、調節が朝、実施されるならば、医療デバイス100は毎朝、調節モードにある。更なる代替法によると、医療デバイス100は、調節間隔及び時刻のような両方のパラメータの組合せに基づき、自動的に調節モードに切り替えられる。そのような場合、もし調節間隔が過ぎ、そして時刻が、調節が通常実施される時ならば、医療デバイス100は自動的に調節モードに切り替えられる。
あるいは、もしFBG値が全く測定されない場合、以前にのFBG値に基づいて及び以前に測定された又は報告された他の血糖値に基づいて用量推奨が与えられる。好ましくは、この機能が活性化される限り、もし実際のFBG値が全く利用できないとしても、用量ガイダンスが与えられる。
別の代替法によると、医療デバイス100は、ユーザー入力ユニット150を通したユーザーの入力を介して、又はインターフェイス170を通した入力を介して手動で調節モードに切り替えられる。
医療デバイス100が調節モードにない場合、血糖測定手順は血糖値が測定される工程1020に進む。この血糖測定工程1020は、好ましくは、血糖値が定められそして保存ユニット130に転送され、そして測定が何時実行されたかを示している時間及び日に関連して保存される血糖値データに変換されることを含む。場合により、ユーザーはこの血糖値データをFBG値データ又はその他の血糖値データとしてマークし得る。
医療デバイス100が調節モードにある場合、その時は、血糖測定手順は工程1030に進み、ここで測定がFBG測定であるか、又は如何なる他の血糖測定であるかが検出される。投与すべき用量の決定がFBG値の測定に基づく場合、もし血糖測定がFBG測定であるならば、血糖測定手順は用量決定工程1040に進む。
用量決定工程1040において、投与すべき用量が提案され、そして、好ましくは、提案された用量が維持すべきか、又は異なる値に変えられるべきかを、ユーザーは尋ねられる。
上に既に示された通り、もし、例えば、忘れていて又は何らかの理由でスキップされて、FBG測定が実行されなかったにもかかわらず用量ガイダンスが与えられる。これは、投与すべき用量に対する用量推奨値が、好ましくは、以前にの一つの又は複数のFBG値に基づいて、及び以前にの測定された又は報告された血糖値に基づいて与えられることを含む。
好ましくは、血糖値測定がFBG測定であるか否かが自動的に検出される。好ましくは、この検出は時刻に基づく。FBG測定が朝に通常実行される場合、もし血糖測定手順が朝の時間に実行されるならば、医療デバイスは自動的にFBG測定モードに切り替えられる。あるいはFBG測定モードが他のパラメータを介して検出され又はユーザーの入力を介して定義される。後者の場合、ユーザーは、各モードを選択することを要求される。医療デバイスがFBG測定モードにない場合、血糖測定手順は工程1020に進む。医療デバイス100がFBG測定モードにある場合、血糖測定手順は、投与されるべき用量を決定するための工程1040に進む。
用量決定工程1040のサブ工程が図11においてより詳細に図示される。
図11は、用量決定工程のサブ工程を図示する流れ図である。工程1100において、血糖レベルが測定され、そして対応する血糖値が決定される。好ましくは、各血糖値データが、血糖測定が実行された日時と一緒に保存ユニット130中に保存される。血糖測定がFBG測定であるので、保存された値は、好ましくは、FBG測定値として自動的にマークされる。
工程1120において、測定された血糖値が、好ましくは、測定が実行された日時と一緒に、表示ユニット160上に表示される。追加的に、好ましくは、血糖値がFBG値であることも表示ユニット160上に表示される。更に、血糖値はmg/dl単位で表示される。
特定の所定の時間間隔の後に自動的に、又はユーザーの入力に依存して、低血糖チェックを行うために、用量決定手順は工程1130に進む。これらの低血糖チェックが更に以下により詳細に説明される。工程1130に0おいて実行された低血糖チェックがネガティブな結果に至らない場合、用量決定手順は工程1140に進む。工程1140において、投与すべき用量を決定するために選択されたアルゴリズムが実行される。投与すべき用量が工程1140において決定されたとき、ガイダンスが工程1150において表示される。好ましくは、このガイダンスは、各投与された用量と一緒に最も近いFBG値及び実際のFBG値についての情報を含む。更に、表示されたガイダンスは、実際の投与すべき用量についての情報を含む。表示されたガイダンスを図14に関連して更に以下により詳細に説明する。
工程1140において決定された用量がユーザーによって受け入れられる場合、保存ユニット130において決定された日時に関連して用量が保存される。医療デバイス100が用量設定ユニット及び用量送達ユニットを含む場合、決定された用量を表すデータが用量設定ユニットに送信される。あるいは、投与すべき用量を表しているデータが外部用量設定ユニット及び用量送達ユニットに送信される。
図12は、低血糖チェック手順のサブ工程を図示する流れ図である。低血糖チェック手順は、選択されたアルゴリズムに対して定義されそしてパーソナライゼーションされた低血糖レベル及び低血糖ルールに基づく。工程1210において、低い血糖値が記録されているかどうか、内部チェックが実行される。この内部チェックは、好ましくは、保存された血糖値が、選択されたアルゴリズムに対して、及び選択されたアルゴリズムによって現在実行されている各フェイズに対して定義された一つ又はそれ以上の閾値未満であるかどうかをチェックすることによって実行される。工程1220において、所定の日数間隔内で測定された血糖値が、選択されたアルゴリズム及び/又は選択されたアルゴリズムの各フェイズに対して定義された低FBG範囲以上であるか否かがチェックされる。一つ又はそれ以上の血糖値が、定義された低FBG範囲未満である場合、低血糖チェック手順は工程1230に進む。
工程1230において、好ましくは、低いFBGルール及び低血糖ルールが、更なる介入ルールと一緒にチェックされる。このチェック中に、更なる行動が取られるべきかどうかが決定される。
あるいは、低いFBGルール及び低血糖ルール組み合わされ、そして共通ルールセットとして使用される。
工程1240において、好ましくは、決定された低血糖値が、低いFBGルール、低血糖ルール及び更なる介入ルールに従って決定された介入と一緒に表示される。あるいは、例えば、例えば、低い血糖値を、対応するデータ及び時間、並びに対応する投与された用量と一緒に、ヘルスケア専門家がそれに接続されているコンピュータシステム、ネットワークシステム又は通信システムに送信するような追加行動が取られる。
あるいは、インターフェイス170を介して、追加の警報が送信される。好ましくは、工程1240における表示ユニット上に最近投与された用量も表示される。
工程1250において、提案された用量が維持すべきか、又は異なる値に変えられるべきかを、ユーザーは尋ねられる。提案された用量は、好ましくは以前にの用量、又は以前にの用量と比べて減少された用量である。
医療デバイス100のユーザーが、提案された用量は維持すべきでないという意見である場合、低血糖チェック手順は工程1260に進み、ここで、ユーザーは、好ましくは、ユーザー入力ユニット150を介して、現在の用量に対して新しい値を入力することができる。好ましくは、入力された用量値は現在の用量値より小さい。新しい用量値が入力された後、低血糖チェック手順は工程1270に進み、ここで、入力された新しい用量値は好ましくは、保存ユニット130中に保存される。
ユーザーが、現在提案された用量は維持すべきという意見である場合、低血糖チェック手順は、投与すべき用量として現在用量を保存するための工程1270に直接、進む。好ましくは、この用量値は、投与すべき用量値であると決定された日時に関連して、本用量値が保存される。工程1270の後、医療デバイスは、好ましくは、特定の操作手順が選択することができる操作モードに自動的に戻る。あるいは。医療デバイス100は、自動的に又はユーザーの入力を介してスイッチを切られる。
工程1220において、最後に特定された日の全ての血糖値が、定義された低FBG閾値、つまり、低FBG範囲以上であると決定される場合、低血糖チェック手順は工程1280に進む。この工程において、低血糖値がユーザーによって検出されたか、医療デバイス100中に記録されていないかどうかをユーザーは尋ねられる。ユーザー入力ユニット150を介して、ユーザーは、要求された情報を入力することができる。追加の低血糖値、つまり、記録されていない低血糖値が特定の時間間隔に対して全く報告されていない場合、低血糖チェック手順を終了することが、工程1290において決定される。好ましくは、低血糖チェック手順の後、例えば、図11において示された通り、投与すべき用量を決定するための選択されたアルゴリズムが実行される。未記録の低血糖値がユーザーによって記録される場合、工程1290において、工程1230に進むことが決定される。
好ましくは、工程1220及び1290における時間間隔は等しい。あるいは両者の時間間隔は、選択されたアルゴリズムにおいて定義されたパラメータ次第で、異なってもよい。
図13は、図10において示された血糖測定手順の代替バージョンを図示する流れ図である。血糖測定手順の代替バージョンは、工程1110に関して既に説明した通り、血糖値の測定と共に工程1310において始まる。工程1320において、医療デバイス100が調節モードにあるか否かが検出される。この検出は、工程1010に関して既に説明した通りの方法で実行される。医療デバイスが調節モードにある場合、血糖測定手順に対する代替バージョンは工程1330に進み、ここで血糖測定がFBG測定であるかどうかが検出される。この検出は、好ましくは、工程1030に関して既に概略述べられたものと同じように実行される。血糖測定がFBG測定である場合、血糖測定手順の代替バージョンは、投与すべき用量を決定するための工程1340に進む。工程1340は、好ましくは、工程1040に対応する。
医療デバイス100が調節モードにないということが、工程1320において検出される場合、血糖測定手順の代替バージョンは工程1350に進む。この工程において、FBGルール、低血糖ルール、及び更なる介入ルールが、選択されたアルゴリズムに従ってチェックされる。各ルールがチェックされると、血糖測定手順の代替バージョンは工程1360に進み、ここでルールのチェック結果及び測定された血糖値の結果が表示される。好ましくは、工程1360において、工程1240〜1260に対して述べられたものと同じ工程が取られる。サブ工程1370において、各データは、好ましくは、対応する日時と一緒に保存される。工程1370の後、医療デバイスは、好ましくは、自動的に操作モードに戻り、ここで特定の操作手順を選択することができる。あるいは、医療デバイス100はスイッチを切られる。更なる代替法によると、工程1360において表示された結果が、医療デバイス100がユーザー入力を介して異なる操作モードに切り替えられるまで表示される。
図14は、工程1150に関連して説明された通りの操作モードに対する医療デバイス100の表示を示す概略図である。表示ユニット160はユーザーに対するガイダンスを表示する。好ましくは、これは投与すべき用量である。図14において示された通り、医療デバイス100のユーザーが工程1140において決定された用量を受け入れ得ることができるように、又はそれを変更することができるように、機能「確認」及び「変更」がソフトキー620に割り当てられる。あるいは、決定された用量が表示されるのみならず以前に投与された用量も、対応する測定されたFBG値と一緒に表示される。このように、医療デバイス100のユーザーは、決定されたそして表示された用量を受け入れるか否かを決定するための追加情報を有する。更に、ユーザーに対して選択されそしてパーソナライゼーションされたアルゴリズム及びパラメータに基づいて用量が決定されたことをユーザーが容易に同定することができるように、ユーザーの名前のようなパーソナライゼーション情報が表示ユニット160において表示される。
医療デバイス100が、有線又は無線のインターフェイスを介して外部用量設定ユニットに接続される場合、好ましくは、ユーザーは、投与すべき用量に対する表示された単位に対応するデータが用量設定ユニットに送信すべきかどうかが要求される。ユーザーが送信を確認する場合、表示された用量に対応する各データが用量設定ユニットに送信される。
あるいは、表示ユニット160上に表示された全ての情報が音声モジュールを介して出力される。音声モジュールを介した出力は、好ましくは、ユーザーの入力を介してトリガーされる。あるいは音声モジュールを介した出力は、セットアップメニューにおけるユーザーの選択に基づいて自動的に実行される。更なる代替バージョンによると、ディスプレイ上に表示された情報は、好ましくは、ブルートゥースを介してヘッドセットに送信される。
図15は、工程1290において好ましく使用された通りの、医療デバイス100の表示を示す概略図である。表示ユニット160を介して、ユーザーは、最後の数日間での記録されていない低血糖症状を報告することを要求される。ソフトキー620を介して、ユーザーは表示ユニット160上に表示された質問に答えるための特定の選択肢を選択することができる。
あるいは又は追加的に、戻しボタンのようなハードキイが使用される。
ユーザーが低血糖症状の経験を全く有しない場合、ユーザーは、選択肢「無」を表す左ソフトキー620を押すであろう。ユーザーが最後の数日間で低血糖症状の経験を有する場合、ユーザーは、選択肢「有」を表す右ソフトキー620を押すであろう。
あるいは、選択肢が、音声入力を介して選択される。このために、音声入力がデータに変換することができるように、音声モジュールはマイクロフォン650及び音声認識ユニットを追加的に含む。
図15において示される通り、同様のメニュが好ましくは、血糖測定手順から独立して、特定の事象を報告するために又はマークするために、使用される。
図16は、操作モード「履歴をレビューせよ」に対する医療デバイスの例示的表示を示す概略図である。そのような操作モードにおいて、ユーザーは、各データ及び各投与された用量に関連して、測定されたFBG値のデータを検索することができる。図16において示される通り、FBG値及び投与されたインスリン単位のリストが表示ユニット160上に表示される。FBG値が測定されるとき及びインスリンの各用量が投与されたとき、左の欄において各データが表示される。ソフトキー620を介して、ユーザーはデータ、FBG値及びインスリンの用量のリストをスクロールすることができる。この機能は、医療デバイス100のユーザーに、治療の進展を監視することを提供する。あるいは、結果は図で表示され得て、そうすることによってFBG値の進展傾向が統計的モジュールを介して追加的に解析される。
好ましくは、測定の履歴をレビューするために、表示ユニット160上にFBG値が表示すべきかどうか、又は記録された事象が表示すべきかどうか、又は報告された事象が表示すべきかどうか、又は全ての事象が表示すべきかどうか、又は全ての血糖値が表示すべきかどうかを、ユーザーは定義することができる。
更に、追加の機能が、好ましくは、医療デバイス100において実行され、そしてセットアップメニューを介して構成できる。これは、好ましくは、所定の時間に医療デバイス100のスイッチを自動的に入れる機能を含む。好ましくは、所定の時間はFBG値を測定する時間である。このように、医療デバイス100のユーザーは、FBGの測定又は調節の実行を思い出させられる。好ましくは、医療デバイス100のユーザーに思い出させるために音響的又は視的な警報が使用される。音響的警報のために、拡声器640が好ましくは使用される。加えるに、医療デバイスの他の機能がスイッチを切られるときにも好ましくは生きている警報は、医療デバイス100のユーザーにインスリンの用量を投与することを思い出されるために使用される。
図17は、医療デバイス100の決定ユニット140の概略図である。好ましくは、決定ユニット140は、少なくとも一つの処理機能を実行するためのデータ処理ユニット1710を含む。好ましくは、データ処理ユニット1710は、多くの処理機能を実行するように配置され、ここで、少なくとも一つの処理機能は、保存ユニット130から検索されたデータを修正するためのものであり、そして少なくとも一つの更なる処理機能は、受信ユニット120から受信した血糖値データ及び保存ユニット130から受信したデータに基づいて、血糖コントロールのための情報を提供するためのものである。特に、データ処理ユニットは、投与すべき用量を決定するために選択されたアルゴリズムを実行するように適合される。このために、データ処理ユニットは受信ユニット120に接続される。このように、データ処理ユニット1710は受信ユニット120からデータを受信し、そしてデータを受信ユニット120に転送することができる。
更に、決定ユニット140は、同定データ、認証データ、承認データなどのような受信したデータを検証するように、そして受信したデータの検証に対応する検証データ提供するように配置される検証ユニット1720を含む。セキュリティデータとも呼ばれるこれらのデータを受信するために、検証ユニット1720は、好ましくは、受信ユニット120に接続される。あるいは、検証ユニット1720及びデータ処理ユニット1710は、受信ユニット120からのデータを受信するために共通データチャンネル又はラインを使用する。好ましくは、セキュリティデータは、パスワード又はアクティブ化キー、つまり、検証ユニット1720が保存ユニット130中に保存されたデータ又は検証ユニット1720中において実行されたデータに基づいて、パスワード又はアクティブ化キーを検証するコードである。あるいは、医療デバイス100は、検証ユニット1720が、受信したセキュリティデータと比較すべきデータをそこから受信するSIMカードを含む。
受信したセキュリティデータ及び医療デバイス100中に保存された対応するデータの検証に基づいて、検証ユニット1720は、受信したセキュリティデータの検証が上手くいったか否かを示す検証データを出力する。好ましくは、検証データは検証プロセスの結果を示しているビット又はフラッグである。あるいは、検証データは検証プロセスの結果を示している符号語(code word)である。
好ましくは、検証データは安全ユニット1730に出力される。あるいは、検証データは、保存ユニット130中又は決定ユニット140の内部保存部中に保存される。このように、安全ユニット1730は、検証ユニット1720から直接、又は保存ユニット130から、又は決定ユニット140の内部保存部から検証データを受信する。
安全ユニット1730は、データ処理ユニット1710によって実施される処理機能からの所定の機能を実施することを制御するように配置される。所定の機能の実施の制御は、安全ユニット1730によって受信した検証データに基づく。このように、データ処理ユニット1710は、もし安全ユニット1730が所定の機能の実施を可能とするならば、所定の機能のみを実行することができる。
好ましくは、データ処理ユニット1710による一つ又はそれ以上の所定の機能の実行は、もし受信したセキュリティデータが検証ユニット1720によって成功裏に検証されたならば、データ処理ユニット1710に提供される制御信号を介して安全ユニット1730によってのみ許される。この制御回路又はユニットを介して、例えばデータが、如何なる有効な検証も無しに、保存ユニット130からデータが検索され、そしてデータ処理ユニット1710によって修正されることを阻止することができる。そのようにして、医療デバイス100のユーザーにとって有害となるであろう、承認されていない人によるセットアップの修正、特に、決められた用量値に導くであろう選択されたアルゴリズムにおけるパラメータの変更を防ぐことができる。セキュリティデータの検証を介して医療デバイス100の特定の機能のみを制御することによって、医療デバイス100のユーザーは、如何なる場合にも医療デバイス100を好ましい代替法に記載の簡単な血糖メーターとして使用することができる。用量決定機能は更に、もし、それらがアクティブ化キー又はパスワードのようなセキュリティデータを介して、権限を有する人によって活性化されているならば、好ましい代替法に従ってのみ利用できる。そのようにして、医療デバイス100は、重要な機能がヘルスケア専門家のような権限を有する人によってのみ入手でき、又は修正することができるという必要な機能を提供する。
医療デバイス100の好ましい実施態様の代替バージョンによると、インターフェイス170は、データを受信しそして送信するための有線又は無線のインターフェイスである。好ましくは、インターフェイス170はUSBインターフェイス、IEEE1394インターフェイス、ブルートゥースインターフェイス、ZigBeeインターフェイス、WI−FIインターフェイス、UMTSインターフェイス又はGSMインターフェイスである。そのようなインターフェイス170を介して、医療デバイス100はセキュリティデータを受信することができ、そして検証ユニット1720にそれを提供できる。更に、そのようインターフェイスによって、ヘルスケア専門家は遠隔制御を介して医療デバイス100を構成することが可能になる。これについて更に以下に詳細に説明する。
図18は、本発明の更なる好ましい実施態様の代替法に記載の医療デバイス100の概略図を示す。インターフェイス170は、USBスティック1810を介して、又はUSBリンクを介してセキュリティデータを受信することができるUSBインターフェイスである。USBスティック1810上に、HCBメーターアクティブ化キーが保存される。この好ましい代替法において、検証ユニット1720はUSBポートから連続してHCBメーターアクティブ化キーを要求する。検証プロセスに対して必要なHCBメーターアクティブ化キーがUSBポートを介して検索することができる限り、データ処理ユニット1710は所定の機能を実行できる。USBスティック1810又はUSBリンクが医療デバイス100から切断される場合、検証ユニット1720は検証プロセスのための必要なHCPメーターアクティブ化キーをもはや受信しない。従って、検証ユニット1720は検証プロセスが成功しなかったことを示している検証信号を出力する。このように、安全ユニット1730はデータ処理ユニット1710が所定の機能を実行することを防ぐ。
図19は、本発明の更なる好ましい実施態様に記載の医療デバイス100を図示する概略図である。医療デバイス100は、血糖測定ユニット110、受信ユニット120保存ユニット130及び決定ユニット140を含む。追加として、医療デバイス100は、図1において既に示した通り、ユーザー入力ユニット150及び表示ユニット160を含む。追加として、図19において示した医療デバイス100は、好ましくは、無線で追加の内部及び外部の部品と通信可能なトランシーバーユニット1910を含む。更に、医療デバイス100は、トランシーバーユニット1910と通信可能な更なるトランシーバーユニット1920を含む。トランシーバーユニット1920はトランシーバーユニット1920から受信した信号に従って投与すべき用量を設定するための1930に接続される。用量設定ユニットは更に、用量送達ユニット1940に接続される。好ましくは、トランシーバーユニット1920、用量設定ユニット1930及び用量送達ユニット1940は、図19において示された他の部品から分離された機能的かつ構造的ユニットを形成する。好ましくは、トランシーバーユニット1920、用量設定ユニット1930及び用量送達ユニット1940は、決定ユニット140によって決定される用量を送達するためにその用量が設定されなければならないトランシーバーユニット1910から信号を受信するインスリンペン又はインスリンポンプ又は吸入デバイスを形成する。もしトランシーバーユニット1920が、用量を設定するための各信号を受信するならば、用量設定ユニット1930は、受信した信号に従って用量を設定するための各用量設定機構を活性化する。投与すべき用量の送達は、医療デバイス100のユーザーによって手動で活性化されるか、または自動的に活性化される。インスリンペンの場合、この活性化は、好ましくは、ユーザーによって手動でなされる。インスリンポンプの場合、この活性化は、好ましくは、自動的になされる。好ましい代替法によると、用量送達ユニット1940は、設定された用量が上手く送達されたという信号をトランシーバーユニット1920に転送する。従って、トランシーバーユニット1920は、設定された用量が上手く送達できたという信号をトランシーバーユニット1910に伝達する。このように、設定された用量の成功裏の送達が決定ユニット140によってプロトコールすることができ、そして保存ユニット130中に保存することができる。
血糖測定ユニット110が、例えばインプラントされた連続センサーであり、そして用量送達ユニット1940がインスリンポンプである場合、自動送達システムが提供される。用量増加の場合に、この完全自動送達システムがユーザーの確認を要求する場合、半閉ループ制御が提供される。
図20は、本発明の別の好ましい実施態様に記載の医療システムを示す概略図である。特に、図20は、図19において示された通りの医療デバイス100を管理ユニット2000と一緒に示す。好ましくは、管理ユニット2000はデータ処理ユニット2020に接続されるトランシーバーユニット2010を含む。更に、データ処理ユニット2020は保存ユニット2030に接続される。トランシーバーユニット2010はトランシーバーユニット1910と通信できる。好ましくは、トランシーバーユニット2010及び1910の両者は無線データ接続を介して通信する。あるいはトランシーバーユニット2010及び1910の両者は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットのような有線データ接続を介して通信する。
データ処理ユニット2020は、トランシーバーユニット2010によってトランシーバーユニット1910に送信される、例えば、HCPメーターアクティブ化キーのようなセキュリティデータを提供するように配置される。このようにして、管理ユニット2000は医療デバイス100を構成することができる。好ましくは、データ処理ユニット1710は、管理ユニット2000が医療デバイス100と接続している限り、安全ユニット1730によって制御される所定の機能を実行することができる。医療デバイス100がヘルスケア専門家の事務所のような遠隔地上にある場合、管理ユニット2000を使用しているヘルスケア専門家は、同様にトランシーバーユニット2010とトランシーバーユニット1910の間の無線接続を介して医療デバイス100を構成し、修正し又は制御することができる。前に述べた通り、トランシーバーユニットの好ましい例は、UMTS又はGMS又はWI−FIトランシーバーである。あるいは、少なくとも一つのトランシーバーは、医療デバイス100及び管理ユニット2000がこれらのネットワークを介して通信することができるように、LAN又はインターネットに接続することができる。そのような医療システムは、医療デバイス100の重要機能が、承認されたヘルスケア専門家によってのみ、遠隔制御を介して再構築可能であり、一方、医療デバイス100の他の機能が、医療デバイス100のユーザーによって依然として使用でき修正することができる可能性を提供する。更に、そのようなシステムは、FBGチェック又は低血糖チェックによって生み出された警報を、ヘルスケア専門家に直接転送する可能性を提供する。これらの特長について更に以下により詳細に述べる。
上に述べた及び以下に述べる機能の他に、医療デバイス100は、医療デバイス100のユーザーの血糖レベルの自己調節を助けるための、所謂「データ記録機」及び「データ通信デバイス」として使用される。好ましくは、医療デバイス100は、上述の通り、FBG値を測定し、そしてFBG値、投与された用量、及び調節間隔内に測定された血糖値を保存ユニット130中に保存する。しかしながら、用量決定機能はこのモードにおいて失活させられる。
用量推奨値は、測定されたFBG値及び他の血糖値に関するフィードバックを得るHCPによって事前に定義されそして選択される。好ましくは、FBG値及び他の血糖値並びに各測定時間は、一週間に亘って記録される。あるいは、如何なる他の時間間隔も使用することができる。好ましくは、これらのデータは有線接続又は無線接続を介して、事前に定義された時間間隔後に自動的に又はユーザーの入力に基づいて、HCPに、つまり、好ましくは、管理ユニット2000に送信される。
更なる代替法によると、医療デバイス100上の設定された警報によって医療デバイス100のユーザーは、HCPの管理ユニット2000に記録されたデータを送信することを思い出させられる。記録されたデータを受信すると、管理ユニット2000は、好ましくは、上述の低いFBGルール及び低血糖ルールに基づいて、データのチェックを実行し、そして上述のアルゴリズムに基づいて投与すべき用量を決定する。これは自動的に又はHCPのユーザー入力に基づいて、キーボード又は管理ユニット2000の他のユーザーインターフェイスを介して行うことができる。あるいは、特定事象が低いFBGルール又は低血糖ルールに従って同定される場合、管理ユニット2000によって警報が出力される
上述の通り、用量推奨値は好ましくは自動的に決定される。特定事象が管理ユニット2000によって同定された場合、次の調節間隔に対する新しい用量推奨値が医療デバイス100に自動的に又はHCPの確認に基づいて送信される。特定事象が検出された場合、管理ユニット2000又はあるいはHCPは用量、調節間隔を修正し、又は医療デバイス100のユーザーに更なる指示を用いて伝言を送信する。
あるいは、新しい調節間隔に対する新しい指示を得るために、医療デバイス100のユーザーは電話を介して又は自分自身でHCPに連絡を取る。
あるいは、記録されたデータが、サービスセンターに置かれた管理ユニット2000に送信され、ここでデータが自動的に処理される。同定された特定の事象の場合、HCPは、どの更なる行動が取られるかを誰が決定するかを、例えば、ネットワーク接続を介して知らされる。
図21は、本発明の別の好ましい実施態様に記載の血糖コントロールのための情報を提供する方法の工程を図示する流れ図である。工程2110において、セキュリティデータが受信される。好ましくは、セキュリティデータはインターフェイス170を介して受信ユニット120によって受信される。更に、受信したセキュリティデータは、好ましくは、決定ユニット140に転送される。受信したセキュリティデータは次の工程2120において検証される。好ましくは、セキュリティの検証は、受信したセキュリティデータを参照データと比較することを介して実行される。受信したセキュリティデータがパスワードである場合、パスワードを、医療デバイス100中に保存されたパスワードの複製と比較することによって工程2120においてパスワードが検証される。あるいは、受信したセキュリティデータのチェックサムが、受信したセキュリティデータを検証するために取られ得る。更なる代替法によると、認証キー又はコードがセキュリティデータとして使用され、ここで工程2120において、受信した認証キー又はコードを検証するために、対応するキー又はコードが検証工程において使用される。好ましくは、HCPメーターアクティブ化キーはそのような認証キーである。
検証工程の結果次第で、検証データが工程2130において提供される。好ましくは、検証データは、検証が上手くいったか否かを示すビットである。例えば、もし、セキュリティデータが、工程2120において保存された参照データに関して成功裏に検証されたならば、検証データはビット「1」である。受信したセキュリティデータが、参照データに関して成功裏に検証されなかった場合、検証データはビット「0」によって表される。あるいは、検証データは、検証工程2120が成功したか否かを示すブール値である。その場合、ブール値は、値「真」又は「偽」を有するであろう。更なる代替バージョンによると、検証データは、工程2120における検証プロセスが成功した場合にのみ提供される。工程2120における検証プロセスが成功しなかった場合、検証データは全く提供されない。
好ましくは、検証データは検証ユニット1720によって提供される。
工程2140において、多数の異なる処理機能の中からの少なくとも所定の機能を実行することは、検証データに基づいて制御される。好ましくは、所定の一つ又は複数の機能を実行することは、工程2120において検証プロセスが上手くいった場合にのみ許される。このように、もし、受信したセキュリティデータが保存された参照データに対応する正しいセキュリティデータであるときにのみ、所定の一つ又は複数の機能を実行することができるということが確保される。好ましくは、そのような所定の機能は、例えば、用量決定手順のような、受信した血糖値データ及び保存ユニット130から検索されたデータに基づいて、例えば、セットアップ手順又は血糖コントロールのための情報を提供するための処理機能のような、130から検索されたデータを修正するための処理機能である。
好ましくは、所定の一つ又は複数の機能を実行することを制御する工程によって、各所定の機能を制御する異なる承認レベルの間の区別がなされる。例えば、特定の所定の機能に対して、各特定の所定の機能が、求められれば常に実行することができるように、セキュリティデータを一度受信することのみが必要であり、そのことによって他の所定の機能は、実行されるために、実際に提供された検証信号を受信することが常に必要である。このように、セキュリティデータを一度受信することによって特定の所定の機能を活性化することが可能である。その他の特定の所定の機能に対しては、各所定の機能が実行されなければならない各々の場合において、セキュリティデータを受信することが必要である。
そのようにして、例えば、投与すべき用量決定プロセスが、セキュリティデータを一度提供することによって活性化されるように配置される。この初期の活性化の後、投与すべき各用量を決定するために、セキュリティデータを再び受信する如何なる更なる必要も無く、医療デバイス100を使用することができる。しかしながら、保存ユニット130における特定のデータを修正するような他の機能は、それらが実行される都度パスワードを受信することが必要である。このように、セキュリティデータを提供することができるヘルスケア専門家のような特定の人のみが、選択されたアルゴリズムのパラメータのようなデータを修正することができることが確保される。
好ましくは、どの処理機能が検証データを必要とし、そしてどの処理機能が検証データを必要としないかを示す情報を提供する構成ファイル、ルックアップテーブル又はデータベースが提供される。更に、そのような構成ファイル、ルックアップテーブル又はデータベースは、どの処理機能が検証データを一度だけ必要とし、そしてどの処理機能が検証データを常に必要とするかを示す情報を提供する。そのような構成ファイル、ルックアップテーブル又はデータベースにおいて、もしセキュリティデータが二度と提供されないとしても、検証データを一度だけ要求する処理機能が実行可能な状態に留まるように、検証データが既に一度提供されたかどうかも、好ましくは保存される。
上述の工程2110〜2140は、このように、血糖コントロールのための情報を提供する方法を定義し、ここで特定の所定の機能がセキュリティデータを介してロック解除され、そして他の特定の機能が、もしもセキュリティデータがそれらの実行前及び/又は実行中に提供される場合にのみ実行することができる。
図22は、本発明の別の好ましい実施態様に記載の血糖コントロールのための情報を提供する方法を図示する流れ図である。図22において示された方法は、好ましくは、医療デバイス100を操作する時に使用される。工程2210において、セキュリティデータが受信したかどうかが検出される。好ましくは、これは、セキュリティデータが過去に一度受信したかどうか、及び/又は、セキュリティデータが実際に受信するかどうかの検出を含む。正しいセキュリティデータが過去に一度受信したかどうかは、好ましくは、上述の構成ファイル、ルックアップテーブル又はデータベースを解析することによってチェックされる。実際にセキュリティデータが受信する場合、血糖コントロールのための情報を提供する方法は工程2220に進み、ここで正しいセキュリティデータが受信するかどうかが検出される。この検出は、好ましくは、図21において示された工程2120及び2130を介して実行される。受信したセキュリティデータが正しい場合、血糖コントロールのための情報を提供する方法は工程2230に進む。この工程において、全機能モードが始まり、つまり、全ての処理機能が安全ユニット1730の制御下で実行することができる。これは、血糖値を測定することができるのみならず、投与すべき用量も決定することができて、そして新しいアルゴリズムが定義され、既存のアルゴリズムが修正され、新しいアルゴリズムが選択され、又は選択されたアルゴリズムのパーソナライゼーションが変えることができることも意味する。
工程2210において、セキュリティデータが実際に全く受信されていないと検出される場合、血糖コントロールのための情報を提供する方法は工程2240に進む。この工程において、制限された機能モードが開始され、つまり、限られた数の処理機能のみが安全ユニット1730の制御下で実行することができる。正しいセキュリティデータが過去に既に提供されている場合、所定の機能が1730の制御下で実行することができて、それはセキュリティデータを一回受信することを介してこの機能の解除のみを要求する。上述の通り、そのような処理機能は、好ましくは、投与すべき用量を決定するための処理機能である。更に、実行されるために検証データを要求しない機能は、例えば、血糖値を測定するための機能である。そのような場合、医療デバイス100の使用のためのいかなる認証又は他の種類の同定無しで、医療デバイス100を血糖メーターとして常に使用することができる。実行の前及び/又は実行中に検証データが常に提供されることを要求する他の全ての機能は、限定された機能モードにおいて実行することができない。
工程2220において、受信したセキュリティデータが正しくないと検出される場合、血糖コントロールのための情報を提供する方法も、制限された機能モードを提供する工程2240に進む。そのような場合、受信したセキュリティデータが正しくないという視的及び/又は音響的な情報が医療デバイス100のユーザーに提供される。あるいは、そのような情報が全く提供されない。更なる代替法によると、ユーザーは、その人が新しいセキュリティデータの入力及びセキュリティデータの検証の再試行を望むかどうかを伝言によって尋ねられる。そのような場合、それは工程2210に再び進められる。
図23は、図21において示された通りの血糖コントロールのための情報を提供する方法の更なる態様を図示する流れ図である。工程2310において、投与すべき用量を決定するためのアルゴリズムが既に実行されたか否かが検出される。図21および22に関して、既に概略述べられた通り、好ましくは、投与すべき用量を決定するためのアルゴリズムの選択は、好ましくは、この機能がセキュリティデータを介してロック解除されていることが要求されることに関しては、もし正しいセキュリティデータが既に一度受信した場合にのみ、投与すべき用量を決定するためのアルゴリズムが好ましくは実行される。このように、もし正しいキュリティデータが過去に既に受信されており、そして各アルゴリズムが選択されそして正しくパーソナライゼーションされておれば、次いで医療デバイス100は、医療デバイス100のユーザーに対して投与すべき用量を決定するための必要な処理機能を実行することができる。
従って、もし、選択されそして完全にパーソナライゼーションされたアルゴリズムが工程2310において検出されるならば、血糖コントロールのための情報を提供する方法は工程2320に進み、ここで安全ユニット1730によって提供される活性化ルールに従って、血糖レベルの測定、投与すべき用量を決定すること、事象のマーキング、履歴をレビューすること及び設定を変更することのような機能が好ましくは提供される。工程2310において、アルゴリズムが全く実行されていないこと、又は選択されたアルゴリズムが完全には、又は正しくは実行されていないことが検出される場合、血糖コントロールのための情報を提供する方法は、アルゴリズムを実行する又は選択するための承認が受信しているかどうかを検出するための工程2330に進む。アルゴリズムを実行する又は選択するための承認が受信しているかどうかを検出するための工程2330は、図21に関して説明された通り、工程2110〜2140に基づく。
上に概略述べられた通り、アルゴリズムを選択するために、正しいセキュリティデータが受信されなければならない。更に、選択されたアルゴリズムが正しく実行されていない限り、つまり、医療デバイス100のユーザーの要求事項及びニーズに従って修正され又はパーソナライゼーションされていない限り、選択されたアルゴリズムはすぐに利用できない。そのような場合、選択されたアルゴリズムを正しく実行するための承認を得るために、いつも正しいセキュリティデータが要求される。従って、選択されたアルゴリズムの実行前及び/又は実行中に、セキュリティデータを受信することが必要である。正しいセキュリティデータが受信され、そしてセキュリティデータがそれに応じて検証されたことを検証データが示す場合、アルゴリズムを実施するための承認が工程2330において与えられ、そして血糖コントロールのための情報を提供する方法は、工程2340に進む。
工程2340は、そこでアルゴリズムが選択され及び/又はパーソナライゼーションすることができるセットアップ手順を提供する。アルゴリズムが、図3〜9に関して述べられた通りに選択されそしてパーソナライゼーションされたとき、血糖コントロールのための情報を提供する方法は工程2320に進む。一旦、アルゴリズムが工程2340に従って正しく選択されそして設定されてセットアップされると、本発明の好ましい実施態様に従ってスイッチが入れられる次回、医療デバイス100は直接、工程2320に進むであろう。アルゴリズムの実行に対して承認が全く与えられない、つまり、有効なセキュリティデータが全く受信されない場合、本方法は工程2330から工程2350に進み、ここで限定された機能のみが医療デバイス100に対して提供される。好ましくは、血糖レベルを測定するための機能のみが工程2350において提供される。そのようにして、医療デバイス100のユーザーが、投与すべき用量を決定するためのアルゴリズムをヘルスケア専門家のアドバイス無しに、自分で選択しそして構成することを防ぐ。そのようにして、医療デバイス100のユーザーが、その人に対して適切でないアルゴリズムを使用するするリスクが最小化される。それにもかかわらず、医療デバイス100は血糖メーターとして使用することができる。
好ましくは、決定ユニット140によって提供される処理機能をロック解除し及び/又は活性化するために、ただ一つのアクティブ化キーが使用される。あるいは、異なる承認レベルに対応する異なるセキュリティデータが使用される。例えば、好ましくはヘルスケア専門家に対して入手できるマスターセキュリティデータ又はマスターキーを用いて、安全ユニット1730の制御下にある、全ての所定の機能がロックを解除され及び/又は活性化することができる。特定のユーザー用である更なるセキュリティデータ又はキーを用いて、特定の所定の機能のみが安全ユニット1730を介してロックを解除され及び/又は活性化することができる。
セキュリティデータを介したそのようなユーザーの承認によって、各グループへの承認レベルの効果的な割り当てが可能になる。これによって、そのような正常なユーザーのセキュリティデータを用いて幾つかの特定パラメータの修正がまだ実行することができるという可能性を提供される。特に、これによって、医療デバイス100のユーザーによって変更又は修正される恐れがあるデータが誤って修正することができないという可能性が提供される。更なる代替法によると、幾つかの異なるセキュリティデータ及び各所定の機能グループに対応する幾つかの承認レベルが提供され、それは、好ましくは、ヘルスケア専門家のような特定のユーザーグループ、医療デバイス100のユーザー、緊急センター、特定コールセンターなどに割り当てられる。好ましくは、この割り当てが構成ファイル、ルックアップテーブル又はデータベース中に記録される。これらの割り当ては承認されたユーザー又は工場の設定によって定義される。
図24は、図23において示された手順の代替方法を図示する流れ図である。工程2410において、アルゴリズムが既に実行されているかどうかが検出される。この工程は、図23に対して既に上に説明した工程2310に対応する。もし、医療デバイス100のユーザーのニーズ及び要求事項に従って、投与すべき用量を決定するためにアルゴリズムが既に正しく実行されていたならば、本方法は工程2410から工程2420に進む。工程2420において、アルゴリズム、好ましくは実施されたアルゴリズムを修正するための承認が与えられているかどうかが検出される。アルゴリズム、又は実施されたアルゴリズムを修正するための承認が与えられているかどうかの検出のために、図21に対して既に図示された手順が使用される。
工程2420において、アルゴリズム又は特に、実行されたアルゴリズムを修正するための承認が与えられていることが検出される場合、本方法は工程2430に進む。この工程においてアルゴリズムが修正することができ、それは図3〜9に関連して既に説明された。
そのような構成を介して、例えば、HCPメーターアクティブ化キーを含む、例えば、USBスティック1810が受信ユニット170に接続される場合、本発明の好ましい実施態様に記載の方法が直接、修正手順に進むことが確立される。あるいは、如何なる他の種類のインターフェイス170又はメモリーカードも使用される。
アルゴリズムが既に実行されているがアルゴリズムを修正するための承認が全く検出されない場合で、それが、HCPメーターアクティブ化キーを有するUSBスティック1810がインターフェイス170に全く接続されないことを意味するであろう場合、本法は自動的に工程2440に進み、それは前述の工程2320に対応する。セキュリティデータが医療デバイス100に提供される限り、全機能モードが工程2440において提供される。例えば、USBスティック1810の接続が解除されたため、セキュリティデータがもはや提供されない場合、限定された機能が安全ユニット1730に従って提供される。
もし、アルゴリズムが全く実行されないことが工程2410において検出されるならば、アルゴリズムを実行する承認が与えられているかどうかを検出するために、本法は工程2450に進む。これは図23に関して既に述べられた手順に対応する。もし、承認が与えられているならば、工程2450は工程2460に進み、ここで、アルゴリズムを選択し、新しいアルゴリズムを定義し、及び/又は選択したアルゴリズムをパーソナライゼーションするセットアップ手順が始められる。セットアップ手順が完了し、そしてアルゴリズムが正しく実行されると、工程2460は、好ましくは、検証ユニット1720によって提供された検証に記載の正常な操作のために工程2440に進む。アルゴリズムを実行するための承認が工程2450において検出される場合、本方法は工程2470に進み、好ましくは、血糖レベルを測定するための手順を提供する。
図25は、本発明の好ましい実施態様に記載の修正手順の代替バージョンの工程を図示する流れ図である。修正された手順を実行する前に、保存ユニット130中に保存されたアルゴリズム又は他のパラメータの修正のための承認が実行される、図24に示される手順に替わって、承認の検出が修正工程内で実行される。これによって、もし、当分の間、承認が全く与えられていないことが検出されるならば、正しいセキュリティデータが提供されねばならないことを医療デバイス100のユーザーに知らしめる可能性が与えられる。この情報は、表示ユニット160を介して視的に及び/又は各音響モジュールを介して音響的に与えることができる。それにもかかわらず、医療デバイス100のセットアップを修正する承認が全く検出されない場合、修正手順は好ましくは、終了へと進み、承認がない故にセットアップの修正が不可能であったことをユーザーに示す。あるいは、修正された手順は、特定の機能及びパラメータに限定される修正機能に進み得る。これらの特定機能及びパラメータは、承認されたユーザーによって定義されるか又は工場の設定である。
セットアップを修正するための承認が工程2510において検出される場合、修正手順は工程2520に進む。好ましくは、受信したセキュリティデータに従って検証ユニット1720を介して決定される検出された承認レベルに従って、セットアップを工程2520において修正することができる。承認レベルに依存して、セットアップを修正するための、つまり、アルゴリズムを選択し、新しいアルゴリズムを修正し、アルゴリズムをパーソナライゼーションし、保存ユニット130中に保存されたパラメータを変更するなどの異なる機能が、安全ユニット1730の制御下で提供される。マスターユーザーに対して正しいセキュリティデータが受信される場合、完全な機能がセットアップを修正するために提供される。医療デバイス100の通常のユーザーに対するセキュリティデータが受信される場合、医療デバイス100のセットアップを修正するための限定された機能のみが提供される。
本発明の好ましい実施態様の一つの代替法によると、同じ種類の全ての医療デバイス100に対して、特定のアクティブ化キーのような一つのセキュリティデータが提供される。別の代替バージョンによると、固有のセキュリティデータが各々の医療デバイス100に対して提供される。このように、各々の医療デバイス100に対応する固有のセキュリティデータのみが、医療デバイス100の特定機能のロック解除及び/又は実行のための承認コードとして使用することができる。更に、固有のセキュリティデータを介して、異なる医療デバイス100が互いに区別でき、従って固有のセキュリティデータを介して、直接、アドレスすることができる。本発明の好ましい実施態様の別の代替法によると、固有のセキュリティデータが各HCPに対して提供される。これによって、医療デバイス100の特定グループを、医療デバイス100の操作のセットアップに関して一人の特定の人間に割り当てる可能性が与えられる。
図26は、管理ユニット2000の更なる詳細を図示する図20において示された医療システムの概略図である。
図26は、管理ユニット2000の機能ユニットをより詳細に示す。好ましくは、管理ユニット2000は、定義付けユニット2610、選択ユニット2620、パーソナライゼーションユニット2630、トランシーバーユニット2640、データベース2650、及びセキュリティデータ管理ユニット2660を含む。定義付けユニット2610は、投与すべき用量を決定するためのプロファイルとも呼ばれる新しいアルゴリズムを定義するように適合される。このために、定義付けユニット2610はデータベース2650に接続され、ここで、新しいアルゴリズム又はプロファイルに組合すことができる、事前に定義されたテンプレート又は要素が保存される。新しいアルゴリズム又はプロファイルの定義付けについて更に以下により詳細に説明する。
更に、選択ユニット2620は、好ましくは、事前に定義されたアルゴリズムの選択群からアルゴリズムを選択するために構成される。これらの事前に定義されたアルゴリズムは、工場の設定であるか及び/又は管理ユニット2000のユーザーによって定義されたアルゴリズムである。アルゴリズムを選択するために、選択ユニット2020はデータベース2650に接続される。更に、管理ユニット2000は、例えば、図9に関して説明された通り、選択されたアルゴリズムをパーソナライゼーションするために構成されるパーソナライゼーションユニット2630を含む。選択されたアルゴリズムのパーソナライゼーション中に選択されるパラメータは、好ましくは、選択されたアルゴリズムに関連して、データベース2650中に保存される。
好ましくは、アルゴリズムは、XMLのようなマークアップ言語を介して定義される。このように、各アルゴリズムを表しているファイルはかなり小さく、そのため有線又は無線の接続を介して容易に送信することができる。このために、管理ユニット2000は、例えば、ネットワークインターフェイス、ブルートゥースインターフェイス、GSMインターフェイス、又はWI−FIインターフェイスなどであるトランシーバーユニット2640を含む。このように、管理ユニット2000のデータは、もし医療デバイス100が管理ユニット2000の隣に、又は遠隔地に置かれるとしても、医療デバイス100に送信することができる。好ましくは、管理ユニット2000と医療デバイス100の間の接続は、データがまた医療デバイス100から管理ユニット2000に送信することができるように双方向接続である。これによって測定された血糖値の履歴、及び管理ユニット2000に投与された用量を更なる解析のために送信することが可能になる。
更に、選択ユニット2620及びパーソナライゼーションユニット2630を介して、保存ユニット130中に保存された構成ファイルに直接アクセスすることによって、医療デバイス100はトランシーバーユニット2640を介して構成することができる。
加えて、管理ユニット2000は、一つ又はそれ以上の医療デバイス100のセキュリティデータを管理するように構成されるセキュリティデータ管理ユニット2660を含む。各医療デバイス100に対して固有のセキュリティデータが使用される場合、セキュリティデータ管理ユニットは、管理ユニット2000を用いて管理される医療デバイス100の各々に対する各参照データと一緒にセキュリティデータを生成する。好ましくは、次いで、参照データがトランシーバーユニット2640を介して医療デバイス100に送信される。あるいは、医療デバイス100の各々に対する参照データは、医療デバイス100において次いで実行されるチップカード上に保存される。更に、セキュリティデータ管理ユニット2660は、好ましくは、異なる承認レベルを定義するように使用される。
あるいは、例えば、血糖値のなどの健康データのような個人データは、同様に承認レベル概念中に含まれるユーザーPINを介して保護できる。これによって、これらの特定のデータが、デバイスのユーザーの認識なしでは送信することができないことが確証される。
あるいは、一つ又はそれ以上の医療デバイス100の遠隔監視のために管理ユニット2000が追加的に使用される。特に、管理ユニット2000は、医療デバイス100を用いて実行される自己調節を遠隔監視するために使用される。このために、血糖値、血糖値が決定された日時、投与された用量、起きた事象などが管理ユニット2000によって周期的に要求され、そして医療デバイス100から受信される。もし、受信したデータの解析の結果、自己調節プロセスのための是正措置を取るために、管理ユニット2000のユーザーによって更なる行動が取られなければならないと判明したならば、伝言又は警報が管理ユニット2000から医療デバイス100に送信される。
更なる代替法によると、管理ユニット2000が、医療デバイス100の機能のチェックのために、医療デバイス100の保守のために、又は医療デバイス100のシステム更新のために追加的に使用される。
更に、管理ユニット2000はコンピュータシステムである。
図9において示された、例えば、工程910に対して概略述べられた通り、パーソナライゼーションプロセスも医療デバイス100のユーザーを同定することを含む。好ましくは、これはユーザーの名前を入力することによってなされる。しかしながら、医療デバイス100を特定のユーザーに属するものとして代替法で同定するために他のデータが使用される。例えば、医療デバイス100を独特の方法で同定するために、表示ユニット160上に表示される図形又は画像が使用される。更に、ある医療デバイス100を他の医療デバイス100から区別するために音響信号が使用することができる。そのような場合、ボタンを押すために又は医療デバイス100のスイッチを入れるための特定の音が、パーソナライゼーションプロセス中に選択される。更に、更なる代替法によると、医療デバイス100は、別の医療デバイス100から電子的にそれが区別することができるように、参照データのような電子署名を含む。そのような方法で、パラメータ又はアルゴリズムデータが管理ユニット2000から間違った医療デバイス100に送信されることが避けられる。
管理ユニット2000に関して概略述べられた通り、参照データが管理ユニット2000によって生み出される。あるいは参照データは、好ましくは、各医療デバイス100に対して固有である工場設定である。あるいは、医療デバイス100は、スイッチを入れるために医療デバイス100のユーザーによって入力されねばならないPINを介して同定される。あるいは、医療デバイス100は、医療デバイス100のユーザーの指紋を走査するためのユニットを含む。走査された指紋を介して、医療デバイス100がユーザーに一意的に割り当てられる。
そのようなPINは、保存ユニット130中に保存された事前に定義されたデータを保護するためも使用することができる
更に、医療デバイス100から管理ユニット2000に送信された伝言が、他の医療デバイス100から受信した伝言から区別することができるように、固有の署名又は参照データを介して医療デバイス100は他の医療デバイス100から区別することができる。
先に概略述べられた通り、投与すべき用量を決定するためにアルゴリズムが使用される。これらのアルゴリズムは医療デバイス100のユーザー又は管理ユニット2000のユーザーによって定義することができる。
好ましくは、アルゴリズム又は用量調節プロファイルは、テンプレート及びパラメータのような幾つかの成分に基づく。好ましくは、アルゴリズムは一つ又はそれ以上のテンプレート及び一つ又はそれ以上のパラメータの組によって構成される。図27は、本発明の好ましい実施態様に記載のテンプレートとパラメータ及びパラメータの組の関係を図示する概略図である。
好ましくは、医療デバイス100及び/又は管理ユニット2000は、既に事前に定義されている一組のテンプレート2710を含む。各テンプレート2710は、好ましくは、テンプレートを固有に同定するIDを含む。更に、各テンプレートは、一つ又はそれ以上のパラメータ2720及び/又は一つ又はそれ以上のパラメータの組2730を含む。これらのパラメータも固有の識別子を介して同定される。好ましくは、テンプレートID、パラメータID、パラメータの組IDの間の関係が保存される。
更に、アルゴリズムの異なるセクションに対して、異なるテンプレートが提供される。好ましくは、アルゴリズムの開始に対して、アルゴリズムの異なるフェイズに対して、アルゴリズムの停止に対して、低いFBGルールに対して、低血糖ルールに対して、及び介入ルールに対して、特定のテンプレートが提供される。一つ又はそれ以上の特定のテンプレートを選択することを介して異なるテンプレートを構成することによって、アルゴリズムの開始、アルゴリズムの異なるフェイズ、低いFBGルールと一緒のアルゴリズムの停止、低血糖ルール、及び更なる介入ルールを含む新しいアリゴリズムが構成することができる。更に、テンプレートは、パーソナライゼーションのために、ユーザーによって入力すべき値の要求のために、ユーザーによってマークされなければならない多くのチェックボックスの表示のためなどに、そこから特定のパラメータが選択されなければならないパラメータの組を表示するような事前に定義された行動を含む。従って、アルゴリズムを初期化するテンプレートは、好ましくは、そこから用量の出発値又は現行値が選択されるドロップダウンメニュを含み、又は値を手動で入力することをユーザーに要求する。アルゴリズムの異なるフェイズに対するテンプレートは、ドロップダウンメニュ、又は、各調節間隔に対してなされる調節間隔及び用量増加の手動入力のための要求事項を含む。
好ましくは、パラメータ及びパラメータの組によって、特定の初期用量値、特定の第一の用量増加工程、用量を増やすための特定の第一の時間間隔、特定の第一の目標血糖値、特定の第二の用量増加工程、用量を増やすための特定の第二の時間間隔、特定の第二の目標血糖値、特定の低血糖閾値、特定の低血糖用量減少工程、特定の低血糖閾値、及び低特定の低血糖用量減少工程が定義される。
ルールのためのテンプレートは、好ましくは、特定の事象が起こる場合に実行されるルール及び行動のリストを含む。これは、例えば、警報がそこに送られるE−メールアドレスのようの情報の入力も含む。
図28は、本発明の好ましい実施態様に記載の新しいアルゴリズムをより詳細に定義するための工程を図示する概略図である。好ましくは、この流れ図は、血糖コントロールのために設定すべきインスリンの用量を決定するためのプロセスを構成するための工程を図示し、ここで用量が段階的に適合される。好ましくは、そのような新しいアリゴリズムの定義付けは管理ユニット2000において実行される。あるいは、新しいアリゴリズムの定義付けは医療デバイス100において実行される。
工程2810において、新しいアルゴリズムを定義づけるために、一つ又はそれ以上の更なるテンプレートが必要である場合、一つ又はそれ以上のテンプレートが対応するパラメータ及びパラメータの組と一緒に定義される。これは、特に、もし既に利用できるテンプレートが新しいアルゴリズムのために要求される必要な機能を供さない場合である。従って、新しいテンプレートが新しいテンプレートIDと一緒に生みだされる。更に、一つ又はそれ以上のパラメータ2720又はパラメータの組2730はテンプレートに割り当てられる。テンプレートの定義付けが終了すると、それは保存され、そして既に定義されたテンプレートの選択の部分を形成する。
次の工程2820において、新しいアリゴリズムは対応するパラメータ及びパラメータの組と一緒に構成される。好ましくは、新しいアリゴリズムは、一つ又はそれ以上のテンプレートを新しいアリゴリズムに対して構成することによって定義される。テンプレートが選択され、ここで特定のパラメータが個々のパラメータIDに全く割り当てられていない場合、調節間隔、用量の増加量、血糖目標値などのような各パラメータも、新しいアルゴリズムを定義するために工程2820において入力されなければならない。更に、工程2820において、パーソナライゼーションプロセス中にどのパラメータかパーソナライゼーションされなければならないが定義される。
このように、異なるアリゴリズムが用量の段階的適合のために定義され、ここで、好ましくは、異なるアリゴリズムの各々は、少なくとも特定の初期用量値、用量を増やすための特定の時間間隔、特定の用量増加工程、及び特定の低血糖閾値に基づく。好ましくは、アリゴリズムはデータベース2650中に保存される。あるいは、アリゴリズムは保存ユニット130中に保存される。
次いで、特定のアリゴリズムが、用量の段階的適合のための特定の要求事項に基づいて、保存された異なるアルゴリズムから選択されると、プロセスは工程2830に進み、ここで、管理ユニット2000に対して又は医療デバイス100に対して新しいアリゴリズムのパーソナライゼーションが実行されるかどうかが決定される。新しく定義されたアリゴリズムのパーソナライゼーションが管理ユニット2000において実行される場合、プロセスは工程2840に進み、そして新しいアリゴリズムが保存され、そしてそれを既に利用可能なアルゴリズムの集合体に追加する。アルゴリズムがPC上でパーソナライゼーションされない、例えば、新しく定義されたアリゴリズムが医療デバイス100上で後ほどパーソナライゼーションすべきであるような場合、プロセスは工程2850に進む。工程2850において、新しく定義されたアリゴリズムは、対応するパラメータ及びパラメータの組と一緒に医療デバイス100に送信される。
好ましくは、事前に定義されたアリゴリズムの各々は、インスリンを始めて投与するユーザー、及び既にインスリン投与の経験を有するユーザーの特定のタイプに対応する。あるいは、事前に定義されたアリゴリズム又は用量調節プロファイルは、特定の習慣及び個人的状態を示すユーザーの特定のタイプに対応する。更に、異なるアリゴリズム及び用量調節プロファイルは、異なるインスリンタイプ及び異なる糖尿病タイプに対して提供される。
従って、特定のアリゴリズムは、安全な出発用量範囲を提供するように、又はFBG値が夕方に測定されるという事実、又は最終FBG目標値又は目標範囲を短期間内に達成するために、用量を短期間内に増やさなければならない事実をカバーするように、設計される。
更に、FBG値が朝に測定されるが、用量が夕方に与えられるという事実をカバーように特定のアリゴリズムが設計される。
更に、特定のアリゴリズムは、ユーザーが糖尿病の経験を有し、そして長い調節間隔内に大きな予期せぬ変化が予想されないので、特定のアルゴリズムがより長い調節間隔を提供する。従って、アルゴリズムを選択する権限を有するHCP又は人は、上述の境界条件に従って所定のアルゴリズムの一つを選択することができる。管理ユニット2000においてアリゴリズムが選択され、そして対応するアリゴリズムが医療デバイス100中に既に保存されている場合、選択されたアルゴリズムを定義するために、医療デバイス100にアリゴリズムIDを送信することが必要なだけである。あるいは、もし、選択されたアリゴリズムが医療デバイス100において利用できないならば、選択されたアリゴリズムのデータが医療デバイス100に送信される。上述の通り、好ましくは、アリゴリズムは、選択されたアルゴリズムを構成するテンプレート及びパラメータの識別子を含むXMLのようなマークアップ言語を介して定義される。このように、送信すべきデータの量が少なく、そして医療デバイス100に選択されたアルゴリズムのデータを送信するための殆ど全ての送信チャンネルを使用する可能性が提供される。
本発明の別の態様によると、医療デバイス100は、FBG値が設定された最終FBG目標値に近いので、用量増加を何時終了させるべきかを検出することができる。好ましくは、医療デバイス100は、最終FBG目標範囲に近い血糖事象に基づいて、用量増加の停止を決定する方法の工程を実行することができる。
図29は、本発明の好ましい実施態様の別の態様に記載の、血糖コントロールのために設定すべきインスリンの用量を決定するための方法工程を図示する流れ図である。工程2910において血糖事象情報が受信される。好ましくは、血糖事象情報は血糖レベルに関する情報である。これらの血糖レベルは、好ましくは、血糖測定ユニット110を介して測定された血糖値を介して提供される。あるいは血糖事象情報はユーザー入力ユニット150を介してユーザーによって入力された血糖値である。更に、血糖事象情報も低血糖を経験しているか否かを示している情報である。好ましくは、全ての血糖事象情報は時間スタンプ、つまり、血糖事象が検出された又は測定された日付を有して提供される。更に、血糖事象情報は、好ましくは、保存ユニット130中に保存される。
好ましくは、追加的に、投与すべきインスリンの用量の段階的増加を決定するためのパラメータの組が工程2910において受信される。これらのパラメータは、好ましくは、調節間隔、及び調節間隔内でそれによって増やすべき特定の量を定義する。
追加的に、工程2920において範囲情報が受信され、ここで範囲情報は、少なくとも一つの特定血糖値が、目標血糖値に関して特定範囲内にあることを示す。好ましくは、特定血糖値は血糖測定ユニット110によって測定される。更に、目標血糖値は、好ましくは、医療デバイス100によって実行される選択されたアルゴリズムによって提供される。この目標血糖値は、完全なアルゴリズムに対する最終血糖目標値か、又はアルゴリズムの特定フェイズに対する目標血糖値である。更に、特定の範囲は、選択されたアルゴリズムの各フェイズ対して定義された値であるか、又はこの選択されたアルゴリズムに対して、又は代替法では全ての利用可能なアルゴリズムに対して有効な一般的な値である。
好ましくは、少なくとも一つの特定血糖値は、血糖測定ユニット110によって決定された実際のFBG値である。あるいは、少なくとも一つの血糖値は実際の測定されたFBG値及び以前にの調節で測定されたFBG値である。もし、実際の血糖値又は、後者の場合、両方のFBG値が、目標血糖値に関して事前に定義された範囲内であれば、これは範囲情報によって示される。好ましくは、範囲情報は、ここで値「1」が、少なくとも一つの特定血糖値が、血糖値に関する特定範囲内にあることを示し、そして値「0」が少なくとも一つの特定血糖値が、特定範囲内にないことを示すビットである。あるいは、範囲情報はブールである。好ましくは、範囲情報は決定ユニット140によって決定される。
工程2930において、所定の血糖事象が所定の時間間隔内に起きたかどうかが決定される。もしそのような所定の血糖事象が、最後の調節間隔内に起きた低血糖して定義されるならば、そしてそのような低血糖が最後の調節間隔内に起きたならば、本方法は工程2930から工程2940に進み、ここで範囲情報がチェックされる。
もし、範囲情報が、少なくとも一つの特定の血糖値が目標血糖値に関して特定の範囲内にあることを示すならば、本方法は工程2940から工程2950に進み、ここでパラメータの組に従って用量の増加が決定される。好ましくは、選択されたアルゴリズムは停止され、そして血糖事象故にアルゴリズムが停止されたことがユーザーに、好ましくは、表示ユニット160上の表示情報を介して示される。あるいは、もし目標血糖値がアルゴリズムの一つのフェイズの目標血糖値であるならば、そしてそのことによって一つ又はそれ以上の更なるフェイズがこのフェイズに追随するならば、目標血糖値に属するフェイズは停止され、そして続くフェイズが始められる。所定の時間間隔内で所定の血糖事象が全く起こらなかったと決定される場合、本方法は工程2930から工程2960に進み、ここで用量の増加が続けられる。更に、もし血糖値が特定の範囲内にないならば、工程2940も工程2960に進む。
血糖事象情報が、一つ又はそれ以上の調節間隔内での一つ又はそれ以上の低血糖、又は用量増加後の低血糖、及び用量減少後の特定範囲を超える一つのFBG値のような血糖事象の特定パターンに関する情報である場合、このパターンによって定義された時間間隔は、好ましくは、範囲情報を決定するために必要な特定の血糖値を選択するために取られる時間間隔に一致する。
図30a及び30bは、更なる工程を含む図29において示された方法を図示する流れ図を示す。工程3005において、工程2910に関して既に概略述べられた通りに、血糖事象情報が受信される。更なる工程3010において、受信した血糖事象情報が以前に受信した血糖事象情報と比較される。血糖事象情報が、例えば、調節間隔のような特定時間間隔内の低血糖の頻度に関する情報である場合、低血糖の実際に決定された頻度が、以前にの時間間隔内の低血糖の頻度と比較される。血糖事象情報が血糖レベルに関する情報である場合、各血糖値が比較される。更に、血糖事象情報が、例えば、血糖値の分布に対する特定パターンである場合、受信した異なるパターンが比較される。受信した血糖事象情報と以前に受信した血糖事象情報を比較することによって、血糖レベルの進展がまだ治療の目的内にあるかどうかを決定することができる。異なる血糖事象情報を比較することによって、例えば、血糖レベルが最終血糖目標レベル未満に落ちる傾向があるかどうか、又は実際の状態が測定された血糖値が投与された用量と殆ど全く相関がないかどうか、又は低血糖が単独事象であり、そして更なる治療に影響を及ぼさないように見えるかどうかが解析することができる。
比較工程3010に基づき、事象の結果が出力される。好ましくは、事象の結果は、選択されたアルゴリズムの継続に対して、一つ又はそれ以上の所定のルールに従って、血糖事象情報が考慮すべきかどうかを示す情報である。その場合、事象の結果は、値「1」又は「0」によって表されるビット、フラッグ又はブール値である。
工程3020において、工程2920に関して既に概略述べられた通りに、範囲情報が受信される。この範囲情報は、工程3025において先に受信した範囲情報と比較される。受信した範囲情報と以前に受信した範囲情報を比較することによって、好ましくは、最終血糖目標値に向かった血糖レベルの進展が解析される。範囲情報が、測定された血糖値が血糖目標範囲を超える血糖値であるか、血糖目標範囲内であるか、または血糖目標範囲を下回るかを示す情報である場合、血糖値のタイムリな進展の傾向が、工程3025における比較に基づいて決定される。そのような比較の結果として、範囲結果が工程3030において出力される。好ましくは、範囲結果は、工程3020において受信した範囲情報が重要な範囲情報であるかどうかを示す情報であり、そしてこのように、選択されたアルゴリズムが継続されるか終了されるかを決定することによって、一つ又はそれ以上の所定のルールに従って考えられなければならない。
工程3035において、所定の血糖事象が所定の間隔内に起きたかどうか、及び事象の結果が所定の事象の結果に対応するかどうかが検出される。所定の血糖事象が全く起きておらず、従って所定の事象が全く同定されていない場合、本方法は、直接、工程3055に進み、ここで医療デバイス100は選択されたアルゴリズムに従って、投与すべき用量を決定することを継続する。これは、調節間隔内のアルゴリズムに従って、用量が増やされることも含む。
所定の血糖事象が起きたが、所定の事象が全く同定されていない場合、例えば、低血糖が全く重要でないただ一つの事象である場合、工程3035も工程3055に進む。所定の事象の結果が同定され場合、つまり、調節間隔内の低血糖の頻度が以前にの間隔に対して増えている場合、工程3035は工程3040に進む。
代替バージョンにおいて、工程3035は直接、工程3045に進み、ここでパラメータの組に従って用量の増加が停止される。スキッピング工程3040は、好ましくは、もし事象の結果が血糖事象の進展を示すならば、実行され、そしてそれは医療デバイス100のユーザーの健康に影響を及ぼすかもしれない。もし事象の結果が低血糖の頻度に対応するならば、これは調節間隔内であり、この頻度は所定の閾値を超えるであろう。これは、現行のインスリンの用量が高すぎること、又は如何なる他の効果も、HCPによって注意深く解析されなければならないインスリン治療を妨害することを示すであろう。そのような場合、警報は、好ましくは、インターフェイス170を介してHCPに送信される。
工程3035が工程3040に進む場合、所定の範囲情報が出力されているかどうかが検出される。もし、例えば、範囲情報が、血糖値が血糖目標範囲を超えていることを示すならば、工程3040は工程3055に進む。更に、もし特定範囲結果が、例えば、血糖値が現在初めて血糖目標範囲内にあることを示すならば、好ましくは、工程3055に進むことも工程3040において決定される。特定範囲結果が、一回又はそれ以上の調節間隔内で、血糖値が血糖目標範囲内又はその周りの、とっぴな予測不能な又は不安定な分布を示すことを表す場合、工程3045に進むことが工程3040において決定される。あるいは、もし範囲結果が、血糖値が血糖目標範囲内で血糖目標値に向かって更なる進展を示さないという事実に相当するならば、用量増加のプロセスを停止するために、工程3045に進むことも工程3040において決定される。
投与すべき用量を決定するために選択されたアルゴリズムが、工程3035及び3040における前述の決定について停止されたとき、この停止が工程3050において示される。好ましくは、これは、ユーザー入力ユニット150のディスプレイ上で、医療デバイス100のユーザーに示される。あるいは、追加の警報又は伝言がHCP又は緊急センターにインターフェイス170を介して送られる。あるいは、用量増加が終了したことについて医療デバイス100のユーザーに知らせるために、音響信号が生みだされる。
図31aは、投与された用量に依存した血糖事象及び測定された血糖値の経時的シーケンスを例示的に示す概略図である。横軸は経過した時間を示し、一方縦軸は血糖目標レベルに対する血糖レベルを示し、それは実線でマークされている。血糖目標範囲は、好ましくは、血糖目標レベルの下方及び上方に延びており、そして水平の鎖線を介して示される。縦点線は、二本の引き続く縦点線が調節間隔を形成するように、調節の事象を示す。
図31aには、調節間隔であるx、x+1、x+2が示されている。縦点線上の白丸は、調節中に測定されたFBG値を示す。見られる通り、全ての測定されたFBG値は血糖目標範囲内にある。しかしながら、調節間隔x及び調節間隔x+2において、低血糖が検出されており、それは黒丸によってマークされている。図31aにおいて示された状況に基づき、事象情報は、好ましくは、調節間隔x+2における低血糖に関する情報である。更に、以前にの血糖事象情報と比較して、調節間隔xにおいても低血糖が報告されていることが検出される。従って、繰り返し低血糖が起きており、そしてもし繰り返して報告された低血糖が、例えば、重要であると分類された、事前に定義された事象であるならば、各事象結果は、例えば、工程3035のような更なる処理工程において考慮すべき重要な事象と比較工程が同定したことを示す出力である。
あるいは低血糖事象が、投与された用量に追加的に関連付けられ得る。図31aにおいて示されるような場合、受信した血糖事象情報と以前にの血糖事象情報との相関などが、用量増加に関して相関があることを明らかにするであろう。比較工程3010においてそのような相関が検出される場合、対応する事象結果は、例えば、工程3035における更なる処理中において考慮すべき重要な事象が検出されたことを示す出力である。
図31aにおいて示される最後の調節において受信した範囲情報は、血糖値が血糖目標範囲内にあるという情報に対応する。図31aにおいて見ることができるように、FBG値は血糖目標範囲内にある。範囲情報がFBG値のみに言及する場合、受信した範囲情報及び以前にの最後の3回の調節の範囲情報は、FBG値が目標範囲内にあることを示すであろう。このように範囲情報と以前にの範囲情報を比較すれば、FBG値が連続して目標範囲内にあるという結果が生みだされるであろう。重要であると考えられる所定の範囲結果の一つが、連続して範囲内にあるFBG値の結果である場合、範囲結果の出力はこのように、重要な範囲結果が検出されたことを示している識別子、フラッグ又はビットのような情報であろう。
範囲情報がFBG値のみならず、測定されそして報告された全ての血糖値にも言及する場合、比較工程3025は、血糖値が数度の調節間隔に亘って不安定であるという結果を生みだすであろう。所定の範囲結果の一つが、重要であるとして同定されるそのような不安定な状態に対応する場合、工程3030における範囲結果の出力は、重要な結果が検出されたことも示すであろう。
好ましくは、工程3050において、その所定の範囲結果に基づいて、用量増加が停止されたことも示される。
工程3045における別の代替法によると、完全なアルゴリズムではなくアルゴリズムの現行フェイズのみが停止される。続く工程において、アルゴリズムの次のフェイズが開始され、ここで、調節間隔は以前にのフェイズにおけるよりも長く、又は用量増加が以前にのフェイズにおけるよりも低い。このように、続くフェイズは血糖値のより細かな制御を提供するであろう。
図31a同様、図31bは、投与された用量に依存した血糖事象及び測定された血糖値の経時的シーケンスを例示的に示す概略図である。図31aにおいて示されたように、横軸は経過した時間を示し、一方、縦軸は血糖目標レベルに対する血糖レベルを示す。
図31bにおいて、血糖目標レベル及び血糖目標範囲に対する代替定義が与えられる。この代替定義において、目標レベルは目標範囲の上限を定義する。目標範囲の下限は目標値の下限によって定義される。更なる代替バージョンにおいて、血糖目標レベルは血糖目標範囲の下限を定義し、そして血糖目標範囲の上限は血糖目標値の上限によって定義される。
図31aにおいて既に述べられたように、図31bにおいても三つの調節間隔であるx、x+1、x+2が示されている。縦点線上の白丸は、調節に対して測定されたFBG値を示す。見られる通り、第一の測定値は目標範囲外にある。調節間隔xの前に低血糖事象は全く検出されていないので、用量が増やされると決定される。調節間隔x中に、増やされた用量が投与される。調節間隔が、例えば、三日の場合、次の測定は以前にの測定後三日で実行されるであろう。これら三日以内に、低血糖が検出され、そして医療デバイス100において保存される。そのような低血糖が所定の又は事前に定義された血糖事象である場合、工程3010においてこの血糖事象情報が以前にの血糖事象情報と比較される。次いで新しい測定が調節間隔xの後で実行される。測定された新しいFBG値及び血糖事象情報に基づいて、医療デバイス100は、図31aに関して既に述べられた通りに進む。
図32は、本発明の更なる別の好ましい実施態様に記載の、血糖コントロールのための、投与すべきインスリンの用量を決定する方法を図示する流れ図である。用量が段階的に適合される、血糖コントロールのために投与すべきインスリンの用量を決定する方法は第一の工程3210を供し、ここで血糖値が決定される。好ましくは、血糖値は血糖測定ユニット110によって決定される。
工程3220において、血糖事象情報が、所定の血糖事象が所定の時間間隔内で生じたという、所定の血糖事象に関して受信される。好ましくは、血糖事象情報は低血糖又は低血糖値についての情報である。この情報は血糖測定ユニット110を介して、又はユーザー入力ユニット150を介して、又は電子的にインターフェイス170を介して受信される。更に、保存ユニット130中に保存された以前に適合された用量値が受信される。少なくとも血糖値、血糖事象情報、及び以前に適合された用量に基づいて、警報が設定され、ここで警報は、血糖値及び所定の血糖事象が、以前に適合された用量値と特定の関係に無いことを示す。
好ましくは、工程3240において、血糖値及び所定の血糖事象が以前に適合された用量値との関係が決定される。好ましくは、この特定の関係は、決定された血糖値と以前に適合された用量値の間の絶対的関係である。好ましい例によると、ルックアップテーブル、ファイル又はデータベースが提供され、ここで特定の血糖値範囲が、投与された用量値に関連して設定される。従って、工程3240において、決定された血糖値と受信した以前に適合された用量値の間の関係が、ルックアップテーブル、ファイル又はデータベースによって提供された関係に対応するかどうかが決定される。決定された血糖値と以前に適合された用量値の間の関係がルックアップテーブル、ファイル又はデータベースにおけるそれに対応する場合、工程3240は工程3250に進み、ここで、選択されたアルゴリズムに対するパラメータの組に従って、選択されたアルゴリズムが用量増加に進む。例えば、血糖値がルックアップテーブル、ファイル又はデータベースにおいて定義されたものよりずっと低いために、決定された血糖値の関係が、ルックアップテーブル、ファイル又はデータベースにおいて特定された、以前に適合された用量値に対応せず、そして追加的に、低血糖が検出され又は報告されている場合には、工程3240は工程3260に進み、ここで、警報が設定される。好ましくは、工程3260において、警報が設定されるのみならず、例えば、インターフェイス170を介してHCP又は緊急センターに送信されもする。追加的に又はあるいは、各警報はユーザー入力ユニット150上に表示される。
あるいは、もし以前に適合された用量値に関して血糖値が、ルックアップテーブル、ファイル又はデータベースにおいて定義されたものよりもずっと高ければ、そして加えるに、低血糖値又は低血糖が検出され又は報告されたならば、工程3240も工程3260に進む。
更なる代替法において、血糖値、所定の血糖事象、及び以前に適合された用量値の間の関係を決定するために、追加的に以前にの血糖値及び追加の以前に適合された用量値が、保存ユニット130から追加的に受信される。そのような場合、好ましくは、絶対的関係のみならず、血糖値と各適合された用量値の間のタイムリな相関が決定される相対的関係も考慮される。そのような場合、特定の関係は、好ましくは、もし適合された用量が増加しそして反対であるならば、血糖値が減少する関係である。もし、血糖値の関係が適合された用量とのそのような関係を示さず、そして追加的に、低血糖事象が検出され又は報告されているならば、工程3240は工程3260に進む。血糖値と適合された用量値の間のタイムリな相関が決定される場合、もし、血糖事象情報が全く受信されていないならば、工程3240もあるいは工程3260に進む。
更なる代替法によると、工程3210において決定された血糖値はFBG値である。更に、工程3220において受信した血糖事象情報は以前にの調節中に決定されたFBG値である。更に、工程3230において受信した、以前に適合された用量値は、工程3220の以前にのFBG値の調節中に適合された用量値である。この代替法に対して、特定の関係は、好ましくは、以前にのFBG値及び決定されたFBG値と、以前に適合された用量値及び実際の調節において適合すべき用量値との相関である。好ましくは、この相関に対する特定範囲が決定される。もし、この相関に対して決定された値がこの範囲外にあれば、次いで、工程3240は工程3260に進む。血糖値に対する相関値と適合された用量値が特定された相関範囲内にある場合、次いで、工程3240は工程3250に進む。更なる代替法によると、二つの血糖値及び二つの用量値のみならず二つより多くの値も相関を決定するために選択される。
好ましくは、工程3260は、用量の更なる増加を停止することを追加的に含み、ここで用量の更なる増加の停止は警報によってトリガーされる。好ましくは、所定のユーザー入力が、用量の更なる増加の停止を活性化するために必要である。更に、更なる代替バージョンによると、所定のユーザー入力を介して、用量の更なる増加の停止が、活性を失われる。更に、工程3260は、好ましくは、再試験情報を作成する工程を含み、ここで再試験情報の作成は警報によってトリガーされる。好ましくは、再試験情報は表示ユニット上に表示され、そして所定の時間内に血糖値の再試験を開始することを医療デバイス100のユーザーに示す。追加的に、好ましくは、所定の安全指示が警報と一緒にディスプレイ上に表示される。
血糖コントロールのために投与すべきインスリンの用量を決定するために、医療デバイス100は、図1において示される通り、血糖を決定ユニット110とも呼ばれる血糖測定ユニット110を含む。血糖測定ユニット110は、図1に関して既に先に説明した通り、血糖値を決定するように適合される。更に、医療デバイス100は、以前に適合された用量値及び、好ましくは、血糖事象情報も保存するように適合される保存ユニット130を含む。追加的に、医療デバイス100は、所定の時間間隔内の所定の血糖事象に関して血糖事象情報を受信するように、そして保存ユニットに保存された以前に適合された用量値を受信するように配置される受信ユニット120を含む。
更に、医療デバイス100は、受信ユニット120及び血糖測定ユニット110の出力に従って段階的に用量を適合するように配置される、適合ユニットとも呼ばれる決定ユニット140を含む。追加的に、医療デバイス100は、警報を設定するように適合される警報ユニットを含む。好ましくは、警報ユニットは決定ユニット140の機能部分である。警報ユニットは、好ましくは、少なくとも血糖値、血糖事象情報及び以前に適合された用量値に基づいて警報を設定し、ここで警報ユニットは、血糖値及び所定の血糖事象が以前に適合された用量値と特定の関係にないことを示す警報を作成するように適合される。
好ましくは、インターフェイス170は、両者が少なくとも一つの特定の用量値に対応する、少なくとも一つの特定された血糖値範囲及び少なくとも一つの特定の所定の血糖事象を備えることによって、血糖値と所定の血糖事象及び以前に適合された用量値の間の特定の関係を定義付けするための指示を受信する。好ましくは、保存ユニット130は、少なくとも一つの特定された血糖値範囲及び少なくとも一つの特定された所定の血糖事象を保存する。変更ユニットが警報を設定する場合、決定ユニット140は選択されたアルゴリズムを停止する。好ましくは、選択されたアルゴリズムが継続することができるように、選択されたアルゴリズムは、好ましくは、ユーザー入力を介して、又はインターフェイス170を介して受信した信号を介して停止されない。好ましくは、警報を設定するための特定の関係は、例えば、用量値が増加してFBG値が減少しない、用量値が増加するがFBG値は特定のパラメータによって特定されたものよりはるかに早く減少する、及び用量値が減少してFBG値も減少するという警報である。更なる特定の関係は、FBG値が高いが低血糖が検出される、又は用量値が高く、FBG値が高くそして低血糖が検出されるというものである。
医療デバイス100は、好ましくは、伝言生成ユニットも含み、ここで、好ましくは、伝言生成ユニットは決定ユニット140の機能ユニットである。好ましくは、伝言生成ユニットは、再試験情報を作成するように配置される。好ましくは、伝言生成ユニットは警報信号を受信し、そして血糖値の再試験を所定の時間内に開始するための警報信号に基づき、再試験情報を生成する。あるいは、表示ユニット160を介して視的警報が設定されるのみならず、音響モジュールを介して音響警報も設定される。追加的に、既に概略先に述べられた通り、警報伝言はインターフェイス170を介して所定の目的地に送信される。好ましくは、警報伝言は、血糖値及び所定の血糖事象が以前に適合された用量値と特定の関係に無いことを示す情報を少なくとも含む。このように、もし所定の行き先がHCPであるならば、HCPは更なる行動を開始し得る。
基本の、予備混合された及び食事時間中のインスリンに適用することができる、上述の調節法に加えて、本発明の更なる好ましい実施態様が以下に述べられ、ここで医療デバイス100は、好ましくは、追加的に、食事時間に対する用量調節方法を提供する。このために、医療デバイス100は、インスリンの初期用量に関する情報を保存するために、そして、インスリンの初期用量が投与された後、及び特定の食事が消費された後に測定された血糖レベルに関する情報を保存するように配置される保存ユニット130及び、少なくともインスリンの初期用量に関する該情報及び血糖レベルに関する該情報に基づいて、特定の食物が消費される前に投与すべきインスリンの引き続く用量を決定するように配置される決定ユニット140を含む。
好ましくは、保存ユニット130は、消費された特定の食物についての情報を保存するように更に配置され、ここで消費された特定の食物についての情報は血糖コントロールに関するデータを含む。医療デバイス100は、ユーザー入力ユニット150を介して又はインターフェイス170を介して食物情報を受信する。この食物情報に基づいて、そして特定の食物及び特定のインスリンについての以前に決定された感度に基づいて、投入すべきインスリンの用量が決定される。
特定の食物についての情報は、好ましくは、パン単位(bread unit)又は炭水化物での、消費された食物の炭水化物の量である。特定の食物の情報は、好ましくは、食物の種類も含む。
医療デバイス100の更なる好ましい実施態様によると、医療デバイス100は、特定の食物の情報を受信するために、例えば、QRコードリーダー、又はRFIDリーダーのようなスキャナー、バーコードリーダー、マトリックスコードリーダーを含む。このようにして、医療デバイスのユーザーは、消費されたパン単位についての情報を得るために、ユーザー入力ユニット150を介して、消費された特定の食物の量を選択することが必要なだけである。
特定の食物に関する及び特定のインスリンに関する感度を決定するために、医療デバイス100は、好ましくは、所謂訓練シーケンスを提供する。図33は、本発明の別の好ましい実施態様に記載の訓練シーケンスの方法工程を示す。工程3310において、食事前の血糖値が決定される。好ましくは、血糖値は血糖測定ユニット110を介して決定される。そのようにして、血糖測定が実行されたときに、決定された血糖値と一緒に追加的にその時間が記録されそして保存される。更に、工程3320において、提供された食物情報に基づいて、炭水化物の計算が実行される。好ましくは、決定ユニット140は、消費された特定の食事に関する情報に基づいて炭水化物の計算を行うように配置される。好ましくは、食物情報はユーザー入力ユニット150を介して、医療デバイス100のユーザーによって入力される。あるいは、食物情報はインターフェイス170を介して、又はリ−ダーを介して入力される。
工程3330において、炭水化物の計算に基づいて、及び調節値に基づいて、投与すべき用量が決定される。好ましくは、決定ユニット140は、消費された特定の食物についての情報に基づいてのみインスリンの初期用量を計算するように配置され、そして初期には、調節値は「0」である。しかしながら、以下に更に詳細に説明される通り、調節値は必要ならば修正される。インスリンの用量、そして、好ましくは、即効性インスリンの用量が決定されると、用量が投与され、そして用量の投与時間がユーザーの入力によって又はインターフェイス170を介して保存ユニット130中に記録される。好ましくは、工程3310の後、所定の時間間隔が経過しておれば、食事後の血糖値が工程3340において測定される。次いで、食事後に決定された血糖値は、事前に定義された血糖値と比較される。好ましくは、決定ユニット140は、少なくとも消費された特定の食物についての情報、特定の食物に対して計算されたインスリンの初期用量、及び測定された血糖値の、事前に定義された血糖値からの偏差に基づいて、インスリンの引き続く用量に対する特定の調節値を、各特定の食物に対して決定するように配置される。
もし、食事後の血糖値が特定の範囲内で所定の値に対応しなければ、工程3350において調節値が修正される。
好ましくは、訓練シーケンスを数回繰り返すことによって、調節値が収斂して、その結果、投与されたインスリンに対する感度を示す。別の代替法によると、異なる食物の種類に対する異なる調節値を受信するために、訓練シーケンスが数回繰り返される。
更に、工程3330において投与すべき用量を決定するために、追加的にFBG値、FBG値を測定する時間、及び投与された持続性基礎インスリンの用量が考慮される。従って、これらの訓練シーケンスに基づいて、食物の種類及び/又は基礎インスリンの用量に依存して、一連の調節値が得られるであろう。
図34は、食事時間に対する用量調節を決定する方法工程を図示する流れ図である。工程3410において、好ましくは、ユーザー入力ユニット150を介して、食物情報が医療デバイス100内に入力される。あるいは、インターフェイス170を介して食物情報が提供される。工程3420において、訓練シーケンスプロセスによって決定された感度に基づいて、投与すべき用量が決定される。好ましくは、提供された食物情報に基づく調節値又は一連の調節値に基づいて、用量が決定される。あるいは、例えば、即効性インスリンの用量を決定するために、FBG値、FBG値の測定時間、投与された基礎インスリンの用量、及び即効性インスリンの最近の量も追加的に考慮される。好ましくは、訓練シーケンス中のものとして、引き続く用量決定工程中に考慮されるために、決定された用量が保存される。場合により、工程3430において、食事後の血糖値が定められ、そして、好ましくは、決定された時間と一緒に保存ユニット130中に保存される。このように、この値は、保存された用量値と一緒に、一つ又は複数の調節値を更に洗練するために使用することができる。
基本的な、事前混合された、及び食事時間のインスリンに適用することができる上述の調節法に加えて、例えば、図1、図19及び図20において示されるような医療デバイス100が、特定の食事に対する投与すべきインスリンの用量を決定するために、好ましくは、追加的に配置される。この機能は、医療デバイス100によって提供される唯一の機能であるか、または追加的にそして上述の機能と組合せて提供される機能である。
このために、医療デバイス100は、一日の各食事の前及び後に、少なくとも一つの血糖値を測定するように配置される血糖測定ユニット110を含む。あるいは、血糖値は一日の所定の食事に対してのみ測定される。更に、医療デバイス100は、各食事の前及び後に測定された各血糖値の間の違いを、各食事に対して決定するように配置される決定ユニット140を追加的に含む。更に決定ユニット140は最大の違いを有する食事を決定するように配置される。
図35において示される通り、第一の回目の血糖測定は一回目の食事の前に行われる。上述の通り、好ましくは、一日の全ての食事に対して血糖値が測定される。横軸は経過した時間を示し、一方、縦軸は事前に定義された血糖レベルに対する血糖レベルを示す。好ましくは、事前に定義された血糖レベルは、血糖レベルに対する目標レベルとして考えられ得る100mg/dl前後のレベルである。この事前に定義された血糖値は水平な実線でマークされている。更に、事前に定義された血糖範囲は、好ましくは、事前に定義された血糖レベルの、好ましくは、下方、及び、代替法では上方にも延び、そして水平の鎖線によって示される。縦の点線は食事が取られたという事象を示す。図35において説明的に示された通り、3回の食事がとられる。しかしながら、あるいは、4回、5回又はそれより多数の食事でさえ取られ得る。従って、血糖値のより多くの測定が実施されるであろう。
図35において示された通り、第一の回目の血糖測定は一回目の食事の前に行われる。その結果は白丸によって表されている。示された通り、第一の回目の測定は目標範囲内の血糖値を与える。第二の回目の測定は一回目の食事の後に行われ、そして増加した血糖レベルを示す。第三回目の測定は二回目の食事の前に行われ、そして二回目の測定より低いレベルを有する血糖レベルを示す。第四回目の測定は二回目の食事の後に行われ、そして第三回目の測定に対して著しく増加した血糖レベルを示す。第五回目の測定は三回目の食事の前に行われ、そして再びこの測定は二回目の食事の後の最後の測定より低い。第六回目のそして最後の測定は三回目の食事の後に行われ、そして測定された血糖レベルは、三回目の食事の前に決定された血糖レベルに対してやはり増加している。あるいは、血糖レベルの進展のよりよい解像度を得るために、一回目又はそれ以上の事前に定義された食事の前及び後に一回の測定が行われるのみならず、数回の測定も行われる。好ましくは、全ての測定された血糖値が、測定が実行された時間に関連して、そしてそれらが言及する食事に関連して保存ユニット130中に保存される。
そのような測定データに基づいて、決定ユニット140は、好ましくは、各食事の前と後の測定値の間の違いを決定する。この違いは、例えば、各食事の前と後の全ての測定の平均値について計算することができる。あるいは、各測定された血糖値の間の違いが、曲線のあてはめ及び曲線スケッチ(curve sketching)に基づいて決定される。別の代替法によると、曲線が測定された値にあてはめられ、そして、当てはめられた曲線のずれに基づいて、血糖レベルに最大の影響を有する食事が決定される。
一旦、血糖レベルに最も大きな影響を有する食事が同定されると、決定する手段は同定された食事に対する用量を決定する。
好ましくは、一日に亘る血糖値の測定は、事前に定義された時間間隔、例えば、一週間、繰り返され、そして積算値に対して血糖値の解析がそれに応じて行われる。好ましくは、血糖値に及ぼす異なる食事の影響の間の違いが小さい場合に、繰り返し測定及び解析が行われる。更に、血糖値に及ぼす食事の影響は一週間中に変わり得る。従って、別の代替法によると、各週日に対して血糖値が決定される。
図36は、血糖コントロールのための、投与すべきインスリンの用量を決定する方法の工程を図示する流れ図である。工程3610において、一日の各食事の前及び後で少なくとも一つの血糖値が測定される。前述の通り、この測定は代替法で、事前に定義された食事のみに対して実行される。工程3620において、各食事の前と後での各血糖値の間で最も大きな違いを有する食事が求められる。最後に、工程3630において、決定された食事に対する用量が適合される。