JP2012508884A - 振動の存在下で用いる位相シフト干渉方法 - Google Patents

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Abstract

(i)検査面から反射された検査光と基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録し、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定するようにするステップと、(ii)記録したインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいて、キャビティに対する最初の位相マップを計算するステップと、(iii)この最初の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算するステップと、(iv)位相シフトの増分に対する計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算するステップとを具えている位相シフト干渉(PSI)方法及びこれに対応するシステムを提供する。

Description

本発明は、位相シフト干渉方法及びその関連システムに関するものである。
干渉方法による光学技術は、リソグラフィックフォトマスクで用いられているガラス基板のような精密光学素子の表面トポグラフィーや、光学的厚さや、平坦さや、その他の幾何学的特性及び屈折率特性を測定するのに広く用いられている。
例えば、測定面の表面プロファイル(形状)を測定するために、干渉計を用い、測定面から反射される測定波面と、基準面から反射される基準波面とを合成して光学干渉縞を形成するようにすることができる。光学干渉縞の強度プロファイルの空間的変動は、基準面に対する測定面のプロファイルの変動により生じる、合成された測定波面及び基準波面間の位相差に相当する。この位相差及びこれに対応する測定面のプロファイルを正確に決定するためには、位相シフト干渉(PSI)方法を用いることができる。
PSIの場合、基準波面及び測定波面間の複数の位相シフトの各々に対し光学干渉縞が記録され、(例えば、建設的干渉から相殺的干渉へ移り且つ建設的干渉に戻る)光学干渉の少なくとも1つの全サイクルに及ぶ一連の光学干渉縞を生じるようにする。光学干渉縞はその各空間的位置に対する一連の強度値を規定するものであり、各一連の強度値は、当該空間的位置に対する、合成された測定波面及び基準波面間の位相差に等しい位相オフセットを有する位相シフトへの正弦波状の依存性を有する。当該技術分野で既知の数値手法を用いることにより、空間的位置に対する位相オフセットが強度値の正弦波状の依存性から導き出されて、基準面に対する測定面のプロファイルが得られる。このような数値手法は、一般に位相シフトアルゴリズムと称されている。
PSIにおける位相シフトは、測定面から干渉計までの光路長を基準面から干渉計までの光路長に対して変えることにより生ぜしめることができる。例えば、基準面を測定面に対して移動させることができる。このような機械的な位相シフトに加えて、電気光学変調又は音響光学変調により位相シフトを生ぜしめることができる。更に、測定波面及び基準波面の波長を変えることにより、一定でゼロでない光路長差に対し位相シフトを生ぜしめることができる。この後者の応用は波長同調式PSIとして既知であり、例えば、米国特許第 4,594,003号明細書(発明者:G. E. Sommargren)に開示されている。
位相シフト干渉計の一例は、レーザのようなコヒーレント光源で光が当てられるフィゾー干渉計である。例えば、選択アルゴリズムを有するPSIを得るために、Z軸に沿って制御される位相シフトを生ぜしめうるようにしたフィゾー干渉計により、任意の形状の検査面を撮像する。光学系はZ軸に沿って整列させ、検査面は、各ピクセルがXY平面における独自の位置に対応するようにカメラに撮像させる。又、レーザビームを基準面及び検査面に指向させ、検査面及び基準面から反射された光ビーム間の干渉を位相シフトの関数として抽出し、続いてPSIアルゴリズムで解析し、検査面の位相マップを取り出し、この位相マップを、レーザビームの既知の波長を用いて物理単位に変換する。通常のPSIアルゴリズムは、一定の走査運動(すなわち、一定の速度)を前提としている。
米国特許第 4,594,003号 米国特許第 6,359,692号 米国特許第 6,924,898号 米国特許出願公開第2008/0266571号
従って、走査運動が均一でない場合には、測定面のプロファイルに誤差が生じる。不運にも、PSIにおける走査運動が均一でない場合がしばしば生じる。これは、走査機構の運動が非直線的である為に、又は干渉計の各素子に互いに異なるように作用する振動により生じるおそれがある。
従って、本発明によれば、振動が存在する状態で用いる位相シフト干渉方法及びシステムを提供する。
本発明者は、意図する(系統的な)位相シフトの増分からの実際の位相シフトの増分の、振動による偏差を推定するために、位相シフト干渉(PSI)データを用いるためのフィッティング法は、このPSIデータの少なくとも一部分を振動に対する感度を低くして得るとともに、この一部分をこのフィッティング法で用いる最初の(初期の)位相マップの正負符号を規定するのに用いることにより、著しく改善しうることを確かめた。例えば、1つ以上の高速な機械的位相シフトが後続する緩やかな機械的位相シフトの最初のシーケンスを用いてPSIデータを収集しうる。大きな振動が存在すると、緩やかなシーケンスに対する1つ以上の実際の位相シフトの増分は、その正負符号において、意図する対応の位相シフトの増分とは反対になりうる。しかし、この正負符号の変化の確率は、極めて高い周波数の大きな振動を除いては、高速な位相シフトの増分に対しては殆どない。一方、機械的で高速な位相シフトは位相シフトシーケンスの全体にとって望ましいものではない。その理由は、これらの高速な位相シフトは追加の振動及び雑音を生ぜしめる為である。従って、高速な位相シフトからのデータは、位相マップに対する正しい正負符号を確立するのに用いることができ、一方、より緩やかな位相シフトシーケンスは、正負符号が確立された後の位相マップの精度を改善するのに用いることができる。このことは重要なことである。その理由は、位相マップに対する正負符号が間違えることにより、他のフィッティングが最適であっても、振動により実際の位相シフトの増分を、正負符号において、意図する位相シフトの増分とは異ならせてしまう場合を生ぜしめるおそれがある為である。従って、例えば、凹面トポグラフィーが凸面であるとして、又はその逆として間違って計算されるおそれがある。
更に、この問題に対処するために、大きな振動が存在する場合に、よりロバストな(維持性のある)位相シフトの増分の正負符号を有するPSIデータを収集する一方法は、カメラの隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に、順次のインターフェログラムであって、各インターフェログラムがカメラに対するフレームレートの逆数よりも短い積分時間を有する当該インターフェログラムの1つ以上の対の各々を収集する方法である。このような手法は位相シフトシーケンスの幾らかに又は全てにも用いることができる。
位相マップの正負符号を確認する(又は同様に実際の位相シフトの増分のシーケンスの正負符号を確認する)ためにここに開示する他の技術は、振動の存在中の位相シフトの増分の実際のシーケンスを推定し、その結果を位相シフトの増分の意図するシーケンスと比較し、位相シフトの増分の推定シーケンスに対する正負符号を維持すべきか又は反転させるべきかを決定するのに、PSIデータのフィッティングを用いる技術である。例えば、位相シフトの増分の意図するシーケンスと、この位相シフトの増分の意図するシーケンスに対する正の符号及び負の符号の各々との間の相関関係を計算し、高い方の相関関係が正しい正負符号を表すようにしうる。この場合、正しい正負符号を有する実際の位相シフトの増分の推定シーケンスを用いて、正しい正負符号を有する改善した位相マップを決定しうる。比較技術又は相関関係技術が機能する理由は、大きな振動により実際の位相シフトの増分を、位相シフトのシーケンスの全体に亘り、意図する位相シフトとは極めて異なる(これには正負符号が逆であることが含まれる)ようにするおそれがあるが、これらの振動は、これらが意図する位相シフトを増大させる傾向があるのと同様に、意図する位相シフトを減少させる傾向があり、従って、実際の位相シフトの増分のシーケンスが意図する位相シフトの増分のシーケンスと相関関係に維持される為である。この意味で、意図する位相シフトの増分のシーケンスは実際の位相シフトの増分のシーケンスに“位相バイアス”を与える。この相関関係技術を通常のようにして得られるPSIデータに適用して、位相マップの正しい正負符号を決定することができ、しかも、この相関関係技術は、PSIデータが、振動により生ぜしめられた正負符号の変化に対しロバストとなるように明確に確保された場合に、得られる正負符号を確認するのにも適用しうる。
ここに開示する方法及びシステムの種々の態様及び特徴はより一般的に要約しうる。
一般に、1つの態様では、
(i)検査面から反射された検査光と基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対しインターフェログラムを記録するステップであって、前記検査光及び基準光は共通光源から発生されるようになっており、各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに対応させ、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は、位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、位相のこのシーケンスにおける各位相対の間の差により対応する位相シフトの増分を規定するようにする当該ステップと、(ii)記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいて、キャビティに対する最初の位相マップを計算するステップと、(iii )この最初の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算するステップと、(iv)位相シフトの増分に対するこれらの計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算するステップとを具えている位相シフト干渉(PSI)方法を開示する。例えば、改善した位相マップは、検査面に対する表面トポグラフィーを表すようにしうる。
本発明の一組の例では、PSI方法を振動の存在下で用い、各位相シフトの増分が系統的成分と振動により生ぜしめられるランダム成分とを有するようにする。ランダム成分は、位相シフトの増分が正負符号を系統的成分の正負符号に対し変化させる確率を生ぜしめる。インターフェログラムは、インターフェログラムの少なくとも2つの異なる組を生じるように記録させ、インターフェログラムのこれらの異なる組は、インターフェログラムの少なくとも1つの対を有する第1の組と、少なくとも1つのインターフェログラムを有する第2の組とを具え、第1の組におけるインターフェログラムの対に対する位相シフトの増分における正負符号の変化の確率が、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを有するインターフェログラムの如何なる対に対する正負符号の変化の確率よりも小さくなるようにする。キャビティに対する最初の位相マップは、少なくともインターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて計算する。
このような例には更に、以下の如何なる特徴事項をも含めることができる。
位相シフトの増分を計算するのに用いる記録されたインターフェログラムには、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを含めることができる。
最初の位相マップを計算する前記ステップは、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムであって、第2の組における如何なるインターフェログラムでもないインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいて、最初の位相マップに対する正負符号を決定する処理を有するようにする。例えば、最初の位相マップを計算する前記ステップが、第1の組におけるインターフェログラムの種々の対の各々に対し予備的な位相マップを計算するとともに、これらの予備的な位相マップを平均化する処理を有するようにしうる。予備的な位相マップを計算するのに用いるインターフェログラムの種々の対に対する位相シフトの増分の系統的成分の大きさの絶対値は例えば、π/2ラジアン(モジュロπ)にほぼ等しくしうる。更に、他の例では、最初の位相マップを計算する前記ステップが更に、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの対の1つ以上を、1つ以上の記録された干渉信号に基づいて識別するとともに、最初の位相マップの大きさに対する絶対値を、識別された直角位相関係にあるインターフェログラムの対に基づいて決定する処理を有するようにしうる。最初の位相マップの大きさに対する絶対値を得るのに用いる、直角位相関係にあるインターフェログラムは、第1の組から、又は第2の組から、或いはこれらの組み合わせから得ることができる。
第1の組における各インターフェログラムは、第2の組におけるインターフェログラムに対する積分時間よりも短い積分時間で記録することができる。
インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器によりフレームレートを規定し、第1の組の各インターフェログラムはフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録するようにしうる。更に、例えば、第1の組の記録されたインターフェログラムは、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られる少なくとも一対の順次のインターフェログラム有するようにしうる。
順次の位相に対する各位相シフトの増分の系統的成分により、位相シフトの増分に対する大きさの絶対値と、この大きさの絶対値を与える期間と、この大きさの絶対値をこの期間で割った値に等しい位相勾配とを規定し、インターフェログラムは、第1の組におけるインターフェログラムに対応する位相シフトの増分に対する位相勾配を、第2の組におけるインターフェログラムを含む位相シフトに対応する何れの位相勾配よりも大きくするように記録させるようにすることができる。例えば、位相シフトの増分の系統的成分に対する大きさの絶対値はほぼ等しくしうる。ある分野では、第1の組におけるインターフェログラムを位相のシーケンスの終端に記録するのが好ましい。
位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップが、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に対する系統的成分に関する情報に基づいて、推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにしうる。例えば、推定値に対する正負符号を決定するこの処理は、系統的成分に関する前記情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対し正及び負の符号の各々と相関づける処理を有するようにしうる。
他の組の例では、インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器によりフレームレートを規定し、記録されたインターフェログラムは、各インターフェログラムがフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されたこれらインターフェログラムの少なくとも1つの対を有する第1の組を具えるようにし、キャビティに対する最初の位相マップは、少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて計算するようにする。更に、例えば、第1の組における記録されたインターフェログラムは、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られる少なくとも一対の順次のインターフェログラムを有するようにしうる。
このような例には更に、如何なる以下の特徴事項をも含めることができる。
最初の位相マップを計算する前記ステップは、最初の位相マップに対する少なくとも正負符号を、少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて決定する処理を有するようにしうる。例えば、最初の位相マップを計算する前記ステップは、第1の組におけるインターフェログラムの種々の対の各々に対する予備的な位相マップを計算し、これらの予備的な位相マップを平均化する処理を有するようにしうる。予備的な位相マップを計算するのに用いるインターフェログラムの種々の対に対する位相シフトの増分の系統的成分の大きさの絶対値は、例えば、π/2ラジアン(モジュロπ)にほぼ等しくしうる。更に、他の例では、最初の位相マップを計算する前記ステップが更に、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの対の1つ以上を、1つ以上の記録された干渉信号に基づいて識別するとともに、最初の位相マップの大きさに対する絶対値を、識別された直角位相関係にあるインターフェログラムの対に基づいて決定する処理を有するようにしうる。最初の位相マップの大きさに対する絶対値を得るのに用いる、直角位相関係にあるインターフェログラムは、第1の組から、又は(存在すれば)第2の組から、或いはこれらの組み合わせから得ることができる。
位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップは、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に対する系統的成分に関する情報に基づいて、推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにしうる。推定値に対する正負符号を決定するこの処理は、例えば、系統的成分に関する前記情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対し正及び負の符号の各々と相関づける処理を有するようにしうる。
更に他の組の例では、各位相シフトの増分が、系統的成分と、振動により生ぜしめられるランダム成分とを有するようにするとともに、位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップは、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に対する系統的成分に関する情報に基づいて、推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにしうる。推定値に対する正負符号を決定するこの処理は、例えば、系統的成分に関する前記情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対し正及び負の符号の各々と相関づける処理を有するようにしうる。
このような例には、以下の如何なる特徴事項をも含めることができる。
最初の位相マップを計算する前記ステップは、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの対の1つ以上を、1つ以上の記録された干渉信号に基づいて識別する処理を有するようにしうる。例えば、互いにほぼ直角位相関係にある複数の対を識別しうるようにし、最初の位相マップを計算する前記ステップは更に、直角位相関係にある各対に対し予備的な位相マップを計算し、これらの予備的な位相マップの全てに対する正負符号を同じに設定し、その後予備的な位相マップを平均化して最初の位相マップを提供する処理を有するようにしうる。
上述した3つの組の何れの組における例にも、以下の特徴事項の何れをも含めることができる。
位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップは、キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する一組の理論的な干渉信号にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化するステップを有することができる。位相シフトの増分に対するパラメータ化推定値は、例えば、種々の位置に共通の一組の位相シフトの増分を有するようにする。更に、例えば、位相シフトの増分の推定値を計算するのに、フィッティングの処理が最小二乗最適化処理を有するようにする。更に、フィッティングの処理は、位相のシーケンス中の検査面のピストン(piston)、チップ(tip )及びチルト(tilt)運動の1つ以上(例えば、2つ以上)における変化を考慮するようにしうる。
共通光源はレーザとすることができる。
位相のシーケンスは、共通光源のコヒーレンス長よりも短い範囲に亘る位相シフトにより生ぜしめることができる。
位相のシーケンスは、機械的な位相シフト、波長同調、電気光学位相変調及び音響光学変調の何れか1つにより発生させることができる。例えば、検査光と基準光との間の光路長差を変えることにより、位相のシーケンスを発生させることができる。或いはまた、共通光源から検出器までの、検査光と基準光との間のゼロ以外の光路長差に対し、共通光源に対する波長を変えることにより、位相のシーケンスを発生させることができる。
本発明の方法には更に、検査面に対する表面トポグラフィーを改善した位相マップに基づいて決定するステップを含めることができる。
前記フィッティングの処理は、位相シフトの増分の推定値を決定するために、種々の横断方向位置xに対する干渉信号Ij を式
Figure 2012508884
に応じてフィッティングする処理を有するようにでき、ここで、Δj はjによりインデックス化した位相のシーケンスを規定し、式
Figure 2012508884
は最初の位相マップ
Figure 2012508884
に対する理論的な干渉信号に対応し、A(x)及びB(x)は、記録された干渉信号に対するAC及びDC成分とし、Cj = cos(Δj )及びSj =− sin(Δj )とし、位相シフトの増分Δ´はΔ´j = Mod(Δj −Δj-1 )に応じて位相のシーケンスから決定するようにする。
記録された干渉信号に対するAC及びDC成分は例えば、式
Figure 2012508884
に応じて決定することができる。
前記フィッティングの処理には更に、位相のシーケンス中での検査面のピストン運動、チップ運動及びチルト運動における変化を考慮する後続のフィッティングの処理を含めることができる。この後続のフィッティングの処理では、最初のフィッティングの処理に対する、記録した干渉信号Ij 及び決定した位相シフトの増分の推定値Δj を式
Figure 2012508884
にフィッティングさせる。ここで、δi 、αj 及びβj はそれぞれピストン、チップ及びチルト運動に対する位相シフトの増分の係数に相当する。例えば、前記後続のフィッティングの処理に対する式を線形化して式
Figure 2012508884
を得ることができる。
計算された位相シフトの増分に基づいて改善した位相マップを計算するステップは、(i)位相シフトの増分に対する計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、中間の位相マップを計算する処理と、(ii)この中間の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分の各々に対する改善した推定値を計算する処理と、(iii )位相シフトの増分に対するこの改善した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算する処理とを具えるようにしうる。
位相シフトの増分に対する計算した推定値に基づいて改善した位相マップを計算するステップには、種々の横断方向位置の各々における記録された干渉信号を、位相シフトの増分に対する計算した推定値の正弦関数にフィッティングさせて各位置におけるキャビティ位相を決定する処理を含めることができる。この正弦関数により例えば、記録された干渉信号の1つ以上の高調波を考慮してキャビティ中の複数の反射をモデリングするようにすることができる。
本発明の方法は更に、改善した位相マップに関する情報を記憶するか又は出力するステップを具えるようにしうる。
他の態様では、一般に、位相シフト干渉(PSI)装置と、電子プロセッサとを有する位相シフト干渉(PSI)システムを開示する。PSI装置は光源と、位相シフト干渉計と、電子検出器とを有する。PSI装置は、検査面から反射された検査光と位相シフト干渉計の基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するように構成し、前記検査光及び基準光は前記光源に相当する共通光源から発生されるようにする。各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに対応させ、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は、位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、位相のこのシーケンスにおける各位相対の間の差により対応する位相シフトの増分を規定するようにする。前記電子プロセッサは前記位相シフト干渉装置に結合させ、この電子プロセッサは、
(i)インターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいてキャビティに対する最初の位相マップを計算し、
(ii)この最初の位相マップと、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算し、
(iii )位相シフトの増分に対し計算された推定値と、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、改善された位相マップを計算する
ように構成されている。
システムに対する第1の組の例では、各位相シフトの増分は、系統的成分と、振動により生ぜしめられるランダム成分とを有するようにする。このランダム成分は、位相シフトの増分が正負符号を系統的成分に対する正負符号に対し変化させる確率を生じるものである。この第1の組の例に対しては、位相シフト干渉装置は、インターフェログラムの少なくとも2つの異なる組を生じるようにこれらインターフェログラムを記録するように構成されており、これらの異なる組は、少なくとも一対のインターフェログラムを有する第1の組と少なくとも1つのインターフェログラムを有する第2の組とを具え、第1の組におけるインターフェログラムの対に対する位相シフトの増分における正負符号の変化の確率が、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを有するインターフェログラムの如何なる対に対する正負符号の変化の確率よりも小さくなるようにする。更に、電子プロセッサは、少なくとも第1の組のインターフェログラムにおけるインターフェログラムの対に基づいて、キャビティに対する最初の位相マップを計算するように構成されている。
システムに対する第1の組の例には更に、最初に述べた対応する組の方法の例に対し上述した如何なる特徴事項をも含めることができる。
システムに対する第2の組の例では、インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器がフレームレートを規定し、PSI装置は、各インターフェログラムがフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されたこれらインターフェログラムの少なくとも1つの対を有する第1の組をインターフェログラムが具えるように、これらインターフェログラムを記録するように構成されており、キャビティに対する最初の位相マップは、少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて計算するようにする。更に、PSI装置は、例えば、第1の組における記録されたインターフェログラムが、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られた少なくとも一対の順次のインターフェログラムを有するように構成しうる。
システムに対する第2の組の例には更に、二番目に述べた対応する組の方法の例に対し上述した如何なる特徴事項をも含めることができる。
システムに対する第3の組の例では、各位相シフトの増分が、位相シフト干渉計により与えられる系統的成分と振動により生ぜしめられるランダム成分とを有し、電子プロセッサによる位相シフトの増分の推定値の計算が、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に対する系統的成分に関する情報に基づいて推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにする。電子プロセッサは例えば、系統的成分に関する情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対する正及び負の符号の各々と相関づけるように構成し、これにより推定値に対する正負符号を決定するようにしうる。
システムに対する第3の組の例には更に、三番目に述べた対応する組の方法の例に対し上述した如何なる特徴事項をも含めることができる。
ここで述べる“光”は、可視スペクトル領域における電磁放射に限定されず、むしろ一般的には、紫外線、可視光、近赤外線及び赤外線の何れかのスペクトル領域を言及するものである。
又、ここで述べる“積分時間”は、干渉強度パターンが位相の所定の1つに対し又は位相のシーケンスにおける位相範囲に対し電子検出器により記録される期間である。
又、ここで述べる電子検出器に対する“フレームレート”は、電子検出器の全ての素子(エレメント)を読み出すための最短期間の逆数である。
別段の規定がない限り、ここで用いるあらゆる技術的な及び科学的な用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有するものである。又、参考として導入した文献の何れかと矛盾する場合には、本発明の開示が優先するものである。
本発明の他の特徴事項、目的及び利点は以下の図面に関する詳細な説明から明らかとなるであろう。
図1は、位相シフト干渉システムを示す線図である。 図2は、検査面のプロファイルをシミュレーションの一部として示すプロット線図である。 図3Aは、実際の位相シフトの増分を90°とした、位相シフトされたインターフェログラムのシミュレート対から計算した図2の検査面に対する表面プロファイル(左側)及び残差(右側)を示すプロット線図であり、この計算は、意図する位相シフトの増分を90°と仮定して行ったものである。 図3Bは、実際の位相シフトの増分を135°とした場合の図3Aと同様なプロット線図である。 図3Cは、実際の位相シフトの増分を10°とした場合の図3Aと同様なプロット線図である。 図3Dは、実際の位相シフトの増分を−10°とした場合の図3Aと同様なプロット線図である。 図4は、図2及び3におけるシミュレーションに対し、残差を−180°から+180°までの実際の位相シフトの増分として示すプロット線図である。 図5は、振動により実際の位相シフトの増分の正負符号を意図する位相シフトの増分の正負符号と異ならせる確率を低減させるPSIデータ取得方式を示す線図である。
本発明の可能な実施例としては、ここで説明するにはあまりにも多くのものがある。従って、現在好ましい幾つかの可能な実施例を以下に説明する。しかし、これらの実施例は本発明の例示的説明であって、本発明がここで説明する詳細な実施例に限定されるものではなく、従って、本発明は特許請求の範囲ではより広い意味を有する用語で記載されるものであることをいくら強調しても強調すぎることはないものである。
[位相シフト干渉計]
ここでの説明は、位相シフト干渉計に関するものである。図1は、基準信号を得るための位相シフト干渉システム50の一例が、干渉計51とプロセッサ52(例えば、自動コンピュータ制御システム)とを有することを示している。この位相シフト干渉システム(測定システム)50は、検査物体53の表面の空間的な位置の位相シフト干渉データを得るように動作しうる。
システム50は、光源54と、第1の集束光学系(1つ以上のレンズ)56と、ビーム分割素子57と、第2の集束光学系60と、基準物体58と、第3の集束光学系61と、検出器59とを有する。光源54は、スペクトル的に狭帯域でコヒーレンスの高い光(例えば、レーザ)を放出する。第1の集束光学系56は、光源54からの光をビーム分割素子57に集束させ、このビーム分割素子57は光を第2の集束光学系60の方向に向け直し、この第2の集束光学系60は光を平行にするとともにこの平行光を基準物体58に伝達する。
基準物体58は、例えば、平行光を部分的に反射するとともに部分的に透過するガラス片とすることができる。基準物体58を透過した光は、検査物体53に向けて伝達される。検査物体53から反射された光と、基準物体58から反射された光とを、第2の集束光学系60が受光し、この第2の集束光学系60は合成された反射光をビーム分割素子57に戻るように伝達する。このビーム分割素子57は、合成された光を第3の集束光学系61に伝達し、この第3の集束光学系61は合成された光を検出器59に集束させる。基準物体58の部分反射性の表面は基準面を規定し、検査物体53の反射表面は検査面を規定する。干渉計の基準面及び検査面が光キャビティを規定する。
検出器59は、代表的に、一又はそれよりも多い次元(例えば、二次元)に配置した複数の検出素子(例えば、ピクセル)を有する多次元検出器(例えば、電荷結合装置(CCD)又は電荷注入装置(CID))とする。ここでは検出器を“カメラ”とも称する。光学系60及び61は、検査物体53から反射された光を検出器59に集束させて、この検出器59の各検出素子が検査物体53の対応する空間的位置(例えば、ポイント又は他の小領域)から反射された光を受光するようにする。検査物体53のそれぞれの空間的位置から反射された光と、基準物体58から反射された光とは、検出器59で干渉し、干渉パターン、すなわち“インターフェログラム”を形成する。各検出素子は、検査面及び基準面上の特定の横断方向位置に対応する当該検出素子におけるインターフェログラムの強度に関連する検出信号を生じる。
システム50は、検査物体53の空間的位置に関連する干渉信号を測定するように構成されている。このシステム50は、代表的に、基準物体58から反射された光と、検査物体53から反射された光との間に一連の位相シフトの増分を生ぜしめる。例えば、基準物体58は、コンピュータ52により制御される走査機構(例えば、電気機械変換器63(例えば、圧電変換器(PZT))及びこれに関連するドライブエレクトロニクス64)により走査次元軸(図1の例ではZ軸)に沿って多数の走査位置を通るように移動しうる。その結果、位相シフトの増分が生じる。その理由は、走査機構が、基準物体58から反射される光と検査物体53から反射される光との間の光路差(OPD)を変える為である。ある実施例では、順次の走査位置間の走査位置増分を少なくとも約λ/15(例えば、少なくとも約λ/8又は少なくとも約λ/4)とする。ここでλは、各ピクセルで検出された光の平均波長である。
検出器59は、各位相シフトに対し且つ検査物体の複数の異なる空間的位置の各々に対し強度値(例えば、所定の検出素子により検出された強度)を出力する。各空間的位置に対する強度値は、走査次元に沿って取り出した場合、空間的位置に対応する干渉信号を規定する。共通位置に対応する強度値は当該位相シフトに対するデータセット(すなわ、インターフェログラム)を規定する。ある実施例では、一連の位相シフトの増分に対するデータセットをPSIアルゴリズムで解析して、キャビティに対する位相マップを取り出すことができる。この位相マップは光源54の既知の波長を用いて物理単位で表すことができる。この位相マップは、基準面に対する検査面の表面トポロジーを表す。以下に記載する他の実施例では、検査面の位相マップを決定するか又は改善する、或いはその双方を行うための追加の技術を開示する。
図1は、位相シフト干渉計の一例にすぎない。図1の位相シフトシステム100はフィゾー干渉計を有しているが、他の実施例では、トワイマングリーン、マッハツェンダー、マイケルソン、ファブリペロー、かすり入射又は不平衡ミラウ干渉計のような他の種類の干渉計を採用しうる。又、干渉計は大口径干渉計、顕微鏡型干渉計又は光ファイバセンサ干渉計とすることもできる。
更に、他の技術を用いて位相シフトを実行することができる。図1の実施例ではOPDを変えるのに機械的な移相器を用いているが、他の実施例では、例えば、電気光学位相変調を用いることができる。更に、OPDを変えることなく、波長同調を用いることができる。例えば、図1の光源54を可同調光源(例えば、可同調レーザダイオード)とすることができ、光源の波長を走査することにより一連の位相シフトの増分を導入し、検査光路と基準光路との間のゼロでないOPDに対応する位相シフトが変化するようにする。本出願人と同一の出願人の米国特許第 4,594,003号及び第 6,359,692号には、波長同調位相シフト干渉計の更なる詳細が開示されているが、これらの内容は、参考のために導入するものである。更に、本出願人と同一の出願人の米国特許第 6,924,898号には、位相シフト干渉計(例えば、Fig.7参照)が開示されており、この場合、検査面に指向される光の伝搬波ベクトルを変調させることにより位相シフトが導入されるが、その内容は参考のために導入するものである。このような変調は、例えば、音響光学変調により達成しうる。
[大きな振動の存在下でのPSIデータ]
位相シフトされたM個の単一フレームのインターフェログラムを有するPSIデータの取得を考慮する。振動は、M個のフレーム間の位相シフトにランダム成分が含まれ、従って、特定の位相関係を予め仮定することができないということを意味する。しかし、フレーム積分時間は存在する振動に対しては短くて、コントラスト損失を無視しうるものと仮定する。Mは、少なくとも従来のPSIデータの取得に比べて大きくし、広範囲の時間位相のサンプリング(大きな時間位相のダイバーシティ)を取りうるようにする。振動がない場合でもMは従来のPSIに比べ大きいが、これはほんの一部の時間しか表しておらず、従って、現在のカメラ技術に対して大きな負担となるものではない。二光束干渉を仮定すると、キャビティ強度は、
Figure 2012508884
となる。ここで、θ(x)はキャビティ位相(又は“位相マップ”)であり、xは(検査面及び基準面の各々における横断方向位置に相当する)フィールド位置を表す2成分ベクトルを示し、φ(t)は時間に依存する位相シフトであり、A(x)及びB(x)はそれぞれDC及びAC項である。AC及びDC項は、
Figure 2012508884
により簡単に推定しうる。ここで、M個のインターフェログラムのフルセットを、最大値(“max ”)及び最小値(“min ”)の計算に用い得る。これらの推定値は、多数のフレームに対し最適であり、基本的にMに対する最大値を駆動する。DC及びAC項は、各フ
ィールド位置に対し正弦関数を式(1)にフィッティングさせることによっても推定しうる。
振動がない場合には、位相シフトシーケンスφ(t)が分かっており、キャビティ位相θ(x)を各フィールド位置で決定して、例えば、基準面に対する検査面の表面トポグラフィーを生ぜしめることができる。しかし、振動が存在し、位相シフトシーケンスφ(t)が分かっていない場合でも、反復フィッティング技術を用いてキャビティ位相を推定することができる。
例えば、位相シフトの意図したシーケンスを用いてキャビティ位相に対する最初の推定値を得ることができ、次に、最初のキャビティ位相に基づき且つ実際の位相シフトのシーケンスが全てのフィールド位置に対し同じであるという仮定の下で、PSIデータI(x,t)を式(1)にフィッティングすることにより、相シフトの実際のシーケンスに対する推定値を計算しうる。(以下に、更に詳細に説明するように、この仮定は、チップ、チルト及びピストン運動のような振動数の小さい振動を考慮するために緩めることができる。)この場合、キャビティ位相に対する改善した推定は、必要に応じ更なる反復を行って、各フィールド位置に対するPSIデータ及び計算した位相シフトから決定することができる。
しかし、大きな振動が存在する場合、この反復アプローチにより、キャビティ位相の全体に亘る正負符号に対する、すなわち位相シフトの全体に亘る正負符号に対する細心の注意の欠如を回避することができる。このことは、式(1)の余弦項を解析することにより理解しうることである。例えば、振動により、時間t=t1 における第1のインターフェログラムI(X,t1 )と時間t=t2 における第2のインターフェログラムI(X,t2 )との間の実際の位相シフト増分の正負符号を、意図する位相シフト増分の正負符号と逆にする場合には、インターフェログラムの対に適用されるフィッティング技術が、間違った正負符号を有するキャビティ位相をもたらすであろう。従って、例えば、検査面に対する凹面トポロジーが凸面として、又はその逆として報告されてしまう。このことは特に、他の最適なフィッティングに対しても当てはまることである。
更に、意図する位相シフトからの実際の位相シフトの増分のある種のずれに対しては多くのPSIアルゴリズム及びフィッティングルーチンがロバストとなるが、本発明者は、このようなロバスト性は、実際の位相シフトの増分の正負符号を変化させるのに充分大きな振動に対しては完全に無くなることを認識した。(ここで用いた、位相シフト増分の“正負符号”は、位相、モジュロ2πを−πから+πまでのラジアンで表した場合の位相の正負符号であるものと理解すべきである。)
このことを、図2、図3A〜3D及び図4に示すシミュレーションにより実証する。この場合、インターフェログラムIp (x)及びIk (x)が、幾つかの実際の位相シフトの増分の各々に対し且つ図2に示す検査面のプロファイルに対しシミュレートされており(基準面は完全に平坦であると仮定している)、位相マップは、実際の位相シフトの増分がπ/2(すなわち、90°)の意図する位相シフトの増分に等しいことを仮定してこれらのインターフェログラムから計算してある。この場合、キャビティ位相は、
Figure 2012508884
により与えられている。
図2に示すように、検査面は、6フリンジ(干渉縞)のPVずれを有する500ピクセルの正弦波形状のラインである。図3Aは、実際の位相の増分が確実に90°である場合に、計算した表面プロファイル(左側)及び残差(右側)を示す。この場合、予想通りに、位相マップはかなり良好である。残差は測定プロファイルと真のプロファイルとの間の差である。残差が完全にゼロでない理由は、式(2)を用いて計算したAC項及びDC項に誤差がある為である。
位相の増分が90°から外れると、残差は悪くなるが、表面の正負符号は維持され、一般的形状は正しいものとなる。例えば、図3Bは、実際の位相の増分が現実に90°ではなく、135°である場合の、計算した表面プロファイル(左側)及び残差(右側)を示す。ずれが大きい場合でも、実際の位相の増分の正負符号が正に維持されれば(すなわち、0及び180°間にあれば)、一般的形状が維持される。例えば、図3Cは、実際の位相の増分が現実に90°ではなく10°である場合の計算した表面プロファイル(左側)及び残差(右側)を示す。
しかし、実際の位相シフトの増分が、正負符号を90°の意図する位相シフトの増分の正負符号に対し変える場合(すなわち、実際の位相シフトの増分が0°の(又は180°の)境界を横切る場合)、位相マップに対する正負符号が反転し、これにより著しく悪い残差を生ぜしめる。例えば、図3Dは、実際の位相の増分が現実に90°ではなく−10°である場合の計算した表面プロファイル(左側)及び残差(右側)を示す。計算によれば、表面プロファイルのピークを谷として報告し、表面プロファイルの谷をピークとして報告する。
図4に集約して示しているシミュレーションは、rmsの残差を1°の増分に対する−180°〜+180°の実際の位相の増分の関数として示すプロットである。予想通り、残差は反転の為に0°よりも低い値で極めて大きくなる。残差は+90°から遠く離れて上昇するが、効果は反転効果に比べて小さい。(このシミュレーションが0°付近に比べて180°付近で急変していることを示している理由は、AC及びDCの不正確性により導入される誤差が、位相の増分のこれらの値に対し異なるように作用する為である。)
このシミュレーションは、実際の位相シフト増分と意図する位相シフト増分との間で大きく変化する場合でも、実際の位相シフトの増分の正負符号が意図する位相シフトの増分と同じであれば、計算した位相マップは一般に検査面の実際の形状に相当し、従って、この位相マップは後続の反復フィッティング技術に対する有効な開始点として作用して残差を更に減少させることができる。しかし、正負符号が変化する場合には、最初に決定した位相マップは著しく悪くなり、これに後続する反復フィッティング技術を間違った解に駆動するおそれがある。更に、インターフェログラムの対応する対から計算した幾つかの予備的な位相マップを、誤差を低減させずに平均化することにより、最初の位相マップが決定される場合には、1つ以上のインターフェログラム対が、正負符号を意図する位相シフトの増分に対して変化させる実際の位相シフトの増分に対応すると、この平均化により実際に誤差を増大させるおそれがある。
[PSIデータの処理]
最初の位相マップの推定値
Figure 2012508884
が得られているものと仮定する。この最初の位相マップがデータの取得中に一定であると仮定すると、この位相マップに対する全てのフレームIj 間の位相シフトΔj に対する推定値を、A(x)及びB(x)に対する測定値を用いて最小二乗法で計算しうる。その為に、各フレームIj を式
Figure 2012508884
にフィッティングさせる。ここで、Cj =cos (Δj )及びSj =−sin (Δj )である。マトリックス
Figure 2012508884
Figure 2012508884
Figure 2012508884
を解くことと等価であることを銘記すべきである。加算はフィールド中の全てのピクセルに亘るものであり、各フレームに対し1つの式がある。次に、
Figure 2012508884
を評価する(値を求める)ことにより、位相シフトを得る。
次に、位相シフトの増分Δ´を、
Figure 2012508884
を用いて位相シフトから決定しうる。
位相マップがデータの取得中に一定であるとの仮定は、不必要に厳しいものである。すなわち、対象とする表面はしばしば、データの取得中に剛体運動を受けるおそれがあるものである。幸いにも、式(4)は、純粋なピストン運動を超えた高次のキャビティ運動を求めるように拡張しうる。殆どの状況下では、これらの高次の項は、極めて小さいが、ある場合には、小さな振幅のチップ/チルト運動又は次数の項或いはその双方を含むようにこのフィッティングを拡張させるのに役立ちうる。これらの場合、ピストン運動項の推定値を得るために式(7)が最初に用いられ、次に、この推定値に対する小さい高次の変化量の値を求めるために式(4)を線形化形態に書き換える。例えば、小さいチップ及びチルト変化を含めるために、式(4)を
Figure 2012508884
として書き換え、式(7)でΔj を決定した後に、
Figure 2012508884
により、各フレームjに対する変化の値を求める。ここで、加算は全てのフィールド位置
Figure 2012508884
に亘るものであり、
Figure 2012508884
であり、δはΔからの位相シフトのずれであり、αj 及びβj はそれぞれx及びyのチルト係数である。或いはまた、剛体運動が大きな振幅を有する場合には、式(4)は非線形最適化法により解くことができる。
従って、隣接フレーム間の位相シフトの増分を、簡単な減算により見つけることができる。これらの位相は、同じ最初の位相マップの推定値
Figure 2012508884
に対して計算される為、この位相マップの推定値が、決定された位相の増分から相殺され、最初の位相マップの推定値が正しければ、主として最初の位相マップの推定値の質にかかわらず、決定された位相の増分を正確にする。
次に、決定された位相シフトの増分と、インターフェログラムの対応するシーケンスとを用いることにより、最終の干渉位相マップΘ(x)を計算して最初の位相マップの推定値
Figure 2012508884
を改善する。一実施例では、この最終の位相マップは、測定された何らかの空間的依存性を考慮する測定された位相シフトを用いる最小二乗解析により位相シフト軸(時間軸)に沿って得られる一次の干渉信号の位相を各ピクセルに対し個々に計算することにより見つけることができる。更に、信号を歪ませるおそれのあるキャビティの多重反射をも考慮するために、第一高調波及び第二高調波を同時に求めることができる。このことは、サンプリングが均一でない場合にこれらの2つの高調波を分離させるのに、直交性を計算しえない為に重要なことである。キャビティのフィネスが高い場合には、更に高い高調波を含めるのが望ましい。従って、各インターフェログラムで各ピクセルiをフィッティングする式は、
Figure 2012508884
となる。ここで、δはインターフェログラムに対し測定された位相シフトを表す。データマトリックス
Figure 2012508884
及びベクトル
Figure 2012508884
を規定することによっても、Aに対する式の組DA=Yを解くタスクを単純化させる。Y及びAは各ピクセルに対し評価することを銘記すべきである。標準の最小二乗処理に続く解は、A=[DT D]-1T Yである。これは、各ピクセルに対し且つA´,…,E´に対し
Figure 2012508884
を解くのと等価である。加算は全てのフレームに亘るものである。次に、各ピクセルに対し別々に
Figure 2012508884
を評価することにより、最終の位相マップを得る。この最終のフィッティングにより、DC項Aにおける不正確性と関連する全ての誤差を除去する。残存する唯一の誤差は、空間的に第一高調波の奇数の次数(奇数次)である。ある実施例では、このような誤差を、本出願人と同一の出願人の“Vibration Resistant Interferometry”と題する、米国特許出願公開第2008/0266571号明細書(発明者:Leslie L. Deck)に開示されている技術を用いた他の処理により除去することができる。ここでは、この米国特許出願公開明細書の内容は参考のために導入するものである。
更に他の実施例では、処理を継続するようにしうる。例えば、この段階で、計算した位相の増分と最良の位相マップとを用いて、AC及びDC項の精度を改善させることができる。このことは、最小二乗法において各ピクセルを式(1)にフィッティングさせることにより、すなわち、A(x)及びB(x)に対して、
Figure 2012508884
を解くことにより達成する。ここでは、加算をM個のフレーム全てに亘って行なうものであり、θ´j (x)=Θ(x)+Δj である。AC及びDC項を再計算すると、式(7)を新たなθ´j (x)に対し更に適用し、最終的に、更に改善された位相マップに対し式(15)を繰り返し適用することにより、位相の増分を改善しうる。所望に応じ、この演算シーケンスを反復することができる。しかし、この反復処理は実質的に、VCを一回適用した場合と同じ結果をもたらすということを、シミュレーションにより確かめた。
図2〜4のシミュレーションにより示すように、実際の位相シフトの増分の正負符号を、意図する位相シフトの増分の正負符号に対し変化させる振動は、計算した位相マッを反転させるおそれがある。特に、このような反転された位相マップを式(4)〜(7)の処理で最初の位相マップとして用いた場合には、位相シフトの増分の、決定されたシーケンスも、同様に間違った正負符号を有するおそれがある。このことは、偶数関数である式(4)における余弦項の独立変数に双方の項が存在する為に明らかである。その結果、式(4)〜(7)の全処理シーケンスは、間違った正負符号を依然として有している“改善された”位相マップをもたらす。
従って、ここに開示するある実施例は、上述したPSIデータ処理に用いる最初の位相マップの正負符号が正しくなるようにすることに向けるものである。特に、振動が実際の位相シフトの増分の正負符号を、意図する位相シフトの増分の正負符号に対し変化させるおそれを著しく低減させるように、PSIデータの少なくともサブセットを得るとともに、上述したPSIデータ処理に用いる最初の位相マップに対する正しい正負符号を確立するのにPSIデータのこのサブセットを用いる。ある実施例では、上述したことに代えて、又は上述したことに加えて、実際の位相シフトの計算したシーケンスを、意図する位相シフトのシーケンスと比較又は相関づけして、実際の位相シフトの増分のシーケンスに対する正しい正負符号を決定するようにしうる。
[PSIデータのロバスト取得]
実際の位相シフトの増分への振動の影響を低減させる一方法は、位相シフトされたインターフェログラムが取得されるレートを改善することにある。しかし不運にも、このような高速な位相シフトには実際的な制限がある。これらの制限には、カメラのフレームレート期間に対する下限と、各インターフェログラムの積分時間に対する下限と、所望の位相シフトの増分(代表的に+90°又は−90°)を与えるのに必要とする時間に対する下限とが含まれる。更に、検査光と基準光との間のOPDの高速な機械的走査のような高速な位相シフトによれば、後に取得するPSIデータを更に破損させる追加の振動を生ぜしめるおそれがある。
しかし、ここで認識されることは、最初の位相マップが正しい正負符号を有すれば、大きな振動が存在する場合でも、PSIデータ処理技術がロバストとなるということである。更に、最初の位相マップを、PSIデータの小さいサブセットのみに基づいて正しい正負符号で決定しうる。従って、ある実施例では、実際の位相シフトの増分が意図する位相シフトの増分と同じ正負符号を有するようにする必要がある程度にのみ、高速な位相シフトを、取得したインターフェログラムのサブセットのみに与えるようにする。最初の位相マップ(又は位相マップ全体)の正負符号を決定するのに用いるのがこのサブセットであり、その後、よりゆるやかな位相シフトを用いて取得した追加のインターフェログラムを(それのみで又はより高速に取得したインターフェログラムとともに)上述したようにその後のPSIデータ処理に用いることができる。
PSIデータの少なくともサブセットを、実際の位相シフトの増分の正負符号を変える振動に対してロバストとなるように取得するには多くの方法がある。例えば、90°(すなわち、π/2ラジアン)の意図する位相シフトの増分に相当する一対のインターフェログラムを考慮する場合、意図する位相シフトを与えるための期間Tは、
Figure 2012508884
を満足する必要がある。ここで、λは検査光及び基準光に対する波長であり、fは振動数であり、Aは振動の振幅である。この式によれば、実際の位相シフトは変化するが、正負符号は維持される。従って、ある実施例では、最初の位相マップの正負符号を定めるのに用いるPSIデータのサブセットを、式(17)を満足する一対の位相シフトされたインターフェログラムから取得するようにする。この式を更に一般化して、振動数の分布及び振動振幅の分布を考慮して、最初の位相マップの正負符号(すなわち、実際の位相シフトの増分の決定されたシーケンスの正負符号)を決定するのに用いるPSIデータの取得を導き出すようにすることができる。
ある実施例では、インターフェログラムの対に対する位相シフトを連続的に且つ直線的に行なう。この場合、このようなインターフェログラムの各々がTに等しい積分時間を有するようにする。ある実施例では、各インターフェログラムの強度値をカメラから高速に読み出すために、位相シフト時間Tが、カメラのフレームレートで隣接フレームにまたがり、積分時間Tはフレームが切換る各側にあり、Tは代表的にカメラに対するフレームレート周期の一部分(例えば、4分の1)のみとする。この場合、それぞれのインターフェログラムに対する積分時間の中間点間での意図する位相シフトの増分はπ/2ラジアンである。このような手法の詳細を以下に説明する。
[QuadPairの生成]
“QuadPair”又はQPは、持続時間の短いインターフェログラムの対であって、これらのインターフェログラム間の位相シフトが既知である(通常90°)当該インターフェログラムの対である。QPは、一定のDC項と相俟って、他の手段によっては得られない場合に、最初の位相マップを生ぜしめる方法を提供する。QPを生成するのに好適な方法を図5に示す。光源照明は、位相がシフトされている間にカメラのフレーム同期をまたぐようにシャッタにより制御される。位相シフトは多くの方法(例えば、機械的運動法又は波長同調法)で適用でき、シフトの実際の正負符号は重要ではないが分かっている。意図する位相シフト量は代表的に90°である。図5はQPのみの取得を示しているが、ここで述べる解析は、インターフェログラムの総数が3以上である限り、如何なる個数の付随の単一インターフェログラムを有する1つ以上のQPに適用しうる。照明自体を例えば、レーザダイオードを用いることにより変調できれば、シャッタは必ずしも必要としない。従って、本発明の実施例には、変調式カメラシャッタ又は変調式光源或いはこれらの双方を設けることができる。図5を参照するに、τは単一フレームに与えられる積分時間を表す。フレーム0及び1は1つのQPを構成し、フレーム2及び3は他のQPを構成する。
干渉位相は照明中に通常90°シフトさせる。このことは、種々の方法で達成させることができる。必要とする実際の速度は標準のPZTに基づく移相器の性能範囲内にある為、機械的な位相シフトが1つの選択肢である。振動は、例えば、代表的な卓上環境で遭遇するおそれがあり、且つKHz範囲に及ぶおそれがある為、QPは1ms又はそれ以下で取得する必要がある。HeNeの波長(633nm)に対しては、代表的な干渉計での80nmの物理的なずれで90°の位相シフトが生じ、従って、機械的な速度は1msの取得に対して80ミクロン/秒とする必要がある。約1mm/秒の速度は最も激しいあらゆる振動に対して適している。機械的な位相シフトにはキャビティの長さに依存しないという利点があるが、特に激しい運動の場合に基準(又は検査)面を歪ませたり変形させたりするおそれのあるキャビティ運動を生ぜしめるという欠点がある。従って、よりゆるやかな位相シフトを用いて取得したインターフェログラムに加えて、QPがこのような高速な機械的な位相シフトにより取得した場合、シーケンスをゆるやかな位相シフトを用いて開始するとともに、より高速な位相シフトを用いて結論付け、高速な位相シフトにより生ぜしめられた振動が、よりゆるやかな位相シフト中に取得されたインターフェログラムの完全性に悪影響を及ぼさないようにする必要がある。
他の位相シフト法は波長同調法である。外部のキャビティレーザダイオードは、高速で広帯域波長の同調キャビティを有する光源であり、不等光路干渉計における移相器として用いることができる。例えば、New Focus 社のStableWave(登録商標)は、同調レートを100THz/秒とすることができる。Dの光路長(一方向)を有するキャビティの場合、
Figure 2012508884
の光同調レートに対する干渉周波数fは、
Figure 2012508884
となる。100THz/秒の同調レートでは、10mmのキャビティが受ける干渉周波数は、6.67KHzであり、この干渉周波数はキャビティの長さに対し直線的に変化する。従って、このようなレーザは、環境振動が実際のあらゆるキャビティ長に対し位相に影響を及ぼすおそれのある位相シフトレートをはるかに超えるキャビティ位相シフトレートを生じるのに充分な以上に高速である。波長同調法には、キャビティに物理的に妨害を及ぼすことなく位相シフトを達成しうる利点があるが、QP位相シフトの増分を正確に設定するためのキャビティ長を知る必要がある。
他の位相シフト法は、電気光学位相変調器(EOM)を有するものである。偏光により検査波面と基準波面とを分離することにより、その一方又は他方を、EOMを用いて独立的に変調させるようにしうる。変調周波数は、振動運動をフリーズするのに必要な位相レートを極めて高速に且つ容易に満足させることができる。EOMを用いた位相変調には、キャビティに物理的に妨害を及ぼすことなく位相シフトを達成しうる利点がある。
QuadPairを形成する2つのインターフェログラムは時間的に隣接させる必要がなく、これはQuadPair生成機構に依存させるのが便利である。この方法は90°からのQP位相の増分のずれに対しロバストであるが、QP位相の増分の正負符号を知ることが重要である。さもないと、得られる表面の位相マップが反転されてしまう。
[最初の位相マップに対するQuadPairの解析及びその後の解析]
合計でM=N+2NQ個のフレームに対し、NQ個のQPと位相シフトされたN個の単一フレームのインターフェログラムとの合計を取得する場合を考慮する。振動は、N個のフレームとNQ個のQPとの間の位相シフトをランダムにし、従って、特定の如何なる位相関係をも予め仮定することができないということを意味する。しかし、フレーム積分時間は存在する振動に比べて短くして、コントラスト損失を無視しうるようにする必要がある。Mは、少なくとも通常のPSIの取得に比べて大きくして、時間位相の広範囲のサンプリング(大きな時間位相のダイバーシティ)を確実に達成しうるようにするのが好ましい。この場合も、2ビーム干渉を仮定した場合、キャビティ強度は式(1)で表され、AC及びDC項は、式(2)において最大値及び最小値の計算でM個のインターフェログラムのフルセットを用いて求めることができる。これらの推定は多数のフレームに対して最良なものであり、主としてMに対する最大値を取り出す。NQ個のQPの各々に対しては、キャビティ位相マップθ(x)の推定値を、
Figure 2012508884
により形成しうる。ここで、Ik (x)及びIp (x)はQPで用いられる2つのインターフェログラムであり、φはこれらの間の位相シフトである(公称の位相シフトは、QP−代表的に90°、であると仮定する)。次に、これらの個々の位相マップを互いに平均化して、次式の平均化された位相マップの推定値に到達するようにする。
Figure 2012508884
この場合、この平均化された位相マップの推定値は、式(4)〜(16)につき上述したPSIデータ処理解析における最初の位相マップの推定値として用いることができる。
[位相バイアスの解析]
振動が実際の位相シフトの増分を意図する位相シフトの増分と異ならせる場合に生じる問題に対処する他の方法は、位相バイアスの概念を用いる方法である。このような実施例では、少なくとも、正負符号の変化に対してよりロバストとするためのPSIデータのサブセットを取得する必要がない。
例えば、上述したように(式(1)に示すように)、位相シフトされた単一フレームのM個のインターフェログラムを取得する場合を考慮する。最初に、式(2)に示すようにDC項A(x)及びAC項B(x)をM個のインターフェログラムから決定する。次に、各対のインターフェログラムが互いに直角位相関係にあるある少なくとも1つ以上の対のインターフェログラムを選択する。
このことは、インターフェログラムの強度をAC及びDCレンジに対して検査することにより達成させることができる。例えば、ある実施例では、一方法により、各ピクセルに対し別々に、当該ピクセルがDCに最も近くなるインターフェログラムを見つける必要がある。このインターフェログラムは、直角位相関係にある対の2つのインターフェログラムのうちの一方のインターフェログラムを構成しており、他方のインターフェログラムは、ピクセルの強度がDC+AC又はDC−ACに最も近いインターフェログラムを見つけることにより選択する。この処理は、複数のピクセルの各々に関して実行し、これにより多数の、直角位相関係にあるインターフェログラムの対を生ぜしめようにすることができるが、これらの対の幾つかは冗長なものとなるおそれがある。対の集合を減少させて冗長性をなくすための多数の方法があり、良好に機能する1つの方法は、各インターフェログラムが確実に一回のみ用いられるようにすることである。この制限をかけることにより、最終候補の最大数はM/2を超えないようにしうる。更に、DC(第1の対のインターフェログラムに対し)及びDC±AC(第2の対のインターフェログラムに対し)に対するピクセル強度のずれに関する制限を用いて、候補が確実に直角位相関係に近づくようにしうる。候補の個数を(値≧1に)減少させることにより、アルゴリズムの処理速度を著しく改善しうるとともに、アルゴリズムの計測性能に悪影響を及ぼさない。その理由は、第1の位相マップの質を極めて高くする必要がない為である。
選択したNQ個のインターフェログラム対の各々に対し、位相マップの推定値θ(x)を、
Figure 2012508884
に応じて計算しうる。ここで、Ik (x)及びIp (x)は直角位相関係にある対で用いられる2つのインターフェログラムであり、φはこれらの2つのインターフェログラム間の位相シフト(90°と仮定される)である。この時点では、各位相マップの正負符号は不確実であり、従って、1つの直角位相関係の対を任意に選択し、他の全ての直角位相関係の対の位相マップの正負符号を、最初の対に対する相互関係を最大にするように設定する。次に、これらの個々の位相マップを互いに平均化して、次式の平均化された位相マップの推定値に到達するようにする。
Figure 2012508884
次に、この平均位相マップの推定値を式(4)〜(7)に応じて実際の位相シフトの増分を計算するための最初の位相マップの推定値として用いる。
次に、位相シフトの、計算されたシーケンスに対する正負符号が正しいかどうかを(すなわち、直角位相関係にある対から選択された正負符号が正しいかどうかを)決定する。特に、実際の位相シフトの、計算されたシーケンスを、意図する位相シフトのシーケンスと比較する。正負符号が正しい場合には、2つのシーケンスを互いに相関づける必要がある。その理由は、大きな振動が、位相シフトのシーケンスに亘って、実際の位相シフトの増分を、意図する位相シフトと著しく異ならせる(正負符号を逆にすることを含む)が、これらの振動は、これらが意図する位相シフトを増大する傾向があるのと同じ回数だけ、意図する位相シフトを減少させる傾向がある為である。従って、位相シフトの増分の意図するシーケンスと、実際の位相シフトの増分の計算したシーケンスに対する正及び負の符号の各々との間の相関関係は、位相シフトの増分の計算した組に対する正しい正負符号を表す高い相関性で計算される。このことは、次式で表すことができる。
Figure 2012508884
ここで、Δ´ ±は、正負符号の2つの可能な値に対する、測定した位相シフトの増分の分布であり、意図する位相シフトのシーケンスはΨj で与えられ、ここで、各シーケンスにおける位相は、−πから+πまでの(すなわち、−180°から+180°までの)モジュロ2πで表される。この場合、最も正のCorrを生じた位相シフトの増分の分布を正しいものとして採用する。
次に、改善した位相マップを決定する解析を、位相シフトの計算したシーケンスに対する正しい正負符号に基づいて上述したようにして(例えば、式(11)〜(15)から)開始する。
他の実施例では、この位相バイアス技術を、QuadPair技術又はその他の技術と組み合わせて、振動により生ぜしめられる正負符号の変化に対しロバストなPSIデータの少なくともサブセットを有して、正負符号が正しいことを冗長検査するようにしうる。
更に、ある実施例では、式(22)で用いた種々の直角位相関係の対に対する正負符号を、任意に選択することなく、式(19)又は式(20)で説明したような1つ以上のQuadPairから決定した最初の位相マップの正負符号により設定することを除いて、最初の位相マップを式(21)及び(22)で説明したようにして決定しうる。
[測定モード]
上述した解析を僅かに変えることにより、他の有効な多数の測定モードを可能にする。例えば、多くの測定の平均化を定期的に実行して雑音レベルを低くするとともに、機器の精度及び再現性を改善させる。上述した解析によれば、連続平均化モードが可能である。その理由は、位相シフト中に取得される各々の新たな単一インターフェログラムを、位相マップを計算するのに用いたインターフェログラムの組に加えることができる為である。この組が大きければ大きいほど、最終のマップにおける位相誤差が小さくなる。データの正負符号を評価するためには、QPの取得又は相関解析を一度だけ行う必要があるだけである。
キャビティ位相を環境外乱中に実時間で連続的にモニタリングするのに有効なモードは、連続相と称される。位相マップの測定が一旦上述したようにして行われると、式(19)を用いることによりキャビティ位相の他の独立測定を行うのに、その後の各QPで充分となる。従って、QPを連続的に取得することにより、キャビティ位相の変化を実時間でモニタリングしうるようになる。
干渉計のキャビティを実時間で整列させるのに有効な第3のモードは、連続的な位相モードを取り出すことであり、これは連続整列と称される。その着想は、次数又は非点収差のような特定の光学的パラメータを整列処理中に連続的にモニタリングすることにある。これらのパラメータが最小にされると、キャビティが最適に整列される。
[ソフトウェア]
上述した解析過程は、標準のプログラミング技術を用いるコンピュータプログラムで実行しうる。このようなプログラムは、プログラマブルコンピュータで、又は特別に設計した集積回路で実行されるように設計されており、各集積回路は、プロセッサと、データ記憶システム(メモリ及び記憶素子の双方又は何れか一方を含む)と、少なくとも1つの入力装置と、ディスプレイ又はプリンタのような少なくとも1つの出力装置とを有している。プログラムコードは、ここで述べた機能を実行するとともに、1つ以上の出力装置に供給される出力情報(例えば、位相マップ、表面のプロファイル等)を発生させるための入力データ(例えば、検出器からの映像)に与えられている。このようなコンピュータプログラムの各々は、高レベル手順の又はオブジェクト指向のプログラミング言語で、或いはアセンブリ言語又はマシン語で実行しうる。更に、言語はコンパイラ型又はインタープリタ型言語とすることができる。このような各コンピュータプログラムは、コンピュータにより読み出した際にコンピュータ内のプロセッサがここで述べた解析及び制御機能を実行するようにしうるコンピュータ可読記憶媒体(例えば、CDROM又は磁気ディスケット)に記憶させることができる。
他の観点、特徴及び利点も本発明の範囲内である。

Claims (50)

  1. 振動の存在下で用いる位相シフト干渉方法であって、この位相シフト干渉方法は、
    検査面から反射された検査光と基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するステップであって、前記検査光及び基準光は共通光源から発生されるようになっており、各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに対応させ、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は、位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、位相のこのシーケンスにおける各位相対の間の差により対応する位相シフトの増分を規定するようにする当該ステップ
    を具えており、
    各位相シフトの増分は、系統的成分と、振動により生ぜしめられるランダム成分とを有し、このランダム成分は、位相シフトの増分が正負符号を系統的成分に対する正負符号に対し変化させる確率を生じるものであり、
    インターフェログラムは、インターフェログラムの少なくとも2つの異なる組を生じるように記録させ、インターフェログラムのこれらの異なる組は、インターフェログラムの少なくとも1つの対を有する第1の組と、少なくとも1つのインターフェログラムを有する第2の組とを具え、第1の組におけるインターフェログラムの対に対する位相シフトの増分における正負符号の変化の確率が、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを有するインターフェログラムの如何なる対に対する正負符号の変化の確率よりも小さくなるようにし、
    前記位相シフト干渉方法は更に、
    少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて、キャビティに対する最初の位相マップを計算するステップと、
    この最初の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算するステップと、
    位相シフトの増分に対するこれらの計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算するステップと
    を具えている位相シフト干渉方法。
  2. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフト増分を計算するのに用いられる記録されたインターフェログラムが、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを有するようにする位相シフト干渉方法。
  3. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップが、キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する一組の理論的な干渉信号にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化するステップを有している位相シフト干渉方法。
  4. 請求項3に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分に対するパラメータ化推定値が、種々の位置に共通の一組の位相シフトの増分を有するようにする位相シフト干渉方法。
  5. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器によりフレームレートを規定し、第1の組の各インターフェログラムはフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録するようにする位相シフト干渉方法。
  6. 請求項5に記載の位相シフト干渉方法において、第1の組の記録されたインターフェログラムは、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られる少なくとも一対の順次のインターフェログラム有するようにする位相シフト干渉方法。
  7. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、順次の位相に対する各位相シフトの増分の系統的成分により、位相シフトの増分に対する大きさの絶対値と、この大きさの絶対値を与える期間と、この大きさの絶対値をこの期間で割った値に等しい位相勾配とを規定し、インターフェログラムは、第1の組におけるインターフェログラムに対応する位相シフトの増分に対する位相勾配を、第2の組におけるインターフェログラムを含む位相シフトに対応する何れの位相勾配よりも大きくするように記録させるようにする位相シフト干渉方法。
  8. 請求項7に記載の位相シフト干渉方法において、第1の組におけるインターフェログラムを位相のシーケンスの終端に記録する位相シフト干渉方法。
  9. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、位相のシーケンスを、機械的な位相シフト、波長同調、電気光学位相変調及び音響光学変調の何れか1つにより発生させる位相シフト干渉方法。
  10. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、第1の組の位相シフトの増分の系統的成分の大きさを絶対値でπ/2ラジアンにほぼ等しくする位相シフト干渉方法。
  11. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップが、第1の組におけるインターフェログラムの種々の対の各々に対し予備的な位相マップを計算するとともに、これらの予備的な位相マップを平均化する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  12. 請求項3に記載の位相シフト干渉方法において、前記フィッティングの処理は、位相シフトの増分の推定値を決定するために、種々の横断方向位置xに対する干渉信号Ij を式
    Figure 2012508884
    に応じてフィッティングする処理を有するようにし、ここで、
    Δj はjによりインデックス化した位相のシーケンスを規定し、

    Figure 2012508884
    は最初の位相マップ
    Figure 2012508884
    に対する理論的な干渉信号に対応し、
    A(x)及びB(x)は、記録された干渉信号に対するAC及びDC成分とし、
    j = cos(Δj )及びSj =− sin(Δj )とし、
    位相シフトの増分Δ´はΔ´j = Mod(Δj −Δj-1 )に応じて位相のシーケンスから決定するようにする位相シフト干渉方法。
  13. 請求項3に記載の位相シフト干渉方法において、前記フィッティングの処理は更に、位相のシーケンス中での検査面のピストン運動、チップ運動及びチルト運動のうちの2つ以上における変化を考慮するようにする位相シフト干渉方法。
  14. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、この方法が更に、改善した位相マップに関する情報を記憶又は出力するステップを具えている位相シフト干渉方法。
  15. 請求項1に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップが、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムであって、第2の組における如何なるインターフェログラムでもないインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいて、最初の位相マップに対する正負符号を決定する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  16. 位相シフト干渉方法であって、この方法は、
    検査面から反射された検査光と基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するステップであって、これらの検査光及び基準光は共通光源から発生させ、各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに対応させ、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は、位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、位相のこのシーケンスにおける各位相対の間の差により対応する位相シフトの増分を規定するようにするステップ
    を具えており、
    インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器によりフレームレートを規定し、記録されたインターフェログラムは、各インターフェログラムがフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されたこれらインターフェログラムの少なくとも1つの対を有する第1の組を具えるようにし、
    位相シフト干渉方法は更に、
    少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいて、キャビティに対する最初の位相マップを計算するステップと、
    この最初の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算するステップと、
    位相シフトの増分に対するこの計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算するステップと
    を具えている位相シフト干渉方法。
  17. 請求項16に記載の位相シフト干渉方法において、第1の組における記録されたインターフェログラムは、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られる少なくとも一対の順次のインターフェログラムを有するようにする位相シフト干渉方法。
  18. 請求項16に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップが、キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する一組の理論的な干渉信号にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化する処理を有している位相シフト干渉方法。
  19. 請求項18に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分に対するパラメータ化推定値が、種々の位置に共通の一組の位相シフトの増分を有するようにする位相シフト干渉方法。
  20. 請求項16に記載の位相シフト干渉方法において、インターフェログラムの第1の組は、順次のインターフェログラムの複数の対を有し、各インターフェログラムは、フレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されるとともに電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られるようにする位相シフト干渉方法。
  21. 請求項20に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップが、第1の組におけるインターフェログラムの種々の対の各々に対し予備的な位相マップを計算するとともに、これらの予備的な位相マップを平均化する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  22. 請求項16に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップが、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムであって、この第1の組とは異なる第2の組における如何なるインターフェログラムでもないインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいて、最初の位相マップに対する正負符号を決定する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  23. 請求項22に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップが更に、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの対の1つ以上を、1つ以上の記録された干渉信号に基づいて識別するとともに、最初の位相マップの大きさに対する絶対値を、識別された直角位相関係にあるインターフェログラムの対に基づいて決定する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  24. 請求項16に記載の位相シフト干渉方法において、位相のシーケンスを、機械的な位相シフト、波長同調、電気光学位相変調及び音響光学変調の何れか1つにより発生させる位相シフト干渉方法。
  25. 振動の存在下で用いる位相シフト干渉システムであって、この位相シフト干渉システムは、
    光源と、位相シフト干渉計と、電子検出器とを有する位相シフト干渉装置であって、検査面から反射された検査光と前記位相シフト干渉計の基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するように構成された当該位相シフト干渉装置
    を具えており、前記検査光及び基準光は前記光源に相当する共通光源から発生されるようになっており、
    各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに相当し、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、この位相のシーケンスにおける位相の各対間の差が対応する位相シフトの増分を規定するようになっており、
    各位相シフトの増分は、位相シフト干渉計により与えられる系統的成分と振動により生ぜしめられるランダム成分とを有し、このランダム成分により、位相シフトの増分が正負符号を系統的成分に対する正負符号に対して変化させる確率を生ぜしめるようになっており、
    前記位相シフト干渉装置は、インターフェログラムの少なくとも2つの異なる組を生じるようにこれらインターフェログラムを記録するように構成されており、これらの異なる組は、少なくとも一対のインターフェログラムを有する第1の組と少なくとも1つのインターフェログラムを有する第2の組とを具え、第1の組におけるインターフェログラムの対に対する位相シフトの増分における正負符号の変化の確率が、第2の組からの少なくとも1つのインターフェログラムを有するインターフェログラムの如何なる対に対する正負符号の変化の確率よりも小さくなるようにし、
    前記位相シフト干渉システムは更に、
    前記位相シフト干渉装置に結合された電子プロセッサ
    を具え、この電子プロセッサは、
    (i)少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいてキャビティに対する最初の位相マップを計算し、
    (ii)最初の位相マップと、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算し、
    (iii )位相シフトの増分に対し計算された推定値と、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、改善された位相マップを計算する
    ように構成された、
    位相シフト干渉システム。
  26. 請求項25に記載の位相シフト干渉システムにおいて、前記電子プロセッサによる位相シフトの増分の推定値の前記計算が、前記キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する理論的な干渉信号の組にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化する処理を有するようにする位相シフト干渉システム。
  27. 請求項25に記載の位相シフト干渉システムにおいて、前記電子検出器は、インターフェログラムをフレームレートに応じて記録するように構成されており、前記位相シフト干渉装置は、各インターフェログラムがフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されるとともに電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られた少なくとも一対の順次のインターフェログラムを有するように、第1の組におけるインターフェログラムを記録するように構成されている位相シフト干渉システム。
  28. 請求項25に記載の位相シフト干渉システムにおいて、順次の位相に対する各位相シフトの増分の系統的成分により、位相シフトの増分の大きさに対する絶対値と、この絶対値を与えるための期間と、この絶対値をこの期間で割った値に等しい位相傾斜とを規定し、前記位相シフト干渉装置は、第1の組におけるインターフェログラムに対応する位相シフトの増分の各々に対する位相傾斜を、第2の組におけるインターフェログラムを含む位相シフトの増分に対応する何れの位相傾斜よりも大きくするインターフェログラムを記録するように構成されている位相シフト干渉システム。
  29. 位相シフト干渉システムであって、この位相シフト干渉システムは、
    光源と、位相シフト干渉計と、電子検出器とを有する位相シフト干渉装置であって、検査面から反射された検査光と前記位相シフト干渉計の基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するように構成された当該位相シフト干渉装置
    を具えており、前記検査光及び基準光は前記光源に相当する共通光源から発生されるようになっており、
    各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに相当し、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、この位相のシーケンスにおける位相の各対間の差が対応する位相シフトの増分を規定するようになっており、
    前記電子検出器は、インターフェログラムをフレームレートに応じて記録するように構成されており、前記位相シフト干渉装置は、各インターフェログラムがフレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録される少なくとも一対のインターフェログラムを有する第1の組を含むようにインターフェログラムを記録するように構成されており、
    前記位相シフト干渉システムは更に、
    前記位相シフト干渉装置に結合された電子プロセッサ
    を具え、この電子プロセッサは、
    (i)少なくとも、インターフェログラムの第1の組におけるインターフェログラムの対に基づいてキャビティに対する最初の位相マップを計算し、
    (ii)最初の位相マップと、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算し、
    (iii )位相シフトの増分に対し計算された推定値と、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、改善された位相マップを計算する
    ように構成された、
    位相シフト干渉システム。
  30. 請求項29に記載の位相シフト干渉システムにおいて、位相シフト干渉装置は更に、第1の組における記憶されたインターフェログラムが、電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られた少なくとも一対の順次のフレームを含むようにするように構成されている位相シフト干渉システム。
  31. 位相シフト干渉方法であって、この位相シフト干渉方法は、
    検査面から反射された検査光と基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するステップであって、これらの検査光及び基準光は共通光源から発生させ、各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに対応させ、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は、位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、位相のこのシーケンスにおける各位相対の間の差により対応する位相シフトの増分を規定するようにする当該ステップと、
    記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいてキャビティに対する最初の位相マップを計算するステップと、
    この最初の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算するステップと、
    位相シフトの増分に対するこれらの計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算するステップと
    を具えており、
    各位相シフトの増分は、系統的成分と、振動により生ぜしめられるランダム成分とを有するようにし、
    位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップが、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に対する系統的成分に関する情報に基づいて、推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにする、
    位相シフト干渉方法。
  32. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、推定値に対する正負符号を決定する前記処理は、系統的成分に関する前記情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対し正及び負の符号の各々と相関づける処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  33. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、最初の位相マップを計算する前記ステップは、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの対の1つ以上を、1つ以上の記録された干渉信号に基づいて識別する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  34. 請求項33に記載の位相シフト干渉方法において、直角位相関係にある複数の対を識別し、最初の位相マップを計算する前記ステップは更に、直角位相関係にある各対に対し予備的な位相マップを計算し、これらの予備的な位相マップの全てに対する正負符号を同じに設定し、予備的な位相マップを平均化して最初の位相マップを提供する処理を有するようにする位相シフト干渉方法。
  35. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分の推定値を計算する前記ステップが、キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する一組の理論的な干渉信号にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化する処理を有している位相シフト干渉方法。
  36. 請求項35に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分に対するパラメータ化推定値が、種々の位置に共通の一組の位相シフトの増分を有するようにする位相シフト干渉方法。
  37. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、インターフェログラムを記録するのに用いる電子検出器によりフレームレートを規定し、インターフェログラムの少なくとも1つの順次の対が、フレームレートの逆数よりも短い積分時間で記録されるとともに電子検出器の隣接フレームにまたがる位相シフトの増分中に得られるようにする位相シフト干渉方法。
  38. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、位相のシーケンスを、機械的な位相シフト、波長同調、電気光学位相変調及び音響光学変調の何れか1つにより発生させる位相シフト干渉方法。
  39. 請求項35に記載の位相シフト干渉方法において、前記フィッティングの処理は、位相シフトの増分の推定値を決定するために、種々の横断方向位置xに対する干渉信号Ij を式
    Figure 2012508884
    に応じてフィッティングする処理を有するようにし、ここで、
    Δj はjによりインデックス化した位相のシーケンスを規定し、

    Figure 2012508884
    は最初の位相マップ
    Figure 2012508884
    に対する理論的な干渉信号に対応し、
    A(x)及びB(x)は、記録された干渉信号に対するAC及びDC成分とし、
    j = cos(Δj )及びSj =− sin(Δj )とし、
    位相シフトの増分Δ´はΔ´j = Mod(Δj −Δj-1 )に応じて位相のシーケンスから決定するようにする位相シフト干渉方法。
  40. 請求項35に記載の位相シフト干渉方法において、前記フィッティングの処理は更に、位相のシーケンス中での検査面のピストン運動、チップ運動及びチルト運動のうちの2つ以上における変化を考慮するようにする位相シフト干渉方法。
  41. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、この方法が更に、改善した位相マップに関する情報を記憶又は出力するステップを具えている位相シフト干渉方法。
  42. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、記録されたインターフェログラムに基づいて改善した位相マップを計算する前記ステップが、
    位相シフトの増分に対する計算した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、中間の位相マップを計算する処理と、
    この中間の位相マップと記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて位相シフトの増分の各々に対する改善した推定値を計算する処理と、
    位相シフトの増分に対するこの改善した推定値と記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて改善した位相マップを計算する処理と
    を具えている位相シフト干渉方法。
  43. 請求項31に記載の位相シフト干渉方法において、位相シフトの増分に対する計算した推定値に基づいて改善した位相マップを計算する前記ステップが、種々の横断方向位置の各々における記録された干渉信号を、位相シフトの増分に対する計算した推定値の正弦関数にフィッティングさせて各位置におけるキャビティ位相を決定する処理を有している位相シフト干渉方法。
  44. 請求項43に記載の位相シフト干渉方法において、前記正弦関数により、記録された干渉信号の1つ以上の高調波を考慮してキャビティ中の複数の反射をモデリングするようにする位相シフト干渉方法。
  45. 位相シフト干渉システムであって、この位相シフト干渉システムは、
    光源と、位相シフト干渉計と、電子検出器とを有する位相シフト干渉装置であって、検査面から反射された検査光と前記位相シフト干渉計の基準面から反射された基準光との間の位相のシーケンスにおける各位相に対するインターフェログラムを記録するように構成された当該位相シフト干渉装置
    を具えており、前記検査光及び基準光は前記光源に相当する共通光源から発生されるようになっており、
    各インターフェログラムは、反射された検査光と反射された基準光との干渉により生ぜしめられた強度パターンに相当し、これらインターフェログラムにより、検査面及び基準面により規定されたキャビティの種々の横断方向位置の各々に対する干渉信号を規定し、各干渉信号は位相のシーケンスに対応する一連の強度値を有し、この位相のシーケンスにおける位相の各対間の差が対応する位相シフトの増分を規定するようになっており、
    各位相シフトの増分は、位相シフト干渉計により与えられる系統的成分と振動により生ぜしめられるランダム成分とを有し、
    前記位相シフト干渉システムは更に、
    前記位相シフト干渉装置に結合された電子プロセッサ
    を具えており、この電子プロセッサは、
    (i)記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部に基づいてキャビティに対する最初の位相マップを計算し、
    (ii)この最初の位相マップと、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部の各々に対する推定値を計算し、
    (iii )位相シフトの増分に対し計算された推定値と、記録されたインターフェログラムのうちの少なくとも一部とに基づいて、改善された位相マップを計算する
    ように構成され、
    前記電子プロセッサによる位相シフトの増分の推定値の前記計算が、位相シフトの増分のうちの少なくとも一部に関する情報に基づいて推定値に対する正負符号を決定する処理を有するようにする、
    位相シフト干渉システム。
  46. 請求項45に記載の位相シフト干渉システムにおいて、電子プロセッサにより正負符号を決定する前記処理は、系統的成分に関する前記情報を、位相シフトの増分の推定値の組に対し正及び負の符号の各々と相関づける処理を有するようにする位相シフト干渉システム。
  47. 請求項45に記載の位相シフト干渉システムにおいて、電子プロセッサにより最初の位相マップを計算する処理は、互いにほぼ直角位相関係にある記録されたインターフェログラムの1つ以上の対を、記録された干渉信号の1つ以上に基づいて識別する処理を有するようにした位相シフト干渉システム。
  48. 請求項47に記載の位相シフト干渉システムにおいて、直角位相関係にある複数の対を識別し、最初の位相マップを計算する前記処理は更に、直角位相関係にある各対に対し予備的な位相マップを計算し、これらの予備的な位相マップの全てに対する正負符号を同じに設定し、その後に予備的な位相マップを平均化して最初の位相マップを提供する処理を有するようにする位相シフト干渉システム。
  49. 請求項46に記載の位相シフト干渉システムにおいて、前記電子プロセッサにより位相シフトの増分の推定値を計算する前記処理は、キャビティの種々の位置に対する干渉信号を、最初の位相マップに対応する理論的なキャビティに対する一組の理論的な干渉信号にフィッティングさせるとともに、位相シフトの増分に対する推定値によりパラメータ化する処理を有している位相シフト干渉システム。
  50. 請求項49に記載の位相シフト干渉システムにおいて、位相シフトの増分に対するパラメータ化推定値が、種々の位置に共通の一組の位相シフトの増分を有するようにする位相シフト干渉システム。
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