JP2012510067A - ステアリングシステムにおけるトルク測定用のセンサ装置 - Google Patents

Abstract

車両のステアリングシステムにおけるトルク測定用のセンサ装置は、シャフトに対して回転固定されて配設された磁石と、磁場センサと、を備えている。磁石は、シャフトに結合させるための磁石ホルダに保持されている。磁石ホルダは、シャフトに対して所定の半径方向距離に配設された受容領域を有し、磁石は、シャフトの方を向く受容領域の内面に配設されている。

Description

本発明は、請求項１の上位概念に従う、自動車のステアリングシステムにおけるトルク測定用のセンサ装置に関する。

独国特許第１０１２７１６９Ｂ４号明細書に、自動車用のステアリングシステムが記載されている。当該ステアリングシステムには、ステアリング力補助用の電気サーボモータが設けられている。所定量の補助トルクのために、ステアリングシャフトに実際に作用するトルクの情報が必要となっており、当該情報は、センサ装置の援助によって測定される。

トルク測定用のセンサ装置として、ステアリングシステムにおいて、一般的な態様に基づくシステムが適用されている。当該システムは、シャフトに対して回転固定されて配設された磁石と、磁場センサと、を有し、当該磁場センサは、ハウジングに固定、または、回転固定で、シャフトの第２の部分に結合されており、相対的なねじれの際、磁場の変化を検出することができる。センサとして、例えば、ホールセンサ（Hall-Sensoren）またはＭＲセンサ（MR-Sensoren）が使用される。シャフト側に、複数の極を有する磁石リングが使用され、当該磁石リングは、直接または支持リングを介してシャフト上に取り付けられている。センサは、通常、磁石の外側の所定の半径方向距離に位置している。

ステアリングシステムにおいては、増大された剛性を有するシャフトが適用される傾向にある。しかしながら、それにより、トルク測定を考慮することに次のような問題が生じる。すなわち、シャフトが所定のトルクにおいてわずかなねじれを生じ、これにより、磁場センサにより検出される磁場変化が小さくなる。それに応じて、センサから伝送される信号が不正確になる。

本発明は、このようなことに基づいてなされたものであり、簡単な構造状の対処によって、トルク検出用のセンサ装置を、車両のステアリングシステムにおいて、コンパクトな実施形態において可能な限り正確なトルク信号が発生されるという態様に構成することを課題とする。

本発明によれば、上記課題は、請求項１の特徴によって解決される。従属請求項は、好適な実施の形態を示している。

本発明によるセンサ装置は、車両のステアリングシステムにおけるトルク測定のため、とりわけ、ハンドルを介して運転手から与えられるステアリングトルクの調査のために適用される。当該ステアリングシステムには、特に、サーボ補助のための電気的な駆動モータが設けられている。ここでは、基本的に、油圧式または電気油圧式のサーボ補助が考慮される。

センサ装置は、ステアリングシステムのシャフトに対して回転固定されて配設された磁石および磁場センサを有し、当該磁場センサは、磁石に関連づけられていて、シャフトの第２の部分上に配設されて、当該部分に対向する側で磁石を支持するシャフト部分が相対的回転運動を実行するか、または、ハウジングに固定されて配置される。この際、磁石は、磁石ホルダによって支持され、当該磁石ホルダは、シャフトに結合されている。磁石と磁場センサとの間での相対的回転運動の間、センサによって、磁石により発せられている磁場の変化が検出される。これらの変化は、相対ねじれの、すなわち作用するトルクの尺度である。

本発明によれば、磁石を支持する磁石ホルダは、シャフトに対して所定の半径方向距離に配設された受容領域を有し、磁石は、シャフトの方を向く受容領域の内面に配設されている。これらが、シャフトないし磁石ホルダに関連する磁石の配置に関しての、従来技術による形態からの相違点を示している。本発明による実施の形態においては、磁石が、磁石ホルダにおける受容領域の内面に存在し、シャフトの方を向いている。これに対して、従来の技術による形態においては、磁石は、磁石ホルダの外面に配設され、半径方向外側を指している。本発明による新しい装置は、従来技術に対向する利点であって、コンパクトな全体構成にもかかわらず、磁石は、シャフトに対してかなり大きい半径方向距離に存在し、これにより、シャフトの角度変化が、磁石のかなり大きい道程となり、それに応じて、磁場の対応する著しい変化が確認可能となる。このことは、測定信号の品質を好都合にさせる結果となる。

同時に、好適な実施の形態によれば、磁場センサは、シャフトの回転軸に対して、磁石のように最大の半径方向距離を有しているため、半径方向において、コンパクトに形成された構成が達成される。この際、磁場センサは、半径方向において、シャフトの外面と磁石との間に置かれる領域の間に取り付けられ、センサが、磁石により、半径方向外側で遮蔽される。あるいは、磁場センサは、磁石の軸方向前面に対して所定の軸方向距離に置かれている。両方の場合において、センサは、磁石の外側から定められる半径内に存在する。シャフトの外面と磁石との間のセンサの装置は、さらに、軸方向において、とてもコンパクトな構成が達成され、これによりセンサが、基本的に、磁石を介して軸方向に突出することが不要となるという利点を有している。

最適化された装置に基づいて、同等な設置スペースの大きさの場合、信号改善（Signalverbesserung）が、強度（Grossenbereich）において５０％まで達成される。反対に、同等な信号品質の場合、著しい設置スペースの低減を達成することが可能になる。

好都合な実施の形態によれば、磁石は、セグメント状に、とりわけ矩形状にまたはピッチ円（円弧）として形成され、これにより環状の磁石はもはや不要となる。それにもかかわらず、リング状の磁石が設けられることは、好適となり得る。

磁石ホルダが、リングと共にシャフト上に取り付けられて、これに結合される、あるいは押し付けられることが好都合である。好適には、金属ケースが設けられ、当該金属ケースが磁石ホルダに結合され、当該金属ケースを介して磁石ホルダがシャフトに結合されている。更に好都合な実施の形態によれば、磁石ホルダは、プラスチックの射出成型部品として形成され、磁石ケースの場合には、これらは、磁石ホルダの材料により被覆される。場合によっては、磁石ホルダは、金属ケースを介して、かしめまたは圧入の方法によってシャフトに結合される。しかしながら、基本的には、接着または機械的な固定装置による結合とすることもできる。

セグメント状に形成された磁石を含む組み合わせにおいては、磁石の支持部材である磁石ホルダの受容領域は、台形状に実施されていることが好適であり、この場合、台形の狭い側は、半径方向外側に置かれ、広い側は、シャフトに隣接して置かれる。

更に好適な実施の形態によれば、磁場センサは、ハウジング構成部品に固定されて結合され、当該ハウジング構成部品は、第２のシャフト部分に連結され、当該第２のシャフト部分に対向して、第１のシャフト部分は、トルクの適用の際、相対回転運動を行う。このハウジングは、特に、コイルバネの受容のためのコイルバネハウジング（Wickelfedergehause）としても機能する。

更に、好適には、磁場センサが、プレート上に配設されており、当該プレートは、とりわけ矩形形状を有し、他の電子構成部品の支持部材のためのものであって、場合によっては、電力供給および／またはソフトウェア接続のための追加の接触点を有している。このようなプレート、またはプリント回路基板は、低コストで製造される。

他の利点および好適な実施の形態が、他の請求項、図面の記述および図面から引き出される。

図１は、トルク測定用のシャフト上のセンサ装置の前面図である。 図２は、図１によるセンサ装置の、部分的に切断された側面図である。 図３は、シャフト上のセンサ装置の他の実施の形態の例を示す図である。 図４は、図３の実施の形態の側面図である。

これらの図においては、同一の構成部品には同一の参照符号が付されている。図１および図２に、第１の実施の形態の例が示されている。当該実施の形態の例によれば、シャフト２内に作用するトルクの検出用のセンサ装置１が設けられている。シャフト２は、入力シャフト２ａと、出力シャフト２ｂと、結合されたトーションバー２ｃと、を有している。測定対象は、入力シャフト２ａと出力シャフト２ｂとの間で作用するトルクであり、当該トルクは、トーションバー２ｃにねじれを生じさせる。当該ねじれは、作用するトルクのための尺度として、トルクセンサ装置１の援助によって測定される。

当該センサ装置１は、セグメント状に形成された双極子磁石３を有し、当該双極子磁石は、磁石ホルダ４を介して、入力シャフト２に固定されて結合されている。磁石３のＮ極とＳ極は、半径方向、あるいは円周方向に対向して置かれている。さらに、センサ装置１は、所定の位置で磁石３から出される磁場の変化を検出するための磁場センサ５を含んでいる。当該変化は、入力シャフト２ａと出力シャフト２ｂとの間の相対ねじれの結果として生じる。磁場センサ５は、例えば、ホールセンサまたはＡＭＲセンサとして実施され、これは、異方性の磁気抵抗効果に基づいている。

センサ５は、矩形状に形成されたプリント回路基板、例えばプレート６上に取り付けられ、当該プレート６は、とりわけＡＳＩＣＳの、他の電子構成部品７の支持部材となっている。さらに、プレート６上には、電気的な接触点８が存在し、当該接触点８を介して、とりわけ電気的なコイルバンド（Wickelband）、例えばソフトウエアインターフェースまたはプログラムインターフェース９が接続され得る。

磁石ホルダ４上に、磁石３が配設され、当該磁石ホルダ４は、入力シャフト２ａ上に支持されたリング４ａと、台形状に形成され、磁石３の半径方向外側に置かれている面が保持される受容領域４ｂと、を含んでいる。図２に示されているように、磁石ホルダ４の受容領域４ｂと共に、軸方向に突出するサポート部分４ｃが、磁石ホルダの半径方向外側に置かれている面の領域に、一片で形成され、サポート部分４ｃの内面上に磁石３が配設されている。このようにして、磁石３と、シャフト２またはシャフトの回転軸１０との間の最大半径方向距離が実現され得る。磁石ホルダ４は、とりわけ、プラスチックの射出成型部品として形成されており、入力シャフト２ａに固定されて結合され、シャフトへの結合のための金属ケースが設けられ得る。当該金属ケースは、磁石ホルダの材料で射出される。

磁場センサ５は、磁石３とシャフト２の外面との間の半径方向の中間領域に存在している。このようにして、磁場センサ５は、磁石３と、磁石３の支持部材であるサポート部分４とにより半径方向で覆われる。当該磁石３は、とりわけ射出成型の間に、磁石ホルダの材料に埋められる。センサ５は、磁石３の半径方向内方に置かれると共に、磁石３とサポート部分４ｃとによって覆われる領域の軸方向内方に置かれている。

プレート６は、その上に配設される磁場センサ５を含む構成要素と共に、コイルバネハウジング１１上に保持される。当該コイルバネハウジング１１は、出力シャフト２に固定されて結合されている。

図３および図４による実施の形態の例においては、基本構造は、図１および図２の実施の形態の例と同一であり、これにより前述の記載が参照される。しかしながら、磁石３に関する磁場センサ５の相対位置が異なっている。図３および図４による実施の形態の例においては、磁場センサ５は、磁石３の軸方向前方に位置しており、このようにして、磁石３またはサポート部分４ｃにより半径方向外側が遮蔽されていない。磁石３は、対応する前面を磁化される。また、この実施の形態においては、磁場センサ５とシャフト２または回転軸１０との間の半径方向距離は、シャフト２または回転軸１０に対する磁石３の半径方向距離、および、特に外側に横たわるサポート部分４ｃの半径方向距離よりも大きくなっていない。

１ センサ装置
２ シャフト
２ａ 入力シャフト
２ｂ 出力シャフト
２ｃ トーションバー
３ 磁石
４ 磁石ホルダ
４ａ リング
４ｂ 受容領域
４ｃ サポート部分
５ 磁場センサ
６ プレート
７ 電気構成部品
８ 接触点
９ プログラムインターフェース
１０ 回転軸
１１ コイルバネハウジング

Claims (13)

1. 車両のステアリングシステムにおけるトルク測定用のセンサ装置において、
   シャフト（２）に対して回転固定されて配設された磁石（３）と、
   磁場センサ（５）と、を備え、
   磁石（３）は、シャフト（２）に結合させるための磁石ホルダ（４）に保持され、
   磁石ホルダ（４）は、シャフト（２）に対して所定の半径方向距離に配設された受容領域（４ｂ）を有し、
   磁石（３）は、シャフト（２）の方を向く受容領域（４ｂ）の内面に配設されている
   ことを特徴とするセンサ装置。
2. シャフト（２）に対する磁場センサ（５）の半径方向距離は、シャフト（２）に対する磁石（３）の半径方向距離より大きくない
   ことを特徴とする請求項１に記載のセンサ装置。
3. 磁場センサ（５）は、半径方向において、シャフト（２）と磁石（３）との間に位置している
   ことを特徴とする請求項２に記載のセンサ装置。
4. 磁場センサ（５）は、磁石（３）の軸方向前方に位置している
   ことを特徴とする請求項２に記載のセンサ装置。
5. 磁石（３）は、セグメント状に形成されている
   ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載のセンサ装置。
6. 磁石ホルダ（４）は、シャフト（２）上に取り付けられている
   ことを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載のセンサ装置。
7. 磁石ホルダ（４）の受容領域（４ｂ）は、軸方向に突出するサポート部分（４ｃ）を有し、
   当該サポート部分（４ｃ）上に、シャフト（２）の方を向く磁石（３）の内面が保持されている
   ことを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載のセンサ装置。
8. サポート部分（４ｃ）は、磁場センサ（５）を半径方向外側で覆っている
   ことを特徴とする請求項７に記載のセンサ装置。
9. 磁石ホルダ（４）の受容領域（４ｂ）は、台形状に形成されている
   ことを特徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載のセンサ装置。
10. 磁石ホルダ（４）は、プラスチックの射出成型部品として形成されている
    ことを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載のセンサ装置。
11. 磁場センサ（５）は、コイルバネハウジング（１１）上に保持されている
    ことを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載のセンサ装置。
12. 磁場センサ（５）は、電子構成部品（７）の支持部材である矩形形状のプレート（６）に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項１乃至１１のいずれかに記載のセンサ装置。
13. 請求項１乃至１２のいずれかに記載のトルク測定用のセンサ装置を備えた
    ことを特徴とする車両のステアリングシステム。

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