JP2012515985A - 動的なエクイティ金融商品を構築および実行するためのコンピューター実施方法および装置 - Google Patents

動的なエクイティ金融商品を構築および実行するためのコンピューター実施方法および装置 Download PDF

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Abstract

不動産資産におけるエクイティのリターン、支出、およびリスクは出資者と所有者との間で動的に共有される。いくつかの計算システムに基づく態様において、不動産資産を保持することは合弁事業であるとみなされ、所有者および出資者による合弁事業への出資は定期的に計算され、残余アカウントまたは支払いが出資を相殺するように調節される。残余アカウントのなかには、資産と関連づけられたさまざまな負債およびエクイティの利子からなる従来の資産構造の外側に存在し得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、動的なエクイティ金融商品を構築および実行するためのコンピューター実施方法および装置に関連する。より具体的には、本発明は、所有者が占有する不動産に出資するための新しい方法を、エクイティ出資者にもたらす、動的な所有者占有不動産(DOOR)金融商品の類を構築および実行するためのコンピューター実施方法および装置に関連する。
所有者占有不動産に対する伝統的な抵当権融資およびもっとも提案されるエクイティ・ファイナンス手段は、住宅所有者および出資者または債権者への売却時の利益に基づく「資本構造」を含む。第一抵当および住宅所有者のエクイティからなる従来の融資においては、第一抵当権者(概して、証券化プールにおける銀行または出資者)が、元本残高まで、売り上げからの全ての売却益に対する優先的な権利を有し、抵当権設定者(概して、住宅所有者)は、元本残高を超える額の100%を受け取る。
第一抵当と併用される典型的で単純なエクイティ・ファイナンス金融商品は、エクイティ出資者の拠出を、優先順位に関して第二抵当として扱うが、利息支払を受け取る代わりに、出資者は、販売における住宅のいずれの価格上昇の分配をも受け取る。たとえば、160,000ドルの第一抵当、20,000ドルのエクイティ・ノート、および20,000ドルの頭金による200,000ドルで住宅が購入されたと仮定する。エクイティ・ノートが価格上昇の25%までの権利を有すると仮定する。抵当元本残高の起こりえる償却を無視し、優先順位の高いものから順に、線形的な支払予定は、売却時において、第一抵当権者が160,000ドルの元本残高を受け取り、エクイティ・ノート保持者が出資された20,000ドルを受け取り、住宅所有者が頭金の20,000ドルを回収し、続いて、住宅所有者とエクイティ・ノート保持者が、200,000ドルを超える額を75%/25%の比に基づいて分配する。
これらのやり方の両方は事実上「静的」である。分配ルールは、住宅の価格経路または利率の漸進的変化のような経済的な条件の関数ではない。分配ルールはベースとされる資本構成と同様に区分的に線形である。売却時におけるさまざまな関係者への運用益は、固定された比率のさまざまな資本構成の一片である。
本発明は一連の「DOOR金融商品」に関連する。DOORは、「動的な所有者占有不動産」をさす。DOOR金融商品は、所有者が占有する不動産に出資するための新しい方法を、エクイティ出資者にもたらす。現在のエクイティ金融商品は概して、出資分配を割り当てる区分的に線形なスケジュールを有しており、これらのスケジュールは静的である。すなわち、それらは、経済状況または住宅の時価に基づいて変化しない。たとえば、140,000ドルの第一抵当、エクイティ出資者による40,000ドルの出資、および20,000ドルの頭金による200,000ドルで住宅が購入されたと仮定する。売却時に受け取られる額の200,000ドルまでについて、第一抵当(140,000ドル)が最初に支払われ、次にエクイティ出資者に40,000ドル、住宅所有者に20,000ドルが支払われつつ、エクイティ出資者と住宅所有者との間で、売却価格を超える全ての価格上昇分が50−50で分配されるというのが典型的な分配ルールかもしれない。本分配ルール(例:価格上昇分の50−50分配)は経済変数または住宅の時価の関数として変化しないので、このやり方は静的である。本分配ルールはまた区間的に線形である。エクイティ出資者は、売却価格の特定の領域にわたって均一な比率の成果を受け取る。
DOOR金融商品によって、好ましくは非線形および動的な、住宅所有者とエクイティ出資者との間の配分が可能になる。DOOR金融商品の好ましい態様においては、住宅の時価のさまざまな範囲にわたって、線形的なスケジュールよりも、本分配ルールがより一般化され得て、動的であり得る。すなわち、ルールそれ自体が、経済条件または住宅の時価の結果として変化し得る。この方法によって、本分配ルールは、区間的に線形な静的方法の下では解決できない多くの問題を解決することができる。これらの問題のいくつかは以下を含む。実用的ではない住宅所有者のための財務戦略(例:収入が減少するまたは失業すると同時に住宅の時価および合計財産が鋭く減少するように、生涯の成果と相互に関連する単一の借入された資産における財産の大きな分配を効果的に出資すること)。住宅を維持するための準最適な住宅所有者のインセンティブ。澄んで透明な形態での持ち家所有者へのリターンを出資者が受け取れないこと。エクイティ金融商品の高くつく借り換えなしには住宅に対する借り入れを増加させることができないこと。投資プールにおける新たな出資を創出するまたは受け入れる目的のために容易に金融商品を評価できないこと。住宅の価値が下落する時に戦略的にエクイティ金融商品を借り換えるインセンティブの存在。
本明細書においてANZIE−DOORとして参照される具体的なDOORの変形は上述の課題の全てを同時に解決する(頭字語「ANZIE−DOOR」は仮の名称である。商用アプリケーションは同じ金融商品に対して異なる頭字語を用い得る。米国特許仮出願第61/145938号は「ANZIE−DOOR」の代わりに「ANZ−DOOR」を用いていた)。本金融商品は、住宅所有者の借り入れ(第一抵当、第二抵当等)および住宅所有者の現金拠出(頭金、抵当に対する元本の支払い等)を単一のブロック(「優先ブロック」)にまとめ、万一売却価格が低くなった際にエクイティ出資者へのリターンを上回る法的な優先権をそれらに与える。本ブロックはエクイティ出資者のリターンのためのレバレッジを効果的にもたらし、ANZIE−DOORスキームにおいては、住宅所有者は、帰属利子支払を介して優先ブロック「ローン」の債務返済をしつつ信用される。住宅所有者のエクイティは2つのタイプからなる。第一に、住宅所有者の出資による住宅価値の増加のようないくつかの他の要素同様、住宅所有者の現金拠出(頭金、抵当に対する元本の支払い等)の全てを含む「受託エクイティ」がある。第二に、その金融商品は非線形的なアルゴリズム下での「保険付エクイティ」を生成する。いかなる瞬間でも、このアルゴリズムは割合を特定する。従来の線形的な方法においては、計算された住宅に関するゲインの額またはロスの額にかかわらず、売却時に、出資者は住宅所有者に総売却価格のこの割合を支払わなければならない。たとえば、もし割合が10%であり、住宅が100,000ドルで売られていて、120,000ドルが第一抵当への支払義務であれば、たとえ状況が事実上の差し押さえだとしても、出資者は住宅所有者に10,000ドルを支払わなければならない。この方法で計算されるすべてのリターンは住宅所有者の「保険付エクイティ」である。本金融商品はまた好ましくは、いくつかの契約上の標準に住宅を保つ住宅所有者の義務を生み出す。そうすることの欠如によって、改修コストによる売却時における住宅所有者に対する保険付エクイティ額および他のリターン額(たとえば、以下に議論される「受託エクイティ」)を減少させる出資者の権利が生み出される。多くの経済的な状況においては、ANZIE−DOOR下での受託エクイティ負担を計算するために用いられる割合が徐々に増加する。増加率はエクイティ出資者および住宅所有者の相対的な拠出および利益(暗黙的地代、優先ブロック「ローン」における帰属利子、固定資産税支払、等)を平衡させ、住宅の価値だけでなく現在の経済条件(例:住宅ローン以外の利率および住宅ローンの利率)を反映させるように設定される。
(この導入的議論は、住宅所有者の純拠出が一貫して正の値であると仮定する。もしある期間においてそれが負の値であるならば、その期間中、保険付エクイティは、住宅所有者よりもむしろ出資者に有利に蓄積される。この可能性は、保険付エクイティを含むANZIE−DOORおよび他のDOOR変形例の両方に関するこの開示において後述される。)
レートは定期的に再設定され、いずれかの時点で最新の経済的に平衡された取り決めを受け取る関係者をもたらす。結果として、借り換えする住宅所有者にとって純粋な経済的なインセンティブはなく、プール目的で金融商品を評価することは容易である。
以下の表1は、時間をかけたANZIE−DOOR金融商品の運用例を示す。160,000ドルの第一抵当および40,000ドルのANZIE−DOOR金融商品によって借入された200,000ドルで住宅が購入されたと本例は仮定している。表1において、1ドル未満分は四捨五入されている。さまざまな価格経路が可能であり、正確な結果(保険付エクイティの増加率および保険付エクイティを計算するために用いられた割合の時系列)は他の経路では異なる。本例は単一の可能な価格経路のためのものである(住宅価値における毎年7%の価格上昇)。表の第二列の「レートファクター」は、住宅価値および、保険付エクイティを計算するために用いられる列3における割合が増加する速度でのさまざまな経済変数の影響を要約する。より高いレートファクターは、その割合におけるより早い増加に至る。本例は、出資者にとってのレバレッジをもたらす優先ブロック「ローン」におけるリース契約利子以外の住宅所有者の拠出要素が差し引きゼロになることを仮定している。本例においては、住宅所有者によって出資者にもたらされるレバレッジの程度が期間中低下するので、レートファクターは期間中持続的に減少する。この減少は、「ローン」が優先ブロックにある「融資比率(LTV)」によって回収され、本例における一定の160,000ドルでは、「価値」は住宅価値と等しい。本例において年が過ぎるにつれてレートファクターがいつも減少するという事実は、特定の価格経路のアーチファクトである。
いつ何時における住宅所有者の保険付エクイティ(表の第6列)は、その時における住宅価値(表の第4列)と保険付エクイティ比(表の第3列)との積に等しい。保険付エクイティ比は期間中増加するが、もし住宅価値の下落がある期間におけるその比率の上昇の影響を上回るのであれば、その期間中、保険付エクイティは下落する。住宅価値の下落は起こらないので、本例においては、保険付エクイティは常に増加する。
住宅所有者が抵当を頭金として支払うと、受託エクイティが蓄積される。受託エクイティは売却における金融商品出資者へのいかなる支払いに対する優先権を有する。第一抵当バランスおよび受託エクイティは優先ブロックの両方の部分であり、出資者にレバレッジをもたらす住宅所有者からの「ローン」である。結果として、本例において、レートファクターを計算することも出資者に対するリターンを計算することも、住宅所有者がどのくらい第一抵当を頭金として支払うかを知ることを必要としない。元本残高を加えた元本支払いは常に、優先ブロックのサイズである160,000ドルと等しい。結果として、レートファクターを計算する目的のためには、どれだけの元本が抵当に残っているかにかかわらず、金融商品出資者へのレバレッジをサポートする形態での住宅所有者の拠出は同じである。さらに、金融商品出資者に利用可能な売却時の額は、最高でゼロ、および、住宅価値から160,000ドルを差し引いた額と等しい。本例においては、住宅価値から160,000ドルを差し引いた額は常にゼロより大きい。そのため、出資者のポジション(表の第7列)は、住宅価値(表の第4列)から2つの額を引いた額と等しい。1つの額は、160,000ドル(抵当元本残高および住宅所有者による元本支払の蓄積額を含む優先ブロック)および住宅所有者の保険付エクイティの額(表の第6列)。最終列は、年の始まりにおける出資者のポジションに基づく出資者の年間リターンレートを示唆する。
Figure 2012515985
住宅所有者の保険付エクイティと等しい額を住宅所有者に支払うという出資者の義務は住宅を売ることによるゲインまたはロスとは無関係なので、出資者は売却においてネットの支払義務(net payment obiligation)を有し得る。売却における成果を詳細に示すため、購入と売却との間で、住宅所有者の保険付エクイティ比が10%まで増加することと、住宅所有者が160,000ドルの第一抵当における元本の10,000ドルを既に支払い、150,000ドルの残高が残っていると、我々は仮定する。以下の表2は、4つの異なる売却価格での売却におけるさまざまな関係者によって受け取られるキャッシュフローを示唆する(表はコストまたは出資額を組み込んでおらず、それゆえ、ロス、ゲイン、または収益を示唆しない)。売却時におけるそれぞれの関係者に対する合計キャッシュフロー成果は、もしあれば、その関係者へのネットの保険付エクイティの譲渡を加える資本構造によって決定づけられるその関係者への配当の合計額である。キャッシュフロー成果は以下を示唆する。(i)第一抵当権者の元本残高だけでなく住宅所有者の受託エクイティが出資者の出資よりも売却リターンに対して高い優先度を有する。(ii)住宅所有者の受託エクイティは低い売却価格によるロスの危険性にさらされる。(iii)その一方、万一、第一抵当が債務不履行になった場合でも、売却時における支払能力のある出資者を仮定すると、住宅所有者は常に保険付エクイティを受け取る。(iv)売却時において、出資者は、保険付エクイティの総額と同じ純支払をすることが求められ得る。
Figure 2012515985
本例は、広い分類のDOOR金融商品のひとつの変形例であるANZIE−DOOR金融商品のわずかな特徴のみを例示している。他の変形例のなかには全く異なって運営されるものもある。
本金融商品を評価および定義するアルゴリズムおよび方法が、当業者に知られたあらゆる方法を用いて実行され得る。たとえば、上記変形例のために、売却における保険付エクイティを決定する割合を計算し、最新のものにするアルゴリズムが本発明の態様で用いられ得る。
それゆえ、本発明の態様は、非線形的で動的な住宅エクイティ金融商品への一般的方法をもたらし、上記態様以外の変形例を含む。これらの変形例の中には追加のメカニズムを含み得るものもある。たとえば、いくつかの変形例においては、各時期にまたはいくつかの既定の状況下における一定額による住宅所有者の第一抵当の元本の一部を頭金として支払うオプションまたは義務をエクイティ出資者は有する。他の一連の変形例により、住宅所有者は、借り入れを減少させ、および、抵当借り入れおよび受託エクイティを含む優先ブロックに借り入れをシフトすることによって、保険付エクイティに対する借り入れや、借り入れの全部または一部を受託エクイティに移送することができる。さらなる他の変形例によって、住宅所有者の初期の頭金が保険付エクイティと受託エクイティとの間で割り振られ、上記の例におけるように、保険付エクイティがゼロからよりもむしろ正の値から始まる状況に至る。これらおよび他の変形例は、本明細書を読むことによって当業者に自明であろう。
変形例の中には、DOOR金融商品が、負債による資金調達と住宅における他の利息とを組み合わせる拡張を含むものもある。たとえば、出資者または共同関係者が、住宅におけるエクイティ出資を行うのと同様、第一抵当の資金を貸し得る。この種の拡張によって、DOOR金融商品に合致するように動的に、抵当の期限、または他の負債もしくはエクイティの期限を調節するメカニズムが可能になる。たとえば、抵当金利および抵当の償却スケジュールは、DOOR金融商品の条項の変化に従って各時期で調節され得る。これらおよび他の拡張および関連するDOOR変形例およびメカニズムは、本明細書を読むことによって当業者に自明であろう。
他の特徴を含む変形例もある。DOOR金融商品の契約は、住宅の売却または金融商品契約を終了させる他の出来事の前に、住宅所有者からの現金支払を要求する、または、可能にする。これらの支払は自発的であってもよいし、事前に設定されたスケジュールと合致してもよいし、いくつかの好ましい動的アルゴリズムの下で時々調節されてもよい。そのような支払が関わることによって、出資者および住宅所有者が住宅への主要なリターンが価格上昇分よりもむしろ正味賃料を暗示または明示することを予期できる時でさえ、住宅所有者はDOOR金融商品下での住宅資産を蓄積できる。(ここでの議論の目的においては、「正味賃料」は、帰属されたもの、または、固定資産税や減価のような費用を差し引いた実際の賃料である。明らかな賃貸の状況においては、それは家主が認識するだろう額である)。これらの支払がなければ、住宅所有者への保険付エクイティの発生は小さい、または、負の値でさえあり得る。
予測価格上昇が暗示的または明白な正味賃料と比較して大きい時でさえ、住宅所有者の支払を出資者に加えることは、住宅所有者の保険付エクイティのより早い増加、および、より高い最良のレベルに至り、それは望ましい掘出物を創出し得る契約上の特徴である。さまざまな可能な支払スキームは全て、好ましくはDOOR金融商品の要素である動的な調節可能なアルゴリズムに容易に融合される。
本発明の他の態様においては、支払スキームは、他の方向、すなわち、出資者から住宅所有者に、向かう。関係者の間における現金支払スキームを含むこれらのDOOR変形例および他は、本明細書を読むことによって当業者にとって明白となるであろう。
本発明に係るZ資本構造を示す模式的なブロック図である。 本発明に係るANZIE−DOOR配置に関するゲインの場合を示す模式的なブロック図である。 本発明に係るANZIE−DOOR配置に関するロスの場合を示す模式的なブロック図である。 本発明に係る純拠出を示す模式的なブロック図である。 ANZIE−DOORを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 SAVING−DOORを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 本発明に係るANZIE’S SIDE DOORに関する出資者への固定された追加支払を示す模式的なブロック図である。 出資者への追加支払を包含するANZIE’S SIDE DOORのバージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 本発明に係るANZIE’S SIDE DOOR配置に関する目標とされた保険付エクイティスキームを示す模式的なブロック図である。 目標とされた保険付エクイティスキームを包含するANZIE’S SIDE DOORのバージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 LAZIE−DOORのバージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 FIXED−DOORのバージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 本発明に係るANZIE’S NU DOOR配置に関するゲインの場合を示す模式的なブロック図である。 本発明に係るANZIE’S NU DOOR配置に関するロスの場合を示す模式的なブロック図である。 ANZIE’S NU DOORを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 ANZ TRIE DOORを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 本発明に係るCOZIE−DOOR配置の保険付エクイティの年金バージョンを示す模式的なブロック図である。 COZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 本発明に係るCOZIE−DOOR配置の受託エクイティ一括払いバージョンを示す模式的なブロック図である。 COZIE−DOORの受託エクイティ一括払いバージョンを実行する解析機構を例示するフローチャート図である。 IS−A−DOORを実行する機構を例示するフローチャート図である。 上述のDOORの方法のいずれか一つを機構に実行させる一連の指示が実行され得るコンピューターシステム1600の例示的形態における機構の模式的なブロック図である。
(エクイティのタイプとZ資本構造)
「保険付エクイティ」および「Z資本構造」がいくつかのDOOR金融商品を特徴づける。所有者が住宅に有し得る2つのタイプの資本の間の差違がこれらの出資の中核を成す。第一に、「受託エクイティ」がある。ほとんどのアプリケーションにおいて、この資本は住宅における住宅所有者による現金出資に起因するという事実から、この名称が発生した。頭金、抵当元本の支払、現金によって出資された改修による価値増加、等である。従来の抵当権融資された住宅においては、このタイプの資本が唯一のタイプである。それは資本構造の負債層の上部に位置し、ファーストダラーオブロス(first dollar of loss)にさらされる。
「ゼロ資本ベースの資本構造」(略して「Z資本構造」)の下では、受託エクイティは、DOOR金融商品の出資者のエクイティにわたって優先度を有する。同時に、Z資本構造は、住宅におけるいかなる価格上昇も住宅所有者にではなく、エクイティ出資者に流れることを決定づける。住宅所有者の受託エクイティは、優先度の観点から第二抵当と似ている、より保護されたポジションにあり、図面において、より下に位置する要素がより高い優先度を有する図1に示されるように、住宅所有者の受託エクイティに抵当付負債を加えた額は、出資者のエクイティのためのレバレッジを創出する「優先ブロック」を備える。
出資者はZ資本構造における「残余請求者」であり、負債および受託エクイティの全てを支払い終えた後に残されたものは何でも受け取る。受託エクイティは住宅価格上昇分を全く共有せず、それゆえ劣後債務と似ている。それは、まるで住宅所有者がエクイティを全く持っていないかのようである。そのため、用語は「ゼロエクイティベース資本構造」である。それにもかかわらず、アプリケーションの多くにおいて、それは住宅所有者が住宅に「出資する」ことを意味するので、用語「受託エクイティ」を用いることが便利である。それもまたロスの危険性にさらされており、多くの提案されたエクイティ・ファイナンス手段において出資者によって出資される「エクイティ」に相当する。(そのような提案された手段における「エクイティ・ノート」のポジションを例示するために、160,000ドルの第一抵当、20,000ドルのエクイティ・ノート、および20,000ドルの頭金による200,000ドルで住宅が購入されたと仮定する。エクイティ・ノートは価格上昇分の25%に対する権利を有すると仮定する。抵当元本残高の起こりえる償却を無視し、優先順位の高いものから順に、線形的な支払予定は、売却時において、第一抵当権者が160,000ドルの元本残高を受け取り、エクイティ・ノート保持者が出資された20,000ドルを受け取り、住宅所有者が頭金の20,000ドルを回収し、続いて、住宅所有者とエクイティ・ノート保持者が、200,000ドルを超える額を75%/25%の比に基づいて分配する。)
本明細書で議論される変形例の多くにおいて、住宅所有者は住宅のいかなる価格上昇分にも関与しないが、エクイティの第二の種類である「保険付エクイティ」には関与する。受託エクイティは住宅所有権の従来の資本構造に適合する。それは第二抵当と類似している。保険付エクイティは類似していない。代わりに、保険付エクイティは、ある関係者、典型的には出資者、による契約上の義務であり、売却時に住宅価値のある割合を他の関係者に支払う。(支払義務を出資者に置く配置は、ほとんどの住宅所有者が支払人よりもむしろ受取人でありたいという意味でのみ「典型的」である。例の中には「典型的」ではないものもあり、住宅所有者が支払人であることを可能にし、支払人になることを求めることが望ましい。以下の議論は、この「代表的ではない」状況および対応するDOOR金融商品の例を含む。議論を容易にするため、その議論より前の本明細書における開示の多くは、単に、出資者が支払人である「典型的な」状況を仮定する。)
たとえ最終的な額が住宅における出資者のエクイティを超えるとしても、出資者が住宅価値の必須のパーセンテージを売却時に住宅所有者に支払うことが求められるという意味において、保険付エクイティは「保険がかけられている」。その場合、出資者は売却時にお金を前払いしなければならず、その額は保険証券の支払いのようなものであり、低調な市場結果の住宅所有者への影響を軽減する。保険付エクイティがいずれの特定の資本構造の一片の割合にも基づかないことを強調する価値がある。資本構造は無関係である。もし住宅が第一抵当における元本残高よりも売却時において結局価値が低くなるのであれば、従来の資本構造の趣旨におけるエクイティはないが、出資者はそれでもなお住宅価値の必須のパーセンテージを住宅所有者に支払わなければならない。
保険付エクイティ出資金を有することは、住宅所有者が市場動向から完全に絶縁されるということを意味しない。もし保険付エクイティが価値の10%であれば、もし住宅におけるロスの代わりにゲインがあるならば、売却時に受け取られる額はより大きい。そのスキームがなすことは、住宅所有者にとっての住宅におけるレバレッジされていない出資金を創出することである。住宅価格が高いか低いかにかかわらず、これは、住宅所有者を、「市場内」であるポジションに置く。住宅所有者は、レバレッジされたポジションに直面した中規模の価格下落によっては利益が帳消しにされることはなく、もし価格が急上昇するならば割合の利子を有する。そのため、保険付エクイティの方法は、いつ目標が住宅所有者に住宅における市場のポジションを与えるとしても潜在的に価値があり、レバレッジにおける内在的なリスクに悩まされない。その方法は、それらのリスクを出資者に移す。
ここでの議論は、適切な接頭語を「DOOR」に加えることによってDOOR金融商品のサブクラスを特定することである。そのため、「Z−DOOR」金融商品は、Z構造が記載されただけのDOOR金融商品である。
Z−DOOR方法をより具体的にするため、例を検討する。ある個人が、160,000ドルの第一抵当および40,000ドルのZ−DOOR金融商品を購入することによる借り入れによって、頭金なしで、200,000ドルの住宅を購入すると仮定する。最初、その個人は受託エクイティを持たず、期間中、その個人は抵当にかかる合計で10,000ドルとなる元本支払をして、元本残高を160,000ドルから150,000ドルに減少させる。それらの元本支払は10,000ドルの受託エクイティを創出する。抵当付負債を加えた受託エクイティからなる優先ブロックは同じサイズ(160,000ドル)のままである。支払いは、受託エクイティに向けて、および、負債から離れるように、ブロックの構成を単に変化させるだけである。売却時における保険付エクイティ比が10%であると仮定する。表3はさまざまな売却成果に関する分配ルールを例示する。(表3は表2と同一であるが、読み手の便利のためにここに再生した。)
Figure 2012515985
「保険」の態様は、売却価格が155,000ドル以下である2つの場合から明らかである。両方の場合において、出資者は売却時における残余請求者として、もともと出資していた額のリターンすら、何も受け取らない。しかし、出資者は結局住宅所有者に支払いをすることとなり、住宅所有者へのリターンが保証される。
(優先ブロックローンの状態)
優先ブロックは、住宅所有者から出資者への「ローン」として機能する。上記の例は、このローンが非遡及型であることを仮定していた。売却時における住宅価値が優先ブロック「元本」よりも小さい範囲で、関連する損失は、住宅所有者、または、住宅所有者のためにブロックの一部または全部を融資する抵当の上にかかる。出資者は、損失を補填する義務を負わない。
優先ブロックの一部または全部が償還される配置は、いくつかのDOOR金融商品において非常に有用である。優先ブロックローン全体が償還される配置は、文字「TR」−「完全な償還」によって示される。この配置の下では、出資者は、住宅所有者およびブロックのいずれかの部分を融資してきたいずれかの抵当に、「抵当保険」を仕上げるものとみなされるものをもたらす。前のセクションと、本例におけるZ資本構造の成果とは、以下の表4に示されるように全く異なるだろう。
Figure 2012515985
以下に議論されるいくつかのDOOR金融商品によって例示されるように、非遡及型と完全償還の極値の間に位置する多くの有用な可能性がある。金融商品名における大量の文字ラベルを避けるために、非遡及型の状態が債務不履行であると仮定しており、文字または頭字語によって示されない。
(調節、周期性、および組み込みオプション)
DOOR金融商品によって、たとえば保険付エクイティおよび受託エクイティのような数量の動的調整や、住宅所有者と出資者との間の周期的な移転支払いが可能になる。動的な調節を含む特定のDOOR金融商品を定義することは、調節の性質、量および時期を決定するアルゴリズムを特定することを必要とする。動的調節は静的スケジュールとは異なる。動的ではないDOOR金融商品はそれでもなお特定のパラメーターにおける所定の変化を包含する。たとえば、起点においては、どのように保険付エクイティ比が期間中に変化するかを特定するスケジュールを金融商品が含み得る。この種の静的スケジュールは、利率または根本的な住宅価格のような確率変数の漸進的変化によっては影響されない。動的調節はそれ自体がスケジュールにおける変化を含み得る。たとえば、それは、保険付エクイティが住宅所有者に有利となるように毎年増加するが、増加率は年初における経済条件に基づいて毎年調節されるということとなり得る。
動的調節は、周期的、確率変数的、または選択的であり得る。さまざまな頻度の周期的調節が可能である。たとえば、年1回、四半期に1回、月1回、1日に1回。確率変数的な調節の有用なカテゴリーは、鍵となるパラメーターが一定の値に達する時に金融商品の期限を変更することを含む。関係者はある金融商品の期限を変更することを選択し得て、補償する他の期限の調節の引き金となる。ここにおける例は全ての3つの調節スキームの例を含む。多くの場合において、同じ金融商品は1つ以上のスキームを包含する。
動的調節はそれぞれ、新しい条件を反映させる金融商品の期限を変更することを含む。最初の調節(それが創出された時の金融商品の期限)がある。静的な金融商品の場合、これらの初期の期限は、金融商品のパラメーターにおける全ての将来的な変更を特定する。静的な金融商品が一連の周期的な動的な金融商品の限界であり、期間はどんどん長くなることを心に留めることは価値がある。DOOR金融商品は概して住宅の売却をもって終期を迎える。期間が十分に長いときには、いずれかの調節が起こる前に住宅が売却されることがかなり起こりそうなので、調節を一度でも有する可能性は無視できるほどに小さい。事実上、金融商品が始まる時に、金融商品の期限は決定的に設定される。
周期的な動的調節を行うことはなぜ望ましいのだろうか?色々な理由があるが、1つは早い段階で導入することに価値があるということである。動的な調節はさまざまなオプションを除外し得る、または、それらの価値を無視できるレベルにまで減少させ得る。そうすることによって、金融商品の評価はより容易となり、オプションの戦略的な行使に関連するモラルハザード問題を低減し、出資者が住宅所有者と非投資的なつながりを持つ時の利益相反を除外し、オープンな投資プールを実行可能にし得る。
オプションが存在している時、金融商品の実際の価値はその内在的な価値から逸脱する傾向にある。従来の第一抵当ローンを検討する。そのような抵当は一連の組み込まれたオプションを含み、もっとも顕著なのは、債務不履行とする住宅所有者のオプションと前払いする住宅所有者のオプションである。これらのオプションは抵当権者の管理下にある抵当を評価することを複雑化する。抵当の内在的な価値は、もし抵当権設定者が元本残高を支払うことによって抵当を消滅させる場合に抵当権者が受け取るだろう元本の額である。もし抵当権設定者が前払いするならば、消滅より前にこの価値が受け取られるだけである。もし利率が十分に下落するならば、住宅所有者が借り換えする金銭的なインセンティブがあり、現存する抵当を前払いするオプションを行使して、それを新しい抵当と置き換える。この状況においては、存在状態にある古い抵当が、元本支払額よりも、抵当権者にとって、より価値がある。すなわち、市場よりも高いレートで残っている元本残高にかかる利息支払を抵当権者は受け取る。結果として、将来利息および予定された元本支払の現在価値は、残っている元本残高を上回る。
前払いはまた、異なる理由で起こり得る。住宅所有者は他の都市へ引っ越した方がよりよい状態になるかもしれない。この例における前払いは住宅所有者にとって金銭的なペナルティに至るかもしれない。利率が上がっているので、新しい家にかかる抵当の利率は、古い住宅にかかる利率よりも高くなり得る。前払いは複雑な事象である。それは、住宅所有者の支払行動が最適ではないという事実によってより複雑になることさえありえる。彼らがすべきときに住宅所有者は借り換えをしない。債務不履行オプション、抵当に対する支払を停止し、抵当に入っている住宅を放棄する住宅所有者のオプション、に関しても同じことが言える。前払いや債務不履行オプションの存在およびこれらのオプションに関する住宅所有者の行動の複雑さによって、抵当の価値を評価することが困難になる。もし住宅所有者が「合理的に」振る舞い、それが彼らの金銭的利益である時に債務不履行および前払いが正確にされるならば、いかなる経済環境においても債務不履行および前払いのパターンは予測可能だろう。価値評価は単純ではないかもしれないが、複雑ではないだろう。住宅所有者が合理的に振る舞わないので、価値評価モデルは、将来の債務不履行および前払いの傾向を予測する過去の行動パターンを当てにしなければならない。しかし、将来における異なる経済条件下で過去の行動パターンが存続する保証はなく、複雑さおよび不確実さの追加の層が生まれる。
価値を評価することはオープンな投資プールの実行可能性を減少させる傾向がある。それがもともと創出された後、新しい出資者がそのプールに合流するかもしれない配置である。任意の新しい出資者の比例配分を決定することは、プール内の現存する資産の価値を評価することを必要とする。もしその価値を評価することが実行不可能、不確実または非常に高価なのであれば、オープンなプールを運営することは困難である。代わりに、一連の投資ファンドが必要とされ、プールしている投資のそれぞれが特定の時点で最終決定される。
静的なDOORの変形例を含む静的なエクイティ金融商品もまた、重要な組み込みオプションをたいてい含んでいる。典型的なエクイティ金融商品を検討する。ある個人が、160,000ドルの第一抵当および40,000ドルのエクイティ金融商品による200,000ドルの住宅の購入を借り入れ、頭金はない。エクイティ金融商品の契約下において、金融商品への出資者は住宅価値における価格上昇分の特定のレート、たとえば50%、を受け取ると仮定する。住宅価値が160,000ドルのちょっと上まで下落すると仮定する。現時点ではエクイティ金融商品の内在的価値(出資者が売却で受け取るだろう額)は0ドルに近い。しかしながら、住宅所有者が近い将来において売却することを妨げることがもし可能であれば、その金融商品は出資者の立ち位置からみた実質的なオプションの価値を有するだろう。出資者はベースの160,000ドルを超える価格の最初の40,000ドル全体を獲得し、200,000ドルを超える価格上昇分からの全てのゲインの50%を受け取るだろう。住宅所有者は、出資者のオプションを消滅させるために、その住宅を売却し、近所の同等の住宅を購入する強いインセンティブを有する。実際、もし出資者のオプション価値(短期売却がないと仮定する)が十分に広い貸付余裕額で内在的価値を上回るのであれば、存在することが価値である「戦略的売却オプション」を有する。戦略的売却オプションは抵当にかかる債務不履行オプションに類似するが、必要とされる利子および元本の支払いをすることを停止する抵当権設定者に類似する「債務不履行」の引き金はない。住宅を売却することによってエクイティ・ノートを消滅させることを違反とする契約条項はない。エクイティ出資者はそのノートの期限によって求められる額を受け取る。(それゆえ、抵当にかかる債務不履行の場合と比べて、住宅所有者に関する信用評価に関わる影響はないはずである。)
概して、エクイティ金融商品の期限は、借り換えによる戦略的売却の結果を得る住宅所有者の能力を妨げる。たとえば、ノートを消滅させるために必要な支払いは、ノートおよびもともと出資された額の内在的価値の最大値であり得る。上記の例においては、住宅所有者はノートを消滅させるために40,000ドル支払わなければならないだろう。
抵当にかかる前払いおよび債務不履行オプションの場合と同様に、戦略的売却オプションを行使することによる潜在的なリターンは、単なる戦略的行動のためのインセンティブを生み出すのと同様、他の都市へ引っ越すことのような出来事のための計算を変更する。
出資者が住宅所有者との信託関係または他の信頼関係を有している時、戦略的売却オプションは利益相反を生み出し得る。年金が基金によって保有されている従業員の住宅を借り入れするためにエクイティ・ノートを用いる年金基金が例である。内在的価値が出資者のオプションの価値よりも十分に低い時、被信託者としての年金基金はエクイティ・ノートを消滅させる行動をとることを住宅所有者に相談すべきだが、出資者としての年金基金はそのようないかなる行動のための損失を有するだろう。
すなわち、組み込まれたオプションの価値を無視できる額にまで減少させること、または、それらを完全に除外することは、いくつかの利点を有する。そうすることは、価値評価を簡素化し、オープンなプールを実行可能にし、オプションの戦略的行使から生じるモラルハザードの問題を取り除き、出資基金を受け取る住宅所有者との非出資関係を出資者が有する時に、関連する利益相反を軽減する。
この課題において、どのように周期的な動的調節が役に立つのだろうか?期限と一致するローンの完全な競争および消費を含む理想の設定における従来の抵当の場合を検討する。これらの仮定の下では、始点において、抵当の内在的価値は、関係者にとってのその実際価値と等しくならなければならない。内在的価値は初期の元本残高(ローンの額)である。債務不履行および前払いオプションは始点においては価値を有するが、抵当の期限が、そのオプションを住宅所有者の発行について貸し手に補償する。概して、抵当の利率はオプションの結果としてよりも高く、ポイントのような他の特徴もまた補償に織り込み得る。利率および住宅価格が変化するにつれて、このバランスはすぐに消滅する。内在的価値は実際価値とずれていく。
このシナリオはまた、静的なDOOR変形例を含む静的なエクイティ金融商品にもあてはまる。内在的価値および実際価値は市場取引における始点において等しくなるはずであるが、この同等性は持続しない。状況を解決する方法は、同等性を回復する金融商品の期限における調節を行うことである。調節の各段階の後で、実際価値および内在的価値が再び分化する傾向がある。しかしながら、適切で頻繁な周期的な調節によって、実際価値を内在的価値といつも近い値に維持することが可能なはずである。すなわち、実際価値を内在的価値と等しくすることによって「市場取引」を回復させる周期的な動的調節は、組み込まれたオプションの価値を縮小または減少させる方法である。もし住宅所有者が組み込まれたオプションを行使することによって金融商品を終了させるのであれば、現在の市場条件下における取引を再現することが必要とされる額を超過するどんな価値も受け取らない。
全ての出資者が金融商品の内在的価値または実際価値に同意するとは限らないことに留意することが重要である。具体的には、異なる課税措置は異なる価値評価に至るかもしれない。出資者のなかには、特定の金融商品に対して「縁の下」であるものもいる。価格を設定する「限界的な」出資者によって享受されないネットでの税制上の優遇措置を彼らは経験しているので、彼らは金融商品に対して市場価格よりも多く支払いたがるだろう。教科書が実際価値と内在的価値とを等しくすると語る時、それは税引き前を基礎として語っている。利率を含む税引き前価格は限界的な出資者の租税状況に反映されるので、利率を含む税引き前価格は租税によって影響を及ぼされる。動的調節プロセスの一部として租税を考慮する必要性があるかどうかの課題は、本明細書における後述の租税セクションにおいて議論される。
(中立性および純拠出残高)
もし実際価値がその内在的価値といつでも等しいのであれば、DOOR金融商品は「連続的かつ厳格に中立的」である。中立性のこの非常に純然なバージョンは実際の目標ではない。たとえ調節プロセスが連続的であったとしても、内在的価値が実際価値からずれる時間差がないので、プロセスによって必要とされるデータは連続的に利用可能でもないし、エラーフリーでもない。接近の不可避な要素がある。結果として、本明細書は、用語「中立」と「中立性」とをいくぶん大まかに用いており、連続的かつ厳格な中立性の接近を暗示している。その接近の正確性は固定されていないが、DOOR金融商品およびその実施の詳細によって決まる。
「純拠出残高」は、中立性のための必要十分条件であり、中立的なDOOR金融商品の定義および実施における鍵となる概念である。もし金融商品の期限が住宅所有者の相対的な拠出を反映し、DOORの出資者が合弁参加者としてみなされるのであれば、純拠出残高が存在する。この残高を実現する1つの方法は保険付エクイティが増加する割合を調節することであり、以下に議論するDOORの変形例のいくつかは保険付エクイティアカウントを残高残余として用いる。これらの変形例の下では、概して、住宅所有者は、保険付エクイティを考慮に入れることのないベンチャーに対して、正の純拠出をする。住宅所有者に有利な保険付エクイティの増加は、その純拠出を補填する。時間をかけた拠出の潜在的なレートは経済条件および住宅の価値とともに連続的に変動する。保険付エクイティが発生するレートにおける対応する変化を生み出すことによるそれらの変動に対応する周期的な調節を動的な金融商品は包含する。
もし調節プロセスが十分に発生し、かつ、十分に頻繁であれば、金融商品は「市場取引」を一貫して反映する。もしそうでなければ、住宅所有者か出資者のどちらかが純利益を受け取っており、金融商品の実際価値が内在的価値から離れる。出資者はより多くの出資をすることを望む、または、すぐに終期を迎えるのであれば金融商品が収益を挙げる額ほどには出資することを望まない。この意味において、純拠出残高は中立性のための必要条件である。また十分条件でもある。もし関係者が市場取引を経験しているのであれば、取引の形態を保持する一方で金融商品を終わらせて期限を書き直すことはどちらの関係者にとっても有益とはなり得ない。新しい取引は古い取引と同一であり、「借り換え」の取引費用が浪費される。一方または両方の関係者が取引の形態を変更することを望み、あるDOOR金融商品を別のものに交換するかもしれない。しかし、もし全ての代替案が中立的であるならば、関係者は単にある市場取引を他に交換するだけである。そうすることにおける消費者余剰または生産者余剰があるかもしれないが、どちらの関係者も、市場よりも悪い取引を除外すること、または、よりよいものを保持することからの利益を得ることはできない。関係のある組み込みオプションが価値のないものなので、存在する取引は「市価」である。
純拠出残高を実行することは合弁事業の住宅所有者および出資者にとってのさまざまなコストおよび利益の調査を必要とする。関係する拠出要素の全てを解説する試みよりもむしろ、年単位での瞬間的な流動率の観点で表現されるいくつかの主要要素に検討を限定する。これらの利率は、時間が年単位である単純複利スポット利率に相当する。もしy(t)が時刻tにおける単純複利スポット利率であるならば、y(t)dtの量が、dt年の無限小時間の間、発生する。もし出資者が、税引き後の瞬間的な一定の借入・貸出金利iに直面するならば、連続的な再出資または借入によって、1年間の定利y(t)=yにおける発生は、その年の終わりにおける追加の勘定価額の(y/i)(e−1)に至る。この議論の目的のためには、住宅所有者および出資者のレベルにおいて所得税は無視される。
4つの要素が、定型化されているが情報伝達モデルにおいて鍵となる特徴および結果をとらえるために十分である。
r:総賃料。住宅は所有者占有なので、この「賃料」は間接的または「帰属的」であり、占有者に対する住宅の消費価値を表す。
m:抵当金利。
d:ドルでの物質的減価。住宅所有者または出資者が購入時と同じ物理的条件に建造物を維持するためのこの額を支払う。
p:固定資産税。
変化量における可能な時間変化は、それらを時間の関数として記載しないことによって抑えられる。これらの4つの変化量は、従来の、出資者が所有する貸し家の状況の主要な特徴を記載する。明示的な変化量と異なるかもしれない潜在的な変化量を所有者が占有する可能性を無視することによって、出資者への瞬間的な合計キャッシュフローレートは、f=r−m−d−pとなる。
時間tをかけて変化するいくつかのレベル変数が役割を果たす。確率変数的なものもあれば、決定論的もしくは住宅所有者、出資者、またはその両方の管理下にあるものもある。
H(t):住宅の市場価値。
M(t):抵当元本残高(単純化するために、1つの抵当がある場合のみを検討し、起こり得る第二抵当、ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット、等を無視する)。
(t):抵当価値(組み込まれた前払いや債務不履行オプションの価値のため、一般的にM(t)≠M(t)である。抵当権者に対してポイントまたは他の1回限りの補償はないと仮定し、抵当の期限が従う時刻と始点の時刻との間の価値におけるいかなる相違も無視すると、M(0)=M(0)の場合になるべきである。すなわち、抵当権設定者(住宅所有者)に対する債務不履行および前払いオプションの価値は、抵当権者に支払われるより高い利率によって相殺されるべきである。)
(t):保険付エクイティ比。
I(t):住宅所有者に有利となる、発生した保険付エクイティ額。I(t)=I(t)H(t)。
C(t):受託エクイティの「元本」額。(この額は第二抵当への元本支払と類似する。売却価格が十分に高くなければ、売却時にはそれは受け取られない。)
(t):受託エクイティの額。C(t)≦C(t)。売却時tにおいて、もしM(t)<H(t)<[M(t)+C(t)]ならば、C(t)=[H(t)−M(t)]<C(t)である。もしH(t)<M(t)ならば、C(t)=0である。
P(t):優先ブロックの額。たとえH(t)<M(t)+C(t)だとしても、P(t)=M(t)+C(t)にあることを言及する。そのため、P(t)は、住宅所有者によってもたらされる出資者へのレバレッジの「元本」額である。
(t):優先ブロック用の「借入金比率」である。L(t)=P(t)/H(t)。
E(t):住宅における出資者のエクイティの内在的価値。E(t)=H(t)−P(t)。
いくつかのDOOR金融商品を定義する際、3つの流動率が重要な役割を果たす。これらの流動率は、住宅所有者と出資者との間の実際または推定の流れを述べる。
(t):売却時を除き、もし優先ブロックが債務不履行または前払いの権利を有しない抵当である場合の、時刻tにおける表面抵当利率。この抵当には期限はなく、住宅の売却または明確な他の特定の出来事でのみ終期を迎える。その時、出資者に関しては非遡及型である。i(t)は、H(t)、P(t)およびL(t)のような因子に従属する。
(t):現在の建造物が完全な機能状態を維持する、すなわち、所有者が減価を相殺するために必要とされる修繕費に出資すると仮定すると、確率変数的な持続期間を伴うローン用のリスクフリー、すなわち債務不履行フリーなレートは、生産的資産としての住宅の将来寿命と等しい。
x(t):DOOR金融商品を管理する契約下で規定されるまたは可能になる、住宅所有者から出資者への移転支払。もし出資者が住宅所有者に支払いを行うならば、xは負の数である。これらの支払額は、賃料または利率のような伝統的な市場により決定される額には相当しない。その代わり、これらの移転支払は、出資者と住宅所有者との間の所望の取引を実現するためにDOOR金融商品の期限を調節する1つの手段である。
H(t)のような要素は確率変数的である。無限小時間間隔dtの間の、決定論的な要素だけでなくそのような要素における変化は、住宅価値における瞬間的な変化に関する「dH」のような確率変数的な微分方程式の標準用語を用いて記述される。
これらの構成要素を手元におきつつ、どのように中立性を実行するのか?そうするための多くの方法があり、異なるアプローチが以下に述べられ、それらのそれぞれがDOORの変形例またはバージョンの要素を定義する。
それでもなお、3つの共通の態様がある。
第一に、関係者の相対的な拠出を査定することが重要である。これらの拠出が何であるかはまさに金融商品の期限次第である。たとえば、住宅所有者が全ての抵当にかかる義務を負うと仮定する。次に、受託エクイティの形態で、および、抵当権設定者としての借り入れを通して、直接的に優先ブロックPを備える基金に住宅所有者が出資する。流動率iがレバレッジの観点で出資者によって受け取られる利益を述べるので、流動率iは有用である。出資者は、優先ブロックを債務不履行できないし、前払いもできない。結果として、iは、債務不履行または前払いオプションの欠如を可能にするように低減される推定抵当利率である。(抵当借り入れに関し、住宅所有者はこれら2つのオプションを有するが、借り入れは、住宅所有者がどのように優先ブロックに出資するかの側面である。ブロックそれ自身が出資者にレバレッジをもたらす。)
第二に、もし拠出における不均衡があるならば、相殺契約上引当金によって中立性が実現される。以下のいくつかの変形例においては、鍵となる相殺手段は保険付エクイティ比である。住宅所有者へ、または住宅所有者から住宅価値への移転がその配置の望ましい態様であるとき、この手段が有用となる。しかし、残余残高要素として他のアカウントを用いる方法がときどき優位である。たとえば、住宅所有者と出資者との間の契約上の移転支払を残高残余として用いることは、所望の特性を有するDOOR金融商品を創出するための有効な方法である。
第三に、動的調節なしでは、中立性は持続しない。住宅価値および経済パラメーターが変動するので、もともとの相殺契約上引当金はもはや中立性を実現しない。いくつかの変形例においては、もし調節がないか、調節が頻繁ではないならば、金融商品がうまく機能するが、多くの場合において中立性が望ましい。
どれほどの中立性が実現されるかについてのより正確な記述が、第一の変形例、ANZIE−DOORの議論に先送りされている。その名称において、文字「N」は、目的が金融商品の中立性であることを示唆している。ANZIE−DOORを定義し、および議論する前に、本明細書の例のいくつかに潜在する、あるメンテナンス協定や数的シミュレーションの性質を述べることが必要である。
(メンテナンス協定)
DOOR金融商品の方法は、1以上の関係者のためのエクイティのような所有権株を創り出す。結果として、メンテナンスコストおよび建造物の物理的減価からの価値の減少に関する契約上の配分ルールを明記することが必要である。メンテナンスは減価を直接的に相殺するので、これら2つの項目は密接に関連している。
以下で議論する変形例はメンテナンス義務を住宅所有者に課している。この義務を満たすことを怠ると、住宅所有者の保険付エクイティおよび受託エクイティから売却時における相当額をこの通りの順序で差し引く権利に至る。住宅を塗装するために4,000ドルかかり、メンテナンス協定は住宅所有者に定期的にそれを行うことを求めると仮定する。もし住宅所有者がそれをしない場合、住宅所有者の保険付エクイティ額から第三者預託で4,000ドルが差し引かれる。
このメンテナンス義務は、契約によってカバーされる項目に関して住宅を維持することの欠如に対して、同額のドルを支払うという帰結を生む。公正な包括的範囲を仮定すると、この特徴は、伝統的な抵当権融資およびほとんどのエクイティ・ファイナンス方法の両方を伴ういくつかの非常に深刻なインセンティブの課題を軽減する。もし抵当権融資された住宅が価値において下落し、残されたエクイティがほとんどないか全くないならば、所有者はせいぜい住宅を維持するインセンティブを低減するだけである。いかなるメンテナンス支出も、住宅所有者よりもむしろ抵当権者に利益をもたらすようである。住宅所有者が抵当にかかる債務不履行を決断する点に状況が達すると、住宅を維持するインセンティブはゼロに下落する。結果として起こるそうすることの欠如は、差し押さえに関連する価値における大きな目に見える下落に著しく寄与する。古典的なイメージ、およびときには現実が、もはや気にかけず、保護的ステップを取りもしない住宅所有者のせいの破壊行為だけでなく、銅管をはぎ取るような略奪も含む。
エクイティ・ノートの場合、たいてい、状況はさらに悪い。住宅価値が第一抵当残高のレベルに近づく時に、同様のインセンティブの問題が存在するが、より一般的な問題もある。エクイティ・ノートは概して共有された価格上昇分についてのルールを含む。すなわち、住宅所有者と出資者が住宅の価値におけるいかなる増加をも分配する。そのようなルールの下では、住宅を維持するドルを支払う住宅所有者は、売却における利益のドルより少ない額を得る。住宅所有者は消費的な理由で住宅をメンテナンスする。例えば、素晴らしく見える住宅に住むことを楽しむために住宅を素晴らしい塗装のまま維持する。しかし、売却が近づくと、メンテナンスを削減するインセンティブがある。
たとえ抵当権融資が現存しているとしても、住宅所有者が実質的な保険付エクイティを増加させるスキームと、公正な包括的メンテナンス義務とを組み合わせることがインセンティブの問題を解決する。たとえ住宅所有者が抵当を債務不履行にして、売却時において住宅の市場価額が帳簿価格を下回る、すなわち、抵当元本額未満、としても、保険付エクイティは住宅所有者にとっての実質的な出資金を創出する。この出資金は住宅を維持することの欠如に関する同額ドル支払に伴う減少にさらされるので、住宅所有者は誤りのない経済的インセンティブを有する。支出が、費やされたドルに対して少なくとも利益が挙がる時はいつでも、住宅所有者はメンテナンスに支出したがる。従来の融資スキームの下では差し押さえ前の時期に概して開始される物理的な劣化の負のスパイラルを、住宅所有者は確かに避けたがる。新しいイメージは、いかなる潜在的な略奪または破壊をも防ぐ武装化した住宅所有者である。そのため、目標は、売却時に良好な状態で住宅を引き渡し、第三者預託の終了時に保険付エクイティ出資金を最大化することである。
メンテナンス義務のスキームは自動発効的ではない。義務の性質が定義されなければならず、売却時における紛争の可能性がある。明確さと包括性との間のトレードオフがあるかもしれない。塗料や配管のような項目を含む詳細なリストでさえ不完全である傾向がある。他方、契約上のメンテナンス義務は、いくつかの異なる形態で現在存在する。賃貸借契約は概して、住宅を維持する義務と、担保としての保証金の要求を賃借人に課している。「住宅瑕疵保証」保険契約が非常に多く存在している。これらの契約は概して、住宅の主要な要素(例:電気または配管)の多くをカバーする。住宅所有者が保険料を支払い、保険会社が契約下で特定された住宅の要素を維持する費用を支払う。明らかに、メンテナンス義務のスキームは商業的に実用的である。従来の住宅所有者の保険がメンテナンスおよび修理、とりわけ被害によって必要となった作業、をカバーすることを述べることも価値がある。メンテナンス義務のスキームは、担保がしばしばするように、強制保険を含み得る。強制保険は、住宅保証ポリシーおよび従来の住宅所有者ポリシーの下で現在利用可能なカバレッジを組み合わせる、または拡張しさえし得る。
メンテナンス義務のスキームが必ずしも不完全ではないという事実は、多くのDOOR金融商品にとって減価が2つのパートに分割されることを意味する。1つのパートはメンテナンス義務または関連する保険によってカバーされる項目を含む。このパートは概して住宅所有者の責任である。2つめのパートは残された方である。Z−DOOR金融商品の全てのサブクラスを含む多くのDOORの変形例において、出資者は残余請求権者であり、住宅所有者の義務によってカバーされないいかなる減価からのロスをも被る。この現実は、DOORスキームの実行は概して、上記で「d」と定義される「減価のフロー」の細かい解析を必要とすることを意味する。少なくとも、dは2つの構成要素、dおよびdに分解され得る。これらは、住宅所有者、出資者それぞれの債務である減価のフローである。簡素化のため、この解析は、以下のDOORの変形例の解釈に付随する数値例において無視される。
(数的シミュレーション)
ここで展開される数値例は具体的なDOORの変形例の定型化され、実践的な見通しを創出するためにデザインされている。
モデリングにおける1つの主な選択は、住宅の価格経路を特定することである。ここにおける例は、住宅価格Hが、ドリフトの定数αおよび予想変動率の定数σによって幾何学的なブラウン運動に従うことを仮定する。
dH=αHdt+σHdZ
この価格経路はとりわけ単純であり、理解するのに容易なシミュレーションに至る。
例にとっての「基本モデル」として、幾何学的なブラウン運動は、σ=0.09、α=0.07+σ/2=7.405%で用いられる。αのためのこの値は、幾何学的なほぼ7%ちょうどの平均リターンに至り、確率変数的な結果を固定された7%のリターンの場合と比較する時に有用な特徴である。固定されたリターンの成果は、確率変数的なバージョンの下において平均リターンにほぼ相当する。
これらの値はまた、「リアリズム」の要素を含む。1976年から2008年までのさまざまなアメリカ合衆国大都市統計地域(「MSAs」)における連邦住宅金融局(「FHFA」)住宅価格指数の年間価格上昇の算術平均は3%から9%の範囲に集中している。それゆえに、7.4%という数字は程ほどに高いものである。すなわち、アトランタ、シカゴまたはセントルイスのようなMSAsにおける数値をかなり上回るが、ボストン、ロサンゼルス、ニューヨークまたはサンフランシスコのようなMSAsにおける結果を明らかに下回る。(最近まで、FHFA指数は、米国連邦住宅企業監督局(「OFHEO」)指数として知られていた。2008年後半において、FHFAはファニー・メイおよびフレディ・マックの後見者となり、またOFHEOを吸収した。)
FHFAのMSAでの年間リターンの標準偏差は3%〜11%の範囲に集まっている。それぞれのMSA内における住宅価格は1976年から2008年までの間、完全には相互に関連していなかったので、これらの指数をベースとする標準偏差は、対応するMSAsにおける個人住宅の標準偏差の平均値よりも小さい。そのため、基本モデルにおいて用いられる9%の年間予想変動率が、3%〜11%の上側にあることに基づいて程々に高い予想変動率を表すと言うことはできない。それにもかかわらず、9%という予想変動率の数字は、我々の目的のための興味深い例に至る。とりわけ、この予想変動率とそれぞれの例における12,000のシミュレーションを用いることが、関心のある期間における適切な広範囲にわたる一連の価格結果に至る。例のいくつかは互いに比較されるので、同じシードがそれぞれの例におけるランダムなプロセスのために用いられる。結果として、それぞれの例は、12,000の価格経路の同様のシミュレーションされたサンプルに基づく。
最小および最大の結果は、大部分の歴史的な成果を一括りにする。結果として、基本モデルによって生成された例は、さまざまなDOOR金融商品用の適切な範囲の成果について適切な知識をもたらす。
その使用は他の非常に実質的な人工的な要素を有する。住宅価格は幾何学的なブラウン運動を辿らない。とりわけ、住宅価格の一連のリターンは、概して、正の自動的な相関があり、確率変数的な予想変動率を示す。しかしながら、ここでの議論の目的にとっては、さまざまな期間に関する適切な範囲の成果に至る価格生成プロセスを用いることが十分である。また、幾何学的なブラウン運動はとりわけ理解しやすく、容易に説明できる例を生む。
基本モデルを完全に定義するために詳述する2つの最終的な要素がある。1つめに、以下に詳述されるように、DOOR金融商品の下での成果は、金融商品の予測持続期間の関数となり得る。基本モデルは、住宅価格を生成する幾何学的ブラウン運動とは独立した10年の平均長さを有するポアソン持続期間プロセスを仮定する。このプロセスは以下に詳しく述べられる。10年の平均長さは7年の中間長さに相当し、住宅所有期間およびその所有のための「長期」融資に関するリアリズムの程度を示す値である。
詳述する2つめの要素は、2つの重要な利率を含む。それらのうちの1つは非常に長期なリスクのない利率で、他方は中期のリスクのない利率とリスクが割り増しされた利率の合計である。基本モデルは、関係する全てのリスクのない利率は、全期間にわたり、年率0.05で一定である。すなわち、例の期間中に持続するリスクなしの利率に関する平坦な期間構造がある。より現実的なモデルは、時間で変わる、確率変数的な期間構造を含むだろうが、もし目標が明確かつ単純な例を生み出すためであるならば、仮定された平坦で一定な期間構造が適切である。
(ANZIE−DOOR)
ANZIE−DOORの特徴の多くが上記に説明されてきた。頭字語「ANZIE」において、「N」は中立性を維持する目標を意味し、「Z」はZ資本構造のアプリケーションを意味し、「IE」は保険付エクイティの存在を意味する。「A」は年1度の動的調節を意味する。金融商品を中立的に近いままにするためにはより頻繁な調節が望ましいかもしれないが、年1度の調節が例を理解しやすくする。
図2は、本発明に係るANZIE−DOOR配置に関するゲインの場合を示す模式的なブロック図である。図3は、本発明に係るANZIE−DOOR配置に関するロスの場合を示す模式的なブロック図である。図4は、本発明に係る純拠出の解析を示す模式的なブロック図である。
まだ説明されていない主要な要素はダイナミックエンジン、すなわち年1度の調節を行うアルゴリズム、の運用である。上述されたように、中立性を実現するために調節する多くの方法がある。異なる方法は、異なる目的に適切な金融商品に至る。そのため、本発明の本態様の議論は、ANZIE−DOORの設計を動機付けする目的を述べることによって始める。
(規範的な目標)
ANZIE−DOORは多くの可能な応用を有するが、とりわけ好適なものを以下に挙げる。(i)労働者住宅(workforce housing)(ii)中間収入層、低所得の家族および個人だけでなく、大部分の米国の住宅所有者を含む、程々の総資産を有し適当な収入を有する住宅所有者(iii)資産を増やしはじめたばかりの十分な収入を有する若年労働者。労働者住宅は、彼らが従事する地域においておよび近隣において、その収入に対して高価な住宅費に直面する、教員、消防士、および警察官のような労働者を含む。彼らが働くこれらの労働者の生計に対する公共ベネフィットである。
多くの米国の住宅所有者はその住宅に資産の大部分を有しており、実質的な抵当負債を抱えている。また、地域の住宅価格は、地域の経済条件と相関関係を有する傾向がある。地域経済が圧迫されている時、収入の下落および職の喪失がしばしば住宅資産の喪失と同時に起こる。基本的な金融講義において数分以上を費やす人は誰でも、この金融戦略がおおむね考えられるもっとも悪いものであることを認識する。住宅所有者は単一の大きくレバレッジされた資産に結びつけられた彼または彼女の資産のほとんどまたは全てを有し、この資産にかかる負の成果は負の人的資源の成果と相互に関連づけられる。多様性の完全の欠乏があり、雇用または収入のリスクに対して保険をかける代わりに、その戦略がそのリスクを増幅させている。
ANZIE−DOORは、住宅所有者が少額のお金のみを住宅につぎこむ、または住宅にお金を全くつぎこまないことを可能にすることによって、この状況を解決する。保険付エクイティの発生を通して、住宅所有者は所有権の出資金を増加させる。現金貯金は、株、担保、および他の手段に出資するために用いられ得て、住宅所有者の経済状況を踏まえた知的なポートフォリオを作り上げる。増大する保険付エクイティの構成要素によって、住宅所有者は、数年間の後、住宅市場における確固たる地位を確立できる。この構成要素は住宅価値の何割かである。いったんそれが15〜20%に達すると、必要に応じて、住宅所有者は、潜在的に、次の住宅にかかる従来の融資を用いるポジションにある。また、保険付エクイティはパーセントの数値で表されるので、それは、上昇の一途を辿る住宅市場と住宅の値崩れの両方に対して保護する。かつての状況においては、どれだけ上昇するかと関係なく住宅所有者が非常に堅実な割合の利率を維持することによって、「ゲームの中に」とどまる。右肩下がりの際には、たとえ従来型の資産構造に基づく出資が一掃され、住宅が結局抵当残高よりも低い価値になるとしても、住宅所有者は強いポジションにある。
財政的に賢明な金融商品であることに加えて、ANZIE−DOORは中立性から得られる素晴らしい性質の全てを受け継ぐ。(i)戦略的な売却または債務不履行に対するインセンティブがない。(ii)出資者が住宅所有者との信託または他の繋がりを有している時の利益相反がない。(iii)価値は内在的価値と等しいので価値評価が容易である。(iii)の結果としての(iv)オープンな投資プールを創出するのが容易である。ANZIE−DOORは住宅所有者に対する公正で包括的なメンテナンス義務を含む。保険付エクイティは概して素早く増加し、その金融商品または変形例はそれがすることを保証するように設計され得るので、たとえあったとしても、住宅における従来の(資本構造ベースの)エクイティポジションを多く有しない時でさえ、住宅所有者は住宅を維持するために非常に強い同額ドル支払のインセンティブを有する。
実質的な優先ブロックの存在を加えたZ資本構造は、住宅における非常にリスクの高いポジションを有する出資者をそのままにし、そのリスクは現在のシステムが住宅所有者にかけるリスクに相当する。このリスクの高いポジションは非常に価値のある多様性ツールである。長年にわたり、経済学者や金融の専門家は、所有者占有の不動産は、機関投資家に利用可能な主要な部類の金融商品、株、担保、商業不動産および賃貸不動産、と相対的に相関しないリターンを有するカテゴリーであることを知っている。大規模な多様性のための手段をもたらすのに十分な量に発行される、所有者占有の不動産に対する取引可能な金融商品がないことが問題であった。ANZIE−DOORおよびいくつかの関連するDOORの変形例は、その種のあり得る手段である。また、ANZIE−DOORおよびいくつかの関連するDOORの変形例は、特定の領域、都市、または近所におけるリスクを望む出資者のための力強い手段である。そのようなリスクを実現するために所望の場所からDOOR金融商品に共同出資することは容易であろう。
(ダイナミックエンジン−期間中、中立性を実現する)
動的方法において中立性を実行することは、それぞれの期間において、出資者と住宅所有者との間の拠出と利益とのバランスがあることを必要とする。このバランスはDOOR金融商品の詳細次第である。このセクションにおける議論はANZIE−DOORによって実現される具体的なバランスに対処するが、それはまた、DOOR金融商品を定期的に中立に戻す「ダイナミックエンジン」の一般的な導入としても役立つ。このダイナミックエンジンは、DOOR金融商品を非常に柔軟なものにする特徴である。金融商品の多くの態様は定期的に変更され得るが、変更の性質が何であろうと、ダイナミックエンジンは、住宅所有者と出資者との間の「市場取引」を回復させる調節をする。
(拠出バランス)
ANZIE−DOORは住宅所有者に以下のことを求める。(i)資本構造の優先ブロック部分に出資すること。(ii)メンテナンス契約によって求められる程度で減価償却費をカバーすること。(iii)固定資産税を支払うこと。簡素化のため、メンテナンス契約が全ての減価償却費をカバーするものと仮定される。住宅所有者は占有の賃貸価値を受け取る。「正味賃料」を定義することが便利で、それは、減価償却費と固定資産税を総賃料から引いたものと等しいフロー変数である。
n:正味賃料
n=r−d−p
正味賃料は、減価償却費および固定資産税を支払う責任によって相殺される住宅所有者の占有利益である。純粋な賃貸資産の場合、正味賃料は、抵当金利のような融資コストを検討する前に出資者/家主が賃貸金として受け取るものと等しい。住宅における全体のリターンは、いずれの価格上昇分も加える正味賃料と等しい。これらの要素の両方が確率変数的である。ν(t)を、発生正味賃料((正味賃料/価格)の比とほぼ等しい)の予測年率と等しいものとし、α(t)を時刻tの時点での価格上昇の予測年率とする。次に、その時の予測合計リターン年率は以下のように表される。
ρ(t)=ν(t)+α(t) (1)
この予測リターンレートは、市場が決定するリスク割増を含む。
時刻tにおける調節点の次の年の間における、住宅所有者と出資者との間の拠出と利益のバランスは何だろうか?住宅所有者は正味賃料の利益を受け取るが、優先ブロックへの出資もする。残余請求権者としての出資者はいかなる価格上昇分をも受け取るが、H(t)>P(t)、すなわち住宅価値が優先ブロックのドル換算額よりも高くなる、を仮定すると、限界における損失リスクも抱えている。保険付エクイティアカウントは傍観者の立場を取り、蓄積された過去の純拠出の対価として、売却における住宅所有者にかかる住宅価値にかかる税の何割かを表す。
ANZIE−DOORの下では、保険付エクイティの発生率は、中立性を実現するバランスを保つ因子である。中立性は、DOOR金融商品の運用の下でそれぞれの参加者の配分の価値がその内在的価値と等しくなることを求める。もしこの同等性が出資者のために存在するなら、それはまた住宅所有者のためにも存在する。(ここで議論されるように、中立性は税引き前を基礎に実現される。)
そのため、それは出資者に焦点を当てるのに十分である。出資者のための内在的な要素の2つの要素がある。保険付エクイティアカウントの下での出資者の債務と、資本構造ベースのリターンに対する残余請求権者としての出資者のエクイティである。出資者の残余請求への予測リターンへの検討を狭め、保険付エクイティアカウントを残しておくことも可能である。そのアカウントに関する出資者の債務は、債務が売却においてなるだろうもの、住宅価値の特定の割合、と等しい。そのため、保険付エクイティアカウントは放置される。それは過去の純支払拠出の対価を表すので、それはいかなる場合においても概念的にそこに属する。中立性のために重要なことは、保険付エクイティの将来の発生が、住宅それ自体に関する相対的な拠出における将来のいかなる不均衡をも補償することである。調節時刻tにおいて、住宅における出資者のエクイティの内在的価値は、E(t)=H(t)−P(t)である。E(t)に関して、保険付エクイティアカウントにおける現在の残高を脇におく出資者に対するDOOR金融商品の実際価値を等しくするために、残存期間は、市場によって求められる予測リターンを等しいE(t)にかかる予測リターンに至らなければならない。E(t)はレバレッジされたエクイティポジションである。ポジションを根底とすると、元本残高を伴う住宅所有者から貸し手への「優先ブロックローン」が時刻t時点のP(t)と等しい。優先ブロックローンに対する関連する利率は何だろうか?そのローンは、ローンが終期を迎える時に抵当権者(ここでは出資者)よりもむしろ抵当権設定者(ここでは住宅所有者)が決定することを除けば抵当権融資と非常に似ている。住宅所有者が住宅を売却する時またはDOOR金融商品の支払いを終える時に、それは終期を迎える。出資者は前払いオプションを持たない。住宅価値がP(t)より下に下落する場合には出資者が残高のいかなる部分も支払う必要がなく、出資者は部分的な債務不履行オプションのみを有しているので、そのローンは出資者に関する限り非遡及型である。それらの支払はDOOR金融商品、事実上「非遡及型」の方法における、によって義務づけられるので、出資者は、そのローンに関する、住宅所有者への「利子」の支払いを止める選択も、「元本」の支払いを止める選択もすることはできない。債務不履行オプションが存在する意味は、出資者が、売却時において残っているいかなる優先ブロック残高をも返済する義務を有しないことである。優先ブロックローンの持続期間は、前払いまたは債務不履行のオプションがなければ、抵当の持続期間と似ている。結果として、適用される利率は上に定義されるようにi(t)である。おおまかな近似として、この利率は、売却時における債務不履行を除き、その前払いおよび債務不履行のオプションを奪われた30年ものの固定利率の抵当にかかる仮想利率と等しいと考えられ得る。もしL(t)が適切に低いならば(例:0.8以下)、適切な近似であり得る市場レートは10年ものの米国長期国債のレートである。もしL(t)が高いならば(例:1.0ちょうど、約1.0または1.0より上)、売却時において非遡及である抵当を価値評価するため、高金利のローンの抵当権設定者(住宅所有者)に追加されたリスクを反映するために割増が必要である。どのようなレートを用いるかの問題は以下に総合的に議論される。
合計住宅価値の比として表現されるP(t)と等しいレバレッジが与えられたE(t)に関する必要とされるリターンレートは以下に表される。
ρ(t)=ν(t)+α(t)−i(t)L(t) (2)
住宅所有者はi(t)L(t)に出資しているが、正味賃料ν(t)は出資者に向けてよりもむしろ住宅所有者に向けて流れる。そのため、住宅所有者の純拠出は以下に表される。
γ(t)=i(t)L(t)−ν(t) (3)
ρ(t)=ν(t)+α(t)の比例式π(t)を表す量であり、住宅にかかるレバレッジのかかっていないリターンの予測市場レートは以下のように表される。
Figure 2012515985
住宅投資の発生に影響を与える累積アルゴリズムは、リスク調節された方法におけるその比例式を売却時における住宅所有者にかかる住宅価値税の保険付エクイティ比における増加に移動することによって、調節時刻tに続く期間中における住宅からのリターンの比例式であるπ(t)を住宅所有者に割り当てる。そのアルゴリズムは次に説明される。πは保険付エクイティ比の変化率の重要な推進力なので、それは「レートファクター」と呼ばれる。
(累積アルゴリズム)
さまざまな累積スキームが可能であり、それぞれ1つ1つが異なるDOORの変形例を定義する。ANZIE−DOOR下での目標は、住宅所有者が、事業への住宅所有者の純拠出の累積結果を表すサイドアカウントにおける住宅価値のある割合と等しい保険付エクイティを累積することである。上述のように、この方法は保険的な側面を有している。優先ブロック「ローン」によって与えられるレバレッジは出資者のリターンに影響するが、住宅所有者の保険付エクイティのポジションには影響しない。もし売却時における成果が結局低く終わるのであれば、出資者が住宅にかかるレバレッジされたポジションから受け取るよりも、保険付エクイティの義務について、住宅所有者により多くを支払う。
同時に、住宅所有者は、住宅価値における変動と完全に無縁ではない。保険付エクイティアカウントは、特定の金額ではなく、住宅価値の特定の割合を明け渡すので、これらの変動は住宅所有者に影響を与える。もし目標が、住宅市場がどこに行こうとも住宅所有者を住宅ゲームに置くことであれば、住宅価値にかかるこの従属関係は完全に適切である。たとえば、もし保険付エクイティ比が20%まで増加するならば、「コンフォーミングローン」を保証する伝統的な最小限度の頭金と等しいエクイティを有する程度において住宅所有者は事実上ゲーム内にいる。ANZIE−DOORは、実際の頭金を求めることなしに、数年の住宅所有の後にこれを可能にする。彼または彼女の資産のほとんどまたは全てを単一のレバレッジされた投資につぎこむことの金融的な愚かさに住宅所有者を携わせることなく、住宅所有者が住宅ゲーム内にいることを、それは保証する。
ANZIE−DOOR下には累積スキームへの2つの鍵となる態様がある。
第一に、ANZIE−DOOR下での目標は、純粋な住宅価値リスクを出資者の手の中に残すことである。そのため、住宅所有者に保険付エクイティの所有権を発生するために用いられるリターンレートは、リスクの高いリターンそれ自体よりもむしろ、住宅へのリスクの高いリターン(価格上昇分を加えた正味賃料と等しい)に相当する確実性である。そのため、鍵となるリターンレートはi(t)であり、資産としての住宅の同じ(非常に長い)期間の投資用のリスクのないレートである。レートファクターであるπは住宅所有者の純拠出に基づく合計リターンの住宅所有者の分け前を表すので、そのアルゴリズムは住宅所有者に、このリスクの低いリターンの比例式πを割り当てる。
第二に、保険付エクイティアカウントを介して、住宅における配分を住宅所有者に渡すANZIE−DOORの目標と調和して、そのアルゴリズムが、それぞれの期間からの合計リターンのこの配分を、売却時における全体の所有権割合に置き換える。
累積スキームが持つべき第3の資産がある。中立性である。住宅所有者(出資者)にとって、保険付エクイティを受け取る(支払う)ためにDOOR金融商品を、時期を早めて終わりにするインセンティブはないはずである。金融商品を終わらせる住宅所有者の実際のオプションも、金融商品を終わらせる出資者の仮想オプションも、何の価値も有しないはずである。もしそうでなければ、DOOR金融商品は困難な価値評価の課題に苦しめられ、金融商品を終わらせるまたは終期を遅らせる住宅所有者の能力に関連するモラルハザードの代償がある。
ANZIE−DOORの累積スキームはπおよびi(t)を調節することによって中立性を近似し、現在の市場価値に沿ってこれらのパラメーターを維持する。名称における「A」によって示唆されるように、その金融商品は、年に一度、π(レートファクター)を調節することを求める。1つのアプローチはi(t)に対して同じことをして、年に一度、πに沿って調節するだろう。しかしながら、もしi(t)が市場価格に基づくならば、たとえば毎取引日の終わりのように、より頻繁にそれを調節することによって、より大きな正確性を達成することが容易であり、比較的コストがかからないだろう。次に、概して、ANZIE−DOORの下で保険付エクイティを発生させる目的では、金融商品が作り出され、iおよびπの一つまたは両方が、tが終期である時系列t,t,...,tにおいて変更される時、iおよびπが最初に時刻t0で設定される。それぞれの期間のセグメントS=t−ti−1を、金融商品の寿命である
Figure 2012515985
とともに定義することが便利である。もし金融商品が住宅の売却で終了するならば、その寿命は住宅を所有する期間と等しいが、もし借り換えのような他の出来事によって終了するのであれば、短くなるかもしれない。
ANDIE−DOOR下での終了時期であるtにおける保険付エクイティ比は以下に表される。
Figure 2012515985
πが正である場合、すなわち住宅所有者が連続的に純拠出をする場合について検討する。次に、Iは、最初は0%であり、時間がたつにつれて100%に向けて大きくなっていく。それが100%を超えることは決してありえない。増大率は、πまたはiのうちより大きな値に沿って増加する。もし住宅所有者の純拠出が合計リターンのより大きな比、πであるか、リターンの確実性等価値、iがより高いならば、保険付エクイティがより早く発生する。
数式(5)の活用は、最初の2つの態様の両方に沿った累積スキームに至る。住宅価値の適切な配分を住宅所有者に割り当てることによって、そのスキームは、ベンチャーに対する純拠出を行うことに対して住宅所有者を補償する。配分を算出するために確実性等価リターンを用いることによって、そのスキームは、住宅所有者ではなく出資者が、住宅におけるレバレッジされたポジションにおける内在的なリスクにさらされることを保証する。結果として、住宅市場の方向または変動にかかわらず、保険付エクイティ比における着実な増加を住宅所有者は経験する傾向にある。
DOOR金融商品に対する中立性を実行する、多くの可能な累積アルゴリズムがある。アルゴリズム間の選択は、住宅所有者および出資者が彼ら自身の間でリスクをどのように割り振るかにより、そして、他の関係者による純拠出に対してある関係者を補償する方法として彼らが望ましいと見出す手段にもよる。ANZIE−DOORは保険付エクイティを用い、それは関係者の拠出をバランスさせる「残余アカウント」として式(5)によって計算される。本明細書で後に検討される他の変形例はANZIE−DOORよりも異なってリスクを割り振り、それらの中には異なる残余アカウントを用いるものもある。
さまざまな選択肢の中にANZIE−DOORの位置を据えるために、金融商品を定義する具体的なアルゴリズムに内在するリスク割り振りの性質により深く焦点を当てることは価値のあることである。キャピタルゲイン課税における「実現問題」に対処するおそらく無関係の努力を検討することによって、そのアルゴリズムのとりわけ明確な解説が可能である。ほとんどの税体系は、キャピタルゲインに税を課す前、または、キャピタルロスへの控除を許可する前に、売却のような「実現した」出来事を必要とする。この実現要件は2つの問題を引き起こす。「ロックイン」と「戦略的なロス取得」である。累積ゲインを伴う資産の売却を遅らせること(「ロックイン」)および累積ロスを伴う資産の売却を急ぐこと(「戦略的なロス取得」)から、出資者は利益を得る。ゲインへの課税を先延ばしするために売却を遅らせることは、出資者にとっての金銭的利益の時間価値に至る。もしそうしなければ遅延期間の間に政府に支払われていただろう金額についての利子を出資者は稼ぐことができる。たとえ彼らが、資産は税引き前の市場におけるリターンレート以下しか稼いでいないと信じていても、出資者はゲインを伴う資産を保有し続けるので、「ロックイン」が起こる。税引き前リターンにおいて予期される不足が繰り延べの利益を相殺するのに十分なほど大きい場合にのみ出資者は売却する。その一方、もし実現ロスが実現ゲインまたは他の収入を相殺するのに用いられ得るならば、実現ロスは税負担を容易に低減する。売却された資産をすぐに再購入することによって、または、同じポートフォリオ特性に至る代替資産を購入することによって、ポートフォリオを何ら変更することなく、納税者はロスを「洗い落とす」ことができる。もし再購入された資産または代替資産が価格上昇分を共有するならば、実現ロスに相当する相殺累積ゲインがある。しかし、資産の売却を遅らせることによって、納税者は、そのゲインに対する税効果をも遅らせることができる。(現代の税法は概して「仮装売買」のようなことを否定する規則を有しているが、これらの規則は限られた有効性しか持っておらず、税金を低減する以外の目的で購入および売却する出資者への衝撃となる付加的なコストをも有する。)もし早期にロスを取ることから発生する価値が求められる取引を行う取引費用を超えるのであれば、この「戦略的なロス取得」が価値のあるものとなる。
キャピタルゲインの税状況と中立的なDOOR金融商品の運用との間には類似性がある。キャピタルゲインの状況におけるゲインおよびロスに対する税率が、ベンチャーに対する純出資者である住宅所有者を補償するDOOR金融商品によって求められる住宅のリターンへの「税率」であるレートファクター「π」に相当する。キャピタル資産への税が売却や他の実現イベントが起こるまでは起こらないのと同様、売却または終了まで、DOOR金融商品への保険付エクイティの支払いは起こらない。現金を引き出し、それを出資することに対して過去に発生した保険付エクイティの、有利なリスク調節された一時払いを出資者が経験することを期待する場合、「ロックイン」がDOOR金融商品のために得る。もし反対のケースであれば、出資者は、DOOR金融商品を終わらせる純粋な金銭的インセンティブを有する。後者の性質は戦略的なロス取得と類似する。キャピタルゲイン税と中立的なDOORの状況との間の類似性は、何が提案されているキャピタルゲイン税を関係のあるものにするかである。DOORの設定に直接当てはまる解決先はないが、それらを検討することが、ANZIE−DOORの累積アルゴリズムの性質を明らかにする。
キャピタルゲイン課税環境における解決策は、納税者が保持し続ける資産に関する頻繁で定期的に納税目的でロスおよびゲインを計算することによって「時価会計」システムを課すことである。全てのロスおよびゲインが自動的に認識されるので、このシステムの下では、納税者がゲインおよびロスの認識を遅らせることはできない。それぞれの時価会計の突き合わせの後、税のロスも税のゲインもなく、もし目的が節税であるならば、資産を取り引きする(またはそれを保持する)オプションは価値を持たなくなる。
後日まで実際の税効果を遅らせるが、納税者に、遅延納税(還付)に税引き後のレートで利子を請求する(アカウントに入れる)ことによって時価会計として同じ結果を得ることが可能である。そのようなアプローチが、Vickrey(1939年6月発行の、Journal of Political Economy第47巻,379ページから97ページ、Averaging Income for Income Tax Purposes参照)によって提案された。特定の資産に対する税金は2つの発生要素の勘定として蓄積される。(i)アカウント残高に基づく税引き後利子の請求(振込)(ii)資産価値における現在の変動によってアカウントに加えられた(差し引かれた)税(振込)。Auerbach(1991年3月発行の、American Economic Review第81巻、167ページから178ページ、Retrospective Capital Gains Taxation参照)と類似する表記を用いると、Vickreyスキームにおける時刻sにおける税会計Tは、以下の微分方程式に従って展開する。
Figure 2012515985
Figure 2012515985
が価値Aを有する資産に関する時刻sにおけるリターンの確率変動レートである場合、rはリスクの少ないリターンレートであり、τは税率である。方程式の右辺の第1項が現存する残高にかかる利子請求を表現する一方、第2項は現在のゲインまたはロスの税効果を表す。資産が時刻tにおいて売却される時、納税者は政府に
Figure 2012515985
を支払う。
もし資産の価格経路、過去の利率および過去の税率の全てが既知であれば、Vickreyスキームがうまく機能する。その場合、過去のデータに基づいて、
Figure 2012515985
を計算することが可能である。資産の価格経路は知られていないが、保持期間、過去の利率、および過去の税率が既知であるとき、戦略的取引およびロックインを除外する、過去のデータに基づく税を、Auerbach、supra、は創り出す。保持期間中、rと等しい一定の瞬間的なリスクフリーなレートおよびτと等しい一定の税率を伴う平坦な期間構造がある単純なケースに関しては、時刻0において購入された資産に関する時刻sにおける認識に大差売る税額が以下に表される。
Figure 2012515985
この税は時刻0から時刻sまでリスクの少ないレートで増加された資産に関するゲインに連続的にかかるレートτにおいて税を課すことと等しく、最終価値Aに至る。この仮想の価格経路の下では時刻0における資産価値は
Figure 2012515985
となるだろう。
保険付エクイティアカウントはVickreyスキームにおける税会計と類似する。保険付エクイティアカウントは、事業に対する過去の純拠出に対して、売却時に住宅所有者に補償する。これらの拠出は知られており、「突き合わせアカウント」において利子を含んでそれらを累積し、その後、売却時におけるアカウントの価値を住宅所有者に支払うことが可能である。代わりに、式(5)から明らかなように、ANZIE−DOORはAuerbachのアプローチに似たスキームを用いる。保険付エクイティアカウントは住宅価値の増加比率として表現される。式(6)によって述べられる単純な税の場合において、比は
Figure 2012515985
と等しく、指数関数の逆関数的方法において、それは0から始まり、1まで大きくなる。上述のように、ANZIE−DOORの1つの目標は、時宜にかなった抵当支払いを行い、住宅に対して求められるメンテナンスを行う勤勉な住宅所有者が一定年数後に住宅市場ゲームにいることを保証することである。住宅所有者が期間にわたって住宅価値の増加する割合を得るスキームはこの目的において理想的である。価格が急上昇するか急降下するかにかかわらず、住宅所有者は住宅価値のある割合を確保し、ゲームの中にいる。Vickreyスキームにおける税会計はこの性質を有さない。もし住宅価格が急上昇するならば、たとえ住宅所有者が長年にわたって勤勉だったとしても、アカウントは結局住宅価値のささいな部分になるかもしれない。もし保持期間の一部または全てにおいて潜在的な資産が価値において低下するならば、それはまた結局負で終わるかもしれない。
Vickreyのアプローチの確実性等価バージョンを用いることによって、Auerbachスキームが、資産の価格経路に対するVickreyの結果を片づける。このバージョンは、効果的に、リスクの高い資産の成果に代えて、関連するリスクの低いリターンレートを使う。ANZIE−DOORは所望の結果をえるために類似のスキームを用いる。(i)事業に対して純拠出をする住宅所有者が、期間中、保険付エクイティ比における単調かつかなり滑らかな増加を経験する。(ii)資産のリターンリスクが大部分出資者にシフトされる。
AuerbachスキームがVickreyのアプローチの確実性等価バージョンである意味を説明することは価値のあることである。問題の核心において、資産における確率変動的なリターンの分解は、超過リターン
Figure 2012515985
をリスクの少ないリターンrに加えた
Figure 2012515985
である。
Figure 2012515985
Gordon(1985年2月に発行された、R.H.Gordon著、Quarterly Journal of Economics、第100巻、1ページから27ページ、Taxation of Corporate Income:Tax Revenue versus Tax Distortions)は、リスクの低いリターンを超えて資産に対する超過リターンを得ることは課税される出資の価値に影響を与えないと述べる。Auerbachに従うと、確実性等価運用者、V(・)を通してこの事実を表現することが可能である。この運用者は、リスクの高い市場価格リターンを、等価のリスクの少ないリターンに変換する。そのため、
Figure 2012515985
であり、
Figure 2012515985
である。運用者について考える直感的な方法は、リスクの低い証券、おそらく米国財務省インフレ連動債、が存在し、この投資がリスクの高い投資に対する代替策であると述べると仮定することである。たとえば、リスクの低い証券に所定の額を投資してリターンrを稼ぐ、または、リスクの高い証券に同額を投資してリターン
Figure 2012515985
を稼ぐことがあり得る。リターンにおける差
Figure 2012515985
が超過リターンである。平衡状態にあると、この超過リターンは、確実性等価価値0を有するにちがいない。予測超過リターン
Figure 2012515985
は、追加されたリスクを正確に補償する。
Auerbachが言及するのに注意深いように、予測超過リターンが0ということは真実ではない。確率変動的なリターンにおいて内在されるリスクを仮定することは、限界的な出資者によって求められる割増リスクと等しい。もしこのリスクが経済を通して完全に多様でなければ、それは
Figure 2012515985
であるケースである。Auerbachの170ページの事項1は、税体系のための必要十分条件は、すなわち、保持期間の長さとも、過去の資産価格動向のパターンとも独立している確実性等価価値を伴う、彼が「保持期間中立的」と呼ぶものであることを示し、それは以下に表される。
Figure 2012515985
Auerbachは、この条件は、以下の式に従って税支払アカウントが変わるVickreyの税スキームの確実性等価バージョンであることに言及する。
Figure 2012515985
上述のように、Vickreyスキームの下では、税アカウントTは2つの因子によって増加する。(i)現在の残高にかかって発生している利子(ii)資産価値における現在の変動から流れる租税債務の変化。この方程式の確実性等価バージョンは、この関係を、確実性等価変化に変換する。まるで資産がリスクの少ないリターンレートで得られるかのように、利子が現在の残高に発生し、租税債務が発生する。似たように、ANZIE−DOORスキームにおいては、適用されるリスクの少ないレートにおいてそれが価値において増加することを仮定すると、住宅にかかる「ゲイン」への純拠出を住宅所有者に補償する「税率」を適用することに基づいて、保険付エクイティが発生する。
ANZIE−DOORのもう1つの目標は、いかなる早期終了オプションまたは遅延終了オプションをも無価値なものにすることである。式(5)は、戦略的なロス取得によって売却を遅らせるまたはロスを加速させることによってゲインを繰り延べる税金ベースのモチベーションを取り除くAuerbachスキームの類似物である。この性質は持ち越され、DOOR金融商品の早期終了または遅延終了によって収益を得るいかなる機会をも取り除くようにみえるだろう。その直感は誤りである。税取引の状況と住宅金融の状況との間には2つの重大な相違がある。税取引の状況においては、第一に、納税者は、政府が定めるいかなる税率にも直面する。第二に、納税者は、税会計に関する適用利率の制度を選択することはできない。
住宅金融の場合においては、住宅所有者は、住宅に資金を供給するために特定のDOOR金融商品を選択し、売却または他によってDOOR金融商品を借り換えまたは終わらせるオプションを有する。結果として、住宅に資金を供給する現存するDOOR金融商品に組み込まれた特定のレートファクターまたは利率のレジームに住宅所有者は縛られない。レートファクターを検討する。もしDOOR金融商品が特定のレートファクターから始まるが、条件変更によってより好ましいレートファクターを確保することが可能であるならば、住宅所有者は借り換えするインセンティブを有する。逆の状況においては、住宅を売却して、DOOR金融商品を終了させることは追加のコストを必要とする。住宅所有者は、市場において利用可能である以上に好ましい取引をあきらめなければならない。納税者は適用税率を選択することはできないが、住宅所有者は、借り換えによってDOORのレートファクターを変更することができる。同様に、市場利率が、当初の金融商品期限を住宅所有者にとって好ましくないものにする方向に移動する時、住宅所有者は金融商品のための適用利率を変更するために借り換えし得る。
どちらかの方向にオプションの価値が増加するのを防ぐために十分頻繁に、中立的なDOOR金融商品はレートファクターおよび適用利率を調節する。これはキャピタルゲイン課税に関するAuerbachスキームに対して明暗を有し、そこにおいてメカニズムはいかなる中間的な調節も必要としない。実際、売却前に価値を注視することは高くつくか可能ではないので、そのような調節が困難である、または不可能である時に機能するようにそれは設計される。
(利率の問題)
ANZIE−DOORの運用に影響する2つの重要な利率がある。率iは、出資者にレバレッジをもたらす優先ブロックに資金を供給することから生じる住宅所有者の拠出の測定単位である。式(4)から明らかなように、この率のレベルはレートファクターπに直接影響する。iはDOOR金融商品に関連するような予測「中期」持続期間を反映し、売却前の債務不履行および前払いオプションを取り除くように調節された長期抵当金利と似ている。前払いの可能性は、満期よりもかなり短い30年ものおよび15年ものの抵当に対する平均的な期間に至る。これらの金融商品における実際の平均期間は、DOOR金融商品の予測持続期間と似ているかもしれない。DOORの下では、出資者は、売却または他によって、金融商品の終期よりも前に、前払いするまたは債務不履行にするオプションを持たない。もしDOOR金融商品が中立的であるならば、住宅所有者は、金融商品を終了させる金銭的なインセンティブを持たない。金融商品寿命は、異なる金融配置をより好むように住宅所有者を仕向ける所有権の期間の長さまたは状況次第である。抵当の期間において、同様の因子が大きな役割を果たす。
二番目に重要な利率は、リスクの高い住宅リターンを、確実性等価レートに移動させるiである。このレートは概して、根底となる住宅が将来に向けて生産的資産を残すようであるという事実を反映する長期レートである。
両方の場合において、DOOR金融商品が始まる時点でレートを固定することは、潜在的なオプションを動機付けする行動に至る。もしレートが上昇するのであれば、保険付エクイティのより早い発生を受け取るために、住宅所有者はDOOR金融商品を借り換えしたがる。住宅所有者はまた、現存するいかなる低レートの抵当融資を保持することができる。DOOR金融商品は、優先ブロックの一部または全部に資金を供給するいかなる抵当からも離れる。もしレートが下落するのであれば、住宅を売却して引っ越すことは、市場よりもより好ましい取引をあきらめることを意味する。住宅所有者は住宅に残るインセンティブを有し、新しい低いレートを反映するローンによって優先ブロックを借り換えることによって利ざやを稼ぐことができる。
関連するオプション価値および行動における歪みを無効にする2つの一般的な方法がある。第一に、iおよびiは周期的にレートファクターに沿って調節され得る。第二に、これらのレートはより頻繁に調節され得る。もしそれらが市場レートの関数であるならば、毎取引日の終わりにレートを調節することは容易だろう。
およびiに関する状況は異なる。レートiは、住宅所有者にとっての保持期間からも、DOOR金融商品の期間からも独立している資産としての住宅にかかる確実性等価リターンである。レートiは、優先ブロックと等しい額における出資者への住宅所有者のローンに対する補填を反映する。DOOR金融商品を借り換えすることによって、または、住宅を売ることによって、住宅所有者はこのローンを終了させ、市場ローンによって優先ブロックに資金を供給することによって、それの利ざやを稼ごうとすることができる。もしiおよびiに影響を与える変動利率の期限が完全には補償的でないのであれば、DOOR金融商品は市場取引ではなく、その実際価値はその内在的価値と等しくなく、利ざやを稼ぐ可能性が存在する。
の単純なケースをまず検討する。上述のように、典型的な所有者占有の不動産に関しては、iは超長期の投資にとっての確実性等価レートである。25年以上のゼロ表面利率に関するほぼ平坦な期間構造を仮定すると、iは25年ものの米国ストリップ国債のレートによって近似され得る。このレートは期間中変動し、予測実勢レートおよびインフレーションを反映する。中立性を得るために、iは、いつでも実際の確実性等価レートと等しくなければならない。(Auerbachの枠組みにおいてこの点を理解するのは容易である。式(7)は一定のペースで各ポイントにおいて適用されなければならない。式(6)において記載された税スキームにおいて用いられた瞬間的なレートはiτ(s)である一方、時刻sにおける瞬間的な確実性等価レートはi(s)であると仮定する。そして、時刻に関して方程式(6)を微分し、価値評価運営者の利回りを適用する。
Figure 2012515985
および、もしi(s)=iτ(s)でなければ、式(7)における条件は機能しない。)
もしiがいつでも実際の確実性等価レートと等しいならば、問題はない。レートファクターが正しいと仮定すると、保険付エクイティ比はいつも正しいレートで増加する。利ざやを稼ぐ機会も価値を伴う組み込みオプションもない。もし近似レートが十分に近いのであれば、関連する中立からの距離は小さいものであり、借り換えまたは移動の決定に与える影響のようないかなる経済効果が無視できるほど十分に小さい価値をいかなる組み込みオプションも有する。
に関する状況はより複雑である。もし住宅の価値が優先ブロックと等しくなければ、このレートの可変バージョンは住宅に関するリターンの変動レートと等しくない。その代わり、iは、優先ブロックと等しい、住宅所有者と出資者との間の潜在的なローンに関する仮想可変融資レートである。住宅所有者(「貸し手」)はDOOR金融商品の期間、およびそれゆえに潜在的なローンの期間を管理する。出資者(借り手)は期間において言うことはないが、一緒についてくる。さらに、情報非対称がある。住宅所有者は、所有権の期間が短くなるようで、それはDOOR金融商品および関連する潜在的なローンが短い寿命しか持たないようであることを意味することを知り得るが、出資者は、金融商品の期間に影響を与える住宅所有者の意図についてほとんど洞察力を持たないか、全く持たないことがしばしばある。
議論を簡素化するために、住宅所有者が受託エクイティを伴う優先ブロック全体に資金を供給すると仮定する。すなわち、抵当ローンはない。優先ブロックに関する融資決定は潜在的なローンとは異なるので、このステップは概念的に論理的である。抵当権融資は、住宅所有者と第三者貸し手との間のアグリーメントを含む。それは出資者を直接含まない。対照的に、潜在的なローンは、住宅所有者と出資者との間のDOOR金融商品の用語の一部である。(DOORの中立性を考慮に入れる抵当権融資を含む第二の秩序現象のいくつかが以下に分離されて述べられる)。
保険付エクイティアカウントを気にせず、出資者は住宅におけるレバレッジされたエクイティポジションを保持する。潜在的なローンは「非遡及型」である。もし住宅価値が優先ブロックの額以下に下落するならば、ロスは出資者の上にかかる。住宅が売却されるまで出資者はポジションを閉じる権利を持たず、売却時までローンにかかる「利息」を支払わなければならない。
関係者が売却の将来の日取りを知っていたと仮定する。すると、出資者のポジションは2つの構成要素の合計となるだろう。それは、優先ブロックのサイズであるPと等しい権利行使価格を伴うヨーロッパコールオプションと、売却時まで適用されるリスクの低いレートで優先ブロックにかかる利息を支払う義務を加える。(Pは優先ブロックにかかる「元本支払」であって、ブロックの内在的または実際の価値ではないことを思い出す。たとえば、P=80,000ドルは、住宅所有者が売却代金のうちの最初の80,000ドルに対する優先権を有することを意味する。現在の住宅価値、そしてそれゆえに優先ブロックの内在的価値が80,000ドル未満かもしれないことは問題ではない)。
プット・コール均衡関係がヨーロッパオプションに適用される。
c=H+p−Pe−iτ−R
ここで、cは権利行使価格Pを伴うコールの価値であり、pは同じ権利行使価格を伴うプットの価値であり、Hは住宅の現在価値であり、iはリスクの低いレートであり(満期にわたって一定(平坦な期間構造))、Rはオプションの寿命の間の純出資の現在価値であり、τは期限切れまでの時間である。コールは、住宅に対する借り(正味賃料を回収せず)、プットを購入すること、オプションの期限が切れる時に権利行使価格Pと等しくなるように増加するiに従うゼロクーポン担保を介しての借り入れと等価である。売却日までに利息を支払う義務は以下の式の現在価値を有する。
Figure 2012515985
出資者の全体ポジションは以下の式と等しい。
c−(1−e−iτ)P=H−P+p−R
ANZIE−DOORの下では、iは住宅所有者に、現金の時間価値だけでなく、プットを供給したことに対しても補償しなければならない。状況は発行における抵当と類似し、そこでは利率が、現金の時間価値だけでなく、抵当権設定者(住宅所有者)によって享受される前払いおよび債務不履行のオプションをも抵当権者に補償する。
それぞれの年の間、出資者は住宅所有者からのプットを効果的に「借りる」。賃貸市場の項は以下のように表される。
γ=i+δ
ここで、δは、プットの当初価値の比として表現される、年の間にプットにかかる予測「減価」率と等しい。時刻tの時点でのこの予測減価率は
Figure 2012515985
と等しい。もし予測される1年後のプットの値が現在価値よりも高いのであれば、予測減価は負である。もし住宅にかかるリターンの予測レートがリスクの少ないレートよりも実質的に大きくないのであれば、その状況が容易に起こり得る。
現金の時間価値とプットの引き当てとの両方を考慮に入れると、中立性、
P=iP+ip+δ
を必要とする。および、我々は以下の式を有する。
Figure 2012515985
すなわち、iは、Pの分数として表現されるプットの賃貸コストをリスクの低いレートに加えた額と等しい。賃貸コストの項は、非遡及型ベースでのレバレッジを供給することを住宅所有者に補償するリスクの低いレートへの割増を表す。
プット値pが算出するのに容易であると仮定してさえ、明らかに、式(8)は激しく単純化されている。出資者は、住宅所有者が売却するだろう時期を知らない。住宅所有者はその前においてよりよい情報を有しているが、住宅所有者もまた不確かである。この状況は、情報における同一の不確かさおよび非対称性が存在する抵当市場に類似している。おおよその抵当の期間の判断に基づいて、抵当権者は抵当の期間を申し出なければならない。債務不履行および前払いオプションがその判断を複雑にする抵当の状況とは異なり、ANZIE−DOORはオプションの要素を剥奪する。しかし、いつ住宅所有者がDOOR金融商品を終わらせるかについての不確かさは依然として存在する。
この不確かさは問題である。ヨーロッパオプションに値段をつける最も基本的なBlack−Scholesモデルの背後にある仮定が適用される単純なモデルを検討する。それは時間不変のリスクの低いレートを伴う平坦な期間構造、時間不変ドリフトおよび予想変動率パラメーターを伴う幾何学的ブラウン運動に従う潜在的な資産(住宅)、および純キャッシュフローリターンがないこと(ここで、正味賃料=0)である。そのため、住宅価格力学は単純な確率変数的な微分方程式によって表される。
dH=αHdt+σHdZ
ここでHは住宅価格、αはドリフト定数、σは予想変動率定数、およびdZは潜在的なブラウン運動である。
単純な複雑化要素をそのモデルに追加する。ヨーロッパオプションの権利行使時期(DOOR金融商品にとっての終期)はランダムであり、年あたりの一定の強度λとともにポアソンプロセスによって決定される。このプロセスは、始期から何年が経過したかにかかわらず、DOOR金融商品の予測寿命が同じのままであるという帰結とともに一定の停止率を暗示する。予測将来寿命がある時点で低下し始めることを予期するものもいるだろう。それは非現実的ではあるが、ポアソンプロセスは、構築および理解することが容易な例を通して洞察に至るので、ポアソンプロセスを仮定することは便利である。
ポアソンプロセスにおける新しいアイデアを仮定することは、住宅価格力学を特徴づける幾何学的ブラウン運動プロセスにおける新しいアイデアとは独立している。(この仮定によって、例は単純かつ明快になるが、現実的ではない。住宅価格のパターンは所有権の持続期間に影響するようである)。
基礎モデル仮定が適用されると仮定する。瞬間的なリスクの低いレートは年5%に相当し、住宅の価格上昇の瞬間的な予測年率は7%の1年あたりの幾何学的平均リターンと同等で、住宅価格の瞬間的な変動率(標準偏差)は年9%に等しい。最後に、現在の住宅価値が100であり、P=120であると仮定する。
優先ブロックが住宅価値よりも大きい例を創り出すことは、その状況においてどのくらい素早く保険付エクイティが累積するかを示す付随的な目的に役立つ。以下の表5の最終列は、正味賃料がゼロであるという仮定の下、レートファクターを計算する。レートファクターは非常に大きく、1/λの時を除いて1を超え、金融商品の予測持続期間はきわめて長い。(1/λは金融商品の終期までの予測期間である。終了までの中央値時間は0.7である。これらの関係式は一定の強度λを伴うポアソンプロセスに適用でき、その状況は本例の目的のために仮定される。)
優先ブロックが「市場価額が帳簿価格を下回る」状況は、非常に大きなプット値および非常に大きな値iに至り、金融商品の予測持続期間が短い時、リスクの低いレートのほぼ2倍にまで及ぶ。持続期間はiおよびそのレートファクターに大きな影響を有する。予測持続期間が長くなるにつれて、両方が鋭く下落するが、大きなままである。鋭い下落の理由は明確である。予測持続期間が長くなるにつれて、優先ブロックをカバーする住宅価値の金融商品の終期の前に住宅が十分に価格上昇する可能性が高い。
Figure 2012515985
実際の実行はリアリズムのより多くの要素を必要とするだろう。期間構造は平坦ではない。利率は確率変動的である。住宅価格は幾何学的ブラウン運動などに従わない。十分な正確度で現実的な状況においてiを計算することは些細なことではないが、役割は明確に詳述される。
住宅所有者が、好適な金融商品の持続期間についての優れた情報を有しているかもしれないという事実は残る。優先ブロックに適切に資金を供給することによって、住宅所有者はこの情報で利ざやを得ることができる。たとえば、住宅における持続期間が短いことを住宅所有者が知っていると仮定する。住宅所有者は、ローンの初期における非常に低い金利負担に至る変動金利抵当によって優先ブロックに資金を供給し得る。同時に、住宅所有者は、より長い予測持続期間を反映する高水準のiを享受し得る。
この可能性は2つの理由で問題にはならない。第一に、全ての出資者が非対称的に同じ情報に直面する状況においてはDOOR金融商品それ自体を借り換えることが、金銭的なインセンティブを作らないだろう。いかなる借り換え金融商品の期間も、現在の金融商品の期間と異ならないだろう。第二に、存在する重要なオプションの要素は完全に抵当の側にあり、住宅所有者と抵当権者との間の取引である。中立性に近づく頻繁で十分な動的調節を仮定すると、DOOR金融商品に関連するオプション要素は重要ではない。金融商品の価値はその内在的な価値と非常に近い。
抵当の債務不履行の可能性は、DOOR金融商品の二次的な問題をいくつか生む。DOOR金融商品の契約は、債務不履行が貸付限度額に関連する状況に対処するにちがいない。すなわち、住宅が、抵当にかかる元本支払よりも大きな価値であるか否かにかかわらず、抵当権設定者は、失業または他の収入を失う出来事によって抵当にかかる支払いをすることができない。たとえば、契約は、出資者に、差し押さえ費用およびDOOR金融商品の終了を避けるために抵当の一部または全部を償還する権利を与えるかもしれない。この可能性は、以下に議論する変形例であるANZIE’S NU DOORに潜在する。貸付限度額によっては動機付けされないが住宅が「市場価額が帳簿価格を下回る」、すなわち抵当にかかる元本支払以下になる、ことによっては動機付けされる債務不履行を検討することも重要である。もし抵当が非遡及型であるならば、住宅所有者は、戦略的な債務不履行に携わるインセンティブを有する。ANZIE’S NU DOORはこの可能性を完全に取り除くが、ANZIE−DOORに関しては、それは中立性算出をより複雑にする。その算出は、次の差し押さえ売却によってDOOR金融商品が終了する可能性を考慮に入れなければならない。もちろん、契約条項を通してこの状況に対処することが可能である。ANZIE’S NU DOORは完全な契約上の解決策をもたらす。
(調節頻度)
レートファクターπを決定するiのようなパラメーターの推定は誤りがないとしても、連続的よりもむしろ断続的な調節が重要である組み込みオプションのための好機を残す。もし現存する金融商品におけるレートファクターが新しい金融商品に適用されるレートファクターと好ましくなく比較されるならば、住宅所有者は調節と調節との間で金融商品を借り換えるインセンティブを有する。現在のレートファクターが住宅所有者からの純拠出を低く評価するといった方法で住宅価値および経済変数が変わる時にこの状況が起こる。もし現在のレートファクターがその純拠出を高く評価するならば、反対方向への組み込みオプションの効果がある。DOOR金融商品は出資者の管理下にあるその内在的価値よりも価値の低いものであり、市場よりも好ましいDOORの利益を享受するために住宅に残る理論上のインセンティブを住宅所有者は有する。
どちらの状況も連続的かつ正確な調節の下では起こりえないが、調節はコストがかからないものではない。それは、典型的には最近の売却取引の利益なしに住宅を価値評価するなどの他の仕事を含む。
それでもなお、現在の技術およびそれについてのコストを仮定すると、ほとんどの場合において、期間内変動によって借り換えはめったに利益にならないように十分頻繁にレートファクターを評価および調節することが可能なはずである。多くの家に関して、四半期に一度、月に一度、または毎日の評価およびレートファクター調節が実行可能である。もっとも困難な要素は、最近の売却取引がない場合に、住宅の価値を評価することである。住宅価値を推定するAVM(自動価値評価モデル)方法は多くの住宅に関してかなり正確であり、評価または他の労働集約的な方法よりもむしろコンピューター計算を伴う。経済変数の多くは、政府、学術機関または民間の分析所によって発行される日々の市場価格または月毎のデータの形態で容易に利用可能である。
そのため、ANZIE−DOORの代わりに、我々は、QUANZIE−DOOR、MONZIE−DOOR、またはDANZIE−DOORを有し得る。それらは、それぞれ、四半期ごと、月ごと、および日ごとの調節を伴う同じ金融商品である。
調節は費用がかかるので、最適なアプローチはおそらく、もっとも短い技術的に実行可能な調節期間、すなわち、連続的な調節を伴う金融商品「CANZIE−DOOR」とのある種の近似、を実行しないことである。(「CA」は「連続的な調節」を表す。)そのような近似が可能であり、いくつかの場合において正確度を有しさえいるかもしれない。確実なデータは定期的であり、月ごとまたは四半期ごとに到着するだけである。
調節計算の根拠をなす利率に関する基盤を形成する担保およびスワップのような人気の金融商品でさえ、瞬間ごとには取引されていないし、市場が閉じている時間はいつも取引されていない。さまざまな補外および欠測データ技術が、可能な限りCANZIE−DOOR近似を正確にするために求められるだろう。
そのような近似を展開することを試行することは重要ではない。期間内変動は、取引費用に直面して潜在的な借り換えゲインも、経済的に意義のある内在的価値からのずれも生まないことを確実にするために調節期間が十分短いならば、それは十分である。月ごとの調節レジーム、我々が検討している変形例に関するMONZIE−DOOR、を検討する。MONZIE−DOORは、実質的にコストのかからない自動的な月ごとの借り換えを不可欠な要素とする。
月の間に借り換えすることは、いくぶん有利なレートファクターの数日または数週間の一時的な利益を得るのみである。この利益は次の月次調節で消える。いつかはその点から前に進むので、住宅所有者が借り換えしたか否かにかかわらず、取引は同じである。借り換えなしでの期間内変動による内在的価値からのずれは、同様の一時的な性質を有する。
内在的価値からの一時的なずれが経済的に意義を有する程度は、どちらの関係者(住宅所有者または出資者)が中心であるか次第である。住宅所有者のみが、DOOR金融商品を早期に終わらせるためのオプションを有している。住宅所有者にかかる早期終了のコストは状況次第である。もし目標が、同一の住宅または等価の新築住宅に残ることによる借り換えであるならば、関係する出来事は、実際の借り換え取引または「空売り」である。空売りは費用が高くつく。住宅を売却することおよび等価の住宅を購入することは、住宅価値の何パーセントかになる費用を含む。現在の抵当借り換えと類似する借り換え取引もまた費用が高くつく。そのような抵当借り換えにおける契約手数料は概して住宅価値の数パーセントに達する。しかしながら、DOORアプローチの魅力の一つは、安価な借り換えの可能性である。その可能性は、数百ドルで、オンラインで金融商品の期限を代えるために存在する。もしオンラインでの借り換え可能性が、形式上、古い金融商品と同一である新しい金融商品を含むならば、期間内借り換えが、経済条件における一時的な変化を生かす非常に小さなゲインに直面して価値のあるものとなり得る。
実質的に同一の金融商品に借り換える能力にかかる追加料金または制限を介してこの可能性を管理することは可能であるが、望まない副次的な効果を有するだろう。金融商品の期限が任意の出来事において経済条件に追いつく時、制限は、次の定期的な調節時期までいかなる調節をも延期するかもしれない。住宅所有者の他の選択肢は、より高価な借り換えの用意または空売りである。住宅所有者のなかには、同一のDOOR金融商品ではなく、同様の金融商品にシフトするために期間内変動を利用することに関連しない借り換え動機を有し得る者もいる。そのスキームは、繁栄を増幅させる取引を妨げるこれらの住宅所有者に「借り換え税」を課す。
他方、この状況を規制することの大失敗によって、調節計算がより複雑になる。組み込みオプションは機能する状態に戻るだろうし、調節計算はそれらを考慮に入れなければならない。これらの問題の全てを防ぐので、非常に頻繁な調節は最もよいアプローチであり得る。
取引コストは組み込みオプションにおいて大きくそびえ立つ。もし借り換えのコストが十分に高いのであれば、戦略的な借り換えまたは売却を介しての住宅所有者のオプション行使の危険性は消える。均衡の出資者側において、および「借り換え」を含まない住宅所有者の行動に関して、事態は全く異なる。たとえば、もしその問題が他の都市への引越のような住宅所有者の行動に限界的な影響である、または、出資者側においては、その問題がオープンな投資プールを運営するような目的のための正確な価値評価であるならば、内在的価値からの費用のずれは、借り換え費用に直面してのオプション行使の引き金を引く閾値においてゼロから大きく増える関数よりもむしろ、ずれのサイズの連続的な関数である。そうすることの失敗の影響は観測するまたは推測するのがより困難であるので、頻繁な調節からの潜在的なゲインはこれらの状況において、より不明瞭である。
適切で正確なコンピューターベースの住宅価値評価が実行可能であると仮定すると、日ごとの調節が用意かつ非常に合理的かもしれない。日ごとの調節は、調節と調節との間の時間間隔による内在的価値からのずれを伴ういかなる問題をも取り除くはずである。
(ANZIE−DOORを実行する解析機構)
図5は、ANZIE−DOORを実行する解析機構を説明するフローチャート図である。10枚の他の図(図6、8、10、11、12、15、16、18、20および21)は、他のDOORの変形例のための解析機構を説明する同様のフローチャートである。このセクションは図5について詳細に説明するが、後の図と共通する図5における多くの要素の主な説明としても機能する。
全ての図が、フローチャートのオブジェクトおよび矢印に関して同じ約束事に従う。シリンダー型のオブジェクトはデータを動的に蓄積するデバイスを示し、現在のデータはデバイスに蓄積される。デバイスは、専用ハードドライブを伴うサーバ、永続価値のデータを得る光媒体、およびDOOR金融商品用の調節プロセスと関連する大きな拡大するデータを維持する際に有用な他の構成要素を含み得る。六角形のオブジェクト(正六角形および不規則六角形の両方)は主要な計算プロセスを示す。これらのプロセスは、単一の計算デバイスに起こる必要はない。プロセスには事実上機械的なものもあり、固定されたソフトウェアまたはハードウェアがエンコードされたロジックを介して実行され得る。ソフトウェアおよびロジック要素が人の介在を伴いまたは伴わずに動的に展開するように、他のプロセスは学習を含む。太字の矩形または正方形のボックスは、計算および組立情報の混合であるプロセスを示す。矢印はデータのフローを示す。もし矢印が実線であれば、DOOR金融商品の動的調節がある時はいつでも対応するデータのフローがプロセスの必要部分である。破線を伴う矢印は、具体的な調節に含まれるかもしれないし、含まれないかもしれないデータフローを示す。太字ではない矩形または正方形のボックスは、シリンダーまたは六角形からの出力である情報を示す。この種のボックスは概して、矢印に従ってフローする情報を「定義する」。それは、矢印によって示されるフローの内容を明瞭にする。
図5は、ANZIE−DOOR用の単純な調節または初期運用値(「初期調節」)の計算を示す。図面を説明することは、右手側における最終的な計算から、左手側におけるデータアッセンブリーのステップまで逆行することによって、もっともよく達成される。ANZIE−DOORの残余アカウントは保険付エクイティである。金融商品の初期化において、および金融商品が調節される各ポイントにおいて、現在の保険付エクイティ比および次の期間の間に保険付エクイティ比がどのように変化するかを決定することが必要である。そのため、図5における最終的な計算は、図の右側における「保険付エクイティ比」の六角形によって示される。この六角形は上記の式(5)を実行し、それはいつでも保険付エクイティ比を示し、現在時刻と次の動的調節との間にどのようにそれが展開するかを示す公式である。全ての矢印は、最終的にこのボックスに至る。
保険付エクイティの計算に必要なインプットが、長期確実性等価レートおよびレートファクター、それぞれiおよびπの過去および現在の数値であることは式(5)から明らかである。過去の数値は、現在の数値までの調節の間の各期間に連続して適用された。どちらが早く起こるかにかかわらず、現在の調節から始まる、および、次の調節または金融商品の終了まで延びる期間、適用される。それゆえ、3つの矢印が図面の右側にある保険付エクイティ比の六角形に向かう。第一に、「長期確実性等価レート」と銘打たれた計算結果六角形からの矢印がある。その計算の出力は、次の期間に適用される長期確実性等価レートである。第二に、「レートファクター」と銘打たれた計算結果六角形からの矢印がある。その計算の出力は、次の期間に適用されるレートファクターである。第三に、「DOOR金融商品特性」と銘打たれたデータシリンダーからの矢印がある。このシリンダーは2つのタイプのデータを包含する。(i)DOOR金融商品それ自体のための契約上の指示(ii)金融商品の過去の履歴をエンコードするさまざまな数量。ANZIE−DOORのための契約上の指示は、保険付エクイティが残余アカウントであることと、式(5)が保険付エクイティ比を計算する方法であることとを含む。シリンダーに蓄積された金融商品の過去の履歴は、多くの中からとりわけ、金融商品が初期化され調節されるデータ、およびデータの並びによって説明される各期間の適用長期確実性等価レートおよびレートファクターを含む。
DOOR金融商品特性シリンダーは、解析機構を管理する指示、および、現在の計算を以前に何が起こったかと結びつける重要な履歴の倉庫である。DOOR金融商品特性シリンダーから機構の略図全体までを示す大きな矢印、および、保険付エクイティ比計算結果六角形およびその他の計算結果六角形のいくつかからシリンダーまで示す一連の矢印の両方を有することは、理論上適切だろう。第一の矢印は、解析機構それ自体の性質およびその詳細な態様の多くがDOOR金融商品契約によって決定されることを示唆するだろう。一連の第二の矢印は、現在の調節の間のさまざまな計算された数値がDOOR金融商品特性シリンダーに保存される金融商品の履歴の一部となることを示すだろう。これらの矢印の全てが、図面を単純かつ明瞭にするために省かれている。DOOR金融商品特性シリンダーに広がる、または、DOOR金融商品特性シリンダーから発せられる唯一の矢印は、鍵となる直接データ、または、目前の具体的な調節に関連する指示入力を示すそれらの矢印である。調節からの出力が金融商品の重要な履歴の一部になるという事実、または、金融商品からの契約上の指示がその性質および解析機構のいくつかの特徴的な要素を説明するという事実が明らかに十分に考慮されるので、フローチャート内に矢印または他の表示が必要とされない。
「レートファクター」六角形は、レートファクターの計算結果を示唆する。ここでANZIE−DOORの簡素化され、説明に役立つ展開において、レートファクターの計算結果は式(4)を実行する。入力は、優先ブロック帰属レート(i)、優先ブロック用の「融資比率」(L)(住宅価値で優先ブロックの額を割ったものと等しい)、予測住宅価値上昇(α)、および正味賃料が発生するレート(ν)である。正味賃料金額それ自体が、いくつかの要素に従う。帰属賃料、予測減価、固定資産税、および他の支出。精緻であるよりもむしろ説明に役立つという目標に沿うように、図5は、主要な要素のみを説明し、「他の支出」の正確な性質のような側面を無視する。図5において、レートファクター計算結果六角形に達する2つの矢印がある。1つは、6個の計算結果六角形(住宅価値、予測価値上昇、建造物の予測減価、固定資産税+支出、帰属賃料、および優先ブロック帰属レート)の灰色のシェイド付のブロックからの大きな灰色のシェイド付の矢印である。これらは、言及したばかりのレートファクター計算結果への入力である。DOOR金融商品特性シリンダーからの第二の矢印がある。この矢印は、データおよび指示の両方の移送を示す。DOOR金融商品契約指示は、どのようにレートファクターが計算されるか、すなわち式(4)またはそれと同等なもの、を特定する。DOOR金融商品特性シリンダーはまた、計算結果にとって重要なデータを含む。とりわけ、優先ブロックのサイズは必要な情報である。シリンダーは、優先ブロックのサイズを決定する、住宅所有者の現金拠出、抵当借り入れ、および他の要素のような履歴を含む。
長期保険付エクイティ比の六角形は、次の期間に適用される長期確実性等価レート(i)の計算結果を示す。上述のように、iは非常に長い期間の出資用の確実性等価レートである。このレートの計算結果は概して、現在および過去の利率の数値、さまざまなマクロ経済変数の現在および過去の数値、および他の指標または変数の現在および過去の数値を含む利率のモデルおよびデータの期間構造を含む。そのデータは、一般的な経済データ、住宅経済のデータ、および住宅特有のデータシリンダーが起源である。建造物の減価の連続的な改善を過程すると、iは住宅の予期された持続期間(もしくは持続期間の潜在的な分布)を包含するので、住宅特有のデータは関連がある。多くの住宅に関して、適切な持続期間は非常に長いだろう(おそらく数百年)、しかしながら、持続期間が固定され、既知であり、短い状況を想像することが可能である。たとえば、全ての建造物が解体され、土地が自然保護区の一部になった後、何年かにわたる賃貸などである。計算結果の六角形の場合のように、所望の数量を計算する方法についての方法論的な不確実さがあるかもしれない。計算手順はモデルの不確実さを包含し得る、もしくはDOORの契約は適用可能な方法論を特定し得る。
住宅価値の六角形にかかるデータのインプットは、図5における4つの分離されたシリンダーによって表される、一般的な経済データ、住宅の経済データ、住宅特有のおよび場合によっては取引データを含む。解析機構が、初期の数値、購入または売却の取引とともに最新の数値または最終の数値を生成している住宅の購入または売却の価格を、取引データは含む。この場合において、住宅価値は計算することが概して容易である。いくつかの容易な調節の後の売却または購入価格。しかしながら、多くの例において、同時期に起こる売却または購入の取引の利益なしに、そのタスクは保険付エクイティ比のスケジュールを計算することである。結果として、取引データシリンダーから、住宅価値の六角形までの矢印が破線であり、それは必ずしも作用し始めることを示唆しない。
同時期に起こる取引がない時は、住宅価値の計算結果はきわめて複雑であり得る。関連する住宅経済データは、住宅価値に関するさまざまな局所的、地域的および全国的な指数だけでなく、いくつかある項目の中で、全国的な過去の取引からの歴史的な売却価格および資産の特徴を含む。関連する住宅特有のデータは、いくつかある項目の中で、過去および現在の資産の特徴の詳細な仕様と同様に、問題になっている資産の過去の取引からの売却価格を含む。たとえば、一般利率、局所的な失業率、局所的な人口統計指標(局所的な純人工変動を含む)、および局所的な収入レベルのような一般的経済データもまた価値のあるものである。自動価値評価モデルの現在のセットを含むそのようなデータから直接住宅価値を計算するためのさまざまな方法論があり、このデータと、本質的に評価データの範疇に入る、売却または購買の取引と連結してのみ収集されるだろう追加の主観的データを伴う関連する方法論とを補完することが可能である。
予測価格上昇の六角形は、利用可能な一般的な経済データ、住宅経済データおよび住宅特有のデータからの住宅価格上昇の予測レートの計算を統合する。関連する住宅経済データは、地域的または全国的な住宅指数の将来価格を含む。そのような将来市場は既に米国内に存在し、さらなる発展および精緻化のプロセスにある。しかしながら、ほとんどの場合において、将来価格から直接的に適切な予測価格上昇レートを抽出することは可能ではない。そのレートの十分な計算は、追加のモデリングおよび統計学的な評価を必要とし、その両方が概して精緻である。
建造物の予測価格上昇の六角形は、住宅価値または予測価格上昇のための計算よりも簡単な計算を含む。住居用建造物の減価およびメンテナンスはよく研究されており、減価の予測および見積は、国民所得会計、企業会計およびさまざまな税法および規則の要素となる。それでもなお、予測減価計算は、実質的なモデリングおよび統計学的な評価を必要とする。モデリングおよび評価は、関連する建造物に関する一般的な適用可能な減価率を作り出すためだけでなく、調査中の具体的な資産の位置および特徴に特有である要素を捉えるためにも必要である。極端な温度変化がある位置における海に面する建造物は、狭い温度範囲および温和な気候条件によって特徴づけられる砂漠地域における建造物とは、異なる減価およびメンテナンス特徴を有する。
固定資産税および支出の六角形に関する計算結果は、直接関連するデータ量からより多くを引き出し、概して決定的またはそれに近くなり得る数値に至る。多くの場合において、適用される固定資産税または次の期間において適用される固定資産税率は、州法または州の規則の事項である。「支出」は、住宅所有者の責任として規定され得るさまざまな項目を含む。たとえば、契約は、資産の特定の損害保険のカバレッジを必要とし得る。その例において、固定資産税および支出の六角形は、次の期間の間に適用されるそのようなカバレッジに関するレートの計算結果を含む。カバレッジが標準的であると仮定すると、レートの見積が利用可能である。その計算結果は、見積から市場レートを簡単に確認することからなる。市場レートに関して残余の不確実さはあるかもしれないが、それは概して決定的なものに近い。もちろん、DOORの契約下における住宅所有者の責任である他の支出はそれほど決定的ではないかもしれない。それにもかかわらず、固定資産税および支出の六角形は、一般的に、利用可能な住宅経済データおよび住宅特有のデータからかなりの部分直接得られる数量を含む。
帰属賃料の六角形は、住宅価値の計算結果に複雑さにおいてしばしば類似する計算結果を表す。一戸建て住宅の賃貸データはまばらであり、興味のある資産はそれ自体が賃貸されていない。アパートの賃貸にかかる広範なデータがある。このデータは関係するが、一戸建て住宅にかかる賃貸の数量を直接決定するようなものではない。結果として、統計的なデータから帰属賃料を見積もることが必要である。住宅価値それ自体の見積もりは入力であり、住宅価値の見積の計算結果を詳述する同種のデータが帰属賃料の見積に関係する。代替のモデルおよび方法論が存在し、住宅価値を推定する場合のように直面するそれに関する不確かさを作り出す。
優先ブロックの帰属レートの六角形は、上述の式(8)に例示して説明され、要約されるレート(i)の計算結果を統合する。計算結果の部分は、式(8)におけるリスクの低い現金価値であるiを表すレートを推定することを含む。利率の平坦な期間構造を仮定することによって、簡素化されたその式についての議論は重要な問題である。簡素化が、潜在的な「ローン」の持続期間を検討しなければならないことを未然に防ぐので、持続期間は、金融商品の残存寿命と等しい。期間構造はたいてい実質的な曲線を表示するので、実際の計算結果は、概して、この簡素化を当てにできない。iにかかる適切な数値の説明は、金融商品の持続期間の見積または分布に沿ったモデルおよびデータに由来するリスクの低い期間構造を必要とする。iが管理下にあるならば、iを計算するために求められる3つのさらなる要素は式(8)から明らかである。優先ブロックローンの非遡及型の性質を表すプットの数値、安定的な期間にわたるプットの予測減価、および優先ブロックのサイズ。シリンダーから、優先ブロック帰属レートの六角形への矢印によって表示されるように、優先ブロックのサイズは、DOOR金融商品特性シリンダーからの入力である。他の2つの数量は、非遡及型プット価値評価の六角形からの入力である。最後に、住宅所有者データのシリンダーから、優先ブロック帰属レートの六角形までの破線の矢印がある。この破線の矢印は、優先ブロック帰属レートの計算結果がDOOR金融商品の残存寿命の長さ次第であるという事実から得られる。年齢や収入のような住宅所有者特性は、概して、その長さおよびその分布の見積に影響を及ぼし、優先ブロック帰属レートの計算に用いられ得る。
住宅所有者特性はまた、優先ブロック帰属レートの計算結果以外の灰色のブロックにおけるいくつかの計算結果にも影響を及ぼし得る。たとえば、ある特徴を有する住宅所有者は、住宅をより効果的に維持する傾向を持ち得る、または、DOORのスキームにおける貸付限度額には至らないが価値を高める小さな改善をする傾向を持ち得る。これらの特徴は、住宅価値、予測価格上昇、予測減価、および間接的には、固定資産税プラス支出に影響を及ぼすだろう。住宅所有者データのシリンダーからの破線矢印は、図面をシンプルにするために、これらの可能性に関しては省略されている。より一般的には、図5の真ん中において積み重ねられた8個の計算出力のうちのいくつかは、他の計算結果への入力である、またはあり得る。たとえば、住宅価値は優先ブロック帰属レートを計算する際の入力であり、固定資産税のようないくつかの他の計算に影響をおよぼし得る。これらの相互作用に関する破線または実線の矢印は、同じ理由(簡素さ)のために省略される。関連する実際または潜在的なデータフローのほとんどがいずれにしても明らかである。
非遡及型プット価値評価の六角形は、レートファクターの計算結果に至る直接的な入力である6個の計算された数量の灰色の影付きのブロックの外側である。非遡及型プットの数値および予測減価は、直接的にはその計算結果の一部にならない。代わりに、非遡及型プット価値評価の六角形から、優先ブロック帰属レートの六角形への矢印によって示されるように、それらは優先ブロック帰属レートの計算結果への入力である。上述のように、非遡及型プットの価値は、その金融商品の残存している寿命の長さの分布次第である。結果として、年齢のような住宅所有者の特性は潜在的に関係のあるものであり、それゆえに、住宅所有者データシリンダーから、非遡及型プット価値評価の六角形までの破線の矢印がある。優先ブロックのサイズはプット価値評価、ひいてはDOOR金融商品特性シリンダーから、非遡及型プット価値評価の六角形までの実線矢印にとって重要である。非遡及型プット価値評価計算は、モデリングと統計的な評価との両方を必要とする。たとえば、住宅価格の確率変動的なプロセスはプット値に影響をおよぼし、このプロセスは過去のデータを用いてモデル化され、規定されなければならない。その計算結果は些細なものではなく、さまざまな方法論的およびモデリングの不確実さを解決することを含んでいる。
図5の左側に積み重ねられた5個のデータシリンダーは、動的データの収集を表す。一般的な経済データは、いくつかある項目の中でも、さまざまな利率およびマクロ経済の時系列を含む。これらの時系列は定期的に更新される。いくつかの項目は日々のデータを含む。このデータ収集は大きいものではあるが、よく定義されており、ほとんどの部分に対して規則的である。項目の多くは、公共または商業用のソースから容易に理想可能である。
住宅経済のデータは全く異なる問題である。このデータ収集は、公衆に利用可能な地域的および全国的な住宅価格指数のようないくつかの標準的な公衆に利用可能なデータを含んでいるが、それはまた、国中の個人住宅に関する取引および特性のデータをも含む。この取引および特性のデータは不規則である。特性(例:台所の調理台のようなインテリアの仕上げ)の非常に広範な評価がそのうちにある点である住宅に対して利用可能となる一方、基本的な評価のみがそのうちに他の点で他の住宅に対して利用可能となる。完全性の程度および詳細のレベルを変更しつつ、取引が報告される。建造物の減価に関するデータはいくつかの非常に詳しい情報を含むが、大きな一時的かつ地理的なずれに苦しむ。データの不均一さは2つの困難を表す。第一に、不規則性に直面してデータ収集を体系化することは重要であり、データシリンダーの「内側の」役割である。機構におけるさまざまな計算要素は、異なるデータ要素に一緒にアクセスし用いることができなければならない。第二の困難さは、データシリンダーの外側に存在する。計算手続が不規則さに直面して作動しなければならない。この困難に対処することは、欠けていて不均一なデータに対処するデータ補完ルーチンおよび他の方法論を必要とする。
住宅特有データは、さまざまな過去および現在の資産特性だけでなく、資産の取引履歴をも含む。このデータは、住宅経済データシリンダーにおいて利用可能なもの以上である。そのシリンダーは公衆および商業上利用可能なソースからのデータを含むが、DOOR金融商品それ自体の始点を取り囲み、情報を提供するプロセスから生成されたデータは含まない。それらのプロセスは、資産評価および住宅改善報告のようなソースからの追加のデータを生成する。
取引データシリンダーは、初期化プロセスの調節と同時に起こる取引から生成される情報を表す。もし住宅が購入または売却され、解析機構が保険付エクイティ比の漸進的変化を規定する初期値を設定する、または、その比の最終値を決定するならば、このシリンダーは唯一関連する。売却または購入が完了した後、取引データシリンダーからのデータが、住宅経済データシリンダーおよび住宅特性データシリンダーに移動する。
住宅所有者データシリンダーは、DOOR金融商品の持続期間に関連する情報を含む。そのような情報の範囲はかなり広いかもしれない。年齢、健康状態および収入のような個人の特性が関連する。また、DOOR金融商品の持続期間は、いかなる抵当借入の状態によっても影響され得る。結果として、住宅所有者の信用特性および履歴が関連し得る。
シリンダーの全てにおけるデータが動的である。金融に関する時系列のようなシリンダーにおいて存在するデータは連続的に更新される。また、完全に新しいデータが利用可能となる。たとえば、新しいデータセットを含む新しい減価の調査からの情報は、住宅経済データシリンダーにおける現存する同等のものを有しないかもしれない。新しい住宅の将来市場が生まれるかもしれない。解析機構は、図5の左側にある太字の矩形によって表されるプロセス構成要素を更新するデータを含む。このプロセスは更新中のデータの全ての範囲を含み、現存する公衆に利用可能な時系列への所定の追加から、完全に新しいデータ要素の追加まで及ぶ。新しいデータはシリンダー内のデータ構造に適合する構造に含められなければならないので、その更新はいくぶんかの計算を必要とする。
図5によって捉えられるANZIE−DOOR用の解析機構の特徴の多くは、ANZIE−DOOR以外の変形例用の解析機構を含む後の図面において再び繰り返す。これらの後の図面の検討は、ここにおける図5の広範な議論に基づく。その開示は後の図面の新たな特徴を詳説するのみであり、図5に関する明らかな言及によってしばしば、既に詳説された特徴の重複する説明を避ける。
(数的な例)
ANZIE−DOORの下では保険付エクイティの発生を例証するために、例を検討する。全体に適用される期間の間に正味賃料がゼロであると仮定すると、予測価格上昇は年7%であり、i=i=0.05である。(レートi=0.05は年利である。それに対して、式(5)はiの瞬間的バージョン、ln(1+i)を必要とする)。レートファクターは以下のように簡素化される。
Figure 2012515985
正味賃料をゼロに設定することは、レートファクターが正であることを保証する。唯一の変数はLであり、それは潜在的な優先ブロックローンに対する「融資比率(LTV)」である。優先ブロックのサイズは一定のままなので、住宅価値が上昇するにつれて、Lおよびそのレートファクターは縮小し、保険付エクイティの発生を遅らせる。この例は完全に非現実的であるというわけではない。カリフォルニアにおけるサンフランシスコベイエリアのようなある不動産市場における「通常」の条件のきわめて定型化されたバージョンであることが考慮され得る。無視できる、または、負にさえなる正味賃料とともに、強い価格上昇が長い期間にわたって持続する。
住宅所有者が40,000ドルのANZIE−DOOR金融商品を通じて借り入れた200,000ドルで住宅を購入したと仮定する。優先ブロックは160,000ドルであり、80%の初期「LTV」を表す。単一の例示的な価格経路を検討する。住宅は毎年7%の予測年利で正確に上昇する。表6は、毎年の年末時点での出資者および住宅所有者の成果に沿った保険付エクイティに対する発生のパターンを示す。最後から2番目の列は出資者の全体のポジションの内在的価値を示し、最後の列は適用される年の間の、このポジションにおける割合の増加を示す。
Figure 2012515985
住宅所有者は、数年後に、かなりの実質的な保険付エクイティ出資金を増大させる。たとえ住宅所有者が非償還ベースで優先ブロックの全体を借りるとしても、住宅所有者は連続して「ゲームの中にいる」。この結果は、典型的な住宅所有者にとってのANZIE−DOORの潜在的な強度を示す。ある人の資産のほとんどまたは全てを住宅につぎこんでゲームの中にいる必要はない。他の価格経路についてはどうだろうか?もし住宅価格が鋭く上昇するのであれば、保険付エクイティ比はゆっくり発生する。ほとんどの例において、住宅所有者はまだ「ゲームの中に」いるだろうか?この質問に対処するために、上述のベースラインモデルを用いて、本例の確率変動的なバージョンを検討する。住宅価格は、一定の7%のリターンの予測年間幾何学的レートおよび9パーセントポイントの予測年間標準偏差を伴う幾何学的ブラウン運動に従い、金融商品の予測持続期間が10年であり、全ての関連するリスクの低いレートが全ての期間にわたり0.05で一定である。正味賃料がゼロで一定であると仮定し続ける。
表7は、12,000個の別々の例からなるシミュレーションに対する毎年の保険付エクイティ比の範囲を示唆する。表は、平均値、標準偏差、最小値、最大値および1パーセンタイル順位、10パーセンタイル順位、90パーセンタイル順位、99パーセンタイル順位を表示する。開始値1を仮定すると、追加の見通しを作るために、最後の2列は12,000の試行にわたって毎年の最小および最大の住宅価値を示す。(ANZIE−DOORの下での優先ブロック「ローン」が非遡及型であるので、その表は「非遡及のケース」と銘打たれている。遡及型の場合に関する同じ基本モデルを用いるシミュレーションが後に議論される)。
Figure 2012515985
高度のロバスト性が表における数字から明らかになる。毎年の最低の成果(12,000の価格経路からの)は、それ自体が固定された7%の上昇をする価格経路に対する数値に近い平均値の約2/3になる傾向がある。1パーセンタイルの結果は、平均結果の約3/4である。「2/3」および「3/4」の比が第10年に関して正確に近い。その比は、初期の年においていくぶん大きく、後年においていくぶん小さい。そのため、最悪の状況(極めて高いレベルの価格上昇を含む)においてでさえ、住宅所有者はまだ実質的に「ゲームの中にいる」。
このシミュレーションは、確定的というよりはむしろ、暗示的である。住宅価格は幾何学的なブラウン運動に従わない。期間ごとの住宅価格の変化は、実質的な正の系列相関および確率変数的な変動度合いを表す傾向がある。これらの特徴は価格上昇および下降を増幅させ、期間にわたってそれらの幅を広げ、それらを強くする。それでもなお、シミュレーションにおける大きな価格上昇の結果(保険付エクイティ比の低い数値に相当する)が、同程度の実世界の状況におけるもっとも極端な例と同じかそれ以上であることに言及することは価値がある。たとえば、価格情報の平均レートおよびシミュレーションにおける住宅価格の分散は、サンフランシスコベイエリアにおける1976年〜2008年の履歴に残っている価値よりも極めて小さい。しかし、その地域および期間からの最高の価格上昇の出来事はシミュレーションにおける範囲内に入る。サンノゼ、サンフランシスコおよびオークランドのMSAに対する1年、7年、10年、20年の全てを検討すると、累積された価格上昇はシミュレーションにおける最大値に近くなるケースはなかった。増加する長さの順に4つの期間に対して、もっとも極端な実際の出来事は、シミュレーションにおいて、約99パーセンタイル、99パーセンタイル未満95パーセンタイル超過、約95パーセンタイルおよび75パーセンタイルのちょうど上に収まる。このパターンは、実際価格が正の系列相関および確率変数的変動を示すという事実を解明する。幾何学的なブラウン運動の下でよりも激しい短中期の価格変化を見込むことが期待されるが、長期の価格変化においては小さい差違を見込むことが期待される。
シミュレーションに伴うより深い問題は、我々が正味賃料をゼロで固定していて、iおよびiを一定に保つことである。これらの推定は限定的である。総賃料はかなり変動し、住宅を所有することの長所は賃貸リスクに対するヘッジをもたらすことである。住宅所有者は住宅の購入価格を支払い、次に所有権の持続期間の間、賃貸水準における変化に対して分離される。Sinai & Soulele(2005年5月発行、T.Shinai、N.S.Souleles著、Quarterly Journal of Economics、120巻、763ページから89ページ、Owner−occupied Housing as a Hedge Against Rent Risk参照)がこの点を表現し、賃料の変動に関する相当に経験的な証拠をもたらす。また、正味賃料がゼロ(または負)であると仮定することは、レートファクターが正であり、保険付エクイティが反対よりもむしろ住宅所有者に発生することを確実にする。しかし、正味賃料がいくつかの地理的な地域において一貫して正である傾向があり、平均値がゼロまたは負であるいくつかの地域においてさえ、いくつかの期間中は正である。もし正味賃料が変動し、正の値を持つのであれば、レートファクターが常に正であるという保証はない。利率および予測住宅価格上昇もまた変動する。住宅価格変化の系列相関は、小さな予測価格上昇および大きな予測価格上昇の期間があることを暗示する。
それはまた、経済原理が、正味賃料、予測住宅価格上昇および利率の間の関係を暗示する場合でもある。これらの原理は実世界の住宅に関する出来事を完全に説明するようにはみえないが、DOOR金融商品の設計に関する有用なアドバイスをもたらす。基本例としてのANZIE−DOORを有しているので、次のセクションにおける以下の議論の多くは、原理を詳説し、および、DOOR金融商品の設計に関連するいくつかの洞察を議論することをテーマとしている。
最後に、この議論におけるシミュレーションの限定的な性質にかかわらず、それらは、以下に検討されるDOORのいくつかの変形例、とりわけLAZIE−DOORおよびCOZIE−DOORに関連する。これらの変形の例は、シミュレーションにおけるいくつかの制限とまさしく合致する特徴を有する。
(経済的な見通し)
住宅査定の経済的なモデルは、DOOR金融商品のデザインに関連のある見通しを提供する。これらのモデルは典型的には、合理的、将来的な市場参加者を推定する。モデルは現実の市場の多くの側面をとらえるようではあるが、モデルが十分に記述的であるようになるかどうかは、論争の残るところである。例えば、最近の住宅価格の世界的な急騰が“バブル”をもたらしたのかどうか、またはそれが経済状況および予測への合理的な反応であったのかどうかについての疑問が存在する。Himmelbergらにより例示されるように(C.Himmelberg,C.Mayer,and T.Sinai,Assessing High House Prices:Bubbles,Fundamentals and Misperceptions,Journal of Economic Perspectives,vol.19:4,pp.67−92(Fall 2005)を参照)、その問題に取り組む一つの方法は、市場価格が“基本”から逸脱しているかどうかをみるためのベースラインとしての経済的モデルを使うことである。
Poterba(J.Poterba,Tax Subsidies to Owner−Occupied Housing:An Asset Market Approach,Quarterly Journal of Economics,vol.100,pp.1−27(February 1985)を参照)、並びにHendershottおよびSlemrod(P.Hendershott,P. and J.Slemrod,Taxes and the User Cost of Capital for Owner−Occupied Housing, Journal of the American Real Estate and Urban Economics Association,vol.10:4,pp.375−93(Winter 1982)を参照)により始めて持ち家住宅に適用された一連の“ユーザーコスト”モデルが特に関連性を有する。これらのモデルは、明白なまたは暗黙の賃料、固定資産税、および基本としての借入コストといった定期的なコストおよびリターンを用いる。それは、ANZIE−DOORを駆動するレートファクターを計算するために用いられるアプローチに類似している。一定の妥当な状況下で、単一期間のユーザーコストモデルは、慣習的な現在価値または成長モデルとなる。開示のこの部分は、ある単一の現在価値モデルから始まり、その後、ユーザーのコスト枠組みから得られる実態を考慮する。DOORアプローチは、ユーザーのコスト枠組みが十分に現実を表すとは仮定しないが、その枠組みにおいてDOORがどのように見えるのかについて考えるのに非常に有用である。次期見識は、DOORの変形をデザインするのに有益である。実態を保証することは、DOORの変形をデザインするのに有用である。同時に、デザインプロセスの一部として、現実の市場がユーザーのコスト枠組みおよび他の合理的主体の経済モデルから逸脱する可能性を考慮に入れることが重要である。
ユーザーコストモデルの持ち家住宅への元々の適用は、住宅価格および住宅市場平衡における税金の影響を検証することであった。開示のこの部分は、ANZIE−DOORおよび関連する変形に対するレートファクターの計算における税金の役割の議論と結論づける。
(単一のユーザーコストモデルおよび推測)
住宅の単一の連続時間モデルを考える。すべての変数は時間tの関数であるが、明確性が要求されない限り、議論は独立変数t無しで済む。それは例えば、ある数が常に一定であると仮定され、他は一定でない場合である。住宅価値は、H=L+Sである。ここでLは地価であり、Sは建造物の価値である。上述で説明されたように、以下に発生の瞬間的な年間レートを定義する。
r:総計賃料
d:減価償却
p:固定資産税
これらのレートは、すべての帰属されたまたは現実のキャッシュフローをカバーすると仮定する。持ち家建造物に対して、rは、“帰属賃料”に等しい帰属キャッシュフローである。所有者が住宅を借りる場合、rは現実のキャッシュフローである。“正味賃料”に対する発生の瞬間的な年間レートは、n=r−d−pである。それは、住宅を借りる所有者がその年に均一に展開されたnドルを認識することであり、所有者が同じコンディションにおいて建造物を維持するために1年にd支払うと仮定する。
インフレーションがなく、リスク中立経済であり、常に一定であるリスク無しの瞬間的な金利iが存在すると仮定する。したがって、金利の期間構造は、年間レートe−1で常に均一かつ一定である。
土地の不足および人口増加が、正味賃料を、1年の一定の瞬間的なレートgでnの時間ゼロの価値から上昇させるとしたら、時間tでの住宅価値は、以下である。
Figure 2012515985
住宅価値は、正味賃料とともに瞬間的なレートgで増加する。物理的な減価償却が一定の瞬間的なレートδであり、および所有者が住宅をもとの状態に維持するために1年にd=(1−e−δ)S支払うとしたら、Sおよびdは一定である。一定のレートgで増加するHに対して、Lは初期には、gよりも大きいレートで増加しなければならず、漸近的にgに下降する。この状況は人工的であるが、ここでの目標は単一の直感的な例を作り出すことである。
νが正味賃料フローの瞬間的なレートであり、αが住宅価値評価の瞬間的なレートであり、ηが適切なリスクプレミアムであれば、無視できる税金、瞬間的なユーザーコスト関係は、以下である。
Figure 2012515985
式(9)は、合理的主体の経済的平衡を表す。“バブル”または経済的基本条件からはずれる他の要因が存在する場合、モデルは市場結果を十分に説明しないが、代わりに住宅価格が基本的な価値から離れたかどうかを評価するためのベースラインを提供する。例えば、Himmelbergら(上記)は、ユーザーコストに基づき帰属価格−賃料レートを算出し、それを種々の米国の都市における現実の価格−賃料レートと比較し、住宅価格が種々の時期でそもそも原理により誘導されたかどうかを評価する。議論を保証することにおいて、我々はユーザーコストモデルが適切であると仮定することにより始める。このアプローチは、それが現実への近似にすぎないとしても、DOOR金融商品のデザインに対する重要な見識を作り出す
我々が考慮した永続的なケースにするために、η=0(経済はリスク中立であるため)、およびα=gである。結果として、ν=i−gであり、および住宅価値が無限になるのを避けるためにν>0が必要とされる。(i−g>0は、式(9)といった期間によるコストの公式から、開示のこの部分の始まりで表された公式といった現在の価値の公式を得るために必要とされる関連する横断条件である。)
レートファクターは、特に単純な形態をとる。
Figure 2012515985
レートファクターがポジティブとなるために:(i)増加レートは著しくなければならず;および(ii)優先ブロックは住宅の価値に比して十分に大きいものでなければならない。住宅価値がレートgで上がるにつれてLpが下落する一方で、gおよびiは一定であるため、レートファクターは最終的にはネガティブになることは明白である。結果として、目標が住宅所有者の保険付エクイティが常に実質的なレートで集積することを保証することであれば、ANZIE−DOORは適切ではない。代わりに、保険付エクイティ比の増加が最終的にはストップし、下降し始める。それは、マイナスになり得る。保険付エクイティが住宅所有者の代わりに出資者に好意的に集積する。前述のANZIE’S SIDE DOOR、LAZIE−DOOR、およびFIXED−DOORのバージョンは、ANZIE−DOORのいくつかのまたはすべての他の所望の特徴を保有する一方で、これらの課題に取り組む。
前述の議論の数値例は、保険付エクイティ比が住宅価格経路にかかわらず常に住宅所有者に好意的に、一貫してかつ実質的に上昇したという特徴を有していた。正味賃料をゼロにセットすることは、この結果に反するひとつの推進力である。レートファクターは以下のようになる。
Figure 2012515985
それは、α>0の環境において、常にプラスとなる。
ゼロまたはさらにマイナスの正味賃料の状況は、通常ではない。それは、ある“高価な”住宅市場において長期間にわたって生じおよび持続する。このような市場は、高い物価−賃料比率により特徴付けられる。ひとつの潜在的なケースは、価格が経済と調和しないようにする投機熱のために、住宅価格および評価レートが非常に高いということである。住宅を貸し出す出資者および帰属賃料を享受する住宅所有者は、人工的な評価の波に乗るようにゼロまたはマイナスの正味賃料で住むのを厭わない。しかしながら、かなりの期間持続するゼロまたはマイナスの正味賃料のコンディションは、同様に容易に市場原理の結果となり得る。市場参加者が賃料の増加上昇の将来的な促進を期待するのであれば、現在の正味賃料はマイナスまたはゼロとなり得る。正味賃料が現在時間tでレベルnであり、いくらかあとの時間Tまでそのレベルで持続する場合を考える。その時間において、それは新しいより高いレベルη+Δに上昇し、絶えずそのレベルを維持する。その後、時間tでの住宅価値は以下となる。
Figure 2012515985
n=0であれば、価値のないHは必然的に除外される。具体的には、Δが非常に大きければ、Hは非常に高い。米国において、このストーリーは、いくらかの期間ゼロ、低い、またはマイナスの正味賃料の制度を経験しているまたは経験した多くの場所で妥当である。これらの制度は、将来の新しい住宅の可能性が地形または規則により制限されているが、いくつかのビジネスまたはその都市もしくは地域に住むためのライフスタイルの動機付けが存在する都市または地域において生じる傾向にある。
市場参加者にとって、人口が膨張するにつれて、このような制度において将来のプレミアムの賃料を期待することは合理的である。
式(9)におけるユーザーコスト関係は、重要な経験によるショートカットを示唆する。それは、現実の市場コンディションがユーザーコスト関係に従うことを仮定するのを厭わないのであれば、有用である。ν、α、i、およびηのいずれか3つを知ることは、4つ目を無用にする。得られるモデルに値段をつける信頼できる資産があるのであれば、iおよびηを予測するのは比較的容易であるかもしれない。一方、予測住宅価格評価と同様に総計賃料(および正味賃料)はより非現実的であるかもしれない。
(税金)
持ち家住宅のユーザーコストモデルの最初の適用は、住宅価格および住宅市場平衡の影響の検証におけるものであった。この適用のユーザーコスト均等化は、固定資産税および抵当金利の税控除といった特徴を捉える、付加的な条件を含む(J.Poterba,and T.Sinai,Tax Expenditures for Owner−Occupied Housing:Deductions for Property Taxes and Mortgage Interest and the Exclusion of Imputed Rental Income,American Economic Review,vol.98:2,pp.84−89(May 2008)を参照)。
ANZIE−DOORのためのレートファクター計算および関連する変形は、ユーザーコストの関係に適用されることを要さないが、強いユーザーコストの特色を有する。重要な疑問は、レートファクター計算に入力する拠出要素が税金をアカウントに入れるために調節されるべきかどうかということである。例えば、住宅所有者は減価償却ではなく、固定資産税を控除され得る。それをプットする別の方法は:当事者の純拠出は、税引き前を基礎として評価されるべきか、それとも税引き後を基礎として評価されるべきか?その答えは、完全に明白であるというわけではないが、当事者の税処理が既存の他のアレンジメントのもとでの処理と同様のままであるならば、税引き前の数字を用いることで事足りるであろう。
明白な複雑性がある。レートファクターの最終目的は、DOOR金融商品がいずれの時期においても市場取引を模倣している状態を作り出すことである。税引き後の数字は、納税者により異なる。納税者は異なるレートおよび控除の一定の制限といった他の特徴に関する異なる処理に直面するからである。完全な増加の税金なしでは、市場価格は、ひとりの納税者タイプのための−経済的利益ではない−価値取引に存在する正味のゼロを作り出すために適応し得るだけである。このタイプは、問題の資産に対する“利益が出ない出資者”である。他のタイプは、辺縁下におり、いくらかは、資産価値において投資されなかった税金のボーナスを持ち去るかもしれない。
特に資本市場が完全またはほぼ完全である場合には、単独の出資者または出資者タイプにすべての資産にわたって利益が出ないようにするのが可能である。しかしながら、ある種のタイプの借り入れにおける制約といった制限がある場合、異なる税金の特性を有する出資者は、異なる資産クラスに関連して利益を出せないかもしれない。制限により、出資者は、すべての資産タイプにわたって自由に取引できなくなり、その結果、利益が出ない出資者の状態の小国乱立をもたらす。DybvigおよびRossは、この差違を適切に記述し議論する(P.H.Dybvig,S.A.Ross,Tax Clienteles and Asset Pricing, Journal of Finance,vol.41:3,pp.751−62(July 1986))。
DOOR金融商品に対する特定の税処理にかかわらず、いくらかの出資者または住宅所有者は、辺縁下にいるであろう。重要であることは、DOOR金融商品がそれ自体で住宅取引の基本的構成要素の新しい税金の可能性を許容するかどうかである。そうであれば、該金融商品を使用または使用しない税金の動機付けがあり得る。税処理が出資者および住宅所有者に他のアレンジメントに対して正味のジョイントの利益を作り出すのであれば、該金融商品を使用する税金の動機付けが存在する。正味のジョイントの損失が存在するのであれば、該金融商品を使用しない動機付けが存在する。
付加的な問題は、税金の動機付けが生じ得る2以上のマージンが存在することである。個人または家族が住宅に住むことを可能にする多くの資金計画がある。2つの従来のものは、出資者−所有者から借りるか、または借金およびエクイティファイナンスの結合物を用いる住宅を所有している。これらの2つのアプローチは、異なる税金の集まりをもたらす。出資者−所有者は、賃貸において課税され、販売による利益において課税され、販売におけるロスを控除され得、並びに固定資産税、抵当金利、および減価償却を控除され得る。住宅を所有する所有者は、帰属賃料における税金を支払わず、減価償却を控除され得ず、一定の制限の影響を受ける抵当金利および固定資産税を控除され得、ある制限による販売の利益を回避し得るが、販売におけるロスに対する控除を享受しない。DOORスキームのもとでの非財務的な所有およびコントロールの態様は、持ち家所有とほとんど同一である。例えば、所有者は、いつ住宅を買うかおよび売るかを決定し、維持に対して責任を有する。したがって、ベースラインの状態として持ち家住宅を考えることは意味をなす。
そのベースラインを与えられれば、当事者に他の手段よりもDOORアプローチを選択する税金の動機付けをほとんどまたはまったく与えない税処理を規定することは容易である。そのようにする最もシンプルな方法は、ANZIE−DOORのために最初に開発された分岐から始めることである。該金融商品は、従来の“現実の”部分に独立した“非現実の”副取引を足したものからなる。副取引は、保険付エクイティの発生に焦点をあてている。従来の部分は、資本構成、固定資産税、減価償却、および優先ブロックが国債で資金調達されている場合には抵当金利を含む。住宅所有者は、少なくともANZIE−DOORのもとでは、固定資産税および抵当金利を支払う。DOOR金融商品無しで持ち家所有者に適用する税法規のもとで、これらを控除することを住宅所有者に許容することは理にかなっている。同様に、税法規は、減価償却に対する控除を禁止するため、住宅所有者はその控除を受容すべきではない。ANZIE−DOORのもとでは、住宅所有者の資本利得は、従来の側面においては可能ではないが、資本損失は可能である。受託エクイティは、住宅所有者が寄与した(同等のベース)を超えて増大することはできないが、住宅価値が優先ブロックの額より下回る場合、低減されるか消されることができる。再度、DOOR金融商品無しの状態を比較すると、適切な処理は、損失を否定することであるが、副取引を含む警告が存在する。
副取引は、常に前納が発生する、前納の先渡契約に非常に似ている。住宅所有者の純拠出は、保険付エクイティの発生に出資し、契約は、出資者から住宅所有者への、住宅価値の発生パーセンテージと等しい支払いにより、住宅の販売において定まる。住宅所有者は、認識されたお金の額が合計の拠出を超えるのであれば、利益を得る。この場合、出資者は対応する損失を有する。資本の利益および損失としてこれらを処理することは理にかなっている。
警告について、従来の所有権の状態において、住宅所有者は、I.R.C.§121のもとでの制限までの資本利益の排除を享受する。しかし、資本損失を控除することができない。この規律をZ資本構成にするためのひとつの方法は、保険付エクイティ取引における住宅所有者の利益または損失を、受託エクイティに関する利益または損失と組み合わせることであり、それは通常の処理への総計の利益または損失を受ける:それは、適用制限の上での損失の否定および利益の排除である。この処理は、ANZIE−DOORのもとでの保険付エクイティおよび受託エクイティが従来のアレンジメントにおける住宅所有者の投資の代わりとなるという事実に基づいた意味をなす。
いくつかのDOORの変形は、従来の資本構成を含む。以下に議論されるCOZIE−DOORが例である。保険付エクイティアカウントは、出資者に好意的に生じる。結果として、テキストにおける置き換えの議論は適用されず、住宅所有者に対する明白な税処理は、通常のルールを従来の部分の取引に適用することであるが、あたかもそれが資本利益または損失の原因となる非住宅の非現実的な金融取引であるかのように副取引を処理することである。従来の部分に対する結果は、従来の持ち家所有のもとで得る結果に厳密にマッチし、それは、§121の排除の額を含む。
もし税務当局が記載された方法においてANZIE−DOOR金融商品を処理するとしたら、住宅所有者は従来の持ち家所有に非常に類似したポジションにいる:抵当金利および固定資産税は一定の制限によって控除され、減価償却は控除されず、資本損失は控除されず、および§121の排除は資本利益に適用される。
出資者はどうであろうか?出資者は、物理的な住宅においてレバレッジされたポジションおよび副取引における非現実的なショートポジションを有する。もし出資者が抵当金利、固定資産税、および減価償却費を支払ったとしたら、それらのすべては控除される。かわりに、ANZIE−DOORのもとでは、住宅所有者は支払いをしている。結果として、控除されないことまたは出資者に対する基本的な調節が適切である。副取引において、出資者は非現実的な住宅において増加するショートポジションをとっている。ショートポジションからの収益は、出資者への住宅所有者の定期的な純拠出である。典型的であるように、ショートポジションをとることは、収益に匹敵する即座の収入を作り出すべきではなく、代わりに、販売結果、すなわち、売り上げにおけるショートポジションに接近するための支払額が総計収益未満である程度までの資本利益をもたらすべきである。
ANZIE−DOOR金融商品への当事者の他の可能な税処理が存在する。可能性のある税処理の包括的な議論は、技術的であると同様に長期にわたり、この開示の範囲を超える。ここでのキーポイントは、他のアレンジメントに似た税金ポジションに当事者を置く税処理がある、ということである。それは、レートファクター算出における税引前の額を用いることの損害はほとんど無いまたは無いことを示唆する。
種々のDOOR金融商品に適用された現実の税処理は、金融商品の市場の期間に影響を与え得る。そうであれば、適切に分析機器の操作を調節する必要があろう。報酬金を含まないすべてのDOOR金融商品にとって、期間は、アレンジメントが起点時の市場取引であり、中立のDOOR金融商品に対して、各々の調節が本質的価値での市場取引であるようにアレンジメントメントを回復させなければならないといったことのはずである。
ここで後に議論される変形は、ANZIE−DOORのもとで存在しない特徴を含み、この開示はそれらのいくつかのための可能な税処理を議論する。これらの議論およびこのセクションにおけるひとつから、種々の税処理が、異なるDOORの変形のための調節メカニズムへ与える影響は、当業者にとって明白であろう。
(DOORの適応性)
DOOR調節プロセスは非常に高い程度の適応性を可能にする。ANZIE−DOORは、特定の固定された契約条項を有する。例えば、住宅所有者が固定資産税を支払い、金融商品は中立を達成するために保険付エクイティアカウントを調節する。DOORメカニズムは固定された契約条項のほとんどいかなるパターンをも可能とし、中立の調節は、保険付エクイティアカウント以外の特徴を含み得る。一定の目標で中立を緩和すること、契約条項を柔軟にすること、および中立なDOOR金融商品の間での“オンザフライ”に切り替える能力を作り出すことさえも可能である。
(契約条項)
ANZIE−DOORとは異なるかもしれない固定された契約条項での多くの方法がある。例えば、ひとつの変更は、同時に住宅所有者から出資者への固定されたスケジュールの四半期支払を特定する間、出資者に固定資産税を支払うことを要求する。目標は、住宅所有者に固定資産税のレートにおける変化の影響を受けさせず、そのリスクを出資者にシフトすることである。
契約それ自体は、一定の特徴に関連した適応性を可能にしてもよい。例えば、契約は、いつでも住宅所有者に出資者への付加的な任意の支払いをさせることを許容するかもしれない。ANZIE−DOORタイプのスキームにおいて、これらの支払いにより、次期間においてまたは支払い後の時間のわずかな増加の間において、保険付エクイティの発生スピードの増加が補償される。次の計画的な調節まで支払いを遅らせる必要はない。支払いはそれ自体で、調節を生み出し、新しい期間の始まりを作り出す。
変形は、終わりのないものである。住宅所有者から出資者への支払いは、定期的であり、時々であり、金利といったいくつかの変数またはパラメータの関数であり、または住宅の価値を含む市場状況によりもたらされるかもしれない。支払いは、部分的にまたは全体的に任意であるかもしれない。支払いは、他の方向、例えば出資者から住宅所有者へ流れるかもしれない。ANZIE−DOORタイプのスキームにおいて、これは保険付エクイティのより遅い発生を意味するが、住宅所有者はキャッシュフローから利益を得る。退職または住宅投資“キャッシュアウト”の設定において、このようなスキームは有用であるかもしれない。
調節メカニズムは容易に、より抜本的な変化に適合し、それは新しくかつ異なる金融商品に借り換えることに等しい。例えば、従来のバージョンのANZIE−DOORと出資者が固定資産税を支払う前述のバージョンとの間をシフトするオプションは、いつでも存在していてよい。
契約それ自体が変えられようと、当事者が契約の全内容においてオンザフライの取引を変えようと、DOOR中立メカニズムは、容易にその変更に適合する。含まれるすべては、適合アルゴリズムへの適応であり、例えばそれは適用ソフトウェアプログラムにおけるオプションとして容易に組み込まれる適応である。即座におよび単一のオンライン手続きを介してほとんどコスト無しで変化を実行することを想像するのはたやすい。
中立なDOOR金融商品の適応性により、現在は厄介者である多くのタスクを、容易におよび低コストで成し遂げることが可能となる。例えば、クレジットの住宅エクイティライン(“HELOC”)は現在、独立した正規のローンを必要とする。住宅価値が実質的に上がれば、クレジットラインにおける上向きの調節は、自動的ではない。住宅所有者は借り換えを要するかもしれない。反対に、住宅所有者に実質的にコスト無しのオプションとしてHELOCタイプのローンを作り出すことを可能にする特徴は、多くのDOORの変形に対応する。さらに、利用できるクレジットは、住宅価値および市場状況に応じてリアルタイムで変化し得る。ANZIE−DOORの枠組みを考える。住宅所有者は、所望すれば、優先ブロックの全額までの借り入れが可能である。キャッシュの拠出が無ければ、住宅所有者が優先ブロックを拡大するかもしれない2つの方法がある。それは、(i)より多くの担保借り入れを負うことによる;(ii)保険付エクイティを受託エクイティにシフトすることによる。第二のルートは、DOORのもとでは極めて容易である。契約は、保険付エクイティの受託エクイティへのシフトを可能にし得、もしかすると最小限のレベル、例えば10%の保険付エクイティの影響を受け、住宅所有者の維持のインセンティブが無傷のままであることを補償する。シフトは、住宅所有者の借り入れ能力を向上させる。受託エクイティを加えることにより優先ブロックのサイズを大きくするからである。保険付エクイティは落ち込むが、保険付エクイティの発生レートは、現在のより大きい優先ブロックを反映して上昇する。調節プログラムの一部分として、“見積”はいかなる時も優先ブロックへのシフトに有用な保険付エクイティの額を特定するのに用いることができるかもしれない。もちろん、DOOR契約はまた、優先ブロックを担保にした借り入れにおける制限を含むかもしれない。これらの制限はあらかじめ規定されるかもしれないし、住宅価値および他の市場パラメータに従ってリアルタイムで変動するかもしれない。この種の借り入れ能力を効果的に組み入れることは、対応するDOOR金融商品の更新に対する分析プロセスの一部として住宅所有者のクレジット状況におけるデータの対価を必要とする。このようなデータは通常、住宅所有者の承諾のみがあれば利用できる。
第一のルートの容易さは、第三者が含まれる程度に依存する。出資者がまた抵当の貸し手であれば、ローンを拡大することは、“内部の”調節である。それは、一定の契約手数料を含むが、取引手数料はおそらく、第三者の貸し手を通した慣習的な借り換えの代替手段よりもかなり低い。抵当の貸し手である第三者よりもむしろANZIE−DOOR出資者の他の潜在的な利益が存在する。出資者もまた抵当権者であれば、ANZIE−DOOR契約は内面化している抵当権者に利益を与える正の外部性を作り出す。内面化無しでは、当事者は共同利益無しで済ませるかもしれないし、より高い交渉コストに直面するかもしれない。しかしながら、DOOR金融商品は、あまり効率的な抵当の貸し手ではないかもしれない。本明細書の他のところで議論された、他のDOORの変形は、外部性の問題を完全に回避する特徴を含む。
(中立メカニズム)
ANZIE−DOORは保険付エクイティアカウントを介した中立性、例えば住宅のための資本構成のアウトカムから独立している側面のアレンジメントメントを達成する。このアカウントは、常に純拠出のアウトカムを蓄積し、それらを住宅における非現実的な相殺のショートポジションおよびロングポジションに変える。純拠出のバランスは時間とともに、住宅価値の変化および金利変動といった経済的なパラメータとしてシフトする。保険付エクイティアカウントはこの変動を吸収し、住宅所有者と出資者との間の取引を安定化させる剰余として振る舞う。
取引を安定化させる多くの他の方法がある。ひとつのアプローチは、すでに言及したが、“突き合わせアカウント”において利子を有する純拠出額のキャッシュ価値を蓄積すること、および販売でこのアカウントを支払うことである。このスキームは、“強制貯蓄”の側面を有する。住宅所有者は、住宅の販売にのみアクセス可能な側面のアカウントにおける資金を蓄積することを約束し、それは“SAVING DOOR”の変形を作り出す。アカウントは、住宅を維持しないことに基づく減少の影響を受けるかもしれない。さらに簡便なアプローチは、キャッシュ支払いを介して各期間において純拠出額を安定化させることである。
図6は、SAVING−DOORを実行する分析機器を図示したフローチャート図である。それは、図5と同様であり(ANZIE−DOORに対応するフローチャート)、3つの例外を有する。第一に、算出の目標は、保険付エクイティ比よりもむしろ突き合わせ(貯金)アカウントに対する発生レートを調節することである。したがって、右手側の最終目標の六角形は、突き合わせ(貯金)アカウントであり、保険付エクイティ比ではない。このアカウントは、確実に同等なレートで長期間利益を得、このレートはリセットまたは初期化され、したがって、レートが計算される六角形からの矢印は、アカウント計算への新しいレートの入力を示す。第二に、発生している保険付エクイティを使うためにレートファクターを算出する代わりに、SAVING−DOORは住宅所有者の純拠出の額による突き合わせ(貯金)アカウントを増加させる。同じファクター(予測価格上昇を除く)がレートファクター算出に入るのと同じように純拠出の算出に入る。結果として、図6における住宅所有者の純拠出六角形は、図5におけるレートファクターの六角形に取って代わる。第三に、予測価格上昇は、レートを帰属された優先ブロックへの影響を介して非直接的にではなく、住宅所有者の純拠出算出に直接的に入る。結果として、図6における予測価格上昇の六角形は、住宅所有者の純拠出算出に直接的に寄与するグレーの網掛け部分のファクターのスタックに含まれない。代わりに、それはそのスタックから独立しており、レートを帰属された優先ブロックの六角形に入っていく矢印を有する。
多くの他の潜在的な変形がある。例えば、保険付エクイティを増加させる代わりに、スキームは、純拠出を受託エクイティに入れるかもしれない。この場合において、優先ブロックは、出資者のエクイティの費用で拡大し、住宅所有者の将来の純拠出は増加し、さらに受託エクイティの蓄積を促進する。
スキームの選択は、DOORの変形の目標に依存する。全体の純拠出を保険付エクイティアカウントに割り当てるANZIE−DOORのアプローチは、“安全な”エクイティの増大を最大化することおよび強い維持のインセンティブを作り出すことを目指す。このスキームは、従業員の住宅、低所得の住宅所有者、およびほぼ間違いなく“典型的な”アメリカの住宅所有者に理想的である。
このセットの目標に固執しても、望ましいかもしれない変形を想像することは可能である。保険付エクイティアプローチは、住宅が優先ブロックのレベルで、またはそのレベル以下で売れる場合、かなり保険の側面を有する。この場合、出資者は、全体の投資を失い、売り上げでのキャッシュリターンを有しないにもかかわらず、出資者は、住宅価値の住宅所有者パーセンテージを支払うためのライン上にいる。ANZIE−DOORのもとでの保険付エクイティ比の増加は契約により制限され、パーセンテージは100%に近づくことができる。この制約のないことは、投資を魅力的でないものにするかもしれない。可能性のある救済は、保険付エクイティ比を限界、例えば20%に増大させること、およびいくつかの他の方法(キャッシュ支払い、受託エクイティの増大、突き合わせアカウント等)でさらなる純拠出調節を作ることである。このアプローチにより、住宅所有者は、重要なエクイティ目標に到達し、住宅の価格レベルにかかわらず“住宅市場ゲーム”にいることができる。しかし同時に、このアプローチは出資者の付保義務を制限する。
純拠出の残りの預金として保険付エクイティアカウントを使うことの他の否定的側面は、拠出の変動特性が保険付エクイティの蓄積レートを不確実なものにすることである。多くの住宅所有者にとって、保険付エクイティアプローチの大きな魅力は、住宅価値の安定したパーセンテージのシェアを販売で持ち去る可能性、および価格状況にかかわらず“市場に”にいるという必然的な保証である。保険付エクイティ比が確率的に蓄積することは、少なくともこれらの目標にいくらか矛盾する。他のアプローチは、保険付エクイティに対する蓄積の固定されたスケジュールを特定すること、および受託エクイティとして純拠出の確率的な剰余の要素をそれ自体ほかのところで現れさせる(例えば、キャッシュ支払い)こと等である。その結果は、同時に保険付エクイティ比の将来のスケジュールを確実なものにする間、DOOR金融商品の中立性を維持することである。
早くに言及したように、中立性のメカニズムは、より一般的な種類の適応性を示唆する。前もって特定の中立DOOR金融商品を約束することは必要ない。中立金融商品間をオンザフライで切り替えることは、適合するためには容易であり、下述のIS−A−DOORの変形の核心である。
(中立性を緩和する)
中立的なDOORは、大きな力と幅を有するが、中立性を緩和することが望ましい状況がある。厳格な中立性から逸脱するいくつかの方法がある。第一に、金融商品は中立であるかもしれないが、不定期な調節を含む。このアプローチのもとでは、金融商品の操作は、最近の調節無しでの経済的状況の変化としての中立性から大きく逸脱していてもよい。極端なバージョンは、金融商品のすべての将来の特徴を規定する事前のスケジュールにより定義された、固定されたDOOR金融商品である。それは例えば、事前に中立である方法での保険付エクイティに対する発生パスである。(“事前に”中立であるとは、金融商品の現実の価値が、始まりにおける本質的な価値に等しいことを意味する。)このバージョンは極めて有用であるかもしれない。確実性と組み込まれたオプションを有することのコストとの間のトレードオフが存在する。固定されたDOOR金融商品は、保険付エクイティの発生といた側面についての確実性を作り出すが、組み込まれたオプションの価値は増大する傾向にある。住宅所有者は、DOOR金融商品の条項が市場よりも好ましくなくなった場合には借り換えをし、DOOR金融商品の条項が市場よりも好ましくなった場合には住宅に留まるインセンティブを有する。
中立性からの逸脱の第二のタイプは、調節メカニズムを保有することであり、利益と損失の厳格なバランスが存在する要求を取り除くことではない。金融商品は、住宅価値の金額またはパーセンテージの形態における補助金をレートファクター算出に混合させるかもしれない。このアプローチは、従業員住宅状況において有益であり、そこでは補助金が個人に、その個人の仕事の地理的な場所における値頃感を作り出す。
不定期の調節または補助金を含むDOORの変形は、“外見上中立な”DOOR金融商品の例である。いくつかの中立性の特徴があるが、それらは最も多く、最も純粋な形態における中立性ではない。“中立ではない”有用なDOOR金融商品を想像することも可能である。例は、事前に中立ではないスケジュールを有する固定されたDOOR金融商品である。下述の議論は、外見上中立であるDOOR金融商品および中立ではないDOOR金融商品のいくつかの例を提供する。
(多数の変形)
たとえひとつが結果を中立なものに制限するとしても、膨大な数の可能なDOORの変形が明確に存在する。ほとんどの場合、出資者および住宅所有者のクラスで始めることおよび各クラスの目標を特定することは意味をなす。これらの目標は、種々の特徴を示唆する。所望の特徴を結合することは、有用なDOORの変形を引き出す。この開示は、すべての可能性を提示し、または徹底的に特定の適用エリアを研究しようと試みることはしない。目的は、概して本発明のDOOR金融商品の範囲および適応性を示すために十分な変形を示すことである。
次に、いくかの変形に焦点をあわせる。ANZIE’S SIDE DOORは、ANZIE−DOORの拡張であり、それは、目標がターゲットにされた住宅エクイティの蓄積である、低い評価の環境および状況を含む多くの事情において有用である。ANZIE’S NU DOORは、“水面下”の住宅に関連する問題および住宅価値が抵当の元金バランスより下回って下降するときに生じる戦略的なデフォルトを解決する。ANZ TRIE DOORおよび種々の部分的な遡及型DOOR金融商品は、優先ブロックのリスクを住宅所有者から出資者にシフトする。COZIE−DOORの変形は、住宅エクイティを売却するという住宅所有者の目的を実行する。IS−A−DOORにより、住宅所有者は、DOORの変形間を流動的にシフトすることができる。LAZIE−DOORおよびFIXED−DOORは、外見上中立または中立ではない変形の例である。
(ANZIE’S SIDE DOOR)
ANZIE’S SIDE DOORは、住宅所有者と出資者との間の支払い(“SIDE支払い”)を付加することによりANZIE−DOORを拡張する。これらの支払いは、純拠出バランスを変更し、その結果より保険付エクイティを早いレートまたはより遅いレートで発生させる。側面の支払いの方向および仕様は、特定の適用を動機付けする目標に依存する。本明細書では、2つの適用が考えられる:(i)低いレートの住宅価格評価を含む場所または期間におけるANZIE−DOORの目標を実行すること、および(ii)保険付エクイティターゲティングである。
側面の支払いは典型的には“賃料”または“利子”のような伝統的なカテゴリーの条項におけるハードで早い解釈を有しないということを示すのは重要である。代わりに支払いは、保険付エクイティの発生において具体化された“副取引”を変えるための慎重な試みを示す。“副取引”を考えるためのわかりやすい方法は、それらは単に“副取引”の態様であるということである。
支払いが完全に副取引内で機能するという事実は、税金の意味合いを有する。前述の議論は、この副取引は、前払いのように、またはより簡単に住宅所有者および出資者の各々により保たれたロングポジションおよびショートポジションを相殺することとして、扱われるべきであることを示唆した。そのレジメンのもとでは、側面の支払いは、さらなるロングポジションの住宅所有者による購入となり、および基礎に加えられる。取引の他の側面において、支払いは、繰り返される付加的な短期の販売からの収益であり、基本の意味合いを有する。現在の控除および収入の事項は存在しない。
(低評価の場所および期間に取り組む)
住宅市場は、地理的な場所および時間的な期間を超えて変化する。いくつかの場所において、付加的に、好都合に位置された土地は、住宅建築に直ちに用いられる。住宅価格評価は、これらの場所において制限される傾向にある。潜在的または明確な賃料は、全体のリターンにおけるファクターとしての評価に比して大きく現れる。他の場所において、住宅価格評価は、実体的でありおよび持続している。例えば、長期間にわたる一貫した一般的な価格のインフレーションを超える。住宅価値は、正味賃料がゼロまたはさらにネガティブな価値で持続するレベルに到達する。これらの場所は典型的には、ある種の自然のまたは行政に誘導された不足、例えば建築制限を含む。例は、サンフランシスコ、ロサンゼルス、またはニューヨークといった沿岸部の米国の都市と同様に多くのヨーロッパの都市を含む。これらの場所でさえも時々、均一または下降する住宅価格の期間を経験する。
多くの資産価格と違って、住宅価格の変化は、連続的に相関する傾向にある。すなわち、下降のあとにさらなる下降が続く傾向がある。
賃料の持続する価格下降の場所および期間の両方は、住宅金融商品を基礎とするエクイティの課題を生む。賃借料の場合、住宅所有者の純拠出は小さいかもしれず、またはそれは出資者が純拠出を作っている場合でさえあるかもしれない。ANZIE−DOORの結果は、非常にゆっくりであり、保険付エクイティのネガティブな蓄積でさえある。この結果は、典型的な住宅所有者に実質的に“安全な”エクイティを蓄積させることを許容する手段を提供する目的を打ち破る。
期間において持続する価格下降の状態は、さらに悪い。もっぱら出資者のリターンに対する評価を頼りにする金融商品を基礎とした従来のエクイティは、有用でないかもしれない。住宅所有者は悪化する価格の期間に評価ベースの金融商品を介して拠出することにより、および市場が回復し始めたら借り換えることにより、価格下降の持続を利用することができるかもしれない。結果はせいぜい、金融商品が有効である間利子が無いローンである。住宅所有者が住宅における出資者のエクイティのいくらかまたはすべてを低減させるのに十分なほど価格が落ち込んだポイントでエクイティの兆候を排除する戦略的な販売を行えば、出資者はまた“プリンシパル”を失う。
ANZIE−DOORはこれらの課題の多くを回避するが、住宅所有者に保険付エクイティの持続的な蓄積を提供することの目標はいくつかのケースにおいて妨げられる。ANZIE−DOORのもとでは、賃料の持続する価格下降の場所および期間によりもたらされる潜在的な問題は、出資者のリターンが価格評価のみからなるという事実に由来する。
住宅所有者から出資者への一時的なまたは永続的な定期的側面の支払いを加えることは十分に容易である。結果は、ANZIE’S SIDE DOORのバージョンである。図7は、本発明によるANZIE’S SIDE DOORのアレンジメントメントのための出資者への固定された追加の支払いを示すブロック図である。
賃貸市場において、この側面の支払いは永続的であるかもしれず、住宅所有者からの実質的な純拠出を作り出し、保険付エクイティの盛大な増加をもたらす。保険付エクイティに対するターゲットまたは制限がある場合、金融商品はターゲットまたは制限が達成された後、側面の支払いにおける減少を特定するかもしれない。
数カ月または数年にわたる持続的な価格下降の可能性は、より高い程度の適応性および複雑性を必要とする。DOOR契約のためのひとつの解決策は、住宅所有者から一時的な側面の支払いを要求することである。このような支払いのレベルは、現在適用可能な保険付エクイティ比において条件付きである。それは、側面のアカウントにおいて、および現在の住宅価値の優先ブロックとの関係においても、保険付エクイティの額を反映する。保険付エクイティが十分に豊富であれば、契約は保険付エクイティ比が下限に低減されることを許容し、側面の支払いを取り除きまたは減じる。側面の支払いを回避するまたは低減させることは、特に住宅価値の下降が地域的または国家的に厳しい時期に関連される場合、住宅所有者にとって望ましいかもしれない。住宅価値が優先ブロックに比して十分に低い場合、住宅所有者は大きな純拠出を作り、側面の支払いの必要性を低減させる。
このカテゴリーにおいて直接に落ち込む状況は、価格下降が出資者のエクイティを消去する、すなわち住宅価格が優先ブロックに満たない場合に生じる。このような状況において、出資者のポジションの本質的かつ現実の価値はゼロである。住宅における出資者の利益がポジティブな価値を有するアウトオブザマネーコールオプションに達するため、住宅所有者が純拠出を作り保険付エクイティを獲得することは間違いないはずである。拠出は前述の通り、コールオプションを提供している。保険付エクイティ増大はコールオプションの価値を低くし、出資者にとってゼロの正味価値をもたらす。この状況における典型的な結果は、保険付エクイティが早急なレートで住宅所有者のものとなり、側面の支払いの必要性を取り除くということである。側面の支払いの必要性は、さらなる下降の高い可能性を予測する持続的な下降にもかかわらず、出資者が実質的なエクイティを有する場合に、重大なものとなる。
(数字上の例:“レントツーオウン”)
ANZIE−DOORとともに導入された上述の表7に終わる例は、高い評価に基づき、住宅価格が年間7%の予測レートで上昇し正味賃料がゼロで一定であった低い賃借料の“ベースライン”の状況である。この例は、米国における中間から高い価格の場所についての非常に大雑把なスタイルのバージョンである。
このベースラインモデルを変えることを考える。それは、トータルの予測年間リターン(予測正味賃料+予測評価)を同じ7%で一定に保つが、ミックスを賃料の方向に敏速にシフトすることによる:正味賃料は年間3%で一定であり、予測評価は年間4%である。この変化はレートファクターの式の分母を同じとするが、分子を3パーセンテージポイント減少させる。保険付エクイティはさらによりゆっくりと発生する。すべての他のモデルの前提およびパラメータを同じにすると、ANZIE−DOORのもとでの結果は、下述の表8に示される。
Figure 2012515985
明らかに、ほとんどの住宅所有者にとって、結果は、実質的な保険付エクイティを増加させることにより数年後それらを“ゲーム”にプットする目標を達成しない。すべての価格経路にわたる平均の保険付エクイティ比は3.15%を超えず、それは19年でマイナスに変わり、その後それは急落し、30年で−11.24%に達する。非常に極端な事例(低いまたはマイナスの価格評価に対応して、保険付エクイティの発生に対して99パーセンタイルまたはそれ以上)のみが、許容可能かもしれない保険付エクイティの発生の類いに至る。住宅価格の予測変動性は、この新しい例においてより低く調節されないが、表7における高い予測評価の例におけるものと同様にされる。より低い予測変動性がより低い予測評価と同時には生じないとしたら、表8における極端な結果は表に示されるよりもさらにありそうもない。
住宅所有者がこの課題を解決する出資者に毎年の支払いを行うANZIE’S SIDE DOORのバージョンを特定することは容易である。契約が住宅所有者に毎年出資者に全体で3%の正味賃料を支払うことを要求すると仮定する。レートファクターは、7%の評価および0%の正味賃料に関する同じ価値に戻される。出資者への3%の支払いは、正味賃料から生じているマイナス3%の期間を正確に相殺する式(4)において、レートファクターの分子に加えられる。分母は、住宅に対するトータルの予測リターンであり、住宅所有者から出資者への毎年の移転支出の付加により変えられていない。結果として、結果は表7のものと同じであり、住宅所有者はすべての価格経路にわたって保険付エクイティの実質的な発生を経験する。
この状況は、賃借人が当初から所有者であることを除いて、“レントツーオウン”のスキームに類似する。賃貸人は、“全賃料”(減価償却+固定資産税+正味賃料)を支払っており、抵当においても支払いを行っている。これらの抵当の支払いは純拠出であり、保険付エクイティの早急な発生をもたらす。
図8は、住宅所有者から出資者へのスケジュール化された支払いを包含するANZIE’S SIDE DOORのバージョンを実行する分析機器を示すフローチャート図である。フローチャートは、DOOR金融商品特性の円柱からレートファクターの六角形への矢印の付加的なフローを除いて、ANZIE−DOORの図5に等しい。この付加的なフローは、“支払いスケジュール”と表示された太字ではない長方形を含み、それは、契約条項が住宅所有者に出資者への支払いの一定のスケジュールを課すという事実を示す。これらの支払いは、レートファクター算出に入る。DOOR金融商品特性の円柱からレートファクターの六角形への他の直接の矢印は、ANZIE−DOORにおいてすでに存在するデータおよび命令:優先ブロックのサイズおよびレートファクター算出のための式、を含む。2つの矢印フローを作ることは、ANZIE−DOORをANZIE’S SIDE DOORのバージョンに変換する支払いスケジュールの側面を際だたせる。
(保険付エクイティのターゲティング)
ANZIE’S SIDE DOORの異なる適用は、住宅所有者が保険付エクイティのための発生スケジュールの予測可能性を好むという状況に取り組む。この結果を達成するANZIE’S SIDE DOORの1つのバージョンは、所望の発生パターンを達成する方向および額において、住宅所有者と出資者との間の確率的支払いを要求する。図9は、本発明によるANZIE’S SIDE DOORのための確率的支払いを採用する、ターゲットとされた保険付エクイティのスキームを示す、ブロック図である。
図10は、剰余のバランシングメカニズムとして確率的支払いを用いることによるターゲットとされた保険付エクイティのスキームを包含する、ANZIE’S SIDE DOORのバージョンを実行する、分析機器を示すフローチャート図である。それは、3つの側面で図5に示されたANZIE DOORのための分析機器と異なる。第一に、機器の操作の最終的な成果は、当事者の純拠出の収支を合わせる保証期間にわたって、住宅所有者と出資者との間の支払いの流れを特定することであり、それは住宅所有者へのターゲットとされた保険付エクイティ発生を可能にする。したがって、図10の右端の最終的な六角形は、図5におけるANZIE−DOORのもとでの保険付エクイティ比の展開よりもむしろ要求される支払いフローの算出を表す。この算出のキー入力は、ANZIE’S SIDE DOORの適用可能なターゲットとされた保険付エクイティバージョンのもとで特定された、固定されたスケジュールにより保険付エクイティを展開させる、レートファクターの値である。手元のこの入力で、算出は、式(4)といったレートファクターの関係を用いて進行し、要求される支払いの流れを決定するように逆にされる。
第二に、レートファクター算出は、レートに等しい長期間の確実性、保険付エクイティ発生スケジュール、レートの過去値、および式(5)といった関係を要求する。レートファクターの六角形への矢印は、要求される入力を示す。
第三に、DOOR金融商品特性の円柱からレートファクターの六角形への2つの独立した矢印のフローがある。ひとつは、ANZIE−DOORと同様の情報のフローを示す図5の直接的な矢印である:それは、過去のデータおよびレートファクターを算出するために必要とされる数学的関係の契約上の仕様である。矢印の付加的なフローは、“保険付エクイティ発生スケジュール”と表示された太字ではないボックスを含み、フローはDOOR金融商品特性の円柱から始まる。それは、このスケジュールが契約上のものであることを示す。この矢印のフローは、レートファクター算出がDOOR契約のもとで保険付エクイティ発生スケジュールを要求することを強調する。
ANZIE’S SIDE DOORのターゲットとされた保険付エクイティバージョンをより具体的なものとするために、例を考える。住宅所有者が10年で保険付エクイティの20パーセンテージポイントを得たい、およびそのレベルでパーセンテージを保ちたいと仮定する。この種のスケジュールを課すことは、最初の10年においては住宅所有者から出資者へ、それ以降は実質的に逆の方向に流れる傾向にある確率的支払いとなる。したがって、ターゲットとされた保険付エクイティ比に到達後、住宅所有者は収入源を享受する。
予測評価が実質的である環境において、住宅所有者は、10年到達時に多額を支払わなければならないことを避けるために、早い時期にたくさんの支払いをすることを望むかもしれない。ゼロに等しい正味賃料および固定された金利を有する式(4)から思い起こすと、レートファクターの分子は、住宅が優先ブロックにより表される“価値への融資”における下降に起因して値上がりすると、減少する傾向にある。結果として、ある種のフロントローディング無しでは、住宅所有者から出資者への支払いのレベルは、10年間で急速に増加するようである。
しかし、住宅所有者はフロントロードしなければならないわけではない。いかなる所望のパターンをも可能であり、動的要素において創出することが可能である。例えば、住宅所有者は、将来の支払いにおいて、またはターゲットに到達するために要求される時間の長さにおいて、以降の調節を伴う支払いにおいて上限および下限を作り出すかもしれない。DOOR金融商品の適応性は、さらに広い可能性を許容する。例えば、保険付エクイティが一定の最小レベルに到達した後、DOOR契約は、住宅所有者にもっぱら各期間の始まりでの支払いレベルを選択することを許容するかもしれない。異なる支払いレベルのパターンは、保険付エクイティの異なる最終レベルをもたらす。“ハードターゲット”バージョンは、可能性だけではない。
(数字上の例:保険付エクイティのターゲティング)
高い評価を用いるのが都合の良いという比較可能性を検討するために、ANZIE−DOORを作り出した低賃料ベースラインモデルは、上述の表7をもたらす:住宅価格は地域的なブラウンモーションの後に年間7%の予測レートで増加し、正味賃料はゼロで一定のままである。“ハードターゲット”の例を考える:保険付エクイティ比は10年後20パーセンテージポイントにまで上昇し、それ以降そのレベルのままである。これは、最初の10年間の約0.4463の平均レートファクター、およびそれ以降のゼロのレートファクターを要求する。平均に近い住宅価値評価を表す長い価格経路に沿って、住宅所有者は、最初の10年間は出資者に付加的な支払いを行い、その後は出資者からの支払いを受ける。
住宅所有者が最初の10年間合理的に均一の支払いを希望すると仮定する。住宅価格評価への傾向が強いため、住宅所有者は、年間約0.4463の要求された平均と比較して、高いターゲットレートファクターで始めること、および(10年後)低いターゲットレートファクターで終わらせることを望む。レートファクターの平均を一定に保つこと、および年間ファクター1/(1.075)を用いた指数関数的減少のパターンを作り出すことは、かなり良好に機能する。
下述の表9は、初期住宅価値のパーセンテージとして表現された、要求される支払いの区分を示す。
Figure 2012515985
平均の結果は、極めて満足できるものである。最初の10年間、平均年間支払いのシリーズは、すべて元の住宅価値のパーセントの10分の2付近である。10年間が終わったあと、平均の成果は、住宅所有者は極端に低い成果をもたらす価格経路に対する元の住宅価値の4パーセントに等しい、またはそれよりも少し多い継続的な年間支払いを受け取るということである。このパターンの理由は簡単である。極端に低い成果を含む価格経路を除いて、レートファクターを算出するために用いられる利子iは、5パーセントで一定である。結果として、優先ブロックは一定の金額(元の住宅価値の0.8)であるため、住宅所有者の拠出の金額は均一である。正味賃料は常にゼロであるため、住宅所有者の純拠出の額は、初期住宅価値の4パーセントで一定である。11年目の始めにおいて、出資者はもっぱら住宅所有者に毎年のキャッシュにおけるこの額を支払う。
10年後、住宅所有者は保険付エクイティアカウントを介して住宅における20%のポジションを保つ。全体のパターンは、明確な“ライフサイクル”の様相を呈する。個人は、早い年に(余分な支払いを介して)貯蓄することにより富を築き、後の年に年金を受け取る。
要求される支払いの最大値は、非常に高いかもしれない。それらは、10年間で初期住宅価値の約40%となる。もちろん、価格経路のひとつとして毎年の最大の支払いを含まないかもしれない。これらの最大の支払いは、評価結果が最大である場合に生じる。支払いは高いけれども、保険付エクイティアカウントの値もまた高い。例えば、10年後の最大の住宅価値の結果は最初の価値の約4.77倍である。そのとき、保険付エクイティ比は20である。結果として、アカウントの値は初期住宅価値の約95%に等しい。高い支払いが許容不可能である場合、“アウト”において創出することは容易である。多くの可能性がある。住宅所有者は特定の支払いを低減させるオプションを有していてもよく、またはすべての支払いは任意であってもよく、それは“セルフ−メイド”蓄積スキームを作り出す。住宅所有者に、時間におけるひとつの支払いおよび種々のパターンの支払いの結果についての情報を提供することは容易である。
(中立でない、および外見上中立なDOOR金融商品)
(なぜ中立性を緩和するか?)
調節プロセスを介して中立性を獲得することは、多くの魅力的な特徴を有する。それは、結果として生じるモラルハザードに従って組み込まれたオプション、およびほとんど価値のないまたは現実に価値のないオプションを作ることによる評価課題の役割を取り除く。それは、中立なDOOR金融商品の条項をオンザフライでおよび非常に低いコストでシフトされるようにする自動的な補償調節を介した甚大な適用性を作り出す。
しかし、中立性および関連する調節プロセスはまた、必ずしも所望されない品質を作り出す。最も重要なことは、調節の矛盾に耐えるいくつかの“剰余の”要素がなければならないことである。ANZIE−DOORにとって、その要素は保険付エクイティである。それは、調節プロセスを介した経済的成果の影響に依存する異なるレートで上昇する。住宅所有者は、保険付エクイティのより予測可能な上昇を望むかもしれないが、それを得ることおよびさらに中立を維持することは、いくつかの他の要素が“剰余”であることを要求する。ANZIE’S SIDE DOORのひとつのバージョンにおいて、例えば、保険付エクイティの上昇パターンは固定されたが、住宅所有者は中立を維持するために毎年確率的な追加の支払いを行った。
より一般的には、調節プロセスは住宅所有者を大きな異なるリスクにさらす。プロセスは、賃料、減価償却、固定資産税、優先ブロックにおいて帰属された金利、住宅価値に対する優先ブロックのサイズ、および評価の予測レートのバランスを取る。これらの要素の多くは確率的である。具体的には、賃料、金利、住宅価値、および予測評価は、広く変動するかもしれない。住宅所有者は、剰余の要素における次期変化を介して直接的にこれらの変動にさらされる。例えば、一度の永続するおよび期待されない賃料上昇を考える。それは、減価償却、固定資産税、金利、および予測評価を一定に保つ。おそらく、住宅価格は上方にシフトする。これらの価格は将来正味賃料の値を利用するためである。式(4)からのANZIE−DOORに対するレートファクターを参照のこと。
Figure 2012515985
賃料における上方シフトが住宅価値の1ドルあたりの正味賃料であるνを下降させない一方で、住宅価格における上方シフトはLを減少させる。その結果は、レートファクターの下降である。シフトが極めて十分である場合、レートファクターはマイナスとなり、保険付エクイティがよりゆっくりまたは非累積的に蓄積する。
SinaiおよびSouleles(上記)の説得力のある指摘のように、住宅を購入することは、住宅所有者に対して賃料リスクを低減させ、いくつかの場合には賃料リスクをほとんど取り除く。時間的に変化する賃料を支払うかわりに、住宅所有者は住宅を購入するために1度支払いを行う。変化する賃料の影響は売却で住宅所有者に追いつく(住宅価値は将来の賃料を利用する)が、影響が重度にディスカウントされるように、売り上げはずっと将来にあるかもしれない。SinaiおよびSoulelesは、賃料リスクが実質的であることを示すために、アパートメントの賃料のデータを用いる。
ANZIE−DOORは、賃料の変動に対するシールドを取り除く。これらの変動は、保険付エクイティの上昇に影響を与え、住宅所有者を、調節プロセスを介した賃貸価格リスクにさらす。調節プロセスが十分に頻回、例えば毎日である場合、住宅所有者は賃借人よりもより賃貸価格リスクにさらされるかもしれない。賃借人は少なくとも、賃貸期間の賃貸をロックする。
このタイプの課題は、本明細書で議論された外見上中立および中立ではない変形のいくつかを動機付ける。しかし、他の動機付けがある。前に議論されたそれらのひとつは、一定の住宅所有者に対して助成金を作るという要望である。この要望は、厳格な中立性に固執しないことにより明らかに作られるかもしれず、住宅所有者に、住宅所有者の純拠出に基づく以上の利益またはクレジットを与える。
中立性を捨て去りまたは中立性から離れている多くの有用なDOORの変形がある。次の議論は、2つの事例的なものに焦点をあてる。LAZIE−DOORは典型的には外見上中立である:調節プロセスが機能し、中立性の傾向を作り出すが、要素(賃料、減価償却、予測評価等)のいくつかは固定され、それらの現実の価値を反映するように変動しない。FIXED−DOORは、条項が前方に設定され、調節がないDOOR金融商品である。FIXED−DOORのバージョンは、外見上中立または中立ではないものであるかもしれない。
(LAZIE−DOOR)
目標が住宅所有者を賃料変動から守ることであるとしたら、シンプルなアプローチはレートファクターの式において正味賃料を固定することによりANZIE−DOORを変えることである。正味賃料が固定しているとしたら、自然のアプローチはその平均の価値でそれをセットすることであろう。賃料が固定されていると同時に独立にかつ等しく分配されている(“IID”)としたら、調節プロセスは、このアプローチのもと事前に意味においておよそ中立である。(厳密な中立性は概して得られないだろう。将来において保険付エクイティ比の予測レベルがイェンゼンの不等式によりシフトするからである。調節メカニズムは、正味賃料といった要素を非直線的な形態における保険付エクイティ比に変換する。)
平均の正味賃料が例えば固定されたレートで現実のまたは名目上の成長といった傾向を有するとしたら、正味賃料は将来の全期間で予測平均価値でセットされるかもしれず、それは固定されたスケジュールをもたらす。予測住宅評価が他のファクター間の賃料の予測増加を反映するため、レートファクターの式において正味賃料を固定するアプローチは、予測評価を固定することにより、またはそれが賃料増加の予測された現実のレートを反映する調節により一般的な価格インフレーションに等しいことを許容することにより、補完されるかもしれない。
これらのアプローチは、LAZIE−DOOR:“imited Neutrality,nnually Adjusted, Capital Structure,nsured quity DOOR instruments”の事例である。LAZIE−DOORにおける“lazy”は、アジャスターがレートファクター算出のいくつかの要素の現実の価値をわざわざ見るのではなく、代わりにこれらの要素に対して固定された価値を用いるという事実に由来する。
LAZIE−DOORは、いくつかの良くターゲットされた助成金スキームを許容する。例えば、正味賃料が平均の正味賃料がプラスである管轄においてゼロにセットされるとしたら、住宅所有者は助成金、すなわち住宅に“正味賃料なしで”住むこと、を得ている。このアプローチは、従業員の住宅状況において一定の概念的な魅力を有するが、あまりに少ないまたはあまりに多くの補助金を提供するかもしれない。その場合、アジャスターは正味賃料の代わりに、ゼロ以外のあるレベルまたはある時間的に変化するが固定されたスケジュールを用いることができる。
上述の表7は、正味賃料がゼロであり予測評価が年率7%で一定である、ベースラインモデルの仮定のもとでのANZIE−DOORの操作を表す。例は、正味賃料および予測評価が変動するが、アジャスターがそれらを各々年率0%の住宅価値および7%で固定した環境におけるLAZIE−DOORに正確に対応する。その結果は、これらの数が助成金の要素を含むが助成金の要素が無い場合には典型的な住宅所有者に対して良い結果を表すのであれば、従業員の住宅事情には極めて良好なものである。住宅所有者は、すべての価格経路のシナリオにおいて実質的な保険付エクイティを増大させる。
LAZIE−DOORの多くの可能なバージョンがある。アジャスターは、パラメータ(賃料、減価償却、固定資産税、金利、インフレーション、予測評価、現実の賃料等)の組み合わせを一定に保つかまたは固定された将来のスケジュールを課すことができる。この適応性は、それらが従業員の住宅を含もうが含まなかろうが異なる状況に合わせることを許容する。
パラメータが一定に保たれる場合、住宅所有者は、DOOR金融商品のデュレーションに対するそのパラメータの変動から守られる。販売においてまたはDOOR金融商品が別の方法で終了した場合、パラメータの影響は再び現れるかもしれない。例えば、LAZIE−DOOR金融商品が固定された正味賃料を含むと仮定する。販売での住宅価格は現実の正味賃料レベルを反映し、結果として住宅所有者は、正味賃料がどのように展開するのかということに依存した一定の保険付エクイティ比に対するより低いまたはより高い支払額を受け取る。
1または2以上のパラメータを一定に保つことは、中立性がなく、組み込まれたオプションがそれらの重要性を取り戻すことを意味する。例えば、正味賃料が固定され、現実の正味賃料が固定された価値以上に変動するとしたら、住宅所有者は利益を受け取り、住宅に滞在するための人工的なインセンティブを有する。DOOR金融商品は市場よりも有益だからである。しかし、LAZIE−DOORのバージョンを用いることは価値があるかもしれない。当事者は、1または2以上のパラメータにおけるリスクの変動を出資者にシフトさせるかもしれない。またはLAZIE−DOORは助成金を実行するための良い手段となるかもしれない。助成金のいくつかのパターンとリスクの遮断とを組み合わせることは、多くの従業員住宅の状況に理想的である。そこでは、住宅所有者が、収益に比して大きくなり、リスクの大きな取引を実行する住宅支出に直面する。
LAZIE−DOORは典型的には、“外見上中立”である。調節プロセスが存在するが、そのいくつかの側面は凍結されている。これらの側面は、中立性を引き出すであろう現実の価値を反映していない。しかし、他の側面は反映する。結果は、中立性へのいくつかの傾向が存在するが、最も多く、最も純粋な形態における中立性ではないということである。
図11は、予測評価、予測減価、固定資産税、および帰属賃料が固定されているLAZIE−DOORのバージョンのための分析機器を示す、フローチャート図である。(“固定された”は、パラメータが、パラメータが金融商品ライフのデュレーションに対する1つの価値でセットされる場合と同様に既定のスケジュールに従わずに変化する場合を含む。)調節の各ポイントで、固定されていないレートファクター入力のみが、住宅価値およびレートを帰属された優先ブロックである。保証する図は、レートファクターに対する4つの入力が評価されまたは観察されるかわりに特定されることを除いて、ANZIE−DOORの図5と同じである。これらの4つの入力はデータの円柱よりもむしろDOOR金融商品特性の円柱から出現し(積み重ねられたグレーの網掛けの太字ではない長方形−計算されずに決定される)、その後レートファクター算出に流れ込む。
賃料または住宅価値といったパラメータを予測するハードの機能を介して動くことを回避するための固定された価値または固定されたスケジュール以外の他の方法がある。ひとつの可能性は、地域的なまたは国家的な賃料または住宅価格指数を用いて初期の賃料または価格レベルを調節することである。これらの指数は価格または賃料における総比率の変化を示し、始まりで見られる賃料または価格価値を上げるまたは下げるために用いられ得る。このアプローチは“怠惰(lazy)”である。サービサーが簡便に計算されるが不正確である賃料または住宅価値レベル推定に甘んじるからである。賃料および住宅価格は、典型的には総計の変化とは少なくともいくらかは異なる、問題となっている特性に対して変化する。一方、ANZIE−DOORのもとでの分析機関がどんなに高度であろうと、次期賃料および住宅価格の予測は、それでもなお近似値である。指数ベースの調節アプローチを用いることは、それでもなおANZIE−DOORそれ自体の範囲内でのよりラフな近似値を単に用いることとして考えられ得る。誰かが特定のアプローチにANZIE−DOORの名前をつけようがLAZIE−DOORの名前をつけようが、それは重要ではない。興味深いことは、ANZIE−DOORを実行するために一定のラフな近似値を使うことが、LAZIE−DOORのあるバージョンに類似するDOOR金融商品をもたらす、ということである。
(FIXED−DOOR)
FIXED−DOORは、固定されたDOOR金融商品である。その条項のどれひとつとして金利または住宅価値といった将来のパラメータの価値を条件としない。保険付エクイティまたは他のアカウントの展開は、あらかじめ決定されている。これらのアカウントは、前もって固定されたスケジュールに従ってのみならず、時間とともに変化するかもしれない。
FIXED−DOOR金融商品は、発行の時期での金融商品の市場価値が出資者により前払いされたお金の額に等しいという意味で、“開始が中立”であるかもしれない。その一時期において、金融商品の市場価値は、その内在する価値と等しい。市場のパラメータのコンディショニング無しで、たとえ金融商品の条項が固定されたスケジュールのもとで展開するとしても、この等しさは確実に消える。FIXED−DOORは固定されているため、調節パラメータは、可能性のある現実の将来の価値から逸脱する。結果として、市場価格は、ほとんど確実に内在する価値から逸脱する。
中立性に向けた付加的なステップが可能である。ひとつは、毎年の調節のスケジュール、または始まりの時間のものとしての住宅価格に対する予測結果、金利、および他のパラメータを反映する他の特性において創出されるかもしれない。予測結果が現実の結果として常に現れるとしたら、金融商品は将来にわたって中立である。もちろん、幸福な結果は驚くべき一致であろう。それにもかかわらず、この“投影的な中立”の方法における金融商品を作ることは、現実の中立性により近い将来の状態をもたらす傾向を有する。
パラメータに対する予測された将来の結果を使うことは、将来の結果を中立性の方向にさせるたったひとつの方法である。より厳格なアプローチは、中立性のいくつかの数的な方法に基づく総計の偏差の基準(例えば、平均平方誤差または平均絶対偏差)を最小化する、固定された保険付エクイティのスケジュールを選定することである。要するに、ターゲットとされる中立性の種々の異なる方法から生じる、広いクラスの“推定的に中立な”保険付エクイティ発生スケジュールがある。
図12は、推定的に中立な保険付エクイティ発生スケジュールを作り出すFIXED DOORのための分析機器を表すフローチャート図である。機器は、始まりの時期のひとつのポイントでのみ作動する。したがって、図5に表されたANZIE−DOORのための分析機器とは対照的に、図10の左手側の太字のボックスは、“起点時のデータ”を読み込む。データに対する更新プロセスはない。代わりに、機器は、発生している保険付エクイティのための推定的に中立なスケジュールを作るために、起点時において有用なデータを用いる。このプロセスは、算出されたパラメータのグレーに網掛けされた積み重なりがDOOR金融商品特性の円柱に流れ込むという事実により得られる。円柱に含まれる命令は、推定的に中立な保険付エクイティ発生スケジュールを決定するための方法を特定する。該方法および算出されたパラメータからの関連ある情報は、算出モジュールに入れられ(“保険付エクイティ発生スケジュール”と表示された六角形により示されている)、そこでは、スケジュールが最終的に決定される。DOOR金融商品特性の円柱に関連する矢印のいくつかがサイクルを形成するため、情報フローのオーダーを特定する必要がある。図における矢印のナンバリングは、オーダーを示唆する。第一に、図におけるステップ“1”として、優先ブロックにおけるデータおよび命令は、DOOR金融商品特性の円柱から非遡及型プット価値評価および優先ブロック帰属レート算出モジュール(図における六角形)に流れる。これらのモジュールの出力は、DOOR金融商品特性の円柱、図におけるステップ“2”に戻って入力される(グレーの網掛けされた積み重ねにおける他のパラメータに従って)、現在のおよび予測される優先ブロック帰属レートである。最後に、図におけるステップ“3”として、推定的に中立な保険付エクイティ発生スケジュールの所望される種類を算出するための命令と組み合わされたこれらの入力は、そのスケジュールを算出するモジュールに飛ばされる。
いくつかの場合において、中立性の要素を有しないFIXED−DOOR金融商品を発行することが望ましい。これらの“中立ではない”金融商品は、従業員の住宅または助成金が適切である他の事情においては極めて自然である。例えば、FIXED−DOOR金融商品は、出資者に事前に有利である保険付エクイティの発生のためのあらかじめ決められたスケジュールを含むかもしれない。始まりにおいて、仮説に基づいた出資者へのこのような金融商品の市場価値は、助成金を反映して、住宅所有者に前払いされたお金の額に満たない。金融商品はまた、保険付エクイティのスケジュールを個人の好みまたはニーズに合わせるために、金融商品ライフの異なる部分の間、予測レートよりも早くまたは遅く、保険付エクイティを獲得するかもしれない。
(ANZIE’S NU DOOR)
(“水面下の”住宅)
“水面下の”住宅の問題は、2007年に始まった住宅危機の間、特に明らかになってきた。ひとたび住宅価値が抵当権融資においてプリンシパルの税金以下に近づくまたは落ち込むと、実際の経済的損失を起こすおそれのある問題が生じる。第一に、非遡及型ローンを有する多くの住宅所有者にとって、たとえ住宅所有者がローンを返済し続けるための豊富な収入を有するとしても、デフォルトは金融的に価値を有するようになる。デフォルトおよびそれに続くショートセールまたはフォークロージャーは、実質的な取引コストを含む。第二に、状況は、住宅を維持すること、およびさらに略奪者からそれを守ることの住宅所有者のインセンティブは小さくなりまたは無くなるという事実により、悪化する。このような成果は貸し手のためには利益になるが、住宅所有者にはならない。最終的には、フォークロージャーにおける住宅の存在は、特にそれらが維持されていない場合、近隣の住宅の価値に悪影響を与える。この作用は、さらなる価格低下を招き、さらなるフォークロージャーおよび近隣の価格低下をもたらし得る。
この状況は、所有者から他者への所有権の移転のみでなく、現実の経済的な損失を含むということを強調することは重要である。取引コスト、維持怠慢、および近隣の外部の作用はすべて、価値における正味損失をもたらす。
次の議論は、“水面下の”状況を生じさせないDOORの変形を示す。この変形は、ANZIE−DOORに由来するが、住宅価値がほとんどDOOR変形への抵当バランス未満にならないようにする特定の特徴を付加することは容易であろう。開示の終わり近くの議論は、“救済”の関連する問題へのDOORのアプローチを記載し、それは住宅がすでに“水面下”にありフォークロージャーへの途上にある状況に対処する。
(水面より上にとどまる−もはや住宅危機ではない)
ANZIE’S NU DOORは、住宅に対する価値比率へのローンがターゲットされたパーセンテージ、例えば85%を超える場合に、住宅所有者の抵当をペイダウンすることを出資者に要求することにより完全に“水面下の”住宅問題を取り除く。さもなければ、ANZIE’S NU DOORは、ANZIE−DOORと同じである。(加えられた文字“SNU”は、“sequentially never underwater(連続して水面下にいない)”ことを表す。)
出資者が住宅所有者の抵当をペイダウンする場合、ANZIE−DOORに内在する分析機関は、それが“市場取引”であることを保証する。出資者は2つの利益を得る。
(1)ペイダウンの額により、優先ブロックが縮小し、出資者の投資が拡張する。
(2)優先ブロックがより小さいため、保険付エクイティはより遅いレートで住宅所有者のものとなる。
これらの2つの利益は、リスク調節された現在の価値において、ペイダウンのために必要とされるキャッシュの額に等しい。
図13は、本発明によるANZIE’S NU DOORのアレンジメントメントに対する利益の場合を示すブロック概略図であり、図14は、本発明によるANZIE’S NU DOORのアレンジメントメントに対する損失の場合を示すブロック概略図である。
ペイダウンのイベントの税処理は、全体のアレンジメントメントの状況において、最も良く考慮される。通常、納税者以外の当事者による借金のペイダウンは、負債の利益の実行をもたらす。ここで、しかしながら、キーとなる違いがある。ペイダウンの利益は、住宅所有者のものとはならない。代わりに、それは、支払人としての出資者に対して同額の付加的な投資を作り出し、保険付エクイティの発生を遅らせる。単に支払いの額を取引の従来の部分に関連して出資者の基礎に加えること、および優先ブロックに関連する住宅所有者の基礎からそれを引き去ることは意味をなす。他の税効果はないだろう。
ペイダウン後であっても優先ブロックがトータルの住宅価値に比して大きい場合でなければならないことは価値がない。抵当のローンは、優先ブロックの一部である。ローンに基づくローントューバリューが高い場合、比較的小さい額のエクイティのみが残る。たとえこのエクイティがすべての出資者の投資である、すなわち、住宅所有者の受託エクイティがゼロであっても、住宅所有者は実質的なレバレッジを出資者に提供し、その結果として、保険付エクイティが適切なクリップ(decent clip)で発生する。発生のレートはペイダウンの特性がない場合よりも低いが、住宅所有者は低減された利子のコストおよびより低いローンバランスの形態における正確な経済的補償を受けることは真実である。より低い抵当支払いからのキャッシュフローのレリーフは、高いローントューバリューの状態を誘導する住宅価格下降に関連する逆行の経済的環境においてかなり受け入れられるかもしれない。
図15は、ANZIE’S NU DOORを実行する分析機器を示すキャッシュフロー図である。分析機器は、抵当のペイダウンに関連するステップの集団の付加を除いて、ANZIE−DOORを実行する図5に示されたものと同様である。このペイダウンは優先ブロックのサイズを低減するため、および優先ブロックのサイズは他のパラメータの算出に影響を及ぼすため、機器は算出の残余に先行して抵当のペイダウンを算出しなければならない。図15は、ペイダウンの算出を表す、“優先ブロックにおける抵当のペイオフ”と表示された新しい六角形を含む。矢印のサイクルに固有の曖昧さを解決するために、ある矢印に番号をつけ、情報フローのオーダーを示唆している。抵当のペイダウン算出は、データの円柱およびDOOR金融商品特性の円柱に保存された優先ブロック(ステップ“2”)のプレ−ペイ−ダウンステータスからの情報を用いて推測された現在の住宅価値(ステップ“1”)を要求する。抵当それ自体(“抵当の情報”の六角形からの破線)についての情報もまた、要求されるかもしれない。最初の2ステップからの情報を与えられ、ペイダウン算出が生じる(“優先ブロックにおける抵当のペイダウン”の六角形)。結果はDOOR金融商品特性のシリンダーに戻され(ステップ“3”)、更新された優先ブロックの情報を形成する。ステップの残余は、ANZIE−DOORのステップにマッチする。更新された優先ブロックの情報は、優先ブロック帰属レートを算出するために入力される(ステップ“4”)。このレートは、グレーで網掛けされたボックスにおける他のパラメータに従って、レートファクター算出への入力として(ステップ“5”)機能する。ステップ“5”はまた、DOOR金融商品特性の円柱からレートファクター算出への入力を含み、その円柱から保険付エクイティ比の算出への入力(ステップ“6”)が存在する。
ANZIE’S NU DOORが広く用いられると、フォークロージャーウェーブを含む従来の住宅危機は消えるだろう。抵当の貸し手に対する強い正の外部性もある。ローンは常に投資のクッションにより保護される。戦略的なデフォルトはなく、収入または他の逆境における落ち込みが住宅所有者の抵当権の設定の能力を低減させる“クレジットデフォルト”があるのみである。
クレジットデフォルトの状況において、ANZIE−DOORおよびANZIE’S NU DOORの両方は、現在のものとは実質的に異なる取引環境を作りだし、住宅所有者、抵当権者、および出資者に対するより高い共同の経済的利益をもたらす。現在、抵当権設定者および抵当権者は、抵当権設定者が支払いに失敗した後、対立する。フォークロージャーが現れ、住宅所有者はその合間に無料の住居を受け取り、住宅を維持する住宅所有者のインセンティブは崩れた。リストに載っていない電話番号に変え、債権者からの郵便物を投げ捨てる住宅所有者の古典的な像は、協力するインセンティブの欠落を実証する。住宅を維持する逆行の住宅所有者のインセンティブを伴う協力不足は、現実の経済的損失を引き起こす。
ANZIE−DOORおよびANZIE’S NU DOORのもとでは、状況は非常に異なる。住宅所有者は典型的には、実質的な保険付エクイティおよび可能な限り高い売却価格からの利益を有する。住宅所有者が異なる経済的環境により流動的に強要されているとしたら、これらの利益を迅速かつ完全に認識する強いインセンティブがある。住宅所有者および抵当権者のインセンティブは同じ立場にあり、もし始めていなかったら、住宅所有者は抵当権者からの電話を取る。
ANZIE−DOORのもとでは存在し、ANZIE’S NU DOORのもとでは存在しない抵当に関連した問題がある。ANZIE−DOORおよびANZIE’S NU DOORのもとで保険付エクイティのスキームに組み合わされた維持の契約は、潜在的な共同利益を含む抵当権者に対する正の外部性を作り出す。多くの場合、フォークロージャーが差し迫るという時に、住宅所有者は実質的な保険付エクイティを有する。結果として、住宅所有者は、フォークロージャーセールが終わるまで住宅を維持および保護する強いインセンティブを有する。さもなければ、終わりにおける住宅所有者の保険付エクイティのリターンは、ドルベースで、より安い。正味の成果は、抵当権者のための当然の貯蓄とともにフォークロージャーのプロセスに進む住宅の物理的な劣化における大きな低減であるべきである。競争的な抵当市場と仮定すると、これらの潜在的な貯蓄の一部またはすべては、より低い抵当のコスト(金利、ポイント等)の形態において、および場合によってはより多くを借り入れる能力の形態において、住宅所有者のものになるかもしれない。しかし、ゼロ・サム・ゲーム以上のものがある。少なくとも貯蓄の一部、および場合によっては実質的な部分は典型的には、共同利益を表す。多くの場合において、適切な時における住宅メンテナンスの少ない出費は、将来における補正のさらに大きい出費を取り除く。すなわち、古典的な“雨漏りする屋根”の現象である。(早い時期に安価なパッチで漏水を止めることは、しばしば高額の修正を必要とする水のダメージを防ぐ。)
問題は、ANZIE−DOORの契約は、住宅所有者と出資者との間であり、住宅所有者と抵当権者との間ではないということである。出資者は、フォークロージャーに直面して維持のインセンティブを厳格にすることにより住宅価格を高めるという条項を含むインセンティブを有しない。その反対が該ケースである。フォークロージャーセールの直前に住宅が激しく劣化するとしたら、出資者はよりよい状態である。出資者は、資本構造の側面において失われたままになっている投資を有さず、より低い売却価格は住宅所有者への出資者の保険付エクイティの負担を低減する。要するに、ANZIE−DOORは、より低いフォークロージャーのコストは、抵当権者への正の外部性を作り出すが(住宅所有者により部分的または全体的に補足されるかもしれない)、出資者に害をもたらす傾向にある、ということを与える。DOOR金融商品の出資者が抵当権者であれば、この外部性は内面化したものである。もしそうでなければ、契約による外部性を解決する機動力がある。第三者の抵当権者は、DOOR金融商品の条項に関心があり、好ましい抵当の条項に対するコンディションとして、またはすべてにおいて融資するコンディションとして、一定の要件をあげるかもしれない。これらの契約条項を設けることおよび実行することは、外部性が内在していれば無い、明らかなコストを含む。一方、出資者に対する抵当権融資での第三者の貸し手の助言は、あまりに実質的なので、外部性の対処における余分な固有コストにかかわらず、住宅所有者へのより経済的な抵当をもたらす。
ANZIE’S NU DOORのもとでは、外部性の問題は無い。出資者は、最大LTVを維持するために抵当をペイダウンするよう義務づけられており、維持のインセンティブが消滅する悪夢のシナリオ、および物理的な劣化を保証することに起因する住宅価値下落を回避することを望む。下向きの価格経路にておいて、出資者は、100%の抵当の保険担保を提供することになり、完全におよび先制して抵当権者の潜在的な損失を補償する。例えば、初期住宅価値が200,000ドルであると仮定すると、抵当の主要なバランスは900,000ドルであり、契約は90%の最大のLTVを規定する。住宅価値が50,000ドルに下がるとしたら、出資者はLTVを90%に戻すために抵当権者に45,000ドル支払う必要がある。しかし、45,000ドルの支払いはまた、出資者への5,000ドルのエクイティを作り出す。正味の移動は、40,000ドルであり、抵当における損失であったものと正確に等しい(すなわち、初期のプリンシパルのバランス(90,000ドル)マイナス住宅価値(50,000ドル))。要するに、出資者は、次善の維持により生じた損失に関連する抵当権者の状況に立つ。外部性は存在しない。
(ANZIE’S NU DOORは“遡及型”か?)
ANZIE’S NU DOORは、遡及型の側面を含む。住宅所有者が抵当を介して優先ブロックに資金を出した程度にまで、出資者は潜在的に損失の窮地に立たされる。しかしながら、金融商品は、ローンのみを返済する責務が、デフォルトのイベントがあるまたはローンが終了するときに生じる、伝統的な遡及型の責務とは異なる。ANZIE’S NU DOORは、出資者がデフォルトが現実の可能性となる前に抵当をペイダウンしなければならいという意味において、先手をとったものである。この特徴は、いくつかの場合において、デフォルトが起こらなかったであろうけれども、ペイダウンが存在する、ということを意味する。
今までのところ特定されたようなANZIE’S NU DOORと伝統的な遡及型の責務との間に他の潜在的な違いが存在する。ANZIE’S NU DOORのもとでの先手の支払いは、住宅所有者が被る抵当の責務に縛られる。しかしながら、住宅所有者は、抵当権融資を選択し、受託エクイティとして優先ブロックの一部を保つかもしれない。ANZIE’S NU DOOR金融商品が抵当の借り入れを制限しないとしても、住宅所有者は、住宅価値が優先ブロックの“プリンシパル”の額より下回って落ち込むおそれがある場合、戦略的にふるまうインセンティブを有する。その状況において、住宅所有者は受託エクイティを“ファイナンスアウト”することを望み、それを抵当の責務に変換する。この動きは、出資者への受託エクイティだったものに関連する損失のリスクをシフトする。全体の優先ブロックは拠出されており、住宅の価値が十分下がるとしたら、出資者はそれをペイダウンしなければならない。
すべての住宅所有者が戦略的に行動し、抵当権融資のコストが下がるとしたら、ANZIE’S NU DOORのもとでの優先ブロックのローンは十分に、付加的な先手のペイダウンの特徴を有する遡及型である。抵当権者にとって、または住宅所有者にとって、損失の可能性はない。結果として、出資者は、同様のデュレーションのローンに対するリスクのないレートよりも高いレートで、優先ブロックにおける帰属利子を支払うことを嫌がる。いくらかの住宅所有者のみが戦略的に行動するとしたら、状況はより厄介である。金融商品の条項は、戦略的なふるまいの可能性に値段をつけなければならず、そのようにするのに最適なときに受託エクイティをファイナンスアウトすることにより従う住宅所有者は、ファイナンスアウトにより受託エクイティを保護しない住宅所有者の負担で好ましい条項を受ける。熱心が住宅所有者は保証されるときに動くことを望む、という組み込まれたオプションが存在する。この問題を解決するひとつの方法は、抵当のペイダウンの特性に加えて、金融商品を明確に遡及型にすることである。受託エクイティをファイナンスアウトすることにより得られる利益はない。住宅所有者はイベントにおいてそれを戻すことを保証され、その間それにおける適正な“市場の”レベルのリターンを得る。
すべての住宅所有者が戦略的にふるまうとしたら、ファイナンスアウトは、莫大な取引コストを含む場合、非効果的に終わるかもしれない。これらの“モラルハザード”のコストを受けることおよび効果的な遡及型の優先ブロックの責務の同じ結果で終わることよりもむしろ、最初の段階で全体のブロックを明白な遡及型にすることに意味があり、それは、下述のANZ’S NU TRIE DOORとして記載されるアプローチである。
たとえ金融商品がまた遡及型の責務として全体の優先ブロックを処理するとしても、ANZIE’S NU DOORの先手のペイオフの特徴は、価値を加えるということを述べるのは重要である。ペイオフは、住宅所有者がその結果を成し遂げるローンをペイダウンする流動性を有しないかもしれない時点で、住宅所有者の負担コストを低減させる。住宅所有者に対する逆行する金銭的環境に関連される住宅価値における落ち込みの傾向を心に留めておくのが重要である。地域の経済悪化は、収入、職業の安定、および住宅価格に同時に影響を及ぼす傾向にある。ペイオフの特徴はまた、抵当権者に保障をもたらす。それは、DOOR金融商品への出資者が、特徴が売却またはその他により引き起こされる場合、抵当の不足に対して抵当権者を補償することによりいくつかの将来のポイントで遡及型の特徴において機能するかどうかについての疑念を取り除く。この付加された保障は、より低い抵当のレートまたはより大きな部分の優先ブロックに拠出する住宅所有者の能力となるかもしれない。
優先ブロックの責務を遡及型にすることは、先行するペイダウンの責務がなくても、潜在的に興味深い特徴である。下述の議論は、部分的に遡及型であるDOORの変形によるその可能性を探る。それはまた、より詳細にANZIE’S NU DOORに関連するモラルハザードの論点を議論する。
(遡及型および部分的に遡及型のDOOR金融商品)
ANZIE’S NU DOORを例外として、今までのところ考えられるすべての変形は、優先ブロックに関連した非遡及型であった。結果として、帰属された金利、iは、非遡及型ベースで、優先ブロックの“プリンシパル”を出資者に貸すことを住宅所有者に補償するプレミアムを含む。上述で議論したように、このプレミアムは、住宅価値が優先ブロックのプリンシパルの額を下回ったときに増大する。その成果は、住宅所有者に好意的に保険付エクイティのより早い発生である。同時に、住宅所有者は、受託エクイティであるかまたは遡及型の抵当でカバーされた部分において直接的に優先ブロックのプリンシパルの損失のリスクを負い、および第三者からの非遡及型の抵当のローンで拠出される部分における抵当のデフォルトのオプションに対して割増で支払われてきた。すべての住宅所有者が、リスクとリターンとの間のこの特定のトレードオフを好むわけではない。結果として、部分的にまたは全体的に遡及型であるDOORの変形のための範囲がある。
(ANZ TRIE DOOR−全体的に遡及型の変形)
ANZ TRIE DOORは、優先ブロックのローンが全体的に遡及型であることを除いて、ANZIE−DOORと同じである。(優先ブロックの“全体的に遡及型”の特性は、ANZIE−DOORの名称に“TR”の文字を付加させる。“Ann’s Tree Door”の発音が示唆される。)この変形は、逆行する住宅市場の結果に起因して優先ブロックの一部分またはすべてを失うことを恐れる、リスク回避型の住宅所有者に適する。出資者は受託エクイティのリターンを保証し、優先ブロックにより確保された、住宅所有者がかけるローンに対する100%の抵当保険を効果的に提供する。この保証は、優先ブロックの“プリンシパル”における帰属された金利であるiが、非遡及型ベースにおける貸し付けに対して住宅所有者を補償するプレミアムを含まないことを意味する。結果として、保険付エクイティは、住宅価格の結果が低い場合に、よりゆっくりと発生する。下述の表10は、ベースラインモデルにおける次期結果を示す。
Figure 2012515985
これらの結果を前述の表7の結果と比較すると、非遡及型の融資が、非常に低い成果を含む価格経路に沿ったより高い保険付エクイティ比をもたらすことは明白である。10年で、12,000価格経路を越える最大の保険付エクイティ比は、非遡及型のケースにおけるものよりも約5ポイント高く、30年で、そのギャップは約3ポイントである。99パーセンタイルの保険付エクイティの成果は、ほんの少し高いが、より低いパーセンタイルまたは平均の結果に対してほとんど違いがない、またはまったく違いがない。結果のパターンは、住宅価格の予想変動率に対する仮定値に重く依存する。より高い予想変動率は、すべてのパーセンタイルでより大きな影響をもたらす。例えば、9%の代わりに11%に等しい予想変動率を用いる、ここでは報告されていないシミュレーションは、99パーセンタイルの結果に対して1パーセンタイルポイント位まで保険付エクイティ比上昇をもたらす。
図16は、ANZ TRIE DOORを実行する分析機器を図示したフローチャート図である。分析機器は、優先ブロック帰属レートが異なって算出されること以外は、図5に図示されたANZIE−DOORのものと一致している。ANZ TRIE DOORのもとでは、非遡及型プットに関連した額を計算するステップは存在せず、図5で明確である関連する六角形は図16では出てこない。優先ブロックのローンは、ANZ TRIE DOORのもとでは遡及型である。結果として、優先ブロック帰属レートはローンの非遡及型特性に基づくプレミアムを含まず、関連したプットを評価する必要はない。
ANZ TRIE DOORは、リスクをとるポジションにいない住宅所有者のための非常に強力なオプションである。支払い能力のある出資者を仮定すると、住宅所有者はお金を失い得ない。頭金または抵当の償却の形態における受託エクイティは、完全に保護される。抵当の貸し付けは、出資者により完全に保証される。この特性は、かなりの“クレジット増大”を作り出すことができる。出資者のクレジットのポジションは、借り入れを後押しするからである。結果は、抵当において非常に好ましいレートであるべきである。
遡及型のアレンジメントは、住宅が優先ブロックのプリンシパルの額よりも価値が下がった場合に、出資者からの支払いが住宅所有者または抵当権者に支払われるかどうかを特定しなければならない。例えば、20,000ドルの受託エクイティと180,000ドルの抵当バランスとからなる200,000ドルの優先ブロックのプリンシパルがあると仮定する。住宅が160,000ドルで売れると、出資者は(i)住宅所有者に40,000ドル支払うか、それとも(ii)抵当権者に20,000ドルおよび住宅所有者に20,000ドル支払うか?後者の場合、明白な抵当保険がある。前者の場合、住宅所有者は、抵当権者に20,000ドルの損失をさせ、20,000ドルを持ち去るかもしれない。明白な抵当保険のバージョンは、2つのうちより有用なアプローチであるようだ。保険付エクイティのアレンジメントにおいて、住宅所有者はすでに低い売却価格の状況において著しい保護を享受している。典型的には、より大きいペイオフを提供する必要はない。結果として、それは、契約上のアレンジメントが抵当保険のバージョンであるという議論において仮定される。
住宅所有者に対する強力なクレジット増大の利益は、優先ブロック100%を後押しする出資者の責務に由来する。多くの価値を作り出すかもしれないが、負債における制限が原因で出資者により魅力的であるかもしれないという、極端ではない程度のコミットメントが存在する。“部分的に遡及型”のアレンジメントのいつくかの例が、後述される。
そのようにする前に、全体的な遡及型の変形は、ANZIE’S NU DOORの議論において導入された順次的な先手のペイダウンの特性を補って完全にするものであることを強調することは価値がある。それは、興味深い変形が“ANZ’S NU TRIE DOOR”であるということである。出資者は受託エクイティを保証し、優先ブロックのLTVがいくつかの最大値を超えないようにするために抵当をペイダウンする。この変形は、ANZIE’S NU DOORを伴うモラルハザードの問題を完全に取り除く。住宅所有者にとって、受託エクイティの損失を回避するために、受託エクイティを抵当の借り入れにシフトする理由はない。出資者はすでに、受託エクイティを保証してきた。
(部分的に遡及型の変形)
有用な“部分的に遡及型”の変形を作り出すための多くの可能性がある。ひとつのアプローチは、優先ブロックのローンに対して遡及型であることであるが、それは一定の額までである。例えば、優先ブロックが200,000ドルである場合を考える。出資者は、最初の20,000ドルの損失のみに関連する遡及型のステータスに取り組むかもしれない。住宅が180,000ドルまたはそれ未満で売れた場合、出資者は住宅所有者または抵当権者に20,000ドルまたはそれ未満を支払う。このアレンジメントのもとでは、住宅所有者は、損失のリスク無く、20,000ドルの受託エクイティに至るまで蓄積することができる。同時に、出資者の債務は制限され、住宅所有者および出資者は、180,000ドルの額未満の抵当の借り入れにおける住宅所有者のデフォルトのオプションから合同で利益を得る。このアプローチは、デフォルトのオプションの対する価格が当事者に合理的であることが明らかになれば、理にかなう。
アレンジメントの形態を決定することにおいて、住宅所有者および出資者を抵当権者に対する共同の投機家として考えることは有用である。出資者に抵当権者よりも低い価格でデフォルトのオプションを提供する意思があれば、当事者は完全な遡及型のDOOR金融商品に合意することができる。住宅所有者および出資者は、そのようにする“利益”を分割することができる。いくつかの場合において、出資者は、住宅所有者についての、またはデフォルトのオプションの提供に対して出資者がより低い価格を申し出できるようにする住宅についての、抵当権者よりもより多くの情報を有しているかもしれない。
他の可能性は、出資者に対して受託エクイティに関連して保証することではなく明確な抵当保険を提供することである。このアレンジメントの多くのバージョンが存在する。包括的な抵当保険のスキームにおいて、出資者はいくらかのまたはすべての抵当を100%支持する。価格設定は動的であり得、それは中立のDOOR金融商品を明確に示す分析機器に基づく。各々のフォーマルな調節期間の始めにおいて、次期に抵当保険を提供する市場価値は、純拠出算出における出資者へのクレジットであり、住宅所有者に好意的に保険付エクイティまたはバランシングの剰余の発生を遅らせる。中間の調節は、いつ抵当の借り入れが償却スケジュールを介する以外で変化しようとも、作られる。例えば、住宅所有者がより多く借り入れする、または期間の始まりにおいて存在する抵当のひとつの一部分もしくはすべてを前払いするときである。包括的な抵当保険のアレンジメントは、出資者の見通しからの良好なバランシングの特性を有する。住宅価値が優先ブロックのプリンシパルの額にまたはその額以下に落ち込むとしたら、保険付エクイティまたは他の残余アカウントは住宅所有者に好意的に急速に発生する。出資者に好意的な抵当保険の“クレジット”は、この傾向を和らげ、レートの発生を抑える。中立なDOOR金融商品に対する一般的な場合のように、出資者は被った抵当保険の責務に対する市場ベースの補償を受ける。
包括的な抵当保険の特性を有するこのバージョンは、要するに先行のペイオフの特性を有しないANZIE’S NU DOORとなる。保険は売却での住宅所有者によるデフォルトをカバーするが、売却前の抵当をペイダウンする責務はない。保険の利益に“値段をつける”調節メカニズムは、抵当のバランスシフトとして適合し、ANZIE’S NU DOORを合理化する。借り入れの増大は、出資者に対して付加的な“抵当保険”の補償をもたらす。しかしながら、調節プロセスは、潜在的なモラルハザードの問題を解決しない。不均衡な情報の問題が存在する。住宅所有者が、近い将来動きがありそうだということ、および住宅の現在の価値が優先ブロックのプリンシパルの額より著しく上回ってはいないことを知っていれば、住宅所有者は抵当の借り入れを増加させることによる受託エクイティをキャッシュアウトするインセンティブを有する。表5の結果に示されたとうに、住宅を所有することの短期の予測デュレーションは、出資者に対してより重い抵当保険の“プレミアム”となるべきである。しかしながら、出資者はショートデュレーションが起こりそうであると疑う(それ自体のキャッシュアウトのイベント以外で)理由を有していないかもしれない。これらの状況は、キャッシュアウトされた部分を提供された保険を制限するまたは遅らせるといった契約上のレスポンスを要求するかもしれない。前述で議論されたように、ANZIE’S NU TRIE DOORは、全体的に遡及型の金融商品を完全な解決策を提供するための先行のペイオフに結合させ、モラルハザードを取り除き、関連する契約上または交渉上のコストを回避する。
このモラルハザードの問題を回避するための他の方法は、遡及型の責務と、優先ブロックにおける受託エクイティに対する抵当の結合物との間のリンクを取り除くことによる。例えば、200,000ドルの優先ブロックのプリンシパルがあると仮定する。出資者は、住宅価値が160,000ドルを下回って落ち込む程度にまでのみならず、60,000ドルの損失を“保証する”ことを約束するかもしれない。160,000ドルを下回る売却価格は、住宅所有者または抵当権者への支払いをもたらし、それは、当事者が160,000ドル未満のブロックの部分に拠出しているということに依存する。出資者の負債は売却価格にのみ依存し、抵当と受託エクイティとの間の結合には依存しない。結合物を修正する住宅所有者の能力に起因するモラルハザードの問題はない。
多くの他の問題が存在する。例えば、いつ住宅所有者が新しいローンを始めても、契約は出資者に抵当保険を提供することを求めるかもしれず、それは純拠出の算出において出資者に説得力を持つプレミアムを伴う。出資者がオファーの価格に関連して選択肢を有するため、出資者は、環境がそのようにするのが賢明であると決定するときに、オファーに高い値段をつけることにより潜在的なモラルハザードの状況に対処することができる。このタイプのアレンジメントは、出資者自身が洗練された抵当の貸し手または保険業者であれば、非常に魅力的かもしれない。
(COZIE−DOOR−売却または平和に退職)
(エクイティ縮小および所得の流れ)
住宅所有者は時々、住宅からエクイティを売却したいと望む。売却は、ライフサイクルの設定において合理的な動きであり得る。古典的な例は、収入が必要であり、実質的な価値を有する大切な抵当フリーの住宅に住んでいる、退職した人である。住宅所有者は、その住宅に住み続けたいが、年金に加入してお金を得る、または他の方法でキャッシュリターンを作り出すことを望む。売却−リース戻しと同様にリバース−償却の抵当といった種々の市場デバイスがこの状況に取り組む。多くのこれらのアプローチに伴う問題は、それらが利子または賃料支払い、すなわち、悪い方向に進むキャッシュフローを含むということである。加えて、リバースの抵当といったデバイスを伴うと、不確実性の強い要素が存在する。住宅所有者が長期間住んでおり住宅価格が停滞または下落している場合、抵当は住宅のエクイティをすべて用い尽くすことができる。典型的には、リバースの抵当の契約は、住宅所有者に、不足のこの可能性に対して抵当権者を補償する前にプレミアムを支払うことを要求する。リバースの抵当はまた、住宅所有者のエクイティを最もリスキーな位置に置く。
退職した住宅所有者にとって、売却の戦略は、それが利子または他の支払いを含まず、将来の収入に関連してできるだけ予測可能であり、最小の注意または管理を要するのであれば、ベストの機能を果たす。DOORの適応性は、このアジェンダを満たす多くの可能性を作り出す。開示のこの部分は、“CO”が“売却(cash out)”を表す頭文字“COZIE−DOOR”のもとでの変形の一群に焦点をあてる。これらの変形は、保険付または受託エクイティの要素、Z資本構造、および中立性を含む。それらは、住宅所有者および出資者のポジションが逆であるという意味において、ANZIE−DOORと異なる。COZIE−DOORを詳説する前に、ANZIE−DOORタイプのアプローチおよび逆転を動機付けるかもしれない関連問題を議論することは価値がある。
ANZIE−DOORを用いる非常にシンプルなアプローチは、始まりにおいて中立である最大の可能な売却を算出すること、および取引を凍結させる(すなわち、断続的な調節)ことである。例えば、退職した個人が抵当の借金なしで600,000ドルの価値の住宅を所有していると仮定する。出資者が、始まりにおいていずれの方向にも保険付エクイティのフローがないといったANZIE−DOORのもとで提示するであろう、いくらかの金額例えば250,000ドルが存在する。優先ブロックのレバレッジは、正確に正味賃料を相殺する。断続的な調節なしでは、住宅所有者は25万ドルのエクイティを得、永久に賃料無料で居住する。抵当金利の支払いはなく、住宅所有者の残りの350,000ドルは、出資者の250,000ドルのエクイティ以上のプライオリティを有しており、それは第一抵当に非常に近い。住宅所有者は、住宅ファイナンスパッケージのある態様を管理するステップを踏む必要はなく、250,000ドルの年金または他の投資からの収入の付加された要素に伴う彼または彼女のライフスパンのリマインダーのためにただ賃料無しで居住することができる。
この収入は非常は魅力的であるが、いくつかの隠れた問題がある。中立性は始まりにおいてのみ存在する。住宅価値はその後落ち込むと仮定する。住宅所有者は、金融商品をペイオフし新しいものに借り換えるインセンティブを有する。この新しい金融商品は、住宅所有者に前よりもさらに多いエクイティを得ることを許容すべきである。前回の例において、住宅価値が600,000ドルから350,000ドルに落ち込むと仮定する。その落ち込みは、出資者のエクイティを消し去る。住宅所有者はしきりに戦略的な借り換えをしようとする。それが金融商品の条項により除外されるとしたら、住宅所有者は戦略的な販売を介して同様の結果を成し遂げることができる。同等の住宅の購入と組み合わされた販売は、大事な家に滞在する剰余価値の混乱および損失を意味する。いくらかの住宅所有者にとって、この消費者の剰余はあまりにも高いため、それが強力な金融上の利益を有するとしても、彼らは戦略的な販売に携わらないであろう。それにもかかわらず、他の住宅所有者は、この状況において戦略的にふるまうであろう。最低でも、潜在的な生活補助付きの退職者向けコミュニティに引っ越すといったあるオプションは、戦略的な販売からの利益の形態における実質的に付加された金融的な誘因があれば、より魅力的になる。
状況は、従来のエクイティ金融商品に対して存在していたのと同様である。出資者のポジションはゼロの内在する価値を有するが、出資者は潜在的に非常に価値の高いコールオプションを有する:住宅におけるすべての将来の評価への権利である。出資者を一掃し、住宅所有者は、最初の取引への同様の期間において、より多くのエクイティ(もしかすると残り350,000ドルの150,000ドル)を得ることができる。
このタイプの戦略的なふるまいが実際に頻発すれば、出資者は前払いの“モラルハザード”のプレミアムを要求するだろう。取引の全体の金融的な利益を認識するために、住宅所有者は戦略的にふるまい、そのようにすることにエネルギーを費やさなければならない。戦略的な借り換えが契約上禁止されている場合においては、戦略的に行動することは、大事な家産から引っ越すことを要求する。
住宅が値上がりすれば、反対の状況が主流となる。住宅所有者は、評価された価格での住宅を伴う新しい取引において出資者の現在の負担と同等の額のエクイティを得ることができない。したがって、住宅所有者が売却し同等の住宅に移るとしたら、金融取引はさらに悪化する。例えば、600,000ドルの住宅が1,200,000ドルに値上がりしたと仮定する。住宅所有者が売却し350,000ドルの受託エクイティを引き出し、同等(1,200,000ドル)の住宅を購入しようとする場合、住宅所有者はさらなるエクイティを投入し、非常に大きなローンを組まなければならない。我々が元々の取引に疑念を抱くとしたら、DOOR金融商品は1,200,000ドルのうち500,000ドルだけを出資し、住宅所有者にとっては引越に要する700,000ドルのうち350,000ドルが不足する。
したがって、このシンプルなアプローチは、解決の難しいものである。金融商品のANZIE−DOORのタイプのもとでは、取るに足らない価値の金融商品に関連する組み込まれたオプションを作り出すのに十分なほど頻回に調節することが望ましい。しかし、頻回の調節では、いずれの方向にも進む保険付エクイティの端においてすぐにスタートすることは、リバースの償却抵当と同様の問題を潜在的に作り出す。住宅の価値が上がれば、出資者は保険付エクイティを蓄積する。その価値評価が持続すれば、出資者の保険付エクイティの額は、住宅所有者の受託エクイティよりも価値が上がるようになり得る。
ひとつの可能性のある答えは、ANZIE−DOORを続けることであるが、住宅所有者の(1)キャッシュリターンを増大させる、(2)安定性を保証する、という目標に一致する結果を成し遂げるための条項を変えることではない。
例えば、回収された額は、初期の保険付エクイティ増大を消去するのに必要な額未満であるかもしれない。このアプローチは、マイナスの保険付エクイティが存在する状況を防ぐ傾向がある“クッション”を作り出す。住宅価値が落ち込み保険付エクイティが非常に早く増大する場合、金融商品は一定のパーセンテージを上回って保険付エクイティを売却するかもしれない。一方、住宅価値が増大すれば、金融商品は保険付エクイティよりも受託エクイティを増大させるかもしれない。結果は、より大きな“優先ブロック”レバレッジおよび住宅所有者への保険付エクイティのポジティブなフローを維持する傾向である。
このアプローチでのいくつかの問題がある。第一に、住宅所有者のリターンが、安定性の目標に反して、不明確である。第二に、住宅の経済的価値の一部が、保険付エクイティからなるクッションを作り出すのに徹する。そのクッションを維持することは、売却の目的を与えられた利益よりもコストがかかることである。ANZIE−DOORは住宅所有者にとって重要であるキャッシュフローの要素に関連して非常に安定的であるため、クッションは必要である。
(COZIE−DOORアプローチ)
多くの状況において優れた他の手段は、ANZIE−DOORのもとで存在する資本構造並びに住宅所有者および出資者のエクイティ発生のポジションを逆転させることである。結果は、COZIE−DOORの種々のバージョンである。これらのバージョンの分類において少なくとも2つの側面を考慮することが有用である。第一に、異なる“売却”のスキームがある。2つのこれらのスキームは、下述のように考えられる:定期的な支払いおよび単一の一括払いの分配、すなわち、各々“年金のバージョン”および“一括払いのバージョン”である。
他の側面は、当事者の純拠出のバランスをとる、剰余のアカウントの選択肢を含む。ANZIE−DOORのもとでは、保険付エクイティは剰余のアカウントである。COZIE−DOORの対応する“保険付エクイティ”バージョンは、住宅所有者の代わりに出資者の好意により保険付エクイティを得ることによりANZIE−DOORを正確に逆転させる。しかしながら、いくつかのCOZIE−DOORの適用において、異なる剰余のアカウントを用いてバランスをとるのがベターである。この開示は、保険付エクイティよりもむしろ受託エクイティが残余のアカウントであるところのCOZIE−DOORの“受託エクイティ”バージョンを考慮する。
ANZIE−DOORのもとで住宅所有者および出資者のポジションを逆転させることを含まないCOZIE−DOORの一側面がある。COZIE−DOORおよびANZIE−DOORの両方のもとでは、住宅所有者は住宅に居住し、帰属賃料より完全に利益を得る。下述で考えられたCOZIE−DOORのいくつかのバージョンは、ANZIE−DOORとの他の類似性を共有する。住宅所有者は、減価償却および固定資産税に対して責任を有する。COZIE−DOORのもとでは、帰属賃料と同様に正味賃料も住宅所有者ものとなり、それはANZIE−DOORのもとでそうであるのと同様である。
(年金バージョン)
COZIE−DOORのもとでのひとつの売却スキームは、出資者に、永続的に住宅所有者に固定されたまたはスケジュール化された支払い、すなわち“年金”を支払うことを要求する。引き換えに、保険付または受託エクイティは、ANZIE−DOORを明確に示す、同種の断続的な調節メカニズムのもとで出資者に好意的に増大する。レートファクターの算出は、いくらか異なる。式(4)の右手側の分子は、正味賃料の条項を含まない。正味賃料は、出資者ではなく住宅所有者に流れ込み、出資者の純拠出を算出するように減算されるべきではない。その純拠出はキャッシュ支払いに等しく、分子は住宅価値のポピュレーションとして適用可能な期間に対するキャッシュ支払いレートからなる。
図17は、本発明によるCOZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンを示すブロック概略図である。
COZIE−DOORの受託エクイティの年金バージョンを排除する理由はないけれども、短さのみのために、保険付エクイティバージョンは、COZIE−DOORのこの導入において考慮される。もちろん、一定の出資者および住宅所有者は、年金の売却の状況において受託エクイティバージョンを好むかもしれない。受託エクイティのバージョンは、いくつかの救済の状況において特に有用であり、それは下述のそのテーマの一部として議論される。
ANZIE−DOORのもとでの場合のように、COZIE−DOORのもとでの保険付エクイティの発生のレートは、確立論的であり、将来において可能な多くの異なる市場の状況に基づき広い変形の影響を受ける。このリスクは出資者のリターンに影響を与える。表7の数字の例は、COZIE−DOORの保険付エクイティバージョンのもとでの出資者のリターンがベースラインモデルのシナリオにおいて何のようであろうかいうことを示す。その例は、住宅所有者および出資者のポジションを逆転させるのであれば、COZIE−DOORに正確に一致する。ベースラインモデルは、正味賃料が保険付エクイティ算出においてゼロであると仮定する。その仮定はCOZIE−DOORに対して“真実”である。正味賃料がレートファクター算出において減算されないからである。ベースラインモデルのシナリオにおける出資者にとって、未来は輝かしい。出資者が、そのパーセンテージが著しく遅いレートで上昇する価格経路の利益に対してでさえも実質的な保険付エクイティ比で現れるからである。
住宅所有者はこのアレンジメントの他の側面にいるが、保険付エクイティをあきらめる代わりに、住宅所有者は将来にわたって無期限に伸びる低リスクの予測可能なリターンを認識する。リターンは始まりでの住宅価値に対して著しく大きいかもしれない。例えば、それは、1年ごとの始まりでの住宅価値のいくつかのパーセンテージポイントに等しいかもしれず、所望されればインフレーションの調節を伴う。
リバース−償却の抵当と違って、保険付エクイティの発生があまりに高くなり得るため金融商品が終了しなければならないという方法はない。保険付エクイティ比は100を超えることができない。上述の式(5)を参照する。
加えて、住宅所有者は剰余の要求者のままである。住宅価格が急上昇すると、住宅所有者は利益の実質的な部分を認識し、所望されれば将来移動しやすくする。
このCOZIE−DOORのバージョンは、借金なく住宅を所有し、その住宅に住み続けることを望み、しかしキャッシュフローが必要である人に特に適切である。この状況において、住宅により保証された抵当借り入れを禁じることによって出資者のリターンを保護することは可能である。そのアレンジメントのもとでは、出資者は、住宅所有者が関連性のある保険付エクイティ比を販売において対応する現実の住宅価値の額に変える方法を有するという確信を有する。
このCOZIE−DOORのバージョンは、契約が、売却で、と同様に、住宅所有者の死亡によって終了することを要求する。さもなければ、家族が、贈与または承継を介して次の世代に住宅を継続的に渡すことにより、保険付エクイティにおいて常に払い込むことなしに、無期限に出資者からの支払いを継続することができる。死亡による終了は、より全般的な適用を有する。いつ契約条項がクレジットの価値といった住宅所有者の特性になろうとも、それは有用である。このような場合において、出資者は、住宅が販売以外のある方法により新しい所有者に渡った後に、それを援助し続けるよりもむしろ金融商品を終了させるオプションを少なくとも1つ有することを望む。
潜在的な維持の問題がある。保険付エクイティ比が高いレベルに上昇したら、住宅を維持しない結論は、住宅所有者へのドル対ドルの影響よりもはるかに小さい影響を有する。この状況に対処するひとつの方法は、契約が住宅所有者に保険付エクイティのアカウントよりもむしろ住宅所有者の販売利益から販売時の不足を埋め合わせることを義務付けることを除いて、ANZIE−DOORのもとでのものと同様のメンテナンスの責務を作り出すことである。そのアカウントは、出資者に属する。
可能なメンテナンスの責務以外に、このCOZIE−DOORのバージョンは住宅所有者の部分における能動的な管理をほとんど要しないかまたは該管理を要しない。住宅所有者は金融的な決定をする必要はないが、“クーポンを切り抜く”だけである。それ実際に“cozy”である。
図18は、COZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンを実行する分析機器を図示したフローチャート図である。このCOZIE−DOORのバージョンは、保険付エクイティの算出を含む。算出は、ANZIE−DOORを示す分析機器の図5に図示されたものといくつかの方法において同様であるが、重要な違いがある。出資者の純拠出は、ANZIE−DOOR下の住宅所有者に対するCOZIE−DOORのもとでのレートファクターを決める。出資者は、住宅における住宅所有者の出資金をレバレッジする優先ブロックのファンドを提供していないため、優先ブロック帰属レートは、レートファクター算出には入っていかない。実行するための4つのキーエレメントは、正味賃料、予測評価、住宅価値、および出資者から住宅所有者への年金支払いである。レートファクターの分子は、住宅価値により分割された次期間にわたる年金の支払いであり、分母は、正味賃料が発生したところのレートプラス予測評価レートである。図18に行くと、5つの算出されたパラメータは、レートファクター算出に入力されるグレーに網掛けされたブロックを備える。これらのうちの3つ(帰属レート、予測減価、および固定資産税)は、正味賃料の要素である。このCOZIE−DOORのバージョンに対する年金支払いの役割を強調するために、2つの矢印のフローは、DOOR金融商品特性の円柱からレートファクターの六角形に行く。ひとつのセットは、DOOR融商品特性の円柱において存在しているDOOR契約上の条件がレートファクター算出に入力される年金支払いスケジュール(矢印のフローにおいて“年金支払いスケジュール”と表示された太字ではないボックス)を特定するということを示唆する。他の矢印フローは、レートファクターを算出するためのアルゴリズムの特定を含む、DOOR金融商品特性の円柱からの残っている入力を表す。図の残りの部分は、ANZIE−DOORの図5を正確に追随する。例えば、更新された長期確実性等価レートは、保険付エクイティ比算出への必要な入力である。
(一括払いのバージョン)
住宅所有者は、定期的なキャッシュ支払いよりもむしろ住宅エクイティの一括払いの引き出しを望むかもしれない。COZIE−DOORのもとではこの要望を受け入れることは容易である。出資者は合計金額を前払いし、前払い額に等しい住宅における優先ブロックのポジションを得る。住宅所有者は、剰余の要求者である。お金を前払いする代わりに、出資者は保険付エクイティおよび受託エクイティを得る。(年金バージョンの場合のように、レートファクター算出は異なる。式(4)の右手側の分子における正味賃料の条項はない。住宅所有者は正味賃料を受け取るからである。)
これらの2つの一括払いのバージョンは(ひとつは保険付エクイティの発生を含み、もうひとつは受託エクイティの発生を含む)、前述で議論された年金バージョンの多くの点において類似している。住宅所有者は、確立論的であり、潜在的に非常に不確実な保険付エクイティまたは受託エクイティの発生の代わりに、リスクの無い前払いの支払いを受けている。剰余の要求者として、住宅所有者は、予想外に高いレートの評価から少なくとも部分的には保護される。
2つのバージョンの間には違いがあり、ひとつの違いが特に重要である:出資者が保険付エクイティを得るとしら、過剰な“リバース−償却”の危険と類似する潜在的な問題がある。保険付エクイティ比は100を超えることができないけれども、出資者の保険付エクイティのポジションの価値は、低い評価または現実の価値下落を含むいくつかの価格経路に沿った期間後に住宅における住宅所有者のエクイティを超えるであろう。この可能性は、(i)保険付エクイティの一括払いのバージョンの適用性を保険付エクイティのアカウントが売却で住宅所有者のエクイティを超える場合において支払い能力があるらしい住宅所有者に制限すること;(ii)パフォーマンスを保証するのに適する住宅所有者からの付加的なセキュリティを必要とすること;または(iii)保険付エクイティ増大を保護する契約上の条項を付加すること(例えば、住宅所有者からのキャッシュの注入を要することまたは金融商品を終了させること)および住宅所有者のエクイティが保険付エクイティをカバーするのに要求されるレベルを下回って落ち込む場合に保険付エクイティのペイアウトを要すること、から1または2以上といった適応を要求する。これらの適用は、住宅所有者が要求されるキャッシュの注入といった主要な将来の金融的偶発性に直面するため“un−cozy”であるか、付加的なセキュリティまたは両方のポスティングを要することにより“キャッシングアウト”の目標にぶつかっているかのどちらかである。
幸いにも、保険付エクイティのアプローチに関連する問題に直面する必要はない。受託エクイティを得ることは、すべての問題を回避し、多くの住宅所有者−出資者のペアに非常に魅力的な理路整然としたアプローチをもたらす。出資者は、資本構造において好ましいステータスで向上するステータスを有する。抵当がなければ、出資者は住宅価値の一部の“安全なお金”のすべてを所有する。同時に、住宅所有者は、剰余の要求者であり、上向きに暴走する市場が存在する場合において保護を有する。その状況において、新しい住宅を購入するためのエクイティの大きな上向き増大を用いることで所望されるのであれば、同等の住宅に引っ越すことはそれでもやはり可能である。価格が落ち込みあまり値上がらないのであれば、住宅所有者のエクイティは消去され、住宅が受託エクイティの形態における出資者の増大する出資金を含む優先ブロック未満の価値を有することが可能である。
しかし、これは問題ではない。表5に示されるように、結果は、住宅所有者がほとんどエクイティを有していないかエクイティを有しない場合、受託エクイティは住宅所有者への非遡及型のローンを提供するリスクに対して出資者を補償するように住宅価値のパーセンテージとして非常に早急に発生するということである。出資者は損失のリスクに直面するが、分析機器は正確に適切な補償を提供している。それはまた、出資者が住宅に関連するすべての“安全な”お金を保持するという場合でもある。住宅における住宅所有者の金融的な出資金は、優先ブロックにおける“利子”を支払う責務に従ったマネーコールのアウトの形態をとる。もちろん、住宅所有者は、住宅に住むことの帰属された賃貸価値を享受し続ける。
住宅所有者の主要な目的は、売却することであり、その目標は成し遂げられてきた。住宅所有者のもとの住宅のエクイティのかなりの部分は、もやは住宅において投資されない。最終的には、保険付エクイティよりもむしろ受託エクイティの発生が“coziness”を復活させる。住宅所有者は、一括払いで投資することおよび住宅に住むことからのリターンを享受するよりも多くのことをする必要はない。
図19は、本発明によるCOZIE−DOORアレンジメントの受託エクイティの一括払いバージョンを示す、ブロック概略図である。
図20は、COZIE−DOORの受託エクイティの一括払いバージョンを実行する分析機器を示す、フローチャート図である。この機器の出力は、出資者に好意的な更新された受託エクイティのバランスであり、図の右手側に “受託エクイティバランス”の六角形により表される。新しいバランスの算出は、古いバランス、優先ブロックを貸し出すことに対して出資者を補償するインクリメント、および新しいバランスをどのように算出するかについての命令を必要とする。古いバランスおよび関連性のある命令は、円柱から受託エクイティバランスのための算出の六角形への矢印により示されるようにDOOR金融商品特性の円柱に由来する。インクリメントを補償することは、“拠出アカウント”の六角形において算出される。この算出の入力は、優先ブロック帰属レート算出の六角形、およびDOOR金融商品の特性の円柱からの優先ブロックのサイズにおける情報に由来する優先ブロック帰属レートである。優先ブロック帰属レートの算出は、非遡及型のプット、住宅価値、および住宅に対する予測評価レートについての情報を要する。これらの3つの情報アイテムは、データから算出され、非遡及型のプットの場合においては、DOOR金融商品特性の円柱からの優先ブロックのサイズにおける情報から算出される。
(一括払いプラス年金バージョンおよび他の可能な特性)
バージョンを結合させるのは簡単であり、一括払い支払いプラス年金タイプの支払いを生み出すアプローチをもたらす。出資者は、保険付エクイティ、受託エクイティ、または2つの各々の期間の間でいくつかの結合物を得、その期間は、その期間プラス優先ブロックにおける帰属金利に対する期間のクレジットでの住宅所有者への支払いに基づく。この結合されたバージョンに対するレートファクター算出における分子は、これらの要素の両方を含むであろうが、正味賃料は住宅所有者に発生するため正味賃料は減算されないであろう。式(4)を参照のこと。
他の特性を加えることは容易である。例えば、金融商品は、支払われるべき固定資産税であれば何でも支払うことを出資者に要求するかもしれない。これらの支払いはレートファクター算出に入り、出資者に好意的に保険付エクイティまたは受託エクイティのより早期の発生をもたらす。このアレンジメントは、住宅所有者に対して状況をさらに“cozy”にする。年に2回、または年に1回の固定資産税の責務を心配する必要はない。
COZIE−DOORは概して、DOOR金融商品と同様の適応性を有する。例えば、年金バージョンのもとでの支払いスキームを好みに合わせることは可能である。最大のおよび最小の月々の支払いが存在するかもしれない。住宅所有者は最小値を自動的に受け取るが、最大値までの額を要求し得る。関連するスキームは、“普通預金口座”における利子を伴う最大値と比較して、引き出しの不足に等しい“未使用の”引き出し能力を蓄積する。このスキームにおいて、住宅所有者はいつでもこの口座から引き出すことができる。これらのアレンジメントおよび多くの他のものは、適応しやすい。住宅所有者が適合する特定のアレンジメントを変えることができるようにすることもまた可能であり、いつでもメニューからいくつかの新しいアレンジメントを選択する。DOORのもとでの動的メカニズムは、当事者の実行を変えるあらゆるものに対して関連のあるオフセット調節を自動的に作り出す。
(出資者のポジション)
COZIE−DOORのもとでの出資者のポジションは、ANZIE−DOORのもとでのものとは極めて異なり、その相違は住宅所有者に伴うポジションの単純な逆転を超えるものである。単純な逆転(“シンメトリックな”)の特色を有する要素は、(1)出資者の代わりに住宅所有者が剰余の要求者であり、住宅価格変動としてのマージンでの損失および利益の両方に直面する、(2)一括払いのバージョンにおいて、住宅所有者よりもむしろ出資者は、売上金額への剰余の要求者を超えたプライオリティを有する受託エクイティのポジションを有する、ということを含む。
逆転後にシンメトリックではない要素が存在する。維持の責務に関連した逆転は存在しない。住宅所有者は、ANZIE−DOORのもとでと同様に、すべてのCOZIE−DOORバージョンのもとでも住宅を維持する。インセンティブの構造は、ANZIE−DOORとは異なり、相違点の特性は、ANZIE−DOORをCOZIE−DOORの保険付エクイティバージョンと比較するのか、受託エクイティバージョンと比較するのかに依存する。COZIE−DOORの始まりにおいて、適切なドル対ドルのインセンティブが存在する。保険付エクイティまたは受託エクイティが発生しておらず、住宅所有者は剰余の要求者であるためである。COZIE−DOORの保険付エクイティのバージョンのもとでは、インセンティブは、保険付エクイティが増大するにつれて、ドル対ドルのレベルをさらに下回るまで落ち込む。維持の契約無しでは、正確に反対のシーケンスがANZIE−DOORのもとで生じる。COZIE−DOORの受託エクイティのバージョンのもとでは、住宅所有者が住宅のエクイティを有する限り、ドル対ドルのインセンティブが存在する。
他のシンメトリックではない要素は、レートファクターのサインを含む。ANZIE−DOORのもとでは、レートファクターがマイナスになることが可能である。レートファクターの分子が優先ブロックマイナス正味賃料における帰属金利に等しいからである。COZIE−DOORのバージョンのもとでは、正味賃料は算出に入らない。住宅所有者は、帰属賃料の利益を享受し続ける。結果として、レートファクターの分子におけるすべての要素は、プラスである。出資者は、(年金バージョンのもとでの)支払い、(一括払いのバージョンのもとでの)優先ブロックのローンにおける帰属金利、またはそれら両方を拠出しており、他の方法、例えば固定資産税を支払うことにより拠出するかもしれない。結果として、レートファクターは常にプラスとなり、保険付エクイティは常に出資者に発生する。ANZIE−DOORのもとでは住宅所有者に対するこのような保証はない。
COZIE−DOORの保険付エクイティのバージョンのもとでは、ポジティブな増大の保証は、期間での住宅におけるレバレッジされないパーセンテージの所有権の発生の可能性により引きつけられた出資者に対する飾りである。反対に、ANZIE−DOORのもとでは、出資者はレバレッジされたスキームにおいて剰余の要求者として損失の高いリスクに直面する。ポジティブな増大の保証に起因して、COZIE−DOORの保険付エクイティのバージョンは、出資者に、ANZIE−DOORのもとで住宅所有者が受け取るすでに非常に保守的な出資金よりも、住宅におけるさらにより保守的な出資金を与える。明らかに、2つのカテゴリーの金融商品は、異なる類の出資者にとって興味深い。ANZIE−DOORの出資者は、純粋な額のレバレッジされた現実の財産の所有権を受け取り、それは、大きな組織のアカウントにおける多様性に理想的であり、および一般的に所有者により使用されている住宅における、または特別の地理的な特性、人口動態学的な特性、または他の特性を有する住宅における投機的投資に理想的であるポジションである。反対に、COZIE−DOORの保険付エクイティのバージョンは、エクイティの出資金を増大させるさらに保守的な方法である。増大された予測リターンおよびレバレッジ由来のより高いリスクは、無い。
COZIE−DOORのもとでの受託エクイティのバージョンは、出資者が抵当の責務を有する優先ブロックの一部分に出資するのであれば、レバレッジ由来のリスクを含むが、出資者のエクイティはANZIE−DOORのもとでの剰余の要求者であることに比して好ましいポジションにいる。出資者に対するトータルの損失のリスクは、保険付エクイティのもとよりも抵当の借り入れを伴うCOZIE−DOORの受託エクイティのバージョンのもとでの方が高い。住宅がゼロの価値で終わるのであれば、後者のもとでトータルの損失が生じるのみからである。一方、COZIE−DOORの受託エクイティのバージョンのもとで住宅所有者(剰余の要求者)のエクイティクッションが十分に存在すれば、出資者は住宅価値において中程度の落ち込みによる影響を受けない。住宅価値において下降に由来する保険付エクイティのバージョンのもとでの出資者への損失が存在する。住宅価値がより低ければ、保険付エクイティのポジションの価値はより低いからである。これらの異なるリスクプロファイルは、各々のアレンジメントの形から得られる。受託エクイティのバージョンのもとでの出資者のエクイティのポジションは、資本構造の中心における“水平な”スライスである。保険付エクイティのバージョンのもとでは、それは、トータルの住宅価値のパーセンテージからなる“垂直な”スライスである。
COZIE−DOORのもとで当事者に対する“標準的な”税処理を視覚化することは容易である。それは、本明細書で他の変形にために示唆された処理に非常に類似している。当事者が固定資産税を支払うか、または抵当の利子(もしあれば)がそれらを控除するかである。保険付エクイティのバージョンのもとでは、保険付エクイティのアカウントは、§121の例外といった特別な所有者により使用される住宅の規則に影響されない、資本利益/資本損失をもたらす。住宅自体における住宅所有者の利益および損失は、すべてのバージョンのもとでのこのような規則の影響を受ける。住宅所有者への断続的な支払いは、当事者に対して最新の収入または控除をもたらさないが、保険付エクイティのバージョンのもとでの保険付エクイティの副取引に対する、および住宅所有者の剰余の要求者のポジションに対する基礎的な関係を有し、それは受託エクイティのバージョンのもとでの出資者の受託エクイティのポジションに従う。同様に、出資者に対する優先ブロックのオフセットに組み合わされた住宅所有者への一括払いの支払いはもっぱら、基礎的な調節、および住宅の落ち込みにおける住宅所有者の基礎をもたらすが、それはゼロを下回ることはない。(資本利得は、一括払いの支払いが基礎を超えた程度にまでなるだろう。)優先ブロックのポジションにおける出資者の最初の基礎は、一括払い支払いの額に等しい。受託エクイティのバージョンのもとでの受託エクイティの発生は、出資者の受託エクイティのポジションに対する基礎を増加させ、住宅所有者の基礎を減少させるが、現在の収入または控除をもたらすことはない。
(IS−A−DOOR)
(住宅所有者の目標をシフトさせる)
住宅所有者の目標は時間とともにおよび環境の変化に伴いシフトする。多くの若い住宅所有者は住宅のエクイティを増大させることを望むが、最小限の受託ファンドしか有しておらず、彼らのポートフォリオの平衡を失わせることはない。ANZIE−DOORおよびANZIE’S SIDE DOORといった派生的な変形は、この目的にとって理想的である。ライフサイクルの後半部分では、目的は特定の住宅に留まることであるかもしれないが、住宅エクイティに対応する所得の流れを認識する。COZIE−DOORのバージョンは、この目的を満たすのに効果的である。
ライフサイクルの熟考はさておき、住宅所有者は、存在するアレンジメントを次善にする一時的な環境に直面するかもしれない。例えば、彼らは、住宅エクイティを引き出すことを望むようにする予期しない医療コストに直面するかもしれない。その一方で、住宅所有者は、異なるDOORの変形をより魅力的にする予期しない成功を経験するかもしれない。
(IS−A−DOORを介した低コストの“借り換え”)
必要な適応性の多くは、各DOORの変形に組み込まれ得る。供給(provision)は、一括払いにおいてまたは断続的なもしくは時折の支払いを介してファンドを引き出すまたは加えるために存在する。しかし、分析調節機関に由来する固有の適応性は、IS−A−DOORといった、さらなる徹底的な可能性を許容する。IS−A−DOORのもとでは、住宅所有者はいつでも、ひとつの中立のDOOR金融商品と他のものとの間で切り替えることができる。したがって、我々が言えるすべてのことは、住宅所有者は“is a DOOR”を有するということである。
IS−A−DOORは、非常に低いコストで、非常に広く、および継続中の借り換えのオプションにおいて作られる。評価、大きな閉鎖コスト、多くのペーパーワーク、および費やされる時間を必要とする代わりに、借り換えは、電話でまたはキーボードでの数分のみを必要とする。古い金融商品および新しい金融商品の両方は中立であるため、分析機関は、住宅所有者の要望がどのように変わろうとも適切に適応する。
可能な変化にいくらかの制限があるかもしれない。例えば、住宅所有者の意向で増大された保険付エクイティを消滅させる変化は、添付された維持契約の有効性を危うくするかもしれない。それにもかかわらず、驚くべき幅および適応性が可能である。
図21は、IS−A−DOORを実行する機器を図示するフローチャート図である。この機器は、中立のDOOR金融商品の間での住宅所有者により要求されるシフトを実行する。図の上部に示されるように、プロセスは、住宅所有者の変化への要求で始まる。この要求は、有用な中立のDOOR金融商品のメニューを収容するサーバーまたは他のデバイスにより処理される。デバイスは、既存の金融商品および要求された新しい金融商品を設置する。既存のDOOR金融商品に対する分析機器は、住宅所有者の要求の時のものとして現在あるべき既存の分析機器を用いて、更新された(ステップ“1”として)保険付エクイティといったすべてのクリティカルなアカウントの価値および過去と同様に、金融商品に対する命令を収容する、DOOR金融商品特性の円柱を含む。生物学的類推が適切である:DOOR金融商品特性の円柱は、細胞の核のようであり、分析機器それ自体が細胞のようである。核は、細胞の機能を指揮するすべてのクリティカルな情報を収容する。DOOR金融商品を変えることは、核を取り除き、核を変え、核を新しい細胞に移植することを含み、新しいDOOR金融商品に対する分析機器をもたらすことである。交代(ステップ“2”)は、(i)既存のDOOR金融商品に対する作動命令を新しいDOOR金融商品に対する作動命令と交換すること、(ii)パラメータおよびアカウントを、新しい金融商品およびその分析機器に適合するように調節すること、を含む。例えば、既存の金融商品がANZIE−DOORのバージョンであり、新しい金融商品がCOZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンであれば、既存の金融商品のもとでの住宅所有者の保険付エクイティのバランスは、新しい金融商品のもとでの現実の住宅所有者の“剰余の要求者”のエクイティに変換されることを必要とする。現在の保険付エクイティのバランスは、既存のDOOR金融商品特性の円柱から入手できる。住宅価値および保険付エクイティ比の両方が現在のところ既存の金融商品に対する分析機器によりステップ“1”において更新され、その円柱に保存されたからである。新しいDOOR金融商品のもとでの保険付エクイティのアカウントは、住宅所有者ではなく出資者に属するだろう。変更が終了した後、新しいDOOR金融商品特性の円柱が、新しい金融商品に対する適切な分析機器に組み込まれる(ステップ“3”)。この分析機器が作動し(ステップ“4”)、新しいDOOR金融商品の操作に対する最初のパラメータを作り出す。
(救済のためのDOORs)
現在の住宅危機の間、抵当の借金が住宅価値を超える“水面下の”ポジションにおける住宅所有者の借り換えのプロセスである“救済”は、非常に挑戦のしがいがあることが証明されてきた。状況は、住宅所有者が1つ以上の抵当において抵当権設定者であり、抵当が証券化されたプールの一部分である場合には、特に困難である。ワークアウトはすべての抵当権者の同意を必要とし、プールの受託者は参加を拒否するかもしれず、プールの出資者からの潜在的な法的な異議申し立てのために譲歩するのには気乗りしない。一人の抵当権者のみがおり抵当がプールの一部ではない状況においてでさえも、いくらかの抵当権者は、プリンシパルを免除することまたは状況を正当化する他のステップをとることには気乗りせず、住宅所有者がデフォルトすべき場合でさえも住宅に個人的に居住している住宅所有者が支払い続けることを希望してきた。この状況に巻き込まれた多くの住宅所有者は、少なくともバランスシートのセンスにおいては極限状態にある。住宅は彼らの主要な資産であったかもしれず、彼らの財産のほとんどは失われる。
いくつかのDOORの変形がこの状況に強く適応する。住宅をなお“水面下”の状態にしつつ、住宅所有者を“救済”するがローンバランスを無傷のままにすることはまったくもって可能である。ひとつのルートは、ANZIE−DOORタイプの変形である。第一抵当権者または政府といった第三者は、ANZIE−DOOR金融商品を住宅所有者に発行するかもしれない。住宅所有者はレバレッジに固有のリスキーな評価を見限るが、保険付エクイティの形態における出資金を増大させる。既存のローンは優先ブロックを含み、住宅所有者は利子を払い続ける。住宅は水面下にあるため、保険付エクイティは急速に発生する。表5は、約17%の水面下の住宅に対してレートファクターがどれだけ高いかを示す。それはたしかに高く、たいがいは1以上である。保険付エクイティ比は第一年の間ゼロから5%に上がる。
この早急な発生は、ローンを返済し続けることに対して完全に住宅所有者を補償し、デフォルトするインセンティブはもはや存在しない。住宅所有者が返済の義務を果たすことにおいていくらかの援助を必要とするのであれば、ANZIE’S SIDE DOORのいくつかのバージョンは非常に効果的である。例えば、取引は、保険付エクイティのいくらかゆっくりの発生のコストでの住宅所有者への断続的な副支払いを含むかもしれない。
第二のルートは、COZIE−DOORの受託エクイティの年金バージョンを使うことである。このバージョンのもとでは、住宅所有者はローンを支払い続け、支払いを可能にする実質的な定期的支払いを受ける。住宅所有者が住宅価格がリバウンドした場合に現れる“強力な”エクイティを保持しローンおよび受託エクイティのレベルをクリアする一方で、出資者は受託エクイティを増大させる。このタイプのアレンジメントは、リスク嫌いの地方自治体または非営利団体にとって理想であるかもしれない。エクイティの出資金は、住宅所有者のエクイティでの好ましいステータスを有するが、なお時間とともに増大する。
COZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンを用いることはまた可能であろうが、救済の状況において、受託エクイティの年金バージョンを用いることが典型的にはよりよいアプローチである。保険付エクイティのバージョンは、売却で保険付エクイティを支払う住宅所有者の義務が信用できるものであれば、もっぱら機能する。この信頼性は、救済の状況において特に問題のあるものである。住宅所有者はアレンジメントの始めで住宅における従来のエクイティを有さず、住宅所有者のエクイティが保険付エクイティの責務をカバーする前に相当額の評価が必要であるかもしれない。本明細書の他の箇所で議論された適用は、著しく異なる最初の状況を包含した。住宅はすべて抵当に入れられているとは限らなかった。議論されたように、COZIE−DOORの保険付エクイティの年金バージョンは典型的には、この最初の状況が住宅を担保とした抵当の借り入れを禁止することで継続することを保証するかもしれない。そのようにすることは、適切なファンドが売却でのそのポジションをカバーするのに役立つことを保証することで、出資者の保険付エクイティのポジションを保護する。
魅力的なアプローチは、ANZIE−DOORおよびCOZIE−DOORの受託エクイティのバージョンの2つだけではない。その可能性は、DOORのもとでの非常に広いセットのオプションと同じくらい広いものである。興味深いひとつは、ANZIE’S NU DOORまたはANZIE’S NU TRIE DOORに類似した借金返済要素を導入することである。出資者は、スケジュールに基づいた、またはある市場コンディション、例えば価格のさらなる下降を条件とする住宅所有者の借金の一部を返済するかもしれない。従来の借金を免除することとは違って、出資者は、金融商品の基本的な特性に依存するいくつかの形態において市場ベースの補償(住宅所有者に好意的な保険付エクイティの、よりゆっくりとした発生(ANZIE−DOOR)、出資者に好意的なより早い発生(COZIE−DOOR)、住宅所有者へのより低いサポート支払い(ANZIE’SSIDE DOOR)等)を受け取る。
これらの借金返済の変形は、一般的なポイントを示唆する。抵当権者が借金を帳消しにするのが不本意であるひとつの理由は、住宅所有者と同様に彼らが、(i)組み込まれたオプションから生じる悪しきインセンティブで満たされており、(ii)より適切な取引への借り換えは非常にコストがかかるため極端な不適応性により特徴づけられるシステムに陥っているということである。DOORの世界において、借金のレベルを維持することおよび住宅所有者を水面下に保つことの理由は存在しない。借金をライトダウンすることは、前者の債務者を適切に補償する市場取引をもたらす。水面下の状況は、特にDOORの出資者へのアピールとはならない。ANZIE−DOORのもとでは、例えば、水面下の状況において、出資者は、住宅のリバウンドが住宅における出資者のエクイティを回復させる(例えば、強力なコールオプション)という望みを持つ。しかし同時に、出資者は、保険付エクイティが住宅所有者の好意により非常に高いレートで発生することを許容することで、このオプションに対して支払っている。
つまり、DOOR金融商品は、救済の状況に対して信じられないくらい強力な道具を提供する。正確なアプローチは、住宅所有者および救済者の好みおよび目標に合わせられることができる。
(コンピューターによる実現)
図22は、コンピューターシステム1600の例となる形態における機器のブロック概略図であり、その内部で前述のDOOR方法論のいずれかひとつを機器に遂行させるための一連の命令が実行され得る。他の実施態様にておいて、機器は、ネットワークルーター、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、携帯端末(PDA)、携帯電話、ウェブ製品、または行われるアクションを特定する一連の命令を実行しまたは伝達することのできる機器を備えまたは含んでいてもよい。
コンピューターシステム1600は、プロセッサー1602、メインメモリ1604、およびスタティックメモリ1606を含み、それらはバス1608を介して互いに通じている。コンピューターシステム1600はさらに、ディスプレーユニット1610、例えば、液晶ディスプレー(LCD)またはブラウン管(CRT)を含んでいてもよい。コンピューターシステム1600はまた、英数字入力デバイス1612、例えばキーボード;カーソルコントロールデバイス1614、例えばマウス;ディスクドライブユニット1616、信号発生デバイス1618、例えばスピーカー、およびネットワークインターフェイスデバイス1628を含む。
ディスクドライブユニット1616は、機器可読媒体1624を含み、それには、下述で記載される方法論のうちのひとつまたはすべてを具体化する、一連の実行可能命令(例えばソフトウェア)1626が格納されている。ソフトウェア1626はまた、メインメモリ1604内におよび/またはプロセッサー1602内に、完全にまたは少なくとも部分的に属するように示される。ソフトウェア1626はさらに、ネットワークインターフェイスデバイス1628によりネットワーク1630で送信または受信されてもよい。
上述で議論されたシステム1600とは対照的に、異なる実施形態は、プロセッシング構成要素を実行するために、コンピューター実行命令の代わりに、論理回路を用いる。スピード、費用、金型費、および同様物の領域における適用の特定の要求に依存して、この論理は、多数の小さな集積トランジスタを有する特定用途向け集積回路(ASIC)への命令により実行されてもよい。このようなASICは、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、トランジスタ−トランジスタ論理回路(TTL)、超大規模集積回路(VLSI)、または他の適切な命令で実行されてもよい。他の代替手段は、デジタルシグナルプロセッサチップ(DSP)、デスクリート回路(例えば、レジスタ、コンデンサ、ダイオード、誘導子、およびトランジスタ)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラム可能ロジックアレー(PLA)、プログラム可能論理回路(PLD)、および同様物を含む。
実施態様が、プロセッシングコア(例えば、コンピューターのCPU)のいくつかの形態で実行される、またはそうでなければ機器もしくはコンピューター可読媒体においてもしくはそれらの内で実行されもしくは実現される、ソフトウェアプログラムもしくはソフトウェアモジュールのサポートとしてもしくはそのサポートのために用いられてもよい、ということが理解されるべきである。機器可読媒体は、機器(例えばコンピューター)により可読の形態において情報を格納または伝達するためのメカニズムを含む。例えば、機器可読媒体は、読み出し専用メモリー(ROM);ランダム・アクセス・メモリ(RAM);磁気ディスク格納媒体;光格納媒体;フラッシュメモリデバイス;電気的、光学的、音響的、または他の形態の伝搬された信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等);または情報を格納しもしくは伝達するのに適する他のタイプの媒体を含む。
(結論)
現在の住宅市場は機能不全に陥っている。大きな部分において現在の金融的手法に欠陥があるからである。一般的な手法は、当事者が取引の比較的マイナーな側面を変えることを望むときでさえも、多くの住宅所有者にとって不適切な金融上ポジションをもたらし、モラルハザードおよび組み込まれたオプションに起因する評価困難を作り出し、不十分な維持インセンティブをもたらし、および借り換えにコストがかかるため柔軟性がない。これらの問題のすべてを取り除くDOORをデザインするのは容易である。DOOR金融商品は、住宅所有者の目標(ポートフォリオバランスの犠牲無しでの住宅エクイティ増大、少ない財産のポジションからのエントリーレベルの住宅の所有、年金収入、救済、およびそれら以上のもの)の広いスペクトラムにわたる非常に優れたアプローチである。同時に、DOOR金融商品は、非常に大きいが比較的手の届かない資産クラス(所有者が専有する現実の財産)に関連した出資者に対する新しくかつ著しく有益な媒体を提案する。
本発明は好ましい実施態様に関連して本明細書において記載されるが、本技術分野における当業者であれば、他の本発明の精神および範囲から逸脱せずに本明細書において説明されるものの代わりに他の適用が置換され得ることを容易に理解するであろう。したがって、本発明は、下述に含まれる特許請求の範囲により制限されるべきではない。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2010年1月18日に出願された米国特許出願第12/689,132号、および、2009年1月20日に出願された米国特許仮出願第61/145,938号の優先権を主張し、その全体が参照によって本出願に包含される。

Claims (16)

  1. 契約上の義務の下、不動産資産における出資者と所有権者との間で、エクイティ、支出、リターンおよびリスクを共有する方法であって、
    (a)資産構造の一片を備える受託エクイティ構成要素のそれぞれを計算するために構成された計算システムに、前記所有者および前記出資者の一方による、前記不動産資産の売却における、または、前記契約上の義務を終了させるいかなる他の出来事における一定の割合の前記不動産資産を、前記出資者および前記所有者の他方に対して支払う義務を含む残余請求権者エクイティおよび保険付エクイティの構成要素にわたって優先度を与えるコンピューターによって実現されるステップを含み、
    (b)前記不動産資産を維持するために付随する所有者の一連の義務を特定するため、および、コンプライアンスに基づく前記所有者の受託エクイティ、保険付エクイティ、または他の出資金の一部を、前記一連の義務に合わせて調節するために、前記計算システムが構成され、
    (c)前記所有者および前記出資者の他方、または、1以上の第三者債権者、に対する受託エクイティを所有する前記所有者および前記出資者の一方に義務を負わせる負債に沿って、少なくとも1つの優先ブロックにおける前記受託エクイティの構成要素を累積するため、前記計算システムが構成され、
    (d)そのような優先ブロックを、一関係者(前記所有者または前記出資者)から他方への遡及型、部分的遡及型、または非遡及型のローンとして扱うため、前記計算システムが構成され、
    (e)受託エクイティ、保険付エクイティ、突き合わせ会計の残高、前記所有者および前記出資者の一方から前記所有者および前記出資者の他方への必要とされる支払い、または、非線形アルゴリズムに従う前記出資者と前記所有者との間の1つ以上の他の残余残高を動的に配分するため、および、経済条件、前記所有者の特徴、前記出資者の特徴、および/または、前記不動産資産の価値に従って前記1以上の残余残高を変化させるため、前記計算システムが構成され、前記変化が1つ以上のレートに基づき、レートは、不動産市場、前記所有者、前記出資者、経済条件、または前記不動産資産に関連する1以上のパラメーターに基づく任意の特定の時間間隔で定義されることを特徴とし、
    (f)前記所有者と前記出資者との間の必要とされる支払いの自発的な前記配分の部分、前記所有者および前記出資者の一方による前記所有者および前記出資者の他方の義務の自発的または必要とされる支払い、もしくは、前記契約上の義務によって規定される、または、可能になる、前記所有者と前記出資者との間の任意の他の経済交流、として、考慮にいれるため、前記計算システムが構成され、
    (g)前記受託エクイティの構成要素、前記保険付エクイティの構成要素、任意の際だった残余アカウント残高、および、前記不動産資産の売却における、または前記契約上の義務を終わらせる任意の他の出来事における、前記配分に従う前記所有者と前記出資者との間の前記契約上の義務によって規定される任意の他の義務または支払い、を配分するため、前記計算システムが構成される、
    方法。
  2. 合弁事業として考えられる不動産資産に対する、前記所有者および前記出資者のそれぞれの出資を、時々、定期的に、または連続的に計算することによって、前記計算システムが所定の程度にまで中立性を近似するように構成されることを特徴とし、
    前記計算システムが、前記所有者および前記出資者の純出資を相殺するように1以上の残余アカウントを調節するように構成された、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記不動産資産に対する、前記所有者および前記出資者のそれぞれの出資を、時々、定期的に、または連続的に計算するように前記計算システムが構成されることを特徴とし、
    完全な調節は1以上の残余アカウントにはなされず、非中立的な金融商品に至る、前記所有者および前記出資者の一方に対する補助金または優先権を作り出すように前記計算システムが構成された、
    請求項1に記載の方法。
  4. 出資要素の選択された数値、経済変数、住宅価値変数、アカウント、または他の要素を、固定値として取り、他の数値を前記配分の間変化させたままにするように前記計算システムが構成された、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  5. 契約上の義務の寿命の間、全ての権利またはアカウントを、固定または予定を決める前記契約上の義務に基づいた始点において、前記計算システムが単一の計算をするように構成された、
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記所有者が義務づけられる抵当を頭金として支払うか、前記契約上の義務によって規定される所定の条件下で、抵当にかかる部分的または全体の前記抵当の保険を与えるまたは用意するか、のいずれかを前記出資者に求めるまたは可能にするように前記計算システムが構成された、
    ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記契約上の義務によって規定される所定の条件下で、前記計算システムが前記所有者に、以下のいずれか1つ
    (a)現存する保険付エクイティを新しい受託エクイティになるように移転すること、
    (b)存在する受託エクイティを新しい保険付エクイティになるように移転すること、
    (c)前記契約上の義務の他の要素を移転して、その義務または要件を変更すること、
    を可能にするように構成された、
    ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記計算システムが、
    (a)受託エクイティが前記所有者によってのみ保持され、いかなる頭金、抵当元本の支払い、改修による価値増加、または前記所有者の現金または他の資金からの他の資本拠出からなる、
    (b)前記所有者が任意の抵当借り入れにかかる債務者であり、これらの借り入れに受託エクイティを加えたものからなる優先ブロックにかかる帰属利子に対する中立性計算における受託エクイティを受け取る、
    (c)前記所有者が、前記不動産資産を維持し、固定資産税を支払い、他の定期支出を支払うように義務づけられ、中立性計算においてこれらの義務に対する受託エクイティを受け取る、
    (d)保険付エクイティが残余アカウントであり、前記所有者および前記出資者の純出資を相殺する前記所有者または前記出資者のものになり、
    (e)保険付エクイティの発生レートが、前記契約上の義務において規定されるように、固定された間隔で、連続的、または時々、調節される、
    ように構成された、
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  9. 前記計算システムが、
    (a)前記出資者が、前記所有者に対して、一括払いをする、および/または、定期的または求められた支払いをする、
    (b)前記支払(contributions)および/または前記支払(payments)が、中立性計算によって決定されるように、前記出資者に有利になるように受託エクイティおよび/または保険付エクイティの発生に至る、
    ように構成された、
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  10. 前記出資者が最大の融資比率を維持するために前記所有者の抵当義務を頭金として支払うように求められるように前記計算システムが構成されることと、
    前記最大の融資比率が、合計の抵当義務の、不動産資産の価値に対する比として計算されること、
    を特徴とする請求項6および8に記載の方法。
  11. 前記優先ブロックが、前記出資者の償還義務を含む、
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  12. 前記優先ブロックが前記出資者の償還義務を含むことを特徴とし、
    前記計算システムが、最大の融資比率を維持するために、前記出資者に、前記所有者の抵当義務を頭金として支払うことを求めるように構成され、
    前記契約上の義務において規定される所定の条件に基づいて、
    前記融資比率が、合計の抵当義務の、不動産資産の価値に対する比として計算されることを特徴とする、
    請求項6および11に記載の方法。
  13. 売却時または前記契約上の義務によって規定される条件下での他の時以外の前記契約上の義務の終了に対して、前記不動産資産の売却時において前記所有者にアクセス可能である突き合わせ(貯金)アカウントに対する資金が発生するように前記計算システムが構成されることと、
    前記突き合わせ(貯金)アカウントが、保険付エクイティに加えて、または、保険付エクイティの代わりに、残余アカウントを備えること、
    を特徴とする請求項8に記載の方法。
  14. 前記計算システムが、前記所有者と前記出資者との間の、予定された、または、条件付の追加支払いを包含するように構成されたことと、
    前記追加支払いが、中立性計算に加わり、保険付エクイティが発生するレートを変化させること、
    を特徴とする請求項8に記載の方法。
  15. 前記計算システムが固定されたスケジュールに従って保険付エクイティを発生するように構成されることと、
    保険付エクイティがもはや残余アカウントを有しないことを特徴とし、
    前記所有者と前記出資者との純出資が、前記所有者と前記出資者との間の確率変動的な支払いによって相殺されること、
    を特徴とする請求項8に記載の方法。
  16. 前記契約上の義務によって規定される所定の条件下で、前記所有者に、望む時にいつでも、中立的な契約上の義務の1つのタイプを、特定の一連の他の中立的な契約上の義務のいずれか1つに交換することを可能にするように前記計算システムが構成されることと、
    前記計算システムが、最初の前記契約上の義務を更新し、必要に応じてアカウントを転換し、前記所有者によって選択された新しい契約上の義務を初期化するように構成されたこと、
    を特徴とする請求項2に記載の方法。
JP2011548067A 2009-01-20 2010-01-20 動的なエクイティ金融商品を構築および実行するためのコンピューター実施方法および装置 Pending JP2012515985A (ja)

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