JP2012505974A - スクリーニング装置のロータの製造方法、ロータ、及びロータ用乱流素子 - Google Patents

スクリーニング装置のロータの製造方法、ロータ、及びロータ用乱流素子 Download PDF

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Abstract

本発明は、スクリーニング装置のロータを製造する方法及びスクリーニング装置のロータ構造に関する。本発明のロータ構造は特に、パルプ・紙業界における繊維懸濁液のスクリーニングに適している。本発明に係る装置は、新規なロータの建造に関し、特に、ロータ面上に乱流素子を固定するための新規な手段に関する。本発明のロータ(10)には、ロータ面の少なくとも一部に残りのロータ面(14)とは異なる面構成を有する少なくとも1つの領域(12)が設けられるとともにその領域(12)上に乱流素子(30)が固定されて、容易に交換可能な乱流素子(30)が設けられる。

Description

本発明は、スクリーニング装置のロータの製造方法及びスクリーニング装置のロータ構造に関する。本発明のロータ構造は、パルプ・紙業界において繊維懸濁液をスクリーニングするのに特に適している。本発明に係る装置は、新なロータの建造に関し、特に、ロータ面上に乱流素子を固定するための新規な手段に関する。
パルプ・紙業界において近年使用されているスクリーニング装置は、ほぼ例外なく、加圧スクリーニング装置、すなわち、スクリーニングすべきパルプが加圧状態で導入されるいわゆる圧力スクリーンである。最も普及している圧力スクリーンは、固定スクリーンシリンダと、それと協働する回転ロータとを備える。スクリーンシリンダの目的は、ロータが中を回転するスクリーニング空洞に流入したフレッシュ・パルプ又は繊維懸濁液を、受容物と称する受容可能な繊維フラクションと、廃棄物と称する廃棄可能な繊維フラクションとに分別することにある。スクリーンシリンダ、そしてもちろんロータは、フレッシュな繊維懸濁液、受容物、及び廃棄物のためのダクトを有するスクリーンハウジング内に位置している。通常、繊維懸濁液のインレットダクト又はインレットが、スクリーンハウジングの一端にあり、また廃棄物のためのアウトレットがハウジングの他端にある。受容物のためのアウトレットは、スクリーニング空洞に対してスクリーンシリンダの反対側に位置する受容体空洞に連通している。ロータの目的は、スクリーニングされる繊維懸濁液に、乱流、正圧パルス及び負圧パルスを生成することにある。この目的は、ロータに特定の乱流素子を設けることによって達成される。
現在、ほとんど使用されてはいないが、スクリーンシリンダが回転する一方で乱流及び圧力の生成手段が固定されたスクリーン装置も知られていることは理解されるべきである。スクリーンシリンダに対して相対的に回転するものであると言うことができるため、「ロータ」という表現は、この種の乱流生成手段をも包含するものと考えられる。また、「スクリーンシリンダ」という表現は、開口、例えば穴やスロットを有するとともに、回転対称形状を有する全てのスクリーニング手段を包含することも理解されるべきである。よって、円錐形状や円錐台形状もまた包含されるとともに、先行技術から周知である。
圧力スクリーンは、ほとんどの場合、その軸が立設位置になるように位置付けられる。しかしながら、繊維懸濁液は加圧されるため、圧力スクリーンの軸は、水平方向を含む任意の方向に位置付けすることが可能である。繊維懸濁液の加圧供給によって、繊維懸濁液を圧力スクリーン内の、上部、底部、又は中央領域へと導入することができる。
圧力スクリーンはまた、スクリーンシリンダ内の受容物の流通方向に基づき、2つのグループに分類することができる。受容体の流れが径方向外方の場合、スクリーンを流出(アウトフロー)スクリーンと称し、受容物の流通が径方向内方の場合、スクリーンを流入(インフロー)スクリーンと称する。
先行技術によれば、原則として、パルプ・紙業界において通常使用されている2つの異なる種類のロータがあり、その意図は、周知のように、スクリーン面を清浄に保つ、言い換えれば、スクリーン面のミシン目が詰まるのを防止し、フレッシュな、すなわちスクリーニングされていない繊維懸濁液を含むスクリーニング空洞において十分な乱流を維持することにある。ロータの種類は、開ロータ、閉ロータと称される。開ロータの一例が、特許文献1に開示されており、ここで、ロータは、円筒状の固定スクリーンシリンダ内に配置されている。このロータは、同心軸と、スクリーンシリンダの表面近くに延在するフォイル形状の多数の乱流素子を備えている。各フォイルは、スクリーニング装置の動作時にはフレッシュ・パルプを含む空洞内を通って延在する一対のアームによって、軸上に支持されている。上記特許のフォイルは、ロータの軸及びスクリーンシリンダの軸線と、ある角度を形成する。しかしながら、フォイルは、軸線に対して平行に配置されていてもよい。フォイルが、又はフォイルによって繊維懸濁液が移動している間、フォイルの先端面が、スクリーン面に正の圧力パルスを印加して、受容可能な繊維を、スクリーニング開口を通じて押し出す一方、フォイルの後端面が、受容物空洞からスクリーニング空洞への逆流を生成することによってスクリーン面のミシン目を開くために、あるいは、繊維がスクリーン面に蓄積したりスクリーニング開口をブロックしたりするのを防ぐために、スクリーン面に負の圧力パルスを印加する。
他の種類のロータ、すなわち、閉ロータの一例が、例えば、特許文献2で説明されており、ここで、ロータは、スクリーンシリンダ内に位置付けられた略円筒状の閉ボディである。ロータ面には、乱流素子すなわち突起が設けられており、この例において、乱流素子は、略半球形状である。この種類の装置において、フレッシュな繊維懸濁液は、ロータとスクリーンシリンダとの間に送給されて、ロータの突起、いわゆるバンプが、この場合、乱流と、スクリーンシリンダに向かう圧力パルスと、スクリーンシリンダから離れる圧力パルスとを生成する。言い換えれば、各バンプの先端面が、パルプをスクリーンシリンダの方へ押し、バンプの後端面が、スクリーンシリンダの開口から、蓄積された繊維を引き出す吸引パルスを引き起こす。多くの場合、閉ロータ面は、円筒状である。より広義には、円錐台形形状又はドーム形状のロータもあるので、回転対称なロータ面についても説明する。加えて、回転対称形状を文字通りには有さないロータも存在する。そのような選択肢の一つが、2つの径方向又は略径方向に配置された表面が半シリンダ表面を結合するように互いに取り付けられた2つの同一のシリンダ半体からなる、いわゆるS−ロータである。また、環状の表面を形成するように配置された多数の平面状の、場合によっては矩形状の部材からなるロータが存在する。さらに、順に重ねて取り付けられた多数のディスクからなるロータが存在する。これらディスクは、楕円状外側面を有し、また、これらディスクは、隣接する2つのディスクの中心がロータの回転軸線に沿って広がる同一面上に位置しないように位置付けられている。
閉ロータの表面に配置される乱流素子の形状については、非常に多くの異なる代替例が存在する。第1の代替例は、すでに上に述べたように、おおよそ半球状のバンプである乱流素子である。第2の代替例は、軸方向又は螺旋状に延在する隆起からなり、これも丸い上面を有する。第3の代替案は、溝付ロータ面からなり、この溝が、底面と、傾斜した側面と、ロータの外殻面に垂直な側面とからなるものである。溝は、軸方向に配向されているか、螺旋状であるかのどちらかである。底面の幅によって、ロータ面は溝付ではなく隆起付と呼ぶこともできるだろう。第4の代替例は、突起からなるものであり、ある意味、突起の長さが50〜200mm程度になるように切断された隆起を除き、上記隆起付ロータに類似している。この突起の種類には、多くの変形例がある。突起の先端面は、ロータ面に対して垂直であってもよいし傾斜していてもよく、また、軸方向に配向されていてもよいし、いずれかの方向に傾斜していてもよい。突起は、ロータの外殻面に平行か又はいずれかの方向に傾斜している上面を有しても有さなくてもよい。突起はまた、ロータ面に対して傾斜した又は垂直な後端面を有している。よって、1つに4つの変形例があり、それぞれいくつかの選択肢があるため、突起の形状の可能な代替案の数は非常に多い。そして最後に、第5の代替案として、突起の表面(先端面、上面、及び後端面)を、滑らかに変化するように配置することによって、それらが、それぞれが異なる半径を有する(ことも可能である)幾つかのセクションからなる湾曲面を形成するものがある。事実、第5の代替例は、開ロータのフォイルと閉ロータを組み合わせることによって形成され、ここでフォイルは、(スクリーン面の反対側を向く面に小さな変更を加えることも可能)ロータの表面に取り付けられている。よって、上述した表面の選択肢を考慮に入れると、それらは平面状セクションを含んでいてもよいが、乱流素子の可能な形状の数はさらに多くなる。
さらにもう1つのロータの種類について述べる。これは、ロータが、両方の種類の乱流素子、すなわち、閉ロータ面にそれらの底部から固定された突起と、短いアームによってロータ面に取り付けられた又は長いアームによってロータ軸に取り付けられたフォイルの両方を有するので、ある意味、開ロータと閉ロータとの組み合わせである。そのため、このロータは、一部閉又は一部開ロータと称することができる。
本発明は、乱流素子の断面形状はその長さに係らず、少なくとも部分的に閉じたロータの表面に取り付けられる乱流素子に関する。閉又は一部閉ロータに関して、乱流素子は、典型的には、ロータの閉じた面に、溶接によって固定される。これは、乱流素子が、閉ロータ面に対向するそれらの底面が、ロータ面の曲率に一致する曲率を有するように製造されなければならないことを意味する。この段階において、圧力スクリーンを設計する際に、設計者は一顧客又は一生産率のみのために圧力スクリーンを設計することはできず、生産率が互いに大きく異なるパルプ又は紙工場の要求を満たすことができる必要がある。設計者が上記要求を果たす唯一の方法は、異なる顧客の異なる生産率に適合する一連の圧力スクリーンを設計することである。通常、圧力スクリーンの生産率を変える方法は、スクリーンシリンダの直径又は高さ、若しくはその両方を変更することである。これは、実際のところ、ロータの直径が変わる場合には、同様の乱流素子を、一連の圧力スクリーンの全てのロータに使用することはできないということを意味する。それにより、原則として、各ロータ径のために、特別に製造した乱流素子が必要になり、これによって素子の製造工程が複雑になる。乱流素子を溶接によって固定する他の欠点は、素子が交換しなければならない程度に摩耗した際に分かる。素子を完全に新しいものに交換しなければならないと判断した場合には、素子の周囲全ての溶接線を開くのに時間がかかり、面倒な仕事である。
素子を容易に交換できる乱流素子構造が先行技術から知られている(図1を参照)この乱流素子は、ロータ面上に特定の支持体によって固定される。素子の支持体への固定は、支持体に配置された蟻継ぎ挿入部と乱流素子に配置された対応する蟻継ぎ溝部によって行われる。蟻継ぎ挿入部を蟻継ぎ溝部に嵌合させるように、素子を押し付け、その後、乱流素子を、乱流素子の両端の保持ネジによって締結する。乱流素子の支持体は溶接によってロータ面上に固定され、支持体上の蟻継ぎ挿入部は挿入部の外面からロータ外殻の内側の支持体を通って特定のナット状素子へと延出するネジによって固定される。乱流素子のこの種類の固定によって、乱流素子の交換が容易になるが、それでもなお幾つかの欠点がある。まず、指示体の内面がロータ面を追従するため、あるロータ径用に設計された支持体は、他の直径を有するロータに関連して使用することができない。支持体の半径とロータの半径とが正確に一致しないと、支持体とロータ面との間に隙間が形成されてしまう。隙間には繊維が集まり易いため、その存在は望ましくない。第2に、先行技術の支持体は、乱流素子よりも明らかに大きいロータ面上の領域を覆う、すなわち、乱流素子の周方向両端において素子の外側に延出するため、支持体も磨耗する傾向があり、そのため支持体を時折交換する必要があり、他の周知の先行技術のロータのロータ面から溶接された乱流素子を緩めるための面倒な仕事が生じてしまう。第3に、各乱流素子は、乱流素子を蟻継ぎ支持体に対して押し付けることができるように、支持体の側部に素子の長さ及び幅を有する自由領域が必要になる。蟻継ぎ支持体は、多くの場合軸方向なので、この自由領域は、支持体の軸方向側部に配置する必要がある。よって、この先行技術の乱流素子及び特定の支持体によるその固定は、それ以前の先行技術に対して利点は供するが、同時に少なくとも3つの欠点、つまり、各ロータ径のための特別な支持体が必要なこと、支持体が交換を要すること、及び乱流素子の設置のために支持体の側部に自由領域が必要になることをもたらす。
米国特許第4,193,865号 米国特許第3,437,204号
本発明の方法及びロータ構造の目的は、先行技術のロータ構造及びその製造が有する欠陥及び/又は欠点の少なくとも幾つかを修正することである。本発明のロータが解決する基本的な問題は、様々なロータ径及びそれによって提起される乱流素子をロータ上に固定するための要求に関する。
本発明は、異なる直径のロータを有する一連のスクリーニング装置全体に、又は少なくとも、異なる直径の幾つかのロータに、同様の乱流素子を使用できるような面構成を有するロータを提供することによって、上記課題を解決する。
本発明の第1の好適な実施例によれば、乱流素子が固定される位置において、ロータ面を平坦に製造する。これにより、ロータの表面に対向する乱流素子の表面も、平坦、すなわち、平面状に製造することができ、それによって、一連のスクリーン全体のために1種類のみの乱流素子で済む。もちろん、他の要因によって他の種類の素子が必要になることもあるが、それでもそれらの底面に対して特別配慮する必要はない。
本発明の第2の好適な実施例によれば、乱流素子が固定される位置において、好ましくは一連のスクリーンの全てのロータのサイズ/直径に対して同じ曲率になるように、ロータ面を製造する。好ましくは、ロータの表面に対向する乱流素子の表面を、その曲率が、一連のスクリーンの中で最大の直径を有するロータの曲率と同じになるように、湾曲に製造する。それにより、最小で、一連のスクリーン全体のために必要な乱流素子が1種類のみで済む。しかしながら、特にロータが鋳造ロータとして製造される場合には、複雑な面形状の一部として、より小さな曲率を使用することもできる。言い換えれば、本実施例において、ロータの表面に対向する乱流素子の表面は、その表面上に乱流素子が取り付けられる予定の一連のロータのうち、少なくともほとんどのロータの直径による曲率とは異なる曲率を有する。
本発明の第3の好適な実施例によれば、ロータ面には、溝及び/又は隆起、より一般的な用語では、凹部及び/又は凸部、が設けられる。これらは、ロータ径にかかわらず一連のロータの全てのロータにおいて同様となるように設計され、一方では、その形状から、乱流素子を正確にロータ面上の予定した位置に位置付けるために使用される。
本発明が解決する他の問題は、乱流素子及び図1に示す先行技術のロータに関連してすでに上述したその支持体の磨耗に関する。ここで、本発明の乱流素子は、容易な交換性の要求を満たし、乱流素子が、それをロータ面上に取り付ける手段を覆うため、乱流素子が唯一の磨耗する部品となる。よって、本発明の乱流素子を交換する際には、乱流素子の支持体の摩耗を容易に補正することができない図1のロータとは異なり、ロータは新品同様である。
本発明の更なる好適な実施例によれば、ロータ面には、乱流素子が固定される位置において、乱流素子が固定される係留手段が設けられる。さらに、乱流素子には、素子をロータ面上に位置付ける時に係留手段が嵌合する空洞が設けられる。
本発明の他の更なる好適な実施例によれば、ロータ面には、乱流素子が固定される位置において、乱流素子が固定される位置毎に少なくとも1つの凸部が設けられる。もちろん、乱流素子には、素子をロータ面上に位置付ける時にその少なくとも1つの凸部が嵌合する空洞が設けられる。
本発明のこれらの実施例及び他の実施例を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
先行技術に係る乱流素子の固定の仕方を示す。 本発明の好適な実施例に係るロータ面の部分3D図を示す。 本発明の第1の好適な実施例に係る係留手段が設けられたロータ面を、部分3D図で示す。 本発明の第1の好適な実施例に係る乱流素子を、3D図で示す。 本発明の第1の好適な実施例に係るシムを示す。 本発明の第2の好適な実施例に係る係留手段が設けられたロータ面を、3D図で示す。 本発明の第2の好適な実施例に係るロータ面上に固定された乱流素子の部分断面を示す。 ロータ面上に位置付けられた乱流素子の軸方向断面を、係留手段を取り除いた状態で示す。 a〜eは、乱流素子が固定される領域におけるロータ面構成の幾つかの好適な実施例を示す。
図2によれば、本発明の第1の実施例のロータは、例えばシリンダのような回転対称体からなる。他の可能な選択肢としては、代替例をいくつか挙げると、円錐形、円錐台形、卵形、切頭卵形等がある。また、すでに上の[0007]段落で述べたように、回転対称体以外の他の選択肢としての面も疑問となる。しかしながら、上記及び[0007]段落で述べた様々な選択肢は単なる例として理解されるため、閉じた面を有する他の閉ロータ形状もまた、本発明に関連して利用してもよい。図2によれば、ロータ10の表面には、領域12(1つの領域のみ示す)が設けられている。領域12は、ロータの残りの領域14の構成とは異なる構成、図示の場合では、ロータの残りの領域14の曲率とは異なる曲率を有している。残りの領域14の曲率は、ロータの直径によって規定される。領域12は、ロータ10が完成して利用可能になった時に、乱流素子を固定する領域である。典型的には、乱流素子は、ロータ表面の外周面積、すなわち、スクリーン面に対向する面積の約10〜50%、好ましくは約15〜35%を覆う。ロータ面に異なる構成/曲率の領域12を設ける理由は、異なる直径を有する一連のロータの全てのロータが、一連のロータに亘って同じ構成/曲率を有する領域12を有していると、全てのロータに対応させるために必要な乱流素子が1種類のみで済むということがある。もちろん、乱流素子の構成を変更する他の理由がある場合には、変更することも可能であるが、素子の底面は維持される、言い換えれば、変更する必要がない。よって、乱流素子の製造が、少なくとも多少、容易になる。
異なる構成/曲率を有する領域12の製造又は形成の点から必要となる構成/曲率を考慮すると、ロータが円筒状であるような場合には、領域12の半径は、少なくとも、一連の圧力スクリーンにおいて最大のロータシリンダの半径であることが好ましい。この場合、乱流素子が位置することになる位置において、最大のものを除く全てのロータを加工/形成しなければならない。領域12の半径をより大きくすると、全てのロータを加工/形成しなければならなくなる。加工に使用する機械によっては、乱流素子の座面、すなわち領域12を、平坦又は平面状に、つまり無限大の直径を有するように加工するのが最も容易である。しかしながら、特にロータを鋳造によって製造する場合には、ロータの表面に、ロータの残りの部分よりも小さい曲率を有する凸部を設けることが可能であるということも理解されるべきである。
図3に示す実施例によれば、ロータ面は、その加工された領域12に、乱流素子をロータ上に固定するための係留手段20が設けられる。係留手段20は、溶接、接着、はんだ付け又はリベットのような通常の固定手段によって、若しくは、ネジ又はボルトによって、ロータ10の表面に取り付けることができる。係留手段20は、乱流素子によって完全に覆われるので、リベット、ボルト、又はネジは、これらリベット、ボルト、又はネジのヘッドが係留手段20上に見えるように固定することができる。よって、固定手段のヘッドに繊維が集まるようなリスクは無い。係留手段20は、それらが領域12の境界16の内側に、好ましくはある程度の間隔を残して、完全に嵌るように、その寸法が決められる。係留手段の側面に設けられた凹部は接合部24のためのものであり、それによって、乱流素子に接合部のための追加的なスペースを設ける必要がない。
図4によれば、本発明の好適な実施例に係る乱流素子30には、空の空洞32が設けられており、この空洞32の寸法は、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、係留手段20の外寸に対応している。乱流素子30のサイズ及び形状は、ロータ10の運転条件に応じて必要とされるものとすることができる。しかしながら、必ずしもそうである必要はないが、乱流素子30の外周は、乱流素子30が略全域に亘って領域12を覆うように、領域12の境界16に対応していることが有利となる。言い換えれば、本明細書において既に述べた全ての種類の乱流素子が使用できるが、同様に、ここで述べていない他の種類を使用することもできる。よって、素子30の軸方向長さは、数センチメートルからロータ10の全長までの間であればどのような長さでもよい。これにより、乱流素子は、単一の係留手段によってではなく、2つ以上の係留手段によって固定することも可能である。この場合、これら2つ以上の係留手段は、乱流素子の寸法に応じて、軸方向、周方向、又は螺旋方向、若しくはこれらの任意の組み合わせで、ロータ面上に位置付けることができる。乱流素子30は、作用面34と、乱流素子30の軸方向端部に位置する側壁36’及び36’’と、底面38との3つの異なる部分からなると考えることができる。作用面34は、スクリーンシリンダに対向する乱流素子30の略周方向に延在する径方向外側面であり、スクリーニング装置の運転時には、この作用面34に沿って、スクリーニングすべきパルプが流れる。側壁又は端壁36’及び36’’は、必ずしもそうである必要はないが通常、ロータ面に対してほぼ直角である。そして、底面38は、係留空洞32のための開口と、乱流素子30を受け止める位置におけるロータ面の、加工面又は非加工面、の構成/曲率に対応する構成/曲率とを有している。言い換えれば、底面はロータ面に対向し、ロータ面に対して載置される。本発明のこの好適な実施例の本質的な特徴は、底面が空洞に続く開口を完全に囲むことによって、開口の連続的なリムを形成することである。
好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、乱流素子30の側壁36’及び36’’には、係留空洞32へと開口する穴40が設けられる。係留手段20には、好ましくは、乱流素子30を係留手段20上の且つロータ面12に対して適切な位置に保持する固定ネジを受け止めるためのタップ穴22が設けられる(図2を参照)。乱流素子30の側壁又は端壁36’及び36’’に設けられた穴40は、ロータの略径方向、つまり、素子底面38に対して略直角の方向に伸長されていてもよい。これにより、素子30の高さを調節する必要がある場合に、乱流素子30とロータ面12との間にシム50(図5を参照)を配置することが可能になる。また、係留手段20と乱流素子30との間の嵌合が密着したものでない場合には、シム50を楔形状とすることが可能であろう。これにより、素子30の(周方向における)先端部での高さをその後端部での高さよりも高くすること、又はその逆が可能になる。好ましくは、乱流素子30の側壁36’及び36’’に設けられた穴40及び固定ネジは、固定ネジを締めた時に、ネジのヘッドが乱流素子30の側壁36’及び36’’と面一になるように、共に設計される。これにより、穴/ネジヘッドに繊維が集まる可能性を最小限に抑えることができる。
また、ネジ以外の、乱流素子を固定するための他の手段を使用してもよい。一例として、乱流素子の側壁に設けられた穴を通して、係留手段に設けられた止まり穴又は貫通穴に押し込められるロックピンがある。ロックピンは、係留手段内部において(ネジの長さに対応する)ある長さだけ延在させてもよいし、係留手段を貫通させて乱流素子の反対側の側壁に設けられる穴の中まで延在させてもよい。ロックピンを使用する際には、乱流素子の側壁に設けられる穴は、好ましくは、乱流素子を取り換える必要がある場合にドリルで開けられる小さなネジ付カバー又は小さな接合ドットで閉じるのが好ましい。他の選択肢として、ロックピンを乱流素子の第1の側壁から第2の側壁に延在するように配置し、これにより、ピンのいずれかの端部の小さな接合ドットによって十分にピンを適切な位置に係止させることができる。
乱流素子を固定するさらに他の手段としては、止まり穴を係留手段の端部に配置し、それに対応する固定ピンを乱流素子の係留空洞の端部に設けるものがある。乱流素子の他端部は、取り外し可能なピン又はネジで係留手段に取り付けることができる。
図6は、本発明の他の好適な実施例に係る、係留手段20’が設けられたロータ10を示している。図2及び3に関連して説明した実施例とちょうど同じように、加工された又は形成された領域12が、ロータ10の概ね回転対称な又は通常円筒状の表面14に設けられる。領域12には、係留手段20’が設けられている。係留手段20’は、溶接、接着、はんだ付け又はリベットによって、若しくはロータ10の外殻内に又は外殻を通して延在するボルト又はネジによって、ロータ面上に取り付けられている。本実施例において、係留手段20’はロータ面上において、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、軸方向に位置付けられる。係留手段20’は、上面120を有しており、この上面120は、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、係留手段の底面に対して平行である。係留手段の底面は、係留手段20’が取り付けられる領域12の表面に対して載置されている。係留手段20’の側面122は、本実施例では、凹部124を有しており、これにより、係留手段20’をロータ面上に固定するために使用される可能性のある接合部を凹部124内に位置付けることができるため、接合部のための特別な追加の空間を乱流素子の係留空洞に設ける必要がない。係留手段20’の長手方向両端部には、傾斜面126及び128が、係留手段20’の底面と鈍角を形成するように設けられている。言い換えれば、係留手段20’の上面120は、底面、すなわちロータ面に対して載置される表面よりも長い。傾斜面のうち一方の面128、すなわち、係留手段20’の端部の一方は、形成された領域12の軸方向境界16に対して、反対側の面126又はその境界16に対向する端部よりも、近くに位置付けてもよい。このように取り付けられた係留手段20’は、その端面126及び128によって、乱流素子30’をロータ面上に取り付けるために使用される蟻継ぎの第1要素を形成する。
図6もまた、係留手段20’と共に用いられる別体の係止部材を図示している。別体の係止部材は、ロックネジ130と、ロッキングブロック132とを備えている。ロッキングブロック132は、幅広のヘッド部134と、幅狭のフット部138とを有するT字状部材である。ロッキングブロック132は、2つの端部を有しており、第1の端部は、係留手段の傾斜面126と協働するように設計された傾斜面136を有しており、第2の端部は、ネジ130と協働する面を有している。ロッキングブロック132はさらに、傾斜面136がそれと鈍角を形成する上面を有している。係留手段20’の面126がなす鈍角及びロッキングブロック132の鈍角は、好ましくは等しい。
図7は、ロータの形成された面領域12上の(図6において説明した)係留手段を除いた状態での、ロータ10上に置かれた乱流素子30’の部分断面を示している。言い換えれば、図7は、主に、乱流素子30’の内部構造を示している。より詳しくは、図7は、乱流素子30’をロータ面上に取り付けた時に係止部材が位置付けられる乱流素子30’の第1の端部を示している。図4において説明した実施例と同様に、乱流素子30’は、係留手段を収容するための内部係留空洞150を有している。よって、係留空洞150のサイズ及び形状は、概ね、係留手段のそれに対応している。係止部材を収容する係留空洞150の第1の端部において、乱流素子30’には、好ましくは、乱流素子30’の第1の端部又は側壁154を貫通するネジ穴152が設けられる。乱流素子30’の内側には、ネジ穴152が位置する係留空洞150の第1の端部において、カラー156が設けられている。カラー156は、好ましくは、乱流素子30’の内部空洞150の周面から内側に延出する左右対称のU字状形状を形成する。カラー156の寸法は、ブロック132を空洞150の第1の端部に配置することができるように、(図6において説明した)T字状ロッキングブロック132の寸法に一致するように選択されている。言い換えれば、カラー156の高さは、ロッキングブロック132のフット部138の高さに対応し、カラー156から空洞150の上部(図7における上面)への距離は、ロッキングブロック132のヘッド部134の高さに対応し、U字状カラー156の脚部間の距離は、ロッキングブロック132のフット部138の幅に対応している。カラー156の長さは、より自由に選択することができるが、好ましくは、ロッキングブロック132の長さよりも若干長い。よって、内部空洞150の端部は、ロッキングブロックのT字状断面に対応するT字状断面を有している。もちろん、ロッキングブロック132及びT字状空洞の寸法は、十分な運転公差を確保されるように選択されている。高さはロータのほぼ径方向に沿って測長され、長さはロータのほぼ軸方向、若しくはより一般的には係留手段又は乱流素子の軸方向に沿って測長されることは、上記説明から理解されるべきである。
乱流素子の第2の端部壁158(図8において最も良く示される)、すなわち、カラー156及びネジ穴152とは反対側の空洞150の第2の端部には、係留手段の面128(図6を参照)と協働するように設計された傾斜面140が設けられている。傾斜面140は、係留空洞150の上面(図7及び8における上面)と鋭角を形成している。よって、空洞150の第2の端部における傾斜面140及びロッキングブロック132の傾斜面136は、第2の蟻継ぎ素子を形成する。
本発明のこの好適な実施例においても、本発明の本質的な特徴は、底面が空洞に続く開口を完全に囲むことによって、開口の連続的なリムを形成することであることは理解されるべきである。
乱流素子30’は、図6、7、及び8を参照して以下に説明するように、ロータ上に搭載される。第1に、これまでに述べた実施例と同様に、ロータ面10には、好ましくは、ある一連のロータのロータサイズ/直径の全て又はほぼ全てに共通の曲率を有する領域12が設けられる。第2に、係留手段20’を、溶接、接着、はんだ付け又はリベットによって、若しくはボルト又はネジによって、領域12上に固定する。第3に、T字状ロッキングブロック132を、乱流素子における内部空洞150の第1の端部に形成されたT字状空洞内へと押し込む。第4に、ネジ穴152の反対側の素子30’の端部がまず係留手段20’上に載置されて、係留手段20’の傾斜面128が乱流素子30’における内部空洞150の第2の端部の傾斜面140に接触するように、乱流素子30’を、ロータ上に載置して、係留手段20’を収容する。その後、乱流素子30’の第1の端部を、ロータ面に対して押し付ける。これには、係留手段20’の先端がロッキングブロック132の先端を通過できるように、ロッキングブロックが、T字状空洞内深く(図7及び8の左側)に位置していることが必要である。そして最後に、ロッキングブロック132の面136が係留手段20’の面126に接触して乱流素子30’と係留手段20’とが互いに係止されるまで、ロックネジ130の先端がロッキングブロック132に接触してロッキングブロック132を空洞150内のより深く(右側へ)に押し始めるように、ネジ130をネジ穴152内にねじ込む。
図6、7及び8において説明した本発明の実施例を参照すると、本発明は、幾つかの変形例又は変更例を有し得ることは理解されるべきである。例えば、ネジを用いた係止は、図示の例とは異なる形態で配置されていてもよい。選択肢の1つとしては、(ネジ山が設けられていない)単なる穴を、乱流素子の端面に配置し、ネジ付きの止まり穴を、乱流素子の端面に設けた穴に沿うように、ロッキングブロック内に設ける。ここで、ロックネジは、T字状空洞の内側端面と協働するカラー又はフランジを有している必要がある。これにより、ネジを一方向にねじ込むことによって、ロッキングブロックを一方向に(右側へ)押し進めるとともに、ネジを逆方向にねじ戻すことによって、ロッキングブロックの逆方向、すなわち、図6、7及び8における左側への移動が可能になる。他の選択肢としては、再び単なるネジ山が設けられていない穴を、乱流素子の端面に配置する。しかし、この選択肢では、別体のナット又は対応するネジ付き部材を、ネジ無し穴の端部、好ましくはT字状空洞の端部に配置することによって、本実施例に関連して元々説明した態様でロッキングブロックを操作するためにネジを使用することができる。
図6、7及び8において説明した実施例を、図5において説明したシム50と共に容易に使用できることは理解されるべきである。実際、シムを使用する際の制約は、傾斜面126及び128が径方向に延在する高さのみである。言い換えれば、乱流素子及びロッキングブロックの傾斜面が、十分な長さに亘って係留手段の傾斜面と接触する限り、乱流素子は確実に固定される。
これまで説明した全ての実施例は、ロータ面の乱流素子が固定される位置に、全てのロータサイズと同様の曲率を有する平滑なロータ面領域を設けることに基づいている。しかしながら、他の選択肢として、ロータ面の乱流素子が取り付けられる領域に、非平滑面構成を設けてもよい。全てのロータサイズに対して等しくこの構成を配置することによって、一連のロータ全体に対して必要となる乱流素子が1種類のみで済む。よって、この面構成は、係留手段又は乱流素子のロータ面上での位置決めを補助する加工された若しくは配置された溝又は凹部を、ロータ面に含んでもよい。この面構成はまた、ロータ面上に単独で若しくは溝又は凹部と共に配置された隆起又は突起を含んでいてもよい。ロータ面上に隆起又は突起を配置する利点は、この隆起又は突起が、乱流素子又は係留手段のロータ面上での位置決めを補助するだけではない。必要なら、乱流素子及び/又は係留手段と、ロータ面すなわち隆起又は突起との間で直接、非径方向に固定することができるため、乱流素子又は係留手段をロータ面上に取り付けるのを容易にする。言い換えれば、本発明の先の実施例で必要であった係留手段として働くように、隆起又は突起を配置又は加工することが可能である。実際、乱流素子の内部空洞に一致する適切な形状を持つ突起及びそれに乱流素子を取り付けるための手段を設けるのと同じように簡単である。
図9a〜9fは、面構成の選択肢の幾つかの好適な実施例を示している。図9aの構成は、3本の外周面隆起と、それら隆起の側部に、4本の溝とを有している。この種の面構成を製造する選択肢として、まず、加工面が、乱流素子が固定される予定の領域の長さに対応する軸方向(ロータ軸線方向)長さ及び隆起の先端まで伸びる深さを有するように、第1の平滑面をロータ面に加工する。次の工程では、4つの溝をロータ面に深く、それらの間に隆起が残されるように形成する。図9bでは、軸方向に延びる隆起及び溝を有している。この面構成は、他の形成方法を採用してもよいが、図9aに関連して説明したように形成することができる。もちろん、溝及び隆起の方向は必ずしも周方向又は軸方向である必要はなく、あらゆる方向を適用することが可能である。同様の事が、表面が波打っている、すなわち、隆起及び溝の縁が鋭利ではなく湾曲している、図9c及び9dに示す面構成にも言える。図9eは、平滑底面に小さい凹部又は突起が設けられた面構成を示しており、ここで、凹部又は突起は、図示のように規則的なパターンで配置されてもよいし、同じランダムなパターンが乱流素子が固定される予定の全ての領域に適用される限りにおいて、ランダムなパターンで配置されてもよい。そして最後に、図9fは、面構成が平滑面からなる選択肢を示しており、ここで、表面は、偏心状、例えば楕円状になるように湾曲している。
上記に鑑み、本発明の最も単純な実施例は、乱流素子が取り付けられる予定の領域ではロータ面の残りの領域とは異なる面構成を有するとともに、乱流素子が、その底面に相補的な面構成を有している、ロータである。乱流素子は、ロータ面に対して、溶接によって、又は他の周知の固定手段によって、固定することができる。よって、平滑な、又は平面状の、又は平坦な面に始まり、係留手段、すなわち乱流素子が固定される手段を有する面に至るまで、様々な異なる面構成の選択肢が存在する。よって、乱流素子の底面にもまた選択肢がある。すなわち、代替例をいくつか挙げると、底面は、平滑、又は平面状、又は平坦であってもよく、溝が設けられていてもよく、また、ロータ面の係留手段のための空洞を有していてもよい。実際、適切に設計された溝は、係留種端のための空洞と考えられる。よって、係留手段は、ロータ面に別体で取り付け可能な部品であってもよいし、若しくは、外殻の外側表面の残りよりも径方向外側に延在するロータ外殻の材料部分であってもよい。
本発明のさらにもう1つの好適な実施例によれば、ロータ面には、図9aから9fまでに関連して説明した溝、凹部又は突起、若しくは乱流素子とロータ面との間に面領域を加えるための他の適用可能な手段が設けられる。本実施例の本質的な特徴は、別体の乱流素子を支持するための板材が必要ないように、乱流素子自身の底面に補完的な溝、突起又は凹部を設けることである。よって、本発明の本実施例は、例えば、乱流素子をロータ面上に接着又ははんだ付けできるように、ロータと乱流素子の表面に補完的な構成を設けることに基づいている。よって、表面積を増加させる目的は、乱流素子をロータ面上に取り付けるための接着剤又ははんだ付けの使用を容易にすることである。溝、凹部又は突起のさらに好適な特徴は、乱流素子とロータ面との間の接続に機械的強度を加えることである。言い換えれば、溝、凹部又は突起は、乱流素子にかかる負荷の少なくとも一部を受け止めるような形状にすることができる。乱流素子のロータ面上への固定は、もちろん、接着やはんだ付け以外のいずれの周知の手段によって行ってもよい。
ここまで、ロータの製造については説明していない。しかしながら、製造方法が異なると、乱流素子が配置される予定の領域における面構成を作成する機会も異なってくるため、ロータの製造は、本発明に関連している。原則として、ロータを製造するには2つの選択肢がある。1つ目として、ロータを鋳造した後、少なくとも鋳造の品質及びロータが導入される工場での位置に応じて、ロータ面をある程度滑らかに加工してもよい。ここで、ロータを鋳造することによって、乱流素子が配置される予定の領域に必要な面構成を、ロータ面に設けることが可能になる。よって、ロータを鋳造する時に、通常丸いロータ面に、凹部及び突起の両方、つまり、溝、窪み、隆起又はバルブ等を設けることができる。鋳造によって、領域を、ロータ面の残りの部分の曲率より小さな曲率を持つように配置する、つまり、ロータ面に突起を設けることが可能になる。鋳造後、ロータ面を再び、そして多くの場合、さらに加工して表面の品質を向上させる。
ロータを製造する2つ目の選択肢は、所望の厚さを有する金属板材からロータを巻き、巻いた板材の両端部を互いに溶接してロータ外殻を形成する。通常、ロータの製造は、エンドキャップを、軸受部を介して、ロータ外殻の軸方向端部に溶接して進められる。しかしながら、ある種類のロータでは、ロータの一方又は両方の端部が閉じておらず、ロータ外殻のその軸への取り付けが他の適切な方法によって行われるものがある。いずれにせよ、本発明を鑑み、ロータのその軸への取り付けは、特に重要ではない。乱流素子が配置される領域における面構成に関して、巻いたロータの場合には、鋳造されたロータほど多くの機会があるわけではない。言い換えれば、2つの選択肢があるだけである、すなわち、一方は所望の形状の1つ以上の凹部をロータ面に加工すること、他方は凹部をロータ面に押圧形成することである。しかしながら、押圧形成は原則的に、ロータ外殻の両端から行うことができるので、ロータ面の残りの部分よりも径方向外側へ延在する突起を形成することが可能である。しかしながら、押圧形成によって形成した突起の形状は、鋳造によって形成したものよりも制限される。
ここまでの記載は、本発明の幾つかの好適な実施例のみについて説明したものであり、本発明をこれまでに開示の詳細な構造に限定する目的は全くないことは理解されるべきである。よって、例えば、ロータ上の乱流素子の形状、サイズ及び数は、ロータの設計者が実用的であると考えるものであればどのようなものであってもよいことは明らかである。また、ロータの形状及びサイズも、ロータが設計されるところの具体的な用途によって必要とされるものであればどのようなものであってもよい。よって、ロータの全面、又は、ロータ面の(必ずしもそうである必要はないが好ましくは、軸方向の)一部のみに、本発明で説明したある面構成を有する領域を設けることができる。言い換えれば、例えば、ロータ面の長手方向セクションを上記したように加工する一方、他のセクションには、必要であれば、他の何らかの手段によってロータ面上に取り付けられる乱流素子を設けてもよい。さらに、本発明のロータは、流入(インフロー)スクリーンと流出(アウトフロー)スクリーンのどちらに関連しても使用できることは明らかである。また、最後に、「ロータ」という言葉は、上記説明及び請求項にて、パルプ・紙業界におけるスクリーニング装置に配置され、一方ではスクリーニングされる繊維懸濁液に乱流を生成し、他方ではスクリーンシリンダのようなスクリーニング手段に圧力パルスを印加するような、あらゆる手段を包含するものであることは指摘されるべきである。よって、「ロータ」がスクリーニング手段に対して相対的な動きをするものである限り、乱流生成・圧力印加手段は、「ロータ」という言葉で称する。言い換えれば、回転スクリーニング手段と協働的に配置される固定の乱流生成・圧力印加手段もまた、「ロータ」と称する。
【書類名】明細書
【発明の名称】スクリーニング装置のロータの製造方法、ロータ、及びロータ用乱流素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーニング装置のロータの製造方法及びスクリーニング装置のロータ構造に関する。本発明のロータ構造は、パルプ・紙業界において繊維懸濁液をスクリーニングするのに特に適している。本発明に係る装置は、新なロータの建造に関し、特に、ロータ面上に乱流素子を固定するための新規な手段に関する。
【0002】
パルプ・紙業界において近年使用されているスクリーニング装置は、ほぼ例外なく、加圧スクリーニング装置、すなわち、スクリーニングすべきパルプが加圧状態で導入されるいわゆる圧力スクリーンである。最も普及している圧力スクリーンは、固定スクリーンシリンダと、それと協働する回転ロータとを備える。スクリーンシリンダの目的は、ロータが中を回転するスクリーニング空洞に流入したフレッシュ・パルプ又は繊維懸濁液を、受容物と称する受容可能な繊維フラクションと、廃棄物と称する廃棄可能な繊維フラクションとに分別することにある。スクリーンシリンダ、そしてもちろんロータは、フレッシュな繊維懸濁液、受容物、及び廃棄物のためのダクトを有するスクリーンハウジング内に位置している。通常、繊維懸濁液のインレットダクト又はインレットが、スクリーンハウジングの一端にあり、また廃棄物のためのアウトレットがハウジングの他端にある。受容物のためのアウトレットは、スクリーニング空洞に対してスクリーンシリンダの反対側に位置する受容体空洞に連通している。ロータの目的は、スクリーニングされる繊維懸濁液に、乱流、正圧パルス及び負圧パルスを生成することにある。この目的は、ロータに特定の乱流素子を設けることによって達成される。
【0003】
現在、ほとんど使用されてはいないが、スクリーンシリンダが回転する一方で乱流及び圧力の生成手段が固定されたスクリーン装置も知られていることは理解されるべきである。スクリーンシリンダに対して相対的に回転するものであると言うことができるため、「ロータ」という表現は、この種の乱流生成手段をも包含するものと考えられる。また、「スクリーンシリンダ」という表現は、開口、例えば穴やスロットを有するとともに、回転対称形状を有する全てのスクリーニング手段を包含することも理解されるべきである。よって、円錐形状や円錐台形状もまた包含されるとともに、先行技術から周知である。
【0004】
圧力スクリーンは、ほとんどの場合、その軸が立設位置になるように位置付けられる。しかしながら、繊維懸濁液は加圧されるため、圧力スクリーンの軸は、水平方向を含む任意の方向に位置付けすることが可能である。繊維懸濁液の加圧供給によって、繊維懸濁液を圧力スクリーン内の、上部、底部、又は中央領域へと導入することができる。
【0005】
圧力スクリーンはまた、スクリーンシリンダ内の受容物の流通方向に基づき、2つのグループに分類することができる。受容体の流れが径方向外方の場合、スクリーンを流出(アウトフロー)スクリーンと称し、受容物の流通が径方向内方の場合、スクリーンを流入(インフロー)スクリーンと称する。
【0006】
先行技術によれば、原則として、パルプ・紙業界において通常使用されている2つの異なる種類のロータがあり、その意図は、周知のように、スクリーン面を清浄に保つ、言い換えれば、スクリーン面のミシン目が詰まるのを防止し、フレッシュな、すなわちスクリーニングされていない繊維懸濁液を含むスクリーニング空洞において十分な乱流を維持することにある。ロータの種類は、開ロータ、閉ロータと称される。開ロータの一例が、特許文献1に開示されており、ここで、ロータは、円筒状の固定スクリーンシリンダ内に配置されている。このロータは、同心軸と、スクリーンシリンダの表面近くに延在するフォイル形状の多数の乱流素子を備えている。各フォイルは、スクリーニング装置の動作時にはフレッシュ・パルプを含む空洞内を通って延在する一対のアームによって、軸上に支持されている。上記特許のフォイルは、ロータの軸及びスクリーンシリンダの軸線と、ある角度を形成する。しかしながら、フォイルは、軸線に対して平行に配置されていてもよい。フォイルが、又はフォイルによって繊維懸濁液が移動している間、フォイルの先端面が、スクリーン面に正の圧力パルスを印加して、受容可能な繊維を、スクリーニング開口を通じて押し出す一方、フォイルの後端面が、受容物空洞からスクリーニング空洞への逆流を生成することによってスクリーン面のミシン目を開くために、あるいは、繊維がスクリーン面に蓄積したりスクリーニング開口をブロックしたりするのを防ぐために、スクリーン面に負の圧力パルスを印加する。
【0007】
他の種類のロータ、すなわち、閉ロータの一例が、例えば、特許文献2で説明されており、ここで、ロータは、スクリーンシリンダ内に位置付けられた略円筒状の閉ボディである。ロータ面には、乱流素子すなわち突起が設けられており、この例において、乱流素子は、略半球形状である。この種類の装置において、フレッシュな繊維懸濁液は、ロータとスクリーンシリンダとの間に送給されて、ロータの突起、いわゆるバンプが、この場合、乱流と、スクリーンシリンダに向かう圧力パルスと、スクリーンシリンダから離れる圧力パルスとを生成する。言い換えれば、各バンプの先端面が、パルプをスクリーンシリンダの方へ押し、バンプの後端面が、スクリーンシリンダの開口から、蓄積された繊維を引き出す吸引パルスを引き起こす。多くの場合、閉ロータ面は、円筒状である。より広義には、円錐台形形状又はドーム形状のロータもあるので、回転対称なロータ面についても説明する。加えて、回転対称形状を文字通りには有さないロータも存在する。そのような選択肢の一つが、2つの径方向又は略径方向に配置された表面が半シリンダ表面を結合するように互いに取り付けられた2つの同一のシリンダ半体からなる、いわゆるS−ロータである。また、環状の表面を形成するように配置された多数の平面状の、場合によっては矩形状の部材からなるロータが存在する。さらに、順に重ねて取り付けられた多数のディスクからなるロータが存在する。これらディスクは、楕円状外側面を有し、また、これらディスクは、隣接する2つのディスクの中心がロータの回転軸線に沿って広がる同一面上に位置しないように位置付けられている。
【0008】
閉ロータの表面に配置される乱流素子の形状については、非常に多くの異なる代替例が存在する。第1の代替例は、すでに上に述べたように、おおよそ半球状のバンプである乱流素子である。第2の代替例は、軸方向又は螺旋状に延在する隆起からなり、これも丸い上面を有する。第3の代替案は、溝付ロータ面からなり、この溝が、底面と、傾斜した側面と、ロータの外殻面に垂直な側面とからなるものである。溝は、軸方向に配向されているか、螺旋状であるかのどちらかである。底面の幅によって、ロータ面は溝付ではなく隆起付と呼ぶこともできるだろう。第4の代替例は、突起からなるものであり、ある意味、突起の長さが50〜200mm程度になるように切断された隆起を除き、上記隆起付ロータに類似している。この突起の種類には、多くの変形例がある。突起の先端面は、ロータ面に対して垂直であってもよいし傾斜していてもよく、また、軸方向に配向されていてもよいし、いずれかの方向に傾斜していてもよい。突起は、ロータの外殻面に平行か又はいずれかの方向に傾斜している上面を有しても有さなくてもよい。突起はまた、ロータ面に対して傾斜した又は垂直な後端面を有している。よって、1つに4つの変形例があり、それぞれいくつかの選択肢があるため、突起の形状の可能な代替案の数は非常に多い。そして最後に、第5の代替案として、突起の表面(先端面、上面、及び後端面)を、滑らかに変化するように配置することによって、それらが、それぞれが異なる半径を有する(ことも可能である)幾つかのセクションからなる湾曲面を形成するものがある。事実、第5の代替例は、開ロータのフォイルと閉ロータを組み合わせることによって形成され、ここでフォイルは、(スクリーン面の反対側を向く面に小さな変更を加えることも可能)ロータの表面に取り付けられている。よって、上述した表面の選択肢を考慮に入れると、それらは平面状セクションを含んでいてもよいが、乱流素子の可能な形状の数はさらに多くなる。
【0009】
さらにもう1つのロータの種類について述べる。これは、ロータが、両方の種類の乱流素子、すなわち、閉ロータ面にそれらの底部から固定された突起と、短いアームによってロータ面に取り付けられた又は長いアームによってロータ軸に取り付けられたフォイルの両方を有するので、ある意味、開ロータと閉ロータとの組み合わせである。そのため、このロータは、一部閉又は一部開ロータと称することができる。
【0010】
特許文献3には、繊維懸濁液をスクリーニングするためのロータ構造が開示されている。このロータは、ロータフォイルのための径方向アームが取り付けられるロータ軸に相当するロータ本体を備えている。フォイルは、ロータ本体から一定の距離の位置に配置されている。フォイルは、スクリーンシリンダに対向するフォイル表面からフォイルを貫通して延在するネジによって、アームに取り付けられている。アームの径方向内端は、ロータ本体の開口に挿入され、開口内で溶接されている。
【0011】
特許文献4には、製紙原料スクリーンのためのディスクロータが開示されている。ロータは、軸と当該軸の上端に配置された平板ディスクとからなっており、スクリーンシリンダの内部は、大部分が解放されている。ディスクは、ロータフォイルがディスクの外周に取り付けられてスクリーンシリンダに近接して回転するように、スクリーンシリンダの内面近くにまで延在している。フォイルは、スクリーンシリンダに対向するフォルダ表面からフォルダを貫通して延在するボルトによって、ディスクに取り付けられる。フォイルが固定されるディスク表面は平坦化されている。
【0012】
特許文献5には、スクリーニング装置のためのロータが開示されている。このロータは、内部に乱流素子のための開口が形成された閉円筒状本体からなる。乱流素子には、乱流生成凸状部と、開口に嵌合されるフット部とが設けられている。開口は、ロータ本体表面の凹部に囲まれている。凹部は、乱流素子が凹部に収まり、ロータ面に滑らかに接続されるようなサイズを有している。乱流素子は、焼き嵌め及び/又は接着によって、開口に固定される。
【0013】
特許文献6には、ロータ本体(ロータ軸に対応する)と、アームによってロータ本体に取り付けられたフォイルとからなるスクリーンロータが開示されている。フォイルは、常に、ロータ本体から一定の距離の位置に配置される。
【0014】
本発明は、乱流素子の断面形状はその長さに係らず、少なくとも部分的に閉じたロータの表面に取り付けられる乱流素子に関する。閉又は一部閉ロータに関して、乱流素子は、典型的には、ロータの閉じた面に、溶接によって固定される。これは、乱流素子が、閉ロータ面に対向するそれらの底面が、ロータ面の曲率に一致する曲率を有するように製造されなければならないことを意味する。この段階において、圧力スクリーンを設計する際に、設計者は一顧客又は一生産率のみのために圧力スクリーンを設計することはできず、生産率が互いに大きく異なるパルプ又は紙工場の要求を満たすことができる必要がある。設計者が上記要求を果たす唯一の方法は、異なる顧客の異なる生産率に適合する一連の圧力スクリーンを設計することである。通常、圧力スクリーンの生産率を変える方法は、スクリーンシリンダの直径又は高さ、若しくはその両方を変更することである。これは、実際のところ、ロータの直径が変わる場合には、同様の乱流素子を、一連の圧力スクリーンの全てのロータに使用することはできないということを意味する。それにより、原則として、各ロータ径のために、特別に製造した乱流素子が必要になり、これによって素子の製造工程が複雑になる。乱流素子を溶接によって固定する他の欠点は、素子が交換しなければならない程度に摩耗した際に分かる。素子を完全に新しいものに交換しなければならないと判断した場合には、素子の周囲全ての溶接線を開くのに時間がかかり、面倒な仕事である。
【0015】
素子を容易に交換できる乱流素子構造が先行技術から知られている(図1を参照)この乱流素子は、ロータ面上に特定の支持体によって固定される。素子の支持体への固定は、支持体に配置された蟻継ぎ挿入部と乱流素子に配置された対応する蟻継ぎ溝部によって行われる。蟻継ぎ挿入部を蟻継ぎ溝部に嵌合させるように、素子を押し付け、その後、乱流素子を、乱流素子の両端の保持ネジによって締結する。乱流素子の支持体は溶接によってロータ面上に固定され、支持体上の蟻継ぎ挿入部は挿入部の外面からロータ外殻の内側の支持体を通って特定のナット状素子へと延出するネジによって固定される。乱流素子のこの種類の固定によって、乱流素子の交換が容易になるが、それでもなお幾つかの欠点がある。まず、指示体の内面がロータ面を追従するため、あるロータ径用に設計された支持体は、他の直径を有するロータに関連して使用することができない。支持体の半径とロータの半径とが正確に一致しないと、支持体とロータ面との間に隙間が形成されてしまう。隙間には繊維が集まり易いため、その存在は望ましくない。第2に、先行技術の支持体は、乱流素子よりも明らかに大きいロータ面上の領域を覆う、すなわち、乱流素子の周方向両端において素子の外側に延出するため、支持体も磨耗する傾向があり、そのため支持体を時折交換する必要があり、他の周知の先行技術のロータのロータ面から溶接された乱流素子を緩めるための面倒な仕事が生じてしまう。第3に、各乱流素子は、乱流素子を蟻継ぎ支持体に対して押し付けることができるように、支持体の側部に素子の長さ及び幅を有する自由領域が必要になる。蟻継ぎ支持体は、多くの場合軸方向なので、この自由領域は、支持体の軸方向側部に配置する必要がある。よって、この先行技術の乱流素子及び特定の支持体によるその固定は、それ以前の先行技術に対して利点は供するが、同時に少なくとも3つの欠点、つまり、各ロータ径のための特別な支持体が必要なこと、支持体が交換を要すること、及び乱流素子の設置のために支持体の側部に自由領域が必要になることをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第4,193,865号明細書
【特許文献2】米国特許第3,437,204号明細書
【特許文献3】米国特許第6,029,821号明細書
【特許文献4】米国特許第4,663,030号明細書
【特許文献5】ドイツ特許公開公報第40 28 772号明細書
【特許文献6】欧州特許公開公報第1 143 065号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の方法及びロータ構造の目的は、先行技術のロータ構造及びその製造が有する欠陥及び/又は欠点の少なくとも幾つかを修正することである。本発明のロータが解決する基本的な問題は、様々なロータ径及びそれによって提起される乱流素子をロータ上に固定するための要求に関する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、異なる直径のロータを有する一連のスクリーニング装置全体に、又は少なくとも、異なる直径の幾つかのロータに、同様の乱流素子を使用できるような面構成を有するロータを提供することによって、上記課題を解決する。
【0019】
本発明の第1の好適な実施例によれば、乱流素子が固定される位置において、ロータ面を平坦に製造する。これにより、ロータの表面に対向する乱流素子の表面も、平坦、すなわち、平面状に製造することができ、それによって、一連のスクリーン全体のために1種類のみの乱流素子で済む。もちろん、他の要因によって他の種類の素子が必要になることもあるが、それでもそれらの底面に対して特別配慮する必要はない。
【0020】
本発明の第2の好適な実施例によれば、乱流素子が固定される位置において、好ましくは一連のスクリーンの全てのロータのサイズ/直径に対して同じ曲率になるように、ロータ面を製造する。好ましくは、ロータの表面に対向する乱流素子の表面を、その曲率が、一連のスクリーンの中で最大の直径を有するロータの曲率と同じになるように、湾曲に製造する。それにより、最小で、一連のスクリーン全体のために必要な乱流素子が1種類のみで済む。しかしながら、特にロータが鋳造ロータとして製造される場合には、複雑な面形状の一部として、より小さな曲率を使用することもできる。言い換えれば、本実施例において、ロータの表面に対向する乱流素子の表面は、その表面上に乱流素子が取り付けられる予定の一連のロータのうち、少なくともほとんどのロータの直径による曲率とは異なる曲率を有する。
【0021】
本発明の第3の好適な実施例によれば、ロータ面には、溝及び/又は隆起、より一般的な用語では、凹部及び/又は凸部、が設けられる。これらは、ロータ径にかかわらず一連のロータの全てのロータにおいて同様となるように設計され、一方では、その形状から、乱流素子を正確にロータ面上の予定した位置に位置付けるために使用される。
【0022】
本発明が解決する他の問題は、乱流素子及び図1に示す先行技術のロータに関連してすでに上述したその支持体の磨耗に関する。ここで、本発明の乱流素子は、容易な交換性の要求を満たし、乱流素子が、それをロータ面上に取り付ける手段を覆うため、乱流素子が唯一の磨耗する部品となる。よって、本発明の乱流素子を交換する際には、乱流素子の支持体の摩耗を容易に補正することができない図1のロータとは異なり、ロータは新品同様である。
【0023】
本発明の更なる好適な実施例によれば、ロータ面には、乱流素子が固定される位置において、乱流素子が固定される係留手段が設けられる。さらに、乱流素子には、素子をロータ面上に位置付ける時に係留手段が嵌合する空洞が設けられる。
【0024】
本発明の他の更なる好適な実施例によれば、ロータ面には、乱流素子が固定される位置において、乱流素子が固定される位置毎に少なくとも1つの凸部が設けられる。もちろん、乱流素子には、素子をロータ面上に位置付ける時にその少なくとも1つの凸部が嵌合する空洞が設けられる。
【0025】
本発明のこれらの実施例及び他の実施例を、添付の図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】先行技術に係る乱流素子の固定の仕方を示す。
【図2】本発明の好適な実施例に係るロータ面の部分3D図を示す。
【図3】本発明の第1の好適な実施例に係る係留手段が設けられたロータ面を、部分3D図で示す。
【図4】本発明の第1の好適な実施例に係る乱流素子を、3D図で示す。
【図5】本発明の第1の好適な実施例に係るシムを示す。
【図6】本発明の第2の好適な実施例に係る係留手段が設けられたロータ面を、3D図で示す。
【図7】本発明の第2の好適な実施例に係るロータ面上に固定された乱流素子の部分断面を示す。
【図8】ロータ面上に位置付けられた乱流素子の軸方向断面を、係留手段を取り除いた状態で示す。
【図9】a〜eは、乱流素子が固定される領域におけるロータ面構成の幾つかの好適な実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0027】
図2によれば、本発明の第1の実施例のロータは、例えばシリンダのような回転対称体からなる。他の可能な選択肢としては、代替例をいくつか挙げると、円錐形、円錐台形、卵形、切頭卵形等がある。また、すでに上の【0007】段落で述べたように、回転対称体以外の他の選択肢としての面も疑問となる。しかしながら、上記及び【0007】段落で述べた様々な選択肢は単なる例として理解されるため、閉じた面を有する他の閉ロータ形状もまた、本発明に関連して利用してもよい。図2によれば、ロータ10の表面には、領域12(1つの領域のみ示す)が設けられている。領域12は、ロータの残りの領域14の構成とは異なる構成、図示の場合では、ロータの残りの領域14の曲率とは異なる曲率を有している。残りの領域14の曲率は、ロータの直径によって規定される。領域12は、ロータ10が完成して利用可能になった時に、乱流素子を固定する領域である。典型的には、乱流素子は、ロータ表面の外周面積、すなわち、スクリーン面に対向する面積の約10〜50%、好ましくは約15〜35%を覆う。ロータ面に異なる構成/曲率の領域12を設ける理由は、異なる直径を有する一連のロータの全てのロータが、一連のロータに亘って同じ構成/曲率を有する領域12を有していると、全てのロータに対応させるために必要な乱流素子が1種類のみで済むということがある。もちろん、乱流素子の構成を変更する他の理由がある場合には、変更することも可能であるが、素子の底面は維持される、言い換えれば、変更する必要がない。よって、乱流素子の製造が、少なくとも多少、容易になる。
【0028】
異なる構成/曲率を有する領域12の製造又は形成の点から必要となる構成/曲率を考慮すると、ロータが円筒状であるような場合には、領域12の半径は、少なくとも、一連の圧力スクリーンにおいて最大のロータシリンダの半径であることが好ましい。この場合、乱流素子が位置することになる位置において、最大のものを除く全てのロータを加工/形成しなければならない。領域12の半径をより大きくすると、全てのロータを加工/形成しなければならなくなる。加工に使用する機械によっては、乱流素子の座面、すなわち領域12を、平坦又は平面状に、つまり無限大の直径を有するように加工するのが最も容易である。しかしながら、特にロータを鋳造によって製造する場合には、ロータの表面に、ロータの残りの部分よりも小さい曲率を有する凸部を設けることが可能であるということも理解されるべきである。
【0029】
図3に示す実施例によれば、ロータ面は、その加工された領域12に、乱流素子をロータ上に固定するための係留手段20が設けられる。係留手段20は、溶接、接着、はんだ付け又はリベットのような通常の固定手段によって、若しくは、ネジ又はボルトによって、ロータ10の表面に取り付けることができる。係留手段20は、乱流素子によって完全に覆われるので、リベット、ボルト、又はネジは、これらリベット、ボルト、又はネジのヘッドが係留手段20上に見えるように固定することができる。よって、固定手段のヘッドに繊維が集まるようなリスクは無い。係留手段20は、それらが領域12の境界16の内側に、好ましくはある程度の間隔を残して、完全に嵌るように、その寸法が決められる。係留手段の側面に設けられた凹部は接合部24のためのものであり、それによって、乱流素子に接合部のための追加的なスペースを設ける必要がない。
【0030】
図4によれば、本発明の好適な実施例に係る乱流素子30には、空の空洞32が設けられており、この空洞32の寸法は、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、係留手段20の外寸に対応している。乱流素子30のサイズ及び形状は、ロータ10の運転条件に応じて必要とされるものとすることができる。しかしながら、必ずしもそうである必要はないが、乱流素子30の外周は、乱流素子30が略全域に亘って領域12を覆うように、領域12の境界16に対応していることが有利となる。言い換えれば、本明細書において既に述べた全ての種類の乱流素子が使用できるが、同様に、ここで述べていない他の種類を使用することもできる。よって、素子30の軸方向長さは、数センチメートルからロータ10の全長までの間であればどのような長さでもよい。これにより、乱流素子は、単一の係留手段によってではなく、2つ以上の係留手段によって固定することも可能である。この場合、これら2つ以上の係留手段は、乱流素子の寸法に応じて、軸方向、周方向、又は螺旋方向、若しくはこれらの任意の組み合わせで、ロータ面上に位置付けることができる。乱流素子30は、作用面34と、乱流素子30の軸方向端部に位置する側壁36’及び36’’と、底面38との3つの異なる部分からなると考えることができる。作用面34は、スクリーンシリンダに対向する乱流素子30の略周方向に延在する径方向外側面であり、スクリーニング装置の運転時には、この作用面34に沿って、スクリーニングすべきパルプが流れる。側壁又は端壁36’及び36’’は、必ずしもそうである必要はないが通常、ロータ面に対してほぼ直角である。そして、底面38は、係留空洞32のための開口と、乱流素子30を受け止める位置におけるロータ面の、加工面又は非加工面、の構成/曲率に対応する構成/曲率とを有している。言い換えれば、底面はロータ面に対向し、ロータ面に対して載置される。本発明のこの好適な実施例の本質的な特徴は、底面が空洞に続く開口を完全に囲むことによって、開口の連続的なリムを形成することである。
【0031】
好ましくは、必ずしもそうである必要はないが、乱流素子30の側壁36’及び36’’には、係留空洞32へと開口する穴40が設けられる。係留手段20には、好ましくは、乱流素子30を係留手段20上の且つロータ面12に対して適切な位置に保持する固定ネジを受け止めるためのタップ穴22が設けられる(図2を参照)。乱流素子30の側壁又は端壁36’及び36’’に設けられた穴40は、ロータの略径方向、つまり、素子底面38に対して略直角の方向に伸長されていてもよい。これにより、素子30の高さを調節する必要がある場合に、乱流素子30とロータ面12との間にシム50(図5を参照)を配置することが可能になる。また、係留手段20と乱流素子30との間の嵌合が密着したものでない場合には、シム50を楔形状とすることが可能であろう。これにより、素子30の(周方向における)先端部での高さをその後端部での高さよりも高くすること、又はその逆が可能になる。好ましくは、乱流素子30の側壁36’及び36’’に設けられた穴40及び固定ネジは、固定ネジを締めた時に、ネジのヘッドが乱流素子30の側壁36’及び36’’と面一になるように、共に設計される。これにより、穴/ネジヘッドに繊維が集まる可能性を最小限に抑えることができる。
【0032】
また、ネジ以外の、乱流素子を固定するための他の手段を使用してもよい。一例として、乱流素子の側壁に設けられた穴を通して、係留手段に設けられた止まり穴又は貫通穴に押し込められるロックピンがある。ロックピンは、係留手段内部において(ネジの長さに対応する)ある長さだけ延在させてもよいし、係留手段を貫通させて乱流素子の反対側の側壁に設けられる穴の中まで延在させてもよい。ロックピンを使用する際には、乱流素子の側壁に設けられる穴は、好ましくは、乱流素子を取り換える必要がある場合にドリルで開けられる小さなネジ付カバー又は小さな接合ドットで閉じるのが好ましい。他の選択肢として、ロックピンを乱流素子の第1の側壁から第2の側壁に延在するように配置し、これにより、ピンのいずれかの端部の小さな接合ドットによって十分にピンを適切な位置に係止させることができる。
【0033】
乱流素子を固定するさらに他の手段としては、止まり穴を係留手段の端部に配置し、それに対応する固定ピンを乱流素子の係留空洞の端部に設けるものがある。乱流素子の他端部は、取り外し可能なピン又はネジで係留手段に取り付けることができる。
【0034】
図6は、本発明の他の好適な実施例に係る、係留手段20’が設けられたロータ10を示している。図2及び3に関連して説明した実施例とちょうど同じように、加工された又は形成された領域12が、ロータ10の概ね回転対称な又は通常円筒状の表面14に設けられる。領域12には、係留手段20’が設けられている。係留手段20’は、溶接、接着、はんだ付け又はリベットによって、若しくはロータ10の外殻内に又は外殻を通して延在するボルト又はネジによって、ロータ面上に取り付けられている。本実施例において、係留手段20’はロータ面上において、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、軸方向に位置付けられる。係留手段20’は、上面120を有しており、この上面120は、必ずしもそうである必要はないが好ましくは、係留手段の底面に対して平行である。係留手段の底面は、係留手段20’が取り付けられる領域12の表面に対して載置されている。係留手段20’の側面122は、本実施例では、凹部124を有しており、これにより、係留手段20’をロータ面上に固定するために使用される可能性のある接合部を凹部124内に位置付けることができるため、接合部のための特別な追加の空間を乱流素子の係留空洞に設ける必要がない。係留手段20’の長手方向両端部には、傾斜面126及び128が、係留手段20’の底面と鈍角を形成するように設けられている。言い換えれば、係留手段20’の上面120は、底面、すなわちロータ面に対して載置される表面よりも長い。傾斜面のうち一方の面128、すなわち、係留手段20’の端部の一方は、形成された領域12の軸方向境界16に対して、反対側の面126又はその境界16に対向する端部よりも、近くに位置付けてもよい。このように取り付けられた係留手段20’は、その端面126及び128によって、乱流素子30’をロータ面上に取り付けるために使用される蟻継ぎの第1要素を形成する。
【0035】
図6もまた、係留手段20’と共に用いられる別体の係止部材を図示している。別体の係止部材は、ロックネジ130と、ロッキングブロック132とを備えている。ロッキングブロック132は、幅広のヘッド部134と、幅狭のフット部138とを有するT字状部材である。ロッキングブロック132は、2つの端部を有しており、第1の端部は、係留手段の傾斜面126と協働するように設計された傾斜面136を有しており、第2の端部は、ネジ130と協働する面を有している。ロッキングブロック132はさらに、傾斜面136がそれと鈍角を形成する上面を有している。係留手段20’の面126がなす鈍角及びロッキングブロック132の鈍角は、好ましくは等しい。
【0036】
図7は、ロータの形成された面領域12上の(図6において説明した)係留手段を除いた状態での、ロータ10上に置かれた乱流素子30’の部分断面を示している。言い換えれば、図7は、主に、乱流素子30’の内部構造を示している。より詳しくは、図7は、乱流素子30’をロータ面上に取り付けた時に係止部材が位置付けられる乱流素子30’の第1の端部を示している。図4において説明した実施例と同様に、乱流素子30’は、係留手段を収容するための内部係留空洞150を有している。よって、係留空洞150のサイズ及び形状は、概ね、係留手段のそれに対応している。係止部材を収容する係留空洞150の第1の端部において、乱流素子30’には、好ましくは、乱流素子30’の第1の端部又は側壁154を貫通するネジ穴152が設けられる。乱流素子30’の内側には、ネジ穴152が位置する係留空洞150の第1の端部において、カラー156が設けられている。カラー156は、好ましくは、乱流素子30’の内部空洞150の周面から内側に延出する左右対称のU字状形状を形成する。カラー156の寸法は、ブロック132を空洞150の第1の端部に配置することができるように、(図6において説明した)T字状ロッキングブロック132の寸法に一致するように選択されている。言い換えれば、カラー156の高さは、ロッキングブロック132のフット部138の高さに対応し、カラー156から空洞150の上部(図7における上面)への距離は、ロッキングブロック132のヘッド部134の高さに対応し、U字状カラー156の脚部間の距離は、ロッキングブロック132のフット部138の幅に対応している。カラー156の長さは、より自由に選択することができるが、好ましくは、ロッキングブロック132の長さよりも若干長い。よって、内部空洞150の端部は、ロッキングブロックのT字状断面に対応するT字状断面を有している。もちろん、ロッキングブロック132及びT字状空洞の寸法は、十分な運転公差を確保されるように選択されている。高さはロータのほぼ径方向に沿って測長され、長さはロータのほぼ軸方向、若しくはより一般的には係留手段又は乱流素子の軸方向に沿って測長されることは、上記説明から理解されるべきである。
【0037】
乱流素子の第2の端部壁158(図8において最も良く示される)、すなわち、カラー156及びネジ穴152とは反対側の空洞150の第2の端部には、係留手段の面128(図6を参照)と協働するように設計された傾斜面140が設けられている。傾斜面140は、係留空洞150の上面(図7及び8における上面)と鋭角を形成している。よって、空洞150の第2の端部における傾斜面140及びロッキングブロック132の傾斜面136は、第2の蟻継ぎ素子を形成する。
【0038】
本発明のこの好適な実施例においても、本発明の本質的な特徴は、底面が空洞に続く開口を完全に囲むことによって、開口の連続的なリムを形成することであることは理解されるべきである。
【0039】
乱流素子30’は、図6、7、及び8を参照して以下に説明するように、ロータ上に搭載される。第1に、これまでに述べた実施例と同様に、ロータ面10には、好ましくは、ある一連のロータのロータサイズ/直径の全て又はほぼ全てに共通の曲率を有する領域12が設けられる。第2に、係留手段20’を、溶接、接着、はんだ付け又はリベットによって、若しくはボルト又はネジによって、領域12上に固定する。第3に、T字状ロッキングブロック132を、乱流素子における内部空洞150の第1の端部に形成されたT字状空洞内へと押し込む。第4に、ネジ穴152の反対側の素子30’の端部がまず係留手段20’上に載置されて、係留手段20’の傾斜面128が乱流素子30’における内部空洞150の第2の端部の傾斜面140に接触するように、乱流素子30’を、ロータ上に載置して、係留手段20’を収容する。その後、乱流素子30’の第1の端部を、ロータ面に対して押し付ける。これには、係留手段20’の先端がロッキングブロック132の先端を通過できるように、ロッキングブロックが、T字状空洞内深く(図7及び8の左側)に位置していることが必要である。そして最後に、ロッキングブロック132の面136が係留手段20’の面126に接触して乱流素子30’と係留手段20’とが互いに係止されるまで、ロックネジ130の先端がロッキングブロック132に接触してロッキングブロック132を空洞150内のより深く(右側へ)に押し始めるように、ネジ130をネジ穴152内にねじ込む。
【0040】
図6、7及び8において説明した本発明の実施例を参照すると、本発明は、幾つかの変形例又は変更例を有し得ることは理解されるべきである。例えば、ネジを用いた係止は、図示の例とは異なる形態で配置されていてもよい。選択肢の1つとしては、(ネジ山が設けられていない)単なる穴を、乱流素子の端面に配置し、ネジ付きの止まり穴を、乱流素子の端面に設けた穴に沿うように、ロッキングブロック内に設ける。ここで、ロックネジは、T字状空洞の内側端面と協働するカラー又はフランジを有している必要がある。これにより、ネジを一方向にねじ込むことによって、ロッキングブロックを一方向に(右側へ)押し進めるとともに、ネジを逆方向にねじ戻すことによって、ロッキングブロックの逆方向、すなわち、図6、7及び8における左側への移動が可能になる。他の選択肢としては、再び単なるネジ山が設けられていない穴を、乱流素子の端面に配置する。しかし、この選択肢では、別体のナット又は対応するネジ付き部材を、ネジ無し穴の端部、好ましくはT字状空洞の端部に配置することによって、本実施例に関連して元々説明した態様でロッキングブロックを操作するためにネジを使用することができる。
【0041】
図6、7及び8において説明した実施例を、図5において説明したシム50と共に容易に使用できることは理解されるべきである。実際、シムを使用する際の制約は、傾斜面126及び128が径方向に延在する高さのみである。言い換えれば、乱流素子及びロッキングブロックの傾斜面が、十分な長さに亘って係留手段の傾斜面と接触する限り、乱流素子は確実に固定される。
【0042】
これまで説明した全ての実施例は、ロータ面の乱流素子が固定される位置に、全てのロータサイズと同様の曲率を有する平滑なロータ面領域を設けることに基づいている。しかしながら、他の選択肢として、ロータ面の乱流素子が取り付けられる領域に、非平滑面構成を設けてもよい。全てのロータサイズに対して等しくこの構成を配置することによって、一連のロータ全体に対して必要となる乱流素子が1種類のみで済む。よって、この面構成は、係留手段又は乱流素子のロータ面上での位置決めを補助する加工された若しくは配置された溝又は凹部を、ロータ面に含んでもよい。この面構成はまた、ロータ面上に単独で若しくは溝又は凹部と共に配置された隆起又は突起を含んでいてもよい。ロータ面上に隆起又は突起を配置する利点は、この隆起又は突起が、乱流素子又は係留手段のロータ面上での位置決めを補助するだけではない。必要なら、乱流素子及び/又は係留手段と、ロータ面すなわち隆起又は突起との間で直接、非径方向に固定することができるため、乱流素子又は係留手段をロータ面上に取り付けるのを容易にする。言い換えれば、本発明の先の実施例で必要であった係留手段として働くように、隆起又は突起を配置又は加工することが可能である。実際、乱流素子の内部空洞に一致する適切な形状を持つ突起及びそれに乱流素子を取り付けるための手段を設けるのと同じように簡単である。
【0043】
図9a〜9fは、面構成の選択肢の幾つかの好適な実施例を示している。図9aの構成は、3本の外周面隆起と、それら隆起の側部に、4本の溝とを有している。この種の面構成を製造する選択肢として、まず、加工面が、乱流素子が固定される予定の領域の長さに対応する軸方向(ロータ軸線方向)長さ及び隆起の先端まで伸びる深さを有するように、第1の平滑面をロータ面に加工する。次の工程では、4つの溝をロータ面に深く、それらの間に隆起が残されるように形成する。図9bでは、軸方向に延びる隆起及び溝を有している。この面構成は、他の形成方法を採用してもよいが、図9aに関連して説明したように形成することができる。もちろん、溝及び隆起の方向は必ずしも周方向又は軸方向である必要はなく、あらゆる方向を適用することが可能である。同様の事が、表面が波打っている、すなわち、隆起及び溝の縁が鋭利ではなく湾曲している、図9c及び9dに示す面構成にも言える。図9eは、平滑底面に小さい凹部又は突起が設けられた面構成を示しており、ここで、凹部又は突起は、図示のように規則的なパターンで配置されてもよいし、同じランダムなパターンが乱流素子が固定される予定の全ての領域に適用される限りにおいて、ランダムなパターンで配置されてもよい。そして最後に、図9fは、面構成が平滑面からなる選択肢を示しており、ここで、表面は、偏心状、例えば楕円状になるように湾曲している。
【0044】
上記に鑑み、本発明の最も単純な実施例は、乱流素子が取り付けられる予定の領域ではロータ面の残りの領域とは異なる面構成を有するとともに、乱流素子が、その底面に相補的な面構成を有している、ロータである。乱流素子は、ロータ面に対して、溶接によって、又は他の周知の固定手段によって、固定することができる。よって、平滑な、又は平面状の、又は平坦な面に始まり、係留手段、すなわち乱流素子が固定される手段を有する面に至るまで、様々な異なる面構成の選択肢が存在する。よって、乱流素子の底面にもまた選択肢がある。すなわち、代替例をいくつか挙げると、底面は、平滑、又は平面状、又は平坦であってもよく、溝が設けられていてもよく、また、ロータ面の係留手段のための空洞を有していてもよい。実際、適切に設計された溝は、係留手段のための空洞と考えられる。よって、係留手段は、ロータ面に別体で取り付け可能な部品であってもよいし、若しくは、外殻の外側表面の残りよりも径方向外側に延在するロータ外殻の材料部分であってもよい。
【0045】
本発明のさらにもう1つの好適な実施例によれば、ロータ面には、図9aから9fまでに関連して説明した溝、凹部又は突起、若しくは乱流素子とロータ面との間に面領域を加えるための他の適用可能な手段が設けられる。本実施例の本質的な特徴は、別体の乱流素子を支持するための板材が必要ないように、乱流素子自身の底面に補完的な溝、突起又は凹部を設けることである。よって、本発明の本実施例は、例えば、乱流素子をロータ面上に接着又ははんだ付けできるように、ロータと乱流素子の表面に補完的な構成を設けることに基づいている。よって、表面積を増加させる目的は、乱流素子をロータ面上に取り付けるための接着剤又ははんだ付けの使用を容易にすることである。溝、凹部又は突起のさらに好適な特徴は、乱流素子とロータ面との間の接続に機械的強度を加えることである。言い換えれば、溝、凹部又は突起は、乱流素子にかかる負荷の少なくとも一部を受け止めるような形状にすることができる。乱流素子のロータ面上への固定は、もちろん、接着やはんだ付け以外のいずれの周知の手段によって行ってもよい。
【0046】
ここまで、ロータの製造については説明していない。しかしながら、製造方法が異なると、乱流素子が配置される予定の領域における面構成を作成する機会も異なってくるため、ロータの製造は、本発明に関連している。原則として、ロータを製造するには2つの選択肢がある。1つ目として、ロータを鋳造した後、少なくとも鋳造の品質及びロータが導入される工場での位置に応じて、ロータ面をある程度滑らかに加工してもよい。ここで、ロータを鋳造することによって、乱流素子が配置される予定の領域に必要な面構成を、ロータ面に設けることが可能になる。よって、ロータを鋳造する時に、通常丸いロータ面に、凹部及び突起の両方、つまり、溝、窪み、隆起又はバルブ等を設けることができる。鋳造によって、領域を、ロータ面の残りの部分の曲率より小さな曲率を持つように配置する、つまり、ロータ面に突起を設けることが可能になる。鋳造後、ロータ面を再び、そして多くの場合、さらに加工して表面の品質を向上させる。
【0047】
ロータを製造する2つ目の選択肢は、所望の厚さを有する金属板材からロータを巻き、巻いた板材の両端部を互いに溶接してロータ外殻を形成する。通常、ロータの製造は、エンドキャップを、軸受部を介して、ロータ外殻の軸方向端部に溶接して進められる。しかしながら、ある種類のロータでは、ロータの一方又は両方の端部が閉じておらず、ロータ外殻のその軸への取り付けが他の適切な方法によって行われるものがある。いずれにせよ、本発明を鑑み、ロータのその軸への取り付けは、特に重要ではない。乱流素子が配置される領域における面構成に関して、巻いたロータの場合には、鋳造されたロータほど多くの機会があるわけではない。言い換えれば、2つの選択肢があるだけである、すなわち、一方は所望の形状の1つ以上の凹部をロータ面に加工すること、他方は凹部をロータ面に押圧形成することである。しかしながら、押圧形成は原則的に、ロータ外殻の両端から行うことができるので、ロータ面の残りの部分よりも径方向外側へ延在する突起を形成することが可能である。しかしながら、押圧形成によって形成した突起の形状は、鋳造によって形成したものよりも制限される。
【0048】
ここまでの記載は、本発明の幾つかの好適な実施例のみについて説明したものであり、本発明をこれまでに開示の詳細な構造に限定する目的は全くないことは理解されるべきである。よって、例えば、ロータ上の乱流素子の形状、サイズ及び数は、ロータの設計者が実用的であると考えるものであればどのようなものであってもよいことは明らかである。また、ロータの形状及びサイズも、ロータが設計されるところの具体的な用途によって必要とされるものであればどのようなものであってもよい。よって、ロータの全面、又は、ロータ面の(必ずしもそうである必要はないが好ましくは、軸方向の)一部のみに、本発明で説明したある面構成を有する領域を設けることができる。言い換えれば、例えば、ロータ面の長手方向セクションを上記したように加工する一方、他のセクションには、必要であれば、他の何らかの手段によってロータ面上に取り付けられる乱流素子を設けてもよい。さらに、本発明のロータは、流入(インフロー)スクリーンと流出(アウトフロー)スクリーンのどちらに関連しても使用できることは明らかである。また、最後に、「ロータ」という言葉は、上記説明及び請求項にて、パルプ・紙業界におけるスクリーニング装置に配置され、一方ではスクリーニングされる繊維懸濁液に乱流を生成し、他方ではスクリーンシリンダのようなスクリーニング手段に圧力パルスを印加するような、あらゆる手段を包含するものであることは指摘されるべきである。よって、「ロータ」がスクリーニング手段に対して相対的な動きをするものである限り、乱流生成・圧力印加手段は、「ロータ」という言葉で称する。言い換えれば、回転スクリーニング手段と協働的に配置される固定の乱流生成・圧力印加手段もまた、「ロータ」と称する。

Claims (45)

  1. 少なくとも部分的に閉じたロータ面(14)と、前記閉じた面(14)に配置された乱流素子(30)とを有するロータ(10)である、パルプ・紙業界のためのスクリーニング装置のロータを製造する方法であって、
    (a)前記少なくとも部分的に閉じたロータ面に、残りのロータ面(14)とは異なる面構成を有する領域(12)を設ける工程と、
    (b)前記乱流素子(30)を、前記領域(12)上に取り付ける工程と
    を含む方法。
  2. 工程(a)の後で且つ工程(b)の前に、異なる面構成を有する前記領域(12)に、係留手段(20,20’)を設け、前記乱流素子(30,30’)に、前記係留手段(20,20’)のための空洞(32)を設けることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ロータ面の前記領域(12)に、少なくとも1つの突起又は少なくとも1つの凹部の形態の面構成を設け、前記乱流素子(30,30’)に、相補的な底面(38)を設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記領域(12)に、少なくとも1つの突起、例えば隆起を設け、前記乱流素子(30)を前記少なくとも1つの突起に取り付けることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 異なる面構成を有する前記領域(12)に、前記残りのロータ面(14)の直径を越える直径を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 異なる面構成を有する前記領域(12)を、平坦、すなわち、平面状に配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  7. 異なる面構成を有する前記領域(12)に、境界(16)を設け、前記ロータ面によって覆われる方向を除く全ての方向から前記乱流素子(30,30’)が前記係留手段を覆うように、前記境界(16)内に前記係留手段(20,20’)を取り付けることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  8. 前記係留手段(20,20’)を、溶接、接着、はんだ付け、リベットによって、若しくは、ネジ又はボルトによって、前記ロータ面上に取り付けることを特徴とする請求項2,3,又は7に記載の方法。
  9. 前記乱流素子(30)を、ネジ又はピンによって、前記係留手段(20)に取り付けることを特徴とする請求項2,7,又は8に記載の方法。
  10. 前記乱流素子(30’)を、蟻継ぎによって、前記係留手段(20’)に取り付けることを特徴とする請求項2,7,又は8に記載の方法。
  11. 前記乱流素子(30)を、溶接、接着、又ははんだ付けによって、前記ロータ面上に取り付けることを特徴とする請求項1,3,5,又は6に記載の方法。
  12. パルプ・紙業界のためのスクリーニング装置のロータであって、少なくとも部分的に閉じたロータ面(14)と、前記閉じた面(14)に配置された乱流素子(30)とを有するロータ(10)において、前記ロータ面の少なくとも一部には、残りのロータ面(14)とは異なる面構成を有する少なくとも1つの領域(12)が設けられ、前記領域(12)上に、前記乱流素子(30,30’)が固定されていることを特徴とするロータ。
  13. 前記少なくとも1つの領域(12)の直径が、前記残りのロータ面(14)の直径よりも大きいことを特徴とする請求項12に記載のロータ。
  14. 前記少なくとも1つの領域(12)は、平坦、すなわち、平面状であることを特徴とする請求項12又は13に記載のロータ。
  15. 前記少なくとも1つの領域(12)には、少なくとも1つの隆起又は少なくとも1つの溝、より一般的には、少なくとも1つの突起又は少なくとも1つの凹部が設けられていることを特徴とする請求項12に記載のロータ。
  16. 異なる面構成を有する前記少なくとも1つの領域(12)は、境界(16)を有し、前記少なくとも1つの隆起、より一般的には、少なくとも1つの突起は、前記境界(16)内における前記乱流素子(30,30’)のための係留手段として働くことを特徴とする請求項12に記載のロータ。
  17. 異なる面構成を有する前記少なくとも1つの領域(12)は、境界(16)を有し、係留手段(20,20’)が、前記境界(16)内において前記ロータ面上に固定されることを特徴とする請求項12,13,又は14に記載のロータ。
  18. 前記乱流素子(30,30’)には、前記係留手段(20,20’)を収容するための空洞(32,150)が設けられていることを特徴とする請求項16又は17に記載のロータ。
  19. 少なくとも部分的に閉じた面(14)を有し、前記閉じた面に配置された乱流素子(30)が設けられたロータ(10)である、パルプ・紙業界のためのスクリーニング装置のロータにおいて、前記ロータ面には、係留手段(20,20’)が設けられ、前記乱流素子(30,30’)には、前記係留手段(20,20’)を収容するための係留空洞(32,150)が設けられ、前記乱流素子(30,30’)は、取り外し可能に前記係留手段(20,20’)に固定されることを特徴とするローラ。
  20. 前記乱流素子(30,30’)は、作用面(34)と、2つの側壁(36’,36’’;154,158)と、前記空洞(32,150)のための開口を有する底面(38)とを有することを特徴とする請求項18又は19に記載のロータ。
  21. 前記乱流素子(30,30’)は、作用面(34)と、2つの側壁(36’,36’’)と、底面(38)とを有し、前記底面(38)は、前記残りのロータ面(14)とは異なる面構成を有する前記ロータ面領域(12)に対して相補的であることを特徴とする請求項12〜20のいずれか1項に記載のロータ。
  22. 前記乱流素子の前記側壁(36’,36’’;154)のうち少なくとも1つには、前記空洞(32,150)へと延在する開口(40;152)が設けられていることを特徴とする請求項20に記載のロータ。
  23. 少なくとも1つのシム(50)が、前記乱流素子(30,30’)を所望の高さに持ち上げるために、前記乱流素子(30,30’)と前記ロータ面との間に配置されることを特徴とする請求項12〜22のいずれか1項に記載のロータ。
  24. 前記シム(50)は、楔形状であることを特徴とする請求項23に記載のロータ。
  25. 前記乱流素子(30,30’)は、前記ロータ面の外周面積の約10〜50%、好ましくは約15〜35%を覆うことを特徴とする請求項12又は19に記載のロータ。
  26. 前記係留手段(20)は、前記乱流素子(34)を前記係留手段(20)に固定するための少なくとも1つの開口(22)を、その表面に有することを特徴とする請求項16又は19に記載のロータ。
  27. 前記乱流素子(30’)は、蟻継ぎによって、前記係留手段(20’)に取り付けられることを特徴とする請求項16又は19に記載のロータ。
  28. 前記蟻継ぎは、前記係留手段(20’)に形成された第1の部分と、前記乱流素子(30’)に連結して配置された第2の部分とから形成されることを特徴とする請求項27に記載のロータ。
  29. 前記係留手段(20’)は、前記蟻継ぎの前記第1の部分を形成する傾斜面(126,128)を有することを特徴とする請求項28に記載のロータ。
  30. 前記蟻継ぎの前記第2の部分は、前記係留空洞(150)の第1の端部に設けられた可動ロッキングブロック(132)と、前記第1の端部とは反対側の前記係留空洞(150)の第2の端部に設けられた傾斜面(140)とから形成されることを特徴とする請求項28又は29に記載のロータ。
  31. 前記係留空洞(150)の前記第1の端部には、前記ロッキングブロック(132)を収容するためのT字状空洞が設けられていることを特徴とする請求項30に記載のロータ。
  32. 前記ロッキングブロック(132)には、前記係留手段(20’)の前記傾斜面(126)と接続するための傾斜面(136)が設けられていることを特徴とする請求項30に記載のロータ。
  33. 前記乱流素子(30’)には、前記係留空洞(150)の前記第1の端部に、ロッキングブロック(132)を操作するための開口(152)が設けられていることを特徴とする請求項30に記載のロータ。
  34. 前記開口(152)には、前記ロッキングブロック(132)を前記係留手段(20’)に対して押し付けるためのネジ(130)又は対応する係止手段が設けられていることを特徴とする請求項33に記載のロータ。
  35. 作用面と、第1の端部壁(154)と、第2の端部壁(158)と、底面とを有する乱流素子である、パルプ・紙業界のためのスクリーニング装置のロータに関連して使用される乱流素子において、前記底面には、前記乱流素子(30’)を前記ロータ上に取り付けるために使用される空洞(150)に通じる開口が設けられていることを特徴とする乱流素子。
  36. 前記端部壁(154,158)の少なくとも1つには、前記空洞(150)へと延在する穴(152)が設けられていることを特徴とする請求項35に記載の乱流素子。
  37. 前記空洞(150)は、第1の端部及び第2の端部を有し、前記空洞(150)の前記第1の端部における前記第1の端部壁(154)は、穴(152)を有し、前記空洞(150)の前記第2の端部における前記第2の端部壁(158)には、蟻継ぎ面(140)が設けられていることを特徴とする請求項35に記載の乱流素子。
  38. 前記空洞(150)の前記第1の端部には、蟻継ぎ面(136)を有する取り外し可能なロッキングブロック(132)が設けられていることを特徴とする請求項37に記載の乱流素子。
  39. 前記穴(152)には、前記ロッキングブロック(132)を移動させるための手段が設けられていることを特徴とする請求項38に記載の乱流素子。
  40. 前記ロッキングブロック(132)を移動させるための前記手段は、ネジ(130)であることを特徴とする請求項39に記載の乱流素子。
  41. 前記開口は、連続するリムによって囲まれていることを特徴とする請求項37に記載の乱流素子。
  42. 作用面(34)と、第1の端部壁(36’,154)と、第2の端部壁(36’’,158)と、底面(38)とを有する乱流素子である、パルプ・紙業界のためのスクリーニング装置のロータの表面に直接取り付けられる乱流素子において、
    前記素子(30,30’)の前記底面(38)には、前記ロータ面に配置された補完的な形状に一致する溝、凹部又は突起が設けられていることを特徴とする乱流素子。
  43. 前記乱流素子(30,30’)は、前記ロータ面上に取り付けられる唯一の可視素子を形成することを特徴とする請求項42に記載の乱流素子。
  44. 前記溝、凹部又は突起が配置されている前記素子(30,30’)の前記底面(38)は、表面に前記乱流素子(30,30’)が取り付けられることになる一連のロータのうち少なくともほとんどの前記ロータの直径による曲率とは異なる曲率を有することを特徴とする請求項42又は43に記載の乱流素子。
  45. 前記溝、凹部又は突起が配置されている前記底面(38)は、平面状、すなわち、平坦に配置されていることを特徴とする請求項42又は43に記載の乱流素子。
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