JP2012510450A - 有機カーボナート流からアルカノール不純物を除去する方法 - Google Patents

有機カーボナート流からアルカノール不純物を除去する方法 Download PDF

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本発明は、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れを抽出溶媒と接触させること、および有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離することを含む、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れからアルカノール不純物を除去する方法に関する。

Description

本発明は、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れからアルカノール不純物を除去する方法に関する。
有機カーボナートの例として、環状アルキレンカーボナート(エチレンカーボナートなど)および非環状ジアルキルカーボナート(ジエチルカーボナートなど)が挙げられる。適した触媒の存在下、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)を二酸化炭素と反応させて環状アルキレンカーボナートを合成することは周知である。このような方法は、例えば、US4508927およびUS5508442に記載されている。
ジアルキルカーボナートは、アルキレンカーボナートをアルカノールと反応させることで生成させることができる。アルキレンカーボナート(エチレンカーボナートなど)がアルカノール(エタノールなど)と反応する場合、生成物はジアルキルカーボナート(ジエチルカーボナートなど)およびアルカンジオール(モノエチレングリコールなど)である。このような方法は周知であり、この例はUS5359118に開示されている。この文書は、アルキレンカーボナートとC−Cアルカノールでエステル転移反応を行なうことによりジ(C−Cアルキル)カーボナートアルカンジオールを調製する方法を開示する。
アルキレンオキシドからアルキレンカーボナートを介してジアルキルカーボナートを生成する前記方法全体の様々な時点において、1種以上のアルカノール不純物を含有する有機カーボナート流が生じる可能性がある。そうしたアルカノール不純物の例として、エーテルアルカノール、例えば、アルコキシアルカノールがある。例えば、エタノールとエチレンカーボナートとを反応させてジエチルカーボナートとモノエチレングリコールとにする反応器中、エタノールとエチレンオキシド(エチレンカーボナートがエチレンオキシドおよび二酸化炭素になる逆反応から生じる。)との副反応により2−エトキシエタノール(エチルオキシトール)が生じる可能性がある。さらに、エチルオキシトールは、二酸化炭素が放出されてエチルオキシトールが生成されるような形でのエタノールとエチレンカーボナートとの副反応により生じる可能性がある。そのうえさらに、エタノールとモノエチレングリコールとの副反応が起こって、エチルオキシトールおよび水を生成する可能性がある。なおそのうえさらに、ヒドロキシエチルエチルカーボナートの脱炭酸反応によりエチルオキシトールが生じる可能性がある。
従って、エタノールとエチレンカーボナートとを反応させてジエチルカーボナートとモノエチレングリコールとにする反応器からの生成物流は、未変換エタノール、未変換エチレンカーボナート、ジエチルカーボナート、モノエチレングリコール、および上記のエチルオキシトール不純物を含む可能性がある。前記アルコキシアルカノール不純物の存在は、任意のその後の生成方法においても有害となる可能性がある。前記アルコキシアルカノール不純物は、例えば、最終的にジアルキルカーボナートに行き着く可能性があるが、ジアルキルカーボナートは前記ジアルキルカーボナートおよびフェノールからジフェニルカーボナートを合成する出発物質として用いられるものである。例えば、ジアルキルカーボナートがジエチルカーボナートであり、アルコキシアルカノール不純物がエチルオキシトールである場合、前記エチルオキシトールは、フェノール出発物質と、および/またはジフェニルカーボナート生成物と反応する可能性がある。
フェノールとエチルオキシトールとの直接反応は、フェニル2−エトキシエチルエーテルの生成をもたらす可能性があり、従って有益なフェノール反応物の減少をもたらす可能性がある。さらに、このような反応は、方法に望ましくない化学種をもたらす可能性があり、従って分離の問題が生じる可能性がある。
ジフェニルカーボナートとエチルオキシトールとの反応は、フェニル2−エトキシ炭酸エチルが生成される形で生成物の損失をもたらす。さらに、フェニル2−エトキシ炭酸エチルは、ジフェニルカーボナートをポリカーボネート材料にする任意のその後の重合反応でも「毒物」として作用する。例えば、ジフェニルカーボナートをビス−フェノールA(BPA)と反応させると、ポリカーボネートおよびフェノールが生じる。ジフェニルカーボナートは、フェノールが相対的に良好な脱離基であるため、BPAと反応し得る。しかしながら、アルカノールが良好な脱離基ではないため、ジアルキルカーボナート(ジエチルカーボナートなど)は、BPAとの反応によるポリカーボネートの生成に用いることができない。アルコキシアルカノール(エチルオキシトールなど)も良好な脱離基ではない。従って、BPAと反応させようとして供給されるジフェニルカーボナート中にフェニル2−エトキシエチルカーボナートが存在する場合、前記フェニル2−エトキシエチルカーボナートからはフェノールが容易に放出されるがエチルオキシトールからそうはいかず、その結果、鎖の一端で重合方法を止めてしまう。このため、ジフェニルカーボナートをBPAと反応させる前に、ジフェニルカーボナートからフェニル2−エトキシエチルカーボナートを除去しなければならない。
アルカノール不純物を含有する有機カーボナート流が形成される上記の例において、有機カーボナートを有益な最終生成物に変換する任意のその後の方法を行なう前にもこのアルカノール不純物を除去することが望ましい。例えば、ジエチルカーボナートとフェノールとの反応を行なう前に、任意のエチルオキシトール不純物を含有するジエチルカーボナート流からこの不純物を除去することが求められる。
エタノールとエチレンカーボナートとが反応してジエチルカーボナートとモノエチレングリコールとになった上記の例を参照すると、未変換エタノール、未変換エチレンカーボナート、およびエチルオキシトール副生成物も含有する生成物流は、蒸留により分離することができる。前記生成物流中の種々の構成要素の沸点を以下の表に記載する。
Figure 2012510450
上記に記載されるとおりの蒸留は、ジエチルカーボナートおよび未変換エタノールを含有する頂部流、ならびにモノエチレングリコールおよび未変換エチレンカーボナートを含有する底部流をもたらすことができる。ほとんどの場合、エチルオキシトールは全て、最終的に頂部流に行き着く。しかしながら、蒸留を行なう特定の条件に依存して、エチルオキシトールの一部が底部流に行き着く可能性もある。その後、前記頂部流をさらに蒸留して、未変換エタノールを含有する頂部流(これはジエチルカーボナートおよびモノエチレングリコールを生成する反応器に戻して再利用できる。)、およびジエチルカーボナートとエチルオキシトール不純物とを含有する底部流に分離することができる。
米国特許第4508927号明細書 米国特許第5508442号明細書 米国特許第5359118号明細書
上記のとおり、アルカノール不純物は、有機カーボナートを有益な最終生成物に変換する任意のその後の方法および/または任意のさらに先の方法でも悪影響を及ぼす恐れがあるので、そうした方法の前に、アルカノール不純物をそこから除去しなければならない。上記の例については、これは、ジエチルカーボナートおよびエチルオキシトール不純物を含有する底部流から、エチルオキシトール不純物を除去すべきであることを意味する。原則として、エチルオキシトールおよびジエチルカーボナートは、さらなる蒸留工程で分離することができる。しかしながら、ジエチルカーボナートとエチルオキシトールとでは沸点の差が小さいため(上記表を参照)、このような分離は非常に面倒で、多数の蒸留工程および段階を必要とする。従って、アルカノール不純物を含有する有機カーボナート流からそうしたアルカノール不純物を除去する簡潔な方法の発見が必要とされている。
驚いたことに、有機カーボナート流を抽出溶媒と接触させ、抽出溶媒層を有機カーボナート層から分離することにより、そうしたアルカノール不純物が抽出溶媒層に抽出されて有機カーボナート流から除去されることが見出された。
従って、本発明は、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れからアルカノール不純物を除去する方法に関し、この方法は、この流れを抽出溶媒と接触させること、および抽出溶媒層を有機カーボナート層から分離することを含む。
本発明に従ってアルカノール不純物を除去すべきである流れに含まれる有機カーボナートは、メチル、エチル、プロピルなどのジ(C−C)アルキルカーボナート(これに含まれるアルキル基(直鎖、分岐鎖、および/または環状)は同一であっても異なっていてもよい。);またはフェニルなどのジ(C−C)アリールカーボナート(これに含まれるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。);または(C−C)アルキル(C−C)アリールカーボナート(これに含まれるアルキル基およびアリール基は上記に定義されるとおりである。);またはエチレン、プロピレン、ブタジエン、またはスチレンのカーボナートなどの環状(C−C10)アルキレンカーボナート;またはそうした有機カーボナートの混合物が可能である。具体的には、有機カーボナートはジアルキルカーボナートであり、より具体的にはジエチルカーボナートである。
本発明に従って有機カーボナートおよび前記アルカノール不純物を含有する流れから除去すべきアルカノール不純物は、上記のとおり、エーテルアルカノール、より具体的にはアルコキシアルカノール、さらにより具体的には2−エトキシエタノールが可能である。
有機カーボナートおよび前記アルカノール不純物を含有する流れの中のアルカノール不純物の量は、0.1から10重量%、具体的には0.3から8重量%、より具体的には0.5から6重量%、さらにより具体的には0.5から5重量%の範囲にあることができる。
本発明の方法における、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れと抽出溶媒との接触は、抽出溶媒相と有機カーボナート相との形成をもたらす。抽出溶媒相が前記アルカノール不純物を含有するようにするために、アルコール不純物は有機カーボナートよりも抽出溶媒への溶解性が高くあるべきである。好ましくは、抽出溶媒は極性抽出溶媒である。より好ましくは、抽出溶媒は、水、C−C脂肪族ケトン、C−C脂肪族アルコール、およびC−C脂肪族カルボン酸からなる群より選択される。より好ましくは、抽出溶媒は、水またはC−C脂肪族カルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、または酪酸など)である。さらにより好ましくは、抽出溶媒は水である。
本発明の方法における、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れと抽出溶媒との接触時間は、抽出方法を完了するのに十分であるべきである。前記接触時間は、1分から24時間、例えば、3分から12時間の順であることができる。
本発明を行なう温度、即ち抽出溶媒と有機カーボナートとの二相混合物の温度は、−50から100℃の範囲にあることができる。驚いたことに、本発明の方法において、比較的低温でアルコール不純物が抽出溶媒に最大限抽出されることが見出された。このことは以下の実施例で示す。従って、本発明において、前記温度は、好ましくは0から40℃、より好ましくは1から30℃、より好ましくは2から25℃、さらにより好ましくは2から10℃の範囲にある。本発明に従って、この温度は、好ましくは少なくとも0℃、より好ましくは少なくとも1℃、より好ましくは少なくとも2℃、さらにより好ましくは少なくとも3℃である。さらに、本発明に従って、この温度は、好ましくは高くても40℃、より好ましくは高くても35℃、より好ましくは高くても30℃、より好ましくは高くても25℃、より好ましくは高くても20℃、より好ましくは高くても15℃、さらにより好ましくは高くても10℃である。
抽出溶媒対有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れの適した重量比は、10:1から1:10の範囲にある。好ましくは、前記重量比は、5:1から1:5、より好ましくは3:1から1:3、さらにより好ましくは2:1から1:2の範囲にある。さらにより好ましくは、この重量比は、1:1になる。
本発明の方法を行なう圧力は、大気圧より低くても、大気圧でも、大気圧より高くてもよい。好ましくは、前記圧力は大気圧である。
この抽出後、本発明に従って、アルコール不純物が除去された有機カーボナート含有流が残るように、抽出溶媒相が有機カーボナート相から分離されるはずである。水が抽出溶媒の場合、水相が有機相から分離されなければならない。当業者は誰でも、本発明の方法において有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離する適切な方法を見出すことができる。
有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れが、アルカノールとアルキレンカーボナートとの反応から生成したジアルキルカーボナートを含有する流れである場合、この流れは、通常、アルカノール不純物の他に未変換アルカノール反応物を含有する。このような有機カーボナート流の形成が記載されている本明細書が、参照として導入されている。有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れが、ジアルキルカーボナート、未変換アルカノール、およびアルカノール不純物を含有する流れである場合、本発明に従ってこの流を抽出溶媒と接触させてアルカノール不純物を抽出し除去することは、好ましくは、ジアルキルカーボナートを未変換アルカノールから分離する工程の後に行なわれる。
ジアルキルカーボナートの未変換アルカノールからの分離は、蒸留により行なうことができる。このような蒸留は、先行する工程で未変換アルカノールがアルキレンカーボナートと反応してジアルキルカーボナートおよびアルカンジオールを形成している場合、未変換アルカノール(エタノールなど)を含有する頂部流、およびジアルキルカーボナート(ジエチルカーボナートなど)を含有する底部流をもたらす。
本発明は、有利なことに、有機カーボナート流中のアルカノール不純物の除去をもたらす。このアルカノール不純物は、有機カーボナートを用いる任意のその後の方法においてもアルカノール不純物が除去されていなかった場合悪影響を及ぼしていた可能性がある。
従って、本発明は、ジアルキルカーボナートおよびアルカンジオールの調製方法にも関し、この方法は以下:
(a)エステル転移反応触媒の存在下、アルキレンカーボナートとアルカノールとを反応させて、未変換アルキレンカーボナート、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、アルカンジオール、およびアルカノール不純物を含有する混合生成物を得ることと、
(b)未変換アルキレンカーボナートおよびアルカンジオールを混合生成物から分離して、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、およびアルカノール不純物を含有する頂部流を得ることと、
(c)アルカンジオールを回収することと、および
(d)工程(b)で得られた、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、およびアルカノール不純物を含有する頂部流から未変換アルカノールを分離して、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する底部流を得ること、
を含み、この方法はさらに以下を含む
(e)工程(d)で得られた、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する底部流を、抽出溶媒と接触させ、抽出溶媒相を有機カーボナート相から分離すること。
有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れを抽出溶媒と接触させることおよび有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離することを含む、有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れからアルカノール不純物を除去する上記の一般方法に関連した、上記の実施形態ならびに好適なものは全て、ジアルキルカーボナートおよびアルカンジオールを調製する上記の具体的な方法にも、特にこの方法の工程(e)においても、それぞれ適用される。
上記の方法の工程(a)で用いられるエステル転移反応触媒は、先行技術で公知の多数の適した均一および不均一エステル転移反応触媒のうちの1つが可能である。
例えば、適した均一エステル転移反応触媒は、US5359118に記載されており、アルカリ金属、即ち、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムの、水素化物、酸化物、水酸化物、アルカノラート、アミド、または塩が挙げられる。好適な均一エステル転移反応触媒は、カリウムまたはナトリウムの水酸化物またはアルカノラートである。他の適した均一エステル転移反応触媒は、アルカリ金属塩(酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、または炭酸塩など)である。適した触媒は、US5359118およびそこで記載される参照(EP274953A、US3803201、EP1082A、およびEP180387Aなど)に記載される。
上記の方法の工程(a)で用いられるのに適した不均一エステル転移反応触媒として、官能基を有するイオン交換樹脂が挙げられる。適した官能基として、第三級アミン基および第四級アンモニウム基、ならびにスルホン酸基およびカルボン酸基が挙げられる。さらに適した触媒として、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のケイ酸塩が挙げられる。適した触媒は、US4062884およびUS4691041に記載されている。不均一触媒は、ポリスチレンマトリクスおよび第三級アミン官能基を含むイオン交換樹脂から選択することができる。
例として、N,N−ジメチルアミン基が結合してあるポリスチレンマトリクスを含むAmberlystA−21(例えば、Rohm & Haas)がある。アミンおよび第四級アンモニウム基を有するイオン交換樹脂をはじめとする8つのクラスのエステル転移反応触媒が、JF Knifton et al.,J.MoI.Catal,67(1991)389ffに開示されている。
上記の方法の工程(a)のさらなるエステル転移反応条件が当分野で公知であり、40から200℃の温度、および50から5000kPa(0.5から50bar)の圧が適切に含まれる。
さらに、本発明は、ジアリールカーボナートの製造方法に関し、この方法は、エステル転移反応触媒の存在下、アリールアルコールを、上記の方法のいずれか1つに従ってアルカノール不純物が除去してあるジアルキルカーボナート含有流と接触させることを含む。
そのうえさらに、本発明は、ジアリールカーボナートの製造方法に関し、この方法は、上記の方法のいずれか1つに従って、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れを抽出溶媒と接触させること、および有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離することを含み、および次いで、エステル転移反応触媒の存在下、アリールアルコールをジアルキルカーボナート含有流と接触させることを含む。
好ましくは、ジアリールカーボナートはジフェニルカーボナートであり、アリールアルコールはフェノールである。
また、上記のエステル転移反応触媒およびその他のエステル転移反応条件が、上記ジアリールカーボナートの製造方法に等しく適用可能である。
本発明は、以下の実施例によりさらに例示される。
ジエチルカーボナート(DEC)99.16重量%、エチルオキシトール(EtOx;2−エトキシエタノール)0.76重量%、およびエタノール(EtOH)0.04重量%を含む溶液A一定量をガラスバイアルに入れた。次いで、脱イオン水(抽出溶媒)一定量をこのバイアルに加えた。実施例1から5における、温度、溶液Aの量、加えた水の量、および加えた水の量対加えた溶液Aの量の比を以下の表に示す。
Figure 2012510450
次いでバイアルを閉じて、5分間震盪して均一にしてから、上記温度で1日間放置し相を分離させた。この一日放置中に、バイアルの内容物を3回再度均一化させた。実験の最後に、水相を有機相から分離し、試料の組成をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を以下の表に示す。
Figure 2012510450
(*)除去されたEtOxの%={([溶液A中のEtOxの重量%]−[有機相中のEtOxの重量%])/[溶液A中のEtOxの重量%]}×100%
上記の表中の結果から、比較的低温で、抽出溶媒として水を用いて、ジエチルカーボナートおよびエチルオキシトールを含有する混合物からこのエチルオキシトールを抽出することが、有機カーボナートからアルコール不純物を除去する有効な手段であると思われる。

Claims (11)

  1. 有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れからアルカノール不純物を除去する方法であって、前記流れを抽出溶媒と接触させること、および有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離することを含む、方法。
  2. 有機カーボナートは、ジ(C−C)アルキルカーボナート、好ましくはジエチルカーボナート、またはジ(C−C)アリールカーボナート、または(C−C)アルキル(C−C)アリールカーボナート、または環状(C−C10)アルキレンカーボナート、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
  3. アルカノール不純物は、エーテルアルカノール、より具体的にはアルコキシアルカノール、さらにより具体的には2−エトキシエタノールである、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 有機カーボナートはジエチルカーボナートであり、およびアルカノール不純物は2−エトキシエタノールである、請求項3に記載の方法。
  5. 抽出溶媒は、水、C−C脂肪族ケトン、C−C脂肪族アルコール、およびC−C脂肪族カルボン酸からなる群より選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 温度は、0から40℃、好ましくは1から30℃、より好ましくは2から25℃、およびもっとも好ましくは2から10℃の範囲にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 有機カーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れは、:
    (a)エステル転移反応触媒の存在下、アルキレンカーボナートとアルカノールとを反応させて、未変換アルキレンカーボナート、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、アルカンジオール、およびアルカノール不純物を含有する混合生成物を得ることと、
    (b)未変換アルキレンカーボナートおよびアルカンジオールを前記混合生成物から分離して、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、およびアルカノール不純物を含有する頂部流を得ることと、
    (c)前記アルカンジオールを回収することと、および
    (d)工程(b)で得られた、未変換アルカノール、ジアルキルカーボナート、およびアルカノール不純物を含有する頂部流から未変換アルカノールを分離して、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する底部流を得ることを含む、
    ジアルキルカーボナートおよびアルカンジオールの調製方法により得られ、
    さらに、
    (e)工程(d)で得られた、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する底部流を、抽出溶媒と接触させること、および抽出溶媒相を有機カーボナート相から分離すること、
    を含む、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アルキレンカーボナートはエチレンカーボナートであり、未変換アルカノールはエタノールであり、ジアルキルカーボナートはジエチルカーボナートであり、アルカンジオールはモノエチレングリコールであり、およびアルカノール不純物は2−エトキシエタノールである、請求項7に記載の方法。
  9. エステル転移反応触媒の存在下、アリールアルコールを、請求項1から8のいずれか一項の方法に従ってアルカノール不純物が除去してあるジアルキルカーボナート含有流と接触させることを含む、ジアリールカーボナートの製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項の方法に従って、ジアルキルカーボナートおよびアルカノール不純物を含有する流れを抽出溶媒と接触させること、および有機カーボナート相から抽出溶媒相を分離すること、および次いで、エステル転移反応触媒の存在下、アリールアルコールをジアルキルカーボナート含有流と接触させることを含む、ジアリールカーボナートの製造方法。
  11. ジアリールカーボナートはジフェニルカーボナートであり、およびアリールアルコールはフェノールである、請求項9または10に記載の方法。
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