図1は、本発明の実施形態に係る通信システム100のブロック図である。通信システム100は、多くの技術及び通信規格のうち任意のものに従って実装できる。本実施形態では、システムは、cdma2000 1X等の符号分割多元接続(CDMA)規格に従って動作する。その他の好適な通信規格としては、IxEV−DOやW−CDMA等の他のCDMA規格、OFDMベースの規格、GSM規格、UMTS規格、及びWiMAX規格が挙げられる。通信システム100を参照して説明する種々の機能及び動作は、ソフトウェアやファームウェア等の様々な形態の実施可能なコードを用いる以外にも、任意の数の装置、回路、及び/又は要素によって実装できる。図1の2以上の機能ブロックは単一の装置に統合してもよいし、単一の装置によって行われると記載された機能を複数の装置に実行させてもよい。例えば、システムインフラストラクチャ102及びネットワークコントローラ110の機能の少なくとも一部を、状況によっては、検出基地局104、元の基地局106、基地局制御装置、又は、モバイルスイッチングセンター(MSC)によって実行してもよい。
通信システム100は、1以上の基地局104、106に接続されるシステムインフラストラクチャ102を含む。基地局104、106と無線通信装置108との間の通信は、システムインフラストラクチャ102を用いてネットワークコントローラ110によって少なくとも部分的に管理される。
無線通信装置108が特定の基地局との通信を行うためには、無線通信装置108は、その特定の基地局から送信された通信パイロット信号を適切に受信しなければならない。通信パイロット信号は、無線通信装置と基地局間との間の通信に使用され、他の通信機能と同様に制御や同期を手助けするための情報を無線通信装置に提供する。例えば、通信パイロット信号は、タイミング基準やチャネル情報を提供してもよい。
図1に示す例示的状況では、無線通信装置108は、元の基地局106と通信中であり、検出基地局104が送信したパイロット信号112をまだ検出していない。検出基地局104が無線通信装置108を検出すると、ユーザゾーン情報114が無線通信装置108に送信される。ここで説明する例では、ユーザゾーン情報114は、元の基地局106が使用するブロードキャストチャネル内で、検出基地局104によって送信される。状況によっては、検出基地局104のユーザゾーン情報114は、例えば元の基地局等の他の装置によって送信されてもよい。ブロードキャストチャネルは、複数の無線通信装置が受信できる共通物理チャネルの何れにでもマッピング可能な、論理ブロードキャストチャネルである。例では、共通物理チャネルは、CDMA、UMTS、GSM、あるいは他の規格又は他のプロトコルで定義されるような、物理ブロードキャストチャネル又はページングチャネルであってもよい。例えば、CDMA2000 1xRTT規格においては、ブロードキャストチャネルは論理チャネルであり、ページングチャネルにマッピングされる。
ユーザゾーン情報114には、関連する基地局、セル、又はサービス領域の動作パラメータが記述され、ユーザゾーン情報114は、無線通信装置内で設定されるか、又は例えばブロードキャストメッセージを使用して基地局によって送信されてもよい。一般的には、無線通信装置内で設定されるユーザゾーン情報は、ブロードキャストメッセージに使用するパラメータのセットと異なるパラメータのセットを含んでもよい。設定には、許可された基地局を選択するときに無線通信装置を支援するために、ダウンロードしたパラメータを使用してもよい。これらのパラメータは、アクセスポイントID、アクセスポイント名、ユーザゾーンID、ユーザゾーンSID、ユーザゾーン名、帯域クラス、周波数チャネル、PNオフセット、ユーザゾーン種別を含んでもよい。ブロードキャストメッセージには、パラメータのセットは、アクセスポイントID、アクセスポイント名、SID、及びNID等の基地局識別子のセットによって主に決定される。1つのユーザゾーンに複数の基地局がある場合があるので、ブロードキャストメッセージにはユーザゾーンIDやユーザゾーン種別等の、一部のユーザゾーン情報を含める必要はない。ユーザゾーン情報パラメータの定義例は、2004年10月22日付“Over−the−air Service Provisioning of Mobile stations in Spread Spectrum Standards、 リリースC、第3世代パートナーシッププロジェクト2 (“3GPP2“)刊行のバージョンに記載されている。設定用のユーザゾーン情報は、3GPP2規格の寄書C14−20080114−010においても記載されている。また、ブロードキャスト用のユーザゾーン情報は、3GPP2規格の寄書C22−20080825−016においても記載されている。本書で使用されるように、「ユーザゾーン情報」という用語は、規格の寄書及び他の文献において記載される現在の記述だけでなく、将来の改定をも含む。説明する例では、無線通信装置はユーザゾーン情報によって、検出基地局の擬似ランダムノイズ(PN)コードオフセット、検出基地局の周波数帯、検出基地局のチャネル、検出基地局の識別子のうち、1以上を識別できる。状況によっては、特定のパラメータを識別することによって、受信したユーザゾーン情報に対応する記憶されたデータを取り出す。例えば、受信したユーザゾーン情報に提供されている基地局識別子(AP_ID)は、受信した識別子で識別される基地局に関連付けられた、記憶されている周波数及びPNオフセットに相互に関連付けを行うことができる。
基地局104内の無線通信装置検出部118は、無線通信装置108が送信した検出信号116に基づいて、基地局104へのアクセスを許可された無線通信装置108の存在を検出する。検出基地局104は状況によってはユーザゾーン情報114を独立して送信できるが、検出基地局104は、説明されている例のネットワークコントローラ110に対して無線通信装置の検出を通知し、ネットワークコントローラ110からの許可を受けた後にのみユーザゾーン情報を送信する。ユーザゾーン情報114は、検出基地局104から送信されたパイロット信号112を受信する受信部を無線通信装置108が構成できるようにするデータを含む。ユーザゾーン情報114は、例えばAP_ID等の検出基地局104を識別する基地局識別子を少なくとも含む。無線通信装置108は、ユーザゾーン情報114を評価し、その情報が無線通信装置108内の記憶されたユーザゾーン情報114と一致する場合には、受信部を適切な周波数及び疑似乱数(PN)オフセットに調整し、検出基地局104から送信されたパイロット信号112の取得を試みる。パイロット信号112の周波数は元の基地局のパイロット信号と同じでも、又は異なってもよい。パイロット信号112を取得した場合、無線通信装置108は、既知の技術に従ってハンドオフ手順評価及び/又はハンドオフ手順に進むことができる。
受信したユーザゾーン情報は、無線通信装置内のユーザゾーン情報として記憶された同じパラメータの集合であってよい。しかし、状況によっては、記憶されたユーザゾーン情報は、送信されたユーザゾーン情報の部分集合又は上位集合であることがある。記憶されていた情報が受信したユーザゾーン情報の部分集合である場合、記憶されていた情報が受信した情報の対応する部分集合と同じであれば、受信したユーザゾーン情報は記憶されていたユーザゾーン情報と一致すると判定される。受信した情報が記憶されていたユーザゾーン情報の部分集合である場合、記憶されていた情報が受信した情報の対応する部分集合と同じであれば、受信したユーザゾーン情報は記憶されていたユーザゾーン情報と一致すると判定される。送信されたパラメータのセットが記憶されていたパラメータと同じである場合、各パラメータの値を比較して、受信したユーザゾーン情報が記憶されたユーザ情報と一致するかどうか判定する。上記例では、記憶されているパラメータと一致するかどうか、送信されたすべてのパラメータに対して一致するかどうか識別を行う。しかし状況によっては、選択したパラメータしか一致が識別されない場合がある。
状況によっては、基地局102の送信部120は、無線通信装置108が基地局104に対して通信を行うために十分近くにあると判定されるまで、パイロット信号112を送信しないことがある。そのため、パイロット信号112の送信を示す矢印とブロックは、図1では破線で示しており、パイロット信号112が継続して送信されていないこと、及び/又は無線通信装置が継続して受信していないことを示している。無線通信装置の検出に基づくパイロット信号112の送信の好適な装置及び方法は、米国特許出願番号12/037768「PILOT SIGNAL TRANSMISSION」(2008年2月26日出願)に記載があり、参照により本明細書に援用される。
例では、無線通信装置検出部118が、無線通信装置108が存在すると判定するのに十分な検出信号116を検出している。しかし、検出信号116の特性は、特定の実装によって異なる多くの閾値の何れかを持つ多くのパラメータの何れかであってよく、また、当該特性は、基地局の受信部が検出信号116を検出できるかどうかであってよい。その他の特性の例としては、信号対雑音比(SNR)、ビット誤り率(BER)、電力レベル、信号準備時間、及び特定のデータの存在が挙げられる。例では、信号の特性は、検出基地局104の許可されたユーザに対応するロングコードマスクを使用して検出信号116を復調して復号する、基地局の能力である。
検出基地局104が無線通信装置108の存在を検出すると、検出基地局104は、無線通信装置の存在が検出されたことを少なくとも示す装置接近メッセージを、システムインフラストラクチャ102のネットワークコントローラ110に送信する。状況によっては、装置接近メッセージは、距離情報や、検出基地局104がユーザゾーン情報114を送信すべきかどうかの判定においてネットワークコントローラ110にとって有益なその他の情報を含んでもよい。ネットワークコントローラ110は、無線通信装置108が、検出基地局104から無線サービスを受けるために基地局104を得るよう試みるべきか(例えば、ハンドオフを行うべきか)判定する。当該判定は、例えば、元の基地局106における利用可能な能力、検出基地局104の能力、無線通信装置108の帯域幅要件、サービス品質(QoS)要件を含み得る任意の数の要因に基づいて行うことができる。ネットワークコントローラ110は、ユーザゾーン情報の送信を検出基地局に許可する許可メッセージを検出基地局に送信する。状況によっては、ネットワークコントローラ110は、ユーザゾーン情報114の送信タイミングを指定してもよいし、或いはユーザゾーン情報の送信許可を遅延させてもよい。許可メッセージの受信に応じて、検出基地局104はユーザゾーン情報114を送信する。状況によっては、パイロット信号112の送信は、許可メッセージに依存してもよい。例えば、検出基地局104が何れの装置にも無線サービスを提供していない場合、検出基地局104は、ユーザゾーン情報114を送信するために許可を受けるまではパイロット信号112の送信を控えてもよい。場合によっては、ネットワークコントローラ110は、検出基地局104が無線通信装置の存在を検知した場合には無線通信装置は必ず検出基地局104を取得するよう試みるべきであると決定してもよい。また、状況によっては、無線通信装置108が、検出基地局の取得を試みるべきかどうか判定する。そのため、状況によっては、無線通信装置は元の基地局106との通信を継続するか、あるいは検出基地局104の取得を試みるかどうかを、無線通信装置に決定させるのが望ましい場合もある。いつ無線通信装置108に基地局を切り替えさせるかは、無線通信装置の状況がいくつかの要因に含まれる場合、複数の要因の何れかに基づいて判定してよい。例えば、どの基地局を取得するか、あるいはアイドル状態を維持するかは、無線通信装置に行わせるのが好ましいかもしれない。しかし、ネットワークコントローラ110に他の基地局をいつ取得するか判定させるほうが、アクティブ又は接続状態の動作中においては、より重要かもしれない。
基地局104、106は、セルとも呼ばれる地理的サービスエリア内で無線サービスを提供する。図2A、2B、及び2Cを参照して以下に説明するように、元の基地局106は、基地局104の地理的サービスエリアと重複するか、完全に囲んでいるか、あるいは分離しているかの、地理的サービスエリア内で無線サービスを提供する。装置検出部118を有する検出基地局104は、好適には、基地局104が比較的小さな領域内で許可されたユーザに無線通信サービスを提供するフェムトセル基地局であるセルラ通信システム内において実装される。しかしながら、検出基地局104は、元の基地局106の地理的サービスエリアより小さな地理的サービスエリア内で無線サービスを提供する通信システム内の、任意の基地局であってよい。
検出信号116は、少なくとも無線通信装置108の存在を無線通信装置検出部118に示すのに好適な任意の無線信号であってもよい。検出信号116の例としては、光信号及び、セルラ、Bluetooth、近距離通信、WiFiの信号等の無線(RF)信号が挙げられる。本実施形態では、検出信号は、無線通信装置108と元の基地局106と間の無線通信に従って送信された、逆方向リンク(上りリンク)通信信号である。本実施形態においては、検出信号116は、無線通信装置108が基地局104の許可されたユーザであると無線通信装置検出部118が判定するための十分な情報を提供する。
図2A、2B、2Cは、元の基地局106及び検出基地局104が提供する地理的サービスエリア関係200、206、208の例の説明である。元の基地局106が提供する元の地理的サービスエリア202、検出基地局104が提供する地理的サービスエリア204は、多くの形状、サイズ、構成の任意のものを有してよい。従って、サービスエリアを示す雲の形は、一般的にはサービスエリア間の関係を示し、必ずしもサービスエリアの実際の形状を示しているわけではない。更に、サービスエリアはサービスが利用できないカバレッジホールを含んでもよい。説明の明確性及び簡潔性の点で、こうした特徴は図には示していない。図2Aでは、検出基地局104のサービスエリア204は、元の基地局106が提供するサービスエリア202内に完全に含まれている。こうしたサービスエリア関係200は、通信システム内のいくつかの基地局が、マクロセル、ピコセル、及びフェムトセル基地局によって提供されるような、より小さなサービス領域を提供する場合に、しばしば発生する。例えば、住居に位置するフェムトセル基地局は、その住居に住む装置ユーザが使用する装置にサービスを提供する。無線通信装置がサービスエリア204の外にある場合、サービスは、より大きなマクロセルによって提供される。しかし、許可された無線通信装置が住居にある場合、サービスはより小さなサービスエリア204を提示する基地局によって提供される。そのため、ほとんどの場合、検出基地局104のサービスエリア204は、元の基地局106のサービスエリア202内に完全に入ることとなる。しかし、状況によっては、サービスエリア204は、図2Bに示すようにサービスエリア202と部分的に重なってもよい。あるいは図2Cに示すように重ならずにサービスエリア202と隣接してもよい。
図3は、検出信号116が傍受された上りリンク(逆方向リンク)セルラ信号302である場合の、例示的な通信システム100のブロック図である。システム100は、あらゆる様々な通信技術及びセルサイズを使用して実装できる。図3を参照して説明する例では、検出基地局104はフェムトセルのカバレッジエリア内で無線サービスを提供し、元の基地局106はマクロセルのカバレッジエリア内でサービスを提供する。基地局104、106は、CDMAプロトコル及び規格に従って動作する。マクロセルという用語は、種々の技術のこの群と、通常は1つの基地局につき100〜300フィートのオーダーの小さなサービスエリアを有するピコセル及びフェムトセルとを、区別するために主として使用される。従って、元の基地局106は、図3の例の検出基地局が提供するフェムトセルのサービスエリアと比較して、比較的大きな地理的エリア内で無線通信サービスを提供する任意の基地局である。図3の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの、任意の組み合わせを用いて実装できる。2以上の機能ブロックを単一の装置に統合してもよいし、単一の装置によって行われると記載した機能を複数の装置に実行させてもよい。例えば、状況によっては、上述のように、システムインフラストラクチャ102の機能の少なくとも一部を、基地局106、基地局コントローラ、又はMSCによって実行してもよい。
元の基地局106は、無線通信サービスを提供するために、下りリンク信号304及び上りリンク信号302の送受信を1以上の無線通信装置108と行う。ここで説明するように、無線通信装置108の動作を少なくとも部分的に容易にする、通信、制御信号伝達、パイロット信号、又はその他通信の何れをも、無線通信サービスと呼ぶ。従って、無線通信サービスは、装置108がアイドル状態等の非トラヒック状態、又はアクティブ状態(トラヒック状態)にあるとき、当該装置に提供できる。
システムインフラストラクチャ102は、モバイルスイッチングセンター(MSC)として、MSCと基地局コントローラ(BSC)との組み合わせとして、又は同様の他の通信コントローラ同士の組み合わせとして実装することのできるネットワークコントローラ110を含む。ネットワークコントローラ110は、システムインフラストラクチャ102を経由して基地局104、106に接続され、システム100内の通信を管理する。例では、検出基地局はインターネットを経由してシステムインフラストラクチャに接続される。さらに詳細に以下に記載するように、検出基地局104内のネットワークインターフェース306は、装置接近メッセージ308の送信及び許可メッセージ310の受信を、バックホールを経由してネットワークコントローラと行う。ネットワークインターフェース306は、インターネット312との通信を容易にする。ネットワークインターフェース306はパケットデータ通信を提供し、アクセスルータ316経由の、インターネットへのアクセス及びシステムインフラストラクチャ102内のアクセスゲートウェイ314へのアクセスを容易にする。状況によっては、アクセスルータ316は基地局104内で実装されてもよい。一般的な配置では、基地局104は、ディジタル加入者回線(DSL)又はCATV接続によって提供されるインターネットサービスプロバイダ(ISP)のサービスを経由して、インターネットに接続される。従って、アクセスルータ306は、一般的な配置ではDSLモデム又はケーブルモデムである。よって、説明する例においては、システムインフラストラクチャ102は、少なくとも1のアクセスゲートウェイ314を含むパケット交換コアネットワークを含む。アクセスゲートウェイ314は、基地局104のシステムインフラストラクチャ102及び制御部110との通信を可能とする通信インターフェースである。
無線通信装置108は、基地局104、106と通信可能な任意の種類の通信装置である。アクセス端末と呼ばれることもある無線通信装置106は、無線モデム、携帯型情報端末又は携帯電話等であってよい。
ここで説明する機能及び特徴に加えて、検出基地局104は通信システム100の通信プロトコルに従って動作する。検出基地局104は、基地局104の機能を実行するための他の装置及びソフトウェアに加えて、制御部318と、メモリ320と、セルラ送受信部322と、ネットワークインターフェース306とを含む。セルラ送受信部322は、上りリンク受信部324と、下りリンク送信部120とを含む。図6の例では、無線通信装置検出部118は、制御部318、メモリ320、及び上りリンク受信部324の少なくとも一部分によって実装される。従って、無線通信装置検出部118は破線の四角で例示し、検出装置118が、セルラ送受信部322、メモリ320、及び/又は制御部318を構成する種々の機能又は装置の一部、あるいはすべてを含むことができることを示している。
メモリ320には、その他の情報に加えて、基地局104からサービスを受ける許可を得た各通信装置108に対応する通信装置識別値が記憶される。通信装置識別値は、電子シリアル番号(ESN)、移動通信機器識別番号(MEID)若しくは国際移動通信加入者アイデンティティ(IMSI)、又は無線通信装置108を識別するその他一意のデータを含むことができる。メモリ320に記憶された識別値群の例としては、基地局104がサービスを提供する家庭の家族の通信装置に対応するESNの集合が挙げられる。識別値は、多くの技術のうち任意のものを使用して基地局104に記憶してよい。値の記憶に好適な方法の例としては、基地局104のインストール時に実行される初期化手順の実行中に値を記憶する方法がある。識別値は、少なくとも部分的にコアネットワーク又は元の基地局106が提供してもよい。実装によっては、識別値は省略してもよい。また、基地局104は、基地局104に記憶された対応する識別値のない通信装置が基地局104からのサービスを受信できるようにしてもよい。以下に説明するように、ESNを使用して、パブリックロングコードマスク(PLCM)等の、基地局104が特定のESNの無線通信装置108からの信号を受信できるようにするロングコードマスクを生成する。また、その他の情報をコアネットワーク(システムインフラストラクチャ102)から受信して、既知の技術に従ってPLCMを生成してもよい。状況によっては、システムインフラストラクチャ102(コアネットワーク)又は基地局がPLCMを特定の無線通信装置108に割り当ててもよい。割り当てられたPLCM値は基地局104に記憶される。また場合によっては、PLCMの代わりに又はPLCMに加えて、プライベートロングコードマスクを使用してもよい。
検出基地局104は、動作中に、検出信号116を含んでいる可能性がある無線チャネルを少なくとも定期的に監視する。検出信号116は、通信装置108が送信する任意の信号でよい。信号は、登録メッセージ、肯定応答メッセージ、逆方向トラヒックチャネルデータパケット、及び信号メッセージを含むが、これらに限られるものではない。図3の例では、検出基地局104は、無線通信装置108から元の基地局(マクロセル基地局)106へ信号を送信するために使用する逆方向リンクセルラチャネルを監視する。セルラ上りリンク受信部324は、適切な1又は複数のチャネルに調整されて、無線通信装置108が送信した上りリンク信号302を検出する。本実施形態では、上りリンク受信部324は、十分に上りリンク信号を復調及び復号して、ロングコードマスクを識別する。ロングコードマスクは、通常、無線通信装置108に固有の42ビットの二進数である。例では、受信信号をロングコードマスクのリストと比較し、その信号が、許可された無線通信装置108から送信されたものかどうか判定する。上述のように、許可された無線通信装置は、メモリに記憶された装置識別子によって識別される。本実施形態において、識別子は、許可された装置によって送信される信号の受信を容易にするロングコードマスクに、直接的或いは間接的に対応する。通常は、PLCMは、ESNのビット順列から導出される。PLCMは、移動通信機器識別番号(MEID)又は国際移動通信加入者アイデンティティ(IMSI)に基づいてもよい。基地局104は、上りリンク信号の1以上の特性を評価して、基地局104のサービスエリア内にその信号を送信した無線通信装置があるかどうか、或いは検出基地局104のサービスエリア内にその装置があるかどうかを判定する。本実施形態では、制御部318は、上りリンク信号302が正しく受信できるかどうかを判定する。信号が受信できれば、制御部318は、無線通信装置108が十分近くに存在して基地局104からサービスを受信できると判定する。場合によっては、無線通信装置108が基地局104のサービスエリア内に存在しなくても、上りリンク信号302が検出及び受信されることがある。こうした状況では、無線通信装置108は、基地局104からサービスの取得を試みても正しく取得できなかったり、ユーザゾーン情報114を受信できなかったりする。
図3の例では、検出基地局104は、装置接近メッセージ308を送信することにより、無線通信装置108の存在の検出をコアネットワークに報告する。装置接近メッセージ308は、コントローラ110に、検出基地局104が検出信号116を受信したことを少なくとも示す。装置接近メッセージ308は他のデータを含んでもよい。例えば、装置接近メッセージ308は、検出基地局104と無線通信装置108との間の計算された又は推定された距離を提供できる。図3の例では、装置接近メッセージ308は、検出された無線通信装置108を識別する装置IDも含む。装置接近メッセージに含めることができるその他のデータの例としては、信号対雑音比、ビット誤り率(BER)測定、フレーム誤り率(FER)、パケット誤り率(PER)、信号伝搬時間、信号電力レベル、及び検出基地局104を識別する識別子が挙げられる。
状況によっては、無線通信装置108が検出基地局104からサービスを取得するよう試みるべきか、及び装置接近メッセージ308を送信するべきかの判定は、検出信号116の受信だけでなく、その信号116の特性に基づいて行ってもよい。例えば、検出信号116の特性に基づいて、無線通信装置108が検出基地局104へ接近したかどうかを計算又は推定し、接近閾値より当該推定接近値が低い場合にのみ装置接近メッセージ308を送信してもよい。検出信号特性の例としては、信号対雑音比(SNR)、ビット誤り率(BER)、フレーム誤り率(FER)、パケット誤り率(PER)、電力レベル、及び信号伝搬時間が挙げられる。
制御部318は、上りリンク信号の1以上の特性に基づいて、許可された無線通信装置108が検出基地局104に接近したことを判定又は少なくとも推定する。本実施形態では、通信装置106からの上りリンク信号の検出は、通信装置106が接近範囲内にあると判定するのに十分である。この接近の判定を使用して、通信装置106が基地局104の範囲内にあるかどうか、及び基地局104から通信サービスを少なくとも受信できるかどうかを判定する。従って、制御部318は、通信装置108が基地局104の範囲内にあるかどうかを少なくとも判定する。制御部318によって無線通信装置が範囲内にある可能性があると判定された場合、装置接近メッセージ308がネットワークコントローラ110に送信される。ネットワークコントローラ110が許可メッセージ310を介して許可を返すと、検出基地局104はユーザゾーン情報114を送信する。状況によっては、検出基地局104は、他のどの無線通信装置も検出基地局104と通信を行っていない場合、許可を受けるまで通信パイロット信号112の送信を控えることもある。
制御部318は、無線通信装置108の接近以外の要因又は検出信号116の検出に基づいて、ユーザゾーン情報114をそして装置接近メッセージも送信するかどうかを判定できる。例えば、要因は、検出基地局104の利用可能能力、コアネットワーク要件、無線通信装置の通信の要求帯域幅、及びそのエリアのその他の基地局又は通信サービスプロバイダーが利用できるかどうかを含んでもよい。従って、状況によっては、たとえ無線通信装置108が範囲内にあったとしても、基地局104はユーザゾーン情報114、装置接近メッセージ308、及び/又はパイロット信号112を送信しないことがある。上述したように、検出基地局104は、ネットワークやその領域の他のフェムトセルと連携して、衝突の回避や干渉の減少のためにパイロット信号の送信スケジュールを設定してよい。OFDM方式においては、部分周波数繰り返し(FFR)をフェムトセル基地局間で連携させてリソースを管理してもよい。従って、特定の実装によっては、ユーザゾーン情報の送信管理は、検出基地局104単独、ネットワークコントローラ110単独、又は両者によって行われてもよい。
図4は、検出信号116に基づいて無線通信装置108の存在を判定する場合の、無線通信装置108へのユーザゾーン情報114の送信管理方法のフローチャートである。本方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの、任意の組み合わせによって実施できる。以下に説明するステップの順序は変更してもよく、1以上のステップは、状況によっては同時に実施してもよい。例では、本方法は、検出基地局104の制御部318でコードを実行することによって少なくとも部分的に実施される。
ステップ402において、検出信号を含んでいる可能性のある無線チャネルが監視される。無線通信装置検出部118は、無線通信チャネル内の到来信号の復調及び/又は復号を試みる。本実施形態では、上りリンク受信部324を調整して、メモリ320内に記憶されたユーザリスト内の通信装置108の何れかから送信された上りリンク信号302をすべて復号する。装置識別値から生成したロングコードマスクを複数の到来信号に適用して、到来信号を検出する。従って、この実装においては、到来上りリンク信号302が検出信号116である。Bluetooth信号等の他の種類の検出信号を使用する場合、無線通信装置検出部118は、受信信号の特性を比較して、受信信号がユーザリスト内の装置から送信されたかどうか判定してもよい。従って、Bluetooth信号にはメモリ320に記憶された装置識別値に対応する識別コードを含めることができる。状況によっては、無線通信装置検出部118は、すべての検出信号を検出するためにすべてのチャネルを監視するよう構成されてもよい。
ステップ404において、検出信号116が受信されたかどうかが判定される。例では、到来信号302を復号することができた場合、制御部318は、検出信号116が受信されたと判定する。また、状況によっては、検出信号116内の情報をユーザリストに適用して、受信信号がユーザリストに記憶された通信装置から受信されたかどうかを判定する。検出信号116が受信された場合、本方法はステップ406に進む。そうでない場合、本方法はステップ402に戻って、無線チャネルの監視を続ける。
ステップ406において、装置接近メッセージを送信するべきかどうかが判定される。状況によっては、ステップ406は省略して、検出信号116の検出時に装置接近メッセージ308を送信してもよい。しかし、状況によっては、装置接近メッセージを送信する前に別の処理又は通信が呼び出されることがある。例えば、検出基地局104、他の基地局、コアネットワーク、及び/又は代替ネットワークのシステム状況を評価して、検出基地局104へのハンドオフが望ましいかどうか判定してもよい。コアネットワークは更に、装置接近メッセージを受信した後に、ハンドオフを実施すべきかどうかを判定してよい。従って、ユーザゾーン情報を送信するかどうかの最終的な判定は、装置接近メッセージを送信するかどうかの判定時に検出基地局によって部分的に実施されてよい。装置接近メッセージを送信すべきであると判定された場合、本方法はステップ408に移動する。そうでない場合、本方法はステップ402へ戻る。
ステップ408において、装置接近メッセージ308が送信される。装置接近メッセージ308は、検出された無線通信装置を少なくとも識別する。装置の接近に関連する測定や計算等のその他のデータは、場合によっては装置接近メッセージ308に含めてよい。
ステップ410において、ネットワークコントローラ118からの許可が基地局104で受信されたかどうか判定される。例では、許可310は、ネットワークコントローラ110から、システムインフラストラクチャ102、インターネット312、アクセスルータ316、ネットワークインターフェース306を経由して受信される。しかし、許可メッセージ310の受信には任意の好適なバックホールを使用できる。例えば、状況によっては無線リンクを使用してよい。許可メッセージは、ユーザゾーン情報の送信が許可されているかどうか示すとともに、他のデータ又は命令を含んでよい。例えば、許可310は、マクロセル基地局106が送信したブロードキャストメッセージとの干渉を最小限にするために、送信タイミングを示してもよい。許可が受けられなかった場合、本方法はステップ402に戻って無線チャネルの監視を続ける。受けられた場合、本方法は、ステップ412へ進んで、ユーザゾーン情報を送信する。状況によっては、ステップ410には許可を受けるための時間制限を含めてよい。また、状況によっては、許可が与えられなかったことを示す許可拒否メッセージを送信してよい。
ステップ412の後、検出基地局104はユーザゾーン情報114を送信する。ユーザゾーン情報104はフォーマットされ、セルラ方式のプロトコル及び規格要求事項に従って、マクロセル基地局106が使用するブロードキャストチャネルを用いて送信される。ユーザゾーン情報114はまた、ネットワークコントローラ110が提供するすべての命令に従って送信される。例えば、許可又は他のメッセージ内で示されるユーザゾーン情報の送信に対応する、任意のタイミング、チャネル、及び/又は電力レベルが適用される。
図5は、検出信号116が、許可された無線通信装置108から送信された上りリンク信号302である場合の、ユーザゾーン情報114の送信管理方法のフローチャートである。本方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの、任意の組み合わせによって実施できる。以下に説明するステップの順序は変更してもよく、1以上のステップは、状況によっては同時に実施してもよい。本実施形態では、本方法は、検出基地局104内の制御部318においてコードを実行することによって、少なくとも部分的に実施される。
ステップ502において、上りリンクチャネル302を、ユーザリストの許可通信装置に対応するPLCMを有する、送信された上りリンク信号があるかどうか監視する。無線通信装置検出部118は、装置識別値から生成されたPLCMを使用して、到来信号の復号を試みる。ESN、MEID、又はIMSI等の装置識別子が既知の技術及びマクロ基地局の取り決めに従って適用され、許可された装置ごとにPLCMが生成される。無線通信装置検出部118は、無線通信装置が元の基地局106との通信に使用するPNコード、周波数チャネル等の、マクロセル基地局106の動作パラメータにアクセスする。そして、復調された信号をPLCMにより復号し、到来信号の復号を試みる。場合によっては、PLCMは基地局が割り当ててもよい。
ステップ504において、許可された無線通信装置108からの上りリンク信号が受信されたかどうかが判定される。到来信号が正しく復号された場合、ステップ506において、制御部318は検出信号が受信されたと判定し、装置接近メッセージを送信する。そうでない場合、本方法はステップ502へ戻り、上りリンクチャネルの監視を続ける。
図6は、無線通信装置108が検出基地局104の近傍にあることを検出信号に基づいて判定する場合の、ユーザゾーン情報114の送信管理方法のフローチャートである。本方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの、任意の組み合わせによって実施できる。以下に説明するステップの順序は変更してもよく、1以上のステップは、状況によっては同時に実施してもよい。本実施形態では、本方法は、検出基地局104内の制御部318においてコードを実行することによって、少なくとも部分的に実施される。
ステップ602において、検出信号を含んでいる可能性のある無線チャネルが監視される。無線通信装置検出部118は、無線通信チャネル内の到来信号の復調及び/又は復号を試みる。
ステップ604において、検出信号の特性が測定される。電力レベル又は信号伝搬時間等の1以上のパラメータが測定される。
ステップ606において、通信装置108の検出基地局104への接近が計算される。この接近の計算は、他の要因と同様、受信した検出信号の任意の数のパラメータ又は特性に基づいて行うことができる。好適なパラメータの例としては、信号電力レベルや、送信時間と受信時間のタイミングオフセットに関するパラメータが挙げられる。その他の関連要因には、送信電力レベル、1以上の基地局の位置、及び、タイムスタンプ、電力レベル表示、電力制御表示等の、検出信号や下りリンク信号から取り出される情報を含めてよい。状況によっては、接近は、図4を参照して説明するように、上りリンク信号の検出のみに基づくことがある。特定の要因及び計算技術は、通信システム100の種類によって異なる。
ステップ608において、通信装置108が検出基地局104に十分近づいていて、それがユーザゾーン情報114と、そして装置接近メッセージ308とを送信する正当な理由となるかどうかが判定される。そして、接近計算値を閾値と比較する。本実施形態では、検出信号が検出された場合、接近値が接近閾値より低いと判定される。接近値が閾値より低い場合、本方法はステップ610に進み、装置接近メッセージを送信する。そうでない場合、本方法はステップ602に戻る。状況によっては、本ステップは省略してもよく、アクセスポイント102では、通信装置108が検出基地局104からサービスを取得するべきか、そして検出基地局104がユーザゾーン情報114を送信するべきか、ネットワークコントローラ110が判定できる他の情報とともに、接近情報をコアネットワークに送信してもよい。
ステップ612において、ユーザゾーン情報を送信する許可を基地局104が受けたかどうかが判定される。許可を受けていない場合、本方法はステップ602へ戻り、無線チャネルの監視を続ける。許可を受けている場合、ステップ614において検出基地局104はユーザゾーン情報を送信し、ステップ602に戻る。上記のように、無線通信装置108が、アクティブ(トラヒック)状態及びアイドル(非トラヒック)状態を含む複数の状態の何れかにある間に、信号の検出とユーザゾーン情報の送信を発生させることができる。
図7は、検出基地局104からユーザゾーン情報114を受信する無線通信装置108のブロック図である。無線通信装置は、メモリ702と、制御部704と、送受信部706とを含む。無線通信装置108のブロックの種々の機能と動作は、ソフトウェアやファームウェア等の実行可能なコードの種々の形態においてだけでなく、任意の数の装置、回路、及び/又は要素において実装できる。無線通信装置108の2以上の機能ブロックは単一の装置に統合してもよいし、単一の装置によって行われると記載された機能を複数の装置に実行させてもよい。例えば、状況によっては、送受信部706の機能の少なくとも一部を制御部704によって実行してもよい。
送受信部は、元の基地局(マクロセル基地局)106と、上りリンク信号302及び下りリンク信号304をやり取りする。送受信部706の下りリンク受信部708は下りリンク信号304を受信し、上りリンク送信部710は上りリンク信号302を送信する。上述したように、検出基地局104は、検出信号116を検出するために上りリンクチャネル上で傍受を行う。検出に応じて、検出基地局は、マクロセル基地局106が使用するブロードキャストチャネル内で当該検出基地局のユーザゾーン情報を送信する。無線通信装置108は検出基地局106の比較的近くにいるため、無線通信装置はブロードキャストチャネルとユーザゾーン情報114とを受信できる。制御部704はメモリ内に記憶された、記憶ユーザゾーン情報712を取り出し、記憶された情報と受信したユーザゾーン情報とを比較する。無線通信装置108は、受信したユーザゾーン情報114が、検出基地局は無線通信装置108がアクセスすることを許可された基地局の1つであることを示しているかどうかを判定する。例では、記憶情報712を受信情報114と比較し、情報が一致した場合、制御部は無線通信装置が検出基地局にアクセス可能であると判定する。ここで説明するように、記憶ユーザゾーン情報の少なくとも識別された部分が、対応する受信ユーザゾーン情報と同じである場合、情報が一致すると判定される。上記のように、受信した情報と記憶された情報はパラメータの同じセットでもよいし、一方が他方の部分集合であってもよい。記憶された情報を受信した情報と比較する好適な例としては、ブロードキャストされたユーザゾーン情報として基地局識別子(AP_ID)を受信して、その基地局識別子を無線通信装置内の記憶された基地局識別子と比較することが挙げられる。受信した識別子が記憶された識別子と同じであれば、受信したユーザゾーン情報は記憶されたユーザゾーン情報と一致すると判定される。以下に説明するように、周波数、PNコード、PNオフセット、チャネル、時間同期・周波数同期関連パラメータ等の、基地局識別子に関連付けられたその他の記憶されたユーザゾーンパラメータは、メモリから取り出され、検出基地局の取得を試みるために使用される。これらの設定パラメータの一部又はすべては、メモリに記憶されるか、ブロードキャストされたユーザゾーン情報で受信されるか、あるいはその両方が行われる。
検出基地局が無線通信装置に対する許可基地局であるという判定に応じて、無線通信装置は検出基地局のパイロット信号112の取得を試みる。従って、上りリンク受信部を検出基地局104のパイロットチャネルに調整する。適切な周波数、タイミング、及びPNオフセットを、検出基地局104が送信したパイロット信号112の検索に適用する。上記で説明するように、パラメータの一部又はすべては、メモリ及び/又はブロードキャストに記憶してよい。あるいはすべて記憶しなくてもよい。
図8は、無線通信装置108におけるユーザゾーン情報受信方法のフローチャートである。本方法は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの、いかなる組み合わせによっても実施できる。以下に説明するステップの順序は変更してもよく、1以上のステップは、状況によっては同時に実施してもよい。例では、本方法は、無線通信装置108内の制御部704においてコードを実行することによって、少なくとも部分的に実施される。
ステップ802において、無線通信装置はユーザゾーン情報114を受信する。例では、ユーザゾーン情報114は、マクロセル基地局106が使用するブロードキャストチャネル内で受信される。
ステップ804において、受信したユーザゾーン情報がメモリ702に記憶された記憶ユーザゾーン情報と一致するかどうかが判定される。制御部704は、記憶ユーザゾーン情報712を取り出し、受信したユーザゾーン情報114と比較する。受信したユーザゾーン情報が記憶されていた情報と一致する場合、本方法はステップ806へ進む。そうでない場合、本方法はステップ802へ戻る。
ステップ806において、下りリンク受信部は、ユーザゾーン情報114が示すパイロットチャネルに調整される。適切な周波数、タイミング、及びPNオフセットを適用して、検出基地局106から送信されたパイロット信号112の受信を試みる。上記で説明するように、ユーザゾーン情報は、無線通信装置に記憶されているパラメータと関連付けることができる基地局識別子を含むことによって、パラメータの値を示せばよく、また、ブロードキャストされたユーザゾーン情報の値を直接含むことによって、パラメータの一部又はすべての値を示せばよい。
ステップ808において、検出基地局のパイロット信号112が正常に取得されているかどうか判定される。パイロット信号が取得されている場合、本方法はステップ810に進み、ハンドオフ評価手順及び場合によってはハンドオフ手順が、既知の技術に従って実施される。そうでない場合、本方法はステップ812へ進む。パイロットが取得されたかどうかの判定には、多くの手順の任意のものを使用してよい。状況によっては、パイロットが取得されたかどうかの判定において時間制限を適用してもよい。すなわち、パイロットが時間制限以内に検出されなかった場合、パイロット信号は取得されなかったと判定され、手順はステップ812へ進む。ステップ810において、ハンドオフを行うか、行わないか、又はハンドオフを行って元の基地局106へ戻るかの、ハンドオフ評価手順を実施する。評価手順は無線通信装置、ネットワークコントローラ、及び/又は元の基地局106の任意の組み合わせによって実施してよい。特定の手順は、少なくとも相対周波数及び無線通信装置状態を含む複数の要因に依存する。例として、同周波数でのアイドル状態のハンドオフ、異なる周波数へのアイドル状態のハンドオフ、同周波数でのアクティブ状態のハンドオフ、異なる周波数へのアクティブのハンドオフの、少なくとも4つの場合が挙げられる。アイドル状態の評価は、元の基地局106又はネットワークコントローラ110からの介入があったとしても、ほとんどない。アクティブ状態のハンドオフに進むかどうかの評価には、元の基地局106及び/又はネットワークコントローラ110との連携の増加を伴う。アイドル状態のハンドオフの実施時にはソフトハンドオフはないため、アイドル状態のハンドオフには、サービス取得及びフェムトセル基地局104への「在圏」を試みること、そして失敗した場合にはマクロセル基地局106へ戻ることが含まれる。ステップ812において、検索が終了し、無線通信装置はマクロセル(元の)基地局106に留まる。
当業者が上述の教示を参考にして本発明の他の実施形態や変形例を容易に考案できることは明らかである。上述の記載は例示目的であり、制限目的ではない。本発明は、本明細書及び添付図面と併せて考えられる実施形態や変形例を含む以下に記載の請求項によってのみ限定される。従って、本発明の範囲は上記記載によってではなく、添付の請求項及び同等物の全範囲によって限定されるべきである。