JP2012511661A - タービンエンジンのロータ内のプラットフォームのためのシール - Google Patents

タービンエンジンのロータ内のプラットフォームのためのシール Download PDF

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Abstract

本発明は、タービンエンジンのロータ内の2つの隣接するブレード間の中間プラットフォーム(4)のためのシール(16)で、上流側端部と下流側端部とを有する細長形状であり、横方向に、その幅方向に、接触部分、取り付け部分、および取り付け部分と接触部分との間の可撓性部分を備えるシールに関する。シールは、その断面が、その両端の間で開放端の形状(161、162、163、161’、162’、163’)を有することを特徴とする。

Description

本発明は、マルチスプール、特に、ツインスプールのターボジェットの分野に関し、より詳細には、タービンエンジンの分野に関する。
ツインスプールターボジェットは、バイパス流と呼ばれる空気流を送達するファンを駆動する主流と呼ばれるガス流が流れるガスタービンエンジンを備える。ファンがエンジンの前方に配置される場合、ファンは吸い込まれた空気を排出し、その空気は主流とバイパス流との2つの同心状の流れに分けられる。主流の空気は、再び圧縮されて、その後、下流側に配置されたタービンを作動させる高エネルギーのガス流を生成するために燃焼チャンバで燃料と混合される。タービンの1つは、シャフトによって、シャフトが駆動させるファンロータに接続される。民間航空機エンジンのバイパス流はエンジンの推力のほとんどを供給し、そのために、ファンの直径は非常に大きい。
ファンロータは、ハブが駆動シャフトに固定されたインペラを備え、リムはほぼ軸方向に配向されたブレードスロットを備える。軸方向とは、エンジンシャフトの軸方向のことである。ブレードは、その根元部で個々のスロットに係合され、ファンロータを形成する。ファンブレードは、根元部と、空気力学的プロファイルを有するエアフォイルと、根元部とエアフォイルとの間の支柱とを備える。ロータのリムと空気流との境界面を形成するために、また主流の連続性を確保するために、ブレード間に中間プラットフォームが配置される。上部の圧縮段とは違って、ブレードの寸法がかなり大きいために、ファンロータのプラットフォームはブレードの一体部品を形成せず、別個の部品となる。空気流の内側半径は、ファンロータの入口と出口との間で顕著に大きくなることに留意すべきである。
ブレードがエンジンの種々の動作段階で限られた範囲の運動ができるように、プラットフォームとブレードとの間に間隙が配置される。この間隙は、プラットフォームの側方縁部に沿って取り付けられ隣接ブレードに掛かるエラストマー製のシールで塞がれる。
先行技術によれば、シールは、一端から他端まで一定の輪郭を有する細長形状のシールである。シールは、横方向に、プラットフォームに取り付ける部分と、可撓性部分と、確実に隣接部の表面と接触するように形成された球状部分との3つの部分からなる。可撓性部分により、シールは対向するブレードの表面からプラットフォームの縁部との距離に適するようになる。
これらの部分が取り付けられたタービンエンジンの一定時間の動作の後、これらの部分には摩耗領域および破損領域が生じることに留意されたい。その結果、ファンブレード根元部における封止が損なわれる。封止不良は、流量およびファンのすぐ下流側の圧縮段の効率に影響を与える。さらに、封止不良は、サージマージンにも影響を与える。
したがって、シールは、タービンエンジンの最適な動作を確保するために、タービンエンジンの寿命の間に定期的に交換が必要である部品である。
本発明の目的は、シールが交換される頻度を減らすために、フリー中間プラットフォームを使用して、ブレードとタービンエンジンのロータのプラットフォームとの間の封止の効果を高めることである。
シールの破損は、タービン機械の種々の動作段階においてプラットフォームとブレードとの間の相対的な周方向および軸方向の運動により生じる変形により起こる応力が原因である。
本出願人は、ロータ部品に影響を与えることなく、シールのみを変更するという目的を定めた。
破れたシールを観察すると、プラットフォームの下流側に位置するシールの一部で裏返る傾向があることがわかる。この裏返りにより、裏返っていないシールの部分のある遷移ゾーンにおいてかなりの変形が生じる。この時、このゾーンは、シールを局所的に破損させる可能性のある応力が生じる場所である。分析により、この変形の1つの原因は、シールのスペースでの位置にあり、つまり、シールがエンジンの軸に平行に配向されず上流側から下流側へとプラットフォームの半径が増加することにより急傾斜し、そのことでシールが受ける応力はその長さ全体にわたって均一でなくなることがわかる。したがって、遠心力は、上流側部分より下流側部分で大きくなり、上流側と下流側とで異なる変形をもたらす。影響は、プラットフォームとブレードの表面との間で上流側から下流側に向かって一定でない間隙によって大きくなる。間隙は下流側方向に向かって小さくなり、したがって、シールの球状部分はプラットフォームの内側に向かって周囲が押し付けられる。したがって、シールの下流側部分は、プラットフォームに押圧されやすいことがわかる。
このようにして、本発明は、タービンエンジンのロータの2つの隣接するブレード間の中間プラットフォームのためのシールであって、上流側端部と下流側端部とを有する細長形状であり、横方向では、幅に関しては、接触部分、取り付け部分、および取り付け部分と接触部分との間の可撓性部分を備えるシール使用して、上述の欠点を克服する。シールは、シールの輪郭がその両端の間で次第に変化する断面を有する形状であり、接触部分の断面は球状であり、一端から他端に向かって次第に小さくなるという点が注目に値する。
シールが動作時に受ける応力に応じてシールの形状を選択して最大応力値を制限することによって、シールの損傷限界を超えると思われる変形は避けられる。
シールは、その断面が一端から他端に向かって一定でない場合、次第に変化する断面を有すると言われている。より詳細には、その長さの一部のみで小さくなる。一定部分の形状は、特に楕円形、より詳細には円形である。可撓性部分も同様に、より十分に輪郭に適合するように、一端から他端に向かって次第に変化し、一定ではない。
シールの強度は、少なくとも一端をテーパ状にすることによってさらに高められる。テーパは、シールを斜角で切断することによって行われる。
本発明はさらに、上述のように少なくとも1つの長手方向側方縁部に沿って画定されたシールを備えるタービンエンジンのロータの中間プラットフォームに関する。
特定の実施形態によれば、プラットフォームは、軸方向一端が他端よりも大きい直径を有するようにロータのリム上に軸方向に取り付けられるように配置される。プラットフォームはシールを備え、シールの最も小さい断面が大きい方の直径側にある。
より詳細には、プラットフォームは上流側軸方向端部と、上流側軸方向端部よりも大きい直径の下流側軸方向端部とを有し、シールは上流側ゾーンDと下流側ゾーンEとを有し、上流側ゾーンDは一定の断面およびシールの長さの1/2から2/3の長さを有し、下流側ゾーンEの断面は下流側方向に向かって次第に小さくなる。
特に、プラットフォームは、ターボジェットのファンロータに取り付けられるように配置される。
本発明はさらに、前記中間プラットフォームを備えるタービンエンジンのロータに関し、より詳細には、ターボジェットファンロータに関する。
以下に、本発明の一実施形態を、非限定的な例として添付図面を参照して説明する。
ツインスプールターボジェットのファンロータの一部の等角斜視図である。 側方シールを有するプラットフォームの斜視図である。 図2のIII−IIIに沿った断面に対応するシールの断面図である。 先行技術のシールの起こり得る変形のシミュレーションの図である。 本発明の次第に変化する輪郭を有するシールのD−DおよびE−E方向の断面の斜視図である。
図1は、ツインスプールエンジンのファンロータを構成する要素の部分斜視図である。ディスク1は、そのリム10上に、エンジンの軸XXに対してほぼ軸方向に配向されたスロット11(図面では5個)を備える。スロットは、軸XXに向かう長手方向縁部を有するダブテール部を有する。ブレードは、一開口端を通ってスロット内に差し込まれる。1つのブレード2がスロット内への差し込み位置で示されている。ブレード2は、根元部21と支柱22とエアフォイル20とを備える。根元部21は、側方膨出部で半径方向外側に向かって、軸XXに向かうスロットの長手方向縁部を押圧することでスロット11に収容されるように形成される。根元部は、組み立てられた時にスロット11の底部に沿って根元部21の下に差し込まれるウェッジ3によって、圧力がかけられた状態で維持される。ブレードをディスク上で保持するための装置はさらに、ブレードをそれぞれディスクに対して軸方向に係止するための手段を備える(この場合、図示せず)。
ファンブレードは、タービンエンジンの他の圧縮機ブレードとは違って、一体型のプラットフォームを有さない。機能は、ブレードに対して部分的に自由に動く中間プラットフォームによって果たされる。図1には、プラットフォーム4が示されている。ロータは、ブレードと同じ数のプラットフォームを備える。プラットフォームは、2つの隣接するブレード間に配置される。プラットフォーム4は、2つの隣接ブレード間に案内される主空気流の半径方向内側にある表面部を画定する略円錐台形状のプレート40である。プラットフォーム4は、3つの点でディスクに保持され、図2に明確に示された3つの半径方向ラグを備える。上流側ラグ43は、軸方向に穿孔され、キー(図示せず)によってディスクの上流側面にある上流側フランジ13に固定される。同じように半径方向の中間ラグ45は、キー(図示せず)によって、2つのスロット間でディスクのリム上に位置決めされた半径方向ラグ15に保持される。第3のラグ47は、通常「ブースタ」と呼ばれる、すぐ下流側の圧縮機のドラム(図示せず)に接続される。ラグ17は、ディスクブースタ接続部を支持する。キーは、軸XXに沿って配向され、プラットフォームが軸方向および半径方向の両方で保持されるようにする。
空気流とロータの内部容積との間を確実に封止するために、エラストマー製のシール5、6がプラットフォームに沿って配置される。図3に、III−IIIに沿った断面の1つのシールが示されている。シール6は、3つの部分、取り付け部分61と可撓性部分62と接触部分63とからなる。シールは、プラットフォームを形成するプレート40の側方縁部に沿って配置された溝内に取り付け部分61を固着させることでプラットフォームに固定される。接触部分は、好ましくは楕円または円の球状断面を有するのが好ましい。この形状は、隣接部品との十分な接線接触を確保し、さらにシールに剛性を与え、シールに十分に接触するための慣性をもたらす。接続部分62は、接触部分よりも狭く、シールが適合できるように可撓性である。図3に見られるように、接触部分は、ブレードの隣接面と接触するようにプラットフォームの縁部を越えて伸びる。
シールがその長さ全体にわたって一定の形状を有する場合、シールは不均一に変形することがわかる。変形は、シールに悪影響をもたらす破損を引き起こす応力をもたらす。
図4は、シールが動作時に受ける恐れのある変形のシミュレーションを示す。これには、3つのゾーンがある。第1のゾーンAは、プラットフォームの上流側部分に位置し、ここでは、シールの形状は、シールがプラットフォームの定位置にあり、隣接ブレードの支柱を外側に押圧する時に予測される形状に対応する。ゾーンCでは、シールは裏返され、接触部分63は外側に向かって押圧するのではなく、プラットフォームに掛かりプラットフォームの真下に折り返される。この望ましくない位置は、支柱によって加えられる横力と合わさった遠心力によるものである。ゾーンAとCとの間の中間ゾーンBは、最大の変形を受け、破損の生じる場所である。
本発明の解決策は、シールが受ける力の不均一性を考慮に入れるためにシールの輪郭を変化させることにある。
図5は、長手方向および断面の両方において、次第に変化する輪郭を有するシール16を示している。
先行技術にあるように、シールは一端から他端に向かって3つの部分の断面を有する。シールは、取り付け部分と可撓性部分と接触部分とを備える。
長手方向に、上流側端部と下流側端部とが見られ、上流側端部および下流側端部は、シールが配置されるプラットフォームの端部に対応する。これらの両端の間に、シールは2つのゾーンD、Eをそれぞれ備える。上流側のゾーンDでは、輪郭は一定であり、プラットフォームの対応する溝に固着される取り付け部分161と、取り付け部分と接触部分との間の幅Lの可撓性部分162と、この場合は面Sの円形断面の接触部分163との断面D−Dの輪郭に対応する。
ゾーンDの長さは、シールの長さのほぼ1/2から2/3である。
ゾーンDの下流側のゾーンEでは、輪郭は一定ではない。シールのE−Eに沿った断面は、取り付け部分161と同じ形状および寸法の取り付け部材161’を示している。可撓性部分162’は、幅L’(L’<L)を有する。接触部分163’は、同じく円形断面を有するが、面Sより小さい面S’を有する。接触部分の幅および/または断面を小さくすることで、シールの慣性が小さくなる。この部分におけるシールを裏返す力も小さくなる。このように変更したシールを使用した実験を行うことにより、シールの完全性に悪影響を及ぼす変形がなくなることがわかった。
好ましくは、可撓性部分と接触部分との接続ゾーンは、初期破損のリスクを低減するために、曲線的であり、鋭い縁がない。
例示的な実施形態は、ツインターボジェットのファンロータの場合に対応させて説明されている。この場合、主空気流の内側半径は、空気流の入口と出口との間でかなりの変動を受ける。さらに、プラットフォームとブレードとの間の間隙も一定ではなく、この間隙は、上流側と下流側との間で小さくなる。
本発明は、より一般的には、同様の配列を有するタービンエンジンに適用される。

Claims (9)

  1. タービンエンジンのロータ内の2つの隣接するブレード間の中間プラットフォーム(4)のためのシール(16)にして、上流側端部と下流側端部とを有する細長形状であり、横方向に、幅方向に、接触部分、取り付け部分、および取り付け部分と接触部分との間の可撓性部分を備えるシールであって、前記シールの断面が、その両端の間で、次第に変化する形状(161、162、163、161’、162’、163’)であり、接触部分の断面が球状形状(163、163’)を有し、一端から他端に向かって次第に小さくなることを特徴とする、シール。
  2. 接触部分の断面が、楕円形、特に円形であることを特徴とする、請求項1に記載のシール。
  3. 上流側端部または下流側端部のうちの少なくとも一方が、テーパ状である、請求項1または2に記載のシール。
  4. 少なくとも1つの長手方向側方縁部に沿って、請求項1から3のいずれか一項に記載のシールを備える、タービンエンジンのロータの中間プラットフォーム。
  5. 軸方向一端が請求項2から4のいずれか一項に記載のシールを有する軸方向他端よりも大きい直径を有し、最も小さい断面が大きい方の直径側にくるようにロータのリム上に軸方向に取り付けられるように配置される、請求項4に記載のプラットフォーム。
  6. 上流側軸方向端部と上流側軸方向端部よりも大きい直径の下流側軸方向端部とを有し、シールが上流側ゾーンDと下流側ゾーンEとを有し、上流側ゾーンDが一定の断面およびシールの長さの1/2から2/3の長さを有し、下流側ゾーンEの断面が下流側方向に向かって次第に小さくなる、請求項5に記載のプラットフォーム。
  7. ターボジェットのファンロータに取り付けられるように配置された、請求項6に記載のプラットフォーム。
  8. 請求項6から8のいずれか一項に記載の中間プラットフォームを備える、ターボジェットエンジンのロータ。
  9. タービンエンジンがターボジェットのファンである、請求項8に記載のロータ。
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