JP2012503703A - 抗菌性で防汚性の高分子材料 - Google Patents

抗菌性で防汚性の高分子材料 Download PDF

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Abstract

高分子材料、高分子材料を製造する方法、高分子材料を含む物品、及び高分子材料を含有する組成物が提供される。高分子材料は、−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、ケイ素含有基を含有する第3のペンダント基と、第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基とを含む、複数の異なるペンダント基を有する。例えば高分子材料は、防汚性、抗菌性、又はそのどちらでもあり得るコーティングを提供するために使用することができる。

Description

抗菌特性を有する高分子材料と、これらの高分子材料を含むコーティングについて記載する。
ほとんどの任意の表面は細菌定着され得る。細菌は、疎水性相互作用などの非特異的な機構、あるいはリガンド受容体相互作用などの特異的な機構のいずれかにより表面に付着し得る。多くの場合、細菌は成長及び分裂するにつれて、栄養分を流入させかつ細菌の生存能に対して有害である剤からの保護をもたらすマトリックスで、細菌自らの周囲を取り囲む。マトリックス(すなわち菌体外多糖)には、多糖類並びに例えばタンパク質、ミネラル、及び核酸などの他の物質が含まれる。菌体外多糖は自身に含む細菌と共に、バイオフィルムと呼ばれる構造を形成する。我々の環境中に存在する微生物の多くはバイオフィルムとして存在する。バイオフィルム中に存在する細菌は、通常、浮遊性の、すなわち自由生活性の細菌よりも、殺菌が非常に困難である。バイオフィルム中の細菌を殺菌するために、かなり高濃度の抗菌剤が必要とされる場合があり、又は抗菌剤がより長い時間にわたって適用される必要がある場合がある。
家、職場、又は他の公共の場において、細菌をもたらす疾患により引き起こされる表面汚染は、人体及び経済への有意な影響を有し得る。細菌性バイオフィルムは、嚢胞性線維症、レジオネラ病、虫歯、壊死性筋膜炎、及び体内埋め込み型医療機器関連感染などの、多くの疾患に関与し得る。病院で患者と医療従事者の両方で発症する院内感染は、多くの場合、更なる医学的処置を必要とし、医療費をより高いものにする。食品加工業では、不潔な表面からの汚染は食品の腐敗を引き起こし、公衆衛生上の深刻なリスクをもたらし得る。製造業と公共行政において、製造設備、パイプ、フィルタ、及び貯蔵容器で成長したバイオフィルムは、製品を台無しにし、経費のかさむ洗浄手順の必要を生じさせ得る。船舶及び他の水中表面の汚染はバイオフィルムの形成から始まる場合があり、バイオフィルムはこれらの表面に住みつく微生物を引きつけ、経費のかさむ除去手順の必要を生じさせる。
様々な殺菌性材料が既知である。殺菌性材料を表面にコートすることで、抗菌性のコーティングが提供され得る。場合によっては、殺菌性材料は拡散又は抽出などのプロセスによりコーティングから経時的に失われる場合がある。他の例では、殺菌性物質は表面上にとどまるが、表面は死んだ病原菌又は他の不溶性の汚染物質により汚染されるようになる。
高分子材料、高分子材料を製造する方法、高分子材料を含む物品、及び高分子材料を含有する組成物が提供される。かかる高分子材料は複数の異なるペンダント基を有し、例えばコーティングを提供するために使用することができる。これらのコーティングは防汚性又は抗菌性であり、あるいはその両方である。
第1の態様では、(1)−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基と、を含む、複数のペンダント基を含む高分子材料が提供される。
第2の態様では、
(a)少なくとも1つの、二価の式(I)のユニット又はその塩と、
Figure 2012503703
(b)少なくとも1つの、二価の式(II)のユニット又はその塩と、
Figure 2012503703
(c)少なくとも1つの、二価の式(III)のユニット又はその塩と、を含有する、高分子材料が提供される。
Figure 2012503703
これらの式において、各Dは独立して水素又はアルキルである。各Qは独立してオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択される。各Rは独立してアルキレンであり、各Rはアルキルである。R基は独立して水素、又はアルキルであるか、又はシリコーンの一部である。各Rは独立してヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ペルフルオロアルキル(perfluoralkyl)、アリール、又はアラルキルであるか、又はシリコーンの一部である。各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルであり、Rはアルキルである。L基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第1連結基である。同様にしてL基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第2連結基である。変数nは1を超える整数である。X基はアニオンである。
第3の態様では、高分子材料の調製方法が提供される。かかる方法には、複数の無水物基を有する高分子前駆体を含有する溶液を提供することを含む。かかる方法は更に、少なくとも1つの無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される単一の求核基を有するポリ(アルキレンオキシド)と反応させることにより、ポリ(アルキレンオキシド)含有ペンダント基を形成させることを含む。かかる方法は更に、少なくとも1つの無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される第1官能基と、ケイ素含有基である第2官能基と、を有する、シランと反応させることにより、ケイ素含有ペンダント基を形成させることを含む。かかる方法は更に、少なくとも1つの無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される第1官能基と、第三級アミノ基である第2官能基と、を有する、アミン化合物と反応させることにより、第三級アミノ含有ペンダント基を形成させることを含む。次いで第三級アミノ含有ペンダント基をアルキル化剤で処理することで、第四級アミノ含有ペンダント基を形成させる。
第4の態様では、物品が提供される。かかる物品は、基材と、基材に隣接したコーティングと、を含む。かかるコーティングは、複数のペンダント基を有する高分子材料を含有する。ペンダント基は、(1)−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基と、を含む。
第5の態様では、防汚性表面、抗菌性表面、又はその両方である表面の調製方法が提供される。かかる方法は、基材を提供することと、かかる基材の表面にコーティングを適用することを含む。かかるコーティングは、(1)−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基と、を含む、複数のペンダント基を有する高分子材料を含有する。
第6の態様では、組成物が提供される。かかる組成物は、液体と、かかる液体に溶解した高分子材料を含む。かかる液体は、水、有機溶媒、又はこれらの混合物を含む。高分子材料は、(1)−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基を含む、複数のペンダント基を有する。
複数の異なるペンダント基を含有し得る高分子材料が提供される。高分子材料及び高分子材料を含有する組成物の製造方法もまた提供される。加えて、高分子材料を含有するコーティングを有する物品が提供される。コーティング中のかかる高分子材料は、多くの場合、架橋されている。かかるコーティングは防汚性又は抗菌性であり、あるいはその両方である。
本明細書で使用する時、用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの(at least one)」と同じ意味で用いられ、記載された元素の1つ以上を意味する。
用語「ポリマー」又は「ポリマーの」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等である材料を指す。同様に、用語「重合する」又は「重合」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等の製造プロセスを指す。
用語「防汚性」は、表面上のバイオフィルムの形成を防ぐ又は遅延させる材料を指す。防汚性材料は、表面への微生物の付着を防ぐ又は低減させるように働き得る。
用語「抗菌性」は、微生物を殺菌する、又は微生物の成長を阻害する材料を指す。
用語「シラン」は、ケイ素原子に結合した4つの基を有する化合物を指す。すなわち、シランはケイ素含有基を有する。
用語、「アルコキシシリル」は、ケイ素原子と直接結合したアルコキシ基を有する、ケイ素含有基を指す。例えばアルコキシシリルは、式−Si(OR)(Rであってよく、式中、Rはアルキルであり、各Rは独立してヒドロキシ、アルコキシ、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、又はアラルキルであり、又はシリコーンの一部である。
用語「ヒドロキシルシリル」は、ケイ素原子と直接結合したヒドロキシル基を有する、ケイ素含有基を指す。例えばヒドロキシルシリルは、式−Si(OH)(Rであってよく、式中、Rはアルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、又はヒドロキシルであり、又はシリコーンの一部である。ヒドロキシルシリル基を有する化合物は、多くの場合、「シラノール」と呼ばれる。シラノールはシランのサブセットである。
用語「シリコーン」は、ケイ素−酸素−ケイ素連結基を含有する部分を指す。任意の他の適した基がケイ素原子に結合し得る。このような連結は、第1シラン(例えば、第1アルコキシシリル基又は第1ヒドロキシシリル基などの、第1ケイ素含有基)と第2シラン(例えば、第2アルコキシシリル基又は第2ヒドロキシシリル基などの、第2ケイ素含有基)との反応からもたらされ得る。ある実施形態においては、シリコーンは「シリコーンネットワーク」の一部分である。シリコーンネットワークは、第1シラン(すなわち、第1ケイ素含有基)と、第2シラン(例えば、第2ケイ素含有基)と、第3シラン(例えば、第3アルコキシシリル基又は第3ヒドロキシシリル基などの第3ケイ素含有基)との反応により、あるいは第1シラン(例えば、第1ケイ素含有基)と、第2シラン(例えば、第2ケイ素含有基)と、第3シラン(例えば、第3ケイ素含有基)と、第4シラン(例えば、第4アルコキシリル基又は第4ヒドロキシシリル基などの第4ケイ素含有基)との反応により得られる。
提供される高分子材料は、複数の無水物基を有する高分子前駆体と、複数の異なる求核化合物との反応生成物である。高分子前駆体と複数の異なる求核化合物との反応は、典型的には、複数の異なるペンダント基を有する高分子材料の形成をもたらす。本明細書で使用するとき、用語「高分子前駆体」は、複数の異なるペンダント基を有する高分子材料を形成するために、リアクタントとして使用される高分子材料を指す。オリジナルの高分子前駆体は、4つ以上の無水物基を有する。複数のペンダント基を有する高分子材料は、かかる高分子前駆体から誘導される。
本明細書で使用するとき、表現「複数のペンダント基を有する高分子材料」、「多数のペンダント基を有する高分子材料」、又は類似の表現は、少なくとも4種の異なるペンダント基を有する高分子材料を指すために互換的に使用される。多数のペンダント基は、(1)カルボキシル基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基と、を含む。多数のペンダント基を有する高分子材料は、多数のケイ素含有基の縮合反応により架橋することができる。
複数の無水物基を有する任意の高分子前駆体を出発物質として使用して、多数のペンダント基を有する高分子材料を調製することもできる。無水物基は多くの場合、高分子前駆体の主鎖に沿うが、かかる無水物基は例えばペンダント基中などの、高分子前駆体上のどこにあってもよい。多くの実施形態において、高分子前駆体は、エチレン性不飽和基と無水物基の両方を有する第1モノマーと、エチレン性不飽和基を有する第2モノマーと、を含有するモノマー混合物の、反応生成物である。例えば、第1モノマーは多くの場合、無水マレイン酸である。第2モノマーは、例えば多くの場合、ビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル)、アルケン(例えば、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、及びイソブチレン)、ビニルアリール(例えば、スチレン)、アクリロニトリル、酢酸アリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、及びブチル(メタ)アクリレート、スチルベン、イソスチルベン、ノルボルネン、ビニリデンクロライド、及びN−ビニルピロリドンから選択される。
一部の代表的な高分子前駆体は、以下の式(V)の繰り返し単位を有する。
Figure 2012503703
式(V)中の各D基は独立して水素又はアルキルである。Dに好適なアルキル基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。ほとんどの実施形態では、各Dは水素である。各Rは独立して水素又はアルキルであり、各Rは独立して水素、アルキル、アルコキシ、アリール、又はアラルキル(すなわち、アラルキルはアリールで置換されたアルキルである)である。式(V)の繰り返し単位を有するこれらの高分子前駆体は、例えば無水マレイン酸などの無水物モノマー(すなわち、式(V)中の各Dは水素である)と、式HC=CRの少なくとも1種の他のモノマー(すなわち、第2モノマー)との反応生成物であり得る。高分子前駆体中に、より多量の又はより少量の無水物モノマーを含めることができるが、高分子前駆体は多くの場合、10〜90モル%の無水物モノマーと、90〜10モル%の第2モノマーとを含有するモノマー混合物の反応生成物である。より多量の又はより少量の無水物モノマーを、高分子前駆体中に含めることができる。一部の実施例では、20〜80モル%の無水物モノマーと80〜20モル%の第2モノマーから、25〜75モル%の無水物モノマーと75〜25モル%の第2モノマーから、30〜70モル%の無水物モノマーと70〜30モル%の第2モノマーから、40〜60モル%の無水物モノマーと60〜40モル%の第2モノマーから、45〜55モル%の無水物モノマーと55〜45モル%の第2モノマーから、又は約50モル%の無水物モノマーと約50モル%の第2モノマーから、高分子前駆体を調製することができる。
多くの場合、R及びRに好適なアルキル基は、1〜20個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。好適なアルコキシ基は式−ORであり、式中、Rは1〜20個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。好適なアリール基は典型的には炭素環式であり、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有する。例えばアリール基は、未置換のフェニル基又は更にアルキル基で置換されたフェニル基であり得る。アラルキル基は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。ほとんどのアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する、アルキル基を有する。
式(V)の繰り返し単位を有する一部の代表的な高分子前駆体は、水素に相当するRと、アルコキシ又はアルキルに相当するRとを有する。水素に相当するDと、水素に相当するRと、メトキシに相当するRと、を有する式(V)の繰り返し単位を有する高分子前駆体は市販されており、例えばISP Corporation(Wayne,NJ)から商標表記GANTREZで市販されている。これらの共重合体は、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの反応生成物である。水素に相当するDと、水素に相当するRと、ヘキサデシルに相当するRと、を有する高分子前駆体は市販されており、例えばChevron Phillips Chemical Co.(The Woodlands,TX)から商標表記PA−18で市販されている。これらの共重合体は、無水マレイン酸とオクタデセンとの反応生成物である。
式(V)の繰り返し単位を有する他の代表的な高分子前駆体は、各々水素に相当するRとRとを有する。無水マレイン酸とエチレンとの反応生成物であり得るこれらの高分子前駆体は、Vertellus Specialties(Indianapolis,IN)から商標表記ZEMACで市販されている。更に他の代表的な高分子前駆体は、各々アルキルに相当するRと、Rとを有する。どちらもメチルに相当するRとRと、水素に相当するDと、を有する高分子前駆体は、Kuraray America(Houston,TX)から商標表記ISOBAMで市販されている。これらの共重合体は、無水マレイン酸とイソブチレンとの反応生成物である。
式(V)の繰り返し単位を有する更に他の代表的な高分子前駆体は、水素に相当するRと、アリール基に相当するRと、を有する。水素に相当するDと、水素に相当するRと、フェニルに相当するRと、を有する高分子前駆体は、例えばSartomer Co.(Exton,PA)などのいくつかの製造元から市販されている。これらの共重合体は、無水マレイン酸とスチレンとの反応生成物である。
様々な求核化合物を、複数の無水物基を有する高分子前駆体と反応させることで、多数のペンダント基を有する高分子材料が形成される。本明細書で使用するとき、用語「求核化合物」は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される少なくとも1つの求核基を有する、化合物を指す。求核化合物は式HQ−Zであり、式中、求核基は式−QHにより表わすことができ、Zは求核化合物の残部(すなわちZは求核化合物から求核基を差し引いたのと等しい基である)を表すことができる。求核基−QHはヒドロキシル基(すなわちQはオキシに相当する)、第一級アミノ基(すなわちQは−NR−に相当し、式中、Rは水素である)又は第二級アミノ基(すなわちQは−NR−に相当し、式中、Rはアルキル、アリール、又はアラルキルである)であり得る。求核化合物が式(V)の高分子前駆体の無水物基と反応するとき、無水物環が開環する。この反応を、高分子前駆体の1つの無水物単位に即して以下に示し、式(VI)は反応前の無水物基を表し、式(VII)又はその塩は開環した無水物基を表す。式(VI)は式(V)の無水物部分である。
Figure 2012503703
式(VI)と(VII)中で、D基は水素又はアルキルである。多くの場合、D基は水素であり、高分子前駆体は無水マレイン酸を含むモノマー混合物の反応生成物である。
式(VII)の開環した反応生成物は、反応混合物のpHに応じ、記載のようなカルボキシル基(−COOH)又はその塩を有し得る。第1のペンダント基はこのカルボキシル基(すなわち−COOH)又はその塩を含有する。任意の好適なカチオンが塩に含まれ得る。高分子材料を水、有機溶媒、又はこれらの混合物などの液体に溶解させる場合には、典型的には、液体に高分子材料を溶解させるように、塩のカチオンを選択する。代表的なカチオンとしては、限定するものではないが、アルカリ金属イオン(例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、又はリチウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ストロンチウムイオン、又はバリウムイオン)、遷移金属イオン(例えば銀イオン、銅イオン、ニッケルイオン、又は亜鉛イオン)、及びアンモニウムイオン、及び1つ以上のアルキル基、1つ以上のアリール基、1つ以上のアラルキル基、又はこれらの組み合わせで置換されたアンモニウムイオン、が挙げられる。カチオンが多価である場合、多数のカルボキシル基と会合し得る。カチオンが多価である場合、凝固を避けるために、必要であれば高分子材料上のポリ(アルキレンオキシド)ペンダント基の長さを調整する(例えば、伸ばす)ことができる。
高分子前駆体と様々な求核化合物との反応は、高分子材料からの様々な異なるペンダント基の形成をもたらす。多くの場合、ペンダント基は高分子材料の主鎖から延びるが、高分子材料の側鎖から延びてもよい(例えば、ペンダント基は他のペンダント基から延びることもできる)。例えば、式(VII)のユニットは、式−(CO)−Q−Zのペンダント基と、カルボキシル基−(CO)OH又はカルボキシル基の塩であるペンダント基と、を有する。少なくとも3種の異なるZ残基が存在する。すなわち少なくとも一部のZ基はポリ(アルキレンオキシド)含有基であり、少なくとも一部のZ基はケイ素含有基であり、少なくとも一部のZ基は第四級アミノ含有基である。
第2のペンダント基にはポリ(アルキレンオキシド)が挙げられ、このペンダント基は多くの場合、式−(CO)−Q−(RO)である。Q基はオキシ又は式−NR−の二価の基であり、式中、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択される。Rに好適なアルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有する。Rに好適なアリール基は、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有する。一部の代表的なアリール基は、未置換であっても1つ以上のアルキル基で置換されていてもよい、フェニル基である。Rに好適なアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。多くの実施形態において、Qはオキシ又は−NH−である。各R基は直鎖又は分枝鎖のアルキレンである。アルキレンは、多くの場合、2〜6個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、又は2〜4個の炭素原子を有する。R基は、多くの場合、エチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、又はこれらの混合物である。R基は、多くの場合、1〜30個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。変数nは1を超える整数である。多くの実施形態において、nは2超、5超、10超、又は20超である。
第3のペンダント基はケイ素含有基を含む。このペンダント基を使用することで、高分子材料を架橋することができ、又は高分子材料を基材に付着させることができ、又はこれらのどちらも行うことができる。ケイ素含有ペンダント基は、多くの場合、式−(CO)−Q−L−Si(OR)(Rである。Q基は第2のペンダント基について上記したものと同様である。L基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第1連結基である。Lに好適なアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。Lに好適なヘテロアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子及び1〜10個のへテロ原子、1〜10個の炭素原子及び1〜5個のへテロ原子、又は1〜6個の炭素原子及び1〜3個のへテロ原子を有する。多くのヘテロアルキレン基は、へテロ原子としてオキシ基、チオ基、又は−NH−基を含有する。L基は更にアリーレン(例えばフェニレン)、カルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、オキシ、チオ、−NR−、又はこれらの組み合わせから選択される、他の任意選択の基を含むことができる。R基は水素、又はアルキルであるか、又はシリコーンの一部である。各Rは独立してヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、又はアラルキルであるか、又はシリコーンの一部である。Rに好適なアルキル基、並びにRに好適なアルキル基、ペルフルオロアルキル基、及びアルコキシ基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。Rに好適なアリール基は、多くの場合、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有する。多くの場合、Rに好適なアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリールで置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子又は1〜4個の炭素原子を有する、アルキル基を有する。
ケイ素含有ペンダント基が架橋される場合、Rは、又はRとRの両方が、シリコーンの一部となり得る。すなわちRとRは少なくとも1つの他のケイ素含有部分を含むことができ、シリコーンは多くの場合、多数のケイ素−酸素−ケイ素連結を含有する。第2アルコキシシリル基又は第2ヒドロキシシリル基などの、第2ケイ素含有基への、第1アルコキシシリル基又は第1ヒドロキシシリル基などの、第1ケイ素含有基の架橋に基づき、シリコーンが形成される。多くの場合、得られるシリコーンは更に第3ケイ素含有基と反応して、又は第3及び第4ケイ素含有基と反応して、シリコーンを形成する。第3又は第4ケイ素含有基は独立してアルコキシシリル基又はヒドロキシシリル基であり得る。
第4のペンダント基は、第四級アミノ含有基を含む。少なくとも一部の実施形態においては、このペンダント基は、最終高分子材料に抗菌特性を付与し得る。第四級アミノ含有基は、多くの場合、式−(CO)−Q−L−[N(R(R)]である。第2のペンダント基について記載のように、各Qは独立してオキシ又は−NR−であり、式中、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択される。L基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第2連結基である。L基は更にアリーレン(例えばフェニレン)、カルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、オキシ、チオ、−NR−、又はこれらの組み合わせから選択される、他の任意選択の基を含み得る。各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルである。Rに好適なアルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有する。Rに好適なアリール基は、6〜12個の炭素原子を有する。いくつかの代表的なアリール基は、未置換であっても1つ以上のアルキル基で置換されていてもよい、フェニル基である。Rに好適なアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。R基はアルキルであり、多くの場合、少なくとも6個の炭素原子、少なくとも8個の炭素原子、又は少なくとも10個の炭素原子を有し、アルキルは直鎖又は分枝鎖であり得る。Rに好適なアルキル基は、多くの場合、30個までの炭素原子、24個までの炭素原子、20個までの炭素原子、又は18個までの炭素原子を有する。例えば、アルキル基Rは、6〜30個の炭素原子、8〜30個の炭素原子、10〜30個の炭素原子、10〜24個の炭素原子、又は10〜20個の炭素原子を有し得る。X基はアニオンである。式中、アニオンは簡潔に対象の1つと等価である電荷を有するように記載されるが、アニオンは多価であってよく、多数の第四級アミノ含有基と会合することができる。好適なアニオンとしては、限定するものではないがハロゲン化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、硝酸、又は同様のものが挙げられる。アニオンが多価アニオンである場合、凝固を避けるために、必要であればポリ(アルキレンオキシド)ペンダント基の長さを調整する(例えば、伸ばす)ことができる。
一部の実施形態においては、高分子材料は、アルコキシカルボニル基を含む追加の第5のペンダント基を更に含む。アルコキシカルボニル基は、典型的には式−(CO)ORであり、式中、R基はアルキルである。アルキル基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子又は1〜3個の炭素原子を有する。
多数のペンダント基を有する高分子材料中で、カルボキシル基又はその塩のモル量は、典型的には少なくとも、ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基のモル量と、ケイ素含有基を含有する第3のペンダント基のモル量と、アミノ含有基を含有する第4のペンダント基のモル量の加算に相当する。別の言い方をすれば、通常、ポリ(アルキレンオキシド)基1モルごとに、ケイ素含有基1モルごとに、及び第四級アミノ含有基1モルごとに、カルボキシル基又はその塩が1モル存在する。
架橋の前又は後のいずれの場合でも、多数のペンダント基を有する高分子材料は、
(a)少なくとも1つの、二価の式(I)のユニット又はその塩と、
Figure 2012503703
(b)少なくとも1つの、二価の式(II)のユニット又はその塩と、
Figure 2012503703
(c)少なくとも1つの、二価の式(III)のユニット又はその塩と、を含有する。
Figure 2012503703
これらの式において、各Dは独立して水素又はアルキルである。各Qは独立してオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択される。各Rは独立してアルキレンであり、各Rはアルキルである。R基は独立して水素、又はアルキルであるか、又はシリコーンの一部である。各Rは独立してアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、ペルフルオロアルキル、アリール、又はアラルキルであるか、又はシリコーンの一部である。各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルであり、Rはアルキルである。L基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第1連結基である。同様にして、L基はアルキレン又はヘテロアルキレンを含有する、第2連結基である。L基及びL基はそれぞれ独立して、アリーレン(例えば、フェニレン)、カルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、オキシ、チオ、−NR−、又はこれらの組み合わせから選択される他の任意選択の基を更に含む。変数nは1を超える整数である。X基はアニオンである。例えば、ハロゲン化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、硝酸、又は同様のものなどの、任意の好適なアニオンを使用できる。アニオンが多価である場合、アニオンは通常、1つ以上のアニオン性基で会合する。
多くの実施形態において、式(I)、(II)、及び(III)のユニット又はその塩を有する、高分子材料は、少なくとも1つの二価の式(IVa)の基、式(IVb)の少なくとも1つの二価の基、又はそれらの混合物を更に含有する。
Figure 2012503703
基Rは、アルキルである。好適なアルキル基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。
典型的には高分子材料は、複数の無水物基を有する高分子前駆体と、少なくとも3つの異なる求核化合物との段階的な反応により調製される。第三級アミノ含有ペンダント基をアルキル化剤で処理することで、第四級アミノ基を形成することもできる。高分子前駆体と、様々な求核剤及び次いでアルキル化剤との反応は、一般的には有機溶媒中で生じる。まず初めに、複数の無水物基を有する高分子前駆体を非プロトン性溶媒に溶解させる。プロトン性溶媒とは違い、高分子前駆体の無水物基と又は高分子材料中間体と反応しないことから、非プロトン性溶媒が一般的に使用される。高分子前駆体を又は高分子材料中間体を溶解できる、任意の好適な非プロトン性溶媒を使用できる。好適な非プロトン性溶媒は多くの場合、双極性であり、限定するものではないが、このような溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジオキソラン(dixolane)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、又はこれらの混合物が挙げられる。任意の好適な濃度の、高分子前駆体の非プロトン性溶媒溶液を使用できる。多くの実施形態において、非プロトン性溶媒中の高分子前駆体の濃度は、合計溶液重量に基づいて少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、又は少なくとも20重量%である。
本明細書で使用するとき、表現「高分子材料中間体」は、多数のペンダント基を有する高分子材料を形成するプロセス時に調製される、反応中間体を指すために使用される。中間体は典型的には未反応の無水物基を有し、以下のペンダント基の少なくとも1つを欠く:(1)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有するペンダント基、(2)ケイ素含有基を含有するペンダント基、又は(3)第四級アミノ基を含有するペンダント基。しかしながら、高分子材料中間体はこれらの基の少なくとも1つに加え、カルボキシルペンダント基又はその塩を有する。
様々な求核化合物との反応順序はある程度変化させることができるが、順序は多くの場合、各一連の反応生成物(高分子材料中間体又は最終高分子材料)が溶媒系に可溶のままであるように選択する。多くの実施形態において、高分子前駆体はまずポリ(アルキレンオキシド)と、次いでシランと反応し、続いてアルキル化剤で処理される第三級アミンと最終的に反応する。通常は、高分子材料を形成する様々な反応の過程でより多くのカルボキシル基が形成されるにつれて、溶媒の極性は増加する。
通常は高分子前駆体と反応する第1の求核化合物は、単一の求核基を有するポリ(アルキレンオキシド)である。単一の求核基は第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基であり得る。求核基は多くの場合、ポリ(アルキレンオキシド)の第1の末端基であり、及び第2の末端基はアルキル基である。アルキル末端基は、非プロトン性溶媒へのポリ(アルキレンオキシド)の溶解を促進し得る。好適なポリ(アルキレンオキシド)は多くの場合、式(VIII)である。
Figure 2012503703
式(VIII)において、Rは、直鎖又は分枝鎖のアルキレンである。好適なアルキレンR基は多くの場合、2〜6個の炭素原子、2〜5個の炭素原子、又は2〜4個の炭素原子を有する。多くの実施形態において、Rはエチレン、n−プロピレン、イソ−プロピレン、又はこれらの混合物である。R基はアルキルであり、多くの場合、1〜30個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。変数nは1を超える整数である。多くの実施形態において、nは2超、5超、10超、又は20超である。Q基はオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルである。
任意の好適な分子量の式(VIII)のポリ(アルキレンオキシド)を使用することができる。多くの実施形態において、ポリ(アルキレンオキシド)の重量平均分子量は少なくとも200g/モル、少なくとも500g/モル、少なくとも1000g/モル、又は少なくとも2000g/モルである。多くの場合、重量平均分子量は、最大10,000g/モルまで、8000g/モルまで、6000g/モルまで、又は4000g/モルまでであることができる。例えば重量平均分子量は、200〜10,000g/モルの範囲、200〜6000g/モルの範囲、200〜4000g/モルの範囲、500〜4000g/モルの範囲、1000〜4000g/モルの範囲、500〜200g/モルの範囲、又は500〜1000g/モルの範囲であり得る。
多くの場合、式(VIIII)のポリ(アルキレンオキシド)は、ポリ(エチレンオキシド)又はポリ(プロピレンオキシド)であるか、又はポリ(エチレンオキシド)/ポリ(プロピレンオキシド)共重合体である。多くの実施形態において、求核末端基は第一級アミノ基である。第一級アミノ基は、第二級アミノ基又はヒドロキシル基よりも速く無水物基と反応する傾向がある。一部の代表的なポリ(アルキレンオキシド)は、単一の第一級アミノ末端基を有するポリ(エチレンオキシド)である。好適なポリ(アルキレンオキシド)はHuntsman(The Woodlands,TX)から、商標表記JEFFAMINEで市販されている。
単一の求核基を有するポリ(アルキレンオキシド)の、高分子前駆体との反応は、多くの場合、高分子前駆体を溶解させるために使用されるものと同様の非プロトン性溶媒中で実施される。好ましくは、この反応の生成物は非プロトン性溶媒に可溶である。そうでない場合、溶媒組成物は典型的にはリアクタントと生成物(すなわち高分子材料中間体)の両方が可溶であるように調整する。この反応は典型的には室温、又は室温に近い温度で実施する。
多くの場合、ポリ(アルキレンオキシド)は、高分子前駆体の無水物基の合計数の最大25モル%までを反応させるのに十分な量で加える。本明細書で使用するとき、「高分子前駆体中の無水物基の合計数」は、任意の求核化合物と反応させる前の、オリジナルの高分子前駆体中の無水物基の数量を指す。一部の実施形態においては、ポリ(アルキレンオキシド)は、最大で無水物基の合計数の20モル%まで、15モル%まで、又は10モル%までと反応する量で加えられる。典型的には、高分子前駆体中の無水物基の合計数の少なくとも1モル%、少なくとも2モル%、少なくとも3モル%、又は少なくとも5モル%がポリ(アルキレンオキシド)と反応する。例えば、ポリ(アルキレンオキシド)は、高分子前駆体中の無水物基の1〜25モル%、5〜25モル%、5〜20モル%、又は5〜15モル%と反応させるのに十分な量で加えることができる。
順序はある程度変化させることができるが、高分子前駆体又は高分子材料中間体と反応させる第2の求核化合物は、典型的にはシランである。好適なシランは、求核基に加えてケイ素含有基を有する。すなわち好適なシランは、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される第1官能基に加え、ケイ素含有基である第2官能基を有する。ケイ素含有基は通常、式−Si(OR)(Rのアルコキシシリル基である。R基は典型的にはアルキルであり、R基はアルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、アラルキル、又はアルコキシである。Rに好適なアルキル基、並びにRに好適なアルキル基、ペルフルオロアルキル基、及びアルコキシ基は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。Rに好適なアリール基は、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有する。多くの場合、Rに好適なアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリールで置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有する。
高分子前駆体の又は高分子材料中間体の無水物基と反応し得る好適なシラン化合物は、多くの場合、式(IX)である。
Figure 2012503703
式(IX)中、Q基はオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルである。R基とR基は上記の定義と同様である。多くの場合、シランの加水分解速度は、R中の炭素原子の数が減少するにつれて増大する。加水分解速度は、架橋の形成のしやすさと、基材への高分子材料の付着のしやすさに影響を与え得る。L基は、典型的にはアルキレン又はヘテロアルキレン基を含む、第1連結基である。好適なアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。ヘテロアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子及び1〜10個のへテロ原子、1〜10個の炭素原子及び1〜5個のへテロ原子、又は1〜6個の炭素原子及び1〜3個のへテロ原子を有する。好適なヘテロアルキレン基は、へテロ原子としてオキシ基、チオ基、又は−NH−基を含有する。L基は更にアリーレン(例えばフェニレン)、カルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、オキシ、チオ、−NR−、又はこれらの組み合わせから選択される、他の任意選択の基を含むことができる。
一部の実施形態においては、シランは第一級アミノ基(すなわち−QHは−NHである)を有し、Rは1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、各Rは1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有するアルコキシであり、Lは1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンである。
代表的な式(IX)のシランとしては、限定するものではないが、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリプロポキシシラン、アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、アミノプロピルトリブトキシシラン、アミノプロピルジメチルメトキシシラン及びアミノプロピルメチルジエトキシシランが挙げられる。
シランのケイ素含有基(例えば、アルコキシシリル基)は、高分子材料の架橋、又は基材への高分子材料の付着に、又はこれらのどちらにも使用することができる。シリコーン含有ペンダント基の数が少なすぎる場合、基材への付着、耐久性、又はこれらの両方が十分でなくなる場合がある。それに対し、シリコーン含有ペンダント基の数が多すぎる場合、高分子材料は溶媒中でゲルになり得る。すなわち、高分子材料が溶液中で安定でなくなる場合がある。
典型的には、十分なシランを加えて、高分子前駆体中の合計無水物基の最大で30モル%までと反応させる。この量は、任意の求核化合物との反応前の、オリジナルの高分子前駆体上の利用可能な無水物の、合計モル数に基づく。一部の実施形態においては、高分子前駆体の最大で25モル%まで、20モル%まで、15モル%まで、10モル%までの無水物基と反応させるのに十分な量でシランが加えられる。多くの場合、シランの量は、無水物基の少なくとも1モル%、少なくとも2モル%、少なくとも3モル%、又は少なくとも5モル%と反応させるのに十分な量で加える。例えばシランは、オリジナルの高分子前駆体中の無水物基の1〜30モル%、2〜25モル%、3〜20モル%、1〜15モル%、又は1〜10モル%と反応させるのに十分な量で加えることができる。
シランと、高分子前駆体(又は高分子材料中間体)の無水物基との反応は、典型的には室温、又は室温に近い温度で実施する。通常は、高分子前駆体を溶解させるために、又は高分子前駆体とポリ(アルキレンオキシド)を反応させるために使用したものと同様の非プロトン性溶媒中で反応を実施する。シラン、あるいはシランと高分子前駆体又は高分子材料中間体との反応生成物が、非プロトン性溶媒中で可溶でない場合、通常は、可溶性を維持するよう溶媒組成を変更する。例えば、より大きな双極子モーメントを有する他の非プロトン性溶媒を加えることができる。すなわち未反応の無水物基及び反応済みの無水物基(例えば開環済み)の両方を含む高分子材料中間体の、可溶性を維持するために、より極性の高い非プロトン性溶媒を加えることができる。反応済みの無水物基の全てがカルボキシル基又はその塩を有することから、高分子材料中間体はオリジナルの高分子前駆体よりも極性が高い傾向がある。
順序はある程度変化させることができるが、高分子前駆体又は高分子材料中間体と反応する第三級求核化合物は、典型的には第三級アミノ含有化合物である。典型的には第三級アミノ含有化合物は、求核基である第1官能基に加え、第三級アミノ基である第2官能基を有する。求核基は第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される。典型的には第三級アミノ含有基は式−N(Rであり、各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルである。好適なRアルキル基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜16個の炭素原子、1〜12個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有する。典型的には好適なRアリール基は、炭素環式であり、6〜12個の炭素原子を有する。多くの場合、アリール基は更にアルキル基で置換することのできるフェニル基である。好適なRアラルキル基は、フェニルなどの6〜12個の炭素原子を有するアリール基で置換された、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する、アルキル基を有する。多くの実施形態において、式−N(Rの第三級基は、それぞれ1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有するアルキル基を有する、ジアルキルアミノ基である。
第三級アミノ含有化合物は、多くの場合、式(X)である。
Figure 2012503703
式(X)中、QとRは上に定義したものと同一である。L基は、典型的にはアルキレン又はヘテロアルキレンを含む第2連結基である。好適なアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する。好適なヘテロアルキレン基は、多くの場合、1〜20個の炭素原子及び1〜10個のへテロ原子、又は1〜10個の炭素原子及び1〜5個のへテロ原子を有する。好適なヘテロアルキレン基は、へテロ原子としてオキシ基、チオ基、又は−NH−基を含有する。更にL基は、アリーレン、カルボニル、カルボニルオキシ、カルボニルイミノ、オキシ、チオ、−NR−、又はこれらの組み合わせから選択される他の任意選択の基を含むことができる。式(X)の多くの実施形態において、式−N(Rのアミノ基は、各1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有するアルキル基を有する、ジアルキルアミノ基である。
一部の実施形態では、第三級アミノ含有化合物としては、限定するものではないが、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジメチルアミノプロパノール、N,N−ジブチルエタノールアミン、及びN,N−ジエチルアミノエタノール、N,Nジエチルアミノプロピルアミン、N,Nジプロピルアミノエタノール、N,Nジメチルアミノブチルアミンが含まれる。
多くの場合、第三級アミノ含有化合物は、高分子前駆体上にオリジナルに存在している無水物基の最大75モル%までを反応させるのに十分な量で加える。一部の実施形態では、第三級アミノ含有化合物は、高分子前駆体上に存在している無水物基の合計の最大70モル%まで、60モル%まで、50モル%まで、又は40モル%までと反応させるのに十分な量で加える。典型的には、高分子前駆体上に存在する無水物基の合計の少なくとも5モル%、少なくとも10モル%、少なくとも20モル%、少なくとも25モル%、又は少なくとも30モル%が、第三級アミノ含有化合物と反応する。第三級アミノ含有化合物は、多くの場合、高分子前駆体上に存在している無水物基の合計の5〜75モル%、5〜60モル%、10〜60モル%、20〜60モル%、20〜50モル%、30〜50モル%、又は40〜50モル%と反応させるのに十分な量で加えられる。第三級アミノ含有化合物と無水物基との反応は室温又は室温に近い温度で生じる傾向にある。
多くの実施形態において、ポリ(アルキレンオキシド)を高分子前駆体中の無水物基の合計数の1〜25モル%と反応させるのに十分な量で添加することができ、シランを高分子前駆体中の無水物基の合計数の1〜30モル%と反応させるのに十分な量で添加することができ、及び第三級アミンを高分子前駆体中の無水物基の合計数の5〜75モル%と反応させるのに十分な量で添加することができる。一部の実施例については、ポリ(アルキレンオキシド)を高分子前駆体中の無水物基の合計数の5〜20重量%と反応させるのに十分な量で加えることができ、シランを高分子前駆体中の無水物基の合計数の5〜30モル%と反応させるのに十分な量で加えることができ、及び第三級アミンを高分子前駆体中の無水物基の合計数の20〜60モル%と反応させるのに十分な量で加えることができる。他の実施例においては、ポリ(アルキレンオキシド)を高分子前駆体中の無水物基の合計数の10〜20重量%と反応させるのに十分な量で加えることができ、シランを高分子前駆体中の無水物基の合計数の5〜20重量%と反応させるのに十分な量で加えることができ、及び第三級アミンを高分子前駆体中の無水物基の合計数の40〜50モル%と反応させるのに十分な量で加えることができる。典型的には任意の残りの無水物基を、アルコール又は水と反応させる。多くの場合、高分子前駆体中に存在する無水物基の合計数の1〜20モル%、5〜15モル%、又は5〜10モル%は、水、アルコール、又はこれらの両方と反応する。
ポリ(アルキレンオキシド)、シラン、及び第三級アミノ含有化合物の合計量は、通常、オリジナルの高分子前駆体中に存在する無水物基の合計量の95モル%以下、90モル%以下、85モル%以下、又は80モル%以下と反応させるのに十分な量である。過剰量の無水物基は、様々な求核化合物との反応を完了させる助けとなり得る。複数のペンダント基を有する最終高分子材料が、過剰量の未反応の求核化合物により汚染される可能性は低い。加えて、少なくとも一部の無水物基は、任意のリアクタント中に混入物として存在し得る、あるいは反応条件が大気中の水分を排除しない場合には大気由来の、水と反応する可能性がある。
反応混合物中の溶媒の極性は、通常、第三級アミノ含有材料との反応の前に調整する(例えば、増加させる)必要がある。この追加工程がなければ、反応生成物が溶液から沈殿する可能性が高い。高分子材料中間体の溶解性を高めるために、最終高分子材料の溶解性を高めるために、あるいはその両方のために、より極性の高い有機溶媒の添加を用いることができる。任意の好適な極性有機溶媒を使用することができるが、極性有機溶媒は多くの場合、プロトン性溶媒である。例えば極性有機溶媒は、アルコールであるか、又はアルコールを含むプロトン性溶媒の混合物であってよい。例えば極性有機溶媒は、アルコール及び非プロトン性溶媒などのプロトン性溶媒の混合物であり得る。プロトン性溶媒を加える場合、典型的には、無水物基を有する第三級アミノ含有化合物よりも反応性が低くなるようにプロトン性溶媒を選択する。
多くの実施形態において、第三級アミノ含有化合物の添加前に加えられる極性有機溶媒は、アルコールである。一部の実施形態において、好適なアルコールとしては式R−OHが挙げられ、Rはアルキル基である。好適なアルキルアルコールは、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、又は1〜3個の炭素原子を有する。添加するアルコールは、典型的には、無水物基を有する第三級アミノ含有化合物よりも反応性が低くなるように選択する。
無水物基と第三級アミノ含有化合物との反応により形成される第三級アミノ含有ペンダント基を、第四級アミノ含有ペンダント基に転化させることができる。アルキル化剤を第三級アミノ含有ペンダント基と反応させて、第四級アミノ含有ペンダント基を形成させる。典型的には、好適なアルキル化剤はアルキルハライドである。多くの場合、アルキル基は線状であるが、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであってもよい。多くの場合、アルキルハライドは少なくとも6個の炭素原子を有する。一部の実施形態においては、アルキルハライドは少なくとも8個の炭素原子、少なくとも10個の炭素原子、少なくとも12個の炭素原子、又は少なくとも16個の炭素原子を有する。多くの場合、アルキルハライドは最大で30個までの炭素原子、24個までの炭素原子、又は20個までの炭素原子を有する。一部のアルキル化剤は、6〜30個の炭素原子、8〜30個の炭素原子、10〜30個の炭素原子、10〜24個の炭素原子、又は10〜20個の炭素原子を有する、アルキルハライドである。
アルキル化剤は、最大で100モル%の第三級アミノ含有ペンダント基と反応させるのに十分な量で添加することができる。過剰量の未反応のアルキル化剤による、高分子材料の汚染を最小限にするために、アルキル化剤のモル量は多くの場合、第三級アミノ含有ペンダント基の合計モル量よりも幾分少ない。例えばアルキル化剤の量は、第三級アミノ含有ペンダント基の最大で98モル%まで、最大で95モル%まで、最大で90モル%まで、又は最大で85モル%までと反応するよう選択することができる。
第三級アミノ含有ペンダント基とアルキル化剤との反応は、典型的には加圧容器中で、100℃超の温度で実施される。例えば温度は、105℃〜135℃の範囲又は110℃〜130℃の範囲であり得る。多くの場合、少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも12時間、少なくとも16時間、又は少なくとも20時間にわたって反応条件を維持する。
一部の実施形態においては、抗菌特性を有する高分子材料を形成することが望ましく、多くの場合、第四級アミノ含有ペンダント基は式−N(Rであり、式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、Rは10〜20個の炭素原子を有するアルキルである。
ポリ(アルキレンオキシド)、シラン、又は第三級アミノ含有化合物とは反応しない任意の無水物基は、第三級アミノ含有化合物と共に添加される任意のアルコール溶媒又は他のプロトン性有機溶媒と反応しない傾向にある。アルコールと無水物基との反応は式−(CO)−OR(式中、Rはアルキルである)のアルコキシカルボニル含有基を形成する傾向がある。一部の実施形態においては、Rは1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキルである。
様々な求核化合物との反応工程時に加えられた極性溶媒が、アルコールなどのプロトン性溶媒ではない場合、無水物基は全ての求核化合物を加えた後にも残ることがある。すなわち反応させる様々な求核化合物のモル量は、典型的には、高分子前駆体中の無水物基のモル量よりも少なくなるように選択する。多くの場合、これらの無水物基は、カルボキシル基又はその塩の形成するために存在し得る任意の水による加水分解を受ける。一部の条件下では、大気中の水分が、任意の残りの無水物基の加水分解を引き起こすことさえある。加水分解は、式(IVb)に示すような2つの隣接したカルボキシル基を有する基の形成をもたらす。
典型的には、オリジナルの高分子前駆体の全ての無水物基は、ポリ(アルキレンオキシド)、シラン、第三級アミノ含有化合物、アルコール、又は任意の残留水と反応する。すなわち、多数のペンダント基を有する高分子材料は、典型的には、未反応の無水物基は有さない。
一部の実施形態においては、得られる多数のペンダント基を有する高分子材料は、溶液などの組成物の形成時に提供することができる。より詳細には、(a)液体と、(b)液体に溶解させた多数のペンダント基を有する高分子材料と、を含む、組成物を提供することができる。多数のペンダント基は、(1)−COOH基を含有する第1のペンダント基又はその塩と、(2)ポリ(アルキレンオキシド)基を含有する第2のペンダント基と、(3)ケイ素含有基を有する第3のペンダント基と、(4)第四級アミノ基を含有する第4のペンダント基と、を含む。組成物には、多数のペンダント基を有する高分子材料を溶解させることのできる、任意の液体を使用することができる。かかる液体は水、有機溶媒、又はこれらの混合物であり得る。
組成物は、かかる液体に溶解させた多数のペンダント基を有する高分子材料を最大で60重量%含有することができる。一部の溶液は、組成物の総重量に基づいて最大で55重量%までの、50重量%までの、45重量%までの、40重量%までの、35重量%までの、30重量%までの、25重量%までの、又は20重量%までの、多数のペンダント基を有する高分子材料を含有する。組成物は通常、組成物の総重量に基づいて少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%の、多数のペンダント基を有する高分子材料を含む。例えば組成物は、組成物の総重量に基づいて1〜60重量%、1〜50重量%、1〜40重量%、1〜30重量%、1〜20重量%、又は1〜10重量%の、多数のペンダント基を有する高分子材料を含有し得る。
典型的には、組成物中の液体は少なくともいくらかの有機溶媒を含む。有機溶媒は、多くの場合、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコールなどの、プロトン性有機溶媒を含む。アルコールは、多くの場合、式R−OHであり、Rはアルキル基であり、例えば、多数のペンダント基を有する高分子材料を調製するのに使用された反応混合物に加えられるものと、同様のアルコールであることができる。すなわちアルコールは、第三級アミノ含有化合物と無水物基との反応を促進するために加えられるものと同様のアルコールであることができる。多くの実施形態において、アルコールは、1〜4個の炭素原子を有するアルキルアルコールである。
一部の組成物では、液体は主にアルコールである。多数のペンダント基を有する高分子材料の合成に使用される非プロトン性溶媒の沸点が、アルコールの沸点よりも低い場合、非プロトン性溶媒は蒸留などのプロセスを用いることにより除去することができる。他の組成物では、液体はアルコールと非プロトン性溶媒との混合物である。多くの場合、アルコール及び非プロトン性溶媒としては、高分子材料の合成時に使用されるものが挙げられる。非プロトン性溶媒の量に対するアルコールの量の、任意の比を使用することができるが、典型的にはこの比は、高分子材料が混合溶媒に可溶であるように選択される。非プロトン性溶媒とアルコールとの重量比は、多くの場合、50:50〜5:95の範囲である。すなわち多くの場合、溶媒は、組成物中の溶媒の総重量に基づいて、5〜50重量%の非プロトン性溶媒と、50〜95重量%のアルコールを含有する。
他の組成物では、多数のペンダント基を有する高分子材料は、有機溶媒と水との混合物中に溶解させる。多くの場合、有機溶媒はアルコールなどのプロトン性有機溶媒を含む。有機溶媒と水との任意の比を使用することができるが、しかしながら典型的にはこの比は、高分子材料が混合溶媒に可溶であるように選択される。同様にして、典型的にはこの比は、水と有機溶媒が混和性であるように選択される。例えば、多数のペンダント基を有する高分子材料は、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%が水であるような液体に溶解させることができる。多くの場合、水は高分子材料の調製後に加えられ、水よりも低い沸点を有して存在し得る任意の有機溶媒が分離される。
様々な組成物が、アルコール(例えば、式R−OHのアルコール、式中、Rは1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)などの有機溶媒中でより長期間にわたって安定であり得る。本明細書で使用するとき、用語「安定性」は、約2.5〜50重量%の固形分を含有し、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも6か月、又は少なくとも1年にわたって流動性を保持する、組成物を指す。すなわち高分子材料は溶液のままであり、架橋、ゲル形成、又は沈殿などしない。
多数のペンダント基を有する高分子材料はまた、基材上のコーティングの形成時にも提供することができる。コーティング組成物を調製するために、多数のペンダント基を有する高分子材料は典型的には、水、有機溶媒、又はこれらの混合物を含む、液体に溶解させる。溶媒が、高分子材料の極性に適合するよう正確には調整されていない場合、高分子材料は溶液から沈殿し、早期に架橋してしまう恐れがある。高分子材料は、一度架橋が生じると、溶解させてコーティングとして適用するのが困難になる場合がある。
典型的には、多数のペンダント基を有する高分子材料と液体とを含有するコーティング組成物は、基材の表面に適用される。溶液形態にある、上記の任意の組成物を使用して、コーティングを形成することができる。任意の既知の方法を使用して、組成物を基材の表面に適用することができる。多くの実施形態において、印刷、はけ塗り、吹き付け、圧延、塗布、浸し塗り又は同様のものなどの方法を用いることにより、組成物は基材の表面に適用される。
例えば有用な基材としては、非ケイ素系セラミックス材料、ガラス及びケイ素系セラミックス材料などのケイ素系材料、金属、金属酸化物、天然石及び人工石、織布及び不織布、木、並びに熱可塑性ポリマー又は熱硬化性ポリマーのいずれかの高分子材料が挙げられる。代表的な高分子材料としては、限定するものではないがポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体などのポリスチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、シリコーン、及びポリウレタンが挙げられる。
基材の表面への組成物の適用後に、組成物中の溶媒を乾燥又は蒸発により除去する。乾燥は、不活性雰囲気下で又は空気中で、任意の好適な温度で実施することができる。溶媒が除去されるにつれ、高分子材料はケイ素含有ペンダント基により架橋される傾向を有する。架橋する前は、多くの場合、ケイ素含有基は式−Si(OR)(R)2であり、式中、Rはアルキルであり、Rはそれぞれ独立してアルコキシ、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、又はアラルキルである。いくらかの水の存在下では、任意のアルコキシ基がヒドロキシル基へと転化し得る。次に、架橋反応は式−Si(OR)(R)2(式中、Rは水素又はアルキルであり、Rはヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、又はアラルキルである)の2つのケイ素含有基の反応に関与する。すなわちケイ素含有基はアルコキシシリル基又はヒドロキシルシリル基である。
ポリマー−Si(OR)(R+ポリマー−Si(OR)(R→ポリマー−Si(R−O−Si(R−ポリマー
架橋は、同一の又は異なる高分子鎖上のペンダント基間に生じ得る。Rがヒドロキシル又はアルコキシである場合、架橋された高分子材料の−Si(R基は更に架橋され得る。これらの架橋反応は、高分子材料を基材の上にコートした後に生じる傾向がある。コーティングが乾燥するにつれて、ケイ素含有基は互いに接触して、架橋又はシリコーンを形成する確率が増加する。典型的には架橋反応は室温を超える温度で生じる。例えば、架橋(すなわち硬化)温度は多くの場合、少なくとも80℃、少なくとも90℃、又は少なくとも100℃である。硬化温度は多くの場合、酸又は水などのプロトン源の添加により低下し得る。水は、コーティング組成物に又は硬化時に蒸気としてのいずれかで加えることができる。
一部の実施形態においては、基材へのコーティングの付着性を増加させるために、ヒドロキシル基を、又はシリコーン含有ペンダント基若しくは他のペンダント基と反応することのできる他の基を含有するよう、基材の表面が選択される。加水分解性基を有する任意のケイ素含有基が、基材表面上のヒドロキシル基と反応し得る。例えば任意の未反応のアルコキシシリル基又はヒドロキシシリル基が、基材上のヒドロキシル基と潜在的に反応し得る。基材表面上のヒドロキシル基との反応は、基材と、多数のペンダント基を有する高分子材料との間の、共有結合の形成をもたらす。すなわち基材は、ケイ素含有ペンダント基により、多数のペンダント基を有する高分子材料に付着させる。−OR基の反応について以下に示す。
ポリマー−Si(OR)(R+HO−基材→ポリマー−Si(R−O−基材+HOR
ヒドロキシル基を有する基材の表面は、無機材料、有機材料、又はこれら両方の組み合わせであることができる。基材はヒドロキシル基を有する材料の単層であってよく、あるいは基材は、ヒドロキシル基を有する外側表面を有する、複数層を含んでもよい。
高分子材料のケイ素含有基と反応することができるヒドロキシル基を有する、代表的な無機材料としては、ガラス、セラミックス、又は金属酸化物が挙げられる。多くの場合、無機材料はシリカ含有材料である。無機材料は、単独で使用することも、あるいは高分子接着剤と組み合わせることもできる。高分子材料のケイ素含有基と反応させることができる代表的な有機材料は、ポリビニルアルコールなどのヒドロキシル基を有する他のポリマー、ポリウレタン、及びポリ(メタ)アクリレートのヒドロキシル置換されたエステルが挙げられる。
一般的にはヒドロキシル基を有さない高分子材料は、かかる基を生成するために、酸素を含有している雰囲気中でコロナ処理に付すことができる。例えばポリエチレンを酸素の存在下でコロナ処理することで、ヒドロキシル基を生成させることができる。あるいは全フッ素化ポリマーを、アンモニアに溶解させたナトリウムで、又はテトラヒドロフランに若しくは他の必要に応じた溶媒に溶解させたナフテン酸ナトリウムにより、処理することもできる。この処理は表面を脱フッ素し、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を導入する。
一部の実施形態においては、基材は、支持層と、有機マトリックス中に分散させたシリカ含有材料に接触している外側層とを含む、複数層を有する。例えばシリカ含有材料は、高分子接着剤中に分散させたコロイドシリカであり得る。有機接着剤中のシリカ含有材料の分散を促進させるために、カップリング剤を含ませることもできる。典型的にはカップリング剤は、シリカ含有材料と反応し得る1つの官能基と、支持層の付着を高める他の官能基とを有する。例えばシランカップリング剤を用いて、コロイドシリカを高分子接着剤に分散させることができる。1つの具体的な実施例では、カップリング剤は加水分解性基を含むシランであり得、シランはカップリング剤と、コロイドシリカと、支持層の酸性基と相互作用し得る塩基性アミノ基とを、付着させるために使用される。カップリング剤は更に、コロイドシリカに加え、高分子材料のシリコーン含有ペンダント基と反応させるために使用できる、ヒドロキシル基を含むことができる。
シリカ含有材料(任意選択のカップリング剤を有する高分子接着剤中に分散している)を含有する下塗り層を、低い表面エネルギーを有する基材への、コーティングの付着性を高めるために、使用することができる。例えば、多くの場合、多数のペンダント基を有する高分子材料を含有する、コーティング組成物の適用の前に、フッ素化ポリマー又はフッ素化ポリオレフィンの表面をプライマーで処理することで、プライマー層が形成される。多くの場合、プライマー層は、任意選択のカップリング剤を有する高分子接着剤中に、シリカ含有材料を含有する。
多くの場合、基材は、多数のペンダント基を有する高分子材料を含有する組成物を適用する前に洗浄する。洗浄することで、コーティングに先立ち基材の表面から汚染物質を除去することができる。基材の種類に依存する洗浄技術としては、限定するものではないが、アセトン又はエタノールなどの溶媒による洗浄が挙げられる。
多数のペンダント基を有する高分子基を含有するコーティングは、病原菌の付着を遅延させる傾向のある表面を提供するために使用することができる。すなわちコーティングは、防汚性の表面を提供し得る。高分子材料のポリ(アルキレンオキシド)含有ペンダント基は、病原菌に対して低付着性である表面の形成を補助する傾向がある。同様に、ポリ(アルキレンオキシド)含有ペンダント基は、コーティングの潤滑性と水の吸着を高める傾向がある。
ポリ(アルキレンオキシド)ペンダント基は、得られる高分子材料を親水性にする傾向がある。典型的には、より親水性の高い高分子材料は、より疎水性の高い高分子材料と比較して、防汚特性が増す傾向がある。ポリ(アルキレンオキシド)基の数が増加するにつれて、ポリ(アルキレンオキシド)基の長さが増加するにつれて、あるいは第四級アミノ基に対するポリ(アルキレンオキシド)のモル比が増加するにつれて、高分子材料の防汚特性が強化される傾向がある。多くの場合、良好な防汚特性を目的とするポリ(アルキレンオキシド)基の重量平均分子量は、少なくとも500g/モル、又は少なくとも1000g/モルである。
更に、コーティングは、付着する病原菌に対して殺菌性であり得る。高分子材料の第四級アミノ含有ペンダント基は、特に第四級アミノ基が式−N(Rであり、式中、Rが、少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖アルキルなどの、少なくとも6個の炭素原子を有するアルキルである場合に、抗菌性表面を形成するのを補助する傾向がある。多くの場合、Rは6〜30個の炭素原子、10〜20個の炭素原子、12〜20個の炭素原子を有する。一部の第四級アミノ基は、1〜6個の炭素原子、1〜4個の炭素原子、1〜3個の炭素原子、又は1個の炭素原子を有する、Rアルキル基を有し得る。例えば、第四級アミノ基は、1〜3個の炭素原子を有するRアルキル基と、10〜20個の炭素原子を有するRアルキル基を有し得る。当該技術分野において既知の多くの第四級アミノ含有高分子組成物とは異なり、高分子材料から、抽出又は拡散などの機構により抗菌剤が経時的に除去されることはない。すなわち多くの場合、コーティングは時間が経った後にも抗菌性を保持する。
加えてコーティングは、通常は高分子材料のケイ素含有ペンダント基により架橋されることから、耐久性がある傾向がある。コーティングは、共有結合の形成により、基材へと付着し得る。この共有結合は、基材の表面上のヒドロキシル基と、コーティング中の高分子材料のケイ素含有ペンダント基とを反応させることにより形成される。加えて、コーティング中の高分子材料は典型的には架橋されていることから、典型的には高分子材料は、コーティングの表面を洗浄するために使用され得るものなどの、典型的な溶媒に不溶である。
抗菌性の態様と防汚特性とを組み合わせることで、抗菌性(例えば第四級アミンによる)官能基のみでのコーティングと比べ、より長い活性をコーティングに保持させることが可能になり得る。これは、目的とされる表面の化学的性質を隠してしまうであろう、病原菌及び有機分子の付着を遅延させることによる、一部の防汚性コーティングの「セルフクリーニング」能力によるものであり得る。
コーティングは多くの場合透明であり、基材の外観を変化させることなく基材へと適用することができる。すなわち様々な基材の表面を、基材の外観を変化させることなく防汚性、抗菌性、又はその両方にすることができる。
これらの実施例は単にあくまで例示を目的としたものであり、添付した「特許請求の範囲」に限定することを意味するものではない。実施例及び本明細書の残部における全ての部、パーセント、比等は、他に記載がない限り、重量当たりである。用いた溶媒及びその他の試薬は、別段の記載のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(Milwaukee,WI)から入手した。
Figure 2012503703
(実施例1)
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(4g)に溶解させた。JEFFAMINE M−2007(1g)を1,3−ジオキソラン(2g)に溶解させて、GANTREZ AN−119溶液に加えた。得られた溶液は暗赤色であり、これを10分間にわたって撹拌した。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に5分間にわたって撹拌を続けた。メタノール(5g)全量を一度に加え、続いて直ぐにDMAPrA(0.55g)のメタノール(5g)溶液を加えた。この溶液を1時間にわたって撹拌した。次いでC12Br(0.7g)を加えた。このわずかにピンク色がかった反応溶液を耐圧びんに入れ、油浴中で125℃で20時間にわたって加熱した。溶液は温められるにつれ濁った外観になり、次いで色がより暗くなった後に、透明になり始めた(濁りは消えた)。一晩加熱した後には、混合物は青色に変化していた。室温まで冷まし、溶液を更に追加のメタノールにより固形分5重量%に希釈した。このメタノール溶液は1週間以上安定であった。
(実施例2)
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(5g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、GANTREZ AN−119溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(2g)溶液を加えた。この溶液を15分間にわたって撹拌した。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に15分間にわたって撹拌を続けた。次いでDMEA(0.48g)をメタノール(5g)に溶解させた溶液の全量を一度に加えた。混合物を2時間にわたって撹拌し、次いでC12Br(0.7g)を加えた。この混合物を耐圧びんに移し、油浴中で110℃で20時間にわたって加熱した。この混合物は紺青色だった。冷ました後に、混合物はメタノールにより固形分5重量%に希釈した。
(実施例3)
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(4g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、GANTREZ AN−119溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(2g)溶液を加えた。この溶液を10分間にわたって撹拌した。混合物は暗赤色になった。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に5分間にわたって撹拌を続けた。メタノール(5g)全量を一度に加え、続いて直ぐにDBPrA(1g)のメタノール(5g)溶液を加えた。この混合物を1時間にわたって撹拌し、次いでC12Br(0.7g)を加えた。混合物を耐圧びんに移し、油浴中で125℃で20時間にわたって加熱した。約30分間加熱した後には、混合物の色は幾分暗くなり、緑がかった色になった。20時間いっぱいにわたる加熱後に、混合物は紺青色に変化した。混合物はメタノールを添加することにより固形分5重量%に希釈した。
(実施例4)
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(4g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、GANTREZ AN−119溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(2g)溶液を加えた。この溶液を10分間にわたって撹拌した。混合物は暗赤色になった。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に5分間にわたって撹拌を続けた。DBEA(0.95g)のメタノール(5g)溶液の全量を一度に加えた。この混合物を2時間にわたって撹拌し、次いでC12Br(0.7g)を加えた。この混合物を耐圧びんに移し、油浴中で125℃で20時間にわたって加熱した。冷ました後に、反応混合物はメタノールを添加することにより固形分5重量%に希釈した。混合物はわずかに黄色がかっていた。
比較例1
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(4g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、GANTREZ AN−119溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。この溶液を10分間にわたって撹拌した。混合物は暗赤色になった。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に5分間にわたって撹拌を続けた。DMAPrA(0.55g)のメタノール(5g)溶液の全量を一度に加えた。溶液はメタノールを添加することにより固形分5重量%に希釈した。混合物は淡いピンク色であり、この色は経時的に薄くなる。
比較例2
GANTREZ AN−119(1g)を1,3−ジオキソラン(4g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、GANTREZ AN−119溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(2g)溶液を加えた。この溶液を10分間にわたって撹拌した。混合物は暗赤色になった。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に5分間にわたって撹拌を続けた。DMEA(0.48g)のメタノール(5g)溶液の全量を一度に加えた。この混合物をこの濃度で24時間にわたって撹拌し、次いでメタノールを添加することにより固形分5重量%に希釈した。
(実施例5)
イソブチレン/無水マレイン酸共重合体(1g)をDMF(3g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、共重合体溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(2g)溶液を加えた。この溶液を15分間にわたって撹拌した。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に10分間にわたって撹拌を続けた。DMAPrA(0.53g)のメタノール(5g)溶液を加えた。この混合物を15分間にわたって撹拌し、次いでC12Br(0.7g)を加えた。混合物を耐圧びんに移した。混合物を、油浴中で125℃で24時間にわたって撹拌しながら加熱した。混合物を室温に冷まし、次いで追加のメタノール(53g)で希釈して固形分およそ5重量%の溶液を得た。この溶液は淡黄色を有した。
(実施例6)
イソブチレン/無水マレイン酸共重合体(1g)をDMF(3g)に溶解させた。高速撹拌処理にかけながら、共重合体溶液に、JEFFAMINE M−2070(1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。この溶液を15分間にわたって撹拌した。APTES(0.1g)のジオキソラン(1g)溶液を加えた。更に10分間にわたって撹拌を続けた。アミノプロピルイミダゾール(0.65g)のメタノール(5g)溶液を加えた。混合物を15分間にわたって撹拌し、次いでC12Br(0.7g)を加えた。混合物を耐圧びんに移した。混合物を、油浴中で125℃で24時間にわたって撹拌しながら加熱した。混合物を室温に冷まし、次いで追加のメタノールにより希釈して固形分およそ5重量%の溶液を得た。
プライマー層とコーティングの作製
シリカ含有表面を有するポリエステルシートを下塗りすることで、多数のペンダント基を有する高分子材料のコーティングを作製した。多数のペンダント基を有する高分子材料は、架橋することができ、かつシリカ含有表面に対する結合部位として提供することができる、シリコーン含有ペンダント基を有する。
水性コロイドシリカ(NALCO 1030)をカップリング剤で処理することにより、下塗り組成物を調製した。カップリング剤は3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとt−ブチルアミンとの反応により調製した。より詳細には、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(11.5g)をt−ブチルアミン(3.65g)と混合した。この混合物を耐圧びんに入れ、100℃に設定した油浴中に配置して加熱した。24時間にわたる加熱後、混合物を冷却し、メタノールにより固形分20重量%に希釈した。
高速撹拌処理にかけながら、NALCO 1030(30重量%分散体を5g)に、メタノール(2.5g)をゆっくりと加えることにより、下塗り組成物を調製した。この後、高速撹拌しながら、これにカップリング剤溶液(20重量%カップリング剤のメタノール溶液0.4g)を滴加した。混合物を15分間にわたって撹拌し、次いで追加の20重量%カップリング剤溶液0.35gを撹拌を続けたまま加えた。この量で加えたカップリング剤は、シリカ粒子表面のおよそ37.5%を覆った。最終的に、混合物は追加のメタノール(8.25g)により希釈して、カップリング剤で処理したコロイドシリカの固形分がおよそ10重量%の混合物を得た。
商標ScotchParで3M社(Saint Paul,MN)から市販されている、厚さ4ミルのポリエステルシートを下塗りするために、固形分10重量%の混合物を追加のメタノールにより固形分2重量%に希釈した。この希釈混合物を#4のMayer rodでポリエステルシート上にコートし、コーティングをオーブンで110℃で2時間にわたって硬化させた。
下塗りしたポリエステルシートに、#4のMayer rodを用い実施例1〜6及び比較例1〜2で調製した溶液を重ね塗りすることで、コーティングを作製した。コーティングを、強制対流式のオーブンで110℃で20時間にわたって硬化させた。
フィルムサンプルの抗菌活性についての試験
JIS Z2801(日本工業規格−抗菌活性試験)を応用した以下の試験プロトコルを用いて、上記のように作製したコート試料の抗菌特性を評価した。およそ4cm×4cmの正方形の試験材料をイソプロパノール又は70%エタノールで拭き、無菌ペトリ皿に配置した。2つ組複製試験試料に、検証微生物(黄色ブドウ球菌ATCC #6538又は緑膿菌ATCC#9027)を一晩培養して0.2% tryptic soy broth(TSB)(Becton,Dickinson and Co.(Sparks,MD)から入手)に1:5000希釈したものを、それぞれ0.4mL摂種した。次に2cm×2cmの正方形のポリエステルフィルムを接種材料上に配置した。同様に摂種した対照試料(ポリエステルフィルム)を直ちに回収し、これを以下に記載のように摂種レベル1(t=0)として設定した。
次いで試験試料を、37℃で80%以上の相対湿度で、18〜24時間にわたってインキュベートした。インキュベーション後、試料をペトリ皿から取り出し、それぞれを10mLの滅菌済みのDifco Dey Engley中和培養液(NB)(Becton,Dickinson and Co.)に移した。回収後に残存している生細菌の計数に干渉しないように、中和培養液を使用して抗菌性物質を中和させた。NBと試験材料とを含有する試験管を60秒間にわたって超音波浴に配置し、次に、60秒間にわたって混合して細菌を材料からNB中に放出させた。次いでNBをリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈して生菌を数えた。PBSには、KHPO4(0.24g)、NaHPO(1.44g)、NaCl(8g)及びKCl(0.2g)(それぞれPBS 1Lあたり)を含有させ、かつPBSのpHは7.2に調整してあった。溶液をTSB寒天上に蒔いた。24〜48時間にわたって、37℃でプレートをインキュベートし、次にコロニー形成単位(CFU)を計数した。この試験方法の検出限界は、100CFU/試料であると見なされた。抗菌活性についてのJIS Z2801試験の結果が表1に要約される。値はlog減少(対対照群(t=0))を示す。
Figure 2012503703
表1は、ゼロ時間のCFU/試料数を最終CFU/試料数で除算した商のlogを取ることにより算出した。記号「>」は試験試料から検出可能なCFUが回収されなかったことを示す。この計算は試験の検出限界に基づくものである(100CFU/試料)。
殺菌速度をJIS Z2801プロトコルに概説されるものと同様のプロトコルを用いることで試験した。ただし、播種は10、30、40及び90分後に実施した。表2は、実施例1及び5のコーティングのための具体的な時間経過後の、黄色ブドウ球菌のコロニー形成単位(CFU)のlog減少(対対照群(t=0))を示す。
Figure 2012503703
表2中のデータは、ゼロ時間のCFU/試料数を最終CFU/試料数で除算した商のlogを取ることにより算出した。記号「>」は試験試料から検出可能なCFUが回収されなかったことを示す。この計算は試験の検出限界に基づくものである(100CFU/試料)。
バイオフィルム形成に対する耐性
TEX WIPE 304 cloth(ITW Texwipe(South Mahwah,NJ))を用い、直径0.5インチのポリカーボネート試片(Biosurface Technologies(Bozeman,MT))をまずトルエンで洗浄し、続いてエタノール、そして水で洗浄した。上記に記載されており、かつカップリング剤で処理したNALCO 1030を含有する、下塗り組成物を、ポリカーボネート試片の各面に適用した。プライマー組成物(固形分2重量%の分散体10μL)の液滴を試片の各面に配置した。各液滴上でガラス棒を転がすことにより、プライマー組成物を表面上に広げた。プライマーを空気乾燥させ、次いで110℃で2時間にわたって硬化させた。多数のペンダント基を有する高分子材料を含有しているコーティング溶液(様々な実施例で調製されるものなどの5重量%溶液)の試料(10μL)で試片の各面を濡らし、及びこの試料を各面上に広げた。コーティングを空気乾燥させ、次いで110℃で20時間にわたって硬化させた。
CDCバイオフィルムリアクター(Biosurface Technologies)を使用して、バイオフィルム形成に対する、調製済みの、多数のペンダント基を有する高分子材料の耐性能を評価した。この系で、縦一列に並んだ複数の試験基材試料(試片)上のバイオフィルム形成を定量化した。試片を、ホルダー当たりに各コーティングについて3つ組複製でリアクターに実装した。リアクター当たり8個のホルダーが存在した。実験開始前に、16〜24時間にわたってリアクターに水を通過させることにより、組み立てたリアクター中で試料を洗浄した。組み立てたリアクターを次いでオートクレーブ処理(121℃で15分)し、続いて10Lの2重量%滅菌TSB(マイクロ濾過した脱イオン水溶液)を含有している容器からおよそ350mLの増殖培地を充填した。次いで、リアクターに、TSB中の表皮ブドウ球菌ATCC #35984の一晩培養物5mLの内、0.4mLを摂種した。リアクターの培養物を、容器から増殖培地を流し込むことなく、撹拌しながら(130RPM)24時間インキュベートし、細胞を付着及び増殖させた。容器からの新鮮な増殖培地を、次いで、約400mL/時間の速度で、更に24時間リアクターを通過させ、また撹拌しながら(130RPM)バイオフィルムの増殖を促進した。インキュベーションは全て37℃で行った。
インキュベーション後に、ガラス棒と、無傷の試片試料と、付着したバイオフィルムとをCDCリアクターから取り出した。木製の適用棒で掻き取ることにより、バイオフィルムを試片の試験表面から手作業で取り外し、適用棒を滅菌PBSですすいだ。可視のバイオフィルムが残らなくなるまで、各試片の各面について、このプロセスを繰り返した。バイオフィルム培養物由来の細胞を、Branson Digital Sonifier 250(出力40%、10秒パルス)(Branson Ultrasonics Corp.(Danbury,CT))により分散させ、分散した細胞を希釈し、TSB寒天上に配置した。37℃で48時間にわたってインキュベートした後、コロニーを計数した。
表3は、材料実施例1及び2で処理した表面上に表皮ブドウ球菌により形成されたバイオフィルムの量を、未処理のポリカーボネート試片対照を上記のようにCDCリアクタープロトコルを用いて測定したものと比較して示す。日和見性の病原体である表皮ブドウ球菌は、留置型医療機器に頻出する生着菌である。
Figure 2012503703

Claims (18)

  1. −COOH基を含む第1のペンダント基又はその塩と、
    ポリ(アルキレンオキシド)基を含む第2のペンダント基と、
    ケイ素含有基を含む第3のペンダント基と、
    第四級アミノ基を含む第4のペンダント基と、を含む、
    複数のペンダント基を有する高分子材料。
  2. 前記第2のペンダント基が式−(CO)−Q−(RO)であり、
    式中、Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    は独立してアルキレンであり、
    はアルキルであり、
    nは1を超える整数である、請求項1に記載の高分子材料。
  3. 前記第3のペンダント基が式−(CO)−Q−L−Si(OR)(Rであり、
    式中、Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第1連結基であり、
    は独立して水素、又はアルキルであるか、又はシリコーンの一部であり、
    各Rは独立してヒドロキシル、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、アラルキル、又はアルコキシであり、又はシリコーンの一部である、
    請求項1に記載の高分子材料。
  4. 前記第4のペンダント基が式−(CO)−Q−L−[N(R(R)]である場合、
    式中、Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第1連結基であり、
    各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルであり、
    はアルキルであり、
    はアニオンである、請求項1に記載の高分子材料。
  5. が1〜3個の炭素原子を有するアルキルであり、Rが10〜20個の炭素原子を有するアルキルである、請求項4に記載の高分子材料。
  6. 高分子材料であって、
    (a)少なくとも1つの、二価の式(I)のユニット又はその塩と、
    Figure 2012503703
    (b)少なくとも1つの、二価の式(II)のユニット又はその塩と、
    Figure 2012503703
    (c)少なくとも1つの、二価の式(III)のユニット又はその塩と、を含み、
    Figure 2012503703
    式中、
    各Dは独立して水素又はアルキルであり、
    各Qは独立してオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    各Rは独立してアルキレンであり、
    各Rはアルキルであり、
    は水素、又はアルキルであり、又はシリコーンの一部であり、
    各Rは独立してヒドロキシル、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、アラルキル、又はアルコキシであり、又はシリコーンの一部であり、
    各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルであり、
    はアルキルであり、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第1連結基であり、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第2連結基であり、
    nは1を超える整数であり、
    はアニオンである、高分子材料。
  7. 前記高分子材料が更に、
    (d)少なくとも1つの、二価の式(IVa)、式(IVb)の基、又はこれらの塩を含み、
    Figure 2012503703
    式中、
    各Rはアルキルである、請求項6に記載の高分子材料。
  8. が1〜10個の炭素原子を有するアルキルである、請求項7に記載の高分子材料。
  9. 高分子材料の調製方法であって、
    複数の無水物基を有する高分子前駆体共重合体を含む溶液を提供することと、
    少なくとも1つの前記無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される単一の求核基を有するポリ(アルキレンオキシド)と反応させることにより、ポリ(アルキレンオキシド)含有ペンダント基を形成させることと、
    少なくとも1つの前記無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される第1官能基と、ケイ素含有基である第2官能基と、を有する、シランと反応させることにより、ケイ素含有ペンダント基を形成させることと、
    少なくとも1つの前記無水物基を、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又はヒドロキシル基から選択される第1官能基と、第三級アミノ基である第2官能基と、を有する、アミンと反応させることにより、第三級アミノ含有ペンダント基を形成させることと、
    前記第三級アミノ含有ペンダント基をアルキル化剤でアルキル化して第四級アミノ含有ペンダント基を形成させることと、を含む、方法。
  10. 少なくとも1つの前記無水物基をアルコールと反応させることにより、アルコキシカルボニル含有ペンダント基を形成させることを更に含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記アルコールが1〜6個の炭素原子を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記高分子材料を基材上にコーティングしてコーティング層を形成することを更に含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記ポリ(アルキレンオキシド)含有ペンダント基が式−(CO)−Q−(RO)であり、
    式中、Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    は独立してアルキレンであり、
    はアルキルであり、
    nは1を超える整数である、請求項9に記載の方法。
  14. 前記ケイ素含有ペンダント基が式−(CO)−Q−L−Si(OR)(Rであり、
    式中、Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第1連結基であり、
    は独立して水素、又はアルキルであるか、又はシリコーンの一部であり、
    各Rは独立してヒドロキシル、アルキル、ペルフルオロアルキル、アリール、アラルキル、又はアルコキシであり、又はシリコーンの一部である、請求項9に記載の方法。
  15. 前記第四級アミノ含有ペンダント基が式−(CO)−Q−L−[N(R(R)]であり、
    式中、
    Qはオキシ又は−NR−であり、Rは水素、アルキル、アリール、又はアラルキルから選択され、
    はアルキレン又はヘテロアルキレンを含む、第1連結基であり、
    各Rは独立してアルキル、アリール、又はアラルキルであり、
    はアルキルであり、
    はアニオンである、請求項9に記載の方法。
  16. 物品であって、
    基材と、
    前記基材に隣接したコーティングであって、前記コーティングが複数のペンダント基を有する高分子材料を含み、
    前記複数のペンダント基が、
    −COOH基を含む第1のペンダント基又はその塩と、
    ポリ(アルキレンオキシド)基を含む第2のペンダント基と、
    ケイ素含有基を含む第3のペンダント基と、
    第四級アミノ基を含む第4のペンダント基と、を含む、コーティングと、を含む、物品。
  17. 基材を提供することと、及び
    前記基材の表面にコーティングを適用することを含む抗菌性表面、防汚性表面、又はその両方である表面の調製方法であって、前記コーティングが複数のペンダント基を有する高分子材料を含み、前記複数のペンダント基が、
    −COOH基を含む第1のペンダント基又はその塩と、
    ポリ(アルキレンオキシド)基を含む第2のペンダント基と、
    ケイ素含有基を含む第3のペンダント基と、
    第四級アミノ基を含む第4のペンダント基と、を含む、表面の調製方法。
  18. 水、有機溶媒、又はこれらの混合物を含む、液体と、
    前記液体に溶解した高分子材料を含む組成物であって、前記高分子材料が複数のペンダント基を有し、前記複数のペンダント基が、
    −COOH基を含む第1のペンダント基又はその塩と、
    ポリ(アルキレンオキシド)基を含む第2のペンダント基と、
    ケイ素含有基を含む第3のペンダント基と、
    第四級アミノ基を含む第4のペンダント基を含む、組成物。
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